令和４年９月２６日　午前１０時００分　開　議

　　　　　　髙　　橋　　光　　男　議長　　　　　　　原　　田　　利　　光　副議長

◎出席議員（１８名）
　１番　　　福　　永　　邦　　幸　議員　　　　　　　２番　　　齋　　藤　　俊 一 郎　議員
　３番　　　高　　橋　　弓　　嗣　議員　　　　　　　４番　　　滝　　口　　公　　一　議員
　５番　　　元　　木　　十 四 男　議員　　　　　　　６番　　　東 海 林　　克　　彦　議員
　７番　　　三　　宅　　一　　人　議員　　　　　　　８番　　　植　　松　　　　　宏　議員
　９番　　　片　　桐　　勝　　寿　議員　　　　　　１０番　　　山　　科　　幸　　子　議員
１１番　　　高　　橋　　鉄　　夫　議員　　　　　　１２番　　　河　　村　　　　　豊　議員
１３番　　　細　　矢　　俊　　博　議員　　　　　　１４番　　　浅 野 目　　幸　　一　議員
１５番　　　佐　　藤　　　　　直　議員　　　　　　１６番　　　清　　野　　忠　　利　議員
１７番　　　原　　田　　利　　光　議員　　　　　　１８番　　　髙　　橋　　光　　男　議員

◎欠席議員（なし）
◎説明のため出席した者の職氏名
土　田　正　剛
市　　　　　　長

半　田　　　博
教　　育　　長
武　田　庄　一
選挙管理委員会
委　　員　　長

古　谷　利　明
代表監査委員
菅　原　繁　治
農業委員会会長

芦　野　耕　司
副　　市　　長
石　垣　有　一
総　務　部　長

岡　田　光　弘
市民生活部長
鈴　木　敬　一
健康福祉部長

太　田　　　修
経　済　部　長
深　瀬　弘　之
建　設　部　長
兼上下水道部長

高　橋　愛　子
会計管理者
佐　藤　明　彦
消　　防　　長

安　達　利　也
教　育　次　長
青　柳　　　昇
総合政策課長

安　達　好　浩
庶　務　課　長
併選挙管理委員会
事　務　局　長
本　間　和　史
財　政　課　長

牧　野　美和子
監　査　委　員
事　務　局　長
岡　田　正　樹
農 業 委 員 会
事　務　局　長





◎事務局職員出席者職氏名
佐　藤　慎　司
事　務　局　長

高　橋　真伊子
事務局長補佐
森　谷　賢　司
議事係長

黒　坂　育　実
主　　　　任
井　上　雄　貴
副　　 主　　 任

大　江　剛　史
兼　務　書　記
辻　村　　　充
兼　務　書　記



◎議　事　日　程

　議事日程第２号
　　　　　　　令和４年９月２６日（月）　午前１０時　開　議

　日程第　１　　常任委員会委員の選任
　日程第　２　　議会運営委員会委員の選任
　日程第　３　　市政一般に対する質問
　　　　　　　　１　１０番　山　科　幸　子
　　　　　　　　２　　２番　齋　藤　俊一郎
　　　　　　　　３　　８番　植　松　　　宏
　　　　　　　　４　　１番　福　永　邦　幸
　　　　（散　　　　　会）

◎本日の会議に付した事件

　議事日程第２号に同じ。
令和４年東根市議会第３回定例会一般質問発言通告書

番 号
質 問 者
質 問 事 項
質 問 要 旨
答 弁 者
１
山科　幸子
議　　　員
１.水道事業について
１．水道法改正により水道施設を適切に管理するために水道施設台帳の作成が義務付けられているが、公的整備による水道管と民間敷設の水道管の状況及び耐用年数について伺う。
２．水道事業経営戦略による耐用年数に達した管路の整備更新について、主要管の「管体調査」の状況とその他の管種ごとの更新基準年数の設定について伺う。
３．コロナ禍において、東根温泉施設に対し、国の新型コロナウイルス感染症対策に係る交付金を活用して水道料金を減免する支援策について伺う。
市　　　長
２.宅地開発が進む中でのまちづくりについて
１．民間による宅地開発が進んでいる中、健全で秩序ある住みよいまちづくりの取組として、建築確認や宅地開発の状況と行政の関わりについて伺う。
市　　　長

２
齋藤俊一郎
議　　　員

１．佐藤錦結実100年。日本一のさくらんぼ生産における現状と課題、今後の展望について
１．作付面積の推移と今年度の生産及び販売状況を伺う。
２．生産基盤の強化と省力化等へのさらなる支援に向けた方針を伺う。
市　　　長
２．こどもを社会の真ん中に。子育て環境の充実に向けた今後の展開について
１．こども基本法の成立及びこども家庭庁の設置に伴う見解を伺う。
２．こどもに関する本市組織機構の体制整備について今後の方針を伺う。
３．こども家庭センターの整備に向けた検討状況を伺う。
市　　　長
３
植松　　宏
議　　　員
１．「東根市デジタル変革（ＤＸ）推進計画」の取組について
１．本市では、「第５次東根市総合計画」に掲げるデジタル変革の推進を展開していくため、「東根市デジタル変革（ＤＸ）推進計画」を策定した。この計画では、令和７年度までの４年間に、市民生活のあらゆる面において、質や利便性を向上させることを目的にデジタル技術の活用を推進していくとしているが、以下の項目について本市の取組方針を伺う。
（１）「東根市デジタル変革（ＤＸ）推進計画」においては、情報セキュリティ対策が随所で求められているが、オープンデータ化を進めれば進めるほど、情報漏洩などの危険度が増すことが考えられる。セキュリティ対策に問題はないか。
（２）「東根市デジタル変革（ＤＸ）推進計画」でも、マイナンバーカードはもっとも簡単な本人確認ツールとして、市民へ取得を推進しているが、国が求める令和４年度末まで全市民に行き渡らせることは可能な状態か。また、国がこれだけ多額の予算を計上しているにもかかわらず、普及が進まない原因はどこにあると考えるか。
市　　　長
２．消防ポンプ車庫の現状と整備方針について
１．地域防災の拠点施設となる消防ポンプ車庫の一部には、地域消防団による日常の管理にもかかわらず、経年劣化による老朽化が著しく進んだ施設がみられる。その中には、天井壁の剥離落下等も発生し、円滑な消防活動の支障になっている施設もある。ついては、以下の点について、本市の整備方針を伺う。
（１）本市の消防ポンプ車庫の現状と整備に関する考え方はどのようになっているか。
市　　　長

４
福永　邦幸
議　　　員
１．東根市老人福祉計画及び第８期介護保険事業計画について
１．コロナ禍における次期計画策定に向けた現状分析と今後の課題について
２．コロナ禍における介護保険事業費の全体像と今後の財政課題について
市　　　長




　　◎開　　　　　議

○髙橋光男議長　皆さん、おはようございます。
　　本日の会議に、欠席及び遅刻の届出はありません。したがいまして、出席議員の数は18名で定足数に達しておりますので、これから本日の会議を開きます。
　　本日の会議は、議事日程第２号によって進めます。

　　◎常任委員会委員の選任

○髙橋光男議長　はじめに、日程第１、常任委員会委員の選任についてでありますが、欠員となっております経済建設常任委員に、委員会条例第８条第１項の規定により、去る８月28日執行の市議会議員補欠選挙において当選されました、福永邦幸議員を指名します。

　　◎議会運営委員会委員の選任

　　次に、日程第２、議会運営委員会委員の選任についてでありますが、去る９月16日に行われた副議長選挙の結果により、本市議会における新たな会派体制が確定しました。
　　これに伴い、河村豊議員より議会運営委員の辞任願が提出されたため、委員会条例第８条第１項の規定により、新たに三宅一人議員を議会運営委員に指名します。

　　◎市政一般に対する質問

　　次に、日程第３、市政一般に対する質問を行います。
　　質問は通告順としますが、発言順番を迎えたときに議場にいない場合は、発言権の放棄とみなしますので、そのようにご了承願います。

　　◎山科幸子議員質問

○髙橋光男議長　はじめに、10番山科幸子議員。
　　　〔10番　山科幸子議員　登壇〕
○10番（山科幸子議員）　皆さん、おはようございます。
　　10番山科幸子でございます。
　　土田市長、ご当選おめでとうございました。
　　議員となって以来、たくさんの提案、ご要望を申し上げ、市長には数多く実現していただきました。躍進する東根をさらなる高みへと推し進めるために、議員として市民の声を届け、住みよいまち、躍進するまちづくりのために議論してまいりますので、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。
　　それでは、通告に基づきまして、ただ今から一般質問を行います。
　　はじめに、水道事業についてであります。
　　改正水道法では、将来にわたり安全な水の安定供給を維持していくためには、水道の基盤強化を図ることが必要であるとして、水道施設を適切に管理するための水道施設台帳を作成し、保管することが義務付けられております。
　　東根市では、区画整理事業や開発行為による宅地造成が行われてきました。一方、民間開発や小規模な宅地売買が行われています。住宅建設時において民地の水道管が把握できずに破損し、近隣住民が断水するという事例が起こっております。
　　また、民間売買で民間敷設の水道管からの分管ができずに、水道を引くことができないため、未利用となって、雑草や支障木など空き地問題が起きている土地もあります。
　　公的整備による水道管と民間敷設の水道管について、本市の水道台帳に基づく状況と耐用年数はどのようになっておられるのか、お伺いいたします。
　　次に、耐用年数に達した管路の整備更新についてであります。
　　老朽化した水道管は全国的に大きな課題となっています。東根市水道事業経営戦略では、経営の基本方針に施設や設備の更新、自然災害に備えたリスク管理対策に計画的に取り組むとあります。
　　主な取組として、耐用年数を経過している管路については、計画的に更新を行うとあります。主要管路については、老朽度を判定するために管体調査を実施するとありますが、主要管の管体調査について、どのような状況であるのか、お伺いいたします。
　　また、更新需要の平準化を図るため、その他の管種ごとの更新基準年数を設定するとありますが、設定内容について、お伺いいたします。
　　水道事業に関しまして、最後に、コロナ禍における東根温泉施設への水道料金に対する支援について、お伺いいたします。
　　新型コロナウイルス感染症は、2019年12月初旬に中国の武漢市で第１例目の感染者が報告されてから、僅か数か月ほどの間に、パンデミックといわれる世界的な流行となりました。
　　長引くコロナ禍で温泉地を訪れる観光客や利用者が激減し、休業、廃業に追いやられている施設もあります。東根温泉はかつてない苦境に立たされております。
　　かつて入湯税は1,000万を超えておりましたが、前年決算額より各種支援策によって僅かに上向いているものの、令和３年度決算額は386万8,725円で、４割にも満たない状況であります。
　　岸田首相は訪問中のニューヨークで記者会見し、ＧｏＴｏトラベルに替わり、旅行需要喚起策全国旅行割を10月11日から開始すると明らかにしました。
　　温泉施設は大量の水を使います。温泉振興策として、コロナ禍前から水道料金を割引して支援している自治体があります。
　　コロナ禍において、地方創生臨時交付金を活用して、旅館などに対し、一般会計から水道会計に繰入れして、料金を減免する支援対策を実施すべきではないでしょうか。当局のお考えをお伺いいたします。
　　次に、宅地開発が進む中で、本市のまちづくりについて、お伺いいたします。
　　全国的に人口減少が課題となっている中で、東根市は宅地開発が活発で、世帯数の増加には目をみはるものがあります。
　　かつては「家と庭があるから家庭」と言われ、庭付きの住宅が主流でありました。
　　最近、東根市では、50坪、45坪の宅地が売買されています。
　　民法では、建物を建てる場合は、建物は境界から50cm以上離さなければならないとありますが、豪雪が続いた近年は、雪トラブルが発生しています。
　　それぞれの戸建住宅地において、良好なコミュニティーと住環境を持続的に維持していくためには、土地利用や都市計画において、先駆けた対処策をもって取り組んでいかなければなりません。このことは、除雪や防犯対策を進める上で、大変重要であると考えます。
　　健全で秩序があり、住みよいまちづくりを推進するに当たり、本年３月議会でも取り上げられておりますが、近年の建築確認と宅地開発の状況について、お伺いいたします。
　　さらに、市のまちづくりで重要な除排雪や雨水排水の観点から、建築確認と宅地開発に際して、行政の関わりはどのようになっているのか、お伺いいたします。
　　以上で、登壇席からの質問を終わります。
○髙橋光男議長　10番山科幸子議員の質問に対し、答弁を求めます。
　　土田市長。
　　　〔土田正剛市長　登壇〕
○土田正剛市長　おはようございます。山科幸子議員のご質問にお答えをいたします。
　　はじめに、水道事業についてであります。
　　公的整備による水道管と民間敷設の水道管の状況につきましては、市が整備した水道管と民間が整備して市に移管した水道管を、市が管理する水道管として水道施設台帳に登載し、管理しております。
　　一方、民間が整備して市に移管されていない水道管は、幹線給水管として市が管理する水道管とは区分けして、水道施設台帳に登載しているところであります。
　　なお、水道施設台帳については、平成30年の水道法改正により、水道施設を適切に管理するために、作成、保管が義務付けられておりますが、本市では既に平成16年度から現行のマッピングシステムを導入し、水道施設台帳の適切な管理、保管を行っているところであります。
　　また、水道管の耐用年数につきましては、管種、口径に関係なく、地方公営企業法施行規則において、全種40年と定められているところであります。
　　次に、主要管の管体調査の状況と、その他の管種ごとの更新基準年数の設定についてでありますが、主要管の管体調査については、令和２年度と令和３年度に上水道及び工業用水道の主要配水管に対して実施し、腐食量や管工調査などを行ったところであります。
　　調査結果につきましては、早期に整備、更新を行う必要はないとの報告を受けております。
　　また、主要管以外の水道管における管種ごとの更新基準年数の設定についてでありますが、主要管以外の支管水道管は敷設延長が長く多種多様であるため、他事業体における事例やメーカー推奨耐用年数等を参考に、水道事業経営戦略内において管種ごとに更新基準年数を設定しているところであります。
　　次に、コロナ禍における東根温泉施設への水道料金に対する支援についてでありますが、東根温泉に対しましては、これまでも支援金の交付やクーポン券の販売など、様々な支援を行ってきたところであります。
　　しかしながら、東根温泉に限らず、多くの市民や事業者において、長期化するコロナ禍と原油価格、物価の高騰の影響により、厳しい経済状況が続いております。
　　本市では、こうした状況を踏まえ、今年度においても燃料費高騰に対する事業者への支援金や、さくらんぼプレミアム商品券を発行し、市民生活を下支えする施策を展開しております。
　　なお、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した東根温泉の宿泊施設に限った水道料金の支援につきましては、現時点では想定していないところであります。
　　次に、宅地開発が進む中でのまちづくりについてのご質問にお答えをいたします。
　　建築確認や宅地開発の状況と行政の関わりについてでありますが、建築確認申請につきましては、主に建築物を新築、または床面積が10㎡を超える増築等の場合に、建築物が建築基準法に適合しているかを確認するもので、申請を受理し、確認済証を交付する県の建築主事に進達しているところであります。
　　申請状況は、国の指定を受けた機関への提出も含め、令和２年度が440件、令和３年度が423件であり、そのうち約８割が新築住宅の申請となっております。
　　また、開発行為につきましては、一定の規模以上の開発を行う場合に開発許可が必要であり、申請を受理し、許可を行う県知事に進達しているところであります。
　　申請状況は、令和２年度が５件、令和３年度が７件であり、そのうち約６割が宅地分譲となっております。
　　開発者は開発行為に関する工事において、設置する道路、緑地、雨水排水等の配置や構造について、各公共施設の管理者と事前協議し、同意を得なければなりません。
　　本市では、この事前協議において、特に冬期間の除雪に配慮した道路形状や雪押し場として緑地を利活用できるような整備を求めるなど、住みよい住宅地の形成に取り組んでおりますので、ご理解をお願いいたします。
○髙橋光男議長　10番山科幸子議員。
○10番（山科幸子議員）　ただ今、答弁いただきました。本当にありがとうございます。
　　引き続き、質問席から質問を続けますので、よろしくお願いいたします。
　　漏水というのは経営上大きな問題がありますけど、近年の、まず、漏水の発生件数と原因について、お伺いいたします。
○髙橋光男議長　深瀬上下水道部長。
○深瀬弘之建設部長兼上下水道部長　お答えいたします。
　　近年の漏水の発生件数についてでありますが、水道本管の漏水は年間５件前後となっております。本管漏水が発生する管種、管の種類は、塩化ビニル管がほとんどであります。
　　近年、塩化ビニル管から耐震管への敷設替え工事を中心に実施しておりますので、水道本管の漏水件数は、以前と比べて減少傾向となっております。よろしくお願いします。
○髙橋光男議長　10番山科幸子議員。
○10番（山科幸子議員）　漏水が発生する管種は塩化ビニル管がほとんどであり、近年は耐震管へ敷設替え工事をしているため、減少しているとありました。
　　市の水道管へは計画的に更新されていますけれども、民間で敷設した水道管は、当分、ご答弁では、更新ならないという状況であると捉えています。
　　それでは、民間の水道管を市へ移管するための条件はどうなっているのでしょうか、お伺いいたします。
○髙橋光男議長　深瀬上下水道部長。
○深瀬弘之建設部長兼上下水道部長　お答えいたします。
　　民間の水道管を市へ移管するための条件についてでありますが、主な要件としましては、個人の給水管ではないこと、道路に埋設されている水道管であること、東根市が今後の維持管理をすることに対して、道路所有者、水道管所有者等の関係者全員が署名した同意書を提出することが条件となっております。よろしくお願いします。
○髙橋光男議長　10番山科幸子議員。
○10番（山科幸子議員）　移設するには、かなり民地を走っている水道管というのは、もう該当にならないということでありました。
　　市内には、昭和40年代、高度成長期あたりに民間が敷設された古い水道管を、私は何件も確認しております。
　　民有地に敷設された水道管というのは、古いもの、塩ビ管であったり、本当に問題になっている石綿を使用した水道管はないのでしょうか。とても心配です。また、弱いという塩ビ管、これは地震発生時に破損のおそれがあると考えます。
　　水道の耐用年数、全種40年。ところが、それよりもずっと古い水道管が市内には多数あります。
　　管体調査や漏水の発生状況から、管路の老朽化の現状と課題については、どのように捉えておられるのか、お伺いいたします。
○髙橋光男議長　深瀬上下水道部長。
○深瀬弘之建設部長兼上下水道部長　管体調査や漏水発生などから考えられる管路の老朽化の現状と課題についてでありますが、管体調査の結果等を踏まえ、定期的に状態監視を行いながら、更新時期を見極めてまいります。
　　また、主要配水管以外の配水支管におきましても、定期的な漏水調査を実施するなど、漏水状況の把握に努めているところであります。
　　こうした現状把握に努めながら、限られた財源の中で水道管の更新を進めていくことが課題であると捉えております。よろしくお願いします。
○髙橋光男議長　10番山科幸子議員。
○10番（山科幸子議員）　民間の水道管を利用している市民というのは、官費で、社会資本で整備された水道管と同じ料金を支払っています。その余剰額というのは、水道管の更新に充てられるものであります。
　　平成28年度、私は山形県の水道料金について、水道料金は全国的に３番目に高いんだということで、料金の改定や免除制度についても議論させていただきました。
　　監査委員による決算意見書内部留保金は７億8,000万円超で、施設の老朽化や自然災害の対応を進めていくべきだとあります。
　　これは、官費で整備されたものではなくて、料金の、これが留保金に、余剰金となってきているので、私は、水道台帳に管理されている、市が、民間のもちゃんと持っているわけですから、市民に等しく、官民に合わせた計画的で効率的な維持と管理を強く要望するものであります。
　　次に、コロナ禍における温泉施設に対する水道料金の上乗せ支援策については、今までこうやってきたから、今のところ想定していませんよということでありました。
　　新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金というのは、コロナ対応の取組である限り、原則、地方公共団体が自由に使うことができるものであります。
　　全国的に、県内でもなんですけども、水道のみならず、上下水道の免除などの支援策は、一般家庭から旅館まで実施されています。
　　物価高騰影響緩和で、これを使って実施している自治体もあります。さっき、物価高騰対策のお話が出ましたけども、これは９月申請であります。
　　件数は東根温泉なんか少ないというお話も聞いておりました。申請が難しいんだと思います。諦めている方もいるのかなと、とても残念な気持ちです。
　　今後の支援策として考えてはいただけないでしょうか。
　　私は、こういう交付金というのは有効活用していただいて、各部署が市民や事業者目線で、この難局をいかに乗り切るか、緩和できるかということで、支援策を講じていくべきだと思いますので、全部署の方に、自分たちの持っているところでこういうものを利用してできないかということを常に考えていただきたいと考えます。ぜひ、温泉街に活気が戻るように、再度検討をお願いいたしまして、水道事業についての質問を終わります。
　　次の項目、最後の項目なんですけども、幹線道路など公道に隣接した住宅地というのは、幹線道路の方、旧市街地。高度成長期によるものが多くて、狭い幅員となっています。
　　近年はさらに奥へ奥へと宅地開発が進んでおり、交通量の増加、除雪の問題が至るところで発生いたしました。
　　宅地分譲のための開発行為におきまして、開発区域内の道路から区域外への道路の接続、その要件はどのようになっておられるのか、お伺いいたします。
○髙橋光男議長　深瀬建設部長。
○深瀬弘之建設部長兼上下水道部長　お答えいたします。
　　宅地分譲の目的で行う開発区域内の主要な道路の接続につきましては、開発区域外の幅員6.5ｍ以上の道路に接続していることが要件となります。
　　ただし、開発周辺の道路状況により、やむを得ないと認められるときは、幅員６ｍ以上の道路に接続していることが要件となっておりますので、ご理解をお願いいたします。
○髙橋光男議長　10番山科幸子議員。
○10番（山科幸子議員）　接道には要件があるということなんですけども、実際はどうなっているのでしょう。
　　見ていただくと分かるように、人というのは効率的に近道的な道路に出ます。この場合、特に朝のラッシュ時。これは至るところで発生しています。
　　このことは、交通量、狭い道路の既存住宅地では、民地だったりします。私道、市道ではない私道というのは、そういうのを想定しないで道路を造っていますので、道路の破損が見受けられます。かなり傷みます。あと、子どもたちの通学にも影響が出ています。
　　開発と併せて自治組織づくりのことも地域の課題です。後から来た住宅地と既存の方たちがすることです。除排雪、水が流れてくる、いろんな感情的な擦れ違いなんかも出てくることもあります。
　　こういう自治組織づくりというのは、とても大事で、また、地域の課題でもあります。
　　雪国での住宅分譲地、いろいろ皆さんもご存じだと、見ていれば、狭範な宅地に、まず住宅を建てます。その後にガレージを建てます。ガレージについては、建築確認の、２台ぐらいだと要らないようなんですけども、建てます。ほとんど、もう建ぺい率を見ていただくと、90とか100近いものがあって、歩道が雪捨場になったりとか、道路に雪を出す、隣地に出す、そういうことが見受けられる状況にあります。
　　こういう状態を問題提起いたしまして、これで私の一般質問を終わります。
　　いろいろなことを検討いただきたく、よろしくお願いしたいと思います。
　　以上です。
○髙橋光男議長　以上でご了承願います。

　　◎齋藤俊一郎議員質問

○髙橋光男議長　次に、２番齋藤俊一郎議員。
　　　〔２番　齋藤俊一郎議員　登壇〕
○２番（齋藤俊一郎議員）　齋藤俊一郎です。
　　通告に基づき、一般質問を行います。
　　はじめに、土田市長におかれましては、見事再選を果たされましたことに、心からお祝いを申し上げます。
　　公約実現のため、時代の先を読む力と、岩をも貫く信念によって市政をさらに高みへと牽引いただくことをご期待し、私も若輩でありますが、議場における丁々発止の議論を通じ、ともに市民の負託に応えてまいる所存です。引き続き、よろしくお願いいたします。
　　この度の一般質問は、土田市政の２大テーマと言えるさくらんぼと子ども・子育ての議論を交わさせていただきます。
　　まず１つ目は、佐藤錦結実100年、生産量日本一のさくらんぼの現状と、今後の展望について、伺ってまいります。
　　「さくらんぼにこだわったまちづくりが成功した」。市長が市政を振り返った際に、評価としてよく使われる言葉です。本市はさくらんぼの生産量、出荷額ともに全国１位の自治体であり、さくらんぼは市政のプロモーションやブランディングの柱を担ってきました。
　　一方、農業センサスによれば、本市の基幹的農業従事者の８割強が60歳以上を占め、65歳以上は全体の７割を超える状況に加えて、さくらんぼ園地の宅地化が次々に進み、生産基盤の強化と多様な担い手の育成、労働力確保の大きな課題を抱え、日本一の産地は正念場を迎えています。
　　また、一昨年の大雨や記録的な大雪、昨年のひょう被害、さらに今年は収穫期の高温など、気候変動が激しい年が続き、収量が不安定化してしまっている状況です。
　　そして、追い打ちをかけるように、肥料や資材価格の高騰と、さくらんぼ経営は大きな岐路に立っています。
　　税収を支える本市ふるさと納税の返礼品において、さくらんぼは全体の４割前後を占めており、最も重要なコンテンツである一方で、寄附額は上昇している反面、さくらんぼの取扱高は、横ばいから、昨年は減少している状況であり、特に今年は高温から一部品種にうるみが生じ、予約された返礼品を送ることができず、ブドウなど代替品に代用せざるを得なかったことは、深刻な事態と受け止めています。
　　本市特産の佐藤錦が結実100年を迎えた今、日本一のさくらんぼ生産の現状を検証し、機動的かつ大胆な対策を講じながら、明日とその先にある未来に向けて、持続可能な産地形成を早急に構築することが必要であると考えます。
　　これらを踏まえ、まずは現状分析として、本市さくらんぼの作付面積と今年度の生産及び販売状況を、市長にお伺いします。
　　次に、さくらんぼの生産量を維持し、販売額を伸ばしていくには、多様な担い手に対象を広げ、生産基盤の強化と省力化やデジタル化、気候変動対策、物価高対策を講じながら、強くしなやかな農業を確立していかなくてはなりません。
　　そのためには、自治体によるさらなる機動的かつ大胆な支援策が求められていると思いますが、今後の方針を市長にお伺いします。
　　続いて、２つ目のテーマ、「こどもを社会の真ん中に」子育て環境の充実に向けた今後の展開について、お伺いしてまいります。
　　子どもの権利条約批准から28年が経過したところ、本年６月、子どもの権利を主体的かつ包括的に定め、「こどもまんなか」社会を目指す基本法が成立し、政府や自治体に新たな責務が課せられるなど、大きな変革への対応が求められています。
　　また、この基本法を基に、施策実施の司令塔として縦割りの弊害をなくすために、子ども政策、子ども支援政策などに関わる組織を統合し、政策調整機能を発揮させ、子どもの権利を主体とする政策を推進する目的で、新たにこども家庭庁が設置されることになりました。
　　本市はこれまでの先駆的な取組によって、「子育てするなら東根市」の代名詞どおり、県内一の子育て先進都市をつくり上げられ、その評価は全国住みよさランキング北海道・東北地区第１位に表れるなど、まさに本市成長のエンジンとして、施策の実行性を発揮してきました。
　　一方、出生数が今年上半期の速報値で、全国40万人を割り込むという衝撃が走ったところ、本市でも人口減少が始まり、出生数や婚姻率が伸び悩み、周辺部では児童福祉施設の休止や就学児の減退に伴う人口の下落に歯止めがかからない状況です。
　　時代の大きな転換点を迎えたところ、この機会に、子どもに関する理念と施策を今一度見直し、子どもの権利を守り、育みながら、市政全体で子どもや若者の視点とその声を生かし、具現化していくのかが問われていると考えます。
　　これらを踏まえ、はじめに（１）として、こども基本法の成立及びこども家庭庁の設置に伴う市長のご所見をお伺いします。
　　次に、（２）として、理念の整理とともに、児童福祉から母子保健をはじめ、全庁的な子どもに関する本市組織機構の再編や体制の整備、必要になってくると思いますが、市長に今後の方針をお伺いします。
　　最後に、（３）として、こども家庭庁の設置に伴い、子ども家庭総合支援拠点と子育て世代包括支援センターを見直し、子育て支援を一元化するために両機能を統合した子ども家庭センターの設置を努力義務化することになっていますが、本市における子ども家庭センターの整備に向けた検討状況をお伺いし、以上、登壇での質問といたします。
○髙橋光男議長　２番齋藤俊一郎議員の質問に対し、答弁を求めます。
　　土田市長。
　　　〔土田正剛市長　登壇〕
○土田正剛市長　齋藤俊一郎議員のご質問にお答えをいたします。
　　はじめに、佐藤錦結実100年、日本一のさくらんぼ生産における現状と課題、今後の展望についてであります。
　　今年は本市発祥のさくらんぼの主力品種佐藤錦が結実し、100年という節目の年に当たり、結実100年を記念して、ロゴマークの作製やイベントの実施、また、６月４日にはセレモニーを開催するなど、様々なＰＲを行っております。今後とも、本市が誇る佐藤錦を全国に発信してまいります。
　　次に、作付面積の推移と今年度の生産及び販売状況についてでありますが、本市の最新の作付面積は農林業センサスによると、令和２年の575.82haであります。
　　10年前の平成22年は659.11haであり、桃、シャインマスカットなど、他の作物への転換や、高齢化に伴う耕作放棄地の増加などにより、若干の減少傾向となっております。
　　また、今年度の生産量及び販売状況につきましては、先般、県より県全体の生産量が１万2,800トンの見込みになると発表されたところであります。
　　本市の生産量及び販売状況については、市町別データが公表されていないことから、把握できない状況にありますが、参考までに、東根市農業協同組合の出荷ベースの集計では、今年度の出荷量は約970トンで、販売額は約25億円の見込みとなっております。
　　今年度は出荷量が平年を下回ったものの、高い価格で推移したこともあり、出荷額は平年を上回ったようであります。
　　昨年度は大雪による枝折れや、４月から６月に発生した凍霜害の影響により、出荷量が723トンと、過去に例を見ない不作の年となりました。
　　地球温暖化による異常気象が農作物に与える影響は年々大きくなっておりますので、農作物への被害軽減のためにも、対策について研究してまいります。
　　次に、生産基盤の強化と省力化等への支援についてでありますが、本市ではこれまでさくらんぼ雨よけハウスの新設及びグレードアップに要する経費、佐藤錦の苗木の購入及び受粉用の蜂の購入などに要する経費に対して助成するなど、生産者の経営基盤の強化を図ってきたところであります。
　　また、農作業の省力化については、作業がしやすく安全性も高いＹ字及びＶ字の仕立て型への転換から自動選果機などの次世代農業機器の導入まで、国や県の事業を活用するなど、様々な手法で支援しております。
　　現代の農業は、高齢化や担い手不足などに大きな問題を抱えておりますが、その中で農作物の省力化は、農業従事者不足の問題を解決する手段の１つであるとともに、効率的な農業経営を行うことで、農業所得の向上にも効果があるものと捉えております。
　　今後とも、生産者の経営基盤の強化を図るために、効果的な方法を研究し、主力品種の佐藤錦をはじめとした本市のさくらんぼの生産基盤を守ってまいります。
　　次に、子育て環境の充実に向けた今後の展開についてのご質問にお答えをいたします。
　　はじめに、こども基本法の成立及びこども家庭庁の設置に伴う見解についてであります。
　　こども基本法は平成６年に国が批准した子どもの権利条約を踏まえて、全ての子どもを、権利を持つ主体と位置付け、その権利を保障することを基本理念とした子ども政策の包括的基本法であります。
　　本市ではこども基本法の大きな柱の１つである子どもたちの健やかな成長、発達、自立の促進にいち早く着目し、子どもの遊び場を整備するとともに、運営を委託するＮＰＯ法人クリエイトひがしねと連携し、本市独自の遊育の理念の下、子どもの自主性や創造性、社会性などの生きる力を育んでまいりました。
　　また、第２期東根市子ども・子育て支援事業計画において目指す社会像の１つに、地域全体で子どもと家庭を温かく見守り、支え合う社会を掲げ、子どもの権利に関する啓発や、相談体制の充実に取り組み、児童虐待の未然防止、早期発見、早期対応に努めております。
　　今後、さらに市民みんなが子どもの多様な権利を理解し、擁護する機運の醸成を図るとともに、子どもの視点に立ったまちづくりを進めていくことが必要であります。
　　また、こども家庭庁は、厚生労働省や内閣府などの子どもに関連する部局を統合し、制度や組織による縦割りの壁を解消して、虐待や貧困、少子化対策などの政策の一元化を図り、包括的に課題を解決するために設置されるものであります。
　　令和５年４月からの設置に当たり、幼稚園教育やいじめ問題など、文部科学省が所管する分野の移管は見送られたものの、こども家庭庁が子ども関連政策を掌理することで、総合的かつ継続的な支援を可能とする司令塔の役割を果たすことが期待されます。
　　本市においても、この度のこども基本法の成立及びこども家庭庁の設置を契機に、あらゆる場面で子どもの権利を保障し、未来を担う子どもたちが健やかに成長できる地域社会の実現に向けて、多様な取組を柔軟に推進してまいります。
　　次に、子どもに関する本市組織機構の体制整備についてでありますが、現在、虐待防止や貧困対策等に関する児童福祉については福祉課、妊娠、出産、育児相談等の母子保健に関する支援については子育て健康課が所管しております。
　　今後のこども家庭庁の設置を見据え、妊娠から出産、その後の子育て期間の長期にわたり、切れ目のない継続的な支援を行うために、関連する部門の統合など、組織機構の改編を含めて検討しているところであります。
　　次に、子ども家庭センターの整備についてであります。
　　これは児童福祉法等の一部改正により、母子保健の相談、指導に加えて、困難を抱える家庭への訪問や、サポートプランの作成、子どもの居場所づくりへの支援など、妊産婦、子育て世帯等を対象に、一体的な相談支援を行う機関として、令和６年度までの設置が努力義務化されたものであり、先に申し上げました体制整備と併せて検討を進めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○髙橋光男議長　２番齋藤俊一郎議員。
○２番（齋藤俊一郎議員）　答弁いただきましたので、再質問させていただきます。
　　まずは、さくらんぼについてです。
　　生産量を維持する上で、作付面積は大変重要になると思いますが、市長からは、ほかの作物への転換や高齢化に伴う耕作放棄地の増加などにより、平成22年は659haだったのが、令和２年、578haに減少したとの答弁でした。
　　それでは、恐縮ですが、参考資料の①をご覧いただければと思います。
　　これは県で発表している農水省の資料を基にした、さくらんぼにおける全国の栽培面積です。平成22年から令和２年、答弁に合わせて10年比較すると、全国では120ha減っており、うち本市の減少が先ほどの答弁では659から575haということは、84ha減っているわけですが、同じ農水省の資料ということで、単純に見ても、本市の栽培面積の減少が大きく影響しているということが分析できると思います。
　　そして、「令和２年版数字で見る東根市の概要」というのが、我々にも配付いただいていますけども、この資料によれば、ほかの作物の栽培面積の状況、シャインマスカットに代表されるブドウ、５haしか増えていないですよ、この10年で。桃もリンゴも減少しています。ただ、作物への転換が進んだとは到底言えないと私は思います。
　　果樹全体として本市の作付面積、大きく減少して、特にさくらんぼは84町歩減っているわけですから、これは深刻な事態と私は指摘をしておきたいと思います。
　　一方、生産量及び販売状況については、先ほどのご答弁でも、出荷量、平年を下回ったけれども、今年度は高い価格で推移したこともあり、出荷額は平年を上回ったと。
　　また、昨年度の大雪や凍霜害のような異常気象、こういった農作物に与える影響が年々大きくなっているので、研究をしていきたいということでありました。
　　そこで、これらに対処していくには、基盤の強化や省力化等の推進、これは私、必須だと思いますけども、現在、当市で対策として行っている佐藤錦生産環境整備事業及び日本一のさくらんぼ名産地生産性向上支援事業、この現状と強化策についての見解を伺いたいと思います。
○髙橋光男議長　太田経済部長。
○太田　修経済部長　お答えいたします。
　　議員、ご質問の佐藤錦生産環境整備事業及び日本一のさくらんぼ名産地生産性向上支援事業につきましては、さくらんぼ生産者の経営並びに生産基盤の強化を図る事業として実施しているところであります。
　　このうち佐藤錦生産環境整備事業につきましては、さくらんぼの苗木や受粉に関する経費に対し助成を行っており、令和３年度の決算額は1,188万8,000円となっております。
　　また、令和３年度に発生した大規模な凍霜害を受け、被害の未然防止を図るため、今年度、防霜剤購入経費に対する助成を追加し、事業の充実を図ったところであります。
　　日本一のさくらんぼ名産地生産性向上支援事業につきましては、本市と天童市で広域連携協議会を組織し、平成27年度から安全性の高い雨よけテントの整備に関する経費に対し、助成を行っております。
　　当該事業の実績については、年度間で変動はあるものの、事業創設から令和３年度までの７年間で118名に対し、計6,653万9,000円の助成を行っております。
　　本市といたしましては、今後ともさくらんぼの生産を取り巻く環境の変化に対応しながら、さくらんぼ生産量日本一のまちとして、必要に応じ、事業の発展、拡充を図ってまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○髙橋光男議長　２番齋藤俊一郎議員。
○２番（齋藤俊一郎議員）　承知しました。
　　佐藤錦生産環境整備事業、さくらんぼの苗木や受粉に関する経費に対して助成を行っていると。令和３年度の決算額約1,200万ということで、令和４年度は霜対策、助成を追加したということでした。
　　この助成事業は、通称ならせる運動と生産者の間で呼ばれていると思います。
　　このならせる運動、大きく評価されているなと思いますので、ぜひ今後も効果も高いので、拡充していっていただきたいと要望いたします。
　　添付しました参考資料①の次の資料でありますが、５年前のデータですけども、県で発表している農水省の資料、佐藤錦、品種ごと、栽培面積の割合、全体の７割強が佐藤錦なわけですから、私は佐藤錦というのが、これは基準だと思いますけども、先ほど市長答弁にもありましたけども、気候変動に伴って、品種についても、もぎ取りの時期など、今後、工夫しなくちゃいけないという、そういった課題もあります。
　　ですから、佐藤錦を基準にした品種のリレー、この品種のリレーをどうしていくのかというのも、考え方として必要だと思います。
　　温暖化に対応しながら、こういったものを引き続き、事業の拡充を要望していきたいと思います。
　　次に、天童市と協議会を設置している雨よけ施設の整備助成の促進を目的にした日本一のさくらんぼ名産地生産向上支援事業、令和３年度の決算額は約200万円、これまで118名の方が助成を受けられ、6,000万を超える金額を捻出してきたということでありました。
　　私が調査したところによれば、申込み、時には予算を上回ることもあって、助成金を減額するなどの対応を相談したり、場合によっては補正予算で上積みすることもあったようですが、そもそも現在の生産現場に合わせれば、この予算額、そして年齢の要件、補助率、厳重にやっているのかなと、私は疑問を呈します。
　　生産資材の高騰の中、この参考資料①の最後を見ていただきたいんですが、雨よけ施設の設置率の推移、大変高い金額で引き続き上昇しているわけです。
　　こういったことを考えれば、昨年度の大雪などを踏まえて、破損したハウスをすぐに復旧されなければいけないわけですけども、国や県の助成については年齢の要件があるんですね。こういった年齢の要件などで補助要件が合致しなかったり、経費的に復旧できなかった市内の園地が相当数あると聞いています。
　　私はこの機会に補助率の大幅かさ上げ、さらには多様な担い手への要件緩和をはじめ、この制度のリニューアルも含め、雨よけハウス助成事業を中心とする抜本的なさくらんぼ生産基盤の強化策を求めたいと思います。
　　そして、農業の分野でも、肥料や生産資材等の高騰対策、待ったなしの状況です。対策に向けた本市の見解を伺います。
○髙橋光男議長　太田経済部長。
○太田　修経済部長　お答えいたします。
　　紛争による世界情勢の変化や円安の進展等により、燃料や肥料、農業資材などが高騰し、農業経営は非常に厳しい状況に置かれているものと認識しております。
　　本市では燃料高騰対策として、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を財源とした農業用加温施設緊急支援事業を実施しており、市内で加温施設を経営している生産者に対して支援を行っております。
　　また、県との連携の下、燃料・資材高騰対策として、野菜花き用ハウスの再整備、改修に要する経費への支援を予定しているところであります。
　　さらに、肥料高騰対策につきましては、国事業として高騰分の７割を補助する支援策が決定したところでありますが、先般、県がさらに15％の上乗せを実施する旨の発表がなされたところであります。
　　しかしながら、先にも申し上げましたとおり、燃料や肥料、農業資材については、依然として価格の高騰が続いており、農業を取り巻く環境は厳しさを増しているものと捉えております。
　　これらの状況は、本市のみならず、全国的な課題であることから、国や県が責任を持って取り組むべきものと考えておりますが、本市といたしましても、今後の様々な動向を注視し、市としての対応について研究してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○髙橋光男議長　２番齋藤俊一郎議員。
○２番（齋藤俊一郎議員）　研究していきたいということでありますが、本当にこの物価高は生産費が販売価格に転嫁できないというのが農業の実態だと私は思うんです。
　　じゃあ、今年4,000円で１キロ出していたさくらんぼ、5,000円出したのが、来年、全体で３割上がったから３割分は上乗せできるか、もう送料も上がっているわけですから、かなり大変だと私は思います。
　　農林水産省農産局技術普及課によれば、雨よけハウスの主要資材である農業用ビニール、これ、７月時点で前年同月比１割上昇、ほかの資材についても２割、３割上昇していると。先ほど申し上げた雨よけハウス、これはもう事業費自体が大きいわけですので、３割上がっただけでも大変。３割どころか、もう倍以上になっているというのも、現場の資材屋さんから伺っていますので、ぜひ、この資料については、県の方でも今回15％対応するということでありますけども、生産資材については、どこもまだ対応し切れていませんので、ぜひ本市として単独の早急な対応を求めていきたいと思います。
　　本市の資料によれば、本市農家の半分は兼業農家が占めていると。そして、登壇で私、言いましたが、基幹的農業従事者の７割強は65歳以上が占めています。
　　さくらんぼ生産、私はまさにこの５年、10年、重要な局面であって、65歳の生産者の方々が10年後、後継者や農地のリレーが行われず廃園が加速すれば、本市のさくらんぼにこだわったまちづくりの根幹が破綻するのではないかと危惧をしているところです。
　　そのような事態を未然に防ぎ、持続可能なさくらんぼ生産を実現するため、近隣の市町でも行われている、この既存事業の見直しです。本市でもぜひ見直しをしていただいて、機動的かつ大胆な、先ほど提案したような対策事業の新設、改めて要望します。
　　また、明日、先輩議員が質問される予定の後継者への継承できる仕組み、団地化など、農協が主体となった農地管理移行機構の創設、退職後就労や兼業農家など、多様な担い手にスムーズにつなぐ作業受託事業の仕組み、こういったものを、ぜひＪＡをはじめとする関係団体と早急に構築することを提言しまして、次の子ども・子育ての分野に移りたいと思います。
　　市長からこども基本法及びこども家庭庁の見解について、丁寧なご答弁をいただきました。
　　今後は市民みんなが子どもの多様な権利を理解し、擁護する機運の醸成を図るとともに、子どもの視点に立ったまちづくりを進めていくことが必要であると、非常に重要な答弁だと私、思っていますが、答弁をいただきました。
　　それでは、子どもの権利に関する当市の具体的な取組について、現状を伺いたいと思います。
○髙橋光男議長　鈴木健康福祉部長。
○鈴木敬一健康福祉部長　お答えいたします。
　　本市では、子どもの権利を守る意識の醸成を図ることなどを目的に、ＮＰＯ法人クリエイトひがしねと連携し、子育てに関する情報紙の発行や、子どもや育児に関する講座を開催するなど、子どもの育ちを温かく見守る地域づくりについて啓発してきたところであります。
　　また、児童福祉法の第２条に国民の責務として子どもの最善の利益を優先して、健やかな育成に努めなければならないという規定がございます。
　　これを受け、子どもにとっての最善の利益とは何だというテーマで子どもを取り巻く課題や、子どもに関わる大人の役割などについて理解を深める４回の連続講座を今年10月から開催することにしております。
　　今後も子どもの権利が尊重され、自立した個人として等しく健やかに成長することができる環境づくりに努めてまいります。
　　よろしくお願いいたします。
○髙橋光男議長　２番齋藤俊一郎議員。
○２番（齋藤俊一郎議員）　答弁、承知いたしました。
　　先ほどの市長答弁にもありましたけども、このＮＰＯ法人クリエイトひがしねさん、大変すばらしい取組をしていただいてきたなと思いますし、10月にもこういった機運の醸成を図って理解を深める事業を展開していただいているというのは、大変評価をするものであります。
　　先ほど市長からは、市民みんなが子どもの多様な権利を理解し、擁護する機運の醸成を図るとともに、子どもの視点に立ったまちづくりを進めていくことという答弁もありましたが、私はこのことは基本法にうたわれていて、その背景であるのは、市長も触れられた条約だと思います。
　　その条約には子どもの権利を４つ示しておりまして、生きる権利、育つ権利、守られる権利、そして、参加する権利、この４つです。
　　これまでの法律では、支援法、そして育成法とあったわけでありますけども、この度、基本法の成立によって、子ども・子育てが支援の客体であったものから権利の主体に変わったと私は捉えています。
　　これは重要な理念の変化だと思いますので、本市においても子ども・子育て理念の再構築、要望したいと思います。
　　次に移らせていただきます。
　　資料、恐縮でありますが、②の方をご覧いただきたいと思います。
　　これはこども家庭庁の設置に伴う国の所掌事務、そして権限が変化しますという説明資料です。
　　そこで、これまでの子どもに関する本市組織機構の変遷状況について、お尋ねをいたします。
○髙橋光男議長　石垣総務部長。
○石垣有一総務部長　お答えいたします。
　　これまでの子どもに関する組織機構の編成状況について、主な経過を申し上げたいと思います。
　　本市は、これまで時代や社会の変化とともに、市民ニーズや行政課題に対応いたしますため、適宜、組織機構の見直しを行ってまいりました。
　　平成10年の土田市長就任以降の主な変遷を申し上げたいと思います。
　　まず、平成11年度には、市長の強い思いの下、それまでの市民福祉部から福祉部門を独立し、市民生活部と保健福祉部を創設、子どもに関する業務を含む保健福祉関係の体制を強化したところでございます。
　　平成17年度には、さくらんぼタントクルセンターのオープンなど、子ども・子育てに関する環境の充実を図りました。
　　平成19年度におきましては、それまでの健康推進課、福祉事務所から子育て健康課、福祉課に大きく改編したところでございます。
　　さらには、係単位でも、母子健康係、子育て支援係を創設するなど、子どもに関する一層の体制強化に取り組んできたところでございます。
　　また、今年度におきましては、保育環境とともに地域の子育て支援の充実を図るため、市直営のひがしねこども園をオープンし、組織として位置付けたところでございます。
　　以上、子どもに関します組織機構の変遷状況、その概要について申し上げました。よろしくお願いいたします。
○髙橋光男議長　２番齋藤俊一郎議員。
○２番（齋藤俊一郎議員）　丁寧にご答弁いただきました。
　　平成17年のタントクルセンターの設置、本当にこれは今でも視察が絶えない、市長のご決断だったと思います。
　　そして、そのことを背景に、平成19年、今、答弁ありましたけども、機構改革として子育て支援の充実を図る子育て健康課の設置など、本当にパイオニアとしての市長の先見性、おありになったものと評価をいたします。
　　しかし、平成19年からもう15年経過しています。今回の国の動きも含め、今がさらに一歩高みを目指す、組織を再整備するときだと私は思いますが、庁内全体における今後の組織機構の体制見直しのスケジュールについて、お伺いいたします。
○髙橋光男議長　石垣総務部長。
○石垣有一総務部長　お問合せの組織機構の体制見直しのスケジュールについて、申し上げます。
　　本市では毎年度２回に分けまして、組織機構の見直しの協議を行っております。具体的には、４月末と９月末を期限といたしまして、各部門からの改善提案があれば、その都度、副市長、教育長及び各部長職などで構成されております東根市行政事務改善委員会による調査及び審査を行っております。
　　委員会における協議を経過いたしまして市長に報告し、必要と判断した場合には組織の見直しを決定しているところでございます。
　　また、こうした定例的な協議以外にも、急な行政課題に対して迅速かつ的確に対応するため、その都度、組織の見直しを検討、協議する場合もございますので、ご理解をお願いいたしたいと思います。
○髙橋光男議長　２番齋藤俊一郎議員。
○２番（齋藤俊一郎議員）　スケジュールについて、ちょっと事務的なとこでありましたけども、確認をしたくてお伺いしました。
　　４月と９月を期限として、各部からの提案を吸い上げていると。その都度、市長のご判断で定例的なもの以外も行っているんだということでありましたけれども、財政課の方に尋ねまして、令和４年におけるこの子ども・子育てに関わる事業、合計44億円を超える予算ということで、非常に大きな予算を含む分野だと思っています。
　　先ほど９月末が期限とのことでありました。
　　先ほどの市長答弁でも、組織機構の体制整備を検討しているんだということでありましたので、ぜひ、縦割りの弊害をなくして、子どもの権利を主体に置く新たな担当部局の創設に向けた市長のご判断、私は期待をいたしますので、よろしくお願いいたします。
　　次に、子ども家庭センターに統合される予定として、先ほども答弁ありました、子育て世帯包括支援センター、このセンターの運営状況及びその効果、さらに今後の方針についてをお尋ねいたします。
○髙橋光男議長　鈴木健康福祉部長。
○鈴木敬一健康福祉部長　お答えいたします。
　　本市では、平成28年４月に子育て健康課の母子健康係に子育て世代包括支援センターを設置したところであります。
　　相談支援体制を強化するために、看護職の会計年度任用職員を増員し、市職員の保健師とともに、妊産婦や子ども、また、その家庭に対し、妊娠期から産後にわたり、様々な支援を行ってきたところでございます。
　　令和３年度は妊婦を対象に約400件の面談を行い、支援が必要と判断された場合にはサポートプランを作成し、出産までの相談、指導や、産前産後の心身のケアに取り組んだところでございます。
　　また、乳児全戸訪問や乳幼児健診の結果を踏まえ、さらなる支援が必要とされた家庭につきましては、必要に応じて要保護児童対策地域協議会などの関係機関と連携し、支援を継続しております。
　　今後はこうした機能が子ども家庭センターに集約されることを踏まえ、問題を抱える子どもや家庭への支援を継続するとともに、問題が深刻化、複合化し、解決が困難なケースにつきましては、保健、医療にとどまらず、教育や福祉などの様々な部門と連携を図りながら、適切な対応を検討してまいります。よろしくお願いいたします。
○髙橋光男議長　２番齋藤俊一郎議員。
○２番（齋藤俊一郎議員）　丁寧なご答弁、承知いたしました。
　　非常に効果的で多角的な事業、この子育て世代包括支援センター、これが展開できたものと評価をするところであります。
　　先ほど、登壇でも出生数、上半期の速報値で40万人割り込んだと。まさに、ここ、今、答弁ありましたけれども、妊娠期から産後にわたり、様々な支援を行っている、これは重要なとこだと思います。
　　さらには、要対協につながる部分も含めて幅広いところをカバーしていただいているわけでありますけれども、今後は子ども家庭センター、ここが相談支援の充実とともに様々な支援メニューにつなぐ役割を果たしていくわけでありますけども、その中には一時保育事業というものも含まれております。
　　この一時保育事業、子育て世帯にとって重要な事業でありますが、現状を伺いたいと思います。
○髙橋光男議長　鈴木健康福祉部長。
○鈴木敬一健康福祉部長　お答えいたします。
　　保護者の就労などにより、家庭における保育が一時的に困難な場合や、育児に伴う心理的、肉体的負担を軽減、解消するため、現在、３か所の保育施設などにおいて一時保育を実施しているところであります。
　　一時保育を利用できる児童は１歳から５歳までで、１施設の定員は、１日当たり10名となっております。
　　新型コロナウイルス感染症の予防対策や、保育士の勤務状況などによって、受入可能な人数や年齢に制限が生じたり、季節によって利用者数にばらつきがございますが、令和３年度の延べ利用者数は577人、１日の平均では1.98人の利用となっております。よろしくお願いいたします。
○髙橋光男議長　２番齋藤俊一郎議員。
○２番（齋藤俊一郎議員）　承知しました。
　　今、答弁ありました、この対応されている３か所の施設、その中で話を伺うと、子育て世帯のニーズがあるにもかかわらず、保育士さんが確保できずに受入規模を拡大できません、こういったお困りの声がありました。
　　また、別事業ではありますけども、先ほどの相談支援の関係で言えば、子育て支援センター事業、こちらについても、先日、ひがしねこども園の事業を見させていただいて、非常にいい事業でありましたけども、やはり伺うと、同様に保育士の配置が困難であると、数に限りがあると、こういうことでありました。
　　部長の答弁に、保育が一時的に困難な場合や育児に伴う心理的、肉体的負担を軽減、解消する。これをそのままにしておくと、先ほどあった虐待などにつながるおそれもあるわけでありますので、非常に重要な事業と捉えていますけれども、こういった相談支援、また、一時保育強化に向けて、保育士不足の解消が私は重要になってくると思います。
　　保育士の確保が求められている現状を踏まえて、今後の方針をお伺いします。
○髙橋光男議長　鈴木健康福祉部長。
○鈴木敬一健康福祉部長　お答えいたします。
　　国は、質の高い保育を安定的に供給するため、長く働くことができる職場をつくることを目的に、職員の人件費に対する公定価格に処遇改善加算を設定しております。
　　市内の保育施設などにおきましても、この加算を活用し、保育士などの給与の改善に取り組んでいるところであります。
　　一方で、多くの保育施設などにおきましては、恒常的な保育士不足が課題となっておりますことから、本市独自の新たな取組といたしまして、今年の６月29日から７月４日までの期間、さくらんぼタントクルセンターを会場に、保育士ガイダンスを開催したところであります。
　　新たに保育士を目指す学生さんや潜在保育士の再就職希望者を対象に、市内の保育施設などの取組の紹介や、保育の魅力を伝えるため、事業者による説明会とパネルの展示を実施したところ、事業者説明会には延べ97人の参加がございました。
　　市内の保育施設への就業にこれだけの関心が寄せられていることに、一定の手応えを感じたところであります。
　　今後も引き続き、保育事業者などと連携を図りながら、保育士確保に向けた効果的な取組について、研究してまいります。よろしくお願いいたします。
○髙橋光男議長　２番齋藤俊一郎議員。
○２番（齋藤俊一郎議員）　答弁、承知しました。
　　保育士ガイダンス、初めて開催したと。私も伺いましたが、非常にいい取組だったなと思います。
　　コロナ禍でありましたから、なかなか対象が狭まって、実際どのくらい訪れていただけるか、私も少し心配がありましたけども、大変多くの皆さんが来られましたし、何より保育事業者の皆さんとかなり丁寧にやり取りしているのが感じられましたので、やはりこういった機会の創設を、しっかり行政として後押ししていくことが重要なんだと感じたところであります。
　　ただ、現実問題は、こういった取組、まだ始まったばかりで、足元は保育士不足が慢性的になっていると。
　　これまで保育施設の量の話を、私は度々、この一般質問の機会をいただいて、させていただきました。
　　人口、また、出生数の関係から、私はもう保育は量から質に変わってきたと思っています。そういった質を担保していただけるのは、この保育士の皆さんだと思いますし、私は、ぜひ東根市で生まれ育った方が東根市の保育施設で働く、そういった仕組みを就学児支援など含めて、新たにつくっていただきたいなと、こういったものも要望するところであります。
　　また、保育士確保に向けて、引き続き、保育事業者と定期的な連携をする機会、施設長会議などしていただいていますので、この中に、ぜひ保育士確保に向けた方策の項目も入れていただいて、皆さん共通の課題だと思いますので、お願いをしたいと思います。
　　市の事業で臨床心理士における事業の展開をしていただいているおかげで、発達の遅れなどについても判定がよりきめ細かくなっている反面、数は増えていると思います。
　　保育士の皆さん、そういった意味では、配慮を必要とするお子さんに対しての保育、これも様々、各園で工夫を凝らしていただいていますけども、その１人にかかる時間が長くなるわけですから、私は保育士を増やさなければ質を担保できないと思っているので、以前の一般質問でも要望しましたけども、こういったお子さんに対する加算、こういった措置、これは保育士１人に対しての加算になると思いますから、現在も公定価格で一部担保されていますけれども、市独自としてかさ上げ支援、そのことがインクルーシブ保育につながっていくものだと思いますので、市長、ぜひ要望いたします。
　　そのほかに、子育ての質の向上、利便性の向上ということで、前回の定例会一般質問でデジタル化を取り上げさせていただきました。保育に関する国の通知などもありましたけれども、本市における保育に関するデジタル化の現状、そして今後の方針を伺いたいと思います。
○髙橋光男議長　鈴木健康福祉部長。
○鈴木敬一健康福祉部長　お答えいたします。
　　公立、公営の保育施設につきましては、令和２年度に施設からの一斉通知などの機能を搭載した登園管理システムを導入したところであります。
　　これを活用することによって、コロナなどによる休園のお知らせがスムーズにできるようになったほか、アプリ上で保護者からの欠席の連絡が可能となり、保育施設などにおける業務の効率化や保護者の利便性の向上につながったものと捉えております。
　　また、令和５年４月からの保育所などの入所の申込みについて、保護者の利便性向上を図るため、マイナポータルを活用したデジタルでの申請を導入したところであります。
　　今後、その利用状況などを分析し、そのほかの業務への拡充についても研究してまいります。よろしくお願いいたします。
○髙橋光男議長　２番齋藤俊一郎議員。
○２番（齋藤俊一郎議員）　本年度から、来年４月からの保育所入所の申込み、マイナポータルを活用したデジタルでの申請、これ、非常に好評されているなと、私、同世代の皆さんから聞いています。
　　ぜひ、こういった機能を拡充していただいて、先日、前回の定例会でも一般質問でも、アプリを活用した子育て相談、支援の充実、要望いたしました。
　　ぜひ、デジタル化、これは施設を運営していく上でも、一体となった登園システムなど効果ありますので、研究をしていただきたいと要望いたします。
　　次に、この令和６年４月までに設置される子ども家庭センターの役割、期待されている部分で非常に残念な話でありますけども、子どもの虐待、貧困の問題があるわけであります。
　　２年前の一般質問でも取り上げました。本市で拡大していたという答弁でありました、この子どもの虐待や貧困などについて、現状を伺いたいと思います。
○髙橋光男議長　鈴木健康福祉部長。
○鈴木敬一健康福祉部長　お答えいたします。
　　令和３年度における要保護児童などの相談件数は60件であり、60件のうち虐待認定件数は12件で、身体的虐待、心理的虐待、ネグレクトがそれぞれ４件ずつとなっております。
　　主な虐待者、虐待をした側、これが、母親が10件、父親が２件となっており、中には子どもの面前での夫婦間のＤＶが心理的虐待として取り扱われているケースもございます。
　　相談件数は毎年ばらつきがあるものの、長期的に見れば増加傾向となっております。
　　増加の要因として、近隣の住民からの警察への相談、通告が増加したことが挙げられます。
　　これは、啓発活動やマスコミの報道により、児童虐待に対する関心や意識が高まってきていることの表れだと認識しているところであります。よろしくお願いいたします。
○髙橋光男議長　２番齋藤俊一郎議員。
○２番（齋藤俊一郎議員）　答弁、承知いたしました。
　　引き続き、60件という相談件数、非常に多いなと思いますし、認定件数も12件ということで、これも非常に多いなと、このように思います。
　　山形県のしあわせ子育て応援部の方に状況を確認したところ、県全体の数としては、令和２年から３年のところを比較すると、３割ぐらい減っているということでありますが、本市はこことは相入れないわけであります。
　　この状況を深刻に受け止めて、対策を急がなければならないと思いますし、昨年度も多くのケースが確認されたということですので、子どもの権利を守るために、早急な体制整備、これを私、急がれると思います。
　　その体制整備の観点から言えば、２年前の答弁では、この児童虐待防止対策の強化に向け、子ども家庭総合支援拠点の設置、この２年間、目指してきたと思われますけども、検討状況の推移と今後の展開、お伺いいたします。
○髙橋光男議長　鈴木健康福祉部長。
○鈴木敬一健康福祉部長　お答えいたします。
　　平成28年度の児童福祉法改正によって、市町村は子ども家庭総合支援拠点の整備に努めなければならないと規定されたところであります。
　　これは、これまで虐待の個別ケースなどについて検討してきた要保護児童対策地域協議会の事務をさらに発展させたものであり、支援体制の一層の強化が求められております。
　　子ども家庭総合支援拠点については、児童福祉分野に当たるわけですが、先ほど市長が答弁されましたとおり、母子保健と児童福祉の分野を合わせた子ども家庭センターの設置に向けた組織改編を検討している状況でありますので、この検討状況を踏まえて拠点の設置を行うかどうか判断してまいります。
　　また、当面の機能強化策として、今年度から福祉課の福祉相談係に国の指導に基づき、児童虐待に取り組む専任の係長を配置しており、当該係長には要保護児童対策地域協議会の調整者となる保健師を充てたところであります。
　　専門知識を持つ保健師を配置したことで、傷やあざの状況から虐待かどうかの判断を行うなど、迅速かつ適切な対応につながっているものと捉えているところであります。
　　今後の展開といたしましては、子育て健康課の母子健康係と連携を密にし、それぞれが持つ情報を共有しながら、虐待などの問題がある家庭に対し、切れ目のない継続した支援が行えるよう、体制を強化してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○髙橋光男議長　２番齋藤俊一郎議員。
○２番（齋藤俊一郎議員）　答弁、承知しました。
　　今年度は福祉課の福祉相談係に要保護児童対策地域協議会の調整者となる専任の係長を配置したと、評価いたします。
　　母子保健係と連携を密にして、対策を講じていきたいということでありますけども、ですから、やはり、もうここは統合して、組織の、先ほどの話につながっていくと思います。
　　山形県は三世代同居、県の調べによれば、ずっと１位。三世代同居率、今、令和２年度13.9％と、三世代同居が本来であれば維持されていくことで、こういった虐待も含めた子ども家庭環境というのは深刻化してこなかったのではないかなと、私は逆に核家族が進むことで、社会情勢の変化に伴って、様々、心身のストレスなど、子どもに無理がかかってきたというところで、現状の東根もあるのではないかと思います。
　　ですから、三世代同居に関わる支援というのは非常に大事だと私は思っているので、この点も、ぜひ指摘をしておきたいと、このように思います。
　　いろいろ述べさせていただきました。子ども施策、私は新たな時代に変わったと思います。ぜひ、支援の客体から権利の主体に、さらに一歩も二歩も我が市政は前を行く、その市政を展望し、これから先の展開については、次の一般質問の機会に移らせていただいて、私の質問を終わります。
○髙橋光男議長　以上で、ご了承願います。

　　◎植松　宏議員質問

○髙橋光男議長　次に、８番植松　宏議員。
　　　〔８番　植松　宏議員　登壇〕
○８番（植松　宏議員）　８番植松　宏です。
　　発言通告に基づき、２項目質問いたします。
　　はじめに、東根市デジタル変革推進計画について、お伺いします。
　　本市では、先般、東根市デジタル変革推進計画を発表いたしました。これは、先に出された第５次東根市総合計画の主要プロジェクトに基づくデジタル戦略推進プロジェクトを踏まえ、本市におけるデジタル変革に向けた施策展開の方向性を示し、総合的に推進するものとして策定したと記載されております。
　　もちろん、その裏には、国が進める自治体デジタルトランスフォーメーション推進計画があることも承知しております。
　　東根市デジタル変革推進計画は、その期間を今年度から令和７年度までの４年間としており、この間に市民生活のあらゆる面において、質や利便性を向上させることを目的に、デジタル技術の活用を推進していくものと記載されておりますが、本計画の内容について、次の２点を質問いたします。
　　１点目は、東根市デジタル変革推進計画においては、情報セキュリティー対策が随所に取り上げられてきます。
　　しかし、オープンデータ化を進めれば進めるほど、情報漏えいなどの危険度が増すことが考えられます。セキュリティー対策に問題はないでしょうか。
　　添付していただいた資料を見ていただきたいと思います。
　　東京商工リサーチ社の調査では、2021年に個人情報の漏えい、紛失事故を公表したのは120社、事故件数は137件、漏えいした個人情報は574万9,773人分に達しております。
　　2012年からの10年間で、会社数と事故件数は過去最多を記録しております。しかも、被害に遭った企業の約８割は、東証１部上場企業が占めております。これら大手企業は従業員数や顧客数も多く、サイバー犯罪のターゲットとされやすかったのではないかと東京商工リサーチ社では分析しています。
　　今回の東根市デジタル変革推進計画において、市が抱えている個人情報も含む膨大なデータも、いつサイバー犯罪に狙われるとも限りません。セキュリティー対策は万全と言えるでしょうか。
　　２点目は、マイナンバーカードについてです。
　　東根市デジタル変革推進計画でも、マイナンバーカードは最も簡単な本人確認ツールとして、市民への取得を推進しております。
　　国が求める令和４年度末まで、全市民に行き渡らせることは可能な状況でしょうか。
　　また、国は今、カードを取得すると最大２万円分のポイント付きと、今年度だけでもカード普及の推進のために１兆円、これだけ多額の予算を計上しているにもかかわらず、普及が進んでいない原因はどこにあるとお考えでしょうか。
　　以上、２点についてお伺いします。
　　次に、消防ポンプ車庫の現状と整備方針についてお伺いします。
　　消防ポンプ車庫とは、地域消防団が管理する軽自動車の小型ポンプ積載車を格納している施設で、月に２回ほど消防団員が集まり、地域の防火活動、ポンプ車の点検、団員の打合せの場となるもので、地域防災の拠点施設となっているものです。
　　私が居住する長瀞地区にも５か所のポンプ車庫があります。そのうち第６分団第２部の消防ポンプ車庫は昭和９年につくられたもので、消防団員の日常の管理にもかかわらず、経年劣化による老朽化が進み、天井壁の剥離落下も発生し、円滑な消防活動の支障になっている状況です。
　　このため、地域では、ポンプ車庫建設推進協議会を昨年つくり、私もその役員の１人として関わらせていただきましたので、改めて本市の消防ポンプ車庫の現状と整備に関する考え方についてお伺いしたいと思います。
　　以上、２項目を登壇での質問とさせていただきます。
○髙橋光男議長　８番植松　宏議員の質問に対し、答弁を求めます。
　　土田市長。
　　　〔土田正剛市長　登壇〕
○土田正剛市長　植松　宏議員のご質問にお答えをいたします。
　　はじめに、東根市デジタル変革推進計画の取組についてであります。
　　オープンデータ化とセキュリティー対策についてでありますが、オープンデータの取組は、行政が保有するデータを誰もが手間なく２次利用できる形で公開し、社会で効果的に活用することにより、新たな価値を創造していこうとするものであります。
　　東根市デジタル変革推進計画では、地域経済の活性化や行政の効率化などにつなげるため、ホームページを利用したオープンデータの公開について、検討していくこととしております。
　　具体的には、例えば、地域や年齢ごとの人口、学区ごとの児童生徒数、公共施設などの地理的情報といった、市が所有する多様なデータの公開を想定しているところであります。特定の個人を識別できるような情報の公開は想定しておりません。
　　したがいまして、東根市デジタル変革推進計画において、想定しているオープンデータについては、基本的にはこうした統計情報をデータ化し、公開するものであります。
　　なお、公開する、しないにかかわらず、市が所有する個人情報や機密情報については、今後ともセキュリティー対策に万全を期してまいります。
　　次に、マイナンバーカードの取得及び普及についてでありますが、総務省の公表資料によると、本市における個人番号カード、通称マイナンバーカードの人口に対する交付枚数率は、今年８月末現在で42.7％となっております。
　　市では、申請サポートのための臨時窓口の設置や、市報を中心とした積極的な広報など、様々な普及促進策に取り組んでいるところであり、今後も１人でも多くの市民に行き渡るよう、交付枚数率の向上に努めてまいります。
　　また、全国平均は47.4％であり、本市よりも高い数値ではありますが、国民の半数に満たず、国全体でも普及が進んでいない状況にあります。
　　この主な原因について申し上げますと、デジタル庁が今年１月から２月にかけて実施したマイナンバーカードの取得状況等に関するアンケートの結果によれば、未取得理由の上位３項目は、「情報流出が恐いから」が35.2％、「申請方法が面倒だから」が31.4％、「マイナンバーカードにメリットを感じないから」が31.3％となっております。
　　本市においても、こうした理由で取得していない市民が多いものと考えておりますが、マイナンバーカードはデジタル社会を実現するための基盤となるものとされていることを踏まえ、国や県と連携しながら、なお一層の取得促進に努めてまいります。
　　次に、消防ポンプ車庫の現状と整備方針についてのご質問にお答えをいたします。
　　本年４月現在における車庫数は65棟で、そのうち耐震基準の見直しが行われた昭和56年以前に建設された車庫は21棟となっており、一部施設が、老朽化が進んでおります。
　　本市としては、旧耐震基準で整備されたものから、老朽化の度合いを勘案し、関係する区や地元消防団との協議等を経て、順次、改築を行っているところであります。
　　近年における実績としては、令和元年度に大富地区三ツ屋の第４分団第３部、令和２年度に大富地区羽入の第４分団第１部、令和３年度に長瀞地区城北の第６分団第４部の整備を行い、今年度においては、高崎地区悪戸の第３分団第５部の改築に着手しております。
　　また、施設機能及び周辺設備につきましては、平成11年度までは市と地元が費用を負担する方法で整備を行っていたことから、車庫と併せて地元の要望を受けて、詰所や水道設備などを整備した例もあります。
　　しかし、平成12年度以降、地元の負担を軽減するよう、建設費用を全額市負担とする見直しを行い、ポンプ車や小型ポンプをはじめとする消防団の資材を収納できる最小限の施設にとどめて整備しているところでありますので、ご理解をお願いいたします。
○髙橋光男議長　８番植松　宏議員。
○８番（植松　宏議員）　引き続き、質問席から質問を続けさせていただきます。
　　はじめに、東根市デジタル変革推進計画についてであります。以後、ＤＸ推進計画と言わせていただきます。
　　私も自宅でネットを通した通信販売やオークション、これらを時々利用しています。地域にいても首都圏とほぼ同価格で画像を見ながら見比べたり、いろんなものが手に入ります。
　　また、調べものにしても、検索システムを使っていろんな情報が手に入る状況です。ましてやスマホの普及は言うに及ばずで、まさにデジタル技術は人類が生み出した最新技術で、地方自治体においても、デジタル技術を有効に活用して、住民の福祉の増進を図ることは必要なことだと思っております。
　　しかし、一方で、デジタル技術はまだ未完成であり、セキュリティーも万全ではない。誤った使い方をすれば、住民に重大な被害や権利侵害をもたらすといった専門家の指摘もあります。
　　先ほどの市長答弁によりますと、本市のＤＸ推進計画では、例として、地域や年齢ごとの人口、学区ごとの児童生徒数、公共施設などの地理的情報などの情報を考えているという、具体的に例示していただきまして、ありがとうございます。
　　特定の個人を識別できるような情報の公開は想定していないということでありました。
　　ただ、登壇で提示しました民間企業の情報漏えい、流出事故に関しても、公開していない情報から流れ出たものであります。
　　市のＤＸ推進計画の中にも、効率性、利便性とセキュリティーの両立を目指した自治体セキュリティーの見直しが必要と表記されています。
　　個人情報の流出などにつながらないよう、セキュリティー対策の強化を、ぜひお願いしたいと思います。
　　私も今後の流れに、この問題については注目していきたいと考えているところであります。
　　次に、マイナンバーカードに関してですが、市長答弁の中で、デジタル庁が調査した未取得理由の上位３項目を提示していただきました。１番目が情報流出が怖い、２番目が申請方法が面倒、そして３番目がカードにメリットを感じないと、この３項目については、私の周りも含めて、同じような意見が聞かれております。
　　政府が進める、カードを取得すると、最大で２万円分のポイントがつくといっても、現金で２万円が返ってくるわけではありません。ポイントを使うには、さらに手続が必要となってきます。
　　カードの発行に関しては、市役所としても市報を使ったＰＲ、税の申告会場や不在者投票会場、市内の公民館を回った出張交付等、十分やってきたと思っております。
　　テレビなどのマスコミでも、相当宣伝費に費やしているということも想定できますが、それでも進まない原因は、先ほどの理由かなと思います。
　　しかも、この状況は、本市だけに限りません。これらの問題を解決させない限り、交付率の上昇は望めないのではないかと思います。
　　ただ、この対応は、発案者である政府主導で、市民にも納得できるように進めるべきではないかと私は思っております。
　　ましてや交付率の低い自治体には、地方交付税を減らすなどと、とんでもない圧力ではないでしょうか。
　　といったことで、次の質問に移らせていただきますが、本市のＤＸ推進計画では、少子高齢化による労働力人口の減少対策として、職員でなければできない業務に注力できる環境づくりとうたわれております。裏を返せば、職員でも職員でなくてもできる業務もあると見て取れますが、この振り分けをどのように想定しているでしょうか、お伺いします。
○髙橋光男議長　石垣総務部長。
○石垣有一総務部長　お答え申し上げます。
　　まず、相対的な社会情勢から申し上げますと、議員も確認されておりますとおり、今後、国内ではさらに少子高齢化が進行いたしまして、労働力人口が減少することが予測されているところでございます。
　　本市においても全く同様な状況が想定され、こうした中におきましても、行政サービスを安定的かつ持続可能な形で提供し続けることができる、その環境づくりが求められております。
　　そのため、東根市ＤＸ推進計画におきましては、デジタル技術の導入による業務の効率化を掲げており、職員以外でもできる業務について、例えばＡＩなどの有効活用を考えているところでございます。
　　議員、お問合せの件につきまして、申し上げます。
　　職員でなければできない業務としては、市民への直接的なサービスの提供や、企画、立案に関する業務などが想定されるところでございます。
　　また、職員以外でもできる業務といたしましては、先ほど申し上げましたＡＩなどを活用することによりまして、入力作業やデータ処理、簡単な問合せへの自動案内といったものを想定しているところでございます。
　　なお、ただ今申し上げたようなＡＩによります簡単な問合せへの自動案内を開始する場合でありましても、窓口や電話でも、細やかな職員によります対応は、これまでどおり行うなど、市民サービスの向上につながるよう取り組んでまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
○髙橋光男議長　８番植松　宏議員。
○８番（植松　宏議員）　私も電話対応も含めた窓口対応は、市民サービスの原点と考えております。
　　ただ今の部長答弁では、窓口や電話での細やかな対応は、これまでどおり行っていくということでしたので、よろしくお願いしたいと思います。
　　引き続き、ＤＸ推進計画の内容に関して質問しますが、自治体が重点的に取り組むべき事項に、官民データ活用推進計画が出てまいります。ここで言う民のデータとは、どういったものを想定しているものでしょうか。
○髙橋光男議長　石垣総務部長。
○石垣有一総務部長　東根市ＤＸ推進計画では、官民データ活用推進基本法第９条第３項の規定に基づき、東根市の官民データ活用推進計画としても位置付けているところでございます。
　　また、市町村の計画で活用を推進する官民データは、市町村が自ら保有するデータになると想定されております。
　　したがいまして、市の計画における活用の推進としては、主に市によるオープンデータの公開及び民間による活用を想定しているところでございます。
　　その一方で、民間のデータに関しましては、行政による活用自体は想定しながらも、その具体的な記載をしていないところでございます。
　　しかしながら、実態といたしまして、既に現在、インターネット上で様々な民間のデータ、民のデータが公開されているところではあります。
　　その具体的な例を申し上げますと、人の流れを把握できる携帯電話端末の位置情報データや、鉄道やバス、航空機の時刻表や運行情報などが挙げられるかと思います。
　　また、これらの民間が保有しておりますデータに関しましては、法に基づきまして、特定の個人を識別できるような形では公開されていないものであることを申し添えます。よろしくお願いします。
○髙橋光男議長　８番植松　宏議員。
○８番（植松　宏議員）　民のデータは主にインターネット上で既に公開されている民間企業によってつくられたデータを想定しているというご答弁のようです。
　　なお、このデータも個人のデータにつながるようなものではないということも確認いたしました。
　　次の質問になりますが、政府が今、進めようとしている自治体ＤＸ推進計画のそもそも論になると思います。
　自治体業務システムの標準化、共通化は、各自治体と国、どちらの求めに応じたものなのでしょうか。
　　私の認識では、政府がデジタル化政策の司令塔となるデジタル庁をつくり、そこから出されるＤＸ推進計画を各自治体が押し付けられたような認識で捉えておりましたが、この度出された本市のＤＸ推進計画の中では、現在、各自治体が利用している情報システムは、各団体がカスタマイズにより独自に発展させてきたため、制度改正などによる改修対応や維持管理が大きな負担になっています。
　　本市にとっても、全国の自治体と同じ問題を抱えていますということが載っております。
　　本市では、国からのＤＸ推進計画が示されなくても、いずれこれらに対する対策を講じる予定だったのでしょうか。
　　あわせて、この標準化、共通化は、今後の職員の事務作業の効率化につながるとお考えでしょうか。お伺いします。
○髙橋光男議長　石垣総務部長。
○石垣有一総務部長　自治体業務システムの標準化、共通化につきましては、令和３年に地方公共団体情報システムの標準化に関する法律が制定されまして、各自治体に標準化基準に適合した情報システムの利用が義務付けられたものでございます。
　　この背景におきましては、先ほど議員も申されておりましたが、これまで各自治体において、それぞれ独自の情報システムを導入し、事務処理のニーズに応えるため、さらにはカスタマイズしてきたことが挙げられるところでございます。
　　そのため、各自治体では、システムの維持管理や制度改正時の改修においては、個別対応を余儀なくされてまいりました。
　　また、複数の自治体とのシステムの共同利用を進めようといたしましても、導入されたそれぞれのシステムの差異の調整が負担となるなどの問題が生じていたところでございます。
　　さらに国では、住民サービスを全国一律に向上させる取組を普及させることが難しいなど、自治体と国、それぞれに課題があったものと捉えております。
　　そのため、標準化、共通化は国主導ながらも、双方の課題解決のため推進したものであると認識しております。
　　また、職員の事務作業に関しましては、目標年度となっております令和７年度の円滑な切替えに向け、今後、事務量の増大が予想されるところではございます。
　　しかしながら、運用開始後は、これまで独自に行ってまいりましたシステム開発、運用が不要になるほか、運用システムの統一によります自治体間の手続の簡略化やシステム運用のコスト削減などによって、事務作業の効率化につながるものと捉えておりますので、ご理解をお願いいたします。
○髙橋光男議長　８番植松　宏議員。
○８番（植松　宏議員）　了解しました。
　　国からの押し付けではなく、双方の課題解決のために推進されるものであると聞いて、安心したところであります。
　　また、ＤＸ推進により、最終的には事務作業の効率化にもつながるということなので、その分、一層の市民サービスにつながるものと期待しております。
　　続きまして、消防ポンプ車庫の整備方針に移ります。
　　市長答弁によりますと、市内65棟ある消防ポンプ車庫のうち、昭和56年度以前に建設された21棟のうち、老朽化の度合いが進んだものから順次、改築を行っているということのようであります。
　　また、平成11年以降は、地元負担軽減のために、ポンプ車庫建設経費分は全額市負担になっているということでありました。このことについては、先輩議員や地元からの強い要望があり、これに市の消防署も応えてくれた結果と感謝いたします。
　　なお、ポンプ車庫の整備方針は、消防団の資機材を収納できる最小限の施設にとどめて整備しているという市長答弁でありましたが、用地の確保、また、その場合の用地スペースの考え方、消防ポンプ車のメンテナンスにも必要な水道設備等の装備は、どのようなお考えになっているでしょうか。
○髙橋光男議長　佐藤消防長。
○佐藤明彦消防長　お答えいたします。
　　ポンプ車庫に係る負担区分についてでありますが、ポンプ車庫の改築等にかかる費用のほか、改築に伴う旧施設の撤去費用や老朽化等による不具合箇所の修繕にかかる費用は市が負担しております。
　　一方で、ポンプ車庫以外の詰所や水道設備等にかかる費用については、地元に負担をお願いしております。
　　次に、用地確保と駐車場等の整備の考え方についてでありますが、用地の選定と確保については、地元にて行うようにお願いしているところであり、消防団の資機材を収納できる最小限の施設設備に限っていることから、市においては、駐車場の整備は行わないこととしておりますので、ご理解の方、お願いいたします。
○髙橋光男議長　８番植松　宏議員。
○８番（植松　宏議員）　あくまで最小限の設備ということですが、消防ポンプ車庫には付近に消火栓がついている施設も多いわけです。改修をお願いしている当地区のポンプ車庫にもついております。この消火栓は、ポンプ車庫が移転した場合、その移転先にも設置していただけるものでしょうか。
○髙橋光男議長　佐藤消防長。
○佐藤明彦消防長　お答えいたします。
　　消火栓や防火水槽などの消防水利については、消防庁が示す消防水利の基準において、市街地と準市街地では、半径120ｍ以内の間隔、その他の地域では半径140ｍ以内の間隔で設置するよう規定されております。
　　本市においても、この基準に準じた消防水利の整備を行っているところであり、改築等によりポンプ車庫が別な場所に移転するような場合には、当該移転地が先に示した範囲に入るか否かで消火栓等の設置を判断することになります。
　　また、消火栓については、原則として前面道路に敷設されている配水管が150mm以上であることなどが設置条件に加わってまいります。
　　これらの条件を踏まえた上で、設置の可否を判断することとなりますので、ご理解をお願いいたします。
○髙橋光男議長　８番植松　宏議員。
○８番（植松　宏議員）　消火栓の設置もいろいろ条件があるようです。
　　地区によってもポンプ車庫の周囲の環境は異なっているとは思いますが、近くに公民館や広場がなくて、水場や駐車場もないのが極めて不便です。汚れたままで資機材を収納したり、団員も手や顔も洗えない状態なのは、いかがなものかなと思うわけです。
　　せめて水道設備は消防ポンプ車庫の標準装備ということにはならないものでしょうか。
○髙橋光男議長　佐藤消防長。
○佐藤明彦消防長　お答えいたします。
　　先ほどご答弁申し上げましたとおり、水道設備については市負担の対象外となります。ご理解をお願いいたします。
○髙橋光男議長　８番植松　宏議員。
○８番（植松　宏議員）　なかなか厳しいご答弁ではありますが、火災をはじめとする様々な災害に、迅速かつ適切に対応していただいている消防団員の活動には重要だといつも思っております。
　　一方で、団員の確保に苦慮していることは、本議会でもいろいろと何回も取り上げられております。
　　そのような状況ですから、地域消防への一定の公費負担は市民からも納得が得られるのではないかと思っているところです。ぜひ、今後ともご検討いただきたいと思います。
　　最後に、ポンプ車庫に付随して設置されていた警鐘台についてお伺いします。
　　最近は、警鐘台も撤去されているところが多くなっていると聞いております。
　　一方、当地区の警鐘台はポンプ車庫の上に設置されている状況ですが、危険で上らないように指導されているという話も聞いております。
　　場所によっては、警鐘台の屋根が飛ばされて骨だけになっている施設もあります。この警鐘台の現状と課題についてお伺いします。
○髙橋光男議長　佐藤消防長。
○佐藤明彦消防長　お答えいたします。
　　本年４月現在、警鐘台の設置数は69基となっております。
　　そのうち耐用年数の45年を経過している警鐘台は56基となっており、老朽化が懸念されることから、全ての警鐘台を対象に現況調査を行っております。
　　現在、火災が発生した場合は、サイレン吹鳴により消防団員の招集、住民への注意喚起を行っており、消防団の活動上の安全を考慮し、警鐘台を利用しないよう指導しているところです。
　　次に、警鐘台の撤去の状況でありますが、令和元年度以降における実績としては、各年度１基の撤去を行ってきましたが、令和４年度においては２基の撤去を予定しております。
　　消防本部としましては、今後も警鐘台の現況把握に努めるとともに、地元の要望などを踏まえ、計画的な対応を行ってまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
○髙橋光男議長　８番植松　宏議員。
○８番（植松　宏議員）　ありがとうございます。
　　この警鐘台は、全てほとんど道路に面した場所に設置されていると思います。撤去作業の面からも、難しい作業になるのではないかと考えます。ただ、近隣住宅、通行車両等に被害が出る前に、速やかな撤去が求められているものと考えております。
　　以上で、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
○髙橋光男議長　以上で、ご了承願います。
　　会議の途中ですが、ここで午後１時まで休憩をいたします。

　　　午後　０時０８分　休　憩

　　　午後　１時００分　開　議

○髙橋光男議長　皆さん、ご苦労さまです。
　　午前に引き続き、会議を開きます。
　　市政一般に対する質問を続けます。

　　◎福永邦幸議員質問

○髙橋光男議長　１番福永邦幸議員。
　　　〔１番　福永邦幸議員　登壇〕
○１番（福永　邦幸議員）　議席番号１番、福永邦幸と申します。
　　先に施行されました東根市長選挙におかれましては、土田正剛市長の７期目のご当選、誠におめでとうございました。
　　躍進する東根市をさらなる高みへ、お体にご留意され、強いリーダーシップの下、牽引されますことをご祈念申し上げます。
　　それでは、議長の指示がございましたので、通告に従い、東根市老人福祉計画及び第８期介護保険事業計画について、１、コロナ禍における次期計画策定に向けた現状分析と今後の課題について、２、コロナ禍における介護保険事業費の全体像と今後の課題について、大きく２点について、質問させていただきます。
　　はじめに、長引く新型コロナウイルス感染症との戦いの中、感染リスクの高い３密を避けることができない医療、福祉、教育、保育の現場で、利用者、児童、生徒、園児、職員が感染し、利用の停止や学級閉鎖、職員の罹患により勤務体制が手薄となる中で、必死に現場を守るために働いておられる医療従事者、介護職員、学校関係者、保育士、また、在宅介護をされていらっしゃるご家族の方々の日頃のご努力に対し、心より感謝申し上げます。
　　東根市老人福祉計画及び介護保険事業計画は、３年に１度、国が示す基本指針にのっとり策定されておられます。令和２年度に、令和３年度から令和５年度までの３年間である東根市老人福祉計画及び第８期介護保険事業計画が策定され、本年度は３年計画の２年目に当たります。
　　本市は国の動向に合わせながら、市民サービスの向上、福祉の向上に向け、きめ細やかなサービスを提供されていると認識しております。
　　本来ならば、計画にのっとったきめ細やかなサービスの提供を受け、高齢者へのアプローチにより、どのような効果を得られたか、福祉サービスの向上にどう結びついたかを分析することにより、次期計画の策定へとつなげていくところですが、介護保険法改正が施行された令和２年度より、予期せぬ新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、特に高齢者を取り巻く環境に大きな変化をもたらすこととなりました。
　　次期計画を策定するに当たっては、コロナ禍における現状分析と今後の課題について捉えていくことが大切ではないかと考えました。
　　そこで、それらの背景を踏まえ、次の２点について質問させていただきます。
　　１、本市が策定された東根市老人福祉計画及び第８期介護保険事業計画は、コロナ禍において、どのように影響を及ぼしたと現状分析されるか。また、今後の課題について、どう捉えているかについてお伺いいたします。
　　２、次に、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年、団塊ジュニア世代が65歳以上の高齢者となる2040年に向け、高齢者の人口は右肩上がりで増加すると予想されており、また、コロナ禍において、当初予定していた介護保険事業費に対し、今後もコロナの状況が長引くと考えた場合、介護保険事業費の全体像はどう変化し、本市の財政面では将来的にどのように推移していくと予想されるか。以上、２点についてお伺いし、登壇での質問を終わります。
○髙橋光男議長　１番福永邦幸議員の質問に対し、答弁を求めます。
　　土田市長。
　　　〔土田正剛市長　登壇〕
○土田正剛市長　福永邦幸議員の東根市老人福祉計画及び第８期介護保険事業計画についてのご質問にお答えをいたします。
　　はじめに、コロナ禍における次期計画策定に向けた現状分析と今後の課題についてであります。
　　東根市老人福祉計画及び第８期介護保険事業計画は、計画期間を令和３年度から令和５年度までの３年間とし、高齢者福祉と介護サービス基盤の充実を図るため、介護や支援が必要な人を地域全体で支える仕組みづくりや、高齢者が住み慣れた地域で健康で日常生活を送ることができるまちづくり、さらには、元気な高齢者の社会参加や介護予防の推進を重点策に掲げているところであります。
　　コロナ禍における介護保険サービスの状況につきましては、前計画と比較して、65歳以上の高齢者と要支援、要介護の認定者数が増える一方で、介護保険給付費はほぼ横ばいとなっております。
　　しかし、介護や予防、サービスの給付額は減少しており、これはコロナ禍における利用控えや施設の休業、要支援者の訪問介護や通所、リハビリテーション等のサービス提供の制限や縮小などが影響したものと分析しているところであります。
　　また、介護予防教室等の中止や縮小によって、参加者が減少している状況であり、介護事業所等の経営が厳しくなっていることが危惧されます。
　　介護予防については、健康寿命を延ばし、生活の質を高める重要な取組であり、今後、介護サービスの利用控え等による身体機能への影響を注視するとともに、高齢者の健康の維持増進に向けた事業を、より積極的に実施してまいります。
　　また、コロナ禍による影響を含め、高齢者福祉や介護における様々な課題を抽出するため、国の指針に基づき、介護保険に係るニーズ調査を実施し、この内容を踏まえて、次期計画を策定してまいります。
　　次に、コロナ禍における介護保険事業費の全体像と今後の財政課題についてであります。
　　令和３年度における介護保険給付費の実績は計画値を大幅に下回っているところであります。その要因につきましては、コロナ禍によるサービスの利用控えもありますが、介護認定を受ける前の高齢者が総合事業を利用することによって、身体機能が維持されるなど、介護予防の取組が功を奏したと捉えております。
　　次期計画期間中には、団塊の世代が後期高齢者となる令和７年を迎え、高齢化率の上昇、単身高齢者世帯や高齢夫婦のみの世帯、認知症高齢者の増加に伴い、介護ニーズの大幅な増加と介護保険給付費の増加が予想されます。
　　こうした中で、介護保険給付費や介護保険料の抑制を図るためには、高齢者自らが加齢に伴う心身の機能低下防止に取り組むことが必要であります。
　　また、介護が必要となった場合でも、可能な限り住み慣れた地域で自立した生活を続けることができるよう、関係機関、団体と連携して、医療、介護、予防、住まい、生活支援が包括的に提供される地域包括ケアシステムの充実に努めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○髙橋光男議長　１番福永邦幸議員。
○１番（福永　邦幸議員）　土田市長、ご答弁ありがとうございました。
　　引き続き、質問席から質問を続けさせていただきます。
　　次に、先ほども触れましたが、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者を迎える2025年問題についてであります。
　　現在、本市で令和５年度に独り暮らしの高齢者は、1,814人となることが予想されております。平成30年度と比較しますと、1,346人であった独り暮らしの高齢者は、過去５年間で468人増加しております。
　　また、独り暮らしの高齢者の増加に伴い、他者との関わりが薄れていくことから、認知症高齢者も増加していくことが懸念されております。
　　本市では、認知症高齢者は令和５年度に1,775人となることが予想されております。平成30年度は1,552人でありましたが、過去５年間で223人増加しております。
　　認知症高齢者の増加に関しては、新型コロナウイルス感染拡大による認知機能の低下が要因となることが懸念されます。
　　ニッセイ基礎研究所が2021年12月に実施したインターネット調査によりますと、新型コロナウイルス感染拡大によって、人々の身体活動と社会活動が減少したことが分かりました。
　　対象を65歳以上の高齢者に限ってみますと、移動時間と運動時間が減少した人が約２割、交際や付き合い時間が減少した人が約６割に上りました。これらが減少した高齢者のグループでは、そうでない高齢者のグループに比べて、運動機能や認知機能の低下、うつ症状、孤独、孤立への悪化に対して不安を感じている人の割合が大きいことが分かりました。
　　このままコロナウイルス感染症が長期化すれば、特に独り暮らしの高齢者で心身機能の低下や精神面の不調が進行し、フレイル、いわゆる加齢に伴い心身の衰えた状態や、要介護状態を引き起こすおそれがあると考えます。
　　これまで政府や自治体は感染防止のため外出自粛や人流抑制を呼びかけてきましたが、高齢者の心身の健康状態を維持するためには、感染対策を取った上で、できるだけ身体活動や社会活動を再開していけるように、具体的な工夫の仕方を発信していく必要があると考えます。
　　そこで、独り暮らしの高齢者が増加傾向にあり、2025年まで増え、さらには団塊ジュニア世代が65歳以上となる2040年まで増え続けることが予想される中で、一次予防の観点から、コロナ禍における高齢者集団へのポピュレーションアプローチ、いわゆるリスクの有無にかかわらず、集団全体に対して健康管理を指導するアプローチについて、本市の取組についてお伺いいたします。
○髙橋光男議長　鈴木健康福祉部長。
○鈴木敬一健康福祉部長　お答えいたします。
　　コロナ禍における介護予防事業について、感染のリスクを回避しながら、どういう一般的な取組をしたかということにつきましては、高齢者はコロナに罹患すれば重症化するリスクを抱えておりますので、細心の注意を払いながら、工夫を凝らして介護予防事業に取り組んでおります。
　　例えば、温泉施設を活用した介護予防事業である「いきいきまじゃーれ」では、時間の短縮や人数制限、会食を中止するなど、感染状況を見ながら慎重に事業を継続してまいりました。そのほかにも、市報やチラシを活用して、自宅でできる運動を紹介したほか、今年度は介護予防教室において、感染リスクが比較的低い屋外での運動を取り入れたところであります。
　　具体的には、公園などに設置している健康遊具を活用した運動教室を実施したほか、ノルディックウォーキングを新たに企画したところであります。
　　今後とも高齢者の運動や社会参加の促進を通じて、心身機能の維持増進を図ってまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○髙橋光男議長　１番福永邦幸議員。
○１番（福永　邦幸議員）　ご答弁ありがとうございます。
　　次に、先ほどの質問に関連しまして、高齢者にとって心身機能の維持に大切な社会参加の場や身近にある通いの場について、質問させていただきます。
　　過去の歴史をたどりますと、平成12年に介護保険法が創設されて以来、要介護状態や重度化を先送りすることを目的として、国は全国の自治体とともに介護予防やリハビリテーションの取組を進めてまいりました。
　　平成17年の介護保険法改正以降、ハイリスクの方にターゲットを絞り、声をかけて様々な教室やプログラムを提供してきましたが、参加者が思うように増えず、平成26年の介護保険法改正において、ハイリスクの方に限らず、広く地域の高齢者が参加しやすいような予防プログラムにも力点が置かれるようになりました。
　　そのことにより、日常生活の中で立ち寄りやすい範囲内に健康体操や茶話会等の介護予防活動ができる拠点、通いの場をつくる方向にかじが切られました。
　　本市もこれまで国の示す基本指針に沿って、高齢者の社会参加の促進と元気高齢者の活動の充実に努めてこられたと認識しております。
　　しかしながら、コロナ禍において、高齢者の活動の充実に支障を来す中で、どのように高齢者の社会参加の促進と元気高齢者の活動の充実を継続的に取り組んでこられたかについてお伺いいたします。
○髙橋光男議長　鈴木健康福祉部長。
○鈴木敬一健康福祉部長　お答えいたします。
　　本市では、高齢者の社会参加促進事業として、いきいき100歳体操を活用した高齢者の通いの場の立ち上げを支援しております。
　　通いの場では、住民自らが主体的に活動しており、年々その活動は広がりを見せ、介護予防に対する意識が高まっていることを実感しております。
　　また、高齢者のサロンにつきましても、社会福祉協議会と連携し、感染予防に努めながら、継続的な開催を支援しております。
　　さらには、高齢者の積極的な外出を支援するため、お出かけサポートタクシー事業を実施しており、タクシー券の交付件数は年々増加しているところであります。
　　今後とも社会福祉協議会や地域包括支援センターなどと連携しながら、高齢者が住み慣れた地域において自立した生活を送ることができるように、社会参加の促進と元気高齢者の活動の充実に努めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○髙橋光男議長　１番福永邦幸議員。
○１番（福永　邦幸議員）　ご答弁ありがとうございます。
　　次に、要介護、要支援認定について、ご質問させていただきます。
　　要介護認定とは、介護保険サービスを使うために必要となるもので、申請することで介護度の区分、要支援１、２、要介護１から５が判定され、介護保険から区分に応じた給付が受けられるようになる制度をいいます。
　　要介護認定には認定有効期間があり、有効期間満了前に更新手続が必要となっています。
　　しかしながら、新型コロナウイルスの影響で入所者との面会が禁止になっている場合には、認定調査ができないため、厚生労働省が特例措置を定めております。
　　そこで、コロナ禍において、本市の要介護認定者数は、どのように推移されておられるか。また、コロナ禍での認定調査方法として、本市の取組についてお伺いいたします。
○髙橋光男議長　鈴木健康福祉部長。
○鈴木敬一健康福祉部長　お答えいたします。
　　要介護、要支援の認定者数につきましては、第８期計画で微増と見込んでおりましたが、その実績は、令和２年度が2,183人、令和３年度が2,207人と、コロナ禍においても微増となっております。
　　なお、１号被保険者数に占める認定率は、令和２年度、令和３年度ともに16.1％となっております。
　　また、コロナの感染拡大防止のため、面会禁止となっている施設の入所者につきましては、介護度をそのままに、認定期間を12か月延長するという国の特例措置を適用するとともに、Ｚｏｏｍなどによるオンラインの認定調査を行うなど、認定切れにならないよう、更新業務を実施しているところでありますので、ご理解をお願いいたします。
○髙橋光男議長　１番福永邦幸議員。
○１番（福永　邦幸議員）　ご答弁ありがとうございます。
　　途切れることなく要介護認定を行っておられる状況や、地域包括ケアシステムの充実に努めるなど、本市の取組はコロナ禍にあっても独り暮らしの高齢者が孤立することなく社会参加でき、元気高齢者として活動を継続できていることが、よく理解できました。
　　私は、今後、日本の高齢者人口の推移と、本市の高齢者人口の推移を見ていく中で、年金、医療、介護などの社会保障費の増大と現役世代への負担増や、福祉、介護の人材不足に陥るときが突然やってくることに強い危機感を抱いております。
　　75歳以上の人口は、現在、都市部で急速に増加し、全国１位の埼玉県では、2015年77.3万人から2025年には120.9万人、1.56倍と増加し、次いで、千葉県、神奈川県、愛知県、大阪府の順に続いております。
　　全国47位の山形県は、2015年19万人から2025年には21万人と、もともと高齢者が多い地方では緩やかに増加していきます。
　　本市は第８期計画期間中の令和３年度をピークに、65歳から74歳の高齢者数が減少に転じ、令和５年度は6,325人、人口構成比47％になるものと見込まれております。
　　今後、健康寿命の延伸や高度な医療の提供により、75歳以上の高齢者数が増加し、特に85歳以上の高齢者数は伸び続けるものと予想されます。
　　そこで注目したいのが、団塊ジュニア世代が65歳以上の高齢者となる2040年問題についてであります。
　　国立社会保障・人口問題研究所の研究によりますと、2040年に日本の人口は約１億1,000万人となり、１人の高齢者を1.5人の現役世代で支え、厚生労働省によると、2040年の社会保障給付費は190兆円となり、121兆円であった2018年の1.6倍に増大すると予想されております。
　　また、2040年は1971年から74年生まれの団塊ジュニア世代が65歳以上となり、高齢者人口がピークになるとされています。
　　現役世代の急減により、介護、福祉における人材不足、社会保障費のさらなる増大が懸念されております。
　　2040年問題の本質は、高齢者の貧困化にあります。団塊ジュニア世代は就職氷河期世代とも重なり、団塊の世代に比べて非正規雇用が多く、貯蓄は少なく、予想される年金の受給額も低くなります。そして、収入が不安定なため、未婚率が高く、子どものいない夫婦が多いのも特徴となっております。
　　以上のことだけを考えると、先行きに不安だけが募ってしまいますが、2040年問題については、今のうちから対策を講じることで、いざというときに自治体が不安なく十分に対応していくことが可能となります。
　　そこで大切なのは、福祉、介護の人材確保対策と、事業所の経営基盤強化についてであります。
　　福祉、介護の人材確保対策については、介護福祉士の資格を持ちながら、介護職に従事していない人が約６割に上ることから考えましても、今後、福祉の人材不足に陥ることを想定しますと、今のうちから外国人労働者の採用に踏み込む必要があると考えます。
　　また、罪を犯し、受刑者となった方が出所後に福祉、介護の現場で雇用され、再犯防止につながっている事例もございますが、出所後の経過観察や面談等、保護司の果たすべき役割も重要になってくると考えます。
　　私は、この度の一般質問に臨むに当たり、医療や福祉、教育の現場に伺い、意見交換を重ねてまいりました。そこで、コロナ禍における事業所の経営感覚として、デイサービスや小規模多機能単体の事業所でコロナが発生した場合、経営が立ち行かなくなることや、職員の感染による欠員により、シフトを回すことが困難となり、穴埋めする職員に疲労やストレスがかかり、離職につながる危険性があることを再認識いたしました。
　　私は、今後コロナが長期化することや、本市で高齢化が緩やかに進むことを想定して、次のことをご提案いたします。
　　現在、本市における介護サービス事業所数は他の自治体と比べて充実しておりますが、本市の特徴としまして、高齢化率は県内で最も低いことから、要介護、要支援認定者数の推計から分析しましても、令和７年度、2025年度、要介護１が436人、要介護２が478人と最も高く、令和22年度、2040年度に向けても要介護１、２の割合が最も高くなると予想されております。
　　特別養護老人ホームへの入所は要介護３以上からとなっており、定員割れを引き起こしている事業所が出始めてきております。
　　また、今後、独り暮らしの高齢者が増え続けることを踏まえましても、本市に要介護１、自立、要支援１から入所が可能な介護付き有料老人ホーム混合型の事業所が足りておらず、需要はまだまだあると考えられるため、本市に建設を希望する事業所があれば、誘致に前向きに取り組まれることを要望いたします。
　　また、令和２年６月に公布されました地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律に基づき、令和４年度から施行されました社会福祉連携推進法人を本市で立ち上げられることを要望いたします。
　　社会福祉連携推進法人につきましては、別途配付されております資料の方をご参照願います。この場での説明の方は割愛させていただきます。
　　社会福祉連携推進法人とは、同じ目的意識を持った社会福祉法人等が社員となり、一般社団法人を立ち上げ、福祉サービス事業者間の連携、協働を図るための様々な取組を行うことができる新たな法人制度をいいます。
　　緩やかな連携を図ることによって、単独の法人では実現が困難な地域福祉支援、災害時支援、人材確保支援、経営支援、共同購入など、多様な取組が実現可能となり、経営基盤の強化にもつながります。
　　令和４年６月現在、京都府のリガーレ、大阪府のリゾムウェルの２法人のみが認可を受けており、山形市内で設立に向けた推進準備室を、ながまち荘の峯田荘長が中心となり、立ち上げられております。
　　法人設立の課題としましては、事業所間の取りまとめを行う専門知識を持ったリーダーの存在が必要不可欠となりますが、社会福祉法人の施設長や社会福祉協議会、民間事業所のトップの方などで音頭を取っていただくことで実現可能となります。
　　社会福祉連携推進法人設立により、将来的に必ずやってくる2040年問題に向かっていく中で、本市が先進的な取組として功を奏し、「長生きするのも東根市」と他の自治体が羨む高齢者先進都市としての確固たる地位を確立することとなるのではないかとご期待するところであります。
　　私も介護福祉士として約10年間、現場で働かせていただいた経験を生かし、やがてやってくる超高齢化社会に向けて、現場の意見を伺いながら、課題解決に向けて積極的に汗をかいていきたいと考えておりますので、引き続き、担当部局のご指導をよろしくお願い申し上げ、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
○髙橋光男議長　以上で、ご了承願います。

　　◎散　　　　　会

○髙橋光男議長　以上で、本日の日程は全部終了しました。
　　本日はこれで散会します。ご苦労さまでした。

　　　午後　１時３２分　散　会