令和7年6月12日 午前10時00分 開 議

      細  矢  俊  博 議長       片  桐  勝  寿 副議長

◎出席議員(18名)
 1番   森  谷     俊 議員       2番   深  瀬  明  理 議員
 3番   工  藤  み ど り 議員       4番   清  野  康  隆 議員
 5番   山  本  和  生 議員       6番   福  永  邦  幸 議員
 7番   滝  口  公  一 議員       8番   元  木  十 四 男 議員
 9番   東 海 林  克  彦 議員      10番   三  宅  一  人 議員
11番   植  松     宏 議員      12番   高  橋  鉄  夫 議員
13番   河  村     豊 議員      14番   原  田  利  光 議員
15番   髙  橋  光  男 議員      16番   佐  藤     直 議員
17番   片  桐  勝  寿 議員      18番   細  矢  俊  博 議員

◎欠席議員(なし)

◎説明のため出席した者の職氏名
土 田 正 剛
市      長

田 中   敦
教  育  長
松 田 智 志
選挙管理委員会
委  員  長

古 谷 利 明
代表監査委員
菅 原 繁 治
農業委員会会長

鈴 木 敬 一
副  市  長
岡 田 光 弘
総 務 部 長

井 澤 志都香
市民生活部長
安 達 好 浩
健康福祉部長

青 柳   昇
経 済 部 長
東海林 浩 司
建 設 部 長
兼上下水道部長

佐 藤 明 彦
会計管理者
矢 萩   宏
消防長

間木野 教 子
教育次長
鈴 木   豪
総合政策課長

本 間 和 史
庶 務 課 長
併選挙管理委員会
事 務 局 長
安 達 初 江
財 政 課 長

奥 田 文 子
監 査 委 員
事 務 局 長
伊 藤   亨
農 業 委 員 会
事 務 局 長





◎事務局職員出席者職氏名
安 達 利 也
事 務 局 長

高 橋 真伊子
事務局長補佐
鈴 木 雄 太
議事係長

紅 谷 雅 美
主      任
田 村 亮 祐
副主任

斎 藤 直 子
兼 務 書 記
辻 村   充
兼 務 書 記



◎議 事 日 程

 議事日程第2号
       令和7年6月12日(木) 午前10時 開 議

 日程第 1  市政一般に対する質問
        1  8番 元 木 十四男
        2 11番 植 松   宏
        3  5番 山 本 和 生
        4  4番 清 野 康 隆
        5  6番 福 永 邦 幸
        6  1番 森 谷   俊
    (散     会)

◎本日の会議に付した事件

 議事日程第2号に同じ。







令和7年東根市議会第2回定例会一般質問発言通告書

番 号
質 問 者
質 問 事 項
質 問 要 旨
答 弁 者
元木十四男
議   員
1.林野火災における本市消防本部の対応について
1.本年2月26日に岩手県大船渡市で発生した山林火災では、一帯の山を焼き尽くし、高齢男性1人が犠牲になった。市の面積の1割以上の焼失面積3,370haは平成以降最大で、222棟の建物を焼損させる大火となった。その後、山梨県大月市で約150ha、長野県上田市で約100ha、愛媛県今治市で442ha、岡山市で565haが焼失する大規模林野火災が相次いで発生している。昨年は、本県高畠町や南陽市でも林野火災が発生した。
  いずれも他県の防災ヘリコプターや自衛隊の大型ヘリコプターの応援による空からの消火活動、さらには緊急消防援助隊の消火活動等、広域的な支援体制により鎮火に至った。大規模な林野火災は、単独自治体の消防力では鎮圧は困難と考える。
  地球温暖化の影響で林野火災の大規模化が進んでおり、国連環境計画の報告書では、山火事の発生リスクは2030年までに14%、2050年までに30%に上昇するとしている。
  そこで以下の点について伺う。
(1)林野火災が発生した場合の初動対応について
(2)林野火災対応にかかる連携体制について
(3)大規模な災害が起きた場合の本市としての備えについて
市   長
植松  宏
議   員
1.水環境中の有機フッ素化合物(PFAS)の状況について
1.令和6年9月末まで、政府が行った水道水の有機フッ素化合物(以下、PFAS)の調査結果が昨年11月に公表されたが、これによると県内では東根市が32ng/L、河北町12ng/L、山形市1ng/Lという結果で、本市が県内で最も大きい数値となっている。この数値は全国的にみても比較的高い値であった。
  また、山形県が令和3年度から5年度にかけて県内の公共用水域及び地下水中のPFASの状況について調査したところ、すべての地点で検出されていた。発がん性が指摘されているPFASによる環境汚染が、全国各地の河川・地下水に広がり、本市でも不安が高まっているが、以下の2点について伺う。
(1)令和6年第3回定例会において、PFAS関連で一般質問した際の回答に、今後暫定基準値50ng/Lを超えることも想定し、対応策を検討していくということであったが、その検討結果は出ているか。
(2)本市の公共用水域のPFASデータも、小見川、荷口川、村山野川で比較的高濃度で検出されている(令和3年度~5年度山形県水大気環境課調べ)。本市の河川、地下水にPFAS が検出される原因について、学識経験者を入れて調査すべきと考えるがいかがか。
市   長
山本 和生
議   員
1.市職員の職場環境の現状と課題について
1.本市の今年度の予算は285億円を超え、過去最大となった。業務内容の大幅な増加が予想される。限られた時間の中で、多様化する市民のニーズにしっかりと対応しながら、市政発展のために多くの業務をこなす市職員の働きやすい職場環境は保たれているのか。心身の健康を維持するための休養や無理のない勤務体制は整っているか。仕事と家庭、地域貢献などの両立を重視する気運が高まっている。個人の能力を十分に発揮でき、市民の幸福のための日々の仕事がしやすい快適な職場環境、働きがいと生きがいが実感できる魅力ある職場づくりのために、次の4点を伺う。
(1)市職員の休暇制度の状況は。
(2)市職員の自発的な地域貢献や副業などに対する考え方について
(3)市職員の勤務実態と課題について
(4)人材育成について
市   長
清野 康隆
議   員
1.災害対策について
1.気候変動により、自然災害が頻発している。市民を災害から守る観点から、以下を問う。
(1)市庁舎、避難所、ライフライン施設のあり方について
(2)要配慮者への対応について
市   長








福永 邦幸
議   員
1.次期計画策定に向けた第2次東根市地域福祉計画の評価について
1.令和3年度から令和7年度までの5か年計画である第2次東根市地域福祉計画は今年度が最終年度となる。その間、新型コロナウイルス感染症の影響により、地域コミュニティが希薄となるなどの課題が見られたが、次期計画を策定するにあたり、これまでの検証を行い、課題について評価することが大切であると考える。
  そこで以下について伺う。
(1)東根市地域福祉計画は、地域住民の生活を支える重要な基盤であると考える。この計画がどのように地域福祉課題を解決し、市民の安心安全な生活の確保へとつながるのか、その展望について伺う。
(2)地域福祉の持続可能性を確保するために、今後どのような施策を強化・推進していくお考えか。特に、地域住民との協働や福祉人材の確保・育成に関する方針について伺う。
(3)第3次東根市地域福祉計画の策定にあたり、市民の参加や意見の反映をどのように促進していくお考えか。手法やスケジュールについて伺う。
市   長
森谷  俊
議   員
1.事務事業評価の導入と公表について
1.事務事業評価を「共有と対話」の起点として外に開いていくことは、市民と行政が一丸となって協働のまちづくりを推し進め、市民みんなの力でつくる笑顔輝く協働のまちに近づくための大きな一歩になると考える。
  事務事業評価とその公表に力を入れるべきと考えるが、わがまちではどのように事業の評価を行っているのか。
  また、評価結果として市民に公表する考えはないかを伺う。
市   長




  ◎開     議

○細矢俊博議長 皆さん、おはようございます。
  本日の会議に、欠席及び遅刻の届出はありません。したがいまして、出席議員の数は18名で、定足数に達しておりますので、これから本日の会議を開きます。
  本日の会議は、議事日程第2号によって進めます。

  ◎市政一般に対する質問

○細矢俊博議長 日程第1 市政一般に対する質問を行います。
  質問は通告順としますが、発言順番を迎えたときに議場にいない場合は、発言権の放棄とみなしますので、そのようにご了承願います。

  ◎元木十四男議員質問

○細矢俊博議長 はじめに、8番元木十四男議員。
   〔8番 元木十四男議員 登壇〕
○8番(元木十四男議員) おはようございます。議席番号8番元木十四男でございます。
  議長の許可をいただきましたので、通告に従いまして、林野火災における本市消防本部の対応について一般質問をしてまいります。
  日本の気候は四季がはっきりとしており、もともと湿潤気候であることもあって、火災の原因となる乾燥状態が長期間続くことが少ないことから、山林火災が毎年発生しているオーストラリアなどの海外諸国と比較しても山火事の発生がしにくいとされてきました。
  しかし、近年になって世界規模で頻発している山火事の要因の1つと言われているのが地球温暖化で、局地的に雨が降らなくなったことに加え、気温の上昇により土壌に含まれている水分が蒸発することで一気に乾燥が進み、ひとたび火災が発生したとき、強風などの気象条件がさらに加わることで、山林火災の大規模化が頻発しております。
  本年2月26日に岩手県大船渡市で発生した山林火災では、一帯の山を焼き尽くし、高齢男性1人が犠牲になりました。大船渡市の面積の1割以上の焼失面積3,370haは、平成以降最大で、さらに222棟の建物を焼損させる大火となりました。人口の14%に相当する約4,600名に避難指示が出されました。
  山火事が住宅地まで燃え広がる大規模火災は、近年はほとんどなかったのですが、温暖化によって大雨と乾燥という両極端の現象が進むと予想される中、対策の見直しを迫られています。
  最初の質問として、林野火災が発生した場合の初動対応について伺います。
  大船渡市の山林火災は、20日連続で乾燥注意報が出されていました。乾燥と強風によって燃え広がり、12日間にわたって燃え続けました。2月26日の午後1時過ぎに2つの地区で火災が確認され、その日のうちに全国の消防で組織する緊急消防援助隊と自衛隊が現地に入り、消火活動を開始しました。
  地上からは、15都道府県から派遣された緊急消防援助隊2,000人が消火に当たり、集落を守るため、防衛ラインである延焼阻止線を山際に設定して、集中的に放水を行いました。
  空からは、近県の消防防災ヘリコプターや陸上自衛隊などのヘリコプター15機が1日に2,000トンの水を投下しました。しかし、一旦火を消しても、ヘリが飛べない夜間に再び燃え上がったり、風向きが頻繁に変わるなど、予想外の方向に燃え広がるなど、消火活動は困難に直面しました。
  3月4日には2,900haまで延焼し、7つの集落の目前まで火の手が迫り、延焼阻止線で火と消防の攻防が続きました。3月5日から待望の雨が降って延焼拡大が止まり、9日に鎮圧しました。雨による効果が大きかったと見られますが、多くの集落で懸命の消火活動によって、雨が降るまで持ちこたえたと言うことはできると思います。
  今回、大船渡市の林野火災がここまで延焼した大きな要因は、記録的な少ない雨です。大船渡市の2月の雨量は僅か2.5ミリで、観測史上最も少ない雨量でありました。樹木や下草など、山全体が乾燥していたところに強風で燃え広がりました。
  林野火災対策については、3年前に国の指針が大きく見直され、指揮体制の明確化や、地上とヘリコプターの連携、緊急消防援助隊やヘリの迅速な応援体制などが示されました。
  今回、それにしたがって早い段階から分厚い体制が取られたこともあって、ある程度の成果は上げられましたが、大火災全体を消防力で抑え込むことはできず、一部の集落への延焼も食い止めることができませんでした。
  資料の2ページ上段の表をご覧ください。
  平成14年以降の大規模林野火災の状況を示したものです。ここに出ているほかに、今年になってから3月以降も山梨県では150ha、長野県上田市では100ha、今治市で442ha、岡山市で565ha焼失する大規模林野火災が相次いで発生しています。昨年は、本県高畠町や南陽市でも大規模林野火災が発生しました。
  これほどまでに大規模な林野火災が頻発する中、単独自治体での消防力では、鎮圧は困難と考えます。他県の消防防災ヘリコプターや自衛隊の大型ヘリコプターの応援による空からの消火活動、さらには緊急消防援助隊の消火活動など、広域的な支援体制により鎮火に至ったことから、一度山火事が発生すると水利の確保やホース延長など、消火活動には多大な力が必要となります。
  そこで、2問目として、林野火災対応に係る連携体制について伺います。
  資料2ページの下段をご覧ください。
  林野庁のホームページでは、山火事の直接的な原因を分析しており、原因が明らかになっているもので最も多いのがたき火の約3分の1、次に、火入れが約2割、放火、たばこの順となっています。
  京都大学防衛研究所准教授の研究グループの報告によると、人が関与しているケースが全体の98.9%を占め、落雷などは1.2%にとどまっているということであります。
  このことからも、私たちが山菜採りやハイキングなどで山に入るときは、たばこの投げ捨てなど、火の不始末は絶対にしないことが求められます。
  大船渡市林野火災陸上部隊の活動としては、市街地への延焼措置を目的として消火活動、航空部隊は日の出から日没までローテーションを組みながら、消防防災ヘリでは8機で約1,000回、500トンの水を、自衛隊の大型ヘリは8機で約1,300回、6,500トンの水を散水し消火に当たりました。
  大船渡市の消防団員は、自らも被災しながら地区住民の命を守るため、避難の呼びかけや避難誘導、消防隊等と連携し、熱源確認や残火処理、夜間の見回り、被害状況の情報収集等の活動に懸命に従事し、消火活動を行いました。2月の19日から3月23日まで、延べ3,460人の消防隊員が活動したということでありました。
  3問目として、大規模な災害が起きた場合の本市としての備えについて伺いまして、登壇での質問といたします。
○細矢俊博議長 8番元木十四男議員の質問に対し、答弁を求めます。
  土田市長。
   〔土田正剛市長 登壇〕
○土田正剛市長 元木十四男議員の林野火災における本市消防本部の対応についてのご質問にお答えをいたします。
  はじめに、林野火災が発生した場合の初動対応についてでありますが、まずは消防署で現場を確認して地上消火に当たり、規模に応じて消防団に出動要請を行うこととなります。そして、火災の状況を迅速かつ正確に把握した上で、速やかに防災ヘリによる空中消火が必要かどうかを判断いたします。
  林野火災は、ひとたび火災が発生すると被害が広範囲に拡大するおそれがあるため、発生した場合には、消防力の総力を挙げて早急の初期消火に努めてまいります。
  次に、林野火災対応に係る連携体制についてでありますが、大規模または大規模となるおそれがある林野火災が発生した際には、市として、すぐに災害対策本部を設置すると同時に、県の担当課に報告を行うこととなります。
  また、市だけでは対応が困難であると判断した場合には、防災ヘリの出動要請や山形県消防広域応援計画に基づき関係消防本部に応援を要請し、それでも消火能力を超える場合には、他県の緊急消防援助隊による応援要請を行います。
  これらの応援を受けても、なお消火能力が足りない場合には、県に対して自衛隊による災害派遣要求を行い、知事が自衛隊に派遣を要請することとなります。
  次に、大規模な災害が起きた場合の本市としての備えについてでありますが、本市消防本部では、毎年実施している県防災訓練に広域応援隊として参加しております。
  林野火災につきましては、隔年県主催で訓練を行っており、今年度は図上訓練と情報伝達訓練を予定しているところであります。そのほかにも、毎年林野火災等を想定した県消防航空隊との連携、合同訓練を実施しております。
  令和6年7月に発生しました庄内・最上地方を中心とする豪雨災害におきましては、本市消防職員も広域応援隊として出動し、実際の現場での経験も積んできているところであります。
  近年は気候変動の影響もあり、台風や豪雨による大規模災害や林野火災などの、いつ起こるか分からない自然災害に備え、大規模災害を想定した訓練を実施しながら練度を高め、市民の安全・安心の確保に努めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 8番元木十四男議員。
○8番(元木十四男議員) 市長答弁承知いたしました。
  初動対応については、地上での初期消火に努め、規模に応じて消防団に出動要請、火災状況を迅速かつ正確に把握した上で、防災ヘリによる空中消火の必要性を判断するということでありました。
  言うまでもなく当たり前のことでありますが、火災発生時には、何といっても初期消火で延焼を最小限に食い止めるということが肝腎であります。消防署の初期消火については、この度配備した3,000リットル水槽付ポンプ車などを含めたポンプ車等での対応と捉えますが、林野火災となると急峻な山地等で発生することから、人家から離れたところで消火栓や防火水槽が近くにないことが考えられます。
  林野火災発生時の地上消火及びヘリコプターによる空中消火の場合の消火水は、どこを想定しているのか伺います。
○細矢俊博議長 矢萩消防長。
○矢萩 宏消防長 お答えします。
  林野火災が発生した場合は、防火水槽や消火栓が近くにない場合を想定しなければなりませんので、近くの川や沢の水、またはため池などの自然水利からポンプでくみ上げ、消火活動を行うことになります。
  また、空中消火を行う場合は、障害物や気象条件を考慮した上で、現場周辺の沼やダム、そして消火バケットへのポンプ車等からの給水が想定されます。よろしくお願いします。
○細矢俊博議長 8番元木十四男議員。
○8番(元木十四男議員) 答弁承知いたしました。
  今から22年前の平成15年5月に、関山地区の萱倉山で林野火災が発生し、山形県の消防防災ヘリコプター「もがみ」による空からの空中消火活動が行われました。当時、私は消防の分団長をしており、そのときは消火水を沼沢沼から給水し、ヘリコプターで空中消火に当たったことを記憶しております。
  市長答弁の中に、県消防航空隊との連携、合同訓練を実施しているとありましたが、訓練の内容について伺います。
○細矢俊博議長 矢萩消防長。
○矢萩 宏消防長 お答えします。
  県消防航空隊との訓練は毎年行っており、ヘリコプターの出動要請を想定した情報伝達訓練をはじめ、消防隊員を現場搬送するためにワイヤーの巻上装置を使用したつり下ろし、つり上げ訓練、ヘリコプターの消火バケットにポンプ車等から消火用水を入れる給水訓練などを実施しております。
  また、来月には白水川ダム付近と山形空港にある防災航空隊基地離着陸場において連携合同訓練を実施し、練度を高めてまいります。よろしくお願いします。
○細矢俊博議長 8番元木十四男議員。
○8番(元木十四男議員) ホイスト装置を使用してのワイヤーのつり下ろし、つり上げ訓練や、ヘリコプターの消火バケットにポンプ車等から消火用水を入れる給水訓練など、実に高度なスキルを要する訓練をしているということで、大変心強く頼もしく思ったところであります。
  特に、県の消防防災航空隊の基地は本市にありますので、地の利を生かした訓練を継続し、高度なスキルを習得し、練度を高めていただきたいと思います。
  急峻な斜面やポンプ車がアクセスできない狭隘な場所や不整地でも移動しやすく、消火活動に効果的なツールの1つである、一般に水を運べる背負い式水のうは何基配備しているのか伺います。
○細矢俊博議長 矢萩消防長。
○矢萩 宏消防長 お答えします。
  背負い式水のうは、現在消防署に38基、第二、第三分団、東郷、高崎の消防団になりますが、合わせて45基の合計83基配備しております。よろしくお願いします。
○細矢俊博議長 8番元木十四男議員。
○8番(元木十四男議員) 背負い式水のうは、消防隊の負担を軽減し、消火活動を効率化する効果があると言われております。
  背負うことで両手が自由に使いやすくなり、水量のコントロールやノズルの操作など、機動性の向上につながるためであります。背負い式なので地形に合わせた移動が容易で、火災現場へのアクセスがスムーズになり、ホースの延長が難しい場所や残火処理に最適であります。
  先般の大船渡林野火災でも、残火処理活動において、点在する熱源に対して機動的に活用できたという消防庁の報告書にもありました。また、効果的な資機材の1つとしても挙げられています。
  背負い式水のうは、合わせて83基配備しているということでしたが、22年前の本市の林野火災時には、そこまでの数はなかったと認識しております。当時は、消毒用の動噴も活用しながら消火活動に当たったということも伺いました。
  有事の際の初期消火や消火活動は重要でありますが、何よりも火災を発生させない、未然に防ぐことが最も重要であります。
  林野火災予防のための周知・啓発はどのようにしているのか伺います。
○細矢俊博議長 矢萩消防長。
○矢萩 宏消防長 お答えします。
  林野火災予防の周知・啓発につきましては、今年度は4月1日から5月31日までを山形県山火事防止運動実施期間として設定し、4月9日に県主催の春季火災予防キャラバンに参加してきております。
  また、4月16日から22日まで、村山地域山火事防止啓発ウィークを実施し、東根、東郷、高崎、神町地区を車両による巡回及び広報活動をしてきております。
  そのほかに、防災行政無線、市報、SNS、ホームページの啓発、登山道入り口に火災予防の看板の設置など、啓発活動に努めております。よろしくお願いします。
○細矢俊博議長 8番元木十四男議員。
○8番(元木十四男議員) 答弁承知いたしました。
  消防のみならず、農林課サイドでも山火事防止啓発ウィークを設けて、のぼり旗を立てたり、山火事の危険性が高い地域などを重点的にパトロール車で巡回するなど、地域住民に注意喚起を行っていると思っております。
  山火事防止は、貴重な森林資源を守る、COを吸収する森林を守るということであり、すなわち地球環境を守り、地球温暖化防止に貢献しているとも言えると思います。
  今年2月に発生した大船渡市の林野火災には、本市消防署で応援に行ったのか伺います。
○細矢俊博議長 矢萩消防長。
○矢萩 宏消防長 お答えします。
  岩手県大船渡市で発生した林野火災へは、緊急消防援助隊として2月26日から3月16日までの19日間、計26名が消火隊としての消火活動や、後方支援隊としての応援活動を行ってきたところであります。よろしくお願いします。
○細矢俊博議長 8番元木十四男議員。
○8番(元木十四男議員) 林野火災の発生した2月26日、その日のうちに第一弾が5人出動し、緊急消防援助隊として消火活動や後方支援隊として応援活動を行ってきたということであります。
  19日間交代でとはいうものの、体育館等での寝泊まりだったと聞いております。苛酷な環境下での応援活動には頭が下がる思いであります。
  大船渡市の林野火災の緊急消防援助隊として活動してきたと消防長より答弁がありましたが、緊急消防援助隊の役割と過去の活動状況について伺います。
○細矢俊博議長 矢萩消防長。
○矢萩 宏消防長 お答えします。
  緊急消防援助隊の役割についてでありますが、緊急消防援助隊は阪神淡路大震災の教訓を踏まえてできた制度でありまして、大規模災害や特殊災害が発生して、被災地の単独の消防機関では対応できない場合に、他都道府県の消防本部や航空隊が消防庁長官の指示、または求めに応じて応援に駆けつけるものであります。
  本市消防本部は、平成16年4月に登録されております。
  過去の活動状況につきましては、平成16年の新潟県中越地震で被害を受けた新潟県川口町、現在は合併して長岡市となっております。平成20年の岩手・宮城内陸地震で被害を受けた宮城県栗原市、平成23年の東日本大震災で被害を受けた岩手県大船渡市、令和元年の東日本台風で被害を受けた宮城県丸森町、令和7年2月に発生しました岩手県大船渡市の林野火災に出動し、応援活動をしてきております。よろしくお願いします。
○細矢俊博議長 8番元木十四男議員。
○8番(元木十四男議員) 承知いたしました。
  いずれも大規模な災害発生時に出動し、応援活動を行っているということであります。
  地球温暖化の影響で林野火災の大規模化が進んでおり、国連環境計画の報告書は、山火事の発生リスクは2030年までに14%上昇、2050年までには30%上昇するとしているようであります。
  もちろん、林野火災の大規模化の要因はそれだけではなく、林業の衰退で手入れの行き届かない山林が増えていることも大規模化の一因であります。間伐や枝打ち、下草の刈取りなどが行われないまま、枯れ葉や枯れ枝、落ち葉などが燃料となってたまり、燃え広がりやすい環境になっています。
  順序が逆になってしまいましたが、資料の1ページをご覧ください。
  山林火災の発生件数が、昭和30年代から50年代にかけては、年間5,000件から8,000件発生しており、平成に入っても3,000件前後で推移しており、令和に入ってやっと毎年1,200件から1,300件の発生と横ばいで推移しており、長期的には山林火災の発生は減少傾向にあり、大規模化が進んでいるということであります。
  森林ジャーナリストの田中氏は、「昭和期に山林火災が多かったのは林業も盛んだった。人が入ればたき火もする。たばこの不始末もする。ただ、記録に残るほどの大規模火災が件数ほど多くないのは、消火も早かったからではないか。山に人がいるということは消す人もいたということになる。しかも、小規模な山火事がよく発生していると燃えるものがその都度なくなり、林内にあった落ち葉や枯れ枝、枯れ草などしょっちゅう燃えることで、量を減らし炎が大きくなるのを抑えたのではないか。加えて、戦後すぐの頃はまきや落ち葉の採集が行われてきた。林業でも木を残らず持ち出していた。しかし、近年では、森林の活用が減ったことで可燃物がたまっていた。さらに、山里の過疎化が進んだことで、山に火の手が上がっても初期消火が難しい。こうした下地があった上に、少雨強風という気象条件が重なって大規模な林野火災に発展したのではないか」と指摘しています。
  本市の森林面積は、1万3,226haで市全体の面積の64%に相当します。森林は木材の生産、水源の涵養、土砂災害の防止、地球温暖化対策、生物多様性の保全など、我々人間社会や自然環境にとって不可欠なものであります。
  一度消失すると、再生までには50年という長い年月がかかります。林野火災は、私たち一人一人の心がけで防ぐことができる災害です。
  消防行政につきましては、啓発活動等で注意喚起、予防消防の強化と、有事の際は迅速な連携体制構築をお願いして、一般質問を終わります。
○細矢俊博議長 以上でご了承願います。

  ◎植松 宏議員質問

○細矢俊博議長 次に、11番植松 宏議員。
   〔11番 植松 宏議員 登壇〕
○11番(植松 宏議員) 11番植松 宏です。
  発言通告に基づき、本市の有機フッ素化合物(PFAS)の状況について質問させていただきます。
  この件につきましては、昨年の第3回定例会でも取り上げ、市長、担当部長より答弁をいただいてきたわけですが、その後の情勢の変化、本市の対応について動き等があったものかも含めて再質問させていただきます。
  PFASは、有機フッ素化合物のうちペルフルオロアルキル化合物とポリフルオロアルキル化合物の総称で、水や油をはじき、熱に強い特性があり、フライパンのコーティングや食品容器など、私たちの身の回りで幅広く使われてきた経緯があります。
  また、泡消火剤や半導体製造にも使われ、米軍基地がある沖縄や東京多摩地域、PFAS関連の工場がある大阪府摂津市などで特に問題となっていることは、当時発言させていただいたとおりです。
  PFASの中でも、PFOSとPFOAは自然環境では分解されにくく、永遠の化学物質とも呼ばれ、環境中にも人体内にも長期にわたって残存する化学物質です。
  有害な化学物質を規制するストックホルム条約では規制の対象となり、国内でもPFOSが2010年、PFOAが2021年に輸入や製造が原則禁止されています。さらに、2024年2月からはPFHxS(ペルフルオロヘキサンスルホン酸)も製造、輸入、使用が禁止されております。
  PFASの健康影響については、確定的な知見はないものの、アメリカやヨーロッパでは発がん性や新生児の体重増加抑制や免疫抑制、脂質異常などの健康被害が指摘され、世界的には規制強化の動きが強まっています。
  EU各国とイギリスでは、ジャーナリストや専門家が国境を越えて協力し、PFAS汚染マップをつくり、欧州科学機関は1万種類以上ある全てのPFASの全面禁止を提案している状況です。
  日本におけるPFASの規制値としては、暫定目標値として1リットル当たり50ngとされておりますが、環境省が2022年に38都道府県で河川や地下水を対象に調査したところ、16都府県で目標値を超えた事例があったことも報告されています。
  さらに、2024年度の政府が行った全国調査は、水道の蛇口から出る水が対象で、私たちの体内に入る飲み水に限定して調査されたものでした。その調査結果も昨年暮れに公表されましたが、国の暫定目標値50ngを超えた水道事業はなかったようです。
  参考資料の1として、山形県内の数値だけ抜粋して載せてもらいました。東根市の数値は32ngで、県内で最も高い数値でありました。
  しかし、国の基準値には至らないまでも、全国で富山県を除く46都道府県の332水道事業、ここでは本市も含む全体の2割に相当する水道水からPFASが検出されたということ、中には、基準値ぎりぎりの水道事業もあったことがマスコミでも話題になりました。
  2020年度は全国で11の水道事業で50ngを超過していましたが、翌21年度には5事業に、そして22年度には4事業、23年度には3事業と漸減し、昨年2024年度には、ようやくゼロとなった経緯があります。
  これは、各水道事業でPFASの数値を低下させるべき対応を行ったことによるものと政府も公表しています。
  環境省では、これらの状況を踏まえ、水道水1リットル当たり50ngが暫定目標値、努力義務だったものを水道法上の水質基準の対象に引き上げることにし、来年4月の施行を目指して関係法令を改正中であるということであります。
  このような経過も踏まえて、市長にお伺いしますが、1点目は、昨年の第3回定例会において、私がPFAS関連で一般質問した際の回答に、今後暫定基準値が50ngを超えることも想定し、対応策も検討していくというご回答がありましたが、その後の情勢の変化、調査結果も踏まえた検討結果は出ているでしょうか。
  2点目は、県が行った公共用水域のPFASデータも参考資料の2として載せていただきましたが、本市の河川、地下水のPFASデータも小見川、荷口川、村山野川で比較的高濃度で検出されています。地下水においても同様です。
  そこで、本市の河川、地下水において、なぜ比較的高いPFASが検出されるのか。その原因究明を学識経験者も入れて調査すべきではないかと考えますが、そのお考えがあるかお伺いいたします。
  今年2月に報道された共同通信のPFASアンケートによれば、各地で問題となっている水の汚染について、その汚染源の特定の調査を既に実施しているというところが17、検討の意向があると答えたのが5と、全国22道府県、約5割近くの道府県で汚染源の特定に積極的な姿勢を見せているという調査結果が出ています。本市の水環境を改善する上でも、PFAS汚染源の特定は必要かと思いますが、いかがでしょうか。
  以上、2点を登壇での質問とさせていただきます。
○細矢俊博議長 11番植松 宏議員の質問に対し、答弁を求めます。
  土田市長。
   〔土田正剛市長 登壇〕
○土田正剛市長 植松 宏議員の水環境中の有機フッ素化合物(PFAS)の状況についてのご質問にお答えをいたします。
  はじめに、本市の水道水におけるPFASへの対応策についてでありますが、恒久的対応策として、現在の浅井戸からPFASの影響が少ない深井戸への取水位置の変更に向けて取り組んでおり、令和5年度に袋田水源地内に調査井戸を削孔したところ、深度約50m付近に帯水層を発見し、水質検査を実施した結果、水道の水源として適していることを確認したところであります。
  PFAS測定値についてもこれまで3回の測定を行っており、全て1リットル当たり6ng以下と低い数値となっております。また、令和6年度に深井戸を設置し、揚水試験を実施した結果、水道としての必要水量が確保できることを確認したところであります。
  今年度は、新たに前河原水源地及び袋田浄水場の2か所で深井戸調査を実施し、その結果を基に深井戸の活用方法を検討した上で、水道事業の変更認可を受ける予定としております。
  一方、恒久的対応策としての深井戸の運用までには、約5年が必要であると想定しております。
  また、令和8年度からは、水質管理目標設定項目から、水道法による遵守義務及び検査義務がある水道水質基準項目への引上げが検討されています。
  現在、PFAS測定値は暫定目標値以下でありますが、市民により安全・安心な水道水の供給を行うために、直近5年間の緊急的対応策として、現在の浅井戸から取水した原水中のPFAS値を除去するため、今年度中に活性炭膜ろ過装置を袋田浄水場内に暫定的に設置することとしております。
  長期的な水運用を目的とした深井戸取水による恒久的対応策と既存井戸水のPFAS濃度を活性炭により除去させる緊急的対応策を同時並行で進めることで、安全・安心な水道水の安定供給に努めてまいります。
  次に、河川及び地下水におけるPFASの学識経験者による原因調査についてであります。
  山形県の調査におけるPFASの数値につきましては、本市を含め県内全ての調査地点で暫定指針値を超過した地点はなかったことから、県では監視強化の目安となるレベルではないと判断しているところであります。
  また、本市におきましても、水環境の状況把握のために、毎年地下水7か所、河川12か所で水質調査を行っており、令和6年度からは、地下水は神町と大富の2か所で、河川は小見川と荷口川の2か所で測定項目にPFASを追加して実施しているところであります。
  なお、結果についてはいずれも暫定指針値を下回っている状況となっております。
  PFASに関する対応については、環境省より手引が示されており、暫定指針値を超えた場合には飲用摂取防止の徹底、継続的な監視調査の実施、調査範囲を拡大した追加調査などを実施することになります。
  その際には、県と連携しながら学識経験者による調査等についても検討することになりますのでご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 11番植松 宏議員。
○11番(植松 宏議員) 引き続き、質問席から質問を続けます。
  はじめに、本市の上水道のPFASの水質結果に対する対応策の検討結果についてでありますが、市長答弁によりますと、恒久的対策として、影響の少ない深井戸への変更に向けて取り組んでいるところであるということ、既に新たな水源も発見して、水質、水量の検査も実施済みであることも了解いたしました。ぜひ、この対応策が順調に進展することを見守っていきたいと思っております。
  あわせて、この対応策には5年間の時間を要することから、それまでの間の緊急的対応策として今年度から活性炭膜ろ過装置、これを現在の浄水場内に設置することにしているということでありました。まずは早急なご対応に感謝申し上げたいと思います。
  登壇でも述べさせていただきました。また、市長答弁でも触れられましたように、PFASが水道水質基準項目へ来年度から引き上げされるということになるわけですが、今後の検査回数などの対応はどのようになるでしょうか。
○細矢俊博議長 東海林上下水道部長。
○東海林浩司建設部長兼上下水道部長 お答えを申し上げます。
  本市のPFASの検査の回数でございますが、国におきまして水質基準項目の格上げ後に検討されている年4回の検査、この検査を本年度より水道水質検査計画で自主的に定めまして、6月から9月、12月、3月に実施することといたしております。令和8年度以降は、国から正式に示される検査回数に従い水質検査を実施していくこととしておりますので、よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 11番植松 宏議員。
○11番(植松 宏議員) 了解いたしました。
  来年4月以降に予定されている法改正に合わせて、既に本市では自主的に四半期に1回の検査を今年度から実施しているということで安心したところであります。
  それでは、改めてお伺いしますが、現状でPFASが検出されている袋田水源地、前河原水源地の自己水源を利用している地区及びこれらの地区でこの水を利用している市民、これはどのくらいの数になるでしょうか。
○細矢俊博議長 東海林上下水道部長。
○東海林浩司建設部長兼上下水道部長 自己水源を利用している地区は、大きく分けますと村山野川を境に北側に位置します東根地区、長瀞地区、小田島地区などとなりまして、その給水人口は約2万6,000人、東根市の人口の約55%となるところであります。よろしくお願いします。
○細矢俊博議長 11番植松 宏議員。
○11番(植松 宏議員) 村山野川の北側、約2万6,000人、市民の人口にして55%が利用しているということで、この2つの水源の重要さを改めて認識したところであります。
  続いて、市長答弁にもありました本市の上水道のPFASに対する緊急的対応策についてお伺いしますが、活性炭膜ろ過装置、このような対策を取っている水道事業所がほかにあるのかどうか。
  また、その効果がどうなのか、どのぐらいの効果があるのかお伺いします。
○細矢俊博議長 東海林上下水道部長。
○東海林浩司建設部長兼上下水道部長 お答えいたします。
  活性炭を利用した実績のある浄化設備は、沖縄県の企業局や岐阜県の各務原市などで使用されておりまして、PFAS除去に有効的であることが既に実証されているところであります。
  本市の原水も、活性炭膜ろ過装置を整備することで、ろ過後の処理水の浄水は、今までの数値より低減すると考えているところであります。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 11番植松 宏議員。
○11番(植松 宏議員) 低減することは理解しましたが、その低減度、これは数値的には出てこないんでしょうか。
○細矢俊博議長 東海林上下水道部長。
○東海林浩司建設部長兼上下水道部長 これまでの水質検査の結果から、くみ上げました原水のPFASの値は一定ではないため、ろ過処理後の低減を数値で示すということは難しい状況でありますが、活性炭膜ろ過装置を設置することで原水のPFASは間違いなく低減いたしまして、より安全な水を供給できるものと考えておりますのでご理解をよろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 11番植松 宏議員。
○11番(植松 宏議員) 原水のPFASの値もまだ一定ではないということから、数値では示すことはできないということのようです。ただ、全国でも使用実績があることですし、今後の効果に期待したいと思います。
  引き続き質問に移りますが、登壇での2つ目の質問、県が調べた本市の公共用水域の調査結果からも比較的高濃度のPFASが検出されているわけですが、この原因を学識経験者も入れて調査すべきではないかということに対しては、結論としては、県としても本市でも調査結果が暫定基準指針値50ngを下回っているため、原因究明の調査は考えていないということのようであります。
  その判断のよりどころとして、環境省のPFASに関する対応の手引があるということも答弁の中にありました。
  登壇で取り上げました共同通信の汚濁源特定のアンケート、これが行われたのは昨年の11月から12月にかけて行われております。結果が公表されたのが今年の2月です。一方、国が行った全国の水道水のPFASの調査、これは昨年の5月から9月にかけて行われました。公表されたのが11月です。
  繰り返しになりますが、国の水道水のPFAS調査結果では、国の暫定基準値50ngを超えた水道事業はなかったという結果でした。しかし、50ng以下であってもPFASが検出された水道事業が全国で2割相当あったと。
  私は、この状況を判断して共同通信もアンケートを行ったのだろうし、約半数近い道府県がPFASの汚染源特定の調査を既に実施していると。検討の意向があると。あわせて22の道府県が汚濁源を特定する意向があるという回答だったと思っています。当然、その時点では環境省の手引も出ていますから、それも踏まえた回答だったと思っております。
  ですから、山形県が全て基準値内だったから汚染源の特定は考えていないという回答をしたということなんですが、自分的にはまだ納得がいかない気持ちがあります。
  これは山形県のアンケートですから、これ以上は突っ込んでも仕方ないと思うんですが、いずれ心配されるのが、飲み水として地下水を常用している市民、PFASが混入していることも知らずに飲み水として使っている市民がいるのではないかということなんです。
  市では、上下水道が入っていなくて地下水だけに頼っている市民の人数がどれくらいいるのか把握しているんでしょうか。
○細矢俊博議長 井澤市民生活部長。
○井澤志都香市民生活部長 お答えをいたします。
  現在、県及び市において、飲用井戸の設置については届出などの制度がないため、飲用水として地下水だけに頼っている市民の数については、把握していない状況でございます。よろしくお願いします。
○細矢俊博議長 11番植松 宏議員。
○11番(植松 宏議員) 人数の把握はしていないということなんですが、上下水道部から出ている東根市水道事業概要、この中の上水道の普及率という数字があります。この数字を見てみますと、ここ数年間は99.8%という数字が続いています。ざっくり言って0.2%の市民は、上水道を使わずに生活しているということが考えられます。
  今は水も市販されておりますから、買ってきた水で生活している方もいらっしゃるのかもしれません。でも、一番考えられるのは、井戸水、地下水を飲み水として使っている方がいるのではないかということなんです。
  そこで、山形県が出している山形県飲用井戸等衛生対策要領というのがあります。この要領の目的は、飲用に供する井戸、飲み水に供する井戸ですね。水道法等で規制を受けない飲用水を供給する施設の適正管理、水質に関する定期的な検査、汚染時における措置及び汚染防止のための対策を定めることによって、これら井戸等について総合的な衛生の確保を図ることを目的とするとあります。
  この要領の基本方針では、水道給水地内にある設置者等に対し、水道への加入を勧奨することや、飲用井戸、飲み水井戸の衛生確保は、設置者自らの責任で行うことなどが記載されております。
  その次に、実態の把握として、県及び市町村は、飲用井戸等の衛生確保を図るため、飲用井戸の設置場所、設置数、水質の状況等に関する情報を収集・整理し、設置者等及び使用者に対する啓蒙のための必要な措置を講じるように努めるものとすると記載されております。
  本市での飲み水用の井戸の実態把握、これはどのようにされているでしょうか。
○細矢俊博議長 井澤市民生活部長。
○井澤志都香市民生活部長 お答えをいたします。
  先ほど市長答弁にもありましたとおり、飲用井戸としてではございませんが、水環境の状況把握のための調査は毎年行っている状況でございます。
  地下水につきましては、市内で井戸水を使用している方にご協力をいただきまして、市内7地区から1か所ずつ、計7か所をトリクロロエチレンなどの4項目について測定しているところでございます。
  測定結果につきましては、いずれも基準を下回っている状況でございまして、今年度も同様の調査を実施する予定であります。
  また、PFASについても昨年同様、神町地区と大富地区の2か所の井戸で測定項目に追加して実施する予定となっております。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 11番植松 宏議員。
○11番(植松 宏議員) 水質状況の把握のために水質調査はやっていると。市内で7か所という数が決して多いとは私は言えないと思うんですが、了解しました。
  加えて、水質調査にPFASの調査も神町、大富の2か所でやられたということでありました。いずれも基準値を下回っていたということなんですが、どのくらいの数字だったかは教えていただけないでしょうか。
○細矢俊博議長 井澤市民生活部長。
○井澤志都香市民生活部長 お答えをいたします。
  昨年度実施しましたPFASの数値については、暫定指針値となる1リットル当たり50ngに対しまして、神町地区は3ng、大富地区は1ng未満という結果になっております。よろしくお願いします。
○細矢俊博議長 11番植松 宏議員。
○11番(植松 宏議員) 予想外に少ない数値でよかったなと思っておりますが、この地下水も恐らく使用目的までは調べていないと思うんですが、主に飲み水として地下水を使用している井戸水の水質検査、飲み水に限定した水質検査というのは、実施したことはこれまでなかったんでしょうか。
○細矢俊博議長 井澤市民生活部長。
○井澤志都香市民生活部長 お答えをいたします。
  飲用井戸の水質検査については、県の指針にもありましたとおり、設置者などが自らの責任で行うものと承知をしておりまして、市としての飲用地下水の水質検査は行っておりません。
  なお、先ほど議員からご指摘のあった県の要領の基本方針にもございますが、井戸水と水道水を併用している方も含めまして、水道の給水区域内にお住まいの方につきましては、井戸水は雨や周囲の影響も受けやすいことから、まずは飲用には水道水を利用するよう勧奨することが肝要と考えているところでございます。よろしくお願いします。
○細矢俊博議長 11番植松 宏議員。
○11番(植松 宏議員) 山形県飲用井戸等衛生対策要領の基本方針に、飲用井戸等の衛生確保は設置者自らの責任で行うものであると。これは私も見てまいりました。重々理解しているつもりなんですが、この要領ができるずっと前から地下水に頼ってきた市民がいるはずなんですね。それが、時節の流れで水質にも変化が出てきていると。
  ついては、飲み水には水道水を利用するように啓蒙していく。資料としても、地下水の水質検査というのは必要ではないかなと思った次第です。
  それでは、市としては上水道への啓蒙、これをどのような形でやっているんでしょうか。
○細矢俊博議長 井澤市民生活部長。
○井澤志都香市民生活部長 お答えいたします。
  これまで、上水道の切替えについては、市としては特別な啓蒙などは行ってきていなかったところでございますが、今後については、上下水道課と連携をしながらホームページや市報などにより、井戸水を経口することへの注意喚起、水道水への加入勧奨など啓蒙に努めてまいりますのでご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 11番植松 宏議員。
○11番(植松 宏議員) ぜひ、安心・安全な上水道の普及にも努めていただきたいと思います。
  今回のPFAS問題を調べている中で、全国版の記事ですが、災害用井戸のある自治体31%、断水時活用へ政府が指針を作成したという今年2月の地方紙の記事を見つけました。
  これは、昨年の能登半島地震をきっかけに、井戸があれば上水道が断水しても地下水を活用できるため、いざというときの水源として活用できるという発想のようであります。
  この記事によれば、国が行った調査で災害用井戸を持っている自治体がどれくらいに上るのかという調査に、「ある」と答えた自治体が全国で31%あったと。さらに、災害用井戸があると答えた自治体で、生活用水として使うというところが79%とほとんどであります。
  飲み水と生活用水に使うと答えた自治体が21%という記事でありました。飲み水にも使うというところでは、水質検査も当然行っているようですが、ついてはこのときの調査に対し、東根市ではどのような回答を出されていたのでしょうか。お伺いします。
○細矢俊博議長 岡田総務部長。
○岡田光弘総務部長 お答えいたします。
  本市では、災害時に活用できる井戸が東根中部小学校の敷地内と西部防災センター、2か所にございますので、国の調査に対しましては公共の災害用井戸を有していると回答しております。
  また、この井戸の水は、飲用以外の生活用水としての利用を想定しておりますので、水質検査は行っておりません。国の調査にはこの旨も回答しているところであります。
  なお、災害時、断水時の飲用水につきましては、備蓄品のほか、給水車などによる対応となりますのでご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 11番植松 宏議員。
○11番(植松 宏議員) 本市では、あくまでも飲用以外の生活用水としての災害用井戸であるということのようであります。
  私は、この記事を見て、既存の井戸水も日頃より水質調査を行っておれば、災害時にも飲用水として優先的に使えるのではないかと、そういう井戸が把握できるのではと思っての質問でありました。
  今回の本市のPFASをめぐる水質環境については、上水道については来年度から水質基準項目に格上げされること、本市の水道事業でも、当面緊急的対応策として活性炭膜ろ過装置で現状の数値の引下げが期待できること、また、公共用水域、地下水については、山形県としても本市でも今後継続してPFASの調査を行っていくということでしたので、今後の動きを見守っていきたいと思っております。
  そもそも、なぜ東根市において比較的高い数値のPFASが検出されるのかを考えた場合に、資料の2として載せていただいた「山形県の水環境中の有機フッ素化合物の状況について」と、この1ページの下の方に書かれております「有機フッ素化合物の排出源となり得る施設」、ここに、泡消火剤保有・使用施設として、空港、自衛隊、駐車場と、また、有機フッ素化合物使用施設として、半導体基板製造工場と、さらに廃棄物処理施設、下水道処理施設等と記載されております。本市には、これらが全て存在するわけです。
  半導体基板製造工場などは、本市に3か所もあります。県内で最も多い数です。
  私は、決して市民の不安をあおるわけではなく、逆に早めの調査・対応が市民の不安解消に必要かと思っているところであります。ぜひとも県とも協力して、汚染源の特定調査、これは進めるべきではないかと思っております。
  以上で、私の一般質問を終わります。
○細矢俊博議長 以上で、ご了承願います。

  ◎山本和生議員質問

○細矢俊博議長 次に、5番山本和生議員。
   〔5番 山元和生議員 登壇〕
○5番(山本和生議員) 5番山本和生です。議長の許可を得ましたので、これから一般質問を始めます。
  本日は、市職員の職場環境の現状と課題についてでございます。
  新年度がスタートし、3か月、本年度、東根市には、消防、保育職を含め20名の新職員が夢と希望を持って元気に働き始め、業務にも慣れてきたところであります。
  少子高齢化、人口減少の時代、行政の仕事を通じ、職員として住民の幸福のために働く優秀な人材を確保することが難しくなってきております。その中で、県内唯一の伸びゆくまち、東根を選び、難関を突破して晴れて東根市職員となった20名の職員には、仕事の使命感を自覚し、人生をエンジョイする余暇の時間の充実にも両方達成できるように邁進してほしいと思います。
  全国的に地方公務員のなり手が減少しているということです。市役所も、若者や女性から選ばれる魅力ある職場であるべきであります。大きな希望を持ち、期待に胸を膨らませ働き始めた新職員。夢の実現に向け、能力を発揮することはもとより、給与は税金より支給されていることを自覚し、市民の幸福のために日々努力することが義務でもあります。
  さて、我が東根市は、これらの新人を含めた全職員が人生の目標や幸福感達成のため、充実した仕事ができる魅力ある職場環境は築けているでしょうか。働きやすい職場の風土づくりはどうでしょうか。
  本日は、その現状と課題について確認し、質問いたします。
  本市はかねてより、最少の経費で最大の効果を得る、効率的な行財政改革を行い、職員の能力アップや発揮しやすい職場環境づくり、研修などを行い、東北でも最も勢いのあるまち、住んでみたいまち、住みやすいまちと、多くの人々から選ばれるまちとして大きな発展を成し遂げてまいりました。
  そして、本市の本年度令和7年度の予算は過去最大の285億円を超え、社会情勢の変化や進展、また今後の大型プロジェクト事業などにより、業務内容の大幅な増加が予想されます。
  昨今の多様化の時代、様々な市民のニーズにしっかりと対応しながら、市の発展のために多くの業務をこなす市職員の皆様の働きぶりには、敬意を表するものであります。そのためにも、よりよい職場環境の充実、整備がますます大事と思われます。
  近年、市の業務量が増加しています。職員の負担の度合いは適正でしょうか。過労はないですか。業務の過多が続けば、職員のコミュニケーション不足や心の病にもつながりかねません。労働管理を十分に行ってほしいです。
  そのための休暇制度の十分な活用が必要であります。心身のリラックスがあってこそ、業務に専念でき、市民サービスの充実にもつながります。そこで、本市の各種休暇制度の状況について伺います。
  さて、本年1月、石破茂総理は、全国の自治体に向けて公務員職員の副業のガイドラインの明確化について検討を始めるとの考えを示しました。
  仕事と生活の両立をしたい。オフの時間に、社会や地域の役に立ちたい。充実した人生計画を持ちたいと思う職員が増えています。人手不足の時代に、公務員が余暇の時間を利用して人手不足の現場でお手伝いをする。また、地域のための貢献をするなどが想定されます。そのためにも、柔軟でゆとりのある、働きやすい魅力ある職場づくりが大事です。
  公務に差し支えない副業を許可する仕組みをどう進めるか。例えば、部活の指導員などでもあります。国は、仕事のオン・オフを明確にし、柔軟な働き方を認める考え方を検討することを始めると述べました。山形県でも、県職員が農家の人手不足のお手伝いを促進する取組を進めております。そのために、柔軟な勤務体制など、職場環境の充実が必要となります。
  職員の副業やアルバイト、地域社会においては共助の必要性が求められている中、職員の地域貢献ボランティアなど、申出が認められやすい風土づくりも必要と思われます。
  地域社会の中で、今共助が求められている中、現役世代には仕事のみならず、家族サービスや地域活動などの貢献が期待されています。職員も、仕事が終われば地域社会の一員。市役所という職場には、働き方や職場環境の改善を通して、職員のそういった貢献を後押しする率先した姿勢が求められています。
  それは、地域社会の共助のみならず、公私ともに充実した人生の幸福感が得られる職場として、若者や女性に選ばれる職業、優秀な人材の確保へもつながると思います。
  今後増えると思われる職員の自発的な地域貢献、副業などに対する考え方を伺います。
  さて、本年度の市の予算は過去最高となり、業務量も年々大幅に増えていると。だが、職員数人員は大幅に増加しているとは見えません。全国で人手不足であります。市行政の現場ではどうでしょうか。
  職員定員適正化計画、仕事量、効率化、DX化によるデジタル化による省力化はどうでしょうか。多様なニーズを持った住民の利便性向上も図りながら、働きやすい職場環境をどうつくるか。心身の健康の維持などはどうでしょうか。
  休まず働くことが美徳とされた時代から、仕事と家庭や地域活動の両立が重要な人生観の時代へ。安心して勤務できる環境が大事です。
  市職員の勤務実態の現状と今後の課題について伺います。
  次に、本市がこれからも魅力的な自治体であり続けるために、人的資源が非常に重要です。意欲・能力ある職員が正当な評価を受け、満足度・幸福度を高める人材活用は進んでいるでしょうか。伸びゆく東根をさらに発展させるため、組織、人材、適材適所の計画の取組はどうでしょうか。
  能力を十分に発揮し、働きがいある職場環境整備が一人一人をさらに成長させ、市のさらなる発展へとつながります。魅力ある職場が若者や女性に選ばれる。優秀な人材確保にもつながる。
  そこで、本市の人材育成の取組について伺います。
  以上、市役所の魅力ある働きやすい職場環境づくりのための休暇制度の状況、自発的な地域貢献など副業に対する考え方、勤務実態と課題、人材育成について、以上を伺って、壇上からの質問といたします。
○細矢俊博議長 5番山本和生議員の質問に対し、答弁を求めます。
  土田市長。
   〔土田正剛市長 登壇〕
○土田正剛市長 山本和生議員の市職員の職場環境の現状と課題についてのご質問にお答えをいたします。
  はじめに、市職員の休暇制度の状況についてでありますが、地方公務員の休暇制度は、年次有給休暇や病気休暇のほか、特別休暇、育児休業などの国に準じた制度となっております。
  夏季休暇の取得可能期間の拡大や育児休業制度の拡充等により、休暇制度自体は充実してきておりますが、職員が安心して各休暇を取得するためには、取得しやすい雰囲気づくりや、休職中の職場の負担軽減などが必要であり、今後も制度を利用しやすい職場環境を整備してまいります。
  次に、市職員の自発的な地域貢献や、副業などに対する考え方についてでありますが、全国的には公共性や地域活性化などの一定の要件の下、報酬を伴う地域活動が推進されている事例もあります。
  本市においても、さくらんぼの収穫期の兼業を推進しておりますが、子どもたちのスポーツクラブに対する指導や、まちづくり活動への参加などは、地域の発展、活性化、さらには職員のワークライフバランスの向上につながることから、希望する職員には積極的に支援してまいります。
  次に、市職員の勤務実態と課題についてでありますが、時代の変化に合わせた施策の展開や、多様化する住民ニーズへの対応、国の制度改正への対応等により、地方自治体の業務は確実に増加しております。
  このため、全国の自治体職員の数は、平成28年度を境に増加に転じているところであります。年々増加する業務量に見合う人員を確保し、職員の負担を緩和しながら、いかに業務を再構築するかが課題でありますが、本市職員が心身の健康を維持しながら、やりがいを持って働き続けるための職場環境の充実を図ってまいります。
  次に、職員の人材育成についてでありますが、行政がデジタル化の進展をはじめとする時代の変化に対応し、地域課題に対する解決策を見いだす力を養うほか、職員のモチベーションを向上させるためには、体系的な人材育成の方策が必要となります。
  本市では、第一に能力を引き出し高める研修制度、第二に組織目標と情報の共有化などによる組織づくり、第三に人事評価制度を含めた人事管理、これらを柱に人材育成を実施しておりますので、ご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 5番山本和生議員。
○5番(山本和生議員) これからは、質問席より質問を続けます。
  市長答弁承知いたしました。休暇制度の種類や休暇制度自体は充実してきているが、職員が安心して取得するために、職場環境の整備が必要とのことが分かりました。
  業務量の増加、限られた時間の中で住民対応もしながら、日々の業務をこなす市職員の働きぶりには、敬服するものであります。過労で健康を害することがあってはなりません。休暇制度を十分に活用することです。
  年次有給休暇は、全職員に付与されています。体調や個人スケジュールに応じ、有効に活用すべきものであります。
  それでは、市職員の年次有給休暇の取得状況と、取得の促進の取組について伺います。
○細矢俊博議長 岡田総務部長。
○岡田光弘総務部長 お答えいたします。
  令和6年の職員1人当たりの年次有給休暇平均取得日数でありますが、11.36日となっております。これは、特定事業主行動計画における年間取得目標日数10日を満たしております。
  一方で、もう1つ目標がありまして、取得日数5日未満の職員の割合が12.4%となっております。これを0%にするという目標がございますが、こちらには届いていない状況であります。
  引き続き、ワークライフバランスを実現するために、土曜日、日曜日、祝日に年次有給休暇を組み合わせて連休とするプラスワン休暇。休暇を取得して外出や余暇を楽しむポジティブオフを周知・推奨しまして、全ての職場において年休の取得しやすい環境づくりに努めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 5番山本和生議員。
○5番(山本和生議員) 部長答弁承知いたしました。
  有給休暇について、1人平均1年に11.36日、約ひと月に1日取っている状況とのことが分かりましたが、1割以上の職員の方が年休の取得が5日以下ということであります。
  自分の体調を十分に留意しながら、働き過ぎにならないように頑張ってほしいと思います。また、休みを取りにくいという環境がないよう、取りやすい環境をお願いいたしますが、本市ではいろいろ取得促進の取組もなされており、働きやすい職場づくりにつながっていると思いました。
  また、育児休暇については、女性だけでなく、男性職員の活用も全国的に広まっております。本市でも年々取得率が上がっているとお聞きしております。
  また、最近では、ビジネスケアラーという、仕事をしながら親の介護の両立に頑張っている人、また、ダブルケアラーという仕事をしながら、親の介護をし、さらに育児を頑張っている方、懸命に頑張っている方が増えてきております。
  高齢化により、家庭の中で急に起こる介護の事情。介護の事情はなかなか相談しづらいものがあります。でも、仕組みを整備して柔軟に対応できるように、今後は介護に関する休暇の要請にも柔軟に対応していただきたいと思います。
  心身の疲労やパフォーマンス低下につながり、さらには介護離職にもつながりかねません。こういった福利厚生、充実した休暇制度の整備は、働きやすく魅力のある職場として選ばれる職業の要因の1つになると思います。
  次に、職員の自発的な副業や地域貢献について、市長答弁承知いたしました。
  今が旬のさくらんぼ収穫手伝いなどは、人手不足の解消のみならず、職員が現場の空気感に触れ、自然と親しみ、農家の皆さんとの交流を深めながら、自らの質の向上につなげ、明日からの住民サービスに大いに役立ち、個人のライフワークの充実にもつながります。
  山形県でも、チェリサポという県職員がさくらんぼ農家のお手伝いをする副業を支援しております。もちろん、公務への集中を妨げたり、職務遂行能力に悪影響を与えないか、心身の疲労が職務に悪影響を与えないかを十分検討すべきです。
  総務省は、2025年度をめどに公務員の副業の基準を明確化する動きが進められているようであります。農業支援に限らず、地域活動貢献や自分の能力を生かしたボランティア活動など、市民目線での行動と、共に汗を流すことで職場以外のネットワーク構築が図られます。
  地域社会の中で共助というキーワードが強調されています。市職員も仕事が終われば地域の一員、オフの時間を有効に活用できるという公務員の働き方の自由度を高めることで、若者へのアピールにつながり、人材の確保も目指せると思います。柔軟で働きやすい職場の環境づくりをよろしくお願いいたします。
  続いて、市職員の職場状況について市長答弁承知いたしました。
  全国的にも業務量は増えているとのこと、本市は、これからさらなる大型プロジェクトを控え、ますます増えると思われます。過重労働で体を壊しては何にもなりません。
  市長からは、心身の健康を維持しながら、やりがいを持って働き続けられる職場環境の中で、増え続ける業務をこなしていくとの説明がありました。
  効率のよい人事管理、これまでも1人当たりの業務量は相当多かったと思われ、兼任の部課長さんも複数おられます。業務の効率化と適正人数とのバランスは大変難しいと思われます。ゆえに、残業も確実にある状況です。
  それでは、職員の残業の状況と削減の取組について伺います。
○細矢俊博議長 岡田総務部長。
○岡田光弘総務部長 お答えいたします。
  令和6年度の職員1人当たりの残業、私どもでは時間外勤務と呼んでおりますけれども、時間外勤務時間数は、月平均で12.7時間。年間平均で152.2時間となっております。
  職員の時間外勤務につきましては、国家公務員に準じて原則として1か月に45時間、かつ1年に360時間の範囲内と定められているところであります。
  令和6年度で、月の時間外勤務を45時間を超えて勤務したことがある職員については28.3%。年間360時間を超えた職員は10.6%となっております。
  このように、基準を超えた職員がいた場合につきましては、所属長より超過勤務命令を回避できなかった理由と、今後の改善策の報告を受ける体制を取っておりまして、業務改善と職員の健康管理を図っているところであります。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 5番山本和生議員。
○5番(山本和生議員) 部長答弁承知いたしました。
  時間外勤務については、平均では1人が月に12.7時間となっているものの、国の上限基準である月45時間を超えたことのある人が28.3%もおられること、また、年間の国基準の上限基準である360時間を超えた職員の方が10.6%もいるとのこと、非常に業務多忙の職員が多いことが分かります。
  市役所という職場上、季節行事、臨時行事、イベント、選挙、以前のようなコロナなどの非常事態、マイナンバーカードなどの発行関連業務など、どうしても時間外勤務が増える要因があるので、なかなか削減は難しい面もあるとは思います。
  今、国を挙げてDX化での効率化を図ろうとしています。本市でも、現在はまだ導入準備移行の段階で、逆に作業工数が増えているということであります。早く整理していただきまして、定型業務はデジタルに任せ、職員は職員でなければならない業務に注力できるようになることを願います。
  働きやすい職場環境で、限られた人数で最大の効果を上げる。さらに個人の成長を促し、組織のパフォーマンスを向上させることが大事です。時間外勤務は必要最小限にとどめて、健康管理と業務改善をよろしくお願いいたします。
  次に、本年は20名の新入職員が希望を持って働き始めました。若者の職業意識の多様化や人口減少、若者の県外流出など厳しい情勢の中、本市は毎年優秀な人材に恵まれております。選ばれる職場として、働きやすい魅力ある風土づくりをして、優秀な若者の確保を継続したいと思いますが、本市の人材確保の方策について伺います。
○細矢俊博議長 岡田総務部長。
○岡田光弘総務部長 お答えいたします。
  本市の職員採用試験におきましても、受験者数の減少、合格辞退者の増加の傾向が見られます。この状況に対応するため、令和6年度から公務員専用の募集サイトを含む採用管理システム、こちらを導入しまして、応募者の確保を図っているところであります。
  このシステムは、募集から受験者管理までこれらの運用を基本とするほかに、ブログや動画で職員の生の声の配信を通して、東根市で働くことの魅力を発信して、応募者を多く確保するものであります。
  近隣市では、応募者数の減少や応募から採用につながらないケースが増えている中、確実な人材の確保につなげることができていると感じているところであります。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 5番山本和生議員。
○5番(山本和生議員) 部長答弁承知いたしました。
  全国的にも公務員志望者減少の中、県内一番伸びゆく本市のまちの魅力で、他市よりも多くの志望者があるとのことであります。
  本県は、人口100万人割れの一因である若者の県外流出が増える中、本市で働きたい、まちづくりに貢献したい、デジタルの能力を生かしたいとの希望者が増えるよう、処遇の改善や職場でのサポート体制の強化など、働きやすい魅力ある職場づくりにさらなる対策をお願いしたいと思います。
  現代の若者は、仕事も大事だが、個人の生活も大切にしたいと思っております。女性や若者に選ばれる一人一人が自己実現を図っていける、生きがい・働きがいのある職場づくりをお願いいたします。
  次に、労基法あるいは安全衛生法により、職場環境改善や職員の健康管理は、自治体の責任で行うように指導されています。心身の健康が維持されないと、十分な市民生活ができません。
  本市では、職員の健康維持のための健康チェックやストレスチェックはどのように行われているのか伺います。
○細矢俊博議長 岡田総務部長。
○岡田光弘総務部長 お答えいたします。
  毎年、会計年度任用職員も含めまして、全職員を対象に健康診断を実施しております。この際にあわせて、ストレスチェックも実施しております。さらには、41歳と51歳になる職員については、1泊2日の人間ドック受診対象となっておりまして、より精度の高い健康チェックの機会を設けております。
  健康診断などの受診の結果、精密検査等の再検査が必要となった場合には、早めの受診勧奨を行ったり、ストレスチェックで高ストレス状態と判定されたりした場合には、医師による面接指導を進めるなど、受診後のフォローアップをしているところであります。
  そのほか、衛生委員会主催による健康相談や、産業カウンセラーによるメンタルヘルスカウンセリングなど、複数の相談窓口を設けまして、職員の心身の健康保持に取り組んでいるところであります。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 5番山本和生議員。
○5番(山本和生議員) 部長答弁承知いたしました。
  健康に関しては、働きやすい体の健康が一番大事でありますが、働きやすい職場には心理的安定感も必要であります。働き過ぎによるストレス、介護や子育て、人間関係によるストレス、精神的ストレスで不調にならぬよう、十分な対策、休養、休暇制度の活用をお願いいたします。
  心身の不調は、市民サービスの低下につながる要因にもなります。
  心理的ストレスという面で言えば、近年全国で公務員のパワハラ・セクハラが問題となっております。山形県においても、最近パワハラ問題が起きたことが報道されておりますが、本東根市ではこういうことは全くありません。
  ハラスメントのない職場づくりに関しては、市のハラスメント防止条例によりしっかりと管理されております。
  ただ、最近では、市民からの過剰な要求などのカスタマーハラスメントという言葉が全国的に増えております。窓口や電話での大声、罵声、度を超した過剰な要求などでストレスとなり、業務への支障、精神不調などにもつながるケースもあるようです。多くの市民からの電話や窓口対応のある職場です。このような事案発生の際の対応準備を、よろしくお願いいたします。
  窓口対応での緊張や固まってしまうなどを防ぐソフトな配慮として、本市では、外国人の対応には多言語翻訳ツールを、また、手話の方の応対には専門の手話通訳者が常駐しているなど、十分な配慮がなされており、職員の方が緊張で固まってしまうということがなく、和やかな雰囲気で来客対応をされていることを確認しております。
  今後とも、心身ともに健康で生き生きと働けるような様々なチェックをよろしくお願いいたします。
  次に、人材育成についてでございます。
  市長より、デジタル社会への対応、地域課題を解決する力、モチベーション向上を図るための研修・組織・人事管理が柱とのお話でした。社会経済情勢の変化に柔軟かつ弾力的に対応できるよう、体質を強化することが重要です。個人の能力を最大限伸ばし、適切に把握し、適材適所を効率よく業務に当たることが重要です。
  それでは、職員の能力アップや職場の生産性向上のための人材育成研修制度について伺います。
○細矢俊博議長 岡田総務部長。
○岡田光弘総務部長 お答えいたします。
  令和6年度の研修実績につきましては、採用から一定年数ごとに受講する基本研修や、税務や法令などの専門的な実務研修のほか、政策形成、クレーム対応、コーチング、ハラスメント防止などの様々な特別研修などを行いまして、延べ371名が各種研修を受講しております。
  今後とも、複雑化、高度化する行政課題の課題解決のために、自ら考え行動できる人材を育成できるよう、社会情勢を捉えた様々な研修の充実を図ってまいりたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 5番山本和生議員。
○5番(山本和生議員) 多忙な業務により、人材育成に時間を割けないとか、異動や退職で先輩から後輩へのOJT、直接指導が計画どおりいかないとかいうことのないように、計画性をしっかり持って組織ビジョンや方向性を一人一人がしっかり理解して取り組んでもらいたいと思います。公務を担う者、地域の行政を担う者との基本の心構えもしっかり研修していただきたいと思います。
  また、今後のデジタル技術の進化に対応できる能力向上の研修も大事だと思われます。限られた人数で最大の効果を上げる。個人の成長を促し、組織パフォーマンスも向上させることが大事と思われます。
  自分の得意分野で遺憾なく能力を発揮し、組織連携がスムーズにいき、効率よく業務推進できること、これが働きやすい職場につながると思われます。
  今後も十分発揮できるよう、各種研修を活用して人材育成を促進させていただきたいと思います。
  最後になりますが、上山市では、窓口業務を短縮し、朝は8時30分から夕方は午後4時30分までの合わせて1時間の短縮を試験的に行うと発表されました。住民票など証明書などのコンビニ交付利用者の増加も一因です。時間外勤務の短縮や、住民サービス向上のための検討の場が確保できるということであります。
  本市は、市民課や税務課などの窓口業務が県内唯一午後6時30分までを継続しています。本市でもコンビニ交付が定着、利用者も年々増加しています。働きやすい職場環境の改善のために、窓口の時間短縮についての検討も含めて、様々な働き方改革を進めるべきではないかと思われます。
  さて、今後の大型プロジェクトを考慮すると、ますます業務は増加の一途であります。デジタル改革も進行中でありますが、システム稼働して落ち着き、業務の効率化が図られることを期待したいと思います。
  このように、様々な観点から、本年本市の状況を見ると、1人当たりの現在の仕事量がやはり多いと思われます。将来の状況を見ながら、本市の定員適正化計画、行財政計画を検討し、ゆとりある職場づくりと業務効率化を図っていただきたいと思います。
  業務量増加の中、職場環境の改善のためには、業務量をいかに減らせるか、人員を増やせるかが喫緊の課題となるかと思われます。時間外労働や休日出勤を余儀なくされる公務員という職場でありますが、職員の心身の負担の軽減と業務の効率化のバランスをよく検討していただくことを願います。
  本市がこれからも県内トップの輝くまちとして成長を持続させるために、一番は人です。人的資源であります。働きやすい職場環境の中で働き過ぎに十分注意して、笑顔で住民サービスが継続され、市民から感謝される、そういう東根市役所であるべきと考えます。
  令和7年度の業務スタートから3か月、385名の全職員の方が目標達成に向けて、ますます業務に邁進されることをお願いいたしまして、質問を終わります。
○細矢俊博議長 土田市長。
○土田正剛市長 山本議員の質問の中にちょっと誤解があります。それは、東根市は確かに窓口業務を6時半までやっております。
  しかし、私は、市民に向けて効率ある行政を展開しなさいということで、遅番・早番ということの時間を設定しております。
  したがって、6時半までの方々は、朝10時に出勤してよろしいということでやっておりますので、あくまでも時間が短縮できるようにということでなくて、市民に向けて利便性のある窓口の対応ということで、私が市長になった当初からこれを推奨しておりますので、ちょっと誤解のないようにしてください。よろしくお願いします。
○細矢俊博議長 以上で、ご了承願います。

  ◎清野康隆議員質問

○細矢俊博議長 次に、4番清野康隆議員。
   〔4番 清野康隆議員 登壇〕
○4番(清野康隆議員) 議席番号4番清野康隆です。議長の許可を得ましたので、これから災害対策について一般質問をいたします。
  近年、気候変動その他様々な要因により、風水害や地震が頻発しております。そこで、思い出されるのが東日本大震災。今でも思うだけで胸が苦しくなります。100年に一度、1000年に一度の大災害と言われておりますが、明日起こるかもしれませんし、いつまた同じような出来事が起こるかもしれません。
  そして、風水害におきましては、昨年最上地方、庄内地方を襲った豪雨災害、一昨年には、置賜地方に甚大な被害を及ぼしました。災害が少ないと言われるこの東根の地でも、予断は許されない状況にございます。
  昨年9月21日には、本市におきましても土砂災害警戒情報が発令され、指定避難所の開設、また自主的に開設された地区公民館に避難をされた方もおりました。市には不幸にも災害が起きてしまった場合を想定し、市民の生命、身体及び財産を災害から保護するため、その対策を取る必要があり、災害に関する計画を作成し、それを実施する責務がございます。
  この度は、災害に対する備えについて伺います。
  災害発生時には災害対策本部が設置されますが、防災拠点となる市庁舎、そして大きく主要7地域に分けた公民館があり、それぞれ果たす役割は大きいところでございます。市民の非常時を鑑み、それぞれの施設、加えて命をつなぐための水を供給するライフライン施設がどのような備えの状況にあるのかをお尋ねいたします。
  次に、災害発生時には、避難の必要が多分にして想像されます。その際、要配慮者の安全をいかに維持するかが問われるところでございます。
  本市における避難行動要支援者に対し、どのような対応を想定しているのかをお尋ねいたします。
  以上、2点を壇上からの質問といたします。
○細矢俊博議長 4番清野康隆議員の質問に対し、答弁を求めます。
  土田市長。
   〔土田正剛市長 登壇〕
○土田正剛市長 清野康隆議員の災害対策についてのご質問にお答えをいたします。
  はじめに、市庁舎や避難所、ライフライン施設の在り方についてでありますが、災害対応の拠点となる市庁舎の機能を維持するために、電源の確保は不可欠であることから、軽油で稼働する非常用自家発電機により、特定の電灯やコンセントへの約12時間の給電が可能となっております。
  しかしながら、国が平成28年に示した手引では、災害対策本部が設置される市庁舎等については、「72時間は外部からの供給なしに非常用電源を稼動可能とする措置が望ましい」としており、この目標を達成するためには、大規模な貯蔵施設が新たに必要となることから、その整備については課題と捉えております。
  本市では、この現状に鑑み、東根市商工会や東根市農業協同組合と協定を締結し、災害時に油脂類の供給を受ける体制を確保するとともに、東北電力ネットワーク株式会社天童電力センターと電気設備の優先復旧を受けるなどの内容の協定を締結し、災害時の備えとしているところであります。
  また、避難所については、本市には25か所の指定避難所があり、そのうち地域公民館と市立小・中学校には可搬型の発電機を配備し、約20時間の稼働が可能となっており、西部防災センターなど、その他の施設にも非常用自家発電機や可搬型の発電機を配備しているところであります。
  ライフライン施設である水道施設につきましては、施設の耐震化工事や断水時における給水体制など、様々な対策を講じております。
  また、停電時にあっても水道の供給を維持するため、浄水場等に非常用自家発電機を配置しており、約10時間から12時間の稼働が可能となっているところであります。
  市庁舎同様、72時間稼働を可能とする措置については今後の課題でありますが、各種協定の下、燃料や電力の供給体制を確保するなど、災害の発生に迅速に対応できるよう努めてまいります。
  次に、要配慮者への対応についてでありますが、災害発生時の避難等に特に支援を要する人を対象として、平成26年4月に施行された改正災害対策基本法により、避難行動要支援者名簿の作成が義務づけられたところであります。
  本市では、75歳以上のみの世帯の人、要介護度3以上の人、身体障害者手帳の1級から3級の所持者などを登録対象として作成しております。令和7年4月末現在の名簿登録者数は3,903人で、そのうち情報提供に関して同意のあった2,142人について自治会ごとに区分した名簿を作成し、自治会や自主防災会のほか、消防、警察などの避難支援等関係者へ提供しているところであります。
  なお、災害発生時などには、必要に応じて同意の有無にかかわらず、情報を提供することとしております。
  自治会は、自主防災会において提供を受けた避難行動要支援者名簿を日頃の声がけや見守り運動に活用していただくなど、人と人とのつながりを深め、地域で支え合い、助け合う体制づくりの契機となるよう、市としてもその支援を努めてまいります。
○細矢俊博議長 会議の途中ですが、ここで午後1時まで休憩します。

   午前11時56分 休 憩

   午後 1時00分 開 議

○細矢俊博議長 午前に引き続き、会議を開きます。
  市政一般に対する質問を続けます。
  4番清野康隆議員。
○4番(清野康隆議員) 午前に引き続きまして、質問を続けさせていただきます。
  市長答弁承知いたしました。
  総務省の通知によれば、非常用電源の燃料は72時間分の備蓄を目標とするとございます。本市の現在の備蓄状況をお伺いいたします。
○細矢俊博議長 岡田総務部長。
○岡田光弘総務部長 お答えいたします。
  市庁舎などの発電機の燃料の備蓄状況につきましては、先ほど市長答弁申し上げたとおりでございますが、現状としまして72時間に満たない状況でありますので、業界組織や民間事業者とあらかじめ協定を締結しておりまして、災害時に必要な燃料、油脂類の供給を受ける体制を確保しているところであります。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 4番清野康隆議員。
○4番(清野康隆議員) 総務省から平成28年に出されている手引によりますと、停電の長期化に備え、1週間程度は災害対応に支障が出ないように準備するのが望ましいというくだりもございます。
  東日本大震災の際、本市では2日間程度の停電で通電が復旧したと記憶しておりますけれども、災害の程度はそのときによって違うわけでございますので、この際、国の方針に従って燃料の備蓄量の在り方を十分に検討していただき、適正な量の備蓄を求めたいと思います。
  次に、市長答弁の中に幾つかの事業者との協定を締結しており、災害発生時、優先的に供給を受けられるという答弁がございましたけれども、協定の締結の相手方が燃料の供給が困難になった場合の対応はどのように行われるでしょうか。
○細矢俊博議長 岡田総務部長。
○岡田光弘総務部長 お答えいたします。
  万が一、市内の協定先の燃料でも不足するような事態に陥った場合でありますけれども、例えば、災害相互援助協定を締結しております自治体に応援を要請する。あるいは、山形県が業界組織と締結している協定を活用した支援を山形県に依頼するなど、市外からの供給を求めるような対策が想定されます。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 4番清野康隆議員。
○4番(清野康隆議員) 承知いたしました。
  相互協定を結んでおられる自治体に応援を依頼するという旨の答弁がございましたけれども、想像するに友好都市、またその他の県外都市とも協定を結ばれているのかと存じます。
  大規模な地震災害の場合、近隣の市町村のみならず、山形県も同じような被害を受けていることや、また混乱を生ずるということが想定されます。県外の都市と連携を密にすることによって、県また県内の市町村に頼りきらず、二の矢、三の矢となるような次の手段を常に備えておくことを願いたいと思います。
  次に、市内には7つの地域公民館がございます。非常時にはその公民館が活動の拠点になるわけでありますが、被害状況ですとか災害本部への連絡や要請など、緊急性の高いやり取りが多く発生することが予想されます。
  災害対策本部と地域公民館とのホットラインはどのように構築されておりますでしょうか。
○細矢俊博議長 岡田総務部長。
○岡田光弘総務部長 お答えいたします。
  各種電話回線が使用不能となった場合に備えまして、地域公民館などと防災行政無線の電波を使用して内線電話のように通話ができる機能を備えております。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 4番清野康隆議員。
○4番(清野康隆議員) 承知いたしました。
  普段使い慣れていない機械でありますとか道具であれば、緊急時マニュアルがあったとしてもすぐ対応できない、活用できないというような、また機能しない場合ということも予想されます。可能であれば、地域の方々にも使い方などの訓練を行っていただいて、誰でも使えるような条件にあればなと思うところであります。
  また、職員の方でも専門の方でも結構なんですけれども、その機械に関して恒常的に点検をしていただくように求めたいと思います。
  次に、ライフライン施設に関しての質問をさせていただきます。
  ライフライン施設と呼ばれるように水を扱うところ、水は生命を維持するために最も重要なものの1つであります。その大切な水を供給するための水道施設の耐震化の状況はどのようになっているでしょうか。
  また、その現状を踏まえて大規模地震における被害をどのように予測し、今後どのように整備を進めていくのかお考えをお伺いします。
○細矢俊博議長 東海林上下水道部長。
○東海林浩司建設部長兼上下水道部長 お答えを申し上げます。
  本市では、水道施設の耐震化につきましては、重要度の高い施設から計画的に耐震診断を行いまして、耐震化を実施してまいりました。その結果、平成26年度に全ての配水池の耐震補強工事が完成し、県内で唯一、浄水場及び全ての配水池が耐震化されている自治体となりました。
  また、基幹管路においても布設当時に耐震適合管を採用しておりまして、耐震適合率は100%となっております。
  したがいまして、本市の水道施設全体に係る被害は、現在、耐震適合率が74%である配水管で発生すると予測されておりますことから、現在は配水管の中で耐震管でない管、非耐震管であります塩化ビニール管の布設替えを重点的に実施しているところでございます。よろしくお願いします。
○細矢俊博議長 4番清野康隆議員。
○4番(清野康隆議員) 答弁承知いたしました。
  耐震化適合率が74%である配水管の被害が予想されるとございましたけれども、限りある予算の中で、その中での布設替えというのは非常に難しいのかなと感じるところではありますけれども、布設替えは計画的に行わなければ、有事の際、被害の拡大、そして水の供給困難に直結すると考えられます。
  市民の命を脅かすことも懸念される状況にありますので、担当部局の皆様には、現在も努力をいただいているところでございますけれども、さらに予算の確保、耐震適合率の上昇にご尽力をいただきますようにお願いしたいと思います。
  現在、配水管の塩化ビニール管の布設替えをしているとご答弁いただきましたけれども、軟弱地盤であったり液状化現象も起こり得る可能性がございます。それぞれに対してどのような管の埋設を行われておりますでしょうか。
○細矢俊博議長 東海林上下水道部長。
○東海林浩司建設部長兼上下水道部長 お答えをいたします。
  本市では、地震のときに大きな地盤の変位に対応するために、管の継ぎ手部分が次々と伸縮、また屈折して、管路全体で地盤の変位を吸収いたしますダクタイル鋳鉄管GX形、それから地震のときに発生いたします地盤変位を管の強度や管の変形で吸収いたします水道配水用のポリエチレン管の2種類の耐震管を布設しているところであります。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 4番清野康隆議員。
○4番(清野康隆議員) 答弁承知いたしました。
  各施設には、停電を想定して自家発電機が設置されているとお聞きしております。発電機は守られるべき重要な機械と考えられますが、その管理はどのようになされておりますでしょうか。
○細矢俊博議長 東海林上下水道部長。
○東海林浩司建設部長兼上下水道部長 お答えいたします。
  自家発電機の管理・点検でございますけれども、こちらは職員によります毎月の定期点検、これはもとより、また東北電気保安協会、こちらと委託契約を結んでおりまして、電気主任技術者によります専門的な点検を毎月実施しているところであります。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 4番清野康隆議員。
○4番(清野康隆議員) プロに委託されているということで安心をしているところでございます。
  次に、人の命を維持するために人間は大体1日およそ2.5リットルから3リットルの飲料水が必要だとされております。そこで、最も心配されるのが断水であります。
  災害時に断水した際の供給車の運用方法と、給水の場所についてお伺いしたいと思います。
○細矢俊博議長 東海林上下水道部長。
○東海林浩司建設部長兼上下水道部長 お答えいたします。
  給水車の対応でございますが、小規模な断水の場合は市が保有いたします2台の給水車で直接給水支援を行います。
  ただ、2台の給水車だけでは対応が困難な広範囲に及ぶ断水の場合は、本市が保有しております5基の1トンの応急給水タンクを各公民館や小・中学校の公共施設に設置をいたしまして、そこに給水車で水道水をピストン輸送するとさせていただいております。
  さらに大規模な断水が生じまして、本市だけの対応では困難な場合は、日本水道協会との災害時相互援助協定によりまして応援要請を行い、災害規模に応じて支援の範囲を広げて対応してまいります。
  それから、給水車への給水場所は、大富地内の浄水場のほか、東根地内の大森山低区配水池、それから神町地内の神町配水場、そして高崎市内の東部中区配水池の4施設に設置されております給水車用の応急給水栓から給水車に対し給水をすることとしております。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 4番清野康隆議員。
○4番(清野康隆議員) 答弁承知いたしました。
  市内に4か所に応急給水栓があるとのことで、東部地区、西部地区にそれぞれ離れた場所にそれぞれが存在し、リスクヘッジがなされているものと受け止めております。今後とも、命を守るための水の確保には万全の体制で臨んでいただきたいと存じます。
  最後の質問となりますが、要配慮者の避難についてでございます。
  市長答弁により、避難行動要支援者名簿に1,491名の未登録者があると把握いたしております。避難の支援に当たり、避難行動要支援者名簿が大きな役割を果たすわけでありますが、その実効性を高めるためには、個別避難計画の作成が有効であり、また、支援の手段と選択となると考えます。計画の作成はどのように捉えられておりますでしょうか。
○細矢俊博議長 岡田総務部長。
○岡田光弘総務部長 お答えいたします。
  個別避難計画は、令和3年5月に施行されました改正災害対策基本法に基づきまして、支援が必要な方、要支援者一人一人の状況に合わせて、災害時に誰が支援してどこへ避難するか。避難の際どのような配慮が必要かなどを記載しまして、それを要支援者、そしてそれを支援する方、支援者、そして行政、それぞれ保有することが努力義務とされたものであります。
  個別避難計画の作成を進めることが求められている中でありますけれども、支援者、こちらを確保することが難しい。あるいは、普段から災害を「自分ごと化」として捉える機運が高まっていないことなどが課題として考えられると捉えております。
  したがいまして、今後も引き続き自治会や自主防災会が開催する防災講座などをはじめ、様々な場面を捉えまして計画の必要性を啓発するとともに、発生頻度が比較的高いと想定されます洪水や土砂災害等の被害が想定される区域を重点化するなど、計画的に取り組んでいくなどの方策が必要と認識しておりますので、よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 4番清野康隆議員。
○4番(清野康隆議員) 答弁承知いたしました。
  避難行動要支援者名簿、また個別避難計画の作成には、アンケートをはじめ膨大な労力を要すると聞き及んでおります。プライベートな部分に立ち入れなければならないということもあり、支援を拒否する方もおられるとお聞きします。しかしながら、自らでできることは限界があるわけであります。
  元来日本人、もしかしたら私だけかもしれないんですけれども、人の助けには頼らないという自立の精神が強い方がおられるわけでありまして、本来差し伸べられる救いの手につかまるようなことを二の足を踏んでしまうということもあるのかもしれませんけれども、災害が起きてから、ただ待っているだけでは助からない。自ら助けを求めるということも必要なんだということを啓発していかなければならないと感じているところでございます。
  自助、共助、公助を市民の皆様にはよく理解いただいて、お互いさま、そして地域の人々で地域の人を守るという意識の醸成を願いたいと思います。
  今後とも、災害が発生しても市民の安心・安全を常に確保できるようなまちづくりを強く願って、私の質問を終わりといたします。ありがとうございます。
○細矢俊博議長 以上で、ご了承願います。

  ◎福永邦幸議員質問

○細矢俊博議長 次に、6番福永邦幸議員。
   〔6番 福永邦幸議員 登壇〕
○6番(福永邦幸議員) 議席番号6番福永邦幸です。議長の許可をいただきましたので、さきに通告しておりました次期計画策定に向けた第2次東根市地域福祉計画の強化についてをテーマに質問いたします。
  まずはじめに、私たちが目指す誰もが安心して暮らせる地域社会を実現するためには、行政の取組だけでなく、地域住民一人一人が主役となり、互いに支え合いながら暮らしていける環境づくりが必要不可欠です。そのための道筋を示し、具体的な施策として形にしていくのが地域福祉計画であると私は考えております。
  とりわけ、少子高齢化の進行や単身世帯の増加、また、近年の自然災害や感染症といった予測困難な社会変化を踏まえますと、地域のつながりや相互扶助の機能がますます重要になってまいります。加えて、コロナ禍により地域コミュニティの結びつきが一時的に希薄化し、孤立や不安を抱える人が増えたという現実を私たちは決して見過ごすことはできません。
  こうした社会的課題に対し、自治体としてどのように向き合い、地域福祉をどう再構築していくのか。その方向性を示すものこそが東根市地域福祉計画であり、住民の暮らしを支える最も基本的かつ大切な政策の1つであると認識しております。
  今年度で最終年度を迎える第2次東根市地域福祉計画は、「支え合いの声が行き交い、みんなで築く地域福祉のまち」を基本理念に、令和3年度から5か年計画として進められてきました。これは、第5次東根市総合計画の下に位置付けられた地域福祉の実践計画でもあります。
  これまでの4年間の取組においては、様々な事業の展開とともに、見守り支援体制の強化や地域包括ケアシステムの推進など、一定の成果が見られたものと理解しておりますが、一方で、社会情勢の変化や新たに浮き彫りとなった課題もあるかと存じます。次期、すなわち第3次地域福祉計画をより実効性のあるものにしていくためには、第2次計画の成果と課題をしっかりと振り返り検証し、その上で今後の方向性を丁寧に議論していく必要があると考えております。
  そこで、以下についてお伺いいたします。
  東根市地域福祉計画は、地域住民を支える重要な基盤であると考えます。この計画がどのように地域福祉課題を解決し、市民の安心・安全な生活の確保へとつながるのか。その展望についてお伺いします。
  次に、地域福祉の持続可能性を確保するために、今後どのような施策を強化、推進していくお考えでしょうか。特に、地域住民との協働や福祉人材の確保・育成に関する方針についてお伺いします。
  最後に、第3次東根市地域福祉計画の策定に当たり、市民の参加や意見の反映をどのように推進していくお考えでしょうか。手法やスケジュールについてお伺いします。
  以上3点についてお伺いし、登壇での質問とさせていただきます。
○細矢俊博議長 6番福永邦幸議員の質問に対し、答弁を求めます。
  土田市長。
   〔土田正剛市長 登壇〕
○土田正剛市長 福永邦幸議員の次期計画策定に向けた第2次東根市地域福祉計画の評価についてのご質問にお答えをいたします。
  はじめに、地域福祉計画がどのように地域福祉課題を解決し、市民の安心安全な生活の確保につなげるのか。また、その展望についてであります。
  地域福祉計画は、地域福祉を推進するため、社会福祉法に基づき市町村が策定するもので、総合計画を上位計画とする福祉分野の基盤となる個別計画であります。
  近年の少子高齢化や価値観の多様化、地域のつながりの希薄化などにより、地域住民が抱える課題は、高齢者の孤独死、介護と育児を同時に行うダブルケア、児童虐待など、複雑・多様化しております。
  これらの様々な課題を解決に導き、市民生活の安全・安心が確保できるよう、公的な支援と併せて地域福祉力の向上を図るため、地域福祉計画は、地域住民が生活課題の解決に主体的に取り組む仕組みや、包括的に相談支援を行う体制の構築を実現するために必要な指針などを定めるものであり、当該計画が果たす役割は、非常に大きなものがあると捉えております。
  次に、地域福祉の持続可能性を確保するために、今後どのような施策を強化、推進していくかについてであります。
  本市では、これまで高齢者世帯や障がい者、子育て世帯、問題を抱える世帯など、地域の中で支援を必要とする人たちを支え、見守る仕組みづくりを進めてまいりました。
  幾つかの例を紹介しますと、民生委員・児童委員や福祉推進員の方々にご協力をいただいている見守りや、各地区のサロン、地域のボランティア団体が運営する高齢者のための居場所づくりへの支援、さらには福祉人材の確保・育成を図るため、市内で働く介護職員が研修等を受講した際の費用に対し、一部助成を行っているところであります。
  持続可能性の観点から、地域福祉を考えた場合、民生委員・児童委員や福祉推進員などの地域福祉の担い手の確保と併せて、育成を図りながら地域福祉力を高めることが不可欠でありますので、次期地域福祉計画では、これまで実施してきた多くの事業の充実を図り、さらに新たな取組についても研究してまいります。
  次に、次期地域福祉計画の策定に当たり、市民の参加や意見の反映を促進する手法、スケジュールについてでありますが、昨年度20歳以上の市民1,000人を対象にアンケート調査を実施した際、地域との関わりや福祉に関する課題など、多くの市民の方々から貴重なご意見をいただいたところであります。
  今後、保健福祉や地域活動の関係者など、市民の代表から構成される計画策定委員会を開催するとともに、パブリックコメントにより広く市民の意見を集約した上で、今年度中の計画策定を予定しておりますのでご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 6番福永邦幸議員。
○6番(福永邦幸議員) 市長答弁承知いたしました。
  第2次地域福祉計画の評価と今後の展望についてご答弁をいただき、少子高齢化や地域のつながりの希薄化など、複雑化する地域課題に対し、計画が果たす役割の重要性や、地域住民、関係機関の連携による包括的な支援体制の構築の必要性について、明確にお示しいただいたものと受け止めております。
  また、民生委員・児童委員や福祉推進員による見守り活動、高齢者の居場所づくり、福祉人材の育成支援など、地域福祉の持続性を高めるための多様な取組が進められていることを大変心強く感じております。次期計画策定に当たっては、市民アンケートやパブリックコメントを通じて多様な意見を反映しようとする姿勢も評価できます。
  そこで次に、こうした取組の具体的な成果や、今後さらに推進すべき重点分野、また地域福祉を支える人材の確保・育成について、より実務的な視点から自席より質問を続けさせていただきます。
  近年、全国的に少子高齢化が進行する中、本市においても高齢化の進展が顕著となっております。福祉課が発行しております福祉の概要によりますと、令和5年度の65歳以上の高齢者の割合は28.2%で、平成30年度よりも1.1ポイント、実に559人も増加しており、今後も増加が見込まれています。また、65歳以上の人数に対する単身高齢者数の割合は、平成30年度は10.4%、1,346人だったものが、令和5年度は13.6%、1,828人と5年間で482人増加し、最新値では過去最高となっております。
  地域のつながりの希薄化が進む中で、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるためには、行政によるきめ細やかな福祉施策の充実がますます求められていると言えるのではないでしょうか。
  こうした背景を踏まえまして、第2次地域福祉計画においては、高齢者や障がい者、子育て世帯といった支援を必要とする方々への取組強化が掲げられました。特に、高齢者福祉サービスの充実状況や利用者からの満足度については、今後の施策の方向性を定める上で、重要な指標となります。
  そこでお伺いします。
  第2次地域福祉計画において掲げられた高齢者福祉サービスの充実状況や利用者評価をどのように捉えておりますでしょうか。お伺いします。
○細矢俊博議長 安達健康福祉部長。
○安達好浩健康福祉部長 お答えをいたします。
  第2次地域福祉計画策定に当たり実施しましたアンケート調査におきまして、高齢者の在宅介護を支えるサービスや高齢者世帯への生活支援といった要望がありましたので、高齢者が住み慣れた地域で安心した暮らしを続けていくためには、社会全体で支えていく仕組みが必要と考えたところでございます。
  そのようなことから、家事援助などを行いますヘルスアップスマイル事業、高齢者世帯等雪下ろし支援事業など、様々な福祉サービスの継続的な提供に合わせまして、昨年度、地域包括支援センターの3職種、主任介護支援専門員、社会福祉士、保健師でありますけれども、増員を図るなど、高齢者を包括的に支援する体制の機能強化を図ってきたところでございます。
  次期地域福祉計画の策定に向けたアンケート調査結果でございますが、将来的に自分が必要な福祉サービスを確実に受けられるのか不安を感じている人が多く見られましたことから、支援の充実とともに支え合う社会基盤の整備を同時に進めていくことが重要と考えております。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 6番福永邦幸議員。
○6番(福永邦幸議員) 部長答弁の第2次地域福祉計画におけるこれまでの取組状況を伺いまして、本市が高齢者の在宅生活を支えるために、家事援助や雪下ろし支援、地域包括支援センターの体制強化など、具体的なサービスの充実に努めてこられたことは大変心強く受け止めております。
  また、社会全体で支えるという視点の下で、福祉の基盤づくりが進められてきたことも評価できるところであります。
  しかし一方で、次期地域福祉計画に向けたアンケートでは、将来的に必要なサービスを確実に受けられるか不安を感じているという声が多く寄せられているとのことで、これは非常に重く受け止めなければならないと感じております。
  特に、高齢者をはじめとする支援が必要な方々が、実際に必要なときに必要なサービスにたどり着けるかどうかという視点は今後ますます重要になってまいります。
  住民が安心して暮らせる地域社会を築くためには、行政による支援と併せて、地域の中で支え合う仕組みをどう根づかせていくかが鍵になると考えます。
  こうした課題意識を持ちまして、次の質問に移らせていただきます。
  高齢者や障がい者、子育て世代など、特定のニーズを持つ住民がサービスを利用しやすくするために、どのような具体的な取組が行われているでしょうか。特に、人口減少地区で交通インフラの整備が進んでいない。または、中山間地であるなどの理由でアクセスが不便な地域に住む高齢者への支援強化について、お考えをお伺いします。
  また、身近に支え合う仕組みづくりを進めるために、地域住民同士の助け合いのネットワークをどのように構築しておられますでしょうか。地域での見守り活動や支援体制の現状について、どのような効果が上がっているのか、実際の事例を交えてお伺いいたします。
○細矢俊博議長 安達健康福祉部長。
○安達好浩健康福祉部長 お答えをいたします。
  福祉サービスを利用しやすくするためには、支援の充実だけではなく住民に広く周知すること、また、地域の人々の結びつきを深め、身近に助け合いや交流活動を盛んにすることが必要と考えております。
  現在実施しております高齢者見守りネットワーク事業は、高齢者への支援策として独り暮らしの高齢者世帯や、援護を必要とする世帯の高齢者等が住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、地域包括支援センター、民生委員・児童委員と協力しまして、必要に応じ見守り活動を行うものであります。
  このさりげない見守り体制は、災害時の際の迅速な支援だけではなく、日頃のサービス支援とつながっているところでございます。
  高齢者をはじめとした、市民の皆さん誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、今後も地域の実態やニーズの的確な把握に努めまして、生活課題の解決に努めてまいります。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 6番福永邦幸議員。
○6番(福永邦幸議員) ただ今の部長答弁で、本市が福祉サービスの整備にとどまらず、住民への周知や地域の助け合いの仕組みづくりにも力を入れてこられたことが理解できました。
  特に、地域包括支援センターや民生委員・児童委員の方々と連携して行われている高齢者見守りネットワーク事業では、災害時の安否確認や支援のみならず、日常的な見守りを通じて必要な福祉サービスの提供へとつなげている点は、地域福祉の実践として非常に有意義な取組であると感じております。
  また、支え合う社会基盤の整備という視点に立ち、住民一人一人が孤立することなく、身近なところで支援を受けられる環境を整えるという方向性は、これからの少子高齢社会において不可欠な考え方であり、本市の施策が地域の現実に即して展開されていることに対し敬意を表するところであります。
  しかしながら、こうした取組を長期的、安定的に維持し、さらに発展させていくためには制度や仕組みと同じくらい重要なものがあると、私は考えております。それは、それらの現場を支え、実行していく人の力、人材の存在です。
  地域福祉を担う現場では、単に知識や技術があるだけではなく、地域に寄り添う姿勢や対象者との信頼関係を築く力が求められます。そうした資質を持つ人材の確保・育成は、どの自治体にとっても今大きな課題となっているのではないでしょうか。
  特に、支援の担い手となる方々が安心してその役割を果たしていけるよう、実践的で継続的な研修やサポート体制をどう整えているかが問われていると感じております。
  そこで、次に本市における福祉人材の育成・研修について、これまでの取組と今後どのような計画を持ち進めていくのかについて具体的にお伺いします。
○細矢俊博議長 安達健康福祉部長。
○安達好浩健康福祉部長 お答えをいたします。
  本市では、独自の介護職員人材育成支援事業としまして、介護職員のキャリアアップを目的に資格取得のための研修費用、研修受講による代替職員に係る費用につきまして、一部助成を行っております。
  令和3年度から2年間は、コロナ禍による研修方法の変化などによりまして実績はありませんでしたが、令和5年度以降につきましては少しずつ利用者が戻りつつあります。
  職員のスキルやモチベーションの向上、離職防止や定着促進の一助となるよう、引き続き介護事業所の運営指導などの場を活用しまして、制度の周知を図り、福祉人材の育成・確保に努めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 6番福永邦幸議員。
○6番(福永邦幸議員) ただ今の部長答弁から、本市では介護職員の人材育成やキャリアアップの支援に積極的に取り組んでこられたことがよく理解できました。
  独自の助成制度を設け、資格取得や研修参加を後押しすることで、介護の現場を支える人材の確保と定着につなげておられる点は、非常に意義深いものだと受け止めております。
  また、コロナ禍で一時的に実績がなかったというご説明もありましたが、最近では少しずつ利用者が戻ってきているとのことで、今後も現場の声を反映しながら、こうした制度の周知と運用を続けていただきたいと感じております。
  さて、介護や福祉の現場を支える上で、このような専門職の方々の力はもちろん重要ですが、それと同時に、もう1つ大切な視点があるのではないかと私は考えています。それは、地域の皆さん、つまり一般の住民の方々が支える側として関わっていける環境をどう整えていくかということです。
  特に、近所での声かけやちょっとした手助け、買物の付添いなど、身近な支え合いの一つ一つが地域福祉の土台を形づくっていくと考えます。
  こうした日常的な支え合いの中で重要な役割を果たしているのが、ボランティアの皆さんの存在です。地域の福祉活動に自主的に関わり、手を差し伸べてくださる方々がいてこそ、高齢者や障害のある方々も安心して暮らし続けることができます。
  しかしながら、実際にはやりたいけど何をすればいいのか分からない。自分の経験が役立つのか不安だと感じている市民の方も多いのではないでしょうか。また、担い手の高齢化や人手不足といった課題もあると耳にしております。
  そこで次に、地域福祉を支えるボランティア活動の参加者をどのように増やし支援していくのか。その取組の現状と成果、そして行政として今後どのような支援を行っていかれるお考えなのかについて、具体的にお伺いします。
○細矢俊博議長 安達健康福祉部長。
○安達好浩健康福祉部長 お答えをいたします。
  本市では、市民のボランティア活動による積極的な社会参加を促進し、様々な世代で支え合う社会の構築のため、平成29年度から高齢者施設等ボランティアポイント事業を実施しております。
  このボランティアポイント事業におきましては、ボランティア活動が社会との交流だけではなくて、認知症予防につながるなどの効果を期待しているところでございます。
  また、市社会福祉協議会の委託事業としまして、これまでも、高齢者ボランティア養成講座や有償ボランティア講座などのほか、ボランティア市民活動センターに相談があった場合には、県が主催しております研修会や養成講座への橋渡しなどを行うなど、ボランティアの養成を図り、地域福祉の増進に取り組んでおります。
  今後、ボランティア活動をさらに活性化させるため、活動内容の積極的な周知や、活動とニーズを適切に結びつけますコーディネートの強化などにつきまして研究してまいります。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 6番福永邦幸議員。
○6番(福永邦幸議員) ただ今の部長答弁では、地域福祉を支える基盤の1つであるボランティア活動の現状と、それを支える本市の取組について詳しくご説明をいただきました。
  高齢者施設等ボランティアポイント事業は、活動に参加する方の社会参加の機会を広げると同時に、健康増進や認知症予防にも効果があるとのことで、福祉の担い手を育てるだけでなく、参加者ご本人にとってもプラスの側面が多い、大変意義深い取組であると感じております。
  また、社会福祉協議会に委託しているボランティア関連の各種研修や、ボランティア市民活動センターでの相談対応などを通じ、地域の中で誰かを支えたいという思いを持った市民をしっかりと受け止め、活動へとつなげる重要な機能を果たしていると受け止めました。
  しかしながら、こうした制度や体制が整っていても、市民一人一人が地域の課題を自分のこととして受け止め行動するまでには、もう一歩背中を押すような仕掛けが必要ではないかとも感じております。
  例えば、どこでどんなボランティアを募集しているのか分からない。自分にできることがあるのか不安といった声も多く、制度の存在を知っていても、一歩を踏み出せずにいる方も少なくないのではないでしょうか。また、ボランティアという枠に限らず、町内会や自治会の活動、子ども食堂や見守り活動への協力、ちょっとした声かけや日常的な触れ合いなど、市民が地域の中でできることは本当に多様です。
  そうした日常の中にある控えめな形での参加が地域福祉の大きな力につながっていくと考えます。
  したがいまして、今後さらに地域福祉を持続可能なものにしていくためには、ボランティアへの登録者数という目標数値だけにとらわれず、あらゆる形での市民参加をいかに促していくのかが非常に重要になってくると考えます。
  市民が自分も地域の力になっていると実感できる仕組みやきっかけ、また活動を続けていけるような支援体制があってこそ、市民の協力は一時的なものではなく地域に根差したものとして定着していくのではないでしょうか。
  そこで次にお伺いします。
  このような市民の主体的な参加をいかに広げ支えていくのかという観点から、行政として現在どのような方策を講じておられるのか。
  また、現時点で見えている課題、改善の方向性についても具体的にお聞かせ願います。
○細矢俊博議長 安達健康福祉部長。
○安達好浩健康福祉部長 お答えをいたします。
  市長答弁にもありましたが、市民の皆さんの積極的な地域福祉活動を促進するため、老人クラブやサロン活動、地域のボランティアが運営します居場所づくりへの支援を行っております。
  しかしながら、近年の少子高齢化、人口減少、核家族化などを背景に地域のつながりは希薄化し、地域の福祉課題は複雑化しておりますので、あらゆる世代の皆さんが地域の課題を自分自身のことと捉え、地域全体として取り組み、地域福祉の向上につなげていきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 6番福永邦幸議員。
○6番(福永邦幸議員) ただ今の部長答弁をお聞きし、まずは市民の主体的な参加を促すための取組として、老人クラブやサロン活動、さらには高齢者の通いの場への支援にご尽力いただいていることに深く感謝申し上げます。
  これらの活動は、日常の見守りや孤立防止に大きく寄与すると同時に、世代を超えた交流の場としても機能しており、地域の安心・安全の礎を築く上で大変重要な役割を果たしていると感じております。
  一方で、少子高齢化や人口減少、核家族化の進行に伴い、近所付き合いが減り、顔の見える関係が薄れてしまったという声も地域から聞かれるようになってきました。例えば、かつては毎日顔を合わせてお茶を飲んでいたお宅同士も、今ではほんの短い挨拶だけで済ませることが増え、ご高齢の方の異変に気付きにくいという課題も顕在化しております。
  こうした状況を踏まえますと、もはや一部の熱心なボランティアや地域サークルのみに頼るだけではなく、地域全体で福祉課題に取り組む仕組みを一層強化していく必要があると痛感しております。
  具体的には、行政だけでなく町内会や民生委員・児童委員、NPO、民間企業、医療・介護の専門職などがそれぞれの知見やリソースを持ち寄り、協働の形で支え合うネットワークをどのように築いていくかが重要ではないかと考えます。
  そこで次にお伺いします。
  行政、地域団体、民間企業、専門機関など、多様な主体が連携・協力し、互いの強みを生かしながら地域福祉を推進していくための体制づくりについて、現在どのような枠組みや仕組みが整えられているのか。
  また、実際に連携を進める中で見えてきた課題と、その解決に向けた今後の方策について具体的にお伺いします。
○細矢俊博議長 安達健康福祉部長。
○安達好浩健康福祉部長 お答えをいたします。
  多様な主体による連携の一例としまして、地域包括支援センターが中心となり、高齢者が住み慣れた地域で自立した生活を送ることができるよう、必要な医療・介護・福祉サービスなどを一体的に提供し、全ての世代で支え、支えられる体制づくり、いわゆる地域包括ケアシステムを推進しているところでございます。
  地域包括支援センターは、現在市内2か所でありますが、同センターに配置しております3職種につきまして、先ほども申し上げたところでございますが、令和6年度よりそれぞれ1名ずつ増員しまして、高齢者の総合相談や権利擁護、包括的継続的ケアマネジメント支援などについて集中して取り組む体制を整えております。
  近年、地域住民が抱えている課題はより複雑化しております。既に様々な関係機関が関わり、課題解決に取り組んでいるところでございますが、さらに地域の福祉力を向上させるために、支援機関の役割分担や支援の方向性を定め、円滑な連携を図り、より包括的な支援体制を構築していきたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 6番福永邦幸議員。
○6番(福永邦幸議員) これまでの質疑を通じて、本市がこれまで地域福祉の推進に向けて計画的かつ多角的な取組を進めてこられたことを改めて確認できました。
  地域包括支援センターを中核とした多機関連携、福祉人材の育成、ボランティアの活性化、市民参加の促進など、将来を見据えた持続可能な地域づくりにおいて重要な土台となるものであると評価しております。
  しかしながら、私が特に申し上げたいのは、本市が確実に高齢社会へと突入しているという現実に、より強く向き合わなければならないということです。
  冒頭で触れましたように、令和5年度の本市の高齢化率28.2%という数字も、神町駐屯地の営内にいらっしゃる約1,000人の若い自衛隊員の方々によって平均年齢が下がっているという影響が大きく、実際の地域の実感としては、高齢化率30%を超える状況にあると言えるのではないでしょうか。この現実は、福祉の在り方だけでなく、まちの在り方そのものを見直す必要があることを示しています。
  また、本市はこれまで大きな災害に見舞われることが少なかったため、いざ災害が発生した場合でも、すぐに逃げなければという意識ではなく、自分の地域は大丈夫だろうという意識、いわゆる正常性バイアスに陥りやすい危うさも抱えています。
  その意識は、いざというときの逃げ遅れによる大惨事へとつながりかねず、能登半島沖地震のようにいつどこで甚大な被害が起きるか分からない世の中にあって、平時からの地域のつながりづくりや、福祉・防災体制の強化は、もはや選択ではなく必須の課題ではないかと捉えております。
  現在、地域社会は様々な課題に直面しており、その中でも安全と安心の確保は重要なテーマです。
  地域福祉計画に地域防犯計画を統合することにより、より包括的なアプローチで地域の安全を推進することが可能となります。地域防犯計画を地域福祉計画に組み込むことで、地域住民の安全への意識を高め、協力体制の強化を促進することができます。これにより、地域コミュニティ全体が一丸となって防犯活動に取り組むことで、犯罪の未然防止に寄与することが期待され、高齢者や子どもを含む支援を必要とする方々の安全をより確実に守ることができるようになります。
  行政におかれましては、この重要性を十分に認識し、積極的な取組を要望いたします。
  さらに、高齢者の皆さんがまだ元気だから大丈夫と思っている今のうちに、衰えに備えた心と体の準備をしていくことが極めて大切ではないかと考えます。
  健康寿命を延ばすための筋力維持やフレイル予防、地域とのつながりの中での活動への参加が、結果として福祉に係る社会的コストの抑制にも寄与します。こうした視点から、私自身も議員や保護司の立場で地域の現場に足を運び、市民の声に耳を傾けながら、引き続き福祉施策の充実と地域づくりに尽力してまいる所存です。
  本日の一般質問が、地域福祉の今とこれからを考える一助となり、市民の皆様とともによりよい未来を築く一歩となることを願いまして、私の一般質問を終わります。
○細矢俊博議長 以上で、ご了承願います。

  ◎森谷 俊議員質問

○細矢俊博議長 次に、1番森谷 俊議員。
   〔1番 森谷 俊議員 登壇〕
○1番(森谷 俊議員) 議席番号1番森谷 俊です。本日は、事務事業評価の導入と公表について質問させていただきます。
  東根市職員の皆様が、日々限られた人員と時間の中で、日々地域のために力を尽くしてくださっていることと、真摯に事業運営と市政の推進に取り組まれていることに、まず心から敬意を表します。私は、その努力の結晶を市民にも議会にもより深く伝わる形で届けたいと強く願っています。
  近年、多くの自治体で行政の見える化や成果に基づく行政運営が注視されています。とりわけ、施策や事業を振り返り、次に生かしていくための事務事業評価の在り方は、今改めて問われていると感じています。
  事務事業評価とは、行った施策や事業について、目的に対する達成度や費用対効果などを検証し、改善・中止・拡充などの判断材料とするための仕組みです。行政の仕事を振り返り、効果や無駄を点検し、次に生かすための鏡のようなものと理解しています。
  そして、事務事業評価の目的は、1つ、市民満足度の高い行政サービスの提供、2つ、行政の透明性と説明責任、3つ、職員の意識改革という3つがあり、計画、実行、評価、改善というサイクルを回して、予算への反映や事業の見直しを行うために活用されます。
  事務事業評価は、決算議会時に配られる法定の主要な施策の成果報告とは異なり、義務ではありません。
  資料1が我がまちの主要な施策の成果報告書です。国も総務省通知において、自治体に対して成果重視の行政運営や説明責任の徹底を求めていますが、法的義務ではないため、各自治体の判断に委ねられています。
  資料2、資料3にもあるように、全国の幾つかの自治体があえて事務事業評価を公表していることの本質は、情報を公開し市民や議会とともにまちの課題と成果を共有しようという意思であると考えます。
  自治体の限られた財源の中で、より効果的に税金をいかすには、見直しと改善の視点が不可欠です。過去には、平成26年、28年、令和2年、3年と先輩議員が繰り返し、行政評価や事業の成果報告の充実を求め、具体的な評価シートの提案や、ほか自治体の先進事例の紹介を行ってきました。
  我がまちの行財政改革資料には、限られた人員、財源の中で施策、事業の効果を検証し、不断の見直しを行うことが求められる。市民への説明責任を果たし、信頼される行政の実現に向けて、PDCAサイクルに基づく行政運営を推進するとの記述があり、また、デジタル変革推進計画には、行政サービスの質の向上と効率化に向けて、業務プロセスの可視化と改善を推進するPDCAサイクルを意識した評価体制の整備や、データを基にした業務改善を行うとの記載があります。
  これらはまさに、デジタル化を通じた事務事業評価の合理的な改善と、市民への説明責任を果たすための評価の公表の必要性を示しているものではないでしょうか。
  県内を見てみますと、酒田市では行政評価として各事業を所管する担当課による1次評価と、全庁的な視点での2次評価を行い、その結果を公表しています。各事業の事後評価まで行っています。遊佐町は、独自の評価様式を用いながら、外部に開かれた事務事業評価を継続的に実施し、外部評価まで行い公表しています。
  このように、同じ県内でも行政評価や事務事業評価を積極的に公開し、活用している自治体が存在します。我がまちにおいても、これらの先進事例を参考にしながら、事務事業評価の導入と公表を進めることで、より伝わる行政の実現に近づくことが期待されます。
  我がまちが、今後さらに持続可能な自治体として歩み進めるためにも、評価の導入と公表による伝わる行政の実現が欠かせないと考えます。評価を共有と対話の起点として外に開いていくことは、市民と行政が一丸となって協働のまちづくりを推し進め、市民みんなの力でつくる、笑顔輝く協働のまちに近づくための大きな一歩になると考えます。
  以上のことから、事務事業評価とその公表に力を入れるべきと考えますが、我がまちではどのように事務事業の評価を行っているのか。
  また、評価結果として市民に公表する考えはないかを市長にお伺いし、登壇での質問とさせていただきます。
○細矢俊博議長 1番森谷 俊議員の質問に対し、答弁を求めます。
  土田市長。
   〔土田正剛市長 登壇〕
○土田正剛市長 森谷 俊議員の事務事業評価の導入と公表についてのご質問にお答えをいたします。
  はじめに、事務事業評価の導入についてでありますが、本市では従来から毎年度、振興実施計画の策定に合わせて各事業の評価を行っております。具体的には、所管課自らが妥当性、有効性、効率性の視点から点検し、さらには庁内での協議やヒアリングを行いながらそれぞれ事業を評価しております。
  また、各種団体の代表者などの幅広い委員構成からなる東根市振興審議会に諮問し、今後3年間の財政計画を明確にした振興実施計画を策定し、行政運営の指針として各年度の予算を編成しているところであります。
  評価検証作業に多くのコストをかけ、より詳細な資料を作成している自治体もあろうかと思いますが、本市における現在の手法は、そうした自治体と比較しても遜色のない内容の濃い評価をしているものと自負しております。
  こうした事務事業評価を重視した行政運営と、不断の行財政改革を早期かつ継続的に行ってきたことが、現在の東根市の発展につながっているものと捉えております。
  次に、事務事業の公表についてでありますが、ご説明をいたしましたとおり、詳細な評価を実施しておりますが、行政内部での効率的な活用を目的としており、公表を前提としたものではないため、分かりやすい形で公表するには、数百の事業について改めて資料を作成する必要があります。
  行政の経営資源である時間や労力、物資や予算などには限りがあるため、多くの行政ニーズから優先的に取り組む事業の取捨選択が必要であります。
  事務事業評価の公表も市が実施する多くの事業の1つであり、市勢の進展に合わせ、市民のニーズも多様化、高度化している本市においては、評価の公表よりも優先せざるを得ない行政ニーズが山積しているのが実情であります。
  そのため、評価の公表については、すぐに対応することは難しいものと考えておりますが、議員ご指摘の視点に立ちながら、引き続きより効果的な評価とその公表の方法について研究してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 1番森谷 俊議員。
○1番(森谷 俊議員) 我がまちでも振興実施計画や予算査定において、各課が事業を評価し、審議会の意見を受けて次年度予算へとつなげているという体制が取られていることは理解できました。
  一方で、現在の評価手法はあくまで内部活用を前提としており、市民や議会と共有される可視化された情報にはなっていないという課題もやはり明確になったと受け止めております。職員の皆さんの努力の結晶とも言える評価が、市民や議会に伝わる形で届いていないのは非常にもったいないことです。
  評価を内部で完結させることは決して悪ではありません。しかし、あえてそれを外に開くことで、市民も議会もともに納得し、支え合う関係が生まれます。今求められているのは、単なる資料の提出ではなく共感される説明責任ではないでしょうか。
  引き続き質問させていただきます。
  評価様式の標準化、様式化についてです。現在、振興実施計画の策定に際して各課で評価が行われているとのことですが、その評価記録は様式として標準化され、共有、活用できる状態にあるのでしょうか。もし現時点で定型の記入様式や評価フォーマットがなければ、評価の可視化や継続的な改善には限界があります。
  デジタル変革推進室や委託業者との業務提携といった体制を活用し、評価フォーマットの整備及び評価様式の効率化、標準化を進めていくことは可能と考えますが、いかがお考えでしょうか。
○細矢俊博議長 岡田総務部長。
○岡田光弘総務部長 お答えいたします。
  振興実施計画の際の評価に際しましては、各課での評価に偏りが生じないよう、標準化した評価様式を活用しております。その様式は根拠法令、事業費や財源、前年度成果や進捗率などを踏まえまして、妥当性、有効性、効率性などを判断できるものとなっております。
  また、各課で入力したものを総合政策課で集約、修正、査定などが可能なシステムを構築・導入しておりまして、現在も作業の効率化を図りながら進めております。ご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 1番森谷 俊議員。
○1番(森谷 俊議員) 既に標準化された評価様式を用いて評価を実施し、その内容も集約・査定可能なシステムを通じて管理されているとのことであり、一定の評価基盤が整備されていることは大変心強い点です。
  しかし一方で、評価結果が議会や市民という外部に対して十分に共有・活用されているとは言い難い状況でもあります。既に構築されている評価様式やシステムの存在は、まさに今後評価の見える化を進めていく上での大きな土台となり得ます。その基盤を生かしつつ、閲覧者に伝わる形式にブラッシュアップしていくことが今後のDX推進にも合致し、行政の説明責任や職員の皆さんの業務改善にも直結するのではないでしょうか。
  次に、主要な施策の成果への課題、改善点の明示についてです。
  各事業の成果について、何ができたかだけでなく、どこに課題があり、次に何を改善するべきかという視点の記載がなければ、評価としての意味が薄くなってしまいます。法定で提出が定められている主要な施策の成果報告書に記載の項目の制限はありません。
  資料4にありますように、簡潔に課題、改善点の欄を設けることは可能だと考えますが、いかがお考えでしょうか。
○細矢俊博議長 岡田総務部長。
○岡田光弘総務部長 お答えいたします。
  主要な施策の成果は、地方自治法の規定に基づきまして、市長が決算を議会の認定に付す際に合わせて提出しなければならない書類であります。
  したがいまして、作成のスケジュール、時間的制約もありますけれども、そもそも決算の付属資料という位置付けから、課題点や改善点につきましては記載していない現状でございます。
  事業の課題点や改善点、あるいはその事業の今後の展開・展望などにつきましての評価は、先ほどご答弁申し上げましたとおり、本市の場合、スケジュール的には決算の後に振興実施計画の策定作業がありまして、当然その中で決算額、決算付属資料のデータ、あと市議会の皆様からのご意見、市民の皆様からのご要望、国・県の動向、様々な膨大な量のデータを基に、一つ一つの事業を詳細に緻密に検証作業を行っているところであります。
  その後、振興審議会でご審議をいただきまして、次年度の事業実施へつなげております。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 1番森谷 俊議員。
○1番(森谷 俊議員) ご答弁では、主要な施策の成果はあくまで地方自治法上の決算付属資料であり、課題、改善点は記載していないとの説明でした。
  重ねて申し上げますが、法定で定められた主要な施策の成果報告書について、記載内容に関しては課題や改善点を記載してはならないという制限は存在しません。むしろPDCAサイクルに基づく行政運営、市民への説明責任の観点からは、成果に対する振り返りを加えることこそが信頼される行政につながります。結果だけでなく、その背景にある努力や改善の方向性が共有されることで施策の透明性が高まり、市民との対話や協働の土台にもなるはずです。
  我がまちが目指す市民みんなの力でつくるまちの理念に少しでも近づくために、今後主要な施策の成果報告書にも簡易な形で課題、改善点などを記載する取組をご検討いただきたく強く思います。
  次に、KPIの明示についてお伺いします。
  KPIとは、訳すと重要業績評価指標と訳されますが、評価を行う上でKPIは欠かせません。現状では、総合計画や総合戦略に一部数値が記載されていますが、事業単位での目標、目標数値設定は必ずしも徹底されていません。
  今後、各課の重点事業を中心にKPIを設定し、年度末にその達成状況を記録、評価する仕組みの導入は検討されませんか。
○細矢俊博議長 岡田総務部長。
○岡田光弘総務部長 お答えいたします。
  KPIに限らず、分かりやすい資料とするためには数値化することが大切と考えております。
  したがいまして、本市では事業実施の結果として決算付属資料の主要な施策の成果、将来目標などにつきましては、総合計画、総合戦略をはじめ、各種計画などにおいて、KPIも含めまして数値化できるものは可能な限り数値化するよう努めているところであります。引き続き取り組んでまいりたいと思いますので、ご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 1番森谷 俊議員。
○1番(森谷 俊議員) 可能な限り数値化に努めているとの答弁をいただきました。
  確かに、総合計画や総合戦略の中では、長期的な指標としてKPIが設定されている場面もありますが、それが事務事業レベルの評価や改善につながっているかどうかについては、依然として不明瞭です。
  事業実施の成果を結果としての数字で示すだけでなく、事前にどこを目指すかという目標値を明示し、その到達度を評価することこそが真のKPIの意義です。また、全ての事業に設定する必要はなく、重点事業に絞ってでもまず簡易なKPIの導入を段階的に行うことが有効だと考えます。
  今後、事前に目標を定め、事後に振り返るという基本的なPDCAの運用をより明確に示していく必要があると考えます。
  次に、振興実施計画の評価についてです。
  資料5にありますとおり、振興実施計画の3ページ以降に、総合計画に対する施策体系が分かりやすく記載されていますが、まちの将来像に対してどの程度前進したのかが市民からは見えにくい構造となっています。
  総合計画との連動が明記されている振興実施計画は、将来像の実現に向けた進捗の見える化の鍵を握る文書であると考えます。せめて、節単位で成果と課題、次年度への改善点を記載する評価項目を設けてみてはどうでしょうか。
○細矢俊博議長 岡田総務部長。
○岡田光弘総務部長 お答えいたします。
  総合計画などにおける節単位の節のことになりますけれども、例えば節単位では子育て環境の充実や高齢者福祉の充実などといった形で、大きなテーマで設定させていただいております。大きなテーマでありますので、理想像も年々変化、または拡大していくものと理解しておりまして、その達成度を導くことは難しいものと考えております。
  したがいまして、そのために総合計画や実施計画では、節の達成度や充実を図るための具体的な事業を明示しておりまして、実施計画策定に合わせて各事業の成果と課題、改善点等の評価を実施しているところでありますので、ご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 1番森谷 俊議員。
○1番(森谷 俊議員) ご答弁では、節単位での達成度評価は困難であるとされ、その理由として理想像の変化、拡大を挙げられました。しかし、市民や議会の視点から見れば、むしろこうした変化に柔軟に対応し、適宜軌道修正を行うためにも、中間的な節単位での成果の課題の見える化は必要不可欠と考えます。
  そもそも、総合計画に掲げた将来像の実現に向けた道筋を、市民と共有するための手段として振興実施計画は位置付けられています。つまり、節のテーマに対し、毎年どのような改善があったかを市民に伝える橋渡しの役割を担う文書であると考えます。
  行政にとっても、これにより総合計画と振興実施計画の連動性が視覚的に整理され、計画全体の整合性や透明性が高まることが期待されます。理想像が変化するからこそ、その変化を可視化し、次の一手を議論できる土台をつくることが重要だと考えます。
  次に、デジタル技術による評価の効率化について質問させていただきます。
  事務事業評価を公表するとなると、職員の方の業務負担が大きくなるという現実は重く受け止めています。しかし、だからこそDXの力を活用するべきです。市公式LINEでの市民満足度アンケートの調査・回収や、AIによる定型技術の補助など、省力化と質の両立が可能です。
  事務事業評価の簡素化と効率化は、十分実現可能と考えます。我がまちでも段階的な導入を検討できる余地はないでしょうか。
○細矢俊博議長 岡田総務部長。
○岡田光弘総務部長 お答えいたします。
  評価につきましては、先ほどご答弁申し上げましたとおり、様々な過程を経て詳細に実施しているところであります。この結果、評価を公表する場合には、例えば今ご質問にありましたアンケートにおきましても、作成や集計、公表様式への記載など、多くの労力を要するものであります。
  また、AI技術の活用を図る場合におきましても、定型的な評価記載記述に関しましては可能かと思いますが、現在の技術では、やはり形骸化の懸念もあることから、市長答弁にありましたとおり、公表の方法につきましては引き続き研究していくとともに、ほかの優先すべき行政ニーズに積極的に応えることによりまして、市民サービスの向上を図ってまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 1番森谷 俊議員。
○1番(森谷 俊議員) 現在、国を挙げてDXが推進される中、地方自治体においても効率化と省力化は喫緊の課題となっています。評価業務も例外ではなく、これまでの手作業や紙ベースの煩雑な工程を見直し、デジタル技術を取り入れることは極めて現実的かつ効果的な選択肢です。
  評価や公表に必要な業務支援の体制構築には、国の支援制度を活用するという道もあります。例えば、内閣府の地方創生推進交付金や総務省の自治体戦略2040構想推進事業などは、外部の専門家やITツールを導入し、評価の業務支援体制を構築するために活用可能です。
  これらは、業務負担の多さを理由に評価の可視化や公表を見送ってきた我がまちにとって、現実的な突破口となる制度であるはずです。
  定型技術の形骸化を懸念されるのであれば、それこそ評価とは誰のために、何のためにあるのかを再認識し、現場職員の皆さんと市民がともに納得できる仕組みをつくり上げることが重要と考えます。できない理由よりできる工夫に目を向けていただきたいです。
  最後に、主要な施策の成果報告書のホームページでの公開についてです。
  資料1にありますように、法定資料として作成され、決算付属資料でもある主要な施策の成果の報告書は、山形市や鶴岡市など多くの自治体がウェブで市民に向けて公開しております。市民が行政の自己評価を唯一感じ取れるものが、この主要な施策の成果という資料だと考えますが、現在、我がまちの報告書はウェブ上に公開されておりません。
  せめてまず、この資料を誰もが容易に閲覧できる形で公開すべきと考えます。いかがお考えでしょうか。
○細矢俊博議長 岡田総務部長。
○岡田光弘総務部長 お答えいたします。
  ご質問の主要な施策の成果につきましては、情報公開コーナーなどへ設置しながらの公表とこれまでしておりますけれども、既にこちらのデータはございますので、今後ホームページに掲載していきたいと考えておりますのでご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 1番森谷 俊議員。
○1番(森谷 俊議員) 主要な施策の成果報告書は、決算に付随する法定資料であると同時に、行政が行った事業に対してどのような結果が得られたかを市民に説明する最も基本的な自己評価の場でもあります。
  住民の税金を使って行われた事業について、その成果を分かりやすく示すことは、説明責任の根幹をなすものです。多くの自治体で、当該資料をウェブで公開し、市民の信頼を高める努力がなされています。
  そうした状況を踏まえると、我がまちのこれまでの情報公開コーナーのみでの設置は、デジタル社会におけるアクセス性の観点からも大きな遅れであったと考えざるを得ません。
  今回、今後はウェブ掲載に向けて前向きな姿勢が示されたことは評価に値します。ぜひ、市民に伝えるという視点から、情報発信の在り方を再確認し、積極的公開の実践を進めていっていただきたいと願っております。
  我がまちでは、評価を行っているとのご説明があり、実際に様式も整備され、振興実施計画の策定に合わせて各課での評価が実施されているとのことです。職員の皆さんが真摯に取り組まれていることには敬意を表します。しかしその一方で、これらの評価結果が市民や議会にとって十分に共有、可視化されているとは言い難い現状があります。
  たとえ形式上の様式や手続が存在していても、それが市民の目に触れず理解できる形で示されていなければ、市民みんなの力でつくるまちに必要な共有の地図とはなりません。そして、やはりあまりにももったいないことです。
  審議会での議論が行われている点も重要ですが、構成はおおむね市内団体の代表など限られたメンバーにとどまっており、広く市民との対話がなされているとは言えない側面もあります。これでは、開かれた行政としての評価の在り方としては、もう一歩工夫が求められるのではないでしょうか。
  また、主要な施策の成果報告書において、成果のみを記載すれば足りるとのご答弁がありましたが、地方自治法上、課題や改善点の記載を妨げる規定はありません。これは書けないのではなく、今は書いていないという選択にすぎず、改善の余地が十分にあると前向きに捉えることができます。
  私が求めているのは責任を追及するための評価ではありません。未来を共に考え、よりよいまちづくりにつなげていくための共有の地図です。評価は本来互いの努力と思いを見詰め直し、次の一歩を共に考えるための対話の出発点です。だからこそ、事務事業評価を内部で完結する作業から、市民と共有する未来の道しるべへと進化させていくことを提案します。
  過去の先輩議員の方々が、繰り返し事務事業評価の必要性を訴えてきた背景を自分なりに考えて分かったことがあります。
  この問題で最終的にぶつかるのが、我がまちの掲げる目標や将来像に対して、今どれだけ前進しているのかが市民にも議会にも見えにくいという構造的な課題です。
  ゆえに、私が申し上げたいのは、とてもシンプルなことです。これまで制度や仕組みの話をしてきましたが、要は総合計画の進捗が市民に伝わっていないということに尽きます。自信を持って事務事業評価を行っているのであれば、ぜひその結果を市民に分かる形で公表していただきたい。それだけのことです。
  また、主要な施策の成果報告書についても、ここまで体裁が整っているのなら、課題や改善点を記す欄を1つ増やすだけで、市民や議会への説明責任を大きく前進させることができます。
  問われているのは、評価様式や報告書の精度といった技術的なよしあしではなく、目標を掲げたのなら、その進捗と課題を共有し、共に改善しようとする姿勢、つまり、協働のまちづくりへの本気度が問われているものだと考えます。
  また、重ねて申し上げ上げますが、市民が納めた税金によって実施された施策である以上、その内容や成果、そして今後の改善点を伝える責任が行政にはあります。そして、それは単なる説明義務ではなく、信頼を築くための対話であると私は考えます。
  最後になりますが、誰もが完璧ではないからこそ、改善しながら歩んでいくことが大切です。評価とは、互いの努力と思いを見詰め直し、次の一歩を共に考えるための道しるべです。我がまちが職員の方の真摯な努力と、市民の声と議会の意見が交わる開かれた行政としてさらに前進していくことを私は心から願っています。
  質問は以上になります。引き続き、市民目線での改善と進化を期待しております。
○細矢俊博議長 土田市長。
○土田正剛市長 森谷議員の質問をずっと聞いておりました。ちょっと我がまち、我がまちというのは引っかかりましたけどね。
  市民というのは、どういう対象かということを考えますと、幾らいろんなことを公表したとしても、それに対し市民が無関心であった場合はどうなんですか。私は議員の質問の内容は、一部では評価します。
  しかし、私の今までの市長としてのやり方というのは、まず今までの市政ではなかったこと。例えば、総合計画という10年間の計画を立てる際、従来は全部行政が一方的につくっていた。私はそれじゃ駄目だと。市民の各界各層から、この検討委員会に参加させなさいということで、様々な市民を網羅して、100人近い方々が4部会ぐらいに分かれて、議論をして、市民と共有して総合計画を立てた。
  そういう中において、私のモットーは、市民との対話なんです。だから、私は毎年7地区に分かれて、市民との対話を重視して私自身が説明をしております。
  また、本市の最高決定機関である振興実施計画については、毎年議論を重ねるローリング方式をとっており、東根市くらい丁寧に進めているところは他にないと思います。
  同時に、私自身が農業士会とか、あるいは認定農業者の会であるとか、いろんな会合がある中でほとんど欠席したことはありません。会合に出席した時、私はその時の市政に関することを挨拶の中でできるだけ多く話しています。
  ですから、私自身、市長就任以来、市民との対話ということを最前提にやってきたと自負しております。それでも足りないということもあるかもしれません。しかし、市民が市政のすべてに関心を持っているかどうかというものは、私は疑問を感じる次第であります。
  ですから、事務事業の評価とその公表については、今も総務部長が答弁したように、いろんな形でいろんな労力を費やします。残念ながら、市政に無関心な市民が多くいる中、事務事業評価を公表することは、非常に労多くして功少なしだと私は思っています。
  ですから、少しでも我々あるいは行政が肉声で市民に問いかけるというやり方を一貫してやってきたと自負をしております。
  議員の言っていることというのは、評価はします。ですが、公表を前提とした事務事業評価というものは、少なくとも私はやりません。
  しかし、議員からご指摘がありましたので、私がやってきたことで、改善点が今後あれば研究してまいりたいなと思っております。
  議員の言うことを否定していることではありませんが、東根市は効率良い行政というものをどこの自治体よりも実施してきたと思っております。
  ですから、先程山本議員が上山市のことを話ししながら、東根市は6時半まで窓口業務をやっているということを言いました。だけどそれは間違いで、私が市長に当選した当初というのは、今みたいにコンビニでも証明書を取れるということがなかった。そんな中で、東根市は職員が全員8時半まで来る必要はないと。税務課とか市民課とか、一部の行政の窓口については、8時半出勤組と10時出勤組と2通り考えなさいと。10時出勤組は1時間半遅れて出勤しているわけだから、その分1時間半遅くまでいなさいということにした。
  その結果、市民の方々は、自分の仕事をやって、6時半まで手続ができるということで、当時すごく評価を得たものであります。
  私が市長に就任してから、28年になりますから、当時いた議員のほとんどは卒業しておりますけれども、そのような経緯があったのです。
  ですから、私のやり方というものもご理解願いたいなと思っております。
○細矢俊博議長 以上で、ご了承願います。

  ◎散     会

○細矢俊博議長 以上で、本日の日程は全部終了しました。
  本日は、これで散会します。ご苦労さまでした。

   午後 2時32分 散 会