令和４年１２月５日　午前１０時００分　開　議

　　　　　　髙　　橋　　光　　男　議長　　　　　　　原　　田　　利　　光　副議長

◎出席議員（１８名）
　１番　　　福　　永　　邦　　幸　議員　　　　　　　２番　　　齋　　藤　　俊 一 郎　議員
　３番　　　高　　橋　　弓　　嗣　議員　　　　　　　４番　　　滝　　口　　公　　一　議員
　５番　　　元　　木　　十 四 男　議員　　　　　　　６番　　　東 海 林　　克　　彦　議員
　７番　　　三　　宅　　一　　人　議員　　　　　　　８番　　　植　　松　　　　　宏　議員
　９番　　　片　　桐　　勝　　寿　議員　　　　　　１０番　　　山　　科　　幸　　子　議員
１１番　　　高　　橋　　鉄　　夫　議員　　　　　　１２番　　　河　　村　　　　　豊　議員
１３番　　　細　　矢　　俊　　博　議員　　　　　　１４番　　　浅 野 目　　幸　　一　議員
１５番　　　佐　　藤　　　　　直　議員　　　　　　１６番　　　清　　野　　忠　　利　議員
１７番　　　原　　田　　利　　光　議員　　　　　　１８番　　　髙　　橋　　光　　男　議員

◎欠席議員（なし）
◎説明のため出席した者の職氏名
土　田　正　剛
市　　　　　　長

半　田　　　博
教　　育　　長
武　田　庄　一
選挙管理委員会
委　　員　　長

古　谷　利　明
代表監査委員
菅　原　繁　治
農業委員会会長

芦　野　耕　司
副　　市　　長
石　垣　有　一
総　務　部　長

岡　田　光　弘
市民生活部長
鈴　木　敬　一
健康福祉部長

太　田　　　修
経　済　部　長
深　瀬　弘　之
建　設　部　長
兼上下水道部長

高　橋　愛　子
会計管理者
佐　藤　明　彦
消　　防　　長

安　達　利　也
教　育　次　長
青　柳　　　昇
総合政策課長

安　達　好　浩
庶　務　課　長
併選挙管理委員会
事　務　局　長
本　間　和　史
財　政　課　長

牧　野　美和子
監　査　委　員
事　務　局　長
岡　田　正　樹
農 業 委 員 会
事　務　局　長





◎事務局職員出席者職氏名
佐　藤　慎　司
事　務　局　長

高　橋　真伊子
事務局長補佐
森　谷　賢　司
議事係長

黒　坂　育　実
主　　　　任
井　上　雄　貴
副　　 主　　 任

大　江　剛　史
兼　務　書　記
辻　村　　　充
兼　務　書　記



◎議　事　日　程

　議事日程第２号
　　　　　　　令和４年１２月５日（月）　午前１０時　開　議

　日程第　１　　市政一般に対する質問
　　　　　　　　１　　１０番　山　科　幸　子
　　　　　　　　２　　　３番　高　橋　弓　嗣
　　　　　　　　３　　　４番　滝　口　公　一
　　　　　　　　４　　　６番　東海林　克　彦
　　　　　　　　５　　　９番　片　桐　勝　寿
　　　　（散　　　　　会）

◎本日の会議に付した事件

　議事日程第２号に同じ。
令和４年東根市議会第４回定例会一般質問発言通告書

番 号
質 問 者
質 問 事 項
質 問 要 旨
答 弁 者
１
山科　幸子
議　　　員
１．公有財産の活用及び管理、処分について
１．市が保有する財産は、公有財産として地方自治法第238条第３項の規定により「行政財産」と「普通財産」に分類されている。
　　公有地は市の貴重な財産であり、積極的な有効活用と適正な管理、処分を行うべきであるため、次のことについて伺う。
　（１）市が保有する財産の状況について
　　　１）公有財産の状況及び近年の増減はどうか。
　　　２）用途廃止予定、又は決定している行政財産について
　　　３）普通財産のうち貸付などに利用されている財産について
　（２）目的のない普通財産は処分が原則であり、地域の課題や公益のために有効活用し維持管理にかかる経費の削減につなげるなど積極的な活用を図るために、次の点について伺う。
　　　１）現在、地域や団体に貸付している財産の実績について
　　　２）貸付における期間や維持管理について、公平有効に活用するためのガイドラインや基準はどのようになっているか。
　　　３）財産の処分時における市民への周知と公募はどうか。
　（３）行政財産は担当課、普通財産は財政課が所管しているが、取得、管理、運用、処分について、市としての基本的な考えを伺う。
市　　　長
２
高橋　弓嗣
議　　　員
１．東根市デジタル変革（ＤＸ）推進に向けた施策について
１．市民サービスのデジタル変革の推進について
　　行政手続のデジタル化において、本市にかかわる子育て関係・介護関係の26手続のオンライン化に向けた調整を進めるとあるが、その内容について伺う。
２．行政デジタル変革の推進について
　　令和７年度までに、全国の自治体が標準化基準に適合したシステムへ移行しなくてはならないが、本市の進め方について伺う。
３．地域デジタル変革の推進について
　　新型コロナウイルス感染症拡大により、デジタル化が様々な場面で急速に進展したが、本市での地域振興や産業・観光振興に関する事業において、成果と展望を伺う。
市　　　長
３
滝口　公一
議　　　員
１．環境問題に対する取組と方向性について
１．令和２年１月に、県内ではいち早くゼロカーボンシティ宣言をした本市の取組状況を伺う。
２．地球温暖化対策事業が本年度から拡充されたが、それらを含む各種支援制度の利用状況について伺う。
市　　　長
４
東海林克彦
議　　　員
１．東根市公営住宅等長寿命化計画の進捗について
１．現在の進捗状況は。
２．昭和30年代に建設され、建替えと判定されている木造家屋はいつまで供用するのか。
３．本計画は令和５年度が計画の最終年次となっているが、令和６年度以降の計画はどのようにするのか。
市　　　長
２．高速道路開通における東根ＩＣ及び東根北ＩＣへのアクセス道路の渋滞対策について
１．国・県による対策が進められているとのことだが、市の対応はどのようになっているのか。
市　　　長
５
片桐　勝寿
議　　　員
１．本市の空き家対策について
１．令和３年６月に、議会より市長に対して「空き家対策について」の政策提言を提出させていただいた。空き家対策は、本市の今後の税収、公共事業、まち景観・公衆衛生、防犯・防災など様々な分野に影響を与えるものであり、全庁的な対応が求められる分野であると考える。
　　そこで政策提言の中から以下の事項について伺う。
　（１）空き家発生予防対策について
　　　１）「空き家発生予防のための啓蒙」に対する本市の考え方及び対応の状況について
　　　２）空き家になる前のマッチングの仕組みの創設に関しどう考えるか。
　（２）今ある空き家への対策について
　　　１）空き家バンクについて
　　　　①空き家バンクへの登録が伸びない理由をどう考えるか。
　　　　②空き家バンクの目的をどのように捉えているか。
　　　２）動き始めて２年目になる「東根市老朽危険空家等除却支援事業補助金」のこれまでの実績について
　　　３）特定空き家について
　　　　①「特定空き家」の現状はどうなっているか。
　　　　②「特定空き家」の判定、行政代執行に対する考え方は。
市　　　長





　　◎開　　　　　議

○髙橋光男議長　皆さん、おはようございます。
　　本日の会議に、欠席及び遅刻の届出はありません。したがいまして、出席議員の数は18名で定足数に達しておりますので、これから本日の会議を開きます。
　　本日の会議は、議事日程第２号によって進めます。

　　◎市政一般に対する質問

○髙橋光男議長　日程第１、市政一般に対する質問を行います。
　　質問は通告順としますが、発言順番を迎えたときに議場にいない場合は、発言権の放棄とみなしますので、そのようにご了承願います。

　　◎山科幸子議員質問

○髙橋光男議長　はじめに、10番山科幸子議員。
　　　〔10番　山科幸子議員　登壇〕
○10番（山科幸子議員）　おはようございます。
　　10番山科幸子でございます。議長の許可を得ましたので、通告に基づき、ただ今から一般質問を行います。
　　市民にとって、市は最も身近な行政であり、変化する課題には迅速に対応する必要があります。財務省は、国債と借入金政府短期証券を合計した、いわゆる国の借金が、６月末時点で1,255兆1,932億円だったと発表しました。３月末から13.9兆円増え、過去最多を更新してしまいました。国民１人当たりで、単純に計算すると、初めて1,000万円を超えてしまいました。
　　本市では、宅地開発が活発に行われ、周辺部からの転入が多く、勢いのある市であります。しかしながら、県人口は、11月１日現在で前月より1,050人減少したと発表されました。増加した市町村はありませんでした。
　　令和２年国勢調査によれば、山形県の総人口は、106万8,696人となり、前回の平成27年の国勢調査に比べて５万5,195人、4.9％減少しています。５年間で東根市以上の規模の市が消滅したことになりました。
　　東根市の近年の人口推移を見ると、４万8,000人を目前にしながら増減を繰り返しています。県内からの転入が鈍化すれば、人口減少に転じてしまいます。
　　少子高齢化や核家族化に伴う社会的影響は計り知れないものがあります。現役世代の人口の減少と所得の減少は、税収が減少し、行政による公共サービスの縮小につながってしまいます。旧態依然の取組では現在受けている社会保障制度をはじめとした課題に対応できなくなってしまいます。今こそやるべきことを見極め、これからの行財政の在り方、地域の課題などへの取組が必要だと考えます。
　　公有地は、市の貴重な財産であります。そこで積極的な有効活用と適正な管理、処分についてお伺いしたいと思います。
　　市が保有する財産は、公有財産として、地方自治法第238条第３項の規定により、行政財産と普通財産に分類されています。
　　はじめに、市が保有する財産の状況についてでありますが、１点目、市の公有財産は現在どれぐらいあるのか。また新たに所得したり、廃止した公有地について、近年の増減についてお伺いいたします。
　　次に、現在所有している中で、用途の廃止を予定しているもの、あるいは決定している行政財産についてお伺いいたします。
　　３点目、普通財産のうち、貸付けなどに利用されている財産はどれぐらいあるのでしょうか。有償、無償を含めた貸付けの状況についてお伺いいたします。
　　公有地は、市の財産であり、市民共有の財産であります。目的がない普通財産は、一般競争入札によりできるだけ高い価格で売り払い、市民に還元していくことが原則であるとされています。まとまった面積がある共有地は、まちづくりの観点の活用や、政策的目的により公共の福祉に資する利用など、条件をつけた売払いや、土地利用計画などに基づいた利活用を迅速に行うべきであると考えます。
　　さくらんぼ東根駅の西側、旧神町小学校跡地などは、広大な敷地で常に目に触れるため市民の関心が高く、景観にも大きな影響を及ぼしているところであります。
　　旧神町小学校の跡地の利用につきましては、市長の公約の１つであり、早期実現に大いに期待しているところであります。目的を得た公有地、施設については、次の目的までには相当の期間を要するものと考えます。その期間、地域や市民の要望に添って、地域の課題や公益のために有効に活用すべきではないでしょうか。利用することによって、除草や、また建物に風を入れることは、急激な老朽化を防ぎ、直営の維持管理に係る経費の削減につながりますので、積極的に活用を図るべきだと考えます。
　　はじめに、現在地域や団体に対応している財産の実績はどのようになっているのかお伺いします。
　　関連して次に、市民に等しく、公平に有効に活用するために、貸出しにおける期間や維持管理についてどのようになっておられるのでしょうか。ガイドラインや基準などについてお伺いいたします。
　　３点目、公有財産の処分には、売払い、譲渡、交換などがあり、売却には競争入札や随意契約がありますが、市民への周知や公募はどのように行っておられるのかお伺いいたします。
　　最後に、行政財産は担当課、普通財産は財政課が所管しておりますが、取得、管理、運用、処分について、市としての基本的な考えをお伺いいたします。
　　以上で、登壇席からの質問を終わります。
○髙橋光男議長　10番山科幸子議員の質問に対し、答弁を求めます。
　　土田市長。
　　　〔土田正剛市長　登壇〕
○土田正剛市長　山科幸子議員の公有財産の活用及び管理、処分についてのご質問にお答えをいたします。
　　はじめに、市が保有する財産の状況についてでありますが、その保有状況につきましては、毎年度、決算書の財産に関する調書により公表しており、令和３年度末現在においては、土地が約258万㎡、建物が約17万2,500㎡となっております。近年の増減についてでありますが、令和２年度の神町小学校の建物完成や、令和３年度の東根市西部防災センターの用地取得などにより、土地、建物ともに増加しております。
　　次に、用途廃止予定または決定している行政財産についてでありますが、現在、解体工事に着手している旧東根児童センター用地につきましては、今年度末までに用途廃止予定となっております。また、東根市公営住宅等長寿命化計画において、市営住宅の一部について、用途廃止の方針を示しております。
　　次に、普通財産のうち、貸付などに利用されている財産についてでありますが、土地の有償契約が58件、無償契約が75件となっており、無償契約については、地域や団体などに貸与している財産であり、そのうち49件が各地区の公民館用地となっております。
　　次に、普通財産の貸付期間や維持管理の基準についてでありますが、公有財産の管理につきましては、地方自治法及び、東根市公有財産の取得管理及び処分に関する規則に基づき実施しており、今後とも規則に基づく適正な管理に努めてまいります。
　　次に、財産の処分時における市民への周知と公募についてでありますが、これまでに用途廃止決定がなされ、未利用となった普通財産については、平成29年度の旧宮崎団地跡地売却、平成31年度の旧シルバー人材センター跡地売却など、随時公売を実施し、処分を行ってまいりました。公売に当たりましては、公売要綱に基づき、市報及び市ホームページにおいて公表し、市内外へ周知を図ることで広く購入希望者を募っております。
　　次に、市有財産の取得、管理、運用、処分についての基本的な考えについてでありますが、行政財産は個々の行政目的を達成するための財産であることから、普通財産とは明確に分類されており、地方自治法の趣旨に踏まえ、行政財産については担当課が、普通財産については財政課が所管し、地方自治法及び市条例、規則に基づく適正な管理を行ってまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○髙橋光男議長　10番山科幸子議員。
○10番（山科幸子議員）　ただ今答弁いただきましたことに対して、引き続き質問席から質問を続けますので、よろしくお願いしたいと思います。
　　公有財産の管理につきましては、地方自治法及び東根市の公有財産の取得管理及び処分に関する規則に基づいて実施しており、適正に管理していくということでありました。理解いたしました。
　　それでは、当初の目的を終えた行政財産には、どのようなものがあるのでしょうか。お伺いいたします。
○髙橋光男議長　石垣総務部長。
○石垣有一総務部長　お答えをいたします。
　　当初の行政目的を終えた行政財産には、旧東根公民館、旧神町学童保育所、旧本郷児童センターなどがあります。現在は、市の利活用方針を踏まえまして、いずれもほかの目的で活用されているところであります。旧本郷児童センターにつきましては、今年度、防災倉庫として改修、整備を行ったところでございます。
○髙橋光男議長　10番山科幸子議員。
○10番（山科幸子議員）　部長が今おっしゃった旧東根公民館などは、適応障害関係のほうで使っておりますね。今、隣の児童センターの解体が始まっています。その辺も一連の団体の土地となりますので、この辺の利活用についてどうするのか、しっかり考えていかなければならないのではないでしょうか。
　　令和２年度に、東根市の公共施設等総合管理基金条例が制定されました。これは、新設のほかに、改修、除却など、改修も含めて幅広く活用できる基金が設置されております。既に用途が廃止されたり、解体されていない行政財産について、この基金を活用して有効に利用していくべきではないでしょうか。その辺について、お伺いいたします。
○髙橋光男議長　石垣総務部長。
○石垣有一総務部長　議員のお話にありました、東根市公共施設等総合管理基金につきましては、施設の新設や、東根市公共施設等総合管理計画に基づく公共施設の長寿命化等に対しまして、柔軟な活用を図るため、従来の東根市立小中学校建設基金を学校以外の公共施設全般に活用できるよう、組み替えて設置したものでございます。
　　設置初年度になります令和３年度におきましては、ひがしねこども園の新設整備のために7,392万3,000円を活用しております。既に用途が廃止され、解体されないといった行政財産は現時点ではございません。
　　しかしながら、将来的に用途廃止が見込まれる行政財産が生じた場合におきましては、ほかの目的での利活用は可能なのか、解体なのか。庁内からの意見集約や地域からの意見、要望などを踏まえまして個別に検討し、適宜対応していくことになります。その中で、利活用が可能な建物と判断され、改修が必要となる場合につきましては、その財源の１つとして基金の活用も検討できるものではないかと考えております。ご理解をお願いします。
○髙橋光男議長　10番山科幸子議員。
○10番（山科幸子議員）　了解いたしました。
　　迅速に対応いただいて、施設なんかはすぐ老朽化が進んでしまいます。周りも荒れてしまいますので、有効に活用できるように、要望と、また市の方でしっかりその用途を考えていくべきだと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
　　それでは、現在はないということなんですけれども、近く用途廃止が見込まれる公有地について、市はどのようなことを考えているのか、お伺いいたします。
○髙橋光男議長　石垣総務部長。
○石垣有一総務部長　公有地の利活用につきましても、庁内からの意見集約や地域からの意見、要望等を踏まえ、個別に検討し、利活用が可能なのか、売却なのかを適宜判断をしていくこととなります。これまで行政財産として活用されてまいりました施設の立地状況や、周辺事情などを勘案しながら検討してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○髙橋光男議長　10番山科幸子議員。
○10番（山科幸子議員）　具体的に、このところというのは、ちょっとお示ししていないので何となく模範的な回答というか、全庁的な回答かなと思います。
　　市の判断がされて、決定までには相当な期間がかかるのかなという印象であります。その間、市有地や建物の草刈りとか維持管理が必要となってきますけども、この辺の対応はどのようにしていくのか、お伺いいたします。
○髙橋光男議長　石垣総務部長。
○石垣有一総務部長　市有地の適正な維持管理につきましては、公有財産管理の基本でございまして、良好な状態を保つよう努めているところでございます。一方で除草や樹木の管理など、業務委託による財政負担も伴いますことから、所管課において予算の範囲内におきまして、計画的な維持管理を行ってまいりますので、よろしくお願いいたします。
○髙橋光男議長　10番山科幸子議員。
○10番（山科幸子議員）　ありがとうございました。
　　雑草の生育というのは、天候にすごく大きく左右されるものがあります。カモガヤなどのイネ科の雑草、ブタクサやヨモギなどのキク科の雑草、これは公園や道路、ちょっとした残地、ポケットパーク等にも至るところに生えてきます。
　　この植物というのは、春から秋までアレルギーを引き起こします。旧神町小学校跡地の雑草は、３ｍに達したところもありました。草刈りの対応いただいたところですけれども、アレルギーやぜんそくに悩んでいる方から大分ご相談がありました。予算の範囲内ということがありましたけれども、これは常に担当課の方で状況を把握いただいて、適切な維持管理をお願いしたいと思います。とても大きな土地は目立ちますので、皆さん見ていますのでしっかり管理の方をお願いしたいと思います。
　　団体が借受け貸与している土地の中で、除草から樹木の管理、落ち葉まできれいに理想的に利用しているところもあります。私は、皆さんも見ているかと思うんですけれども、常に目に触れるところ、細長いところがどんどんと自分たちが利用しやすいように広げていって、生き生きと利活用なさっているところもあります。新たな跡地利用がなされるまでの間に地域や団体などで維持管理を含めて活用できるようにすべきではないのかと思いますので、その辺お伺いいたします。
○髙橋光男議長　石垣総務部長。
○石垣有一総務部長　跡地利用につきましては、早急に進める必要があることは認識しておりますが、跡地利用の計画立案に関しましては、市における利活用方針の検討、また地区における要望内容などを調整する必要がございまして、多くの時間を要することが現状でございます。事業化されるまでの間に跡地の利活用に関し、地域からの要請などがあれば、事業計画に支障のない範囲で随時協議に応じてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○髙橋光男議長　10番山科幸子議員。
○10番（山科幸子議員）　部長さんから、前向きな、地域とか団体の要望に協議に応じていくということでありましたので、よろしくお願いしたいと思います。
　　本当に、事業化されるまでの間、長い期間が経ると思います。１年でも草なんていうのは伸びていって種をこぼし、次の年にはもっとひどいことになってしまいますので、その辺しっかりと管理の方と併せて地域の要望で、人が踏むということは、雑草もなくなると聞いていますので、大いに使っていただいた方がよろしいのではないかと考えます。
　　神町地区の場合、今までコロナ前に防災訓練やゲートボール、イベントに利用していた場所、広い場所なんですけれども、これが使用できなくなっている状況にあります。この辺なんかも酌みおいていただきまして、小学校の跡地とかその辺使えるように、ご配慮いただけたらと思います。
　　多分12月16日市長とのふれあい座談会ありますので、その辺の件も出てくるかと思いますので、しっかりと地域の要望を受け取っていただきたいと思います。
　　時間もありますので、市民からの声を２、３拾ってお伝えしたいと思います。
　　市民からの要望では、高齢者や子どもの居場所ということが挙げられてきます。ただし、今現在の状況では、地区公民館とか、そういうことが拠点となっていますので、皆さん徒歩で利用できる、そういう施設が欲しいということなんですね。子どもさんも、高齢者の方も車がない。市民バスも通らない。交通の便が、特に冬場なんかは行き来できるようなところということで、本来の目的を終えてある場所、毎日埋まっているわけではありませんので、その辺の活用なども併せてしていくと有効に活用できるのではないかと考えます。
　　あと東根にないものというので、今ペットがすごく多くなってきて、ペットが泊まれるホテルなんていうのは、すごく値段が高くてもどんどんと予約が埋まっていくという状況にあります。市民の方からは、ドッグランこれが欲しい、ドッグランがないよねという話。
　　あとスケートボードが、結構オリンピック前後して子どもたちがやっています。あちこちで、カタンカタンカタンなんて、夕方駅に行けばいろんなところで広場を利用しながら子どもたちやっています。スケートボードのできる場所というのも、とても要望の多いものであります。
　　先のスケートボードの日本選手権で、女子ストリートの上山北中の伊藤美優選手15歳がオリンピックの出場選手を抑えて初優勝いたしました。これで県内の若い人たち、スケートボードの競技人口がまた増えてくるのではないかと考えます。
　　市民の中には、若いお母さんたち、尾花沢の徳良湖の小さなところに行っている方もいらっしゃるようですけども、大森山のクロスカントリー場、整備しているのが見えるんですね。あとスケートボード場ができるのはないかと未だに思っている方がいらっしゃいます。クロスカントリーの競技人口はちょっと分からないんですけども、そこを真ん中あたりつくる。スケートボードもできるようにすれば、あそびあランドや、ポポラ、仙台圏からなんかもいっぱい活用できるんじゃないかなと考えます。
　　その辺も１つの目的だけではなくて、ある施設をいろんなことに有効活用していく。いろんな年代が使えるような施設づくりというのも今後、新たにではなくて、あるものを活用していくようにすべきではないのかと考えている次第であります。
　　盆踊りなんていうのも、コロナ禍でもうどこの地区もやっていませんけども、この風流踊というものが、ユネスコの無形文化遺産に登録される見通しとなりました。コロナ禍が落ち着けば、来年あたり地域の盆踊りやイベントの開催が相当数見込まれてきます。
　　多様なニーズに様々な年代の方もいらっしゃいますので、柔軟に対応いただいて、１つの目的だけで今までは行政財産や土地を所有してきましたけれども、いろんな用途に有効活用をしてくださるようにお願いして、私の一般質問を終わります。
　　以上です。
○髙橋光男議長　以上で、ご了承願います。

　　◎高橋弓嗣議員質問

○髙橋光男議長　次に、３番高橋弓嗣議員。
　　　〔３番　高橋弓嗣議員　登壇〕
○３番（高橋弓嗣議員）　３番高橋弓嗣です。
　　議長の指示がありましたので、通告に従い、東根市デジタル変革（ＤＸ）推進に向けた施策について質問をさせていただきます。
　　近年、企業においてデジタル変革が推進されておりますが、このデジタル変革は自治体に対しても取組が求められており、市民の方々も自治体デジタルトランスフォーメーション、ＤＸと表しますが、こういう言葉を耳にする機会が増えてきているのではないでしょうか。
　　自治体ＤＸとは、簡単に言いますと、ＩＣＴ技術などを活用し、限られた人的リソースの中でも、行政サービスを充実させ、住民の満足度を向上させる取組のことであります。
　　私は、昨年の第３回定例会でも、本市のデジタル変革推進について一般質問をさせていただいておりますが、デジタル変革の持つ意味や定義は広範囲であり、主にスタートさせたばかりのＬＩＮＥ公式アカウントや、スマホ決済について伺ったところであります。
　　また先般の第３回定例会では、同僚議員が情報セキュリティーとマイナンバーカードについて質問をしております。今回の一般質問では、本年６月に策定しました、東根市デジタル変革推進計画の基本的方向性として定めた３つの施策の展開について伺ってまいります。
　　はじめに、自治体のデジタル変革推進に向けた総務省の考え方についてお話をさせていただきます。
　　令和２年12月、政府においてデジタル社会の実現に向けた改革の基本方針が決定され、目指すべきデジタル社会のビジョンとして、デジタルの活用により、一人一人のニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会。誰一人取り残さない人にやさしいデジタル化が示されました。
　　また令和４年６月には、今年でありますけれども、デジタル社会の実現に向けた重点計画が閣議決定され、このビジョンが目指すべきデジタル社会のビジョンとして改めて位置付けられました。
　　このビジョンの実現のためには、住民に身近な行政を担う自治体、とりわけ市区町村の役割は極めて重要と言われております。自治体においては、自らが担う行政サービスについて、デジタル技術やデータを活用して住民の利便性を向上させるとともに、デジタル技術やＡＩなどの活用により、業務効率化を図り、人的資源を行政サービスのさらなる向上につなげていくことが求められております。あわせてＤＸを推進するに当たっては、住民などとその意義を共有しながら進めていくことも重要であると言っております。
　　さらには、データが価値創造の源泉であることについて認識を共有し、データの様式の統一化などを図りつつ、多様な主体によるデータの円滑な流通を促進することによってＥＢＰＭ等により、自らの行政の効率化・高度化を図るとともに、多様な主体との連携により、民間のデジタルビジネスなど新たな価値などが創出されることが期待されております。
　　また、デジタル社会の実現に向けた重点計画において掲げられた、デジタル社会の実現に向けた構造改革及びデジタル田園都市国家構想の実現は、国、自治体が歩調を合わせて取り組むデジタル社会の実現に向けた基本戦略であり、自治体においても両戦略に基づいた取組が期待をされております。
　　本市においても、令和２年度に策定した第５次東根市総合計画の主要プロジェクトにデジタル戦略推進プロジェクトを掲げ、ウィズコロナ及びアフターコロナの時代において、デジタル技術の積極的な活用が市民サービスの利便性向上や行政運営の効率化のほか、社会の様々な課題の解決に必要不可欠なものになっていき、まずは、行政自らが市民目線に立ってデジタル化を促進していく必要があると言っております。
　　このような経緯の中で、本年６月に東根市デジタル変革推進計画が策定されたわけでありますが、この計画の推進期間は、今年度から令和７年度までの４年間としております。その中の３つの推進目標、いわゆる施策についてお聞きしてまいります。
　　１つ目は、市民サービスのデジタル変革の推進についてであります。
　　この中には、行政手続のデジタル化とあります。国の自治体ＤＸ推進計画において、特に国民の利便性向上に資する手続とされた31手続に基づき、本市にも関わる子育て関係、介護関係の26手続について、オンライン化に向けた調整を進めるとともに、このほかの業務についても利用の見込みや業務への影響などを踏まえながら、市民の利便性向上や、行政の業務効率化に向け、対象の拡大を進めるとあります。そこで、現在進めている子育て関係、介護関係の26手続とはどういったものなのかお伺いいたします。
　　次に、行政デジタル変革の推進についてお伺いいたします。
　　政府は令和４年10月７日、地方自治体の情報システムを標準化・共通化する方向性を定めた地方公共団体情報システム標準化基本方針を閣議決定いたしました。令和２年９月に当時の菅義偉首相が、自治体ごとに異なる行政システムを令和７年度末までに統一するよう指示したことで始まった自治体のシステム標準化は、この閣議決定をもって期限やクラウド基盤、目標が確定したことになります。
　　これに伴い、全国約1,700の自治体が令和７年度末までにデジタル庁が整備するマルチクラウドであるガバメントクラウドを活用し、標準準拠システムに移行していかなければなりません。担当大臣によれば、平成30年度比で、システム運用経費の３割減も目指すとのことであります。
　　本市では、令和３年12月に東根市電子計算システム利用推進委員会を設置し、移行に向けた準備を進めておりますが、短い時間の中での移行は大変だと理解しておりますが、進捗やロードマップなどはどのようになっているのかお伺いをいたします。
　　続けて、地域デジタル変革の推進についてお伺いいたします。
　　地域振興や産業、観光の振興におけるデジタル化を考える上で、切り離せないのが新型コロナウイルス感染拡大であります。
　　総務省の情報通信白書には、このようなことが書かれておりました。感染症拡大防止のため、三密の回避、身体的距離の確保など、新しい生活様式に基づいた日常生活を余儀なくされており、また不要不急の外出自粛や営業時間の短縮なども求められ、生活や経済活動に大きな制約が生じた。そのような制約の中でも、非接触・非対面による活動が実現可能なデジタルを活用することで、従来とは異なる形ではあるが、感染症拡大を防止しながら以前と同様の生活、経済を維持することが可能となっている。そのため、従来から進められていたデジタル化がコロナ禍を契機に様々な場面で急速に進展している。
　　本市のデジタル変革推進計画の地域振興、産業、観光振興に向けたデジタル化の推進においても、背景には新型コロナウイルス感染症の拡大が大きく影響をしており、ウィズコロナやアフターコロナの社会に向けて、減少した交流人口や関係人口の回復、また疲弊した経済の復活が求められております。
　　これまでも本市では、様々なデジタルを利用した事業を展開されてまいりましたが、成果と今後の展望をお聞きし、登壇での質問を終わりたいと思います。
○髙橋光男議長　３番高橋弓嗣議員の質問に対し、答弁を求めます。
　　土田市長。
　　　〔土田正剛市長　登壇〕
○土田正剛市長　高橋弓嗣議員の東根市デジタル変革（ＤＸ）推進に向けた施策についてのご質問にお答えをいたします。
　　はじめに、市民サービスのデジタル変革の推進についてでありますが、子育て関係、介護関係の26手続のオンライン化は、マイナンバーカードを用いることにより市役所に出向くことなく、ワンストップで手続を行うことを可能にするものであります。
　　このうち、子育て関係には15手続があり、主なものとして、児童手当の認定請求や保育施設等の利用申込みなどがあります。また、介護関係には11手続があり、主なものして、要介護・要支援の認定申請や介護保険負担限度額の認定申請などがあります。
　　本市では既に保育施設等の利用申込みに係る２手続をオンライン化しているところであり、残りの手続についても今年度中にオンライン化を実現できるよう調整を進めているところであります。
　　次に、行政デジタル変革の推進についてでありますが、地方公共団体の自治体情報システムの標準化は、デジタル活用により行政サービスのさらなる向上を目指す自治体デジタルトランスフォーメーション推進計画において、重点取組事項としております。
　　これは、令和７年度までに標準準拠システムへの移行を目指すものであり、本市におきましては、令和３年７月に総務省から示された自治体情報システムの標準化、共通化に係る手順書に沿って計画的に進めております。
　　現在は計画立案の段階で、基幹系業務システムの委託業者とともに、現行システムの概要調査及び標準仕様書との比較分析を行っており、その結果等に基づき移行計画を令和５年度末までに策定する予定であります。計画策定に当たっては、標準化対象業務である住民記録や税務システムをはじめ、関連する標準化対象外業務の見直しも同時に行う必要があるため、業務全体の見直しを図る大がかりな取組となります。
　　移行の目標年度が令和７年度までと短期間であることや、現時点でも不確定な要素が多い中ではありますが、標準化へ切替え後、業務がこれまでどおり安定して運用できることを第一目標に今後も慎重かつ計画的に推進してまいります。
　　次に、地域デジタル変革の推進についてでありますが、コロナ禍において本市では、市内事業者が経済活動を持続できるよう、インターネット販売やキャッシュレス決済の導入、テレワークの実施に向けた環境整備などに対する支援を行ってまいりました。また、グルメクーポンやプレミアム商品券では、スマートフォンアプリを導入するなど、デジタル技術を活用した事業を展開してきたところであります。
　　これらの取組により、地域経済におけるデジタル環境の整備が進むとともに、市民のデジタル技術に触れる機会が増えることで、地域のデジタル化の進展に寄与しているものと捉えております。今後も市民生活における質と利便性を向上させることを目的に、各種施策に取り組むに当たっては、デジタル技術を活用して推進してまいります。
　　またこうした取組と併せて、地域の未来を担う人材の育成や、デジタル機器に不慣れな方に対する支援などにも努めながら、地域デジタル変革を推進してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○髙橋光男議長　３番高橋弓嗣議員。
○３番（高橋弓嗣議員）　土田市長、ご答弁ありがとうございました。
　　続けて、質問席より質問を続けてまいります。
　　まず市民サービスデジタル変革についてお聞きいたします。
　　東根市デジタル変革推進計画には、東根市の現状と課題として、行政手続のオンライン化を取り上げております。
　　令和２年２月より、市民サービスの変化に対応すべく、証明書等が遠隔で取得できるコンビニ交付等を実施しているわけですが、本年であります令和４年３月時点でのオンライン申請が可能な行政手続は、マイナポータル、やまがたｅ申請、ＳＮＳを利用した３件となっております。また、来庁予約や様式のダウンロードのみの手続数は21件であります。
　　これからＤＸを進める中で、この数字が多いのか少ないのかは別としまして、今後の展開に大きな期待がかかるところであります。国では、ほとんどの国民がマイナンバーカードを保有しているということを前提とした取組が進められており、本市でもマイナンバーカードの利活用を含めた取組を進めていくとあります。現段階での行政手続について、マイナンバーカードを使った手続に限らず、今後のオンライン手続など、計画や構想がありましたら教えていただきたいと思います。
○髙橋光男議長　石垣総務部長。
○石垣有一総務部長　お答えいたします。
　　各種行政手続のオンライン化につきましては、市長答弁にもありましたとおり、第一には子育て関係、介護関係の26手続のオンライン化を進めているところであります。
　　これは、国のマイナポータルと関連づけた電子申請サービスの、ぴったりサービスを利用したものでありますが、本市においては今年度、このサービスを利用して消防関係の手続のオンライン化も実施する予定でございます。
　　また昨年度からは、市職員採用試験の受験申込みに、やまがたｅ申請を活用しておりまして、今年度においては、新型コロナワクチンの接種券申請や、「市の魚」制定記念講演会への申込みなどに活用したところでございます。
　　さらには、行政手続における押印の廃止に伴いまして、補助事業などにおいて、電子メールで申請書類を提出される場面なども増えてきている状況でございます。
　　今後も、市民目線で行政手続の見直しを図りながら、市民生活の利便性の向上につながりますよう、先進自治体の取組などを参考にしてオンライン化をさらに進めてまいりたいと考えております。
○髙橋光男議長　３番高橋弓嗣議員。
○３番（高橋弓嗣議員）　了解いたしました。
　　マイナポータルですが、子育てや介護など、行政手続の検索、オンラインでの申請などワンストップのサービスが提供できるのが売りであります。また、一部の機能利用にはマイナンバーカードが必要ではありますが、行政機関などが保有する自分の情報を確認することや、行政機関からのお知らせなどの内容を確認することができますので、本市においても今後広く市民に周知していく必要があるかと思いますので、よろしくお願いいたします。
　　また、私もこの夏、「市の魚」制定記念講演会の申込みをやまがたｅ申請を使ってしたところであります。やり方を理解できれば大変簡単でスムーズに手続ができると感じたところであります。
　　それと、先般実施されました燃料費高騰対策等事業継続支援金や、現在申請受付をしている物価等高騰対策支援金についても、ホームページの申請フォームから申請することができ、市民の方々から便利だとの声が届いております。
　　やまがたｅ申請は、インターネットに接続できるパソコンやスマホなどを使って、山形県や県内市町村への申請、届出、公共施設の予約ができるサービスです。本市においては、市民体育館、中央運動公園、大森緑地公園、大森山公園、タントクルセンターの空き状況が確認でき、予約に関しては、令和５年４月入所の保育所など、申請窓口の予約が可能となっております。
　　今後はこうしたサービスが拡充なされ、ほかの施設でも可能となれば自宅や会社から施設の空き状況や予約など、利用を考えている市民にとっては大変便利なものになると思うのですが、計画はないのでしょうか。
○髙橋光男議長　石垣総務部長。
○石垣有一総務部長　議員のお話にもありましたとおり、公共施設の空き状況の確認及び予約のオンライン化が進展すれば、市民の利便性の向上だけでなく、行政事務の効率化にもつながる可能性があるものと考えております。このうち、空き状況の確認につきましては、実施していない施設も一部ありますことから、対応施設の拡大に向け、今後施設の担当部署、部門と協議を進めてまいりたいと考えております。
　　また、予約のオンライン化に当たりましては、使用料の支払い方法や、減免の確認方法の検討などのほか、抜本的なシステム改修などが必要になるなどの課題もございます。いずれにいたしましても、市民の利便性の向上と行政事務の効率化の視点をもちまして、他市の状況等を参考にしながら、今後研究を進めてまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。
○髙橋光男議長　３番高橋弓嗣議員。
○３番（高橋弓嗣議員）　ご答弁ありがとうございました。
　　市内の様々な施設において、空き情報が確認できることに併せて、予約までできますと大変ありがたいという声が市民から寄せられております。例えば、コロナ禍において、感染防止の観点から、スポーツ少年団などが急遽使用しなくなった体育施設が誰も使用しないで空いている状況などはもったいないという声があるのです。
　　また、各地区の公民館などは、職員の勤務時間外での予約などもできれば、利便性がとても向上するのではないでしょうか。昼休みなどに電話で施設利用を予約しようとしても、電話回線が１回線しかないものですから、話し中だったりする場合もあります。
　　ただ今石垣部長からご答弁ありましたが、公共施設の予約に関しては、使用料の支払い方法や減免措置などについて、利用者に確認をしなければならないことがたくさんございますので、課題は多いものと捉えております。ぜひ積極的な研究を重ねていってほしいと思っております。
　　あわせて、各公民館の空き状況を確認する上でも、ホームページなどがあると便利だなと思っております。ほかにも、公民館便りのバックナンバーであったり、各種講座の受付可否状況などを見ることができれば、これも便利なのではないかということなので、ご検討をお願いしたいと思います。
　　それでは、庁舎内の無料Ｗｉ－Ｆｉ環境についてお聞きをいたします。先般行われました第３回定例会の追加議案の補正予算において、情報管理事業が承認、可決されております。これは公衆無線ＬＡＮの整備を行うものでありますが、現在の進捗状況を教えていただきたいと思います。
○髙橋光男議長　石垣総務部長。
○石垣有一総務部長　現在進めております、公衆無線ＬＡＮ整備につきましては、通信速度やつながりやすさを向上させた最新のＷｉ－Ｆｉ規格によりまして、庁舎１階から５階までのネットワーク環境を整備するといった内容となっております。
　　進捗状況についてですが、工事の受注業者が決まりまして、現在関係機材を手配中であります。工事完了は今年度末を予定しているところでございます。これまでは、状況によっては通信速度が遅くなるなど、不安定な要素もございましたが、利用開始となります令和５年度当初以降につきましては、快適なネットワーク環境が整うことになるものと考えておりますので、ご理解をよろしくお願いします。
○髙橋光男議長　３番高橋弓嗣議員。
○３番（高橋弓嗣議員）　ありがとうございます。
　　庁舎内の公衆無線ＬＡＮについては、つながりにくく、不便さを感じておりました。市民の方が、庁舎内でどれだけ利用されるのかは分かりませんが、ネットワーク環境が改善されることは大変よいことだと思っております。今後はこのような環境下であれば、スマホ教室なども開催できるのではと期待をするところであります。
　　次に、行政デジタル変革についてお伺いいたします。本市の情報システムの標準化についての流れは、市長からご答弁いただきましたが、地方自治体の情報システムを標準化・共通化する方向性を定めた地方公共団体情報システム標準化基本方針では、国が推奨するガバメントクラウドの利用を第一に検討すべきだとした一方で、ガバメントクラウド以外のクラウド環境も条件を満たせば国の補助金の対象になるとしております。本市の方向性はどのようになっているのでしょうか。
○髙橋光男議長　石垣総務部長。
○石垣有一総務部長　標準化準拠システムを利用する環境につきましては、政府情報システムのためのセキュリティー評価制度、こちらに基づいたガバメントクラウドを第一優先として検討を進めているところでございます。
　　ガバメントクラウド以外のクラウドを利用する場合につきましては、性能面や財政面などを比較して総合的に判断することとされております。しかしながら、現時点では、ガバメントクラウド以外で認められるクラウド環境の詳細な要件が不透明でありますことから、今後、国やシステム開発事業者などから提供されますその情報を確認しながら、どちらのクラウドを選定するか、総合的な判断に基づき、慎重に検討してまいりたいと考えております。
○髙橋光男議長　３番高橋弓嗣議員。
○３番（高橋弓嗣議員）　ガバメントクラウドは国の全ての行政機関や地方自治体が共同で行政システムをクラウドサービスとして利用できるようにしたＩＴ基盤ですので、本市でもそれを第一優先として検討していくことは、今後のＤＸを考える上で大変よいことであると思っております。
　　ガバメントクラウドは、サーバーを庁舎内に設置する必要がないため、設置に伴う様々な関連するコストを省くことができますし、これまでのように自前でサーバーなどのハードウエアやＯＳ、アプリケーションなどのソフトウエアを所有する必要もなくなりますので、インフラコストの削減が期待されます。期限である令和７年末までにスムーズなシステム移行をよろしくお願いいたします。
　　次に、デジタル人材の育成についてお伺いをいたします。
　　ＤＸを進めていくためには、デジタルにおける専門の人材を確保、育成していかなければなりません。そのために、東根市デジタル変革推進計画では、職員の幅広い知識の習得や、デジタルリテラシーの向上を図っていくとあります。
　　私は思うのですが、ＤＸを進める上で、セキュリティーなどのデジタル化の負の課題なども出てまいります。デジタルの知識や技術ももちろん大切なのですが、デジタルリテラシー力はとても重要だと思っております。
　　クラウドサービスを使っている場合には、適切に利用しないと情報漏えいをはじめとしたネットトラブルが起きてしまう懸念もあります。また、デジタルリテラシーが低いと操作方法を理解しないままツールを使ってしまい、データの外部漏えいや情報の紛失、消失リスクが高まります。こうしたことがないようにデジタルの知識に併せ、デジタルリテラシーの向上を図っていく研修などを行うのだと思いますが、どのように進めていくのかお伺いしたいと思います。
○髙橋光男議長　石垣総務部長。
○石垣有一総務部長　市職員のデジタルリテラシーの向上を図る研修につきましては、今年度は業務に直接活用できます、やまがたｅ申請の利用方法や、ＡＩ－ＯＣＲの使い方を学ぶ研修を実施してまいりました。
　　また、日本情報通信株式会社からの協力を得ながら、９月から職員向けの庁内報を発刊し、セキュリティー対策をはじめとする基本的な知識などの情報を発信しているところでございます。
　　さらには、リスクに対する意識については、デジタルの有無にかかわらず、大変重要なことと考えておりますが、市では従来から定期的にリスクマネジメント研修を実施しているところでございます。
　　今後もこうした研修や取組を実施していく考えではございますが、その中において、議員のお話にもありましたとおり、デジタル化の推進に伴い高まってくる様々なリスク管理に対します意識醸成を重視しながら、デジタルリテラシーの向上を図ってまいりたいと考えております。
○髙橋光男議長　３番高橋弓嗣議員。
○３番（高橋弓嗣議員）　自治体としてのリスクマネジメント研修を定期的に行っているということですが、市民にとってとても心強く感じるところであります。現在はそれにプラスしてデジタルへの対応もしなくてはなりませんので、大変だとは思うのですが、市民の安心・安全を守るためにさらなるリスク管理をよろしくお願いいたします。
　　次に、地域デジタル化の推進についてお伺いいたします。
　　先ほど登壇で市長よりご答弁をいただきましたが、これまで本市においても様々なデジタルを利用した事業を展開してまいりました。アプリを使ったクーポン事業などは、市民の方々から大変好評をいただいており、私自身もそうした声をたくさん耳にしているところであります。
　　ただ今後は、国のデジタル田園都市国家構想も視野に入れて、地方の課題を解決しつつ、地域振興や産業、観光振興に向けたデジタル化の推進をしていかなければならないと考えております。
　　このデジタル田園都市国家構想は、地域の豊かさをそのままに、都市と同じまたは違った利便性と魅力を備えた魅力あふれる新たな地域づくりを目指すものであり、具体的には、暮らしや産業などの領域でデジタルの力で新たなサービスや共助のビジネスモデルを生み出しながら、デジタルの恩恵を地域に届けていくというものであります。
　　東根市デジタル変革推進計画には、地域デジタル変革の推進として、デジタル技術を活用した多様な主体による取組への支援や、官民共同の取組を推進することでデジタル化による地域産業、観光の振興を目指すとあり、また全ての市民がＤＸの恩恵を受けることができ、安心して生活ができるように市民目線に立ったＤＸを目指すと言っております。
　　そこでお聞きいたしますが、本市において、デジタル田園都市国家構想における今後の取組や事業展開などについて、どのように考えているのかお伺いしたいと思います。
○髙橋光男議長　石垣総務部長。
○石垣有一総務部長　先進自治体におきましては、既にデジタル技術を活用いたしまして、地域課題を解決する、または改善するなどの前例を用いながら様々な取組が行われているものと認識しております。
　　今後本市といたしましては、こうした取組の中で成果を上げておりますところを参考としながら、本市における地域課題の解決、または改善に適した手法を分析、そして検討した上で、適宜取り入れてまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
○髙橋光男議長　３番高橋弓嗣議員。
○３番（高橋弓嗣議員）　デジタル田園都市国家構想において、地方の課題を解決するためのデジタル実装では、交通、農業、産業、医療、教育、防災などと様々な分野についてデジタルを活用し、効果的な取組を支援しております。この構想の予算も大変大きなものであり、本市でもぜひこの交付金を活用して地域課題の解決や交流、関係人口の拡大につなげ、スマート自治体東根市として、さらなる発展を目指してはいかがでしょうか。今後も引き続き、調査、研究をよろしくお願いいたします。
　　また、例えばですが、いきなりスマート自治体を目指すというのも無理がありますので、その入り口として、市役所ロビーや駅舎などにサイネージディスプレーを置いて、タッチパネルなどで本市の案内や情報を見ることができるだけでも面白いと思っております。最近は飲食店でも、ロボットが注文をした品物を持ってくる時代で、こうした機械化の背景にもデジタル化の進展が影響しており、これも市民にとって分かりやすいデジタル化だと思っております。
　　さて、質問をまとめたいと思いますが、今申し上げましたように、東根市デジタル変革推進計画を進めるためには、市民にとってデジタルが身近でなければなりません。そして、市民意識の高揚が、何よりも大切であります。
　　社会のデジタル化と高齢化が急速かつ同時に進む日本社会において、誰一人取り残さないデジタル化を目指していくには、シニア世代などのデジタル弱者と言われる方々にとって、格差のない社会をつくることが重要であります。
　　この格差解消の糸口は、デジタルへの接触経験の多岐が、デジタルに対する受容性に大きく影響するということではないでしょうか。
　　今後、デジタルの社会定着を図るために、デジタルへの接触機会を増やし、その価値を実感できるような取組を積極的に展開し、全ての市民がデジタルの恩恵を受けられる機会をつくることが大切だと思っております。
　　昨日の地元新聞社の記事に、高齢者のスマホデビュー支援という記事が掲載されておりました。高齢者が初めてスマホを購入する際に、費用を補助する自治体が増えているという記事であります。
　　補助によってスマホデビューした高齢者には、自治体の交流サイトや防災メールなどを登録してもらうというのが条件となっているような形でありました。ただ利用者の拡大にどれだけ効果があるのか分からないという課題も多いようでありました。
　　それでも自治体が、日々このようなアプローチをし続けることは大切なことなのではないでしょうか。
　　デジタルとアナログが混在する現在は、その両方に対応しなければならず、職員の負担も大きなものであるということは十分に理解をしておりますが、令和７年度までの計画となりますが、東根市デジタル変革推進計画に基づきまして、市民がデジタルを安心・安全に利用できる環境を整えながら、着実に進めていくことをお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
　　ありがとうございました。
○髙橋光男議長　以上でご了承願います。
　　会議の途中ですが、ここで議場内の換気のため、午前11時15分まで休憩をします。

　　　午前１１時０５分　休　憩

　　　午前１１時１５分　開　議

○髙橋光男議長　休憩前に引き続き、会議を開きます。
　　市政一般に対する質問を続けます。

　　◎滝口公一議員質問

○髙橋光男議長　４番滝口公一議員。
　　　〔４番　滝口公一議員　登壇〕
○４番（滝口公一議員）　議席番号４番滝口公一です。
　　通告に基づきまして、本市における環境問題に対する取組と方向性について、一般質問いたします。
　　ＳＤＧｓの思想とは対極にある、ロシアによるウクライナ侵攻という戦争が続く中、先月、エジプトで国連気候変動枠組条約の締約国による27回目の会議、いわゆるＣＯＰ27が開催されました。
　　成果となるべき新たな数値的目標はなく、特に温室効果ガス排出量削減への一層の努力の必要性、及び化石燃料からの脱却について進展が見られませんでした。ＣＯＰ27は、気候危機の深刻度に見合った結果を打ち出すことができなかったようです。
　　日本政府代表団の結果概要によると、気候変動対策の各分野における取組の強化を求めるＣＯＰ27全体決定のシャルム・エル・シェイク実施計画及び気候変動によって、防ぎようがないほど大きく損害を受ける、特に脆弱な途上国向けの資金支援のファンド設立などを発表し、閉会となりました。ＣＯＰで決められた合意は国際的な取組として実行され、国や企業、個人の活動指針となります。
　　国内に目を向けると、ゼロカーボンシティ宣言を表明している自治体は、11月30日時点で43都道府県を含む804自治体と急激に増えています。
　　本市は、令和２年１月に山形県内でいち早くゼロカーボンシティ宣言を行い、環境問題に率先して取り組む姿勢を表明しました。昨年11月には、フォーラム東根を会場に、啓発事業として、環境シンポジウムｉｎひがしねが開催され、また最近では、環境ＩＳＯのポスターが小中学校と連携した取組として、先週まで庁舎１階ロビーに展示されていました。
　　脱炭素化へ向けて確実に信頼性のある取組が求められています。環境問題に対する取組が、今どのような状況にあるのか、そしてゼロカーボンシティを目指す市長のお考えになるこれからの方向性をお聞きしたいと思います。
　　また、それらを後押しする各種支援制度の利用状況を伺いまして、登壇での質問を終わります。
○髙橋光男議長　４番滝口公一議員の質問に対し、答弁を求めます。
　　土田市長。
　　　〔土田正剛市長　登壇〕
○土田正剛市長　滝口公一議員の環境問題に対する取組と方向性についてのご質問にお答えをいたします。
　　はじめに、ゼロカーボンシティ宣言をした本市の取組状況についてであります。
　　今年度は、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、温室効果ガス排出量の削減施策等を定める東根市地球温暖化対策実行計画（区域施策編）の策定を進めているところであります。
　　この計画では、家庭部門や産業部門などの部門別の温室効果ガスの削減目標や、その取組を定めることとし、市民、事業者からのアンケート結果を基に、技術的に可能で現実的な省エネルギー対策を掲げる予定としております。さらには、再生可能エネルギーの導入や、活用に向けた方策、新たなエネルギー利用の可能性の検討などを記載することとしており、化石燃料主体の炭素社会から、再生可能エネルギー中心の持続可能な脱炭素社会への転換を図るための計画となる予定であります。
　　ほかにも、第４次東根市地球温暖化対策実行計画（事務事業編）の策定、環境保全全般に関した第３次東根市環境基本計画も策定中であります。これらの計画の実行により、脱炭素社会の構築、地球温暖化防止に向け、危機感や課題意識を市民、事業者と共有し、あらゆる施策を総動員してゼロカーボンシティの実現を目指してまいります。
　　次に、各種支援制度の利用状況についてであります。
　　これまで取り組んできた住宅用太陽光発電システム設置補助に加え、今年度から新たに省エネ住宅普及促進補助を活用いただいております。
　　さらには、本市の温室効果ガスの排出量は、製造業などの産業部門が本市全体の約６割であることから、今年度は、カーボンリサイクル事業として、１社に対し、メタネーション技術の実証実験に向けた可能性調査費用について補助を行っております。
　　今後、実証実験の実現性、その効果を検証していくことになりますが、このような先駆的な取組が１つの大きなきっかけとなり、市全域での脱炭素社会への実現に向けて着実に進んでいくことを期待するものでありますので、ご理解をお願いいたします。
○髙橋光男議長　４番滝口公一議員。
○４番（滝口公一議員）　質問席から続けます。
　　本市の取組状況については、今年度中に市民、事業者からのアンケート調査を参考にした東根市地球温暖化対策実行計画（区域施策編）をはじめとして、第４次の同事務事業編、第３次東根市環境基本計画を策定中とのことですが、公共事業を含むあらゆる分野に気候変動の緩和と適用の観点を組み込み、より実効性のある施策となるよう、強くお願いするところです。
　　各種支援制度については、今年度新設された省エネ住宅普及促進事業費補助金の紹介がありましたが、こちらは県の支援制度、山形健康住宅補助金と併せてとなりますので、資材が高騰してマイホーム建築をちゅうちょされている方の一助になるのではないでしょうか。
　　ただ、気になるところがありまして、県の山形健康住宅の募集期間が今年の７月29日から12月28日まで、５か月間。募集戸数が先着順で35戸に対し、11月11日の時点で受付件数が６件しかない点です。全県下でこの６件という数字はさすがに少ないのではないでしょうか。
　　県の申請認定証をもって市の認定証としているため、県の査定をクリアしなければ市の補助金制度も使えないわけです。せっかく準備した支援制度ですから、県と情報を共有して制度の周知や手続の流れに問題はなかったのか検証していただき、一時的な制度で終わることのないよう、引き続きお願いいたします。
　　もう一つの新設された事業者向けのカーボンリサイクル事業ですが、メタネーション技術の実験に向けた調査費用への補助と伺いました。メタネーションとは、水素と二酸化炭素からメタンを人工的に合成する技術のことで、工場などから排出された二酸化炭素と再生可能エネルギー由来の電力によってつくられた水素により生成されたメタンを合成メタン、カーボンニュートラルメタンと呼びます。
　　この合成メタンを燃やしたとき、放出される二酸化炭素は、精製されたときに取り込んだものと同量なので、プラスマイナスゼロというわけです。付け加えますが、燃料に使われる天然ガスの主成分、これは主にメタンです。メタンガスとも言われます。
　　このように、世界でも注目されている先端技術の実証実験に向けた調査が市内の事業者でも進められていることに期待しつつ注視していきたいと思います。
　　次に、行政からどう伝え、どう広げていくのかお聞きします。
　　行政が声高に環境問題を叫んでもその中身を知っていただかないと広がりに欠けるのではないでしょうか。そのためには、市民、事業者、そして地域との連携が不可欠だと思いますが、具体的にどのようなことを想定しているのか伺います。
○髙橋光男議長　岡田市民生活部長。
○岡田光弘市民生活部長　お答えいたします。
　　地球温暖化対策につきましては、事業者をはじめ、市民の皆様とその危機意識、実行方法などを共有することが極めて重要であると考えております。
　　したがいまして、現在策定中の地球温暖化対策実行計画（区域施策編）など、環境関係の各計画策定後は、これまで以上に広く深く計画内容をご理解いただく機会、あるいは計画の進捗を確認する機会を設けなければならないと考えております。
　　例えばでありますが、これまで実施している普及啓発事業に加えまして、脱炭素に向けた各団体の取組事例を発信、発表することで広めていくことも有効と考えております。
　　また計画に基づきまして、特に意識の変化、行動の変容だけですぐに取り組むことができる省エネ活動や、再生可能エネルギーを活用する「創エネルギー」の必要性などを紹介するセミナーなどのイベントなどの開催も考えられます。
　　市民、事業者、行政が一丸となって脱炭素社会に向けた市民運動に発展するよう、引き続きこれらの取組について検討してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○髙橋光男議長　４番滝口公一議員。
○４番（滝口公一議員）　ご答弁ありがとうございます。
　　先に市長から伺った幾つかの実行計画の策定後に理解を深めてもらう機会をはじめ、発表会、イベント、セミナーなどの開催を模索中であると理解しました。家庭や学校、事業者、各種団体など市全体に統一感のある取組に期待したいと思います。
　　次の質問を続けます。
　　近年日本各地の自治体で脱炭素化への意識の高まりとともに、ＥＶバス、電動バス、電気バスとも呼ばれますが、ＥＶバスの導入という話を耳にするようになりました。
　　公共交通機関の脱炭素化は、いずれ当たり前のことになるでしょう。市民バスとしての公共性という点でも大きく目立つものなので、環境問題の取組を市民に認識してもらえる分かりやすい例なのではないでしょうか。
　　昨年10月に発生した市民バスへのトラック追突事故で、タントくん号が廃車となり、市所有の定期路線バスは、現在青いタントくん号１台のみとなっています。市民バスのＥＶ化に向けた考えと、代替車両の予定を伺います。
○髙橋光男議長　岡田市民生活部長。
○岡田光弘市民生活部長　お答えいたします。
　　市民バスの電動化、ＥＶ化は、温室効果ガスの削減を目指す上で大変意義のあることであります。したがいまして、早急に導入したいところではありますが、本市所有の現在のバスと同程度の国産のＥＶバスについては、航続距離が極端に短い上、価格も高価格、さらには現在諸般の事情によりまして、販売中止など、調達困難な状況が続いております。
　　また、本市の特性としまして、路線によりましてはもう少し小型のバスの導入も視野に入れて検討したいと考えておりまして、これらを含めまして、総合的に今後の課題と捉えておりますので、ご理解をお願いいたします。
○髙橋光男議長　４番滝口公一議員。
○４番（滝口公一議員）　ＥＶバスの導入については、なかなか難しいものがあると理解しました。導入の先行事例などを見ますと、やはり中国製の車両が多かったため、様々な問題が出てきていたようです。
　　最新の車両は、航続距離が200km程度と大分伸びているようですが、充電設備のイニシャル費用の高さや、充電時間などを考慮すると、自治体単体での導入は、ハードルが高いようです。
　　今後、バス事業者との官民共同で先駆的な事業計画にするなどした場合、地方創生推進交付金の申請も視野に入れて検討の余地を残していただきたいと思います。
　　小型のバスの導入についても説明がありましたが、ハイブリッド、プラグインハイブリッドなど、少しでも環境負荷の少ない方式を考慮した検討もお願いいたします。
　　最後の質問となりますが、昨年度から創設された、みらい環境創造基金の今後の活用方法について伺います。
○髙橋光男議長　岡田市民生活部長。
○岡田光弘市民生活部長　お答えいたします。
　　この基金につきましては、本市がいち早くゼロカーボン宣言を行ったことに共感をいただきました企業様の寄附金を原資に、地球温暖化の防止を目的に創設した基金であります。この趣旨に沿うよう、昨年度はひがしねこども園の壁面緑化に使わせていただきました。
　　今後でありますけれども、クロスカントリーコースに植樹を行うことで、温室効果ガスの吸収減に活用することなども検討しているところであります。今後も引き続き、温暖化防止につながる有効な事業施策に活用させていただきたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
○髙橋光男議長　４番滝口公一議員。
○４番（滝口公一議員）　来年度に完成するクロスカントリーコースへの植樹に充当する旨、承知しました。
　　森林は光合成により二酸化炭素、ＣＯ２を吸収しますが、ただ植林しただけでは温暖化防止に貢献する森林にはならないそうです。人が手を加え、健全にＣＯ２が吸収できるよう管理しなければならないのです。
　　京都議定書でＣＯ２を吸収したと認められるのは天然林ではなくて、人の手で育てられている人工林、つまり適切な整備がなされている森林です。本市でも森林計画管理事業が予算化されていますが、温暖化対策としてもとても重要なことですので、こちらの取組についてもよろしくお願いしたいと思います。
　　ただ今のご説明に、ひがしねこども園の壁面緑化の話がありました。当初は施設の設計にはなかったゼブレディの仕様に変更するなど、その柔軟な対応に感謝しております。
　　今、新しい技術により環境に配慮した建築資材なども出ておりまして、二酸化炭素吸収コンクリートなどは試してみる価値があるのではないでしょうか。
　　９月にオープンした西部防災センターは、避難所としても利用されますが、公共施設の低炭素化や、エネルギーの自給という点でまだやれることがあるのではないかと感じております。例えば、災害時の停電に備えた準備として再生可能エネルギーである太陽光発電システムと蓄電池を組み合わせたシステム設置など、これはあのぐらいの広さですから、かなり有効な防災手段になるのかなと考えております。そこら辺の検討もまたお願いしたいと思います。
　　世界では、先進国が予定している温室効果ガスの計画削減量を全て合わせても気温上昇1.5度をクリアできないことが既に分かっております。
　　大きなイノベーションを期待するしかないという状況なのではありますが、本市は、環境ISO14001事業を長年にわたり推進しており、一朝一夕で成し得ることではありません。継続は力なりと言いますように、その姿勢には一貫性があり、本市のイメージアップにも貢献しており、大きな財産とも言えるのではないでしょうか。
　　今後とも、環境問題に対して、情報発信をはじめとする周知、特に公用車へのラッピングによるアピール、こちら県の公用車でもやっておりますけれども、ゼロカーボンやまがた2050であるとか、カーボンニュートラルやまがた、こちらのロゴマークがさくらんぼ二粒を利用した、かなりかわいらしいマークなんですね。ぜひこちらの方、東根市でも使わせていただけないものか、こちらも確認していただいて、東根と言えばさくらんぼ、こちらもイメージしていただけるような、そういった情報発信をはじめとする周知、そこら辺の歩みを止めることなく取り組んでくださるようお願いして、私の質問を終わりたいと思います。
　　ありがとうございます。
○髙橋光男議長　以上で、ご了承願います。

　　◎東海林克彦議員質問

○髙橋光男議長　次に、６番東海林克彦議員。
　　　〔６番　東海林克彦議員　登壇〕
○６番（東海林克彦議員）　６番東海林克彦です。通告に従い、２つの項目について、一般質問を行います。
　　１項目め、東根市公営住宅等長寿命化計画の進捗についてお伺いします。
　　本市公営住宅等長寿命化計画は、老朽化した木造住宅の更新や、鉄筋コンクリート造りの住宅の長寿命化を図るべく、住生活基本法や、山形県住生活基本計画などを踏まえ、平成26年３月に策定されております。
　　はじめに、本計画の期間は平成26年度から10年間と定められており、中間年次に内容の見直しを行っておりますが、いよいよ来年度で計画最終年次を迎えます。これまでの計画の取組の進捗状況はどのようになっているのかをお伺いします。
　　次に、既に耐用年数を超えて供用されている木造や簡易耐火構造の市営住宅は建て替えと判断され、住民の退去があった場合は新たな入居募集を行わず、政策空き家として順次解体を進め、現在の団地とは別の場所に建て替えを行うこととしております。団地によっては耐用年数の２倍を超えて使用されている住宅もあり、１日も早い対応が望まれております。
　　それでは、耐用年数を超えた木造住宅はいつまで供用を続けていくのかお伺いします。
　　次に、本長寿命化計画は、令和５年度が計画最終年次となっておりますが、現在の木造住宅等の入居状況から、令和６年度以降も使用が続くと思われますが、計画に基づく建て替えの検討も必要かと考えられます。令和６年度以降の管理計画等について、どのようになるのかお伺いいたします。
　　２項目め、高速道路開通における東根インターチェンジ及び東根北インターチェンジへのアクセス道路の渋滞対策についてお聞きします。
　　本年10月29日、東北中央自動車道の東根北インターチェンジから、村山本飯田インターチェンジ間8.9kmが開通いたしました。本区間は、これまで東根インターチェンジで途切れていた高速道路が、高速道路株式会社によらず、国が直接整備を行う新直轄方式として、平成18年より東根尾花沢間23kmが工事着手されたものであります。着手以来、16年の歳月と総事業費888億円を要しましたが、完成した部分から段階的に順次供用を開始し、今回全線開通となったものです。
　　東北中央自動車道全体としては、福島県相馬市を起点とし、山形県内陸部を縦断し、秋田県横手市で秋田自動車道に連結する全長268kmの高速道路で、今回の開通により全体の供用率は86％となり、高速道路の持つ効果がますます発揮されるようになります。残る区間の一日も早い完成を望むものであります。
　　さて、今回、東根インターチェンジ以北が新庄まで高速料金がかからない無料区間として供用され、東京から一続きとなり、利用者の利便性が格段に向上したわけですが、有料区間と無料区間の境界であり、横軸との結節点でもある東根インターチェンジや、１つ先の東根北インターチェンジでは、一般道である国道や県道及び市道にも流入、流出する多くの車両で渋滞が発生することが見込まれます。国、県による対策が進められているとのことですが、本市の対応はどのように進められているのでしょうか。
　　以上をお尋ねして、登壇での質問といたします。
○髙橋光男議長　６番東海林克彦議員の質問に対し、答弁を求めます。
　　土田市長。
　　　〔土田正剛市長　登壇〕
○土田正剛市長　東海林克彦議員のご質問にお答えをいたします。
　　はじめに、東根市公営住宅等長寿命化計画の進捗についてであります。
　　平成25年度に策定いたしました、東根市公営住宅等長寿命化計画では、市営住宅を団地別に長寿命化を図り、修繕、改善する団地、用途廃止する団地、建て替えしていく団地に整理し、市営住宅の管理戸数及び建て替え戸数等を定めております。
　　また、中間年次となる令和元年度には、令和５年度における管理戸数を220戸から199戸に、建て替え戸数を112戸から91戸に見直ししている状況であります。
　　現在の進捗状況につきましては、この計画に基づき、平成29年から令和３年にかけて、鉄筋コンクリート造りの並松団地２棟及び神町南団地３棟について、屋根や外壁、給排水管等の改修工事を実施し、住宅の長寿命化とライフサイクルコストの縮減を図っているところであります。
　　また、用途廃止予定の西楯、若木、羽入及び並松団地の木造住宅につきましては、新たな入居者を募集しない政策空き家として、これまで69戸の解体を行っております。今後も毎年度予算の範囲内で解体を進めてまいります。なお、建て替えにつきましては、次期計画の見直し時に、再検討することとしており、これまで実施しておりません。
　　次に、建て替えと判定されている木造家屋の供用についてでありますが、木造家屋は老朽化が著しく、恒常的に修繕が必要な状況となっており、住民の退去があった場合には、政策空き家としております。また、入居している方々につきましては、鉄筋コンクリート造りの市営住宅への入居を呼びかけているところであります。
　　次に、令和６年度以降の計画についてでありますが、現計画が令和５年度までとなっておりますので、来年度に次期計画を策定する予定としております。策定に当たっては、今後の人口の推移、年齢層による所得変化など、様々な状況の変化に鑑み、中長期的な住宅事情や財政状況を考慮しながら検討してまいります。
　　次に、東北中央自動車道の開通におけるアクセス道路の渋滞対策についてのご質問にお答えをいたします。
　　東根インターチェンジ及び東根北インターチェンジに接続する道路につきましては、東根市都市計画マスタープランや、東根市重要事業要望に掲げ、混雑解消と連結するアクセス道路の整備を図ることとしております。
　　その対象として、一般国道287号の４車線化、主要地方道山形天童線の整備、県道長瀞野田線のバイパス化、都市計画道路宮崎西道線延伸について、山形県に対して要望しております。
　　現時点における整備状況につきましては、高速道路の開通に合わせて、一般国道287号の交差点対策と４車線化に向けた測量、設計、大富中学校前の歩行者安全確保対策のほか、主要地方道山形天童線の測量等が実施されており、事業が進んでいる状況にあります。
　　一方、県道長瀞野田線バイパス化及び都市計画道路宮崎西道線延伸のアクセス道路につきましては、高速道路が開通直後で今後の交通量の把握や橋梁整備等の課題もあることから、未整備路線となっております。
　　本市といたしましては、引き続き整備促進について積極的に働きかけを行うとともに、未整備路線につきましては、県と連携し、事業化に向けて調査、研究してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○髙橋光男議長　会議の途中ですが、ここで午後１時まで休憩をします。

　　　午前１１時５３分　休　憩

　　　午後　１時００分　開　議

○髙橋光男議長　午前に引き続き、会議を開きます。
　　市政一般に対する質問を続けます。
　　６番東海林克彦議員。
○６番（東海林克彦議員）　ご答弁ありがとうございました。
　　午前中に引き続き、質問席から続けさせていただきます。
　　公営住宅等長寿命化計画についてです。
　　鉄筋コンクリート造りの５棟については、長寿命化改修が完了したこと、これまで69戸の政策空き家の解体が行われたことを了解いたしました。
　　それでは、現在供用されている木造や、簡易耐火の住宅の戸数と、募集停止となっている政策空き家の戸数は何戸あるのでしょうか。
○髙橋光男議長　深瀬建設部長。
○深瀬弘之建設部長兼上下水道部長　お答えいたします。
　　令和４年10月現在、供用されている木造及び簡易耐火構造の住宅の戸数につきましては53戸であり、政策空き家の戸数につきましては67戸となっております。
○髙橋光男議長　６番東海林克彦議員。
○６番（東海林克彦議員）　ご答弁ありがとうございます。
　　政策空き家の解体については、先ほどのご答弁の中で平準化され毎年一定の戸数が完成されています。
　　それでは、現計画においては令和５年度における目標管理戸数を199戸、建て替え戸数を91戸として計画当初より管理戸数では約１割、建て替え戸数で２割ほど減っておりますが、計画見直しの時点とは将来人口の推計や市営住宅の需要についてもさらに変化が見られるのではないかと考えられます。建て替え戸数については、再度見直しがあるものと思いますが、本市の考えはどのようになるのでしょうか。
○髙橋光男議長　深瀬建設部長。
○深瀬弘之建設部長兼上下水道部長　市長答弁にもありましたとおり、建て替え戸数の見直しにつきましては、人口の推移、住宅需要などの社会情勢の変化などの影響について中長期的に考慮する必要がありますので、来年度改定予定の次期計画の中で検討してまいります。
○髙橋光男議長　６番東海林克彦議員。
○６番（東海林克彦議員）　ご答弁ありがとうございます。
　　需要戸数については、次期計画策定の中で検討されること、理解いたしました。
　　市営住宅は、空きが発生すればその都度入居募集を行い、できるだけ空き家とならないよう配慮されているものと思いますが、最近の入退去の実態と傾向はどのようになっているのでしょうか、お伺いいたします。
○髙橋光男議長　深瀬建設部長。
○深瀬弘之建設部長兼上下水道部長　現在の入居戸数につきましては、政策空き家を除く市営住宅の管理戸数が161戸。そのうち入居者数は159戸となっております。入居率は99％となっております。
　　また、市営住宅の募集における申込みの状況につきましては、平成29年時には約２倍弱でありましたが、ここ過去３年間につきましては、平均して１倍弱と低調な状況になっております。よろしくお願いします。
○髙橋光男議長　６番東海林克彦議員。
○６番（東海林克彦議員）　ご答弁ありがとうございます。
　　公営住宅の需要は減少傾向が見られるということを理解いたしました。
　　ここで、提案でありますけれども、これからやってくる建て替えに当たっては、東根市東部など人口減少地域にも目を向けていただきまして、現計画の見直しなど総合的に検討されるよう要望いたしまして、長寿命化計画についての質問についてはこれで終わりたいと思います。
　　次に、高速道路開通に係る渋滞対策について、既存道路の４車線化やバイパス化など、山形県に対して要望活動を積極的に行っており、交差点対策などが既に実施されたこと、またさらに道路改良などに係る調査事業が進められていることが分かりました。また今後の交通量の変化にも注視していくと理解いたしました。
　　それでは、東北中央自動車道を補完する道路として、高速道路の整備に併せ、本市が進めている大富地区の国道287号と松沢地区の主要地方道寒河江村山線を連絡する高速道路沿いに進めている市道路線の整備について、現在の進捗状況はどのようになっているのかお聞きいたします。
○髙橋光男議長　深瀬建設部長。
○深瀬弘之建設部長兼上下水道部長　お答えいたします。
　　国道287号から主要地方道寒河江村山線までを結ぶ約４kmの区間の道路についてでありますが、高速道路のアクセス道路を連携する機能とともに、都市計画マスタープランにおいても、本市の西回り幹線として主要幹線道路に位置付けており、重要な路線であると考えているところであります。
　　これまで、大富地区内の国道287号から市道羽入新田線までの約400ｍ区間及び東北中央自動車道の側道として整備しました小田島地区内の市道野田新田線から、市道松沢島大堀線の約1.5km区間については整備を完了しているところであります。
　　現在、大富地区内の市道羽入新田線から市道野田新田線と交差する袋田橋付近までの、いわゆる藤助新田７号線の約680ｍ区間について、平成30年度から事業を実施しております。今年度は、用地買収及び物件保障を行っているところであります。来年度以降も引き続き工事完成に向けて事業を実施してまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
○髙橋光男議長　６番東海林克彦議員。
○６番（東海林克彦議員）　ご答弁ありがとうございます。
　　市道路線についても、現在鋭意進められていること理解いたしました。
　　高速道路が新庄まで開通し、東根市内のインターチェンジ付近では、目に見えて交通量が増えているとの声が地元より聞こえてまいります。また、付近では通学路となっている整備中の路線にも、インターチェンジ由来の交通量増加の影響が出てき始めております。渋滞緩和対策としても大きく寄与する本路線について、その機能が十分発揮されるよう、一日も早く残る区間の事業化と全線開通を節に要望申し上げます。
　　また、横軸が連結するインターチェンジが東根市内に２か所となり、太平洋側と日本海側を行き来する多くの大型車はもとより、小型の乗用車も国道48号を経由し、市内を通って東北中央自動車道へ乗り入れします。これらの交通量をスムーズに通過させることが期待できる、市長のご答弁の中にもありました都市計画道路宮崎西道線についても進めていかなければならない課題であると思います。
　　あわせて、今後のまちづくり計画の中で、事業化の展望が開かれますことをご要望申し上げ、私の質問を終わります。
　　ありがとうございました。
○髙橋光男議長　以上で、ご了承願います。

　　◎片桐勝寿議員質問

○髙橋光男議長　次に、９番片桐勝寿議員。
　　　〔９番　片桐勝寿議員　登壇〕
○９番（片桐勝寿議員）　議席番号９番片桐勝寿です。通告に従い、質問させていただきます。
　　令和３年６月に、議会より市長に対し、空き家対策についての政策提言を提出させていただきました。全国的に空き家が増え、空き家周辺や地域への悪影響が問題となっており、また本市においても大雪の影響で倒壊する空き家が出るなど、安全・安心な市民生活のために空き家問題の解決は不可欠な状況でありました。
　　政策提言において、本市の今後の空き家のさらなる増加を示唆する材料として、核家族化の進展と老人独り暮らし世帯、老人夫婦世帯の増加を挙げさせていただきました。
　　政策提言時から、世帯数はさらに増えており、核家族化はさらに進展している状況です。それに伴い、老人独り暮らし世帯、老人夫婦世帯も増加しております。
　　資料１をご覧ください。平成20年から令和３年までの13年間の本市の老人独り暮らし世帯、老人夫婦世帯の推移を折れ線グラフにしたものです。
　　老人独り暮らし世帯、夫婦世帯ともに着実に増加していることが分かります。老人独り暮らし世帯は、この13年間で倍以上に増え、1,644世帯になっております。この多くが空き家予備軍であると言えるのではないでしょうか。また、老人夫婦世帯に関しても、いずれは配偶者のどちらかが亡くなり独り暮らし世帯になっていきます。長い目で見ると合わせて約3,000世帯、3,000戸余りの空き家予備軍が控えている状況であると考えます。
　　資料２をご覧ください。市内のほとんどの地区でこの13年間で老人独り暮らし世帯が倍以上に増えています。
　　注目したいのが東根地区です。老人独り暮らし世帯が令和３年４月１日までの１年間で82世帯増えているという急激な増加が見てとれます。13年間の増加数も401世帯の増となっており、今後市の中心部である東根地区に空き家が増えていく可能性があるということを示しております。
　　空き家対策は、本市の今後の税収、公共事業、まち景観、公衆衛生、防犯・防災など、様々な分野に影響を与えるものであり、全庁的な対応が求められる分野であります。そこで、政策提言の中から以下の事項について伺います。
　　まず、空き家発生予防対策について伺います。
　　政策提言の中では、実際に空き家になってからの対応では遅いこと、また事前に空き家問題に対しての意識があるのとないのとでは、管理不全空き家へとつながるリスクに大きな違いがあるという理由から、空き家への問題の意識づけを行い、相続問題への事前の対処、身の回りの家財の整理、家の利活用や解体に対する情報の提供や相談の場の提供、家庭内での話合いの機運の醸成など、空き家発生予防のための啓蒙に努めることと提言させていただきました。この提言に対する本市の考え方及び対応の状況について伺います。
　　さらに進んだ予防策として、ＮＰＯ法人かみのやまランドバンクにおいては、現に居住する住宅の所有者が住み替えを行う意思がある場合、物件情報を登録し、住み替え希望者へ情報提供をするという仕組みがあります。これがいわゆる住み替えバンク事業であります。
　　政策提言の中では、例えば配偶者との死別をきっかけに子どもと同居を考えている方や、高齢者用施設への入居を考えている方など、現在住んでいる家の賃貸や売却を考えている人と、地方移住者や２地域居住利用者、手頃な家を探す子育て世代などとのマッチングの仕組みを創設することとしております。このような仕組みの創設に関して、市はどのように考えるのかをお聞きいたします。
　　続きまして、今ある空き家への対策について伺います。
　　最初に、空き家バンクについてです。
　　資料３をご覧ください。令和４年10月１日現在、本市の空き家件数は412件とされています。しかし現在本市の空き家バンクの登録物件は１件と非常に少ない状況にあります。
　　この412件のうち、不動産業者が取り扱うことができるのが、Ａランクとして把握されている144件の一部と、156件把握されているＢランクの中で、利便性の高い場所にある物件と考えることができると思います。
　　実際にどのくらいの物件が中古戸建物件として不動産業者のホームページやデータベースに載っているのかを調べてみると、二十数件程度で、ほとんどが流通に乗っていないということが分かりました。多くの空き家が流通の蚊帳の外になってしまっています。
　　そういった意味でも、空き家バンクへ登録して流通の舞台に空き家を引き上げることが空き家解消の第一歩であると考えます。そういったことから、政策提言においては、空き家バンクの目的を再整理し、登録の手続を見直し、空き家バンクへの登録件数の拡大に努めることとしております。そこで、以下の点について伺います。
　　まず、１点目は、空き家バンクへの登録が伸びない理由をどのように考えているのかということです。
　　続きまして、２点目として、空き家バンクの目的をどのように捉えているのか。この２点について、お伺いいたします。
　　続きまして、政策提言において、空き家周辺の住民の安全・安心の観点から、また空き家所有者の経済的な事情を考慮し、空き家の自主的な解体を促すための解体補助の制度を早急に創設し、管理不全空き家、危険空き家をできるだけ多く解体に向かわせることと提言させていただきました。
　　これまでの同僚議員の努力とこの提言のかいあってか、提言をした令和３年度中に、東根市老朽危険空家等除却支援事業補助金を創設していただきました。この補助金制度が動き始めて２年になりますが、これまでの実績についてお伺いいたします。
　　続いて、特定空家について伺います。
　　提言において、空き家周辺の住民の安全の観点から、解体が必要と思われる空き家のうち、特定空家の判定を専門家も入れて適正に行い、必要と判断される場合には、行政代執行もいとわず解体に向かわせることとさせていただきました。
　　資料３によると、倒壊等のおそれ等危険性があるＤランクの空き家が12件とあります。この中で、空家等対策特別措置法における特定空家に該当するものはないと説明を受けておりますが、先般の大雪で倒壊した空き家の存在を考えると、特定空家の判定が必要な空き家が含まれているのではないかと不安になります。そこで、以下の２点について伺います。
　　特定空家の現状はどのようになっているのでしょうか。
　　続いて、特定空家の判定、行政代執行に対する考え方はどのようになっているのでしょうか。この２点について、お伺いいたします。
　　以上をもちまして、壇上での質問を終わらせていただきます。
○髙橋光男議長　９番片桐勝寿議員の質問に対し、答弁を求めます。
　　土田市長。
　　　〔土田正剛市長　登壇〕
○土田正剛市長　片桐勝寿議員の本市の空き家対策についてのご質問にお答えをいたします。
　　はじめに、空き家発生予防対策についてであります。
　　空き家の発生を防ぐためには、所有者や相続人の意識の醸成が重要であり、これまでも窓口でのチラシ配布や相談、市報やホームページでの啓発などを行っております。引き続き、様々な機会を捉えて、空き家の発生予防対策に努めてまいります。
　　次に、空き家になる前のマッチングの仕組みの創設についてでありますが、現に居住する住宅の所有者が住み替えを行う意思がある場合、物件情報を購入希望者に提供する仕組みは、空き家発生の未然防止に一定の効果があると捉えております。
　　しかしながら、住み替えを行う意思があり、物件情報を登録する方がどの程度いるのか、マッチングの運営体制をどのように構築するかなどについては、調査、研究を行う必要があります。
　　核家族化や高齢者世帯の増加が進み、今後増加すると見込まれる空き家に対しては、議員ご指摘のとおり、未然防止のための啓発活動や、早期対応による対処が重要であると捉えておりますので、本市の状況と課題を踏まえ、先進事例等の情報を収集しながら、研究してまいります。
　　次に、今ある空き家への対策についてであります。空き家バンク制度につきましては、市報、ホームページ、相談窓口で周知しているほか、空き家相談会において、制度の案内を行っております。
　　登録件数が現在１件となっていることにつきましては、民間市場での中古住宅物件の流通が活発であるため、空き家バンクによらずとも、民間市場で流通している状況がうかがえるところであります。
　　平成27年度から、東根市定住促進事業助成金制度において、中古住宅を購入して転入した方に対し、加算措置を行っておりますが、令和４年10月末までの累計で107件の申請があり、民間市場での中古住宅流通が活発であることを裏づけているものと推察しております。
　　引き続き、空き家バンクについて、市報、ホームページ、窓口での相談等を通して、制度の周知を行い、空き家所有者からの相談、登録受付を行ってまいります。
　　空き家バンクの目的につきましては、市内の空き家の有効活用を通して、移住・定住促進、地域環境保全及び地域活性化を図ることであり、ひいては空き家解消につながるものと捉えております。今後とも目的に沿った空き家バンクの運営を行ってまいります。
　　次に、東根市老朽危険空家等除却支援事業の実績についてでありますが、昨年10月から施行した本事業は、倒壊等のおそれのある老朽化した空き家について、解体費用の補助を行うものであります。
　　昨年度対象となる空き家はありませんでしたが、今年度は、11月末の時点で９件の事前調査申込みがあり、うち４件に対して補助金の交付を決定したところであります。長年地域で課題となっていた空き家が、補助金の活用により解体まで至った事例や、補助金の対象とはならなかったものの、担当課の働きかけなどがきっかけとなり解体に至った事例もあり、本市の空き家対策に大きな役割を果たしていると捉えております。
　　次に、特定空家についてでありますが、本市では、山形県の特定空家等に関する判断の手引きに沿って総合的に判断しておりますが、現時点において認定している特定空家はありません。
　　次に、行政代執行についてでありますが、特定空家等に該当する空き家でかつ周辺環境への影響の度合いが著しく大きい場合、行政代執行も視野に入れて検討しますが、個人の財産を処分することになるため、慎重な対応が必要となります。
　　なお、行政代執行には手続に相当の時間を要するため、緊急的な対応が必要な場合には、所有者に対し、緊急要請するとともに、東根市空家等の適正管理に関する条例に基づき、当該空き家に対し、部分的な応急措置を行っておりますので、ご理解をお願いいたします。
○髙橋光男議長　９番片桐勝寿議員。
○９番（片桐勝寿議員）　それでは、引き続き質問席から質問させていただきます。
　　空き家発生予防につきましては、窓口でのチラシの配布、市報やホームページでの啓発を中心に引き続き様々な機会を捉えて発生予防策に努めていくということでした。空き家の発生予防策として、事前の啓蒙が地味ですが非常に重要であると考えます。
　　他自治体においては、終活ノートの作成を通じて、家の相続や家じまいについて考える機会を設けたり、空き家の問題を啓発するセミナーを開いたりなど、行政側から一方的に情報を流すだけではなく、今住む家を空き家にしないために、家を持つ世代、引き継ぐ子世代、司法書士や弁護士、不動産業者や解体業者なども巻き込んでの総合的な対応を行っているところもあります。効率的ではないかもしれませんが、こういった地道な活動を続けていくことが空き家の発生に歯止めをかけていくものだと考えます。
　　東根市空家等対策計画の基本方針の中の住民の意識向上による空き家の発生予防の実現のために、さらに踏み込んだ対応をお願いしたいと思います。
　　空き家対策をする上で、実態の把握ということが非常に重要と考えます。そういった意味で、空き家の一斉調査における実数の把握は貴重な資料となります。
　　資料３をもう一度ご覧ください。
　　令和３年10月の調査と令和４年10月の調査では、各ランクとも数値に大きな変動があります。特にＡランクとＣランクにおいて、数値が大きく変動しております。この要因についてお伺いいたします。
○髙橋光男議長　岡田市民生活部長。
○岡田光弘市民生活部長　お答えいたします。
　　昨年度は、区長の皆様のご協力をいただきまして、３年に一度の空き家の一斉調査を行ったところであります。その調査の際に、空き家の定義としまして、１年以上住んでいない、または使用していない建物ということで統一させていただきました。
　　また、住んではいないが、定期的に管理、使用などがされているものは空き家から除外しております。例えば年に数回帰ってきて、定期的に掃除をしている、管理された小屋として使用しているものなどであります。
　　こうした内容を判断基準としまして、令和３年10月時点での空き家の実数把握をしたところであります。
　　その後、令和３年から令和４年にかけましては、職員によりまして、空き家全ての外観調査を行いました。県の基準に従いまして、老朽度のランクづけの見直しを行ったところであります。
　　その結果、年度間の比較では全体数として、22件の減。ランクにつきましてもご質問のようにＣ、Ｄランクが大きく減って、Ａ、Ｂランクが増えるという変動があったところでございますので、ご理解をお願いいたします。
○髙橋光男議長　９番片桐勝寿議員。
○９番（片桐勝寿議員）　例えば、年に数回帰ってくる、定期的に掃除をしている、小屋として使用しているものなど、住んではいないが定期的に管理、使用などがされているものは、空き家から除外されたため全体数が減ったという説明でした。
　　年に数回帰ってくるから管理されているというのは、ちょっと疑問がありますが、現在管理されている空き家も管理する人がいなくなれば空き家となっていくので、実態は数字以上に深刻なのではないかと言えると思います。
　　また、県の基準に従い、老朽度のランクづけの見直しを行った結果、ランクごとの数値が大きく変動する要因になったということでした。
　　空き家の実態を把握するために、また施策の効果を検証していくためには、やはり複数年度にわたって推移を見ていくということは非常に重要だと考えます。基準がその都度変わると、数値から実態や効果が見えてこなくなるということが起こってくると思います。一定の条件の把握に、一定の条件による数値の把握に努めていただきたいと思います。
　　空き家の実態の正確な把握には、管理されていると。今回の調査でされた空き家についても、その管理者がいなくなれば空き家となっていくということがあると思いますので、数値だけはきちんと把握していくということを要望したいと思います。
　　続きまして、空き家になる前のマッチングの仕組みの創設についてに移りたいと思います。
　　本市の状況と課題を踏まえ、先進事例等の情報収集をしながら研究していくというお答えでした。
　　空き家予防においては、現在住み、管理している親世代が、まだ元気なうちに家の行く末について考える。子ども世代と相談しながら、子どもと同居や老人ホームに入所するなどの前には、賃貸したり売買したりといった行動を実行する手段があるかどうかということが非常に重要だと考えます。さらなる調査、研究をよろしくお願いしたいと思います。
　　空き家バンクについての質問に移ります。
　　東根市定住促進事業助成金において、平成27年度から令和４年10月末までで107件の申請があり、民間市場での中古住宅流通が活発であることを裏づけているというお話であります。
　　中古住宅の流通における実績は評価いたしますが、そもそもこの助成金を受け、流通される物件は、空き家調査の中で、空き家として補足される空き家にはほとんど該当しないのではないかと考えられます。ほぼそのままか、改修工事をすれば再利用できるＡ、Ｂランクの空き家300件の多くは、全く市場に出ていないことになるのではないでしょうか。
　　空き家バンクが整備されてきた理由はまさにそこにあり、空き家の問題がこれだけクローズアップされているというのは、不動産会社が対応できない空き家が多くあることの表れだと思います。
　　中古物件の流通が活発だからというのは、空き家バンクの登録が伸びない理由にはならないのではないでしょうか。また、ここ何年も空き家バンク登録物件０件、１件が続いております。そのことからも今までと同じやり方では登録が増えないことは明らかです。登録増加に向けての施策についての考えをお伺いいたします。
○髙橋光男議長　石垣総務部長。
○石垣有一総務部長　お答えをいたします。
　　議員がご発言されましたとおり、Ａ、Ｂランクの中には、民間市場で中古住宅として流通していないものや、空き家バンクに登録がされていないものがあると思われます。
　　これらの中には、空き家バンクの制度を知らない所有者、賃貸や売却の意思がない所有者、そして長年にわたり生活してきた住居の処分をちゅうちょしている所有者などがおられると推測されます。このような方々にも、空き家バンクへの登録を検討していただけるように、周知方法や、その内容を工夫しながら、空き家バンク制度のさらなる周知を図りまして、空き家解消に向けた取組に努めてまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いします。
○髙橋光男議長　９番片桐勝寿議員。
○９番（片桐勝寿議員）　ありがとうございます。
　　東根市定住促進事業助成金などの活用による民間における空き家物件流通の促進を図りながら、登録相談の充実などにより空き家バンクの利用の拡大に努めていただきたいと考えます。
　　家財の処分がなかなかできずに、次に踏み出せない空き家所有者も多くおります。また、リフォームにお金がかかるために、賃貸に踏み切れないという話も聞きます。空き家バンクに登録した物件で一定条件を満たすものに、家財処分に対する補助をするとか、リフォームに対する補助をするなど、空き家バンク登録に何らかのメリットを与えることで登録促進を図っている自治体もあります。そういったことを含めて検討をお願いしたいと思います。
　　続いて、空き家バンクの目的については、市内の空き家の有効活用を通して、移住・定住促進、地域環境保全及び地域活性化を図ることであり、ひいては空き家解消につながるものということでした。
　　東根市空き家バンク実施要領４条の中で、老朽化が著しいもの、または大規模な修繕が必要なものは、登録から除外できる規定があります。つまりＢランクの一部、Ｃ、Ｄランクの空き家が除外されるものと考えられますが、最終的に空き家の問題の解消には、これらの空き家や空き家解体後の空き地の流通が図られることが必要と考えます。空き家バンクの登録条件に該当しない空き家等の流通についてどのように考えているのかお伺いいたします。
○髙橋光男議長　石垣総務部長。
○石垣有一総務部長　空き家バンクの登録に当たりましては、物件の状態を確認しながら、登録手続を行っておりまして、空き家調査上のランクで判断するような運用は行っておりません。
　　登録手続は、相談者からの聞き取り、間取り確認、現地確認を行った上で所管しております総合政策課において登録の可否を判断しております。
　　今後も空き家バンク登録につきましては、現地確認等を行いながら進めてまいりますが、現在のところ全体的に老朽化が著しいものなど、空き家バンクの登録条件に該当しない空き家につきましては、流通が難しいものであると捉えております。流通が難しい空き家につきましては、引き続き所有者等に指導を行いまして、空き家バンクへの登録とは異なる手段で空き家の解消を図っていくべきと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
○髙橋光男議長　９番片桐勝寿議員。
○９番（片桐勝寿議員）　空き家バンクの登録条件に該当しない、流通が難しい空き家については、引き続き所有者等の指導を行い、空き家バンクへの登録とは異なる手段で空き家の解消を図っていくべきと考えておりますというお話でした。
　　なぜ空き家の問題が発生しているのかということをぜひ考えていただきたいと思います。
　　その空き家を管理するものがいないということが根本の原因であります。そのままいくと、管理不全空き家になり、特定空家となり、建物が完全に朽ち果てても、また、運よく解体できたとしても、空き地の問題に変わるだけで、管理者がいない状況は続きます。最終的には所有者不明地の問題となっていきます。
　　解決策は、次の管理者を見つけること以外にはないのだと考えます。そういったことから、空き家バンクだけでは対応できないということで、県内でも米沢市や村山市、大江町、舟形町などは、空き家・空き地バンクとして制度化しています。ぜひこういったことも含めて検討をお願いしたいと思います。
　　引き続き、東根市老朽危険空家等除却支援事業補助金についてお伺いいたします。
　　昨年度は、該当となった空き家はなかったが、今年度は11月末時点で９件の事前審査申込みがあり、４件の交付決定をしたということです。さらに補助金の対象にはならなかったものの、担当課の働きかけなどがきっかけとなり、解体に至った事例もあるということで、着実に実績が上がっている旨、了解いたしました。
　　では、２年目にして見えてきた課題についてお伺いいたします。
○髙橋光男議長　岡田市民生活部長。
○岡田光弘市民生活部長　お答えいたします。
　　この補助制度につきましては、総じまして全体的に関係の皆様のご協力によりまして、順調に運用させていただいております。
　　あえて課題点を申し上げますと、この補助の対象となる空き家は住宅のみでありまして、居住用でない、いわゆる小屋などは補助の対象外となっております。この事業は国の補助金の活用を前提としておりますので、現状では国の補助要件上やむを得ないものであります。この点は今後の研究課題と捉えておりますので、ご理解をお願いいたします。
○髙橋光男議長　９番片桐勝寿議員。
○９番（片桐勝寿議員）　空き家周辺の住民の安心・安全のためには、老朽危険空き家の解消は喫緊の課題であります。
　　住宅用以外の建物の解体が対象とならないことが課題ということでした。対象とならない、例えば農家の大きな農作業小屋であったりとか、店舗や工場など、周辺住民に与える不安は、ほかの住宅用の空き家と同様か、もしくは規模の大きい建物にあってはそれ以上と考えます。さらなる研究をお願いいたします。
　　老朽危険空き家は、解体しか解決の道がないので、予算の増額等も含め、ぜひ検討をお願いいたします。
　　この補助金を使って空き家が解体された土地のその後の管理や利用について、どのように考えているのか、お伺いいたします。
○髙橋光男議長　岡田市民生活部長。
○岡田光弘市民生活部長　お答えいたします。
　　空き家解体後の土地利用につきましては、所有者、相続人、管理者などの意思によるところになりますけれども、そもそも空き家でも、いわゆる空き地でも、その所有者などの管理者は、法の定めによりまして、適正管理に努めなければならないとされております。
　　したがいまして、空き家解体後も引き続き、周辺の生活環境に悪影響を与えないよう、助言やお願いなどをしてまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○髙橋光男議長　９番片桐勝寿議員。
○９番（片桐勝寿議員）　今おっしゃっていただいたように、建物を解体すれば、全ての問題が解決するわけではございません。解体後の土地の管理についても、助言や指導をよろしくお願いしたいと思います。
　　特定空家については、山形県の特定空家等に関する判断の手引きに沿って総合的に特定空家を判断することとなり、現時点では、認定している特定空家はないということでありました。
　　現実に、雪で倒壊する空き家も出ております。そういった危険性のある空き家については、きちんと把握し、解体や倒壊しないように補強をするなど、そういった適切な対応をお願いしたいと思います。
　　特定空家の認定、行政代執行に関しても、必要な空き家に対してはきちんと認定し、代執行してでも解体をするという姿勢を今後ともお願いしたいと思います。
　　空き家の問題については、100％の解決というのは非常に難しい状況にあると思います。空き家を持っている全ての所有者に、次の世代にどういった形で家を残すのかを考えていただく機会をつくる。子世代がその家に住まないことがあらかじめ分かるのであれば、家の処分や利活用について、親子世代で話合いをし、より早い段階での対応をしていく。そういった機運を高めていくと。そして実際に行動に移せる仕組みがあり、その情報が身近にあると。こういった空き家にはならないための対応が、空き家問題を大きくしない一番の方策であると考えます。
　　空き家になってからも、民間業者を含め、様々な流通手段が準備されており、その仕組みを通じて流通が図られること、老朽危険空き家については速やかに解体を図っていく、こういったことを通して空き家が私たちの生活に与える影響を最小限度にすることが可能になるのだと思います。空き家・空き地の問題のさらなる研究、検討を通じて、より有効な施策の実現に期待をして、私の質問を終わりたいと思います。
　　以上です。
○髙橋光男議長　以上で、ご了承願います。

　　◎散　　　　　会

○髙橋光男議長　これで、本日の日程は全部終了しました。
　　本日はこれで散会します。ご苦労さまでした。

　　　午後　１時４５分　散　会