令和元年第４回東根市議会定例会１２月　９日　議事日程　第２（一般質問）

令和元年１２月９日　午前１０時００分　開　議

　　　　　　細　　矢　　俊　　博　議長　　　　　　　髙　　橋　　光　　男　副議長

◎出席議員（１６名）

　１番　　　齋　　藤　　俊一郎　議員　　　　　　　２番　　　高　　橋　　弓　　嗣　議員

　３番　　　滝　　口　　公　　一　議員　　　　　　　４番　　　元　　木　　十四男　議員

　５番　　　東海林　　克　　彦　議員　　　　　　　６番　　　三　　宅　　一　　人　議員

　７番　　　植　　松　　　　　宏　議員　　　　　　　８番　　　片　　桐　　勝　　寿　議員

１０番　　　高　　橋　　鉄　　夫　議員　　　　　　１１番　　　白　　井　　健　　道　議員

１２番　　　河　　村　　　　　豊　議員　　　　　　１３番　　　原　　田　　利　　光　議員

１４番　　　浅野目　　幸　　一　議員　　　　　　１６番　　　清　　野　　忠　　利　議員

１７番　　　髙　　橋　　光　　男　議員　　　　　　１８番　　　細　　矢　　俊　　博　議員

◎欠席議員　（２名）

　９番　　　山　　科　　幸　　子　議員　　　　　　１５番　　　佐　　藤　　　　　直　議員

◎説明のため出席した者の職氏名


土　田　正　剛	市　　　　　　長	元　木　正　史	教　　育　　長
武　田　庄　一	選挙管理委員会委　　員　　長	斎　藤　吉　則	代表監査委員
工　藤　喜惠治	農業委員会会長	菊　池　忠　芳	消　　防　　長
間木野　多加志	副　　市　　長	石　垣　裕　之	総　務　部　長
浅野目　　　勇	市民生活部長	芦　野　耕　司	健康福祉部長
小　松　伸一郎	経　済　部　長	半　田　　　隆	建　設　部　長兼水道部長
佐　藤　浩　之	会計管理者	高　橋　重　俊	教　育　次　長
石　垣　有　一	総合政策課長	安　達　利　也	庶　務　課　長併選挙管理委員会事　務　局　長
佐　藤　慎　司	財　政　課　長	牧　野　美和子	監　査　委　員事　務　局　長
柴　田　　　昇	農業委員会事　務　局　長

◎事務局職員出席者職氏名


青　木　　　満	事務局長補佐	菅　井　美奈子	議事主査兼議事係長
齊　藤　晋　平	主　　　　任	黒　坂　育　実	主任
井　上　正　宏	兼　務　書　記	森　谷　賢　司	兼　務　書　記

◎議　事　日　程

　議事日程第２号

　　　　　　　令和元年12月９日（月）　午前１０時　開　議

　日程第　１　　市政一般に対する質問

　　　　　　　　１　１４番　浅野目　幸　一

　　　　　　　　２　　１番　齋　藤　俊一郎

　　　　　　　　３　　５番　東海林　克　彦

　　　　　　　　４　　７番　植　松　　　宏

　　　　　　　　５　　２番　高　橋　弓　嗣

　　　　　　　　６　　８番　片　桐　勝　寿

　　　　（散　　　　　会）

◎本日の会議に付した事件

　議事日程第２号に同じ。

令和元年東根市議会第４回定例会一般質問発言通告書


番号	質問者	質問事項	質問要旨	答弁者
１	浅野目幸一議　　　員	１．ＳＤＧｓ（2030年までの持続可能な開発目標）について	１．ＳＤＧｓと目標年次が重なる、第５次総合計画について２．食品ロス削減について３．ＳＤＧｓ理念の市民理解と普及啓発、推進拡大について４．小・中学校の役割り、新学習指導要領とＥＳＤについて	市　　　長教　育　長
２	齋藤俊一郎議　　　員	１．国土強靭化地域計画について	１．国においては、大規模自然災害に備えて必要な事前防災及び減災その他復旧復興に資する施策を総合的かつ計画的に実施するため、国土強靭化基本法を制定し、同法において、地方公共団体の責務を明記するとともに都道府県及び市町村は国土強靭化地域計画を定めることができるとされております。この国土強靭化地域計画について、次の点を伺います。（１）国土強靭化計画の必要性（２）地域計画策定の方針	市　　　長
２	齋藤俊一郎議　　　員	２．共生社会の推進について	１．本市は、６月に「東根市障がいを理由とする差別の解消の推進に関する条例」を施行し、10月には、パラリンピックの「共生ホストタウン」の登録を受け、全ての市民がお互いの人権や尊厳を認め合い、生き生きとした「共生社会ひがしね」の実現に大きな一歩を踏み出したと思います。この共生社会の推進について、次の点を伺います。（１）共生社会「推進都市」に向けた考え（２）共生社会の推進に向けた庁内の取り組み	市　　　長教　育　長
３	東海林克彦議　　　員	１．防犯カメラの設置について	１．近隣自治体における道路や公園への防犯カメラ設置状況はどうなっているのか把握しているものはあるか。２．さくらんぼ東根駅からまなびあテラスや東桜学館・市役所等へ至る道路にカメラを設置し、交通事故や刑法犯罪を抑止し益々安全な環境整備を図ってはどうか。	市　　　長
３	東海林克彦議　　　員	２．有害鳥獣による農業被害等の現状について	１．イノシシ・サルによる被害実態はどのように推移しているか。２．どのような対策が行われてきたか。	市　　　長
４	植松　　宏議　　　員	１．保育園の副食費負担について	１．政府は10月から消費税率を値上げし、この財源を使い幼児教育・保育の「無償化」を今年の10月から実施しております。しかし、保育料は無償となりましたが、今まで保育料に入っていた副食費が実費で徴収されることになりました。（年収360万円以下の世帯は除外）つきましては以下の３点についてお伺いします。（１）幼児教育・保育の無償化に伴い不要となる東根市独自の保育料軽減財源の金額は年間いくらになる予定でしょうか。（２）10月以降新たに給食費徴収の対象となる一人当たりの金額と、対象となる世帯はどのぐらいでしょうか。（３）「子育てするなら東根市」のキャッチコピーにあわせて市が副食費を助成すべきと考えますが如何でしょうか。	市　　　長
	植松　　宏議　　　員	２．国民健康保険税の負担軽減について	１．平成30年度から国民健康保険の都道府県単位化がスタートしました。運営主体が変更されても高すぎる国民健康保険税が軽くなることはなく、東根市においてはほぼ同額の国民健康保険税となっております。国民健康保険の加入者は、比較的所得の低い方がほとんどを占めており税の負担に悲鳴を上げているのが実態です。特に子供の数が多いほど引きあがる「均等割」は、まるで「人頭税」「子育て支援に逆行しているのではないか」と批判が出ております。つきましては以下の３点についてお伺いします。（１）東根市における国民健康保険世帯主の職業別構成割合はどのようになっているでしょうか。（２）財政基盤の強化については全国市長会でも国に対して要望しているということですが、その後の経過と今後の進め方についてどのようにお考えでしょうか。（３）「均等割」については高校生以下は免除すべきと考えますが如何でしょうか。	市　　　長
	植松　　宏議　　　員	３．農作業事故防止対策について	１．農林水産省では1971年以降、農作業事故による死亡調査を行っております。調査開始後50年近く、全国で年間300～400人の方が農作業による事故で亡くなっており、その数字はほとんど減少しておりません。そのうち３分の２が、トラクター等の農機による死亡事故とみられます。死亡事故は農作業事故の全体像からすれば「氷山の一角」とも言われております。農業従事者が高齢化し、かつ減少していく中、貴重な人材を守るためにも東根市における農作業中の事故防止策についてお伺いします。（１）東根市における農作業中の事故発生件数、発生の状況はどのようになっているでしょうか。　（２）東根市における事故防止対策はどのようなものでしょうか。またその対策の効果は表れているでしょうか。　（３）特に、果樹栽培を中心とした事故防止策をこれまで以上に強化すべきと考えますが如何でしょうか。
５	高橋　弓嗣議　　　員	１．都市計画道路宮崎西道線延伸事業に向けた市の取り組みについて	１．都市計画道路宮崎西道線は、東北中央道東根北ＩＣの開通に伴い、主要幹線道路としての役割が大きくなっており、あわせて国道48号を結ぶ流れの整備延伸が望まれているが、市の取り組みについて伺う。	市　　　長
５	高橋　弓嗣議　　　員	２．インゲルハイム　アム　ライン市訪問の成果と展望について	１．国際交流が盛んに行われている中、市でもインゲルハイム　アム　ライン市との交流を展開しているが、この度の市民訪問団の成果と今後の交流の展望について伺う。	市　　　長教　育　長
６	片桐　勝寿議　　　員	１．外国人観光客の個人旅行者の受け入れ体制の整備について	１．近年、外国人観光客はパックツアーから個人旅行へ、都市部から地方へシフトしてきている。パッケージツアーではなく個人旅行で訪日する観光客が、2012年の60.8％から、2017年は75.7％に増加、都市部の外国人宿泊者数は2.4倍に対して、地方は3.2倍に増加している。このような状況を受け、本市の外国人観光客の受け入れ体制の整備について質問する。（１）本市における外国人観光客の状況についてどのように把握しているか。（２）現在の外国人観光客に対する取り組みはどのようになっているか。（３）地方への個人旅行が増えているという外国人観光客の変化をどう捉え、これからどのように取り組んでいくのか。	市　　　長
６	片桐　勝寿議　　　員	２．読み書きの困難を抱える児童・生徒の学習指導について	２．読み書き能力や計算力など算数機能に関する発達障害に学習障害がある。平成24年の文部科学省の全国調査により、読み書きに困難を抱える子どもたちは全体の約2.4％という報告もある。本市の中にも同じような困難を抱える子どもたちがいると考えられる。そこで、以下の質問をする。（１）読み書きに困難を抱える児童・生徒についてどのように把握しているか。（２）読み書きに困難を抱える児童・生徒についての学習指導はどのようになっているか。	教　育　長

　　◎開　　　　　議

○細矢俊博議長　皆さん、おはようございます。本日の会議に、欠席の届け出がありましたのは、９番山科幸子議員及び15番佐藤直議員です。したがいまして、出席議員の数は16名で定足数に達しておりますので、これから本日の会議を開きます。

　　本日の会議は、議事日程第２号によって進めます。

　　◎市政一般に対する質問

○細矢俊博議長　日程第１　市政一般に対する質問を行います。

　　質問は通告順としますが、発言順番を迎えたときに議場にいない場合は、発言権の放棄とみなしますので、そのようにご了承願います。

　　◎浅野目幸一議員質問

○細矢俊博議長　はじめに、14番浅野目幸一議員。

　　　〔14番　浅野目幸一議員　登壇〕

○14番（浅野目幸一議員）　おはようございます。14番浅野目幸一です。

　　ＳＤＧｓ2030年までの持続可能な開発目標について、ご質問いたします。

　　本市は、2021年から2030年までの第５次総合計画の策定を進めております。

　　また、ＡＩやＩｏＴなどのイノベーション、学校においてはＩＣＴ教育によって10年後の環境や市民生活は大きく変わろうとしております。

　　先に行われましたまちづくり研修会において、専門家会議委員の細野先生は、「次の10年だけでなく、その次の10年に向けた準備だ。」とおっしゃいました。10年後だけでも大きく変わりますが、次の10年後、20年先に至っては到底想像もつきません。

　　そんな中で、国連が掲げる持続可能な開発目標、ＳＤＧｓは重要な指標的役割になると思います。すなわち、現行計画の全ての事業をＳＤＧｓの視点から再点検し、市の最上位計画、第５次総合計画にＳＤＧｓの視点を反映しなければなりません。

　　そこで、質問の１点目はＳＤＧｓと目標年次が重なる第５次総合計画について、前段でお話ししたとおり、この変革の時期に本市は総合計画にＳＤＧｓを盛り込まないのか、最初にお伺いいたします。盛り込むとしたら、どういう視点を盛り込むのか伺います。

　　会派は本質問をするにあたりまして、秋田県仙北市におけるＳＤＧｓ推進に係る取り組みについて、視察研修を受けてまいりました。

　　なぜＳＤＧｓに取り組むのか、この質問について仙北市では総合計画の将来像に対する整合性、親和性が高く、まちづくりの基本理念に合致するためと申されておりました。

　　世界は今、地球規模の多くの問題を抱えております。スウェーデンの16歳の少女、グレタさんが早急な地球温暖化対策を訴えたのをきっかけに、９月には世界の若者による一斉抗議が行われました。ベルリンでは、小学生から大学生までの数百人が、気候は私たちの卒業を待ってくれない」、「未来がないのになぜ勉強するのか」、「授業の欠席は取り戻せる。でも気候変動はそうじゃない」などとプラカードに書き、デモ行進をしたそうであります。これは次世代の彼女たちが実の利害関係者であり、大人たちが、将来性に対していろいろ押しつけても、その子どもには未来がないのではないかと声を上げているのであります。これは、負担先送りの財政問題ともよく似ておりますが、本腰を入れねばならない正念場なのに、真剣さが全く伝わってこないわけであります。人によっては懐疑的な考え方もありますが、もしそうなったら元に戻れないという実例も既にあります。

　　それは、クニマスの住めなくなった死の湖、田沢湖であります。クニマスが人間で、田沢湖が地球だったらどうでしょうか。人間は水の惑星、地球に帰れるでしょうか。

　　ＳＤＧｓを実践する仙北市では、その失った自然の復元に取り組むとともに、その汚染の原因となった玉川の酸性水を逆手にとり、温泉水から水素を抽出してエネルギー産業の創出を図ろうとしております。

　　仙北市のＳＤＧｓ未来都市宣言は、市民の勇気ある決断だと深く感銘を受けてまいりました。現に環境破壊は田沢湖だけでなく、全地球規模で起きております。一度失ったものを取り戻すのは大変です。対して保全保護を計画的にやれば、全てを失わずに済むものと考えます。

　　ＳＤＧｓとの関係が深い施策については、盛り込むべき点がたくさんあります、と申しますか、ＳＤＧｓの目標とターゲット232の指標は、非常に幅の広い分野のため、従来からの施策のどれか全てに該当すると思います。

　　ＳＤＧｓは従来から言われ続けてきたことばかりで、本市ではこれまでにも何らかの形でＳＤＧｓに関連した施策に取り組んできたはずです。

　　17のゴールのうち、気候変動は13番目にありますが、ＩＳＯ14001認証取得の本市であります。将来の子孫のことを考えずに、環境を汚すといったことは絶対に許されません。

　　その意味でも環境に与える悪影響を少なくするため、ＩＳＯ14001のマネジメントに取り組む本市は、環境保全に貢献している県内唯一の自治体と高く評価しております。

　　ＩＳＯ14001とは、方針及び目標を定め、その目標を達成するために組織を指揮管理するための仕組みです。今後の環境対策として、どのような取り組みをなさるか伺います。

　　また、ＩＳＯ14001をＳＤＧｓと関連づけ、連動することが望ましいと考えております。

　　目標年次が重なる第５次総合計画にＳＤＧｓの視点を盛り込むべきと考えますが、いかがでしょうか。

　　次に、２点目ですが、食品ロスについて伺います。

　　本年５月に食品ロス削減の推進に関する法律が公布され、10月１日に施行されましたが、食品ロスに対する認識について伺います。

　　また、食品ロス削減を計画に盛り込み、推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。

　　私は食べ物を無駄なく、大切に消費することは重要な課題と認識しております。消費者教育の推進、学校現場をはじめとする食育にも関する問題として、総合的に取り組むべきと考えております。

　　ごみゼロ山形推進県民会議食品ロス削減宣言が行われました。ＳＤＧｓや食品ロスの削減の推進に関する法律に基づき、県民、事業者、行政機関が連携して食品ロス削減に積極的に取り組むとするものです。事業者だけでなく、食品消費者の取り組みが重要なのはもちろんですが、その間を取り持つ行政との連携はさらに重要と考えます。

　　そこで、燃やせるごみの４割は生ごみです。食品ロスを減らせば、生ごみも減ります。生ごみの減量効果は大きいと思いますが、食品ロスから出る生ごみの処理の現状についてお伺いいたします。

　　次に、ＳＤＧｓ理念の市民理解と普及啓発、推進拡大について伺います。

　　ゴールの17番目は「パートナーシップで目標を達成しよう」であります。目標の達成は市民、家庭でできること、民間、企業でできることと行政、それぞれの立場でできることから、市民、民間との連携、協働によるＳＤＧｓの推進であります。

　　ＳＤＧｓ17の目標はまだまだ認知度が低く、一般には環境の問題として認識されていることが多いと思います。しかし、環境だけでなく、社会や経済など総合的な取り組みの推進がＳＤＧｓの理念であります。

　　私たち自民クラブでは、カードゲーム2030ＳＤＧｓというプログラムを受講してまいりました。

　　ＳＤＧｓの17の目標を達成するために、現在から2030年までの道のりを体験するゲームであります。議員の皆さん方にも、このピンバッチをつけておられる方もございます。是非ご自分の団体、組織やコミュニティ、さらには外部に対してカードゲーム2030ＳＤＧｓを行うことで、ＳＤＧｓを広めていただくことに貢献していただきたいと思うところであります。

　　本市として、ＳＤＧｓ理念の市民理解と普及啓発、推進拡大についてのお考えをお伺いいたします。

　　次に、小中学校の役割、新学習指導要領とＥＳＤについてお伺いいたします。

　　ＳＤＧｓの実現には国だけでなく、地域レベルでの参画が不可欠で、自治体、民間企業、それと教育、研究機関といった多様なステークホルダーの連携が求められていると言われております。

　　中でも、持続可能な社会のつくり手として、教育としての学校の役割、ＥＳＤで目指すこととは何か、これからの教育とＳＤＧｓをどう捉えているか、伺います。

　　以上、ご答弁に期待し、登壇での質問を終わります。

○細矢俊博議長　14番浅野目幸一議員の質問に対し、答弁を求めます。

　　土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　おはようございます。浅野目幸一議員のＳＤＧｓ2030年までの持続可能な開発目標についてのご質問にお答えをいたします。

　　国際連合が提唱するＳＤＧｓは17の目標と、この目標を達成するための具体的な169のターゲットで構成されており、誰ひとり取り残すことなく、持続可能な社会を未来の子どもたちに受け継いでいくための、極めて重要な国際社会共通の目標となっております。

　　一方、本市の第４次総合計画策定の趣旨では、人口減少時代や地球温暖化に起因する気候変動、新興諸国における人口の急増、食料自給率に係る問題など、地球規模の課題の顕在化を踏まえ、どんな状況にあろうともここに住む人々が幸せを実感し、将来に夢と希望を抱き、生き生きと充実した日々の生活を営むことができる地域社会の構築と持続、そして新たな創造に向けて果敢に挑み続けていく必要性をうたっております。これは正にＳＤＧｓの趣旨と一致するものと捉えております。

　　これまで本市が重点的に推し進めてきた教育による人づくり・まちづくり、ＩＳＯ14001の導入やさくらんぼ環境ＩＳＯの取り組み、子育て支援策の充実などについては、ＳＤＧｓが掲げる「質の高い教育をみんなに」、「気候変動に具体的な対策を」、「貧困をなくそう」といった目標につながるものであり、これら以外の施策についても同様であります。

　　このように総合計画に限らず、本市の全ての部門において、持続可能な社会、自治体運営を意識した施策を展開し、成果を上げてきているものと認識しております。

　　このような視点からＳＤＧｓと同様の視点は、今後も総合計画の重要なテーマとして盛り込んでいくべきものであります。

　　ＳＤＧｓの視点に基づいた体系化については、特に考えておりませんが、持続的発展を遂げ、子どもたちに希望ある未来を残し、つないでいけるよう、これまで同様に取り組んでまりたいと思います。

　　次に、食品ロス削減についてでありますが、本来食べられるにも関わらず廃棄された「食品ロス」は、国の推計によると年間643万トンとされており、ＳＤＧｓのターゲットの１つにも、「2030年までに世界１人あたりの食料廃棄を半減させる」という内容が組み込まれるなど、大きな社会問題となっていることから、「食品ロス削減の推進に関する法律」が今般施行されたところであります。

　　食品ロスの問題が、新聞等で報道される場合、クローズアップされるのは季節商品の大量廃棄に代表される事業系廃棄物でありますが、食品ロスの約半分は家庭から排出されていることから、消費者への自主的な活動を促すため、引き続き市報やイベント等において食品ロス削減に向けた啓発活動に努めてまいります。

　　さらに、市においては排出された生ごみの減量化を推進するため、市環境衛生組合連合会を通じて、電気式生ごみ処理機の購入補助を行っているところであります。

　　次に、ＳＤＧｓの理念の普及啓発等についてでありますが、本市においてはこれまで、市民と協働のまちづくりの理念のもと、市民と行政が一体となって事業を展開してまいりました。こうした中において、事業に係る理念や必要性等について市民への啓発を図ってきたところであります。

　　具体的に申し上げますと、実行委員会や審議会などへの市民参画やシンポジウムの開催、イベントを通した普及啓発、市報を通じた周知や住民説明会などもこうした取り組みであり、このような活動を通じて様々な課題や問題意識を共有しながら、事業や市民一人一人の取り組みの必要性について伝え、ともに考えてきたところであります。

　　ＳＤＧｓの理念と本市の総合計画における理念、その取り組みは本質的には共通する部分が多く、このような活動を通じて普及啓発を行い、市民の理解を深めてまいりました。

　　ＳＤＧｓは国際目標であり、その分野は多岐にわたっていることから、普及啓発や目標の達成に向け、国・県・民間・市町村などが役割分担のもと進めてくことになりますが、国や県、関係機関などの動向も注視しながら、よりよい普及啓発方法などについて、研究してまいりますので、ご理解をお願いいたします。

○細矢俊博議長　次に、教育長に答弁を求めます。

　　元木教育長。

　　　〔元木正史教育長　登壇〕

○元木正史教育長　おはようございます。私からは、小中学校の役割、新学習指導要領とＥＳＤについての質問にお答えをいたします。

　　ＥＳＤはＳＤＧｓの達成に向けて、持続可能な社会づくりの担い手を育むための教育であります。世界には環境、貧困、人権、平和に関する様々な問題がありますが、これからの社会を担う子どもたちには、それらの課題を自らの問題として捉え、他者と協働して身近なところから取り組むことにより、それらの課題の解決につながる、新たな価値観や行動を生み出そうとする態度や能力が求められております。これらは、正に来年度から小学校皮切りに完全実施となる、新学習指導要領の理念の１つでもあります。

　　新たな学習指導要領においては、「何を学ぶか」だけでなく、はじめて「どのように学ぶか」も示されました。いわゆるアクティブ・ラーニングという、自分たちで課題を見つけ、知識や技能を習得・活用しながら、仲間と協力して課題を解決していくという学び方であります。

　　これまで本市が取り組んできた「さくらんぼ環境ＩＳＯ」は、正に環境問題をテーマにしたアクティブ・ラーニングであり、ＥＳＤの具体例として挙げることができます。子どもたちはそれぞれの生活の中から、解決すべき課題を見つけ、解決のために自分たちが何ができるかを考えて、「節水・節電」、「資源回収」、「グリーンカーテン」などの活動に、子どもらしい工夫を凝らして取り組んでおります。

　　持続可能な社会構築の重要性をどのように子どもたちが学ぶかについては、国や地域の状況や発達段階によっても異なるため、工夫が必要だと言われております。各校において、新学習指導要領の趣旨を生かした学習が展開され、子どもたちが未来社会を担うたくましい市民に育つよう、市教育委員会といたしましても学校や地域と連携しながら、ＥＳＤを含めた学校教育の充実に、今後も努めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。

○細矢俊博議長　14番浅野目幸一議員。

○14番（浅野目幸一議員）　それでは、質問席より続けます。

　　ＳＤＧｓを盛り込んでいくべきものであるというお答えをいただきました。期待に添ったお答えをいただきました。ありがとうございます。

　　続けて掘り下げてみたいと思います。

　　ＳＤＧｓと環境ＩＳＯについてであります。登壇でも申し上げましたが、先送りの財政問題とも似ているなと思うわけであります。ともかく世界があまりにも複雑になり過ぎたという思いであります。私としてはまるでモグラたたきをやっているような、そんな感じです。安易な手法を繰り返してはまたたたくというような、そんな繰り返しをしてきました。そして、私たちは既にこの不都合な真実というものに気づいているのであります。さらにこの負のスパイラルは、複雑に絡みあっております。しかしながら、ＳＤＧｓと環境問題を解きほぐすには、正に仙北市のＳＤＧｓ未来都市宣言のように、市民の勇気と決断をもって、負のスパイラル、すなわち負の連鎖を断ち切ることだと思います。

　　そこで、最初にご要望から入りたいと思います。

　　ＩＳＯ14001とＳＤＧｓとのひもづけ、環境問題でなく経済、社会問題などが加わるために、なお一層複雑になると思われます。

　　１点目の質問でのお答えでは、ＳＤＧｓの視点の体系化は特に考えていないということでございました。

　　複数の目標に関する事業は、整理しながら重点的に計画を立てて、その事業についてはその手法や内容もやっぱり見直す必要はあるのではないかなとも考えております。

　　また、ＩＳＯ14001とＳＤＧｓがつながるような指標の設定によりまして、市民との協働による環境保全活動を継続しながらやっていかなければならないと私は考えております。

　　このようにＳＤＧｓの考え方としては、「風吹けば桶屋がもうかる」というような、そういう複雑な関連づけというのが実はベースになっております。しかし私の考えは、やはり複雑な関連づけというよりも市民にわかりやすい、よりシンプルなまちづくりに期待をするところであります。

　　市民にわかりやすくすれば市民との協働の関係づくり、メリットの共有もしやすくなるのではないでしょうか。

　　私も体系化にこだわる必要はないと考えました。それゆえに将来を共有し、実現を目指す様々なステークホルダーとのシンプルな関係づくりというのには、注力していただきたいと思うところであります。シンプルな市民目線で協働をお願いしますということを、これを要望とさせていただきます。

　　続けて、１番目の質問席での質問に入ります。

　　生ごみの処理の現状について、お答えでは電気式生ごみ処理機を購入する際、補助金がもらえるとのことです。詳細について教えてください。

　　また、以前、コンポストにも補助金がありました。今はないのでしょうか。

　　その生ごみ自家処理の件ですが、自家処理できない市街地とか、集合住宅地などもありまして、それに関しては、県では手間や経費がかからない、集合住宅のベランダでも誰にでもできる、発泡スチロールの箱と土による生ごみ処理を推奨しておられます。コンポストなど自宅でできる生ごみ処理の今後の対策について伺いたいと思います。

　　燃やせるごみの40％は、実は生ごみで、その生ごみの80％は水分です。水分を減らすだけで生ごみ処理をしなくても、ごみ減量に大きな効果が期待できます。市民理解と普及啓発には、市民参加が必要ですし、かつてのＭＢＨ運動、それから3010運動に続けて、生ごみの水切り運動などというのもやっていただけないかなと思うところです。

　　すなわち、これこそ市民との協働ではないでしょうか。これが１点目の質問です。

　　続けます。

　　次に、参加型の「2030ＳＤＧｓ」カードゲーム、これは啓発活動にとても有効だと思いました。食品ロス削減を啓発する活動には、現在どんなことがあるか、具体的なものを教えていただきたいと思います。

　　食品ロスの削減は法律ができたから取り組むのではありません。改選前の3010運動の提案、そしてその実践こそ有用であり、あくまでシステムではなく、市民の協働意識の醸成にかかるものと考えております。

　　本市の最上位計画である総合計画に理念を反映すべきことは当然ではありますが、その認識は、コミュニティの現場をはじめとする消費者教育の推進にも関連する問題として、法律や関連計画の整合性を図りながら総合的に取り組むことが必要と思います。

　　また、「2030ＳＤＧｓ」ゲームについては参加意識が高いという意味では、胸にピンバッジをつけておられる議員さんのように重要なことだと私は思います。

　　ＳＤＧｓが地方創生になぜ必要かをこのカードゲームで学ぶことは、誰ひとり取り残さないＳＤＧｓの理念において、市民が参加して学んでこそ実現できるものと考えます。

　　食品ロスの削減の啓発活動について、これが２点目です。

　　議長、続けてよろしいでしょうか。

○細矢俊博議長　いえ、一問一答でお願いします。

○14番（浅野目幸一議員）　ああ、そうですか。じゃあ、ここまでお願いいたします。

○細矢俊博議長　　浅野目市民生活部長。

○浅野目勇市民生活部長　お答えいたします。

　　発泡スチロールを利用した処理方法につきましては、費用や手間がかからない方法として紹介されているようでございますが、本市においてはごみ減量化を推進するため、電気式生ごみ処理機の購入補助を行っているところでございます。

　　販売協力店から購入する市内在住の方に対しまして、購入価格の２分の１以内、限度額２万円でございますが、補助をしているところでございます。

　　また、コンポストの補助につきましては、住宅事情の変化などもございまして、需要が低下したということで、平成27年度で事業を終了したところでございます。

　　また、啓発活動につきましては、宴会等での食品ロス削減に効果的であります、3010運動の取り組みを平成29年度より行っており、市内の飲食店などへポスターを配付しているところでございます。この取り組みをはじめ、先月実施いたしました環境週間2019におきまして、食品ロス削減に向けたパネル掲示などを行っているところでございます。

　　また、生ごみの水分を減らすことは、悪臭を低下させることや処理場での焼却効果を向上させることから、市でも重要であると認識しているところでございます。

　　今後とも市報やホームページにおける継続した啓発活動を行うことによりまして、食品ロス削減に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

○細矢俊博議長　14番浅野目幸一議員。

○14番（浅野目幸一議員）　お答えありがとうございます。

　　コンポストは27年度で終了したということでございます。自家用処理というのが難しいのだろうなと私は思います。やっぱり水切りで減量、重量を減らすというのが一番なのかもしれません。

　　食べ物を無駄なく大切に消費するということはやっぱり言うまでもなく重要なことでございます。その認識を是非市民とともに共有していただきたくお願いをいたします。

　　それでは、続けます。

　　登壇で述べましたＡＩやＩｏＴなどのイノベーション、さらにはＩＣＴ教育について一言質問させていただきます。

　　学校の役割、分担については先ほどお聞きしました。さらに高度な教育環境の充実について、教育長にお聞きします。

　　仙北市では、小学校のドローンによるロボットプログラミング学習が、目標年度2020年度に対して、本年度既に100％達成したとのことでありました。本市の小学生のプログラミング学習、これは今どうなっているか、お聞きをいたします。質の高い教育として、本市の環境整備にタブレット、パソコンや教室のＷｉ－Ｆｉ整備率なども含めて、ＡＩやＩｏＴに関する学習環境はどうなっていますか、お聞きいたします。

　　2020年からはプログラミングが必須科目になるとお聞きしております。プログラムを書いてロボットを動かすなど、非常に、私どものシニア層にもこれから知識としては必要になってくるのではないかなとも考えております。子どもたちの高度なＩＣＴ教育について所見を伺います。

○細矢俊博議長　高橋教育次長。

○高橋重俊教育次長　お答えいたします。

　　はじめに本市のプログラミング教育の状況でございますが、市内各小学校全ての学校におきまして、プログラミング教育の校内研修を実施をしまして、来年度からのプログラミング教育への必修化に向けての準備を進めているところであります。

　　教育委員会では、研修会等を開催をいたしまして、教員のプログラミング学習への理解と具体的な指導のあり方の研修を行いまして、学校の取り組みを支援しております。

　　具体的には、今年度、北村山視聴覚教育センターの指導主事を講師に迎えまして、年間の指導計画へのプログラミング教育の位置付けですとか、６年生の理科を例にとりまして、プログラミング教育の授業について小学校の担当教員が参加をしまして、研修会を行ったところであります。

　　プログラミング教育につきましては、子どもたちがプログラミング自体を学ぶ授業が始まるわけではありません。プログラミングの体験等を通して、子どもたちに論理的な考え方、いわゆるプログラミング的な思考力を育成することが目的になっております。

　　そのため、算数や理科をはじめ、あらゆる授業の中で教科の目的を達成しつつ、プログラミングにつながる学習を展開することになります。

　　その準備としまして、子どもたちが授業の中で使用しますプログラミング教育用のソフトも、全ての子どもたちの児童用パソコンにインストールを終了しております。今後は学校の状況や子どもたちの実態に応じたプログラミング教育が展開されるものと期待をしているところであります。

　　教育委員会としましても、研修会の実施や教材・教具の整備など学校の取り組みを支援してまいりたいと考えております。

　　次に、本市のＩＣＴ教育の学習状況の整備状況についてであります。

　　国は教育振興基本計画の中で、ＩＣＴ教育の環境整備目標を掲げており、本市でもその水準への到達を目指して整備を進めているところであります。例えば、教育用コンピューターにつきましては、児童生徒3.6人に１台という整備目標が掲げられてきました。本市においては、全ての学校にアイパッドなどのタブレットＰＣ等を整備するなどしまして、年次計画によって整備を行ってきた結果、今年度末には児童生徒3.8人に１台の整備率となる状況であります。

　　今後は大規模校を中心にタブレットＰＣの台数を増やして、授業での活用を促進していく予定となっております。

　　また、タブレットＰＣに不可欠な無線ＬＡＮについてでありますが、校舎内の無線ＬＡＮ整備率100％を目指して整備を行っております。来年度には全ての学校で達成できる状況となっております。

　　なお、小学校の外国語学習など、デジタル教材の使用が増えておりまして、デジタル教材を作動させるための、指導用のＰＣの需要が高まっています。来年度はリースアップしました教育用コンピューターを買い取りまして、小学校を中心に配置する予定となっております。

　　今後も国が掲げます目標水準、あるいは学校の需要、こういったことを考慮しながら、整備を行ってまいりますので、ご理解をお願いいたします。

○細矢俊博議長　14番浅野目幸一議員。

○14番（浅野目幸一議員）　ご答弁ありがとうございます。

　　教育のＩＴ化、東根市でも進んでいるなと思いました。

　　なお、教育委員会におかれましては、子どもたちが持続可能な循環型社会のつくり手となることができるようにご尽力をいただきたいと思います。

　　2030年までに誰ひとりも取り残さず、そしてこれからの10年でできることというのは、大変難しい課題だと思います。しかし、ＳＤＧｓを意識して活動することによって、自然に気持ちがそちらに向かいますし、その方針、目標を総合計画に盛り込むことの意義は大きいと感じております。

　　ＳＤＧｓの先進度を測る全国自治体ランキングというのがございます。まだまだ認知度が低くて、規模の大きな都市が上位でございます。今後の地方自治体の競争を生き抜くためといいますか、まちづくりの魅力にもつながりますので、ＳＤＧｓの認知度アップを図らねばならないと考えております。

　　その認知度アップを図るために、いろんなステークホルダー、例えばＮＰＯなどの活用とか支援について、最後にご要望を申し上げます。そういうステークホルダーの様々な活動の中において、カードゲームとか、フードバンクなどがございます。そういうＳＤＧｓ17番目のパートナーシップによる目標達成というものに向けまして、連携をして支援をしていただきたいなと考えます。これが要望でございます。

　　これで終わりますけれども、最後のまとめをさせていただきます。

　　ある文献をひもときましたら、そもそも持続可能性「サステナビリティ」と言うんですけども、とは自分たちの将来世代がどのような生活を送るのか、ということに思いをはせながら、今を生きることということが載っておりました。正にスウェーデンの16歳の少女グレタ・トゥーンベリさんの思い、そのものだと思います。

　　自治体の努めとしては、将来にわたって成長力を確保して、市民一人一人が安心して暮らせるような持続可能なまちづくりを実現することだと思います。

　　地球規模の課題を論する器ではございませんでしたが、１人の少女が立ち上がりました。気候変動を食いとめられるのは、市民の力でしかありません。

　　以上で、質問を終わります。ありがとうございました。

○細矢俊博議長　土田市長。

○土田正剛市長　最新の情報をお知らせいたします。

　　先ほど高橋教育次長からは、本市は3.6人のパソコンが配付されているという答弁がありました。今現在ご案内のとおり、ＳＮＳやビッグデータなど、第４次産業革命の入り口にあると言われているわけであります。ところが、全国の小学校の生徒には、パソコンも、例えば山形市あたりは８人に１台のパソコンの普及率ということで、まだまだ大都会を中心に、パソコンを生徒１人１台ということは、第４次産業革命の入り口にある現状において、非常に整備率が低いんじゃないかと、これは世界各国の中で一番低位にあると言われているわけであります。

　　そこで、私は今現在、全国公立学校の施設整備期成会の会長を務めております。過般、政府に国会議員と、期成会というのは、47都道府県の教育委員会と私ども市町村のメンバーが全部入った期成会であります。その会長として、つい先般、政府に陳情、要望を行ってまいりました。

　　その結果において、これは令和２年度の予算編成は今月末に行われるだろうと思いますけれども、一足先に、全国に１人１台のパソコンを整備する予算を確保するという、力強い、政府からこの間発表があったばかりであります。ですから、今東根も進んでいる方でありますけれども、来年度以降は生徒１人１台のパソコン、行政で考えてみると平成14年ごろに１人１台ということになったわけでありますけれども、小学校の生徒にもこれからは１人１台のパソコン時代ということで、第４次産業革命が移行するにふさわしい、青少年の教育というものが充実されるのではないかなと期待をしているところであります。

　　以上、最新の情報であります。

○細矢俊博議長　以上で、ご了承願います。

　　ここで、議員の皆さんに申し上げます。質問席での２問目以降の質問は、一問一答方式ですので、１問目の質問、答弁が終わってから、次の質問に入るようお願いいたします。

　　以上です。

　　◎齋藤俊一郎議員質問

○細矢俊博議長　次に、１番齋藤俊一郎議員。

　　　〔１番　齋藤俊一郎議員　登壇〕

○１番（齋藤俊一郎議員）　議席番号１番齋藤俊一郎です。質問に先立ち２点申し上げます。

　　まず、はじめに台風15号、19号において被災をされた、隣県の宮城県をはじめ、全ての皆様にお見舞いを申し上げます。私自身、宮城県丸森町へ災害支援に伺い、ボランティアセンターでの意見交換を行ってきたことから、一日も早い復旧・復興をご祈念申し上げます。

　　次に、10月22日令和天皇陛下の即位礼正殿の儀が挙行され、ご即位を内外に宣明されましたことに、衷心よりお慶びを申し上げ、令和の世の平安と天皇陛下の弥栄を心よりお祈り申し上げます。

　　それでは、一般質問の機会を賜りましたことに感謝を申し上げ、通告に従い、質問を行ってまいります。

　　私は、政治行政に必要な要素は強さ、しなやかさ、そして優しさだと思います。この度の一般質問では、この三要素を理念の柱とする政策について、質疑を行ってまいりたいと思います。

　　まず、１点目は防災減災のための国土強靭化政策です。国においては平成25年11月、「強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靭化基本法」を制定し、同法第４条において地方公共団体の責務を明記するとともに、第13条において都道府県及び市町村は国土強靭化に関する施策の推進を図るため、国土強靭化地域計画を定めることができるとしました。

　　平成28年３月山形県においても、今後想定される大規模自然災害から県民の生命と財産を守り、持続可能的な成長を実現するため、致命的な被害を負わない強さと速やかに回復するしなやかさを備えた強靭な県土づくりに向け、「事前防災及び減災等のための山形県強靭化計画」を策定しております。

　　本市においても、水防法改正に基づき、本年ハザードマップの改正が行われ、浸水区域が広がるなど、防災・減災に対する意識が高まっております。

　　10月私の地元小田島地区において開催された市長と語る会においても、区長協議会の代表者意見として、防災機能を持った地域公民館の移設改築要望やハザードマップ、避難場所の説明を求める参加者の意見が多数出されておりました。

　　そのような中で、国は国土強靭化基本計画の見直しを行い、８月には山形県より国の方針に基づき、県内各市町村へ国土強靭化地域計画の策定を求める通知があり、国から令和２年度以降、国土強靭化関連の補助金交付金は、当計画策定の自治体へ重点化を行う方針が示されました。

　　国土強靭化関連の補助金や交付金には、インフラ関連の防災安全交付金をはじめ、学校耐震化などに関わる学校施設環境改善交付金や高齢者施設の防災・減災対策の交付金、保育所等整備交付金、鳥獣被害防止総合交付金など多岐にわたり、本市の政策推進に欠かせないものが多くあります。

　　一方、この国土強靭化地域計画の策定状況は、内閣官房の資料によれば、本年11月現在、全国1,741市町村のうち、策定済みはわずか117市町村、予定を含む策定中も753市町村にとどまっており、本県で策定済みの市町村はゼロという状況です。

　　そこで、次の点についてお伺いをします。

　　まず、この国土強靭化計画の必要性をいかがお考えでしょうか。

　　また、この度の国土強靭化地域計画の策定は、その手法に少し違和感を覚えながらも、現実論として市民の安全・安心に向けた対策を加速する必要性を鑑み、本市においても早急にこの地域計画を策定するべきと思いますが、市長のお考えをお伺いいたします。

　　２点目は、共生社会の推進についてです。本市は本年６月に「東根市障がいを理由とする差別の解消の推進に関する条例」が施行し、10月にはパラリンピックの「共生社会ホストタウン」登録を受け、全ての市民がお互いの人権や尊厳を認め合い、生き生きと暮らし、町全体が優しさと思いやりにあふれ、共生社会都市東根の実現に大きな一歩を踏み出したと思います。

　　そこで、次の点についてお伺いをします。この共生社会推進都市に向けた、市長のお考えをお伺いします。あわせて共生社会の推進に向けた庁内の取り組みについて、状況をお伺いします。

　　以上を登壇での質問といたします。

○細矢俊博議長　１番齋藤俊一郎議員の質問に対し答弁を求めます。

　　土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　齋藤俊一郎議員のご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、国土強靭化地域計画でありますが、近年台風や大雨を始めとする大規模な自然災害が多発しており、今年も台風15号が千葉県を中心に、台風19号が長野県や福島県、宮城県など、東日本一帯を襲い、甚大な被害をもたらしたことは記憶に新しいところであります。時間雨量100ミリメートルを超える豪雨は今や珍しくない状況となっており、地球温暖化などの影響により、日本の気候は亜熱帯性気候に変わりつつあるのではないかと、私は感じている現在において、いつどこで大規模な災害が発生してもおかしくないような状況にあることを認識し、安全・安心なまちづくりを進めていく必要があります。

　　そのためには、大規模災害に備え、人命の保護、地域社会の重要な機能が致命的な障害を受けずに維持されること、被害の最小化、迅速な復旧復興を念頭に、総合的な取り組みを計画的に実施し、強靭な地域づくりを進めていかなければなりません。

　　こうした意味において、災害によるあらゆるリスクを見据え、最悪な事態に陥ることを避けるための体制をつくり上げていく国土強靭化地域計画を策定することの意義は極めて高いもの認識をしております。

　　なお、国土強靭化基本法は臨時措置法でありまして、来年いっぱいで切れるわけであります。過般、私も先ほど申し上げましたように、全国公立学校の期成会で陳情、要請にまいった場合も、私からも特に申し上げましたが、来年いっぱいで終わるのではなく、引き続き国土強靭化基本法について延長をお願いをしてきたところであります。

　　これまでも、防災等に向けた取り組みを進めてまいりましたが、安全・安心に向けた対策をより強固に加速させるためにも、本市としましても早急に策定するよう、関係部門に先月指示をしたところでありますので、ご理解をお願いいたします。

　　次に、共生社会の推進についてであります。はじめに共生社会「推進都市」に向けた考えについてでありますが、共生社会は男女を問わず、障がい者、高齢者、子どもなど全ての人が社会の構成員として認められ、地域の人々や地域組織、ボランティアやＮＰＯなどの多様な主体による機関との連携により、生活における楽しみや生きがいを見出して、安心してその人らしい生活を送ることができる社会と考えております。物の豊かさや生活の便利さ以上に、他者とのつながりや社会との関わりこそが個人にとっての幸せであり、その社会における地域コミュニティの機能向上につながっていくものと捉え、第４次総合計画に掲げた「だれもがやすらぎと充実、しあわせを実感できるまち」にも通じるものであり、政府が掲げる「１億総活躍社会」もその延長線上にあるものと受けとめております。

　　また、社会的な弱者に開かれた社会システムや多様性を受け入れ行動する市民は、今後の国内外との交流やインバウンド観光などにおいても、まちの強み、魅力となっていくことから、ソフト、ハード両面での条件整備が必要であります。

　　次に、共生社会の推進に向けた庁内の取り組みについてでありますが、本市においては６月に「東根市障がいを理由とする差別の解消の推進に関する条例」を施行し、共生社会の推進のために障がいに対する偏見などの心の壁や、社会参加を妨げている社会的障壁を取り除くための市の責務や市民・事業者の役割を明らかにしたところであります。

　　また、障がい者の地域生活を支えるために、包括的な支援体制の構築が求められており、障がい者の自立支援に向けたサービスの充実にも努めております。

　　市教育委員会においても、障がいのある子どもと無い子どもが学校生活を共にするインクルーシブ教育を重視し、障がいのある子どもが過ごしやすいように施設を改修するなど、環境整備に取り組んでいるところであります。

　　市の公共施設においても、バリアフリーやユニバーサルデザインの考え方に基づき、必要な改修について所管課において検討しているところであります。

　　また、10月にはパラリンピックの「共生社会ホストタウン」の登録を受け、先日シッティングバレーボールドイツ男子代表チームの合宿を招致し、中学生との交流や日本代表チームとの国際親善試合を行ったところであります。

　　さらに、来年４月には同国ゴールボール男子代表チームの強化合宿の受け入れを予定しており、近日中に基本合意書を取り交わすこととしております。

　　これらの取り組みは、心のバリアフリーを前進させる絶好の機会になるものと捉えております。今後とも多くの市民の参加を得ながら、共生社会の実現に努めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。

○細矢俊博議長　１番齋藤俊一郎議員。

○１番（齋藤俊一郎議員）　市長より力強い、そして重要なご答弁をいただきました。ありがとうございました。

　　まず、はじめに国土強靭化地域計画についてでありますが、この地域計画を策定する意義は極めて高い。したがって、先月早急な策定を指示されたとのお答えでした。また、同法の延長を国に要望いただいたとのことでありますが、私も大いに賛同し、同じ思いで運動を進めてまいりたいと存じます。是非進めていただきたいと重ねてお願いをいたします。

　　くわえて、この地域計画は先ほど申し上げたとおり、国の34の関係９府省庁所管の交付金・補助金が該当する広い分野となっております。これから本市でも策定を進める中において、隣接する自治体と関連したものも出てくると思います。青森県八戸市では河川の氾濫など共通のリスクがあることや、近年の災害の多様化、激甚化により、より広域的な視点で災害対策に取り組む必要があるため、周辺の自治体と共同で地域計画を策定し、圏域全体での強靭化へつなげている例もあります。北村山圏域をはじめ、周辺圏域での中心である本市のリーダーシップのもと、災害への不安を払拭するため、防災・減災対策の充実を求める地域市民の声を反映していただき、第５次総合計画の議論や地域防災計画も連携した強くしなやかな地域計画の策定を要望したいと思います。

　　続いて、共生社会の推進とその取り組みについて、大変前向きなご答弁をいただきました。共生社会は男女を問わず、障がい者をはじめ、全ての市民が安心した暮らしを送り、その人らしい生活ができる社会を指し、その実現に向けたソフト、ハード面の条件整備を急ぎたいとのご答弁でした。

　　また、条例制定によって障がいに対する偏見や心の壁、社会的障壁を取り除くための市の責務、事業者の役割を推進していく、さらに障がい者の地域生活を支えるための包括的な体制の構築並びに自立支援に向けたサービスの充実に一層努めていきたいとのことでした。

　　つきましては、この点に関連し、障がい者の方、障がいを持った児童、また疑いのある児童の生活支援について、お伺いをいたします。

　　本市では、障がい者並びに障がい児への福祉サービスを推進するため、第５次障がい福祉計画及び第１期障がい児福祉計画を平成30年度に策定し、３カ年計画の中で福祉サービスの目標数値及び提供体制を確保していくと定めております。

　　そこで、第５次障がい福祉計画にて設置を定めた、障がい者の重度化・高齢化や、親なき後を見据え、居住支援のための５つの機能を地域の実情に応じ整備し、障がい者の生活を地域全体で支えるサービス提供拠点、すなわち地域生活支援拠点の設置状況や、それに伴う障がい者やその家族の相談玄関として、地域の障がい者福祉に関する相談の、中核的な役割を担う基幹相談支援センターの整備など、現状と課題について、健康福祉部長にお伺いをいたします。

○細矢俊博議長　芦野健康福祉部長。

○芦野耕司健康福祉部長　お答えいたします。

　　障がい福祉計画は、市内の障がい福祉サービスのニーズを把握いたしまして、具体的な数値目標と福祉サービスの見込み量を定める３カ年の計画でございまして、第５期の計画は目標年次を令和２年度としております。

　　この計画に掲げております、ご質問の地域生活支援拠点は、障がい者の生活支援のための相談機能ですとか、緊急時の受け入れ対応、体験の機会や体験の場、それから専門的人材の確保養成、地域の体制づくりなどを担うものでございまして、１カ所の設置を目標としておりますが、現在は未設置の状況となっております。

　　国の方針に基づいて、全ての市町村がこれを目標に掲げておりますが、想定されるサービス利用者という点からも、それから市内にある施設だけでは地域生活支援拠点の５つの機能を満たすことが難しいという点からも、単一の市域での設置というのは難しいのかなと考えておりまして、広域での枠組みの設置というものが理想ではないかと思っております。

　　５つの機能の核となります、ご質問がありました基幹相談支援事業所の整備につきましては、各市町村に設置しております相談支援事業所との調整を図りながら、検討を進める必要があるかなと考えております。

　　現在は、北村山の行政、それから相談支援事業所、障がい者施設等の担当者で構成しております北村山自立支援協議会において、地域生活支援拠点について、北村山での面的な整備の可能性を検討しておりまして、必要に応じてはさらに大きな村山地域とか、そういう大きな枠組みでの設置というものも検討していきたいと考えております。よろしくお願いいたします。

○細矢俊博議長　１番齋藤俊一郎議員。

○１番（齋藤俊一郎議員）　ご答弁ありがとうございます。

　　今の答弁の中では、国の方針に基づいて全ての市町村が地域生活支援拠点の設置を目標には掲げているが、想定される利用者数からも市単独での設置は難しい。したがって、広域圏の枠組み設置が望ましいとの答弁でした。

　　そして、本市の広域圏である北村山地区では、基幹相談支援センターの設置ができていないため、相談支援事業所に調整役を担っていただいていると。相談支援事業所と障がい者施設、行政とで北村山自立支援協議会を設置し、その協議会で地域生活支援拠点の面的整備、すなわち地域における複数の機関が分担して機能になる体制の構築を目指し、現在検討しているとの答弁でした。

　　それでは、地域生活支援拠点が目指す居住支援に対し、第５期の同計画で定める居住系サービスである共同生活補助の、平成30年度の利用見込み数と実際の利用実績、及び本市設置後も含めた実態の現状についてお伺いをいたします。

○細矢俊博議長　芦野健康福祉部長。

○芦野耕司健康福祉部長　お答えいたします。

　　計画における平成30年度の共同生活援助、いわゆるグループホームの見込み量とその実績は同数でございまして、月あたり34名となっております。市外の事業所と連携を図りながら、サービスの提供を行っているところでございます。よろしくお願いいたします。

○細矢俊博議長　１番齋藤俊一郎議員。

○１番（齋藤俊一郎議員）　今の答弁にありましたとおり、見込みと実績は同数で、過去年度から下回ることもなく、一定の希望者で保たれているということでありました。ちょっと答弁ありませんでしたけれども、多分市内事業所の設置有無に関しては、みやま荘共同生活事業所さんで、平成22年から東根市内民間アパートの一部を利用して、小さなグループホームと言えるかどうかまでですけれども、行っている現状と伺っておりますが、やはり希望者の皆様のお話を伺えば、市内での本格的共同生活補助施設の設置数はまだ現状ではゼロというのが現状で、これを望む声が大きいということではないかなとこう思っています。

　　先ほど申し上げたとおり、障がい者の重度化・高齢化や親なき後、さらには家族の高齢化を考えれば、通称グループホームの本格的な施設の市内への設置は喫緊の課題であり、さらに根本の解決には、地域生活支援拠点及び初期対応のワンストップ相談窓口である基幹相談支援センターの設置が、非常に重要だと思います。北村山自立支援協議会で面的整備を軸に、現在検討をしているとのことですが、広域の協議会ならではの、他市町村との調整という名の責任転換とならないように、難しい課題ではありますが、早期の結論を導き一歩踏み出すように要望いたします。

　　そして、実現に向けてこの自立協議会が充実の鍵を握ると思います。先般行われた本議会の厚生常任委員会の視察先であった愛知県半田市では、市単独自立協の運営会議が２カ月に一度行われ、その下に専門部会や３つのプロジェクトチームが編成されておりました。この専門部会のうち、子ども部会では子ども・子育て会議と連携し、地域包括ケア部会では虐待防止連絡協議会と連携するなど、相乗効果が発揮されておったと伺っております。　さらに、月１度の頻度で事業者による相談支援連絡会が開催されるなど、障がい者福祉先進都市として基幹相談支援センターも含め、評価されているところと聞いておるところです。

　　これらの優良事例を参考にしていただきまして、自立協議会の強化に向け、予算措置などの積極的行政の関与を強く要望し、次に障がい児の関連について質問をいたします。

　　まず、第１期障がい児福祉計画に定める児童発達支援センターなど、障がい児支援の提供体制整備について、現状をお伺いいたします。

○細矢俊博議長　芦野健康福祉部長。

○芦野耕司健康福祉部長　お答えいたします。

　　障がい児の福祉計画についても、市内の障がい児の福祉サービスのニーズを把握いたしまして、具体的な数値目標と福祉サービスの見込み量を定める３カ年の計画でございまして、目標年次も同様に令和２年としております。

　　その計画に定める障がい児に係る中核的な療育施設であります児童発達支援センターの設置につきましては、昨年度１カ所設置になっております。

　　市内に児童発達支援や放課後デイサービスなどの事業所が開設されまして、早期から療育を受ける体制は充実してまいりましたが、重症の心身障がい児を支援する事業所については、人員体制の確保が難しいことから、１事業所を目標としておりますが、設置は今のところ見込めない状況となっております。

　　当面は他自治体の事業所を利用するなどして、利用者のニーズに対応しておりますので、よろしくお願いいたします。

○細矢俊博議長　１番齋藤俊一郎議員。

○１番（齋藤俊一郎議員）　まず、第１期障がい児福祉計画に定めた児童発達支援センター、ご答弁ありましたけれども、計画に基づき１カ所設置となったとありました。これは児童発達支援センター、療育支援センター「つながる」を指していると思います。設置できたという点は非常によかったとこのように思います。是非担当部局におかれては、唯一となる支援センターとの情報共有など、連携をさらに深めてほしいと要望をいたします。

　　一方で、本市計画に定めた重症心身障がい児を支援する事業所は、本市への設置は現実難しく、他自治体の事業所を利用いただいているとの答弁でした。他自治体では、山形市で既に事業所が展開され、寒河江・西村山地域においてもＮＰＯ法人による重度心身障がい児のための通所事業が始まるなどしており、ニーズを的確に把握いただいて、本市をはじめとした北村山圏域での整備が急がれると思いますので、この点も要望いたします。

　　それでは、先の質問に関連し、児童発達支援、放課後デイ、保育所等訪問支援の、障がい児福祉計画に定めた利用見込みに対し、平成30年度の利用実績はどのようになっているのかをお伺いいたします。

○細矢俊博議長　芦野健康福祉部長。

○芦野耕司健康福祉部長　お答えいたします。障がい児福祉計画における平成30年度の児童発達支援の見込み量は、ひと月あたり37名でありまして、これに対して実績は56名となっております。

　　それから、放課後等デイサービスは見込み量73名に対しまして、実績は85名となっております。

　　保育所等訪問の支援、こちらは見込み量１名に対しまして、実績は４名となっております。

　　利用者がこのように増えた理由については、市内の事業所の充実と合わせまして、サービスや相談事業所が、心配な子どもを持つ保護者に認識されるようになりまして、支援が必要な子どもに必要なサービスを提供できるようになってきている結果だと受けとめております。よろしくお願いいたします。

○細矢俊博議長　１番齋藤俊一郎議員。

○１番（齋藤俊一郎議員）　今のご答弁にありましたとおり、全て計画よりも実績が大きく上回っているとのことですが、これだけニーズがある。そして困っている方がたくさんいらっしゃるという点で、この点に対し、早急な対応を求められると思いますが、対策をお伺いいたします。

○細矢俊博議長　芦野健康福祉部長。

○芦野耕司健康福祉部長　お答えいたします。

　　利用者について今後も増加することが見込まれますことから、利用状況を注視しまして事業所と連携を図りながら、ニーズの把握と必要なサービス量が適正に提供できる体制の確保に努めてまいります。よろしくお願いいたします。

○細矢俊博議長　１番齋藤俊一郎議員。

○１番（齋藤俊一郎議員）　ニーズの確保と、事業者とさらに連携を図り、適正なサービスに努めたいとの答弁でしたが、福祉サービスを提供する上では、障がい児や障がい者の様々な相談に応じ、サービス利用計画の策定を行う相談支援専門員の役割が極めて大きいものと考えます。

　　では、この障がい福祉計画における平成30年度の計画相談支援の見込みと利用実績はどのようになっていますか、ご答弁をお願いいたします。

○細矢俊博議長　芦野健康福祉部長。

○芦野耕司健康福祉部長　お答えいたします。

　　計画における平成30年度の障がい者の計画相談支援については、見込み量235名に対しまして、実績は243名となっており、障がい児の計画相談支援については、見込み量110名に対しまして、実績は120名となっております。よろしくお願いいたします。

○細矢俊博議長　１番齋藤俊一郎議員。

○１番（齋藤俊一郎議員）　答弁にありましたとおり、こちらも見込みを利用実績が上回った状況が起きています。したがって、これによって計画相談支援員さんの事務量も増大化をしており、この状況を脱却する上でも早期の基幹相談支援センターの設置が望まれていると思います。

　　本市においては、障がいに対する社会情勢の変化とともに、第５期障がい福祉計画、第１期障がい児福祉計画の施行により、事業所が増加し、サービスが充実し始めている一方で、ニーズは予想を超え増大しているのは明らかです。繰り返しになりますが、北村山自立支援協議会での各対応への結論を急ぎ、地域生活支援拠点の整備を早急に実施する必要が求められております。そのためには、障がい者や障がい児の相談に応じ、助言や他機関との連絡調整、サービス利用計画を作成する相談支援専門員の待遇改善が喫緊の課題であり、件数主義から人に対する支援をはじめ、市内事業所との連携、市内事業所間での連携を加速していただくことを強く要望し、次に市内で行われていることばの教室についてお伺いいたします。

　　市内小学校児童を対象としている教室と、山形県が実施している就学児前幼児を対象にした主に言葉に関する相談指導のための教室の２つがあると思います。

　　特に、山形県事業については、今申し込んだとしても受講はできず、年度内は満員の状態とのお話を伺っておりますが、現状を教育次長にお伺いします。

○細矢俊博議長　高橋教育次長。

○高橋重俊教育次長　お答えをいたします。

　　東根小学校の「ことばの教室」でありますが、学校内には実は２つの教室が開催されております。

　　その１つ目ですが、市内の小学校児童を対象としました「言語障がい通級教室」として開設をしております「ことばの教室」になります。この教室は現在職員２名の体制で、市内７つの小学校から25名の児童が通級し、指導を受けている現状にあります。

　　２つ目としまして、小学校入学前のお子さんにつきまして、言葉の発達ですとか、発音が心配な場合などの相談先としまして、県の教育委員会が地域相談窓口を開設しております。

　　この地域相談窓口につきましては、県内５カ所に設置されておりまして、東根小学校内に設置されております窓口では、専任の職員１名が月曜日、火曜日、水曜日の週３日、午前９時から午後４時まで常駐しまして、相談と指導が行われております。こちらは対象者が東根市内に限らず、北村山管内に在住の未就学児が対象となること、また希望する時間帯が朝夕の時間帯に集中しやすいことなどから、相談者の希望にあった日程がとりにくい状況にあると伺っているところであります。

　　ご理解をお願いいたします。

○細矢俊博議長　１番齋藤俊一郎議員。

○１番（齋藤俊一郎議員）　ご答弁にもありましたとおり、県事業の地域相談窓口は日程確保が大変困難な状況とのことです。小学校進学時における本市のことばの教室にも関連してきますし、東根市立東根小学校を使用するとともに、本市幼児の利用ニーズも高いと伺っておりますので、県関係機関に実態を伝えていただき、改善に向けた要望をお願いし、次の共生社会の推進に関連した質問に移りたいと思います。

　　先ほどの市長のご答弁の中で、「共生社会ホストタウン」登録を受け、シッティングバレーボールドイツ代表チームの合宿も招致できた。中学生との交流も行われ、これらの出来事は心のバリアフリーを進める絶好の機会となったとありましたが、今後スポーツを通じた障がい者並びに障がい児への理解に向けた本市の取り組みについて、状況を伺います。

○細矢俊博議長　高橋教育次長。

○高橋重俊教育次長　お答えをいたします。

　　本市のスポーツを通じた障がい者等への理解に向けた取り組みについてでありますが、市民体育館の指定管理者であります、市体育協会が開催している体育の日記念事業におきまして、ボッチャやカローリング体験など、障がいを持った方と健常者が一緒に楽しめるイベントを開催しております。

　　また、総合型地域スポーツクラブ「マイ・スポーツひがしね」では、ボッチャやカローリング、卓球バレーなどの教室、各地域公民館などへの出前教室を開催しておりまして、障がい者スポーツの理解を深める事業を実施しているところであります。

　　また、市内小中学生を対象に、東京オリンピック・パラリンピックへの機運醸成、障がい者スポーツへの理解と心のバリアフリー、多様性を尊重する意識を醸成するという目的で事業を展開しております。昨年度は、東京オリンピック招致活動に尽力されました、パラリンピアンの谷真海選手、今年は、リオデジャネイロパラリンピック陸上競技女子400メートル銅メダリスト、日本体育大学大学院生の重本沙絵選手の講演会を開催いたしました。

　　今後も障がいの有無に関わらず、広くスポーツを楽しめる環境を整備するとともに、障がい者スポーツの関心を高めて活力のある共生社会の実現に取り組んでまいりますので、ご理解をお願いいたします。

○細矢俊博議長　１番齋藤俊一郎議員。

○１番（齋藤俊一郎議員）　ご答弁ありがとうございました。

　　様々な機会を通じ、障がい者スポーツの理解を深める事業実施しており、今後も関心を高め、理解を広く深める取り組みをしていくとありました。

　　それでは、今後それらの事業を開催するにあたり、財源が必要になってくると思います。例えばスポーツ省健康スポーツ課所管の障がい者スポーツ推進プロジェクトでは、障がい者スポーツの参加促進に関する事業補助や障がい者スポーツ体験教室などに関し、支援を行っており、来年度予算の概算要求でも、過去最多の1.3億円を文部科学省を通じ、要望しているなど力を入れております。

　　これらの国等の補助メニューを活用し、一層の推進に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。

○細矢俊博議長　高橋教育次長。

○高橋重俊教育次長　お答えいたします。

　　スポーツイベントなど各種啓発事業の実施にあたりましては、効率的な予算執行の観点も踏まえまして、国や県、スポーツ振興くじなどによります、障がい者スポーツ振興関係の補助メニューを調査いたしまして、活用に向けて研究してまいりたいと思います。ご理解をお願いいたします。

○細矢俊博議長　１番齋藤俊一郎議員。

○１番（齋藤俊一郎議員）　是非これらの補助メニューを活用いただいて、共生社会の推進につなげていただきたいと思います。

　　また、本市の社会教育施設並びに社会体育施設においても、バリアフリー化やユニバーサルデザイン化のさらなる整備が必要だと思います。

　　市長のご答弁にありましたこれらの課題について、必要な改修を所管課において検討しているところとのことですが、現状と今後の対策についてお伺いをいたします。

○細矢俊博議長　高橋教育次長。

○高橋重俊教育次長　お答えをいたします。

　　社会教育施設並びに社会体育施設のバリアフリー化についてでありますが、近年整備されました東根公民館、神町公民館は段差のない玄関やトイレ、エレベーターの設置など、高齢者や体が不自由な方も利用しやすい施設となっております。そのほかの地域公民館につきましても、多目的トイレを整備しております。

　　しかしながら、地域公民館のトイレはまだ和式の箇所もございますので、より利用しやすい施設を目指しまして、今年度に実施設計を行い、次年度以降全てのトイレの洋式化を図るべく準備を進めているところであります。

　　まなびあテラスにつきましては、平成28年度に整備された新しい施設であります。そのため、ユニバーサルデザインに基づいたバリアフリーの施設となっております。

　　また、今年度リニューアルオープンをいたしました「東の杜」は、旧東の杜資料館のリノベーションを行い、高齢者や体の不自由な方などからも広くご利用いただける施設として整備をいたしました。開館後、障がいをお持ちの方を含め、多くの皆様からご利用いただく中で、より安心かつ安全に利用するためのご意見なども頂戴しておりますので、今後さらに利用しやすい施設となりますよう改修・整備を検討してまいります。

　　市民体育館をはじめとします社会体育施設につきましては、平成26年度から10年間を計画期間として策定しました、東根市スポーツ推進計画に基づき、整備を進めております。

　　平成29年度には多目的トイレと１階東側の一般用トイレ、こちらを改修しまして全面洋式化と機能充実を図ったところであります。

　　また、今年度は正面玄関の階段に手すりを設置しております。来年春にはゴールボールのドイツ男子代表チームの強化合宿なども予定されておりますので、本市における共生社会実現への理解、機運がさらに高まっているところであります。

　　こうした取り組みを契機としまして、共生社会の実現に向けた施設整備を推進すべく、社会教育及び社会体育施設の改修、長寿命化など、より実効性の高い計画の策定を検討してまいります。ご理解をお願いいたします。

○細矢俊博議長　１番齋藤俊一郎議員。

○１番（齋藤俊一郎議員）　ご答弁ありがとうございました。先日来、お話がある地域公民館の高齢者や障がい者へ配慮された多目的トイレの改修に加え、ホストタウンにおける対外的本市文化の発信基地でもある「東の杜」をリニューアル後の利用者の声を反映し、さらにバリアフリー化を進めるとのことでしたので、他施設の点検も含め、一層のバリアフリー化、ユニバーサルデザイン化をお願いいたします。

　　最後に、先ほどの教育次長の答弁でありましたが、全ての市民の皆様が広くスポーツを楽しめる環境を整備するのも、共生社会推進の１つとのことです。その意味において、本市の社会体育施設などの利用改善について、お伺いをします。

　　昨今のスマートフォンの普及とともに、インターネットでの施設空き状況の確認などがあたり前にできる中で、本市の体育施設を中心に予約状況を確認するには、現在各施設へ電話をするか、施設へ赴くしかありません。利便性の向上と効率化のため、行政のＩＴ化の流れからも山形県で導入している自治体システムの活用など、利用改善が求められますが、考えを伺います。

○細矢俊博議長　高橋教育次長。

○高橋重俊教育次長　お答えをいたします。

　　社会体育施設以外の市の施設の方を見てみますと、まなびあテラスではホームページ上で施設の予約状況を確認できるシステムを導入しております。これらの指定管理者でありますメディアゲートひがしねが運営しますホームページ上の機能として運用しているものであります。

　　また、さくらんぼタントクルセンターにおいても、施設の予約状況をホームページ上から確認できるシステムを導入しております。こちらは本市が加入しております山形県自治体ＩＣＴ推進協議会が提供しておりますシステムを活用して実施しているものであります。今後はこれらの取り組み状況を踏まえまして、利用者の利便性向上を目的に、ホームページ上から社会体育施設の予約状況が確認できる仕組みとして、システムの活用が有効かどうか研究してまいりますので、ご理解をお願いいたします。

○細矢俊博議長　１番齋藤俊一郎議員。

○１番（齋藤俊一郎議員）　ご答弁ありがとうございました。前向きに捉えていただけるものと拝察をし、導入を提言いたします。今回は国土強靭化地域計画の策定と共生社会の推進という強さとしなやかさ、そしてやさしさの要素が備わった政策分野について質疑をさせていただきました。令和の新時代を迎えた今、躍進する東根市の新しい姿としての重要なテーマに対し、前向きなご答弁をいただき議論が深まった点もあったと思います。各種の対策を要望いたしましたが、これからも市民生活の今と未来への責任を求めて質問を終わります。ありがとうございました。

○細矢俊博議長　以上で、ご了承願います。

　　◎東海林克彦議員質問

　　次に、５番東海林克彦議員。

　　　〔５番　東海林克彦議員　登壇〕

○５番（東海林克彦議員）　５番東海林克彦でございます。本日、発言の機会をいただきましたこと、感謝申し上げます。

　　それでは通告に従い、２つの項目について一般質問を行います。

　　１項目、防犯カメラの設置についてお伺いします。本市は従来より推進してきた農工一体のまちづくり、そして近年の、教育によるまちづくりや子育て支援の充実により定住人口や交流人口が増加し、県内で唯一、人口が増加している自治体であることはご案内のとおりであります。去る10月21日には本市人口が４万8,000人を達成した記念セレモニーを、本庁舎ロビーにおいて開催したところ、記憶に新しいところであります。また、山形市の大沼デパート前十字路や山形駅西十字路に次ぎ、県内３例目となる、交差点スクランブル化がさくらんぼ東根駅前交差点で実施されるなど、さくらんぼ東根駅を中心とし、まなびあテラスや東桜学館へ至る道路にはますますにぎわいが出てきております。半面、山形県警発表資料によりますと、本市における平成30年の刑法犯罪発生件数は117件であり、村山警察署管内における発生件数全体の71％を占めております。今年においても、10月までの途中集計でありますが、142件と、既に昨年の実績を上回っている状況にあります。私は刑法犯罪の発生を減らす１つの方策として、防犯カメラによる犯罪の抑止効果が期待できるものと思っております。また、その他にも、その場所の利用者に安心感を与え、犯罪に対する不安を緩和する効果や、事件発生時には録画した画像を利用して犯人を特定する犯罪捜査に貢献する効果があります。本市においては、過去に、郊外の道路で相次いで側溝の鉄製ふたが持ち去られる事件が発生したことから、盗難に対する抑止効果を期待し、監視カメラを取りつけた事例。不審者対策として、小学生の通学路である国道の横断地下道に、道路管理者より複数の防犯カメラを取りつけていただいたこと。さらに、本市の小中学校玄関にカメラつきインターホンを設置した経過などがあります。また、県内の自治体において、地域で防犯カメラを設置する場合の補助制度を創設している事例もあると聞いております。

　　そこで、２点についてお伺いします。１点目、近隣自治体において、道路や公園における防犯カメラの設置状況はどのようになっているのか、把握しているものはあるのでしょうか。２点目、さくらんぼ東根駅には防犯カメラが設置してあります。ここからまなびあテラスや東桜学館、市役所等に至る道路は歩道が広いこと、夜間は連続照明で明るいこと、また冬期間は消雪歩道で歩きやすいことなどから、通勤通学の方はもとより、ウォーキングや散歩のため、周辺部から訪れる方も多いと聞いております。ただ、この沿線には民家が少ないため、店舗等の営業時間が終了した後は閑散となるのであります。そこで、交通事故や刑法犯罪を抑止し、ますます安全安心な環境整備を図るため、本地域に防犯カメラを設置してはいかがでしょうか。

　　続きまして、２項目目であります。有害鳥獣による農業被害等の現状についてお伺いします。野生鳥獣による農作物被害については全国的な問題として取り上げられており、市中央部に人口が増えている本市にとっても例外でなく、市内の畑、田んぼ、さらには家庭菜園に至るまで被害が発生しております。東北農政局の統計によれば、過去３年間の山形県内の農作物被害は５億9,000万円から５億1,000万円と若干減少しているとあります。これは、スズメやムクドリ、カラスなどの鳥類によるものが減少したためでありますが、鳥類と獣類の比率が６対４であったのが５対５となり、逆に獣類の被害は徐々に増加している状況にあります。そこで今回は、特にイノシシ、サルによる農業被害の現状についてお伺いします。

　　はじめに、山形県においてイノシシは明治末期に絶滅したとされておりましたが、平成14年１月に天童市東部において１頭が狩猟捕獲されて以降、狩猟や有害駆除により捕獲される数や地域が徐々に拡大しており、全県に被害が広がることが懸念されております。本市におきましても、中山間地域を中心にイノシシによる農業被害が発生しております。例えば、田んぼや畑の土を掘り返し、作物の食害ばかりでなく、果樹畑においては整地が必要になり、草刈り機が使えなくなる等の事例も発生しております。また、田んぼではあぜをつくり直さなければならないなどの被害が多く発生しております。さらに、稲刈り間近の圃場に侵入し、稲穂の捕食や稲の上で転がり泥浴びをするため、収穫不能になる部分が発生するなど、農業生産意欲を著しく阻害する事態となっており、離農するきっかけにもなりかねません。

　　続きまして、サルによる農作物被害も以前から中山間地域において深刻化しております。特に東部地区においては、田畑はもとより家屋の屋根に登り、窓の閉め忘れがあれば住宅の中に侵入し食べ物をあさる始末であり、子どもや女性では追い払うのも容易でない状況にあります。これらの被害に対し、本市では平成28年度に東根市鳥獣被害防止計画を策定し対策を行うとしております。そこで２点についてお伺いします。１点目、イノシシ、サルによる被害実態はどのように推移しているのでしょうか。２点目、どのような対策が行われているのでしょうか。

　　以上お尋ねして、登壇での質問といたします。

○細矢俊博議長　５番東海林克彦議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　東海林克彦議員のご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、防犯カメラの設置についてであります。議員ご質問の近隣自治体における道路や公園への防犯カメラの設置状況につきましては、自治体が設置しているカメラのほとんどが施設の管理等のために設置したものであり、道路や公園などに設置している例は極めて少数でありました。本市におきましても、市内の各施設等に47台のカメラが設置されておりますが、主に施設管理のためのカメラであり、近隣自治体と同様の状況であります。

　　次に、さくらんぼ東根駅から市役所等までの道路における防犯カメラの設置についてでありますが、犯罪はどこで発生するかわからないことから、設置場所の見極めが非常に重要であると考えております。また、設置場所やその周辺住民を含むプライバシーの問題や、映像の提供を前提とした情報の取り扱いなどの課題もあると考えております。

　　これまでも防犯ボランティアなど関係団体のマンパワーによる「見せる防犯」や散歩など、日常活動の機会に気軽に実施する「ながら見守り」などの協力をいただきながら、「地域の目」による防犯のまちづくりに努めてまいりました。防犯カメラによる犯罪抑止力の有効性については広く認知されているところであり、万が一、事件が発生した場合においても、防犯カメラの映像をもとに、事件の早期解決につながれば、市民の不安解消に加えて安全安心なまちづくりにするものであると捉えております。

　　先般、本市で発生した事件においても、防犯カメラの映像データが解決につながったことは記憶に新しいところであります。また、本市においては昨年度、車両の運行管理や車両事故等への対応とともに、防犯目的も兼ねて、市所有の全車両にドライブレコーダーを搭載したところであります。防犯カメラは商業施設や金融機関、駐車場など、普段の暮らしの中で普及しつつあります。

　　今後は設置場所の選定条件や設置場所とその周辺住民のプライバシー、情報提供のあり方なども合わせて、防犯カメラの設置に向けた検討を進めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。

　　次に、有害鳥獣による農業被害等の現状についてであります。本市の有害鳥獣による被害につきましては、鳥類が市内全体に広がっているのに対し、獣類は東根地区東部、東郷や高崎地区といった中山間部において発生しており、その内容としては水稲、果樹、野菜等の農作物全般にわたる食害が挙げられます。このうち、サルの被害については民家敷地への侵入の被害も報告されております。また、イノシシについては農地等の広範囲な掘り起こし等により収穫が不能になったケースもあり、農業に及ぼす影響は非常に大きなものがあります。このようなことから、有害鳥獣による農作物被害につきましては、営農意欲の減退、耕作放棄、離農の増加にもつながり、議員ご指摘のとおり本市農業における大きな課題と捉えております。

　　農作物の被害総額については、平成26年度は２億5,643万9,000円であったことに対し、平成30年度は１億2,878万2,000円と減少しており、県内全体を見ても同様の傾向にあります。このうち、本市におけるイノシシやサルによる被害額は、平成26年度が2,519万7,000円、平成30年度が2,450万8,000円となっており、ちなみに参考でありますけれども鳥の被害額は、平成26年が２億1,300万円ほど、平成30年度には9,300万円に減少しております。年度間のばらつきはあるものの、ほぼ横ばいで推移しておりますが、県内全体としてはイノシシによる被害エリアが急速に拡大し、被害額も増加している状況にあります。

　　このような状況を受け本市の有害鳥獣対策といたしましては、農地等に対する侵入防止と、個体数調整や緊急捕獲を主とした鳥獣駆除を実施するとともに、市猟友会や市農協等、関係機関と連携しながら捕獲等の活動や従事者の育成等に支援を行っているところであります。このうち、侵入防止対策につきましては、サルとイノシシを対象に実施しており、サルについては平成21年度から国庫補助事業を活用しながら、今年度までに総延長18キロメートルの侵入防止柵を設置しており、イノシシについては県補助事業と市単独事業により、今年度だけで7.1キロメートルの防止柵を設置したところであります。また、鳥獣駆除につきましては、市猟友会や、平成26年度に発足した東根市鳥獣被害対策実施隊の協力を得ながら、平成30年度の実績として、サル36頭、イノシシ109頭を捕獲し駆除しております。さらに、有害鳥獣対策における関係機関との連携につきましては、駆除主体となる市猟友会をはじめ、平成15年度に結成された東根市猿被害対策連絡協議会や、奥羽山系全体で広域的に被害や対策を検討する場として対象自治体が加入し組織された、南奥羽鳥獣害防止広域対策協議会において、被害等の情報を共有するとともに、有効な対策について検討を行うなどの活動を実施しております。また、市独自で有効な対策の確立に向けた研修会を実施するほか、従事者の育成や関係団体への活動支援も行ってきたところであります。これらの取り組みに加え、平成28年度には３カ年を計画期間とした「東根市鳥獣被害防止計画」を策定し、目標を明確化するとともに、これまで申し上げた各種対策における実効性の向上を図ったところであります。

　　このように多岐にわたる各種有害鳥獣対策を実施してきたところでありますが、ますます深刻化する被害の抑制を図るため、これまで以上に地域や関係団体との連携を密にしながら、より実効性のある対策の確立に向け努めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。

○細矢俊博議長　５番東海林克彦議員。

○５番（東海林克彦議員）　ご答弁ありがとうございます。引き続き、質問席から続けさせていただきます。

　　はじめに、防犯カメラについてであります。ただ今は近隣では施設管理に係るカメラはあるが、道路、公園への設置は極めて少ないとのことでありました。しかし、防犯カメラが市民の不安解消につながることから、今後カメラの設置に向けた検討を進めていただけると、大変前向きな回答をいただきました。ありがとうございます。防犯カメラの設置につきましては、設置場所の選定、住民のプライバシーに対する配慮等の問題もあり、市民への理解を得ることは重要なことと思います。一例として、県警では刑法犯の予防と、被容疑者検挙を図るため、山形市香澄町に７台のカメラからなる街頭防犯カメラシステムを設置し、平成25年度より運用しているとあります。設置に当たっては地域との綿密な連絡調整があったものと推測されます。このあたりも参考にしていただければと思います。なお、山形県においても、プライバシーの侵害に対する県民の不安解消やカメラの効率的な運用を図るため、本年２月に防犯カメラの管理及び運用に関する指針を策定しております。これらも参考にしていただき、本市においても安全安心を確保するため、さくらんぼ東根駅前区域に限らず、設置に向け今後具体的な取り組みを早急に実現されますようお願いいたしまして、本質問については終わります。

　　次に、有害鳥獣対策についてであります。いろいろな侵入防止対策や捕獲等に対する支援策、駆除の主体となっている市猟友会との連携や狩猟従事者の育成についても、独自で支援されていること、さらに奥羽山系全体で対象となる自治体が加入した組織で、広域的な情報共有に取り組んでいることがわかりました。ただ、一般市民につきましては、制度や手続きについてなかなか不慣れなことが多く、個人で対応することは容易ではありません。そこでお伺いします。現在どのような方法で市民へ情報の周知がなされているのでしょうか。よろしくお願いいたします。

○細矢俊博議長　小松経済部長。

○小松伸一郎経済部長　お答えいたします。

　　現在、東根地区、東郷地区、高崎地区にそれぞれ猿被害対策協議会が設置されており、地区住民や区長、農作物耕作者、農協等関係団体が会員となっております。協議会では猿等鳥獣による農作物被害の防止対策の検討や、鳥獣捕獲、駆除数の目標設定などを行っており、侵入防止柵の補助の手続き等、市民への情報周知につきましては、協議会本体やその構成メンバー、さらには市農協等を通して実施している状況であります。また、個人や地域でのニーズ把握や、それに伴う制度への助言、協力については営農指導を通じてきめ細かな対応を図られるよう、市農協とも連携をとっております。本市といたしましては、今後とも地域や関係団体との連携を密にしながら、駆除対策関連情報の市報掲載など、様々な手法を研究しながら情報提供に努めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。

○細矢俊博議長　５番東海林克彦議員。

○５番（東海林克彦議員）　ご答弁ありがとうございました。市内各地の対策協議会や農協、さらに市報等も活用し情報発信を行っているとのこと。周知の現状について理解いたしました。今後とも是非丁寧な説明とＰＲに努めていただきたいと思います。

　　最後に、農業生産物に係る対策として補助事業を実施しており、侵入防止柵を設置しているとの説明をいただきましたが、まだまだ未整備な箇所がありますので、今後とも需要調査と予算の確保についてご配慮いただきますよう、よろしくお願いいたします。また、非農家であっても、自宅敷地内や近隣に家庭菜園をつくっている方がたくさんおります。有害鳥獣被害は農産物、自家用菜園等全く関係なくこうむっており、非農家の分は統計数値には表れていないものと思っております。是非農家ばかりでなく、地域全体の問題として家庭菜園等の対策についても、是非アドバイス等ご支援をいただきますようお願いを申し上げ、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○細矢俊博議長　以上で、ご了承願います。

　　会議の途中ですが、ここで午後１時まで休憩といたします。

　　　午前１１時５８分　休　憩

　　　午後　１時００分　開　議

○細矢俊博議長　午前に引き続き、会議を開きます。

　　◎植松　宏議員質問

○細矢俊博議長　７番植松　宏議員。

　　　〔７番　植松　宏議員　登壇〕

○７番（植松　宏議員）　議員番号７番植松　宏です。

　　発言通告に基づき、３点質問いたします。

　　はじめに、保育園の副食費負担についてであります。政府は10月から消費税率を８％から10％に値上げし、この財源を使い幼児教育・保育の無償化を今年の10月から実施しております。無償化となり子育て世代にとっては助かっていることは事実であります。しかし、保育無償化と聞いて、てっきりただになると思っていた保護者も多かったと聞いておりますが、今まで保育料に入っていた副食費が、大方の保護者が実費で徴収されることになりました。保育所における食育は健康な生活の基本としての食を営む力の育成に向け、その基礎を培うことを目標とすると保育所保育指針に盛り込まれております。

　　つきましては、以下の３点についてお伺いします。

　　１点目、幼児教育・保育の無償化に伴い、不要となる東根市独自の保育料軽減額は幾らになるでしょうか。２点目、10月以降新たに給食費徴収の対象となる１人あたりの金額と、対象となる世帯はどのくらいでしょうか。３点目、「子育てするなら東根市」のスローガンに引かれて東根市に転入してきた子育て世代の負担を軽くするためにも、市が副食費を助成すべきと考えますが、いかがでしょうか。

　　次に、国民健康保険税の負担の軽減についてであります。平成30年度から国民健康保険の都道府県単位化がスタートしました。これまで市町村が保険者となって運営していたものから、都道府県が運営に、財政的な主体として加わってきたものです。運営主体が変更されても、高過ぎる国民健康保険税が軽くなることはなく、東根市においてはほぼ同額の国民健康保険税となっております。国民健康保険の加入者は農家の方や無職の方、非正規雇用者の方など、比較的所得の低い方がほとんどを占めており、税の負担に悲鳴をあげているのが実態です。私ども日本共産党東根市委員会が、今年の７月に市民を対象に東根市をもっと住みよいまちに市民アンケートを行い、94名の方から回答をいただきました。この中に東根市政で優先的に取り組んでほしいことは何ですかという問いがあり、回答者の７割を超す方が、国保税、介護保険料の負担軽減を希望しておりました。特に、子どもの数が多いほど引き上がる国保税の算定の１つとなる均等割は、まるで人頭税、子育て支援に逆行しているのではないかとの批判が出ております。

　　つきましては、以下の３点についてお伺いします。

　　１点目、東根市における国民健康保険、世帯主の職業別構成割合はどのようになっているでしょうか。２点目、財政基盤の強化については全国市長会でも国に対して要望していると聞いておりますが、その後の経過と今後の進め方について、どのようにお考えでしょうか。３点目、均等割については収入のない高校生以下は免除すべきと考えますが、いかがでしょうか。

　　最後に、農作業事故防止対策についてであります。農林水産省では1971年以降、農作業事故による死亡調査を行っております。調査開始後50年近く、全国で年間300人から400人の方が農作業による事故で亡くなっており、その数字はほとんど減少しておりません。そのうち３分の２が、トラクター等の農機による死亡事故とみられます。死亡事故は農作業事故の全体像からすれば氷山の一角とも言われております。農業従事者が高齢化し、かつ減少していく中、貴重な人材を守るためにも東根市における農作業中の事故防止策について３点お伺いします。

　　１点目、東根市における農作業中の事故の発生件数、発生の状況はどのようになっているでしょうか。２点目、東根市における事故防止対策はどのようなものでしょうか。また、その対策の効果は表れているでしょうか。３点目、特に果樹王国東根市として、果樹栽培を中心とした事故防止策を、これまで以上に強化すべきと考えますが、いかがでしょうか。

　　以上、登壇での質問を終わります。よろしくお願いします。

○細矢俊博議長　７番植松　宏議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　植松　宏議員の保育園の副食費負担についてのご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、市の財政負担の軽減額についてでありますが、本市はこれまで保護者の負担を軽減するため、保育料を国の基準より低く抑え、その財源を市が単独で負担してまいりました。この度の無償化により、この負担を国と県も負担することになりましたので、市の負担は軽減されることとなります。その額は3,600万円程度と見込んでおります。

　　次に、保護者からいただく副食費の額と対象者数についてでありますが、副食費は施設ごとに定めることになっており、民間施設においては、国の基準額と実際に提供する食材料費等を勘案して定めております。市内の各施設に聞き取りをしたところ、土曜日利用分を別途加算するなど、施設ごとに設定の考え方があり、全体で月額4,500円から6,400円となっております。市が運営する神町保育所については、国の基準どおりの月額4,500円としております。また、副食費を負担いただく対象者数は、10月１日現在、免除対象としている低所得世帯と第３子以降の子ども231人を除く、814人となっております。

　　次に、副食費の助成についてでありますが、これは議員ご指摘のとおり、今年９月時点は、保育料の一部として保護者より負担いただいておりました。この度保育料のほとんどが無償となる中、副食費が依然保護者負担とされたことには、家庭で子どもを見ている世帯との公平性があります。子どもの昼食は、朝食や夕食、あるいは子どもが身につける衣服と同様、保護者に用意いただくという前提に立つからであります。そのため、主食のご飯はおのおの家庭で用意し、おかずは食育の効果や保護者の労力を考慮して施設で用意することとし、食材料費のみを保護者の負担、調理に要する設備費や光熱水費、人件費を公費負担としております。このようなことから、当面は制度の趣旨を尊重し、ルールどおりの運用を図りながら、今後提起されるであろう国、地方を通じた様々な議論の進展を待ちたいと考えております。

　　我が国の子育て環境は待機児童の問題や保育人材の不足など、依然多くの課題を抱えておりますが、平成27年度の子ども子育て新制度の本格スタート以降、施設の整備が進み、３歳以上児の保育の無償化が実現するなど、ここ数年の間に大きな進展があったのも確かであります。本市といたしましても、独自に第３子の範囲を拡大したほか、認可外保育施設と児童センターにおける多子世帯、低所得世帯の副食費の免除を市の負担で実施しております。今後とも幼児教育・保育制度の適切な運用を通して子育て環境の向上に努めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。

　　次に、国民健康保険税の負担軽減についてであります。

　　はじめに、本市における国民健康保険世帯主の職業別構成割合についてでありますが、国民健康保険の加入者は、他の健康保険等に加入されていない、０歳から74歳までの方が対象であり、その主な職業は農家や自営業者、短時間勤務の就業者、及び無職の方などとなっております。しかしながら、議員ご質問の、世帯主の具体的な職業別構成については、厚生労働省による、国民健康保険加入世帯の状況を把握するための抽出調査に基づく全国規模の数値は示されておりますが、市町村ごとの分析は行われていないため、数値でお示しすることはできませんので、ご理解をお願いいたします。

　　次に、財政基盤の強化に向けた全国市長会による国への要望状況とその後の経過、今後の進め方についてでありますが、全国の自治体において、国民健康保険の財政基盤の安定強化は喫緊の課題であり、全国市長会においても近年継続して国に要請しております。今年６月の全国市長会においては、重点提言として「国保の安定的かつ持続的運営ができるよう、国庫負担割合の引き上げなど、国保財政基盤の拡充・強化を図り、国の責任と負担において、実効ある措置を講じること」などがまとめられました。その後、７月５日に全ての国会議員及び関係府省等に提出し、その実現について要請しているところであります。こうした長年の要請活動の成果の１つとして、国は国保の財政運営を都道府県単位化にする国保改革に合わせて、自治体の国民健康保険に対する財政支援の拡充を行っており、平成27年度からは1,700億円、平成30年度からは毎年3,400億円の公費が追加投入されております。今後も国民健康保険の財政基盤の強化に向け、全国市長会を通じ、国に対し働きかけを行ってまいります。

　　次に、均等割の高校生以下の、免除についてでありますが、均等割は被保険者の人数に応じて課税されるものであり、高校生以下の被保険者についても、基礎課税分と後期高齢者支援金分が課税されます。国民健康保険税に占める均等割の割合は、基礎課税分、後期高齢者支援金分、介護納付金分の全体で約25％となっており、国保財政を支える重要な財源となっております。国民健康保険の被保険者数は年々減少する一方、１人あたりの医療費は被保険者の高齢化や医療の高度化により増加するなど、この厳しい状態は今後とも続くことが予想されます。子育て世代の負担軽減を図ることは重要な課題であると考えますが、医療給付費が増加している中にあって、新たな独自の免除制度を設けることは、結果的に他の加入者への負担転嫁とならざるを得ないことから、現時点での導入は難しいものと考えております。

　　なお、本市独自の施策として、今年10月から国保世帯も含め、高校生まで医療費無料化の対象を拡大しておりますが、子育て世帯の負担軽減については全国の自治体の共通課題であり、国の責任において財政支援が必要であると考えております。今後とも国の財政支援の実現に向けて働きかけを行ってまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。

　　次に、農作業事故防止対策についてであります。

　　はじめに、本市における事故発生件数についてでありますが、病院への緊急搬送情報をもとに取りまとめを行っており、平成26年度から平成30年度までの５年間の平均で、年間14.4件、令和元年度においては11月現在で15件の事故が発生し、そのうち死亡事故については平成26年度に１件発生しております。また、事故発生の状況についてでありますが、収穫時や摘果作業時における脚立からの落下や、さくらんぼ雨よけテントでのビニール設置及び撤去時の事故等、その大部分が果樹栽培における作業に集中しており、さらに事故被害者の年齢構成では、過去５年間の平均で67.1歳と高齢者が大部分を占めております。

　　次に、本市における事故防止対策についてでありますが、県や農協など関係機関等との連携の中で、農作業事故防止のキャラバンを実施したり、農協を中心とした広報車による呼びかけや、注意喚起のチラシを配布したりすることに加え、さくらんぼ収穫前には市報を通じて安全な作業従事を呼びかけるなど、繰り返し啓発活動を実施しております。また、さくらんぼ雨よけテントにおけるビニールの設置及び撤去時の事故を防止するため、「日本一のさくらんぼ名産地生産性向上支援事業」により、昇降用ステップ等を備えた、安全性の高い雨よけテントの整備について支援を実施しているところであります。さらに、さくらんぼ収穫時の人員確保策として実施している「猫の手応援隊」、「援農ボランティア」及び「子育てママ等の雇用応援事業」においては、適正な摘み取り方法とともに、脚立の使用についても講習会を実施し、事故防止に努めているところであります。

　　なお、これらの対策における効果についてでありますが、データを集積している期間の途中から実施した事業もあるため、事業効果を測定するには十分とは言えないものと考えておりますが、過去５年間においては事故発生件数がほぼ横ばいで推移しており、著しい効果があったとは言いがたい状況にあるものと考えております。

　　次に、果樹栽培を中心とした事故防止対策をこれまで以上に強化すべきではないのかといったご質問についてでありますが、先に申し上げました現状の対策を着実に実施していくとともに、果樹の仕立て方についても安全で効率的な平棚仕立てやＹ字、Ｖ字仕立て等の普及について、県や農協などの関係機関等と連携を図りながら研究してまいりたいと考えております。

　　また、農作業における事故の大部分を高齢者が占めている現状を受け、本市といたしましては、この問題の抜本的な解消を図るためにも、関係機関と一体となって、農業後継者の育成や新規就農者の確保に努めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。

○細矢俊博議長　７番植松　宏議員。

○７番（植松　宏議員）　ご答弁ありがとうございました。引き続き、質問席から質問を続けさせていただきます。

　　はじめに、保育園の副食費負担についてであります。消費税率を値上げし、その財源を使って幼児教育・保育の無償化を図るといっても、実態は国が負担するのは半分で、残りの半分を県と市に負担をさせるというのが実態のようです。当然、東根市においても負担も伴うわけですが、その上で先ほどの市長答弁の中に負担軽減額が年間3,600万円程度となるのは、どういった内訳なのでしょうか。

○細矢俊博議長　芦野健康福祉部長。

○芦野耕司健康福祉部長　お答えいたします。

　　市長答弁にもありましたように、独自に保育料を軽減していた持ち出し分が負担の軽減になるということで、その主なものといたしまして、市内外の認定こども園等で1,400万円ほど、東根市立の保育所で約1,200万円ほど、そして東根市立以外の保育所で約900万円となっております。よろしくお願いいたします。

○細矢俊博議長　７番植松　宏議員。

○７番（植松　宏議員）　ありがとうございました。

　　次に、新たな業務となる副食費の徴収事務、これは現場では保育士が担当することになるかと思いますが、現在でも労働条件の厳しい保育士にさらなる負担を強いることにはなりませんか。副食費は月によっても、また個人によっても金額が変動し、その業務は大変な作業になるかと思いますが、いかがでしょうか。

○細矢俊博議長　芦野健康福祉部長。

○芦野耕司健康福祉部長　お答えいたします。

　　市が運営する神町保育所につきましては、市が引き続き副食費を徴収いたしますので、新たな負担は生じません。民設民営のこども園と市内の幼稚園は、これまで保育料を集めていただいていた施設側が引き続き副食費を集めます。集金する額が小さくなるというだけで、事務的な負担には変わりはないということになります。民設の認可保育所と公設民営の東部こども園、こちらはこれまで市が保育料を徴収しておりまして、今後は施設側で副食費を集めることになりますので、一定の負担が生じることになります。とはいいましても、これまでもそれぞれの施設で遠足や教材、保護者会のお金などの集金を行っておりますので、集金の区分が１つ増えるという意味合いになろうかと思いまして、今のところトラブルなどの報告は受けていないところでございます。副食費に限らず、この度の無償化に関する様々な課題があると思いますので、各施設と十分に意見交換をしながら、丁寧に事務を進めていきたいと考えております。よろしくお願いいたします。

○細矢俊博議長　７番植松　宏議員。

○７番（植松　宏議員）　ありがとうございました。仮の話になりますが、恐縮ですが、副食費を払えないような保護者が出てきた場合の対応ですけれども、どのようにお考えでしょうか。その家庭の子どもだけ副食なしというような対応もあり得るのかどうか、その辺も含めてお願いします。

○細矢俊博議長　芦野健康福祉部長。

○芦野耕司健康福祉部長　お答えいたします。

　　まず、副食費が払われない家庭についてのお話ですけれども、給食がないということはないようにしております。制度上、負担の能力の乏しい方には免除の制度がありますので、負担能力のある方に滞納があった場合は、他の保護者との公平性の観点から、支払いを促していくことになります。ただ、その際にも保護者から事情をよく聞いて、そして改善策を一緒に検討するなど、個別の相談にも応じながら適切に丁寧に徴収に努めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○細矢俊博議長　７番植松　宏議員。

○７番（植松　宏議員）　ありがとうございました。副食費を払えない家庭にあっても、子どもに罪はないわけですから、どうか良識ある対応をお願いしたいと思います。先ほどの市長答弁の中に、子どもの副食費の保護者負担については、家庭で子どもを見ている世帯との公平性、子どもが身につける衣服と同様、保護者負担が前提とのご回答がありました。でも、考えてみれば、そもそも保育園の保育料でも世帯の所得に応じて金額はかわってきますし、福祉全体が所得に応じた負担制になっているということは、もう既に皆さん納得のことであります。保育園に入っている子どもの副食費を市が負担することが不公平とは私は思いません。現在共働きで子どもを育てている世帯にあっても、本当は自分で子どもを見たいという方も多いと思います。しかし、１人だけの所得だけでは生活に余裕がなく、やむを得ず子どもを預けて共働きをしている世帯も多いと思います。いろいろ伺ってきますと、東根市においては心配していた副食費の負担を巡って、保育現場に新たな負担が発生することは、今のところないようです。また、職場でトラブルも発生していないということで何よりかと思っております。

　　県内で副食費の減免状況の扱いを調べてみますと、副食費について何らかの対応がある市町村が、東根市も含めて30市町村ありました。ほとんどが東根市のように第１子の年齢制限を拡大しているという減免でありました。そのうちで、全額無償扱いとしている市町村が10市町村ありました。近くでは尾花沢市がこれに該当しております。最上郡にあっては６町村が入っておりました。そこで重ねてお伺いします。子育てするなら東根市、これにふさわしく、副食費も保護者負担なしとするようなお考えはございませんでしょうか。これに要する経費も、今回の措置で負担軽減となる3,600万円の予算、プラス国からの新たな還元金の一部もあると聞いています。還元金で十分賄えると思いますが、結果的にこれによって保育士への負担も幾らかでも軽減できると思いますが、いかがでしょうか。

○細矢俊博議長　芦野健康福祉部長。

○芦野耕司健康福祉部長　お答えいたします。

　　県内にそのような市町村があることは私どもも承知をしております。いずれも少子高齢化と人口減少が著しい地域で、市長の答弁でもありました、在宅での育児との公平性に目をつむってでも副食費を無償とする、そういう難しい判断があったんだろうと考えております。低所得世帯と多子世帯の副食費は、制度上徴収免除となっております。くわえて、市が独自に児童センターや認可外保育所にもこれを拡大したところでありますので、当面は現状維持すべきと考えております。ただし、行政サービスを無償化するという、そういうことについては、１つの自治体がとった対応をきっかけにしまして、瞬く間に県内に波及するということが多々ございますので、周辺自治体の動向には十分注視してまいりたいと考えております。

　　よろしくお願いいたします。

○細矢俊博議長　土田市長。

○土田正剛市長　10市町村というのは、私の理解では幼児教育の無償化以前からの助成制度だと理解をしております。この度の無償化によって植松議員が指摘するような、いわゆる副食費の全額減免制度というものについては、これまでどおり、ルールどおりに基づいて、当面は、私は、公平性というものの観点から、今後とも堅持をしたいと思っております。

　　ただ、部長答弁でもありましたように、今後、副食費について全額無償化するという場合も出てくるかもしれません。あるいは、副食費をこの度設定するときに、政府と地方六団体の協議の中で4,500円と決められたにも関わらず、突如厚生労働省の方から５千何百円かの副食費だということで、我々全国市長会でも猛烈に反対をしたわけであります。今後とも非常に流動的なのでありますけれども、この副食費の問題については様々な問題が、私は隠されていると思います。それらの問題等について今後注意深く見詰めてまいりたいなと思っておるところであります。私も全国市長会の今相談役になっておりますので、随時その情報は入ってきます。そういうことを踏まえて、今後の推移を見守りたいと思っておるところであります。

○細矢俊博議長　７番植松宏議員。

○７番（植松宏議員）　どうもわざわざ市長からもご答弁いただきまして、ありがとうございます。

　　先ほどの10市町村については、確かに10月以前からそのような扱いになっていましたので、副食費とは直接はつながっていないと考えております。いずれ私も引き続き県内市町村の動き、これも注目してまた見ていきたいと思います。よろしくお願いします。

　　続きまして、２番目の国民健康保険税の負担軽減についてであります。

　　はじめに、先ほどの市長答弁の中に、国保は日本皆保険制度を支える大事な医療保険制度であり、将来にわたる持続性を確保するためにも、市町村の努力のみで対応するには限界があり、国の財政支援や拡充は欠かせないものというご認識、私も全く同感であります。全国市長会の要請活動も引き続き頑張っていただきたいと思っております。

　　先ほどの市長答弁には、東根市の国保世帯の職業別構成割合ですけれども、市内では公表できるようなデータはないというご答弁でした。そこで見ていただきたいデータがあります。皆様のお手元にも配られていると思うんですが、全国の職業別世帯構成が資料の１に出ております。一番下の2016年度の棒グラフですけれども、直近の数字で見ても非正規雇用などの被用者が34％を占めております。無職の方が43.9％であります。この２つの職業で国保世帯の８割近くを占めていることがわかります。その隣の資料の２ですが、表の右側が加入世帯の平均所得であります。その左が１人あたりの保険料を示した表であります。資料の１の職業別割合からもほぼ察せられますが、平均所得は1991年の276万円をピークにして減少傾向にあります。逆に国保税は増加の一途をたどっております。当然、資料の３になりますが、差し押さえの件数も増加している状況であります。このことは登壇での質問でも紹介させていただきましたが、私どもが行った市民アンケートの切実な市民の声、これを裏づけるものではないでしょうか。そこで、少しでも負担軽減につなげたいという思いから、高校生以下の均等割を免除してほしいというご提案をしたわけですが、東根市では均等割の金額はどのぐらいの額になるでしょうか。

○細矢俊博議長　浅野目市民生活部長。

○浅野目勇市民生活部長　お答えいたします。

　　国民健康保険税は医療給付費の財源となります基礎課税分、後期高齢者の医療給付費の財源となる後期高齢者支援金分、介護保険給付費の財源となる介護納付金分から構成されておりまして、それぞれに所得割、均等割、平等割がございます。世帯の所得額や被保険者の数に応じて世帯主に課税されます。

　　均等割につきましては被保険者１人あたりの課税額となりますが、基礎課税分の金額が２万3,400円、後期高齢者支援金分が6,500円、介護納付金分が9,500円となっておりますのでよろしくお願いいたします。

○細矢俊博議長　７番植松宏議員。

○７番（植松宏議員）　ありがとうございました。トータルで１人３万9,400円と。高校生以下の場合の年齢層は介護付加金分が該当しないと思いますが、マイナス9,500円にしますと、２万9,900円が高校生以下の均等割の金額となるかと思います。

　　市長答弁にありましたように、これは私の前任の今野孝市議も議会で何回か取り上げておりましたけれども、今年の10月から、東根市では高校生まで医療費が無料化になりました。これはとても市民にとってもありがたいことだと思っており感謝申し上げます。しかし、どうしても、無収入の子どもたちまで税の対象にするという仕組みがひっかかります。子育て世帯の負担になっているということは事実であります。市長答弁の中でも、全国市長会の重点提言に、子どもにかかる均等割を軽減する支援制度の創設も盛り込まれているということなので、是非東根市からも強力に働きかけてもらうことを要望して、次の質問に移ります。

　　最後の農作業事故防止対策についてであります。

　　農林水産省が1971年から行っている農作業死亡事故調査のグラフがあります。資料の５をご覧ください。産業別死亡者の推移を示したグラフであります。農作業事故による死亡者数、交通事故による死亡者数、他産業労災による死亡者数、建設業に関わる死亡者数、それぞれ1971年の数字を100として2013年度まで42年間の変化を示したものでございます。ご覧いただいてもわかりますように、一番上の農作業事故によるものはほとんど横ばいです。数字は載っておりませんが、300人から400人という数字でございます。それと比較して、交通事故にあっては26.9％、他産業では18.6％、建設業にあっては14.7％まで死亡者数が減少しております。これは、他産業の労災では事業主責任が問われ、労働安全衛生法や衛生規則などによって、法的に厳しく規制されてきた結果だと思います。一方、農作業事故は基本的には個人責任とされ、法の規制がありません。もう１つ最後のデータですけれども、資料の６をご覧ください。これはＪＡ共済連が平成25年から28年の農作業中傷害共済、これに加入している方で、共済の給付対象になった農作業事故を分析したデータであります。この間の死亡事故は65件です。後遺障害の残る重大事故は153件です。傷害事故は１万4,582件発生しております。その比率は１対２対217という分析結果であります。このことからも、農作業中の死亡事故は氷山の一角と言われるゆえんかと思います。

　　市長答弁の中に、東根市における事故の発生件数ですが、平均で14.4件ありましたと。これは、救急車で病院に緊急搬送された件数であります。中身が脚立、ハウス棟からの転落事故がほとんどだということですから、当然骨折も伴う長期入院も考えられます。仮にこの14.4件を重大事故と仮定して、先ほどのＪＡ共済の分析データの比率に当てはめれば、単なる傷害事故は1,500件ほど起こったと、東根市において推測されます。この数字はやはり看過できない数字ではないのかと思います。この事故に対する防止対策でありますが、県・農協と一緒になったキャラバンや市報での安全な作業対策の啓蒙、サクランボの雨よけハウスに昇降用ステップ等の取りつける費用の補助・助成等を行ってきたということでありましたが、事故は減ってない状況であります。

　　市長答弁にあった果樹の仕立て方、また安全で効率的な仕立て方の普及に努める方法、これは究極的には問題解決につながるものかとは思いますが、現在収穫中の果樹に対しては適用できない問題があります。このほか、新たな事故防止対策としてお考えになっていることはありますでしょうか。

○細矢俊博議長　小松経済部長。

○小松伸一郎経済部長　お答えいたします。

　　先の市長答弁でもありましたとおり、収穫時や摘果作業時における脚立からの落下や、サクランボ雨よけテントでのビニール設置及び撤去時の事故対策を実施してきたところでありますが、同時に近年の異常気象による温暖化に伴い、農作業中の熱中症の増加も危惧しているところであります。そこで、新たな取り組みといたしまして、昨年から熱中症対策として、さくらんぼマラソン大会の協賛企業から、無償で提供されました経口補水液を、農作業中の水分補給の飲料として、市農協を通じて農業者が集まる会議の場で、協賛企業の専門家から熱中症対策について説明をいただき、各支所や選果場にて農業者の方々に試供品として提供して啓発に努めております。本事業につきましては、本市における新たな取り組みとして、熱中症対策として協賛企業からの支援をいただきながら、今後も継続してまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いします。

○細矢俊博議長　７番植松宏議員。

○７番（植松宏議員）　ありがとうございました。確かに、夏場の熱中症から事故につながるケースも結構あるかと思います。そういった面では効果的かなとお聞きしました。是非普及していただきたいと思います。

　　今回この問題を質問するに当たって、過去の議事録を見させていただきました。その結果、平成22年の第２回定例会で、当時大場英雄議員が農作業事故の現状について質問しておられました。その質問の中に、大場議員がつかんだ農作業による事故数が出ておりまして、平成21年に21件の事故があったということでした。うち18件が脚立、ハウスからの落下で９割近くを占めておったということで、現在と全く同じような比率です。そのうち６人が入院したという状況も記録されておりました。当時、市側の答弁では、その事故の実数すらつかんでいないという状況でしたので、今回は一歩前進しておったと、率直に私も感心しました。しかし、現在の事故の発生件数は平均で14.4件と、これは全て入院ということでないかと思いますが、当時の入院数６件と比較しても、何のまだ改善にもなっていないのではないかと思っております。当面は、やはり地道に安全施設の新設や追加などへの補助事業のＰＲ、また事故防止キャンペーンや安全作業の啓蒙活動、こういったものを東根市の実態に合わせて、必要とあらば事故の生のデータ等も示しながら強化していく必要があるのではないでしょうか。このことをお願いして、私の質問を終わらせていただきます。

　　ありがとうございました。

○細矢俊博議長　以上で、ご了承願います。

　　◎高橋弓嗣議員質問

○細矢俊博議長　次に、２番高橋弓嗣議員。

　　　〔２番　高橋弓嗣議員　登壇〕

○２番（高橋弓嗣議員）　２番高橋弓嗣でございます。それでは通告に従い、都市計画道路宮崎西道線延伸事業に向けた市の取り組みについて、インゲルハイム・アム・ライン市訪問の成果と今後の展望についての２点を質問させていただきます。

　　はじめに、都市計画道路宮崎西道線延伸事業に向けた市の取り組みについてであります。

　　都市計画道路宮崎西道線は宮崎から三日町までが開通しておりましたが、第１期区間の整備として平成19年度より延伸に着手し、平成26年に、三日町から一日町までが開通いたしました。平成31年３月には、今年でございます。東北中央道東根インターチェンジから東根北インターチェンジが開通し供用開始になったことにより、宮崎西道線は東根北インターチェンジから東根北部ブロックの市街地を結ぶ主要幹線道路としての役割が大きくなっているところです。しかしながら、５年経過した現在、一日町でその延伸事業はとまったままであります。都市計画道路宮崎西道線は国道48号を結ぶ主要幹線道路でもあり、今後大森山公園周辺を予定している道の駅を中心に、東の玄関口として仙台圏からの村山地域観光のアクセスを担う路線であり、今後の交流人口を考えた上で重要な道路であります。また、既存路線である主要地方道尾花沢関山線は、国道48号から新庄方面への最短ルートになることから、朝夕の交通量が非常に多いことに加え、東根小学校児童の通学路となっている日塔橋周辺の交通安全対策も課題となっております。さらに本町の商店街を大型車が通行することができないことなどの問題もありますが、地形などにより狭隘区間の解消が困難な路線であります。都市計画道路宮崎西道線が延伸整備されることにより主要地方道尾花沢関山線の通過交通が軽減されることが予想され、既存路線の安全性の向上が図られます。また、国道48号から東北中央道までのアクセスがよくなることにより、新たな産業や流通の誘導が可能になると考えられます。あわせて工業団地や市民体育館、よってけポポラを通る、県道大森山工業団地線のバイパス的な役割を果たし、観光シーズンなどには混雑を分散する役割も果たすと考えます。こうした状況を考え、都市計画道路宮崎西道線の延伸事業向けて、今後の市の取り組みについて市長にお伺いしたいと思います。

　　２点目は、インゲルハイム・アム・ライン市訪問の成果と今後の展望についてであります。

　　近年、国際交流が盛んになり、出入国在留管理庁が発表した在留外国人数は282万9,416人で昨年末から3.6％増加し、過去最高を更新しております。本市に居住する外国人も年々増加傾向にあり、平成30年３月末の住民基本台帳に基づく外国人住民は269名、今年の３月末には321名と、こちらも増加しております。また、昨年の10月から今年の２月にかけて、山形と台湾を結ぶチャーター便は144便就航して約１万人が利用、今年度も同様に秋から冬にかけて150便が就航いたします。こうしたことを背景に、本市にも外国人観光客が訪れ、新たな交流が生まれ、様々な波及効果が生まれることが期待される中、地方にも国際化の波が押し寄せ、今後さらなる国際化に向けた積極的な取り組みが必要と考えます。

　　本市においては、土田市長が国際化の時代を見据え、国際交流の推進を市政運営の重点に掲げ、インゲルハイム・アム・ライン市との交流を展開しております。一昨年には自ら独訪し、昨年は市制施行60周年記念式典に同市のラルフ・クラウス市長をはじめとする関係者を招待し、東根の魅力を理解していただいたことかと思います。また、今年は土田市長がインゲルハイム・アム・ライン市最大のイベントである赤ワインまつりに招待を受け、市民訪問団とともに同市を訪問されました。帰国後には、細矢議長より議員懇談会の中でインゲルハイム・アム・ライン市の執行部に加え、議員からも大変なもてなしを受けたことなどの報告がありました。さらに、市民訪問団の交流の様子を紹介した地元紙は、大きな成果を上げたことを伝え、市民の関心が大変高まっているところであります。

　　そこで、この度のインゲルハイム・アム・ライン市訪問の成果と今後の展望について、市長にお伺いいたします。

　　以上で、登壇での質問を終わります。

○細矢俊博議長　２番高橋弓嗣議員の質問に対し、答弁を求めます。

　　土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　高橋弓嗣議員のご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、都市計画道路宮崎西道線の延伸事業に向けた市の取り組みについてであります。都市計画道路宮崎西道線につきましては、議員ご指摘のとおり、東北中央自動車道東根北インターチェンジから東根本町、さらに国道48号を結ぶ主要幹線道路であり、大森山公園周辺への整備を予定している道の駅を玄関口として、仙台圏から迎える、本市観光振興の要となる重要な路線であります。また、既存路線である主要地方道尾花沢関山線は朝夕の交通量対策、東根小学校児童の通学路としての安全対策が必要な路線であります。しかしながら、地形的に狭隘区間の解消が困難なため、宮崎西道線を代替のアクセス道路として整備することで、既存路線の通過交通の軽減と安全性の向上が図られ、観光振興のみならず新たな産業や流通の誘導が可能になる重要な路線と捉えているところであります。

　　このため、今年７月、山形県に対する本市の重要事業として宮崎西道線の新規採択を要望したところであります。山形県からは「東根市の立場に立ってともに検討していきたい」との話をいただいており、早速８月には県と市の事務担当者による勉強会を立ち上げたところであります。現在、県と市が一体となって事業採択に向けた課題整理を行っているところであり、来年度については調査事業を立ち上げ、技術的な課題等についても研究していくこととなっております。今後とも、山形県に対し新規採択について強く要望してまいりますので、ご理解をお願いいたします。

　　次に、インゲルハイム・アム・ライン市訪問の成果と展望についてであります。

　　この度のインゲルハイム・アム・ライン市訪問につきましては、クラウス市長をはじめ、会派代表の議員、各種団体の代表者などから温かい歓迎と心のこもったおもてなしを受けたところであります。前回訪問した際には、議会の一部に、遠く離れた本市との交流に懐疑的な見方もあったようでありますけれども、今回議会も一緒になって歓待していただいたことは、今後の交流に対するインゲルハイム市の前向きな姿勢の表れであり、同市との関係が着実に前進しているということを実感したところであります。私はクラウス市長とかたく握手を交わし、団体や市民同士の交流を積極的に展開しながら友好関係を確実に育んでいくことを誓い合ったところであります。会派代表議員の立ち会いのもとで、姉妹都市提携に向けた道筋を確認することができたことは、非常に大きな成果であります。

　　また、この度の訪問によって、団体同士の交流の芽が出たこと、子ども同士の交流が始まったことも大きな成果の１つであります。インゲルハイム市主催の晩さん会では、団体同士の活発な情報交換が行われ、特に「ロータリーは世界をつなぐ」というテーマのもとに活発な社会奉仕活動を展開しているロータリークラブは、すっかり意気投合し今後の交流を確約したところであります。表敬訪問では、同市の小学校の子どもたちから本市の小学生に宛てた手紙で交流しましょうというメッセージを、私が託されたところであります。国際交流を通して、異なる文化を学び国際性を養うことは、国際化が進むこれからの時代を生きる子どもたちにとって、非常に大切なことであり、早速市内の子どもたちからメッセージを送るよう準備をしているところであります。

　　また、市民訪問団18名は、大勢の市民でにぎわう赤ワインまつりなどに参加し、積極的なコミュニケーションを図りながら交流を深めるとともに、歌や着物で日本文化のすばらしさをアピールするなど、親善の役割を十分に果たしたところであります。海を越えた活発な交流の様子が、現地の新聞やインゲルハイム市のホームページに大きく掲載され、市民に東根市を強く印象づけ、認知度が飛躍的に向上したことは、今後の交流の礎となる大きな成果と捉えているところであります。

　　今後の展望についてでありますが、これからも相互に訪問を繰り返し、また、様々な団体や市民同士に友好の輪を広げることによって、さらに堅固な友好関係を築きたいと考えております。

　　また、同市との交流のメリットとして、異なる文化にふれることにより、自らの文化との違いを認識し、国際性、幅広い知識、柔軟な価値観などを養うことが考えられますが、合併によって生じたインゲルハイム市の中心市街地と周辺地域との格差など、正に本市と共通した行政課題について協力して検証することも交流の１つの意義ではないかなと考えております。まちの成り立ちや特徴がよく似た両市が手をとり合い、共通の課題について学び高め合うことによって、両市はますます進化することができると確信しているところであります。

　　さらには、私は世界平和にも貢献できるものと考えております。現在、807市の全国の市の中においては、それぞれが国際友好都市を締結、あるいは連携をする市が相当の数に上っております。それは、アメリカ、フランス、ドイツ、イギリスなどをはじめ、世界的に、全部が交流をしている現状を見ますときに、私はそれらが仲よくし、異文化の交流を通してそれぞれが理解し合うことが、私は世界平和に貢献し得るものだと強く思うものであります。

　　これからの時代は、人、もの、情報、技術、文化などが国境を越えて活発に交流し、新たな価値と発展をもたらします。こうした状況の中で、今後の行政運営にはグローバル化への対応が不可欠であります。この度の訪問で、確かな友情が芽生えたインゲルハイム市との姉妹都市提携を目指して、引き続き緊密な交流を積み重ねてまいりますので、ご理解をお願いをいたします。

○細矢俊博議長　２番高橋弓嗣議員。

○２番（高橋弓嗣議員）　土田市長、ご答弁ありがとうございました。

　　続けて、質問席より質問を続けます。

　　先ほどの宮崎西道線の話の方になりますが、都市計画マスタープランによりますと、まちづくりの方針として、地域のまちづくりをきめ細やかに対応していくために、東根市を西部、北部、中部、南部、東部の５つのブロックに区分して地域別構想をされております。その中でも、北部ブロックは東根地区の白水川より北部に位置する地域で、東根小学校周辺の本町地区は日本一の大ケヤキをはじめとする歴史的、文化的な遺産が多く点在し、また、商店街を有しているため、初市や城下町夏祭りなどが行われ、にぎわいを創出しております。さらに北部に位置するさくらんぼ東根温泉は開湯100年を超える温泉街で泉質もよく、豊富な湯量で知られているものであります。

　　北部ブロックは歴史的に東根市の中心的な役割を担ってきた地域でありますが、東根市の中心は市行政のご努力によって、さくらんぼ東根駅周辺に移り変わり、新たな中心市街地が確立されましたことは誰しもが認めることであります。東根市の新たな顔としてまちの中心が整備されたことはとても喜ばしいことでありますが、同時に中心部以外の地域の活力が低下しつつあることも事実であります。そうした中、東根北部ブロックの本町については、東根本町地区都市再生整備計画を策定され、けやき交流広場の整備や、今年の４月には東の杜のオープンなど、活性化を図るための拠点施設が充実しておりますが、都市計画道路宮崎西道線の延伸整備により、東北中央道東根北インターチェンジから国道48号を結ぶ流れができた場合、東根北部ブロックのまちづくりの施策についてどう考えていくのかお伺いしたいと思います。

○細矢俊博議長　半田建設部長。

○半田隆建設部長兼水道部長　お答えいたします。東根北部ブロックは、大ケヤキやさくらんぼ東根温泉などの地域資源に恵まれ、また大ケヤキ周辺には歴史深い街並みを残した風情のある地域であります。この北部地区にさらなるにぎわいと町の活性化を図っていくには、国道48号や東北中央自動車道から、新たな交流人口の呼び込みが必要であり、この流れを本町商店街やさくらんぼ東根温泉に回遊するような仕組みをつくる新たな施策が必要と考えております。このため、宮崎西道線の事業の進捗に合わせ関係機関と連携し、また地域の皆さんの声をお聞きしながら研究してまいりますので、よろしくお願いいたします。

○細矢俊博議長　２番高橋弓嗣議員。

○２番（高橋弓嗣議員）　ご答弁ありがとうございます。今後、宮崎西道線の延伸を軸に東根本町地区のまちづくりがさらなる展開を迎えることを期待すると同時に、東根本町地区都市再生整備計画のような整備が、さくらんぼ東根温泉にまで広がり、東根北部ブロックのまちづくりとしての面が幅をもってさらなる地域活性につながることと、そして宮崎西道線の延伸が一日も早く実現できますことを要望とし、都市計画道路宮崎西道線延伸に向けた市の取り組みについての質問を終わりたいと思います。今後とも、県の方への働きかけをよろしくお願い申し上げます。

　　では、続きまして、インゲルハイム・アム・ライン市訪問の成果と今後の展望についてであります。

　　この度の訪問では、インゲルハイム市の議会も一緒になって市民訪問団を歓迎してくれたこと、そしてクラウス市長と姉妹都市提携に向けた、様々な交流事業を展開していくという共通の認識が持てたことなど、両市の将来に向けた光明を見出すことができた、意義深い訪問であったということを理解させていただきました。

　　そして、何よりこの度の訪問で、民間団体同士の交流の芽が出たこと、子ども同士の交流が始まったことは大きな成果の１つであると思います。国際交流を通して、異なる文化を学び国際性を養うことは、これからの国際社会での活躍が期待される子どもたちにとって、非常に大切なことであります。訪問の際には、ペスタロッチー小学校の児童が、土田市長に手づくりのカードを手渡し、本市の小学生と手紙のやりとりで交流することを依頼されたそうですが、今後はどのような交流を展開されるのかお伺いしたいと思います。

○細矢俊博議長　高橋教育次長。

○高橋重俊教育次長　お答えをいたします。

　　インゲルハイム・アム・ライン市のペスタロッチー小学校の子どもたちから、市長に託されました手紙をもとに、市の校長会の方に相談をしましたところ、東根中部小学校から交流の申し出がございました。現在、27名の６年生がお手紙への返事の準備に取りかかっているところでございます。東根中部小学校の６年生は、今年度総合的な学習の時間に国際理解教育をテーマに東ティモールの子どもたちとスカイプなどを通じまして交流を行い、互いの文化や習慣、日常生活の違いなどについて学んでおります。こうした経験を踏まえまして、この度のペスタロッチー小学校との交流では、お返しをする手紙の中に地図で学校の場所を示したり、一昨年の夏に体験しましたドイツのハンドボールチームの試合観戦の印象を書き加えたり、またドイツから譲り受け、東根中部小のシンボルとして育てております、アンネのバラを紹介するなど、その手紙の内容に工夫を凝らしながら取り組んでおります。また、手紙に書き入れます日本語の英訳では、教員やＡＬＴのアドバイスを得ながら、難しい英文による手紙にも意欲的に挑戦しております。こうした相互交流につきましては、単に一過性の取り組みとすることなく、今後も継続し広がりを持った活動に結びつけること、そのことが子どもたちの国際理解を確かなものにすることとともに、本市とインゲルハイム・アム・ライン市との友好のかけ橋の一助になるものと考えております。ご理解をお願いいたします。

○細矢俊博議長　２番高橋弓嗣議員。

○２番（高橋弓嗣議員）　ご答弁ありがとうございます。

　　子どものころからグローバルな視点を持つことは非常に大切なことだと思うところであります。是非、息の長い継続した交流を行っていただくようお願いしたいと思います。

　　今年度は2020オリ・パラのホストタウン事業として、ドイツシッティングバレーボール男子ナショナルチームが本市において強化合宿を行ったところであります。また、子どもの外遊びについて先進地であるドイツと、指導者同士の交流を目的に開催された日独青少年指導者セミナーや、日独スポーツ少年団同時交流などが本市を会場に行われました。さらには、た～んとほおバルフェスタやひがしねウィンターフェスティバルにドイツ発祥のイベントを取り入れ、ドイツ色を強く打ち出しております。こうした市を挙げての様々な分野におけるドイツとの交流は、インゲルハイム市との交流に向けた機運の醸成につながり、姉妹都市提携を力強く後押しするものと考えるところであります。

　　今後とも、この度のインゲルハイム市訪問で築いた交流の基盤をもとにして、様々な団体や市民による交流を積極的に推進していただき、姉妹都市提携の実現と、そして先ほど市長からもありましたが、世界平和に貢献されますことをご期待申し上げまして、一般質問を終わらせていただきたいと思います。

　　ありがとうございました。

○細矢俊博議長　以上で、ご了承願います。

　　会議の途中ですが、ここで午後２時30分まで休憩といたします。

　　　午後　２時１６分　休　憩

　　　午後　２時３０分　開　議

○細矢俊博議長　休憩前に引き続き、会議を開きます。

　　◎片桐勝寿議員質問

○細矢俊博議長　８番片桐勝寿議員。

〔８番　片桐勝寿議員　登壇〕

○８番（片桐勝寿議員）　議席番号８番片桐勝寿です。通告に従いまして質問させていただきます。

　　まずはじめに、外国人観光客の個人旅行者の受け入れ体制の整備についてお聞きいたします。

　　近年、外国人観光客はパックツアーから個人旅行へ、都市部から地方へシフトしてきております。観光庁の訪日外国人消費動向調査によると、パッケージツアーではなく個人旅行で訪日する観光客が、2012年の60.8％から、2017年は75.7％に増加しております。パッケージで組まれている有名観光地から、自分で調べた自分が行きたい観光地に行くというスタイルに変化していることがうかがえます。

　　また、同じく観光庁の宿泊旅行統計調査によると、都市部の外国人宿泊者数は2012年1,776万人から2016年4,186万人へと約2.4倍の増加、これに対して地方は855万人から2,753万人へと約3.2倍に増加しております。先ほど述べたスタイルの変化と相まって、今後地方の様々なまちに多くの外国人観光客が訪れることが予想されます。

　　では、山形県の状況を外国人旅行者の受け入れ数ベースで見ていくと、2017年が対前年比149.3％の19万639人、2018年は対前年比132.3％の25万2,289人と確実に増えてきております。このような状況を受けて、本市の外国人観光客の受け入れ体制の整備について質問いたします。

　　まずはじめに、本市における外国人観光客の状況についてどのように把握しているのかお聞きいたします。続いて、現在の外国人観光客に対する取り組みはどのようになっているのかをお聞きいたします。３番目に、地方への個人旅行が増えているという外国人観光客の変化をどう捉え、これからどのように取り組んでいくのかをお聞きしたいと思います。

　　続きまして、読み書きに困難を抱える子どもたちの学習指導についてお聞きいたします。

　　全般的な知的発達におくれはないが、読み書きの能力や計算力など算数機能のうち、特定のものの習得と使用に著しい困難を示す状況を示す発達障害が学習障害であります。平成24年の文部科学省の全国調査によると、読み書きに困難を抱える子どもたちは全体の約2.4％という報告もあります。学習障害の状況は個人差も大きく、障害の具体的な内容も様々であり、親もなかなか気付かないということが多く、学校に通うようになってはじめて問題が見えてくるという場合もあるとお聞きいたします。周りが気付いて適切な対応をしないと本人は頑張っても授業がわからない状態が続いて、次第にやる気を失ってしまうという二次的な問題が出てきたりするということも考えられます。本市の中にも、このような困難を抱える子どもたちがいると考えます。そこで質問いたします。

　　まず最初に、読み書きに困難を抱える児童・生徒について、どのように把握しているのかをお聞きいたします。続いて、読み書きに困難を抱える児童・生徒についての学習指導はどのようになっているのか、以上２点をお聞きしたいと思います。

　　これで、壇上での質問を終わります。

○細矢俊博議長　８番片桐勝寿議員の質問に対し、答弁を求めます。

　　土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　片桐勝寿議員の外国人観光客の個人旅行者の受け入れ体制の整備についてのご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、国内の外国人観光客の状況についてでありますが、平成28年に国が策定した「観光ビジョン」では、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年には外国人観光客受け入れ4,000万人、2030年には6,000万人を目指すという、観光立国推進の目標が示され、2018年の訪日外国人観光客数は3,219万人と前年比8.7％増という状況にあります。県内における外国人観光客においても、特に平成30年度は台湾からの国際定期チャーター便が山形、庄内の両空港合わせて144便と大幅に増便となり、今年度はさらに拡大し好調な就航を続けております。

　　議員ご質問の本市における外国人観光客の状況についてでありますが、正確な受け入れ客数やその行き先等は把握できておりませんが、東根市観光物産協会の観光案内窓口にも、毎月数人の外国人観光客が問い合わせに訪れたり、東根温泉協同組合の把握では、平成30年度の宿泊者数は367人で、月平均30人程度となっている状況であります。

　　現在の国内における外国人観光客の状況を見ますと、東京・名古屋・京都・大阪といったいわゆる「ゴールデンルート」を訪れる外国人観光客が大多数を占めているという状況であったものが、各地方におけるプロモーションの効果も表れ始めたことから、少しずつではありますが、地方を訪れる外国人観光客が増え続けており、この波及効果はさらに広がりを見せ、今後本市を訪れる外国人観光客数が増加に向かうものと推測されます。

　　次に、現在の本市における外国人観光客のに対する取り組みについてでありますが、東根市観光物産協会が日本政府観光局の外国人観光案内所として認定を受け活動しております。また、多くの温泉旅館や店舗などでは無料Ｗｉ－Ｆｉの整備を行うなど、環境整備に取り組んでおります。さらに、さくらんぼマラソン大会やさくらんぼ種飛ばし大会などの市のイベントにおいても情報発信をしながら、毎年外国人参加者の増加や果樹王国ひがしねをより知ってもらうことを目的に、体験型旅行商品として、さくらんぼ狩りなど観光果樹園への誘客活動を行っている状況にあります。

　　次に、地方への個人旅行が増えているという外国人観光客の変化から、今後どのように取り組んでいくのかということについてでありますが、インバウンド観光のお客様を本市に取り込むためにも、引き続き市のイベントや観光果樹園への誘客活動を行いながら、本市の名産である「さくらんぼ」を食べてもらう、感じてもらうなど、特色を生かしたＰＲを実施してまいりたいと考えております。しかし、「さくらんぼ」という１つの名産品だけで外国人観光客を呼び込んだり、経済効果を高めたりすることは難しいため、周辺自治体の誘客活動や山寺や温泉など、他市町村の観光資源と連携し、相互の魅力を高められるような広域的な取り組みを実施することで本市に来ていただき、さらに経済効果が高まるものと考えております。

　　過般、私はシンガポールに訪問をいたしました。そのときに感じたことは、議員がご指摘のように、最近は個人グループの旅行が約７割を占めているという状況であります。そういうことと、それから最近では交通アクセスの悪い、鳥取県や島根県などの外国人観光客が最近倍増していると。いわゆる観光資源としては、鳥取砂丘あるいは出雲大社、石見銀山など枚挙にいとまがないわけであります。しかし、そういったものが交通アクセスの不便性から、あまり当初は伸びなかったと。そこで、プロの技術者を雇い入れて、そしてＳＮＳなどでその動画を掲載、紹介したところ、外国人の個人旅行者はそれを見て私も行きたいということで倍増したということから見れば、私はＳＮＳを利活用しながら、本市の、例えば大滝であるとか、そういうところをやはりＳＮＳで紹介するなどの必要性があるのかなと。例えば今、タイのドラマでラブストーリーの人気のあるドラマがあるそうであります。この間、シンガポールに行って情報を得たのは、仙台からこの48号を通って、大滝でそのラブストーリーのロケの場所が撮影されたということが紹介をされました。そんなことが、例えばタイの観光客などに、あるいはアピールすることもあり得るかもしれない、そういうことを考えると、今正に第４次産業革命という中において、やはりそういった情報通信というものをさらに高めていく必要があるのではないかなと思っております。

　　そして、残念ながらシンガポールでは東根温泉というのは１回も出てきませんでした。やはりＧＩ東根さくらんぼと十四代、十四代は私どもの隣の町であります。そして銀山温泉あるいは山寺などいくつかの組み合わせを広域連携のもとでやることによって、そういうグループ化した、あるいは個人化したその外国人観光客を本市に入れると、とにかく通過点にしてはならないということが大切だなということをつくづく感じてまいりました。無料Ｗｉ－Ｆｉが利用可能な環境、観光地への２次交通手段の充実、さらには国が今進めているキャッシュレス化の対応、これも重要な問題だと思っております。これら等がポイントとされていることから、このような取り組みについて市としても支援し、強化していくことが必要と考え、市内事業者の自主的な誘客活動を促すため、本市単独事業の「観光交流人口拡大推進事業費補助金」を整備してまいります。今後とも、市内において、インバウンド観光がより活発なものになるよう観光に携わる事業者との関係をより大切にしながら、インバウンド観光について研究してまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いします。

○細矢俊博議長　次に、教育長に答弁を求めます。

　　元木教育長。

　　　〔元木正史教育長　登壇〕

○元木正史教育長　私からは、読み書きの困難を抱える児童・生徒の学習指導についてのご質問にお答えいたします。

　　本市では、読み書きに困難を抱えるなど、特別な支援を要する児童・生徒の状況を把握し、それぞれの実態に合った指導や支援に結びつけるため、「東根市教育支援委員会」を設置しております。委員会では、医療、心理、福祉、特別支援教育等の専門家を委員に委嘱しながら、小中学校から報告を受けた、特別な指導や支援を要する児童・生徒一人一人について、適正な就学や指導・支援のあり方について協議・判断を行っております。

　　また、幼稚園や保育所等と連携しながら、未就学児についても情報を共有し、スムーズに学校生活をスタートできるよう配慮しております。

　　今年度、教育支援委員会で協議し、通常学級在籍と判断した児童・生徒の中にも、読み書きに、困り感や困難を抱える子どもたちが含まれております。一人一人、困難の対応や度合いが異なりますので、各学校の見取りや医療機関の診断、心理検査の結果等をもとに、それぞれの子どもに合った指導・支援の方向性について判断をしております。

　　各学校におきましては、それぞれの子どもの困り感に寄り添いながら、個別の支援計画と指導計画を作成し、一斉指導の中に個別の配慮を加えながら、その子どもに合った指導について工夫を続けております。例えば、読むことに困難を抱える子どもであれば、教師が読んでみせたり、教師と児童・生徒が一緒に読んだり、漢字に振り仮名を振ったりしております。さらに、スリットの入ったシートを教科書に重ねたり、指でなぞったりして今読んでいる行だけが目に入るように指導することもあります。

　　書くことに困難を抱えている子どもについては、マス目やマーク、穴埋め式などの特別な学習プリントを準備したり、時間を多目にとって書かせるなど、工夫をしております。

　　そして、各担任は効果を確かめながら指導について工夫・改善を続けております。

　　教育委員会が各校に配置しているスクールサポーターも担任と協力しながら、個別の指導を充実させる上で効果を発揮しておりますので、ご理解をお願いいたします。

○細矢俊博議長　８番片桐勝寿議員。

○８番（片桐勝寿議員）　それでは、質問席から質問を続けさせていただきます。

　　本市の外国人観光客がどこの国から来ているのかという把握はしているのでしょうか。また、東根温泉への外国人宿泊客の傾向はどのようになっているのでしょうか。そして、外国人観光客の受け入れについての温泉旅館等への支援の状況はどのようになっているのか。以上の点についてお聞きいたします。

○細矢俊博議長　小松経済部長。

○小松伸一郎経済部長　お答えいたします。

　　東根温泉協同組合で把握しているところでは、平成28年ごろまでは、工業団地を仕事で訪れる外国人の宿泊にとどまっていたようですが、29年ごろからは、外国人観光客が見られるようになり、30年度には年間367人が訪れ、さらに今年度も上半期の実績では、昨年に比べ増加傾向にある状況であります。

　　どこの国から来ているかについては、はっきりした統計はありませんが、台湾はじめ東南アジアの方々が多いようであります。また、温泉旅館のほとんどが整備してきた無料Ｗｉ－Ｆｉについては、平成28年度に、国の東北観光復興対策交付金を活用して、整備が急速に進んだところであります。

　　今年度においても、観光交流人口拡大推進事業費補助金を活用して、外国人観光客に対応するため、各旅館の女将や従業員、商店等の東根温泉協同組合員を対象とした外国語会話教室事業を進めております。

　　以上です。よろしくお願いします。

○細矢俊博議長　８番片桐勝寿議員。

○８番（片桐勝寿議員）　昨年度は367人が東根温泉を訪れたと。人数としては増加傾向にあり、はっきりした統計はないが、台湾をはじめ東アジアからの旅行者が多いようだというお話でした。外国人観光客がどこの国から何人東根市に訪れ、何を食べ、どこに行き、何を買ったのか。また、どのようなルートで東根に入ってどこへ向かったかなど、可能であればそのような情報をできるだけ積み上げていくことによって、今後のプロモーション活動や、宿泊施設でのきめの細やかな対応にもつながっていくのだと考えます。

　　今後、さらに、市内宿泊施設や観光施設などと連携し、情報収集に是非努めていただきたく要望いたします。

　　外国人個人旅行者が自分の行きたい場所、先ほど市長からもありましたとおり、シンガポールではもう７割が個人とかグループの観光客だということを鑑みると、自分の行きたい場所に、日本に来ても自分の行きたい場所を探して行くということが通常になってくると思います。先ほど、市長がおっしゃいましたように、一番影響力があるのがＳＮＳなど、実際に訪れた観光客が、インターネットでの写真や自分の感じたことを文章にすることによって情報発信したもの、これが一番影響力があるのかなと思いますが、本市が発信するホームページや観光物産協会など、観光の窓口になる組織のホームページは外国人が読むことを想定しているということが最低限必要であると思います。

　　ここで質問ですけれども、ホームページの多言語化についての整備状況は今どのようになっているでしょうか。

○細矢俊博議長　小松経済部長。

○小松伸一郎経済部長　お答えいたします。

　　本市のホームページは、英語、中国語、韓国語の３カ国語に対応しております。また、市観光物産協会及び東根温泉協同組合のホームページにつきましては、市内観光の概要についてのみ英語、中国語、韓国語、ドイツ語で表記しておりますが、内容全体については多言語対応の整備が未だなされておりません。ただし、英語、中国語、韓国語で表記したパンフレットを作成いたしまして、必要に応じて本市を訪れた外国人観光客の方に案内しております。

　　よろしくお願いします。

○細矢俊博議長　８番片桐勝寿議員。

○８番（片桐勝寿議員）　市のホームページでは３カ国語で対応していると。あと、観光物産協会のホームページは市内観光の概要の部分はドイツ語を含む４カ国語に対応しているということでした。

　　今後、市内の宿泊施設や観光施設なども含めて多言語化の対応を進めていただくことを要望したいと思います。

　　山形空港に入ってくる台湾便は大型のツアーがほとんどで、収容規模の大きい天童温泉に流れる場合が多いと聞いております。収容規模の小さな東根温泉の場合、個人客にターゲットを絞らざるを得ないという現状であります。そのためには、多言語で各宿泊施設、観光施設がホームページをつくるということは不可欠だと考えます。よろしくお願いしたいと思います。

　　続きまして、先ほど市長のお話にもありました、観光交流人口拡大推進事業費補助金というのはどのような制度なのでしょうか。

○細矢俊博議長　小松経済部長。

○小松伸一郎経済部長　お答えいたします。

　　本市において、国際交流元年と位置付けられた平成30年度から３年間、国際交流や観光振興について魅力向上及び環境整備を進め、交流人口の拡大及び対外的な発信強化を目的とした施設整備や誘客事業などに関し、市内の観光関連団体等を対象として補助金を交付し、支援する事業となっております。

　　具体的には、案内看板や観光サインなどの設置・修繕など、ハード事業については補助率３分の１で補助限度額100万円となっております。また、観光誘客などのために新たに実施するソフト事業については補助率２分の１、補助限度額50万円となっております。

　　よろしくお願いします。

○細矢俊博議長　８番片桐勝寿議員。

○８番（片桐勝寿議員）　今年度、この補助金のソフト事業を活用して、外国人観光客に対応するため、各旅館の女将や従業員、商店等の東根温泉協同組合員を対象とした外国語会話教室事業を進めているというお話でした。

　　最終的におもてなしをするというのは、そういった人ですので、サービスの質を上げるためにはそのような研修というのは非常に有効だと考えます。さらに周知し利用を拡大していただければなと思います。

　　ちょっと話は変わりますけれども、12月６日の山形新聞に、飽和状態の銀山温泉に泊まれない外国人観光客に天童温泉に宿泊してもらい、バスツアーで銀山温泉に連れていくというような記事が出ておりました。東京海上日動火災保険地方創生健康経営室のまとめによると、山形県内の観光スポットで外国人のＳＮＳ投稿が多いトップ３というのは、１位が立石寺、２位が蔵王温泉スキー場、３位が羽黒山だそうです。先ほどの銀山はちょっと入ってないんですけれども、こういった近隣市町村の観光資源との連携というのも必要になってくると考えますが、市内の観光資源、先ほど市長が言われた、タイのラブストーリーの中での大滝などというのもその１つだと思いますし、私の思いつくところでは、そのほかに、東根市の場合はサクランボを筆頭にしたフルーツという強力な観光資源というのがまず最初にあるわけですけれども、こういった東根市が優位に立てるものをさらに磨いていきながら、同時に市内の大滝をはじめとした観光資源を掘り起こすというようなことを忘れてはならないと考えます。

　　登山道の整備がなされていないために、限られた人しか登りませんが、猪野沢から登る水晶山というのは、ちょっとした登山を気軽に楽しめるということもあり、修験の歴史というのも、登ることによってちょっと感じられたりとか、非常によい観光資源になるのではないかと考えます。また、そのほかにも、黒伏山や夏のジャングル・ジャングルの有効利用とか、あとは甑岳など、これは私が思いつく範囲なので、まだまだいろんな方のお話を聞くといろんなものが出てくると思います。こういったものを掘り起こすことによって、東根市への滞在時間、そういった写真などを見て、外国の方がここもちょっと行ってみたいななんてことで滞在する時間を増やすことができるのではないかなと考えます。

　　インバウンド観光はさくらんぼ東根温泉が元気を取り戻す大きなチャンスだと思います。市民みんなで知恵を出し合って取り組んでいくことが大切だと考えます。

　　これで、インバウンドに関しては終わりたいと思います。

　　続いて、読み書きに困難を抱える子どもたちの学習指導について質問したいと思います。

　　本市では、東根市教育支援委員会を設置し、医療、心理、福祉、特別支援教育等の専門家を委員に委嘱しながら、支援を要する児童・生徒一人一人について適正な就学や指導・支援のあり方について協議・判断を行っている旨、了解いたしました。

　　学校現場でも、子どもに個別の支援計画と指導計画を作成して状況に合わせて個別の配慮をしながらその子に合った指導の工夫を続けているという旨も了解いたしました。

　　それでは、教育支援委員会が把握している読み書きに困難を抱える児童・生徒は実際どのぐらいいるのでしょうか。

○細矢俊博議長　高橋教育次長。

○高橋重俊教育次長　お答えいたします。

　　今年度、学校から何らかの特別な支援を要する、そして報告をされて教育支援委員会が判断を行いました児童・生徒のうち、読むこと、書くこと、またはその両方に困り感や苦手意識を持っている子どもの数でありますが、小学生が90名、中学生が27名でありました。この中に、ＬＤいわゆる学習障害という診断を受けている児童・生徒はおりませんが、診断のあるなしに関わらず、学校では子どもたちの困り感に寄り添った効果的な指導が行われるよう努めております。

　　先ほど、教育長よりご答弁申し上げました以外にも、集中できる教育環境づくりや、学習の見通しが持てる板書の工夫、絵や単語のカード、学習プリント等の教材・教具の準備などを行っております。これらの取り組みは障がいのあるなしに関わらず、全ての子どもにとってわかりやすい授業づくりにつながるものと捉えております。

　　よろしくお願いいたします。

○細矢俊博議長　８番片桐勝寿議員。

○８番（片桐勝寿議員）　小学生が90名、中学生が27名、読み書きに困難を抱えているというお話でした。学習障害と診断を受けている生徒はいないということでした。診断の必要な生徒が診断を受けた上でゼロという数字になったのであればよいのですが、何らかの理由でどうしても診断までたどりついていないというがためにゼロになったのであればちょっと心配かなというような気がしました。

　　検査によって学習障害の認知のくせのパターンというものがつかめれば、その生徒に合った教材を選んだりとか、あとは指導法を工夫することができたりということにつながっていく。だから、そういった意味でも適切な診断というのが必要なのかなと考えます。

　　本市の教育支援委員会の委員は医療・心理・福祉・特別支援教育等の専門家で構成されているというお話でしたので、当然そういった面もきちんと対応しているのかもしれませんが、より精密に診断できる体制の整備というのを是非お願いしたいと思います。

　　続いて、本市における、読み書きに困難を抱える児童・生徒の指導で、特色のある取り組みをしていることがあれば是非教えてください。

○細矢俊博議長　高橋教育次長。

○高橋重俊教育次長　お答えいたします。

　　本市の先進的な取り組みといたしましては、大森小学校が国から教員の特別な追加配置を受けまして、学校生活や学習に困り感をもつ子どもたちへの通級による個別指導に取り組んでおります。これは、通常学級の中で、特に困り感の強い子どもについて、週一、二時間程度、通級指導用の教室で個別指導を行うものであります。どうしても時間がかかりがちな国語や算数の補習を行ったり、ソーシャルスキルトレーニングを行ったり、一人一人のニーズに合った指導を行っています。現在、14名の子どもが通級指導を受けておりますが、同様の指導体制につきまして、他の小中学校でも行えるように、次年度に向けた加配の要望を行っているところであります。

　　ご理解をお願いいたします。

○細矢俊博議長　８番片桐勝寿議員。

○８番（片桐勝寿議員）　大森小学校以外の学校でも是非同じような取り組みができれば、不安を抱える生徒にとって非常に心強いのではないかと思います。さらなる取り組みを是非お願いしたいと思います。

　　先月24日、読み書きの困り・学習につまずきのある子どもの理解と支援セミナーというのが山形市でありました。それに参加してまいりました。東京大学先端科学技術研究センターの平林ルミ特任助教が、事例を交えて、学習障害をタブレット端末を使って克服する方法を解説してくださいました。その中で教育の本来の目的は、何らかの方法で情報を得て、その情報をもとに自分の考えを表現できる人を育てることであり、学習障害の生徒の苦手な読む、書く、計算するという部分は、テクノロジーで補うことができるという話をされていました。そのことは、視力の弱い子どもが眼鏡をかけるようなものであり、バリアフリーの考え方からすると、当然なされるべき環境の整備だと考えます。山形市内の中学校でも、学習障害の生徒が、書くことが苦手なのでタブレットでノートをとったりとか、あと、テストもやっぱり書くことが苦手なので、そのテストをタブレットで撮影して、その上にワープロソフトを使って回答するというような形でテストを受けているんだというような話もありました。実際、山形ではそういった形での授業を受けることが認められている学校もあるということです。

　　また、神奈川県の県立高校の入試で、書字障がいのある、字を書くことの障がいのある生徒がワープロによる受験を認められたというような事例もあったり、センター試験で、読字障がい、読む方です、のある生徒が代読によって受験が認められたりというようなことも、合理的な配慮ということでなされてきております。

　　午前中の答弁の中で、共生社会の推進についての質問の中で、本市においてのインクルーシブ教育の推進ということと、バリアフリー化についても前向きに進めていくというような市長の答弁があったと思います。

　　学習障害の児童生徒にとってのバリアというのは、活字を読むことが難しいということであったりとか、あとは書くという作業や計算が極端に苦手だということだと思います。その部分を解消できれば、ほかの児童・生徒と一緒に、彼らと同じような学習ができるということだと思います。是非、タブレット端末が、こういったバリアの解消につながる可能性があるということを念頭に置きながら、読み書きに困難を抱える子どもたちの学習指導に、タブレット端末を有効に取り入れるということを是非研究していただきたいと考えます。

　　以上で、質問を終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。

○細矢俊博議長　以上で、ご了承願います。

　　◎散　　　　　会

○細矢俊博議長　以上で本日の日程は全部終了しました。

　　本日はこれで散会します。ご苦労さまでした。

　　　午後　３時１０分　散　会