令和２年３月４日 午前１０時００分 開 議
細 矢 俊 博 議長 髙 橋 光 男 副議長
◎出席議員（１８名）
１番 齋 藤 俊 一 郎 議員 ２番 高 橋 弓 嗣 議員
３番 滝 口 公 一 議員 ４番 元 木 十 四 男 議員
５番 東 海 林 克 彦 議員 ６番 三 宅 一 人 議員
７番 植 松 宏 議員 ８番 片 桐 勝 寿 議員
９番 山 科 幸 子 議員 １０番 高 橋 鉄 夫 議員
１１番 白 井 健 道 議員 １２番 河 村 豊 議員
１３番 原 田 利 光 議員 １４番 浅 野 目 幸 一 議員
１５番 佐 藤 直 議員 １６番 清 野 忠 利 議員
１７番 髙 橋 光 男 議員 １８番 細 矢 俊 博 議員
◎欠席議員 （０名）
◎説明のため出席した者の職氏名
|
|
|
|
|
|
土 田 正 剛
|
市 長
|
|
元 木 正 史
|
教 育 長
|
|
武 田 庄 一
|
選挙管理委員会
委 員 長
|
|
斎 藤 吉 則
|
代表監査委員
|
|
工 藤 喜惠治
|
農業委員会会長
|
|
菊 池 忠 芳
|
消 防 長
|
|
間木野 多加志
|
副 市 長
|
|
石 垣 裕 之
|
総 務 部 長
|
|
浅野目 勇
|
市民生活部長
|
|
芦 野 耕 司
|
健康福祉部長
|
|
小 松 伸一郎
|
経 済 部 長
|
|
半 田 隆
|
建 設 部 長
兼 水 道 部 長
|
|
佐 藤 浩 之
|
会計管理者
|
|
高 橋 重 俊
|
教 育 次 長
|
|
石 垣 有 一
|
総合政策課長
|
|
安 達 利 也
|
庶 務 課 長
併選挙管理委員会
事 務 局 長
|
|
佐 藤 慎 司
|
財 政 課 長
|
|
牧 野 美和子
|
監 査 委 員
事 務 局 長
|
|
柴 田 昇
|
農 業 委 員 会
事 務 局 長
|
|
|
|
◎事務局職員出席者職氏名
|
|
|
|
|
|
梅 津 佳 之
|
事務局長
|
|
青 木 満
|
事務局長補佐
|
|
菅 井 美奈子
|
議事主査
兼議事係長
|
|
齊 藤 晋 平
|
主 任
|
|
黒 坂 育 実
|
主任
|
|
井 上 正 宏
|
兼 務 書 記
|
|
森 谷 賢 司
|
兼 務 書 記
|
|
|
|
◎議 事 日 程
議事日程第３号
令和２年３月４日（水） 午前１０時 開 議
日程第 １ 市政一般に対する質問
１ ２番 高 橋 弓 嗣
２ １番 齋 藤 俊一郎
３ １６番 清 野 忠 利
４ ７番 植 松 宏
５ ９番 山 科 幸 子
６ １０番 高 橋 鉄 夫
（散 会）
◎本日の会議に付した事件
議事日程第３号に同じ。
令和２年東根市議会第１回定例会一般質問発言通告書
|
|
|
|
|
|
番 号
|
質 問 者
|
質 問 事 項
|
質 問 要 旨
|
答 弁 者
|
|
１
|
高橋 弓嗣
議 員
|
１．インターネットと青少年を取り巻く環境について
|
１．青少年のインターネット利用状況について
２．ネットトラブルの状況と対処について
３．ネットリテラシーと指導について
|
教 育 長
|
|
２．学校におけるICT教育の環境整備について
|
１．GIGAスクール構想の今後の取り組みについて
２．指導体制について
３．セキュリティ対策について
|
教 育 長
|
|
２
|
齋藤俊一郎
議 員
|
１．昨今の急激な気候変動への対応について
|
１．防災・減災に向けた、国土強靭化地域計画の策定見通しと概要
２．暖冬、少雪による農業への影響と対策
３．ハザードマップ更新に伴う、工業団地への影響と対策
|
市 長
|
|
２．共生社会都市 ひがしねの推進について
|
１．がん対策の状況
（がんと共生する社会－ネクストリボン運動－）
２．認知症対策の状況
（認知症と共生する社会－新オレンジプランの実践－）
|
市 長
|
|
３．第２期東根市子ども・子育て支援事業計画について
|
１．ニーズ調査の検証結果
２．次期計画の骨子と今後の展開
３．入所申し込みに対し、内定していない家庭の状況と対応
４．０歳１歳２歳児の入所申し込みに特化した対策
|
市 長
|
|
|
|
|
|
|
３
|
清野 忠利
議 員
|
１．東北中央道が令和４年に開通が発表された。東根インターチェンジ・東根北インターチェンジのアクセス道路の整備について。
|
１．開通に伴って、東根インターチェンジ、国道287号の混雑が予想される。解消には国道287号の四車線化が早急な課題と思うがどうか。
２．同じく東根北インターチェンジ、寒河江村山線・東根長島線の交通整備、側道の整備等はどうか。
|
市 長
|
|
２．今年の冬の異常気象（暖冬）により各方面の心配が市民に広がっている。対応策は十分か。
|
１．昨年からの異常気象と今年の冬の暖冬により降雪も少なく植物の生育も例年より早目に生育している。各方面で対策チームを立ち上げるべきと思うがどうか。
|
市 長
|
|
４
|
植松 宏
議 員
|
１．教員の変形労働時間制について
|
１．政府は、「学校における働き方改革」として公立学校に「１年単位の変形労働時間制」を導入しようとしています。「１年単位の変形労働制」とは１年間を「繁忙期」と「閑散期」に分け、「繁忙期」の勤務時間を延長し、「閑散期」の勤務時間を短縮することによって、年間で平均した週当たりの労働時間が40時間を超えないようにする制度です。しかし現在の学校における教師の勤務状況を考えれば時間外勤務の実態を覆い隠すだけで、長時間過密労働の解消にはつながりません。つきましては以下の３点についてお伺いします。
（１）教師の長時間労働が社会的な問題となっているが、本市の小中学校の時間外労働の実態はどうなっているか。
（２）公立学校の教員に１年単位の変形労働時間制を導入するかどうかは各自治体や学校の選択制になっているが本市の考えは
（３）教員の長時間労働の解消には、教員の増員と業務の削減が必要と考えるが如何か
|
教 育 長
|
|
２．国民健康保険税の税率改定について
|
１．本市の国民健康保険の現状は、被保険者数の減少と高齢者の増加、医療費の高度化の影響等により一人当たりの保険給付費が増加していることから令和２、３、４年の３カ年で収支均衡を図ることを目標に令和元年度比8.2％～17.3％の値上げを予定していることの説明がありました。国保財政基盤の安定強化は全国的に喫緊の課題となっており、全国市長会においても国の責任と負担において実効ある措置を取ることなどの重点提言がまとめられ国、国会議員に対し要請されたところです。しかし、その成果はまだ道半ばで、市民の負担能力も限界に近いのではないかと考えます。つきましては以下の３点についてお伺いします。
（１）本市における保険税と加入世帯の平均所得の推移は
（２）国保税未納による差し押さえ件数と差し押さえ金額の推移は
（３）本市における国保税の今後の見通しは
|
市 長
|
|
５
|
山科 幸子
議 員
|
１．災害に強いまちづくりについて
|
１．東日本大震災以降全国各地で自然災害が発生し、市民の防災、減災に対する関心が大きくなっています。災害の少なかった本市におきましても、近年は頻発する大雨により市民生活などに影響が及ぶ事例が起きています。
こうした気候変動による市民生活を守るために、異常気象に伴う災害に強い東根市のまちづくりについてお伺いいたします。
（１）現在策定中の第５次総合計画及び第２次都市計画マスタープランにおける防災・減災などの状況はどうか
（２）温暖化などの気象変動に対するこれからの農業対策について
|
市 長
|
|
２．子育て支援について
|
１．東根市は、人口減少が続く県内にあって人口増加が続いています。「子育てするなら東根市」の各種施策による子育て環境整備が着々と進んでおり、若い世代の転入をけん引しているのが要因の１つであります。
若い世代の転入や核家族化、女性の社会進出など社会情勢は目まぐるしく変化し、子育て環境も変化しています。今後とも「子育てするなら東根市」を実現し、東根市を活力あるまちにできるよう子育て支援につきましてお伺いします。
（１）来年度の保育所などの申し込み状況を通して、子育てニーズはどうか。また、今年の子育てニーズと保育料等無償化は、本市の児童福祉施設の整備など子育て支援施策への影響はあるか。また、あればその対策はどうか
（２）学童保育のニーズが高まり、施設整備が進んでいる。指定管理者制度により運営している放課後児童健全育成事業の在り方と課題について
|
市 長
|
|
６
|
高橋 鉄夫
議 員
|
１．安全安心な地域づくりについて
|
１．今後の高齢化に対応した支援策の充実・強化について
（１）地域包括ケアシステムの深化、充実の取り組みについて
（２）介護予防事業の充実と地域活動の推進について
|
市 長
|
◎開 議
○細矢俊博議長 皆さん、おはようございます。 本日の会議に欠席及び遅刻の届け出はありません。したがいまして、出席議員の数は18名で定足数に達しておりますので、これから本日の会議を開きます。
本日の会議は、議事日程第３号によって進めます。
◎市政一般に対する質問
○細矢俊博議長 日程第１ 市政一般に対する質問を行います。
質問は通告順としますが、発言順番を迎えたときに議場にいない場合は、発言権の放棄とみなしますので、そのようにご了承願います。
◎高橋弓嗣議員質問
○細矢俊博議長 はじめに、２番高橋弓嗣議員。
〔２番 高橋弓嗣議員 登壇〕
○２番（高橋弓嗣議員） 皆さん、おはようございます。２番高橋弓嗣です。
議長の指示がございましたので、通告に従い、質問をさせていただきます。
はじめに、インターネットと青少年を取り巻く環境についてお伺いいたします。
インターネットでありますが、各世代において普及が進み、利用していない人を探すのが大変なぐらい多くの方が利用しているのが現代社会であります。それは私たちの生活にも大きく関わりをもち、様々な情報を得るのに最も有効な手段と言えるのではないでしょうか。
近年よく見かける光景として、未就学児を持つ親が子どもをあやすのにスマホやタブレットで動画を見せたり、ゲームをさせたりしています。要するに、現代社会は物心がついたときからインターネットに触れている時代なのです。
では、このようなインターネット利用が行われている中で、青少年のインターネット利用状況はどうなっているのでしょうか。配付しております資料をご覧ください。
内閣府が昨年２月に発表した平成30年度青少年のインターネット利用環境実態調査結果速報の参考資料になります。
この調査によれば、平成30年のインターネット利用状況は小学生が85.6％、中学生が95.1％、高校生が99％といずれも高い数値になっております。
また、折れ線グラフになりますが、スマートフォンだけでの利用状況をデータで見ますと、小学生が平成26年12.5％に対し平成30年45.9％、中学生が平成26年39.8％に対し、平成30年70.6％、高校生が平成26年88.2％に対し、平成30年97.5％といずれも大きく伸びており、この５年で所持率も高くなっていることがわかります。
さらに同調査による平成30年度の平日１日あたりの平均利用時間は、高校生が217.2分、中学生が163.9分、小学生が118.2分となっており、小学生に関しては前年度と比べ21分も増加しております。これは全国的なデータではありますが、こうしたデータを見ますと青少年のインターネット利用率、利用時間が大幅に上がっていることがわかります。
また、小学生をはじめ低年齢化も進んでおり、さらなる対策や指導が必要と感じますが、本市の青少年のインターネット利用状況はどうなっているのか、お伺いいたします。
次に、ネットトラブルの状況と対処についてお伺いします。
青少年のインターネット利用が増え、スマホなどの所持、利用率が上がると懸念されるのがインターネットに関わるトラブルであります。インターネット上の世界には、子どもたちにとって役立つ情報がたくさんある一方で、暴力的な表現やアダルト画像といった悪影響を及ぼす有害な情報も数多く存在します。
また、メールやインターネット掲示板、ＳＮＳと略されるソーシャルネットワーキングサービスなどのコミュニティサイトについても利用方法を誤ると、自分が気付かないうちに見知らぬ人に個人情報を知られてしまうなど、様々なトラブルが生じる危険があります。
もう少し具体的に青少年のインターネット利用に関するトラブルの例を挙げますと、ＳＮＳなどで人の悪口を書き込むなど、インターネット上での人権侵害やいじめが発生し、被害にあった子どもが不登校になるなどの事例や、ＳＮＳなどで安易に個人情報を記載したために、写真や名前、メールアドレスが知らないところで勝手に使われ、嫌がらせを受ける被害が発生しています。
最近では、出会い系サイトよりもＳＮＳやゲームサイトで知り合った人からの誘い出しを受けて、子どもが性的虐待を受けるケースが増えています。
出会い系サイトは、平成20年の出会い系サイト規制法改正により、これに起因する犯罪被害児童は年々減少しておりますが、その反面でコミュニティサイトによる被害児童は急増しており、平成28年にはこれに起因して、犯罪被害にあった子どもの数は1,736人となっております。そして、未だその数は少なくなっていないのが現状であります。
それから無料とうたっているオンラインゲームで遊んでいる間に、アイテムが有料であることに気付かず購入してしまったため、高額の料金を請求されてしまうトラブルが、子どもの間で多く発生しています。こうしたトラブルに巻き込まれることなく、子どもたちが安全に安心してスマホなどでインターネットを利用するためには、保護者がその特徴や様々なリスクについて理解をしながら、子どもを見守ることが重要であると考えます。
本市でもこうしたネットトラブルが少なからず起きているものと思います。ネットトラブルの現状と対処についてお聞きいたします。
次に、ネットリテラシーと指導についてお伺いいたします。
近年ネットリトラシーという言葉を耳にいたします。これは簡単に言いますと、インターネットを正しく使いこなすための知識や能力という意味であります。
インターネット上の情報の正確性を読み取り、情報の取捨選択や適切な対応ができること、電子商取引に正しく対処できること、利用料金や時間に配慮できること、プライバシー保護やセキュリティ対策を講じられること、不適切なプライバシーの公開や個人情報の流出、著作権や商材権の侵害、コンピューターウイルス感染による迷惑メール送付行為など、自らが被害をうけるだけでなく、故意でなくとも加害者になる可能性があります。
さらには不正アクセスによるなりすまし、サイバー犯罪への加担など、モラルに反する行動や違法行為へとエスカレートすることもあります。
インターネットには便利な情報がある反面、危険やうそも多く含まれています。また、全世界に公開されるという特性上、一度発信してしまった情報は、永遠に残り続けると考えていいでしょう。
これからの社会はインターネットモラルといった考えからもう一歩先に進み、このようなインターネットの特徴を理解し、トラブルを回避しながら正しく利用する能力であるインターネットリテラシーをもち、その能力を上げていかなければなりません。
特に青少年といった世代は、人間形成とともに、ネットリテラシーを学ばなければなりませんが、本市では青少年のネットリテラシー教育について、どのように考えているのかお尋ねいたします。
次に、学校におけるＩＣＴ教育環境整備について質問いたします。
はじめに、ＧＩＧＡスクール構想の今後の取り組みについて伺います。
きのうの会派代表質問でも説明がございましたが、施政方針の中にありますＧＩＧＡスクール構想とは、児童・生徒向けの一人一台学習用端末と高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備する構想ということになります。
これは、本市の土田市長が全国公立学校施設整備規制会の会長を務められており、精力的な要望活動をされた結果、令和元年度補正予算においてこれを整備するための経費として2,318億円が盛り込まれたものであります。
児童・生徒一人一人の学習用端末環境は、もはや令和の時代における学校のスタンダードになるであろうと言え、改めてそのご尽力に感謝を申し上げたいと思います。
さて、このＧＩＧＡスクール構想は令和５年までというロードマップも示されており、令和２年度には全国全ての小中学校のネットワーク、電源設備、端末の一部を整備するということになっています。そうした中で、本市の整備状況や今後の整備計画についてお尋ねいたします。
次に、指導体制についてお伺いいたします。
情報化社会が進む中で、一人一人の子どもたちに情報活用能力を身につけさせることは、とても重要になってきております。
また、子どもたちがＩＣＴを活用して学ぶ場面を効果的に授業に取り入れることで、子どもたちの学習に対する意欲や興味、関心を高め、わかる授業の実現をすることも求められています。
しかし、ＩＣＴを活用した教育は、教える側の体制も重要になってまいります。近年は学校教員の公務の多忙化が指摘されており、教員一人一台のコンピュータ整備など、公務の情報化により教員の事務負担の軽減を図り、子どもたちと向き合う時間の確保をすることが求められていますが、こうした中でさらなる指導体制というものは、どのように進めていくのでしょうか。
最後にセキュリティ対策についてお伺いいたします。
家庭のみならず、学校で預けた機器を使って青少年がインターネットに触れるということは、情報セキュリティについてもしっかりとした対策を、練っていかなければなりません。セキュリティ対策が甘い状態ですと、児童・生徒が有害サイトにアクセスをしたり、また授業で使った内容や成績などが漏えいするといったプライバシーが外に漏れる可能性があります。
また、児童・生徒のセキュリティのみならず、教職員も含め、学校としてありとあらゆることを想定した対策が必要になると思います。本市ではどのように対策をしていくのか、お尋ねいたします。
以上で、登壇での質問を終わります。
○細矢俊博議長 ２番高橋弓嗣議員の質問に対し、答弁を求めます。元木教育長。
〔元木正史教育長 登壇〕
○元木正史教育長 おはようございます。
高橋弓嗣議員のインターネットと青少年を取り巻く環境についてのご質問にお答えをいたします。
はじめに青少年のインターネット利用状況についてであります。
例年、県教育委員会の依頼を受けて、10月に実施しております調査においては、令和元年度の結果として、インターネットに接続できる自分用の機器を所有していると回答した小学生は、75.4％。中学生は92.6％でありました。これはここ数年横ばい、または微増の傾向にあります。
また、自分用の携帯電話やスマートフォンを所有しているという児童・生徒は小学生が35.8％、中学生が63.2％でありました。こちらは平成29年度以降、微増傾向にあります。
機器の使用目的を複数回答方式で尋ねた設問では、最も多かったのが小・中学生ともにゲーム、次いで画像・動画の閲覧、音楽の視聴、検索という順でありました。
ちなみに通話と答えた小・中学生は、1,271名でゲームと答えた2,491名の約半数にとどまっており、子どもたちにとってはもはや通話は付け足しの機能として、捉えられているようであります。
インターネット利用に関するトラブルを見てみますと、いじめ調査においてパソコンや携帯電話等で誹謗中傷や嫌なことをされると回答した人数が、平成29年度は小学校１名、中学校１名でありましたが、平成30年度は小学生６名、中学生10名に急増し、今年度につきましては２学期末で小学校４名、中学校３名という状況でありました。
これらは各学校においていじめと認知した件数のみでありますので、先ほどの機器所持率と合わせると、ＳＮＳ等による小さなトラブルはもっと多く発生していると捉えられ、実際、小・中学校における生徒指導においては、看過できない課題となっております。
児童・生徒が比較的自由にインターネットに接続し、これまでは接することができなかった相手や情報、サービス等に直接つながることの危険性については、学校や保護者から、もちろん社会的にも随分前から指摘されてまいりました。そのため、各学校におきましては、教科や学級活動の授業の中で計画的に指導を行っております。
小学校においては学級活動の指導の中で、学年の発達段階に応じたネットモラルの指導を行っており、中学校においては技術・家庭科の中で情報教育を行っております。
さらに小・中学校ともに外部講師を活用した講演会を、児童・生徒向けだけではなく、ＰＴＡ事業として保護者向けにも実施するなどの取り組みを行っております。
なお、本市ＰＴＡにおきましては、現在の状況を見越し、平成28年度末に市ＰＴＡ連合会が「１つ、我が家のルールを決める」、「１つ、子どもの手本になる」、「１つ、原則学校には持たせない」という「親のネットモラル３箇条」を作成し、その後も市内14校全ての小・中学校のＰＴＡで共有していただいております。
市教育委員会といたしましては、様々な技術革新によって、必要性と利便性が高まっているこれらの機器の所持のあり方とともに、使用のルール等について学校現場と連携しながら、また保護者や地域のご理解とご協力をいただきながら、検討を進めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。
次に、学校におけるＩＣＴ教育の環境整備についてのご質問にお答えをいたします。
はじめにＧＩＧＡスクール構想の今後の取り組みについてでありますが、昨年12月５日の閣議決定において、学校における高速大容量のネットワーク環境、いわゆる校内ＬＡＮの整備を推進するとともに、特に義務教育段階において令和５年度までに、全学年の児童・生徒一人一人がそれぞれ端末を持ち、十分に活用できる環境の実現を目指すということが決定され、文部科学省からＧＩＧＡスクール構想として打ち出されました。
具体的には、令和２年度に小学校５年生から中学校１年生まで、令和３年度に中学校２年生、３年生、令和４年度に小学校３年生、４年生、令和５年度に小学校１年生、２年生に１人１台の端末を整備するとともに、令和２年度においては、高速大容量の通信に対応したＬＡＮの整備及び各端末の充電保管庫を整備することが、国のロードマップにおいて示されているところであります。
また、デジタル教科書の導入拡大や、全国学力・学習状況調査について、出題も回答もパソコン等で行う方式へ移行することが検討されているなど、各学校におけるＩＣＴ環境の充実、整備については、今まで以上に重要性を増していると言えます。
市教育委員会といたしましては、こうした動きに対して、準備がおくれることのないよう、取り組んでまいりたいと考えております。
次に、指導体制についてでありますが、ＩＣＴ環境の整備に当たっては、いわゆるハード面の整備だけでなく、デジタルならではの学びの充実と日常的にＩＣＴを活用できる指導体制の充実が非常に重要であると認識しているところであります。
１人１台の端末をどう授業等に生かすかという視点から、各学校における利用計画を定めるとともに、各学校の教諭に対する研修の実施、ＩＣＴ支援委員の配置の検討等、ＩＣＴを活用した指導力の向上を図りたいと考えているところであります。
次に、セキュリティ対策についてであります。現在ＩＣＴ機器については、セキュリティ対策ソフトを導入するとともに、東根市情報セキュリティポリシーに基づき、ＩＣＴ機器利活用にかかる基本ルールを定め、各小中学校において運用されているところであります。
しかしながら、将来的には児童・生徒が端末を自宅に持ち帰って宿題を行うなどの新たな利用形態も想定されます。情報セキュリティや有害情報へのアクセス制限、インターネット接続環境にかかる家庭間の公平性への配慮等の点を踏まえ、本市のセキュリティポリシーの見直しを図ることも必要になるものと考えております。
今後ＩＣＴ機器の利活用においては、学校や家庭における新たな利用形態を踏まえた上で、安全性と利便性を両立させ、十分なセキュリティ対策を行ってまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 ２番高橋弓嗣議員。
○２番（高橋弓嗣議員） 元木教育長、ご答弁ありがとうございました。続けて、質問席より質問を続けたいと思います。
インターネットと青少年を取り巻く環境についてですが、ただ今のご答弁の中に市ＰＴＡ連合会が平成28年末に作成した、親のネットモラル３箇条の中に、原則学校には持たせないという文言がありました。この３箇条が作成される前に、私自身ＰＴＡとしてその礎となる活動をした経験がありますが、当時は学校にインターネットが接続できる機器を持ち込むことは、タブーでありました。
しかし、昨年２月に文部科学省が義務教育である小・中学校へのスマホの持ち込みを、現在の原則禁止から見直すことを検討し始めると発表しました。
その背景には、平成30年６月に大阪府北部で、最大震度６弱を記録した地震が関係しています。この地震の発生時刻は、午前７時58分と登校中の児童・生徒が多い時間帯でありました。子どもたちはスマホなどの連絡手段をもっていないため、保護者や学校側と連絡が取れない状況がそこかしこで発生したため、安否の確認などがスムーズに行われるよう、スマホの所持、持ち込みをしてはどうかと、検討に入ったものであります。
既に大阪府では、登下校時の使用に限って、一部持ち込み禁止を解除しております。ちなみに文科省では、学校における携帯電話の取扱等に関する有識者会議が始まっており、今後子どもたちが学校へスマホを持っていくことを想定しての話し合いが進められております。その動向は、注目すべきところであります。
また、ＢＹＯＤといった会社などで、従業員がなれ親しんだ個人保有の携帯用機器を職場に持ち込み、それを業務に使用するという仕組みがありますが、関東の高校ではそれを導入し始め、授業やテストで使っているという例もあります。
今後はインターネットが接続できる機器を学校に持ち込むことが、あたり前になる時代が来るのかもしれません。
本市においてもめまぐるしく変化するインターネット社会に合わせ、またこうした状況などを踏まえ、ＰＴＡと一体になり時代に合わせた指導や啓蒙活動を行う必要があると思いますが、いかがお考えなのでしょうか。
○細矢俊博議長 高橋教育次長。
○高橋重俊教育次長 お答えをいたします。
ご指摘のとおり、インターネットやＳＮＳの普及など、社会の急激な変化に応じまして、子どもたちを守り、育む体制を学校・保護者・地域が手を携えて構築していくことが、今後必要になると考えております。
教育委員会といたしましても、この度のＧＩＧＡスクール構想を１つの契機といたしまして、今後一層学校やＰＴＡと連携をしながら、新しい時代の指導のあり方について研究してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 ２番高橋弓嗣議員。
○２番（高橋弓嗣議員） 高橋教育次長、ご答弁ありがとうございます。是非、日々変化する時代に合わせ、指導していただきますよう、お願いいたします。
さて、本市教育委員会が平成31年度の全国学力学習状況調査の結果を公表したものによると、学力調査は本市の小学生、中学生の平均正答率が山形県の平均を割っております。特に中学生に関しては、国語・数学・英語の全てで全国平均をも割っている状況であります。
また、学習調査では、中学生の家庭学習１日２時間以上が、全国平均35.5％に対し、本市は29.6％と低くなっております。１日１時間未満は、全国平均が30％に対し、本市は35％と高くなっております。一概には言えないのですが、先ほど申し上げた内閣府が発表した青少年のインターネット利用環境実態調査結果では、中学生のスマホでのインターネット利用が平成26年の39.8％から平成30年の70.6％と大幅に増えており、学力とスマホ利用の因果関係というものが、あるのではないかと考えられます。
平成29年８月に発表しました厚労省研究班の調査結果では、中高生の７人に１人がインターネット依存と疑われると推計されています。
なぜ、このように増えているのか、明確な原因は特定されませんが、青少年の社会において、同調圧力というものが存在し、仲良しグループでのコミュニティやチームをつくってのゲーム、同じ動画を見てクラスでの話題にするなど、みんなと一緒という空気が依存へと進化するとも言われております。青少年のスマホ依存は社会問題の１つでもありますし、青少年のインターネット利用時間が増えていることなども考慮して、さらなる学習指導に当たっていただくよう、要望したいと思います。
さて、先ほど元木教育長のご答弁の中で、本市の小・中学生のスマホ所持率、小学生が35.8％、中学生が63.2％というお話がありました。青少年のインターネット利用環境実態調査によれば、小学生もスマホ所持率も全国平均は平成30年時点で約46％となっており、本市では全国平均よりは低い数字になっていますが、スマホ所持率が低年齢化していることは事実です。
平成30年２月１日付で青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律が改正されまして、18歳未満の青少年がスマホや携帯電話の契約、機種変更をする際、店頭などでフィルタリングの設定が義務化されました。青少年がスマホを持つうえで、その安全・安心利用のためには、フィルタリングは入り口として最低限必要なものであります。
しかしながら、それをすり抜けた有害な情報が多数あることも周知していかなければなりません。そして、次から次へとめまぐるしく新しいコミュニティやゲーム、商取引が生まれるのがインターネットの社会です。こうしたものを利用する青少年が、犯罪に巻き込まれることなく、安心で安全に利用していくために、さらなる指導や理解の充実が求められます。それは児童・生徒への指導のみならず、保護者や地域の青少年に関わるボランティアの方々にも広く見識をもってもらう必要があると感じます。
インターネットは24時間いつでもつながります。学校現場での対応のみならず、是非地域の大人も含めた理解と見識を学ぶ場を多くつくっていただき、青少年が安全にインターネットを利用できるような体制をつくっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○細矢俊博議長 高橋教育次長。
○高橋重俊教育次長 お答えをいたします。
安全なインターネットの利用につきましては、大人が学ぶ機会の必要性も高いと捉えております。これまでもＰＴＡ活動としまして、保護者または親子対象の講演会や研修会を開催しまして、出会い系サイトの怖さやＳＮＳによるいじめ、ゲームサイトでの課金など、具体的なネットトラブルについて学び、フィルタリングの設定や親子でルールをつくって使用することなどの大切さを学んできております。
今後も継続的に市のＰＴＡ連合会や関係機関等と連携をはかりながら、子どもたちにとって安心・安全なインターネットの利用環境を整えられることができるように努めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 ２番高橋弓嗣議員。
○２番（高橋弓嗣議員） 現在、青少年のインターネット安全教室など、外部講師は小・中・高校の学年に応じた内容のプログラムであったり、また教職員向け、ＰＴＡ向け、青少年育成団体向けなどの立場にあったカテゴリー別の内容で、わかりやすく教えてくれています。是非、こうした講演、セミナーなどにも予算をつけて、青少年の健全育成のために活用していただきたいと思います。
さて、総務省では、インターネットリテラシー向上施策の重要性に鑑み、同施策を効果的に進めていくために、平成23年度に青少年のインターネットリテラシーを可視化するテストを開発して、平成24年度より全国の高校１年生を対象に実施しています。
このテストの内容としては、ネットリテラシーの中でも、特にインターネット上の危険、脅威への対応能力、不適正利用リスクへの対処能力、プライバシーセキュリティへの対処能力への３つなどに大分類し、それぞれに対応する多肢選択式の問題となっており、これらを数値化することで各能力を可視化しています。
この結果を集計・分析し、平成29年度青少年のインターネットリテラシー指標等として取りまとめたものによれば、全問正答率は68.8％で前年度の正答率67.2％をやや上回りました。不適切利用リスクへの対処能力の正答率が相対的に高く、利用料金や時間の浪費に配慮した利用はできるものの、不適正取引リスクへの対処能力やプライバシーリスクへの対処能力の正答率が相対的に低く、電子商取引やプライバシー保護への対象などが弱点であることがわかりました。
なお、男子より女子の正答率が高く、学校の所在地区別では、正答率に大きな変化は見られなかったようです。
青少年の間でも、上手にインターネットを利用する傾向が増えてはおりますが、ネットモラルを含むネットリテラシー教育は、まだまだこれから向上させていかなければならない分野です。
また、学校におけるＩＣＴ環境の整備が進められている中ですので、本市においても児童・生徒のネットリテラシーについての状況を把握されること、そしてセキュリティなども含み、是非今後の本市の教育方針にネットリテラシーが向上するような方策もご検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○細矢俊博議長 高橋教育次長。
○高橋重俊教育次長 お答えをいたします。
本市の教育方針につきましては、市長と教育委員会が相互に連携します総合教育会議におきまして、東根市教育等に関する施策の大綱、いわゆる教育大綱を定めております。
そして、この大綱に基づきまして、毎年度本市教育の基本方針としての、東根市の教育を策定しております。
教育大綱におきましては、変化する社会に対応し、社会に貢献できる心豊かでたくましい人材の育成を目標の１つに掲げております。そのため、東根市の教育におきましても学校教育の充実の観点から、情報教育の推進を柱の１つに据えているところであります。
今後もこの基本方針に基づきまして、学校のニーズや学習指導要領にそった実践的な研修会の開催などはもちろんのこと、児童・生徒につきましてはインターネットの利用やＳＮＳ等に起因するトラブルに巻き込まれることのないよう、地域や保護者への啓発を含めまして、ネットリテラシーと情報モラルの育成向上に努めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 ２番高橋弓嗣議員。
○２番（高橋弓嗣議員） ご答弁ありがとうございます。
東根市小・中学校情報セキュリティポリシーとＩＣＴ機器活用にかかる基本ルールにおいても、年度当初に自校の情報セキュリティポリシーの見直しを行い、全職員で確認するとあります。次々に変化する情報化社会に対応するべく、新しい情報を取り入れ、教職員のみならず児童・生徒も視野に入れたルールの作成なども、ご検討いただきますようよろしくお願い申し上げます。
そして、子どもたちがインターネットに触れることがあたり前の時代ですから、交通安全ルールと同じように、右を見て左を見て、もう一度右を見てから手を挙げて、横断歩道を渡りましょうといったように、早い段階でネットリテラシーの教育を行うことは、必然になると思っておりますので、こちらも是非よろしくご検討お願いいたします。
次に、学校におけるＩＣＴ教育環境整備についてでありますが、ＧＩＧＡスクール構想のＧＩＧＡとは通信速度で使うギガビットだと思っておりました。
しかし、そうではなくGlobal and innovation Gateway for Allの略で、誰一人とり残すことなく、子どもたち一人一人に個別最適化され、創造性を育む教育ＩＣＴ環境の実現という意味が込められているそうです。
土田市長が申しておりましたが、今は通信技術情報社会が到来し、第４次産業革命の入り口、またはそれに入ったとも言われる時代です。Society5.0時代に生きる子どもたちの未来を見据え、児童・生徒に１人１台の学習用端末とクラス全員が一度にアクセスしても利用できる通信環境を整備することは、簡単なことではないと思いますが、Society5.0時代、児童・生徒がインターネットを使って効果的な授業が行われることは、必要不可欠であるということを理解いたしました。
今後、学校におけるＩＣＴ教育環境が進み、実現をしていく中でＳＤＧｓの考え方のように、誰一人取り残すことなく学習ができることをご期待申し上げるとともに、国や県の整備計画に合わせ、決しておくれることのないように進めていただきたいと思います。
最後に、新型コロナウイルス拡散防止対策といった緊急を要する事態に、対処されておられる皆様方に感謝を申し上げ、これで質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
○細矢俊博議長 以上で、ご了承願います。
◎齋藤俊一郎議員質問
○細矢俊博議長 次に、１番齋藤俊一郎議員。
〔１番 齋藤俊一郎議員 登壇〕
○１番（齋藤俊一郎議員） 議席番号１番齋藤俊一郎です。
この度の一般質問の機会を賜りましたことに感謝を申し上げ、通告並びに議長の指示に従い、質問を行ってまいります。
この度の一般質問は、昨年はじめての質疑となりました９月の一般質問と、前回12月に行わせていただいた一般質問の内容について、その後の進捗を議論・検証し、さらには未来につながる政策の展望を提言してまいりたいと思っています。
まず、１項目は、昨今の急激な気候変動への対策についてをテーマに、以下の点について伺ってまいります。
まず一点目は、前回の定例議会で取り上げ、策定の加速を要望した防災・減災のための国土強靭化地域計画の策定概要についてです。
国においては、国土強靭化基本法に基づき、国土強靭化に関する施策の推進を図るための、国土強靭化地域計画について見直しを行い、地方公共団体へ策定を求める方針が打ち出されました。
この動きに連動し、山形県からも昨年８月、県内各市町村へ国土強靭化地域計画の策定を求める通知があったところ、国が令和２年度以降、国土強靭化関連の46の関係９府省庁交付金・補助金については、国土強靭化地域計画を策定した自治体への重点化を行う方針が示されました。
なお、令和２年度の国土強靭化関連の重点化される交付金・補助金は、昨年度に比べ12のメニューが新たに加えられており、本市の政策推進に欠かせないものが多くあります。
このような状況を踏まえ、昨年12月定例会において市長は、策定の指示を11月に出した本市の安全・安心に向けた対策を、より強固に加速するためにも、早急に計画を策定していきたいとのお答えでした。
また、きのうの所属会派代表による本市の個別施設ごとの長寿命化計画を、早期に策定するべきとの質疑に対し、インフラ管理者である市長は、共生社会への一定の配慮のもと、各施設の長寿命化の策定を順次進めていきたいとのご答弁であり、本市における国土強靭化政策の推進は、防災・減災に向けたインフラの安全性、信頼性の確保に当たる根幹であると考えております。
加えて、山形県内の市町村では、未だ地域計画策定を完了した自治体はありません。国は策定市町村に対し、令和２年度からの関連施策の重点配分をしていくとの方針を鑑みれば、本年度内の策定が強く望まれると思います。
そこで、本市の計画策定状況とその概要についてお伺いをいたします。
２点目は、この暖冬、小雪による農業への影響と対策についてです。
この記録的な暖冬、小雪による水不足により、樹木散水への影響など、本市の基幹産業である果樹生産について、生産者を中心に不安の声が寄せられております。特に本市では、果樹の樹木散水対策として、平成８年より県営の多目的ダムである白水川ダムを水源とする県営かんがい排水事業が行われ、受益する生産者が現在417名いる状況と伺っております。
この暖冬、小雪による生育の早まりや、凍霜害などの影響を最小限にとどめ、生産量の確保を目的に、例年３月15日ごろの通水をし、４月１日より使用できるとしておりました、この白水川ダム水利権の運用時期を国や県、所管する東根市土地改良区と連携した上で、前倒しをするべきとの要望が上がってきたところ、市長の素早い判断により先月２月21日より通水が開始されたと伺っております。
そこで、この事業現状と急激な気候変動に合わせた対策について、お尋ねをいたします。
３点目は、洪水ハザードマップ更新に伴う、工業団地への影響と対策についてです。
水防法の改正により、本市ではこれまでの洪水浸水区域を50年に１度の大雨を想定したものから、1,000年に一度の想定し得る最大規模の降雨に条件を厳しくした、新たなハザードマップを昨年７月に更新しております。この更新で、浸水区域や浸水深が変更されたことにより、避難計画の見直しや企業による機械設備の再配置などが生じ、本市の様々な箇所に不安の声が広がっております。
なお、西部地区では多くが浸水エリアとなること、小田島地区の洪水指定避難所が地区内から消滅したことから、来年度の施政方針や昨日の地区同僚先輩議員の質疑にもありましたとおり、西部地区における防災拠点の新設に向けた検討が市長のご決断により始まることについて、同地区議員として事業化を大いに期待し、延長要望が出ている総務省の緊急防災減災事業債の活用などを含め、最良の施設整備に向け、地区先輩議員の皆様と設置実現に向け、要望と政策提言を行ってまいりますので、よろしくお願いいたします。
その洪水ハザードマップの更新について、西部地区以外の浸水エリアの中では、今般、本市の工業出荷額を大きく支える大森工業団地内の浸水深が更新され、これまで０メートルから0.5メートルだったものが、0.5メートルから３メートルに一部深まったことによって、該当する企業より不安の声が寄せられております。
そこで、ハザードマップ改正更新に伴う、工業団地への影響と対策についてお伺いをいたします。
次に、２つ目の政策項目として、市長が重要テーマとして掲げる「誰もが安心して暮らせる共生社会、推進都市ひがしね」に向けた取り組みについてであります。
まずはじめは、がん対策です。共生社会には、障害の有無や病気の有無に関わらずとの概念があります。その病気の中で近年では２人に１人が、がんにかかる時代となり、国立がん研究センターの調査では、2017年に新たにがんと診断される人は101万4,000人にのぼるという予測が発表されました。
一方で、医療の進歩により、今やがんは必ずしも死に至る病ではなく、長くつき合う慢性病に変わりつつあります。しかし、がんに対する理解はまだまだ進展せず、就労など社会の様々な場面で問題が起きています。
国においては、平成30年３月に閣議決定されたがん対策基本計画において、がんとの共生を３本の柱の１つに掲げ、尊厳をもって安心して暮らせる社会の構築を実現することとしています。
この実現のためには、医療、福祉、介護、産業保健、就労支援分野と連携し、効率的な医療福祉サービスの提供や、就労支援等を行う仕組みの構築を進めていくこととし、本市にとってもがんの早期発見や就労支援は、健康経営やダイバーシティ推進を含む共生社会都市づくりの上で、重要な要素だと思います。そこで、次の点を伺います。
本市におけるがん対策の取り組みはいかがになっていますか。また、市長が掲げる共生社会にどのようにがんとの共生が盛り込まれていくのか、その考えについてお伺いいたします。
次に、認知症対策です。今や社会問題化とし、2025年には全国で675万人が認知症となる予測が立つなど、認知症との向き合いは避けては通れない時代となっています。
厚生労働省はこれまで、2012年にオレンジプランを作成し、加速度的に進行する現状を踏まえ、2015年には省庁横断型の認知症施策推進総合戦略となる新オレンジプランを策定しました。
さらに政府は、この新オレンジプランを進化させ、幅広い関係者の参画、連携を目指して認知症との共生と予防を柱に掲げた認知症施策推進大綱を制定しました。
国会では、昨年６月認知症の予防を推進しながら、認知症の人が尊厳を保持しつつ、社会の一員として尊重される社会の実現を図ることを目的に、地方公共団体における認知症推進計画やバリアフリー化の推進、９月の認知症月間、９月21日を認知症の日と制定するなど、施策推進の柱とする認知症基本法案が衆議院に議員立法として提出され、今通常国会の審議法案となっております。
本市においても来年度は、関連する地域福祉計画や第８期介護保険事業支援計画の改定時期となっております。
そこで、これまで本市における認知症対策の現状と課題について、状況をお伺いいたします。
続いて、３つ目の政策テーマは、昨年９月の定例会一般質問で議論を交わさせていただいた本市子ども・子育て政策の根拠となる東根市第２期子ども・子育て支援事業計画についてであります。
まず、一点目は、次期計画策定に向け義務づけられている子育て世代の現況を把握するための、保護者ニーズ調査について、次の点についてお伺いいたします。
市長は以前、議会質疑で取り上げた際、ニーズ調査を踏まえながら検証を進めていきたいとのことでした。この調査は、平成30年12月下旬から平成31年１月上旬に無作為に抽出した市内就学前及び小学校１年から３年生の保護者約1,500名を対象にして行われたものです。そこで、このニーズ調査の検証結果を、どう分析されておられるのかを伺います。
また、先ほどの調査結果や子ども・子育て会議の議論を踏まえた上で、どのような次期計画にしていくのか、第１期の本計画の実施検証と課題をどう捉え、次期計画にどう結びつけていくのか、これらを踏まえた上、東根市第２期子ども・子育て支援事業計画の骨子と今後の展開についてお伺いいたします。
次に、本市保育所施設等への入所申し込みに対し、内定していない家庭の状況と対応についてです。
前回12月の本議会における同僚議員との質疑において、この内定していない家庭の状況について市長は、予断を許さない厳しい状況との答弁でした。内定通知を出した12月末時点での令和２年度入所希望の申請者は、合計515名に対し、内定していない家庭は、合計88名の状況とのことでした。
それから３カ月が経過し、来月に新年度の幼児保育が始まる期日が、足元まで迫っているところ、内定していないご家庭への状況と、その対策についてお伺いをいたします。
最後に、今の質問にも関連しますが、本市の保育最大の課題である０歳、１歳、２歳児の未満児といわれる、保育ニーズに対する量の確保についてです。
この第１期支援事業計画策定時に想定した保育ニーズが、現在は当初の予想を超えて伸びていると、市長も分析されておられました。一方で、３歳、４歳、５歳の以上児といわれる保育ニーズに対する量の確保は、国の子ども・子育て新制度を利用し、加速度的に整備した結果、十分に満たされ、一部は定員があいている状態とも伺っております。
人口が上昇している本市ではありますが、様々な予測値から今後は少子化の中で、人口減少に転じていくことも考えれば、これまでとは違った新たな保育の受け皿確保、すなわち未満児に特化した施設や障害を有する園児に配慮した施設整備が急がれると思います。
そこで、この０歳、１歳、２歳に特化した対策について、お考えをお聞きし、以上登壇での質問といたします。
○細矢俊博議長 １番齋藤俊一郎議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。
〔土田正剛市長 登壇〕
○土田正剛市長 齋藤俊一郎議員の昨今の急激な気候変動への対応についてのご質問に、お答えをいたします。
はじめに防災・減災に向けた国土強靭化地域計画の策定見通しと概要についてであります。
東日本大震災等の教訓を踏まえ、国は平成25年に「強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靭化基本法」を制定しております。
また、あらかじめ大規模な被害状況を想定していた対策を立て、被害の軽減を図るべく事前に的確な施策を実施し、大規模自然災害等に強い国土をつくるとともに、自らの生命及び生活を守ることができるよう、地域住民の力を向上させるべく、国は平成26年に国土強靭化基本計画を、山形県は平成28年に事前防災及び減災等のための山形県強靭化計画を策定しております。
国土及び地域の強靭化を実行あるものとするために、国・県における取り組みのみならず、市や民間事業者等が総力を挙げて積極的に取り組むことが重要であり、本市においても国土強靭化地域計画の策定を進めております。
計画においては、本市において想定される大規模自然災害を踏まえ、強靭化を推進する上での目標を定めるとともに、起きてはならない最悪の事態を想定し、現状についての分析・評価を行い、施策を推進する上での方向性等について整理いたします。
また、強靭化の進捗状況を把握するための目標指標も設定してまいりたいと考えております。担当部門には、年度内の策定について指示しているところであり、計画内容がまとまり次第、議員の皆様に概要をお示ししてまいります。
なお、国土強靭化は、３年間の特別措置であります。令和２年度いっぱいということになっておりますので、全国市長会としてもこれを延長するようにということで、ただ今要望をしているところであります。
次に、暖冬、小雪による農業への影響と対策についてであります。
議員ご指摘のとおり今シーズンは、過去に例を見ない記録的な暖冬、小雪により果樹を中心とする農作物への影響が懸念されるところであります。
果樹の育成状況につきましては、現在のところ暖冬、小雪による大きな影響は見られないものの、今後も高温で推移した場合については、果樹と農作物の生育が早まる可能性があり、凍霜害の頻度が高まることが予想され、また病害虫の発生も早まる恐れがあると、山形県において公表されたところであります。
また、本市においても果樹生産者の一部からは、例年より農作物の生育状況が早いとの声とともに、降霜被害に対する懸念の声が上がっており、私が要望を受けたことから、担当課に対応を指示し、本市が中心となって畑地かんがいを活用した防霜対策の実施に向けて、関係機関との協議を実施したところであります。
具体的には、本市が施設管理者である東根市土地改良区とともに、白水川ダムの水利権や統合ダムを管理する県との協議を実施し、防霜対策に効果があるとされている散水について、通常３月中旬から実施していた資源散水の開始を２月21日に前倒しし、合わせて十分な水量の確保について承認を得たところであり、これにより対策の強化が図られたものと考えております。
本市といたしましては、今後も状況把握に努めるとともに、関係機関や生産者と一体となってこの暖冬、小雪による影響を最小限に抑制したいと考えております。
次に、ハザードマップ更新に伴う、工業団地への影響と対策についてであります。
水防法改正に伴い、国と県が新たな基準で浸水想定を実施したことを受けて、昨年７月に洪水ハザードマップを更新しております。新しい洪水ハザードマップにおいては、以前のものと比較して、浸水想定区域の拡大や浸水深の上昇が見られ、その傾向は市内の工業団地の一部においても同様であります。
工業団地内の事業所においても、ハザードマップを配布しており、必要に応じて事業所が所在する地域の状況に合わせて、より詳細な説明を行ったところであります。
また、相談を受けた際にも、情報を共有するとともに、関係部署と一体となって対応しているところであります。
今後ともハザードマップの丁寧な説明に努め、市民及び事業者への周知を図ってまいりますので、ご理解をお願いいたします。
次に、共生社会都市ひがしねの推進についてのご質問にお答えをいたします。
はじめに、がん対策の現状についてであります。がんは国民の死因の第一位であり、死に至る重篤な病気ではありますが、生活習慣病の１つでもあり、その多くが予防できる病気とも言われております。
そのため一次予防の段階においては、広く市民に生活習慣の見直しを促しております。喫煙をしない、過度な飲酒は控える、バランスのよい食事をとる、定期的な運動を行うなど、講演会、各種講座、運動教室、健康マイレージ事業等、様々な健康づくり事業を通じて、日ごろの生活習慣の見直しを促しております。
さらに、二次予防の段階においては、がん検診等の受診率向上に努めております。若いうちからの検診への意識づけと定着化を目指し、30歳代から検診に対する助成を行うとともに、40歳では自己負担なく検診が受けられるようにしております。
検診機関での休日・夜間の検診、子宮頸がんや乳がんのセット検診のほか、北村山公立病院と身近な市内医療機関にも、女性特有のがん検診を委託しております。
また、昨年度からＮＨＫのテレビ番組と連携した取り組みを実施しております。番組では数日後に届く自治体からの検診等の案内を紹介してもらい、検診の重要性等を説明していただいております。昨年度は乳がん、今年度は大腸がんについて取り組んだところであります。
また、がん対策については予防だけではなく、患者が社会生活を送る上での視点、がんとの共生という視点も大切であります。これまで本市においては、がん患者に対する生活支援として、ウイッグ購入に対する助成を行ってまいりましたが、新年度からは乳房補正具についても、新たに助成対象とし、がん患者にとってより質の高い療養生活となるよう、取り組んでまいります。
また、山形連携中枢都市圏構想に関する事業として、山形大学において来年度の稼働を予定しております世界最先端の技術である、重粒子線治療についてもＰＲを実施していく予定であります。
次に、認知症対策の状況についてであります。認知症は高齢化の進展に伴い、誰もがなり得る可能性があり、また誰もが支える側として関わる可能性があるなど、多くの人にとって身近なものであると捉えており、特に高齢化が急速に進展している日本においては、社会全体でその取り組みを実践していくことが求められております。
このようなことから、認知症対策の総合的な戦略であった新オレンジプランの後継となる認知症施策推進大綱が令和元年６月にまとめられました。この大綱による施策の基本的な考え方については、認知症になっても尊厳と希望をもって認知症のある人もない人も一緒に住みなれた地域で暮らすことのできる共生社会の実現を目指すとともに、認知症の発症をおくらせる予防の施策を車の両輪として取り組んでいくこととされております。
認知症と共生する社会の実践においては、認知症への正しい知識と理解が基盤となります。
その具体的な施策として、本人やその家族を支援することができる認知症サポーターの養成が必要であると示されております。本市においては、地域包括ケアシステムの構築の一環として、平成27年度から地域包括支援センターに認知症地域支援推進委員を配置し、積極的に地域や企業等に働きかけを行い、サポーターの養成に努めております。
また、平成29年度には医師や社会福祉士等他職種で構成する認知症初期集中支援チームを設置し、認知症の早期発見と集中対応に取り組んでおります。この活動においては、認知症の方とその家族員対し、適切な医療機関への受診や服薬を促すほか、認知症の方への接し方などの指導・助言を行っており、これにより介護サービスを利用しながら、在宅生活を継続できるケースが報告されております。認知症になってもならなくても、一人一人が生きがいを持って活動をし続けられる共生社会を目指し、今後も認知症に対する正しい知識と理解が得られるよう、普及啓発や重度予防に対する支援を推進してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
次に、第２期東根市子ども・子育て支援事業計画についてのご質問にお答えをいたします。
はじめにニーズ調査の検証結果についてでありますが、一昨年の12月に計画策定の基礎資料として、保護者の就労状況、育児休暇の取得状況、保育事業や子育て支援事業の利用状況等を調査項目とするニーズ調査を実施いたしました。就学前児童の保護者約1,000名、小学校児童の保護者約500名に調査票を配布し、およそ６割の方から回答をいただいております。
回答のうち、使用項目については、第１期計画策定時に比べ、就労している母親の割合の増加、保育施設等を利用している世帯の増加、育児休業取得後、職場に復帰した割合の増加等が見られ、保育ニーズの高まりが推測されます。
子育ての環境や支援に関しては、兄弟姉妹の同一保育所への入所、病気や緊急時に子どもを預かってくれる支援、子育てについて気軽に相談できる場所やわかりやすい情報の提供を求める意見が、数多くあったところであります。東根市の子育て環境についてどう感じているかの設問に対しては、肯定的な回答が多くを占めたところであります。
次に、次期計画骨子と今後の展開についてでありますが、平成27年度から令和元年度までを期間とする現計画に基づき、保育の需要等を踏まえ、保育施設の定員の見直しや施設整備を図るとともに、様々な子育て支援施策により、教育・保育の利用の拡大や質の向上を図ってまいりました。
第２期計画におきましても、現計画に掲げた取り組みを踏襲しつつ、一層の子育て支援の充実を図る計画になるものと考えております。
また、ニーズ調査の結果を踏まえ、子育て支援事業の利用意向、利用の見込み、既存施設のあり方を含めた教育・保育の定員の見直し等により、刻々と変化する市内の保育ニーズに対応していく趣旨になるものと考えております。
次に、入所申し込みに対し、内定していない家庭の状況と対応についてであります。
昨年末に入所決定の通知を発出した段階においては、90名弱が内定保留者となっております。これらの内定保留者については、現在保護者の転勤に伴う世帯の転出等で、新たに生じた定員枠に案内したり、広域入所として保護者の勤務先である市町の施設に入所できるように調整を行ったりするなど、現在保留の解消に努めているところであります。
最終的に特定の施設のみを希望する方等を除いた、いわゆる待機児童の見込みについては、予断を許さない厳しい状況となっております。
次に、０歳、１歳、２歳児の入所申し込みに特化した対策についてであります。
女性の就業率の向上とともに、３歳未満児の保育ニーズは高まりを見せており、これまで本市においては、民間事業者を中心に施設整備を図ってきたところであり、本年４月には新たに民間事業者による保育所一施設が開所する予定であります。
次年度以降においても、企業主導型保育施設の開設に向けた動きがあり、さらに令和４年４月には、（仮称）東根こども園の開園により、０歳児から５歳児までの一貫保育を行う予定であります。
今後は現在策定を進めている子ども・子育て支援事業計画において、３歳未満児の保育ニーズの量を適切に見込んだ上で、計画的に対処してまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 １番齋藤俊一郎議員。
○１番（齋藤俊一郎議員） 市長より力強い重要な答弁をいくつもいただきました。ありがとうございました。
まずはじめに国土強靭化地域計画についてでありますが、完成時期を年度内の完成とのお答えでした。
また、計画概要としては、起きてはならない最悪の事態を想定し、現状の分析評価を行い、強靭化の進捗を把握するための目標値を設定し、強力に推進していくとした防災・減災に対する、市長の覚悟を受けとめた次第です。
防災・減災対策の充実を求める地域住民の声を反映し、県内でも最も早い強くしなやかな地域計画となり、来年度予算の重点化に間に合うことを要望したいと思います。
次に、暖冬・小雪に対する農業対策です。こちらもご答弁ありがとうございました。
山形県の農林水産部農業技術環境課によれば、この東根市での取り組みは気候変動に伴うこれからの農業対策での優良事例として、注目をしていきたいということでした。
一方の県の園芸試験所では、暖冬の影響を懸念し、桜桃の雌しべの生育調査を今行っており、先月までは平年並みの状況だったが、今月は平均気温を上回る予測も出ていることから、今後へ予断を許さないとの見解でありました。本市としても影響を最小限に与えられるように、状況の把握に努めていただきたいと思います。
また、国では今月中に閣議決定する予定の関係人口を新たなテーマとしながらも、引き続き農地の集積による生産基盤の強化をうたう、次期食料農業農村基本計画を検討し、山形県では第３次農林水産元気再生戦略の最終年度を迎え、生産基盤の整備や大規模団地化に15憶7,600万円の来年度予算を計上しております
桜桃の新品種「やまがた紅王」のブランド化とともに、2020年度までに県内に20カ所以上の大規模園芸団地の整備を掲げ、本市でも昨年高崎地区の花木協議会で運営する啓翁桜団地が認定されており、遊休農地の解消を含め期待をされておる一方で、本市でも明日に迫る農業従事者の大幅な減少や担い手不足を考え、この園芸団地化の整備やスマート農業の推進は不可欠なものと考えております。
先日ＪＡの佐藤組合長より、当農協の調査で市内の20代から40代の生産者は189名であったとの話をうかがいました。果研連の活動など県内でも優良事例として、本市の農政は評価と期待を集めておりますが、これからの動きを注視し、切れ目のない未来に責任のある政策を要望していきたいと思います。
次に、洪水ハザードマップの更新に伴う工業団地への影響についてであります。
事前に伺った本市の見解は、影響する村山野川は流域面積が大きくなく、大森工業団地が所在する地理的位置からも洪水が発生する危険度は極めて低いこと、公共雨水対策が行われていること、企業において浸水深の予測範囲値が大きく違うことは、ハザードマップ更新のデータ根拠となっている国土地理院の標高データによるもので、心配の必要性はないとの見解でした。
そのような状況を踏まえ、市長からは先ほど丁寧な説明に努めたいとのことでありました。
それでは、本市において実施されている、防災出前講座の実施状況について、お伺いをいたします。
○細矢俊博議長 石垣総務部長。
○石垣裕之総務部長 はい、お答え申し上げます。
昨年７月に更新・作成いたしましたハザードマップを中心として、令和元年度におきましては、令和２年２月末現在で32件の講座を開催させていただきまして、延べ1,900名の皆さんから参加していただいている状況でございます。
ちなみに平成30年度における実施講座では、20回の開催で約400名の参加をいただいていたことから、かなり多くの皆様から関心を寄せていただいて、参加していただいたものと捉えているところでございます。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 １番齋藤俊一郎議員。
○１番（齋藤俊一郎議員） ご答弁ありがとうございました。
大変昨年に比べ、また前回更新をした17年に比べれば、大変な多くの方がご参加いただいている出前講座と伺っております。庶務課の皆さんも大変よく対応していただいていると、ご評価を申し上げた上で、先ほど申し上げたような企業内でも不安の声がありますし、市内経済活動に及ぼす影響も大きいことから、大森団地連絡協議会や各社に出前講座を開催させていただく働きかけを行うなど、対応をお願いしたいと思います。
次に、共生社会推進都市ひがしねをテーマにした質疑に移ります。
まず、がん対策の現状についてご答弁いただきました。予防と検診の分野では昨年からＮＨＫの「ためしてガッテン」という番組とタイアップをして、市民の皆さんにこの検診率の向上や予防、早期発見につなげるための施策を推進していることだと思います。大変先進的な事例だなとこう思っていますし、このがんとの共生というのは、これからの社会において、日々大事な分野だと私は思っています。県との動きに連動して、乳房補正具の補助を始めるとの答弁でもありました。
患者の社会復帰の観点で、アピアランスケアという心のケアの部分に対する対応についても、厚生労働省の審議会でも検討されていますけれども、この辺の市独自の支援のあり方についても、今後研究をしていただきたいなと、こう思っています。
また、がん対策では、相談支援またそのワンストップの相談機能が重要だと言われている中で、この機能の充実やパンフレットによる啓発の取り組み、また相談支援センター事業とどう連携していくかを伺いたいと思います。
○細矢俊博議長 芦野健康福祉部長。
○芦野耕司健康福祉部長 お答えをいたします。
子育て健康課の窓口では、保健師と看護師が、がんに関する相談を随時対応しております。必要に応じて、様々ながんに関するパンフレットや健康カレンダーなどを使いまして、説明を行い、専門の医療機関や山形県が設置しているがん総合相談支援センターを紹介しております。
がん総合相談支援センターでは、専門的な知識を持った医師や看護師、保健師、管理栄養士などがチームを組みまして、医療だけでなく生活や就労などの相談業務に加えまして、がん治療の経験者が、がん患者を支える取り組みですとか、サロンの開催などを行っているところでございます。
よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 １番齋藤俊一郎議員。
○１番（齋藤俊一郎議員） 今しがたご説明ありました、そういった連携をしていく、相談支援業務とともにということでありましたけれども、同時に治療の分野も大事になってまいります。北村山公立病院内に乳腺外科が誕生しまして、大変すばらしい専門の先生を配置いただいておりますが、この新型のマンモグラフィー装置なども導入をしていただいておりますし、退院後の悩みや相談を気軽に行う「なでしこの会」、こちらもすごく注目をされていると聞いています。
そこで、この北村山公立病院と連携はどのようになっているか、現状と今後の取り組みを伺いたいと思います。
○細矢俊博議長 芦野健康福祉部長。
○芦野耕司健康福祉部長 お答えをいたします。
北村山公立病院については、がん検診で精密検査が必要になった方に、精密検査が実施できる県内の医療機関として名簿に載せまして、受診の勧奨を行っております。
それから、市で発行している健康カレンダーにおいても、受診できる医療機関として案内をしているところであります。
それら健康東根アカデミーにおいては、北村山公立病院の医師を講師に迎えまして、講演会を開催しておりますので、今後ともこうした講演会などについては、続けてまいりたいと考えております。
それから市報ひがしねの15日号にそれぞれの月の健康カレンダーを掲載しておりまして、その隣のページに北村山公立病院一口メモということで、健康一口メモというコーナーを設けて、医師や看護師、医療技術職の職員から専門分野からのその健康に関するアドバイスのコラムを掲載しているところであります。病院を身近に感じていただく試みとして、行っているものでございます。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 １番齋藤俊一郎議員。
○１番（齋藤俊一郎議員） 北村山公立病院とよく連携をされている状況を伺いました。是非今後も続けていただきたいと思います。共生社会都市ひがしねを推進していく上では、産業界の皆さんとの取り組みも大事になってくると思いますし、その支援が注目をされています。
政策の提案としてでありますが、市内の企業がこの両立支援に取り組めるように、健康経営優良法人認定制度の活用など、インセンティブをつけるといった新たな施策により、市全体でサポートし合うまちづくりが可能になるのではないでしょうか。この点を提言し、次の共生社会テーマ、認知症に移りたいと思います。
認知症に対する正しい理解と知識の普及啓発や、重症化予防の支援策を今後も進めていきたいとのご答弁をいただきました。きめ細かな施策が実施され、共生社会都市ひがしねにどのようにつなげ、拡大していくかが問われているのかなと、こう思います。本市では市の職員や地域児童をはじめ、4,954名にのぼる認知症市民サポーターが誕生し、市社協等に委託している認知症の各推進事業が展開されてきておりますけれども、このオレンジプランの最終年度を迎える中で、４年間の事業をどう総括し、かつ市社協が進める声かけ訓練シミュレーション事業とか、小学生向けサポーター講座などをいかに拡充していくかが大事かなと、こう思いますので、ご見解を伺いたいと思います。
○細矢俊博議長 芦野健康福祉部長。
○芦野耕司健康福祉部長 はい、お答えをいたします。
認知症サポーターの養成につきましては、平成17年から現在までの14年間の間、継続して講座を開催しておりまして、間もなく5,000人というサポーターの養成が達成される見込みでございます。
この事業のはじめのころは、各種団体や事業所への出前講座が中心でありましたが、最近では広く市民を募集する参加型、応募型の養成講座も開催するなど、市民ニーズを探り、多方面から意識の醸成を図っている、そういう機会をつくっていることがこの数値に結びついたものと捉えております。
本市では認知症施策を推進するための、実施計画をつくりまして、独自に数値目標を定めて事業に取り組んでおりますので、今後も検証・工夫を重ね、サポーター養成事業のほか、認知症施策の各種事業に取り組んでまいります。
また、国の方針や他自治体の先進的な取り組みの状況などについても注視しまして、認知症の方本人や家族のニーズにそった施策の研究をしてまいりたいと考えております。
よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 １番齋藤俊一郎議員。
○１番（齋藤俊一郎議員） ご答弁ありがとうございました。
2025年には全国で675万人が認知症となる予測が立つなど、この認知症との向き合いは避けては通れません。今ご答弁いただいた、様々な事業を引き続き展開していただくとともに、市社会福祉協議会や包括支援センターとの連携を強めながら、さらに踏み込んだ市独自事業や予算の拡充を要望したいと思いますし、官民連携の中で認定企業団体をつくりながら、その団体への補助制度をつくるというのも、１つかなとこう思います。いずれにしても多岐にわたる展開を要望していきたいと、このように思います。
最後に、子ども・子育て支援事業計画に対し、市長よりるるご答弁をいただきました。ニーズ調査の結果、子ども・子育て会議の意見、是非十分配慮した第２期計画にしていただきたいなとこう思いますが、何よりも大事なのは待機児童を出さないこのことだと私は思います。その点で次の点について伺います。
内定保留者が現在、昨年末の時点で88名おられるということですが、年齢別の内訳をお聞きしましたところ、０歳児が14名、１歳児が61名、２歳児が8名、３歳児１名、４歳児４名の状況と伺っています。これは、例年も同じ状況に近いということですが、今年度に限っては２割の弾力化措置を既に行っているという、今までにない厳しい状況だという認識をした上で、３カ月経過しております。現在の状況を伺いたいと思います。
○細矢俊博議長 芦野健康福祉部長。
○芦野耕司健康福祉部長 お答えをいたします。
ただ今議員からありました、数字、昨年末の人数から日々少しずつではありますが減少しているところであります。最終的な待機児童ということでは、市長からもありましたとおり予断を許さない状況ということになります。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 １番齋藤俊一郎議員。
○１番（齋藤俊一郎議員） 予断を許さぬと、本当に、これはもう目前に迫っている厳しい状況だという認識をお持ちいただきながら、現場でも本当に最善の努力をしていただいていると思いますが、何とか待機児童を出さないために努力を続けていただきたいと思いますし、令和４年から新設する２つの児童センターが統合された東根こども園が、この予想を超える１歳児を中心とする受け皿になるとのことだと思います。来年度の整備概要及び入所者の人員の想定についてお伺いをいたします。
○細矢俊博議長 芦野健康福祉部長。
○芦野耕司健康福祉部長 お答えをいたします。
来年度の整備スケジュールにつきましては、年度当初に用地を取得しまして、夏までには地質調査、秋から冬にかけて造成工事を行います。また、実施設計を秋までに完了する予定としております。
利用の点につきましては、３歳以上児は83名、未満児を47名としまして、合わせて定員130名としているところでございます。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 １番齋藤俊一郎議員。
○１番（齋藤俊一郎議員） ご答弁ありがとうございました。
来年度から本格着手に入るとのことでありましたが、未満児の計画は47名とのことであります。先ほどの12月末の時点で１歳児は61名を超える人数がまだ内定保留の段階の中で、非常にこの点は大事な部分なので最後にもう一度触れていきたいと思います。
この（仮称）東根こども園、障害を有する子どもや医療的ケアに対応した施設を目指すとされましたことは本当にすばらしいことで、ご評価を申し上げたいと思います。是非、今現在、既に医療的ケアやサービスを提供いただいている市内の施設もありますので、この辺との連携について伺いたいと思います。
○細矢俊博議長 芦野健康福祉部長。
○芦野耕司健康福祉部長 お答えをいたします。
（仮称）東根こども園では、公立の施設として民立保育所では受け入れがたいような医療的ケア児の中でも集団保育が可能な子どもを受け入れていきたいと考えております。医療的ケア児については、医療の専門的知見のある看護師や保育士の配置など、人員体制を確保して受け入れの環境整備を図ってまいります。
また、医療的ケア児一人一人の状況に応じて、安全で適切な保育が提供できるように、受け入れのために必要な研修を行いまして、保護者や主治医、その他医療機関と連携を図ってまいりたいと思っております。
医療的ケア児にサービスを提供している事業者との連携につきましては、子どもの状態や保護者の意向なども十分に踏まえまして、事業者とよく相談しながら適切な役割分担によって、それぞれの子どもに合った保育を提供していきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 １番齋藤俊一郎議員。
○１番（齋藤俊一郎議員） ありがとうございます。
具体的サービスの概要並びに連携の状況を伺いました。是非、引き続き、進めていただきたいと思いますし、本市では、臨床心理士による巡回相談、これ非常に大きな成果を上げてニーズが高まっています。国では、子ども・子育て関連三法を改正して、この障害児への対応について様々な加算措置をつくりましたけれども、現場の各施設の運営する皆さんの声は全然足りてないよというのが、現在の声かなと話を伺って思いますし、市においての各施設長会議においても同様の意見が出されていると伺っています。
増え続けるニーズやグレーゾーンと言われる制度のはざまにいる児童の対応こそが本市に求められていることでありますし、インクルーシブ教育を進めるという本市の考えに沿って、是非この巡回事業をさらに展開していただくと同時に、各施設への独自加算を創設していただきたいなと提案しますが、いかがでしょうか。
○細矢俊博議長 芦野健康福祉部長。
○芦野耕司健康福祉部長 お答えをいたします。
障害児を受け入れる施設に対しては、公定価格として一定の加算措置を行って対応していくところでございます。この額が十分でないということで、各事業者の経営を圧迫しているということであれば、まずは国に対して増額の要望をしていかなければいけないと考えております。
市の独自加算を創設する場合は、目的を明確にして、その加算による効果を見定める必要があるのかなと考えております。ですから、まずは、各事業所の考え方や現状などを意見交換してみたいと考えております。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 １番齋藤俊一郎議員。
○１番（齋藤俊一郎議員） 新型コロナウイルスに伴う休校措置に伴いまして、放課後デイの状況を伺いましたところ、非常に定員がいっぱいな状況にもなっていると。定員の中ではありますがということもつけ加えられておりましたが、市内でも多くの放課後デイも増えている状況であります。是非、このグレーゾーンに対応することというのは、非常に各施設今悩ましいことだと聞いています。長井市さんでは、独自加算の創設を既にしていたという例もあるようですので、是非、子育て日本一の東根ですので、この点、研究していただきたいなと心からお願いをしたいと思います。
最後になりますが、何度も申し上げております、１歳児を中心とする未満児に対応する保育施設の整備こそが、第２期のこの支援事業計画で必要なのではないかと思います。（仮称）東根こども園の未満児受け入れ47名だけでは量が足りないと私は考えますし、来年度開設予定の企業主導型の開設に対する支援のあり方などをどのように考えているのか伺いたいと同時に、国の子育てプラン、集中的に２年間待機児童ゼロをなくしていくんだという、この施策に対しての市の考え方、そして次期計画への対応についてお伺いをしたいと思います。
○細矢俊博議長 芦野健康福祉部長。
○芦野耕司健康福祉部長 お答えをいたします。
企業主導型保育施設の運営は、豊富なノウハウを持つ専門の保育事業所ではありませんので、保育の質を確保するためにも、相談や支援についてきめ細かに対応してまいりたいと考えております。
また、国の子育て安心プランは、待機児童を解消するための受け皿整備だけではなくて、様々な対策が包括的に掲げられております。例えば、男性による育児の促進でありますとか、保育人材の確保などがありますけども、次期の子ども・子育て支援事業計画の改定に当たっても、これまで３歳未満児を中心に増えてきた保育ニーズをきちんと捉えまして対処するとともに、様々な視点からの子育て支援を総合的に検討してまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 １番齋藤俊一郎議員。
○１番（齋藤俊一郎議員） ご答弁ありがとうございました。是非、来年度開設予定、企業主導型に対する支援についても、さらにお願いをしていきたいと思いますし、この１歳児を中心とする未満児に特化した対策、このことを心から要望を申し上げていきたいと、このように思います。児童センターが２つ統合されていくわけでありますが、児童センターの入所者数を調べましたら、５年前に比べ、施設が増加したのもありますけど半分になっています。残りの児童センターの老朽化を含めた今度のあり方、これも問われてくるのかなとこう思いますので、この点も次期計画の中で検討していただきたいと要望いたします。
また、未満児については、市内の認可外保育所の皆様にも、大変これまでご協力をいただいてまいりました。子ども・子育て、国の安心プランにおいて、認可外に対する支援のあり方も書かれていますが、まだまだ足りないのかなと、私はこう思います。こちらの点についても、やはり子ども・子育て政策総導入ということでご検討していただきたいということを申し上げたいと思います。
時間もあまりなくなってまいりました。今回は、過去３回の一般質疑の内容を総括した上で、市民生活の今、そして明日と向き合いながら、質疑をさせていただいたところであります。市長からは様々なご答弁を賜り、ありがとうございました。
次回については、産後ケアやパラリンピックを通じた共生社会などを取り上げていきたいと思いますし、引き続き、未来への責任を求めていきたいと思います。
新型コロナウイルスに対して、先ほどの子ども・子育てに関する担当課の皆様、そして市長をはじめとする執行部の皆様、大変なご尽力をいただいておりますが、是非、市民の安全安心に向けて、引き続きのご尽力をお願い申し上げて、私の一般質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○細矢俊博議長 以上で、ご了承願います。
◎清野忠利議員質問
○細矢俊博議長 次に、16番清野忠利議員。
〔16番 清野忠利議員 登壇〕
○16番（清野忠利議員） 16番清野忠利です。
通告に従って、質問をいたします。
東北中央自動車道、東根尾花沢間の供用開始区間が令和４年まで開通すると発表になりました。その以北の区間も令和７年までに開通と聞いております。今後、県内を縦断する高速道路の利活用が高まり、庄内及び宮城、特に仙台市とも交流が盛んになると思います。
本市の産業の振興にも大きな寄与をされると思います。特に、東根インターチェンジは、北側地域から高速道路を利用する方々は、東根インターチェンジにより国道287号や県道山形空港線などを利用し、国道13号や国道48号を利用し、仙台に車両の交通量が非常に多く予測されます。現在でも、朝、晩の通勤時間には、渋滞が著しい状況であります。
市は、都市計画マスタープランということで、平成14年にこの287号を計画ということにしております。287号の４車線間を打ち出しており、県は、昨年、調査と打ち出しております。これも、早急に予算措置をお願いすべきであります。
東根北インターチェンジについては、主要地方道寒河江村山線、県道東根長島線、松沢橋の整備は県より要望を進めてまいりましたが、これらの幹線とそれぞれの地域を結ぶ道路である、県道長瀞野田線との整備が急務であり、東北中央道全線供用開始に向けた東根インター、東根北インターの周辺のアクセスの整備が急務であります。決断の時期であると思います。
このようなことから、東北自動車道の全線供用開始に伴う、東根インター周辺の287号の４車線整備を東根インターチェンジへのアクセス整備についてお伺いしたいと思います。いち早く実現するようなことをお願いしておきたいと思います。
次に、今年、昨年と異常気象が続いております。昨日の代表質問、今日の質問にも議員の方が質問をしております。
今年の冬は、95歳になるおじいさんでも、「こんな冬ははじめてだ」と言っているという状況であります。既に、桜の開花も予想も出ており、今年は10日ほど早いということであります。庭の草花も早目早目と成長しております。植物の成長は早いため、野菜の値段も非常に安いということで市場では訴えております。
「果樹王国ひがしね」も懸念が心配されます。果樹開花時期が早まり、降霜や低温による凍霜害なども心配されるところであります。昨年の黒星病の対策も、いろいろ今後課題とされております。既に、硫黄合剤によって消毒されている方もあります。カイガラムシが早目に活動しております。そして、先般、ラジオにもありましたのですけど、カッコウの鳴く時期が非常に早いと。もう鳥も春先に向かって進んでおります。このような時期でありますので、早目の対策が必要であります。
また、稲作地域からは、春の収穫時の農業用水の不足が懸念されております。不安な声が上がっています。大切な水を計画的に配水ができるように、農家にもいろんな力が必要でありますけど、このような予測はなかなか大変と思うが、各種連携し、対策チームを県に頼るだけではなく、東根対策チームを立ち上げるべきだと私は思っております。この辺、どのような考えか、転ばぬ先の杖でありますから、よろしくご検討をお願いして、登壇の質問を終わりたいと思います。
○細矢俊博議長 16番清野忠利議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。
〔土田正剛市長 登壇〕
○土田正剛市長 清野忠利議員のご質問にお答えをいたします。
はじめに、国道287号の混雑解消のための４車線化についてでありますが、先般、東北中央自動車道の未供用区間である、東根北インターチェンジから大石田村山インターチェンジまで、さらに新庄北インターチェンジ以北の開通見通しが示され、令和７年度には、金山町から首都圏まで高速道路で結ばれることになります。このことは、県内高速交通網の縦軸が整備され、福島県以南の関東圏との連携強化に加え、庄内方面や東北北部との経済交流や人的交流を通した地域産業の発展、さらに、山形空港を拠点としたインバウンド観光の振興等に大きな効果をもたらすものと期待しております。
しかしながら、議員ご指摘のとおり、全線開通となれば、村山以北から山形方面に向かう車両の多くは、無料区間最終の東根インターチェンジで降り、国道287号を経由した後、県道山形空港線と国道13号を利用し、天童・山形方面に向かうものと推測され、東根インターチェンジに直結する国道287号は相当の混雑が発生するものと予想されます。
このため、東根インターチェンジから東側約１キロメートル先の山形空港西側交差点の区間については、山形県が平成30年度に策定した、「山形県道路中期計画2028」に整備路線として示されており、計画前期の令和５年度までに国道287号の４車線化に向けた調査事業の実施が明示され、令和２年度に調査事業の予算要求を行っていると関係部署から聞いており、その後、計画的に４車線化に向けた整備が進められるものと考えております。
また、天童市乱川と大富中学校南側交差点を結ぶ主要地方道山形天童線についても、令和10年度までに完成予定とされており、国道287号と山形天童線が整備されれば、東根インターチェンジから国道13号及び天童山形方面への混雑については、相当緩和できるものと期待されております。
さらに、山形空港滑走路延長に伴う県道山形空港線の再整備の可能性もあり、大富地区周辺の道路環境の拡充が図られ、混雑緩和に向けた整備が進められるものと期待するところであります。
市といたしましては、これらの事業の早期完了を強く要望していくとともに、特に、国道287号の４車線化の整備においては、周辺地域の方々の利便性が損なわれないよう、この度の調査事業から県と連携を図りながら、様々な対策を検討していかなければならないと考えております。
次に、東根北インターチェンジへのアクセスについてでありますが、主要地方道寒河江村山線、県道東根長島線の整備については、供用開始に合わせ整備されたことにより、東根北インターチェンジへのアクセス向上が図られたものと捉えております。しかしながら、西部地区から天童・山形方面へのアクセス道路として期待される県道長瀞野田線については、蟹沢地区から国道287号までの区間は整備されたものの、蟹沢地区以北については未整備であり、西部地区の振興を図る上でも早急な整備が必要と考えております。
また、国道287号の４車線化や山形天童線の整備が図られれば、西回りバイパスとして国道13号を補完する幹線道路となり、物流、人的交流を促進する路線として大きな役割を果たすものと認識しております。さらに、都市計画道路宮崎西道線の延伸は、東根北インターチェンジから東根本町地区を経由し、東部地区をつなぐ東西の幹線道路としての役割が大きく、将来の国道48号の高規格化を見据えたとき、仙台圏と東根市、山形方面、新庄方面を結び、縦軸と横軸がつながることにより交通ネットワークが形成され、今後、本市の地域産業や観光振興等を促進し、さらなる高みを目指していく上で、非常に重要な路線になると捉えております。そのため、この２路線については、本市のまちづくりを進める上で、必要不可欠な路線であることから、今後とも山形県に対し、早期完成に向け強く要望してまいりますので、ご理解をお願いします。
次に、異常気象農作物等技術対策についてであります。
議員ご指摘のとおり、近年の異常気象により、昨年６月の降雹被害、10月には台風による果樹の落下等、例年にない被害が発生し、この冬も過去に例を見ない暖冬の影響により、降雪量も少なく、農業用水が不足するのではないかとの声も上がっている状況であります。この度、山形県においては、このような暖冬、少雪による農作物への影響が出ないよう、技術対策会議を開催し、今後の天候の見通しや各作物の生育概況や作業の進捗状況の確認、今後の重点指導等について協議がなされ、防霜対策の徹底や、農薬散布がおくれないよう注意喚起を行うこととしております。
また、農業用水の水不足に関しましても、農業用ダムや、ため池で例年より前倒しで貯水を行っており、現時点での問題はない状況にあります。
本市におきましても、山形県、市農業協同組合、関係機関による果樹連携会議を定期的に開催し、農作物等の生育概況や被害対策、技術指導等について協議しながら、情報の共有化に努め、生産者に対して今後の天候の見通し、農作物被害対策技術指導等の周知を行っております。このようなことから、今後につきましては、生産者や関係機関との連携をさらに強化し、迅速かつ的確な情報の提供等を行ってまいりますので、ご理解をお願いします。
○細矢俊博議長 会議の途中ですが、ここで午後１時まで休憩いたします。
午前１１時５６分 休 憩
午後 １時００分 開 議
○細矢俊博議長 午前に引き続き会議を開きます。
市政一般に対する質問を続けます。
16番清野忠利議員。
○16番（清野忠利議員） 先ほど、登壇での質問の中で、市長答弁の中で、非常に今後期待されるなということの答弁もありました。
まず、今までは調査ということだったんですけど、令和２年度に調査費がついているという報告がありまして、これも非常に喜ばしいなということで思っているところであります。これから、調査費、それから常用測量、あるいは実施設計ということに段取りを踏むと思いますけど、よろしくお願いしたいと思います。
まず、令和４年までに行われることで、国道287号の渋滞が大きな課題と考えていました。東根インターから国道287号の県道山形空港線までの区間において、４車線に向けた、先ほど言ったとおりに非常に喜ばしいことと感じております。
また、天童山形方面へのアクセスとして期待されている主要地方道山形天童線の完成も令和10年ごろ完成と計画がされているということで、これによりまして、長瀞、小田島、大富西側地域の地域活性化につながるものと大いに期待しているところであります。
さて、東根インター東側のアクセスについては、徐々に整備されることは理解しましたが、東根インター西側の国道287号の４車線化の整備については、河北町と東根市で谷地橋４車線化ということで、組織も形成されております。国道287号の４車線化の取り組みに向けた現状について、今後、どのように市としての対応をするのかお聞きしたいと思います。
○細矢俊博議長 半田建設部長。
○半田隆建設部長兼水道部長 お答えをいたします。
東根インター西側の４車線化に向けた取り組みについてでございますけども、河北町が事務局を担当しております谷地橋４車線化整備期成同盟会の要望事項を、西村山地方開発重要事業要望の中に掲げまして、毎年、山形県知事に要望を実施しております。また、国道287号の谷地橋周辺におきまして、朝の通勤時間帯の交通量調査や速度調査を実施しまして、渋滞の状況の推移や分析、調査を行っている状況にあります。
市としましても、期成同盟会の一員となっていることから、河北町とともに４車線化に向けた推進を進めてまいりたいと思います。よろしくお願いします。
○細矢俊博議長 16番清野忠利議員。
○16番（清野忠利議員） 今、部長の答弁ですと、谷地橋周辺の４車線化に向けても取り組んでいくということなんですけど、交通量を見ますと、非常に交通量が多いんですね。東根の荷口、前に升川建設のプラントがあったところで、大体１日平均１万1,773台ぐらい通行するということなんです。これもまだインターが北インターまで開通していない時期であったようなことですけど、今後、北までは開通してどのようになっているのか、その辺はちょっと定かではないんだけど、１万1,000台は必ず通っているということで、そして、先ほど部長の答弁でもありましたように、朝晩の非常に通勤ラッシュが続いていると。やはり、この辺を受けて４車線化に早急に取り組んでいかなくちゃいけないんじゃないかと思います。
それについて、谷地橋の４車線化もなかなか進展してない状況なんですけど、この谷地橋周辺の４車線化もさらに続けていただいて、解消していただけば幸いと思います。さらに松沢橋がかけ変えられた主要地方道寒河江村山線が拡幅整備されたことにより、道路環境が格段に向上いたしました。一方、この整備により周辺の通行量がかなり増加しております。
今後も、さらに増大していくことと予想されますが、そのためのインター周辺の市道の整備をどのように今後考えていくか、お願いしたいと思います。
○細矢俊博議長 半田建設部長。
○半田隆建設部長兼水道部長 お答えをいたします。
東根北インター周辺の市道整備については、大堀地区と小田島小学校北側交差点区間におきまして、西部地区のアクセス道路と通学路整備を図るために、市道蟹沢谷地線の道路改良を鋭意実施しているところであります。
また、主要地方道寒河江村山線と、島大堀地区を結ぶ、市道野田荒小屋線については、小田島地区から道路改良の要望が出されておりますが、東根インター周辺のアクセス道路として藤助新田地区で整備を進めている市道藤助新田７号線の整備後に着手を予定しております。
なお、事業着手まで時間がかかることから、当面の対策として既存の道路のオーバーレイを実施したところであります。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 16番清野忠利議員。
○16番（清野忠利議員） ありがとうございます。
市道野田荒小屋線についても、地域の方々の生活道路として、また、農家の利用する道路でもあります。早期整備に望まれている路線でありますのでよろしくお願いしたいと思います。
ここから要望といたします。
まず、周辺のアクセス道路の整備については、地域の幹線道路となる県道の整備が急務であると思います。山形県に対し、地域の実情をご理解いただき、早期着手いただくように強く要望したいと思います。
枝路線となる市道整備についても、地域に密着する生活道路でありますので、財政事情を察すると大変なことでありますが、計画的な整備をよろしくお願いしたいと思います。
次に、東根インターから東根北インターまでの区間の側道については、両側に側溝が整備されております。全線舗装整備されているということであり、側道を利用する農家の方々には、非常に喜ばしいことであります。感謝しています。
東根北インターから村山インターまでの未供用区間についても、令和４年までの供用開始が公表されましたので、その後も側道も国から市へ移管されることになると思いますが、これも側溝整備と舗装整備が実施されるように特にお願いしたいと思います。
この側道も何か聞くところによると、舗装がされないという話も聞いておりますので、特に、よろしくお願いして、要望したいと思います。
高速道路に関する関係は、以上、要望としておきますので、よろしくお願いしたいと思います。
次に、異常気象による対策についてでありますが、先ほどの市長の答弁でありますけど、協議はなされておるということなのですけど、各農家の方々にどのような情報を提供されているのか、また、果樹農家に通知されているのか、その辺をお聞きしたいと思います。
○細矢俊博議長 小松経済部長。
○小松伸一郎経済部長 お答えします。
暖冬少雪に対応した農作物の技術対策についてでありますが、果樹に対する対策として、今後も暖冬で経過した場合、発芽時期が早まることが予想され、凍結による霜被害の頻度も高まることから、さくらんぼの摘果については、例年より多くの花芽を残し、花や実を摘み取ることで着果量を調整するよう、防霜対策を行うこととしております。
また、発芽時期や越冬伝染源からの胞子の飛散開始時期も早まると予想されることから、病害虫防除に対しては、休眠期や生育初期を確認しながら農薬散布がおくれないように早目に準備を行うといった内容について周知を行っているところです。ご理解をお願いしたいと思います。
○細矢俊博議長 16番清野忠利議員。
○16番（清野忠利議員） 部長の答弁ですと、さくらんぼは摘果は多目にということなんですけど、もう摘果が始まっていますね。そんなことで、私も見ているんですけど、大体剪定作業も、さくらんぼの場合はもうほぼ６割か７割は終わっていると思うんですよ。その辺に向けても、今後指導をなさっていただければと思います。ただ、摘果、病虫害というのは、まだ我々農家にはこの体制が伝わっていないんですね。その辺をどのように動いているか、よろしくお願いしたいと思います。
○細矢俊博議長 小松経済部長。
○小松伸一郎経済部長 お答えします。
現在、山形県の方で技術対策会議が２月から設置されております。その中におきまして、技術的な面におきまして、対策についてこれから２度目の会議が行われる予定となっているようです。それを受けまして、本市といたしましても、生産者に向けて東根市農協と連携しながら対応してまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いします。
○細矢俊博議長 16番清野忠利議員。
○16番（清野忠利議員） 検討会議が２回目の県による会議が開催されるということなんですけど、それによって農協さんと一緒にやってＰＲに努めたいという話なんですけど、今の時期にしておかないと、これは遅くなる恐れがありますので、早急にやはり農家の皆さん方に連絡して、徹底した指導をお願いしたいと思います。やはり、例年にない暖かい気温で進んでおりますので、農薬散布なども早目にということになると思いますので、よろしくご指導のほどお願いしまして、私の質問とさせていただきます。どうもご苦労さまでした。
○細矢俊博議長 以上で、ご了承願います。
◎植松 宏議員質問
○細矢俊博議長 次に、７番植松 宏議員。
〔７番 植松 宏議員 登壇〕
○７番（植松 宏議員） 議員番号、７番植松 宏です。
発言通告に基づき、２点、質問いたします。
はじめに、教員の変形労働時間制についてであります。
相変わらず、教員の長時間労働が社会問題となっております。ちまたでは、学校もブラック職場になっていると問題になっており、教員を希望する新卒者も減少傾向にあるようです。政府は昨年12月、学校における働き方改革と称して、公立学校に１年単位の変形労働時間制を導入可能とする法案を強行成立させました。１年単位の変形労働時間制とは、１年間を繁忙期と閑散期に分け、繁忙期の勤務時間を１日最大10時間まで延長し、逆に閑散期の勤務時間を短縮することにより、年間で平均した週あたりの労働時間が40時間を超えないようにするという制度であります。人間は、寝だめ、食いだめはできません。働き手の健康と生活にとって問題のある制度です。
平成28年に国、文科省が行った小中学校の勤務時間実態調査によれば、教員は月曜から金曜まで平日平均12時間近く働き、休みのはずの土日も働いています。副校長や教頭の勤務はさらに深刻です。
今回、この１年単位の変形労働時間制が導入されれば、時間外勤務の実態を覆い隠すだけでなく、長時間過密労働の解消にはつながりません。逆に、この制度が国会に提案されてから、全国から法案撤回のネット署名が数日で２万筆、昨年10月末には３万筆を超える署名が文部科学省に届いたということです。
つきましては、以下の３点について、お伺いします。
１点目は、教師の長時間労働が社会的な問題になっているが、本市の小中学校の時間外労働の実態はどうなっているでしょうか。
２点目は、公立学校の教員に１年単位の変形労働時間制を導入するかどうかは、各自治体や学校の選択制になっているようですが、本市の考えはどうでしょうか。
３点目は、教員の長時間労働の解消には、やはり教員の増員と業務の削減が必要と考えますが、いかがでしょうか。
次は、国民健康保険税の税率改定についてであります。
国保税の負担軽減については、前回、12月議会でも取り上げさせていただきました。市長からも国保は日本の皆保険制度を支える大事な医療保険制度であり、将来にわたる持続性を確保するためにも、市町村の努力だけで対応するには限界があり、国の財政支援や拡充は欠かせないもの、全国市長会の要請活動も引き続き頑張っていくとのご回答で、少し安堵感を覚えたところでした。しかし、あれから２カ月ちょっとしかたっていないのに、今回、値上げする話が出されております。これによると、国民健康保険の現状が被保険者数の減少と、高齢者の増加、医療費の高度化の影響等により、１人あたりの保険給付費が増加していることから、令和２、３、４年の３カ年で収支均衡を図ることを目標に、令和元年度比で8.2％から17.3％の値上げを予定しているとの説明がありました。
国保財政基盤の安定強化は全国的に喫緊の課題となっており、全国市長会においても国の責任と負担において実行ある措置をとることなどの重点提言がまとめられ、国、国会議員に対し要請されたところです。しかし、その成果はまだ道半ばで、市民の負担能力も限界に近いのではないかと考えます。
つきましては、以下の３点について、お伺いします。
１点目は、本市における保険税と加入世帯の平均所得の推移はどのようになっているでしょうか。
２点目は、国保税未納による差し押さえ件数と、差し押さえ金額の推移はどのようになっているでしょうか。
３点目、本市における国保税の今後の見通しをどのようにお考えでしょうか。
以上、登壇での質問といたします。よろしくお願いします。
○細矢俊博議長 ７番植松 宏議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。
〔土田正剛市長 登壇〕
○土田正剛市長 植松 宏議員の国民健康保険税の税率改定についてのご質問にお答えをいたします。
はじめに、本市における保険税と加入世帯の平均所得の推移についてでありますが、本市の国保税の税率につきましては、平成25年度以降、据え置いてまいりました。その後、平成30年度の国保改革に伴い、財政の運営主体が山形県に移行したことから、山形県国民健康保険運営方針に基づき、資産割を廃止し、平等割を2,000円引き下げる改定を行ったところであります。
また、加入者世帯の平均所得につきましては、国保世帯のみの統計はありませんが、所得割税額からの推計によりますと、近年は各年度とも課税所得は約100万円前後で推移しております。
次に、国保税未納による差し押さえ件数と差し押さえ金額の推移についてでありますが、差し押さえに至る経緯や納付状況が世帯ごとに様々なことから、年度によって大きく異なっております。昨年度における税、督促手数料、延滞金を合わせ、差し押さえについては62件で、172万3,000円でありました。
次に、本市における国保税の今後の見通しについてでありますが、社会保険の適用拡大等に伴う、被保険者数の減少により、税収は年々減少していくものと見込んでおります。一方で、医療給付については、団塊の世代をはじめとする70歳以上の被保険者の増加や、医療の高度化の影響により、今後も増加することが見込まれております。
医療費等の支払いに充てるため、本市が山形県に納付する国保事業費納付金につきましても、高齢者層の医療費が国の想定以上に増加している影響から、納付金制度が発足した平成30年度と比べて大幅に増加しており、今後も、この水準が続くものと見込んでおります。そのため、本市の国民健康保険特別会計については、歳入が減少する一方で、歳出が増加する状況となり、令和２年度以降の歳入不足額の見込み額は、毎年度１億2,000万円を超える額になると試算しております。
このようなことから、歳入不足を解消し、国保財政の健全化を図るためには、国保税の税率改定が必要であると判断したところであります。被保険者の税負担が急激に増加しないよう、国保財政調整基金を活用しながら、令和２年度から令和４年度までの３年間で収支均衡を図ることを目標に、税率改定を行ってまいります。
なお、改定率については、今後の決算見込みや基金残高の状況を踏まえ、毎年度見直しを行ってまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 次に、教育長に答弁を求めます。元木教育長。
〔元木正史教育長 登壇〕
○元木正史教育長 私からは、教員の変形労働時間制についてのご質問にお答えをいたします。
はじめに、本市の小中学校の時間外労働の実態についてでありますが、平成30年度におきましては、一月あたり、小学校55.4時間、中学校77.4時間でありました。令和元年度につきましては、県教育委員会の全県調査に合わせ、調査時期を11月から10月に変更し、調査方法を抽出から全教職員を対象とし、さらに、調査期間を１週間から１カ月に変更して、内容を在校時間に絞って実施をいたしました。
この結果、一月あたり、小学校43.5時間、中学校50.8時間となったところであります。時期、方法、期間、内容等、調査内容が変更になっておりますので、単純な比較はできませんが、平成30年度調査のうち在校時間だけに絞りますと、一月あたり小学校が37.7時間、中学校が69.9時間となり、小学校では5.8時間の増、中学校では19.1時間の減という結果となりました。
特に、中学校で大幅に短縮された背景には、昨年度春からの部活動ガイドラインに沿った部活動運営が定着してきたこと、またこの時期は、大会等が一段落し、行事に向けた放課後の活動もあって、部活動の回数、時間が少なかったことも大きな要因と考えられます。
このような変化の背景としましては、各校校長のリーダーシップのもとで働き方改革の機運が高まり、各校の工夫ある取り組みが成果を上げつつあるものと捉えておりますが、一過性の結果とならないよう、今後も学校現場と連携して取り組んでまいります。
次に、変型労働時間制の導入についてでありますが、今後、国の法改正を受けて、山形県も条例等の改正を行うことになります。本市においても今後の対応について検討することとなりますが、変型労働時間制の導入につきましては、制度の内容について精査するとともに、期待される効果や予想される課題について慎重に研究してまいります。
次に、長時間労働の解消につながる教員の定数増及び業務削減についてであります。
教員の定数につきましては、国の法律等で定められており、定数増については、市教育委員会といたしましても様々な機会を捉えて要望を行っているところであります。
業務の改善につきましては、昨年12月に山形県から「山形県公立学校における働き方改革プラン第１期」が示されました。このプランに沿って現場の教職員が働きがいをもって生き生きと職務に専念できる環境や方法を整え、本市の子どもたちに、確かな学力と生きる力を育むことができるよう、今後も学校現場と協力しながら業務削減を含め、教職員の働き方改革の推進を図ってまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 ７番植松 宏議員。
○７番（植松 宏議員） ご答弁どうもありがとうございました。
引き続き、一般席から質問を継続させていただきます。
はじめに、変型労働時間制について、再質問させてもらいます。
１カ月あたりの時間外労働が今年度で小学校で43.5時間、中学校で50.8時間、この時間には持ち帰り残業時間は含まれていないということでしたので、仮に平成30年度に調査した持ち帰り時間と同じ持ち帰り時間がやられていたと仮定すれば、プラスすれば小学校でその時間を61.5時間、中学校で58.5時間になります。国のガイドラインが月45時間以下という数字もありますので、相変わらず長時間労働は続いていると言わざるを得ないかと思います。
それでは、時間外労働の管理は、現在、市内の小中学校でどのように行われているのでしょうか。お伺いします。
○細矢俊博議長 高橋教育次長。
○高橋重俊教育次長 お答えをいたします。
市内の小中学校におきましては、それぞれ学校の実態に応じた方法で、教職員の勤務実態の把握を行いますとともに、よりよい管理方法の検討を続けております。現在、状況を申し上げますと、市販のタイムカードを購入して活用している学校とフリーソフトを導入し管理している学校がそれぞれ半分という状況でございます。正確な記録はもちろんでありますが、記録の簡便さやデータ活用しやすさ、こういた様々な観点から、長所と課題の方を洗い出しまして、次年度につなげたいと考えております。ご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 ７番植松 宏議員。
○７番（植松 宏議員） ありがとうございます。疑うわけではありませんが、全国的には今回の調査において、タイムカードに打刻してからも残業を続けたとか、朝、早朝早目に出勤したにも関わらずに、定時に打刻したりもあったように聞いております。レアケースかとは思いますが、その上で、この度の調査は平成30年度が抽出、なおかつ１週間の調査だったと、令和元年度にあっては１カ月の調査ということでしたが、長くてまだ１カ月ぐらいの短期間で、現場教員の勤務実態は果たしてつかめるのでしょうか。教育委員会としては、教員の健康管理も大事な職務の一環かと思います。年間を通して、時間外労働を調査する予定はないのでしょうか。
○細矢俊博議長 高橋教育次長。
○高橋重俊教育次長 お答えをいたします。
毎年度勤務実態調査につきましては、県内一斉に同一の調査要領に基づきまして実施をし、その結果の推移をはじめ、様々な分析に活用されております。今年度につきましては、国の法改正を受けまして、調査要領を変更して、実施されたところであります。その中でも、調査期間につきましては、調査そのものが教職員の多忙苦につながらないように、１カ月という期間を区切りまして、調査になったと理解をしているところであります。
今後につきましては、国の指針やこの度の改正された法律の規定に基づきまして、年間を通じて教職員の勤務状況を適正に把握する体制の確立に向けまして、準備を進めている状況にはございます。
また、これまでの調査と同様に報告を求める場合につきましては、学校現場の業務量の増加につながらないよう留意してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 ７番植松 宏議員。
○７番（植松 宏議員） これからは年間を通して調査されるというご答弁いただきましたけれども、そもそも教員には給特法の絡みで残業代は支払わないということが、勤務時間を端的に管理できなかったという結果につながっているように感じます。時間外労働の実態を正確につかむということが改善の一歩につながるのかなと思いました。
昨年の６月議会で、我が党の今野 孝元議員が同様に、教職員の時間外労働について触れ、そのご答弁の中に出退勤の管理システムについて、より効果的なやり方を検討中というご答弁がありましたけれども、その検討結果はどうなっているのでしょうか。お伺いします。
○細矢俊博議長 高橋教育次長。
○高橋重俊教育次長 お答えをいたします。今年度これまでの各学校での取り組み状況を見てみますと、先ほど触れましたフリーのソフトウエアが学校における出退勤時刻の記録方法として、使いやすいような状況にございます。このソフトウエアにつきましては、そもそも茨城県の中学校の教頭先生が開発されたものでありますので、学校にとりまして必要かつ十分な機能が備わっております。現在、茨城県内はもちろん全国的に活用されておりますが、バーコードリーダーによる入力の簡便さ、エクセル形式で記録を出力でき、集計作業も容易であることなどが特徴となっております。ご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 ７番植松 宏議員。
○７番（植松 宏議員） ありがとうございます。また、全国の事例となりますけれども、教員の長時間労働によって、過労による休職や痛ましい過労死なども後を絶っておりません。市内の公立学校で病気を理由に現在休職されている教師はいらっしゃるのでしょうか。
○細矢俊博議長 高橋教育次長。
○高橋重俊教育次長 お答えをいたします。現在、病気を理由に休職されている教師の数でございますが、小学校で２名、中学校で１名となっております。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 ７番植松 宏議員。
○７番（植松 宏議員） 現在３名の方が休職されているということですが、理由についてはあまり詮索できませんけれども、一日も早い復帰を願っております。
先ほどの教育長の答弁にもよりますと、１年単位の変形労働時間制については、今後の県の対応を見ながら本市の対応を検討することになるというご答弁でしたけれども、繰り返しになりますが、この法案には現場教職員から一斉に反発が起きています。そして、発議者の文科大臣も定例記者会見でこれを導入すること自体が、日々の教師の業務夜勤時間を縮減するものではないと言っております。何のためにこの制度を取り入れるのかと逆に聞きたくなりますけれども、いずれ、今後県から各市町村に対して、具体的な説明の場、意見の聞き取り等があるかと思われます。
現時点でも長時間労働に苦労されている教職員に追い打ちをかけるような１年単位の変形労働時間制は本市においても、導入すべきではないと考えます。これを取り入れる、入れないというのは、最終的には市町村、各学校の判断に任せられているということでもありますので、慎重なご検討をよろしくお願いしたいと思います。
最後に、教員の長時間労働の改善につきましては、業務削減への努力もありますけれども、やはり教員の定員増しかないと私は考えます。教員の定員は国の法令で定められているということは、そのとおりなわけでありますが、2002年から学校が週５日制になりまして、しかし各教員が担当する授業数は６日制のときとほぼ変わっておりません。当然、１人あたりの負担は増えてきます。その後、ゆとり教育の見直しとして、授業時間数をさらに増やしてきたのですが、この間の教員の定数は週６日制当時と変わっておりません。これらは全て国の法令で定められてきたことではありますが、そのしわ寄せは全て現場の学校の教員にきております。教育委員会として、様々な機会を捉えて要望してきたということでありますので、敬意を表しますが、今後とも教育によい面での教員の働き方改革、これを図っていただきたいと要望して、次の質問に移ります。
次は、国民健康保険税の税率改定についてであります。12月議会で、全国の数字でしたが、国保税の１人あたりの保険税と加入世帯の平均所得を一覧表でお示しし、平均所得が年々減少しているのに、国保税は右肩上がりに増えているという状況をお伝えしてきたところであります。今回は、これの東根版がどうなっているのか、そこをお聞きしたくて質問した次第でした。同様に差し押さえ件数についても、然りです。しかし、平均所得にあっては、国保世帯のみの統計は持ち合わせていない。差し抑え件数も納付状況が世帯ごとに異なり、年度によりばらつきが出る状況だということで、私が意図していた国保加入者の生活実態が年々厳しくなっているという状況は残念ながら導き出せなかったようであります。
いずれにしろ、市民の多くの方が東根市の国民健康保険税は高過ぎる、何とかしてほしいという事実は前回も紹介しましたが、日本共産党の東根市委員会が昨年の７月に行った市民アンケートの回答者の７割の方が訴えております。市長答弁にありました所得税割から推計した平均所得は各年度とも100万円前後だったということは、現在の国保加入者の生活実態の裏づけになるのではないかと思います。そこで、この場合の被保険者の１人あたりの保険税はどのくらいになるのでしょうか。わかれば、その所得の割合とか、比率、ここ３年分ぐらいの数字をお聞きしたいと思います。
○細矢俊博議長 浅野目市民生活部長。
○浅野目勇市民生活部長 お答えをいたします。
はじめに、被保険者１人あたりの保険税でございます。本来、国保税は世帯単位で算定するものでありますが、本算定日現在におけます医療給付費分、後期高齢者支援金分、介護納付金分の調定額の合計を全被保険者数で割りまして算出し、被保険者１人あたりの税額を推計いたしますと、令和元年度は10万451円、平成30年度は９万7,086円、平成29年度は10万5,690円となっております。
保険税が所得の何割を占めるかということについてでございますが、国民健康保険税には所得割、均等割、平等割がありまして、世帯の所得金額や被保険者数に応じて、世帯主に課税されますが、所得金額の世帯合計額が一定の基準を満たす世帯につきましては、均等割額と平等割額が軽減される制度もございます。同じ課税所得でありましても、軽減制度の該当の有無、あとは被保険者数の数によって、世帯の保険税額が変わりますので、所得に占める割合の算出が難しい状況となっておりますので、ご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 ７番植松 宏議員。
○７番（植松 宏議員） ありがとうございます。直近の３カ年を調べてもらっても、９万7,000円から10万5,000円ぐらいということですから、約10万円が国保税額ということになるようです。その上で、軽減制度や被保険者の人数によっても、保険税が変わるということではありますが、100万円の所得から10万円の国保税が徴収されるということは、かなり痛い出費と言えるのではないかと思います。
登壇で本市の国保税における今後の見通しを伺ったところ、本市の国保会計は歳入が減る一方で、歳出が増える状況となり、令和２年度以降１億2,000万円、１億3,000万円、１億5,000万円と収入不足が生じる見込みというご答弁でした。国民健康保険は社会保障の一環として行うものであります。今後、一般会計からの繰入も考えなければならない時期にきているのではないでしょうか。かつて同様の事例があったという話も聞いておりますが、いかがでしょうか。
○細矢俊博議長 浅野目市民生活部長。
○浅野目勇市民生活部長 お答えをいたします。国民健康保険特別会計への一般会計からの繰入につきましては、普通交付税や国、県からの公費で措置される財源をもとにしました法定繰入と、それ以外の法定外繰入があります。平成30年度の決算における法定繰入は保険基盤安定繰入金、財政安定化支援事業繰入金、出産育児一時金や事務費にかかる繰入金がありまして、総額で約３億1,500万円となっております。
一方、法定外繰入につきましては、決算を補てんするための繰入は行っておりませんが、福祉医療制度の実施に伴う医療費増加分の補てんするための療養給付費等負担金減額繰入金が約1,600万円となっております。本市においても、保険税率の大幅な上昇を抑制するために、平成25年度に約4,000万円の法定外繰入を実施しましたが、国におきましては、国保税の負担軽減を図るための法定外繰入は削減・解消すべき赤字として、早期解消を求めていることから、今後実施する予定はございませんので、ご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 ７番植松 宏議員。
○７番（植松 宏議員） 一般会計からの法定外繰入は端的に言って、国から早期解消を求められていることから、今後実施する予定はありませんとはっきり否定されましたけれども、ここは簡単には理解できないところであります。
これまで全国の各自治体が独自の判断で市民の切実な要求を取り入れ、保険税率の大幅な上昇を抑制するために法定外繰入を行ってきたと思っています。このことになぜ国が介入してくるのでしょうか。このことこそが、問題ではないかと思います。
私もこの件について調べてきましたが、国が法定外繰入をやめた市町村には加点し、繰入を続ける市町村は逆に減点して予算を削減していくと。あからさまなペナルティを来年度から考えていることは事実のようであります。国保の都道府県化の目的も、この辺にあたりにあったのではないかと思っています。
これに対し、全国知事会と全国市長会も国のペナルティの全面中止を含む国保の抜本改革、公費負担増を求めて提案、要望書を出したという情報も聞いております。是非、土田市長にも、これまで以上にこの分野でご奮闘願いたいと考えます。
最後に、１点だけ事務担当者の方はご存じかもしれませんが、国保加入者で被災、盗難、事業の休廃止など、特別な事情がある人には地方税法の717条に基づく、減免を行うための繰入は削減解消していなくてもよい法定外繰入として扱われるようであります。この場合の特別な事情の判断は、各自治体の首長の裁量にゆだねられているようで、細かな規定はございません。各地でこの規定を利用して、子どもの均等割を減免したり、多子世帯、一人親世帯、障がい者のいる世帯など、様々な特別な事情がある世帯に自治体独自の減免制度を適応していく取り組みが広がっているようであります。
これらの取り組みを行うための法定外繰入は、今のところ来年度からのペナルティの対象とはならないようであります。是非本市でも取り入れてもらい、幾らかでも国保税の負担軽減につながればと思っております。いずれにしろ、抜本的な解消策は公費負担の増しかないと考えます。本市からも県や国への働きかけを期待して、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○細矢俊博議長 以上で、ご了承願います。
◎山科幸子議員質問
○細矢俊博議長 次に、９番山科幸子議員。
○９番（山科幸子議員） ９番山科幸子でございます。通告に基づきまして、災害に強いまちづくりと子育て支援の一般質問を行います。
東日本大震災以降、全国各地で自然災害が発生し、市民の防災・減災に対する関心が大きくなっています。市の防災訓練をはじめ、地域の自主防災会では独自の防災に関する講座や訓練を行ってきています。
先月は神町上地区におきましても、東根市の防災講座に参加できない地区民を対象に市とタイアップで防災出前講座を実施し、ハザードマップの説明から身近な火災、備蓄品までの学習を行っております。
こうした身近な取り組みは市民の公助・自助・共助による防災・減災などの意識向上につながるとともに、最新の地域に合った情報提供がなされております。今年度２月末で、39件であったということが、ただ今の議会でも執行部の方からご説明ありましたが、今後ともこのような取り組みに期待するものであります。
災害の少ない本市におきましては、幸い大災害に見舞われていないものの、近年は大雨によって市街地の道路や住宅地が一気に浸水するなど、市民生活に影響が及ぶ事例が発生しています。急速な住宅開発により、コンクリートやアスファルト舗装に覆われ、降った雨がすぐに路面を流れ、住宅地の雨は即座に排水路に集中して、排水しきれなくなっているのが原因であります。土部分がわずかになってきて、宅地造成による都市化している地域は、従来の雨水排水機能では解決できなくなってきております。温室効果ガスの増加に伴う地球温暖化やゲリラ雨などの異常気象の頻発は、本市の基幹産業である農業にも影響が及んでいます。
東根市は果樹王国のブランドで、今年の例を見ない暖冬は、水不足につながり、農業への影響が懸念されてきています。
こうした近年の状況の変化に対応し、市民の安全・安心な暮らしと生活基盤を守るために、異常気象に伴う災害に強い東根市のまちづくりにつきまして、２点お伺いいたします。
はじめに、現在策定中の第５次総合計画及び第２次都市計画マスタープランにおける防災・減災などの取り組み状況はどのようになっておられるのか、お伺いいたします。
次に、温暖化などの気象変動に対するこれからの農業対策についてであります。今議会において、数々の議論がなされてきておりますので、私からは農業の命、水対策について、お伺いいたします。神町地区は水源がないことと、乱川扇状地のため水田には向かず、昭和30年代から果樹専業地として、果樹王国東根の礎をつくり、高品質の果樹は東根ブランドとして、全国はもとより今は海外に発信し、高い評価を得ているところであります。そこで、白水川ダムの利水事業として行われている畑地かんがい事業につきまして、今後の農業対策としての取り組みについて、伺います。
続きまして、子育て支援の項目であります。東根市は人口減少が続く県内にあって、人口増加が続いています。子育てするなら東根市の各種施策による子育て環境整備が着々と進み、子育て環境が充実していることが、若い世代の転入を牽引している要因であります。先般、人口増加が続く東根市、子育て支援策が要因の１つとして大きく新聞報道がなされております。
今後も東根市では、若者世代の増加は続くものと考えます。若い世代の転入や核家族化、女性の社会進出など、社会情勢は目まぐるしく変化して、子育て環境も刻一刻と変化していますが、今後とも子育てするなら東根市を実現し、東根市が活力あるまちであり続けることができるよう、子育て支援策につきまして、２点お伺いいたします。
はじめに、保育料等の無償化がスタートいたしましたが、来年度の保育所などの申し込み状況を通して、子育てニーズはどうなっておられるのでしょうか。また、子育てニーズと保育料等無償化は本市の児童福祉施設への影響など、子育て支援施策への影響はあるのでしょうか。また、影響があるとすれば、その対策はどうしておられるのか、お伺いいたします。
学童保育のニーズの高まりとともに、本市では施設整備が進み、環境も充実してきております。本市の放課後児童クラブでは、小学校学区ごとに設置、運営されており、核家族化、少子化が進む中で、子育て支援の大きな役割を担ってきております。この度の新型コロナウイルス感染による臨時休校によって、子どもの居場所として学童保育の重要性が広く認識されました。
近年は利用者の増加と公的資金の増加により、運営規模が大きくなり、運営にかかる会計も大きくなってきています。中には、利用者200名の大規模クラブで予算額が9,000万円にも及ぶ施設がありますが、各施設の支援員、会計担当者や積立金の有無など、運営形態は様々であります。
そこで、２点目、指定管理者制度により運営している放課後児童クラブの放課後児童健全育成事業のあり方と課題について、運営主体である東根市としては、どのように捉えておられるのか、お伺いいたします。以上をもちまして、登壇席からの質問を終わります。
○細矢俊博議長 ９番山科幸子議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。
〔土田正剛市長 登壇〕
○土田正剛市長 山科幸子議員の災害に強いまちづくりについてのご質問にお答えをいたします。
はじめに、現在策定中の第５次総合計画及び第２次都市計画マスタープランにおける防災・減災等の状況についてであります。本市における防災・減災等につきましては、現在の第４次総合計画においても、安全・安心実感プロジェクトとして位置付けており、公共施設の耐震化や自主防災会の組織化をはじめ、様々な取り組みを行ってきたところであります。
これらの成果として、本市の防災・減災体制については、以前と比べて大きく向上しておりますが、近年頻発している異常気象を要因とした災害の発生状況を踏まえると、今後はさらなる施策の充実が必要になってくるものと考えております。
防災・減災等については、第５次総合計画においても、重要な位置付けになると捉えており、施策の方向性としましては、新たな洪水ハザードマップに関する対応、雨水排水処理機能の強化、災害時における情報伝達機能の向上等が想定される取り組みになってくるものと考えております。このような認識のもと、現在第５次総合計画の基本構想の策定作業を進めているところであり、第２次都市計画マスタープランの策定については、これに即した作業を進めていくことになります。
次に、本市の畑地かんがい事業における受益面積の拡大についてであります。本市の畑地かんがい事業につきましては、当時の若木土地改良区を事業主体として、市内高崎、東郷、神町、大富地区の一部、さらには隣接する天童市の一部園地を対象に受益戸数約420戸、受益面積約280ｈａとし、平成６年７月に供用を開始したところであります。
このうち、本市の受益戸数及び受益面積につきましては、それぞれ290戸、約180ｈａとなっており、地下埋設管を通した農業用水の供給によって、気象状況に左右されにくい安定した果樹栽培に大きく寄与する事業となっております。
当該かんがい事業における受益面積の拡大についてでありますが、その実現については、土地改良区組合員や国、県といった関係機関の理解と同意、整備における実行負担金の設定、上限が定められている取水量の問題、さらには整備に向けた地域住民のまとまり等、多くの課題があるものと認識しております。
現時点において、まとまった受益面積の整備拡大についての要望は、ないものと認識しておりますが、最終的な事業の実施に向けての判断は現在の施設管理を担う東根市土地改良区が行うべきものであると考えております。
このようなことから、本市といたしましては、今後の東根市土地改良区や地域の動向等を注視しながら、適切に対応してまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
次に、子育て支援についてのご質問にお答えをいたします。
はじめに、近年の子育て支援ニーズ、保育料等無償化の影響と対策についてでありますが、これまで２歳児までは家庭での保育が中心となっており、３歳児以上から施設への入所率が高まってくる傾向にありました。しかしながら、近年では共働き世帯の増加や核家族化の進行により、平成26年度における３歳未満児の教育保育施設への入所率は約32％でありましたが、平成31年度には約46％と上昇し、３歳未満児の施設利用ニーズが増加しております。
保育料無償化の影響については、令和２年４月の入所申し込み状況を見ましても、３歳以上の子どもについては、これまでもほとんどが何らかの教育保育施設を利用しており、全体の利用希望者が増加することはありませんでした。３歳未満児についても、無償化の対象は市民税非課税世帯に限られており、影響は限定的となっております。
幼稚園については、教育利用から預かり時間の長い保育利用へシフトするものと予測されます。昨年４月１日現在と今年４月１日現在の予定入所者数を比較したところ、20人弱の減少と大きな影響はありませんでしたが、引き続き教育と保育のニーズのバランスが今後どのように変化するか、注視していく必要があると考えております。
次に、放課後児童健全育成事業のあり方と課題についてであります。放課後児童クラブについては、保護者が働いていることなどを理由に放課後に子どもを見ることができない家庭の子どもを預かるため、地域等が主体となって運営されてまいりました。
組織の成り立ちや運営体制も様々であることから、本市においては、指定管理者制度を導入するなどして、開設時間や利用料金、受け入れ枠の設定等、地域の実情に即した運営を尊重してきたところであります。
近年においては、登録児童数が増加傾向にあること、また子ども・子育て支援制度に位置付けられたことも相まって、年々予算規模が大きくなっておりますので、経理や管理事務の適正な執行に対する社会的責任は一層重くなっているものと認識しております。このようなことから、市は各事業主体に対し、昨年度経理基準や処理手順を示し、予算執行の実務的な支援を行ったところであります。
また、毎月開催している学童保育所連絡会議においても、運営上の課題を共有し、助言や指導を通して、運営を支援しているところでありますので、ご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 ９番山科幸子議員。
○９番（山科幸子議員） ただ今の答弁に対しまして、順次質問席から質問を行いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
防災・減災等につきましては、第５次総合計画で重要な位置付けであり、第２次都市計画マスタープランでも基本構想に即して策定を進めていくとのことでありました。
策定委員は各地域、分野の方々であります。さらに今議会やこれまでの議会での議論、運営委員会での意見などを踏まえ、次期計画に反映いただきますよう、お願いいたします。
今議会でも取り上げられていますとおり、近年は大雨により市街地の道路冠水、住宅地への浸水が多発しております。中央土地区画整理事業地内における道路冠水についてでありますが、昨年６月、７月の集中豪雨では、多くの場所で冠水したことは記憶に新しいところであります。この区域では、恒常的に冠水を繰り返している状況です。
また、神町駅前地区におきましても、同様の事案が発生しています。東部は商業施設や住宅地になり、畑地がなくなりました。アサヒホップ工場跡地も大規模な商業地と宅地造成が行われ、畑、土がなくなっております。ＪＲ周辺もＪＲの敷地をＪＲが分譲いたしまして、アパートと住宅地になっております。そして、駅前広場は全て舗装されました。快適にはなっているのですが、舗装されているために、土部分はもう減少しております。
東陽寺に向かう道路があるのですが、周辺部より低い住宅地はどうしても建てるときに土盛りしますので、後からできると、どうしても高くなります。それで、雨が降ると道路が川となって、一気に雨水が流れている状態です。そして、従来からいらしている市民の方の隣接した住宅地へと流入している状況にあります。床下浸水の家屋も多々ありました。
いずれの事案でも既存の側溝では機能できなくなっているのではないかと考えます。そこで、これからの対策について、お伺いいたします。
○細矢俊博議長 半田建設部長。
○半田隆建設部長兼水道部長 お答えをいたします。
中央土地区画整理事業内の幹線道路は歩行者を守るという観点から、歩道が車道より一段高く、さらに歩道の外側に側溝が設置されております。このため、路面排水の機能を十分に発揮しづらい構造となっておるところであります。また、中央地区におきましては、宅地化の進展や整備から既に20年を経過していることから、土砂等の堆積などがあり、大雨時に道路が冠水している状況については、確認しているところであります。このため、改善策としては、車道と歩道の境界部に新たな側溝を設置しまして、道路面の雨水排水をスムーズにするなどの対策を振興実施計画53号に緊急雨水対策事業として計上しまして、令和２年度より計画的な整備を進めてまいりたいと考えております。
また、神町地区の排水対策についてでありますけれども、特にただ今議員からご指摘の箇所についても、集中豪雨時に道路冠水が発生しまして、市道沿線の方々が自ら土のうを積み、宅地への流入を防ぐといったような状況を確認しているところであります。このため、道路冠水の原因を調査したところ、幹線排水路が満杯で流下しており、また管内に土砂が堆積していることを確認したことから、緊急に雨水幹線排水路の清掃を行いまして、冠水防止の対策をとったところであります。
また、神町地区におきましては、宅地化に伴う雨水冠水の被害の増加の傾向にあることから、既存の雨水幹線排水路の負担を軽減を図るための対策を公共下水道事業により進める計画でありまして、令和２年度に村山野川左岸第１幹線の実施設計を行いまして、令和３年度より整備工事を進め、順次神町地区の全体の雨水幹線整備を進めてまいります。
なお、整備完了はまだまだ時間を要することから、集中豪雨等で住宅の床下浸水等の災害の恐れがあるときには、冠水箇所のポンプ排水を行うなど、適切な対応をとってまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 ９番山科幸子議員。
○９番（山科幸子議員） たびたびの豪雨に際しては、本当に関係者もご苦労なさっていることと思います。たびたびの豪雨に際しては、市民の方は夜も眠れないほど、高齢者世帯を中心に怖くて寝られなかったなんていう声もお聞きしております。側溝が大分目詰まりしているというのは、これは市内どこでもあることかと思いますので、市内の側溝の点検、そして側溝機能の見直しについて、よろしくお願いしたいと思います。
市内では、まだ宅地開発が活発に行われております。集中豪雨は今後も発生することが予想されます。冠水、浸水対策として、側溝基準の見直しが必要なのではないかと考えております。特に民間開発の場合、部分的に側溝をつくっていきますので、どうしてもそこの切れたところであふれるなんてことが往々にしてあるようであります。
雨水排水機能の問題解決には、高い浸透性の持った舗装工法という活用も今後考えていくべきなのではないかなと思います。特にＪＲ駅前なんかの公共的な広い場所では、とても有効なのではないかと考えます。大ケヤキなんかもそういうふうな浸透する、周りがなっているなんていうことで、やっておりますが、高上りですが、後から浸水して直すよりは、ずっと機能的であると考えます。
また、そういう舗装には、夏場の温度上昇を抑制する効果や地下水の涵養にも効果があると温暖対策にもつながっていく、いい製品ができていますので、これからの公共事業なんかは率先して、そういうのを使っていって、温暖化対策やこれからの水対策、雨対策に活用していくべきではないかと思います。
昨今の状況を勘案いただいて、安心・安全なまちづくりのために、調査研究を行いながら都市計画マスタープラン策定時にそういうことも盛り込んでいって、これからの大きな施設なんかできる場合の駐車場とか、広場、そういうところで検討されていくように要望したいと思います。
防災・減災の一環として、先ほど市民が土のうを自らとおっしゃっていましたが、小規模な地域で突然上がった場合に、土のうを市の方にお願いしたそうです。ところが、市役所の方では、自分で準備してくださいということだったのですけども、ホームセンターなんかではちょっと見つけられない。あと、夕方からになると、探している間に水が上ってくるのです。土のうですから、袋を探しても、土が新興住宅地では、今、土が本当にない事態ですので、市の方で防災センターなり、各公民館で土のう袋と砂の準備なんかをすべきと考えますが、その対応については、いかがでしょうか。
○細矢俊博議長 半田建設部長。
○半田隆建設部長兼水道部長 お答えをいたします。
大雨等に対する日ごろの備えにつきましては、第一義的には市民自ら自分の財産を守る行動をとっていただきたいと考えております。
砂や土のうの提供についてでありますが、大雨警報発令時などの緊急事態については、市の職員は市内各所の冠水等の対応など、現場の対応に追われていることが予測されます。このため、緊急時における土のうや砂の提供については、なかなか難しい状況にあると考えているところであります。
しかしながら、恒常的に冠水被害がある箇所については、事前の対応も可能であるということから、あらかじめ砂や土のうを提供するなど、柔軟な対応をしてまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 ９番山科幸子議員。
○９番（山科幸子議員） ありがとうございます。市民自らということなのですけども、高齢者の場合なんかはなかなか土のうって重いし、準備が難しいので、是非そういう場合に近所も手伝ってできるような体制でやっていきたいと思いますので、ご協力の方をよろしくお願いします。
これまで、市民が問い合わせすると、大体は市役所、あとは消防署、公民館なんかに電話しているようです。ところが、なかなかいい返事というか、判断まちまちで、その辺の的確な市民への対応がなされていない状況も見受けられます。
これから、来年度から危機管理室が設置になるということで、代表として、市民が惑わないように、ここに電話すれば大丈夫というＰＲなんかも必要かと考えていますので、これからは迅速で的確な対応ができるものと期待するものであります。
20世紀は石油戦争、21世紀は水戦争と言われております。歴史的にも､利水とか水利権は争いのもととなって、本当に難しい面があるかと思いますが、畑地かんがいなどは今後の水対策の大きな重要な課題かと思います。東根市は率先して畑地かんがいをしまして、今の果樹の生産品質にとっても寄与していると思いますので、これから新しい新規就農者もおりますし、世代が替わっている農家もおりますので、大分形態も変わっております。是非こちらの拡大についてもご検討をお願いしたいと思います。
次に、子育て事業につきまして、質問をいたします。保育施設などは入所の選考基準というのがあって、各自治体で異なります。保育需要が高い本市においては、どんな優先順位をつけていらっしゃるのかどうか、お伺いいたします。
○細矢俊博議長 芦野健康福祉部長。
○芦野耕司健康福祉部長 お答えをいたします。
認可保育所等への入所決定に際しましては、保護者の就労時間ですとか、家庭の状況などを指数化しまして、これを勘案した入所調整を実施いたしまして、保育の必要性の高い子どもから順に入所を決定しているところでございます。入所調整を実施することについては、受付開始前には市報と市のホームページで、それからそれ以降は申請書類の配布のとき、実際の申請の受付のときに説明を行っているところであります。
また、調整後の内定や保留の通知書発送において、その後において、窓口や電話にて問い合わせがあった際には、保育の必要性の高い順に決定していることを改めて説明をしているところでございます。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 ９番山科幸子議員。
○９番（山科幸子議員） 子育てするなら東根市というキャッチフレーズに、とっても東根に期待して、結婚を機に市外から転入して住宅建設をした共稼ぎのご夫妻でも入所がかなわなかったというケースで、相談を受けたことがあります。そういう方でも入れないのですね。市内で核家族化で住居を建てたのではなくて、両方とも市外からそれぞれ違う市の方と結婚なされて、入ってきて、東根良いところなのでということで、お家を建てましたが、入れないということで、そういうケースも発生しています。とても厳しい状況だなと。これは、前議員のいろいろな質疑の中でも実感しているところであります。
宅地開発の状況から見て、今後も入所するのがかなわないケースという方が増えてくるのかなと。減りはしないのかなと思います。特に住宅を建てている方は若い方ですので、ローンを組んで働きに出るという、すぐにやっぱり未満児で保育所に預けるというケースを想定して、東根で家を建てているので、これからも入所は厳しいのではないかなという対応を私の方もさせていただいて、ご実家の方の保育所なんかがあいていれば、そちらの方ということでお願いしているところですが、ちょっといろいろ考えていかなければならない事案が多いのではないかと考えております。
大変な問題ですけども、施設を建てればいいだけではなくて、いろいろな民間の活力と、一時的なので施設は東根保育所１箇所できれば、下火になるのかなとも考えますけども、いろいろな事例を考えながら、対策には対応していくべきだと考えます。
次に、移りたいと思います。放課後児童クラブの成り立ちと地域の事情により運営していることは理解いたしました。各地域の運営団体には、放課後健全育成事業として、私が調べた資料なので、平成30年度なのですけども、1,000万円から4,200万円ほど委託料として支出されておりますが、内容について教えてください。
○細矢俊博議長 芦野健康福祉部長。
○芦野耕司健康福祉部長 お答えをいたします。
放課後児童クラブに対する委託料については、東根市放課後児童健全育成事業実施要綱に基づきまして、放課後児童に適切な遊びと生活の場を与えて健全な育成活動等を行うための運営費のほかに、障がい児の受け入れや指導員に対する処遇改善加算など、国、県からの交付金なども含めて積算をしているところでございます。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 ９番山科幸子議員。
○９番（山科幸子議員） 了解いたしました。支出の内容については、了解いたしました。
放課後児童クラブには、このように多額の交付金が支出されているわけですが、施設によっては、私が調べた資料では基金があったり、繰越金があったりしています。利用料が大規模なのですけども、ここでは1,600万円ほどの利用料があって、その中で委託料、そのほか入っていて、繰越金が、要するに収入なので、前年度繰越金が530万円以上を繰越されて、予算化されています。
ここのところでは、特別積立金、退職積立金は納得できます。多額の積立金があります。小さいクラブでは450万円の利用料に対して、268万円の繰越金がありました。ということは、保護者の利用料の50％以上が繰越金になっているといういろいろな事情があります。
中には、繰越金がないところ、あと積立基金は全て０のところもあります。このように各施設によって、会計の内容が違っておりますが、健全育成事業として支出している限りは、私は利用者の負担軽減とか、あと細かいところでは光熱水費をとったり、とらなかったりとかしない、こういうところで均衡にできないものかなと考えておりますが、この辺はいかがでしょうか。
○細矢俊博議長 芦野健康福祉部長。
○芦野耕司健康福祉部長 お答えをいたします。
各クラブにおいて、積立の基金があります。指導員の退職金のための積立や各種施設の整備のためなど、クラブごとに目的をもって設置されておるようであります。各クラブ様々な事情がありますので、積立金の多寡を一概に判断できないのかなと、これは繰越金も同様でございますが、考えております。
利用者の利用料や、それとか光熱水費の実費負担については、受益者が負担すべきものであっただろうと考えております。受益者が負担すべきものであって、施設ごと、考え方やかかる経費が違うこともあります。指定管理者である運営委員会の考えを尊重したいと考えております。
また、事業費の適正な執行に向けて、昨年度の経理事務の研修会の開催など、今後とも取り組みを継続してまいりますので、ご理解をよろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 ９番山科幸子議員。
○９番（山科幸子議員） 各運営団体では、非常に常勤者の少ないところで、子どもたちを面倒見て、いろいろな事務もなさっております。そこで、人的支援、経理とか、管理運営についての人的支援なんかも市の方で考えていくべきなのではないかと思ったところです。
本年度の委託料、健全育成で、市内で２億5,550万円に計上されております。子どもの支援対策、いろんなところに需要もありますし、保護者ニーズもありますので、こういう、一概に繰越金が多いから仕事してないなんていうわけではないんですが、有効に使える体制にしていただきたいと思います。
私が担当の方に言うと、指定管理者なんだから、各地域でということなんですけども、指定管理者制度であっても、管理自体は東根市であって、地方自治法でも明確に、指定管理者に対する監督というのが、権限が明記されておりますので、是非そちらの方で、忙しい中ではあると思うんですが、これからどんどんと学童の保育の需要も高まって、規模が大きくなっていくと考えますと、今までどおりお願いしているだけではなくて、中に入っていって、指導、教育なんかも行うようにあるべきではないのかなと思っております。是非、そちらの方の検討もよろしくお願いしたいと思います。
子どもたちが学童で小さな部屋、今回のコロナウイルスなんかでは、小学校より学童の方が濃厚接触が危ないんじゃないかなんて言われるほど、一部屋で40人規模の学童保育を行っています。行ってみるとなかなか外で遊んでいる子どもを見かけなくなりました。子どもたちが伸び伸びと遊んで運動するためには、グラウンドや体育館の利用など、教育現場との関係がありますが、委員会との連携も必要だと考えますので、その辺をどのようになっているか、連携がとれているのかどうか、学校の放課後終わった子どもたちが来ますので、その辺の連携について教えてください。
○細矢俊博議長 芦野健康福祉部長。
○芦野耕司健康福祉部長 お答えをいたします。
その一例を申し上げますと、例えば、長瀞のかりがね学童クラブについては、教育現場のご理解のもとで、学校施設内にクラブを設置しております。子どもたちの遊びなれた体育館やグラウンドを活用しながら事業を展開しているところでございます。
学校の施設の利用については、各学校の考え方のもとに、現在の利用形態となっておりますので、学校との調整が必要だと思います。各クラブ側から、学校施設を活用したいといったような相談があった際には、子育て健康課が間に入って調整をしてまいりたいと考えております。どうかよろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 ９番山科幸子議員。
○９番（山科幸子議員） ありがとうございます。
市の方が中に入って、要望があれば調整してくださるということで、とてもありがたいと思います。
この度のコロナウイルスの対応につきましては、厚労省と文科省の対応がちょっと食い違っておりましたが、本市では教育委員会と連携していくという話を市長からお聞きして、安心したところです。元気にこの１カ月間遊んでいただきたい、学んでいただきたいなと思ったところです。
国では、新放課後子ども総合プランということで、文科省と厚労省が共同で作成しております。今後とも教育委員会と連携をとりながら、子どもの居場所と成長を支えていただきますようお願いいたしまして、以上をもちまして私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
○細矢俊博議長 以上で、ご了承願います。
◎高橋鉄夫議員質問
○細矢俊博議長 次に、10番高橋鉄夫議員。
〔10番 高橋鉄夫議員 登壇〕
○10番（高橋鉄夫議員） 皆さん、ご苦労さまであります。
10番高橋鉄夫であります。議長の指示により、通告に従いまして、安全安心な地域づくり、今後の高齢化に対応した支援策の充実・強化について、ご質問をさせていただきます。
市は、昨年、人口が４万8,000人を超え、唯一人口の増え続けるまち、発展し続けるまちとして、その名声を発信しておられます。しかし、高齢化の波、団塊の世代が75歳以上となる2025年問題が間近に迫っております。昨日、同会派代表議員が2025年を捉え、財政面について質問させていただいたところでありますが、私は2025年問題において、高齢化対策について一般質問に選定したところであります。
さて、これまで経験したことのない超高齢化社会が到来し、日本の65歳以上の人口は2025年には３万8,000人前後に達すると推定されております。我が市は、高齢化率が県内で最も低いものの、2025年には３人に１人は高齢者になると予想されております。少子化の影響はもとより、核家族化、高齢者のみの世帯の増加、介護や医療など、社会保障の急激な増加など、より深刻化していくものと考えております。これらから生起する問題にしっかりと取り組む必要があります。
行政だけの対応では困難であり、元気高齢者はもとより、地域が強力に連携し高齢者を支え合うという意識の醸成、体制づくりが必要であると考えます。
市長は、施政方針において、2025年問題を見据え、地域福祉計画、老人福祉計画、第８期介護保険事業計画策定におけるあり方、考え方を明確に示しておられます。「長生きするのも東根市」をより実感できるよう、地域包括ケアシステムの進化、充実が求められたものであり、東根市においてもその取り組みが進められていると思っております。
このような特性、状況を踏まえ、１点目として、地域包括ケアシステムの進化、充実のための取り組みについてお伺いいたします。
現状で75歳以上の年間１人あたりの平均医療費は90万円を超え、2025年には100万円の時代と言われております。
近年注目されている治療に難渋する疾患として、低活動膀胱があります。筋力や神経の働きの低下とともに発症すると言われ、加齢に伴って発症頻度が高まり、患者の増加が懸念されております。
このほかにも、加齢に伴う疾患は多くあります。また、少子高齢化の進展に伴い、在宅での医療や介護が増えていくことが顕著であります。
高齢者の生活を支える上で基盤となるのは、食事と会話、そして運動、身体を動かすことであると考えております。高齢者が生きがいをもち、自分らしい暮らしを最後まで続けるには、介護予防、健康寿命、元気高齢者施策のさらなる充実を図る必要があると考えております。また、高齢者が安心して生活ができ、社会参画を促し、元気で長生きしてもらうためには、個々のニーズに合った活動機会、場の提供と参画意識の醸成を図ることが重要であると考えております。
このような状況を捉え、２点目として、介護予防事業の充実と地域活動の推進について伺います。
以上で、登壇での質問とさせていただきます。
○細矢俊博議長 10番高橋鉄夫議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。
〔土田正剛市長 登壇〕
○土田正剛市長 高橋鉄夫議員の安全安心な地域づくりについてのご質問にお答えをいたします。
はじめに、地域包括ケアシステムの進化、充実の取り組みについてであります。
地域包括ケアシステムにつきましては、地域で暮らす高齢者の生活を支えるための基盤となるものであり、医療と介護のほか、住まい、介護予防、生活支援、認知症施策を総合的かつ一体的に提供する仕組みであります。そのため、医療機関や介護施設等の関係機関や薬剤師や栄養士等の多職種間の連携を図りながら、地域の実情に合った様々な施策に取り組んでおります。
特に、独居高齢者や高齢者のみ世帯の増加に伴い、日常生活における多様な支援が必要となっていることから、令和元年度から生活支援コーディネーターを３名に増員し、地域の支え合い研修会を東部、中部、西部の３カ所で開催し、地域の困りごとの把握や、地域の助け合いの意識醸成に取り組んでいるところであります。
また、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けるための地域の情報を集めた、高齢者お役立ちガイドを作成し、地域包括支援センターを通じて、必要な方に配付し活用していただいております。
高齢者の生活を支えるためには、行政が提供する支援とともに、地域の実情に合った柔軟で身近な支え合いの仕組みが必要となっており、今後も引き続き生活支援体制の整備に努めてまいります。
次に、介護予防事業の充実と地域活動の推進についてであります。高齢者が自ら気軽に介護予防に取り組む環境づくりを目指し、平成27年度から令和元年度にかけて、市内７地区の公園施設等に、合計26基の健康遊具を設置したところであります。
健康遊具については、筋力や柔軟性の維持、向上に効果があるとされ、身近な場所に配置することで、高齢者のみならず、幅広い年齢層の利用が期待されることから、元気高齢者の増加に寄与するものと捉えております。
活用については、設置にあたり体験会を開催し、運動不足解消、体力づくり等のニーズに応じた正しい使い方を学んでもらいながら、遊具の効果と運動の必要性について周知に努めております。また、高齢者の自主的な運動機会の確保のためには、グループでの取り組みが有効であることから、老人クラブ等のグループに指導者を派遣し、介護予防活動について継続して支援してまいります。
高齢者の身体機能を維持するためには、自主的な介護予防活動と並行して、個々の高齢者の課題に沿った専門的な支援も必要であると考えております。そのため、令和２年度から、リハビリテーション専門職である理学療法士を雇用し、個別の機能改善に向けた指導、助言を行う、高齢者自立度アップ支援事業を新設し、高齢者の介護予防の充実を図ってまいります。
このような行政サービスとしての予防事業とともに重視しているのが、住民主体の地域活動であります。地域で暮らす高齢者の一人一人が、地域の中に役割があり、周りの人々に頼られているという実感、また、地域社会と常に関わることで、周りの人々に支えられている実感が、生きがいや生活の張りを生み出し、自立の維持につながると考えておりますので、市内各所で行われる地域活動において、高齢者が関わりやすい環境づくりを様々な機会に促してまいります。
あわせて、住民が主体となって取り組んでいる高齢者サロンをはじめとする仲間づくりの場、通いの場づくりや、生活支援活動等がますます活発となるよう、生活支援コーディネーターとともに、地域に働きかけてまいりますのでご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 10番高橋鉄夫議員。
○10番（高橋鉄夫議員） ご答弁ありがとうございました。質問席での質問を続けさせていただきます。
まず最初に、地域包括ケアシステムの進化、充実のために増員を図った生活支援コーディネーターに関しお伺いいたします。
平成29年度から１名を配置し、31年度から３名体制で生活支援の充実策として取り組んでいるところでありますが、どこにどのように配置されているのか、また、生活支援コーディネーター、その活動等について、周知をどのようにしているのかお伺いいたします。
○細矢俊博議長 芦野健康福祉部長。
○芦野耕司健康福祉部長 お答えをいたします。
コーディネーターにつきましては、市の福祉課に第１層の生活支援コーディネーターを１名、社会福祉協議会と東根福祉会に第２層のコーディネーターを各１名の計３名を配置しております。
第２層の生活支援コーディネーターは、地域包括支援センターと同じ圏域、社会福祉協議会が中部、東根と神町、そして、東根福祉会が東部、西部を担当しております。
コーディネーターの周知をどのようにしているかということにつきましては、市報や社会福祉協議会が年１回発行している「おれんじレター」という機関誌に活動状況などを掲載しまして、市民への周知を行っています。
また、民生委員の研修会や地域の支え合いの研修会にも直接地域に出向きまして、活動や取り組みについて紹介をしているところでございます。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 10番高橋鉄夫議員。
○10番（高橋鉄夫議員） ご答弁ありがとうございます。
その中で、地域の困り事、個人も含めまして、どのようなものがあるのか。また、困り事の解決に向けて、どうしているのか。その辺のところをお伺いしたいと思います。
○細矢俊博議長 芦野健康福祉部長。
○芦野耕司健康福祉部長 お答えをいたします。
例えば、個々の課題、免許を返納したとか、そして、地域の課題として、歩いて行ける距離にお店がないという、そういうものが組み合わさったときに、地域の困り事として発展していくものと考えられます。
具体的な例としては、今申し上げた、歩いて行けるところに買い物をするところがないなんてこともありますし、あるいは、通院や医師の診察などを受けるときに、やっぱりいろいろ自信がなくて同行してほしいとか、同席してほしいけども適当な人がいないとか、そんなこともあろうかと思います。また、重い物を持って歩けないので、ごみステーションにごみを出せないという、そんなこともあろうかと思います。
このような困り事に対してですが、基本的には地域での困り事については、第１層、第２層の生活支援コーディネーター、それから、関係機関が連携しながら、解決に向けた対応をしております。なお、行政に関係することについては、福祉課を中心に庁内の関係課とも連絡をとり合って、情報を共有して対応しているところでございます。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 10番高橋鉄夫議員。
○10番（高橋鉄夫議員） ありがとうございます。
高齢化社会の進展による課題等を解決するためには、他課、課内それから庁舎内職員間でもしっかりと情報共有、連携する必要があると思っております。
その中にあっても、やはり、行政に頼るだけでなく地域の力を結集して、地域の実情に合った支え合い、共助が必要であると思ったところであります。共助のあり方は、その地域の実情においていろいろあると思います。高齢者の生活支援の充実を図る上で、生活支援コーディネーターの果たす役割はそういう意味では非常に大きいところであると思ったところです。
活動に期待するとともに、関係機関それから市として、それら情報、それから問題点を共有して問題解決を図っていただくようにお願い申し上げます。
次に、医療と介護に関して伺います。市長答弁にあるとおり、関係機関との連携は、地域包括ケアシステムを構築する上で重要であります。特に、医療と介護の連携は地域包括ケアシステムの柱であり、課題の１つであると捉えております。高齢化に伴い、医療、介護の両方、そして、同時に必要とする高齢者は急速に増大していくものと考えております。対応の良し悪しで健康を急速に害し、身体機能の低下も予想されるところであります。
市の医療と介護の連携における進捗についてお伺いいたします。
○細矢俊博議長 芦野健康福祉部長。
○芦野耕司健康福祉部長 お答えをいたします。
高齢化の進展に伴いまして、医療と介護の両方のニーズを有する高齢者が増加しておりまして、退院時をはじめ、日常の療養支援などにおいても、医療と介護の連携の重要性が増してきていると感じております。
本市では、北村山医師会の協力のもとに、北村山医療介護連携センターを設置いたしまして、個人や病院からの相談受け付けや、医療機関の紹介などを行うほか、山形県と連携して、村山地域における入退院支援のルール策定に取り組んでいるところであります。入退院支援においては、医療機関だけではなくて、在宅支援を支える介護事業所や、ケアマネジャーにも周知・理解が求められることから、本市では個別の研修会などを開催しているところであります。
さらに、医療機関に連絡のとりやすい時間帯を聞き取りをして、その結果をリスト化しまして、市内の関係機関に配付するなど、医療機関と介護機関が、事業所が連携をとりやすい関係づくりを支援しているところでございます。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 10番高橋鉄夫議員。
○10番（高橋鉄夫議員） ご答弁ありがとうございます。
答弁から、北村山医師会、それから、北村山医療介護連携センター、そして、県との間において、なかなか難しい部分もあるのかなと感じたところであります。
しかし、市民のために、入退院支援ルールであるとか、それから連携のとりやすい関係づくりに、これから是非努めていただきたいとお願いいたします。
次に、健康寿命に関してお伺いいたします。健康遊具の設置状況や活用を促すための取り組みについては、市長答弁において理解をいたしました。
答弁でも述べた、低活動膀胱や口腔機能の低下など、加齢に伴う疾患は多くあります。前者について言えば、生活習慣病対策で予防が可能であると言われておりますし、後者について言えば、高齢者の生活を支える上で基盤となるのは、やはり食事と会話が主体となると思っております。そういう意味では、口腔機能の改善は不可欠と考えております。
そこで、健康寿命の延伸に向けた健診率向上の取り組みについてお伺いいたします。
○細矢俊博議長 芦野健康福祉部長。
○芦野耕司健康福祉部長 お答えをいたします。
健診につきましては、毎年、自身の健康状態を確認することで生活習慣病の予防や疾患の早期発見につなげるものでありまして、健康寿命を延ばす上で大変重要な取り組みと考えております。
本市では、若いうちから健診に対する意識づけと定着化を図るために、法定義務のない30代に対しまして健診の助成を行っております。さらに、40歳の方には、自己負担なしで特定健診を受けられるようにもしております。また、未申込者については、文書や電話で勧奨を行っているところです。
それから、午前中、齋藤議員の質問に対してもご紹介したんですが、ＮＨＫのテレビ番組「ためしてガッテン」とのコラボなどについても取り組んだところでございます。
また、さらに来年度からは、特定健診について、問診票や受診歴から、ＡＩ、人工知能を使って、その人が心配性であるとか面倒くさがりであるとか、その人の性向を見つけ出しまして、複数用意した勧奨通知の中から、その人に合った内容の通知を送ることで、受診率向上を図るという、そういった取り組みも実施する予定でございます。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 10番高橋鉄夫議員。
○10番（高橋鉄夫議員） ご答弁ありがとうございます。
やはり、健康寿命を図るには、介護予防事業に重点を置くこと、また、健診、受診による疾病の早期発見が特に重要となってくると思っております。
さらに、健診結果の確実な伝達、そして、個人が結果を真摯に受けとめ、改善に努める必要があると考えております。今後も、健診率向上の取り組み、また、その周知をしっかり図っていただくようにお願いしたいと思います。
次に、仲間づくりや通いの場になっている市内の活動等の実態についてお伺いいたします。
先ほども述べたように、生活の基盤となるのは食事と会話、そして運動、身体を動かすことだと思っております。また、それを促進できる機会、場づくりが特に重要になってくるとも考えております。
市内におけるサロンの設置数、それから活動状況、効果についてどのように捉えているのか。また、サロン以外の通いの場についてはどうなのか。その支援の具体的な内容、その辺を含めてお伺いいたします。
○細矢俊博議長 芦野健康福祉部長。
○芦野耕司健康福祉部長 お答えをいたします。
市内におけるサロンの設置数、活動状況などについてでございますが、現在サロンは47団体設置されております。活動状況につきましては、地区の公民館を会場に、月１回程度、介護予防活動やレクリエーションを行いまして、交流を深めております。
高齢者の閉じこもり防止や、情報交換、介護予防に効果が期待されております。
それから、サロン活動以外の通いの場ということでございますが、こちらは東根地区の南町公民館で開催している介護予防や生活支援活動を行う「フラットこいな」というのがございまして、こちらは週４回、軽運動や手芸、レクリエーションなどを行っております。また、週２回は手づくりの食事も提供しております。
それから「まちネット神町」が神町公民館で開催している地域の居場所「よってみっ家」は、週１回、軽運動や健康講話、イベントなどを行っております。どちらも住民主体のボランティアで運営されておりまして、今後も高齢者の居場所づくり、通いの場の創出が求められていることから、継続して支援してまいりたいと考えております。
支援の具体的な内容でございますが、サロン活動に対する補助金の支給ですとか、補助ですとか、包括支援センターを通しての講師の派遣、サロンの視察に対するふれあいバスの利用などを行っているところでございます。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 10番高橋鉄夫議員。
○10番（高橋鉄夫議員） ご答弁ありがとうございます。
地域包括ケアシステムの進化、充実を図るためには、市長答弁にいただいたように、仲間づくりの場、通いづくりの場という生活支援活動などの活性化が重要であると考えております。ますます活発となるように、取り組み、それからそういうところの補助なり、そういう手当をよろしくお願いしたいと思います。
次に、令和２年度から、先ほど市長の方からありましたけども、リハビリテーション専門職である理学療法士を雇用し、個別の機能改善に向けた指導、助言を行う、高齢者自立度アップ支援事業を新設するという答弁がありましたけれども、具体的な事業内容についてお伺いいたします。
○細矢俊博議長 芦野健康福祉部長。
○芦野耕司健康福祉部長 お答えをいたします。
具体的には、介護予防、日常生活支援総合事業の訪問型サービスＣという分類に入るんですが、例えば、自宅で自立した生活を継続するためにはどんなことに注意をすればいいのか、どんな訓練をしたらいいのかとか、そういうことを直接指導するですとか、あるいは、ケアマネジャーがプランをつくるときにそれを支援する、ケアマネジメントのアセスメント支援、こういったものを行います。
これまでのリハ職の活用は、介護事業所職員への指導や高齢者の集団での指導が中心となっておりましたが、個々の高齢者の個別課題の解決を図るためには、個々の課題の整理と状況の把握が不可欠であることから、機能改善に向けた指導、助言を個別に実施するというものでございます。よろしくお願いいたします。
○細矢俊博議長 10番高橋鉄夫議員。
○10番（高橋鉄夫議員） ご答弁ありがとうございます。理解できました。
個人において、自立できるということは非常に喜ばしく、生きがいを感じる１つであると思います。この事業については非常に意義あることであり、これから是非充実、推進していただきたいとお願いいたします。
最後になりますが、高齢者を対象とした各種事案への被害防止についてお伺いいたします。
最近の、高齢者を対象とした詐欺事案は、電話やダイレクトメールなどでの接触、それから手口も巧妙化しております。東根市も特殊詐欺事案が頻発した時期もありましたし、老人が家族または自分のために蓄えたお金を詐欺された事案も紙面で確認したところであります。生きがいを奪われた感があり、強い憤りを持ったところであります。
そこで、高齢者を対象として被害が多い詐欺事件防止策についてお伺いいたします。
○細矢俊博議長 浅野目市民生活部長。
○浅野目勇市民生活部長 お答えをいたします。
市では、従来より生活環境課内に設置していました消費生活相談の窓口を、平成23年度から有資格者の消費生活相談員を配置した消費者安全法に基づく、消費生活センターとして消費生活に係る被害や諸問題等の相談体制を整えてきたところでございます。
高齢者が被害者となる詐欺事件につきましては、市に寄せられる相談などから、電話やはがき、ダイレクトメールなどで接触するケースが多く、年々手口も巧妙化してきていると認識しており、課題であると捉えております。
これら詐欺事件の防止のために、消費生活相談員が、いきいきデイサービスや、地域のサロン等に出向き、接触の方法や手口などの事例を紹介して注意を促し、被害防止に取り組んでいるところでございます。
平成30年度実績では、43回、延べ670人に対して行っておりまして、このほか、市報やホームページでも被害防止の啓発に取り組んでいるところでございます。また、昨年度、市内で東根市職員を名乗る特殊詐欺の事案が発生した際には、緊急性などを考慮しまして、防災行政無線による呼びかけや、村山警察署と連携して、ＡＴＭ設置箇所において、立哨による被害防止の啓発を図るなど、適宜その事案に応じた対応も行ってきたところでございます。
今後とも、村山警察署をはじめとして、関係機関や関係団体と連携を密にしながら、消費生活相談を通じて、被害防止の教室の開催、市報やホームページなどを活用した啓発、消費生活相談員の研修による最新の手口の研究などに努め、高齢者が安心して暮らせるよう被害防止に取り組んでまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○細矢俊博議長 10番高橋鉄夫議員。
○10番（高橋鉄夫議員） ご答弁ありがとうございます。
この度、質問を通して感じたことでありますが、高齢者の安心安全な日常生活を支えるためには、人と人とのつながりが亀裂化する中で、地域のひとり暮らし高齢者など、配慮が必要な方々に対する見守り、生活支援を進めるためには、行政機関のほか、地域で活躍する様々な団体が地域の課題を共有し、同じ問題意識のもとで連携することが必要であると考えたところであります。
また、人生100年時代を見据え、高齢になってもそれぞれの経験や能力、意欲に応じて活躍できる場が地域に存在することが重要であります。
今後についてでありますが、市や社会福祉協議会、老人クラブ、シルバー人材センター、各地区自治会など、幅広い関係団体が地域における多世代交流の場、世代を超えた活躍の場を創出し、高齢者自身が地域づくりの主役として活躍できる地域文化の醸成のための連携の強化を図っていただきたく、その辺を要望し、質問とさせていただきます。
どうもありがとうございました。
○細矢俊博議長 以上で、ご了承願います。
◎散 会
○細矢俊博議長 以上で本日の日程は全部終了しました。
本日はこれで散会します。ご苦労さまでした。
午後３時１３分 散 会