令和7年3月5日 午前10時00分 開 議

      細  矢  俊  博 議長       片  桐  勝  寿 副議長

◎出席議員(18名)
 1番   森  谷     俊 議員       2番   深  瀬  明  理 議員
 3番   工  藤  み ど り 議員       4番   清  野  康  隆 議員
 5番   山  本  和  生 議員       6番   福  永  邦  幸 議員
 7番   滝  口  公  一 議員       8番   元  木  十 四 男 議員
 9番   東 海 林  克  彦 議員      10番   三  宅  一  人 議員
11番   植  松     宏 議員      12番   高  橋  鉄  夫 議員
13番   河  村     豊 議員      14番   原  田  利  光 議員
15番   髙  橋  光  男 議員      16番   佐  藤     直 議員
17番   片  桐  勝  寿 議員      18番   細  矢  俊  博 議員

◎欠席議員(なし)
◎説明のため出席した者の職氏名
土 田 正 剛
市      長

半 田   博
教  育  長
松 田 智 志
選挙管理委員会
委  員  長

古 谷 利 明
代表監査委員
菅 原 繁 治
農業委員会会長

芦 野 耕 司
副  市  長
佐 藤 慎 司
総 務 部 長

矢 萩   宏
市民生活部長
岡 田 光 弘
健康福祉部長

東海林 浩 司
経 済 部 長
深 瀬 弘 之
建 設 部 長
兼上下水道部長

間木野 教 子
会計管理者
安 達 好 浩
消防長

安 達 利 也
教育次長
青 柳   昇
総合政策課長

本 間 和 史
庶 務 課 長
併選挙管理委員会
事 務 局 長
柴 田   昇
財 政 課 長

伊 藤   亨
監 査 委 員
事 務 局 長
深 瀬   忠
農 業 委 員 会
事 務 局 長





◎事務局職員出席者職氏名
鈴 木 敬 一
事 務 局 長

高 橋 真伊子
事務局長補佐
鈴 木 雄 太
議事係長

紅 谷 雅 美
主      任
井 上 雄 貴
主      任

斎 藤 直 子
兼 務 書 記
辻 村   充
兼 務 書 記



◎議 事 日 程

 議事日程第4号
       令和7年3月5日(水) 午前10時 開 議

 日程第 1  市政一般に対する質問
        1  9番 東海林 克 彦
        2  1番 森 谷   俊
        3  2番 深 瀬 明 理
    (散     会)

◎本日の会議に付した事件

 議事日程第4号に同じ。




令和7年東根市議会第1回定例会一般質問発言通告書

番 号
質 問 者
質 問 事 項
質 問 要 旨
答 弁 者
東海林克彦
議   員
1.東根市地域防災計画について
1.本市では市民生活に重大な影響を及ぼす恐れのある災害に対処するため、「東根市地域防災計画」を策定しているが、その概要と市民に対する周知方法について伺う。
2.近年の震災経験等から、自助・共助による防災活動の重要性が再認識され、本市においても「地区防災計画」作成マニュアルを整備し、それぞれの地域における防災計画の整備促進を図っているが、これまでの計画策定率とその評価について伺う。
3.市内には土砂災害警戒区域が東根、神町、東郷、高崎地内に73カ所、うち土砂災害特別警戒区域が東根、神町、東郷、高崎地内に58カ所指定されている。これらの対策工事実施状況と危険箇所の解除について伺う。
4.災害避難時に当面過ごすため必要なものを入れる非常持ち出し袋の普及状況について伺う。
市   長
森谷  俊
議   員
1.学校給食における残渣削減と地域資源循環について
1.昨今の超物価高が給食費にも影響を与える中、給食の食べ残し(給食残渣)を減らすための取組について伺う。
2.財政負担を抑えながら、地域資源の循環を促進するための、給食残渣のリサイクルに向けた今後の取組や方針について伺う。
教育長
深瀬 明理
議   員
1.空き家問題についての現状と今後の方針について
1.「空家等対策の推進に関する特別措置法」が改正され、2023年12月に施行された。「管理不全空家」の新設、「緊急代執行」制度の導入、相続登記の義務化と連動した相続後の管理責任の強化など、空き家への対応が強化され、行政の介入をより迅速にする仕組みが整えられた。そこで、以下の点について伺う。
(1)空家特措法改正後の本市の空き家に対する対応の変化はあるか。また、「管理不全空家」制度の新設は、「特定空家」になる前に行政が介入できるようにし、早期の改善を促すことで空き家問題の深刻化を防ぐ趣旨であるため、積極的な「管理不全空家」の指定が必要と考えるが、見解を伺う。
(2)「管理不全空家」、もしくは、「特定空家」の指定を受け、何らかの措置が必要と思われる空き家も見受けられるが、この度の制度改正により市としてどのようなことができるのか伺う。
市   長


  ◎開     議

○細矢俊博議長 皆さん、おはようございます。
  本日の会議に、欠席及び遅刻の届出はありません。したがいまして、出席議員の数は18名で、定足数に達しておりますので、これから、本日の会議を開きます。
  本日の会議は、議事日程第4号によって進めます。

  ◎市政一般に対する質問

○細矢俊博議長 日程第1 市政一般に対する質問を行います。
  質問は通告順としますが、発言順番を迎えたときに議場にいない場合は、発言権の放棄とみなしますので、そのようにご了承願います。

  ◎東海林克彦議員質問

○細矢俊博議長 はじめに、9番東海林克彦議員。
   〔9番 東海林克彦議員 登壇〕
○9番(東海林克彦議員) 皆さん、おはようございます。
  議席番号9番東海林克彦です。
  議長の指名がありましたので、東根市地域防災計画について質問をさせていただきます。
  地球温暖化や地殻変動などに端を発する大雨や大地震が度々発生しており、自然災害の頻度と規模が増加しております。
  そのため、自治体はこれまで以上に迅速かつ効果的な対応が求められています。特に、本市西部を流れる県の母なる川一級河川最上川沿いには、山形盆地断層帯が位置しており、震災に対する普段からの備えが重要なものとなっております。
  こうした背景から、大雨や地震などの自然災害に備えた防災対策の強化が進められております。
  昨年1月には、能登半島地震が発生、また7月には、県内庄内最上地域で大雨による災害が発生し、約1,111億円という甚大な被害をもたらし、未だ復旧途上であることは記憶に新しい事実であります。
  被災されました方々に対しまして心からお見舞いを申し上げますとともに、1日も早い復旧復興をご祈念申し上げます。
  そのような中、本市におきましても、9月20日からの大雨により、土砂災害警戒情報に係る避難指示が発令され、同21日に開設された避難所へ住民が避難されております。幸いなことに天候回復により土砂災害の発生を免れるなど、大事には至らず、翌日夜には避難所が閉鎖され、避難された方々は全員無事帰宅されております。
  過去を思い起こせば、平成10年、土田市長が就任して間もなく台風がもたらした大雨により、本市東部地区のため池の堤体が決壊の恐れがあるとし、ため池下流域に位置する集落住民43世帯173名に避難勧告を発令しております。
  その際、市では国交省へ排水ポンプ車を要請するなど、懸命な排水作業により決壊を免れることができたのであります。当時、私も消防団員として徹夜で避難地域の警戒に携わったことを覚えております。
  災害はいつやってくるか分かりません。私たちは常日頃から災害に対する心構えを持つ必要があるのです。
  これらのことを踏まえ、東根市地域防災計画などについて4つの項目に対して質問を行います。
  はじめに、東根市地域防災計画についてです。
  本市では、市民生活に重大な影響を及ぼす恐れのある災害に対処するため、災害対策基本法に基づき、災害の予防対策、応急対策及び復旧復興対策について必要な事項を定める、「東根市地域防災計画」を策定しており、法改正や新たな取組について、その都度見直しを行い、最新の総合防災マニュアルとなっております。
  それでは、その概要と市民に対する情報の周知方法についてどのように行われているのか伺います。
  次に、地区防災計画策定についてです。
  近年、阪神・淡路大震災や東日本大震災を経験し、自助・共助による防災活動の重要性が再認識され、平成25年の災害対策基本法改正により、地区防災計画制度が創設されました。
  本市においても、地区防災計画作成マニュアルを整備し、地域に説明に伺うなど、それぞれの地域における防災計画の整備促進を図っておりますが、これまでの防災計画策定率はどのようになっているのでしょうか。
  また、その数値をどう評価しておられるのかお伺いします。
  次に、東根市地域防災計画によれば、土砂災害警戒区域が東根、神町、東郷、高崎地区内に73か所、同様に土砂災害特別警戒区域が58か所指定されております。
  この中で災害防除等の対策工事の実施状況はどのようになっているのでしょうか。
  また、対策工事の完成により、危険箇所の解除は行われているのかお伺いします。
  最後に、非常持ち出し袋の普及状況について伺います。
  災害発生時に避難を余儀なくされる場合、もしくは災害発生が見込まれることなどから、避難情報として、警戒レベル3で高齢者等避難、同レベル4で避難指示が発せられることがあります。
  その際、避難所で当面過ごすために必要なものとして、複数日分の飲料水や食料、懐中電灯、携帯ラジオなどを持ち出すことが望まれます。中でも水と食料は、最低3日分が必要とされ、特に水は、1人1日1.5リットルから2リットルと言われておりますので、それだけで5、6キロになります。1人で家族全員分を運ぶのは困難であり、家族1人1人が持ち出すことが望まれます。
  非常持ち出し袋の普及は、防災意識の向上と避難時の迅速な対応に直結するため、非常に重要なことであります。これに適したバッグは、防災リュック、ショルダーバッグ、リュックサック、登山用リュックなど両手を空けて移動できるものが最適であります。まずは必要物品を収納して、いつでも持ち出せるよう備えておくことが重要です。
  それでは、市内各家庭や事業所などへの非常持ち出し袋等の普及状況はどうなっているのでしょうか。
  以上、お伺いしまして、登壇での質問といたします。
○細矢俊博議長 9番東海林克彦議員の質問に対し、答弁を求めます。
  土田市長。
   〔土田正剛市長 登壇〕
○土田正剛市長 東海林克彦議員の東根市地域防災計画についてのご質問にお答えをいたします。
  はじめに、東根市地域防災計画の概要と周知方法についてであります。
  東根市地域防災計画は、災害対策基本法に基づき、東根市防災会議が作成する計画で、地震災害、風水害に加え、雪害や航空災害などを含む個別災害への総合的な対策を定めたものであり、市民の生命、身体、財産を災害から守ることを目的としております。
  当該計画には、住民の役割として「自分のことは自分で守る自助、自分たちの地域は自分たちで守る共助が防災の基本であり、住民は、その自覚を持ち、平素から災害に備えるための手段を講じておくことが重要である」と定められております。
  そのため、住民自らの防災意識の高揚と適切な行動が重要となるとの観点から、特に、災害発生前の準備や災害発生時の行動などについて、定期的に市報掲載するとともに、市総合防災訓練や、防災関連の出前講座などの機会を捉えて周知を図っております。
  次に、地区防災計画の策定率とその評価についてであります。
  災害発生時の自助・共助において重要になるのが自主防災組織であり、いざというときに住民がどう行動するかをあらかじめ決めておくものが地区防災計画であります。
  市内には、自主防災組織が99団体存在しており、本年2月末現在で計画の策定を終えているのは5団体で、策定に向けて市が支援中であるのが2団体となっているところであります。
  第二期東根市総合戦略の重要業績評価指標に、令和7年度で50団体の策定目標を掲げていることから、一層の事業推進が必要であり、引き続き、市自主防災会連絡協議会の総会のほか、防災関連の出前講座において計画の必要性を説明するなど、積極的な策定支援に取り組んでまいります。
  次に、土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域における対策工事等についてであります。
  山形県では、いわゆる土砂災害防止法に基づき、土砂災害の恐れがある場所を調査し、土砂災害警戒区域と土砂災害特別警戒区域を指定しております。
  本市では、土砂災害警戒区域が73か所、そのうち、さらに著しい危害が生ずる恐れのある区域として、土砂災害特別警戒区域が58か所指定されており、これらについては、県において実施した土地利用の状況や、測量などを含む基礎調査で得られた結果等を踏まえ、優先順位を定めて対策工事が行われているところであります。
  なお、区域の解除については、土砂災害警戒区域については、地形要因に基づいて区域が指定されているため、地形に変化がない限り、区域の変更・解除は行われず、土砂災害特別警戒区域については、流出する土砂等が有する力により、その範囲が決定されるため、対策工事などで、その力が少なくなった場合などに、区域の縮小や解除が行われることになるものであります。
  次に、非常持ち出し袋の普及状況についてであります。
  市内の家庭や事業所における普及状況は、調査等の実績がなく、把握できておりませんが、自らの命は自ら守ろうという防災の原則に従えば、備蓄品の確保や防災用品の準備は住民自身で行うことが重要であり、現行の洪水ハザードマップの情報面に物品リストを掲示するなどにより、周知しております。
  非常持ち出し袋は、避難時に両手が自由になるリュック型が推奨されており、市内のホームセンターや家電量販店などでも様々なものが販売されていることから、市民の皆様には自身に合った備えをぜひともお願いをするものであります。
  今後も、市報などを通じて、高齢者や乳幼児に対する備えについても、これまで以上にきめ細かくお知らせできるよう努めていくとともに、事業所においても普及が図られるよう周知してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 9番東海林克彦議員。
○9番(東海林克彦議員) 質問席から続けさせていただきます。
  地域防災計画についてであります。
  梅雨や台風に対する備えについて、防災の日について、そして市総合防災訓練の告知や避難行動要支援者名簿の協力、災害発生時の行動などについて市報でお知らせしていることは承知しております。
  また、防災訓練や関連の出前講座などでも周知を図っているとのことであります。
  これらのことも大変重要なことであり、広く市民へ周知しなければなりません。
  登壇でも申し上げましたが、地域防災計画には、震災、風水害、雪害、その他について事細かに記載されており、法改正など事情が変われば、必要に応じ改正が行われるなど、防災対応の基本が示されております。
  また、先週火曜日の地方紙に、国交省は、水害リスクマップに、下水道や水路からの雨水があふれる内水氾濫の情報を追加するとの記事が掲載されておりましたので、新たな情報についても機会を捉え、積極的に市民への周知拡大をお願いします。
  次に、地区防災計画についてであります。
  市内防災組織が99団体であり、うち5団体が計画策定済みとのことでした。実に5%に過ぎず、まだまだ途上であります。
  市では総合戦略の目標値として、新年度での策定目標を50%にするとのことですが、相当な努力を要するものと思っております。
  それでは、早期策定を促すために具体的にはどのようなお考えをお持ちなのか伺います。
○細矢俊博議長 佐藤総務部長。
○佐藤慎司総務部長 それでは、お答えをいたします。
  先ほどの市長答弁にもございましたけれども、様々な場面を捉えて地区防災計画策定を推進していく必要があると考えているところでございます。
  特に、防災関連の出前講座におきまして、計画の必要性に加え、居住する地域ごとに異なる災害リスクをより具体的に伝えることや、令和3年6月に策定した「地区防災計画策定マニュアル」を用いた説明などにも力点を置いた内容にしていく必要があると認識しているところでございます。
  また、出前講座などで興味・関心を持っていただいた自主防災組織に対しまして、計画策定に向けたワークショップに市の職員をアドバイザーとして派遣するなど、地道かつ継続的な取組が必要であると考えているところでございます。
  なお、地区防災計画に類似しました独自のものを整備している団体もあると聞いておりますので、その実態把握に努めていきますとともに、計画への移行についても働きかけを行ってまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 9番東海林克彦議員。
○9番(東海林克彦議員) 普段からの防災計画にある避難の手順等を部屋に提示するなど、常に見える化しておけば、万が一の場合でも慌てずに行動ができるものと思います。
  地区防災計画の策定促進には、おっしゃるとおり、地道に働きかけをすることが結局一番の近道になるような気がいたします。ぜひ策定目標以上の達成が図られますよう、今後とも積極的な支援をお願いいたします。
  次に移ります。
  土砂災害警戒区域についてです。
  土砂災害警戒区域に住居がある場合、そこに居住している市民の方々は、大変な心配をされていると思います。
  それでは、不安を払拭することが期待される対策工事の実施率はどのようになっているのか伺います。
  また、現に事業実施中の箇所はあるのでしょうか。
○細矢俊博議長 深瀬建設部長。
○深瀬弘之建設部長兼上下水道部長 お答えをいたします。
  本市における土砂災害警戒区域の整備率につきましては、所管する山形県によりますと、土石流危険地区においては約26%、急傾斜地崩壊危険地区では約37%となっております。
  対策工事としましては、今年度、娵ケ沢砂防自然災害防止事業に係る流路工が完成しているところであります。
  引き続き、砂防事業の整備促進のため、市の重要事業に掲げて要望してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 9番東海林克彦議員。
○9番(東海林克彦議員) 今年度で娵ケ沢の工事は完了とのこと、承知いたしました。
  次に、今年1月30日、山形県は、土砂災害警戒区域以外で土砂災害が起こる恐れがある場所が新たに7,000か所以上、本市では186か所があると発表しております。
  これまで把握されていた危険箇所に対し、さらに箇所数が増えるとなると、ますます不安が募るのではないかと危惧いたします。
  今後の市の対応等について伺います。
○細矢俊博議長 佐藤総務部長。
○佐藤慎司総務部長 それでは、お答えをいたします。
  山形県によりますと、令和7年度以降に、本市で抽出されました186か所につきまして、要配慮者利用施設や指定避難所が所在するなど、優先度が高いと判断された箇所から基礎調査に着手いたしまして、順次、土砂災害警戒区域等の指定を進めていく予定と聞いているところでございます。
  現時点では指定区域が増加するかどうかは不明となってございます。
  次に、周知方法につきましては、山形県の広報での告示が行われるものと理解してございますが、市といたしましても、指定区域とその周辺に居住する住民に対しまして、前回指定がなされた際と同様に、土砂災害防止法に関する説明会を開催いたしまして、注意喚起を図るとともに避難体制や避難情報の伝達などについて周知を行ってまいりますのでよろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 9番東海林克彦議員。
○9番(東海林克彦議員) 指定区域が増加するかどうかは、調査結果を見ないと分からないとのことでしたが、ぜひ早急な調査対応が行われるようお願いいたします。
  さて、特別警戒区域に該当され、対策工事が必要とされても、完了まで時間がかかることは、これまでの実績から承知しておりますが、今後そのエリアで住宅の計画を持つ場合など、どのような手続が必要になるのか伺います。
○細矢俊博議長 深瀬建設部長。
○深瀬弘之建設部長兼上下水道部長 お答えをいたします。
  土砂災害警戒区域であるイエローゾーンにおきましては、特別な手続や制限はありません。
  一方、土砂災害特別警戒区域であるレッドゾーンにつきましては、レッドゾーンに計画をする場合には、建築確認申請時などに建築物の構造等の安全性について建築主事の確認が必要となります。よろしくお願いします。
○細矢俊博議長 9番東海林克彦議員。
○9番(東海林克彦議員) 一般的に土砂災害警戒区域などは、都市計画区域以外に位置する場合が多く、建築確認を要さないことから知らずに建ててしまわないようなPRをお願いしたいと思います。
  それでは、住宅が建てることができないと判定された場合に対する移転や建物の除却に対する支援制度についてどうなっているのかお伺いいたします。
○細矢俊博議長 深瀬建設部長。
○深瀬弘之建設部長兼上下水道部長 お答えいたします。
  土砂災害特別警戒区域等、レッドゾーンから移転する場合には、危険住宅の除去費用、あと移転先の住宅の取得費用などの一部に対して補助制度があります。よろしくお願いします。
○細矢俊博議長 9番東海林克彦議員。
○9番(東海林克彦議員) ただ今は、補助制度があるとのことお伺いしました。
  移転や除却についても支援する制度があるとのこと、PRよろしくお願いします。
  あわせて、危険箇所の対策事業につきましても促進されるよう、継続して国、県へ要望をいただき、住民の不安解消が図られますようお願いいたします。
  次に移ります。
  非常持ち出し袋についてであります。
  現にどの程度の普及率なのか調査実績がないとのことですが、ぜひ市民アンケートなどの調査を行い、現状の把握をすべきと思いますが、いかがでしょうか。
○細矢俊博議長 佐藤総務部長。
○佐藤慎司総務部長 お答えをいたします。
  アンケート調査を実施することは、現状把握に有効な手段でございますが、年間20回程度開催しております防災関連の出前講座におきまして聞き取り調査を行うことで、ある程度の普及状況の傾向を知ることができますので、現時点におきましてアンケート調査の実施は考えておりません。
○細矢俊博議長 9番東海林克彦議員。
○9番(東海林克彦議員) 地域にお邪魔したときに直接聞き取り調査を行うなど、現状把握に対する検討を行うとのこと、了解いたしました。スピード感を持ってお願いしたいと思います。
  普及拡大に際しては、非常時の行動マニュアルに必要性を示すことや、また普及への呼び水にするため、購入等への助成制度を検討していただければ、なお普及が進むのではないかと思います。
  最後に要望を申し上げ、以上で東根市地域防災計画に係る私の質問を終わります。ありがとうございました。
○細矢俊博議長 以上で、ご了承願います。

  ◎森谷 俊議員質問

○細矢俊博議長 次に、1番森谷 俊議員。
   〔1番 森谷 俊議員 登壇〕
○1番(森谷 俊議員) 1番森谷 俊です。
  通告に基づき、学校給食における残渣削減と地域資源循環について、市政に対する質問をさせていただきます。
  昨今の超物価高騰により、食品価格が上昇しており、給食費の値上げが避けられない状況になっていると伺っています。
  食材費の高騰が直接影響する中で、保護者負担の増加や学校給食の維持向上が課題となっていると考えます。
  一方で、給食残渣の問題も依然として重要であり、食材を無駄なく活用し、財政負担を抑えながら持続可能な給食運営を行うことが求められています。
  以前給食センターを訪れた際に、給食残渣と処分費用について話を聞いたことがありました。
  その内容は、1キログラム当たり約50円を支払いリサイクル業者に引き取ってもらっているとのことでした。給食残渣は1日で約170キログラムから250キログラムの量が発生するとのことなので、単純に計算すれば、年間約30トンから40トンの給食残渣を税金で処理していることになります。
  リサイクルされた残渣は、業者により資源化され、堆肥やメタンガスとして生まれ変わり、我が町の給食残渣は無駄なく活用されているようです。ただし、行政が継続的に処理費用を負担することが必要となるため、財政負担が課題であると考えます。
  また、そもそも給食の食べ残しがなければ残渣を削減できます。
  給食の食べ残しが発生する理由として、主に3つが考えられます。
  1つは給食に嫌いなものがあるから、2つ目に給食の時間が短いから、3つ目に給食の量が多いからという理由があるようです。
  給食は、必要最低限の栄養やカロリーが計算されて調理されているため、子どもたちへの給食量を減らすことは合理的ではありません。
  給食残渣の問題はリサイクルの在り方と、食べ残し残渣という2つの問題を抱えているのではないでしょうか。
  その2つのうち、食べ残しを削減することが最も重要であると考えています。給食時間の短さや苦手な食材への対応不足が食べ残しを助長しているとの意見も聞かれますが、食事時間の見直しや献立改善、食育強化といった取組が非常に大切なのではないでしょうか。
  昨今の物価高騰が給食費にも影響を与える中、給食残渣の問題は、環境負荷軽減だけでなく、子どもたちの食育や地域の持続可能な発展にも深く関わる重要なテーマです。
  財政負担を抑えながら、地域資源の循環を促進するために、今後の取組や方針について教育長にお伺いし、登壇での質問を終わります。
○細矢俊博議長 1番森谷 俊議員の質問に対し、答弁を求めます。
  半田教育長。
   〔半田 博教育長 登壇〕
○半田 博教育長 森谷 俊議員の学校給食における残渣削減と地域資源循環についてのご質問にお答えをいたします。
  はじめに、給食の食べ残しを減らすための取組についてでありますが、学校給食は、成長期にある児童・生徒の心身の健全な発達のため、栄養バランスの取れた豊かな食事を提供することにより、健康の増進、体位の向上を図ることはもちろんのこと、食に関する指導を効果的に進めるための重要な教材としての役割を担っております。
  一方で、学校給食の食品廃棄物は継続的に発生しており、食品廃棄物を減らす工夫や、発生した際の再利用の取組が重要であることから、各学校で、各教科や総合的な学習の時間での食に関する指導、栄養教諭による食育指導などを行い、給食の重要性に対する意識の醸成を図っております。
  また、県と協調し、毎年、心を育む学校給食週間を実施して、児童・生徒に食は「いのち」を育む基本であることを意識づけるとともに、食に関わる人と、食材に対する感謝や他人を思いやる豊かな心を育むことを狙いとして、「こころづくり」「からだづくり」「おこないづくり」の3つの視点で工夫を凝らした取組を行っております。
  給食センターでは、日々の食べ残しの傾向を参考に献立を改善するとともに、毎年、児童・生徒を対象とした嗜好・満足度調査を実施し、その分析結果を献立作成や栄養指導等の基礎資料として活用し、残渣の減少に取り組んでおります。
  また、調理員によってばらつきの生じやすい野菜の切裁作業を標準化・マニュアル化してむき過ぎや切り過ぎを防止し、廃棄量の最小限化にも努めております。
  次に、財政負担を抑えながら地域資源の循環を促進するための給食残渣のリサイクルに向けた、今後の取組や方針についてでありますが、先に申し上げたような取組を実施しても、なお、残渣をゼロにすることは非常に困難であります。
  このようなことから、給食センターでは、県内のリサイクル事業者と連携し、給食センターから排出される食品残渣を、資源の循環としてバイオガス発電に再利用しております。
  焼却によらない現在の処理方法は、本市が目指すゼロカーボンシティに資する取組であると捉えているところであります。
  今後とも、児童・生徒に栄養バランスの取れた安全・安心でおいしい給食の提供に努めるとともに、食品ロスの削減にも取り組んでまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 1番森谷 俊議員。
○1番(森谷 俊議員) 教育長の答弁から、学校給食が単なる食事の提供にとどまらず、食育の教材としての役割を果たしていることが伝わりました。
  また、食べ残しの削減や調理の工夫に取り組み、バイオガス発電による自然循環を実践している点は評価できます。
  一方で、残渣をゼロにすることの難しさや、地域内での循環活用の具体的な仕組みには、課題が残ると感じます。
  引き続き、質問をさせていただきます。
  まずは給食費について。
  近年の物価高における我が町の学校給食への影響をお伺いします。
○細矢俊博議長 安達教育次長。
○安達利也教育次長 お答えいたします。
  昨今の物価高騰の影響は、学校給食の食材費も例外ではなく、必要な栄養価の確保など、その影響は本市のみならず全国的な課題と言えます。
  本市におきましては、今年度、給食応援・地産地消推進事業により、給食費では不足する食材費相当分として1食当たり50円から60円の支援をし、保護者負担を上げることなく、給食の質と量を確保しているところであります。
  また、同様の支援は来年度も継続していくこととしているところです。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 1番森谷 俊議員。
○1番(森谷 俊議員) 現在、中学校の給食費を無償化にしていただいておりますが、物価高の影響も含め、来年度も引き続き支援していただけるとのことでありました。
  学校給食のお米は全て東根産で、おかずやデザートに毎日、県産食材を使用されていることは承知しております。
  我が町の野菜の生産量が低いのは理解をしておりますが、例えば、地元の野菜農家さんと連携し、地元食材を積極的に活用する地域食材優先調達制度といったような給食センターと農家のマッチングを強化するといったようなものの導入を検討してみてもいいのかもしれません。
  農林業センサスを見るに、作付面積こそ低いですが、野菜類、豆類は特に可能性を秘めていると考えます。玉ねぎやニンジン、そして豆類は、給食調理においてとても扱いやすく、栄養価の高い食材だということを給食に携わる栄養士の方から聞いております。
  今以上に地産地消を進めることで輸送コストを削減し、安定した価格での供給も見込めると考えます。
  そして、野菜農家さんの収入にも直結する仕組みの構築になります。ぜひご検討ください。
  次に、食べ残しの削減について。
  給食時間の短さや苦手な食材への対応不足が食べ残しを助長していると考えます。
  給食時間の見直しや献立改善、食育強化の取組についてどのようにお考えでしょうか。
○細矢俊博議長 安達教育次長。
○安達利也教育次長 お答えいたします。
  まず、給食の時間についてでありますけれども、小学校での給食の時間は、準備及び後片づけも含めて45分、そのうち食事に要する時間は大体20分ほどであります。各学校におきましては、協力して効率よく配膳が行えるような当番活動を推進し、食事の時間の確保に努めているところであります。
  また、学校におきましては、生活科、社会科、家庭科、保健などの教科や総合的な学習の学習時間と関連づけて、食育に関する指導を行っているところであります。
  先ほどの教育長答弁にもございました「心を育む学校給食週間」では、食育の一環として、給食に関わる人や食材に対する感謝の気持ちを醸成するとともに、学校ごとに工夫を凝らした取組を行っております。
  幾つか例を挙げますと、残渣の量を測って自分たちがどれくらい給食を残しているのかを知ることで食べ物を大切にする心を醸成したり、あとは健康な体づくりに必要な食べ物をクイズ形式で紹介したり、あとは残渣の削減をクラスで競ったりなど、楽しみを加えながら食べ残しの減量化に取り組んでおります。
  また、各校輪番制で実施をしております「作成献立」におきましては、児童生徒がテーマに基づきながら、栄養バランスを考えて献立を作成し、食への関心と楽しみを高めているところであります。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 1番森谷 俊議員。
○1番(森谷 俊議員) 食事時間の確保については、45分という時間が制限されているのであれば、配膳や後片づけの時間に左右されてしまいます。
  給食の配膳や後片づけは学年によって違いが出るものと考えますので、例えば低学年であればあるほど、配膳をよりスムーズにする工夫が必要になってきます。事前準備の効率化を考えなくてはならないのかもしれません。
  また、食べ残しの見える化を行っているとのことで安心しました。ぜひ残渣が少なかったクラスには、表彰や得点を設けて喜びを感じさせてあげてください。
  食材の生産者や調理者のメッセージを伝えるなど、食材の背景を知る仕組みなどがあれば、食事の意味もまた深く考えるようになるのかもしれません。
  次に、調理残渣と食べ残しの割合についてですが、調理中に発生する大根の葉やニンジンの皮などの調理残渣と、子どもたちの給食の食べ残しの割合はどれほどでしょうか。
○細矢俊博議長 安達教育次長。
○安達利也教育次長 お答えをいたします。
  給食に係る令和5年度の食品廃棄物の発生量は、5万8,076キロとなっております。
  その内訳ですけれども、食べ残しが4万5,920キログラム、割合で79.1%、調理残渣が1万2,156キログラムで、割合が20.9%となっております。
  調理の過程で発生する調理残渣はそのほとんどが野菜の皮や芯などの野菜くずであります。給食センターにおきましては、作業をマニュアル化し、むき過ぎや切り過ぎを防止し、調理残渣の廃棄量を最小限にするように努めているところであります。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 1番森谷 俊議員。
○1番(森谷 俊議員) 以前、給食センターの残渣を確認しに行ったところ、大きなコンテナいっぱいに広がった残渣に衝撃を受けたところです。
  我が町の残渣量を児童1人当たりに換算してみると、食べ残しが年間約12キロであり、調理残渣が年間約3キロでありました。
  平成25年の少し古いデータにはなりますが、環境省が調査したものと比較してみると、給食廃棄物の総量と調理残渣は、全国平均よりも大幅に少ないことが分かり、調理の工夫がなされていると理解できます。
  しかし、食べ残しは、全国平均よりも5キログラムほど多いことが分かりました。
  先ほど教育次長答弁でもありましたように、残渣量を計測する取組は、食べ物を大切にする上で非常に重要な取組と考えますので、イベント的なものとして扱うのではなく、日々見える化を図り、意識づけさせることが有効と考えます。
  例えば、給食委員会の児童がリーダーとなり、クラスごとで楽しく競えるようにするために、食べ残しの量を毎月発表し、1位のクラスには特別のデザートが食べられるなど、もう一工夫あれば、また変わってくるものと考えます。
  また、児童が給食の献立づくりに携わる機会をもっと増やすことで、自分事として主体的に捉える意識が生まれ、食べ残しが減る可能性が高いと考えます。
  次に、現在の残渣処理についてお聞きします。
  現在給食残渣1キログラム当たり50円を支払い買い取ってもらっていると伺っておりますが、給食残渣の処理にかかる年間コストはどの程度でしょうか。
○細矢俊博議長 安達教育次長。
○安達利也教育次長 お答えいたします。
  給食の残渣処理につきましては、本市の環境方針の基本理念に則り、焼却ではなく二酸化炭素の発生の抑制につなげるバイオガス発電への再資源化を実施しているものであります。
  令和5年度の給食の残渣処理に要した年間の費用は、約219万5,000円となっているところであります。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 1番森谷 俊議員。
○1番(森谷 俊議員) 残渣処理に年間約220万円かけられていることが分かりました。これが高いのか安いのかは、集められるデータがなかったので比較することができませんでしたが、食べ残しに関してはなければない方が処理費用の軽減につながると考えます。
  次に、調理残渣の有効活用についてお聞きします。
  食材の高騰に伴い、給食残渣を削減し、食材の有効活用を図ることが重要だと考えます。
  調味料が付着する前の調理残渣や給食において配膳されずに残るご飯が多いという話も聞きます。
  先ほどの答弁でもありましたように、バイオガス発電でリサイクルされた後の物質、これを消化残渣というようですが、その活用の可能性を調査し、地域農業に循環利用できないか検討してみるのも大切かと考えます。
  例えば、これらを地域農業や家庭菜園に活用するなどの仕組みの構築について検討する予定はございますか。
○細矢俊博議長 安達教育次長。
○安達利也教育次長 お答えいたします。
  先ほどの教育長答弁にもございましたように、現在の処理方法につきましては、本市が目指すゼロカーボンシティに資する取組であると捉えているところであります。
  一方で、全国の事例の中には、学校給食の残渣を肥料化し、その肥料を使用して栽培された農作物を給食用の食材として利用するといった取組もあるようです。
  児童生徒に食と環境のつながりについて学ぶ機会を提供することにもつながるという側面もありますので、活用の仕組みを構築することが可能かどうか、今後、研究してまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 1番森谷 俊議員。
○1番(森谷 俊議員) 今回の質問を通じて、学校給食における食品ロス削減への取組や給食残渣の処理について、改めて現状を確認することができました。
  執行部の答弁からも、給食センターでは、食べ残しの削減や調理過程での廃棄量最小化に向けた努力が行われていることが分かりました。
  バイオガス発電による資源循環の試みも、環境負荷の軽減につながる大切な取組であることを再認識しました。
  しかし、現在のバイオガス発電というマクロ視点では資源循環が行われている一方で、ミクロ視点では、我が町の資源循環として機能しているとは言えないという課題が残ります。
  発電された電気は、電気という性質上、具体的にどこで活用されているのかが見えにくく、子どもたちが自分たちの給食の残渣がどのように地域に還元されているのかを実感しづらいのが現状です。
  給食残渣は、廃棄物ではなく大切な資源です。この資源を地域内で最大限に活かすことができれば、単なる環境対策にとどまらず、食べ物のありがたみを学ぶ機会になり、郷土愛を育む教育的な側面を持つことができます。
  近年、我が町の街並みや子どもたちの暮らしは都市化が進み、かつてのように自然の恵みや食の循環を身近に感じる機会が減っています。その中で、給食から出た残渣を堆肥や家畜の飼料に活用し、そこから生まれた農作物を再び給食に戻す、食料自給の仕組みを確立することは、未来の我が町にとって非常に大きな意義を持ちます。
  また、食材を生産し、調理し、食べることへの理解を深めることで、子どもたち自身が自給自足の価値を学び、食に対する意識がより高まるはずです。
  さらに年間約58トンもの給食残渣のうち、約80%が食べ残しであることを考えると、単なる廃棄物処理の問題ではなく、食べ切ることの意識改革も重要になってきます。
  給食時間の短さや食材の嗜好の違いが食べ残しの一因になっている現状を踏まえ、献立の工夫や食育の強化、子どもたちが今よりも給食のメニュー作成に関わる取組をさらに発展させることで、さらなる食品ロスの削減につなげることができるのではないでしょうか。
  ゼロカーボンシティを目指す我が町として、給食残渣の削減と資源循環の強化は、避けて通れない課題です。
  単なる廃棄物処理としてではなく、地域の未来を支える資源として捉え、持続可能な取組をより一層推進していくべきではないでしょうか。
  行政と地域が一体となり、給食残渣を通じて、我が町の食の循環を構築し、子どもたちが食べ物の大切さを実感できる仕組みをつくることこそ、東根の未来にとって必要な一歩だと考えます。
  昭和の終わりに生まれた私個人としては、古めかしく筋金入りの祖父の教育を受けたもので、児童教育において最も大事なのは、道徳と食育なのだろうと考えているところです。
  食べ物を無駄にしないことは、命を大切にする道徳心を育む。食を知ることで、自分の体や健康を考える力がつく。食材を作る人、調理する人への感謝を持つことで、社会とのつながりを感じる。人間の営みとして最も大事なことを学ぶのが道徳であり、食育であると考えています。
  本来であれば家庭で食の教育をしなければいけないのかもしれません。しかし、現代の社会活動の性質上、夫婦どちらかが常に家庭で家事育児をこなす風景は、ほぼなくなってしまいました。子育てに余裕がなくなっているのは事実です。
  児童たちの1日の活動期間において、学校にいる時間は、家庭と同じか、それ以上の時間を費やしていることになります。であれば、逆手に取って、学校で学んだことを家庭にも広げていく仕組みを構築できれば、みんなが幸せだろうと考えるわけです。
  給食の時間をただの栄養補給の時間とするにはあまりにもったいなく、クラスで楽しく教員の負担を増やすことなく、自然に食を意識する雰囲気の醸成を図ることはできないものか、子どもたちを社会全体で育てるという意識を持って、今よりもさらに工夫をしていただきたいです。
  食を軽んじることは命を軽んじることであり、食べ残しは仕方ないと諦めた瞬間、教育は終わると思っています。
  以上、質問を終わります。ありがとうございました。
○細矢俊博議長 以上で、ご了承願います。

  ◎深瀬明理議員質問

○細矢俊博議長 次に、2番深瀬明理議員。
   〔2番 深瀬明理議員 登壇〕
○2番(深瀬明理議員) 議席番号2番深瀬明理です。
  議長の指示に従い、通告に基づき、今回は、空き家問題についての現状と今後の方針について質問を行ってまいります。
  私が所属する商工会青年部で、先日、来年度の事業を検討いたしました。様々な子どもたちが参加しやすい体験型のスペースをつくりたいという案が出ました。
  その際、空き家の利活用を考えたらどうかという話になりました。リフォームをする家庭も、子どもたちと一緒にできれば、職業体験もさせてあげられるとなったのです。
  しかし、管理費など様々な課題が解決できず、違う事業を進めることになってしまいました。
  そのことがきっかけで空き家の問題に関心が向くことになりました。
  改めて、私の住んでいる東郷地区の空き家の現状を見ると、外見はきれいで、きちんと管理されているものもあります。
  しかし、中には、管理されている様子がなく、今にも倒壊しそうな空き家もあります。大雪や地震などで倒壊してしまうのではないかと不安を感じます。
  実際に先月の大雪の影響でしょうか。屋根に積もった雪の重みで、一部が潰れかかっていました。この状態で収まっているから取りあえずは大丈夫、そんな捉え方では、問題の解決にはつながりません。
  本市における空き家の状況に目を移すと、ここで資料1をご覧ください。
  直近の令和6年10月1日現在、Aランク比較的良好から、Dランク老朽化が進行まで分類された空き家が存在し、その総数は400戸を超えています。
  Aランクの空き家も149戸と非常に多くなっていますが、通常は、すぐに利活用可能な状態なので、それほど問題にならないと考えられます。
  特に気になるのはBランク、Cランクの空き家です。258戸と数が多く、管理が不十分なまま放置されると、防災、防犯、景観悪化といった問題に発展する可能性があります。
  また、空き家の増加の背景には、急速に進行する高齢化の影響があると考えられます。
  資料2をご覧ください。
  平成25年、2013年には、市内の高齢者ひとり暮らし世帯は988世帯でしたが、令和6年、2024年には1,836世帯と、ここ11年で約1.86倍に増加しており、高齢者夫婦のみの世帯も同様に増加傾向にあります。
  特に一番人口の多い東根地区においては、高齢者ひとり暮らし世帯は、11年間で1.9倍の827世帯に増加しており、今後の動向が気になるところであります。
  このような状況を見ると、高齢者世帯が増加し、住む人がいなくなった家屋がそのまま空き家となるケースが今後も増加すると予想されます。
  空き家は、適切に管理活用されない場合、倒壊の危険や犯罪の温床となるリスクを抱えています。
  また、周辺地域の地価低下や景観の悪化など、市全体の住環境に及ぼす影響も看過できません。
  そのため、本市として空き家対策を積極的に進める必要があると考えます。
  現在、全国的に空き家問題への対応が進められており、国においても、空家等対策特別措置法が改正され、令和5年12月に施行されました。
  管理不全空家が新設され、新たに緊急代執行制度が導入、相続登記の義務化と連動した相続後の管理責任の強化など、空き家に対する行政の関与が強化され、行政の介入をより迅速にする仕組みが整えられました。
  この改正の背景には、適切に管理されず、放置された空き家が増加し、防災、防犯、衛生面で深刻な問題を引き起こしている現状があります。
  特に、災害時の倒壊リスクや不法占拠、景観の悪化といった課題が全国的に深刻化したことが法改正の必要を高めた要因となっています。
  これにより、適切な管理がなされていない空き家には、行政が是正指導や罰則を適用できるようになっています。
  また、各自治体では、空き家バンク制度やリノベーションによる利活用促進の動きが広がっています。
  しかし、本市の空き家バンクの登録状況を見ると、現時点で登録数は0件であり、過去の登録実績も僅か1から2件程度にとどまっています。
  このことからも、単に空き家バンクを設けるだけでは十分な効果が得られないことが明らかです。
  所有者が登録するインセンティブが不足していることや、制度の周知、活用が不十分である可能性が考えられます。
  そこで、本市としてもこの課題に対応するため、空き家の適正管理や活用策をより一層強化する必要があると考えます。
  これまでの取組を踏まえつつ、より具体的な施策を講じていくために質問をさせていただきます。
  まず1つ目として、空家特措法改正後の本市の空き家に対する対応の変化についてお伺いいたします。
  空家特措法の内容としては、先ほども述べたように、管理の強化として管理不全空家という新しいカテゴリーが追加されました。これは、特定空家になる前に行政が介入できるようにし、早期の改善を促すことで、空き家問題の深刻化を防ぐ趣旨です。
  本市での空き家対策は、平成25年に、東根市空家等の適正管理に関する条例を制定し、管理不全空家に対し指導を行うとともに、適正な管理を呼びかけるなど、空き家等の問題に取り組んでまいりました。
  そして、平成30年10月に作成された東根市空家等対策計画第3章、空家等対策の計画についての中で、管理不全空家への適切な措置による安全・安心なまちづくりと掲げ、所有者自らによる除却を促すとともに、行政指導や行政処分を適切に行い、管理不全空家による問題の解消を目指しますとあります。
  これらを踏まえると、積極的な管理不全空家の指定が必要と考えますが、市長の見解をお伺いします。
  本市でも、管理不全空家、もしくは特定空家の指定を受け、何らかの措置が必要かと思われる空き家が見受けられます。
  全国的に見ても適切に管理されていない空き家が原因で、倒壊や建材の飛散による事故、害虫、害獣の発生、不審者の侵入といった問題が報告されています。
  地元テレビでは、令和4年8月、山形県酒田市で、所有者不在の空き家に隣接する木造2階建ての倉庫兼車庫が倒壊し、屋根の瓦などが散乱して、付近の道路が通行止めの報道がされました。幸いにも人的被害はありませんでしたが、周辺住民からは、以前から傾いており今にも倒壊しそうだった、との声があったそうです。
  このように放置された空き家が地域の安全や環境に与える影響は大きく、全国の自治体でも対応が求められています。
  そこで、2つ目として、この度の制度改正により、市としてどのようなことができるのかお伺いし、以上、登壇での質問とさせていただきます。
○細矢俊博議長 2番深瀬明理議員の質問に対し、答弁を求めます。
  土田市長。
   〔土田正剛市長 登壇〕
○土田正剛市長 深瀬明理議員の空き家問題についての現状と今後の方針についてのご質問にお答えをいたします。
  はじめに、空家等対策の推進に関する特別措置法、いわゆる空家特措法の改正後の対応の変化と積極的な管理不全空家の指定についてであります。
  令和5年の空家特措法改正により、新たに管理不全空家制度ができたことにより、周囲に著しい悪影響を与える特定空家にならないよう、その手前の状況で管理不全空家に指定し、所有者等に対して、市から指導・勧告等ができるようになりました。
  さらに、勧告された場合には、その空き家の敷地に係る固定資産税の減額特例の解除も行われることとなります。
  この法改正により、建屋の状況や周囲への危険性、所有者等の対応状況等により、管理不全空家に指定するかどうかを検討するということが新たな対応となったところであります。
  現在、本市に指定の事例はありませんが、指定に当たっては、周囲への危険性や改善の見込みなどを総合的に判断し、指定を行い、必要な措置を講じてまいります。
  次に、管理不全空家制度等により、市としてどのようなことができるのかについてでありますが、今年度把握した空き家戸数のうち、2.1%の9戸が最も状態の悪いDランクとなっており、Cランクの一部も含めて、何らかの対応が必要な空き家もあります。
  このような場合には、所有者等に市から連絡・指導を行っているところでありますが、様々な事情により、すぐに対策できるケースが少ないのが実情であります。
  しかしながら、放置することで身体や財産に著しい悪影響を及ぼすことが明らかである場合には、法律に基づき管理不全空家等の指定を行い、勧告等、厳しい措置を講じてまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 2番深瀬明理議員。
○2番(深瀬明理議員) 市長より答弁をいただきましたので、再質問させていただきます。
  近年、日本では高齢者のみの世帯の増加や、核家族化の進行が空き家の発生に大きな影響を与えていることがデータから明らかになっています。
  独立行政法人統計センターの研究論文の中で、高齢者のみの世帯の増加と空き家の関係について、次のように書かれています。
  65歳以上の高齢単独世帯の増加が顕著であり、これが空き家増加の一因とされています。高齢単独世帯の割合が1%増加すると、その他空き家率が0.295%増加するとの分析結果が記されています。
  これは、高齢者が亡くなった後や施設に入所した際に、住宅が適切に活用されず、空き家化するケースが多いことを示唆しています。
  また、核家族化の進行により、親世帯の住宅を子ども世代が引き継がないケースが増えています。
  特に、若年層の都市部への流出により、Uターン率が低下しており、地方の実家が空き家になる傾向が強まっています。
  さらに、核家族化が進んだ結果、親と同居する世帯が減少し、親が亡くなった後も空き家がそのまま放置されるケースが増加していると指摘されています。
  これらのデータを踏まえると、本市においても空き家発生の主な要因の1つとして、相続問題や居住者の高齢化の影響があると考えられます。
  現在、市としては、空き家所有者への連絡、指導を行い、管理不全空家の指定も含めた対応を検討しているとのことですが、こうした社会的な背景を踏まえ、今後さらに効果的な対策を講じていく必要があるのではないでしょうか。
  そこで、本市における空き家発生の要因として、相続や居住者の高齢化がどの程度影響しているとお考えなのか、見解をお伺いいたします。
○細矢俊博議長 矢萩市民生活部長。
○矢萩 宏市民生活部長 お答えします。
  議員お見込みのとおりでありまして、空き家が発生する最も一般的な原因は、自宅を所有する独居の高齢者が老人ホームなどに転居したり、亡くなってしまったりすることであります。
  本市でも、高齢者のみ世帯は増えており、核家族化の進行とともに、空き家の発生の要因となっているものと捉えております。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 2番深瀬明理議員。
○2番(深瀬明理議員) 本市においても、高齢者のみの世帯が増加し、核家族化の進行が空き家発生の要因となっているとのこと、大変重要な課題であると認識いたしました。
  しかしながら、相続された住宅がそのまま放置されるケースや、適切な管理が行われないまま空き家となるケースも多く見受けられます。
  こうした状況を踏まえ、単に高齢者の転居や死亡による発生だけでなく、相続後の管理や活用の仕組みを強化することも重要と考えます。
  例えば、相続が発生する前から空き家となる可能性のある住宅の情報を把握し、相続人への事前の周知や活用支援を行う仕組みを検討することも有効ではないでしょうか。
  今後、行政としても空き家発生の未然防止策を講じるとともに、発生後の迅速な対応ができるような仕組みづくりについて、さらなる検討をお願いいたします。
  冒頭でも申し上げましたが、全国的に空き家の増加が深刻な問題となっており、本市においても、適切な管理が行われていない空き家が増加傾向にあると認識しております。
  特に建物の老朽化が進み、倒壊の危険性があるDランクの空き家については、周囲の住民の安全や景観、さらには、防犯上の観点からも早急な対応が求められると考えます。
  Dランクの空き家は、建物の構造的な強度が著しく低下しており、台風や地震などの自然災害時に倒壊するリスクが非常に高い状態にあります。
  また、長期間放置されることで、不審者の侵入や犯罪の温床となる可能性があるほか、火災発生の危険性も指摘されています。
  さらに、こうした危険な空き家が地域に存在し続けることで、近隣住民の不安を増大させるだけでなく、固定資産税の未納や管理責任の不明確化など、新たな行政課題を生み出す可能性もあります。
  こうした状況を踏まえると、所有者への指導や助言だけでは十分な対応とは言えません。
  また、危険性が高い建物については、強制撤去を含む積極的な措置を講じる必要があるのではないでしょうか。
  既に全国の自治体では、空き家問題の深刻化に伴い、行政代執行を活用して、危険な空き家を撤去する動きが進んでいます。本市においても、所有者の対応が見込めない場合には、速やかに強制撤去を実施するべきと考えます。
  そこで、本市におけるDランクの空き家に対して、今後どのような具体的な対応を行う予定なのか。
  また、所有者が適切な管理を行わない場合、行政代執行による強制撤去の可能性も含め、どのような措置を検討されているのかお伺いいたします。
○細矢俊博議長 矢萩市民生活部長。
○矢萩 宏市民生活部長 お答えします。
  Dランクの空き家であっても、原則的に所有者や相続人が対応しなければなりませんので、引き続き所有者等に対応を促してまいります。
  ただし、隣地等への多大な危険性があり、所有者等による改善の見込みがない場合などは、代執行を実施する可能性がございます。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 2番深瀬明理議員。
○2番(深瀬明理議員) 答弁承知いたしました。
  Dランクの空き家については、原則として、所有者や相続人が対応すべきとのことですが、実際には対応が進まないケースも多いのではないでしょうか。もしそうであるならば、危険な状態のまま放置されることが懸念されます。
  空き家問題は安全面だけでなく、地域全体の景観や資産価値にも関わる重要な課題であり、所有者への働きかけを強化しつつ、行政としての対応方針についても、具体的な検討を進めていただきたいと思います。
  こうした状況の中で、特に所有者が遠方に住んでいる場合や、連絡が取れない場合の対応が課題となるのではないでしょうか。実際に所有者が市外や県外に転居しており、連絡がつかないケースや相続人が多数いることで手続が滞っているケースも考えられます。
  このような場合、連絡を試みるのか、また連絡がつかない場合にどのような対応を行うのかお伺いいたします。
○細矢俊博議長 矢萩市民生活部長。
○矢萩 宏市民生活部長 お答えいたします。
  空き家の所有者等が近くに住んでいても、遠方に住んでいても、適正管理のために何かしら措置しなければならない場合は、電話や手紙などで連絡し、何らかの対応をお願いしているところでありますので、よろしくご理解をお願いします。
○細矢俊博議長 2番深瀬明理議員。
○2番(深瀬明理議員) 答弁承知いたしました。
  所有者が遠方に住んでいる場合でも、電話や手紙で連絡を取り、対応を求めているとのことですが、実際には、所有者が応じないケースやそもそも連絡がつかないケースも少なくないのではないでしょうか。
  特に、相続登記が未了の物件や所有者が不明確な場合は、空き家の管理責任が曖昧になりやすく、放置される原因となります。そのため、所有者不明の空き家に対する調査体制を強化し、必要に応じて法的手続を進めることも重要ではないかと考えます。
  また、遠方の所有者が管理を行いやすくするために、地域の専門業者やシルバー人材派遣センターなどと連携し、管理代行や定期巡回の仕組みを整えることも1つの方法ではないでしょうか。
  こうした支援策を講じることで、所有者の負担を軽減しながら、適正な管理を促すことができると考えます。
  今後、所有者が対応しやすい環境づくりや、連絡が取れない場合の対応策の強化について、さらに検討を進めていただきたいと思います。
  次に、Cランク、Dランクの空き家所有者が自主的に対策を取るよう促すための支援制度やインセンティブは検討されているのか、お伺いいたします。
○細矢俊博議長 矢萩市民生活部長。
○矢萩 宏市民生活部長 お答えします。
  本市では、老朽危険空家等除却支援事業を実施しており、空き家を解体したい場合、申請により、条件に該当した方に補助金を交付しております。
  また、この事業は、市報やホームページ、配布用のガイドブックなどで周知しておりますので、よろしくご理解を願います。
○細矢俊博議長 2番深瀬明理議員。
○2番(深瀬明理議員) 答弁承知いたしました。
  老朽危険空家など、除却支援事業を通じて、適用条件を満たす所有者への補助金交付を実施し、空き家の解体を促進されている点は、評価できる取組だと考えます。
  また、市報やホームページ、ガイドブックを活用した周知にも努められていることは、理解いたしました。
  しかしながら、実際には、空き家の所有者が制度の存在を知らなかったり、手続の負担を理由に活用を躊躇したりするケースも少なくないのではないでしょうか。
  補助金制度のさらなる利用促進のためには、例えば、対象となる所有者へ直接的な通知を行う、個別相談の機会を設ける、手続の簡素化を図るなど、より積極的なアプローチが有効と考えます。
  現状の施策をさらに強化し、より多くの所有者が自主的に対策を講じられる環境を整えることで、空き家問題の早期解決につながるのではないかと考えます。
  今後の施策の方向性について、ぜひご検討いただきたいと思います。
  次に、空き家問題について、自治会や地域住民と協力する具体的な施策は何かあるのかお伺いいたします。
○細矢俊博議長 矢萩市民生活部長。
○矢萩 宏市民生活部長 お答えします。
  空き家の中の散乱しているごみや、そこから発生している匂いを除去するため、自治会と協力して片づけや運搬などを実施した実績がございます。
  今後ともケースに応じた柔軟な対応を検討してまいりますので、よろしくご理解願います。
○細矢俊博議長 2番深瀬明理議員。
○2番(深瀬明理議員) 答弁承知いたしました。
  地域と連携した取組が進められている点は、評価できると思います。
  一方で、全国的には、自治会だけでなく、民間企業やNPO法人と連携し、より幅広い視点で空き家対策を進めている自治体も増えています。
  空き家問題は、単なる撤去や管理の課題にとどまらず、地域の将来を見据えたまちづくりにも関わる重要なテーマです。
  自治体が自治会だけでなく、多様な主体と連携し、空き家の適正管理と有効活用を両立させる仕組みを構築することが持続可能な地域づくりにつながるのではないでしょうか。
  本市においても空き家問題の解決に向けて、自治会だけでなく、民間企業やNPO法人と連携する可能性について検討されているのか、また、今後そのような予定があるのかお伺いいたします。
○細矢俊博議長 矢萩市民生活部長。
○矢萩 宏市民生活部長 お答えいたします。
  空き家に関する事業を市内で行っている企業やNPO法人等は把握しておりませんので、予定はございません。よろしくご理解をお願いします。
○細矢俊博議長 2番深瀬明理議員。
○2番(深瀬明理議員) 答弁承知いたしました。
  空き家問題は、自治体だけでは解決が難しい課題であり、全国的にも民間企業やNPO法人と連携し、より効果的な対策が進められています。
  現状では、市内で空き家に関する事業を行っている企業やNPO法人が把握されておらず、予定もないというご答弁でした。
  山形県では、平成29年3月、空家等対策計画のひな形となるモデル計画を作成しています。
  その内容は、自治会に対し、空き家や空き地の活用意向調査を実施し、具体的な活用希望を把握するための希望者リストを作成するというものです。
  この取組は、県内全域を対象としており、既に平成28年度には、上山市の中心市街地活性化区域をモデル地区として開始され、その後、平成30年度には、遊佐町や鮭川村でも実施されています。
  上山市の事例では、空き家の所有者アンケートを実施し、所有者が判明した433件に対して郵送調査を行い、278件の回答を得ました。その中で142件が空き家バンクへの興味を示しました。
  これらの結果を基に、活用の意向が見込める物件に対してヒアリングを行い、物件調査を実施し、空き家カルテを作成しています。
  このように、山形県では自治会と連携し、空き家や空き地の活用意向を詳細に把握することで、地域の実情に即した効果的な空き家対策を推進しています。
  本市でもぜひ取り入れを検討していただきたいと思います。
  先ほど上山市の事例を申し上げました。その中で、空き家バンクへの興味を示された方が半数を超えていました。
  このことから、空き家バンク制度の登録要件や手続方法の簡素化など、空き家バンク制度の充実が必要と考えますが、今後の方向性をお伺いいたします。
○細矢俊博議長 佐藤総務部長。
○佐藤慎司総務部長 それでは、お答えをいたします。
  本市の空き家バンクにつきましては、現行制度では、不動産業者による媒介の契約を締結していない物件のみを登録の対象としているところでございます。
  このため、現在の登録件数でございますが、先ほど議員ご案内のとおり、0件となっているものでございます。
  一方で、市内で営まれています不動産業におきまして、媒介契約が締結された中古住宅が市場で流通してございまして、管理不全空家の発生の未然防止にもつながっているものでございます。
  こうした民間の動きは、非常に喜ばしいことであります。これを行政が運営する空き家バンクと連動することができれば、さらに効果が出るのではないかと考えているところでございます。
  こうしたことから、今後の空き家バンクの制度につきましては、一部要件を見直しまして、不動産業者と媒介契約を行っている物件についても、空き家バンクへの登録の対象とできるよう、現在検討を進めているところでございます。
  現在時点におきまして、不動産業者の団体と協議しているところでございますが、窓口が増えることによって物件が探しやすくなることに加えまして、積極的な周知を図ることによって、空き家バンク活用促進いたしまして、より一層管理不全空家の発生の未然防止につなげてまいりますので、よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 2番深瀬明理議員。
○2番(深瀬明理議員) 空き家バンク制度について、一部要件を見直し、不動産業者と媒介契約を行っている物件についても、登録の対象にできるよう検討を進めているということですが、その前提として以下のことを確認していただきたいと思います。
  1つは、不動産業者が媒介契約によって売買等を依頼されている物件は、基本的に本市が空き家として把握している物件と重複していないということです。
  不動産業者が媒介契約を所有者と交わす物件は、市場性のある地域にある管理された物件であり、媒介契約を交わした以上は、できるだけ早く売買等を成立させるために、物件に売り屋などの看板を掲示するのが通常です。
  本市で空き家の把握を行っている生活環境課に確認したところ、売り家などの看板のある物件は、空き家として把握しないということでした。
  また、仮に重複があるとした場合でも、本市が修繕がほとんど必要ないとしているAランクの空き家は149戸、多少の改修工事により、再利用可能としているBランクの空き家は159戸、合わせて308戸に上ります。
  しかし、不動産業者が専任専属媒介を結んだ場合に登録しなければならないデータベースには、18戸ほどしか登録されていません。インターネットのホームページを参照しても、先のデータベース以外の物件は、数戸しか探せませんでした。
  しかも、写真を見る限りよく管理され、本市が把握している空き家には該当しない物件ばかりです。
  何を言いたいかといいますと、不動産業者が中古物件として売りに出している空き家と、本市が空き家として把握している物件は、全く違うということです。
  2つ目は、不動産業者が商業目的で媒介契約をして売りに出すということと、本市が空き家対策として空き家バンクを運営することは、対象となる物件も違えば、目的も違うということです。
  対象も目的も違う以上、不動産業者にとって空き家バンクと連動することに大きなメリットはなく、空き家利活用策としての空き家バンク活性化の効果は、それほどないのではないかと考えます。
  以上のことをよく精査していただきますようお願い申し上げます。
  次に、部長答弁で空き家バンクの登録物件が0件とのことでした。この登録件数の少なさの原因は、周知不足が原因である可能性があるのではないかと考えます。
  そこで周知を強化するため、具体的な施策として考えているものがあるのかお伺いいたします。
○細矢俊博議長 佐藤総務部長。
○佐藤慎司総務部長 それでは、お答えいたします。
  先ほど私からも答弁をいたしましたが、市内におきまして、中古住宅として流通していることもあって、空き家バンクの登録は少ないものと捉えているところでございますが、議員ご指摘のとおり、周知が足りない部分も要因の1つではないかと考えてございます。
  現在の周知としては、空き家バンクへの登録を促すチラシを作成し、空き家相談会などにおきまして、相談者に配布しておりますほか、老朽空き家対策なども含めた総合的なハンドブックに掲載をいたしまして、周知に取り組んでいるところでございます。
  今後につきましても、見直し後の空き家バンク制度について、市報やチラシなどによる積極的な周知を行いますとともに、より効果的な方法を検討しながら、さらなる周知に努めてまいりますのでよろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 2番深瀬明理議員。
○2番(深瀬明理議員) 答弁承知いたしました。
  現在、市としてもチラシの配布やハンドブックへの掲載など、一定の周知活動に取り組んでいることは、理解いたしました。
  しかしながら、現状として、空き家バンクの登録物件が0件であることを踏まえますと、今の周知の方法だけでは、十分な効果が得られていない可能性があるのではないでしょうか。
  例えば、空き家所有者の方へ直接アプローチする手法として、固定資産税の通知書に空き家バンクの案内を同封する。地域の自治会や民生委員と連携して、情報提供を行う。あるいは、SNSなどデジタル媒体を活用するなど、より多角的な周知策を検討することも必要かと考えます。
  総務省行政評価局が平成31年1月に、空き家対策に関する実態調査の結果報告書を出しております。その中に、空き家バンクの登録及び成約戸数の記述があります。見てみると、空き家バンクの周知を努力されている自治体は、登録件数が多い傾向にありました。
  ただ、登録可能な空き家の掘り起こしができていないなどの課題もあるそうです。この課題に取り組んでみるだけでも、周知の強化や登録件数を増やすことにつながるのではないでしょうか。
  今後の見直し後の制度においては、単に市報やチラシによる周知にとどまらず、より積極的で効果的な取組を進めていただくよう改めて要望いたします。
  空き家問題に関しては、これまでも一般質問や政策提言で取り上げられております。問題意識はある。関係各課でも対応してきております。
  先日、ホームページで、空き家バンクのページを探せないと相談いたしました。その際に、登録物件数がゼロなので削除しているとのことでした。
  しかし、ゼロであっても、空き家バンクを運営しているという周知になるのではないかとお話ししたところ、後日、空き家バンクの登録物件はございませんと表示されておりました。早急な対応に感謝申し上げます。
  しかし、今の取組体制や意識では、空き家の発生件数を抑制することも、利活用件数を増やすことも、改めて難しいと考えます。大胆な施策で空き家対策を行っている自治体もありますが、ほとんどの自治体が小さなことの積み重ねを担当課がそれぞれで行うことで成果を上げているようです。
  そして、GISを活用した空き家台帳のデータベースによる関係各課の情報共有がもしできれば、連携の強化につながるのではないでしょうか。
  空き家問題は、長期的な課題と関係各課が捉え、そして、私たち住民も他人事ではなく、関心を持つような環境づくりをしていただきますようお願い申し上げまして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
○細矢俊博議長 以上で、ご了承願います。

  ◎散     会

○細矢俊博議長 以上で、本日の日程は全部終了しました。
  本日は、これで散会します。
  ご苦労さまでした。

   午前11時34分 散 会