令和7年9月8日 午前10時00分 開 議
高 橋 鉄 夫 議長 東 海 林 克 彦 副議長
◎出席議員(18名)
1番 森 谷 俊 議員 2番 深 瀬 明 理 議員
3番 工 藤 み ど り 議員 4番 清 野 康 隆 議員
5番 山 本 和 生 議員 6番 福 永 邦 幸 議員
7番 滝 口 公 一 議員 8番 元 木 十 四 男 議員
9番 三 宅 一 人 議員 10番 植 松 宏 議員
11番 片 桐 勝 寿 議員 12番 河 村 豊 議員
13番 原 田 利 光 議員 14番 髙 橋 光 男 議員
15番 細 矢 俊 博 議員 16番 佐 藤 直 議員
17番 東 海 林 克 彦 議員 18番 高 橋 鉄 夫 議員
◎欠席議員(なし)
◎説明のため出席した者の職氏名
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土 田 正 剛
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市 長
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田 中 敦
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教 育 長
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松 田 智 志
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選挙管理委員会
委 員 長
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古 谷 利 明
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代表監査委員
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菅 原 繁 治
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農業委員会会長
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鈴 木 敬 一
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副 市 長
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岡 田 光 弘
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総 務 部 長
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井 澤 志都香
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市民生活部長
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安 達 好 浩
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健康福祉部長
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青 柳 昇
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経 済 部 長
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東海林 浩 司
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建 設 部 長
兼上下水道部長
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佐 藤 明 彦
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会計管理者
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矢 萩 宏
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消 防 長
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間木野 教 子
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教 育 次 長
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鈴 木 豪
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総合政策課長
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本 間 和 史
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庶 務 課 長
併選挙管理委員会
事 務 局 長
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安 達 初 江
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財 政 課 長
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奥 田 文 子
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監 査 委 員
事 務 局 長
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伊 藤 亨
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農 業 委 員 会
事 務 局 長
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◎事務局職員出席者職氏名
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安 達 利 也
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事 務 局 長
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高 橋 真伊子
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事務局長補佐
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鈴 木 雄 太
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議事係長
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紅 谷 雅 美
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主 任
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田 村 亮 祐
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副 主 任
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斎 藤 直 子
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兼 務 書 記
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辻 村 充
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兼 務 書 記
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◎議 事 日 程
議事日程第2号
令和7年9月8日(月) 午前10時 開 議
日程第 1 市政一般に対する質問
1 5番 山 本 和 生
2 8番 元 木 十四男
3 10番 植 松 宏
4 3番 工 藤 みどり
5 12番 河 村 豊
(散 会)
◎本日の会議に付した事件
議事日程第2号に同じ。
令和7年東根市議会第3回定例会一般質問発言通告書
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番 号
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質 問 者
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質 問 事 項
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質 問 要 旨
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答 弁 者
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1
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山本 和生
議 員
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1.納税意識の向上と税収の確保策について
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1.物価高、円安、エネルギー燃料の高騰など、市民生活に多くの経済不安がある。先日の参院選でも各種の税に関する経済対策が争点であった。市民は国や自治体での税金の使途について意識が高くなっている。市の歳入のうち、市民の納める市税は財政の根幹である。
そこで、市民の納税意識を高めるためにどのような取組を行っているのか、また、様々な理由により税を滞納してしまう場合もあるが、そのような場合への対策(税収の確保策)はどのようにしているのか、次の点について伺う。
(1)公平平等な税負担の意識醸成や周知について
(2)市民に寄り添う相談体制や取組について
(3)税収確保(未納対策)の取組について
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市 長
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2
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元木十四男
議 員
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1.持続可能な本市農業のあり方について
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1.米の増産について
政府は8月5日、米不足や米の価格高騰は「家庭の消費量やインバウンド需要の観点が欠けていたことなどから、生産量が足りていると判断を見誤ったため」 だとし、これまでの農業政策を一転し、米の増産へと舵を切った。これまで政府は生産調整を行ってきたため、事実上の減反政策の見直しは農政の歴史的転換となる。農水省の調査を見れば、2023年に生産された米は、当初681万tの需要を見込んでいたが、実際には705万tと24万t上振れし、2024年は673万tという需要見通しが711万tと38万t上回り、米不足が生じている。
そこで、以下の2点について伺う。
(1)本市の2025年産、米増産については目安を18ha増加するとのことだが、現状はどうか。
(2)国は米価高騰を抑えるために、緊急に備蓄米を放出したが、その影響はどうか。
2.水田の利活用について
若い担い手である新規就農者が、今年新たな取組としてWCSとして刈り取った田んぼにソバを植え、二毛作に挑戦している。モチベーションを上げ、さらに営農意欲を持ってもらえるような本市としての支援はどうか。
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市 長
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3
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植松 宏
議 員
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1.生活保護世帯へのエアコン購入費、修理費の支給について
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1.近年、日本全国で災害ともいえる猛暑により熱中症の被害が起きている。熱中症で緊急搬送された人の57%が65歳以上の高齢者であり、発生場所も住居が4割近くを占めている。
この連日の酷暑が毎年の常態化した現在においては、エアコンは決してぜいたく品ではなく、最低生活維持のためには必要不可欠だと考えられる。
しかし、生活保護世帯へのエアコン購入、修理費の支給については一部条件があると聞いているが、その内容について伺う。
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市 長
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2.今年の猛暑が本市の農作物に与えている影響について
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1.県内においても年を追うごとに地球温暖化を実感する状況で、本市では今年も6月以降まとまった降雨は数えるほどしかない状況である。県内でも農作物への影響がニュースになるが、現時点での本市の農業への影響と対策について伺う。
(1)今年の猛暑が本市の農作物に与える影響について伺う。
(2)水稲への用水不足対応として本市としての対応策は。
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市 長
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4
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工藤みどり
議 員
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1.子育て環境の充実と誰もが働きやすい環境づくりについて
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1.日本の少子化は深刻化しており、令和6年の出生数は初めて70万人を下回った。また、合計特殊出生率も過去最低を更新している。国は「こども未来戦略」に基づき、児童手当の拡充や妊婦支援などを進めているものの、本市にも人口減少の波は迫っている。持続可能なまちづくりのためには、特に若い世代や子育て世代が安心して働き、子育てできる環境整備が不可欠であると考える。
そこで、次の点について伺う。
(1)本市の第5次総合計画では、「子育て環境の充実」が掲げられている。計画開始から令和7年度でちょうど中間点を迎えているが、これまでの取組や成果をどのように評価しているのかについて伺う。
また、昨年度策定された「第三期子ども・子育て支援事業計画」を踏まえ、今後どのように子育て支援を進めていくのかについて伺う。
(2)誰もが出産や育児、介護などを経ても、再就職やキャリアを続け、自分らしく働ける環境整備が大切であるが、現状では、一度仕事を離れた方が再就職の際に条件や働き方に不安を抱える例も多く見られる。
そこで、本市における再就職支援について、これまでの取組や成果について伺う。
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市 長
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5
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河村 豊
議 員
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1.財政運営と行政サービスの維持について
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1.令和7年度以降の中期的な財政見通しと課題認識はどうか。
2.財源が限られる中で、行政サービスを維持・向上させるための重点施策はなにか。
3.ICT化・事務効率化の具体的取組と歳出削減や業務効率化の効果は。
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市 長
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2.人口減少と定住促進について
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1.人口動態の現状認識と将来見通しは。
2.移住・定住促進策で、特に重視する分野はなにか。
3.地域コミュニティ維持と関係人口・交流人口の拡大、農産物や観光資源の活用は。
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市 長
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3.インフラや公共交通の将来像について
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1.公共施設・インフラの更新方針の優先順位をどのように判断するか。
2.高齢化や人口減少を見据え、持続可能な公共交通ネットワーク構築の方針は。
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市 長
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◎開 議
○高橋鉄夫議長 皆さん、おはようございます。
本日の会議に、欠席及び遅刻の届出はありません。したがいまして、出席議員の数は18名で、定足数に達しておりますので、これから、本日の会議を開きます。
本日の会議は、議事日程第2号によって進めます。
◎市政一般に対する質問
○高橋鉄夫議長 日程第1 市政一般に対する質問を行います。
質問は、通告順としますが、発言順番を迎えたときに議場にいない場合は、発言権の放棄とみなしますので、そのようにご了承願います。
◎山本和生議員質問
○高橋鉄夫議長 はじめに、5番山本和生議員。
〔5番 山本和生議員 登壇〕
○5番(山本和生議員) 皆様、おはようございます。5番山本和生です。
議長の許可を得ましたので、これから一般質問を始めます。本日は、納税意識の向上と税収の確保策についてであります。
現在、市民生活においては、物価高、円安、エネルギー燃料の高騰など、様々な経済不安があります。先日の参議院選挙でも経済対策が争点でありました。消費税の減税、ガソリン暫定税率などが議論されました。また、最近でも毎日、トランプ関税のニュースが続いております。
また、昨年は定額減税が実施され、住民税、所得税合わせて1人4万円の減税が行われ、現在、その不足分の給付が行われているなど、税に関する話題が尽きません。
住民は、国や自治体での税金の使途について意識が高くなっています。自治体には、市民税、固定資産税、軽自動車税、たばこ税、都市計画税など市民が納める各種の税があります。住民が確実に納税することによって、様々な行政サービスが享受できるという関係にあります。
自治体にとって、税収は歳入の確保の根幹であります。身近な行政サービスを安定的に提供するための財政基盤となるものです。
本市の令和6年度の一般会計決算が発表されました。決算額、税収額の推移を見てみますと、令和4年度においては、一般会計歳入が約258億円、税収約71億円、令和5年度歳入256億円、税収72億円、そして6年度の歳入が約290億円、税収約70億円と、市の一般会計歳入の約4分の1が市民や企業の納める市税であります。
そして、本市の市民税、固定資産税について見ますと、現年度の納税率が99.6%と非常に高くなっており、住民の納税意識の高さが分かります。また、税務課職員の熱意と努力の結果と敬意を表します。
納税については、市民に公平な負担が求められていますし、そのためにも、住民が納付しやすい環境整備が重要であります。
ただ、様々な事情による滞納による未収額も毎年発表されています。期限までに納付のない方への対応など、適切な収納業務に日夜精励されている税務課職員の皆様には、重ねて敬意を表します。
国では、公平・中立・簡素という税の3原則を掲げています。税は社会の会費、公的サービスの費用を賄うため、皆から納めていただく税を財源とすることで、その費用を公平に分かち合うという意義を示しています。
また、収納事務の効率化、納税者の納税環境の向上が図られるように各種規制を緩和し、各自治体は住民が納付しやすいキャッシュレス納付などの推進をしております。
先日、私の下にも市県民税の納付通知書が届き、令和6年度と比較してかなり高くなっており、びっくりしました。所得が増えたこと、令和6年度に実施された定額減税がなくなったことで、税額も増えたようでありました。税額を見て納付に不安を覚える市民はほかにもいるのではないでしょうか。
そこで、市民の納税意識を高めるため、本市ではどのような取組を行っているのか。また、様々な理由により税を滞納してしまう場合もありますが、そのような場合への対策、税収の確保策はどのようにしているのか。次の点について伺います。
(1)公平平等な税負担の意識醸成や周知について。
(2)市民に寄り添う相談体制や取組について。
(3)税収確保(未納対策)の取組について。
以上を申し上げ、私の壇上からの質問といたします。
○高橋鉄夫議長 5番山本和生議員の質問に対し、答弁を求めます。
土田市長。
〔土田正剛市長 登壇〕
○土田正剛市長 おはようございます。
山本和生議員の納税意識の向上と税収の確保策についてのご質問にお答えをいたします。
はじめに、公平平等な税負担の意識醸成や周知についてでありますが、税は公平公正な賦課徴収が原則であり、市民サービスに直結する重要な制度であります。その周知方法は、市報やホームページへの掲載、窓口での問合せ、申告相談の際の説明などであります。
また、子どもの頃から税の制度に対する理解を高める取組として、税務署や関係団体と協力し、毎年、市内の小学校で租税教室を開催しているところであります。
今後とも分かりやすい周知に心がけ、納税への理解と意識醸成を図ってまいります。
次に、市民に寄り添う相談体制や取組についてでありますが、特に未納者に対しては、相談体制の充実と信頼関係の構築を優先に取り組んでおります。
納期限を迎えた段階で早期に未納状況を把握し、電話、訪問など早期のアプローチを徹底し相談体制を充実させているところであります。
また、納付しやすい仕組みづくりも重要となります。税の納付については、これまで主に現金納付か口座振替、または本市が早くから取り組んできたコンビニ収納などがありますが、さらにスマートフォン決済アプリやクレジットカードなどによるキャッシュレス決済納付にも対応できるよう取り組んでおります。
これにより、納税者はいつでもどこでも自分のスマートフォンなどから納付することができるなど、納付環境の整備を図っているところであります。
次に、税収確保の取組についてでありますが、早期の未納の把握と未納者への相談体制の充実が第一ではありますが、納付能力があるにもかかわらず、未納が続く方などに対しては、やむを得ず差押えなどの滞納処分を行うこともあります。
滞納処分は、主に給与、預貯金の差押えや、差し押さえた財産の公売などがあります。なお、昨年度に引き続き今年度も差押え不動産の公売を行い、税収の確保に努めたところであります。
また、本市では、市税等収納対策本部を設置し、毎年、収納状況を庁内全体で共有した上で財源の確保を図る取組を行っており、県内13市の中でも高い収納率を保っております。
さらに、昨年度からは市公式LINEで各納期のお知らせを配信しており、納め忘れなどがないよう期限内納付の勧奨に努めているところであります。
未納対策は公平性確保のため、滞納処分を行うこともありますが、まずは市民の皆様のご理解と納税意識の向上を図り、安定した財源確保につなげてまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○高橋鉄夫議長 5番山本和生議員。
○5番(山本和生議員) 答弁承知いたしました。
市長からは、公平平等な税負担の意識醸成、未納のない期限内納付、公平な徴収が原則との答弁がありました。
期限内納付が前提の納税制度ですが、昨年までは期限内納付のない人に70円の督促料のついた督促状が届いていました。本年4月1日、条例改正により督促料が廃止されました。制度上の理由ということで、詳細については、昨年12月の定例会で質疑されております。
それでは、その後についてでありますが、今年度より市税条例が改正され督促手数料がなくなりましたが、どのような影響が出ているのか伺います。
○高橋鉄夫議長 岡田総務部長。
○岡田光弘総務部長 お答えいたします。
4月以降の賦課分から督促手数料はいただかないことになりましたけれども、この5か月間ほどで特段の影響は出ていない状況であります。よろしくお願いします。
○高橋鉄夫議長 5番山本和生議員。
○5番(山本和生議員) 承知いたしました。
5か月間ではありますが、ほとんど影響が出ていないということで、市民の意識の高さがうかがえます。
これまでは督促料に関する問合せの電話対応や督促料の徴収のために、それ以上のコストをかけていたとのことです。
今後は督促料の事務をその業務量をほかの徴収業務に充てることにより、事務の効率化と徴収率の向上を目指せるということです。このことから、県内の他市町村においても、督促料廃止の増加の傾向があるようです。
市民の皆様には、督促状が届かないよう早めに期限内納付に努めていただくよう願いたいと思います。
次に、市の主財源である市税の収入を確保し、新たな滞納をさせないためには、納税環境の整備が不可欠、納付しやすい仕組みづくりが重要との市長答弁がありました。
本市の住民税における特別徴収と普通徴収の割合を見てみますと、給与や年金から差し引く方式の特別徴収が2万2,000人で88.4%。自営業者や農業などの個人事業主、フリーランスなど納税者自身で納める方式の普通徴収が3,000人で11.6%。固定資産税や軽自動車税なども納税者自身で納める方式となります。
本市では滞納なく納められるようにと、また、時代の変化に合わせて利便性を考え、キャッシュレス納付の方式や選択肢を増やしているとのことですが、どのような方法があり、どのようにどれほど利用されているのか伺います。
○高橋鉄夫議長 岡田総務部長。
○岡田光弘総務部長 お答えいたします。
キャッシュレス納付には様々な方法がございますが、まず1つ目に、従前から本市が導入しておりますのが納付忘れのない口座振替がございます。こちらは、令和6年度では約44%の割合で利用いただいております。
そのほか、比較的新しい方法ですが、スマートフォンアプリからの何々Payとか何々払いといった方法や、クレジットカード決済、インターネットバンキング決済など、QRコードを読み取ることなどで納付するeLTAX納付、こちらが約11%となっております。口座振替と合わせますと半数ほどの割合でキャッシュレス納付が利用いただいているところであります。よろしくお願いいたします。
○高橋鉄夫議長 会議の途中ですが、ここで暫時休憩します。
午前10時17分 休 憩
午前10時18分 開 議
○高橋鉄夫議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
5番山本和生議員。
○5番(山本和生議員) 部長答弁承知いたしました。
忙しい、時間がない、面倒だなどの声に応えられるよう、市では納付手段の多様化を図っています。
市民の理解と協力や税務課職員の皆様の努力により、本市の収納率は現年度分で、ここ数年は99.6%前後と非常に高くなっています。市民の実情を踏まえたきめ細かな対応が、多くの市民の理解に結びついていることだと思います。
口座振替は、県内の主な金融機関で利用でき、eLTAXを利用したインターネットバンキングからの納税では、どの金融機関からも振込可能であったり、スマートフォンアプリやクレジットカードでも振込可能とのことで、多くの市民に納付しやすい方法を提供していることから、未納の削減につながり、さらなる収納率のアップにつながることを期待します。
国も納税環境の改善に力を入れ、様々な制約を緩和し、キャッシュレス納付の環境整備を推進しており、令和7年度までに4割の利用を目標としているとのことですが、部長答弁にあったように、本市は約半数が既に利用しているとのことであります。
様々な納付方法があることにより、利便性が高まり、いつでもどこでも自分のスマホやパソコンから納税できることで、今後もますますキャッシュレス納付が増えると思われます。
キャッシュレス納付など多様化した納付方法についてでありますが、手数料や使用料などを市が負担していると思われるが、どれほどの額なのか伺いたいと思います。便利なことの反面、経費はいくらぐらいかかっているのか気になるところであります。
○高橋鉄夫議長 岡田総務部長。
○岡田光弘総務部長 お答えいたします。
令和6年度の例を申し上げますと、現金納付と口座振替以外のバーコード決済やeLTAX納付を合わせますと約53万円となっております。利用する決済方法によりまして、手数料の高い低いがございますけれども、納税者のご希望や状況に合った納付方法を説明、周知させていただいております。よろしくお願いいたします。
○高橋鉄夫議長 5番山本和生議員。
○5番(山本和生議員) 部長答弁承知いたしました。
社会環境の変化に対応した納付環境改善の取組による、それに係る経費が年間で約53万円という数字は、税収総額に照らしても過大とは言えないと思います。今後も安定した税収確保を目指して、納税者の利便性に重点を置いた納税環境の整備を図ってほしいと思います。
期限内納付が前提の納税でありますが、未納・滞納があるのも事実であります。うっかり忘れなど、様々な事情により納付が遅れてしまうなど、納税は市民の義務であるにもかかわらず、かなりの額が毎年発生しております。
滞納を放置すれば、税負担の公平の観点からも問題であり、どこの自治体でも、いかに収入未済額を減らすかが重要であると収納対策に力を入れています。
決算書によりますと、収入未済額は、収納整理期間までに納入されずに次年度に引き継がれる額でありますが、令和4年度に約3億8,000万円、5年度、約3億1,700万円、そして6年度が約2億9,000万円と、この3年間では僅かに減ってはいますが、平均3億円という数字でかなりの額で推移しております。100%徴収できれば税収が増え、財政に大きな影響を与え、市民サービスの充実に活用できるなど、市税は貴重な自主財源であります。
それだけに、滞納繰越分の収入未済額圧縮が徴税率のアップにつながります。収入未済額の圧縮と市民に寄り添った納税者対応という課題について、ぜひ税務課の皆様にはバランスの取れた取組を行うことを期待します。
そのためにも、私たち市民が身近で便利な納付方法を利用し、期限内納付の徹底を再確認することが、まずは一番大事だと思われます。
次に、6月の市報に市内の差押え不動産物件の公売の記事が載ってありました。どのような経緯でどのような事情がなど、いろいろ思いを巡らせると複雑な気持ちになります。
決算書には、市税の不納欠損額が報告されています。6年度は234万円、5年度は約6,000万円、これは以前の倒産による大型の案件が含まれているようです。4年度は約541万円でありました。
意識醸成、広報周知の徹底、税務課職員の日々の努力にもかなわず、会計上の欠損として処理される不納欠損額であります。税収確保のための滞納処分には様々な方法、技術があると思いますが、職員のスキル向上のためにどのような取組を行っているのか伺います。
○高橋鉄夫議長 岡田総務部長。
○岡田光弘総務部長 お答えいたします。
市長答弁で申し上げましたとおり、滞納処分には主に給与や預貯金の差押え、差押え財産の公売などがございますが、そのほかにも差押え可能な財産、債権等は様々ございます。
滞納者に給与や預貯金などがない場合ですと、そのほかに滞納処分可能な資力の有無を調査いたしまして、差押え方法を検討する場合がございます。
その際、あまり事例のない財産が確認されることもありますので、このような場合にも対応できるよう研修会や事例検討会などに機会を捉えて積極的に参加しまして、常に職員の知識と技術の更新・向上を図っているところであります。
その結果としまして、昨年度と今年度は不動産の公売を実施したほか、携帯電話会社への調査で預貯金差押えに結びつけるといった取組なども行っているところであります。よろしくお願いいたします。
○高橋鉄夫議長 5番山本和生議員。
○5番(山本和生議員) 答弁承知いたしました。
若い職員や女性職員も多く在籍する税務課でありますが、時には厳しく、時に寄り添った細やかな対応で、厳しい案件にも対処されていることに敬意を表します。
決算書にあるように、6年度は収入未済額約2億9,000万円あり、不納欠損額が約234万円あったという数字を見ますと、これでやむなしとは言えないと思います。ただ、東根市は令和6年度現年分収納率で県内13市中第2位になるなど、税務課職員による取組も、先ほどの研修による知識と技術の向上と併せて、頑張っているものと見受けられます。
税負担の公平性の観点からも、さらに滞納額を減らせるよう取組をお願いいたします。
次に、本市も高齢化が加速しています。地域包括センターの最新の数字を見ますと、高齢化率28.5%、一人暮らし高齢者世帯1,892世帯、高齢者夫婦のみの世帯が1,761世帯、どの数字も年々増加しているということであります。
そして、さらに懸念されるのが、認知症の問題であります。このように、一人暮らしの老人世帯が増えていますが、死亡後の相続や親族がはっきりしないなどの話をよく耳にします。こういった相続問題などによる税収への影響はないのか伺います。
○高橋鉄夫議長 岡田総務部長。
○岡田光弘総務部長 お答えいたします。
納税義務者がお亡くなりになった後でも住民税や国民健康保険税などは、その年度の支払いが生じる場合がございます。また、資産に関する固定資産税や軽自動車税などにつきましては、その資産が存在する限り税の支払いが生じることになります。
この場合の納税につきましては、相続人に義務が生じることになりますけれども、相続人がいらっしゃる場合でも相続放棄の手続などにより相続人不存在につながるケースも見られております。
こういった相続人不存在のケースが現時点では特に顕著になっているということではありませんが、増加傾向にはございますので、今後引き続き注視していく必要があると考えております。よろしくお願いいたします。
○高橋鉄夫議長 5番山本和生議員。
○5番(山本和生議員) 答弁承知いたしました。
亡くなった方の未納の税金は、その相続人が納めるべきものと思われておりました。相続放棄という新しい形態が出てきて、本人はいるのに相続人の不存在というケースも出てきているという真に難しい時代になってきたと思われます。家族関係や家族の考え方が変わってきていることを実感します。
税務課職員の皆様には、様々な事案に厳格に対処をされ、職務に精励されることを期待します。
最後になりますが、市民一人一人が納税意識を高く持ち、期限内納付に努め、安定した財源確保に協力していくことが、豊かで安心な生活に結びつくことを、いま一度自覚していただきたいと思います。
市長からは、子どもの頃から税に対する理解を深めるための租税教室も、本市では長く続いているとのことでした。毎年発表される小・中学生の税に関する作文も、税の認識を高め、未来の納税者として育てるすばらしい教育だと思います。
税の徴収については、情報を共有し、全庁的に取り組んでいるとのことです。今後とも、税務課職員の皆様には大変な職務ではありますが、ぜひ、納税意識の醸成、納付しやすい環境の整備、税収確保に努めていただきますようにお願いして、本日の質問を終わります。
○高橋鉄夫議長 以上で、ご了承願います。
◎元木十四男議員質問
○高橋鉄夫議長 次に、8番元木十四男議員。
〔8番 元木十四男議員 登壇〕
○8番(元木十四男議員) 議席番号8番元木十四男です。
議長より許可をいただきましたので、通告に基づき、持続可能な本市農業のあり方について、順次一般質問をしてまいります。
最初に、米の増産についてであります。
政府は8月5日、米不足や米の価格高騰は、需要の判断を見誤ったためだとし、これまでの農業政策を一転し、米の増産へと舵を切りました。これまで政府は生産調整を行ってきたため、事実上の減反政策の見直しは農政の歴史的転換ということになります。
農水省の調査を見れば、需要実績、需要見通しともに、2022年まではダウントレンドだったところが、2023年には681万トンの需要と見込んでいたところ24万トン、2024年は38万トンも見通しを実績が上回り、米不足が生じているのであります。
私は、昨年第4回定例会で、食料安全保障に係る本市の米生産の現状というテーマで、今年の米不足、令和の米騒動と本市への影響について、併せて生産の目安や米の増産についてどう捉えているのか、一般質問をさせていただきました。
それに対して、市長は、昨年の高温障害による米の収量不足に加え、インバウンドの拡大、輸入小麦の高騰に伴う米の割安感、さらには南海トラフ地震臨時情報による買いだめなどにより、米の需要が拡大、全国的な米不足につながったと理解していると答弁されました。
しかし、石破首相が米価格が高騰した要因の検証結果説明では、家庭の消費量やインバウンド需要の観点が欠けていたことなどから、生産量が足りていると判断を見誤ったとしたことは、いかに国の見立てが甘かったのか、国民目線でなかったのか、危機感のなさを露呈しました。
また、首相は、2025年産米増産については、目安を18ha増やし848haにするということでありました。
長瀞地区内においても、もち米などが8月末から稲刈りが始まっており、昨日の日曜日もコンバインで米の収穫作業をしている姿を目にしてきました。まだ収穫前ではありますが、連日のように猛暑に見舞われて、高温障害や日照りが続いたことなどの水不足なども踏まえた現状はどうでしょうか。
全国的に見れば、前年比で約8%、56万トン増となる735万トンの生産が見込まれているということでありますが、本市での現状はどうなのか伺います。
国は、米の価格高騰を抑えるために緊急に備蓄米の放出を行いました。随意契約での売渡しもあり、数量的にも80万トンを超える放出で、5キロ当たり2,000円ということで、一定程度の効果はあったと思っております。備蓄米販売の影響はどうなのか伺います。
次に、水田の利活用についてであります。
首相は、耕作放棄地の拡大を食い止めて、農地を次の世代につないでいくとともに、輸出の抜本的な拡大に全力を挙げる考えを示し、再来年度の水田政策の見直しに当たっては、「米を作るな」ではなく、生産性向上を目指す農業者が増産に前向きに取り組める支援に転換すると述べ、さらに渇水や高温による米の生育への影響が懸念されるとして、被害軽減に向けて連携しながら対応するよう、農水省と国交省に指示しました。
農水省は、米の増産に向けた具体策として、農地の集約や大区画化、スマート農業技術の活用などを進める方針です。
さらに、農地に直接種をまくことで、苗を育てずに作業を省力化できる方法など新技術も支援し、増産を目指したい考えです。
長瀞地区内では、若い担い手である新規就農者が、8月初めにWCSで刈り取った田んぼに二毛作としてソバを植えました。約3haほどであります。本市においては、二毛作という新たな試みとして、私も期待をしているところであります。
こういった新たな取組に挑戦している若い人たちに、さらに営農意欲、モチベーションを上げるためにも、何らかの支援は考えていないのかを伺いまして、登壇での質問といたします。
○高橋鉄夫議長 8番元木十四男議員の質問に対し、答弁を求めます。
土田市長。
〔土田正剛市長 登壇〕
○土田正剛市長 元木十四男議員の持続可能な本市農業のあり方についてのご質問にお答えをいたします。
はじめに、米の増産における本市の現状についてでありますが、山形県は2025年産米について、2019年以来となる米の増産を決定し、本市の生産の目安も830haから848haに増加したことは、ご案内のとおりであります。
今夏の高温・少雨の影響で、収量や品質への影響が懸念されているところでありますが、このような状況の中でも、各米農家は適切な水管理や適期の刈取りを行い、収量を確保するべく努力をしております。
市といたしましても、今後も県や農協等と連携し、情報提供及び支援を行ってまいります。
次に、政府が備蓄米を放出した影響についてでありますが、米不足は市内においても小売店での品薄や価格上昇など、市民生活に少なからず影響があったと認識しております。
備蓄米の放出により、ブランド米やブレンド米、さらに備蓄米と家計に応じた選択の幅が広がったことは、需給バランスが改善され、価格高騰が抑制されたという、消費者目線では一定の効果があったものと捉えております。
一方で、米生産を取り巻くこれまでの厳しい環境を考慮すれば、米価高騰は米農家の所得向上に寄与しているところであります。
しかしながら、急激な価格上昇は、消費者の米離れの懸念もあることから、国が設けている生産の目安にのっとった米の生産により、米の需要と供給のバランスを取るとともに、適正価格を維持していくことが重要であると考えておりますので、本市においては、今後とも生産の目安のフル活用に向けた取組を進めてまいります。
次に、二毛作に対する支援についてでありますが、国の直接支援である水田活用の直接支払交付金における産地交付金において、水田をフル活用するために、二毛作の作付を推進し、農家所得の向上につなげていく必要があることから、今年度よりソバの二毛作に対する助成を新設したところでありますので、ご理解をお願いいたします。
○高橋鉄夫議長 8番元木十四男議員。
○8番(元木十四男議員) 市長答弁承知いたしました。
2問目以降につきましては、質問席にて質問をしてまいります。
今年の記録的な猛暑と少雨で、出穂期の稲にとっては一番水の必要なときに、長瀞地区南部や東部の一部の水田では、水不足で生育が心配されましたが、農家の皆さんは猛暑の中、ポンプで水をくみ上げたり、また、県や本市関係機関の理解と協力により、白水川ダムや堂ノ前公園の沼などの放流もあり、順調に生育しているようであります。
まさしく、市長答弁にもありましたが、適切な水管理や適期刈取りで、収穫量を確保すべく努力をしておられます。
昨日の日曜日も近所の農家の方は、たわわに実った雪若丸ともち米の適期稲刈りをしておりました。
農水省は、8月15日時点の今年の米の収穫量の見込みを発表し、今年の米の作柄は5段階で2番目に高い、前の年をやや上回ると見込んでおり、収穫量は2%から5%上回る可能性があるとしているようであります。
米の収穫量の調査をめぐっては、作況指数を廃止して、より精度の高い統計に取り組むとして、今回の統計は前の年との比較に変更となっております。
本市の米生産の目安848haに最大限近づきフル活用するよう、関係機関等と連携し、啓発や情報提供など支援をよろしくお願いいたします。
備蓄米の放出については、選択肢が広がったことで需給バランスが改善され、価格高騰が抑制されたという消費者目線では、一定の効果があったということでありました。
先日、テレビでも備蓄米を購入された消費者へのインタビューでは、給料日とかご褒美のときはブランド米を、給料前には備蓄米、そして日頃はブレンド米を食べている。私たちとしても、いろんなシチュエーションに合わせていろんな米を選択できるのはありがたいという好意的な映像が流れておりました。
市長答弁では、一方で生産者の立場を考えれば米価格は所得向上にはなるものの、消費者の米離れにならないよう、国の生産の目安に沿った米の生産によって需給バランスを取りながら、適正価格を維持するためにも、生産目安のフル活用に向けた取組を進めていくということでありましたので、よろしくお願いをいたします。
首相は、農業経営の大規模化、法人化やスマート化の推進などを通じた生産性の向上や、消費者ニーズに応じた付加価値の向上に取り組んでいくとし、生産性向上を目指す農業者が増産に前向きに取り組める支援に転換すると述べました。
現在、長瀞地区内においても圃場整備が行われており、大型機械やAIを搭載した機械やロボットが入りやすい、集積、集約をした区画整理であります。1区画当たり1haの大型圃場になる見込みです。
田植機やトラクター、コンバインなどの大型化、自動化、さらにはドローン等による追肥や除草、消毒など、AIやロボットを駆使したスマート農業も推進されると期待をしているところであります。
しかし、これらの農業機械や設備は高額であることから、導入にためらう農家もおられます。
農業経営の大規模化やスマート農業化の推進に対する市の支援はどんなものがあるのか伺います。
○高橋鉄夫議長 青柳経済部長。
○青柳 昇経済部長 お答えをいたします。
農業経営の大規模化に係る支援につきましては、市の事業としては、県との協調事業ではありますが、未来を育む農業担い手育成支援事業というのを実施しております。
地域農業の持続的発展のため、地域農業を支える多様な担い手による意欲ある取組について支援するものであり、補助率が10分の3となってございます。県10分の2、市10分の1でございますが、補助上限は800万円となってございます。対象者は営農組織、農業者団体等となります。
また、スマート農業に対する支援につきましては、市の単独という事業として持続可能な農業支援事業を実施しております。営農の効率化、省力化に必要なスマート農業機械、また、ソフトウエア等の購入に対する支援でございます。補助率は3分の1、補助上限は50万となってございます。対象者は認定農業者、認定新規農業者等となります。
また、農業経営の大規模化に係る支援につきましては、国の補助もございます。令和6年度補正における繰越明許事業で、今年度実施しております担い手確保経営強化支援事業というのがございます。
これは、地域計画が策定されている地域において省力化、技術の導入など、意欲的な取組により経営構造の転換、経営発展を図ろうとする担い手が融資を活用するなどして、農業用機械、施設を導入する際の補助金でございます。補助率は国が2分の1となってございます。補助上限は個人が1,500万円、法人が3,000万円となってございます。よろしくお願いいたします。
○高橋鉄夫議長 8番元木十四男議員。
○8番(元木十四男議員) 国の担い手確保・経営強化支援事業や、県・市合わせての未来を育む農業担い手育成支援事業の支援事業があるということ、承知いたしました。
スマート農業に対しては、本市単独の支援として、持続可能な農業支援事業では、営農の効率化、省力化に必要なスマート農業機械やソフトウエア等の購入に対する支援があるということでありますので、これらを上手に利活用できるように、営農組織や認定農業者の方への周知もJAなどと連携しながら、よろしくお願いをいたします。
高齢で離農する農家が今後も増えると予想される中、大規模農家はますます委託を受けて大きくなり、人手不足が懸念されます。
実際、4年ほど前、長瀞地区では1年間で一気に15人ほどの稲作農家が離農しました。稲作をやめた理由は、高齢化と農業機械の老朽化で、新しいものを導入する体力と気力がなくなったことであります。
作業の省力化ができる方法の新技術として、農地に水を張らずに直接種をまく乾田直播の普及支援を国が打ち出しましたが、設備導入に対する本市の支援はあるのか伺います。
○高橋鉄夫議長 青柳経済部長。
○青柳 昇経済部長 お答えをいたします。
乾田直播は、従来の稲作と比較しまして、育苗や代掻きといった作業が不要になるため、労働時間やコストを大幅に短縮できることから、大規模経営に適しているとされております。
政府は、2027年度から乾田直播の普及を補助金支給により支援し、現在、米栽培面積の約1.5%とされている割合を大幅に向上させ、規模拡大や需要に応じた増産を後押しする考えでございます。
現在、市としての支援はございませんが、今申し上げました国の補助金支給の具体的な単価につきましては、今後決定される予定でございますので、その動向に注視してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いします。
○高橋鉄夫議長 8番元木十四男議員。
○8番(元木十四男議員) 部長答弁承知しました。
国は、再来年度から支援の強化を図り、普及率の向上を目指すということであります。
乾田直播は、苗箱の土づくりから発芽や育苗の際の水、温度管理、さらには代掻きや田植の工程を省略できるため、大幅な省力化と作業時間の短縮につながります。さらに、種子の酸欠対策が要らず、種子コーティングが不要になり、コーティングの手間や資材コストが抑えられます。
長瀞地区内の若い担い手は、昨年の秋に乾田直播しました。初冬播き乾田直播というのだそうでありますが、前年の初冬に種をまくことで、翌年の春先の農作業の作業負担を大幅に軽減でき、なおかつ作業時間の分散化により、経営効率の向上が期待できるものであります。
さらに、水使用量の削減により環境負荷を軽減し、また、メタン排出量が少ないことから、気候変動対策にも寄与します。環境にも優しいゼロカーボンシティをいち早く宣言した本市にふさわしいSDGsな、まさに持続可能な農業であります。
省力化、高効率な乾田直播ですが、60馬力以上の大型トラクターにアタッチメントとして取り付ける専用機械は非常に高額なものです。特に彼らが挑戦しているのは、田うない作業を省略できるV字型の溝をつくって種をまくV溝乾田直播で、さらに覆土・鎮圧する最新機械の高度な技術を要する新しい取組に次々とチャレンジしている若い人たちに対して、本市独自の支援を要望いたします。
気温が35度を超える猛暑日、猛暑はもはや異常気象というよりも、今後は常態化し、これが普通になってくるのかもしれません。
先日、山形県のさくらんぼの収穫量が過去最低であるということが発表されました。異常気象による猛暑と春先の結実時期の雨と低温がその要因だということでありましたが、報告会に参加した人たちからは、暑さに強い品種の栽培を増やすべきという意見が出たということであります。
米についても、今年度の猛暑を受けて、高温耐性米への転換についてどう捉えているのか伺います。
○高橋鉄夫議長 青柳経済部長。
○青柳 昇経済部長 お答えをいたします。
県産米をめぐっては、以前から温暖化への対応というのが求められていたことから、県は新しい米の品種であります山形142号を開発し、これが先般、名称が「ゆきまんてん」に決まったことはご案内のとおりでございます。
暑さに強いとされる雪若丸と食味がよいとされる別の品種を掛け合わせており、高温耐性に優れているだけでなく、はえぬきと比べて収穫量が1割程度多く確保できるとも言われてございます。
「ゆきまんてん」につきましては、令和8年の秋に先行販売が行われる予定であります。その後の令和9年から一般作付となるわけですが、それに向けまして、県は生産者や関係機関との検討を重ねているところと伺っております。
県の進捗に合わせて、市といたしましても関係団体等と協議を進めてまいりたいと考えてございますので、ご理解をお願いいたします。
○高橋鉄夫議長 8番元木十四男議員。
○8番(元木十四男議員) 答弁承知しました。
一昨年の猛暑のときも本市では、一等米比率が全体で41%、特にはえぬきは33%と暑さに弱い品種であることが露呈されました。山形県で新しく開発された高温耐性米のゆきまんてんに期待をするところであります。
長瀞地区内の若い担い手である新規就農者は、今年で就農3年目でありますが、既に33haの田んぼを耕作しております。そして、東根ではまだ誰もやっていない新しい農業に挑戦しています。
ソバの二毛作もその1つでありますが、市長答弁で、水田をフル活用するためには、二毛作の作付を推進し、農家所得の向上につなげていくためにも、本年度よりソバの二毛作に対する助成を新設したということで、彼らの営農意欲を高めていくためにも、大変ありがたく、また、安心したところであります。
彼らはさらに、今年は農地にビニールシートなどで水をためるプールを造って、その中で稲の苗を育てる露地プール育苗もやりました。メリットは、育苗ハウスの建設費用が不要で、水の保温効果によって水やりなどの管理作業を省力化でき、良質で健康な苗が育つということであります。
また、苗箱1箱当たり播種量を大幅に増やし、苗箱を減らしながら高密度に育苗する、水稲栽培技術の1つである密苗にも挑戦しました。
これは、1箱当たりの苗数を大幅に増やすことで、育苗箱数を減らしつつ、田植機で少量ずつ正確に移植します。箱の数が減ることで、培土や箱自体の資源コスト削減、さらには苗箱の運搬作業に係る労力と時間を大幅に削減できます。育苗スペースが削減されるメリットもあります。育苗に関わることだけでも、乾田直播、露地プール育苗、密苗と3種類のことに挑戦しているのであります。そして、コスト面や労力、技術等を考慮し、自分たちに一番合った育苗スタイルを確立していくんだろうなと期待と力強さを感じています。
彼らが田んぼで働く姿は、地域の活性化にもつながっています。まさに希望の光であります。
さらに、WCS収穫後の田んぼに、つい先日は、二毛作として青菜をまきました。来年はさらに飼料用の小麦を二毛作にすると目を輝かせておりました。大石田の黒土の畑を借りて、尾花沢スイカの生産もしています。
さらに、すばらしいことに農福連携にも取り組んでいます。B型就労施設の利用者には苗箱の洗浄やスイカの箱づくりの作業をしてもらうことで、利用者の自信や生きがいの創出にも寄与しております。
本市は県内で一番勢いのあるまち、住みたいまち、人口の増えているまちと言われ、工業製品出荷額も高く、大型店舗やおしゃれなお店もあるとはいえ、生産量日本一のさくらんぼに代表されるように、果樹王国ひがしねは、全国にその名を馳せ、米も含めて農業は本市の基幹産業であります。
今後、米の増産を進めるに当たり、ぶつかるのは、農家の高齢化や加速度的に進む減少であります。個人の米農家は約9割が60歳以上で、数も40年前の4分の1の70万人まで減りました。
補助金などの支援や農地の集積、集約などの国への働きかけや、県と連携しながらスマート農業や大規模化、大型機械の導入で人手不足の解消、若い担い手たちが安心して営農を続けられる意欲やモチベーションを保てる環境を整えて、持続可能な農業の圧倒的な推進をお願いして、一般質問を終わります。
○高橋鉄夫議長 以上で、ご了承願います。
会議の途中ですが、ここで午前11時10分まで休憩をいたします。
午前11時03分 休 憩
午前11時10分 開 議
○高橋鉄夫議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
◎植松 宏議員質問
○高橋鉄夫議長 市政一般に対する質問を続けます。
10番植松 宏議員。
〔10番 植松 宏議員 登壇〕
○10番(植松 宏議員) 10番植松 宏です。
発言通告に基づき、気象統計を始めてから最も高くなったという今年の夏の酷暑、渇水から来る市民への影響について、2項目質問いたします。
まずはじめに、生活保護世帯へのエアコン購入費、修理費の支給についてであります。
本市も災害級の暑さを記録している今年の猛暑ですが、熱中症が最も多く発生している場所が住居です。
東根市消防本部がまとめた5月から9月の東根市内の熱中症による救急搬送状況を参考資料に載せてもらいました。
資料の1です。
これによりますと、令和7年の熱中症により救急搬送された患者は、1番の年齢及び傷病程度別の表で見ると、8月24日現在で34人です。そのうち65歳以上の高齢者が22人と65%を占めています。
次に、2の熱中症の発生場所ですが、34人中12人が住居で発生しているという実態がございます。次に続くのが、不特定者が出入りする場所の屋外部分で9人、道路上で5人となっています。
これは本市に限ったことではなく、資料の2の山形県のデータ、資料3の全国データからもうかがえます。
地球温暖化は全世界の問題となっていますが、これだけの猛暑が毎年続く時代にあっては、もはやエアコンは決してぜいたく品ではなく、最低生活維持のためにも必要不可欠と言えるのではないでしょうか。
熱中症警戒アラートが頻繁に流れ、予防のために扇風機、エアコンを適度に使い、「熱中症予防の行動を」と呼びかけられても、現実にはそれができない市民もいるのではないでしょうか。
今回、私が相談を受けたのは、生活保護を受けている高齢者の方でした。生活保護を受ける前から長年使ってきたエアコンが急に動かなくなった。業者に相談しても部品がなくて修理できない。買い換える金もない。幸い近くに住む兄弟が扇風機を貸してくれたから当座はしのげたが、エアコンが故障した日は暑さでめまいを起こし、このまま死んでしまうのではないかと思ったということでした。
福祉課に相談したところ、生活保護世帯に対してのエアコンの購入、修理費の支給については一部条件があり、今回相談を受けた方のケースでは、エアコン購入費補助の適用にはならないということでしたが、まずは、その条件、内容についてどのようになっているかをお伺いします。
2点目は、今年の猛暑が本市の農作物に与えている影響について伺います。
県内は今年の夏、高気圧に覆われて晴れた日が多く、県内22の観測地点のうち、山形で5月21日以降、最高気温が30度以上となる真夏日が9月1日で74日目となり、統計開始以降、過去最多となったと、今月2日の地方紙に載っています。
降水量に至っては、8月上旬にまとまった雨が2日ほど降ったきりで、ほかには降水量ゼロが続く毎日でした。
先ほど同僚議員からも発言ありましたように、私が住んでいる長瀞地区でも特に南部地域、白水川の北部地域の水田で用水路に水が来ず、排水路からポンプで水を上げている方が多く見受けられました。折しも8月上旬は、水稲の出水期で水を多く必要とする時期です。
村山東根土地改良区に状況を伺うと、改良区が所有する移動式のポンプ12台は既に貸出し済みにあるといった回答でした。借りられなかった農家の方は、新規にポンプを買ったり、以前使っていたポンプを排水路近くに設置したり、燃料の補給であったり、水管理と忙しい毎日を送っていました。
このような状況を踏まえ、2点お伺いします。
1点目として、今年の猛暑が本市の農作物に与えている現時点での影響について伺います。
2点目として、猛暑による水稲の用水不足対応に揚水ポンプや、それに要した燃料費等、掛かり増しとなった経費に対する本市としての対応策について伺います。
以上2項目を登壇での質問といたします。
○高橋鉄夫議長 10番植松 宏議員の質問に対し、答弁を求めます。
土田市長。
〔土田正剛市長 登壇〕
○土田正剛市長 植松 宏議員のご質問にお答えをいたします。
はじめに、生活保護世帯へのエアコン購入、修理費の支給についてであります。
生活保護制度におきまして、エアコンを含めた日常的に必要な生活用品は、経常的に支給される保護費の範囲において、計画的なやり繰りによって、購入または修繕を行うものとなっております。
しかしながら、保護開始時に持ち合わせがない場合、災害により喪失して災害救助法等のほかの制度からの措置がない場合など、特別な事情がある場合には、一時扶助として、炊事用具、食器等の家具什器、冷暖房器具等の購入に必要な費用の支給が認められているところであります。
本市では、国の指針に基づき、支給の要件に該当する場合には適切に申請を促すなど、適正な運用を行っております。
議員ご指摘の生活保護世帯におけるエアコンの購入、修理費につきましては、日頃のケースワークにおいて意向を把握するなど、事前に確認した上で、毎月支給される保護費の範囲内で賄えるよう、夏季や冬季までの期間を考慮しながら家計管理の指導や助言を行っているところであります。
なお、生活保護世帯におけるエアコン購入費用に関する取扱い等につきましては、改めて厚生労働省より、熱中症対策のため通知がなされており、保護費のやり繰りによって購入が困難な場合には、社会福祉協議会で実施している生活福祉資金貸付制度を活用して、エアコンを購入することも可能としております。
今後とも、厚生労働省の通知や実施要領等に基づき、生活保護制度の適正な運用を行ってまいります。
次に、今年の猛暑が本市の農作物に与えている影響についてのご質問にお答えをいたします。
はじめに、農作物への影響についてでありますが、6月からの高温と記録的な少雨による渇水で県内全域に影響が出ており、本市においても、水稲はより多くの用水を必要とする出穂期を迎えた8月上旬に猛暑日が続き、まとまった降雨がなかったことから、収量や品質への影響が懸念されるところであります。
また、水稲以外の農作物への影響として、さくらんぼについては、葉が早期に黄色くなっている木もあり、来年の双子果の多発の可能性が心配されており、収穫の始まっていた早生種の桃については、高温による小玉傾向に加え、収穫時期の降雨によりうるみ等が出て、例年に比べ収穫量が少なくなったと伺っております。
そのほかにも、晩生種の桃やリンゴ、ラ・フランス等においても、表面に日焼けが確認されておりますので、高温による影響がどのように出てくるのか注視してまいります。
次に、水稲への用水不足についての対応策についてでありますが、本市におきましては、山形県と協調し、農業用水の確保や園芸作物の高温対策に関する事業への支援として、補助金を交付する東根市農林水産物等災害対策事業を実施しております。
具体的には、1つ目が、農業用水確保対策として、水路等の工事、揚水機器等の貸借または購入、揚水機等の燃料の購入等に係る支援であります。
2つ目は、園芸作物等高温対策として、果樹、野菜、花卉等を対象に、遮光資材やミスト噴霧装置、散水・灌水システム等の機器・資材の購入に係る支援であります。いずれも、原則として6月1日から9月30日までに実施、納品されたものが補助金の交付対象となっているところであります。
今後とも時期を逃さず、その状況に即した農家の皆様に寄り添った支援を実施してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○高橋鉄夫議長 10番植松 宏議員。
○10番(植松 宏議員) 引き続き、質問席から質問を続けます。
はじめに、生活保護世帯へのエアコンの設置、修理についてでありますが、市長答弁によりますと、基本的にはエアコンを含め、日常的に必要な生活用品は、生活保護費の範囲内で計画的にやるべきであるというのが国の指針にあって、市ではその通知や実施要領に基づいて、家計管理の指導や助言を行っているということのようであります。
国の指針、厚労省の所管になるわけなんでしょうが、生活保護開始時にエアコンの持ち合わせがない場合や、災害でエアコン等が喪失した場合など特別な事情がある場合は、購入に必要な費用の支給も認められる場合があるということでした。
しかし、生活保護を受ける前からエアコンのある生活に慣れ親しんだ人が、エアコンが故障してしまった、そのときには何の救いの手もなく、自分の生活保護費をやりくりして対応しなさいと言っている。この辺が私としてはすっきりしないところであります。壊れてしまったエアコンは、エアコンがなかったものとみなせないのでしょうか。
生活保護を受けている方たちは、本当につつましい生活をしていることは、皆さんご存じのことと思います。
今回、私が相談を受けた方のお宅にお邪魔すると、6畳と4畳半の二間のアパート住まいでした。訪問した日は、日中は玄関のドアも開けていましたから、幾分風は通るんですが、夜間はそうはいきません。閉め切った部屋に扇風機ではぬるい風が循環するだけです。町場のアパートは狭いし、風のとおりもよくありません。
ここはやはりエアコンが必須になるのではないかと思うんです。ただ、エアコンは新品で買うと結構な値がします。これを保護費の範囲内で購入、修理しなさいと言われても、現実的ではないと思うんです。じゃあ扇風機で我慢するしかないんじゃないかという話は、この猛暑の中、高齢者の家庭では厳しいものがあります。
先ほどの市長答弁によりますと、社会福祉協議会で実施している社会福祉資金貸付制度というのがあって、これを使ってエアコンの購入も可能ということでしたが、どのような制度なのか、詳細についてお伺いします。
○高橋鉄夫議長 安達健康福祉部長。
○安達好浩健康福祉部長 お答えをいたします。
生活福祉資金貸付制度につきましては、ほかからの借入れが困難な所得の少ない世帯や障害者世帯、高齢者世帯の生活を経済的に支え、安定した生活を送れるよう支援するための貸付制度でございます。
実施主体は山形県社会福祉協議会で、東根市社会福祉協議会が窓口となり、貸付けを行っております。
貸付資金としては4種類ございまして、総合支援資金、福祉資金、教育支援資金、不動産担保型生活資金となっており、市長答弁にありましたエアコン等を含めた日常生活用品の購入のための貸付けにつきましては、日常生活上一時的に必要な経費として、福祉資金を活用することとなります。
日常生活を送る上で、また自立した生活に資するため、一時的に必要であると見込まれる費用を貸し付ける資金でございますので、相談があった際は迅速に貸付を受けることができるよう、社会福祉協議会と連携を図りながら、適切に対応してまいります。よろしくお願いいたします。
○高橋鉄夫議長 10番植松 宏議員。
○10番(植松 宏議員) 了解しました。
無利子低利子で購入等の資金が借りられる制度があるということのようで、相談を受けた方にも紹介していきたいと思いますけれども、今でもぎりぎりの生活の中で、新たな借金に踏み切れるかどうかは微妙なところです。
いずれ、この生活保護というのは、憲法25条の生存権を具体化した生活保護法に基づくものです。
政府は2013年から15年、当時の安倍政権が生活保護10%削減を公約に掲げ、これを受けた厚労省が物価の大幅な下落を恣意的に算出し、結果的に約580億円もの保護費の削減を強行したという事実がありました。
これに対し、生活保護利用者が保護費削減は憲法違反であると立ち上がり、今年の6月27日に、この「いのちのとりで裁判」に最高裁の判決が出ました。判決は、生活保護基準の大幅な引下げは違憲であるという裁判官全員一致の判決でした。
生活保護の利用者の皆さんは、削減された保護費の保障を求めて、今戦いを進めているということです。
いずれ、自治体では国の基準に基づいて動くしかないと言うかもしれませんが、今年の災害級の猛暑から室内での熱中症を防ぐために、高齢者世帯などでエアコンの購入、設置費用を独自に助成する自治体も増えています。
生活保護で救えないのなら、ほかの制度でも活用し、本市から熱中症により亡くなる人が出ないよう対策すべきではないでしょうか。私も引き続き、全国の事例などを調べてみたいと思っております。
次に、本年度の猛暑が本市の農作物に与えている影響についてですが、本市特産のさくらんぼについては、一部に葉が黄色くなった木もあって、来年の双子果が心配される状況、また、桃、ラ・フランス、リンゴにも果実表面に日焼けが出ているという状況であるというご答弁でした。今後、被害が最小限に収まるよう願っております。
2点目の水稲への用水不足に対する本市の対応策についてですが、農業用水確保対策として、水路等の工事、揚水機等の賃借または購入及び揚水機等の燃料の購入に対して支援してくれる。また、園芸作物の高温対策として、遮光資材やミスト噴霧装置、散水、灌水機器、資材の購入に対して補助を行うといううれしいご答弁でありました。
農業は自然相手の職業ですから、いつも気候変動には強い影響を受けます。その影響を少しでも和らげる意味でも、この助成は農家にとってはありがたいと思います。
それでは、その支援の内容について伺いますが、東根市農林水産物等災害対策事業費補助金交付要綱に基づく支援内容について、もう少し詳しく伺いたいと思います。
○高橋鉄夫議長 青柳経済部長。
○青柳 昇経済部長 お答えをいたします。
この事業につきましては、補助率が2分の1でございます。内訳につきましては、県3分の1、市6分の1となっているところでございます。
1つ目の農業用水確保対策につきましては、水路等の工事、揚水機等の賃借、購入、または揚水機等の燃料購入等の応急対策と、井戸の掘削、灌水施設等の設置工事等の恒久対策が補助対象となってございます。
補助の上限額につきましては、例えば基幹的な取水施設などの大規模対策というものにつきましては197万円、幹線排水路などの中規模なものにつきましては88万円、また個々の圃場等の小排水路等は33万円となってございます。
そちらの井戸灌水設備につきましては、1mにつき6万円としまして、50mを補助の限度としているところであります。
補助対象者は、農協、農業法人、農業者団体、販売農家、土地改良区となってございます。
次に、2つ目の園芸作物等高温対策でございますが、補助対象及び補助の上限額につきましては10a当たり、遮光資材が7万9,000円、換気扇また循環扇というのが5万5,000円、ミスト噴霧装置が24万7,000円、そして散水・灌水システムが50万6,000円となっているところでございます。
補助対象者につきましては、農協、農業法人、農業者団体、販売農家となってございます。よろしくお願いいたします。
○高橋鉄夫議長 10番植松 宏議員。
○10番(植松 宏議員) 補助については、県と市合わせて、かかった経費の半分ということのようであります。いずれにしろ、半分補助が出るということは、農家にとっても大変助かると思っております。
続けてお伺いしますが、揚水ポンプの設置や燃料の補給など、今年の猛暑によって掛かり増しとなった人件費、これについては支援対象にはならないものでしょうか。
○高橋鉄夫議長 青柳経済部長。
○青柳 昇経済部長 お答えをいたします。
揚水機等の設置労務費につきましては、対象でございますが、管理や燃料を補充するなどといったことに係る人件費につきましては補助対象外となってございます。よろしくお願いいたします。
○高橋鉄夫議長 10番植松 宏議員。
○10番(植松 宏議員) 了解しました。この辺りは農家の方たちも納得してくれるとは思いますが、念のためにお聞きしました。
それでは、この補助事業の申請先と申請してから農家の手元に補助金が下りるまでの期間、これはどのくらいかかるものでしょうか。
○高橋鉄夫議長 青柳経済部長。
○青柳 昇経済部長 お答えをいたします。
この補助事業につきましては、市で取りまとめを行って、その後、県補助分を市が申請するという形になってございます。
応急対策等につきましては、既に支払ったものでも補助対象となりますが、領収書、状況写真、また作業日誌などを添付した実績報告書を提出していただきまして、県と市による内容確認後に補助金の支出となるため、提出した後すぐにはお支払いできないというものになってございます。
しかしながら、できるだけ早く農家の皆様の手元に届くようにしてまいりますので、ご理解をよろしくお願いいたします。
○高橋鉄夫議長 10番植松 宏議員。
○10番(植松 宏議員) 県からの補助もありますから、実際に入金になるのはだいぶ先ということのようであります。
最後に、6月の第2回定例会で承認されました果樹王国園芸産地活性化事業さくらんぼ温暖化対応技術導入推進補助、この事業では、遮光シートや散水設備など、昨年のさくらんぼに対する高温障害などに対応する、これまでにはなかったような補助かと思っておりますが、現時点でこの事業の申請状況、どのようになっているものでしょうか、お伺いします。
○高橋鉄夫議長 青柳経済部長。
○青柳 昇経済部長 お答えをいたします。
この事業につきましては、さくらんぼに特化したものの温暖化対策の事業となってございますが、こちらも県との協調事業となりまして、要望調査の結果、当初予算の見込みを超える申請がありまして、6月議会に追加補正として計上をし、ご可決いただいたところでございます。
その時点での申請状況につきましては、3団体17名でございます。
内容につきましては、遮光資材や白色の反射シート、そして冷蔵庫の購入、また井戸掘削、散水設備の導入といったものでございます。
その後、県では令和7年の収穫期も高温に見舞われたことなどを受けまして、さらに多くの生産者が高温対策に取り組むことを後押しするため、追加要望調査を実施したところでございます。
本市でも多数の要望等がございましたので、現在内容を精査しながら、今後の予算措置を検討しているところでございますので、よろしくお願いいたします。
○高橋鉄夫議長 10番植松 宏議員。
○10番(植松 宏議員) 大変好評なようで、よかったなと思っております。
ぜひ、この新技術がよい結果も出て、来年のさくらんぼがいい出来であることを期待して、私の一般質問を終わります。
○高橋鉄夫議長 以上で、ご了承願います。
会議の途中ですが、ここで午後1時まで休憩をいたします。
午前11時41分 休 憩
午後 1時00分 開 議
○高橋鉄夫議長 午前に引き続き、会議を開きます。
◎工藤みどり議員質問
○高橋鉄夫議長 市政一般に対する質問を続けます。
3番工藤みどり議員。
〔3番 工藤みどり議員 登壇〕
○3番(工藤みどり議員) 議席番号3番工藤みどりです。
議長の許可をいただきましたので、子育て環境の充実と、誰もが働きやすい環境づくりについて質問してまいります。
本市において、少子化の現状が強く認識され、国の最初の総合的な少子化対策として、エンゼルプランがまとめられたのが平成元年、そして少子化社会対策基本法が制定されたのが平成15年であり、既に20年以上が経過しています。
国や自治体がこれまで様々な対策を講じてきたものの、令和6年の出生数は68万6,061人と、統計開始以来、初めて70万人を下回り、合計特殊出生率も1.15と過去最低を更新しています。
こうした状況は、地方自治体の将来にも直結する大きな課題であり、子育て支援の強化と併せて、若い世代が安心して働き続けられる環境づくりが求められています。
国は、令和5年末にこども未来戦略を策定し、児童手当の拡充や高等教育の修学支援、妊婦支援の創設などを柱とする子ども・子育て支援加速化プランを展開しています。これは子育て世帯を社会全体で支えるとともに、働きながら安心して子どもを育てられる社会を実現するための大規模な取組であります。
本市においても、「子育てするなら東根市」というキャッチフレーズの下、これまで多くの子育て支援施策に取り組まれ、その成果が表れていると考えておりますが、人口減少の波は本市にも押し寄せており、これからも将来にわたり持続可能なまちであり続けるためには、定住・移住の促進とともに、特に若年層や子育て世帯がこのまちで子育てをしながら働き続けたいと思える環境整備が不可欠です。
子育て環境をめぐる状況は日々変化しており、現場や当事者の声に寄り添った政策でなければ実効性を持ちません。女性や子育て世帯の視点を反映し、誰もが働きやすい社会を築くことこそが、本市の持続可能な発展につながるものと考えます。
私は議員になる前から、そして議員となってからも、多くのお母さん方をはじめ、子育て世代の皆さんと、このまちの子育てや働きながら暮らすことについてお話を聞いてまいりました。
その中で強く感じたのは、親御さんの多くは、愛する子どもの成長を支えたい、地域の一員として貢献したい、そしてそのために安心して働き続けたいという思いを持っているということです。
一見、欲張りに映るかもしれませんが、この子育ても仕事も地域での暮らしも大切にしたいという思いこそが、まちを活気づけ、未来へとつなげる大きな力になると確信しております。
しかし、その思いを実現するためには、子どもを安心して預けられる環境の整備やライフイベントを経ても再び働き続けられる仕組みづくりが欠かせません。
そこで、市として現在どのような施策を進め、今後どのように発展させていくのか、分かりやすくお示しいただければと考えております。
まず1点目として、本市の第5次総合計画は、計画期間を令和3年度から12年度までの10年間とし、その中で「みんな元気にいきいき暮らす 健やかで住みよいまち」を目指す姿の1つに掲げています。
基本計画の第1節には、子育て環境の充実が位置付けられ、これまで様々な取組を進めてこられたものと認識しております。
そこで、計画策定からちょうど中間地点を迎える令和7年度の現時点における子育て環境の充実に向けた、これまでの取組状況や、その成果についてお伺いいたします。
あわせて、本市では計画期間を令和7年度から11年度までの5年間とする第三期東根市子ども・子育て支援事業計画を昨年度策定しましたが、子育て支援をさらに推進する重要な柱である、この新たな計画を踏まえた、これからの取組についてお伺いいたします。
2点目として、第5次東根市総合計画の第4節雇用・労働環境の充実では、働きやすい労働環境の整備として、安心して子育てを両立できる環境づくりの推進や、男女ともに育児休業や介護休業などを取得できる環境づくりの推進が掲げられております。
これらの目標を達成するためには、出産や育児、介護などのライフイベントを経ても、誰もが安心して再就職やキャリアを継続でき、自分らしい生きがいを持ちながら働ける環境を整えることが重要と考えます。
しかし現状では、家庭の事情なので一度仕事を離れた方が再就職に際して、就業条件や働き方の制約に不安を抱えているケースも多く見られます。
そこで、本市において、求職者のキャリア形成や生きがいを大切にする観点から、再就職支援にこれまでどのような取組を進めてきたのかお伺いし、壇上での質問といたします。
○高橋鉄夫議長 3番工藤みどり議員の質問に対し、答弁を求めます。
土田市長。
〔土田正剛市長 登壇〕
○土田正剛市長 工藤みどり議員の子育て環境の充実と誰もが働きやすい環境づくりについてのご質問にお答えをいたします。
はじめに、これまでの子育て支援施策と第三期東根市子ども・子育て支援事業計画に基づくこれからの取組についてでありますが、私が市長に就任した平成10年以降「子育てするなら東根市」をまちづくりの中心に掲げ、様々な子育て支援策に取り組んでまいりました。
主な取組といたしましては、本市の子育て施策を代表する施設であり、遊びを通して子どもの探求心や創造性、自主性を育むけやきホール、あそびあランドの整備や、他自治体に先駆けて実施した子どもの医療費無償化などの経済的支援、民間活力を活用した保育環境の整備などが挙げられます。
第5次東根市総合計画の期間中には、民間保育施設では受入れ困難な医療的ケア児に対応したひがしねこども園の整備や、こども未来応援プランによる中学校給食費の無償化を実施し、子育て環境のさらなる充実を図ったところであります。
このように、先駆的かつ積極的な子育て支援施策を行ってきた結果、近隣自治体に比べ転入者数が多いなど、若者、子育て世代を含めた多くの人々から選ばれるまち、勢いのあるまちとして高い評価をいただくこととなりました。
また、現在、第三期東根市子ども・子育て支援事業計画に基づき、幼児教育・保育の受皿の確保として、令和8年4月の開園を目指し、公募により決定した民間事業者等による施設の整備を進めているところであります。
当該計画では、令和11年度までの幼児教育・保育の量を見込んでおりますが、昨年度末に市内認可外保育施設が急遽閉園したこともありますので、今後とも出生数や女性就業率の推移などを総合的に調査・検証し、幼児教育・保育の量を見極めながら確保に努めてまいります。
そのほか、令和7年度から地域子育て支援事業に追加された妊婦等包括支援事業等について関係機関と連携して、子育て家庭が抱える困難に対し適切な支援を提供していくとともに、乳児等通園支援事業、いわゆる「こども誰でも通園制度」の実施に向けた準備も進めてまいります。
なお、本市の子ども・子育て世代に対する支援施策を総合的に推進するため、国が示すこども大綱や山形県こども・子育て笑顔プランを勘案した(仮称)東根市こども計画の策定に向け、現在作業を進めているところであります。
今後とも「豊かな環境、みんなが選ぶ住みよいまち」と、「こどもまんなか社会」の実現に向けて、子どもを安心して産み育て、子どもが健やかに成長できる環境づくりに取り組んでまいります。
次に、再就職支援のこれまでの取組と成果についてでありますが、働き方の多様化が進む中、様々な形で求人がなされ、仕事の内容や条件等について求職者と事業所とがより気軽な形で話し合うことができる就職面談会の開催が増えております。
本市においても、村山公共職業安定所などと連携し、昨年10月にオール北村山就職面談会、今年2月には初めて市内事業所のみの求人による東根市就職面談会を開催したほか、4月に保育のお仕事面談会、5月にさくらんぼのお仕事面談会を実施いたしました。
各面談会に多くの方が参加され、質問等を積極的に行う場面が見られ、特に東根市就職面談会については、県内その他の地域で行われた面談会と比べて、事業者と参加者の数が開催規模のわりに多く、改めて両者の意欲が高いことを確認したところであります。
今後もこのような面談会を開催する予定でありますが、引き続き関係機関と連携の上、求職者の再就職支援を行ってまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○高橋鉄夫議長 3番工藤みどり議員。
○3番(工藤みどり議員) 引き続き、質問席から質問を続けさせていただきます。
ただ今市長から、これまでの取組や第三期子ども・子育て支援事業計画を踏まえた今後の方向性についてご説明をいただきました。
本市が先駆的に進めてきた子育て支援策は、まちの魅力を高め、子育て世代から選ばれるまちとして一定の成果を上げてきたことを私自身も大きな強みとして感じております。
実際に、私も我が子をけやきホールやあそびあランドに連れていく中で、子どもの成長を実感するとともに、地域全体に支えていただいたことへの感謝を強く抱いております。
宮城県から本市に嫁いだ当初、知り合いがほとんどいない中でも、こうした子育て施設があったおかげで親子ともに健やかに過ごすことができました。
しかし一方で、こうした施策の成果が実際にどの程度、転入や定住の促進という形につながっているかについて、やはり検証が欠かせないと言えます。
施策が子育て世帯の定住や転入にどのような影響を及ぼしているのかを把握しなければ、次の政策展開にもつながりにくいのではないかと考えます。
そこで、本市における子育て世帯の転入数や定住率の推移をどのように把握し、そのデータを施策効果の評価にどのように生かしているのか、お伺いいたします。
○高橋鉄夫議長 岡田総務部長。
○岡田光弘総務部長 お答えいたします。
子育て世帯の転入につきましては、世帯単位での統計データはございませんが、本市では転入した子育て世帯のうち、定住しようとするに至った世帯の数につきましては、東根市定住促進事業助成金、こちらの制度において把握しているところであります。
これによりますと、この制度創設時の平成24年度から今年7月末までの交付決定件数では、定住しようとするに至った子育て世帯の転入数の累計、こちらは667件となっておりまして、全体が1,336件でありますので、約半数を占めている状況でございます。
また、この制度は対象住宅に入居した日から3年以内に転出した場合は、助成金の返還要件がございます。返還に至った事例はこれまで1件のみでありますので、ほとんどの世帯が実際に東根市に住み続けていただけているものと考えております。
施策の効果の評価につきましては、この制度において、平成27年度からアンケート調査を実施しておりまして検証しているところであります。
アンケートの結果では、定住の地として東根市を選んだ理由、こちらの今年7月末までの累計では、「子育て環境が充実しているから」という回答を選んでいただいた件数が310件となっておりまして、本市の子育て支援策の充実が高く評価されているものと考えております。転入定住の促進につながっているものと考えているところであります。よろしくお願いいたします。
○高橋鉄夫議長 3番工藤みどり議員。
○3番(工藤みどり議員) 答弁承知いたしました。
先ほどのご答弁からも、本市の子育て支援策が転入や定住の促進につながっていることがうかがえました。
今後もこうした取組を一層進めていくことが求められますが、その中で特に注目されるのが、国が新たに開始する乳児等通園支援事業、いわゆるこども誰でも通園制度であります。市長からのご答弁の中でも、国が新たに開始する、こども誰でも通園制度への対応について触れられました。
この制度は、保護者の就労状況にかかわらず、生後6か月から満3歳までの子どもが保育所などを利用できる仕組みであり、同世代の子どもや保育者との関わりを通じて社会性や発達を促すとともに、保護者にとっては育児の孤立を防ぐことにもつながる大変重要な制度だと認識しております。
一方で、制度の開始が目前に迫る中、保護者の皆さんからは、本市ではいつから利用できるのか、また、どのような形で受入れが行われるのかといった関心の声が多く寄せられております。
そこで、本市における誰でも通園制度の具体的な準備状況と利用開始時期や利用方法についてどのように検討を進めておられるのか、お伺いいたします。
○高橋鉄夫議長 安達健康福祉部長。
○安達好浩健康福祉部長 お答えをいたします。
本市におきましても、国から求められております令和8年4月からの実施に向けて準備を進めており、市内の各保育施設に対しまして、当該事業の実施希望の有無を確認した結果、複数の施設から実施を希望する旨の回答をいただいているところでございます。
今後は、先行して試行的な実施をしております他市の需要なども参考にしながら、事業実施の詳細につきまして、各施設と協議を行うなど準備を進めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○高橋鉄夫議長 3番工藤みどり議員。
○3番(工藤みどり議員) 承知しました。
保護者の負担を軽減し、子どもの健やかな成長を支えるこの制度は、親子双方にとって大きな支援になると考えます。
また一方で、保育士不足が深刻化する中、事業者に過度な負担がかかる仕組みでは定着が難しいとも感じます。今後は、人材確保の方策を講じながら、利用予定者の声を丁寧に反映させていただきたいと思います。
あわせまして、支援が行き届きにくい家庭にも届くよう、周知や広報の工夫や充実をお願いできれば幸いです。こうした取組が子育て環境のさらなる充実につながることを期待しております。
次に、制度を充実させるためには、人材確保や広報に加えて、保護者が日々直面している負担を軽減する視点も欠かせません。
これまで市民の方々から、上の子と下の子を同じ園に通わせたいのですが、定員の関係で難しいですとか、兄弟が別々の施設になることで送迎の負担が大きいといった切実な声を多くいただいております。子育て世帯にとって、兄弟が同じ施設に通えるかどうかは、日々の生活の安心感や利便性に直結する大きな課題であります。
そこで、本市において兄弟児が同じ施設に通えるよう配慮する取組は、現状どのように行われているのでしょうか。そして、今後さらに改善していく余地があるのかをお伺いいたします。
○高橋鉄夫議長 安達健康福祉部長。
○安達好浩健康福祉部長 お答えをいたします。
本市では、保育を必要とする家庭に対しまして、公平に保育施設を提供するため、認可施設の利用調整を行っており、保護者の就労時間や家庭状況など、保育の必要性が高い家庭から優先して入所を判断しております。
東根市子ども・子育て支援事業計画に基づき、教育・保育の受皿の確保に努めているところではございますが、就労率の高まりに伴い、市内保育施設等の需要につきましては、以前よりも高い水準で推移しております。
また各年において、出生数に差があることや確保できる保育の量が一定ではないこと、希望する家庭の状況などから、その時々の利用調整時において保育の必要性に大きく差がある場合もあり、議員ご質問のとおり、兄弟で同じ保育施設を希望したとしましても、必ずしも同時通園がかなうものではないという状況になっております。
市としましても、兄弟が別々の保育施設に入所することで、保護者の負担が増えているということは十分に承知しておりますが、兄弟同時通園を優先することで、場合によっては、保育の必要性の高い家庭が入所できなくなる状況は著しく公平性を欠くものと捉えております。
引き続き、保育を必要とする家庭に対しまして、公平な保育施設の提供に努めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○高橋鉄夫議長 3番工藤みどり議員。
○3番(工藤みどり議員) 答弁承知しました。
保育を必要とする家庭に対して、公平に入所機会を提供するという市の基本的な考え方は理解いたしました。
その一方で、兄弟が別々の施設に通うことで送迎や生活面の負担が大きくなっているという現実は、子育て世帯にとっても非常に切実な課題であります。
公平性を大前提としながらも、例えば定員調整の工夫や優先枠の柔軟な設定、また民間との連携など、多角的な工夫や調整の余地はまだまだあるのではないかと考えます。必ずしも全ての希望を満たすことは難しいかもしれませんが、できる限り兄弟が同じ施設に通えるようご配慮を広げていただくことが、保護者の安心や子育て環境の向上につながると思います。
今後は現場の声を丁寧に拾い上げながら、柔軟な運用や新たな仕組みづくりを進めていただきますようお願いしまして、2点目の質問に移りたいと思います。
こうした子育て環境の整備と併せて、保護者が安心して働き続ける職場づくりも大変重要であると考えます。家庭と仕事の両立を支えるためには、企業や職場における取組の進展が欠かせず、市としてもその状況を把握し、支援していくことが求められます。
国においては、子育て支援や女性の活躍推進に積極的に取り組む企業を評価認定する制度として、「くるみん」や「えるぼし」といった認定制度が設けられています。働きやすい職場環境の実現に向けて、こうした認定を受けた企業の状況や取組の広がりを把握することは重要と考えますが、市内企業の状況をどのように把握し認識されているのか、お伺いいたします。
○高橋鉄夫議長 青柳経済部長。
○青柳 昇経済部長 お答えをいたします。
くるみん認定につきましては、子育て支援に積極的に取り組んでいる子育てサポート企業として認定基準を満たした場合であります。
また、えるぼし認定につきましては、女性の活躍推進に関する取組の実施状況が優良であるなど、一定の要件を満たした場合に受けることができる制度となってございます。
市内の状況でございますが、くるみんにつきましては、所在地が東根市として登録されている企業につきましては6社でございます。また、えるぼしにつきましては、基準を満たした数に応じて3段階の認定となってございますが、これは2社となってございます。
いずれの制度につきましても、市内企業の認定が少しずつ増えてきており、より働きやすい職場環境の整備に向けた取組が広がっているものと捉えているところでございますので、よろしくお願いいたします。
○高橋鉄夫議長 3番工藤みどり議員。
○3番(工藤みどり議員) 答弁承知しました。
市内でも徐々に認定企業が増えていることは心強く、働きやすい職場環境づくりが着実に広がっていると感じております。
一方で、制度や認定だけでなく、実際に職場で子育てと仕事の両立が進んでいるかどうかを確認することも大切であります。特に女性のキャリア形成を支えるには、男性の育児参加が欠かせない要素であると考えます。
女性が子育てをしながらもキャリアを形成していくためには、男性の育児参加が非常に重要と感じますが、家庭と職場の両立支援、特に育児休業制度の利用促進は欠かせない視点であると考えます。
そこで、本市における企業の男性職員の育児休業取得の実態について、データなどは取っておりますでしょうか。もしあれば、取得人数や平均取得日数の状況についてお伺いいたします。
○高橋鉄夫議長 岡田総務部長。
○岡田光弘総務部長 お答えいたします。
市では、平成23年分から市内企業に対しまして、男性の育児休業制度活用についてのアンケート調査、こちらを実施しております。この結果によりますと、配偶者が出産したときの男性従業員の育児休業取得率は直近の令和4年から令和6年までで53.5%となっておりまして、おおむね2人に1人が取得している状況にあります。
以前の調査の平成23年から平成25年までのこちらの数値は4.3%でありましたので、大きく向上していることになっております。
また、平均取得日数ですが、令和4年から令和6年までで最も多かったのが「1か月から6か月」、2番目に多いのが「1週間から1か月未満」、これらの期間がほとんどを占めておりまして、その他の期間は少数となっている状況であります。よろしくお願いいたします。
○高橋鉄夫議長 3番工藤みどり議員。
○3番(工藤みどり議員) 答弁承知いたしました。
男性の育児休業取得が着実に進んできているとのことは、大変心強く感じております。
実際に子育てをしている立場からいたしますと、夫婦で一緒に子育てできる時間があることは、母親の心身の負担を和らげるだけではなく、1人で背負わなくてもいいという安心感につながります。そして、その安心感があるからこそ、職場復帰やキャリアの継続を前向きに考えることができます。そして、さらに子どもにとっても、父親との関わりが深まることは、成長によい影響を与えるものと実感しております。
こうした環境整備が進むことは、社会全体にとっても大きなプラスになると考えておりますし、男性の育児休業の広がりは、女性のキャリア継続や再就職を後押しする上でも欠かせない流れであると受け止めております。
だからこそ、実際に再就職やキャリア継続を希望する方々にとっては、どのような仕事の場があるのか、また、どのように出会えるのかといった具体的な就職機会やマッチングの場がますます重要になってまいります。
本市におかれましても、これまでハローワークなど関係機関と連携し、就職相談会や面談会を実施されてきたと答弁にございますが、その実績や効果についてお聞かせいただきたいと思います。
○高橋鉄夫議長 青柳経済部長。
○青柳 昇経済部長 お答えをいたします。
東根市を会場として行われました面談会のうち、東根市就職面談会につきましては、参加者266名のうち51名の方が採用に至っております。うち東根市の方につきましては、参加者が152名で31名の方が採用されている状況でございます。
また、保育のお仕事面談会につきましては、参加者は25名で4名の方が採用、そして、さくらんぼのお仕事面談会につきましては、95名が参加しまして54名の方が採用となってございます。
東根市を会場として実施した面談会につきましては、いずれも一般的な面談会よりも採用に至った割合が高いと聞いてございます。就職の一助として有効であったと判断しているところでございますので、よろしくお願いいたします。
○高橋鉄夫議長 3番工藤みどり議員。
○3番(工藤みどり議員) 答弁承知しました。
今のご答弁からも分かるとおり、市としての取組が一定の成果を上げていることが分かりました。そして、大変心強く感じております。
一方で、近年の社会の動きを見ますと、再就職やキャリア継続を望む方々にとって、「必要な情報が1か所にまとまっていれば探しやすい」ですとか、「相談窓口が分かりやすければ利用しやすい」といったニーズが高まっているように感じます。せっかくの就職機会や支援制度も必要とする人に届かなければ、十分に活用されないおそれがあります。
今後、女性が生きがいを持って働き続けられる地域社会を築くためには、企業の取組だけではなく、市としての支援や情報発信も必要になってくると考えます。
本市として、再就職を希望する方や子育て世代の女性が利用しやすい情報提供や相談体制の強化について、どのようにお考えでしょうか。
例えば、酒田市のホームページにあるように、女性の立場や視点に寄り添った女性応援ポータルサイトのような窓口を集約すれば、多くの女性が必要な情報をスマホやパソコンなどからも簡単に得られるようになるのではないかと思いますが、いかがお考えでしょうか。
○高橋鉄夫議長 岡田総務部長。
○岡田光弘総務部長 お答えいたします。
本市においても再就職を希望する方や子育て世代の女性の皆様が利用しやすい情報提供、相談体制を強化することは、女性が働きやすい環境の整備と地域産業の活性化を図る上で必要なことと考えております。
ただ今ご質問にありました酒田市のような先進事例に取り組むためには、時間と職員体制などの労力の問題、あるいは予算の問題も伴いますので、すぐに実施ということは難しいと考えておりますけれども、まずは各種施策の周知を強化するとともに、本市の実情に合わせた持続可能な取組に向けて先進事例などを研究してまいりたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○高橋鉄夫議長 3番工藤みどり議員。
○3番(工藤みどり議員) 前向きなご答弁をいただきありがとうございます。
今回は、子育て環境の充実と誰もが働きやすい環境づくりについてをテーマに一般質問をしてまいりました。
私自身も子育て中の母親として、日々の暮らしや働き方の中で感じる悩みや不安があります。だからこそ、女性が復職しやすい仕組みや家庭と仕事を無理なく両立できる環境、そして男性も家事や育児に参加しやすい社会づくりは、本当に大切なことだと感じています。
こうした取組を進めることが、誰もが自分らしく安心して暮らせるウェルビーイングやワークライフバランスの実現につながり、子どもを育てやすいまちをつくることになるのではないでしょうか。
そして、今まさに子育てをしている世帯もこれから子育てを迎える世帯も、東根市に住んでよかった、これからもここで子育てをしたいと感じられることが何よりも大切だと思います。
これからも、市民、事業者、行政が力を合わせ、女性や子育て世帯にとって暮らしやすく、魅力あるまちを目指し、第5次総合計画に掲げる「みんな元気にいきいき暮らす 健やかで住みよいまち」の実現に向けて前進していくことを願い、私からの質問を終わります。
○高橋鉄夫議長 以上で、ご了承願います。
◎河村 豊議員質問
○高橋鉄夫議長 次に、12番河村 豊議員。
〔12番 河村 豊議員 登壇〕
○12番(河村 豊議員) 12番河村 豊でございます。
議長の許可をいただきましたので、一般質問をさせていただきます。
少子高齢化と人口減少は、本市においても避けて通れない大きな課題であり、社会保障費の増大や公共施設の老朽化による更新など、厳しい課題が山積しており、限られた財源の中で市民サービスを維持向上させながら、持続可能なまちづくりを進めていくことが求められております。
そこで今回は、財政運営と行政サービスの維持、人口減少と定住促進、インフラや公共交通の将来像についてお伺いをいたします。
はじめに、財政運営と行政サービス維持について3点お伺いをいたします。
1つ目に、財政運営が一層厳しさを増す中にあっても、市民生活に直結する行政サービスを安定的に維持していくためには、限られた財源をどのように配分し、将来にわたって持続可能な財政運営を確保していくのかが大きな課題であります。
そこで、令和7年度以降を見据えた中期的な財政見通しをどのように立てているのか。また、直面する課題をどのように認識しているのか、お示しください。
2つ目に、財源が限られる中で市民生活を守る行政サービスを維持向上させるためには、事業の選択と集中が不可欠であります。今後、特に重点を置く施策をどのように定め、高齢化が進む中で若い世代や子育て世帯への支援をどのように位置付けるのか。また、限られた予算を重点配分する際の判断基準を市民にどのように説明していくのか、お伺いをいたします。
3つ目に、人口減少が進む中で、限られた職員数で多様化、高度化する行政需要に対応していくためには、ICTの活用や業務の効率化は避けて通れない課題であります。
そこで、ICTの活用や業務の効率化について、これまで具体的にどのような取組を進めてきたのか。また、その取組によって、どの程度の歳出削減や業務効率化の効果を見込んでいるのか、お示しください。
次に、人口減少と定住促進について3点お伺いいたします。
少子高齢化と人口減少は、地域社会の持続可能性を揺るがす要因となっております。国勢調査や将来推計人口を見ても、若い世代の流出や出生数の減少が続いており、今後の地域経済や地域コミュニティに深刻な影響を与えかねません。そこで伺います。
1つ目に、本市の将来像を描く上では、人口動態の正確な把握が不可欠であります。特に、若年層や子育て世代の流出は地域の活力や将来のまちづくりに大きな影響を及ぼすため、要因の分析が重要であります。
そこで、本市人口動態の現状をどのように分析し、若年層や子育て世代の流出要因をどのように捉えているのか。また、将来推計人口に基づき、2030年、2040年といった中長期的な人口規模をどのように見込んでいるのか、お示しください。
2つ目に、将来的に安定した人口構造を確保することは喫緊の課題であります。そのためには、移住・定住促進策を効果的に進めることが重要でありますが、多岐にわたる施策の中で最も重点的に取り組むべき分野はどの分野と考えているのか。また、若者や子育て世代が東根市に住み続けたいと思えるまちの魅力をどのように高めていくのか、お示しください。
3つ目に、地域の活力を維持し、地域コミュニティをしっかりと支えていくことは重要な課題であります。そのためには、単に移住・定住を促進するだけでなく、関係人口や交流人口を増やし、多様な人々とのつながりを広げる取組も不可欠であります。さらに、本市の強みである農産物や観光資源を活用することで地域の魅力を高め、交流の促進や地域経済の活性化につなげていくことが期待されます。
そこで、地域コミュニティの維持をどのように図るとともに、移住・定住に加えて、関係人口や交流人口を増やす取組をどのように進めていくのか。また、本市の農産物や観光資源をどのように活用していくのか、お示しください。
最後に、インフラや公共交通の将来像について2点、お伺いをいたします。
人口減少と高齢化が進む中で、道路や公共交通といったインフラ整備の在り方も大きな転換点を迎えております。老朽化した公共施設やインフラの更新費用は増大していきます。また、高齢者の移動手段確保も喫緊の課題であります。そこで伺います。
1つ目に、公共施設や道路、上下水道などの社会資本の多くが老朽化し、その更新費用は大きく増加することが見込まれます。限られた財源の中で、安定的かつ効率的に市民サービスを維持していくためには、長期的な更新計画の策定と戦略的な施設管理が不可欠であります。
そこで、インフラ更新費用について長期的な計画をどのように立て、複合化、集約化やスクラップアンドビルドの方針をどのように進め、財政制約の中で優先順位をどのように判断していくのか、お示しください。
2つ目に、公共交通の維持、再編についてでありますが、高齢化が進む中で交通弱者の移動手段をどのように確保していくのかについて、路線バスや市民バス、デマンド交通など、既存施策の成果と課題をどのように評価し、持続可能な公共交通ネットワークの将来像をどのように描いているのか、お伺いをいたします。
以上、財政運営と行政サービスの維持、人口減少と定住促進、インフラや公共交通の将来像という3つの観点から質問をさせていただきました。市民にとって、将来にわたり安心して暮らせるまちを実現するために、現状を率直に認識し、将来を見据えた明確な方針を示していただきたいと思います。
以上、登壇での質問といたします。
○高橋鉄夫議長 12番河村 豊議員の質問に対し、答弁を求めます。
土田市長。
〔土田正剛市長 登壇〕
○土田正剛市長 河村 豊議員のご質問にお答えをいたします。
はじめに、財政運営と行政サービスの維持についてであります。
令和7年度以降の中期的な財政見通しと課題認識についてでありますが、物価高騰や人件費の増加、少子高齢化を背景にした社会保障経費も増大の一途であり、今後、本格化する公共施設の長寿命化事業などにより、維持補修費や更新費用もますます増加していくものと見込んでおります。
一方、市税や普通交付税などの歳入については、大きな伸びを期待できる要因もなく、このような中で、今後とも持続可能な財政運営を行うためには、事業の優先順位の明確化と適正化、効果的、効率的な支出の徹底はもちろん、各種基金の計画的、効果的な活用、適切な市債の発行など、財政負担の軽減と平準化を図っていくことが肝要であると認識しております。
次に、財源が限られる中で、行政サービスを維持・向上させるための重点施策についてでありますが、本市においても少子高齢化が進行しており、少子化対策と同時に超高齢社会という現状に向き合った施策が求められております。
こうした中にあって、本市が特に重点を置いて取り組むべき施策としては、子育て支援、高齢者等の福祉、地域の活性化等が挙げられます。中でも、若い世代や子育て世代への支援は、子どもを安心して産み育てられる社会に向けた少子化対策として、特に重要なものであります。今後も引き続き、子育て支援を充実してまいります。
また、こうした重点的な施策展開に当たっては、各事業の重要度や緊急性を見極めながら、世代間の公平性の観点の下で判断し、全ての世代の市民から納得いただける予算の執行を目指してまいります。
次に、ICT化や事務効率化の具体的取組と歳出削減や業務効率化の効果についてでありますが、具体的取組のこれまでの事例を申し上げますと、本市では平成15年度から、独自に電子情報システムをいち早く導入し、予算編成及び決算などの財務事務や電子決裁に活用してまいりました。
また、近年では議事録等に活用する「AI文字起こし支援ツール」の導入や、各課の地図情報を共有する「統合型GIS」の運用を開始したほか、公印の押印省略の範囲拡大なども行っているところであり、現在は地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化への移行を進めております。
これらの効果を算出することは困難ではありますが、いずれも作業時間の短縮や情報共有化の迅速化などにつながっているところであります。
次に、人口減少と定住促進についてのご質問にお答えをいたします。
人口動態の現状認識と将来見通しについてでありますが、全国的に人口減少が進む中で、本市では今もなお社会増、すなわち転入超過が継続しており、一定の人口を維持しております。
しかしながら、死亡数が出生数を上回る自然減も続いており、少子化対策が強く求められている状況にあります。若年層や子育て世代の流出要因については、一般的には、就職や進学、就業環境の変化、結婚のほか、都会への憧れといったものが挙げられ、本市においても同様と考えられます。
なお、総務省が公表する住民基本台帳人口移動報告における年齢別の転入・転出の状況を見ますと、本市では流出よりも流入が多い傾向があり、本市がこれらの世代からも支持され選ばれるまちであることが表れていると捉えております。
将来推計人口に基づいた2030年、2040年の人口規模については、令和3年度に改定した東根市人口ビジョンにおいて、それぞれ4万7,500人、4万6,600人と減少していくと推計しております。なお現在、東根市人口ビジョンの改定作業を行って作業を進めているところであり、改めてこれらを推計してまいります。
次に、移住・定住促進策で特に重視する分野についてでありますが、若者や子育て世代にとって、東根市に住み続けたいと思える魅力を高めるには、これまでと同様、先駆的かつ特色のある施策に積極的に取り組みながら、住みよいまちづくりに努める必要があります。
若者や子育て世代の移住・定住の促進には、子育てや教育、医療と介護、住まいや雇用環境のほか、商業施設があることや、スポーツや文化の環境が整っていることなども重要であり、引き続きこれらの充実に努めてまいります。
次に、地域コミュニティ維持と関係人口・交流人口の拡大、農産物や観光資源の活用についてでありますが、関係人口・交流人口の拡大は、地域の経済活動の活性化のほか、将来的な移住・定住も期待できるものであることから、地域コミュニティの維持にもつながるものであります。
また、本市における関係人口・交流人口の創出に当たっては、地域と関わる接点として、さくらんぼなど本市が全国に誇れる農作物や観光資源を活用することが有効であると捉えているところであります。
次に、インフラや公共交通の将来像についてのご質問にお答えをいたします。
公共施設、インフラの更新計画の優先順位についてでありますが、市では老朽化した公共施設等を効率的に維持管理し、長期的な視点で財政負担を平準化、縮減するため、東根市公共施設等総合管理計画及び、これに基づく個別施設計画を適宜作成しております。
公共施設等の更新については、これらの計画を勘案しながら、振興実施計画の策定時において重要度や緊急度、財源などを総合的に判断して、時期や手法、事業量などを決定しております。
また、その際には市民の皆様からご理解を得られるよう、市民目線で重要度等を判断しているところであります。
次に、持続可能な公共ネットワーク構築の方針についてでありますが、これまで高齢者など交通弱者の移動手段として、市民バスやデマンド型乗合タクシーの運行、路線バスの維持に向けた補助、運転免許証自主返納者への支援である運転リリーフ事業に取り組むなど、市民の足の確保に努めてまいりました。
今後とも、これらの交通手段などを最大限に活用しつつ、市民ニーズや地域の実情を把握しながら、継続的に市民の足の確保に努めるとともに、交通に係る新しい技術や制度について研究するなど、よりよい公共交通ネットワークの構築に取り組んでまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○高橋鉄夫議長 12番河村 豊議員。
○12番(河村 豊議員) 財政運営と行政サービス維持について、改めてお伺いをいたします。
財政見通しについては、歳入増が期待できない中で支出増が続くと見込んでいるとのご答弁でありました。
市民に分かりやすく将来像を示すためにも、例えば令和7年度から10年度にかけての収支見込みや基金残高の推移、どの年度に財政の山場が来ると見ているのか、具体的な数値でお示しいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○高橋鉄夫議長 岡田総務部長。
○岡田光弘総務部長 お答えいたします。
本市では、令和7年度から令和9年度までを期間としました最新の振興実施計画第58号を策定しております。
こちらの計画では、毎年の収支をゼロにするために、財政調整基金を3年間で約18億円取り崩すことを見込んでおります。なお、この期間では山場というものはございませんけれども、いずれの年度も財政的には厳しい状況になっております。
また、各年度とも歳入を厳しく見ていることなどから、実際の決算額等とは差が生じますけれども、財政計画上は財政調整基金の残高は年々減少する計画となっております。よろしくお願いいたします。
○高橋鉄夫議長 12番河村 豊議員。
○12番(河村 豊議員) 財政計画上は各年度とも厳しいということでありましたが、それでは、地方交付税や臨時財政対策債への依存度、自主財源比率の推移見込みをどのように捉えているのか、お伺いいたします。
○高橋鉄夫議長 岡田総務部長。
○岡田光弘総務部長 お答えいたします。
地方交付税や臨時財政対策債への依存度につきましては、例えば臨時財政対策債が令和7年度に新規発行の予算額がゼロとなっておりまして、国の動向に左右される部分はございますが、これらの新規実施計画における歳入に占める割合につきましては、17%から19%程度で推移するものと見込んでおります。
また、自主財源比率につきましては、50%前後で推移するものと見込んでおります。よろしくお願いいたします。
○高橋鉄夫議長 12番河村 豊議員。
○12番(河村 豊議員) 今、それぞれ数値で示していただきましたけども、財政健全性を確保するために、最も大きな課題は何であると認識しておられるのか、お伺いをいたします。
○高橋鉄夫議長 岡田総務部長。
○岡田光弘総務部長 お答えいたします。
財政健全性を確保するためには、特に歳入の根幹をなす市税などの自主財源を安定的に確保することと考えております。
ただし、これらは社会情勢、景気動向、国の制度改正に大きく左右されますので、常に注視していく必要があると考えております。
また、歳出面では、市長答弁で申し上げましたとおり、今後も社会保障関係経費や公共施設等の維持補修費、更新費用などが増加してまいりますので、これらを念頭に健全財政の堅持に努めるべきと考えております。よろしくお願いいたします。
○高橋鉄夫議長 12番河村 豊議員。
○12番(河村 豊議員) 自主財源の安定的な確保が最大の課題であるとのことでございました。
自主財源の確保に向けて、例えば市税収入増に資する企業誘致、それから雇用拡大、ふるさと納税の拡充など、どのような具体的取組を進めていこうとしているのか、お聞かせください。
○高橋鉄夫議長 青柳経済部長。
○青柳 昇経済部長 お答えいたします。
新たな企業誘致につきましては、平成27年度に策定いたしました東根市産業創出基本計画におきまして、大森西工業団地北側の工業専用地域の一部を新たな工業団地の適地とし、進出企業の立地計画に合わせ、市が道路等のインフラを整備することとしております。
しかしながら、このエリアがハザードマップにおきまして、村山野川に想定し得る最大規模の降雨があって浸水した場合、水深0.5m未満の浸水が想定される区域と指定されたため、今後も慎重に進めてまいりたいと考えておりますが、具体的な進出希望があった場合は、事前の相談も含めまして、市としても柔軟に対応してまいりたいと考えております。
雇用拡大につきましては、引き続き村山公共職業安定所や北村山雇用対策協議会などと連携の上、より具体的なテーマを設定しながら就職面談会を開催するなど、多様な形での取組について、引き続き検討してまいります。
そして、ふるさと納税につきましては、昨年度の寄附額が約26億円と過去最高となっております。これにつきましては、昨年の8月に東根市ふるさと納税返礼品取扱事業者募集要項を定めまして、新規返礼品取扱事業者の募集を開始したことも一因であると考えております。
今後も、事業者からの商品開発等の相談にも丁寧に対応し、新規返礼品の開拓を行うとともに、特産品や観光と連携したプロモーションを強化することで、さらなる増収を目指してまいりたいと考えております。
今後もこうした取組により、自主財源の確保に向け取り組んでまいりますので、ご理解をよろしくお願いいたします。
○高橋鉄夫議長 12番河村 豊議員。
○12番(河村 豊議員) 自主財源の確保に向けての様々な取組についてお示しをいただきました。
これについては、あらゆる角度から官民一体となった、さらなる取組が必要であると考えておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
次に、市民サービスを維持・向上させる重点施策の方向性については、先ほどの市長の答弁で理解をいたしましたが、市長のご答弁にありました、全ての世代の市民から納得いただける予算の執行をどう具体的に実現するのかが重要だと考えております。
市民への説明責任を果たすために、予算編成過程の情報公開や、市民参加の仕組みをどのように強化していくのかをお伺いいたします。
○高橋鉄夫議長 岡田総務部長。
○岡田光弘総務部長 お答えいたします。
本市では、各年度の予算編成の前に振興実施計画を策定しておりまして、こちらを行政運営の指針とし予算編成をしているところであります。
振興実施計画は、各種団体の代表者などの幅広い委員構成からなる東根市振興審議会に諮問し作成しておりまして、これは予算編成過程の情報公開や市民参加の仕組みにもなっているものと捉えております。
今後も他自治体の事例なども研究しながら、より市民に納得いただける予算の編成、執行に努めてまいりたいと考えております。よろしくお願いします。
○高橋鉄夫議長 12番河村 豊議員。
○12番(河村 豊議員) 振興審議会による市民参加については、今のご答弁理解いたしました。
より多くの市民が関心を持ち、意見を届けられる仕組みが大変重要だと考えております。例えば、パブリックコメントやワークショップなどを通じて幅広い市民の声を反映する取組、それから、予算執行後の成果を見える化して公表する仕組みについてどのようにお考えかをお伺いいたします。
○高橋鉄夫議長 岡田総務部長。
○岡田光弘総務部長 お答えいたします。
本市では幅広い市民の声を反映する取組としましては、市長と語る日や市長のふれあい座談会といった機会において、市長が直接、幅広く市民の声を聞かせていただいているほか、市報で配布しております声の宅配便や各地区からの要望などにも1つ1つ丁寧に対応をさせていただいております。
さらには、各種計画の策定時においても、必要に応じて会議やアンケート調査、パブリックコメントなどで市民からご意見などを頂戴しておりまして、これらを市政に反映しているところであります。
予算につきましても、毎年度その概要を市報などで広く市民にお知らせしておりまして、執行後の成果につきましても、主要な施策の成果としまして、今年度からホームページなどでも公表しているところであります。
今後ともより多くの市民の皆様に関心を持っていただきまして、意見が届けられる仕組みの充実に向けて、引き続き取り組んでまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。
○高橋鉄夫議長 12番河村 豊議員。
○12番(河村 豊議員) 今のご答弁でございましたとおり、予算編成の前段階から、より多くの市民が関心を持って、その意見が反映される仕組みが重要だと考えますので、今後の取組に期待をしたいと思います。
次に、ICT化・事務効率化による歳出削減や業務効率化の効果検証についてでありますけども、効果が数値化されていないとの先ほどのご答弁でございました。
例えば、AI文字起こしや電子決裁によって、年間どの程度の作業時間が削減され、それが見込まれているのか。また、その効果を市民サービスの充実や財政負担軽減にどのように還元していくのか。定量的な目標を示していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○高橋鉄夫議長 岡田総務部長。
○岡田光弘総務部長 お答えいたします。
現在は、いわゆるアナログからデジタルへの過渡期でありまして、現時点では作業時間削減の程度、歳出削減の効果は把握していないところであります。
ただし、将来的には、ICTにかかる費用を超えて人件費などを減らすことが可能となりまして、歳出削減の効果を生み出すことができるものではないかと考えております。
また、その効果につきましては、先ほどの市長答弁にもありましたとおり、行政サービスを維持・向上させる重点施策に還元しまして、人手不足などによって市民サービスが低下しないよう努めてまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。
○高橋鉄夫議長 12番河村 豊議員。
○12番(河村 豊議員) 市民サービスが低下しないように、今後さらに進めるべきICT化の優先分野はどこだとお考えでしょうか、お伺いします。
○高橋鉄夫議長 岡田総務部長。
○岡田光弘総務部長 お答えいたします。
分野ごとの優先順位はつけておりませんけれども、本市の実情に合わせまして、実現可能なものから長期的な視点で費用対効果などを検証しながら、ICTの導入を図ってまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、市民の利便性や市民生活の質を向上させることを目的としまして、市民目線でICT化に取り組んでまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。
○高橋鉄夫議長 12番河村 豊議員。
○12番(河村 豊議員) ただ今のご答弁で、本市としては費用対効果を見極めながら、市民目線でICT化を進めていくとの方向性を伺いました。
ICT化につきましては、市民の利便性向上とともに、財政健全化にも資する大きな可能性を持つ分野であります。ぜひ、効果を市民に分かりやすい形で示しながら、着実に取組を進めていただくことを要望して、この項を終わりたいと思います。
次に、人口減少と定住促進について、ご答弁をいただきました。
若年層や子育て世代の流出要因については、一般的な傾向が示されておりましたけども、本市独自の調査や住民アンケートなどを通じて、具体的に把握している要因はあるのか。また、それを今後の施策にどう反映していくのかをお伺いしたいと思います。
○高橋鉄夫議長 岡田総務部長。
○岡田光弘総務部長 お答えいたします。
東根市からの流出、つまり転出者に対しまして意見などをお伺いする機会はほとんどありませんので、この要因につきましては把握しておりません。
ただし、本市の特色としまして、自衛隊や工業団地がございますので、転勤などの就業環境の変化による流出、また流入も近隣自治体と比べて多くなる傾向があるのではないかと考えております。
引き続き、若年層や子育て世代が住み続けたいと思えるような魅力ある住みよいまちづくりに努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
○高橋鉄夫議長 12番河村 豊議員。
○12番(河村 豊議員) 先ほどの市長のご答弁では、将来推計人口は、2030年に4万7,500人、2040年に4万6,600人ということでございましたが、2023年の独居高齢者の割合が13.6%で県内9番目、県が推計する本市高齢化率は2050年に37.1%と、この数字から深刻な見通しだと受け止めております。
そこでお伺いしますけども、こうした厳しい予測を前提とした場合、市として人口減少をどこまで食い止めることを目標にするのか。あるいは、減少を前提とした持続可能なまちづくりに軸足を置くのか。具体的に数値目標や方針をお示しいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○高橋鉄夫議長 岡田総務部長。
○岡田光弘総務部長 お答えいたします。
東根市人口ビジョンにおける将来人口推計は、今後、本市の目指すべき将来の方向に沿って施策を講じることを前提にしつつ、将来人口の減少傾向を抑制していくと推計したものであります。
したがいまして、今後はある程度の人口減少の予測の下、持続可能かつ活力あるまちづくりを進めていく必要があると考えております。
なお、先ほど市長答弁で申し上げましたとおり、現在、東根市人口ビジョンの改定作業を進めているところでありますので、具体的な数値等は改定後の人口ビジョンで示させていただきたいと考えております。よろしくお願いします。
○高橋鉄夫議長 12番河村 豊議員。
○12番(河村 豊議員) 市長の先ほどのご答弁で、定住促進策として幅広い分野が挙げられましたけども、限られた財源の中では優先順位づけが必要と考えております。
本市として、今後最も重点を置く分野をどこに定めるのか、明確にお示しいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○高橋鉄夫議長 岡田総務部長。
○岡田光弘総務部長 お答えいたします。
いずれの分野も重要でありまして、優先順位はつけておりません。
ただ、定住促進に向けた有利な制度や国の交付金などは積極的に活用を図ってまいりたいと考えております。
今後も若者や子育て世代を含めて、誰もが住みたい、住み続けたいと思えるような魅力あるまちづくり、住みよいまちづくりに努めてまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。
○高橋鉄夫議長 12番河村 豊議員。
○12番(河村 豊議員) このことにつきましても、先進事例を詳細に研究すること、それから市民の声から市の職員も積極的にアイデアを出し合うことなどが大事だと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、関係人口の創出については、農産物や観光資源の活用が有効とのご答弁でありましたけども、具体的にどのような施策や事業を展開して、どの程度の交流人口や経済効果を見込んでいるのか、具体像をお伺いをいたします。
○高橋鉄夫議長 青柳経済部長。
○青柳 昇経済部長 お答えをいたします。
本市では、これまで果樹国ひがしねをキーワードとして農作物のPRや観光資源を活用したイベント等を実施し、関係人口の創出に資しているところでございます。
そのうち、さくらんぼマラソン大会につきましては、県内外から多くの皆様が本市に滞在しますが、6年前の約1万2,000人が参加した第18回大会において、経済効果を委託して調査しております。その際は、山形県内において4億6,400万円の経済波及効果があると推計されております。
これ以外その他の各事業や施策ごとによる関係人口や交流人口、また経済効果については具体的な数字によりお示しすることは困難ではございますが、例えば、ふるさと納税の額や寄附者数の推移、イベント、または観光果樹園への来場者数、そして産直施設の売上げ等からも農産物や観光資源の活用に係る経済効果は、本市にとって大変大きいものと捉えておりますので、ご理解をよろしくお願いいたします。
○高橋鉄夫議長 12番河村 豊議員。
○12番(河村 豊議員) ここでは、本市の人口減少や高齢化の厳しい見通し、さらに、若年層や子育て世代の流出という課題について、現状と課題認識をご説明いただきました。
現時点では、数値目標や優先分野の明示は難しいということでありましたけども、人口減少や高齢化は市民生活や地域経済に直結する重要課題でありまして、市民にとっても非常に関心の高いテーマであります。
そのため、今後の人口ビジョン改定や施策実施に当たって、1つ目に将来人口の見通しや目標、それから2つ目に若者、子育て世代の定住促進策の重点分野、それから3つ目に関係人口創出施策の効果などについて、できるだけ具体的な数値や定量的指標を示して、市民に分かりやすく説明していただくことが重要であると考えております。
市民が自分たちの暮らしや地域の将来をイメージできる形で情報公開を行って、理解と納得を得ながら施策を進めていただくことを強く要望して、この項を終わりたいと思います。
次に、インフラや公共交通の将来像についてであります。
少し順番が前後しますけども、市民バスやデマンド交通などの施策に取り組んできたとの先ほどのご答弁でございましたが、利用者数や費用対効果の観点から、どのような成果があり、逆にどのような課題があると認識しているのか、評価をお伺いいたします。
○高橋鉄夫議長 井澤市民生活部長。
○井澤志都香市民生活部長 お答えをいたします。
市民バスの利用者数については、令和6年度の実績で、延べ約2万3,000人となっており、市民の足として大きな役割を果たしていると考えております。
また、令和2年度より運行しておりますデマンド型乗合タクシーの利用数については、年によって増減はありますが、近年は約300回の運行で、延べ400人から500人程度の利用となっており、市民の足として定着してきていると捉えております。
課題といたしましては、市民バスの利用者は年々減少傾向にあることと、バスの運行に係る委託料については、物価高騰も影響しておりまして増加傾向にあることから、今後、利用者数の推移を見ながら運行方法などについて検討する必要が出てくると考えております。よろしくお願いいたします。
○高橋鉄夫議長 12番河村 豊議員。
○12番(河村 豊議員) 今後の公共交通ネットワークについて、新しい技術や制度を研究していくとの先ほどの市長答弁でございました。
人口減少、高齢化が進む中で、持続可能な形をどう描くのかが市民にとって大変重要であります。例えば、デマンド型交通の拡充や民間との連携など、具体的にどの方向性を検討しているのか、将来像をお示しいただきたいと思います。
○高橋鉄夫議長 井澤市民生活部長。
○井澤志都香市民生活部長 お答えいたします。
人口減少、高齢化の影響による公共交通ネットワークの維持につきましては、本市だけの問題でなく全国的な課題であることから、現在、国やほかの自治体でも様々な取組がなされております。
そういった動きを注視しながら、市民ニーズや地域の実情を把握し、東根市にとって適した方法を見極めていきたいと考えておりますので、ご理解願います。
○高橋鉄夫議長 12番河村 豊議員。
○12番(河村 豊議員) 了解いたしました。よろしくお願いいたします。
次に、建設部長にお伺いいたします。
インフラ点検、維持管理においてでありますけども、センサーやAI、それからドローンなどのデジタル技術の活用をどのように検討しているのかをお伺いをいたします。
○高橋鉄夫議長 東海林建設部長兼上下水道部長。
○東海林浩司建設部長兼上下水道部長 お答えをいたします。
インフラの維持管理におけますデジタル技術の活用についてでございますが、現在、水道事業におきましては、人工衛星を活用した漏水調査、それから工業用水道事業におきましては、スマートメーターによる遠隔検針、そして、下水道事業におきましては、ラジコンテレビカメラによります管路診断などを実施しているところであります。
そして、導入を検討しているものといたしまして、道路施設における橋梁や舗装の点検業務があります。例えば、カメラを搭載しましたドローンや遠隔操作ができるロボットカメラによる橋梁の点検、そしてドライブレコーダーの画像を用いました画像認識AIでの解析によります舗装の点検、こういったものがございます。
しかしながら、デジタル技術などの新技術につきましては、発注のコストですとか、受注者側の技術者の育成、それから、新たなシステムの購入などの問題がございまして、現在は導入に至っていないという状況でございます。
引き続き、デジタル技術の情報収集に今後も努めていきまして、先進事例などを参考にしながら業務の効率化、それから費用の縮減に取り組んでまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○高橋鉄夫議長 12番河村 豊議員。
○12番(河村 豊議員) 了解いたしました。具体的な取組も検討していただいているということでした。
それから、コンパクトシティ、スマートシティとしてのまちづくりを視野に入れているのか。その検討状況はどうかということをお伺いいたします。
○高橋鉄夫議長 岡田総務部長。
○岡田光弘総務部長 お答えいたします。
今後、人口減少が進みますと、居住環境や都市機能、公共交通など特定のエリアに集約すること、デジタル技術の活用によりまして様々な分野でのサービス維持向上を図ることがますます重要になってくるものと認識しております。
ただし、現段階では、このコンパクトシティ、スマートシティとしてのまちづくりの具体的な検討は行っていないところでありますけれども、今後はこうしたことを視野に入れながら、現在策定中の立地適正化計画など各計画策定において、適宜検討を進めてまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。
○高橋鉄夫議長 12番河村 豊議員。
○12番(河村 豊議員) 市長は、本市のまちづくりはコンパクトシティと呼べるようになってきていると話されたことがございますが、さらにスマートシティのまちづくりを視野に入れて、今後の取組を検討していただきたいと思いますので、この点も何とぞよろしくお願いいたします。
インフラ更新については、総合管理計画等に基づいて判断するとの市長のご答弁、先ほどございましたけども、財政負担が急増する中で複合化、集約化、それからスクラップアンドビルドを具体的にどの施設や分野で進めていくのか。また、長期的に必要となる更新費用の総額をどのように見込んでいるのか。数字を含めてお示しいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○高橋鉄夫議長 岡田総務部長。
○岡田光弘総務部長 お答えいたします。
市長答弁にもありましたとおり、各公共施設などにおきましては、個別施設計画を適宜策定しているところでありまして、この中で、複合化、集約化、スクラップアンドビルドなどの方針につきましては、これら個別の計画の中で検討しているところであります。
また、長寿命化などを含めた更新費用につきましては、個別施設計画にてそれぞれ計上しているところでありますけれども、これら全ての公共施設などの総額については把握していないところであります。
なお、個別施設計画のとおりに進めるに当たりましては、短期間で多額の事業費が必要となりまして、財政への負担が非常に大きくなることもあります。そのため、振興実施計画におきまして、中長期的な財政状況などを踏まえながら進めてまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。
○高橋鉄夫議長 12番河村 豊議員。
○12番(河村 豊議員) ただ今のご答弁を踏まえまして、今後の取組について、以下の点を要望したいと思います。
まず第1に、現在は個別施設計画ごとに複合化やスクラップアンドビルドを検討しているということでございましたけども、施設単位の積み上げということでは、市全体としての持続可能性を確保することは困難だと考えております。公共施設全体を横断的に捉えて、全体最適の視点から再配置の基本方針を示していただきたいと思います。
それから第2に、全ての公共施設の更新費用総額を把握していないということでございましたけども、将来像を市民や議会と共有するためには、長期的な総額を試算して財政規模とのバランスを明らかにすることが不可欠であると思います。更新費用総額の見える化というものをよろしくお願いしたいと思います。
第3に、更新が一時期に集中すると、財政に過大な負担が生じることは明らかであります。更新時期を平準化して必要に応じて先送りや統合などを検討する戦略的なスケジューリングというものを要望したいと思います。
第4に、振興実施計画に位置付ける際には、単に事業を並べるのではなくて、起債や基金、国・県補助といった財源シナリオを明確にして、施設の更新・廃止・統合の優先順位を全体的に示す必要があります。中長期財政計画との整合性確保をよろしくお願いしたいと思います。
そして第5に、公共施設の将来像は、市民生活に直結する重要課題であります。計画づくりの段階から市民参加を取り入れて、市民と課題を共有しながら合意形成を進めていただきたいと思いますので、以上5点について市の取組を強く要望したいと思います。
今の3つ目の項では、公共施設の更新やインフラ維持管理、それからまた公共交通ネットワークの確保について、現状の取組や方針をご説明いただきました。
デジタル技術の活用や将来の都市集約、それからサービス維持の視点など、先進的な考え方も示されましたけども、現段階では具体的な総額や優先分野、将来像については整理途上であるということでございました。
今後は長期的な財政負担を見据えつつ、施設更新や公共交通の維持・効率化、さらにはスマートシティやコンパクトシティの視点も含めて、計画や施策を具体的な数字や指標で市民に示して、理解と納得を得られる形で進めていただくことを要望したいと思います。
本日は、財政の見通しや重点施策、ICTの取組、人口減少や定住促進、関係人口の創出、そして公共施設やインフラ、公共交通について、東根市の現状や考えをお伺いいたしました。
これまでのやり取りで、まず財政や施設更新、公共交通など将来に向けて考えていかなければならない課題が非常に多いと、計画的な財政運営や優先順位の設定が重要だということが確認できました。また、ICTやデジタル技術の活用、コンパクトシティ、スマートシティの視点など、効率化や市民サービスの向上に向けた取組が少しずつ進んでいることも分かりました。
人口減少や高齢化、若い世代の流出といった課題に対しては、施策の効果や将来の見通しをできるだけ数字や指標で示して、市民の皆さんに分かりやすく伝えることが大切だと感じております。
今後も、市民一人一人が自分たちのまちの将来というものをイメージでき、安心して暮らせる東根市になるよう、引き続き、各事業に対する積極果敢な取組を期待して、私の一般質問を終わりたいと思います。
以上です。
○高橋鉄夫議長 以上で、ご了承願います。
◎散 会
○高橋鉄夫議長 以上で、本日の日程は全部終了しました。
本日はこれで散会します。ご苦労さまでした。
午後 2時27分 散 会