令和6年3月5日 午前10時00分 開 会
細 矢 俊 博 議長 片 桐 勝 寿 副議長
◎出席議員(18名)
1番 森 谷 俊 議員 2番 深 瀬 明 理 議員
3番 工 藤 み ど り 議員 4番 清 野 康 隆 議員
5番 山 本 和 生 議員 6番 福 永 邦 幸 議員
7番 滝 口 公 一 議員 8番 元 木 十 四 男 議員
9番 東 海 林 克 彦 議員 10番 三 宅 一 人 議員
11番 植 松 宏 議員 12番 高 橋 鉄 夫 議員
13番 河 村 豊 議員 14番 原 田 利 光 議員
15番 橋 光 男 議員 16番 佐 藤 直 議員
17番 片 桐 勝 寿 議員 18番 細 矢 俊 博 議員
◎欠席議員(なし)
◎説明のため出席した者の職氏名
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土 田 正 剛
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市 長
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半 田 博
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教 育 長
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松 田 智 志
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選挙管理委員会
委 員 長
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古 谷 利 明
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代表監査委員
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菅 原 繁 治
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農業委員会会長
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芦 野 耕 司
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副 市 長
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佐 藤 慎 司
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総 務 部 長
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矢 萩 宏
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市民生活部長
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岡 田 光 弘
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健康福祉部長
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東海林 浩 司
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経 済 部 長
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深 瀬 弘 之
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建 設 部 長
兼上下水道部長
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牧 野 美和子
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会計管理者
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安 達 好 浩
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消防長
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安 達 利 也
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教育次長
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青 柳 昇
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総合政策課長
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本 間 和 史
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庶 務 課 長
併選挙管理委員会
事 務 局 長
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間木野 教 子
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財 政 課 長
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岡 田 正 樹
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農 業 委 員 会
事 務 局 長
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◎事務局職員出席者職氏名
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鈴 木 敬 一
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事 務 局 長
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高 橋 真伊子
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事務局長補佐
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森 谷 賢 司
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議事係長
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太 田 雅 美
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副 主 任
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井 上 雄 貴
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副 主 任
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斎 藤 直 子
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兼 務 書 記
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辻 村 充
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兼 務 書 記
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◎議 事 日 程
議事日程第4号
令和6年3月5日(火) 午前10時 開 議
日程第 1 市政一般に対する質問
1 7番 滝 口 公 一
2 6番 福 永 邦 幸
3 2番 深 瀬 明 理
(散 会)
◎本日の会議に付した事件
議事日程第4号に同じ。
令和6年東根市議会第1回定例会一般質問発言通告書
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番 号
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質 問 者
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質 問 事 項
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質 問 要 旨
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答 弁 者
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6
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滝口 公一
議 員
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1.ひがしねブランド戦略の推進について
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1.物価高騰等の影響で、未だコロナ禍前の経済状況に至ってはいないが、本市の魅力を切れ目なく積極的に発信していく必要があると考える。
(1)ひがしねブランド発信の取組について伺う。
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市 長
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2.安全・安心な暮らしに向けた連絡態勢の強化について
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1.クマによる人的被害が昨年来、国内各地で多発している。市民の安全確保のため、連絡態勢を強化すべきではないか。
(1)本市における市街地等への出没状況と最近の捕獲状況について伺う。
(2)市民の安全確保にどう対処するのか伺う。
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市 長
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7
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福永 邦幸
議 員
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1.誰一人取り残さない防災へ向けた本市の取組について
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1.近年、全国各地で大規模な自然災害が頻発し、防災・減災対策が急速に進められている。第5次東根市総合計画第2章第1節にも明記されているとおり、基本となる「自助」と「共助」、「公助」を推進しながら、あらゆる事態を想定した防災体制の強化などを計画的に進め、どのような自然災害が発生したとしても、市民の尊い生命と財産を守るとあるが、
(1)過去の豪雨災害を教訓として本市における防災マネジメント強化に向けた取組について伺う。
(2)高齢者も障がいのある方も外国人も助かるためのインクルーシブ防災について、見解を伺う。
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市 長
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8
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深瀬 明理
議 員
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1.本市の地域おこし協力隊における現状と今後の取組について
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1.農業振興を図るための地域おこし協力隊について
(1)これまでの取組について伺う。
(2)今後の受入れ計画について伺う。
2.移住・定住促進としての地域おこし協力隊の活用について
(1)令和5年度の施政方針のなかで移住施策等の全国に向けた発信・展開と併せて、地域おこし協力隊制度も積極的に取り入れ、関係人口の拡大、移住・定住者の増加を図るとあったが、現状の取組について伺う。
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市 長
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◎開 議
○細矢俊博議長 皆さん、おはようございます。
本日の会議に、欠席及び遅刻の届出はありません。したがいまして、出席議員の数は18名で、定足数に達しておりますので、これから本日の会議を開きます。
なお、執行部において、伊藤監査委員事務局長が、都合により、欠席となる旨の届出がありましたので、ご了承願います。
本日の会議は、議事日程第4号によって進めます。
◎市政一般に対する質問
○細矢俊博議長 日程第1 市政一般に対する質問を行います。
質問は通告順としますが、発言順番を迎えたときに議場にいない場合は、発言権の放棄とみなしますので、そのようにご了承願います。
◎滝口公一議員質問
○細矢俊博議長 はじめに、7番滝口公一議員。
〔7番 滝口公一議員 登壇〕
○7番(滝口公一議員) おはようございます。7番滝口公一です。
去る1月1日に発生した地震により、お亡くなりになられた方々とそのご遺族に対し、深く哀悼の意を表しますとともに、全ての被災者の方々に心からお見舞いを申し上げます。
それでは、議長の許可をいただきましたので、通告に基づき、一般質問を始めます。
今回の質問は大きく2点でありまして、1問目は、ひがしねブランドの推進について。2問目は、安全・安心な暮らしに向けた連絡態勢の強化についてです。以上、2つの項目について質問をしてまいります。
1問目のひがしねブランドの推進についてです。
日本の景気は、緩やかな回復基調にあり、日経平均株価は連日のように最高値を更新し、昨日、ついに4万円台に乗せたとの報道がありました。
国もデフレ脱却の表明を検討しているようですが、実生活において、そのような実感は全くありません。業種によっては、未だコロナ禍の影響が尾を引き、輸入物価の高騰は、国内の原材料価格やエネルギー代などを大幅に押し上げ、実質所得や消費者マインドの低迷となっています。
厚生労働省が発表した2023年の毎月勤労統計調査、従業員5人以上の事業所では、物価の変動を加味した実質賃金が今年9月まで18か月連続マイナスで、家計の苦しい状況はしばらく続くようです。
第5次東根市総合計画、施策の大綱第3節に、ひがしねブランドの発信という項目があります。経済の回復期に向けて、今だからこそ本市の魅力を積極的に発信していく必要があると思いますが、これから、ひがしねブランドの発信にどう取り組んでいくのか、市長のご見解を伺います。
続きまして、2問目の安全・安心な暮らしに向けた連絡態勢の強化についての質問です。
昨年の秋から、日本各地で人の生活圏へのクマの出没が相次ぎ、人的被害も発生しております。特に、東北地方については、クマの主食の1つであるブナの実が大凶作だったというのが、クマが里に降りてくる大きな要因の1つとして挙げられています。
環境省が発表する「クマ類による人身被害について〔速報値〕」というデータによれば、令和5年4月から今年1月末までの人的被害は、6人の死者を含む、218人の過去最多となっており、東北6県に限れば、2人の死者を含む153人と、実に全国の7割が東北地方に集中しております。
8年前の平成30年も、ブナの実が大凶作の年で、全国の人的被害者数105人のうち、東北6県では53人でした。令和5年は、全国比でも人の被害はほぼ倍。東北に至っては3倍に増えています。この状況は、まさに異常事態と言えるでしょう。
令和3年のことですが、大森山周辺でクマの出没事例が発生しました。私は、その年の9月定例会で、当時の総務部長に安全対策をどのように講じていくのか質問しております。これから、その答弁を当時の議事録から抜粋して読み上げたいと思います。
「近年は、全国的に市街地での目撃情報、あるいは被害が増えております。したがいまして、適切な対応により、市民の皆様の安全を確保していくことが重要と捉えています。まずは、関係機関及び地域住民との迅速な情報共有が重要であります。また、児童生徒の登下校ですとか、施設利用者への影響も危惧される場合、学校や施設管理者などへの個別の情報提供を適宜行いまして、集団での登下校ですとか施設の閉鎖、あるいは利用者への注意喚起など必要な対策を講じることとしております。さらに、警察・猟友会などの関係機関などと連携をいたしまして、周辺地域のパトロールの強化、捕獲、追い払いなど必要な措置を講じております。関係機関との連携をしっかり構築し、情報の共有、役割の確認を日頃から心がけていくことが重要であります。」と、このように結んでいます。
あれから3年近くたった今年1月15日のことになります。歩いて下校中の小学生が、クマとおぼしき姿を目撃し、帰宅後それを保護者に伝えました。保護者は、15時10分頃小学校に電話したものの内容は告げず、担任教師の折り返しを待ちましたが、連絡が届いたのは18時頃になったということでした。保護者の方は待ちきれず、その少し前に警察に通報し、警察から市役所農林課に連絡が届いたのは、19時頃ではないでしょうか。
小学生がクマを見た場所が私の自宅の近所でございまして、目撃時刻の2時間後に、私はその近辺を愛犬と散歩しております。日が暮れてから、警察がアナウンスしながらパトロールカーで周辺を回ったようですが、締め切った自宅にいては、内容は聞き取れませんでした。
クマ出没の情報を私が聞いたのは、翌朝の7時前です。パトロール中の校長先生が、道路の除雪をしていた私を見つけ、教えていただいたので、知ることができたわけです。
近所に住む保育園児の親御さんや猟友会の会長にも確認しましたが、クマの情報はご存じありませんでした。
当時の部長答弁にあった関係機関及び地域住民との迅速な情報共有、注意喚起、市民の皆様の安全を確保、関係機関との連携をしっかり構築とは一体何だったのでしょうか。
まずは、本市の市街地等へのクマの出没状況や最近の捕獲状況はどうなっているのか。また、市民の安全確保について、どのように配慮されているのかご見解を伺いまして、以上2点を登壇での質問といたします。
○細矢俊博議長 7番滝口公一議員の質問に対し、答弁を求めます。
土田市長。
〔土田正剛市長 登壇〕
○土田正剛市長 滝口公一議員のご質問にお答えをいたします。
はじめに、ひがしねブランド戦略の推進についてでありますが、本市は、住みよさランキング2023で、北海道・東北ブロック1位となるなど、選ばれるまちづくりにより定住人口を増やしており、また、交流人口や関係人口の増加についても、積極的に取り組んでおります。
定住、交流、関係人口のいずれも、住みたい、訪れたい、購入したい、働きたいなど、自分が関わる自治体を選ぶ際は、まちのブランド力が大きく影響いたします。
そのため本市では、子育て、教育、環境対策、歴史や文化、働く場や住環境の整備、市民の愛着や誇りの醸成など、様々な面から地域ブランディングを図っているところであります。
中でも根幹となるのは、やはりさくらんぼであります。そのため、さくらんぼにこだわったまちづくりを推進するとともに、さくらんぼをはじめとした「果樹王国ひがしね」のブランド化に向けた取組を推進しております。
ブランドにはストーリーが重要であると言われていますが、本市の佐藤錦は、結実100年を超え、その間、入植や開拓、先人たちの努力と挑戦、たゆまぬ研さんにより、桃源郷のような風景が生まれ、GI認証に至るなど、ブランドを構築するだけのストーリー性を有しております。
これまで、さくらんぼ生産量日本一として本市を発信してまいりましたが、GIの取得により、日本で唯一GI認証されたさくらんぼとしてPRできることは、大きな成果であります。
しかしながら、ブランド戦略としては、GIだけではなく、恵まれた気候風土と研さんを続ける生産者に支えられた果樹王国ひがしねブランドとしての発信が重要であります。
さくらんぼを通じて、同じ果樹王国の桃、ぶどう、ラ・フランスなども好きになり、ひいては東根ファンとなってもらえる、そうした幅広い吸引力が真のブランドであると捉えているところであります。
新型コロナウイルスの5類移行により、品評会やトップセールス、マラソン大会などの各種イベントが再開され、さらなるPRが可能となってきており、ふるさと納税返礼品の充実や、よってけポポラ等と連携した仙台圏への発信強化、海外プロモーションなど、コロナ禍で停滞した経済の回復を目指して、様々な取組を展開しております。
令和6年度は、果樹王国ひがしね宣言30周年として、大いにPRするとともに、再開された取組を一層充実させ、東根ファン獲得につながる真のブランドとしての果樹王国ひがしねの構築を引き続き目指してまいります。
次に、安全・安心な暮らしに向けた連絡態勢の強化についてのご質問にお答えをいたします。
はじめに、本市における市街地等へのクマの出没状況と、最近の捕獲状況についてでありますが、昨年の秋は、全国的にクマの目撃情報が多発し、中山間地域だけでなく、市街地への出没などにより、多数の人身事故が発生したことは、記憶に新しいところであります。
本市においても、10月15日に、東根市農業協同組合の旧東根支所付近の市街地でクマの目撃情報が寄せられ、警察や猟友会による現地のパトロール等を行いましたが、その所在を確認することはできませんでした。
なお、令和3年6月には、大森山周辺でクマが目撃され、現地に箱わなを設置して実際に捕獲まで至った経過があります。
このように、どんぐり等の木の実の不作など、各年によって状況が異なるものの、クマの市街地への出没は、いつ発生しても不思議ではない状況となっております。
また、現在、中山間地域においてクマの目撃情報があった際には、農作物被害対策として、農林課が主体となって、警察や猟友会と連携しながら対応しており、緊急捕獲した頭数については、令和3年度が14頭、令和4年度が11頭、令和5年度が25頭となっているところであります。
次に、市民の安全確保にどう対処するかについてでありますが、市街地におけるクマの出没については、人身事故の発生する危険性が高いため、住民の生命及び安全の確保が最優先となり、中山間地域における対応では不十分であります。
このことから、本市では、住民の生命及び安全を確保するため、出没時の状況に応じた連絡体制や対処方法などを定めた「ツキノワグマの市街地等出没対応マニュアル」を新たに策定したところであります。今後、市街地等へのクマが出没した際には、このマニュアルに基づき対応してまいります。
今後とも、警察や猟友会をはじめとした関係機関との連携を密にしながら、市民の安全確保に努めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 7番滝口公一議員。
○7番(滝口公一議員) 引き続き、質問席からお聞きします。
1問目のひがしねブランドの推進についてですが、多方面にわたり、地域ブランディングを図っている旨、ご説明いただきました。
さきに述べました本市総合計画のひがしねブランドの発信の1つに、農業の6次産業化をはじめとする高付加価値化につながる施策を展開するとあります。
これに該当するのが6次産業化支援事業でありますが、この中の6次産業化補助金の実績、また、今後の支援内容について伺います。
○細矢俊博議長 東海林経済部長。
○東海林浩司経済部長 お答えを申し上げます。
6次産業化支援事業費補助金につきましては、平成30年度から令和5年度までに、合計12件、補助金額290万1,000円、事業費では438万5,000円の実績となっております。
また、従来は、生産・加工・販売と、つまり、1次・2次・3次産業全てをかけ合わせるのが6次産業であるとしておりましたが、近年では、6次産業化の定義が広がりまして、加工または販売を委託する、または加工しない直売所経営など、1次から3次まで全てを担わなくても、付加価値が形成されるものを幅広く含められているところでございます。
そのため、令和6年度からは補助金の対象を拡大し、生産者の多様な取組を支援をしていく予定でございますのでよろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 7番滝口公一議員。
○7番(滝口公一議員) 承知いたしました。生産者をしっかりとサポートいただくようにお願いいたします。
令和3年に施行された改正食品衛生法の経過措置も今年5月末で終了となり、衛生基準を満たす施設が必要になることから、自宅の台所などで作った漬物やみそ加工品などは販売できなくなります。この補助金事業への申請も、加工施設の整備等に関わるものもあるかと思いますので、生産者への周知もよろしくお願いしたいと思います。
次に進みます。
6次産業化を検討している生産者の方からですが、アイデアを商品化するまでクリアすべき問題が多くて、ハードルが高いというお話を伺いました。
許可申請先の多さであるとか、容器の選定であるとか、缶なのか瓶なのかも分からず困惑しているといったお話でした。このようなケースに対応するワンストップ的な窓口の設置について伺います。
○細矢俊博議長 東海林経済部長。
○東海林浩司経済部長 お答えを申し上げます。
現在、6次産業化への支援といたしまして、補助金に加えてビジネススクールの開催、また、商談会への案内、そのほか情報提供を実施しているものの、実際に商品化するためには、食品衛生法ですとか食品表示法、また、商標登録に関することなど、関係する法令が多岐に及ぶため、市においてこれら全てに対応するワンストップ窓口を設置するのは難しい状況にあるところでございます。
そのため、市では、生産者が取組を具体化する際には、専門的な職員のいる山形県の総合支庁や山形県企業振興公社、及び山形イノベーションサポートセンターなど専門機関を案内する、こういった対応を行っているところでございますので、よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 7番滝口公一議員。
○7番(滝口公一議員) 窓口にいらっしゃる方は、6次産業化について全くの初心者から、ある程度ご自分で勉強されてこられる方まで様々だと思います。
そのような場合はそれといった一問一答ではなく、これから6次産業化を始めるにあたり、どんな段取りで、この先どのような届出や許可申請がどれくらいで、どこで取得しなければならないのかが一覧表になって一目で分かるようなものを望んでいるのかなと思います。
もしかすると、国や県で準備している資料やパンフレットが既にカウンターにあるかもしれませんが、ぜひとも生産者の伴走的な対応も検討してくださるようお願いいたします。
先ほど、改正食品衛生法について触れましたが、生産者が自宅の台所で加工したものなどは販売できなくなるため、ご高齢の方は施設整備にお金をかけても元が取れないと、これを機にやめる方も少なくないと聞いております。家庭的で素朴な味が失われていくのは大変残念です。
例えば、そのような方が複数いらっしゃいまして、ご近所にお住まいであった場合、近くの空き家の台所を改修して共同で利用するといった6次産品化への継続を後押しする、そのような本市行政からの積極的な提案や支援はできないものでしょうか。お考えを伺います。
○細矢俊博議長 東海林経済部長。
○東海林浩司経済部長 お答えいたします。
6次産業化は、単に規格外品を加工して売るというイメージもございますが、それぞれ農産物にコストをかけて製造しても、それが売れなければ負債が生じてしまいます。
生産者が6次産品に取り組む際には、他の商品との差別化や販路拡大、販路の確保、これに加えて、資機材購入、雇用、専門的知識や資格の取得など、多くのリスクや負担も伴いまして、まさに経営者としての取組が必要となります。
そのため、市では、商品開発や販売方法などについては、市からの提案ということをするのではなく、生産者が行う自主的な取組や計画に対して助言や支援を行っているところでございます。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 7番滝口公一議員。
○7番(滝口公一議員) なかなか個人で6次産業化に携わっている方というのは、いろいろな意見、技術、そのようなものも求めているのかなと思いますので、もし市役所で、所管の方でそのような情報をお持ちの場合、生産者の方にお伝えいただきたいと思います。
次に、農協の直販施設のポポラがありますが、ポポラでは、独自の6次産品のブランド化に取り組んでいるそうでございます。なかなかバラエティーに富んだ商品数がなくて、今少し停滞しているということでございましたが、この農協の直販施設のポポラと連携した6次産品のブランド化、東根独自のブランド化についてどうお考えか伺います。
○細矢俊博議長 東海林経済部長。
○東海林浩司経済部長 お答えを申し上げます。
現在も多くの6次産品を、よってけポポラで取り扱っております。このポポラは、仙台圏を中心に多くの集客がありますので、人気や知名度の高いポポラでの6次産品として、多くの生産者が取り組む商品が出ればこれをブランド化することができ、大きな効果があると考えております。
また、市長答弁にもあったとおり、果樹王国ひがしねブランドと合わせれば効果は一層大きいものと思われますので、こちらについて検討を進めてまいります。よろしくお願いします。
○細矢俊博議長 7番滝口公一議員。
○7番(滝口公一議員) ぜひとも、東根市とポポラとの相乗効果を存分に発揮するようお願いしたいと思います。
ポポラをはじめとするJAさくらんぼひがしね特販部の今年度売上額は、20億円を突破の見込みだそうです。
特に、仙台圏からの買物客の購買意欲が旺盛で、コロナ禍以降、大型観光バスをまだ受け入れていない状況でも大きく売上げは改善しているようです。
今後、道の駅の計画がありますが、ポポラに併設されれば、さらににぎわいは増していくでしょう。繰り返しになりますが、その相乗効果を存分に活用して、本市の大きな魅力にしていただきたいと思います。
果樹王国として市長が進めていらっしゃった施策は、大きな成果を残してきました。
しかし近年、天候不順の影響で、果樹類の品質を維持するのも難しくなっています。大きな転換期に来ていると思われます。
今後、さくらんぼとともに大きな柱を模索する努力も必要なのではないでしょうか。ぜひ、検討をしていただきたいと思います。
次に、2問目の安全・安心な暮らしに向けた連絡態勢の強化について伺ってまいります。
市長から、ツキノワグマの市街地等出没対応マニュアルを策定したとのご答弁がありましたが、その概要についてご説明願います。
○細矢俊博議長 佐藤総務部長。
○佐藤慎司総務部長 それでは、お答えをいたします。
ツキノワグマの市街地等出没対応マニュアルについてでございますけども、住民の安全確保を最優先といたしまして、市街地においてクマの目撃情報があった場合の市と関係機関の連絡体制や、クマの対処方針などを定めているものでございます。その中で目撃状況に応じまして、「監視警戒」と「緊急出動」の2つのレベルに応じて対応するものとしているものでございます。
監視警戒レベルにつきましては、クマの目撃情報があったものの、クマの所在が不明であるなど、人身被害が発生する危険が逼迫していない状況を想定しているものでございます。
緊急出動レベルにつきましては、市街地にクマがとどまっており、人身被害が発生する危険性が高い状況を想定しているものでございます。
また、全体の総合調整を行う総務班、警察や猟友会とともに現地の対応にあたる現場対応班、関係地区への周知を図る住民広報班を編成して対応するとしているものでございます。緊急出動レベルにおいては、総務部長を本部長とする対策本部を設置することとしているものでございます。
市役所内部の連携はもちろんのこと、関係機関との連携を密にしながら、市民の皆さんの安全確保に努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 7番滝口公一議員。
○7番(滝口公一議員) マニュアルの概要について、承知いたしました。
このマニュアルは、策定して間もないということでございますね。まず、細部についてさらに煮詰めてもらいたいと思います。
それでは、このマニュアルの初動の連絡態勢というのは、どのように想定しているのか伺います。
○細矢俊博議長 佐藤総務部長。
○佐藤慎司総務部長 初動の連絡態勢につきましては、先ほど申し上げましたが、まずは監視警戒レベルということでの対応を行うものでございます。
あわせまして、具体的な対応ですけども、総務班につきましては危機管理室と農林課、現場対応班につきましては農林課、住民広報班につきましては生活環境課と総合政策課がそれぞれ業務を担当いたしまして、初動の対応を行う予定をしております。
また、状況によりましては対応人数が不足することも想定されますので、この場合につきましては、担当課以外にも応援要請を行うこととしております。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 7番滝口公一議員。
○7番(滝口公一議員) 今のご答弁にもありましたが、目撃情報というのは、いつ入ってくるか分からないわけです。クマを目撃した人が誰に連絡しようとするのか、どのようなルートで情報が入ってくるのか、様々なパターンの想定が必要と思われます。
伊藤環境大臣は、昨今の事態を重く見て、来月にもクマを指定管理鳥獣に追加すると2月8日に表明しました。運用前からいろいろな課題が懸念されているようですが、今後の動向を注視していきたいと思います。
また、一昨日の3月3日、県環境エネルギー部みどり自然課主催の山形県野生動物研修会が県庁で開催され、人はクマと共存できるか。なぜ、クマは人の生活圏に出没するようになったのかという演題で、岩手大学農学部准教授山内貴義先生の講演がありました。
私も拝聴させていただきました。その中で、冬眠についての説明があり、通常12月から3月くらいまでがその期間に充てられ、食料の乏しい年は、クマはエネルギー節約のために、早い時期から冬眠に入る個体と、食料を探して冬眠しない個体がいるとのことです。
暖冬であれば冬眠期間も短く、早めに目覚めて活動を始めるとの説明もありました。そうすると、この雪解けが始まっている春先にも、先日と同じような状況が生まれる可能性があると思われます。
いずれにせよ、クマ出没対応マニュアルができたことは喜ばしいことで、ご対応に感謝申し上げます。今後きちんと機能するよう、市民への周知をしっかりと行い、安全・安心な暮らしを構築くださるようお願いし、私の質問を終わります。
○細矢俊博議長 以上で、ご了承願います。
◎福永邦幸議員質問
○細矢俊博議長 次に、6番福永邦幸議員。
〔6番 福永邦幸議員 登壇〕
○6番(福永邦幸議員) 議席番号6番福永邦幸です。
議長の許可をいただきましたので、通告に基づき、誰一人取り残さない防災に向けた本市の取組について質問させていただきます。
はじめに、本年元日に発生しました石川県能登半島を震源とするマグニチュード7.6、震度7の地震は241人の尊い命を奪い、能登地方では、道路や水道といったインフラやライフラインが壊滅的な被害を受け、令和6年2月1日現在で、約1.4万人の方々が、今もなお避難所での生活を余儀なくされています。
地震によりお亡くなりになられた方々へお悔やみ申し上げますとともに、被災されました方々へ謹んでお見舞い申し上げます。
本市においても、令和2年7月に記録的な豪雨で白水川の堤防が決壊し、床上浸水、床下浸水のほか、道路や農業などに甚大な被害が発生しました。
全国各地で大規模な自然災害が頻発し、防災・減災対策が急速に進められている中で、第5次東根市総合計画第2章第1節にも明記されているとおり、基本となる「自助」と「共助」「公助」を推進しながら、あらゆる事態を想定した防災体制の強化などを計画的に進め、どのような自然災害が発生したとしても、市民の尊い生命と財産を守るとありますが、そこで重要となりますのが、普段から顔の見える関係づくりにより絆を深め、いざ災害が発生した際に助け合う共助の精神を地域で育てることではないかと考えます。
近年頻発する豪雨災害は、本市においても脅威となっており、令和元年、東日本を中心に甚大な被害をもたらした台風19号では、全国の死者数のうち、65歳以上の割合は約65%で、令和2年7月豪雨では、全国の死者数のうち65歳以上の割合は約79%と、特に高齢者や障がい者が逃げ遅れにより犠牲となっていることが分かります。
そうした背景を踏まえましても、誰一人取り残さない防災へ向けては、自治体の防災マネジメントの強化と、高齢者や障がいのある方、外国人とともにみんなが助かるインクルーシブ防災について、今のうちから考え、備えておくことが重要ではないかと捉えております。
そこで、過去の豪雨災害を教訓として、本市における防災マネジメントの強化に向けた取組状況について伺います。
次に、高齢者も、障がいのある方も外国人も、助かるためのインクルーシブ防災について、市長の見解について伺います。
以上、2点についてお伺いし、登壇での質問とさせていただきます。
○細矢俊博議長 6番福永邦幸議員の質問に対し、答弁を求めます。
土田市長。
〔土田正剛市長 登壇〕
○土田正剛市長 福永邦幸議員の誰一人取り残さない、防災へ向けた本市の取組についてのご質問にお答えをいたします。
はじめに、過去の豪雨災害を教訓として、本市における防災マネジメント強化に向けた取組状況についてでありますが、近年、大規模な自然災害が頻発しており、地域防災力の強化が求められております。
このため、令和2年度に、庶務課から独立した危機管理室を新設し、災害・防災対策の強化を図ってまいりました。
具体的な防災対策の強化といたしましては、災害の予防、応急及び復旧・復興対策について必要な事項を定めた、地域防災計画を作成するとともに、迅速な対応を行うための大規模災害発生時の災害対策本部活動マニュアルを定め、実情に応じた修正を継続して行ってきたところであります。
また、地震、洪水及び土砂災害等に係る各種ハザードマップを作成し、市民に周知するとともに、法令や基準の見直しに即した改訂を行い、より安全で信頼性の高いハザードマップとしております。
さらには、地域防災の拠点施設の整備として、平成28年度には神町防災センター、令和4年度には西部防災センターと、温泉地区に市の施設を有効に活用した防災備蓄倉庫を整備いたしました。
議員ご案内のとおり、災害対策においては、地域における共助が特に重要であります。このため、共助の要となる地区防災計画の策定に向けて、出前講座の開催のほか、ともに築く地域未来創造事業において、自主防災組織を対象とした、安全・安心地域づくり事業を追加するなど、地域の防災力向上を図っております。
引き続き、市民の安全・安心を守るため、ハード・ソフトの両面から、本市の防災体制の強化を図り、災害に強いまちづくりを推進してまいります。
特に、高齢者も障がいのある方も外国人も助かるためのインクルーシブ防災についてでありますが、災害時において、誰一人取り残されないインクルーシブ防災は、災害対策の基本であると認識しております。
令和3年の災害対策基本法の改正により、災害時避難に支援が必要な障がい者や高齢者など、避難行動要支援者の個別避難計画の作成が努力義務に位置付けられました。これに基づき、本市では、現在、個別避難計画の前段となる、要支援者名簿の更新を進めているところであります。
また、外国籍の方に向けた、国際共通語とされる英語版の防災ハンドブックとハザードマップを作成し、希望により配付しているほか、避難所の案内板に英語の表記を追加しております。また、ベトナム語の防災ハンドブックを今月、新たに発刊する予定となっております。
そのほか、障がい者や高齢者など、避難生活に配慮が必要な方につきましては、福祉避難所を開設することとしております。
今後も、全ての市民が、安全で安心できる場所へ速やかに避難できるよう、自主防災会や関係機関と連携し、インクルーシブな防災を進めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 6番福永邦幸議員。
○6番(福永邦幸議員) 市長答弁承知いたしました。
現在、本市の外国人住民登録者数は、令和6年1月末現在で360人で、うちベトナム人が136人と、全体の約38%を占め、最も多く、ベトナム語の防災ハンドブックを新たに発刊されることは、インクルーシブ防災を推進する上での取組として高く評価いたします。
続きまして、質問席の方から続けさせていただきます。
先の第4回定例会で、橋光男議員が防災機能の充実をテーマに質問された際に、「昨年6月28日に本市に初めて記録的短時間大雨情報が発表され、家の外の雨音は大きく、恐怖すら感じた」と発言されていました。「災害発生時、皆さんはどこに逃げるでしょうか」と唐突に質問されても、それが地震なのか、豪雨なのか、今どこにいて、避難への備えがどのくらいできていてなど、状況によって異なるのではないでしょうか。
いざというときに慌てないために、まずは防災リテラシーを身につけることが大切ではないかと考えます。リテラシーとは、私たちの周りにある様々な情報を主体的に読み取り、理解する力という意味です。
インクルーシブ防災を実践するには、私たち一人ひとりが災害への脅威に対する理解、災害への備え、災害発生時に迷わず行動できるという揺るぎない自信の3点が重要であり、それは一朝一夕に身につくものではありません。
そこで、本市では、市民の防災意識の醸成に向け、現在どのような普及啓発への取組を行っているかについて伺います。
○細矢俊博議長 佐藤総務部長。
○佐藤慎司総務部長 お答えをいたします。
防災意識の醸成及び普及啓発についての取組でございますが、各地区の防災体制の強化を目的といたしまして、総合防災訓練、庁舎内での図上訓練を交互に実施しているところでございます。
また、市民の防災意識の向上を図るため、先月、防災講演会を開催いたしまして、多くの方の参加を得たところでございます。
そのほかに、防災士養成講座への受講支援、各地域への出前講座の実施、自主防災会の方の研修会への参加など、様々な取組を実施しており、地域防災力強化を図っておりますので、よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 6番福永邦幸議員。
○6番(福永邦幸議員) 部長答弁、承知いたしました。
私も、先月開催されました防災講演会に参加し、避難生活の続く石川県珠洲市で、復興支援の最前線で活動されておられる千川原公彦氏らのご講演を拝聴し、非常に学び多き時間となりました。
次に、災害発生時に避難を判断する基準として、令和3年5月20日付で災害対策基本法の一部を改正する法律が施行され、避難勧告と避難指示は、避難指示へと一本化され、警戒レベル4の避難指示で、危険な場所から全員避難することとなりましたが、警戒レベル4の避難指示が出た場合、広範囲で市民への避難指示を周知する体制はどのように整備しておられるか、また、深夜に避難指示レベルの災害が発生した場合の連絡系統はどのように整備されておられるかについて伺います。
○細矢俊博議長 佐藤総務部長。
○佐藤慎司総務部長 広範囲にわたる避難指示等の情報伝達につきましては、様々な方法を取らせていただいておりまして、防災行政無線、エリアメール、災害時登録制メールのほか、市のホームページ、SNS及びテレビに表示されますLアラートを活用いたしまして、伝達手段の多様化を図っているところでございます。
このほか、従前からの広報車ですとか地元消防団による周知、電話等による区長等の関係者への連絡なども実施してまいります。
夜間の避難は危険を伴いますので、警戒レベルを予想いたしまして、できる限り明るい時間帯に避難情報を発出するように努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 6番福永邦幸議員。
○6番(福永邦幸議員) 部長答弁、承知いたしました。
翌日やってくるであろうと、あらかじめ予測できる豪雨については、おっしゃるとおり前日の明るいうちから安全に避難するなど、柔軟な対応が求められるのではないでしょうか。
次に、災害時の備えについてであります。
災害発生時に避難所を開設後、避難指示のあった住民が最寄りの指定避難所へと避難いたしますが、避難所開設後から解除まで、避難所にて一時的に生活する際の備蓄品の確保、設置状況、また、防災備蓄品の中の食料品や飲料水などは賞味期限がありますが、更新作業など、どのように管理しておられますか。お伺いいたします。
○細矢俊博議長 佐藤総務部長。
○佐藤慎司総務部長 災害備蓄品についてでございますが、災害発生時に備えまして、土のう袋やブルーシートなどの備蓄資材、避難生活に備えました生活用品といたしましての毛布や簡易ベッド、簡易トイレ、食料品備品といたしまして、アルファ米や液体ミルク、ペットボトルの水などを防災センターなどに備蓄して管理しているところでございます。
賞味期限のございます飲料水や食料につきましては、ローリングストック方式により管理しておりまして、賞味期限切れのないように毎年必要な数量を確保しているところでございます。なお、賞味期限が迫った食料等につきましては、地域の防災訓練ですとか出前講座の際に参加者に配布をいたしまして、備蓄の大切さを啓発しておりますとともに、食品ロスの抑制にも努めているところでございます。
○細矢俊博議長 6番福永邦幸議員。
○6番(福永邦幸議員) 部長答弁、承知いたしました。
能登半島における備蓄品の状況について、現地の方より話を伺った際に、はじめは断水状況にもかかわらず粉ミルクが送られていたりと、実用的でない物資に対し戸惑ったと話がありましたが、本市におきましては、断水時に備えて液体ミルクを既に備蓄されているとのことで、実用性に即した対応に感謝申し上げます。
続きまして、指定避難所の設備についてであります。
避難所生活になった場合、最も不便なのが乳幼児や高齢者、障がいを持った方のトイレ介助、オムツ交換になります。そうした体の不自由な方や乳幼児の介助を行うために、多目的トイレやユニバーサルシートの設置が必要不可欠となりますが、指定避難所の多目的トイレやユニバーサルシートの設置状況についてお伺いいたします。
○細矢俊博議長 佐藤総務部長。
○佐藤慎司総務部長 指定避難所におきましての多目的トイレについてでございますが、一部の小学校を除きまして設置しているところでございます。
大人の人が使用できるユニバーサルシートにつきましては、西部防災センターに配置をしているところでございます。
そのほか、全ての公民館と中部小学校、大森小学校、神町小学校に、幼児用のベビーシートを配置しているところでございます。
小・中学校の多目的トイレにつきましては、多くの方が避難生活を送る体育館校舎ではなく校舎に設置されておりますことから、今後、施設管理者と運用方法について協議を進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 6番福永邦幸議員。
○6番(福永邦幸議員) 部長答弁、承知いたしました。
先に述べさせていただきました、近年頻発する豪雨災害での犠牲者のうち、高齢者や障がい者の割合が高いことから、こうした背景を踏まえまして、高齢者や障がい者などを守る対策として注目されているのが、令和3年度から令和8年度までの5年間、全国の各市町村へ策定を努力義務とした個別避難計画です。
個別避難計画とは、高齢者や障がい者等支援を必要とする方々の避難計画を、一人一人の状況に合わせて、いつ、どこへ、誰と一緒に、どうやって逃げるかなどを具体的に決めておくことを言います。支援の必要な個別避難計画の対象となる方々を避難行動要支援者としてこれまで名簿化してきました。
そこで、本市における避難行動要支援者名簿への登録状況と今後の見通しについて伺います。
○細矢俊博議長 佐藤総務部長。
○佐藤慎司総務部長 避難行動要支援者名簿につきましては、自主防災会や民生委員児童委員などの支援関係者へ個人情報を提供する必要がございますことから、昨年12月に、75歳以上の高齢者世帯、及び障がい者手帳1級から3級をお持ちの方などを対象にいたしまして、名簿掲載の意思確認を行ったところでございます。現在、名簿情報の提供にご同意をいただいている方は約2,000名となっているところでございます。
来年度以降につきましては、新たな対象者と今回名簿掲載を見送った方を対象に意思確認を再度実施いたしまして、漏れがなく実効性のある名簿に整備していく予定でございます。
○細矢俊博議長 6番福永邦幸議員。
○6番(福永邦幸議員) 部長答弁承知いたしました。
先日、県の防災危機管理課に伺い、担当の方より話を伺った際に、個別避難計画策定を国が令和3年5月より努力義務としたことにより、防災と福祉の分断が課題として見えてきたと話がありました。
災害時に命を守る防災と、支援を必要とする方々の日常生活を支える福祉の世界が、これまでは縦割りになって分かれていたことにより、個別避難計画の策定がなかなか前に進まないという結果となったのではないかとの話がありました。
また、個別避難計画をより実効性のある計画とするためには、実際に自力で避難できない方々を支援する避難支援協力者の成り手不足があり、マンパワーが不足しているという問題に直面しているのではないでしょうか。
本市の場合は、自治体や企業団体、福祉事業所等46か所と既に災害協定を締結し、人的応援、ライフラインの復旧支援、物資の支援、物資の輸送、福祉避難所としての受入れ等を行っておりますが、今後も災害への備えとして、自治体や企業団体との連携が重要と考えますが、先般、会派代表質問で、高橋鉄夫議員より福祉避難所設置について質問がありましたが、実際の運営において実効性のある協定とするには何が必要とお考えでしょうか。
○細矢俊博議長 佐藤総務部長。
○佐藤慎司総務部長 福祉避難所につきましては、災害対策本部、福祉班の要支援者支援係が、開設と運営及び環境整備を行うこととしているものでございます。
災害協定に基づき福祉避難所を設置する介護施設等では、先日も答弁しましたが、既存の入所者がいる状態での避難者の受入れとなりますことから、施設の入居状況によりまして、運営の仕方に大きな影響を受けるものと捉えているところでございます。
また、介護施設等での受入れが困難な場合につきましては、一般の避難所を区分し、福祉避難所に指定することとしております。
このようなことから、協定先の施設管理者と福祉班との連携が重要となりますので、運営に関する意見交換を活発にしていく必要があると考えているところでございます。よろしくお願いします。
○細矢俊博議長 6番福永邦幸議員。
○6番(福永邦幸議員) 部長答弁、承知いたしました。
先日、市内の福祉事業所の施設長、事務局長より、避難行動要支援者の福祉施設への直接避難の受入体制、受入れの可能性について話を伺った際に、「まずは、定員以外の方を受け入れる余力が各施設にどれだけあるかを調査し、受入人数に対し、3日間分の防災備蓄品を確保できるように市より助成してほしい」「災害の種類によっては、浸水区域に指定されている福祉施設もあり、地震なのか水害なのかによっても受入人数の体制が変わる」「避難行動要支援者を介助のできる家族や支援者と一緒に避難してこられるかどうかによっても、避難先で必要な人員配置も変わってくる。また、避難行動要支援者の避難先を地区割りとして、居住地から一番近い福祉避難所へ避難することとして、医療的ケアの必要な方については、受入先の病院を避難の優先順に合わせてあらかじめ指定することができれば、いざ災害が発生した場合でも慌てることなく避難することへとつながるのではないか」とのご意見がありましたので、膨大な作業になるとは思いますが、ぜひデータベース化して、市民全体に避難場所や福祉避難所に受入可能な人数、受入れの可否について一覧表にして周知していただくようお願いいたします。
以上のことから、個別避難計画の策定と災害発生時に個別避難計画がより実効性のあるものとなるためには、普段から危機管理室と福祉課との連携が必須と捉えておりますが、庁内での連携についてはどのようにお考えでしょうか。
○細矢俊博議長 佐藤総務部長。
○佐藤慎司総務部長 庁内におきます連携につきましては、福祉課より、避難行動要支援者名簿の作成に当たって情報提供などの協力をいただいているところでございます。
また、名簿を提供いたします民生委員児童委員へのご説明の際にも協力をいただいており、連携を進めているところでございます。
今後の個別避難計画の策定におきましては、福祉分野の協力が不可欠でございますので、より一層連携を強化してまいります。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 6番福永邦幸議員。
○6番(福永邦幸議員) 部長答弁、承知いたしました。
インクルーシブ防災の取組に欠かせないのは、ケアマネジャー、相談員等の福祉の専門職と、社会福祉協議会、地域の自治会、民生委員児童委員等が参画した個別避難計画の策定であります。
支援が必要な方々の命を守るための個別避難計画ですが、全国の自治体での策定率は、現在10%にすぎません。
その理由の1つとして、個別避難計画を作成時、支援者は避難誘導を行わなければならない人員として計画書に支援協力者として記載されてしまうため、高齢化が進んでいる地域などでは、特に支援協力者を確保するのが難しいということが要因として考えられます。
ある自治体を例に挙げますと、支援者の負担を減らそうと避難誘導まではしなくてもよいと方針を変更し、支援者の役割を安否確認としたことにより、支援協力者の登録数が増えているという事例もあります。
個別避難計画の策定が進まない理由として、要支援者の介護度が変化したり、在宅介護から施設に移ったりなどした場合、何年か前につくった情報のままでは役に立たず、名簿の更新がなかなか進まないことが理由として挙げられます。
そこで、介護支援専門員がケアプランを更新時に策定した個別避難計画を合わせて更新する、民生委員児童委員も年1回個別避難計画を更新するなどの連動した作業が効率よいと考えますが、いかがお考えでしょうか。
○細矢俊博議長 佐藤総務部長。
○佐藤慎司総務部長 お答えをいたします。
現在、個別避難計画の前の現在要支援者名簿の作成を急いでいる状況でございます。
その後の個別避難計画につきましては、ケアプランの内容が反映するものと考えておりますので、計画の策定、その後の更新につきましては、先進事例などを参考にしながら、効率的な作業となるような研究をしてまいりますので、よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 6番福永邦幸議員。
○6番(福永邦幸議員) 部長答弁承知いたしました。
個別避難計画策定に関わる民生委員児童委員の方から話を伺ったのですが、避難行動要支援者名簿の更新がなかなか進んでいないとの話がありましたので、更新作業の方をぜひお願いいたします。
また、避難のために事前に決めておかなければならない事柄を個別避難計画の様式とし、平準化していくことが大切ではないかと考えます。
医療的ケア児を育てる親御さんから話がありましたが、人工呼吸器をつけることを余儀なくされ、懸命に生きている我が子が、もし大規模災害時停電になった際に、どこに避難してよいか。避難誘導を支援してくれる方はいるのかなどの不安を抱え、個別避難計画を作成して、実際にそこに避難できる体制を整備してほしいと強い要望がありました。
高齢者のみならず、医療的ケア児も避難行動要支援者となるべきだと思いますが、本市において、医療的ケア児は、避難行動要支援対象者に位置付けられておりますでしょうか。伺います。
○細矢俊博議長 佐藤総務部長。
○佐藤慎司総務部長 避難行動要支援者の対象につきましては、高齢者のほか、身体障害者手帳1級から3級、療育手帳A並びに精神障がい者保健福祉手帳1級を所持している方が対象となります。それに該当する児童は、対象となるものでございます。
その他、支援を希望する人につきましても対象といたします。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 6番福永邦幸議員。
○6番(福永邦幸議員) 部長答弁承知いたしました。
人工呼吸器やたんの吸引を行う必要のある医療的ケア児や重度の障がい者にとって、停電になった際、命を守る対応が必要となります。
停電時に使用できる予備電源装置を購入している方も少なくありませんが、バッテリーの使用時間が短い小型のものについては、能登半島地震のように、停電が長きにわたった場合、すぐに命の危険にさらされます。
個別避難計画策定時に、予備電源を使用できる医療機関や福祉施設への避難をあらかじめ指定することが重要ではないかと考えますが、本市における人工呼吸器や吸引器を使用する方々について、安全に避難誘導しようとした場合、どのような対応が考えられますでしょうか。お伺いいたします。
○細矢俊博議長 佐藤総務部長。
○佐藤慎司総務部長 お答えをいたします。
人工呼吸器や吸引器を使用している方の避難につきましては、停電時の電源確保が不可欠でございますので、非常用設備のある避難所、例えばタントクルセンターですとか、2か所ある防災センターへ誘導をしていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 6番福永邦幸議員。
○6番(福永邦幸議員) 部長答弁、承知いたしました。
人工呼吸器や吸引器を必要とする方が停電時に使用できるように、日常生活用具給付事業で在宅療養支援区分の中に人工呼吸器用発電機、または外部バッテリー購入に上限10万円を給付する事業を、長井市では2年前から既に独自で行っており、これまでに2件の申請があったと担当の方より伺いました。本市においても、ぜひ給付の要件に組み込んでいただきますよう要望いたします。
個別避難計画の策定がなかなか進まない要因として、個人情報の提供に対する抵抗があることが考えられます。
消防、警察、民生委員児童委員、社会福祉協議会、自主防災組織等、避難支援関係者の個別避難計画情報の提供につきましては、平時は条例に特例の定めがある場合や、避難行動要支援者本人等の同意があった場合に提供とありますが、災害時には、本人等の同意を必要としないため、特に名簿への登録が進まないという結果となります。
しかしながら、自力での避難行動が難しい方々については、名簿への登録、優先度の高い方から個別避難計画を作成、ハザードマップを見ながら、あらかじめどんなことが起こるかを知り、命を守るために何をすればよいかを事前に考え、時系列に沿って準備を行うタイムラインを考えることが重要で、そのためにも個人情報の提供への同意が課題となるのではないでしょうか。
同意を得るためには、日常生活の場面で支援に関わってくださり、信頼関係を築いている福祉関係者や地域の自治会、民生委員児童委員などから、避難行動要支援者名簿への登録、個別避難計画の策定の必要性を丁寧にご説明いただき、ご理解いただくことが大切だと考えます。
また、個別避難計画策定に、平成29年度から先進的に取り組み始めている愛媛県四国中央市を例に挙げますと、市全体における福祉サービス利用者1,019名のうち、令和2年度までの6年間で109名について策定が完了しており、策定率は10.6%と、個別避難計画の策定には時間と労力を要することが分かります。
そこで、本市における個別避難計画の作成に関わる福祉の専門職や地域におられる自治会、民生委員児童委員等の負担や労力についてはどのように分析されておられますでしょうか、伺います。
○細矢俊博議長 佐藤総務部長。
○佐藤慎司総務部長 個別避難計画につきましては、避難行動要支援者一人ひとり、細部にわたる支援内容を作成する必要がありますことから、自主防災会や民生委員児童委員、福祉専門職の方の協力が不可欠でございます。
関係者と協力しながら作成してまいりますが、新たな業務となりますことから、関係者の過大な負担とならないような方法を検討してまいりますので、よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 6番福永邦幸議員。
○6番(福永邦幸議員) 部長答弁、承知いたしました。
個別避難計画の策定には時間がかかり、また、福祉課は常時、他の業務などを抱えておられるわけですので、危機管理室と連携を図れるような、縦割り行政の殻を破る体制の整備をぜひご検討願います。
これまで、誰一人取り残さない防災へ向けて、本市で取り組むべき課題や実施状況などを伺ってきました。冒頭でも申し上げましたが、いざ災害が発生した際、互いに助け合う共助の精神を地域で育てることが、多くの命を助ける上では最も重要だという考えに至ります。
消防庁発行の自主防災組織の手引きによりますと、平成7年1月17日早朝に発生した阪神・淡路大震災における救助者数の対比を見ましても、消防、警察、自衛隊による救助者数が8,000人に対し、市民による救助者数は2万7,000人と多く、早朝に発生した大地震であったということもあり、公助の救いの手が及ぶ前に、市民同士がお互い助け合った共助が生んだ結果ではないかと分析します。
では、共助の精神を地域で育てるためには、普段から取り組むべき課題とは何でしょうか。
自治町内会の地域での防災・防犯、環境美化、親睦活動により、顔の見える関係をつくったり、災害が発生した際に近所で集まる一時避難場所の指定や安否確認の仕組みをつくるなど、それぞれの地域の特性に合わせた方法で活動することが重要ではないかと考えます。
ご近所に住んでいる方々の家族構成や健康状態まで知っている家はどれくらいあるでしょうか。顔の見える関係をつくるために、まずは、ご近所同士で挨拶や声かけから始めてみることが大切ではないでしょうか。
また、見守りとは、言い方を変えれば、気にかけることを継続するということで、例えば、最近体の動きが鈍くなった、新聞や郵便物がたまっている、子どもの泣き声が絶えない、雨戸が閉めたままになっているなどがちょっとした気付きとなり、いざというときにAさんは最近足が不自由になり、つえ歩行だから助けに行かなければといった共助へとつながります。
令和5年5月8日から、新型コロナウイルス感染症は5類感染症へと引き下げられたことにより、地域でのサロンやお祭り、老人クラブの活動などが元に戻りつつあります。
これまで、希薄となっていた人と人との関わりが再開されたことにより、顔の見える関係がつくりやすい環境が整ってきました。
避難行動に難のあると言われている高齢者の活動も再開されておりますが、コロナウイルス感染症により活動が中止となっていた頃や、コロナ前と比べ、現在65歳以上の高齢者の活動はどの程度元に戻ってきていて、活動が中止となっていた数年間で、高齢者の要支援・要介護認定にどのような変化が見られたと分析されておられますか、伺います。
○細矢俊博議長 岡田健康福祉部長。
○岡田光弘健康福祉部長 お答えいたします。
コロナ禍においては、高齢者のサロン活動や介護予防事業など、多くの事業について、時間の短縮、人数制限、会食の中止などを行いながら事業を継続してきたところでありますが、今年度からは、コロナ禍前の通常形態に戻して実施させていただいております。
また、要支援・要介護認定の変化に対する分析についてでありますけれども、こちらは高齢者数の増加に伴いまして、認定者数と認定率は増加傾向にありまして、今後もこの傾向は続くものと考えております。
なお、令和4年度末の認定者数は2,212人、認定率は16.5%でありまして、第8期介護保険事業計画で推計した数値が認定者数2,199人、認定率16.4%でありましたので、認定率に関しましては、想定した範囲で変化しているものと捉えておりますので、ご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 6番福永邦幸議員。
○6番(福永邦幸議員) 部長答弁、承知いたしました。
地域の活動が元に戻りつつあるということは、喜ばしいことではないでしょうか。今後も健康寿命を延ばすような地域活動や介護予防事業にご支援いただきますようお願いいたします。
昨年10月8日、私の地元、温泉町連合区の5名の区長が中心となり、コロナ禍において、地域で顔の見える関係が希薄となっていたことを懸念し、温泉町の全世帯を対象に、初となる温泉町連合区の大芋煮会を開催いたしました。回覧板を通じ、全戸へご案内を配布し、180名を超える地域の方々が参加されました。
一時避難所としても指定されている本郷第一公園には、子どもから高齢者、足の不自由な方々まで一堂に会し、芋煮を囲みながら、これまで顔も見ることもなかった広域の方々で楽しく交流を図ることができ、晴天にも恵まれ充実した1日となりました。
避難行動要支援者への個別避難計画への取組は、時間も労力もかかる地道な作業となりますが、命を守るために取り組むべき喫緊の課題であると捉えております。
過去の災害を教訓として、本市は新たな防災拠点となる西部防災センターを令和4年度に整備され、着実に防災機能の充実を図ってこられたという実績があります。地道に個別避難計画を策定し、災害時に要支援者を取り残すことのないよう、指定された避難所までの移動の防災訓練等を重ね、より実効性のある計画となりますよう、防災と福祉の連携推進に取り組んでいただきますようお願いいたします。
誰一人取り残さない防災に向けて、それぞれの地域の実情に合った自主防災組織の構築や、普段から顔の見える地域づくりについては、私自身、過去に福祉の現場で働いていたときに、東日本大震災で被災した際の災害対応など、これまで現場で経験、実践してきたことを、少しでも本市の安心・安全とつなげていくべく、今後も、本市の動向に注視しながら、できることからすぐに取り組んでいきたいと考えております。
本日、鈴木憲和農林水産副大臣は、農業・漁業で甚大な被害に遭われた石川県、富山県の視察に入っています。私も能登半島地震で被災された方々へ心を寄せることを今後も継続しながら、被災地の1日も早い復興を願い、私の一般質問を終わります。
○細矢俊博議長 以上で、ご了承願います。
◎深瀬明理議員質問
○細矢俊博議長 次に、2番深瀬明理議員。
〔2番 深瀬明理議員 登壇〕
○2番(深瀬明理議員) 議席番号2番、深瀬明理です。
はじめに、能登半島地方における地震において被災をされた全ての皆様に、衷心よりお見舞いを申し上げますとともに、1日も早い復興をお祈り申し上げます。
この度の一般質問の機会を賜りましたことに感謝を申し上げます。また、傍聴にお越しいただいた皆様には、厚く御礼申し上げます。
それでは、通告に従い、質問を行ってまいります。
2月に行われました、私が所属している東根市農業士会の新年会にて、春からお2人の地域おこし協力隊が来ますとお話がありました。
そして、3月3日の山形新聞には、1日に着任されました地域おこし協力隊員の記事が載っておりました。久々の地域おこし協力隊の話題に、大変うれしく思っております。
そこで、この度は、本市において平成29年度から取り組んでいる地域おこし協力隊について、この制度をどうすれば本市の地域活性化に生かすことができるのかといった視点で質問させていただきます。
まずは、改めて地域おこし協力隊制度とは、都市部の若者などが過疎化地域などに移住し、地域おこしの支援や農林水産業への従事、住民の生活支援などの地域協力活動を行いながら、その地域へ定住・定着を図るといった取組であります。
協力隊員の皆さんの地域協力活動による地域の活性化という直接的な効果だけでなく、活動を通じて地域のよさを発見し、定住・定着することにより、地域の住民が増え、地域が活性化するという効果も狙った制度であるということを再確認したいと思います。
本市第5次総合計画の中でも、農業後継者の確保、担い手の育成の施策の中で、地域おこし協力隊制度などを活用した新規就農者への支援充実を掲げております。
また、地域力向上のための体制づくりの施策の中で、地域おこし協力隊制度などの活用による地域人材の確保と育成、地域への定住・定着に向けた支援を掲げています。
そこで、次の点について伺ってまいります。
まず、1つ目のテーマは、本市が取り組んでいる農業振興を図るための地域おこし協力隊についてであります。
皆様がご存じのとおり、本市の基幹産業は農業であります。昨年9月の第3回定例会では、本市の農業における人材の確保について一般質問させていただきました。その際に、市長から、「担い手不足は本市においても大きな課題であり、地域おこし協力隊制度なども活用しながら、常に幅広く就農者を求めているところであります」と答弁をいただきました。
新規就農者の数は年々増えてきてはいるものの、農家の高齢化が進んでいくスピードに対しては追いついておりません。
ほかにも、耕作放棄地の増加や気候変動対策など、多くの課題を抱えております。その課題に、よそ者・若者の斬新な視点や熱意と行動力が、地域に大きな刺激を与える協力隊を活用することで、農業振興につながるのだと考えます。
そこで、地域おこし協力隊のこれまでの取組と状況について、市長にお伺いいたします。
次に、新型コロナウイルスが5類に移行し、人々の動きもコロナ禍前に戻りつつあります。新たな協力隊が着任したというこの流れは、まさにそれを象徴しているのではないかと推測します。
また、コロナ禍によってもたらされた住む場所を選ばないワークスタイルという考え方にも後押しされ、地方移住の垣根がますます低くなってきております。
よって、今後さらに協力隊への応募が増えるのではないかと期待するところであります。
そこで、今後の受入計画について市長にお伺いいたします。
続いて、2つ目のテーマは、移住・定住促進としての地域おこし協力隊の活用についてお伺いしてまいります。
国は、令和4年12月23日に、閣議決定されたデジタル田園都市国家構想総合戦略の中で、令和4年度実績6,447人の隊員数を、令和8年度に1万人という目標を掲げ、令和6年度予算においてサポート体制の充実を図っております。
例えば、地域おこし協力隊の活動に関する特別交付税措置の拡充といたしまして、隊員の報償費などの上限が、1人当たり上限280万円から320万円に引き上げられます。
また、より専門性の高いスキルを持つ人材や豊富な経験を持つ人材については、報償費の弾力運営の幅の上限を50万円から100万円に増やしており、最大420万円まで支給可能となります。
これら報償費と合計して、隊員の活動に要する経費が、1人当たり520万円を上限に認められることになります。
また、協力隊の受入人数には、特に制限はなく、令和4年度の実績で、受入れが多い自治体は、北海道東川町64人、熊本県高森町59人、岡山県西粟倉村55人となっており、受入内容も観光資源開発協力、福祉人材育成、移住・定住推進の創出、企業研修型など多様です。
県内では、長井市が12人と最も多く、庄内町8人、新庄市・南陽市が7人と続き、近隣では、村山市が6人、天童市が5人であります。
長井市では、まちづくりや地域活性化に関する企画提案を行いながら、地域住民と連携して活動する隊員、農業で自立を目指し、農業振興と地域活性化に取り組む隊員、芸術・文化活動を通じて地域の関係団体と連携し、地域の文化資源を活用した地域おこしに取り組む隊員、登山やアウトドアに精通し、アウトドア環境の整備や観光メニューの創出に取り組む隊員、けん玉を通した地域の魅力発信や観光誘客、にぎわい創出に取り組む隊員など、多様な募集を行っております。
受入分野については特に縛りがないため、各自治体は、応募者の興味を引く内容や地域の困りごとなどに合わせて、知恵を絞って募集しているようです。
これら多くの隊員の受入れを行っている自治体は、隊員の募集、活動期間中のサポート、任期終了後の定住において成功しており、この好循環がさらなる隊員の獲得につながっていると考えます。
これらを踏まえ、最後に、本市の地域おこし協力隊制度への取組の方向性について伺います。
市長は、令和5年度の施策方針の中で、移住施策などの全国に向けた発信・展開と併せて、地域おこし協力隊制度も積極的に取り入れ、関係人口の拡大、移住・定住の増加を図ると掲げました。
本市が移住者などに発信すべき魅力は、農業だけではありません。この制度を移住・定住施策の1つと捉えた場合、受入数の多い自治体の例からも分かるように、間口を広げた受入れをする必要があると考えます。
様々な分野で活動する中で、地域のよさをよそ者の目で発見し、発信してもらう。これが、さらなる人の呼び込みにつながっていく。こういったサイクルをつくっていくことが重要と考えます。
県では、任期終了後の定住率推移を平成21年度から、累計及び特別交付税ベース算出しております。
令和2年度は57.3%、令和3年度は58.5%、令和4年度は任期終了者数271名、うち定住者が168名で、62.0%となっております。
そして任期後、山形県内に定住した元隊員の職業では、就業が約46%で行政関係、観光業、広告、広報、製造業などとなっております。次に多いのが起業で31%、飲食サービス業、美術家、宿泊業、まちづくり支援などとなっております。そして、就農が約10%と一番低い実績となっております。
そこで、市長が考える地域おこし協力隊制度の現状の取組と、今後の取組の方向性についてお伺いし、以上、登壇での質問といたします。
○細矢俊博議長 2番深瀬明理議員の質問に対し、答弁を求めます。
土田市長。
〔土田正剛市長 登壇〕
○土田正剛市長 深瀬明理議員の本市の地域おこし協力隊における現状と、今後の取組についてのご質問にお答えをいたします。
はじめに、農業振興を図るための地域おこし協力隊についてでありますが、本市では、少子高齢化等による農業の担い手不足を解消し、新規就農者を確保すること、及び農業分野における現場から見た課題の解決を図ることを目的として、平成28年度から地域おこし協力隊を活用した、果樹王国ひがしね未来づくり事業を実施し、地域おこし協力隊「東根で農業やり隊」を募集してまいりました。
事業開始当時は、常時2名の任命枠を設けて募集し、これまでに平成29年12月に1名、平成30年9月に1名の計2名を地域おこし協力隊として任命しており、そのうち1名につきましては、活動期間終了後の令和2年6月に、東郷地区で新規就農したところであります。
令和2年度からは、新型コロナウイルスの影響により、募集を一時中断しておりましたが、令和4年度に事業内容などの見直しを行い、募集を再開いたしました。
残念ながら、令和4年度中の応募はありませんでしたが、令和5年度中の募集に対しては3名の応募があり、書類選考や面接等の結果、令和6年3月1日から新たに1名を地域おこし協力隊として任命しており、また、5月1日にもう1名を任命する予定であります。
農業分野において、担い手の確保は喫緊の課題となっており、本市といたしましても、あらゆる手段を用いて担い手の確保を図っているところでありますが、その中でも、地域おこし協力隊を活用した取組は、制度的な面だけでなく、財政的にも非常に効果があると考えております。
したがいまして、今後につきましては、任命枠を2名と固定せず、年度ごと2名ずつの募集を行うことで、継続的な新規就農者の確保につなげていくことといたします。
具体的には、地域おこし協力隊の任命期間の上限が3年間となっておりますので、令和6年度は2名、令和7年度は4名、令和8年度以降は6名の体制となり、活動期間後は、毎年2名の新規就農者を確保する計画としているところであります。
次に、移住・定住促進としての地域おこし協力隊の活用についてでありますが、地域おこし協力隊員の定住につなげるためには、任期終了後に、隊員が希望する職に就くことができることと、そこに住み続けたいと感じることが重要であります。
そのため、本市では、新規就農を志す方を隊員として募集し、任期中は、農業者や地域の皆さんと交流を育みながら、本市の農業の魅力や住みよさを実感していただき、就農及び定住につなげていくこととしております。
今後につきましては、こうした農業分野における活用を継続してまいりますが、年々、行政課題やニーズ等が複雑化・多様化してきていることを踏まえ、農業以外の分野における制度活用についてもその可能性を探ってまいりたいと考えております。
地域おこし協力隊制度の活用については、一時的な人材確保のツールとしてではなく、外部からの意見や考えを積極的に取り入れ、地域の活性化を図るとともに、任期終了後には、自立した生活を確立し、本市への移住・定住につなげていく必要があるものと認識をしております。
今後もこうした視点を持ちながら、引き続き地域おこし協力隊制度に取り組んでまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 2番深瀬明理議員。
○2番(深瀬明理議員) 市長より答弁をいただきましたので、再質問させていただきます。
まずは、地域おこし協力隊「東根で農業やり隊」における来年度以降の取組や受入体制についてであります。
これまで任命された2名を私のところでも受入れをさせていただきました。当時は、東部地区限定での受入れということでありましたので、東部果研のメンバーで、受入日数や順番を決め、栽培技術の指導から商品づくりまで、農家としての基本的な知識を教示いたしました。真剣に話を聞く姿や一生懸命作業に励む姿は、私たちのモチベーションを上げてくれたことを今でも覚えております。
「協力隊として活動していると自立就農が遅くなってしまうので、任期終了前に就農することを考えています」と当時報告を受けたときは非常にうれしく、本人の覚悟が伝わってまいりました。
それならば、剪定も実際にしてみますかと提案をしたり、住むお家はどうするの、など自立就農に向けてできる範囲内ではありましたが、サポートもいたしました。
そして、就農後もさくらんぼハウスのビニール作業をお互いに助け合うなど、今でも交流をさせていただいております。
昨年度の協力隊募集要項を拝見しますと、地域は限定されていないようですが、コロナ禍前と募集要項が変更されていると思われます。
以上のことを踏まえ、地域おこし協力隊「東根で農業やり隊」の業務内容や就農スケジュールについてお伺いいたします。
○細矢俊博議長 東海林経済部長。
○東海林浩司経済部長 お答えいたします。
地域おこし協力隊「東根で農業やり隊」の業務の内容、また就農までのスケジュールについてでございますけれども、まず、業務といたしまして、東根市の農業の振興を図るための取組と就農に向けた取組を行っていただくこととしております。
はじめに、東根市の農業振興を図るための取組についてですが、現場活動で把握をした東根市の農業の課題やニーズなどの調査や整理を行った上で、課題解決のために農業政策の提案を行ってもらうこととしております。
次に、就農に向けた取組については、実習などをとおして、農業知識や農業技術の習得のほか、新規就農までの計画の策定を行っていただきます。
就農までのスケジュールについてですが、コロナ禍以前は、地域おこし協力隊任命後から、すぐに受入農家の園地における実習を行っておりましたが、令和4年度の募集の再開にあたり、元地域おこし協力隊員から活動時の感想や意見などを聞き取りを行った上で、実習場所などの見直しを行っております。
現在は、1年目及び2年目の農繁期までは、農業全般の知識習得のために、JAさくらんぼひがしねの担い手支援コーディネーターの職員さんと行動を共にして、農家の相談などに当たっていただき、2年目の農閑期に入った辺りから3年目までは、市内の実習受入農家で、農業技術の習得及び就農の計画立案などを行う内容となっているところです。
なお、状況によっては、実習期間を早めるなど、就農に向けて本人の意向に沿うように対応してまいりますので、ご理解をよろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 2番深瀬明理議員。
○2番(深瀬明理議員) 部長答弁、承知いたしました。
協力隊員にとっては、さらに充実したカリキュラムになりそうですね。
任期の後半には、市内の実習受入農家活動をすることになるようですが、その頃になりますと、たくさんの農家さんとも顔見知りになり、隊員本人がここで実施したいという思いが芽生えてくると思います。
しかし、迷惑にならないだろうか、もっとほかにも自分に合う農家さんがあるかもしれないなど、不安になってしまうこともあるかと思います。そのようにならないためにも、これまでも行われていたとは思いますが、定期的に協力隊員と話し合うことを大切にし、TACとも連絡を取り合い、さらに3者で内容を詰めるといったサポート体制強化を要望いたします。
現場での活動のほかに、農林課が指示する事務補助、また、イベントへの参加などもあると聞いております。
私が就農したときは、とにかく必死で、現場に集中できる環境ではありましたが、分からないことが分からないという状況でした。
さらに、果樹王国ひがしねと宣言されていること、東根市果樹研究連合会があること、これらにより、果樹に対しては特に県内でトップレベルなことから、私は心配に思っている点がございます。
そこで、次の質問であります。
「現場活動で把握した東根市の農業の課題やニーズなどの調査や整理を行った上で、課題解決のために農業政策の提案を行ってもらいます。」と答弁をいただきました。また、募集要項には、ほかにも取組内容が記載されています。
就農を目指している場合、取組内容が多くハードルが高いように感じますが、取組内容はどのような考えで決めたのかお伺いいたします。
○細矢俊博議長 東海林経済部長。
○東海林浩司経済部長 お答えをいたします。
本市の場合、果樹中心の農業で、ここに新たな協力隊員は育て方が全く分からないという方がほとんどではないかなと考えられることから、軽い気持ちではなく、本気で果樹農家をやってみたい、本気で就農を目指したいという意思を持っている方に申し込んでいただきたいと考えておりまして、現在の募集要項を設定しているところでございます。
そのため、若干ハードルは高いかなと感じられるかもしれませんが、本気で果樹農家として、新規就農したいと思っている方にとっては、適している内容ではないかなと考えているところでございます。
今後も、より多くの方に就農を目指してもらえるよう、工夫をしてまいりたいと考えておりますので、ご理解をよろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 2番深瀬明理議員。
○2番(深瀬明理議員) 軽い気持ちではなく、本気で果樹農業をやってみたい、就農を目指したいという方をターゲットにされているのなら、募集要項も納得いたしました。
就農を目指す協力隊を募集しているほかの市町村の募集要項を見ますと、活動内容や求める人材像などを、もっと具体的に記載されています。
例えば、寒河江市の募集要項には、1日のスケジュールの例や、お仕事Q&Aなど、協力隊として着任した際のイメージが湧きやすい内容も記載されています。
そして、背中を押してくれるような言い回しとなっており、サポートもしっかりしてもらえそうな感じが伺えます。本市においても、もっとイメージが湧きやすい募集要項にすることを求めます。
知らない土地に来て、一番最初に話をするのは、協力隊の担当課及び担当者になります。そこで話しやすいような雰囲気づくりができますと、着任時から良好な関係が築けると考えます。
総務省では、地域おこし協力隊員募集受入れハンドブックを作成しており、協力隊員を受け入れる担当課のみならず、活動をサポートする地域住民、組織、中間支援団体、関係課とも共有し、活用してくださいと、はじめに記載があります。そして、サポート体制の構築が一番最初のポイントになっています。
つまり、様々な局面においてサポートする人・体制が重要になってくるのであります。
そこで、総務省では、各フェーズで隊員・受入自治体双方に対するサポートの充実を図っております。
任期中のよりきめ細やかなサポート体制の確保促進と、隊員の孤立を防止するため、また、任期終了後の定住に向けたサポートと、各時期に特別交付税措置が設けられております。
ゼロからの新規就農は、初期投資が最初のハードルとなります。そのハードルを少しでも低くできるよう、補助金を最大限活用していただき、重ね重ねにはなりますが、あらゆる場面でのきめ細やかなサポート強化を強く要望いたします。
改めて、地域おこし協力隊の着任に関して、農家はもちろんでありますが、市民の皆様にも認識していただけたら今後の交流もしやすくなるのではないかと考えます。そこで、周知方法についてお伺いいたします。
○細矢俊博議長 東海林経済部長。
○東海林浩司経済部長 それでは、周知または地域の皆様への紹介についてでございますけれども、まず、市報などで市民の皆様に周知を図りながら、そして、実際に活動していただく農協の方にも、様々な状況において、市内の農業団体ですとか農家の方々に紹介、周知をしていただけるようにお願いをしているところであります。
また、隊員にも、多くの農家・農業団体とも交流を図りながら情報交換などを重ねることで、新規就農に向けてよりよい環境が構築できることを伝えているところでございます。
いずれにせよ、多くの方に知ってもらえるよう、都度都度、配慮していく所存でございますので、ご理解ひとつよろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 2番深瀬明理議員。
○2番(深瀬明理議員) 最初の協力隊が着任した当時は、都会から就農しに来た人はどのような人かと何度も聞かれました。
また、この度の一般質問の準備をしている最中にも、同僚議員から様々なことを質問されました。これらのことから、地域おこし協力隊については、多くの方々が注目しており、関心を持っていることがうかがえます。
市報などで周知を図っていくとのことでしたが、近隣の市町村では、自治体のホームページでも紹介されており、過去の活動内容なども掲載され、いつでも、誰でも、協力隊について知ることができます。
本市のホームページで紹介できますと、市民への周知はもちろん、協力隊に興味のある方々にとってはPRにもなりますので、ぜひ活用することを提案し、次の質問に移ります。
3月1日に着任された協力隊員が、昨年のおためし地域おこし協力隊制度を利用したと伺っておりますが、令和6年度はおためし地域おこし協力隊の募集は行わないのでしょうか。行う場合は、どのような内容になるのかお伺いいたします。
○細矢俊博議長 佐藤総務部長。
○佐藤慎司総務部長 はじめに、今年度についてですけども、さくらんぼとラ・フランスの収穫の時期に、市内農業者や農協などからご協力をいただきまして、合わせて2回実施したところでございます。
来年度につきましても、令和6年度予算案におきまして、ひがしね移住促進事業に関連経費を計上しているところでございますが、今年度と同様に2泊3日の行程で、市内の魅力を知ってもらうための市内視察ですとか、先輩移住者との意見交換会なども織り交ぜながら、農業分野において、2回の実施を考えているところでございます。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 2番深瀬明理議員。
○2番(深瀬明理議員) 来年度も実施を考えているということで、安心いたしました。なぜなら、この制度は、受入地域や住民、受入自治体、地域協力活動に興味がある方、3者のミスマッチ解消のために令和元年度より実施されているからであります。
この制度を利用することで、直接受入れ側の思いを伝えることができ、意思疎通が早い段階から図ることができます。これは、協力隊員としてスムーズに活動を開始しやすくなる効果が期待されております。
たとえ、地域おこし協力隊としての採用につながらなかった場合でも、関係人口の拡大、将来的な定住につながる可能性がありますので、今後も継続して、おためし地域おこし協力隊制度の活用を強く要望いたします。
さらに、国は2週間から3か月間、地域おこし協力隊と同様の地域協力活動に従事してもらい、おためし地域おこし協力隊よりも、さらに具体的なイメージを持って検討できる地域おこし協力隊インターン制度を設けています。
特別交付税措置といたしまして、1団体当たり100万円を上限、また、参加者の活動に要する経費も1日1人当たり1.2万円を上限としております。
数日間のおためし地域おこし協力隊制度よりも効果が高いものと考えますが、本市でも実施してはいかがでしょうか。
○細矢俊博議長 佐藤総務部長。
○佐藤慎司総務部長 ただ今、議員ご案内のとおり、地域おこし協力隊インターン制度につきましては、地域おこし協力隊としての実際の活動はもちろんのこと、本市における生活についてもより具体的にイメージすることができるものと考えているところでございます。
そのため、当該制度の実施につきましては、農業以外の分野における地域おこし協力隊制度の活用とともに、その可能性を探ってまいりたいと考えているところでございます。
実際に運用する場合におきましては、期間が2週間から3か月間に限ることから、活動する場所や受入れ側の体制など、様々な検討課題も出てくるものと思っておりますが、本市行政とともに隊員と地域の皆さんにとって有益な制度となることを前提といたしまして、今後検討を進めてまいりますのでよろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 2番深瀬明理議員。
○2番(深瀬明理議員) 農業以外の分野における制度活用についても、その可能性を探ってまいりたいとの前向きな答弁をいただきました。
協力隊の受入れで成果を上げている自治体は、多様な内容で募集しており、その中に、応募者がこの分野であれば自分の能力を発揮できるかもしれないという募集内容があることで、マッチングの可能性が高まるのだと考えます。実際に、長井市の地域おこし協力隊の12人中8人は、これまでの経験や趣味を生かせる分野で活動されていると聞いております。
本市での協力隊の活用の可能性を考えてみると、有害鳥獣対策、空き家対策、部活動の地域移行への対応、庁内DXへの対応、東根温泉の活性化、観光資源の掘り起こし、地域の伝承芸能の継承など、協力隊を活用することで、よりきめ細やかに対応することができる分野がほかにも多くあるのではないかと考えます。
そこで、観光分野の活性化に地域おこし協力隊の活用を提案いたします。
国は、平成6年に農山漁村滞在余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律、通称グリーンツーリズム法を施行し、県は「第2次おもてなし山形県観光計画〜beyond2020〜」を令和2年3月に策定し、各種ツーリズムの推進をリーディングプロジェクトとしています。
そして、本市でも、第5次東根市総合計画において、果樹王国ひがしねを生かした観光づくりや、観光資源の活用推進と観光機能の強化、農村と自然空間の活用を施策として掲げています。
例えば、天童市の知り合いの農家さんは、ラ・フランス畑でヨガを行ったり、温泉と連携し、宿泊されたお客様がリンゴ畑で焼きリンゴを楽しむなど、農家が様々な形で異業種とタッグを組んでおります。
この農家と異業種をつなげるコーディネーターに地域おこし協力隊を活用するのはいかがでしょうか。
この場合、協力隊本人の才能や経験、趣味を生かしながらの活動になり得ます。そうなると、将来のビジョンも考えやすくなりますので、任期終了後の定住に結びつくのではないでしょうか。
一般社団法人移住交流推進機構が、令和3年8月1日時点で、協力隊員だった2,005名にアンケートを行ったところ、活動内容として、地域産品の情報発信・PRが39%、イベントの企画・運営・集客などが34%となっており、協力隊になった理由として、自分の能力や経験を生かせると思ったが17%、活動内容が面白そうだったが13%、地域の活性化の役に立ちたかったが11%となっています。
本市で自分の能力が発揮できる分野で、いきいきと地域おこし協力隊として活動しながら、本市のよさを実感していただき、活動した後も、本市で起業や就農、就労し、引き続き定住し続ける。
このようなスキームでないと、全国1,000以上の自治体が隊員の獲得にしのぎを削る中で選ばれることは難しいのではないかと考えます。
農業以外の分野における地域おこし協力隊制度の活用の際には、おためし地域おこし協力隊制度及び地域おこし協力隊インターン制度を有効活用していただき、隊員の募集、活動期間中のサポート、任期終了後の定住のサポート体制の充実を強く要望いたします。
本市でも多くの隊員の受入れが可能となり、この好循環でさらなる隊員の獲得につなげられるよう期待し、私の質問を終わります。
○細矢俊博議長 以上で、ご了承願います。
◎散 会
○細矢俊博議長 以上で、本日の日程は全部終了しました。
本日はこれで散会します。ご苦労さまでした。
午前11時59分 散 会