平成３０年第３回東根市議会定例会　９月　２５日　議事日程　第２（一般質問）

平成３０年９月２５日　午前１０時００分　開　議

　　　　　　加　　藤　　信　　明　議長　　　　　　　髙　　橋　　ひろみ　副議長

◎出席議員（１７名）

　１番　　　片　　桐　　勝　　寿　議員　　　　　　　２番　　　山　　科　　幸　　子　議員

　３番　　　高　　橋　　鉄　　夫　議員　　　　　　　４番　　　白　　井　　健　　道　議員

　５番　　　河　　村　　　　　豊　議員　　　　　　　６番　　　原　　田　　利　　光　議員

　７番　　　髙　　橋　　光　　男　議員　　　　　　　８番　　　細　　矢　　俊　　博　議員

　９番　　　今　　野　　　　　孝　議員　　　　　　１０番　　　浅野目　　幸　　一　議員

１１番　　　阿　　部　　綾　　子　議員　　　　　　１２番　　　清　　野　　貞　　昭　議員

１４番　　　佐　　藤　　　　　直　議員　　　　　　１５番　　　秋　　葉　　征　　士　議員

１６番　　　清　　野　　忠　　利　議員　　　　　　１７番　　　髙　　橋　　ひろみ　議員

１８番　　　加　　藤　　信　　明　議員

◎欠席議員（１名）

１３番　　　森　　谷　　政　　志　議員

◎説明のため出席した者の職氏名


土　田　正　剛	市　　　　　　長	元　木　正　史	教　　育　　長
武　田　庄　一	選挙管理委員会委　　員　　長	斎　藤　吉　則	代表監査委員
工　藤　喜惠治	農業委員会会長	伊　藤　孝　次	消　　防　　長
間木野　多加志	副　　市　　長	古　谷　利　明	総　務　部　長
浅野目　　　勇	市民生活部長	梅　津　佳　之	健康福祉部長
石　垣　裕　之	経　済　部　長	東海林　克　彦	建　設　部　長兼水道部長
天　野　政　実	会計管理者	芦　野　耕　司	教　育　次　長
高　橋　重　俊	総合政策課長	石　垣　有　一	庶　務　課　長併選挙管理委員会事　務　局　長
石　垣　和　彦	財　政　課　長	半　田　　　薫	監　査　委　員事　務　局　長
柴　田　　　昇	農業委員会事　務　局　長

◎事務局職員出席者職氏名


佐　藤　浩　之	事　務　局　長	青　木　　　満	事務局長補佐
菅　井　美奈子	議事主査兼議事係長	齊　藤　晋　平	副　　主　　任
松　山　朋　美	主　　　　　事	森　谷　賢　司	兼　務　書　記

◎議　事　日　程

　議事日程第２号

　　　　　　　平成３０年９月２５日（火）　午前１０時　開　議

　日程第　１　　市政一般に対する質問

　　　　　　　　１　１６番　清　野　忠　利

　　　　　　　　２　　４番　白　井　健　道

　　　　　　　　３　　９番　今　野　　　孝

　　　　　　　　４　　７番　髙　橋　光　男

　　　　　　　　５　　２番　山　科　幸　子

　　　　（散　　　　　会）

◎本日の会議に付した事件

　議事日程第２号に同じ。

平成３０年東根市議会第３回定例会一般質問発言通告書


番号	質問者	質問事項	質問要旨	答弁者
１	清野　忠利議　　　員	１．市長の今後の市政運営、施策、政策について	１．本市の人口は減少もなく人口の増傾向にあり、市長は55,000人も可能ではないかとメディアで報道があった。その施策についてお伺いする。	市　　　長
２	白井　健道議　　　員	１．国際交流・国際理解教育について	１．自治体が行う国際交流の意義について伺います。２．インゲルハイム・アム・ライン市との友好都市締結に向け、現状と今後どのような進め方を検討しているのでしょうか。３．世界には196の国と地域があり、その多くが開発途上国に分類されています。このような中、交流を持つ国の多様性も重要かと考えますが、ドイツ以外との交流を検討する余地はあるのでしょうか。４．特に、将来を担う児童生徒にとって、国際理解教育を展開する上で世界の多様性を理解することは意義あることと考えますが、所見を伺います。	市　　　長教　育　長
２	白井　健道議　　　員	２．プログラミング教育について	１．新学習指導要領では、2020年度から小学校で、2021年度から中学校においてプログラミング教育が全面実施されますが、プログラミング教育を通して児童生徒のどのような力を育てていきたいのか伺います。	教　育　長
３	今野　　孝議　　　員	１．子どもの権利条例制定について	１．厚労省の発表によると、全国の児童相談所が2017年度に対応した児童虐待件数は、前年度比9.1％増の133,778件。児童虐待件数は、1990年度の統計開始以来、28年連続で最多を更新しつづけています。　　文科省の調査によると、2016年度に全国の小中高校などが認知したいじめは、前年度比43.8％増の323,808件。1985年度の調査開始以来最多となりました。　　子どもの権利条約の存在・内容の普及・啓発を急ぐ必要があると考えます。　そこで３点お尋ねします。　（１）子どもの権利条約とはどのようなものでしょうか。　（２）子どもの権利条約の普及を図る本市の取り組みについて伺います。　（３）子どもの権利条例の制定を検討すべきと考えますが、執行部の見解をお尋ねします。	市　　　長教　育　長
３	今野　　孝議　　　員	２．熱中症対策について	１．気象庁は今年の夏を「東日本は観測史上、最も暑い夏」と認定しました。　　熱中症による救急搬送者数は、４月30日から８月26日の累計で過去最多の89,305人に上っており、155人が命を落としました。７月17日に死亡した愛知県豊田市の小学１年生の男子児童の死因も熱中症とみられます。　　学校は、子どもたちにとって安心・安全な場所でなくてはなりません。熱中症対策を急がなければならないと考えます。　　そこで、３点お尋ねします。　（１）市内小中学校の熱中症対策について伺います。　（２）教育課程の見直しも必要と考えますが、見解をお尋ねします。　（３）登下校時の子どもの持ち物の軽量化を図る必要があると考えますが、見解をお示し下さい。	教　育　長
	髙橋　光男議　　　員	１．防災体制の充実について	１．７月に発生した西日本豪雨では200名を超える死者やライフラインなどの被害及び８月５日の庄内・最上豪雨では約4,600名を超える避難者が生起するなど、被害は甚大なものとなった。　　両豪雨災害における教訓として、気象庁と住民らの危機感の共有、早期の避難などに多くの課題を残したと言われている。　　本市は、「東根市地域防災計画」に基づき、防災行政無線及び移動系無線の整備、図上・総合防災訓練の実施、要配慮者等災害弱者への対応、各種団体との災害援助協定締結などが逐次に行われ、計画的に整備・充実が図られてきていると理解しているが、最近の頻発する自然災害と甚大な被災状況から、より実効性のある（より踏み込んだ）防災体制の充実が求められている。改めて本市の防災体制について、次のこと等を伺う。　（１）災害情報収集・伝達の体制及び要領について　（２）避難体制・避難所運営について	市　　　長
５	山科　幸子議　　　員	１．農業振興について	１．東根市は、農工一体のまちとして発展してきました。農業は本市における基幹産業であります。農業は生活に欠くことのできない食料を供給し、国土・環境保全など多様な機能や役割を担っていることはもとより、観光資源や国内外への農産物販売を通して、多方面で地域振興の核となっています。　　しかしながら、農村部の衰退、高齢化や後継者不足、担い手や人手不足等、年々農業を取り巻く状況は深刻化してきております。地域振興策として、農と食の取り組みが重要でありますので、次の点についてお伺いします。　（１）本市の農業の状況について（２）「道の駅」について（３）地産地消について（４）食育・食農教育について　（５）地域連携、他業種連携について	市　　　長

　　◎開　　　　　議

○加藤信明議長　皆さん、おはようございます。本日の会議に、欠席の届け出がありましたのは、13番森谷政志議員です。したがいまして、出席議員の数は17名で定足数に達しておりますので、これから本日の会議を開きます。

　　本日の会議は、議事日程第２号によって進めます。

　　◎市政一般に対する質問

○加藤信明議長　日程第１　市政一般に対する質問を行います。

　　質問は通告順としますが、発言順番を迎えたときに議場にいない場合は、発言権の放棄とみなしますので、そのようにご了承願います。

　　◎清野忠利議員質問

○加藤信明議長　はじめに、16番清野忠利議員。

　　　〔16番　清野忠利議員　登壇〕

○16番（清野忠利議員）おはようございます。16番清野忠利です。先に通告しています質問に従って質問いたします。

　　まず、市長６期目の当選、誠におめでとうございます。市民皆様が土田市政に期待を託した表れと思います。市政を振り返ってみますと、東根市はいち早く農工一体のまちづくりを掲げるとともに果樹王国を宣言し、全国に知らせました。だが、何かと東根市の皆さんがヒガシネシと呼んでくれるのは少なくて、トウネと呼んでくる時期もありました。大変な時期であります。だが、農工一体のまちづくりの基本において、工業団地の造成、中央区画の整理、また一本木区画の整理等、数多くの事業を施策し着実に前を向いてきました。

　　土田市政が平成10年に初当選し、さくらんぼにこだわったまちづくりに取り組み、特産品の駅名を実現し、東根市を全国に発信しました。

　　市長が就任した平成10年の予算規模は一般会計が約150億円で、市民税の額が54億円でありました。地方税が約42億円くらいであったように思います。それから20年、平成29年の予算は実に200億円台を超えて204億円、市税が75億円と大きく伸びております。これは市長が描いた市民と協働のまちづくりの表れと思うと、ともに人口減少もなく、人口増をたどってきました。今後も人口の増を結び、市長の当選インタビューの中で、人口が５万5,000人も可能であると報道されております。市民は大いに期待を寄せています。本市の発展が続けるには、人口増が基本であります。他市に負けない誰でも住みよいまちづくりで人口増加の今後市政の運営の施策と政策をお伺して登壇での質問といたします。

○加藤信明議長　16番清野忠利議員の質問に対し答弁を求めます。

　　土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　おはようございます。清野忠利議員の私の今後の市政運営、政策についてのご質問にお答えをいたします。

　　ご案内のとおり、我が国は現在人口減少社会に突入しており、今後は加速度的に世界に類を見ない人口減少と高齢化に直面して参ります。今年３月に国立社会保障・人口問題研究所が公表した「日本の地域別将来推計人口」において2045年の総人口は、東京都を除いたすべての都道府県で、国勢調査時の2015年を下回るとされております。山形県においても、2015年の人口112万3,891人から2045年では76万8,490人になるとされており、減少率が３割を超すと推計されているところであります。

　　このような中でも、本市は2030年には山形県内の市町村では唯一人口が増加する自治体として、４万7,885人になると予測されており、2045年においては減少はするものの、2015年と比較して減少率は6.3％にとどまる見込みとなっております。

　　この将来推計人口については、昭和の時代から行ってきた農工一体のまちづくりのほか、市民の皆様のご理解のもと、これまで実行してきた数々の施策が奏功している結果であると捉えているとともに、非常に名誉なことであると思っております。しかしながら、私自身この予測に満足している訳ではありません。先般の所信表明においても、皆様方に申し上げましたとおり、今後、本市が持続可能な発展を遂げるためには人口増加は必要不可欠な要素であり、そのためにも「国道48号の高速化」と「教育によるまちづくりの更なる推進」は重要な施策であると捉えております。

　　この２つの大きな施策については、私の持てる力を総動員して実行して参る所存でありますが、都市の魅力を高めるためには、議員ご指摘のとおり、誰もが住みやすい住環境の整備や、就労の場の確保と産業の振興なども極めて重要であると承知しております。

　　具体的には、用途区域の見直しによる下水道区域の拡大、工業専用地域や物流の拠点となり得る東北中央自動車道インターチェンジ付近への企業等の誘導などが考えられ、いずれも果樹王国を支える優良な農地を確保しながら、時機を失することなく、計画的に実施していかなければならないと考えております。

　　市制施行60周年を迎え、市内外から高い評価を受けている今こそ、50年先、100年先を見据えた、本市の新たな骨格づくりが必要とされているのであります。住民が自治体を選ぶ時代において、総合的に魅力的ある都市をつくることが、今後も住民に支持される東根市に繋がるはずであります。この４年間は「躍進する東根市さらなる高みへ」を肝に銘じ、その礎を築く期間とすべく、全力を傾注していく覚悟であります。その結果、政令指定都市、仙台市に隣接する優位性を最大限に生かし、将来的には人口５万人、５万5,000人も夢ではないと確信しております。今後も、研究機関の予測を良い方向に裏切るまちづくりに努めて参りますので、ご理解をお願いをいたします。

○加藤信明議長　16番清野忠利議員。

○16番（清野忠利議員）　２番目の質問をいたします。

　　やはり人口増加が不可欠だということで市長の答弁もありました。その中で国道48号の高速化ということで答えをいただいております。

　　私たちも、市長もいろいろお聞きだと思うんですけど、やはり重要物流事業ということで今年から国交省が始まっております。

　　その中で、今回の市長の広報の公約の中にも高速化ということと重要物流道路ということで掲げております。やはり７年前の3.11の東日本大震災のとき、国道48号が非常に混雑しておりました。あれを思い出してみると、私も本当にあれは国道48号というのは仙台と重要な連結の道路だと思っております。私も山形空港対策会長ということに今、仰せつかっておりますけど、あのときも時間とかそういうものを山形空港があるんですけど、それをそんなことは言っていられないということで、夜の12時、１時ごろまでに米軍の輸送機が到着したのが私も身に覚えあります。そのとき、物流及び拠点でありました、その48号の利を生かし仙台市との整備の加速が重要であると思われます。それには、やはり本市の受け入れの整備もいち早く政策として必要であると思うのであります。働く場所あるいは工業用地の確保、重要物流道路の利便性を生かした市長の政策の展望をお聞きしたいと思います。

　　そしてまた、この前９月22日ですか、山形市が新たな産業団地ということで新聞に載っておりました。この山形市が今年４月、本県や宮城県、福島県、東京などの企業の1,916社にアンケートをしたそうです。そのうち、404社から回答を得て、その中で114社が立地の可能性を示しているということであります。やはりこれには働く場所ということになれば産業・工業地の立地を考えなくちゃいけないと思います。

　　そのような中で、私たちもこの東根市が誰でも住みたいまちづくり、５万5,000の目標に向かっていくにはいろんな困難な事業があると思うんですけど、その辺、市長からお伺いしたいと思います。

○加藤信明議長　土田市長。

○土田正剛市長　まず、人口問題に関しますと振り返れば2010年、国勢調査において唯一人口が山形県で伸びているのが東根市であるということで、この５年間の間に500人前後の人口が伸びていると発表されたわけであります。

　　時来、東根市は行政の予測では2015年の国勢調査においてはなだらかに人口が減少に陥ってくると予測をされたものであります。しかし、３年前2015年の人口予測においては、予想を遥かに上まわって、1,350人の人口が増えて、これもまた同じく山形県では人口が増えているのは東根市だけとなったわけであります。つまり、この人口問題研究所がいわゆる予測している2030年には若干今よりも人口が増えるという予測をしているのであります。

　　そして2045年には6.3％の人口が減っていくという予測をされているわけであります。これもあくまでも予測であります。これを裏切るように私は頑張りたいと登壇で答弁を申し上げました。つまり、それはあくまでも予測は予測として我々は粛々と人口増に向かってあらゆる秘策を考えていかなければならないものだと思っております。

　　私はよく言いますけれども、政治家は時代をいかに展望し、そしてそれに向かっていかに実現するかどうかということが私は政治家の要諦であると再三述べてきているのであります。そういうところに向かってこれからいろんな施策を展開していかなければならないと、こんなふうに考えているわけであります。

　　その前提として、私はこの度の選挙でも皆様方に公約を申し上げましたとおり、持続的な発展を維持していくためには２つの施策があるんだということを申し上げております。

　　１つは、清野議員のご質問にもありましたとおり、国道48号の高速化であり、そのためにはまず、重要物流道路というものを指定に向かってやっていくことが１つであると私は申し上げてきたわけであります。

　　先般、22日の夜には国交省の道路経済室長田村さんがおみえになりました。その田村さんをお迎えをして、食事の会を催したわけでありますが、その中でいろいろと意見交換をしてきました。いろんな話を聞きまして、改めてこの問題というのは難しい問題だという実感をしたわけであります。

　　しかし、こういう１つの物事を成し遂げる際には平易なものなどというものは何ひとつ私はないと思っております。そういう難しい問題であればあるほど、あるいはハードルが高ければ高いほど私は俄然ファイトを燃やして、そしてそのハードルを越えていくというのが私の持ち味だと思っております。いわゆる信念があれば岩をも通す、そういう不退転の気持ちで私はこのハードルを越えなければいけないと改めて思った次第であります。

　　しかし、そういう中で道路経済室長との意見交換会の中で私が申し上げてきたのは、仙台との経済の交流、これが非常に東根では顕著になっておりますと、つまり６月の月間売上高、いわゆる道の駅の全国の売上高において発表されたものに東根市農協の経営する「よってけポポラ」が６月の月間売上高において２億7,500万円の売り上げを記録することができたと、その半分は仙台並びにその周辺のお客さんのおかげであるということを申し上げました。

　　もう１つは2019年、恐らく１年若干伸びるであろうと思われますが、2020年には山形大学の附属病院に現在整備中であります、重粒子線がんが2020年には遅くとも開業されるであろうと言われているわけであります。つまり、これは東北・北海道の中で唯一、山形大学の附属病院に整備されるのが、この重粒子線がんであります。時代のがん治療のエースともいわれる重粒子線がんが2020年に開業されるならば、いわゆるこの48号の持つ意味というものは、そういう医療の先端技術の効果を発揮させるためにも大変重要な道路であるということを力説をしました。そういうところは非常に得点だねということを田村経済室長はうなずいて聞いておりました。

　　同時にこれについては、政令指定都市である仙台市の協力が欠かせないということも示されたわけであります。もちろん私もそういう形の中で今年、既に７月には郡仙台市長を中心として、私と山本天童市長と３人で、この重要物流道路の指定に向けて、当時の津田東北地方整備局長に直に要望を手渡したわけであります。これは全国の中で私は一番行動が早かったのではないかと今でも自評しているわけであります。

　　そういうことも踏まえて、この重要物流道路については今年30年度から新しい制度として誕生したわけでありますので、その見通しについては今もって、軽く判断するわけにはいかないわけでありますけれども、先ほども申し上げましたとおり、ハードルは決して低くはありません。むしろ高いといえると思います。そのハードルを越えるためにあらゆる努力を今後とも展開をしていかなければいけないと考えているところであります。そういう意味でもこれから山形県の国会議員、そして宮城県の国会議員、就中、青葉区選出の国会議員に強力に働きかけをしながらこの実現型に向けて努力をしていかなければいけない、こんなふうに考えているところであります。

　　そして、そのためにも仙台市の住民をこの東根に移住させると、そういうことは高速化をやることによって私は可能になると思っているわけであります。現在でもいわゆる過去５年間の定住促進事業において、仙台から東根に移住している方々は13件に上ります。こういった事実、そして東根から仙台市に通勤・通学している市民の方々は480人おるわけであります。そういう意味においてこれから高速化が実現することにおいて、この交流が一層盛んになり、ひいてはこの東根市に移住してくる仙台市民というのは決して少なくはないと予測をしているわけであります。

　　そういう中において、１つには人口５万人というのは自助努力によってある程度私は可能だと思っております。すなわち民間の不動産業者の投資意欲というものは、依然として衰えがないわけであります。現在、当地区において民間の不動産業者によって開発されようとしている、その住環境の整備については160件余りがもう既に着工せんとしているわけであります。あの神町の北部区画整理事業は、今まで510区画が分譲されたわけであります。そういうことを考えますと、民間の住宅投資あるいは不動産投資というものは、私はいろんな施策を講じながら５万人に向けての人口増については自助努力によって可能であると思っているわけであります。

　　そして同時に５万5,000人を目指そうとした場合には、いろんな意味で住環境の整備というものが大事になってきます。特に東部地区、高崎・東郷地区においては下水道の区域というものが、いわゆるもっともっと拡充をしていかなければならないと思っております。現在は合併浄化槽の部分に頼る地域が決して狭くはない、そういう中においてやはり住環境の整備を整えるためには、この下水道区域のいわゆる合併浄化槽に取ってかわる、そういう地域がもっともっと拡大をしていかなければいけない、ということで先ほど用途区域の見直しを含めた下水道区域の拡充ということを申し上げたのはそういう意味であります。

　　したがって、そういうところを是非東部地区を中心としてやるならば、東根市全域が下水道区域に全部包含されるとなるわけであります。これも住環境の整備を図る上において、あるいは仙台市民を東根市に移住させることにおいて私は必要不可欠な施策であると思っているところであります。

　　もう１つは、やはり教育によるまちづくりだと考えております。ご案内のとおり東根は東桜学館、中高一貫校を誘致をして３年目に入ったわけであります。この東桜学館を中心とした東根市の学力向上というもので、既に２年前から東根市では教育に力を入れているわけであります。つまり、東桜学館はご案内のとおり、県の教育委員会に置いては語学に力を入れ、そして理数科に力を入れる、もって有為な人材をグローバルなこの国際社会において通用する人材を育てていくんだという遠大な構想のもとに東桜学館が今教育を行っているわけであります。それに東桜学館がこの東根にあるわけであります。

　　そういうことを踏まえて、既存の小中学校に学力の差が開くことが懸念されるわけであります。少しでも防ぐためにも既存の語学教育、小・中学校に語学教育の充実を図るために今年の８月には既にＡＬＴを新たに２人追加をして７人態勢で現在行っております。同時に理数科についても学力向上支援員、そしてまた学力向上のボランティアを含めた形を現在市内の小中学校14校に派遣をしているわけであります。

　　そういったことを通じて、仙台市民だけではありません、人々は我が子の教育を考えない親はいないのであります。そういう意味でも教育は一朝にしてならず、48号の高速化も一朝にしてならず少なくても最低10年はかかるであろうと思っております。

　　そうしますと、今のうちから東根市民の教育によるまちづくりを強化していくならば、いろんな仙台市民が移住を考えたときに、私は東根市を選んでくれるのではないかと思っているわけであります。

　　そういうことも含めて、あるいは働く場所も東根市は大森工業団地、臨空団地をはじめとして、４つの工業団地が中心に現在8,500人の方々が働いているわけであります。そういう人口５万人あるいは５万5,000人ということを目指すならば、新たなる働く場所を整備していかなければいけないと考えているところであります。

　　そういうところの中で私は、東北中央道が間もなく松沢までは今年中に開通が予定されているわけであります。そして松沢から村山間がまだまだいつになるかわかりません。少なくともと東京オリパラ開催までにはできないのは確実であります。しかし、その中において、33、4年ころには少なくとも全線が開通することになるであろうといわれているわけでありますので、そういうことも含めて新たなる働く場所をつくるための工業団地の造成などもインターチェンジを中心に考えていかなければならないのではないかなと考えております。

　　あくまでも人口５万人までは自助努力で可能であると考えております。そして、５万5,000人というのはやはり努力目標であります。これはまだ仙台市民を中心にどのくらい東根市に移住をさせられるかという不確定要素はありますけれども、そういう高い目標を掲げて「躍進する東根市さらなる高みへ」と考えて、これからいろんな施策の展開に努力をしていきたいと思っているところであります。

○加藤信明議長　16番清野忠利議員。

○16番（清野忠利議員）　いろいろお話聞きますと非常に高いハードルもあるということの中で、やはり住民が住みたくなるようなまちづくりをすることが前提かと思います。それには東根市が農工一体のまちづくりということを掲げて成功している例だと強く感じております。　

　　ただ、先ほど市長もおっしゃいましたけど、住宅地の開発が今非常に進んでいると、民間ですけど、その中で優良農地の住宅に住んでいるということもあります。それで我々としましても、さくらんぼ日本一のこの東根市を守るにはこの施策も１つ必要でないかなと感じているところでございます。

　　48号の重要物流道路も大変です。これから我々とともに行政が一体となって、市民が一体となっていろいろなところで要望をしなくちゃいけない点だと思っております。

　　また先ほど私も２問目で言ったんですけど、山形市が工業用地ということで９月22日に山新に載ったんですけど、その中で山形というのが非常に条件がいいということで載っています。これが何でかというと、災害が少ない県だということもあると思います。前にも言ったと思うんですけど、シャチハタ工業が山形市に造成しております。そのシャチハタの社長の言い分は、非常に私は印象です。シャチハタといえば愛知県なもんですから、非常に工業の盛んなところであって、そして、企業の所属も多いところでございますけれど、山形に進出ということで、何でかなと、判こ１つで山形に来るのかなと思っていたんですけど、ところがそうでないんですね。やはりシャチハタも、もう今のＩＴ事業に手を出して今後を延ばしていこうということらしいです。そんなことでありますので、これから山形県の、また東根市のいい点を生かしながらさらなる発展をお願いしたいと思っております。

　　先ほど、市長が答弁の中でもありましたように、子育てするなら東根市というところで教育のまちづくりもあります。高齢者にも対応しなくちゃいけなくなります。山形大学の重粒子線がん、あれが間もなく出るということで、仙台圏からも人材が来るんでないかという話ですけど、やはりこれにはいろんな施策が必要だと思うんです。その辺を今後、市長としてどのように、我々も考えているんですけど、今の公立病院のあり方もいろいろ考えなくちゃいけないと思います。そんな中で子育てするなら東根市にもあるように、１つ今後の市長のお考えを施策としてお願いしたいと思います。

○加藤信明議長　土田市長。

○土田正剛市長　私は今、人々がその地に住み続けたいと思ったときに何を第一に大切に考えるかというと、医療と介護だと認識をしております。したがって、その中心的な役割を担うのはこの地域では北村山公立病院であるわけであります。したがって、この病院はご案内のとおり赤字経営でありますけれども、しかし、我々病院だけではなくて今日、中央に位置する病院は、押しなべて県中病院も赤字に転落をしております。そういうことも含めると、幾ら苦しくとも、この北村山公立病院というのは、なくしてはならないと考えているところであります。

　　しかしながら、この地域において過当競争はないのかということを考えた場合に、お隣の河北町には県立河北病院があります。そして河北病院は、私どもの赤字の約３倍の年間10億の赤字が発生をしております。そういう中において、この河北も含めた北村山３市１町の中においては、中核病院が２つあるというところの中で、お互いに足を引っ張りあっているという状況にあるわけであります。そういう意味においても県の方でも、この河北病院については何とかしなければいけないということを非常に、担当部局では主要なテーマになっていると、私どもは耳にも入ってくるわけであります。

　　そういうこと含めれば、この２つが山大の嘉山参与から言わせると、２つは統合合併するのが一番いいんだということをよく申されます。そういうことを含めて今後、いろいろな意味において、県ご当局が判断をされることでありますけれども、そういうことも含めて、北村山公立病院の建て替え時期もそう遠くない時期に来ているわけであります。こういうことも視野に入れながら、私は管理者として当局の方に働きかけをしていきたいと考えているところであります。

　　いずれにいたしましても、そういうことも踏まえてこれからはＡＩの時代だと言われているわけであります。その迫りくる人口減少社会の中において、それに取ってかわるのがＡＩ、つまりロボットだと言われているわけであります。そういった意味において、山形空港も本市にあるわけであります。そういう中において工業団地のいわゆる誘致についても、ＡＩ系の企業誘致というものが考えられないのか、そういうことも含めて今後、検討していかなければいけない大事な問題だと考えているところであります。

　　所感を述べます。

○加藤信明議長　16番清野忠利議員。

○16番（清野忠利議員）　ありがとうございます。いろいろな今後の人口５万5,000人にするには非常にハードルが高いんですけど、市長の決意と我々の市議団としてもいろいろな市民のニーズを聞きながら、さらなる今後、東根市５万5,000人に向かって我々も一生懸命になっていきたいと思うんですけど、よろしくお願いしたいと思いまます。本当にこれから大変な政策・施策が出てくると思うんですけど、我々も市民のニーズを聞きながら協働のまちづくりに頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

　　以上で質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

○加藤信明議長　以上でご了承を願います。

　　◎白井健道議員質問

○加藤信明議長　次に、４番白井　健道議員。

　　　〔４番　白井　健道議員　登壇〕

○４番（白井健道議員）　議長の指示により一般質問を行います。

　　国際交流・国際理解教育について並びにプログラミング教育についての２点になります。

　　週末の新人戦の応援でちょっと声が潰れておりまして、お聞き苦しい点があるかと思いますけれども、ご容赦願いたいと思います。

　　さて、日本の抱える喫緊の課題としては、ただ今の議論でもありましたように人口減、私の中では特に少子化による市場の縮小、それから労働力不足だと考えております。これまでの一般質問において市場の縮小、これに対しては農産物の輸出、あるいは中小企業の海外展開などについて問題提起をさせていただきました。

　　そして、労働力不足については、商工業分野での事業承継問題、農家の担い手問題、女性活躍社会、障がい者雇用の新たな可能性などについて議論をさせていただきました。今期定例会においては、姉妹都市交流などの国際交流と組み合わせることで友好的、フレンドリーなあるいは効果的な労働力の確保ができるのではないか、またＩＣＴ教育につながるプログラミング教育による、ＩＴ人材の育成で労働力不足や生産性向上に貢献できるのではないか、という問題意識のもと、この２つの項目について質問をすることとしました。

　　本市の国際交流は昨年度、国際交流元年と銘打ってドイツとの交流を軸に進めてきています。その中心にインゲルハイム・アム・ライン市との姉妹都市締結に向けた動きがあります。

　　姉妹都市交流の歴史について見ますと、大きくヨーロッパで始まったものとアメリカで始まったものの２つがあります。ヨーロッパでは第２次世界大戦によって信頼関係が失われたドイツとフランスの関係修復のためにスイス人の著述家ユージン・ワイラーが提唱して開催された両国の市長を集めた会議がきっかけとなって数年後に特定の都市同士の交流、いわゆる姉妹都市交流に発展していったとされています。

　　一方アメリカでは、古くは建国時にヨーロッパから移り住んできた人々による故郷のまちとの交流があります。戦後においては東西冷戦時代にアメリカの価値観を広く世界に広げるために姉妹都市の拡大が国策として取られています。そもそもなぜ姉妹というのかといいますと、都市という言葉はラテン語で女性名詞であるからとする説が有力だそうです。

　　一方ロシア語では、都市は男性名詞なのでロシアでは兄弟都市というそうです。

　　なお中国では、どちらが姉でどちらが妹かいう問題を起こさないように友好都市という言葉が使われているそうです。

　　姉妹都市交流の目的とは何でしょうか。多くの自治体が世界平和と友好親善のため、地域の国際化に貢献するため等の目的を掲げているかと思います。これは漠然とした目的であり、自治体の行う事業として何をどう評価していいのか難しいのも事実かと思います。これまでの姉妹都市交流の中で、交流の効果として、経済交流、まちおこし交流、課題解決型交流などの類型化が図られていることから今後の姉妹都市交流を考える際の参考になるかと思います。

　　このような中、本市における国際交流、国際理解教育について伺います。

　　１点目は国際交流の意義とその目指すものについて。２点目はインゲルハイム・アム・ライン市との友好都市締結に向けての現状と今後の進め方について。３点目は交流を持つ国の多様性について。つまり世界には196の国と地域があり、その多くが開発途上国に分類されています。このような中、ドイツ以外との交流を検討する余地がないかどうかについてです。そして４点目は、３点目の問いに関連し、特に将来を担う児童・生徒にとって国際理解教育を展開する上で世界の多様性を理解することは意義あることであり、より多くの国との交流が重要と考えます。この点について教育長にご所見を伺います。

　　次の項目、プログラミング教育についてです。プログラミング教育については２つの異なる立場があるようです。そのことがいろいろな誤解を生んでいる側面があると思われます。それが端的に表れているのが文部科学省のホームページに掲載されている２つの文章です。

　　１つは、本年３月末の小学校プログラミング教育の手引き。もう１つが７月に掲載された官民共同のコンソーシアムである未来の学びコンソーシアムによる小学校プログラミング教育必修化に向けてというパンフレットです。こちらは文部科学省、総務省、経済産業省が管として名前を連ねています。

　　それぞれのプログラミング教育の必修化の狙いを見ていくと、小学校プログラミング教育の手引きには、次のようにあります。

　　情報化の進展により社会や人々の生活が大きく変化し、将来の予測が難しい社会においては情報や情報技術を主体的に活用していく力や、情報技術を手段として活用していく力が重要であると指摘されています。さらに子どもたちが将来どのような職業に就くとしてもプログラミング的思考などを育んでいくことが必要であり、そのため小・中・高等学校を通じてプログラミング教育の実施を子どもたちの発達の段階に応じて位置付けていくことが求められる、とされています。

　　一方の「未来の学びコンソーシアム　小学校プログラミング教育必修化に向けて」では次のように書かれております。

　　我が国の競争力を左右するのは何か。それは「ＩＴ力」である。ヨーロッパでは「ＩＴ力」が若者が労働市場に入るために必要不可欠な要素であると認識されています。現に、９０％の職業が少なくとも基礎的なＩＴスキルを必要としていると言われており、多くの国や地域が学校教育のカリキュラムの一環としてプログラミングを導入しています。

　　一方で、日本では2020年までに37万人ものＩＴ人材が不足すると言われています。今後、国際社会において「ＩＴ力」をめぐる競争が激化することが予測され、子どものころから「ＩＴ力」を育成して裾野を広げておかなければ勝ち抜くことはできません。そのような思いから、小学校におけるプログラミング教育の必修化は実現されたのです、とあります。

　　プログラミング教育は、既存の教科の中でプログラミングを活かした論理的な思考力を養うということが小学校段階では大事ということが建前論として言われていますが、一方では技術者不足への切迫感あふれる文章もあり、非常に悩ましい状況なのではないかと感じております。

　　しかしながら、このような状況ではあるものの、大切なことは児童・生徒にどのような力をつけてもらうかであろうと思います。つきましては本市において、プログラミング教育を通じて児童・生徒のどのような力を育てていきたいのか伺います。

　　以上で登壇での質問を終わります。

○加藤信明議長　４番白井健道議員の質問の答弁を求めます。

　　土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　白井健道議員の国際交流・国際理解教育についてのご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、自治体が行う国際交流の意義についてであります。

　　近年、訪日外国人客数が政府の予想をはるかに上回るペースで増加しておりますが、これからは、人、物、情報などが国境を越えて更に活発に行き来する時代が到来します。私はこうした時代の流れを見据えたまちづくりとして、国際交流を推進しているところであります。

　　国際交流の意義につきましては、１つには多様な文化に触れることによって、市民の国際性を育み、視野を大きく広げることであります。また異文化交流によって、自らの特色や魅力を再認識し、市民の郷土に対する誇りが醸成されることも意義の１つと捉えているところであります。

　　本市は国際交流を進める足がかりとして、インゲルハイム・アム・ライン市との交流を積極的に推進するとともに、国際交流員を地域や学校に派遣し、国際理解を深める活動を展開しているところであります。今後とも様々な面における交流を進め、国際性豊かな市民の育成を図って参ります。

　　また、やがて海外都市との交流が進展し、市民同士の文化交流が芽生えたり、産業・経済における交流が生まれたりすることが期待されますが、こうした国際交流の深化は、本市の将来に新たな発展と、活気をもたらすものと捉えているところであります。

　　次に、インゲルハイム・アム・ライン市との交流の現状と今後の進め方についてでありますが、国際交流元年と位置付けた昨年の７月、私は前秋葉市議会議長などに同行していただき、インゲルハイム・アム・ライン市のラルフ・クラウス市長を表敬訪問したところであります。

　　その後、今年の７月14日に開催した、市政施行60周年記念式典にクラウス市長ほか、関係者のご臨席を賜り、心温まるご祝辞をいただいたことはご案内のとおりであります。クラウス市長とは、１年ぶりの再会でありましたが、すぐさま旧知の友人のように心が通い合い、お互いの文化の違い、果樹栽培や教育によるまちづくりなど、両市の共通点について語り合ったところであります。

　　後日、クラウス市長から届いたお礼状には、「近い将来、両市の市民同士による異文化交流を軌道に乗せることができると確信している。」という、非常に嬉しいコメントがありました。今後、インゲルハイム・アム・ライン市との活発な交流が展開されることを望む市民の思いと熱意は、クラウス市長にしっかり届いたものと確信しているところであります。ドイツには、「来るときは知らない同士でも、帰る時は友達」ということわざがあると聞きましたが、昨年、私が訪問して芽生えた友情が、この度のクラウス市長の来市で、更に深まったことを実感しております。今後、市民訪問団の派遣なども含めて、様々な形での交流を検討して参ります。

　　次に、ドイツ以外との交流を検討する余地はあるのか、についてであります。

　　現在、本市におきましては、ドイツ、特にインゲルハイム・アム・ライン市との交流を積極的に進めておりますが、これまでに、ドイツ以外の国とも、様々な場面で交流を図ってきたところであります。

　　まず、今年の２月に一般財団法人自治体国際化協会主催の海外自治体幹部交流セミナーの一環として、オーストラリアの自治体幹部職員５名が来市されました。この訪問では、本市の職員と、子育て支援、農業の特色、教育によるまちづくりなどについて、活発な意見交換が行われたところであります。また、３月には、本市出身の方が代表を務める「ＮＰＯ法人手をつなぐメキシコと日本」による、「メキシカンひなまつり展」が、まなびあテラス会場に開催されたところであります。これは、日本メキシコ外交関係樹立130周年を記念して、メキシコの手工芸職人が刺繍、人形、アクセサリーなどで日本の節句の代表的な行事である、ひなまつりを表現したものであります。双方の取り組みとも、異なる文化への理解を深める、非常に良い機会になったものと捉えております。

　　更には、経済及び産業面における国際化への対応として、タイ、台湾、香港などにおいて、さくらんぼを始めとする、本市産果物のプロモーション活動を展開しているところであります。こうした海外でのプロモーション活動は販路開拓にとどまらず、観光振興やインバウンドの拡大など多様な交流の促進を視野に入れた取り組みであります。

　　これからの国際化の進展に対応するためには、ドイツとの交流を推進しながら多様な国や地域との関わりを持つことも非常に重要であると考えるところであります。今後とも、時代の流れを注視しながら、様々な状況を考慮し柔軟に対応して参りますので、ご理解をお願いいたします。

○加藤信明議長　　次に、教育長に答弁を求めます。

　　元木教育長。

　　　〔元木正史教育長　登壇〕

○元木正史教育長　おはようございます。

　　私からは、将来を担う児童生徒にとって、国際理解教育を展開する上で、世界の多様性を理解することは意義あることと考えるがいかがか、についてのご質問にお答えをいたします。

　　国際理解を深める上で、広い視野を持ちながら異文化を理解するとともに、これを尊重する態度や異なる文化を持った人々と共に生きていく資質や能力を育成することが大切と考えます。そのためには、自国の文化について正しく理解し誇りを持つとともに、世界には様々な国があり、それぞれがかけがえのない独自の文化を持っているということを学ぶことが大切だと捉えております。また、単に知識理解にとどめることなく、体験的な学習も取り入れながら、実践的な態度や資質・能力を育成していく必要があると考えております。

　　本市では、先ほど市長からありましたとおり、昨年度来、国際交流の機会が増えるとともに、その機運が特に高まっております。インゲルハイム・アム・ライン市長一行や、ドイツのハンドボールチームなどとの交流に参加した児童生徒や保護者の反響を見ても、その教育的な価値は実に大きいと感じているところでございます。

　　一方、東京オリンピック・パラリンピック2020の開催も間近に迫って参りましたが、市内全小学校が「東京2020教育プログラム学校事業認証」を受け、様々な活動に取り組んでおります。この中でも、世界の国々の多様性について学ぶことができるものと期待をしているところです。

　　市教育委員会といたしましては、「特色ある学校経営事業」に、今年度からオリンピック・パラリンピックに係る特別枠を新たに設けているところであり、学校がそれぞれの特色を生かして行う教育活動の支援に一層努めて参りますので、ご理解をお願いいたします。

　　次に、プログラミング教育についてのご質問にお答えをいたします。

　　ご承知のとおり、日常の生活では、年齢を問わず、情報機器に囲まれて生活しております。身近な携帯ゲーム機やスマートフォンなどは、コンピュータを内蔵した高度な情報機器であります。また、炊飯器や自動車などにもコンピュータが内蔵され、私たちの生活になくてはならないものとなっております。これらの機器の便利な機能については、意識しないで使っているところでございますが、人間がコンピュータに意図した処理・動作を行うように指示をするプログラミングによって動いているものであります。

　　従いまして、こうしたことを実感を持って確かに理解するための学習をするということは、コンピュータと共に生きていく子どもたちにとっては、大切な学習経験であると考えております。

　　小学校においては、新学習指導要領の全面実施により、2020年度からプログラミング教育が始まります。「プログラミング」という新しい教科ができるのではなく、算数や理科、総合的な学習など既存の教科等の中で学ぶことになります。プログラミング教育を通じて育成する資質・能力を「プログラミング的思考」と言いますが、これは物事には手順があり、手順を踏み、組み合わせることによってうまく解決できるといった論理的に考えていく力のことを指しております。

　　中学校につきましては、これまでも技術・家庭科で「計測・制御のプログラミング」を学習して参りましたが、2021年度からは「ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラム」、この学習が新たに加わります。

　　教育委員会といたしましては、市内教職員のプログラミング教育への理解を深めるとともに、実際の授業のイメージが持てるような研修をするなど準備をしているところでありますので、ご理解をお願いいたします。

○加藤信明議長　４番白井健道議員。

○４番（白井健道議員）　それでは、質問席からの質問を続けさせていただきます。

　　インゲルハイム・アム・ライン市との交流が着実に進んでいることを、大変心強く感じております。昨年の第２回定例会でも述べましたとおり、観光白書によればドイツの2015年海外旅行者数ランキングは中国に次いで２位、それから国際観光支出ランキングでは中国、アメリカに次いで第３位となっています。ドイツの約8,000万の人口規模からすれば、非常に多くのドイツ人が観光旅行をし、そして多額の支出をしていることがわかります。

　　一方、日本へのドイツ人観光客の数や日本での消費額は、いずれも日本で外国人が消費したり来たりする数のわずか0.8％でしかありません。したがって、姉妹都市締結を機会に多くのドイツ人に東根市に来てもらえることは、経済的な側面からも大きなインパクトがあるかと思います。

　　国土交通省の資料によれば、定住人口が１名減ることによって年間の消費額が約125万円減ると言われております。これを補うために必要な旅行者を考えたときに、国内の日帰り旅行者であれば80人、国内の宿泊旅行者であれば25人、一方外国人旅行者であれば８人分で済むと推計されています。交流人口の増加、なかんずく外国人観光客を呼び込むことがいかに重要かがわかる数字かと思います。そのような意味で姉妹都市交流には、大変大きな期待をしたいと思っております。

　　国際姉妹都市交流を初め自治体による国際交流については、本県市町村を初め各地で実施されてきております。自治体における国際交流の始まりは、1955年、長崎市とアメリカ、ミネソタ州セントポール市による姉妹都市提携とされています。その後、1989年に国が姉妹都市提携に対する特別交付税措置を実施したことも一因となって、姉妹都市提携数は1988年に700件だったものが、1994年には1,086件、2017年３月31日現在868自治体1,708件となっています。

　　一方、実際の交流事業の件数については、1997年の3,550件から2016年には1,959件と縮小傾向にあります。その要因としては、自治体の財政難、交流事業のマンネリ化、住民の関心・理解が薄れていること、また専門性、継続性を持った担当職員の不在などと分析をされています。

　　全国的に見るとこうした課題が生じている中、今後、本市が実りある国際交流を進めていくためには、第一に住民の関心を高め理解を深めることが必要かと思います。そのために今からでも取り組める事項、あるいは取り組むべき事項があるかと思いますが、どのようなことが考えられるでしょうか、お伺いします。

○加藤信明議長　古谷総務部長。

○古谷利明総務部長　ただ今の住民の関心を高め理解を深めること、そのために取り組んでいることにつきましてお答え申し上げます。

　　市民の皆さんに現在交流を進めているインゲルハイム・アム・ライン市やドイツについて理解をしていただき、今後の交流に向けた機運を盛り上げるため、例えばさくらんぼ種飛ばしジャパングランプリやひがしねウィンターフェスティバルなどのイベントにおいて、パネルの展示や映像の放映などを行ってきているところであります。また、先般開催されました、「た～んとほおバルフェスタ」において、東根市さくらんぼ国際交流協会からドイツＰＲブースを設置していただいたところであります。大勢の来場者がドイツにちなんだ食や民族衣装を着た国際交流員によるワークショップなどを楽しまれたようであります。

　　また、もう１つ、ホームステイにつきましても市民の理解を深める取り組みの１つと考えているところであります。

　　先ほど市長登壇でご答弁申し上げましたが、海外自治体幹部交流セミナーでは、市民の皆さんに協力をいただきまして、参加者が５名がホームステイをしたところであります。ホストファミリーの皆さんが温かく迎え入れてくださったおかげで、オーストラリアからの参加者につきましても、それぞれの家庭やホフトファミリーの方と一緒に外出した先での時間を楽しまれたと聞いているところであります。

　　また、東根市さくらんぼ国際交流協会の事業として、様々な場面で、特に山形大学の留学生のホームステイを受け入れていると伺っております。

　　昨年12月に開催された協会主催の「国際交流コンサート」では、30名以上、また今年６月に開催いたしました「さくらんぼ種飛ばしワールドグランプリ2018」の際には、約20名の留学生を協会会員の方々がホストファミリーとして受け入れてくださったとのことであります。さらに、今年の８月からロータリークラブの活動の１つとして実施されている交換留学生受け入れ事業として、ドイツから高校生１名の受け入れをしていただいているところであります。この高校生は、東桜学館高校へ入学いたして、本市で１年間の滞在期間中はロータリークラブのメンバーが交代でホームステイさせてくださるとのことで、安心して勉強や部活動に励むことができ、日本での生活を楽しんでいるそうであります。

　　このように、ホームステイは、その国の生活や慣習、また家庭のあり方などについて深く知ることのできる絶好の機会となっているところであります。正に異文化に暮らす人と人との交流の原点とも言える貴重な体験であり、国際交流に対する市民の関心と理解を深めることに大きく寄与しているんではないかと捉えております。

　　よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　４番白井健道議員。

○４番（白井健道議員）　ホームステイについては、おっしゃるとおり相互理解についてはうってつけのプログラムかと思います。私も国際交流協会のプログラムで多くの留学生のホストファミリーとなりましたが、留学生の皆さん一様にホテルや旅館といったよそ行きの空間でなくて、本当の日本の一般の人が生活している空間に入ることができたということで、大変好評でした。

　　ホームステイを受け入れるかわりに農作業を手伝ってくれるボランティアをあっせんするサイトがあります。これは外国のサイトですけれども、ヘルプエックスというサイトです。このようなものを活用する農家が増えることも人手不足対策、同時に国際化の促進にも寄与するのではないかと思います。

　　そして、ホームステイのかわりに例えば空き家を活用することで、さらに日本の課題解決にも資すると思っています。これについては、今日傍聴してくれています今期受け入れている学生インターンの最終報告会のテーマとしています。ご参考までに。

　　さて、次の質問に移ります。

　　市長答弁の中で市民訪問団の派遣なども含めて様々な形での交流を検討するとのことでした。まだ先の話で、具体的な部分はこれからとは思いますが、どのようなイメージなのか、お伺いします。

○加藤信明議長　古谷総務部長。

○古谷利明総務部長　お答え申し上げます。

　　まず、お互いの文化の違いを理解することが、国際交流の第一歩であります。インゲルハイム・アム・ライン市との交流については、まずお互いの特色やすばらしさを知ることが必要と認識しております。また、行政同士の交流を深め、これを少しずつ様々な団体や市民同士の多様な交流に発展していかなければならないと考えているところであります。

　　今後の交流の進め方については、民間の団体などによる交流も含めて検討してまいります。具体的には、どのような団体による交流が考えられるか、どのような分野における交流がお互いにとって意義があるのかなどについて、今後インゲルハイム・アム・ライン市と協議、調整を図っていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　４番白井健道議員。

○４番（白井健道議員）　このような民間の交流について、ほかの自治体では予算面での厳しさということで交流事業が縮小の一因になっているということもありました。今後、交流を継続していくためには、行政だけでなくただ今のご答弁にあったように民間団体の参画が不可欠であり、その際は自己負担も当然求めていくものかと思います。一方、自己負担をともなってまで交流を行うメリットとしては、どのようなものがあるとお考えでしょうか。

○加藤信明議長　古谷総務部長。

○古谷利明総務部長　様々な団体における交流が想定されるところですけれども、団体の事業の一環として先ほど申し上げましたとおり留学生の受け入れなどの国際交流に取り組んでいらっしゃる団体もあります。国際交流への参画は、このような団体にとって正に本来の活動に合致した取り組みになるものと考えております。また、多様な交流を体験するとともに、異なる文化に触れることによって視野が広がり国際性が養われるなど、ご参画いただく方々にとっても大きなメリットがあるものと捉えておりますので、よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　４番白井健道議員。

○４番（白井健道議員）　今日は、傍聴席に東根中央ロータリークラブの皆さんも来られているので会長初めですね、この間のドイツのＥＨＶ　Ａｕｅのいろんな競技の手伝いであるとか、あるいはホストファミリー、それからお別れ会でも非常にお互い意見交換などもして、今後の展開が楽しみだなと感じています。

　　最後に、この交流についての提言なんですけども、ドイツとの交流に関しては、国際性豊かな市民の育成や交流人口拡大による経済効果、こういったものを期待することで目的は達成されるかと思います。

　　一方、冒頭登壇でも述べたとおり、現在、日本は少子化による労働力の減少が喫緊の課題です。山形県でも、この度の議会で外国人材活用事業の補正予算を組んで、来年度以降の施策に反映するという記事が出ておりました。この問題について政府は、来年より新たな在留資格の創設など、外国人労働者の受入枠を拡大させる予定ですが、留学生による規制時間を超えた労働や技能実習生の劣悪な環境など、矛盾を抱えたままの拡大に懸念をする声が多いのも事実です。

　　そこで、姉妹都市の枠組みで、お互いの自治体の顔の見える関係で労働者を受け入れ、さらには定着を図るということを真剣に検討すべきかと思います。

　　現実問題として、今、外国人労働者なしに日本の産業は成り立たない状況にあります。つまり、2017年12月末時点、日本人の就業者数は6,531万人、2017年10月末時点の外国人労働者は127万人。ですから、日本で就業する人の50人に１人が外国人という状況です。ここで留意が必要なのは、この外国人127万人うち約46万人は身分に基づく在留資格である永住者、定住者、日本人の配偶者などです。ちなみに、技能実習生は26万人と約半分になっています。それぞれ2016年10月、１年前と比べて身分に基づく在留資格の技能実習生もそれぞれ１年間で５万人も増えています。

　　県内の自治体では、過去に農家に嫁ぐ女性の減少対策としてフィリピン女性の結婚をあっせんし、先般お伺いしましたけれども、現在も全員が定住している。嫁いできた当初には、そこの女性たちの出身自治体の代表者も山形県に来られて交流も深められたという事例があるようです。また、日系ブラジル人が移民一世の出身地である本県での農業研修をきっかけに、国際結婚をして日本に定住した例もあります。様々な交流を通して外国の方と縁が結ばれ、やがてこうした方々が定住するなど姉妹都市交流をはじめとする国際交流が、我が国の抱える課題の解決に資することが期待できます。

　　中国、韓国でも少子化の影響で労働力不足が予想され、外国人労働者へのニーズが高まっており、質の高い外国人労働者の獲得競争は既に始まっていると言われています。本市においても地場産業、中小企業の皆さんからは、大手に人材が引き抜かれているといった状況が報告されています。正に人材難の時代がもう既にやってきている。

　　「自治体がひらく日本の移民政策」であるとか「日本型移民国家への道」などの著書も出ていることから、さらに研究を進めて、またＪＩＣＡのプログラムなどを活用した交流についても検討したいと考えています。

　　外国人の受け入れについては、受入側の体制の整備という問題もあります。内なる国際化というものですけれども、今般、外国の方で東根に住まわれている方で非常に困った方がいたんですけども、その際、社会福祉協議会、それから担当課が迅速に、そして親身に対応してくれたということで、内なる国際化については、東根市は進んでいるのかなという印象を受けました。

　　提言はここまででございまして、続きまして、国際理解教育についてお伺いしたいと思います。

　　教育長の答弁では、体験的な学習やオリンピック・パラリンピック関連の教育活動といったものがあるということでした。市内の小中学校で国際理解教育を推進するためにどんな教育活動をしているか、具体的な事例があればご説明お願いします。

○加藤信明議長　芦野教育次長。

○芦野耕司教育次長　お答えを申し上げます。

　　市内の小中学校国際理解推進のために様々な取り組み、活動を行っておりますので、これを紹介させていただきます。

　　外国語活動の授業では、世界の人々の日常生活、伝統文化、歴史風俗、習慣、自然といったものについて、子どもたちの発達段階に応じまして授業の教材として活用しまして、多様な考え方に対する理解を深め視野を広げるなど、国際社会と向き合う素地を学習することにしております。それから、外国語指導助手ＡＬＴを７名に増員しましたので、授業だけではなくて学校生活全体を通して子どもたちとＡＬＴが交流し、相互の理解を深める機会が広がっているものと考えております。

　　もう１つ、総合的な学習の時間では、諸外国の文化や生活などを調べたり疑似体験するなどを通しまして、積極的に社会に参画し、課題を解決しようとする態度を学習しております。東京オリンピック・パラリンピック2020の開催を控えたこの時期の取り組みとして、まずドイツのホストタウン登録をきっかけとしながら、国際理解教育を推進しております。例えばオリンピック・パラリンピックの競技種目や出場国の概要について興味関心のある国を調べまして、まとめて、そして発表するといった学習活動の工夫をしているところでございます。

　　３点目として、図書室において「ドイツコーナー」を開設をいたしまして、身近なドイツ文学に触れられるようにするなどの工夫をしている学校が少なからずございます。

　　それから、ＰＴＡの活動についてなんですが、「これからの国際化時代を生きる子どもたちへのメッセージ」と題しまして、市内外で活躍している外国人やＪＩＣＡなどでボランティア経験のある方々、こういった方々をパネラーに迎えまして、親子で学ぶ教育講演会を開催するなど、こういった工夫をしている学校もみられます。

　　以上でございます。よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　４番白井健道議員。

○４番（白井健道議員）　ありがとうございます。ドイツ関連ということで、具体的な対象が絞られるということで、学習効果も期待できると思います。また、青年海外協力隊経験者によるいわゆる開発途上国、その中でもさらに村落部で活動して体験談というのが、あるいは写真といったものが子どもたちに心に非常によく残るのかなと思います。

　　ちょっと余談になりますけど、私もそのような話をする機会がありますが、最近ではインターネットを使って現地と同時中継をして交流をするようなことがあります。これは、姉妹都市について、大阪の箕面市とニュージーランドのハット市というところが姉妹都市のようですけれども、このスカイプという同時中継のソフトを使って１日中お互いの市民が常時つないでいるということで、正に顔の見える交流がそういったものでもできているということだそうです。

　　次の質問ですけども、国際理解教育には多様性が必要ということで認識していますけども、それの推進、今後の方向性などについてお伺いしたいと思います。

○加藤信明議長　芦野教育次長。

○芦野耕司教育次長　お答えいたします。

　　議員からもございましたとおり、世界にはたくさんの国々、196の国と地域があるということを踏まえまして、市内の小中学校ではＣＩＲ、国際交流員のベレツノイさんや県内在住のブラジル、ギニア、アメリカ、オーストラリアなどの方々を講師に招きまして、料理や音楽などの文化芸術を通して交流を深めまして、国際理解を図るなど、教育活動に工夫をしている学校もございます。

　　市の教育委員会としましても、なお一層、世界の国々、世界の人々が持つ多様性を理解できるよう学校現場の支援に努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　４番白井健道議員。

○４番（白井健道議員）　これからの自治体というのは、世界に開かれた自治体であるべきだと考えています。そのための素地として、児童・生徒への国際理解教育が大変重要な役割を果たすと思っています。また、先ほど教育長のご答弁でもありましたように海外を知ることで地元の良さ、日本の良さを知るきっかけになりますので、是非今後ともよろしくご対応をお願いいたしたいと思います。

　　続きまして、プログラミング教育に移りたいと思います。

　　プログラミング教育の全面実施に向けて、様々な取り組みや試験的な実施などがなされているかと思いますが、その準備状況としてはどのようなことをされているのか、お伺いしたいと思います。

○加藤信明議長　芦野教育次長。

○芦野耕司教育次長　お答えいたします。

　　新学習指導要領の全面実施に向けて市教育委員会と小中学校では、論理的に物事を考える力を育てること、それとそのために学校現場で無理なく「プログラミング的思考」への理解が進むよう様々な取り組みをしているところでございます。これをご紹介申し上げます。

　　１点目としては、小学校の理科の授業で明るさや温度を感じ取ったり、人の動きなどに反応する機能を持つ電子センサーブロックを意図的に組み合わせることを通しまして、自分が指示した動きが具体化することを実感できる、そういった学習を試し始めております。

　　２点目として、同じく小学校のクラブ活動についてでございますが、パソコンの画面上でキャラクターに簡単に動きを指示したり音を鳴らしたりできる入門期間のプログラミングが体験できる学習を初めております。指導に当たっては、地域の人材を講師として招聘するなどの取り組みをしております。

　　それから、３番目に中学校の技術家庭科の授業でございますが、車型の教材を用いまして自動車運転プログラムの体験をさせております。

　　また、４点目として、市の教育委員会と市の小中学校長会が合同で実施している「サイエンスアカデミー」がありますけども、こちらにおいても希望する小中学生を対象としまして、外部講師の指導による車型ロボットの教材を使った自動車運転プログラムの体験学習の場を提供しているところでございます。

　　よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　４番白井健道議員。

○４番（白井健道議員）　地域の人材や外部講師を活用して非常に興味深いプログラムを提供されているということで、児童はもちろん保護者からも大変評判がいいと聞いております。

　　それでは、学校の先生方への研修というものは、どのようなものが行われているでしょうか。

○加藤信明議長　芦野教育次長。

○芦野耕司教育次長　お答えいたします。

　　市内の小学校では、今年の７月に東根市理科センターの「教材講習会」におきまして、プログラミング教育についての基本的な理解と指導力を高めるために、悉皆で全員参加で研修を行っております。実際に教員自身がプログラミングソフトを使った学習を体験することで、今後の授業で子どもたちの論理的思考力の育成を図るのに大変有意義になった、そんな研修だったとの反響を得ているところでございます。

　　また、同じく本年10月には、市教育委員会と北村山視聴覚センターが合同で小中学校の教員を対象としてのプログラミング教育の理解を深めるための研修会を予定しているところでございます。

　　よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　４番白井健道議員。

○４番（白井健道議員）　学校の先生方は、普段から大変忙しい中、道徳、英語そしてプログラミングなど新たに加わるものも多く大変かと思いますが、やはりＩＴ力の強化ためには、プログラミング的思考を育むことは大切なことだと思いますので、学校教育はもちろん今ご紹介がありましたそれ以外のクラブ活動などでも、プログラミング教育の充実を図っていただければと思います。

　　実は、本市でプログラミング教育を実践しているエンジニアの方が村山市、それから東北文教大学と共同でキッズプログラミング塾というものに関わっておられまして、その取り組みについて来月20日に六本木ヒルズで開かれる「スクラッチ2018東京カンファレンス」、スクラッチというのはプログラミングのソフトの１つなんですけども、そのカンファレンスでポスターデモを発表されるということなんです。発表のテーマは「産学官連携で実現した小学生向けスクラッチプログラミング教育」ということだそうで、本来であれば自分が住んでいる東根市でこのような取り組みがなされれば大変うれしいんだなとおっしゃっていました。そのような方が市内にもいらっしゃいますので、是非学校外のプログラミング教育にも力を入れていただければと思います。

　　以上、要望を述べまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○加藤信明議長　以上でご了承願います。

　　◎今野　孝議員質問

○加藤信明議長　次に、９番今野　孝議員。

　　　〔９番　今野　孝議員　登壇〕

○９番（今野　孝議員）　９番今野　孝です。通告に従い、一般質問を行います。

　　はじめに、子どもの権利条例の制定に関わってお尋ねしたいと思います。

　　厚生労働省の発表によると、全国の児童相談所が平成29年度に対応した児童虐待件数は前年度比9.1％増の13万3,778件、また文部科学省の調査によると平成28年度に全国の小中高校などが認知したいじめは前年度比43.8％増の32万3,808件。1985年度の調査開始以来、最多となっております。

　　今回は、こんなグラフを準備してまいりました。赤い線は、全国の児童相談所が対応した児童虐待件数の推移であります。残念なことに、1990年の統計開始以来、28年連続で最多を更新し続けております。青い線は、全国の小中高校などが認知したいじめ件数の推移です。平成23年の大津市の中学生が、いじめを苦にして自殺をしております。それを受けて、市民のいじめに対する関心が高まったこともあり、平成24年の認知件数は約20万件に急増しております。その後も増加傾向が続いております。

　　少子化の進行とともに子どもの数は減少しているのに、児童虐待件数も学校が認知したいじめの件数も増え続けているのです。残念ながら、日本の子どもに対する権利侵害は、年々拡大しているように思われます。今こそ子どもの権利条約の精神の普及啓発を急ぐ必要があると考えます。

　　そこで、３点お尋ねいたします。

　　１点目、子どもの権利条約とはどのようなものか、お尋ねします。

　　２点目、子どもの権利条約の普及啓発を図る本市の取り組みについて、お尋ねいたします。

　　３点目、子どもの権利条例の制定を検討すべきと考えますが、執行部の見解をお示しください。

　　次に、熱中症対策に関わってお尋ねします。

　　気象庁は、今年の夏を東日本は観測史上最も暑い夏と認定しました。熱中症による救急搬送者数は、４月30日から８月26日の累計で過去最多８万9,305人に上っており、155人が命を落としました。７月17日に死亡した愛知県豊田市の小学校１年生の男子児童の死因も、熱中症と見られております。

　　環境省の熱中症環境保健マニュアル2018によれば、子どもは外気温が皮膚温度より高い条件や炎天下などでは、体の中心部の体温が大人より大きく上昇し、熱中症のリスクが急増するとされています。子どもたちにとって安心安全な場所であるべき学校の熱中症対策を急がなければなりません。エアコン整備等のハード面については同僚議員が後ほど質問する予定になっておりますので、私からはソフト面に関わって３点お尋ねいたします。

　　１点目、市内小中学校の熱中症対策どのようになっているのか、お尋ねいたします。

　　２点目、教育課程の見直しも必要と考えますが、見解をお示しください。

　　３点目、登下校時の子どもの持ち物の軽量化を図る必要があると思いますが、いかがでしょうか。

　　以上、お尋ねして登壇での質問といたします。

○加藤信明議長　９番今野　孝議員の質問に対し、答弁を求めます。

　　土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　今野　孝議員のご質問にお答えをいたします。

　　始めに、子どもの権利条約制定についてであります。

　　子どもの権利条約とは、18歳未満の子どもの権利を守り、健やかな発達や主体性の尊重など子どもの基本的人権を国際的に保障するために定められた国際条約であり、1989年の国連総会で採択され、翌年1990年に発効したものであります。

　　この条約は４つの権利を中心に構成されており、１つ目は、命を大切にされることや人間らしく生きていくための生活水準が守られることなどの「生きる権利」、２つ目は、考えや信じることの自由が守られ、自分らしく育つことができることなどの「育つ権利」、３つ目は、あらゆる種類の虐待や放任、搾取などから守られることなどの「保護される権利」、４つ目は、自由に意見したり自由な活動ができることなどの「参加する権利」であります。

　　現在、世界196の国と地域がこの国際条約を締結し、日本は1994年に批准し、発効しております。

　　次に、子どもの権利条約の普及を図る本市の取り組みについてであります。

　　これまでこの「権利条約」や「子どもの権利」といった表現や言葉を直接掲げて実施した取り組みはありませんが、本市がこれまでに行ってきた子育て環境の充実を目指した施策や、教育によるまちづくりを推進するための施策、地域福祉・社会保障の拡充を図る施策などが、「子どもの権利を保障すること」や「子どもを権利の剥奪から保護すること」といった権利条約の趣旨に沿った成果につながっているものと捉えております。

　　次に、子どもの権利条例の制定の検討についてであります。

　　現在、地方自治体において子どもの権利条例や規則を制定している件数は約70件と少なく、県内ではゼロ件となっている状況であります。こうした状況は、各地方自治体においてもまちづくりを見据えた取り組みを推進する場面において、必要に応じ広い市民層の意見を聞き、議論を重ね、その中で既に子どもやその成長に責任を持つ大人の意見が反映されていることが要因ではないかと捉えております。ただし、現代社会においては、児童虐待・いじめ・少年犯罪・不登校・貧困を原因とする学力不振・引きこもり等の苦悩している子どもたちの報道が頻繁に流れていることも事実であります。

　　このようなことから本市におきましては、子どもが自分の権利を大切にするとともに、その成長に責任ある大人も共に尊厳を尊重し、更に誰もが暮らしやすい社会となるよう子育て家庭への支援、育ち・学ぶ施設への支援、地域が安全で子どもの豊かな育ちの場となるための支援など、子どもが地域や人と繋がり支え合いながら暮らせるまちづくりを推進して参ります。

　　議員ご指摘の条例化につきましては、広く情報収集し、子どもの権利に対する市民意識をより深めるための取り組みとして、その普及や啓発なども含めて研究して参りますので、ご理解をお願いたします。

○加藤信明議長　次に、教育長に答弁を求めます。

　　元木教育長。

　　　〔元木正史教育長　登壇〕

○元木正史教育長　私からは、熱中症対策についてのご質問にお答えをいたします。

　　始めに、市内小中学校の熱中症対策についてでありますが、小中学校では各校の実状に応じまして、授業中はもちろんのこと登下校時や放課後の部活動など、場面ごとに対応策を工夫したり、熱中症指数モニターを有効に活用しながら、気温・湿度等の状態を把握し、教育活動の実施に係る判断や配慮等を適切に行っております。

　　市教育委員会といたしましても、小中学校長に対して、屋内外を問わず、高い気温の条件下での活動場面が増える時期に合わせて、熱中症を未然に防止するための具体的な方策等を示した通知を通して、指導助言をしております。

　　次に、教育課程の見直しについてでありますが、既に市内小中学校では、体力的に負担の大きい活動を午前中の涼しい時間帯に移したり、夏休み中のプール開放や部活動を中止したりするなど、適切に教育課程変更の判断をしております。今後も、児童生徒の熱中症の未然防止など、健康面と安全面を最優先に、教育課程の適切な管理と実施に向けて指導してまいります。

　　次に、登下校時の子どもの持ち物の軽量化についてでありますが、市内小中学校では、これまでも、家庭での学習に使用する頻度が低い教科書や学用品等につきましては、教室に置いて帰ることを認めております。また、長期休業の前後など、持ち運びの時期が一度に集中することによって、児童生徒の体力的な負担や登下校時の危険度が増すことのないように１週間程度をかけて分散して計画的に行ったり、保護者等から協力を得たりするなどの持ち帰り、持ち運び等の工夫をしております。

　　市教育委員会といたしましても、子どもたちの健康面における負担軽減のため、今後とも学校とともに気を配って参りたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。

○加藤信明議長　会議の途中ですが、ここで午後１時まで休憩をします。

　　　午前１１時５１分　休　憩

　　　午後　１時００分　開　議

○加藤信明議長　午前に引き続き、会議を開きます。

　　市政一般に対する質問を続けます。

　　９番今野　孝議員。

○９番（今野　孝議員）　ご答弁ありがとうございました。引き続き質問席より２問目以降の質問を行います。

　　質問に先立ち、先ほどのグラフをもう一度ご説明させていただきます。赤い線が全国の児童相談所が対応した児童虐待件数の推移を表わすグラフであります。1990年の統計開始以来、ずっと右肩上がりで増加を続けております。これは児童相談所が対応した件数ですので、氷山の一角と捉えなければならないかと思います。青い線は、全国の小中高校等が認知したいじめ件数の推移であります。大きく見ればこれも右肩上がりで推移していますけれども、平成23年に大津の中学生がいじめを苦にして自殺をしたという痛ましい出来事がありましたけれども、その年を境にぐんと20万件前後にまで認知件数が増えております。

　　登壇でも申し上げましたけれども、少子化の進行に伴い子どもの数が減っているにも関わらず、虐待件数あるいはいじめ件数が増え続けている。ここに日本の子どもを取り巻く厳しさが表れているんじゃないかと思っております。

　　１問目の答弁の中で市長の方から、子どもの権利条約とは、子どもの基本的人権を国際的に保障するために定められた国際条約であり、４つの権利を中心に構成されている。1989年の国連総会で採択され、日本も５年後の1994年に批准している。このような答弁がありました。了解いたしました。

　　子どもの権利条約の普及啓発を図る本市の取り組みについては、子どもの権利といった表現や言葉を直接掲げて実施した取り組みはないとのご答弁でありました。これも了解いたしました。

　　ここに本市の母子健康手帳をお借りしてまいりました。この裏表紙には、子どもの権利条約の要点が記されているんです。それから、1995年以前の母子健康手帳には何がというんでちょっと見てみましたところ、ここは表紙の裏に児童憲章が印刷されてあるんです。だから、子どもは生まれながらして固有の人権を有する人権の主体者であり、大切に育てられなければならないというメッセージは、何十年も前から行政の手によって発信されていたわけであります。しかし、憲章による児童に対する正しい観念の確立は、まだまだ不十分と言わなければならないのではないでしょうか。

　　そこで、子どもの権利の普及や啓発を図るための活動についてお尋ねしたいと思います。

○加藤信明議長　古谷総務部長。

○古谷利明総務部長　お答え申し上げます。

　　現在、「権利や人権」に関する様々な活動について、国では主に法務省が担っているところであります。子どもの人権に関して県内においては、人権擁護委員で構成する「山形人権擁護委員協議会の子どもの人権委員会」と山形地方法務局が連携して積極的な活動を行っているところであります。

　　市内では、９名の人権擁護委員の方が法務大臣から委嘱を受けまして活動をしている状況であります。具体的な活動事例といたしましては、市内の小中学校の児童・生徒に対して封筒型のリーフレット（「子どもの人権ＳＯＳミニレター」）というものですけれども、これを配布して意見や悩み事を書いてもらうことによって子どもたちが抱えている問題を把握するとともに、学校や関係機関等と協力をしまして、子どもをめぐる様々な人権問題の解決に繫げているところであります。

　　また、市内の中学校に対しては、人権尊重の重要性についての理解を深めてもらうことを目的として、「人権作文コンテスト」への取り組みを推進しているところであります。また、その取り組みの状況などについては、市報などでも紹介をして啓発に努めているところでありますので、よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　９番今野　孝議員。

○９番（今野　孝議員）　「子どもの人権ＳＯＳミニレター」を配布し、人権作文コンテストへの取り組みも推進しているとのご答弁、了解いたしました。

　　しかし、普及啓発の方法は、ほかにもいろいろ考えられるのではないでしょうか。私が考えるに最も手っ取り早いのは、市報の活用ではないかと思っております。いろいろ子どもの人権に関わるニュース等に合わせながら市民の関心を考慮し、権利条約の精神を連打していただくということを、是非お考えいただきたいと思います。

　　さらには、ポスターの作成、掲示、こういうものも比較的容易に取り組んでいただけるのではないかと考えております。保育所、幼稚園、学校、公民館等の公共施設にポスターを張り出したり、あるいはステッカー、リーフレットなどは各戸に配布するという方法もあるのではないでしょうか。

　　さらには、フォーラムの開催などということも考えてもいいのではないかと思っております。できるところから具体化を図っていただくよう要望させていただきたいと思います。

　　次に、不登校の子どもたちの権利を保障する意味で、不登校の子どもたちの居場所の拡充を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。

○加藤信明議長　芦野教育次長。

○芦野耕司教育次長　お答えいたします。

　　子どもが教育を受ける機会や活動の場を確保していくということが子どもの権利を守っていく上での基本でございまして、不登校などによってそうした機会が失われることがないよう、子どもをサポートしていくことが大切と考えております。

　　様々な悩みを抱える児童・生徒にきめ細かに支援を行っていくために、スクールカウンセラーに加えまして市独自に心の教室相談員を配置しまして、市内全校で心の悩みに関する相談体制を整えているところでございます。

　　具体的に言うと、日常的に児童・生徒に働きかけを行って信頼関係の構築に努めることで気軽に相談できる体制を整えております。様々に持ち寄られる話ですとか悩みの相談などを通しまして、子どもの心の声や変化を捉えまして、いじめや児童虐待の早期発見、未然防止に努めているところであります。また教室での生活に馴染めない児童・生徒に対しましては別室での対応により、安心して落ちついて学校生活を送れる場所の提供を行うなど不登校を防止する取り組みをしているところでございます。

　　ただ、こうした状況を図っているものの、どうしても学校に通いきれなくなった児童・生徒の居場所づくりといたしまして、旧東根公民館を利用して適応指導教室「ハートフルスクール」を開設しているところであります。一人一人の実態に応じて学習支援や様々な体験活動、農作物の栽培とかそのような体験活動、それに保護者に対する助言などきめ細かに対応しておりまして、児童・生徒の心のよりどころともなっているところであります。

　　現在、教育支援専門員１名、これに昨年５月から県が配置しているスクールソーシャルワークコーディネーター１名の２名体制で運営をしておりまして、毎週月・火・木・金の４日間の午前中に児童・生徒の受入を行っております。管理課内に２名配置している教育支援専門員も、その日ごとに通所する児童の数に応じましてサポートしております。

　　このようにこれまで少しずつではございますが受け入れ態勢を拡充してきたところでございまして、現在小学校低学年から中学３年生まで登録者の年齢幅も広がりまして、14名が登録し利用しているところであります。

　　今後も利用状況や利用者のニーズなどを踏まえまして、運用方法の工夫なども含めて拡充について研究してまいりますのでよろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　９番今野　孝議員。

○９番（今野　孝議員）　ありがとうございました。きめ細かな対応していただいていること理解いたしました。私の手元にあるわずかばかりの情報の中では、栃木県高根沢町のひよこの家とか千葉県松戸市のひだまりなどは、不登校の子どもたちに対応する先進的な事例として紹介されているようであります。これらの事例にも学びながら、さらなる拡充を要望しておきたいと思います。

　　次に進みます。子どもの権利条約の第３条には、子どもに関する全ての措置を取るに当たっては、子どもの最善の利益を主として考慮されるものとうたわれておりますが、そのためには子どもに意見を聞くことが重要であると考えます。子どものことは子どもに聞けということになろうかと思います。その１つの方法として、他の自治体では子ども議会を設け自治体の取り組み等に子どもの意見を反映している事例がありますが、本市における子どもの意見を聞き、その意見を反映させる取り組みがあるのかどうか、お尋ねしたいと思います。

○加藤信明議長　芦野教育次長。

○芦野耕司教育次長　お尋ねの趣旨に合致するような取り組みの事案、思いあたりませんが、近い事案といたしまして「スマイルサミットｉｎひがしね」がございますので、これを紹介させていただきたいと思います。

　　市内の小中学校の代表が一同に会しまして、学校でのより良い人間関係づくりを主なテーマに話し合うものでございまして、自分たち自身が自ら考えたそういう取り組みをポスターセッションの形で発表しまして、他校の児童・生徒とこれについて意見交換をするものです。小学生が中学生に一生懸命質問を投げかけたり、あるいは他校の取り組みのよい点を冷静に評価したりする姿が見られます。参考となるような他校の取り組みは自校の生徒会、児童会に持ち帰るというものでございます。そのような取り組みがございますので、よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　９番今野　孝議員。

○９番（今野　孝議員）　「スマイルサミットｉｎひがしね」の概要について理解いたしました。子ども議会は子どもの意見表明権の具体化を図るとともに、主権者教育でもあると思います。

　　本県遊佐町の少年議会は45万円の独自予算を持っており、町民から親しまれるイメージキャラクターをつくり出し、町特産のパプリカを使ったレシピ集をつくって町のＰＲを行ったと、このように聞いております。

　　また、愛知県新城市若者議会は実に1,000万円の予算提案権を持っている。図書館のリノベーションや若者の防災意識の向上と幅広い提案を行政に対して行っている。

　　本市においても子ども議会の導入の検討をお願いしておきたいと思います。

　　次に、本市の子どもの権利を尊重し守るためにも、子どもの人権オンブズパーソンの設置を検討してはいかがかと思いますが、いかがでしょうか。

○加藤信明議長　古谷総務部長。

○古谷利明総務部長　私の方からお答え申し上げます。

　　今野議員ただ今のご指摘のとおり子どもの人権を守るためには、親や学校の先生とは異なる第三者の立場で子どもの話を聞いて、子どもにとって最善の方法を一緒に考え、手助けをする役割を担える大人の存在が重要であると捉えているところであります。

　　現在、法務局において人権擁護員と連携し、いつでも子どもたちが悩み事を相談することができるホットライン「子どもの人権110番」を通年を通して実施しているほか、小中学校対象に「人権教室」を実施し、子どもたちとの対話を図り、命の大切さや相手を尊重する心の醸成に努めているところであります。

　　今後とも子どもたちを取り巻く社会情勢の変化を見極めまして、子どもたちが抱える悩みに適切に対応するよう取り組んで参りますので、ご理解をお願いいたします。

○加藤信明議長　９番今野　孝議員。

○９番（今野　孝議員）　ありがとうございます。

　　子どもたちを取り巻く社会情勢の変化に寄り添い、子どもたちが抱える悩みに適切に対応するため、よりよい取り組みをしていきたいという、このような答弁であったかと思います。了解いたしました。

　　次に進みます。１問目の答弁の中で、市長からは子どもの権利条約の条例化については、広く情報を収集し子どもの権利に対する市民意識をより深めるための取り組みとして、その普及や啓発なども含めて研究してまいりたいとの答弁をいただいております。しかし、子どもの権利条例の制定については一般的に学校現場には慎重な姿勢もあると聞き及んでおります。条例制定に向けた市教育委員会の見解をお尋ねしたいと思います。

○加藤信明議長　芦野教育次長。

○芦野耕司教育次長　お答えいたします。

　　市長部局におきまして条例整備に向けた理念ですとか文言整理をするような時期がくれば、同じように市長部局において福祉や保育などの現場において何ができるのか、何を目指すのか、どんなことに配慮していくのか、そういったことを考えることになると思います。教育委員会も同じそのタイミングで学校教育や社会教育の現場を念頭に置いて、同様の検討をすることになるかと思います。

　　条例体制に対するご指摘のような学校現場の慎重な姿勢というものが、東根市の場合本当にあるのかという気もいたしますが、もしあるとしたら条例制定に向けた様々な作業の中で課題に対応していくことになろうかと思います。

　　そうは申し上げても、その条例が東根市の市民の生活観ですとか、教育観に立脚したものであるならば、そのような心配もないのではないかと考えているところでございます。よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　９番今野　孝議員。

○９番（今野　孝議員）　ありがとうございます。

　　私、８月８日、９日と多摩自治問題研究所が開催する第33回議員の学校に参加してまいりました。その中で、各地の子どもの権利条例制定に関わってきた早稲田大学教授の喜多明人先生の口から、「子どもの権利と学校現場の抵抗」という言葉を聞いたときは私も耳を疑いました。誰よりも子どもの人権に配慮すべき学校現場がなぜという思いでありました。しかし、落ちついて考えてみると何となくわかるという部分もあったわけであります。失敗を許さないゼロトレランス、あるいはたくさんの宿題を子どもに課すことが主流になっている学校現場には、余暇権や失敗権といった今、特に大切にしたい２つの子どもの権利に対する抵抗感もあるのかという気持ちにもなってまいりました。

　　教育委員会からは、子どもの権利条例の制定について市長部局において理念や文言を整理するような時期がくれば、教育委員会も同様の検討をするという趣旨の答弁でありました。しかし、本市の行政機構の中で子どもの権利条例の普及啓発に最も大きな役割を担うべきは教育委員会ではないかという気もするわけであります。主体性を持って市長部局をリードする心意気で取り組んでいただくよう、要望しておきたいと思います。

　　本市の子育て政策は県内はもとより全国の自治体の子育て政策に大きな影響を与えてきたと思います。東根市だからこそ県内市町村に先駆けて子どもの権利条例制定に取り組むべきではないかと考えます。

　　ここまで質疑を行ってまいりましたが、私の考えていることのある程度の部分は執行部の皆さんにもお酌み取りいただけたのではないかと思っているわけですが、最後にここまでの議論を踏まえていただいた上で、子どもの権利条例の制定についての市長のご所見をお聞かせいただきたいと思います。

○加藤信明議長　土田市長。

○土田正剛市長　今ずっとお話を聞いておって子どもの権利であれ、あるいは女性の権利であれ、あるいは高齢者の権利であれ様々な権利というものが現在の社会にはあると思っております。そういう意味では、お互いの権利を主張するということは、正しくそれぞれの権利を主張し合うという成熟した社会といいますか、そういうものが必要ではないかと思っております。そういう中で、一方行政の役割あるいは市民の役割というものをしっかりと、これから意識の向上を図る努力というものが必要ではないかと思っております。もちろん今、成熟社会がこの東根にはないという意味で言っているのではありません。要は行政もまだまだ努力が足りないと思っております。一方、受けとめる市民の意識というものもさらに私は意識の高揚を図る、いわば啓発といいますか、そういうことがさらに私は大切なのではないだろうかと考えるときに、いろいろとこれからこの子どもの権利条例を制定するということになると、もう一歩進める、行政もあるいは市民の意識ももう一歩次のステージに移れるように努力が必要なのではないだろうかと思います。近い将来そういった条例の制定に向けて、もう一段研究をしてみる必要があるのではないかと思っておりますので、なおご理解のほどお願いを申し上げたいと思います。

○加藤信明議長　９番今野　孝議員。

○９番（今野　孝議員）　ありがとうございました。

　　子どもというのは、子どもが自ら権利を主張するということはそんなに多くはないと思っているんです。ただ、子どもの権利が守られるか否かというのは、子どもが住んでいる地域においてほとんどそこで問われることになろうかと思いますので、東根市の子どもの権利は東根市が守りますよという姿勢を是非持っていただけるようにお願いしておきたいと思います。

　　それでは、次に進みたいと思います。熱中症対策に関わって、２問目以降の質問を行います。熱中症を未然に防止するための具体的な方策等を示した通知を通して、指導助言をしているとの答弁がございました。そこで、熱中症を未然に防止するための具体的な方策等を示した通知の内容についてお尋ねしたいと思います。

○加藤信明議長　芦野教育次長。

○芦野耕司教育次長　お答えいたします。

　　市の教育委員会からは熱中症の発生が懸念される暑くなる時期を控えまして、今年度は６月当初から本日までの間に校長会で直接指導をしたほか、計６回の通知を出しているところであります。特に７月17日には質問にもありました、愛知県豊田市での児童生徒が亡くなるという事案がありましたので、その２日後の19日に改めて通知をしたものでございます。

　　その内容についてですが、児童生徒の生活場面として登下校の時間・学校生活の時間・部活動の時間に分けまして、「いつ」「どんな場面で」「どのような対応策を講じるか」について、具体例を示したものであります。

　　例えば服装や身支度の面ですけれど、登下校のときから涼しい服装をしてＴシャツ・短パン・そしてつばの広い帽子などを勧めて、着がえを持参させ、汗をかいた後には着がえをまめにさせるといったことに努めるなどということがございます。

　　また、健康観察と救急対応についてですが、活動の前後で健康観察を確実に行って体調の変化を敏感に把握し、体調の変化に応じて救急対応できる体制を整えておいてくださいということですとか、さらには備品活用という点では、屋外活動時の休憩用にテントを設置して日陰をつくったり、配備をしているミストシャワーというものがございますので、これを活用して涼める場所を設けるなどということについて指導をしたところであります。

　　また、特に７月27日にも通知をしておりますが、部活動での実施について次のような指導をさらに加えました。１点目としては、日本体育協会が公表している熱中症予防運動指針というものがございまして、これに基づきまして運動部活動は湿球黒球温度というのがあるそうですが、これが31度以上の場合には原則として行わないということ。２点目として、高温や多湿の状況下で体育行事等を予定している場合には、延期や見直しを柔軟に行うということ。

　　このように児童生徒への具体的な指導を徹底するのはもちろんですが、保護者・地域と連携しながら効果があるように努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　９番今野　孝議員。

○９番（今野　孝議員）　ありがとうございます。

　　ここにコピーを持ってまいりましたけれど、９月４日付の地元紙です。ここには、「気象庁東日本最も暑い夏、異常が普通になる」という大見出しがついております。来年以降も異常に暑い夏が続けば平年値も上がっていき、それが普通になっていくだろうとこういうことのようであります。こういう事態を受けて、７月から９月の教育課程の大胆な見直しが必要と考えているのですが、教育委員会の見解をお尋ねしたいと思います。

○加藤信明議長　芦野教育次長。

○芦野耕司教育次長　お答えいたします。

　　市内の小中学校も必要と考えて、この夏すでに工夫をして実施をしているもの、具体的に改善を今検討をしているものなどがございます。一部を紹介いたしますと次のようなものがございます。

　　まず日課の面では、体育や屋外の活動は暑くなる前の１・２時間目の時間帯に行ったり、終業式や始業式は涼しい時間帯に実施したり、部活動の活動時間を短縮するなどといったものがございます。それから設備の面では、エアコンのある部屋を開放して涼む時間を設けたり、大勢の集まる集会をエアコンの効く部屋で分散して行うなどということもやっている学校があります。さらには、夏休みについては時期を今よりも後ろに移したり、休み中のプール開放日の時間帯を午後から午前中に移すことも検討しております。

　　それから運動会については、種目を厳選しまして練習時間帯や競技時間の短縮を図ることで、運動会を午前中の半日で実施することですとか、運動会の実施時期そのものを遅らせることも検討しております。以上のほかにも、熱中対策のためには教育課程の工夫と改善の余地があると思われますので、学校現場と一緒に研究、検討を進めてまいります。よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　９番今野　孝議員。

○９番（今野　孝議員）　今、議員の皆さんも執行部の皆さんも記憶しておられることと思いますけれども、数年前になるでしょうか、本校の中学生が熱中症の疑いで運動会場から救急搬送されたという事例があったと思います。その後、中学校の運動会は一週間程度時期が繰り下げられたと記憶しております。今年、私、東根一中の運動会に行ってまいりましたけれども、開始時刻を早めるという工夫もなされていたようでありました。そういう意味でいろいろ改善の余地はあるのかと、運動会以外の部分でもであります。

　　蛇足になりますが、北村山地域というのは山形県内でも中学校の運動会が一段と早いんですよね。それは受験競争に勝ち抜くために大きなイベントは早目に終わらせてしまって、そして後は受験対策等に集中しようという思惑もあったと思います。これはこれで子どものことを考えてくれたのかとは思いますけれど、一方で肉体的に負担をかけることになってしまった、そういう部分があると思います。

　　先ほど芦野次長からの答弁の中で、ほかにも熱中症対策のためには教育課程の工夫と改善の余地があると思われるので、学校現場とともに研究、検討に努めるという趣旨の答弁がございました。何よりも子どもファーストというのを貫いて、改善を図っていただくようにお願いしておきたいと思います。

　　次に進みます。登下校時の子どもの持ち物の重さについては最近国民の注目を浴び、文科省も軽減に向けて通知を出そうという流れになっていると理解しておりますけれども、本市において、登下校時の子どもの持ち物の重さについての調査などなされたことはあったのでしょうか、お尋ねしたいと思います。

○加藤信明議長　芦野教育次長。

○芦野耕司教育次長　お答えいたします。

　　市内の小中学校を対象とした、全件調査を行ったことはございません。ただ一部を抽出して聞き取りをした結果などがございますので、これを参考としてご紹介したいと思います。

　　特に重くなりがちな週末の金曜日の数値でございます。カバンとその他のバッグも入れた重さでございます。小学校は平均すると５ｋｇ程度、１年生の４ｋｇから６年生の６ｋｇまで幅がございます。新聞報道されたという記事の平均値が６ｋｇですので、本市の６年生と同じ程度と考えております。中学校は平均すると７ｋｇ程度、学年による違いはさほどございませんが、所属する部活動などの違いから持ち物の重さに幅があるようです。小学生に比べると重いですけれど、本市の中学生はほとんどの生徒が自転車通学をしているので、かごに入れたり、荷台にくくりつけたりということで、体への負担は軽減されているかと思われます。今後一層、家庭・保護者との連携の下で、児童生徒にとっての健康安全に配慮した指導に努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　９番今野　孝議員。

○９番（今野　孝議員）　今後一層、家庭・保護者との連携のもとで児童生徒にとっての健康安全に配慮した指導に努めていただけると、了解いたしました。

　　学校現場の過重負担になることのないよう十分配慮しながら、実態把握に努めて指導に当たってくれるようにお願いしておきたいと思います。

　　ちなみに余談でありますが、議会が近づくと教育委員会からの調査項目が増えるという声もありますので、そのようなことにならないように日常、普段の実態把握に努めていただくようお願いしていきたいと思います。小学校１、２年生の下校時刻というのは、１日のうちで最も気温の高い時間帯になることが多いんです。目に見える改善を図ってほしいと思います。

　　また、子どもの持ち物を重くしている責任者というのがいるとするならば、文部科学省が１番その責任を負わなければならないと思っています。

　　脱ゆとりが叫ばれ、学習内容が増えてまいりました。教科書もＢ５サイズからＡ４サイズに拡大されました。さらに、かつては使用教科は上巻・下巻に教科書が分かれているのが普通でありましたが、それが１冊になってきている。こういうふうなことで、教科書に関わる子どもの持ち物というのは３割程重くなったと、現行指導要領のもとで。そういうふうに言われているんです。教育委員会としては、文部科学省にも子どもにかわって子どもの思いをしっかり発信していただくよう強く要望しておきたいと思います。

　　最後になります。ある本で知り得た情報でありますが、香港では通学時の荷物の重量を体重の10％以内にすることを推奨していると聞きました。本市でも参考にすべきと考えますが、いかがでしょうか。

○加藤信明議長　芦野次長。

○芦野耕司教育次長　お答えいたします。ご紹介いただいた本校における通学時の実状というのがわからないということもありますし、あと体重の10％以内を推奨するということが適切かどうかということについて、ご研究をする根拠も持ち合わせておりませんので、指導する上での配慮する内容の１つとして、ご参考にさせていただくことになるのかなと思っております。以下見解といたしましては、今後とも児童生徒の発育状況や通学環境に合わせて、適切な配慮を行っていくよう、学校と一緒に考えて参りたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　９番今野　孝議員。

○９番（今野　孝議員）　ありがとうございます。体重の10％以内というのを指導上の配慮する内容の１つとして参考にしたいと。それで結構かと思います。全国的には、腰痛に悩み整体や整形外科に足しげく通う小学生も増えていると聞きます。本市にはそのような子どもはいないんでしょうか。機会があったら調べていただきたいと思います。そのような子どもが増えているということが、ランドセルと登下校時の持ち物の重さも一因と考えられているようであります。実効ある改善を重ねて要望して、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

○加藤信明議長　以上でご了承願います。

　　◎髙橋光男員質問

○加藤信明議長　次に７番髙橋光男議員。

　　　〔７番　髙橋　光男議員　登壇〕

○７番（髙橋光男議員）　皆さんご苦労さまです。７番髙橋でございます。通告に基づき、本市の防災体制の充実に関して質問をいたします。質問につきましては、突発的な発災という特性を有する地震災害も含めますが、ある程度予測可能な豪雨等災害、これを中心に行うものであります。

　　最初に北海道胆振東部地震、庄内・最上豪雨、平成30年度７月豪雨等で被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。

　　近年の豪雨などの大規模な自然現象の際に、数十年に一度、命を守る行動を取ってください、などの言葉をよう耳にするようになりました。これは気象庁が発表する特別警報の基準と注意喚起ですが、それだけ異常な気象が多くなったことの表れでもあろうと思います。平成30年７月豪雨災害、いわゆる西日本豪雨災害は７月29日現在の消防庁資料によれば、600名を超える死傷者、全半壊家屋7,000棟を越えるとともに、水道施設などのライフラインにも甚大な被害が記録され、被災現場や積み上げられた災害廃棄物などの状況などの報道からもわかるように、平成最悪の事態とも言われております。また、８月５日の庄内・最上豪雨災害では人的被害はなかったものの、約4,600人が避難し、住宅約500戸が、床上床下浸水するなどの被害となり、農林水産被害は14億円を超えるものとなったのはご案内のとおりであります。

　　西日本豪雨災害では、気象庁と住民等の危機感の共有、早期の避難などに多くの課題を残したとされ、庄内・最上豪雨においても早期の避難について課題があったと言われております。この課題の１つ、気象庁と住民の危機感の共有については、直前の台風７号との関連もあると言われております。台風７号が九州に接近する見通しとなったころから、各地で大雨や洪水に対する警報が出されましたが、大きな被害がなかったこと、ただ梅雨前線は停滞し西日本を中心に雨が降り続き、気象庁は大雨の恐れと厳重な警戒を呼びかけ、特別警報を出す可能性があると異例の記者会見を開き、注意喚起をしたとの報道があり、この様子はテレビ報道でご覧になった方も多いと思います。

　　一方、住民は「台風が収まったころから大丈夫」や岡山県倉敷市真備町で取材を受けた方の「今まで人事過ぎた」との言葉は、危機感共有の課題をあらわしていると思います。

　　また、２つ目の早期避難については、多くの犠牲者が出た倉敷市真備町地区の浸水域は、市のハザードマップとほぼ一致していたが、多くの住民は詳しい内容は把握していないことや、こんなことが起きると思っていなかったという正常性バイアスと呼ばれる心理から、避難の遅れにつながったと言われています。

　　そして、気象庁の気象情報は複数存在していることと、それに対応する自治体の避難情報に関する連携なども早期避難の課題として挙げられております。異常気象が常態化しつつある情勢にあって、本市の防災体制は災害対応の基本となる東根市地域防災計画が情勢の変化等に応じ、逐次改正されるとともに、防災行政無線及び移動系無線の整備、図上総合防災訓練の実施、要配慮者と災害弱者への対応、各種団体との災害援助協定締結、市民への防災知識の普及などが行われ、計画的に整備・充実が図られていると理解していますが、私は最近の頻発する自然災害と甚大な被災状況から、より実効性のある踏み込んだ防災体制の充実が求められていると認識しております。

　　そこで、改めて本市の防災体制について１つ災害情報伝達、災害情報の収集、伝達の体制及び要領について。２つ避難体制、避難所運営についてなどを伺います。

　　以上が登壇の質問であります。

○加藤信明議長　７番髙橋光男議員の質問対し答弁を求めます。

　　土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　髙橋光男議員の防災体制の充実についてのご質問にお答えをいたします。

　　始めに、災害情報収集・伝達の体制、及び要領についてであります。災害が発生または発生する恐れがある場合、市は地域防災計画の職員の動員配備計画に基づき、速やかに初動体制を確立し、県防災情報システムや山形地方気象台へのホットラインなどを通じて、災害に関する情報の収集を行います。また、村山警察署及び関係機関と緊密な連携を図りながら、人的被害・建物被害・ライフライン被害・公共施設被害などの全市的な被害状況、その他災害活動に必要な情報の把握を行います。住民が必要とする災害や避難に関する情報については、登録制メールやエリアメール、市のホームページ、県防災情報システムを通じてテレビに表示されるＬアラートなどの情報ツール、更には防災行政無線、サイレン吹鳴装置及び広報車なども活用しながら即時の伝達対応を図って参ります。

　　また、緊急地震速報や気象に関する特別警報、土砂災害警戒情報などの緊急防災情報が発令される非常事態となった場合は、全国瞬時警報システム「Ｊアラート」が起動し、防災行政無線による緊急放送や緊急速報メールなどにより、住民に対し速やかに情報を伝達することとしております。今後とも、災害に伴う様々な情報については、住民の安全を確保するため、的確に整理・分析しながら住民に対し確実に伝達できるよう努めて参ります。

　　次に、避難体制・避難所運営についてであります。市は国・県などと連携しながら収集された様々な災害情報を総合的に判断した上で緊急性や危険の度合いに応じて、「避難準備・高齢者等避難開始」「避難勧告」「避難指示（緊急）」を発令いたします。避難の対象となった地域に対しては、防災行政無線での放送や消防団による広報を行うとともに、対象地域の自主防災会を中心として、住民や要配慮者への個別の連絡などにより避難所への速やかな避難を呼びかけることとしております。

　　本市の避難所は市内の公共施設を主に、「指定緊急避難場所」を50カ所、「指定避難所」を23カ所指定しております。「指定緊急避難場所」は、災害の危険から避難してきた住民が危険が去るまで、又は指定緊急避難場所へ移動するまでの間、一時的に滞在するものであり、「指定避難所」は被災した住民を一定期間保護するために、施設の管理者、自主防災会、市の三者が開設するものであります。

　　指定避難所においては、避難者数の把握や被災状況の報告、安否確認、必要物資の調達など行うとともに、高齢者や障がい者、乳幼児、妊婦等の要配慮者に十分配慮しながら、避難者の健康管理や衛生管理、プライバシーの確保、暑さ・寒さ対策などを講じることとしております。また、避難が長引く場合は自主防災会や避難者が中心となり、避難所運営委員会を組織し、自主的な運営となるよう指導していくこととしております。

　　災害時においてより安全に避難するためには、行政側の的確な予測に基づいた避難情報の発令、伝達に加え、住民自らが命を守るための速やかな避難行動が重要であります。今後とも各地区に組織された自主防災会を通じ、様々な機会を捉え、住民に対する防災意識の向上に努めて参りますのでご理解をお願いいたします。

○加藤信明議長　７番髙橋光男議員。

○７番（髙橋光男議員）　答弁ありがとうございました。情報の収集・伝達と要領、それから避難体制と避難所運営につきまして概要等、それから今後の取り組みの考え方につきましても述べていただきまして、その承知をいたしたところであります。

　　情報の収集と伝達の体制等と要領につきまして、もう少し具体的にお伺いをいたします。気象庁とそれから自治体、そして住民の危機感の共有についてですが、伝える側、それから受け取る側、双方に課題があるんだろうなと考えるものであります。

　　まず、伝える側に関わることについて伺いたいと思います。自治体の方は、気象庁から出される防災気象情報を受けて、避難準備情報などを出すと認識をしているところでありますが、この防災気象情報というのは複数あるということで登壇でも述べましたが、そして子どもから高齢者までわかりやすくスリム化する必要性があると言われているところであります。菅官房長官は７月９日の記者会見で、気象庁が発表する防災気象情報と自治体が出す避難情報の連携のあり方を見直す考えの表明をしているところであります。

　　そこでお伺いしたいと思います。山形気象台から出される現在の防災気象情報の種類・内容等それに応じ、市が発令する避難情報の区分とそれから発令要領これはどうなっているんでしょうか。

○古谷利明総務部長　それではお答え申し上げます。

　　山形地方気象台は災害が起きる恐れがあると判断した場合は、その危険度に応じて３段階ですけれども「注意報」、次が「警報」、その次が「特別警報」という３段階の警報、これに大雨であるとかいろいろな部分が頭につくことになりますけれども、３段階。加えまして、土砂災害の危険が高まった場合には、「土砂災害警戒情報」を発令することとなっているところであります。市はこれらの気象情報を受け、さらには実際の市内の状況を総合的に判断をいたしまして、これまた３段階ですけれども最初の段階として、「避難準備・高齢者等避難開始」の発令。次の段階としましては「避難勧告」。もう１つの最後の段階としましては、「避難指示（緊急）」という段階的に発令をいたしまして、住民に避難を呼びかけることとしているところであります。

　　なお、市では気象情報や気象の状況に応じまして、市が発令すべき避難情報や住民が取るべき行動を時系列的に示したタイムラインを運用しているところでありますけれども、自主防災会にもそのタイムラインの内容を周知を図りまして、理解を深めていただきながら、住民の命を守る観点からの空振りを恐れず安全に避難ができるよう努めていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　７番髙橋光男議員。

○７番（髙橋光男議員）　ありがとうございました。それでは市長の答弁でもございましたけれども、状況を総合的に判断するということと、段階的に発令すると。そしてこの際にタイムライン、これを運用してということで、適時の発令に努めていること、それから以前市長それから副市長にもお伺いしたことがあるんですが、空振りもいとわずに発令するという考え方です。これにつきましては大いによい評価をしたいというところであります。

　　このタイムライン、これはいわゆる業務の予定あるいは時間割りということで理解をしているところでありますが、それの必要性、それから重要性、これにつきましては、私の元の職の経験として、その必要性・重要性これについては理解しているところであります。そして、これを自主防災会側にも周知、それから理解を得ながらという点につきましては、自主防災会の方々にとって、知識を得るということと、それから安心感これも得ることができて次への行動につながることだろうと考えるところであります。わかりました。

　　次は伝わる側、いわゆる市民の側を見ての質問であります。先月災害に大いに関心を持っておられる方と西日本豪雨や市内の土砂災害危険地域に関して話をしたことがございます。そのとき、やはりあそこは大丈夫というコメントがあったことを覚えております。ですから、多くの方にこれまで生活してきた経過から、大丈夫、それから大したことないという、いわゆる正常性バイアスという心理があって、これをどのようにするのかということが問題なんだろうなと思うところであります。それには災害要素、それから、それに応ずる対応というものを知識として繰り返し伝えていくということが必要なんだろうと思います。

　　自主防災会への周知を図っているとの答弁いただきましたが、頻発する災害には市民の防災意識を高めて、そして一体となった対応が必要との観点から気象台から出される防災気象情報等対応して、市が発令する避難情報、これを市民へ広く周知すべきだと考えるところでありますが、この件につきましてはどのようにお考えでしょうか。

○古谷利明総務部長　先ほど議員のご指摘にもあったとおり、西日本豪雨においては住民に対する切迫感がある情報が出せなかったことや、危険性を十分に認識していたにも関わらず、避難行動につながらなかったことが大きな課題となったところであります。避難情報の周知については、住民の方々が避難行動を取る際に最も重要なことと捉えているところであります。市が避難情報を発令した場合は、あらゆる手段を講じて住民に周知をして避難に繋げていただくこととしているところであります。市が発令する避難情報の内容について、さらに理解を深めていただくために先ほどのタイムラインでありますけれども、今後ともハザードマップ等を使った住民への説明、ハザードマップには市の発令する避難情報について、住民の方が具体的などんな行動をすればいいのかということを関連づけて説明している部分もありますので、そういうものを活用しまして住民への説明・助言について、さらに積極的に実施して行きたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　７番髙橋光男議員。

○７番（髙橋光男議員）　情報とそれからその周知の重要性、そしてあらゆる手段を講じてという意気込みも含めて答弁いただきました。

　　その中で最も確実だと私考えておりますのは、特に災害弱者、こういった方々に対してもそうだと思いますけども、人を介して情報提供をするとこういったことが最も確実だと考えているところあります。いろんなＩＴが絡む手段というのも必要なんだろうと思いますけど、そのように思います。承知をしました。是非よろしくお願いしたいと思います。

　　また、答弁にありましたがハザードマップこれにつきましては、ここ最近の新聞報道にありましたとおり、現在県の方でも前倒しして見直すという報道がございました。できるだけ早く新しいやつを市民の側に配布できるようにお願いをしたいと思います。

　　そして、ここで情報収集に関して１つ提案をさせていただきたいと思います。今回の質問につきましては、気象台からの情報収集とう点に重点を置いて伺っているわけでありますが、現場の被災情報などの収集要領というのは答弁でもございましたとおり、それからこれまで一般質問等から承知しておりますが、迅速な情報収集、そして救命、それから復旧への指導という狙いから、以前も申し上げましたがタブレット端末という、それからＳＮＳを使った収集とそれから収集した情報、これを対策本部の地図上に展開すると、すぐできるというこういう防災アプリの導入。それからもう１つは、地震等では大いに活躍するんだと思いますが、ドローンの運営団体との災害時の使用協定、こういったことを今後検討していただきたいということを提案させていただきたいと思います。よろしくお願いします。

　　次は避難体制、避難所運営に関してであります。全般としては承知しましたが、西日本豪雨災害に関する新聞報道によれば、広島県内で７月末までに判明した犠牲になられた方々87名のうち、７割は土砂災害警戒区域内などあらかじめ災害が想定された地域でお亡くなりになっていたことや、それから別に記事には、災害弱者といわれる方々の犠牲も目立ったということから、避難個別計画策定の必要性、それから訓練が課題だという記事もあったのはご案内のとおりであります。

　　そこで、災害弱者への対応に関わる質問をさせていただきます。私は平成28年第３回定例会の一般質問におきまして、福祉関連の質問でしたが、熊本地震の教訓を受けて災害弱者の被害に関して、自主防災会等に対する制度の周知徹底や避難訓練の実施などについて触れさせていただきました。現場で要配慮者等の避難は自主防災会が担うと私自身考えておりますが、市内自主防災会の避難個別計画の策定などの状況はどのようになっているのかをお伺いいたします。

○加藤信明議長　古谷総務部長。

○古谷利明総務部長　お答え申し上げます。要配慮者に対しましては、より実効性のある避難となるよう各区長、さらに民生委員を通じて個別の避難計画の作成をお願いしているところでありますけれども、地域間において計画の取り組みに差があるような現状となっているところであります。個別計画の作成には、要配慮者を支える側の人材の確保などの課題はあるものの、近所同士の顔が見える関係や声がけをきっかけとして、情報の共有を図る必要があると捉えているところであります。

　　市としましても、個別計画策定推進のため自主防災会、連絡協議会への支援、また防災講演会におけるテーマの設定などを通して、また関係機関との連携を図りながら要配慮者を地域全体で支える環境づくりに努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　７番髙橋光男議員。

○７番（髙橋光男議員）　わかりました。近傍自治体の某地域、これは過疎の地域でありますけども、このときの事例であります。８月の庄内・最上豪雨の際に95歳の１人暮らしの女性宅に自主防災会の方が訪問して避難指示が出たら迎えに来るので準備をしていてくださいと伝えにきたということでありました。実際には市内に嫁いだ娘さんが事前に迎えに来て避難をしたということでありましたが、１つは事前に配慮が必要な方々を把握して、２つとして支援担当者を決め、それから情報伝達や避難などの訓練をして、そして徹底していくという自主防災会の実効性のある活動の一例だったと私自身思ったところであります。ただ今答弁いただきました、どうか推進していただきたいと思います。よろしくお願いします。

　　また避難所の運営に関しては、西日本豪雨災害で被災者が出た15府県の45市長の首長に読売新聞社がアンケート調査を行った結果として答弁と同じように暑さ対策、それから健康対策、それから災害弱者への対応などが課題とされていることでありました。

　　また、北海道胆振東部地方地震災害の復旧活動支援に、山形県あるいは山形市から職員の方も派遣されているわけですけども、その１人として県の防災指導主幹が災害対策現地情報連絡員、リエゾンというのだそうでありますが、リエゾンとして活動されております。その速報として、ある避難所の食事が非常に粗末だということとか、それから支援物資は大量にあるものの野菜がないことから、野菜ジュースへのニーズが非常に高いということが報告されております。是非この避難所を運営に関して参考にしていただきたいということと、市の計画のチェックをよろしくお願いしたいと思います。

　　それから先般、山形県の防災フォーラムに参加してまいりました。この防災講演の中で最近の災害の教訓の１つに、これは何回も述べておりますが、正常性バイアスを指摘し、知識と訓練、これが対策だと述べられておりました。まさしく私はそのとおりだと思います。地域防災計画にあるとおり、地域の防災力の要、これは市民一人一人、それから、自主防災会の充実にあるんだろうと思っております。出前講座の依頼が相当あると伺っております。市民の防災に対する関心も高まってチャンスだとも捉えることができますので、よろしくお願いしたいと思います。

　　次の質問に移ります。

　　大規模な災害の後にテレビに映し出されるのは、膨大な災害廃棄、それから、撤去する重機だったり、あるいはボランティアの方々の様子であります。県は、今年３月に災害廃棄物処理計画を策定したということを承知しておりますが、本市の取り組み状況についてお伺いしたいと思います。

○加藤信明議長　古谷総務部長。

○古谷利明総務部長　お答え申し上げます。

　　災害廃棄物処理計画は、災害で生じるごみの量、また処理できる量を想定しまして、ごみの仮置き場や運搬方法などを定めているものであります。議員からあったとおり、平成30年３月に山形県で策定した計画、そこの中に示されておりますけれども、本市の災害廃棄物の推定量、また仮置き場の必要面積、廃棄物処理施設の処理能力などの数値をもとにいたしまして、その数値などを示されておりますので、県が示しております平成32年度末を目標にいたしまして、具体的な計画を策定する予定としておりますのでよろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　７番髙橋光男議員。

○７番（髙橋光男議員）　これは市の防災計画の中には入ってない計画でありますので、是非進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。

　　質問の方は最後になります。

　　今回の一般質問につきましては、この度の豪雨災害の教訓から、特に共助が大事だという視点に立って質問いたしました。防災の取り組みについては、市として防災に関する基本方針、市民、それから自主防災組織、事業者、行政などそれぞれの責務、役割、それを果たす取り組み策などを明確にして、市民の皆さんほかにも周知をして、一体となって取り組むことが大事だと考えているところであります。県の防災基本条例が昨年３月交付施行されておりますが、本市においても防災の根本となる東根市防災基本条例、これを制定すべきだと思いますが、どのようにお考えでしょうか。

○加藤信明議長　古谷総務部長。

○古谷利明総務部長　お答え申し上げます。

　　山形県防災基本条例につきましては、全国的に大規模な災害が発生している現状を踏まえまして、県民の防災意識の醸成と自助・共助・公助が一体となって防災の取り組みを推進するため、平成29年３月に施行されたものであります。本市においては、市の地域防災計画によります市、そして防災関係機関の責務、住民の役割を十分に認識いたしまして、様々な機会を捉えて防災の重要性について周知を図り、防災意識の向上に努めるとともに、県の防災基本条例に市町村としての責務として規定されております地域防災計画に則した防災に関する施策の推進、これに今後とも十分積極的に取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　７番髙橋光男議員。

○７番（髙橋光男議員）　１つの考え方だと私は思いますが、質問のはじめに申し上げましたとおり、私、市の意志として防災に関する方針、それから市及び関係機関の責務、市民の役割などを確立して条例として示す。そのことによって市民の意識も高まって一体となって取り組むことができて災害に強い東根市になると考えるわけであります。もちろん現在のところ計画の第１点、総務省の方に載っているわけですけども、これやっぱり別個にしてやるべきだなとこんなふうに思っているところであります。検討を是非要望させていただきます。

　　最後にもう一点であります。これも要望になりますが、今年６月の大阪府北部地震の際に、小学４年生の児童が倒壊したブロック塀によって犠牲となりました。この際に、会派政清・公明は発生翌日に市長、それから教育長へ市、教育委員会、ＰＴＡ等が協力して通学路の緊急安全点検ということを行っていただくよう提言をさせていただきました。教育委員会の方では、学校の施設の安全点検ということを行ったということでありましたが、通学路の緊急点検をしていただいたこと、それから異常がない旨の報告を受けたところであります。迅速な対応に感謝申し上げます。ありがとうございました。

　　しかしながら、市内には多くのブロック塀などがあること、板塀のところもあるわけなんですが、それから山形盆地断層帯地震、これが想定されていることなどから、市内のブロック塀等の点検の実施、それからもう１つは、危険なブロック塀の撤去、それから改修費用の助成について是非検討していただきたいとこういうふうに思うわけなんですが、これを要望しているところであります。是非ご検討いただきたいということで要望しまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○加藤信明議長　以上でご了承願います。

　　◎山科幸子議員質問

○加藤信明議長　次に、２番山科幸子議員。

　　　〔２番　山科幸子議員　登壇〕

○２番（山科幸子議員）　２番山科幸子でございます。通告に基づきまして、ただ今より、一般質問を行います。

　　東根市は、農耕一体のまちづくりを推進し、豊かで魅力と活力にあふれたまちとして人口が増え続け躍進を続けております。とりわけ農業は、東根市の基幹産業の１つであり、平成６年に果樹王国宣言を行い、果樹王国ひがしねブランドを確立するなど、東根市の発展に大きく寄与してまいりました。農業は、私たちの生活に欠くことのできない食材を供給し、国土や環境の保全を通して経済的効果、公益的な機能や文化的な役割、社会的意義など多種多様な役割を果たしています。

　　また、農村や農地は、地域固有の景観を生み出して歴史や伝統に根差した文化や食生活を継承して、緑と潤いのある生活や安らぎ、余暇や観光資源としての価値を提供しております。

　　東根市では、農林業の振興におきまして、多方面から課題の解消と事業の推進を図るべく施策を展開しており、農業振興が地域振興の核となってきております。元気な東根市に相応した元気な農業、そして、元気な生産者を実感できる反面、農村部の衰退、後継者や担い手不足、農業繁忙期における人手不足など、農業を取り巻く環境は年々深刻化してきています。地域振興には農と食との取り組みが重要であり、国においても農業振興と食育の推進にかかる重点的な取り組みを推進してきております。

　　つきましては、本市における農業振興につきまして、次の４点についてお伺いいたします。

　　はじめに、農業振興には課題と現状把握が重要でありますので、本市における農業の状況についてお伺いいたします。

　　次に、道の駅についてであります。他市町の道の駅が活気を呈しております。道の駅を核とした地場産業、とりわけ新鮮、地域ならではの農産品は特に人気を博し、集客、売り上げは地域農業に大きく貢献しているところであります。本市では、道の駅整備事業として道路情報の発信機能をはじめ、地域観光の拠点など多方面の角度から基本計画を策定し、具体的な整備方針を定めるとしています。よってけポポラは約600名の会員が新鮮、安全・安心な自慢の農産品を毎日出荷しています。値段、荷姿が自由であり、高齢者や小さな農家でも出荷できることから、地域農業の維持に大いに寄与しております。また、よってけポポラ周辺には、あそびあランドや体育館、グラウンドゴルフなど公共施設が集まり、駐車場の拡充や利便性の向上が課題となってきております。果樹の繁忙期やイベントなどの混雑時には、本市への来訪者が48号線沿いの観光果樹園、チェリーランドなど、他市へ流れている現状があります。道の駅整備事業は、今後の地域農業に大きな影響があることから、整備計画についてお伺いいたします。

　　続きまして、地産地消、食育、食農についてお伺いいたします。

　　農業が衰退すると環境や生活、とりわけ生命に関わる食事面での影響が大きくなります。地場産品から国内産での農産物の供給、いわゆる自給率を確保していくことが以前から大きな課題とされてきていますが、我が国の自給率は下がる一方です。核家族化や就労の多様化、生活の変化によって食事の質が変わってきております。地産地消と食育の取り組みが、地域農業の維持、発展に重要であると考えます。豊かな味覚を形成するには経験が必要であり、幼児期に決まるといわれる子どもの味覚の発達には、育成するという食育が大事であります。子どもたちへの食育の取り組みが健康な体と体力づくりはもとより、農産品の消費に大きく関わってきます。

　　また、農に関わる取り組みは、命を育み生産する喜び、土に触れ動植物に触れることは情操教育に大いに役立っています。さらに、実体験は農に対する関心を生み、職業としての選択肢としても身近な存在となり、今後の農業への大きな取り組みと考えます。

　　つきましては、地産地消、食育、食農に対する本市の取り組みについてお伺いいたします。本市の特徴ある地域が連携し、多くの業種と関わり、どのように他産業と連携していくかが農村環境や生産の基盤維持を支え、基幹産業として本市の発展に大きな影響を及ぼしていくと考えます。

　　最後に、農業には多種多様な役割と、他産業との大きな関わりがありますので、地域連携や他業種連携についての取り組みについてお伺いいたします。

　　以上をもちまして、登壇席からの質問を終わります。

○加藤信明議長　２番山科幸子議員の質問に対し、答弁を求めます。

　　土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　山科幸子議員の農業振興についてのご質問にお答えいたします。

　　はじめに、本市における農業の状況についてでありますが、全国的に就農者の減少や高齢化などにより、農業の担い手不足が深刻化している中、2015年調査の農林業センサスにおいて本市の概要を見ますと、農家総数では1,791戸であり、10年前の調査と比較すると８％の減少となっております。また、議員ご指摘の高齢化や後継者不足による農業就業人口推移におきましても総数3,242人であり、10年前の調査と比較すると30.4％の減少となっておりますが、専業農家としては逆に11.5％増加の540戸となっております。

　　耕地面積につきましては、27万1,026ａで９％減少しておりますが、本市農産物の顔ともいえるさくらんぼにおいては、栽培面積は増えており、大規模農業へ移行していると推察しているところであります。

　　平成29年度の新規就農者数は15人であり、過去５カ年の平均を見ても14.8人となっていることから、新たな農業労働力、農業の担い手はある程度確保されているものと認識しております。

　　さらに、平成29年度より人口減少や高齢化等の進行が著しい地域に、都市住民など地域外の人材を地域社会の新たな担い手として受け入れ、地域力の維持、強化を図るため、昨年12月に１名、今年９月に１名、地域おこし協力隊員に任命し、現在、東部地区を中心に農業の研修を行っております。

　　また、さくらんぼの労働力不足の解消に向けては、援農ボランティアの募集、作業体験研修会、子育てママの雇用応援事業、ＪＡ無料職業紹介所の設置等の取り組みを行っております。

　　先日、県で開催されたさくらんぼ労働力確保対策の会議でも報告がありましたが、ＪＡさくらんぼひがしね無料職業紹介所における平成30年の雇用実績は56人と、平成29年度より17人増加しております。今後も、さらに農業の魅力を情報発信し、雇用につながる取り組みを推進してまいりたいと考えております。

　　次に、道の駅についてでありますが、山形県が平成28年３月に策定した「やまがた道の駅ビジョン2020」を受け、本市においても道の駅が情報発信や地域振興の拠点になり得ることから、平成29年度に関係各課の課長補佐による担当者会議を立ち上げ、基本構想の策定を進めたところであります。基本構想の中では、設置場所を東根市農協の産直施設、「よってけポポラ」周辺に位置付けております。要因としましては、「よってけポポラ」が仙台方面からの観光客の玄関口にあり、年間約52万人を集客、約15億円以上の売り上げを誇る施設であること。周辺にはあそびあランドなど、大森山公園の施設が隣接することなど、これらの施設と効果的に連携することで、様々な相乗効果が期待されることから選定したところであります。

　　基本構想の中では、道の駅が有する様々な機能について検討するとともに、施設整備や整備手法等についても検討し、昨年度末に基本構想の策定が完了したところであります。今年度においては、基本構想を踏まえながらより具体的な基本計画の策定を予定したところでありますが、昨年末に東根市農協よりよってけポポラ周辺に新たな事業計画が示されたことから、東根市農協の事業計画との調整を図った上での道の駅基本計画策定が必要となったところであります。本市が計画している道の駅は、「よってけポポラ」の利用者の利便性に配慮した施設の整備や配置が最も重要なポイントと考えており、当面は東根市農協との調整が最優先となりますが、道の駅の基本計画策定に当たっては、施設整備や運営手法等についての検討が必要となることから、今後、各種関係団体との協議を図りながら進めてまいります。

　　次に、地産地消、食農教育についてでありますが、平成28年３月に地元農産物の利用を促進し、地域農業の振興も図るべく、食育の推進と一体的に東根市食育地産地消推進計画を策定したところであります。この計画では、基本コンセプトを普及から実践へと位置付け、家庭、保育所、学校等、職場、関係団体、地域、行政がそれぞれの立場で、また、互いに連携しながら健康な体づくり、豊かな心を育む食の安全・安心、地産地消の推進を３つの柱として事業を展開し、食育、地産地消を推進していくこととしております。

　　市が主催する果樹王国ひがしね地産地消推進協議会は、平成28年５月に設立され、農産物の安全な生産、流通体制の確立、消費者に対する安全・安心な農産物を提供する生産地づくり、そして、農産物の地産地消の推進を図ることを目的として、北村山農業技術普及課、農協、認定農業者の会、学校給食物資納入協力会等、18団体で組織されており、地産地消の一端を担う事業としては、地元産農産物消費拡大として、学校給食等における東根産農産物の供給や、さくらんぼの提供、本市でつくられた旬の農産物を使った子どもが主役の料理教室の開催、地元で生産されている農産物を子どもたち自ら収穫する体験学習や、農業士会による担い手育成事業として、市内各小学校において農産物の栽培等の農業体験活動を行っております。

　　次に、地域連携、他業種連携についてでありますが、地域の農業や経済の現状を踏まえつつ、これからの地域の活性化を考えるとき、農業分野にとどまらない地域・他業種との連携が必要であると捉えております。このことから、市内の農業関係団体、商工業者に加え、教育関係者などの参画のもと、平成27年９月に果樹王国ひがしね６次産業化推進協議会を設立いたしました。平成28年10月には、本市の農業及び関連産業のさらなる発展に資していくための指針として果樹王国ひがしね６次産業化推進戦略を策定し、併せてこの推進戦略に基づく取り組みを支援するため、東根市６次産業化推進計画を策定したところであります。

　　関連する事業としては、生産者と消費者をつなげることが本市の「食と農」に新たな価値を生み出すという発想のもと、私自らが農協と連携しながら、東京・大阪・福岡などでトップセールスを行ったほか、平成27年にはタイにも赴いてプロモーションを行ったところであります。その他、東京の高級フレンチ店において、生産者自らが出向き、東根産農産物や同加工品の販売プロモーションなどを展開してきたところであります。このように生産者、農協等各種関係団体と行政が一体となり、「オール東根」体制で事業に取り組んでおります。ＧＩ「東根さくらんぼ」の登録や、年々増加している「よってけポポラ」の来客数、販売実績など、これまで展開してきた農業振興施策の成果が表れているところと捉えております。今後も、各種関係機関・団体・地域と連携を図りながら、魅力ある農業の振興をより一層推進してまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。

○加藤信明議長　２番山科幸子議員。

○２番（山科幸子議員）　これまでいろいろな施策を展開してきましたこと、ご答弁ありがとうございました。

　　それでは、答弁に基づきまして、質問席から順次質問をさせていただきます。

　　主力農産物の果樹の耕作面積は増えていて、新規就農者も過去５年間約15人で推移しているということ。東根市の農業の現状については一安心したところであります。しかしながら、周辺農村部の耕作放棄地の増加は目に見えるように明らかです。また、農協の組合員の平均年齢が72歳とか聞いております。特に周辺部では、奥にいけばいくほど高齢者の耕作農業者が多くなっており、高齢化が進んでいることは深刻な状況にあります。そこで、農業分野で地域おこし協力隊の制度を活用して、昨年度から東部地区へ配置したということはとても有効な施策であると考えます。２名の地域おこし協力隊についてもう少し詳しく教えてください。

○加藤信明議長　石垣経済部長。

○石垣裕之経済部長　お答え申し上げます。

　　お１人の方は愛知県出身の20代の男性でございます。また、もう１人の方は宮城県出身の30代の男性でございます。お二人とも就任前は東京都内において会社勤めをなさっていた方でございました。よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　２番山科幸子議員。

○２番（山科幸子議員）　２名の都会からの地域おこし協力隊の方々が東根市を選んでいただいて本当に感謝したいと思います。今後さらに東根市を好きになっていただいて、将来にわたって地域農業を担っていただければなと思いますので、日ごろの皆さんのご支援、私たち、そして地域が支援をしていきたいと考えます。

　　今、農業女子や農業合コンなど新しい取り組みがなされていて、農に関する仕事がしたい、気になるという若い人も増えてきています。地域おこし協力隊の方による情報発信などはどのようになさっているのでしょうか。

○加藤信明議長　石垣経済部長。

○石垣裕之経済部長　お答え申し上げます。

　　活動状況は主に農業になりますが、こちらにつきましては、定期的にｆａｃｅｂｏｏｋを活用しまして発信しているということになってございます。よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　２番山科幸子議員。

○２番（山科幸子議員）　それでは、私も早速見てみたいと思います。そして、私の範囲内でＳＮＳなどで活用していきたいなと思っています。

　　あと、ちょうど昨日でしたか、農協だよりを見ましたところ、農協だよりに１名の、大変ハンサムですてきな方が、この方が地域おこし協力隊なんだなと拝見したところです。今後の活躍に本当に期待したいなと思っています。介護分野なんかですと、他市町で独自に就職の活動のブースを持っていますが、こういう方たちが農業ブースで活躍なんかしてくだされば、とてもいいかなとも考えます。労働力不足はさくらんぼ作業では、特に深刻です。私の周りでももう人がいません。ほとんどさくらんぼ作業に借り出されていて、80歳以上の人が主力、またはもう現役となっています。来年の４月に神町の南部に大型スーパーが進出してきます。だとすると、さらに女子の労働力はいなくなるのではないかと、とても懸念されております。東根市農協さんの無料職業紹介が先ほど挙がっていましたけども、県外からの雇用につなげていると受け取りました。雇用実績などは把握していたら教えてください。

○加藤信明議長　石垣経済部長。

○石垣裕之経済部長　お答え申し上げます。

　　今年度、平成30年度の実績ということになりますが、市内から登録なされて働かれた方が13名でございます。残りが市外の方になりますが、市外の方のうち県内の方が６名、そして県外の方が37名という実績になっております。よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　２番山科幸子議員。

○２番（山科幸子議員）　さくらんぼは特に県を挙げての主力品種となっていて、やはり労働力の確保というのは、この市内はもとより近隣市町でもなかなか困難になってくるのではないかと思います。

　　新得町にこの度議員交流会で訪問させていただきました。そしたらば、農業者自身、法人でも１Ｋのアパートをそれぞれ持っていたんですね。だからこれからは労働力確保のためには、季節的な繁忙期だけではなかなか人は集まりません。パートとかに出てしまいます。なので、啓翁桜から野菜、稲作なんかも含めて周年で雇用できるような体制をして、他県から人手を確保する、そして定住につなげていくという方法が私は有効ではないかなと考えます。これからさらに東根市と東根市農協さんがさらに連携して、この辺を推進していくような方策が有効ではないかと考えますので、よろしくお願いしたいと思います。

　　次に移ります。よってけポポラは農業観光に今、重要な施設となっています。ところが、先ほど行われた肉のフェスティバルなどイベント時には、もう周辺部は大変混乱しています。信号機もないことですし、あとポポラに来た方は駐車場が取れないような状況で大変混雑していたようでした。道の駅が設置されることで、利便性が増して、相乗効果を生み出だして観光や農業振興の核になっていくのではないかと考えますので、道の駅の周辺整備につきましては、是非お願いしたいと思います。他市の道の駅は本当に盛況があって、新聞報道マスコミなんかでもされていますので、市民の方の関心もとても高くなってきています。積極的そしてかつ迅速的に設置すべきではないかと考えますので、これからの事業整備計画はどのようになっているかお伺いいたします。

○加藤信明議長　東海林建設部長。

○東海林建設部長兼水道部長　お答えいたします。

　　今後実施設計を行い、用地測量、用地買収、工事着手と事業を進めていくこととなります。しかし、市長の答弁にもありましたとおり、道の駅にはよってけポポラの利用者の利便性に配慮した施設整備が重要なポイントでありますことから、基本計画の策定に向け、当面は東根市農協との調整を最優先と考えております。ご理解をお願いいたします。

○加藤信明議長　２番山科幸子議員。

○２番（山科幸子議員）　了解いたしました。土田市長には是非リーダーシップを発揮していただいて、農協さんと連携して早目の実現が可能になりますようにお願いしたいと思います。

　　先ほど市長の答弁にもよりまして、地産地消や食育、食農の取り組みについては、多方面での事業の取り組みがなされていることがよくわかりました。消費がなければ、農業は成り立ちません。食卓を預かる主婦の身としても野菜は毎食欠かせない物です。健康維持には１食あたり両手いっぱい、加熱して片手いっぱいだそうです。こちら、市の管理栄養士さんからも確認してきました。高齢者でも小規模な農家さんでも作業ができて、耕作放棄地の解消策としても有効な野菜生産販売や活用についてはどう考えるのかお伺いいたします。東郷にある県の野菜栽培ハウスがありますが、その辺の利用状況も合わせてお伺いいたします。

○加藤信明議長　石垣経済部長。

○石垣裕之経済部長　お答え申し上げます。

　　ＪＡさくらんぼひがしねにおきましては、東根産野菜の生産・販売の拡大をしていこうということで、野菜の講習会や情報発信などに努めているところでございます。市といたしましても情報発信など、支援を行ってまいりたいと考えております。

　　それから２番目のご質問でございますが、県の戦略的園芸産地拡大支援事業の補助金を活用して、ＪＡさくらんぼひがしねで設置しております野菜栽培実践研修施設につきましては、全部で８棟ございます。平成26年からスタートしておりますので、現在は２期目ということになりますが、新規就農の方や帰農者、１回離農なさってもう一度農業始めようとしていらっしゃる方でございますが、そのような方８名が現在あそこの場所で研修活動を行っているところでございます。よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　２番山科幸子議員。

○２番（山科幸子議員）　野菜栽培についての取り組み状況、とてもよくわかりました。ありがとうございます。

　　地産地消については、学校給食なんかではかなり前からやっております。ところが、やっぱり大量調理なので、規格外が出ると使えないということで、品目が多分限られてくるのではないかなと思います。これからは保育所、高齢者サロンや福祉施設などあらゆる場面で地場産の作物を使っていただけるように進めていくべきかなと思います。特に子どもたちにはたくさん地元食材を食べていただいて、将来の食を支えてもらいたいと思います。

　　時間がありますので、食育について１つ文章を見つけましたので披露したいと思います。平成17年６月に食育の法案が成立し、食育という言葉を耳にする機会も多くなりました。食育という言葉は新しいようですが、実は明治時代の書籍の中に登場しています。知育、勉強ですね、よりも体育よりも一番大事なのは食事の研究をすることだと、もう明治時代に言われております。今後とも食育・食農の取り組みをお願いしたいと思います。

　　次に、ふるさと納税の方に移りたいと思います。ふるさと納税寄付金の堅調な推移は先ほどおっしゃったオール東根体制での事業の成果であると思います。返礼品における農産物の割合と上位農産品を教えてください。

○加藤信明議長　石垣経済部長。

○石垣裕之経済部長　お答え申し上げます。

　　ふるさと納税の寄付金額ベースになりますけども、大体約８割が農産物で、残りの２割が工業製品などになってございます。こちら、29年度の実績ということになります。農産物のうち、一番金額の大きかった物は、本市の顔でもありますさくらんぼでございます。そして次いで米、そしてそのほか桃などの果実ということで上位になってございます。よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　２番山科幸子議員。

○２番（山科幸子議員）　ありがとうございました。

　　ふるさと納税寄付金は寄付者の思いを東根市ふるさとづくり基金に積立てて、13の事業に使わせていただいている市の重要な独自財源であります。ふるさと納税制度には、総務省通達とかいろいろな課題がありますけども、特産品の育成や地場産業の振興に大いに効果を発揮しているところです。本市では農産物が８割を占めているということでありました。地域農業の振興に大きく貢献している、寄与していることがわかります。今後とも地場産業振興に役立てていただいて、寄付金が特産品のブランド力強化や今後の農林水産業を担う新規就農者の育成などに活用されることに期待したいと思います。

　　今後とも地域農業が衰退することなく、基幹産業として本市発展につなげていくことをお願いいたしまして一般質問を終わります。ありがとうございました。

○加藤信明議長　以上でご了承願います。

　　以上で、本日の日程は全部終了しました。

　　本日は、これで散会します。ご苦労さまでした。

　　　午後　２時５０分　散　会