令和４年第３回東根市議会定例会　９月２７日　議事日程　第３（一般質問）

令和４年９月２７日　午前１０時００分　開　議

　　　　　　髙　　橋　　光　　男　議長　　　　　　　原　　田　　利　　光　副議長

◎出席議員（１８名）

　１番　　　福　　永　　邦　　幸　議員　　　　　　　２番　　　齋　　藤　　俊一郎　議員

　３番　　　高　　橋　　弓　　嗣　議員　　　　　　　４番　　　滝　　口　　公　　一　議員

　５番　　　元　　木　　十四男　議員　　　　　　　６番　　　東海林　　克　　彦　議員

　７番　　　三　　宅　　一　　人　議員　　　　　　　８番　　　植　　松　　　　　宏　議員

　９番　　　片　　桐　　勝　　寿　議員　　　　　　１０番　　　山　　科　　幸　　子　議員

１１番　　　高　　橋　　鉄　　夫　議員　　　　　　１２番　　　河　　村　　　　　豊　議員

１３番　　　細　　矢　　俊　　博　議員　　　　　　１４番　　　浅野目　　幸　　一　議員

１５番　　　佐　　藤　　　　　直　議員　　　　　　１６番　　　清　　野　　忠　　利　議員

１７番　　　原　　田　　利　　光　議員　　　　　　１８番　　　髙　　橋　　光　　男　議員

◎欠席議員（なし）

◎説明のため出席した者の職氏名


土　田　正　剛	市　　　　　　長	半　田　　　博	教　　育　　長
武　田　庄　一	選挙管理委員会委　　員　　長	古　谷　利　明	代表監査委員
菅　原　繁　治	農業委員会会長	芦　野　耕　司	副　　市　　長
石　垣　有　一	総　務　部　長	岡　田　光　弘	市民生活部長
鈴　木　敬　一	健康福祉部長	太　田　　　修	経　済　部　長
深　瀬　弘　之	建　設　部　長兼上下水道部長	高　橋　愛　子	会計管理者
佐　藤　明　彦	消　　防　　長	安　達　利　也	教　育　次　長
青　柳　　　昇	総合政策課長	安　達　好　浩	庶　務　課　長併選挙管理委員会事　務　局　長
本　間　和　史	財　政　課　長	牧　野　美和子	監　査　委　員事　務　局　長
岡　田　正　樹	農業委員会事　務　局　長

◎事務局職員出席者職氏名


佐　藤　慎　司	事　務　局　長	高　橋　真伊子	事務局長補佐
森　谷　賢　司	議事係長	黒　坂　育　実	主　　　　任
井　上　雄　貴	副　　主　　任	大　江　剛　史	兼　務　書　記
辻　村　　　充	兼　務　書　記	大　江　剛　史	兼　務　書　記

◎議　事　日　程

　議事日程第３号

　　　　　　　令和４年９月２７日（火）　午前１０時　開　議

　日程第　１　　市政一般に対する質問

　　　　　　　　１　１６番　清　野　忠　利

　　　　　　　　２　１４番　浅野目　幸　一

　　　　　　　　３　１２番　河　村　　　豊

　　　　（散　　　　　会）

◎本日の会議に付した事件

　議事日程第３号に同じ。

令和４年東根市議会第３回定例会一般質問発言通告書


番号	質問者	質問事項	質問要旨	答弁者
５	清野　忠利議　　　員	１．農業における農地継承と後継者問題について	１．本市も人口減少の波は避けられない状況になりつつあり、主力産業である農業部門においては、後継者不足がますます大きな課題となってくると思われる。このままでは、担い手不足により、「果樹王国ひがしね」として大変な状況になると思うが、市としてどのように考えているか。	市　　　長
６	浅野目幸一議　　　員	１．防災対策の強化について	１．山形盆地断層帯について（１）直下型地震とはどのようなものか。（２）直下型活断層の上に立地している市有の施設はあるか。（３）市内施設で、耐震性能に不安な施設はないのか。２．建築物耐震改修促進計画等について（１）建築士会との協定で判定士の確保はされているか。（２）住宅の耐震化率の実績はどうか。（３）住宅の耐震診断と、改修工事補助の実績はどうか。（４）耐震改修目標に遅れはないか。（５）一つの部屋だけでもつぶれないようにすると良いと思うが助成はあるか。（６）危険ブロック塀等の撤去支援は行っているか。３．上下水道施設の耐震化について（１）上下水道施設の耐震化の進捗状況について伺う。	市　　　長
７	河村　　豊議　　　員	１．医療的ケア児の保育、療育、教育にかかる支援の現状と課題について	１．医療的ケア児の市立ひがしねこども園での保育における職員の対応や関係機関との連携などの現状とさらなる保育の充実について２．医療的ケア児の療育、発達支援のサポート状況と課題について３．就学年齢に達した医療的ケア児の市立小学校への入学について	市　　　長教育長

　　◎開　　　　　議

○髙橋光男議長　皆さん、おはようございます。　　本日の会議に欠席及び遅刻の届出はありません。したがいまして、出席議員の数は18名で定足数に達しておりますので、これから本日の会議を開きます。

　　本日の会議は、議事日程第３号によって進めます。

　　◎市政一般に対する質問

○髙橋光男議長　日程第１　市政一般に対する質問を行います。

　　質問は通告順としますが、発言順番を迎えたときに議場にいない場合は、発言権の放棄とみなしますので、そのようにご了承願います。

　　◎清野忠利議員質問

○髙橋光男議長　はじめに、16番清野忠利議員。

　　　〔16番　清野忠利議員　登壇〕

○16番（清野忠利議員）　皆さん、おはようございます。16番清野です。

　　先に通告しております農業問題について質問をさせていただきます。

　　最近、農業における特に農地継承と後継者問題についてお伺いしたいと思います。

　　右肩上がりの勢いのある本市ですが、今後、人口減少の波は避けては通れない状況下であると思います。何らかの手を打たなければならないと考えております。

　　主力産業である農業部門においては、後継者不足がますます大きな課題となってくると思われます。後継者不足、また農業者の高齢化と耕作放棄地、また遊休農地の拡大が懸念されております。

　　本市の農林業センサスによれば、本市の農業経営体数は平成27年には1,839の経営体でありました。令和２年になりますと、これも1,657の経営体となっております。この５年間で182の経営体が減少しております。約9.9％の減少となっています。

　　このまま推移すれば、本市の主力産業の農産物のさくらんぼの農家を含め、農業をやる人がいなくなる現状であると私は思っております。果樹王国ひがしねとして大変な状況になるのではないかと懸念されております。

　　本市として、この状況をどう捉えているのかお伺いしまして、登壇の質問とさせていただきます。

○髙橋光男議長　16番清野忠利議員の質問に対し答弁を求めます。

　　土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　清野忠利議員の農業における農地継承と後継者問題についてのご質問にお答えをいたします。

　　全国的に人口減少が深刻な課題となっており、これまで人口が増加傾向にあった本市においても、今後は減少に転じていくことが想定されております。

　　その中において、本市の基幹産業である農業は、農業経営体数が以前から減少を続けており、いかに担い手を確保していくかは常に重要な課題となっております。

　　さて、農業経営体数の推移でありますが、農林業センサスによれば全国では平成27年に137万7,266経営体であったものが、令和２年には107万5,705経営体となり、５年間で30万1,561経営体、率にして21.9％の減少となっております。

　　同じく山形県においては、平成27年に３万3,820経営体であったものが、令和２年に２万8,241経営体となり、5,579経営体、率にして16.5％の減少となっております。

　　本市の場合は、平成27年に1,839経営体であったものが、令和２年には1,657経営体となり、182経営体、率にして9.9％の減少となり、全国や山形県と比較すると減少率は低い状況にあります。

　　また、1,000万円以上の販売金額のある農業経営体数は、平成27年には151経営体であったものが、令和２年には193経営体と増加している状況にあります。

　　これらは、本市の農家の方々をはじめ、ＪＡ、農業関係団体等の皆様が、良いものを消費者に届けるという強い意志を持って生産に取り組み、果実の高単価販売を可能とした結果であり、本市が令和元年、令和２年に果樹産出額全国３位という実績にも現れているところであります。また、こうした状況はやりがいのある農業経営の実現にもつながっていると捉えております。

　　しかしながら、それでも農業経営体が減少し続けていることは大きな問題であり、放置できない状況に至っております。

　　本市は東部、中部の多くが果樹地帯であり、様々な果樹が混在していることから、大規模化は難しい状況にあると言えます。

　　また、果樹の場合はスマート化が難しく効率化が困難なことから、状況によっては耕作放棄地になることも懸念されます。一度耕作放棄地となると、復元にも多大な労力が必要であり、農業経営体の減少は本市にとってより農業の衰退を加速させる要因になると危惧しております。

　　農地を継承していくためには、次代を担う耕作者の確保が必要不可欠であります。農業後継者、新規就農者等をどのように安定して確保していくのか、どのように農地継承につなげていくのか、そのために必要な支援は何かなど、あらゆる手段を研究し取り組む必要がありますのでご理解をお願いいたします。

○髙橋光男議長　16番清野忠利議員。

○16番（清野忠利議員）　本市が他市町に比べて減少は小さいことは答弁の間で分かりました。だが、全国では約21.9％ということで大きな減少率となっております。県の方でも182という減少なんですけど。先ほど市長の答弁によりますと、どうしても次代担う経営体を確保しなくてはいけないということなんですけど。

　　さて、県の方でも以前６月に新聞に出ていたんですよ、農地集積と集約化のプロジェクト会議がなされたということで。それで山形県では、さくらんぼは東根ということに指定しているんですね。そしてリンゴの方は中間山地ということで朝日町に指定しているわけです。そんなモデル地区として、本市が選出したことがありました。

　　非常によい取組ではないかと、先ほど市長の答弁にもありましたように、どのような今後、経営体をしっかりしていくかということの答弁の中にも入りますので、これ問題が、課題が大変だなと思います。今後に期待しているということなんですけど、現在の進捗状況についてお伺いしたいと思います。

○髙橋光男議長　太田経済部長。

○太田　修経済部長　お答えいたします。

　　議員ご質問の会議についてでありますが、本市が県内２か所のうちの１か所としてモデル地区に選定され、本市樹園地における継承問題等の課題解決を目的としたプロジェクトが、県及び市といった行政や農協、農業者代表等を構成メンバーとしてスタートしたところであります。

　　具体的には、去る９月14日に第１回目となるキックオフ会議が開催され、活発な意見交換の下、現状の共有と今後の進め方についての確認が行われたところであります。

　　今後につきましては、テーマを定め、議論を重ねながら、本市の現況を踏まえた解決策を中心に検討し、必要であれば可能なものから実施することも視野に入れ進めていくことになるものと考えております。

　　本市といたしましては、当該プロジェクト会議が農地継承と後継者問題解決の一助となるものと期待しているところであり、本市農業の継続と発展につなげるため積極的に取り組んでまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。

○髙橋光男議長　16番清野忠利議員。

○16番（清野忠利議員）　ありがとうございます。

　　今、部長の答弁ですと、９月14日に初めて本市の会議を開いたと。これは農協と地域農家の方と市役所も入っていると思うんですけど、まずどのような状況なんですか。今後テーマを定めてということになっているんですけど、その辺りをもう少し詳しくお願いしたいと思います。

○髙橋光男議長　太田経済部長。

○太田　修経済部長　お答えいたします。

　　現在のプロジェクト会議につきましては、３つのテーマを選定しながら、３つの部会に分けて協議を重ねていく方向で現在進めております。

　　このテーマと申しますのが、１つ目は果樹経営を長く安定して続けられる環境づくり。２つ目のテーマが将来の担い手育成、確保対策。３つ目のテーマとして担い手不在樹園地等の利活用対策。この３つのテーマを３つの分科会で検討していくとされております。

　　この分科会で今後検討を重ねながら、最終的には全体会を開催し、今後の方向性、こちらを定めていくとされておりますのでご理解をお願いいたします。

○髙橋光男議長　16番清野忠利議員。

○16番（清野忠利議員）　今、テーマとして長く安定した将来の担い手とかいろいろな問題があります。それで、分科会に分かれてということなんですけど、この現状につきまして、前向きな議論を交換していただきたいと思います。

　　後継者が全くいない場合、後継者が戻ってくる場合、戻ってくるか分からない場合、最近では相続放棄ということも大きな問題となっております。そういう様々な案件を対応できるようにしなければならないわけですが、一番のポイントは、やはり新規就農者ではないかなと思っているところでございますので、その状況と、また、この県のプロジェクトは今年出たんですけど、2022年に。2024年までに何とか90％までまとめたいという県の意向もありますので、その辺をどのようにこれからスケジュール的に考えていくのか。大変短い時間だと思うんですよね。2024年までというと。その辺の考えをひとつお聞きしたいと思います。

○髙橋光男議長　太田経済部長。

○太田　修経済部長　お答えいたします。

　　先ほど申し上げましたとおり、今回のプロジェクト会議の中では、テーマごとに沿って方向性を今後検討していくというところでございます。

　　その中で、先ほど答弁にも申し上げましたとおり、まず可能なもの、すぐ手をつけた方が効果的なもの、こういったものから必要であれば取り組んでいきたいと考えているところでございます。

　　こちらの事業については、県及び市、農業者が一体となって取り組んでいくということで、非常に今議員おっしゃるとおり、厳しいスケジュールの中ですが、積極的に取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

○髙橋光男議長　16番清野忠利議員。

○16番（清野忠利議員）　なかなか大変な時間のないプロジェクトだと思うんですけど、やはりこれをやっていくことによって、我が東根市の果樹王国が守られるんでないかなと思っております。

　　そんなことを考えまして、新規就農者をいかに増やしていけるのか、重要なポイントであろうと、先ほど私も言いましたけども、県内はもちろん、全国自治体、農業を主要産業としている自治体は、様々な工夫をしながら新規就農者の呼び込みを行っております。１人でも多く確保しようとしております。

　　各就農者にとってもアピールをしているわけでありますが、新規就農者の確保は待ったなしであります。本市もあらゆる手段を講じて新規就農者を増やす取組をしなければいけないと思います。喫緊の課題と捉え、取り組んでいただければ幸いと思います。

　　国の支援も充実はしていますが、それだけで足りるわけでありません。思い切った取組も含めて実行してほしいと思います。

　　本市の農業を守るためには、果樹の特性性と、大規模にしないということは先ほど話して分かっているつもりであります。

　　本市の果樹農業は、家族経営型の農業に支えられております。そういう小規模の農業者も安心して農業して続けられるように、果樹王国の名を引き継いでいただければ幸いと思います。

　　果樹の方も新規就農者の方もなんですけど、新規就農者も今ですと大体１年で150万ぐらい助成はあるんですけど、なかなかこれも就農者も大変だなということの現状も聞いておりますので、皆さん方からのいろんな知恵を出し合っていただいて、いかに新規就農者を届けるか、今後の我々の課題と思いますので。ぜひこの辺の課題を2024年までですから、集約、集積農業をいち早く実行して、安心して経営ができるように、ましては労力の軽減もなるように、ひとつお願いしまして私の質問を終わらせたいと思います。

　　以上です。

○髙橋光男議長　以上で、ご了承願います。

　　◎浅野目幸一議員質問

○髙橋光男議長　次に、14番浅野目幸一議員。

　　　〔14番　浅野目幸一議員　登壇〕

○14番（浅野目幸一議員）　14番浅野目幸一です。

　　市長におかれましては、ご当選おめでとうございます。当選後最初の議会でありますので、さらなる高みを目指す市政への一般質問をいたします。

　　過日９月１日は防災の日で、東根市西部防災センターのオープン、さらに４日には山形県と東根市の合同総合防災訓練が行われました。これを契機として、防災対策の強化について質問いたします。

　　災害は大きく分けて、地震と洪水、風水害があると考えます。近年は豪雨災害が頻発していますが、今般は地震に関する３点に絞り質問をいたします。

　　本市の西側に位置する山形盆地断層帯についてです。

　　県内の主要断層帯の１つとして、この活断層は阪神・淡路大震災や熊本地震では直下型と呼ばれています。

　　まず、活断層上にある直下型とはどのようなものか。直下型となる基準等があればお伺いします。

　　東根市地震ハザードマップでは、市内全域で被害が想定されており、全半壊建物は冬期間で約4,149棟、死者は冬の早朝で約108名となっております。この数値は、平成14年12月に公表されている被害想定調査で明らかになりました。

　　規模はマグニチュード7.8程度、発生確率はほぼゼロから最大７％、全国の中でも高い方のグループになっております。

　　なお本市でマグニチュード7.8発生の際、震度は７が想定されています。これは、耐震性の高い住宅でも傾いたり大きく破壊するものであります。

　　また、想定震度分布図によると、本市の市内のほとんどが想定震度６強となっております。

　　そこで伺います。

　　活断層に立地していると思われる市有の公共施設はありますでしょうか。また、市内の市有施設の中で、耐震性能に不安な公共施設はないか伺います。

　　決して不安をあおるつもりはありませんが、不安をあおるという点では、非公表としている自治体もございます。

　　次に、建築物耐震改修促進計画等については、危険度判定士の確保についてお伺いします。

　　先般の合同訓練の出席者で、災害協定の中に危険度判定士等の名称は見受けられませんでした。建築士会等との連携において判定士の確保はなされているのかお伺いいたします。

　　また、協定内容判定士の人数等もお願いいたします。

　　報道によりますと、熊本地震の被災地に派遣された山形市の判定士である職員は、倒壊を防ぐには耐震補強が何よりも重要と申されておりました。

　　次に、建築士会等との連携については、耐震化の診断における回収について伺います。

　　耐震化率診断後の回収について現在までの実績はどうかであります。

　　その耐震改修目標に遅れはないかお伺いするものです。

　　また、耐震診断の申込み状況と耐震改修工事補助、リフォーム補助等の実績はいかがでしょうか。

　　耐震化は診断の後に改修工事が行われます。診断をしただけでは、耐震化にはなりません。診断で結果が見つかっても、なかなか改修まではこぎ着けられないというのが実情と推察しているところであります。

　　まずは、耐震診断100％の達成を目指していただきたいと願っております。

　　またあわせて、住宅の耐震化については１部屋だけ、１室だけの部分改修もあります。

　　家全体を行うのが理想ですが、部分補強で１つの部屋だけでも潰れない部屋にするという考えもよいと思います。

　　また、耐震シェルターなどを利用する方法もありますが、これらに対する助成措置は講じられていますでしょうか、伺います。

　　また、本市のような雪国では、地震と豪雪との複合災害も予測されます。県内では豪雪による家屋の倒壊などが本県ではありましたが、雪国特有の災害でもあり、雪崩や積雪による家屋周辺の工作物等の倒壊も発生しております。

　　道路に面している危険ブロック塀等の撤去支援は入っているか伺います。

　　３点目は、上下水道施設の耐震化についてであります。

　　蛇口が水の流れの最後の末端です。下水道についてはトイレが流れの起点であり、始まりです。これは途中で切ることができない日常生活のインフラでもあります。上部や下部構造に欠陥が生ずると即座に使用できなくなります。

　　日常の点検整備はもとよりですが、万が一に備えた耐震性の向上が極めて重要と考えます。

　　地元紙によると、水道管の適合率は、令和２年度末では、国では40.7％、県は40％であります。

　　上下水道施設の耐震化の進捗状況について、本市の耐震化の適合率はどうかお答えください。

　　本市は令和10年度末までに60％にするとの目標が掲げられているようですが、上下水道の耐震化の現状についてお尋ねいたします。

　　防災対策の強化については、ここまでを登壇での質問といたします。

○髙橋光男議長　14番浅野目幸一議員の質問に対し答弁を求めます。

　　土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　浅野目幸一議員の防災対策の強化についてのご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、山形盆地断層帯についてでありますが、平成19年８月23日に地震調査研究推進本部地震調査委員会が公表した報告書によりますと、この断層帯から想定される地震の規模は、マグニチュード7.8程度とされております。

　　この情報などをもとに、本市は平成25年９月に東根市地震ハザードマップを作成し、地震と揺れの目安を示し、日頃からの備えや市民の取るべき行動について周知を図ってまいりました。

　　ご質問の直下型地震の定義につきましては、内陸部にある活断層で発生する震源の浅い地震で、居住地域の真下で発生する地震とされており、平成７年の阪神・淡路大震災や、平成16年の新潟中越地震などがこれに当たります。なお、本市では活断層の存在は確認されておりません。

　　次に、市の公共施設における耐震性能についてでありますが、市の施設については昭和56年５月以前のいわゆる旧耐震基準で建築された建物の耐震診断、耐震改修、建て替え等を順次実施しているところであります。

　　なお、市庁舎やさくらんぼタントクルセンター、小中学校等の不特定多数の市民が利用する建物については、全て耐震化が完了しております。

　　次に、建築物耐震改修促進計画等についてでありますが、判定士の確保については、東根市木造住宅耐震診断士協会と令和２年３月に危険度判定業務に関する協定を締結し、10名の判定士を確保して災害時の応急危険度判定を行うこととしております。

　　住宅の耐震化率につきましては、最新の住宅統計調査の結果から、平成30年時点で市内住宅総数１万5,760戸のうち、１万3,680戸については耐震性が確保され、耐震化率は86.8％となっております。

　　また、耐震診断、改修工事の補助の耐震化支援策の状況につきましては、平成20年度から木造建築物耐震診断士派遣事業を実施し、これまで100件以上の住宅の耐震診断を行い、４件の耐震改修に補助しております。

　　今後も耐震化支援策の活用等の周知啓発を図りながら、市民の耐震化に対する関心を高め、計画で定めた令和12年度までに耐震化率95％の目標達成を目指してまいります。

　　なお、一部屋だけの改修につきましては、耐震シェルターの設置工事などで、東根市住まい応援事業によるリフォーム工事の活用が可能となっております。

　　また、危険ブロック塀等の撤去につきましては、昨年度に補助事業を創設し支援しているところであります。

　　次に、上下水道施設の耐震化の進捗状況についてでありますが、国の耐震設計基準に基づく水道管の耐震適合の割合は、令和３年度末現在、本市水道管の延長346㎞に対し73％となっております。

　　また、下水道管の耐震適合の割合につきましては、令和３年度末現在、本市下水道管全体の延長275㎞に対し71％となっているところであります。

　　なお、水道管及び下水道の耐震化については、老朽対策として定期的に実施しております点検、調査の結果に基づき、計画的な敷設替え工事や更生工事を行い、耐震対策を講じておりますのでご理解をお願いいたします。

○髙橋光男議長　14番浅野目幸一議員。

○14番（浅野目幸一議員）　本市での活断層は確認されていないというご答弁がありました。

　　質問を続けます。

　　耐震災害に対する備えとして、災害協定を締結しております。現在の各種災害協定先とその内容を伺います。主なものだけ、協定内容は一部で結構でございます。

　　よろしくお願いします。

○髙橋光男議長　石垣総務部長。

○石垣有一総務部長　お答えいたします。

　　協定内容別にその概要を申し上げますと、東京都中央区などの自治体と締結しております災害相互援助協定や、各種事業所と締結しております物資搬入や避難所運営に関する協定など、現在のところ45の団体と災害協定を締結しているところでございます。

　　なお、市内の主な協定先の団体といたしましては、東根市建設業協会や東根市農業協同組合、そして東根市社会福祉協議会などとなっております。

　　よろしくお願いします。

○髙橋光男議長　14番浅野目幸一議員。

○14番（浅野目幸一議員）　分かりました。

　　東京都中央区ほか45団体と締結されているということであります。協定が、件数が多ければよいというものではないと思いますが、その協定の中から、東根市社会福祉協議会との協定内容についてお伺いいたします。

　　発災時において災害ボランティアセンターの設置も重要であります。災害ボランティアセンターの設置、その訓練なども協定に含まれているのかどうか伺います。

　　確か９月４日の山形県との合同訓練では行われなかったのではないかと思います。

　　よろしくお願いいたします。

○髙橋光男議長　石垣総務部長。

○石垣有一総務部長　お問合せの市の社会福祉協議会の協定内容についてでございますが、災害時緊急対応のための活動の拠点として議員のお話にもありましたとおり、災害ボランティアセンターについて東根市と連携協力し、設置、運営を行うというものになっております。

　　今年度の県と市の災害訓練につきまして、特に、市の社会社会福祉協議会としてそういった訓練を行っておりませんでしたが、通常の東根市総合防災訓練の折には、ボランティア支援本部の設置訓練を行うなど、実際の市内の災害時におけるその支援活動を想定した内容で訓練に取り組んでおりますので、ご理解賜りますよう、よろしくお願いします。

○髙橋光男議長　14番浅野目幸一議員。

○14番（浅野目幸一議員）　分かりました。

　　内容は災害ボランティアセンターの設置の運営であり、支援本部設置訓練は過去には行っているということであります。

　　次に、耐震改修促進計画に記載されているのは、診断をして耐震化された公共物は全て特定建築物であります。100％の耐震化を疑うわけではございませんが、例えば集会場である公民館など、これは特定建築物に該当するかしないか。特定建築物以外の市所有の公共物の耐震化についてはどうなっているか伺いたいと思います。

○髙橋光男議長　深瀬建設部長。

○深瀬弘之建設部長兼上下水道部長　お答えいたします。

　　特定建築物以外に該当しない建築物、例えば今ご質問にあった地域公民館等についても耐震化されておりますので、よろしくお願いします。

○髙橋光男議長　14番浅野目幸一議員。

○14番（浅野目幸一議員）　特定建築物以外の公民館も全て耐震化されているとお聞きしまして安心いたしました。

　　しかしながら、想定震度というのが震度６強あるいは震度７に対しての耐震化であるかどうかですね。耐震化のグレードについては私はちょっと疑問の残るところであります。実際に熊本地震では震度７が２回記録されております。なおさら住宅の耐震化が86.8％と目標には程遠い現状であります。

　　続けます。次に、応急危険度判定を行う判定士の確保についてであります。

　　いざというときに、本市直接の要請によりまして、地元の判定士は支援に動けるのかどうか伺います。

　　県内全体では８万9,189棟が全半壊するとされておりまして、本市の先ほどご答弁の10名だけでは恐らく足りないのではないかということであります。いかがでしょうか。

○髙橋光男議長　深瀬建設部長。

○深瀬弘之建設部長兼上下水道部長　お答えいたします。

　　各市町村の応急危険度判定の協力体制につきましては、以前は山形県と山形県建築士会本部で締結した協定に基づきまして、県と調整をしながら連携して対応する仕組みとなっておりました。

　　ただ、平成27年度に山形県被災建築物応急危険度判定実施マニュアルが策定されたのを契機に、各市町村においても独自に各地域の協会等と協定を締結するよう県より依頼があったことから、東根市としましても、東根市木造住宅耐震診断士協会と協定を結んだものであります。これにより、市が判定士に対し直接要請できることとなっております。

　　また、本市の人員では判定士が不足する場合、県にも支援を要請することとなります。

　　よろしくお願いします。

○髙橋光男議長　14番浅野目幸一議員。

○14番（浅野目幸一議員）　分かりました。ありがとうございます。

　　市が直接要請できるということであります。

　　しかし、協会のメンバーは10名ということでありますので、足りないときは県の方に要請をするというお答えをいただいたところであります。

　　本市在住の判定士は同協会員に限らず県内に登録されている方、ほかにもいらっしゃると思いましたのでお聞きいたしました。

　　次に、避難の行動は、地震が収まってからであります。また、就寝中は避難に時間がかかります。暗闇や冬の夜、深夜のように積雪があったりするとなおさらでございます。

　　そこで、耐震シェルターとは何か。その耐震の家具等について伺います。

　　阪神・淡路大震災の死者は、８割が地震直後の家具の転倒や建物の崩壊による圧死であると言われております。家具の転倒、天井の落下等、それらに対しての対策ということでお伺いしたいと思います。

○髙橋光男議長　深瀬建設部長。

○深瀬弘之建設部長兼上下水道部長　耐震シェルターについてですが、手軽にできる地震対策として、地震などの災害から身を守るための場所、空間、スペースなどをつくることであります。その中には、ベッド型、部屋型などがあります。

　　ベッド型につきましては、ベッドの上部に取り付ける形で設置できる耐震シェルターとなっております。

　　部屋型につきましては、部材を組み込んで一部屋を丸ごと補強するシェルターになります。耐震改修工事よりも安価に耐震化が可能となっております。

　　これらの設置工事につきましては、東根市住まい応援事業によるリフォーム工事の活用が可能となっております。

　　よろしくお願いします。

○髙橋光男議長　14番浅野目幸一議員。

○14番（浅野目幸一議員）　リフォーム工事が活用可能ということでありますが、ベッドは家具ではないのかなと疑問に思ったから質問いたしました。

　　耐震シェルターとは何かということでありますが、自ら自分の身を守る場所、それから空間をつくるという、言わば覆いかぶせるものというイメージはできます。それを推奨できるのであれば、在宅避難という観点からも検討してみる必要があるのでないでしょうか。これを敷地の中に設置するということを含めてご検討をお願いしたいと思います。

　　それと身の回りの安全策として、家具の転倒防止等も補助の対象としていただければありがたいなと思いますのでご要望いたします。

　　さて、平成30年11月27日閣議決定により危険ブロック塀の耐震診断が義務化されました。　導入した自治体はまだ少ないようですが、本市でいち早く補助制度が整備されているようです。

　　そこで、地震等の災害による倒壊の危険性の判断や点検診断は誰がするか、対する補助の申請はどのくらいあったか伺います。

○髙橋光男議長　深瀬建設部長。

○深瀬弘之建設部長兼上下水道部長　お答えいたします。

　　ブロック塀等の安全性を確認することは、所有者自身の責務であります。自分で管理し安全点検することとなります。

　　また、補助事業の対象となるブロック塀は、道路等に面するブロック塀等で、要綱に定める耐震診断チェックリストによって所有者自らが点検を行った上で市に申請していただき、危険であると判断された塀になります。

　　補助事業の申請状況については、令和３年度からの事業になりますが、３年度については８件となっております。

　　よろしくお願いします。

○髙橋光男議長　14番浅野目幸一議員。

○14番（浅野目幸一議員）　ありがとうございます。

　　所有者の責務であると、所有者自身がチェックリストで判断すると、令和３年度で８件ということが分かりました。

　　なお、点検や改善は専門家に相談することが一番の早道かと私は思います。

　　また、その所有者に対して、点検の重要性を啓発し、また周知喚起についてお願いをしておきます。

　　次に、上下水道の耐震化について続けさせていただきます。

　　市長ご答弁のとおり、上下水道は耐震化だけでなく老朽化対策も求められております。

　　また、水道施設については昨今の猛暑による渇水対策、気候変動対策も求められているところであります。

　　ここでは専門技術者について伺います。

　　地震洪水はもう他人事ではない中、断水、上水の復旧などで頼るべきところはそれを専門とする技術者でございます。

　　直下型地震とは、居住地の真下にある震源の浅い地震というご答弁がございました。地表面で断層ができることにより、水道などの生活ライフラインの破断が起きてしまいます。その応急対策はその分野のプロフェッショナルの存在が重要であります。

　　不足すると思われる専門技術者の確保について大丈夫でしょうか、伺います。

○髙橋光男議長　深瀬上下水道部長。

○深瀬弘之建設部長兼上下水道部長　お答えいたします。

　　専門技術者の確保についてでありますが、少子化に加え若者の土木離れもあり、全国的に土木技術者の確保は大きな課題となっております。本市におきましては継続的かつ計画的に幅広い人材を確保するために、土木技術者の配置状況を踏まえながら必要に応じて採用試験を実施していただき、土木技術者の確保に努めているところであります。

　　よろしくお願いします。

○髙橋光男議長　14番浅野目幸一議員。

○14番（浅野目幸一議員）　分かりました。

　　技術者人材の確保というのは課題であると。その確保に努めるということであります。

　　次に、水道施設が被災したときのために、備えるべき技能を伺います。

○髙橋光男議長　深瀬上下水道部長。

○深瀬弘之建設部長兼上下水道部長　水道施設等が被災したときのために備えるべき技能についてでありますが、様々想定されます被害、被災状況によって発生する施設の異常に対し、早急に対応できる知識、技能を身につけておくことが挙げられます。

　　災害を想定した訓練や専門研修への派遣に加えて、周辺自治体における災害派遣要請に対してもできる限り対応しているところであります。

　　先般発生しました８月豪雨においても給水支援として飯豊町へ職員を派遣したところであります。

　　また、職員だけでは対応できない事案に対しましては、東根市管工事業協同組合をはじめ、電気、機械業者、設備関係業者などと日頃より連携体を取れる体制を構築しているところであります。

　　よろしくお願いします。

○髙橋光男議長　14番浅野目幸一議員。

○14番（浅野目幸一議員）　常に技術、知識を習熟して、身につける必要があるということであります。

　　それで足りないときは周辺自治体や関係業者と連携体制を取るということでありますが、平常時の水道管の点検、評価というのはどういうふうになさっているか伺っておきたいと思います。

○髙橋光男議長　深瀬上下水道部長。

○深瀬弘之建設部長兼上下水道部長　お答えいたします。

　　水道管の点検、評価についてでありますが、本市では基幹管路及び大口径の水道管について、水道管の外面を調査評価する管体調査や、水道管にカメラを挿入し管内の腐食状況を把握する管内調査を定期的に実施しているところであります。

　　近年では、令和２年度に上水道管、令和３年度に工業用水道管の点検・評価を実施しております。

○髙橋光男議長　14番浅野目幸一議員。

○14番（浅野目幸一議員）　カメラなどを入れてということであります。

　　最近、ＡＩロボットですか、ああいうふうなものが技術革新が盛んに行われております。定期的に腐食の点検を実施しているということで安心いたしました。

　　また、水それから食料は備えても、備蓄トイレを備えるという人は少ないようであります。災害時のトイレの確保は非常に重要です。災害用マンホールの備えはどうなっているか伺います。

○髙橋光男議長　深瀬上下水道部長。

○深瀬弘之建設部長兼上下水道部長　お答えいたします。

　　本市におけるマンホールトイレの復旧状況についてでありますが、先日オープンした東根市西部防災センターにおいては、５か所の設置スペースを整備しております。

　　また、令和３年１月に開校した神町小学校においても５か所のマンホールトイレ設置スペースを整備している状況であります。

　　よろしくお願いいたします。

○髙橋光男議長　14番浅野目幸一議員。

○14番（浅野目幸一議員）　新しい施設、西部防災センターそれから神町小学校におのおの５か所ずつ設置したということが分かりました。

　　マンホールトイレ、これも下水道が破損してしまうと使えなくなりますし、下水道というのは代替手段がなかなか用意しにくいというのも現実であろうと思います。しかし、ライフラインが停止すると大きな支障が生じてまいります。市民生活や健康を守るために災害用マンホールトイレの増設を希望し、要望いたします。

　　最後に、地震豪雨災害はいつかは来ません。必ず来ると思っております。次に備えるときであります。無論、避難訓練は重要ですが、身を守るために逃げるから周辺を安全な場所にするのも防災上の大事な要素ではないでしょうか。

　　すなわち、建物の耐震化が極めて重要なのであります。これまで以上に身を守る命を守る防災対策の強化、耐震化の推進支援、お力を傾注していただきたいと思います。

　　以上で質問を終わります。

○髙橋光男議長　以上で、ご了承願います。

　　会議の途中ですが、ここで議場内の換気のため午前11時５分まで休憩します。

　　　午前１０時５６分　休　憩

　　　午前１１時０５分　開　議

○髙橋光男議長　休憩前に引き続き、会議を開きます。

　　市政一般に対する質問を続けます。

　　◎河村　豊議員質問

○髙橋光男議長　12番河村　豊議員。

　　　〔12番　河村　豊議員　登壇〕

○12番（河村　豊議員）　12番河村　豊でございます。

　　通告しております３点につきまして、議長の許可をいただきましたので質問をさせていただきます。

　　医療的ケア児の保育、療育、教育に係る支援の現状と課題についてお伺いをいたします。

　　昨年９月、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律が施行されました。この場でも何度も取り上げさせていただいておりますが、この法律の全体像として、まず、医療的ケア児とは、人工呼吸器や胃ろう、日常的にたんの吸引や栄養の注入などの医療的なケアが必要な児童で、これには18歳以上の高校生等も含みます。

　　医療技術の進歩に伴い医療的ケア児が増加し、医療的ケア児の心身の状況等に応じた適切な支援を受けられるようにすることが重要な課題となっており、医療的ケア児の健やかな成長を図るとともに、その家族の離職の防止、安心して子どもを産み育てることができる社会の実現に寄与することが立法の目的となっております。

　　そして、基本理念としては、１つ目に医療的ケア児の日常生活、社会生活を社会全体で支援する。

　　２つ目に、個々の医療的ケア児の状況に応じ、切れ目なく行われる支援であります。これは医療的ケア児が医療的ケア児でない児童等と共に教育を受けられるように最大限に配慮しつつ適切に行われる教育に関わる支援等を言います。

　　３つ目に、医療的ケア児でなくなった後にも配慮した支援であります。

　　４つ目、医療的ケア児と保護者の意思を最大限に尊重した施策。

　　そして５つ目に、居住地にかかわらず、ひとしく適切な支援を受けられる施策であります。

　　そして、保育所における医療的ケアその他の支援として、看護師等またはたんの吸引等が可能な保育士の配置、学校においては看護師等の配置が保育所や学校の設置者等の責務とうたわれております。

　　山形県では、平成30年度に医療的ケア児がいるご家庭の状況を把握するため、県内のご家庭を対象としたアンケート調査を実施いたしました。その回答の中で、お子さんの介護から離れることができない生活について切実な声が多く寄せられました。

　　そんな中、本年７月１日、県内に居住する医療的ケア児及びその家族、その他関係者に対し、専門的にその相談対応や情報の提供、助言、その他の支援などを行う山形県医療的ケア児等支援センターが山形大学医学部附属病院地域医療連携センター内に開所いたしました。それに先立ち東根市では、県内で初となる公立のこども園で医療的ケア児の保育を行うという取組を本年度からスタートしていただきました。

　　そこで、医療的ケア児の市立ひがしねこども園での保育における職員の対応や、関係機関との連携などの現状と、来年度を念頭にさらなる保育の充実についてお伺いをいたします。

　　一方、今年度の取組では受入れガイドラインに、対象年齢は３歳以上、受入人数は最大２人となっており、希望しても入園できないお子さんがおられました。

　　しかしながら、医療的ケアだけでなく障害があるお子さんの個々の障害特性や発達の状態に応じて、将来の自立と社会参加を目指して、言語聴覚士や理学療法士などの専門職による一人一人に合った療育で支援を行っていくことも重要であります。

　　現在市内で療育児童発達支援等を行っておられる事業者においても、医療的ケアが必要なお子さんを預かる場合、看護師を配置し、場合によっては１対１でのケアの体制が必要であり、人材不足や施設面での課題を挙げておられます。

　　東根市では、年間約430人前後の出生数を維持しており、子育てするなら東根市を標榜している以上、全ての子どもたちが機会に恵まれ、ひとしくサービスを受けることができる環境整備が必要だと考えます。

　　行政として、市内事業者への人材面、施設面など様々な角度からの支援、不足する部分に関しては新たな事業者の誘致なども視野に入れた早急な対応が必要だと考えます。

　　そこで、市内における医療的ケア児の療育発達支援のサポート状況と課題についてお伺いをいたします。

　　次に、就学年齢に達した医療的ケア児の市立小学校への入学についてお伺いをいたします。

　　これまでは医療的ケアが必要なお子さんは、上山市の県立ゆきわり養護学校か、村山市の県立楯岡特別支援学校に通うことで、学ぶ機会を得ておりました。地元の小学校に通う場合は、ご家族の付添いなどが条件となっておりました。

　　就学前の医療的ケア児の保育については、市立ひがしねこども園のスタートによって大きな一歩を進めていただきました。しかし、ここに通っておられる医療的ケア児もやがて就学年齢に達します。冒頭で述べました法律に定められた学校設置者の責務として、ご本人やご家族が望まれる場合は、地元地域の学校で学ぶ機会を確保しなければなりません。

　　そこで、就学年齢に達した医療的ケア児の市立小学校への入学について教育長のご所見をお伺いいたします。

　　山形県医療的ケア児者・重症児者の会という団体がございます。その案内の冊子に家族の思いがつづられております。

　　両親の思いとして、介護だけじゃなくて育児がしたい。子どものケアを気にせず朝までぐっすり眠りたい。兄弟との時間や関わりも大事にしたい。仕事を通して社会とつながりたい。子どもの将来の心配を軽くしたい。

　　また、兄弟の思いとして、本当は僕も思いっきりママを独り占めして甘えたい。僕の学校行事も見に来てほしいな。入院中はママに会えなくて寂しいんだ。

　　そして、本人の思いとして、地域の保育園、幼稚園、学校に付添いなしで通いたい。家族の笑顔をたくさん見たい。いつまでも住みなれた地域で自分らしく暮らしたいとつづられております。この思いに行政はあらゆる知恵と工夫を凝らして応えていかなければなりません。

　　このことをお伝えして、登壇での質問といたします。

○髙橋光男議長　12番河村　豊議員の質問に対し、答弁を求めます。

　　土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　河村　豊議員の医療的ケア児の保育、療育、教育に係る支援の現状と課題についてのご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、医療的ケア児の市立ひがしねこども園での保育における職員の対応等についてであります。

　　本年４月に開所したひがしねこども園においては、共生のまちづくりの新たな一歩として、医療的ケア児の保育を行っているところであります。

　　受入体制については、児童の安全を最優先に考え、専任の看護師を配置するとともに、保育士等の職員、保護者、福祉サービス事業所、医療機関、子育て健康課の保健師等が連携し、疾病や健康の状態など常に必要な情報の共有を図り、適切なケアを行っているところであります。

　　また、集団保育の中で医療的ケア児の見守りや介助に当たる保育士については、研修によってスキルの向上を図るなど、施設の関係者が一体となって集団保育を安全に行えるように努めております。

　　児童は、集団生活で協調性や友達との関わりについて学び、保護者は就労できる可能性が広がるなど、医療的ケア児の保育に対して大きな期待が寄せられております。

　　来年度以降の医療的ケア児の保育につきましては、これまでの保育の状況を十分に検証し、集団保育における安全確保を最優先に、受け入れする児童の年齢や医療的ケアの種類など、受入要件の拡充について検討しているところであります。

　　次に、医療的ケア児の療育発達支援のサポート状況と課題についてであります。

　　市内における医療的ケア児に対する療育や発達支援の状況につきましては、民間事業者１社が、食事や排せつをはじめとする日常生活の基本的な動作を指導するなど、自立に向けたサポートを行っているところであります。

　　療育等で日常生活の訓練を行いながら、ひがしねこども園で集団生活の経験を積み、就学に備えているケースもあります。

　　また、新たな動きとして、市内の事業所がここ数年の間に医療的ケア児に対する療育等のサービスを開始することを検討しているという情報もあります。

　　しかし一方で、身体的な状況から市内に受入可能な施設がないなどの理由から、やむを得ず市外の施設を利用している方もいると聞き及んでいるところであります。

　　全ての医療的ケア児が市内の身近な施設で、いつでも療育等のサービスを受けることができる十分な環境が整備されていることが望ましいところではありますが、看護師等の確保を含めた施設の受入体制の問題や、事業所の運営が市民だけでなく広域的な利用を前提としてのことなどから、市民が利用できないケースが生じるものと捉えております。

　　療育サービスを提供する施設の誘致につきましては、多岐にわたる市民ニーズの中で療育に特化する妥当性、既存事業所との公平性の確保や競合等、様々な課題があると捉えているところであります。

　　本市といたしましては、今後さらなる療育等の充実に向け、対象者数の推移や事業所の動向を重視してまいります。

　　また、医療的ケア児のコーディネーターや障害福祉事業者と連携を図りながら、市内の施設の有効利用や市外の施設も含めた受入先の調整を図ってまいりますのでご理解をお願いいたします。

○髙橋光男議長　次に、教育長に答弁を求めます。

　　半田教育長。

　　　〔半田　博教育長　登壇〕

○半田　博教育長　私からは、就学年齢に達した医療的ケア児の市立小学校への入学についてのご質問にお答えをいたします。

　　教育委員会におきましては、東根市立ひがしねこども園における医療的ケア児受入れガイドラインを基にして、市立小中学校におけるガイドラインの作成を検討しているところであり、そのガイドラインに沿って、市内の小学校でも医療的ケア児を受け入れる方向で検討をしております。

　　就学に際し一番大切にしていることは、その子どもにとって学びに最も適切な学習環境を整えるということであります。その上で、保護者と教育委員会が教育相談を行い、就学先を決めていくこととなります。

　　その際には、医療的ケア児の視点だけではなく、知的な面や自閉症等の情緒的な面、肢体不自由の程度なども含め、医師やその他の専門職、教職員等で組織する東根市教育支援委員会で総合的に判断をし、その結果をもとに保護者と教育相談を進め、通常学級、特別支援学級、特別支援学校のいずれかへの就学となります。

　　したがいまして、保護者目線よりも子ども目線を重視し、子ども本人にとって最もよい選択肢かどうかを見極めながら医療的ケア児の就学を進めてまいりますのでご理解をお願いいたします。

○髙橋光男議長　12番河村　豊議員。

○12番（河村　豊議員）　それでは、質問を続けます。

　　まず、医療的ケア児への支援は保健、医療、福祉等、多分野にわたっております。県ではこれらのサービスを総合的に調整し、医療的ケア児とご家族にサービスを紹介するとともに、支援機関とご家族をつなぐ医療的ケア児等コーディネーターを養成しております。

　　この医療的ケア児等コーディネーターの養成は令和元年度から実施され、令和２年度以降は隔年で実施されております。

　　支援を希望されるご家族が住まいの近くで相談できるように県内の地域ごとにコーディネーターが配置されているということでありますが、東根市内の医療的ケア児等コーディネーターの配置状況はどうなっているのかお伺いをいたします。

○髙橋光男議長　鈴木健康福祉部長。

○鈴木敬一健康福祉部長　お答えいたします。

　　医療的ケア児等のコーディネーターの配置につきましては、東根市第６期障害福祉計画及び第２期障害児福祉計画において、令和５年度末までに２名を配置する計画となっております。

　　昨年度までは２つの事業所に１名ずつ、合計で２名が配置されておりましたが、現在は１つの事業所に１名のみが配置されている状況となっております。

　　コーディネーターは、医療的ケア児が医療、療育、集団保育等のサービスを適切に利用し、自立して生活していけるように総合的なプランニングを行う重要な役割を担っております。

　　コーディネーターの資格につきましては、相談支援専門員、保健師、看護師、医療ソーシャルワーカーなどが県主催の養成研修を受講する必要があり、今年度は２年ぶりにこの養成研修が開催される予定とのことであります。

　　今後、コーディネーターの配置に向けまして福祉サービス事業所と調整を図ってまいりますのでご理解をお願いいたします。

○髙橋光男議長　12番河村　豊議員。

○12番（河村　豊議員）　了解いたしました。

　　当初２名おられたコーディネーターが、今１事業所で１名になっているということでありますけども、高齢者の支援をしていただくようなケアマネジャーさんと違って、１人のコーディネーターが担当する医療的ケア児というのは、まだまだ限られた人数で、そこまで負担がということではないようなお話を聞きしておりますけども。

　　ただ、今、市内で１名、その方が市内で限定されず、さらに先ほどもありましたけども、もっと広い範囲のお子さんの相談支援を行っているということでありましたので、今ご答弁にもございましたけども、このコーディネーターの配置についてしっかり後押ししていただければなと思いますので、よろしくお願いいたします。

　　先ほど教育長が医療的ケア児の就学について、子ども本人にとって最もよい選択肢かどうかを見極めると答弁されておりました。専門的、長期的また客観的な意見とともに大変重要な視点だと私も考えております。

　　また、医師その他の専門職や教職員等で組織する市教育支援委員会の総合的な判断とのお話もありました。この東根市教育支援委員会についての構成や役割についてお伺いをいたします。

○髙橋光男議長　安達教育次長。

○安達利也教育次長　お答えをいたします。

　　東根市教育支援委員会の目的は、新入学児及び小学校、中学校における障害児の適正な就学を図り、特別支援教育の推進、向上を期すことであります。

　　具体的には、児童生徒の障害の種類や程度、発達課題等の状況により、専門的な見地からその子にとっての最適な学びの場を判断し、教育長に報告をする役割を担います。

　　したがいまして、教育支援委員会は、医師や公認心理師といった専門職、小中学校長の代表、特別支援学級や特別支援学校に関わる教育関係者及び療育機関の職員など、幅広い職種により構成をされております。

　　教育委員会では、教育支援委員会の判断に基づき教育相談を進め、保護者の理解を得た上で就学先を決定しております。

　　よろしくお願いいたします。

○髙橋光男議長　12番河村　豊議員。

○12番（河村　豊議員）　了解いたしました。

　　より細かいご家族、それからまたご本人の意見等もしっかり把握していただいて、細かい思いが行き届いた、そういう判断ができるような決定にしていただきたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。

　　それから、先ほど市長から市内の施設の有効利用という答弁がございました。医療的ケア児の療育については、専門職の方の継続的な支援が重要である一方、必要なサービスを必要な方に切れ目なく届けるために、コーディネーターや行政との情報共有も重要であります。民間でそのノウハウを持つ事業者にサービス提供の肝腎な部分をリードしていただき、行政には人材面や施設面、経済面でそのバックアップを行ってほしいとの声がございます。

　　そこで、医療的ケア児の療育等を行うための施設やスペースを提供することも行政ができる大きな役割だと考えております。

　　そこで、これが最後になりますが、提案をさせていただきたいと思います。

　　市長がこの度の選挙におきましても、今後の重要な施策だということで取り上げておられた、旧神町小学校跡地への検診センターの誘致というお話がございました。旧神町小学校跡地への検診センターの誘致、それから公立のさくらんぼ保育所の移転等と併せまして、そこに医療的ケアが必要な子どもたちのための療育施設の整備を提案させていただきます。

　　ただ、これは少し時間が必要だと思いますので、例えば、さくらんぼタントクルセンター内には公立のひがしね保育所がございますけども、総合保健福祉施設であるタントクルセンター内のスペースを提供するというのも一つだと考えます。

　　また、看護師が必要であることから、北村山公立病院の空き病棟を活用するという方法も考えられます。これは、レスパイト施設としての役割も期待できるのではないかと思います。日常的に24時間ケアが必要なお子さんの面倒を見られている親御さんに、少しでも気を休めていただけるような時間をつくる。そのための施設という意味でも有効なのではないかなと思います。

　　また、私自身、現地で幾つかのスペースを確認させていただきましたけども、イオン東根店の空き店舗のスペースを活用させていただくということも考えられるのでないかなと思います。

　　さらには、各小中学校の空き教室などを活用するということも考えられます。３年前の平成31年第１回定例会一般質問でも医療的ケア児の保育について質問をさせていただきました。

　　その際に土田市長は「これまで民でできることは民でと、民間事業者による保育所整備などに特に力を入れてきた。平成28年、29年、２か年で２つの保育所の新増設、３つのこども園の開所など、公設ならばこのようなスピード感はなかった。そして、一、二か所程度は市の直営でやることも必要ではないか」と答弁をしていただいております。

　　まさに市立ひがしねこども園が中核となって、主導的役割も担う。そして今必要な方のために民間の力を借りる。そのために先ほど申し上げましたような施設、スペースを行政が準備をして、そこにノウハウを持った民間の事業者を誘致するということを具体的に進めていただくことを要望、提案をさせていただきます。

　　もし、市長のご所見があればと思いますが。

○髙橋光男議長　土田市長。

○土田正剛市長　今、様々な場所の提供などの案がありました。

　　実は、今年４月からひがしねこども園、行政で２名を医療的ケア児の受入体制を確立したわけであります。しかしこの点について、全てのこの430名内外の東根の出生数があるわけでありますけれども、全ての子どもたちに権利をということは非常に分かるんですが、まだ国自体がこの行政で預かる場合の制度設計というものはなされておりません。

　　先般、４月でありますけれども、前厚生労働副大臣の古賀先生が視察に参ったときに、まだ国ではこれについての制度設計はやっておりませんと。しかし、そういう中において、行政が先行していろんな課題ということをまとめていただきたいと、そういう形の中でこの国の制度設計を今後行いたいという話もありました。そういう中において、私はこの民間の事業所が行政の補填する役目を果たすということについては、非常に私は妥当だと思っております。

　　しかし、民間に限らず行政もそうですが、看護師の加配というのが非常に難儀であります。特に山形県については、女性の労働者というものが、都会の方にみんな憧れてしまうという形の中で、非常に看護師そのものの絶対数が不足をしているわけであります。

　　河村議員が指摘をされた、この公立病院においても、実は医師不足だけでなくて看護師不足もかなり深刻なわけであります。ですから、その場所の提供もさることながら、その前にそういった看護師の加配を含めて、いろんなやるべき備えというものにもっと深く研究してみたいなと思っているところであります。

　　いずれにいたしましても、こういった問題について、教育を受けて生きる力を身につけることも大切であります。

　　親の負担を軽減するためには、ショートステイなど一時的に子どもを受け入れする施設も不足をしております。

　　また市内には就労支援施設としてＡ型が１か所、Ｂ型が３か所ありますが、仕事をして幾らかでも収入を得る生きがいを見いだそうということも大切であるわけであります。

　　将来的には、１人になっても生活していける入所施設やグループホームなどの施設の充実も必要であります。

　　今後、医療的ケア児に対する支援策については、様々な角度から総合的に検討を今後進めていきたいなと思っているところであります。

○髙橋光男議長　12番河村　豊議員。

○12番（河村　豊議員）　ありがとうございました。

　　市長から、今、障害がある方々の保育や教育、さらにその後の就労、自立に向けたお話も含んでいただきました。

　　これまで特に自立に関して、グループホームが東根では不足している、受入先がないということがございまして、そのこともこれまでも要望しておりますけども、そこに至るまで、さらにこの官民挙げて力を合わせてやっていくべき課題が様々あるなということを思っておりますので、ぜひ、そこでしっかりとこのこれまでやってこられた市長の力を存分に発揮していただいて、官民の力で足りない部分を充足させていくというところに精力を注いでいただければと思いますので、今回は、様々この当事者の方のお話も伺いながら、これは支援される側、支援している側両方であります、様々なご意見を聞いて足りないところ、補っていかなければいけないところ、それらをお願いしたところであります。

　　ぜひ、今後も引き続きこのことは前面に出して取り組んでいただけるようにお願いをいたしまして、私の質問を終わります。

　　以上です。

○髙橋光男議長　以上で、ご了承願います。

　　◎散　　　　　会

○髙橋光男議長　以上で本日の日程は全部終了しました。

　　本日はこれで散会します。ご苦労さまでした。

　　　午前１１時４０分　散　会