平成３０年第１回東根市議会定例会　３月　６日　議事日程　第３（一般質問）

平成３０年３月６日　午前１０時００分　開　議

　　　　　　加　　藤　　信　　明　議長　　　　　　　髙　　橋　　ひろみ　副議長

◎出席議員（１７名）

　１番　　　片　　桐　　勝　　寿　議員　　　　　　　２番　　　山　　科　　幸　　子　議員

　３番　　　高　　橋　　鉄　　夫　議員　　　　　　　４番　　　白　　井　　健　　道　議員

　５番　　　河　　村　　　　　豊　議員　　　　　　　７番　　　髙　　橋　　光　　男　議員

　８番　　　細　　矢　　俊　　博　議員　　　　　　　９番　　　今　　野　　　　　孝　議員

１０番　　　浅野目　　幸　　一　議員　　　　　　１１番　　　阿　　部　　綾　　子　議員

１２番　　　清　　野　　貞　　昭　議員　　　　　　１３番　　　森　　谷　　政　　志　議員

１４番　　　佐　　藤　　　　　直　議員　　　　　　１５番　　　秋　　葉　　征　　士　議員

１６番　　　清　　野　　忠　　利　議員　　　　　　１７番　　　髙　　橋　　ひろみ　議員

１８番　　　加　　藤　　信　　明　議員

◎欠席議員（１名）

　６番　　　原　　田　　利　　光　議員

◎説明のため出席した者の職氏名


土　田　正　剛	市　　　　　　長	元　木　正　史	教　　育　　長
武　田　庄　一	選挙管理委員会委　　員　　長	斎　藤　吉　則	代表監査委員
工　藤　喜惠治	農業委員会会長	伊　藤　孝　次	消　　防　　長
間木野　多加志	副　　市　　長	古　谷　利　明	総　務　部　長
奥　山　　　茂	市民生活部長	梅　津　佳　之	健康福祉部長
石　垣　裕　之	経　済　部　長	東海林　克　彦	建　設　部　長兼水道部長
眞　木　知代美	会計管理者	芦　野　耕　司	教　育　次　長
高　橋　重　俊	総合政策課長	石　垣　有　一	庶　務　課　長併選挙管理委員会事　務　局　長
石　垣　和　彦	財　政　課　長	半　田　　　薫	監　査　委　員事　務　局　長
東海林　浩　司	農業委員会事　務　局　長

◎事務局職員出席者職氏名


佐　藤　浩　之	事　務　局　長	井　上　正　宏	事務局長補佐
菅　井　美奈子	議事主査兼議事係長	齊　藤　晋　平	副　　主　　任
松　山　朋　美	主　　　　　事	早　坂　　　康	兼　務　書　記
森　谷　賢　司	兼　務　書　記	早　坂　　　康	兼　務　書　記

◎議　事　日　程

　議事日程第３号

　　　　　　　平成３０年３月６日（火）　午前１０時　開　議

　日程第　１　　市政一般に対する質問

　　　　　　　　１　　１６番　清　野　忠　利

　　　　　　　　２　　　９番　今　野　　　孝

　　　　　　　　３　　１１番　阿　部　綾　子

　　　　　　　　４　　　５番　河　村　　　豊

　　　　（散　　　　　会）

◎本日の会議に付した事件

　議事日程第３号に同じ。

平成３０年東根市議会第１回定例会一般質問発言通告書


番号	質問者	質問事項	質問要旨	答弁者
１	清野忠利議　　員	１．さくらんぼ新品種「山形Ｃ12号」のブランド化に向けた産地形成への取り組みについて	１．昨年12月26日、山形県は、さくらんぼの新品種「山形Ｃ12号」の開発に成功したと発表、高級贈答や輸出向けの販売が期待され、平成34年ごろ販売を予定している。　　そこで、「山形Ｃ12号」のブランド化に向けた産地形成にいち早く取り組むべきと思うがどうか。	市　　　長
１	清野忠利議　　員	２．東根市都市計画マスタープランの今後の方向性と計画について	１．東根市都市計画マスタープランは平成12年度を基準として平成32年度までの20年間の東根市のまちづくりの基本的な方針を定めたものであり、東根市を強く推し進めてきた計画である。振興実施計画第51号に都市マスタープラン改定事業が平成30年度から３カ年計画で計上されているが、今後の方向と計画についてお伺いする。	市　　　長
２	今野　孝議　　員	１．生活保護費削減の影響について	１．昨年12月22日に、2018年度政府予算案が閣議決定されました。2013年度～2015年度の削減につづき生活保護費のさらなる削減が打ち出されました。　　生活保護費の削減は、低所得者対策全体の後退へとつながりかねません。そこで、（１）2013年度～2015年度の削減が、本市の生活保護行政及びその他のサービスに及ぼした影響についてお尋ねします。（２）2018年度以降の削減に、どのように対応していくのかお尋ねします。	市　　　長教　育　長
番号	質問者	質問事項	質問要旨	答弁者
		２．学力向上の手だてについて	１．2016年11月29日、国際教育到達度評価学会は、2015年の国際数学・理科教育動向調査の結果を公表しました。成績以上に私が気になったのは、「勉強が楽しい」と回答した子どもの少なさです。特に中学生は、国際平均より数学が19ポイント、理科が15ポイントも低くなっています。　　教育行政は、子ども達に、楽しい学びを保障するための努力をしなければならないと考えます。そこで（１）本市の子ども達は楽しく学べているのかお尋ねします。（２）子ども達が楽しく学ぶためには、授業の質的向上が必要です。本市の授業改善の手だてについてお尋ねします。	教　育　長
３	阿部綾子議　　員	１．国際化に向けた事業の推進について	１．ホストタウン関連事業及び国際交流事業の進捗状況と今後の計画について２．国際交流に対する機運醸成のための方策について３．グローバル化、インバウンド対応のまちづくりについて	市　　　長
３	阿部綾子議　　員	２．国際理解を育む学校教育について	１．海外に視野を広げるための取り組みについて２．２０２０年東京オリンピック・パラリンピックに関する学校活動について	教　育　長


番号	質問者	質問事項	質問要旨	答弁者
４	河村　豊議　　員	１．マイナンバーカード活用による市民生活の利便性向上について	１．コンビニでの証明書類発行について	市　　　長
		２．障がい者差別解消の推進について	１．障がい者差別解消法に係る市条例制定について	市　　　長
		３．市内小中学校のいじめ問題について	１．いじめ事案の把握状況について２．いじめ相談窓口について	教　育　長

　　◎開　　　　　議

○加藤信明議長　皆さん、おはようございます。本日の会議に、欠席の届け出がありましたのは、６番原田利光議員です。したがいまして、出席議員の数は17名で定足数に達しておりますので、これから本日の会議を開きます。

　　本日の会議は、議事日程第３号によって進めます。

　　◎市政一般に対する質問

○加藤信明議長　日程第１　市政一般に対する質問を行います。

　　質問は通告順としますが、発言順番を迎えたときに議場にいない場合は、発言権の放棄とみなしますので、そのようにご了承願います。

　　◎清野忠利議員質問

○加藤信明議長　はじめに、16番清野忠利議員。

　　　〔16番　清野忠利議員　登壇〕

○16番（清野忠利議員）　皆さん、おはようございます。

　　16番清野忠利です。通告にしたがい質問をいたします。

　　昨年12月27日に、県より公表されました、さくらんぼの新品種「山形Ｃ12号」についてお伺いします。この山形の新品種の名前は山形で生まれ、山形Ｃは海外でも呼ばれているチェリーというさくらんぼです。山形Ｃということと、12というのは平成12年に、山形県園芸試験場で開発されたので、山形Ｃ12と今のところ命名になっております。

　　今年度中に名称は決定すると言われています。６月か７月に決定されるということであります。最高級品種、佐藤錦などの従来の品種より果実が大きく、やわらかくなりにくいため、日もち性にすぐれている品種であり、高級贈答や輸出向けの販売が期待されるものであります。

　　市場に出回るのは早くても平成34年ころと想定されているようです。私は、この山形Ｃ12号ブランド化に向けた東根の産地形成をいち早く取り組むべきと考えております。

　　最近の消費者のニーズは、甘みの強い紅秀峰にも向かっております。東根市は最高級品種佐藤錦の発祥の地でもあり、さくらんぼの主役の佐藤錦は県内の約７割を占めております。しかし収穫時期の分散化や、消費者の求めに応じ、紅秀峰などを開発し、これまで２枚看板で、さくらんぼ王国を山形が守ってきております。

　　しかしながら、山形Ｃ12号は、粒の大きさが500円玉より大きい、直径28ミリ以上が中心であり、３Ｌ、４Ｌが主体の大玉のさくらんぼであります。糖度も20度以上と、佐藤錦とほぼ同じくらいだと言われております。これからは国内需要の変化や、時代の変化を見据え、東根市はさくらんぼの海外輸出を見込み、タイ国や外国に目を向けてまいりました。

　　また、作業効率を考えても山形Ｃ12号の導入は、産地形成という利点があると考えられます。労力の分散化も可能ではないでしょうか。昨年、地域保護するＧＩを佐藤錦で登録され、法的にメリットは大きいと思いますが、今後一層のブランド化競争にさらされることが予想されます。

　　私は、他市町村よりもいち早く山形Ｃ12号のブランド化に向けた産地形成に、東根市は取るべきだと考えております。東根市は、山形Ｃ12号を今後どう取り組むのかお伺いします。

　　次に２点目、東根市都市計画マスタープランの今後の方向性と計画についてお伺いします。

　　東根市都市計画マスタープランは平成12年度を基準として、平成32年度までの20年間の東根市のまちづくりの基本的な方針を定めたものであります。今の東根市を強く推し進めてきた計画であり、今回、東根市振興実施計画第51号に都市マスタープラン改定事業が、平成30年度から３カ年計画を実施ということで計上されております。

　　マスタープランは、住民と行政と共同でつくり上げて、市全体の構想、地域別の構想と２つの構想が挙げられているが、これまでの各議員からも質問があったように、地域格差の是正という意見がありました。また道路網の整備や、計画になっている道路も政治の状態、行政の状況下で計画のみになっている事業もあります。平成30年度から３カ年計画で改定事業が計上されている、この16年間の、住民及び議員の意見を踏まえ、改定事業に着手してもらいたいと思います。今後の方向と計画についてお伺いします。

　　以上で登壇の質問を終わります。

○加藤信明議長　16番清野忠利議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　おはようございます。清野忠利議員のご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、山形Ｃ12号の産地形成についてでありますが、山形Ｃ12号は海外に販路を拡げ、さくらんぼを世界ブランドに押し上げる目的で、平成27年に県が立ち上げた「山形さくらんぼ世界一プロジェクト推進会議」におけるプロジェクトの１つとして取り組んできたものであります。

　　佐藤錦など今の主力品種は、アジアで好まれるサイズに比べて小ぶりであり、海外の品種と競争できる大玉品種を育てることで、輸出の拡大につながるものと期待されております。

　　果実の直径は、特大サイズと言える３Ｌから４Ｌであり、また20度以上の高糖度で、着色不良や収穫前に実が軟化する「うるみ果」などの高温障害にも耐性があると言われております。あわせて、山形Ｃ12号の収穫期は６月下旬をピークとする佐藤錦と、７月上旬が盛期の紅秀峰をつなぐ、６月下旬から７月上旬までとなっており、繁忙期が分散され、良質な旬のさくらんぼの、切れ目ない出荷体制が構築できると、県では見解を示しております。

　　ご案内のとおり本市においてはさくらんぼ生産量日本一、佐藤錦発祥の地としての誇りとこだわりをもち、佐藤錦を中心に据えた生産環境整備に力を注いでまいりました。その中で培った栽培技術は、さくらんぼの品種全般にわたる品質と生産量の向上に大きく貢献し、果樹研究連合会に代表されるような、若手農家や新品種導入に意欲的な農家を育てておりますので、新品種の導入に興味を示す生産者も想定されることから、支援策としましては、山形Ｃ12号を受粉樹として購入する場合に、現行の佐藤錦生産環境整備事業を活用し、これまでの紅秀峰などと同様、購入補助を行うことができますので、農協等と連携を図り、さらなる周知を行ってまいりたいと考えております。

　　また、昨年４月に国のＧＩ保護制度に知的財産として登録された「東根さくらんぼ」につきましては、全品種で申請を行い、等級や階級など出荷基準を満たせば品種を特定することなく認められているところでありますが、現在は生産の約８割を占め、消費者に知名度の高い佐藤錦、紅秀峰に限定し、ブランド化の確立に努めているところであります。

　　したがいまして、登録団体である果樹王国ひがしね６次産業化推進協議会において決定となれば、山形Ｃ12号をＧＩの対象とすることは可能でありますので、機運の高まりなどを考慮して、取り組んでいくことが必要であると捉えております。

　　このように、産地形成に向けての対応は可能ではありますが、今後とも農協等の関係機関及び地域と連携を図りながら、さくらんぼ生産量日本一、佐藤錦発祥の地として一層のブランド化を推進し、「東根さくらんぼ」を全国的に発信してまいりますのでご理解をお願いいたします。

　　次に東根市都市計画マスタープランの今後の方向性と計画についてでありますが、東根市都市計画マスタープランは、都市計画法に基づき市町村が策定するまちづくりの長期的な計画であります。その概要といたしましては、東根市全体のまちづくりを考える全体構想と、より具体的に地域を考える地域別構想にわけて作成し、東根らしいまちづくりの実現に向けた方策を定めております。

　　また、本計画が20年という長期の計画であることから、中間年次となる平成23年度に事業の進捗やまちづくりの経過を踏まえ、改定を行う中において、まちづくりの基本理念を「自然の恵みと都市環境が調和する魅力あるまちづくり」と定め、これまで取り組んでまいりました。この間のまちづくりの主な実績といたしましては、一本木土地区画整理事業及び組合施行による神町北部土地区画整理事業等の面的整備が完了し、市内において、市街地が南北に連担することができたことが挙げられます。

　　高速交通施設整備といたしましては、平成14年度に東北中央自動車道の山形上山インターチェンジから東根インターチェンジまで開通し、平成30年度には、（仮称）東根北インターチェンジまでの開通も決定するなど、利便性が飛躍的に向上しております。

　　また市内幹線道路の整備といたしましては、県道長瀞野田線、都市計画道路長瀞神町線の整備が進み、市内南北を結ぶ幹線が整備されるとともに、都市計画道路宮崎西道線、長谷平林線の整備により東西のネットワークも強化されております。

　　このようなまちづくり施策に加え、子育て、福祉、教育の環境整備などにも力を注いだ結果、計画最終年次における将来人口目標の４万6,500人を既に超えて、県内唯一人口が増えている市となったことが大きな実績であると捉えております。

　　都市計画マスタープランの今後の方向性と計画につきましては、現計画が平成32年度を目標年次にしていることから、基準年度を平成32年度、目標年次を平成52年度とする20年間の計画として策定を行う計画であります。

　　具体的な進め方につきましては、平成30年度は現在のマスタープランにかかる検証と評価を行い、あわせて次期マスタープラン策定に向けた事前調査を行う予定としております。

　　その後、平成31年度及び32年度の２か年において住民参加型の形式によりプラン策定を進めていく予定でありますので、ご理解をお願いをいたします。

○加藤信明議長　16番清野忠利議員。

○16番（清野忠利議員）　２番目の質問を行います。

　　山形県は佐藤錦を中心に、日本一のさくらんぼの産地を築き上げてきたものであります。品種構成が佐藤錦に偏っていることが、豊作の年には収穫のおくれ、品質が低下するなどの課題を持っております。他品種から山形Ｃ12号への改種を進めることともに、収穫の労力の分散化や出荷時期の拡大を図るとともに、大玉果実の出荷割合が増加するものと思われます。収益性向上、大玉でも実のかたいことにより収穫、出荷、調整作業の省力化が期待される山形Ｃ12号と思われます。

　　山形Ｃ12号の仕立て方もいろいろあるようです。この仕立て方を、今までの佐藤錦と違ったわい化栽培、また棚仕立てなども非常に有利な条件が重なっていることと私は認識しているところです。それにより、高所作業車よりたたき落ちたとか、あるいは、いろんな方面で老人も、佐藤錦の今の木の樹形では、なかなか収穫しづらいとかいう、そんなことのない山形Ｃ12号が出てくるのではないかということで感じております。

　　やはり安全性の面でも非常に有望な品種と私は考えております。なお、県では苗木の販売の開始後５年間で佐藤錦栽培面積の約５％程度、約100町歩を、この山形Ｃ12号に切りかえるということを目標に掲げているようでございますので、東根市もいち早く若い果樹研究農家、あるいはいろんな人が、皆さんから聞いてみると、この山形Ｃ12号に期待しているようです。

　　そしてまた、若い人からあることをちょっと聞いたんですけれども、穂木でもいいんでないかということを私は聞いて、いろいろ農協とも話しましたが、穂木では、この品種はもうだめだということで特殊栽培ということでもっていくということらしいです。この特殊栽培というのは、今我々が農家の人がやっている、つや姫あるいは雪若丸と同じような条件下で、この山形Ｃ12号を栽培していただくということであるようです。そして、また苗木のほうも10本以上注文していただかなければ販売できないということであるようですので、この山形Ｃ12号、やはり産地形成に向けた、ほかの市町は佐藤錦と紅秀峰ということで産地形成を行っております。やはり東根市も佐藤錦と紅秀峰もありますけど、山形Ｃ12号を早く取り入れて産地形成にもっていくべきと思いますが、ひとつよろしくお願いしたいと思います。

　　本年の６月から７月あたりに、先ほど登壇でも質問したんですけれども、このネーミングが商標登録されるということのようですから、その辺のどういうネーミングになるのか、チェリー何とかになるのか私はわかりません。やはり世界に通じる山形Ｃ12号でありますので、いち早く産地形成を取り組むべきと思います。

　　先ほど市長の答弁でもありましたけど、６次産業化の評価委員の、この決定を見ながらやっていきたいということなんですけど、その辺をいち早く開催していただいて、決定していただければと思いますが、その辺の所見をちょっとお伺いしたいと思います。

○加藤信明議長　土田市長。

○土田正剛市長　登壇でも申し上げましたように、東根は佐藤錦の発祥の地であり、さくらんぼ生産量が日本一ということで、これまでブランド化を含めて、力を入れてきたことはご案内のとおりだと思います。

　　やはり海外ももちろん有望で、市場としては有望であるわけでありますけれども、やはりそれは国内が基本でありまして、国内ではやはり何といっても佐藤錦が今一番評判がいいということでありますので、生産者、若手の果樹研究連合会の方々から聞きましても、佐藤錦というものは今後とも堅持をしながら、そして海外に輸出を、より力点を置く農家については、紅秀峰なりあるいは今、議員がご指摘のような、山形Ｃ12号、これは非常に有望だと言われてはおりますけれども、まだ実用化はしていないわけであります。そういう意味で今後とも６次産業化推進協議会の中において、いろんなこれまでの実績を踏まえて、さらにＣ12号の今後の新品種として、実用化した暁において、やはり注視をしながら、ともに力を入れていくということになるのではないかなと思っております。

　　要は国内向け、あるいは国外向けの出荷体制というものについて、その優位性というものがそれぞれ違うわけでありますから、そういうことを踏まえて今後とも、さくらんぼ生産量日本一の確固とした地位を、今後とも築いていかなければいけない、こんなふうに思っておる次第であります。

○加藤信明議長　16番清野忠利議員。

○16番（清野忠利議員）　今、市長の思いをお聞きしました。やはり各農家の人もあるいは果樹研究会も、山形県の佐藤錦よりもやはり新品種の開発が、ということで望まれていたことも事実でございます。やはりこの辺を鑑みながら、いち早く６次産業化の評価委員の委員会を開いていただいて、決定していただければ幸いと思います。

　　この山形Ｃ12号というさくらんぼは、我々も今までにない、実のかたい、日もちのする品種なものですから、やはりその辺を有利に活かしていただいて、東根市のさくらんぼ産地をより増していただければ幸いと思います。よろしくこの辺をご検討お願いしたいと思います。

　　次に、都市計画マスタープランについて、お伺いします。先ほどの答弁でもありましたけど、平成12年度のマスタープランの計画でもあるように、東根市の人口を５万人ということが、大きなまだ人口の目標がありました。そしてまた我々も今、注目しているんですけど、この昨日も質問がありました、都市計画をどのようにもっていくのか。あるいはさまざまなこともありましたけど、まずひとつその辺の今後の見直し方について、まあ全体、地域別とを十分に把握するような、今後もっていく方法が一番ベターかなと私は思うんですけど、その辺の見解をよろしくお願いしたいと思います。

○加藤信明議長　東海林建設部長。

○東海林克彦建設部長兼水道部長　ただ今のご質問は策定にあたって、どのようなやり方を考えているのかということかと思います。それではお答えします。

　　現計画の策定時には、多くの市民の皆様から広く考えを示していただくために、市内を５つのブロックにわけまして、地域のまちづくり構想を練っていただく地域別懇談会を開催いたしました。また全体の構想を練っていただく、市民懇話会を開催し、計画を作成していただきました。なお、市民アンケートの実施や、地区別の意見交換会を実施しながら計画を策定した経過がございますので、その手法を踏まえた形で計画策定を考えておりますので、よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　16番清野忠利議員。

○16番（清野忠利議員）　やはり、この都市マス計画プランが、非常に我々も今までの中で全体構想と地域別ということでありましたのですけど、協働のまちづくりの観点から、住民参加が必須であると思います。やはりこの住民参加も、いろいろな各層があると思うんですけど、若い人あるいは中年の人、老齢化の人ということであります。その辺今までですと、どうしても若い人に偏った傾向があるんですけど、やはり歴史的なものを十分踏まえている中高年層あたりも、今後住民参加に入れるべきと思うんですが、その辺どうですか。

○加藤信明議長　東海林建設部長。

○東海林克彦建設部長兼水道部長　お答えします。今ほど申しましたとおり、策定時には地域別の構想ということで、地域別懇談会、こちらを開催してまいりますが、これにつきましては比較的若い年齢層の方から委員となっていただきまして、地域の課題やら目標などを定めて、考えていただいておるところです。そしてその後、市民懇話会というような形で進めていくわけですけども、その際にはその世代より、地域別懇談会の世代よりもう少し歳が上の、例えば区長さんとか団体の皆様とか、そういう方々を対象にした組織を考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

○加藤信明議長　16番清野忠利議員。

○16番（清野忠利議員）　今までの構想で非常に私も感心しているのが、東根市では前はへそのないまちだということで言われてきました。前にも私も一般質問の中で、今は大きなへそが東根市にもうなっております。その中で、工業団地も十分皆充足しております。

　　これからはこのマスター計画プランを見ますと、工業用地が大森工業団地あるいは、縄目工業団地あるいは臨空工業団地ということがあるんですけど、今後我々も工業団地と言わなくても、工業用地的なものをこれから確保していくべきだと私は考えております。それにはやはり、このマスタープランで掲げた５万人という目標も、達成できるのではないかなということも考えております。

　　そしてまた、都市計画マスタープランの中で、前にも話したんですけど、道路網の整備が非常にちょっとまだ遅れているような感じがします。やはりこれは政府の状況あるいは行政の状況もあるということで、登壇でも申し上げたんですけど、まだまだ住民から期待されているのに、この実現、あるいはその辺がまだ見えてこないという意見がありますので、その辺を今後どうやっていくのか、お聞きしたいと思います。

○加藤信明議長　東海林建設部長。

○東海林克彦建設部長兼水道部長　道路網の整備についてでありますけども、こちらについてはやはり補助事業などを取り入れながら整備を進めているわけでありますけども、なかなか補助金の貼りつけ率も余りよろしくありません。それでありますので、今進めている事業についても、上位計画などと整合性、社会情勢の変化を見極めながら、適正な形で進めていきたいなと考えております。よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　16番清野忠利議員。

○16番（清野忠利議員）　補助事業などもいろいろありまして、何か今後これからも計画していくことで。特にね、私が聞いているのは、国道２８７号の４車線化なんですね。これ、都市計画マスタープランで国道２８７号の４車線化というのは、非常にこの中でできるんですよ。道路網の計画でね。その辺をやはり、今後中央高速道路もできますので、その辺を鑑みながら４車線化の実現に向けて、市としても今後行政に対して、国に対しても、十分陳情をあるいはしていかなくちゃいけないのではないかなというような感じはするのですけど、その辺はどうでしょうか。

○加藤信明議長　東海林建設部長。

○東海林克彦建設部長兼水道部長　国道２８７号の４車線化についてでありますけども、現在河北町側では、国道の、谷地橋の西の方になりますけども、交差点の改良などを行いまして、現在２車線の道路で改良なっております。谷地橋が２車線道路でありまして、これについても４車線化ということも、話題に出ているようであります。

　　今後、高速道路が、平成30年度には（仮称）東根北まで開通するという形で、交通の流れも変わってこようかと思われます。今後交通の流れなどを勘案しながら、今後の都市計画マスタープランの改定などに合わせて検討させていただきたいなと思っております。よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　16番清野忠利議員。

○16番（清野忠利議員）　今後の中央高速の流れを見ながらということで、言っておりました。そのようなことで平成30年度には、長瀞のほうまで高速道路が開通しますので、その流れを十分見極めながら、やはり５万人構想という都市計画マスタープランということと、またこの工業の立地ということを踏まえながら、やはりその辺を十分認識しながら、今後の行政活動を期待しまして、私の質問を終わりたいと思います。以上です。

　　どうもありがとうございました。

○加藤信明議長　以上でご了承願います。

　　◎今野　孝議員質問

○加藤信明議長　次に、９番今野　孝議員。

　　　〔９番　今野　孝議員　登壇〕

○９番（今野　孝議員）　９番今野　孝です。通告にしたがい、一般質問を行います。はじめに生活保護費削減の影響について、お尋ねいたします。

　　今回はこんなグラフをつくってまいりました。執行部の皆さんには見えにくいかと思いますので、後ほど質問席の方から提示させていただきます。

　　貧困ラインの推移をグラフ化したものです。赤い棒グラフは日本の貧困ラインです。1999年、日本の貧困ラインは157万円でした。５年後、2004年には151万。さらに10年後、2009年には140万。そして15年後の2014年には、133万円。このように1999年を100とすると、2014年には84％まで下がっているのです。この間、欧米の国々はどうか。ちょっと数字が違いますので、起点が違うのですけれども、ドイツは125％、アメリカは134％、イギリスは151％、そしてカナダにいたっては、165％と、貧困ラインが上昇しているわけであります。

　　日本は世界でも異常な国になっているとの指摘があります。日本の貧困が悪化する下で、安倍政権は一般低所得世帯に合わせるとして、生活扶助費を最大５％、平均で１．８％、国の予算総額で210億円も引き下げようとしているのであります。食費や光熱費などに当てる生活扶助基準の引き下げは、住民税、保険料、最低賃金などにも連動し、広範な国民生活に大きな影響を及ぼし、低所得者対策全体の後退へとつながりかねません。そこで２点お尋ねいたします。

　　はじめに2013年度から2015年度の削減が、本市の生活保護行政及びその他のサービスに及ぼした影響について、お尋ねいたします。

　　次に2018年度以降の削減にどのように対応していくのか、お尋ねいたします。

　　次に学力向上の手だてについて、お尋ねいたします。2016年11月29日国際教育到達度評価学会は、2015年の国際数学・理科教育動向調査の結果を公表しました。成績以上に私が気になったのは、勉強が楽しいと回答した子どもの少なさです。特に中学生は国際平均よりも数学が19ポイント、理科が15ポイントも低くなっております。昔から「好きこそものの上手なれ」と言われています。子どもたちが楽しく学び、学ぶことが好きになれば、学力はおのずと向上するものと考えます。教育行政は、子どもたちに楽しい学びを保障するための努力をしなければならないと考えます。

　　そこで２点お尋ねいたします。

　　はじめに本市の子どもたちは楽しく学べているのか、お尋ねしたいと思います。

　　２つ目に、子どもたちが楽しく学ぶためには、授業の質的向上が必要です。本市の授業改善の手だてについてお尋ねします。

　　以上お尋ねして、登壇での質問といたします。

○加藤信明議長　９番今野　孝議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　今野　孝議員のご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、生活保護費削減の影響についてであります。2013年度から2015年度までの削減が、本市の生活保護行政及びその他のサービスに及ぼした影響についてでありますが、生活保護制度における、生活保護基準は一般低所得世帯の消費実態との均衡が図られているかについて、５年ごとに検証、見直しを行うこととなっております。

　　前回の見直しは平成25年に行われ、平成25年８月から３年をかけて、段階的に実施されました。消費実態との比較、及びデフレ傾向を踏まえ、全体としては減額となるよう調整されたところでありますが、主に都市部の影響が大きかったようであります。本市においては、世帯類型により、基準額の微増、または微減はあったものの、見直しに伴い収入が最低生活費を上回り、保護が受けられなくなるようなケースはありませんでした。

　　一方、生活保護基準の見直しに伴い、影響が懸念されていた個人住民税の非課税限度額については、引き下げ等の改正がなされなかったことから、住民税の課税・非課税を判断基準としているサービスへの影響もありませんでした。

　　次に2018年度以降の削減にどのように対応していくのかについてであります。

　　平成30年10月から基準額を改定することが閣議決定され、年齢や世帯人員、居住地別に一般低所得世帯の消費実態を踏まえた、生活保護基準の見直しを実施することとされております。

　　平成29年12月８日の社会保障審議会、生活保護基準部会においては、検証結果を機械的に当てはめると、最大で10％以上の引き下げがなされるとの試算が示されたようでありますが、「引き下げ幅が大きすぎる」との意見があり、12月14日に公表された同部会の報告書においては、現在受給している世帯や一般低所得世帯への影響を十分に配慮すること、生活保護基準を参照する他制度への影響に配慮することなどが記載されました。

　　最終的には平成30年度予算において、多人数世帯や都市部の単身高齢者世帯等への減額影響が大きくならないよう、個々の世帯での生活保護費や、母子加算等の合計の見直しを段階的に実施し、その減額幅を現行基準から５％以内にとどめる方針が示されました。

　　今月中旬に県主催の、生活保護基準改定説明会が予定されており、詳しい内容が示されるものと考えております。

　　生活保護基準額の引き下げは、保護の要否判定にも影響があることから、今後も国の動向を注視してまいります。

　　また生活保護基準を参照する、他制度への影響については、生活保護の基準額の引き下げが、就学援助や保育料の免除など、他制度にできる限り影響が及ばないよう対応する方針が、１月19日に国から示されており、５年前の見直しの際と同様の対応がなされるものと捉えているところでありますので、ご理解をお願いいたします。

○加藤信明議長　次に、教育長に答弁を求めます。元木教育長。

　　　〔元木正史教育長　登壇〕

○元木正史教育長　私からは学力向上の手だてについてのご質問にお答えをいたします。

　　はじめに本市の子どもたちは楽しく学べているのか、というご質問についてでありますが、子どもたちにとって学ぶことが楽しいと感じるのは、それまでわからなかったことやできなかったことが「わかった、できた」という喜びを実感できたとき、またその教科・教材が持つ本質的な特性に触れて、「おもしろいなあ、美しいなあ、すばらしいなあ」と感動したときと考えます。このことが「もっと知りたい、もっとやってみたい」という意欲につながるものと考えます。

　　本市の小中学校の教職員は、日夜そうした子どもたちの喜びと意欲に満ちた姿を求めて、研修と実践を重ねているところであります。

　　さて、本市の子どもたちがどんな意識で学んでいるのか、次の３つの調査から、その傾向をご説明いたします。

　　第１に、４月に実施しております、全国学力・学習状況調査の結果では、国語、算数・数学、理科、それぞれの勉強は好きかを問う質問に対して、「そう思う」という回答が、小中学校ともに、全ての教科で全国の平均値を大きく上回る結果となっております。

　　第２に、各小中学校では、教育活動及び学校運営の状況等について、学校評価を実施しております。その評価項目にある、「授業は楽しいか、わかりやすいか、丁寧に教えてくれるか」を問う質問に対して、そう思うという回答が、大多数の学校で、８割・９割を超える結果となっております。

　　第３に、所属する学級での居心地の良さを測る、学級満足度調査の結果でも、小中学校ともに全ての学年で、全国の平均値を大きく上回る結果となっております。

　　これらの調査の結果から、本市の子どもたちは、小中学校ともに楽しく学んでいると実感している割合が、高い状態にあると捉えております。

　　次に、授業の質的向上を図るための手だてについてでありますが、次の３つの視点で、その手だてをご説明いたします。

　　まず第１に、学校現場への人的な支援策を講じております。これによって子どもたちが授業中につまずいたり、疑問に思ったりしたときに、そのままにしておかないで必要に応じて、教師が支援の手を差し伸べたり、子どもが主体的に教師に聞いて、解決することにできる環境が整います。

　　具体的には、小中学校に配置している学力向上支援員や教員ＯＢを活用した学習支援ボランティアの派遣によって、学習内容や子どもたちの習熟度の実態等に応じて、複数の教員で指導するティームティーチングや、児童生徒が選択して取り組むコース別学習など、より柔軟な学習方法の工夫を可能にしております。

　　またスクールサポーターの配置は、学習障害や発達障害等によって、授業でつまずきやすい子どもに対して、障害等の実態に応じた適切な支援を可能にしております。

　　第２に、良好な人間関係の下で、楽しく質の高い授業が行える学習集団を育成するために、全ての小中学校において、学級満足度調査を年２回実施しております。これを、４月に実施している標準学力検査の結果とクロス集計することで、子どもたち一人一人が、学級の中で人間関係上、どんな意識で生活をしているのか。そしてその子の学習の効果がどんな状態にあるのかがわかるようになっております。このデータを学級経営や教科経営をする上での客観的な資料として有効に活用し、子どもたちの実態に応じた質の高い、きめ細かな指導を可能にしております。

　　第３に、子どもたちがより主体的に学ぶ力を育てるために、探求型学習の授業づくりを推進するよう、指導助言しております。

　　具体的な授業場面における、助言内容の一例を紹介しますと、授業の導入段階では子どもたちにとって、より身近で学ぶ必要感のある学習課題を提示することによって、学習する内容と日常生活のつながりを意識できるように工夫することを助言しております。

　　また、自分の考えと仲間の考えを伝え合うことを通して、気付きや学びがより広がり、深まり、確かなものになるように工夫することを助言しております。

　　さらに授業の終末段階では、学びの振り返りの活動を行い、学習の前と後では自分自身がどのように変容・成長することができたのか、「わかった、できた、さらに学びたい」という手応えを実感させるように工夫することを助言しております。

　　このような手だてを講じながら、本市の子どもたちが楽しく学ぶための、授業の質的な向上を図るよう努めておりますので、ご理解をお願いいたします。

○加藤信明議長　９番今野　孝議員。

○９番（今野　孝議員）　ご答弁ありがとうございました。引き続き、質問席より２問目以降の質問を続けさせていただきます。

　　その前に、先ほどお示ししたグラフであります。赤い棒グラフが日本の貧困ラインの変遷、推移をあらわしております。1999年には157万円であったものが、2014年には133万円まで下がっている。この間100％、1999年を100％とすると、2014年には84％まで低下しています。その間、欧米の国々、ちょっと起点が１年ずれているのですけれども、ドイツで125％、アメリカで134％、イギリス151％、そしてカナダでは165％まで改善されていると、こういうことを踏まえた上で質問させていただいております。

　　2013年度から2015年度の削減によって、生活保護が受けられなくなるようなケースはなく、住民税の課税非課税を判断基準としているサービスへの影響もなかったとの答弁でありました。保険料等の減免制度への影響はなかったのか、重ねてお尋ねいたします。

○加藤信明議長　古谷総務部長。

○古谷利明総務部長　それでは私からお答え申し上げます。

　　まず個人の市県民税の非課税の範囲は、地方税法などの関係法令に定められております。これらの基準は、平成18年度以降、改正されておらず、平成25年からの生活保護基準等の見直しに伴う改正もありませんでした。同様に保険料などにつきましても、生活保護世帯や低所得者等の保険料の有無、またその額、それら全て関係法令上に定められておりまして、これらについても生活保護基準等の見直しを理由とする改正は行われておりませんので、影響はなかったものと思っておりますので、ご理解をお願いいたします。

○加藤信明議長　９番今野　孝議員。

○９番（今野　孝議員）　はい、答弁了解いたしました。

　　次に2018年度以降の削減にあたっては、生活保護の基準額の引き下げが、就学援助や保育料の減免など、他制度にできる限り影響が及ばないよう対応するとの方針が、国から示されたとの答弁がございました。子どもの貧困が社会問題としてクローズアップされてきた今、就学援助制度の拡充こそ行政に求められている課題ではないかと考えます。執行部の見解をお尋ねしたいと思います。

○加藤信明議長　芦野教育次長。

○芦野耕司教育次長　お答えいたします。

　　就学援助制度につきましては、今年度より修学旅行費や給食費の上限額を撤廃するなど、援助額の引き上げを行っております。新年度からは新入学用品費について、小学生では２万470円から４万600円に。中学生では２万3,550円から４万7,400円に、それぞれ引き上げるとともに、新入学用品費を入学前に支給するなど、認定者に寄り添う支援となるように、拡充に努めているところでございます。

　　周知方法につきましても、これまで新入生１日入学や、ＰＴＡの総会、市広報紙などでやってきたところですけども、昨年からはこれに加えまして、学校を通じて小中学生のいる全世帯に、制度概要のチラシを配布するなど、必要な世帯に情報が行き渡るように、より一層の制度の周知に努めているところでございます。

　　今後とも社会情勢など、それから他市の動向なども見ながら、援助を必要とする児童生徒に、適切な支援が行えるように、制度の見直しや運用に努めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。

○加藤信明議長　９番今野　孝議員。

○９番（今野　孝議員）　ありがとうございます。必要とする人にサービスが行き渡るように、さらにはサービスの内容の拡充にどう執行部が取り組んできたのか、理解いたしました。また援助を必要とする児童・生徒に、適切な支援を行う制度の趣旨が活かされるよう、今後も努力いただけるということで、よろしくお願いしておきたいと思います。

　　次に、学力向上の手だてについて、２問目以降の質問を行います。

　　昨年４月に実施した、全国学力・学習状況調査いわゆる全国学テでありますけれども、その結果では「国語や算数・数学の勉強が好きか」という質問に対して、「そう思う」という回答が全国の平均値を大きく上回ったとの答弁でありました。そこで国や県の数値と比較して、どのような結果になっているのか、お尋ねしたいと思います。

○加藤信明議長　芦野教育次長。

○芦野耕司教育次長　お答えいたします。

　　「国語の勉強が好きだ」と答えた児童・生徒の割合ですが、小学生で74.2％でございまして、これは全国平均を13.7ポイント、県平均を6.6ポイント、上回る結果でございます。

　　中学校では66.6％となっておりまして、全国平均を6.1ポイント、県平均を3.6ポイント上回る結果でございます。

　　「算数・数学の勉強は好きである」と答えた児童・生徒の割合、こちら小学生では68.2％でございまして、全国平均を2.3ポイント、県平均を6.1ポイント、上回る結果となっております。

　　中学校では64.7％でございまして、全国平均を9.3ポイント、県平均を2.1ポイント、上回る結果でございました。

　　よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　９番今野　孝議員。

○９番（今野　孝議員）　了解いたしました。ただ、登壇での質問でも申し上げましたように、日本の子どもたちの勉強が楽しいとした子どもの割合は、国際平均を大きく下回っているという現実があります。一昨年12月６日に公表されたＯＥＣＤの国際学習到達度調査いわゆるＰＩＳＡ調査でありますけども、その結果においても、日本の子どもたちの楽しさの指標は前回よりさらに下がり、いずれもＯＥＣＤ平均を下回っております。

　　さらには、本市内にも不登校や別室登校の子どもたちも、少なからず存在しているわけであります。引き続き学ぶ楽しさを実感することのできる授業づくりに取り組んでくださるよう、要望しておきたいと思います。

　　次に学校評価の評価項目にある、「授業は楽しいか、わかりやすいか、丁寧に教えてくれるか」を問う質問に対して、大多数の学校で８割、９割を超えて「そう思う」という回答を得る結果になっているとの答弁がありました。

　　そこで学校評価とはどのようなものか、お尋ねしたいと思います。

○加藤信明議長　芦野教育次長。

○芦野耕司教育次長　お答えをいたします。

　　学校評価でございますが、学校教育法に規定されるものでございまして、教育活動の成果を検証し、必要な改善を行うことで、児童・生徒にとってよりよい学校運営と、教育水準の向上を図ることを目的としているものであります。

　　またその結果を公表することによりまして、保護者や地域との共通理解を深めまして、お互いの連携、協力を促進する役割を担うものでございます。

　　教員、児童・生徒、保護者など、これらを評価者としまして、評価項目を適宜設定しまして、２学期後半などの時期を選んで実施をしております。そしてその結果は学校だよりなどを通して、保護者や地域に公表をしているところでございます。よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　９番今野　孝議員。

○９番（今野　孝議員）　学校評価の目的は、教育活動の成果を検証し、児童・生徒にとってよりよい学校運営の改善と発展を目指し、教育水準の向上を図ることにある、了解いたしました。

　　ただ、保護者に匿名で学校評価を求めたところ、モンスターペアレンツの攻撃の嵐にさらされた、このような話を聞いたことがあります。またここに月刊誌「女性のひろば」というのをもってまいりましたけれども、最近「女性のひろば」では、「学校が大変だ！」という特集を組んでおります。昨年の12月もこのような記述があります。３年前、ある初任の女性から、管理職に、「保護者があなたのことをどう思っているか知っている。あなたはこの学校で一番人気のない先生だよ。」と言われた、と涙ながらに相談がありました。こういう使われ方をしたのでは、その目的は達成されないわけです。学校評価というのはその運用を誤れば、児童生徒に災いを及ぼしかねない危うさを内包していると考えます。細心の注意を払っていただくよう、要望を申し上げておきたいと思います。

　　次に進ませていただきます。

　　授業の質的向上を図るための手だてにかかわって、お尋ねします。

　　まずご答弁のあった学校現場への人的支援についてであります。ここに１冊の本をもってまいりました。「いま学校に必要なのは人と予算」という本です。これは2017年の９月30日が初版です。本市は2016年４月から市内の全小中学校に学力向上支援員を配置しているわけです。学校が最も必要としている、人と予算を提供してきたことになるかと思います。その先見性に敬意を表するとともに、私もかつて小学校の現場に身を置いた者の一人として、感謝の意を表するものであります。

　　次にこういう資料をもってまいりました。平成29年度全国学力・学習状況調査いわゆる全国学テですけれども、その結果について山形県教育委員会が分析した資料であります。これには「小数＋整数の計算や加減乗除の混合算で誤答が多いなど、基礎基本の定着が大きな課題となっています。」と書いてあります。これらの問題について、本市の実態はどうなっているのかお尋ねしたいと思います。

○加藤信明議長　芦野教育次長。

○芦野耕司教育次長　お答えいたします。

　　議員、ご指摘の設問でございますが、小数＋整数の計算のところです。問題は、10.3＋４という小数と整数を足す問題でございまして、こちら10.7という誤った解答をした児童の割合なんですが、本市では21.3％でございます。これは全国平均と比べますと、6.4ポイント、県の結果よりも2.3ポイント多い結果となっております。間違った子どもの数が多かったということになります。計算処理だけでなくて、数の仕組みをしっかり理解できるようにする指導に改善すべきだということがわかります。

　　一方で、もう１つの加減乗除の混合算でございます。６＋0.5×２という足し算と掛け算が一緒になっている、混合している問題ですけども、掛け算のほう先にするわけですが、これ誤って足し算のほうから先にやって、13という誤った解答をした児童の数ですが、こちら本市の場合14.9％でありまして、こちらは逆に全国結果よりも2.4ポイント少なく、県の結果よりも6.3ポイント少ない、東根市の子どもは間違った子の割合が少ないという結果になっております。具体的な場面と、式の表現等を結びつけながら理解できるようにする指導が、本市では効果をあげたのかなと考えているところでございます。よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　９番今野　孝議員。

○９番（今野　孝議員）　10.3＋４を10.7と誤った子どもの思考を、ちょっとイラストにしてみました。４というのは１の位の数字ですから、本来はゼロのところと足さなければいけないのに、0.1の位と足してしまったと、こういう間違いになっているわけであります。なぜこのような間違いが起こったのか。２つ理由は考えられると思います。

　　１つは足し算引き算にあっては、位取りをそろえる、この原則が定着していなかったわけであります。位取りをそろえて計算するというのは、小学校の２年生で勉強する中身です。小数が入っているということを考えれば、小学校の３年生と考えてもいいわけです。ここが欠落していた。これはもう欠落させてはいけないところなわけです。

　　さらに10進数の仕組みが頭に入っていなかったということが考えられます。これも２年生で習う勉強なんですけれども、今小学校１年生では、基礎的暗算なんか、もう計算カードでいかに早く、正確に答えを出せるかということに流れておりますので、数の仕組みということに対する理解が不十分なんじゃないかと思います。これも小数ということを考えても、３年生までにはどの子もしっかり身につけておかなければいけない。そのことがつまずきの要因になっている。これは大変驚くべきことなんですよね。21.3％も、６年生がこの問題でつまずいた。知事のお言葉じゃありませんけれども、この結果には私も正直愕然としたところであります。

　　昨日教育長は代表質問に対する答弁で、算数は１つのつまずきが次のステップに進むときの障害になると、このような意味の答弁をなさいました。私も全く同感であります。これは１つの典型であると思っております。これは子どもたちが学習指導のあり方を見直してくれと、教育現場に出しているサインと受けとめなければならないんじゃないかと思っているわけです。

　　基本中の基本というべきところがつまずいている。なぜこの基本中の基本を習得させることができなかったのか、十分に分析し、実効ある授業改善を図っていただくよう、要望を申し上げておきたいと思います。

　　授業の質的向上を図るための手だてとして、探求型学習による授業づくりを推進しているとの答弁がありました。文部科学省や教育委員会においては、探求型学習という言葉をキーワードのように多用している印象が、私にはあります。探求型学習と基礎的、基本的な知識、技能の習得とは、どのようにかかわっているとお考えなのか、お尋ねしたいと思います。

○加藤信明議長　芦野教育次長。

○芦野耕司教育次長　お答えいたします。

　　少子高齢化に伴う、生産年齢の人口ですとか、グローバル化の進展、絶え間ない技術の革新など、これからの社会を生きていく子どもたちには、基礎的な知識、技能の習得のみにとどまらず、探求型の学習を通して、教科の枠に捉われずに、知識、技能を活用して課題を解決するために必要な思考力や表現力、そして主体的に学習に取り組む態度を育成する必要がございます。そのようなことから、今後一層、県、市をあげて探求型学習の授業づくりが進められることになりまして、議員ご指摘の基礎的な、基本的な知識技能の習得というものは探求的に学ぶ教育課程で一体的に進められるものと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　９番今野　孝議員。

○９番（今野　孝議員）　教育にかかわってはいろいろな考え方があるかとは思います。探求的に学ぶ過程で基礎的、基本的な知識技能が効率的に身につくとは、私は考えないんですね。二兎を追う者は一兎をも得ずという言葉がありますが、そのような結果にならないように、まずは基礎的、基本的な知識技能の習得を優先していただくよう、要望を申し上げておきたいと思います。

　　基礎基本の習得というのは、伝統的な指導法で十分にやれてきたことだとも思っております。

　　次に、先ほどお示しした、「いま学校に必要なのは人と予算」、この帯、見えないかと思いますけども、「ブラックな学校でいい教育できますか」、こういうふうに帯には記してあります。私もそう思います。

　　授業の質的向上を図るための最大の阻害要因は、学校現場の多忙にあると私は考えているわけです。ところが、今回の質問に対して、ここまで教育現場の多忙にかかわっては一言も触れていただいていないんですね。そこのところは、私は大変残念に思っているところであります。

　　そこで、本市小中学校教員の時間外勤務の実態はどのようになっているのか、お尋ねしたいと思います。

○加藤信明議長　芦野教育次長。

○芦野耕司教育次長　お答えいたします。　

　　今年度は、11月１日の火曜日から７日火曜日までの７日間で、全ての小中学校の教諭及び養護教諭、合計で224名を対象に調査を実施しております。その結果でございますが、教員一人当たりの時間外勤務１カ月の平均時間数は、自宅持ち帰りの仕事も含めて、小学校では48.3時間、中学校では64.8時間となっております。昨年度の調査結果と比較しますと小学校で20.7時間の減、中学校では16.2時間の減となっておりまして、小中学校で教員の負担軽減を図るための時間的なゆとりの創出が進んでいるものと、期待も込めまして、捉えながら、今後の推移を見ていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　９番今野　孝議員。

○９番（今野　孝議員）　昨年度に比較して、小学校で20.7時間、中学校で16.2時間の大幅減、大きな前進かと思います。しかし一方で、現場の教職員にその実感はあるのかという疑問は拭えません。全国的には、学校現場の勤務実態の把握を正確に把握するために、指紋認証方式を導入しているとの報道もございます。本市においても、まずは中学校から、より多忙な状況にある中学校から、この方式を導入されるよう提案させていただきたいと思います。

　　次に、ここに中央教育審議会、学校における働き方改革特別部会に提出された資料のコピーをもってまいりました。この資料を提出された、妹尾昌俊氏が提出された資料の見出しは、「子どもたちも、教職員も元気な学校づくりに向けた提案」という資料のコピーです。今求められていることが、タイトルにそのまま出ているのではないかと私は受けとめました。

　　妹尾氏は中央教育審議会、学校における働き方改革特別部会の委員のほか、文部科学省、学校業務改善アドバイザーなど数々の要職につかれている方です。氏の提出された資料には、上のほうの見出しですけれども、小学校教員の33.5％、中学校教員の57.7%が、週60時間以上勤務。自宅持ち帰りも含むと、この数字は小学校教諭の57.8％、中学校教諭の74.1％か、とあります。週60時間以上勤務ということは、１カ月の時間外労働時間は、85時間を超え、過労死ラインを優に超えている数字であります。また、氏の提出された資料には、社会全体や他業種と比べても、学校の過重労働は異常とあります。

　　また、妹尾氏は、氏の著書に次のように記述しているわけであります。この資料をつくっていく中で、はじめにこの資料を作成したとき、「ほんまでっか」と感じました。これは政府の実施した調査に基づく数字です。この資料を作成する中で、主な発見を４点あげております。１点目として、週60時間という過労死ラインを超えて働く人の割合は、小学校中学校は他業種と比べて突出して高い。ちょっと時間も迫ってまいりましたので、２点目、３点目、４点目は省略させていただきます。

　　妹尾氏の言葉を借りれば、世の中の平均や他業界と比べても、はるかに真っ黒な学校現場にあって、教職員は身も心もくたくた。本市小中学校教員において、精神的疾患等によって休職を余儀なくされている人の実態はどのようになっているのか、お尋ねしたいと思います。

○加藤信明議長　芦野教育次長。

○芦野耕司教育次長　お答えいたします。

　　きっかけは本人の家庭の事情ですとか、身体的な症状などさまざまございます。そうしたケースも含めますと、小中学校合わせて４名という数字になっております。よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　９番今野　孝議員。

○９番（今野　孝議員）　市内の小中学校の教職員の中に精神的疾患等によって通常勤務ができなくなっている人が４名もいる。この現実は重く受けとめなければならないのではないでしょうか。

　　教育委員会は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律で、教職員の職務上の上司として位置づけられていると思います。上司であるならば、この教職員の多忙を手をこまねいて見過ごすわけにはいかないと思います。

　　最後に、教職員の長時間労働の改善について、どのような手だてで進めようとしているのかお尋ねしたいと思います。

○加藤信明議長　芦野教育次長。

○芦野耕司教育次長　お答えいたします。

　　教員の負担軽減を図り、授業改善に専念するための時間的なゆとりと、心のゆとりを創出するための取り組みといたしまして、まず業務の改善の支援でございます。いろいろございますが、学校校務用ＰＣの整備などがございます。まだ100％ではございませんが、近く全て充足されることとなっております。

　　それから、市の教育委員会が訪問して指導するですとか、研修会、諸会議などの精査、精選をしております。

　　それから、夏季休業中の学校の閉庁期間の設定を本年度から実施しております。

　　それから、部活動の適正化でございます。部活動の時間ですとか日数等の精査、それからどうしても勝利至上主義というのが出てしまいますので、そういうものに対する保護者の意識啓蒙などにも努めております。

　　続いてですけれども、学校の専門スタッフなどの人的な支援でございます。こちらは、事務補助の配置、それから学校の図書司書の配置、それからスクールカウンセラーなどの配置がございます。それからスクールサポーターも配置をしております。スクールソーシャルワーカーとかの配置もしております。それから、今上程している新年度の予算に、部活動指導員の配置の経費を予定をしております。

　　それから教員の専科加配ですとか、児童生徒指導加配、情緒加配などの要望を今もやってるところでございます。

　　さらにはストレスマネジメントといたしまして、ストレスのチェック、専門医による面接指導などが挙げられるかと思います。こうしたことに取り組んでおりますので、ご理解をよろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　９番今野　孝議員。

○９番（今野　孝議員）　ありがとうございます。学校を多忙化に追い込んでいる要因というのは、いろいろあると思いますけれども、その１つに調査事項の多さというのがあげられているんです。本市にあっては、そのようなことはないと思いますけれども、県議会で教育に対する質問が出ると、県教育委員会から学校に調査がどっと入る。まさか私が質問したから市内の小学校に調査がどっと入るということはないですよね。それはないと思っています。

　　肝心要の勤務実態調査、先ほどの答弁で今年度は全校で行ったとありますけれども、どうしてうちは今回当たってないのにしなきゃいけないのだ。こういう自分たちの多忙を解消するための調査であっても、うっとうしくなる。こういう現場にあるわけです。そのうっとうしくなる理由の１つとしては、いくら調査したって変わらないんじゃないのという不信感もあることは紛れもないと思うわけです。だから、そういう意味でも調査をした以上は、確実に改善に役立てていると。そういう事実を示していただきたいと。

　　以上、申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○加藤信明議長　以上で、ご了承願います。

　　◎阿部綾子議員質問

○加藤信明議長　次に、11番阿部綾子議員。

　　　〔11番　阿部綾子議員　登壇〕

○11番（阿部綾子議員）　11番阿部綾子です。

　　通告しております、国際化における事業の推進について、国際理解を育む学校教育についての２項目を一般質問としてお伺いいたします。

　　社会情勢の変化や新たな課題に対応する東根創生に向けた施策。重点的に推進する計画として、平成30年から32年までの３年間の東根市振興実施計画第51号が示されました。

　　また、今議会第１回定例会は、平成30年度にかける施政方針の決意表明から開会されました。さらに会派代表質問では、ひがしね創生会代表の質問に対し、市長のこれからの政治姿勢を熱く強くご答弁されました。

　　計画された政策の中に、また決意表明の言葉からも、これまで築き上げた成果の上に立ち、東根市の新たな飛躍、成熟したステージ、グローバリゼーション、インバウンド、国際化、国際交流などの言葉から、東根市のさらに勢いのあるまちづくりが見えてまいりました。「押し寄せてくるグローバル化の波に適切に対応できるかが、これからのまちづくりの発展の大きな鍵になる」とあります。「新しい時代を切り開く子どもたちへの教育を通した未来への投資を高く掲げた」とあります。2020年東京オリンピック、パラリンピックを契機とする国際化に向けた事業の展開が求められるようになりました。

　　すばらしい感動を勇気を全世界の人々に与えてくれた平昌冬季オリンピックが終わり、今、日本中が東京オリンピック・パラリンピックを２年後に控え、世界200カ国を数える国々との交流や、世界のスポーツ大会を迎えるに当たっての新しい国づくり、新しいまちづくりが展開する中で、東根市も１つの縁で結ばれたドイツというすばらしい文化大国、スポーツ大国との交流のチャンスをつかみとりました。

　　高いハードルと言われながらも可能性に挑戦、積極的なアプローチがホストタウン登録を成功させ、ドイツハンドボール２部リーグチームのプロ選手を、東根市に迎え入れることができたことは、国際交流のまさしく第一歩であり、東京オリンピック・パラリンピックを間近で体感できる最高の喜びであります。市民にとって、大いに歓迎するところであり、評価したいと思います。

　　質問に入らせていただきます。

　　最初に、国際化政策の大きな第一歩ともなるホストタウン関連事業、あわせて国際交流事業の進捗状況と今後の計画について、お伺いいたします。

　　次に、2017年を「国際交流元年」として、多くの事業が展開されました。2018年はさらに国際化に向けた取り組みを加速させて、広く市民の国際交流に対する機運醸成を図っていくとあります。

　　国際交流事業は、一部の人たちの特別な分野ではなく、市民誰もが参画できる国際感覚を楽しめる魅力的な事業やイベントであってほしいと思います。どのような機運醸成を図っていくのか、お伺いいたします。

　　次に、これからのまちづくりの発展の大きな鍵と捉えているグローバル化、インバウンド対応のまちづくりについて、お尋ねいたします。

　　観光庁は、2017年の外国人宿泊延べ人数を発表いたしました。前年比12.4％増の推計7,800万人とあり、３大都市圏を除く地方が全体の40.9％を占め、格安航空会社などの発着が増えた東北や北海道が好調であるとされています。山形県は前年度比33.6％の11万7,830人と報告されております。

　　山形空港もインバウンド拡大の後押しとして、国際便専用乗降ラインを完成させ、国際チャーター便の受け入れ態勢を強化、誘致拡大の取り組みを強化していくとされています。

　　見事ＧＩ登録された「東根さくらんぼ」が販路拡大と海外に飛び出しました。

　　また、ドイツからのお客様・スポーツ団体を迎えるなど、一気にグローバル化の波が押し寄せてきた感じがいたします。グローバル化、インバウンド対応のまちづくりについて、お伺いいたします。

　　次に、国際理解を育む学校教育について、お伺いいたします。

　　東根創生を掲げた総合戦略は教育によるまちづくりを柱に、子どもたちが国際的視野と感覚を養い、これからの社会に有為な人材になり、新しい時代を切り開いてもらいたいとして、教育を通した未来への投資を行うとしております。

　　海外にシェアを広げるための取り組みについて、2020年東京オリンピック・パラリンピックに関する学校活動についての２点をお伺いいたします。

　　以上で、登壇での質問を終わります。

○加藤信明議長　11番阿部綾子議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　阿部綾子議員のご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、ホストタウン関連事業及び国際交流事業の進捗状況と今後の計画についてでありますが、本年度を国際交流元年と位置づけ、昨年４月にはキックオフイベントを開催、７月には私、前秋葉市議会議長、東根市さくらんぼ国際交流協会役員等が訪独し、インゲルハイム・アム・ライン市のラルフ・クラウス市長や、ドイツハンドボール連盟のボブ・ハニング副会長を表敬訪問するなど、本市との交流や、東京オリンピックに係る直前合宿の誘致について、意見交換を行い、成果を挙げてきたことはご案内のとおりであります。

　　また、今後のさらなる事業展開を見据え、８月から、ドイツからの国際交流員を配置するとともに、10月１日付で総務部内に交流推進課を設置し、国際交流を強力に推進するための体制構築を図っております。

　　これら市の動きに呼応するように民間団体であります、東根市さくらんぼ国際交流協会においても、国際理解講座やイベントを開催しており、特に昨年の12月に開催された「国際交流コンサート」においては、国際交流員であるベレツノイ・ベロニカ氏による対談形式でのドイツ紹介が行われたほか、ドイツのみならず国際色豊かな音楽のステージに、詰めかけた約400人が楽しみながら国際理解を深めたところであります。

　　このように行政のみならず、民間団体においても動きが活発化しており、官民挙げて国際交流関連事業を実施している状況であると認識しております。

　　今後の計画についてでありますが、本市のさらなる飛躍には国際理解や国際交流という視点が非常に重要になると捉えております。

　　そこで来年度については、国際交流に関する事業を、市制施行60周年記念事業の大きな柱として実施することを、先般、開催した同記念事業実行委員会設立総会において、決定していただいたところであります。

　　７月14日に開催される記念式典においては、クラウス市長にご臨席をいただき、その翌週からはドイツハンドボールの２部リーグチーム「ＥＨＶ　Ａｕｅ」の強化合宿を予定しております。これらについては、現在は先方との具体的な調整等を行っている段階であります。

　　次に、国際交流に対する機運醸成のための方策についてでありますが、先ほども申し上げましたとおり、来年度は市制施行60周年記念事業において、国際交流を大きな柱として実施するとともに、教育委員会においても生徒児童に対して、国際理解を育む学校教育支援事業を実施する予定であります。

　　また、国際交流員の活動については、市報での連載記事のほか、地元新聞紙上にも幾度となく取り上げられているように、地域に出向いて公民館事業に参加するなど、少しずつではありますが市民の皆様に浸透してきていると考えております。

　　今後につきましても、市報においてドイツ文化やドイツ語を紹介するなど内容を充実させ、継続するとともにこれまで以上に国際交流員を地域や学校に派遣するなど、十分に活用しながら広く市民の皆様への機運醸成を図ってまいります。

　　次に、グローバル化、インバウンド対応のまちづくりについてでありますが、東京オリンピック・パラリンピックの開催決定以降、訪日外国人観光客は右肩上がりで増加し、平成29年は約2,869万人で、その数は６年で4.6倍になっており、2020年に向けてさらなる加速が予想されます。

　　本市においては、インバウンドに対応するべく、現在４カ国語表記の東根市紹介パンフレットを作成しているほか、市観光物産協会では、観光案内やおもてなしに富む対応を行う、日本政府観光局外国人観光案内所のカテゴリー１として、認定されている状況であります。

　　また、先日、自治体国際化協会によるオーストラリア自治体関係者の研修生を、５泊６日の日程で受け入れし、本市の行政施策やさまざまな施設を視察していただき、市幹部との意見交換を行っております。

　　この研修受け入れを通して、外国の方々の目線で見た、本市の新たな側面を発見するとともに、示唆に富んだご意見をいただくなど、大変有意義な経験となったところであります。

　　このように実体験として、国際交流に触れることで改めて気づかされることが多くあり、こうした実践的な活動が本市のグローバル化につながるものと考えております。

　　2020年の東京オリンピック・パラリンピックにおいては、「レガシー」という言葉が重要視されております。オリンピック開催に伴い、整備した施設による恩恵だけではなく、オリンピックを体感した国民の豊かな人間性の醸成を促すことも、大きなレガシーの１つであります。

　　私はホストタウン推進事業や国際交流事業を通して、積極的に外国との交流を行い、市民の皆様に精神的なレガシーを残すことが50年後、100年後の本市の発展につながるものと確信しております。

　　本市発展のための未来への投資という考えのもと、今後とも国際交流の拡大と深化を図ってまいりますので、ご理解をよろしくお願いをいたします。

○加藤信明議長　次に、教育長に答弁を求めます。元木教育長。

　　　〔元木正史教育長　登壇〕

○元木正史教育長　私からは、国際理解を育む学校教育についてのご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、海外に視野を広げるための取り組みについてでありますが、ただいま市長から答弁がありましたとおり、新年度は市制施行60周年記念式典にドイツのインゲルハイム・アム・ライン市長を招待するほか、ドイツハンドボールの２部リーグチームの強化合宿が本市で開かれるなど、市内に国際的な交流のムードが広がることが予想されます。

　　学校教育においても、ドイツとの交流を、海外に目を向ける最初のきっかけとしながら、子どもたち一人一人の国際理解を深める絶好の機会と捉えております。

　　そのため、来年度は「国際理解をはぐくむ学校教育支援事業」を新設し、学校ごとに取り組むさまざまな国際理解関連の活動を支援してまいります。その際には、昨年８月にドイツから招いた国際交流員の活用も各学校に勧めてまいります。

　　また、小中学校の図書室などにドイツに関する書籍、写真資料、実際の生産品、国旗などを展示し、同国の人々の暮らしや街並み、風土や歴史、産業経済などを幅広く紹介するドイツコーナーを設けることを支援し、異なる文化に対する理解につなげてまいります。

　　ドイツ給食も、新年度は予算を別途確保して実施いたします。給食を紹介するコメントなども工夫を凝らし、子どもたちがドイツを身近に感じることができるよう努めてまいります。

　　さらには、本年度から実施しました「未来を拓く高校生応援事業」も、将来を担う若者に海外に視野を広げる機会を提供する取り組みになります。

　　これまで、７名の市内在住の高校生が海外で研究発表、語学研修、ボランティア活動などを体験しております。

　　次に、2020年東京オリンピック・パラリンピックに関する学校活動についてであります。

　　２年数カ月後に迫りました、この世界規模のイベントを、教育委員会としては、自国選手を応援するだけではなく、さまざまな教育の機会にすべきと考えております。多様な人種や文化を受け入れ、世界に目を向ける一方で、日本の良さ、歴史や文化など自国を理解する絶好の機会でもあります。

　　パラリンピックでは、障がい者に対する理解、人間の可能性などについても学ぶことができます。そのため、来年度は既存の「特色ある学校経営事業」に、新たにオリンピック・パラリンピック関連の教育活動枠を設けて、学校ごとの取り組みを支援してまいります。

　　世界の国旗、国歌を手がかりに国際社会の多様性を学んだり、海外からの来訪者に日本を紹介する場面を仮定して、日本の文化を学んだりと、日常の授業でのさまざまな取り組みが考えられます。

　　また、パラスポーツ体験やオリンピアン、パラリンピアンとの交流なども想定されます。

　　先週、東京2020大会マスコットが決まりましたが、投票に市内全ての小学校が参加しており、オリンピック・パラリンピック関連教育活動は、既に始まったものと考えているところでありますので、ご理解をお願いいたします。

○加藤信明議長　会議の途中ですが、ここで午後１時まで休憩をします。

　　　午前１１時５３分　休　憩

　　　午後　１時００分　開　議

○加藤信明議長　午前に引き続き、会議を開きます。

　　市政一般に対する質問を続けます。

　　11番阿部綾子議員。

○11番（阿部綾子議員）　質問席から質問を続けさせていただきます。

　　国際化に向けた事業の推進について、３項目をご答弁いただきました。

　　2017年国際交流元年と位置づけされたこと。ドイツをターゲットにしたこと。ホストタウン登録を勝ち取ったこと。これらが平成30年度施政方針に掲げたグローバル化に対応するまちづくりの出発点となり、これからの重要政策の１つとなる、国際交流事業が活発に展開されていくものと思われます。

　　ホストタウン関連事業、国際交流事業の今後の計画、国際交流に対する市民の理解、機運醸成は2018年度に計画されている市制施行60周年記念事業の中に盛り込まれているとのこと。

　　また、インバウンドまちづくり対応も山形空港、東根市観光物産協会、東根市さくらんぼ国際交流協会など、活発に対応に取り組み始めているということ、ご答弁いただきました。課題についてもこれから追及、勉強してまいりたいと思います。

　　2018年度ホストタウン事業、国際交流事業は市制施行60周年記念事業の大きな柱として計画されているということ。そしてその計画は、市民を巻き込んだ60周年記念実行委員会を組織して、その設立総会の中での決定というご答弁がありました。先人たちが築き上げてきた農工一体のまちづくり、他市に先駆けた多くのまちづくりの成功の上に、市制施行60周年という節目の年が重なりました。さらに輝く１年になること、大きな誇りと感じるところであります。

　　国際交流事業に盛り込まれた、60周年記念事業の内容について、あわせて実行委員のメンバーなどもお伺いしたいと思います。

○加藤信明議長　古谷総務部長。

○古谷利明総務部長　それでは、お答え申し上げます。

　　まず、市制施行60周年記念事業につきましては、市民の皆さんとともにお祝いをすると、主眼を置いていることから、実行委員会は市長を会長といたしまして、各地区の区長協議会長、そしてさくらんぼ国際交流協会の会長、並びに事業の運営を担っていただくＮＰＯ法人クリエイトひがしねの理事長、そしてまなびあテラスの総合館長から組織をしているところであります。

　　事業の内容については、大きく６つの事業を掲げているところでした。市長が登壇で答弁申し上げました、７月14日に開催いたします記念式典、こちらにはドイツのインゲルハイム・アム・ライン市のクラウス市長もご出席をいただく予定をしております。

　　その前日の７月13日、この日にはドイツからのお客様の歓迎レセプション、こちらも記念事業の１つと位置づけているところであります。

　　また、３番目としてドイツのハンドボールの交流事業を掲げております。これはホストタウン東京オリンピック・パラリンピックの機運醸成を図る目的で、ドイツハンドボール２部リーグのチーム「Ａｕｅ」を招聘するものであります。

　　４番目といたしまして、６月と来年の３月に開催をいたします「子ども子育てフェスタ」があります。「子育てするなら東根市」というところで、全国で活躍する有名な講師をお招きしての講演会と、来年３月には、親子で楽しめるファミリーコンサートなどを計画しているところであります。

　　５番目には、10月にＮＨＫハート展を開催する予定であります。これは障害のある方もない方もお互いに理解し合い、ともに生きる社会の実現を目指すことを目的に開催を予定しているところであります。

　　６番目に、12月15日に東根市とドイツの友好コンサートを予定しているところであります。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーと、世界的なバイオリニストの方による、本市とドイツの友好をたたえるコンサートを計画をしているところであります。

　　このほかにもさくらんぼマラソン大会であったり、ひがしね祭、またウインターフェスティバルなどの既存のイベントにつきましても、冠事業として拡充をして実施を予定しているところであります。

　　よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　11番阿部綾子議員。

○11番（阿部綾子議員）　ありがとうございます。

　　６月のさくらんぼマラソン大会、８月のひがしね祭など、60周年の冠をつけて開催するということでございます。１年間もう目白押しの記念事業が展開されるようで、活気あふれるますます元気な勢いのある東根市が発信されることと思います。

　　交流事業として、ドイツのインゲルハイム・アム・ライン市のラルフ・クラウス市長を60周年記念のご来賓としてご招待、歓迎レセプション記念式典が計画されているということ。ドイツのハンドボール２部リーグチーム「ＥＨＶ　Ａｕｅ」の強化合宿、またベルリンのフィルハーモニー管弦楽団、バイオリニストの古澤巌氏との、東根市とドイツの友好をたたえるコンサートが計画されているというご答弁でございました。60周年記念事業、見事にドイツとの交流一色のようで、市民の大いに期待するところでございます。

　　中でもハンドボール２部リーグチームのドイツプロチームが東根に来て、強化合宿をしてくださるということです。滞在期間、スケジュール、宿泊場所、競技会場など受け入れ態勢などについてもお伺いしたいと思います。

○加藤信明議長　古谷総務部長。

○古谷利明総務部長　お答え申し上げます。

　　スケジュールですけれども、７月21日の土曜日から31日までの期間、本市に滞在をしていただいて強化合宿を行う予定であります。

　　現在、強化合宿に係る基本合意書の締結に向けて準備を進めているところであります。

　　合宿期間中は、市民体育館や中央運動公園の体育館など、独自の練習を行うほか、国内の実業団、または大学生のチームとの交流試合の実施のほか、もちろん歓迎レセプションや市民の皆様との交流の場を設ける予定であります。

　　練習会場や宿泊会場、歓迎レセプションの会場などは、全て東根市内の施設を予定しているところであります。加えて交流試合の際には、市民ボランティアを募ってご協力をいただき、青少年を対象としたハンドボールクリニック教室の実施なども考えております。

　　全日程を通じて、市民の皆様に対して、一流プレイヤーと接することのできる貴重な体験となるのではないかと考えているところであります。

　　運営体制については、市内の体育・ハンドボール関係団体や国際交流にかかわりの深い各種団体を構成とした実行委員会を組織して、実施をしていく予定としております。

　　よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　11番阿部綾子議員。

○11番（阿部綾子議員）　ありがとうございます。

　　７月21日から31日までの10日間の滞在期間であるということ。また、国内の実業団、大学生チームの交流試合も計画されているということで、また青少年を対象としたハンドボールクリニック教室など、市民の方々との交流の場もあり、一流プレイヤーと交流できる、触れ合いできるなど国際交流の理解度も、またオリンピック・パラリンピックの機運醸成にも大きくつながるものと思います。

　　練習会場、宿泊場所、歓迎レセプションなどの会場も、全て市内の施設で行うということ、安心いたしました。宿泊施設、宿泊場所などもドイツのハンドボールチームの方々は25名ぐらいと聞いておりますが、また実業団、大学生チームなども加わると、ハンドボール選手は多分身長のある人たちばかりと思いますので、ちょっと心配の部分もありますが、ホストタウン登録の東根市にとって、大変貴重な大仕事になると思います。おもてなしの精神で関係者だけでなく、市民全員で歓迎をしたいと思います。

　　東京で開かれたホストタウン登録自治体によるホストタウンサミットや、他のスポーツでドイツを選んだ自治体同士のホストタウンドイツグループネットワーク形成などの研修にも、担当職員が参加をされているとお聞きいたしました。体験、研修の成果を、是非ドイツのハンドボール２部リーグチームの受け入れに活かしていただき、そのことがこれからのホストタウン事業、国際交流事業を進めるための大きな力になってくれるものと思います。

　　ホストタウン登録自治体として経験していくことは、これからの国際交流事業を大きく後押ししてくれるものと思います。

　　ご答弁にもありましたが、自治体国際化協会とのつながりから、オーストラリア自治体幹部職員の方々が、５泊６日の日程で東根を訪問され、東根市の成功の秘訣を知りたい。人口が増え続ける背景や取り組みの鍵を学びたい、との記事が新聞でも紹介されておりました。オーストラリア自治体、皆さんの研修状況、受け入れを通して学んだことなどをお伺いしたいと思います。

○加藤信明議長　古谷総務部長。

○古谷利明総務部長　お答え申し上げます。

　　自治体国際化協会、これは教育委員会に配属しておりますＡＬＴであったり、また交流推進課で活躍していただいている国際交流員などご紹介いただいている組織ですけれども、ここで主催をしています「海外自治体幹部交流協力セミナー」、この研修事業にのっとって来ていただいたところであります。

　　２月15日から５泊６日の日程で、５名の自治体関係者の方が研修に東根市を訪れたとなったところでありました。

　　今回の研修のテーマは、「人口増加に向けた子育て施策・教育によるまちづくりについて」と。また、「地方都市における地域資源を生かした外国人観光客の促進について」の２つのテーマで、研修に訪れていただきました。

　　内容は本市の行政施策の説明に始まり、まなびあテラスやタントクルセンターなどの施設を視察をしていただいたり、焼き麩をつくる体験などをして観光素材の視察などを行った後、最後に意見の交換を行ったところであります。途中にホームステイなんかも体験をしていただいたところであります。

　　意見交換では、本市の子育て施策がすばらしく、特に教育によるまちづくりの一環であるまなびあテラス、とても好評に評価をしていただいたほか、このような将来に対しての投資について、とても感心をされていたところであります。

　　また、インバウンド観光については、「日本の中で東根市はどのような特徴があるのかを考えて観光ルートを設定するとよいのでは。」とか、「北海道よりも寒くなく、東京から新幹線で真っすぐ来ることができるので、スキーもできるし、焼き麩の体験などのアクティビティもできるとなれば、オーストラリアからの誘客も見込めるのではないか。」と建設的な意見をいただいたところであります。

　　加えて、これらの行政施策的な面だけではなく、今回の受け入れでは、今後海外のお客様をお迎えするにあたっての対応などの面においても、東根市にとって非常に貴重な経験となったところであります。

　　よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　11番阿部綾子議員。

○11番（阿部綾子議員）　ありがとうございます。

　　国内からの行政視察の多いことはもちろんでございますけれども、海外、しかもオーストラリアからの行政視察受け入れは国際交流の機運醸成の一役を担い、グローバル化、インバウンド対応のまちづくりの発展にもつながるものと大いに評価するところでございます。

　　自治体国際化協会からの視察の受け入れ自治体も、余り自信がないことから、少ないと聞いております。ぜひ東根はどんどんと受け入れをしていただいて、文化を知る、インバウンドにもつながる、教育によるまちづくりについての研修のテーマでもあったというご答弁ありました。研修の中に子どもたちの学習風景なども見ていただき、国際理解を育む学校教育にもつながるものと思われます。大いに期待する部分であります。よろしくお願いしたいと思います。

　　次に、教育委員会にお伺いいたします。

　　国際理解を育む学校教育についてのご答弁をいただきました。

　　60周年記念事業などは絶好の機会であるということ、また、2020マスコット投票に全ての小学校が参加されたということで、関連教育が既に活動しているというご答弁いただきました。よろしくお願いしたいと思います。

　　国際理解を育む学校教育について、東根市の教育の中の重点施策の中に、グローバルな人材育成のためには、理科、数学、英語の教科指導の充実強化を図ることは必要不可欠であるとされて、外国語によるコミュニケーション能力、育成の１つに中学生対象、小学生対象としたイングリッシュキャンプを実施されているようです。状況、成果などをお尋ねしたいと思います。

○加藤信明議長　芦野教育次長。

○芦野耕司教育次長　お答えいたします。

　　イングリッシュキャンプにつきましては、英語教育の充実の一環といたしまして、中学生と小学５年生を対象としまして、実施をしているところであります。

　　中学生を対象としているイングリッシュキャンプは実践的なコミュニケーション能力の向上を狙っておりまして、平成26年度から実施をしております。

　　今年度は８月７日、８日の二日間、16名の生徒が参加して行われております。市内の企業の方やＡＬＴ、中学校教員の協力をいただきまして、これらの方々が、全く日本語のわからない外国人という設定で、生徒たちは市内の観光案内ですとか、英語で本の読み聞かせをするなど、さまざまな英語活動に挑戦をしております。

　　小学生を対象としたイングリッシュキャンプは、英語の発音や基本的な表現に慣れ親しみ、英語とその文化に触れることを狙いといたしまして、平成27年度から実施をしております。

　　今年度は８月４日に55名の生徒が参加して行われております。内容はＡＬＴや小・中学校の教員たちと一緒に英語かるたや英語の伝言ゲームを介したコミュニケーション活動などを実施しております。よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　11番阿部綾子議員。

○11番（阿部綾子議員）　ありがとうございます。

　　あわせて総合戦略の学力向上に向けた学校教育の推進の中で、英検の目標数値が示されてあります。27年度設定で31年までの計画でありますが、状況、成果などお伺いしたいと思います。

○加藤信明議長　芦野教育次長。

○芦野耕司教育次長　お答えいたします。

　　英検は英語に関する日本で最も長く行われている検定でございまして、５級から１級まで７段階ございます。３級は中学卒業程度の英語力が目安となっております。

　　ご指摘のとおり、市においては総合戦略の学力向上に向けた学校教育の推進の項目の中で、市内生徒の英検３級以上の合格者数、これは中学３年現在でですけども、その個別目標としまして、30％という数値を掲げております。

　　昨年12月１日現在の英語教育実施状況調査の結果としては、英検３級以上取得している生徒が96人、英検３級以上は受験していませんが、定期テストなどでそれに相当する英語力を有していると、英語担当の教員が判断した生徒が102名でありまして、市内中学３年生の全生徒数460人に占めるその割合は、43％となっております。

　　新年度はＡＬＴを現在の５名から７名の体制に増員する予定でありまして、今後も英語を学ぶ環境の充実を図り、国際理解教育とあわせて英語力を高める取り組みを進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　11番阿部綾子議員。

○11番（阿部綾子議員）　ありがとうございます。

　　今、国際交流員ベレツノイ・ベロニカさんというドイツの方の実際のお話を聞いて勉強できること。また、ＡＬＴが５名から７名体制になること。ホストタウン登録を受けている東根市であります。充実された教育環境の中で、国際感覚を養う国際人として、また東根人としての教育をよろしくお願いしたいと思います。

　　最後に、教育長にお尋ねいたします。

　　教育長は、東根生まれ、東根育ち、そしてこれまで東根市の子どもたちを見つめ、見守り、ともに歩んでこられたと思います。

　　また、教育者としての経験、またこれまで教育関係の多くの要職にもついてこられました。東根市の子どもたちの国際理解教育に対する思いなどをお聞かせいただければと思います。お願いいたします。

○加藤信明議長　元木教育長。

○元木正史教育長　お答えいたします。

　　はじめに答弁しましたとおり、国際化がこれまで以上に進展する中で、これからの社会を生きていく子どもたちにとって、国際社会に生きているという広い視野を持つとともに、国を超えた人々との相互理解、相互交流を深めていくことが重要でありまして、学校教育でも欠くことのできない分野であると考えております。

　　私は国際化に対応する教育を進める上で、三つの視点を大切にしていかなければならないと考えております。

　　１つは異文化に対する理解、異なる文化を持つ人々とともに協調して生きていこうとする態度の育成です。

　　国際理解教育では、まず多様な国や地域があり、それぞれに歴史があり、独自の文化があることを知ることが大切です。そして、違いを違いとして認め、尊重する気持ちを持たせるために、外国人と直接にかかわって話を聞いたり、一緒に活動したりすることなど、体験的な活動をできるだけ多く取り入れることを大切にしていきたいと思っております。

　　２つ目の視点は、コミュニケーション能力の育成です。みずから人とかかわろうとする積極性と語学力、とりわけ基礎的な英語の能力の育成が重要だと思っております。

　　いよいよ小学校の外国語活動、英語科の授業も充実されることになりました。小学校の教職員の皆さん、不安をお持ちであることも事実ですので、ＡＬＴの増員に加え、教材教具の整備や研修体制の充実にも努めてまいりたいと思っております。

　　視点の三つ目は、国際化に対応するからこそ、日本人として、また地元東根に生きる市民として、そして個人として自己の確立を図ることが大切だと思っております。

　　そのためにはたくさんの地域の方々や地域の大切なものと触れ合うことで、子どもたちが自分自身のふるさと東根に誇りを持ち、自分自身にも自信を持つようにしていきたいと思っております。

　　今年度東根小学校の６年生は、東根をＰＲするために自分たちで取材し、撮影、編集も行って、コマーシャルビデオを製作しました。そしてそれを保護者や東根地区地域づくり地区民の集いで発表するとともに、学校のホームページやＹｏｕＴｕｂｅで発信をしております。発表のときの子どもたちの表情は、ふるさとへの愛着、誇り、そして自信にあふれておりました。

　　一方、日ごろの学習や豊富な読書、さまざまな体験は、自分自身の考え方を確かなものにし、自己の確立につながっていくものと思っております。

　　このような子どもたちが、国際人としてこれからの時代をしなやかに生き、東根を力強く担っていってくれるものと思っております。よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　11番阿部綾子議員。

○11番（阿部綾子議員）　ありがとうございます。

　　私も東根地区の地区民の集いの中で、発表を聞かせていただきました。自分たちのふるさとの宝物を堂々と発表していた姿にたくましさを感じました。

　　教育長のしっかりした思いを聞くことができました。ありがとうございます。東根市、ふるさとに愛着の持てる国際人に育ち、将来の東根市を担ってくれるものということを信じたいと思います。ありがとうございました。

　　最後に、市長にお伺いいたします。

　　ドイツに飛んだこと、またホストタウン登録を成功させたこと、インゲルハイム・アム・ライン市との友好都市締結まで、あと一押しのところまできているのかなと私は思いますが、また市制施行60周年記念事業など、市長の頭の中は、ドイツ一色ではないかと思います。施政方針や、昨日の代表の質問の中でも、国際化時代にかじを切る、強い決意が述べられました。改めて国際化にかける市長の思いをお聞きしたいと思います。

　　また、もう１つ、山形市の文化振興課にお尋ねしたところ、今、山形市の宝紅庵と清風荘、市長は前に尋ねたことがあったというお話をお聞きしましたけれども、今、国際交流の場所として、広く利用されているというお話を聞くことができました。今リノベーションされている東の杜資料館、緑筠亭、宝紅庵のような和のたたずまい、畳敷きの部屋でゆっくりとお茶を楽しむ、また書や食のそば打ちなども体験できるような東根市国際交流の迎賓館的役割を持たせるのも、海外からのお客様、おもてなしの１つとして考えてもいいのかなと思います。

　　国際交流事業の推進の１つに入れていただき、市長のお考えをお聞きしたいと思います。

○加藤信明議長　土田市長。

○土田正剛市長　まず、去年の外国人の訪日客数は、2,869万人という驚きの数字でもあったわけであります。当然、2020年の東京オリパラ開催に向けての4,000万人というのは、楽にクリアできるのではないかなと思っております。

　　さらに政府の予測では、2030年には6,000万人の外国人のお客様が日本に訪れるという予測をしているわけであります。

　　そうなりますと、東根にも外国の方々がしょっちゅう訪れるということになるのではないかなと思っております。

　　私は冗談でよく「東根市民はそのときには英会話の１つぐらい覚えてないと恥をかくような時代が、すぐ手の届く先のところに来ているんだよ。」ということをよく話をするわけであります。

　　そういう意味の中では、ＡＬＴを今年２人増強して７名体制で語学に力を入れていくわけでありますが、なかんずく、話をできる、英会話をできる教育というものが、非常に大切なのではないかなと思っております。

　　先ほど教育次長の答弁の中にも、英検の３級の合格者が43％であるということを、もっともっと数値を上げていかなければいけないんではないかなと思っております。そういう語学力を東根市民の中に高めていくということは、大事なことではないかなと。相手を知る上において、まず話せるということは何よりも強みではないかなと思っております。

　　そういう本市発展のためには、未来への投資であるという考えのもとで、今後とも国際交流の拡大と深化を図っていくという大前提のもとで、その宝紅庵の話もありました。私は宝紅庵には今まで３度ほど訪れております。あの宝紅庵ほどではありませんけども、超ミニミニの東の杜のリニューアルオープンを来年の31年に、間近に控えているわけであります。もちろん今、阿部議員がおっしゃったように、東根の迎賓館的な役割も今後担っていただきたいなと、私も思っております。

　　やはり日本に訪れる外国のお客様というのは、日本の文化というものに興味を抱いていると思います。また、それに触れ合いたいという人も大半ではないだろうかなと思うときに、この日本の伝統文化というものを体感できる今後そういうものをますます力を入れていかなきゃいかんなと、日本の良さというものを伝えることによって、外国人が日本に親近感を一層湧かせるとなるのではないかなと思っております。

　　そういう意味で、東の杜資料館については、まさに庭で目を楽しみ、そして花を愛で、お茶を飲み、そして書を体験する。そういったことを、まず日本の和の文化というものを、最大限、伝統文化を満喫させるということが、我々、国際交流化を目指す行政としても、狙いはそういったところにも及んでいるわけであります。

　　今後ともそういう国際交流、国際理解に資する施設として、また外国人をもてなす迎賓館的な役割として、施設整備を行ってまいる所存でありますので、ぜひ来年の４月のオープンを楽しみにしていただきたいなと思っているところであります。

○加藤信明議長　11番阿部綾子議員。

○11番（阿部綾子議員）　ありがとうございます。ドイツ語で「ダンケシェーン」。

　　うちの同僚議員は、きのう手話でやっていましたので、私はドイツ語で「ダンケシェーン」。東の杜資料館、ありがとうございます。よろしくお願いしたいと思います。

　　最後に要望ですが、先日、「東根版国際交流ｄｅワクワク未来」の会議に参加してまいりました。各界からの国際人関係者が集まっての意見交換会もあって、国際交流で元気なまちづくりをしていこうというテーマで、たくさんの人たちがいろいろなアイデアを出しておりました。

　　ここの議会の中でも、総務文教常任委員会に声をかけていただいて、国際人も１人おりますので、結構議会からは参加させていただきました。

　　さくらんぼ国際交流協会主催でありましたけれども、市の交流推進課の課長の講話などもありました。その中で海外の方とお会いできたら、まず挨拶をすること。一言挨拶をするだけで空気が変わって一体感になれるということを勉強してまいりました。ぜひ市報などを通して、「グーテンモルゲン」「おはようございます」あとは、「グーテンターク」「こんにちは」あと「ダンケシェーン」など、ドイツの挨拶の言葉などを、ぜひ市報の中で紹介していただいて、７月の、選手、皆さんお迎えするときに挨拶でおもてなしをしたらどうでしょうかという提言でございます。

　　あと、最後にホストタウンとして2020年オリンピック・パラリンピック前の、ドイツの大会選手の事前合宿の場所に、東根市を選んでいただけることを願って、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

○加藤信明議長　以上で、ご了承願います。

　　◎河村　豊議員質問

○加藤信明議長　次に、５番河村　豊議員。

　　　〔５番　河村　豊議員　登壇〕

○５番（河村　豊議員）　５番河村　豊でございます。

　　通告しております３項目について、質問をさせていただきます。

　　はじめに、マイナンバーカード活用による市民生活の利便性向上について、お伺いいたします。

　　総務省はマイナンバー制度を導入のメリットを、行政を効率化し、人や財源を国民サービスに振り分けられること。社会保障、税に関する行政の手続で添付書類が削減されることやマイナポータルを通じたお知らせサービスなどによる国民の利便性の向上。所得をこれまでより正確に把握することで、きめ細やかな社会保障制度を設計し、公平・公正な社会を実現することを挙げております。

　　さらにマイナンバーカードやマイナポータルは、マイナンバーそのものを使わない利活用が可能であり、民間活用を含めＩＴ社会の重要な基盤として、最大限活用していくこととしております。

　　東根市第６次行財政改革推進プランには、効率的で効果的な行政経営システムの確立から、最適な情報環境の整備、マイナンバー制度活用による市民の利便性向上に結びつけていく必要があるとし、新年度には独自利用に向けた検討する予定となっております。

　　マイナンバーを活用した行政手続の簡素化で、子どもの保育園や幼稚園の入所を市に申請する場合、児童扶養手当証書や特別児童扶養手当証書、課税証明書といった書類を提出する必要がなくなりました。

　　また、傷病手当金を申請する際に添付していた年金受給証明書も不要になりました。

　　内閣府が立ち上げた個人向けサイト、マイナポータルはマイナンバーカードを使って利用するもので、さまざまな子育てサービスの申請を、パソコンやスマートフォンから行うことができます。このため、書類は一切必要なく24時間どこからでも申請が可能となりました。

　　こうした行政手続の簡素化を可能にするのが、マイナンバー制度における情報連携で、マイナンバー法に基づき、専用のネットワークシステムを用いて、異なる行政機関の間で個人情報のやりとりを行い、行政手続に関する住民の手間を大幅に省くことが可能になりました。マイナンバー導入のメリットを市民が実感する機会は格段に増えております。

　　忘れてはならないのは、個人情報の管理に万全を期すことであります。個人情報保護行政の全般を担う、独立性の高い機関として、個人情報保護委員会が設置され、個人情報の取り扱いについて監視の目を光らせております。

　　行政機関が住民の個人情報をやりとりする際、マイナンバーをそのまま使用せず、個人情報を取り扱うたびに、独自の符号を用いるという対策も講じられております。個人を特定しにくくするためであります。

　　マイナポータルからは、ウェブを使って、自分の情報を誰が何に使ったのかも確認できるようになっております。

　　市民の不安を払拭しつつ、暮らしがより便利になるよう、マイナンバーの活用をさらに進めていただきたいと思っております。

　　そこで、住民票の写しなどの証明書類を、全国約５万店舗のコンビニで発行できる、コンビニ交付の導入を実現していただきたいと思います。住民票の写し、戸籍謄抄本、印鑑登録、課税の各証明書などが、マイナンバーカードを持っていれば、市役所窓口が開いていない休日や早朝深夜でも、全国のコンビニに設置された端末を操作して、発行手続を行うことができるものです。市民生活の利便性が大きく向上するこのサービスの導入をお願いするものであります。

　　次に、障がい者差別解消の推進について、障がい者差別解消法に係る市条例制定について、お伺いいたします。

　　国連の障がい者の権利に関する条約の締結に向けた国内法制度の整備の一環として、全ての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的として、平成25年６月、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律、いわゆる障がい者差別解消法が制定され、平成28年４月１日から施行されました。

　　この法律は、障害を理由とする差別の解消に関する基本的な事項や国の行政機関、地方公共団体、民間事業者などにおける、障害を理由とする差別を解消するための措置などについて定めることによって、全ての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら、共生する社会の実現につなげることを目的としております。

　　この法律や、この法律に基づいて作成される基本方針や対応要領、対応指針を通じてどのようなことが障害を理由とする差別に当たるのかについて、社会全体で認識が共有されるようにし、差別をなくすための取り組みを推進することによって、差別のない社会を目指すということであります。

　　全ての人は、障害のあるなしに関わらず、かけがいのない個人として尊重され、等しく幸せに生きる権利を持っております。

　　これまでも障害のある人が地域の一員として、安心して生活できるように障害福祉サービスの充実などに取り組んでいただけるよう市には要望してまいりましたが、今なお障害があることで周囲からの偏見があり、それに伴う差別的な対応を受けていると感じている人や、生活の中で暮らしにくさを感じている人がおられます。

　　このような状況を私たち一人一人が身近なこととして受けとめ、障害のある人もない人もそれぞれが歩み寄り、互いの違いを理解し、個性を認め合うことで幸せに暮らしていくことにつながるものと考え、それらを具体的に示した東根市の条例制定をお願いするものであります。

　　次に、市内小中学校のいじめ問題について、お伺いいたします。

　　当市では、平成27年３月に東根市いじめ防止対策の推進に関する条例を制定し、８月にいじめ防止基本方針が策定されております。

　　しかし、残念ながらいじめの事案はまだまだ後を絶たないようであります。いじめの前兆を見極め、いじめを未然に防止することが、誰も傷つけることなく、問題を解決するために非常に重要であると考えます。

　　子どもたちの世界では、何でもないことからいじめが始まり、ちょっとしたきっかけで被害者と加害者があっという間に入れかわるなど、複雑な構図になっている場合が多く、簡単に解決できる事案ばかりではないと認識をしております。

　　教職員の皆さんの、現場でのご苦労も大変なものだと感じております。当然、学校現場が関わるケースが大半でありますので、それが不登校につながったり、暮らしにくい状況へと発展していきます。教職員の言動が児童生徒を傷つけたり、いじめの助長につながったりする場合もあります。

　　いじめ防止基本方針には、対応や取り組みについて詳細な記述がなされておりますが、学校現場、あるいは保護者へもこれらの内容の認知度を高めていくことが重要だと考えます。

　　そこで、いじめ事案の把握状況について、お伺いいたします。

　　また、生徒や保護者が、学校や教職員に相談しづらい場合などに必要となるいじめ相談窓口について、お伺いをいたします。

　　以上、登壇での質問といたします。

○加藤信明議長　５番河村　豊議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　河村　豊議員のご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、マイナンバーカード活用による市民生活の利便性の向上についてであります。

　　コンビニでの証明書類発行につきましては、全国のコンビニエンスストア、約５万店舗に設置されたキオスク端末から、住民票や印鑑証明等を発行するサービスであり、現在ではコンビニ以外の事業者も参入を始めております。

　　このサービスの利用には、住基カードやマイナンバーカードに搭載された電子証明書が必要であります。マイナンバーカードは、社会保障・税番号制度の根幹をなす、重要なアイテムであり、その普及促進のために、国は総務省が策定した「ワンストップ・カードプロジェクト　アクションプログラム」において、コンビニ交付サービスの導入について強く推し進めております。

　　しかしながら、サービスを導入し、継続していくためには膨大な費用を要します。現在の国の制度では、特別交付税による財政支援がありますが、平成31年度までのサービス開始という条件や、ランニングコストに係る措置も３年間のみと限定的であり、その後も一般財源を投入し続けることは財政負担が大きく、どの自治体もすぐに導入に踏み切れない状況にあります。

　　このような中、先般の県の市長会総会において、コンビニ交付サービスの導入に対する国の財政支援拡大と、サービス導入期限等の延長について、本市東根市から提案してまいりました。いずれの市からも賛同が得られ、県も市町村と一体となって国へ要望していくことになったところであります。

　　今後も、あらゆる機会を捉えて要望を継続するとともに、先進市の導入事例等を参考にしながら、導入に向けた具体的な検討を進めてまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。

　　次に、障がい者差別解消の推進についてであります。障がい者差別解消法に係る、市条例制定についてでありますが、障がい者の差別解消など権利擁護に向けた取り組みについては、平成18年に国連において、障がい者の権利に関する条約が採択され、国連法の整備も進められてきております。平成16年の障害者基本法の改正において、障がい者に対する差別の禁止が基本的理念として明示され、平成25年には障害者総合支援法が施行され、障がい者の社会参加の機会の確保、障がいの有無によって分け隔てられることのない共生社会を目指すことなどが規定されたところであります。

　　共生社会の実現のためには、障がいの特性や程度に応じて、必要な時に適切な支援の提供が不可欠であるため、市ではこれまでさまざまな福祉サービスの充実と障害者相談員や民生委員等による、身近な相談窓口における支援を行ってまいりました。

　　障がい者の生活介護や就労継続支援、障がい児の放課後デイサービス等を行うための障害福祉サービス費の今年度の決算見込み額は、約６億1,000万円であり、５年前の平成24年度の決算額と比べると、約1.5倍と大きく伸びております。

　　増加の理由としましては、就労継続支援事業所や放課後デイサービス事業所の開設に伴う利用者の増加、総合的な相談体制の整備に伴うサービス利用の増加によるものであり、その結果障がい者の社会参加に結びついているものと捉えております。

　　こうした状況の中で、平成28年に施行された障害者差別解消法や県条例の果たす役割がますます重要となってきております。

　　本市におきましても、これまで法令や東根市障がい者福祉計画に基づき、市民一人一人が障がい者についての理解を深め、障がいのある人もない人も、共に人格と個性を尊重し、安心して暮らすことができる社会の実現を目指してまいりました。

　　今後、障がい者の差別解消に対し、さらにどのような取り組みが必要かなども含めて、来年度から、条例化に向けて鋭意検討してまいりますので、ご理解をお願いいたします。

○加藤信明議長　次に、教育長に答弁を求めます。元木教育長。

　　　〔元木正史教育長　登壇〕

○元木正史教育長　私からは、市内小中学校のいじめ問題についてのご質問にお答えをいたします。

　　本市では、いじめ対策推進法の制定を受けまして、平成27年にいじめ防止対策の推進に関する条例を制定するとともに、いじめ防止基本方針を策定いたしました。

　　いじめ防止に向けた施策の一環として実施している「スマイルサミット」は、３年目となりました。小中学校児童生徒の代表が一堂に会して、ポスターセッションやパネルディスカッションを通して、主体的にお互いの実践を交流しております。

　　今年度は第一中学校でしたが、ホスト校が県を代表しまして「全国いじめ問題子どもサミット」に参加し、本市の取り組みを発表するなど、他市町に先駆けた事業は大いに注目されております。

　　はじめに、いじめ事案の把握状況についてでありますが、把握の方法からご説明申し上げます。

　　東根市いじめ防止対策基本方針に掲げておりますとおり、まず学校が、子どもや保護者との信頼関係を構築することに努めることを第一の前提として、いつでも相談できる環境を整え、子どもが示す小さな変化やサインを、教職員が見逃さないように感度を高く保ち、いじめに係る情報が入りやすいようにしております。

　　また、定期的な教育相談の機会を設定したり、日常の観察による声がけによって個別の情報把握に努めております。

　　さらに毎月、心のアンケートを実施したり、年２回、６月と11月に児童生徒と保護者全員を対象としたいじめに係るアンケートを実施して、状況の把握に努めております。

　　このアンケートで把握をしました、今年度のいじめ事案の認知件数は、次のとおりであります。

　　まず、１回目は小学校735件、中学校73件、合計808件でありました。

　　一方、２回目は小学校526件、中学校86件、合計612件でした。したがいまして、１回目と２回目の結果を比較しますと、小学校では209件の減、中学校は13件の増、全体では196件の減となっております。

　　また、いじめの種類としては、小学校、中学校ともに、冷やかしやからかいが最も多く、全体の半数以上を占めております。

　　このような訴えに対して、基本的には学級担任が対応しますが、事案の内容や程度、緊急性などを考慮して総合的に判断し、ケース・バイ・ケースで学年主任が一緒に対応したり、養護教諭やスクールカウンセラー・教育相談員等が加わったり、校長・教頭が直接相談対応するなど、いじめられた子どもや保護者の思いや痛みに寄り添って、納得のいくまで、丁寧かつ誠実に対応するように努めておりますので、ご理解をお願いいたします。

　　次に、いじめ相談窓口についてでありますが、いじめられている子どもが、身近な教師や親、友達などに相談して解決できることが理想でありますが、全てのケースの子どもがそのようにできるとは限りません。そこで子どもたちには、公的ないじめ相談の窓口として、次の３つを紹介しております。

　　１つ目は、国が設置する「子どもの人権110番」であります。法務局等が担当しており、電話、手紙、メール、いずれの方法でも任意に選択した方法に対応できるようになっております。

　　２つ目は、山形県が設置する「子どもＳＯＳダイヤル」と「メール相談窓口」であります。山形県教育センターが担当しており、24時間体制で対応できるようになっております。

　　３つ目は、市内全ての小中学校に、学校の規模や実態等を考慮して、「スクールカウンセラー」、「子どもふれあいサポーター」、「教育相談員」、「心の教室相談員」のいずれか、もしくは複数を配置しております。

　　臨床心理士等の有資格者や、カウンセリングの研修を受けた者が、子どもたちの悩み事等に個別に対応できるよう環境を整えております。

　　さらには、ただいまご説明しました３つの相談窓口にとどまらず、市の教育委員会管理課におきましても、教育支援専門員２名と、スクールソーシャルワークコーディネーター１名、指導主事４名が随時相談に対応できる体制を整えております。

　　これまでにも、さまざまないじめ事案等の相談をお受けして、学校や保護者と連携しながら解決に向けて対応しておりますので、ご理解をお願いいたします。

○加藤信明議長　５番河村　豊議員。

○５番（河村　豊議員）　はじめは、マイナンバーカードの件でありますけども、非常に前向きなご答弁をいただきました。ありがとうございます。

　　これまでも、私ここでマイナンバーカードを私もつくってます、みたいなお話をさせていただいたことがありますけども、私の場合はスマートフォンで自分の写真を送って、登録をさせてもらいましたけども、なかなかそういうことができる方ばっかりではないので、窓口でぜひもう少しお手伝いできるような体制づくりをということをお願いしておりました。

　　そんななか１月の15日号の市報に、両面見開きで「マイナンバーカードをつくってみませんか」というページが載せられておりました。一番最後に「市民課窓口で、申請のお手伝いをします」ということで書かれておりまして、「スマートフォンでの申請方法を窓口で説明します。」ということと、「スマートフォンをお持ちでない場合も市民課窓口でオンライン申請ができます。窓口で写真を撮って、そのまま電子申請ができますので、顔写真をご用意いただく必要ありません。」と。私も現場見せていただきましたけども、別部屋を用意していただいて、職員の方に写真を撮っていただいて、その場で申請できるという非常に市民目線に立った、いいサービスをしていただいているなと感じました。この１月15日号の市報に掲載されたわけですけども、この効果と現在の交付状況について、お伺いしたいと思います。

○加藤信明議長　奥山市民生活部長。

○奥山　茂市民生活部長　お答えいたします。

　　１月15号の市報掲載以来、電話や来庁による問い合わせが増えてきております。実際に窓口において、オンライン申請の補助を行った件数は、２月末までで184件になっております。

　　また、マイナンバーカードの交付状況につきましては、２月末日現在で交付件数が3,574枚。交付率が7.49％となっております。よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　５番河村　豊議員。

○５番（河村　豊議員）　２月末までで184件だったという非常に効果があったのでは、出ているのではないかなと感じますけども。ただこれ効果出ていると思いますけども、このカード交付の促進について、市報掲載のほかにどのような工夫をされているのか、お伺いしたいと思います。

○加藤信明議長　奥山市民生活部長。

○奥山　茂市民生活部長　お答えいたします。

　　窓口に、通知カードをなくされた方や、転入、転居で通知カードの住所の変更を行った方に対し、窓口でのマイナンバーカードの取得を積極的に勧めております。

　　また、市民に対して広くカード取得を勧めていくためには、まず市の職員からみずから取得することが大事だなということから、職員に対してもカード取得を勧めているところでございます。よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　５番河村　豊議員。

○５番（河村　豊議員）　ありがとうございます。

　　もう少し、さらなる市民向けのＰＲが必要と考えますが、この点いかがでしょうか。

○加藤信明議長　奥山市民生活部長。

○奥山　茂市民生活部長　お答えいたします。

　　市報掲載時から、時間の経過とともに関心が薄れてくると思われます。よって、定期的に市報掲載を継続すること、あるいは市ホームページや各地区の公民館だよりでも、市報と同じ内容の広報をしていきたいなと考えているところでございます。よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　５番河村　豊議員。

○５番（河村　豊議員）　マイナンバーカードをつくることによるメリットということを、市民にしっかりと訴えていただくということが非常に大事なのではないかなと思います。

　　私もこのマイナンバーカードを使って、ｅ－Ｔａｘのよる確定申告を、今年２回目やりましたけれども、非常に便利です。自分の空いた時間でできますし、夜でも深夜でも全然簡単にできますので。しかも、私今年は確定申告の窓口の受付が始まる前、２月の中旬にｅ－Ｔａｘで申告をしましたら、メールで回答が来て、なんともう３月１日に還付金が振り込まれてきたというような、非常に反応もいいし、様々メリットが大きいのではないかなと。こういうことを是非もう少しＰＲのネタとして使っていただければと思います。

　　コンビニ交付ができるように、各証明書類ができるようにお願いしているわけですけれども、県内でこのコンビニ交付を導入している市町村はどの程度あるのか、それから予定も含めてどれくらいあるのか、それから、今後導入の動きはあるのか、またそれらの市町村のカードの交付率は伸びているのか、この辺をちょっとお伺いしたいと思います。

○加藤信明議長　以上２点について、奥山市民生活部長。

○奥山　茂市民生活部長　それでは、お答えいたします。

　　現在、既に導入している市は、山形市、鶴岡市、酒田市の３市であります。今後導入を予定している市は天童市と長井市であります。

　　それから、それらの市町村のカードの交付は伸びているのかというご質問でありますけれども、毎月末日に現在の交付状況が公表されております。既に導入済みの３市につきましては、県内の13市の中でも上位の交付率となっているところです。また、今後導入予定をしている市についても、今後大きく伸びてくるのではないかなと思っているところでございます。よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　５番河村　豊議員。

○５番（河村　豊議員）　コンビニで、先ほど登壇でも言いましたけれども、印鑑証明とか謄本なんかもとれるようになると、非常に便利になる。東根市がちゃんとそういう体制ができれば、我々が例えばどこか遠くに出かけていても、その地域で、コンビニさえあればできるわけですね。私なんかもそうですけども、本籍地が別であるという場合に、遠く離れている場合なんかもそちらの市がちゃんとそういう体制が取れるとこちらでできると。先ほど、答弁でございました、コンビニじゃなくても最近はできるところができてきていると、目の前にできました薬局なんかも発行できるような体制に今なっていますので、非常に市民の利便性というのは高まってくるのではないかなと思います。

　　１つ提案をしておきたいんですけれども、総務省が航空会社のマイレージや地域貢献活動に参加した住民に、自治体が発行するポイントなどを集約して、マイナンバーカードを使って、買い物や公共施設への利用を可能にする実証事業を始めております。これは消費喚起による地域経済の活性化や、マイナンバーカードの普及につなげるねらいがあるということであります。

　　先進地として、群馬県の前橋市は早くから、この総務省による実証事業への参加を表明しておりまして、準備を進めてこられておりました。この前橋市が検討している仕組みというのは、民間企業が発行するポイントと、ボランティア活動に取り組んだ市民に与えられる、市独自の地域活動ポイントをマイナンバーカードで集約して、貯まったポイントはＪＲ前橋駅構内にある土産物屋で買い物に使ったり、美術館のアーツ前橋や、前橋文学館の入館料の支払いに利用してもらうと、これら各施設にはマイナンバーカード裏面のＩＣチップを読み取る機器を設けておられると。

　　また、全国各地のふるさと納税の返礼品を閲覧できるサイトを運営する民間企業とも連携して、貯まったポイントを使ってオンライン上で前橋市の特産品が購入できる仕組みも検討しているということでありました。

　　さらに、市内中の商店街、百貨店でつくる前橋中心商店街協同組合が発行する商品券の購入にも使えるようにする方針だということであります。この協同組合の理事長が、加盟店の売り上げアップにつながる取り組みになると期待しておられるということであります。

　　実証事業について、地域経済の活性化につながるチャンスで、地元でポイントを使ってもらうため、市独自でプレミアム、昔プレミアム商品券がありましたけれども、市独自でプレミアムで上乗せ分を検討していると。

　　オンラインショップでは、生産量日本一のウクレレなど、前橋が誇る商品をもっとアピールしていきたいと意気込んでおられるということです。

　　総務省が実証実験に取り組む背景の１つに、クレジットや携帯電話、航空の各社が発行するポイントやマイレージが十分に活用されていない現状があるということです。総務省の担当者は、これらの業界で毎年約4,000億円相当のポイントやマイレージが発行されているが、少なくとも約３割、推計1,200億円相当が使われていないようだと指摘しているということなんです。

　　こうした中、今回の実証事業ではＪＣＢや全日空、日本航空、ＮＴＴドコモなど、十数社が協力の意向を表明して、今後協力企業は約２万5,000万人の会員に対し、実証事業への参加を促す予定だということです。

　　一方、総務省は、事業参加に必要なシステム改修の、自治体側の負担を軽減するため、クラウド上にポイントを管理するシステムを構築し、自治体に提供しております。

　　また、マイナンバーカードの交付が約1,200万枚で、人口に占める普及率は約９％にとどまることから、実証事業を通じてマイナンバーカードの普及につなげたいということであります。

　　民間企業は自社の顧客満足のためにも、またその先の再利用に結び付けるためにも、貯まったポイントは使われるべきだと考えておられて、ポイントの交換先が増すことは望ましいということです。

　　自治体側はポイント交換が一度きりにならないよう、例えば医療費の抑制につながる介護予防活動に参加した住民にポイントを与えるなど、地域の課題解決に役立つような自治体ポイント制度とする工夫が必要だという考え方もあるようであります。

　　住民がポイントをためて、何度も交換してくれる流れができれば、地域循環型経済が活性化するだけではなくて、行政コストの削減にも寄与する可能性が高いと、その点でも期待できる取り組みですので、是非これらの取り組みを参考にしていただければと思います。

　　それから、次に障がい者差別の解消の推進についてでありますけれども、昨年の第２回定例会に続いてのこれは質問になりました。先ほど答弁の中でも出てまいりました、地域で相談を受けている障害者相談員というのは、どこに何名くらい配置されて、どのようなお仕事をされているのかお聞きしたいと思います。

○加藤信明議長　梅津健康福祉部長。

○梅津佳之健康福祉部長　お答えをいたします。

　　障害者相談員は、身体障害者福祉法及び知的障害者福祉法の中で、市町村は障害者の福祉増進を図るため、相談や援助活動について、社会的に信望があり、かつ障害者の更生援護に熱意と識見を持っている者に、これを委託できると規定されております。

　　本市では、身体障害者相談員６名、知的障害者相談員２名の方を東根市身体障害者福祉会と手をつなぐ育成会から推薦をいただきまして、任命をさせていただいております。担当地区ということでは設定はしておりませんが、市内に満遍なくいらっしゃると思っております。

　　主な業務としては、障がい者やその保護者から相談を受けまして、障がい者の自立や更生援護に関して、関係機関の業務に協力すること、障がい者に対する市民の理解と認識を深めるための普及活動などに取り組んでいただいております。よろしくお願いいたします。　　

○加藤信明議長　５番河村　豊議員。

○５番（河村　豊議員）　先ほど、登壇の答弁で、非常に、市の条例化に向けても前向きなご答弁をいただきました。新年度から条例化に向けて検討していくということで、答えもいただきましたので、非常にこれはすばらしい方向性だなと感じております。

　　県が「山形県障がいのある人もない人も共に生きる社会づくり条例」というのを制定して、目的達成に関して、県の責務及び県民等の役割を明らかにして、基本となる事項を定めております。

　　当市としても、障がいの有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら、共生する社会の実現を目指して、市や事業者の責務を明確にして、障がいを理由とする差別の解消の推進に向けた条例制定に向けて、何とぞよろしくお願いいたします。

　　それでは、次に市内小中学校のいじめ問題について、お伺いいたします。

　　「東根市いじめ防止基本方針」のいじめの定義の中に、「インターネットを通じて行われるものを含む」、その形として、「パソコンや携帯電話、（スマートフォンを含む）で誹謗中傷や嫌なことをされる。」とありますけれども、市内小中学生の携帯電話、スマートフォン、それから情報通信機器の所持について把握しておられるか、お伺いしたいと思います。

○加藤信明議長　芦野教育次長。

○芦野耕司教育次長　お答えいたします。

　　ご指摘のありました、携帯型の情報端末などの所持につきましては、各小中学校の児童生徒を対象としまして、悉皆調査、全員を対象とした調査を行っております。

　　今年度の所持率は小学校で71.6％、中学校で91.2％でございます。小中学校とも学年が上がるにつれて、夜間や休日の塾通い、スポーツ少年団への所属が増えることなどもありまして、親との連絡の必要性から所持率は高くなる傾向にあります。

　　ここ３年間の所持率を見ますと、小学校は横ばい、中学校は増加傾向で来ております。よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　５番河村　豊議員。

○５番（河村　豊議員）　かなり高い、この情報携帯通信端末まで含めると、かなり所持率が高いということがわかりますけれども、今後所持や使用、それから親も含めたネットモラルなどについて、どのような方向性で指導していくのかお伺いしたいと思います。

○加藤信明議長　芦野教育次長。

○芦野耕司教育次長　お答えいたします。

　　携帯型の情報端末などにつきましては、高い利便性がある一方で、児童生徒の長時間利用による生活習慣の乱れですとか、不適切な利用による、いわゆるネット依存やネット被害、ＳＮＳでのトラブルなど、情報化の進展に伴う新たな問題が生じているところでございます。

　　こうした傾向の一端は、本市においても散見されるところであります。このような状況を踏まえまして、各小中学校では、児童生徒が適切に情報通信技術を活用して、情報社会を安心・安全に生きていくための能力や、態度を育成しております。具体的には、技術や保健、道徳の授業の時間、あるいは児童・生徒会などの特別活動で、「情報セキュリティ」や「情報モラル」、「適切なコミュニケーション」などについて、具体的な場面を取り上げながら問題を未然に防いだり、解決する力を身につけさせております。

　　また、東根市ＰＴＡ連合会では、「親のネットモラル３箇条」としまして、「我が家のルールを決める」、「子どもの手本になる」、「学校には持たせない」を定めて、市を挙げた取り組みを展開して、今日までで３年目を迎えたところでございます。よろしくお願いいたします。

○加藤信明議長　５番河村　豊議員。

○５番（河村　豊議員）　子どもたちがこれだけ持っているわけですので、先生方も、教員の側も私はガラケーなのでその辺のことはわかりませんというのは、通用しなくなってきていると思います。教員側のＳＮＳに対する理解を深めるための環境や、環境づくりとか取り組みということですね、それをお伺いしたいと思います。

○加藤信明議長　芦野教育次長。

○芦野耕司教育次長　お答えいたします。

　　携帯型情報端末などの不適切な利用によって生じている、様々な問題に対応できる指導力、これを向上させるために、県、地区、市、それから各学校単位に様々な研修の機会を設けております。講師には、県警本部少年課や村山警察署生活安全課の少年補導専門官、北村山視聴覚センターの指導主事、民間の携帯電話会社の社員の方などの支援を受けまして、問題発生の未然防止や、発生時における速やかな解決のために、具体的な事例を取り上げながら、より学校現場で役に立つ実際的な内容になるよう工夫をしながら実施しておりますので、ご理解をお願いいたします。

○加藤信明議長　５番河村　豊議員。

○５番（河村　豊議員）　それでは、最後にこれも提案をしておきたいと思います。

　　今、ＳＮＳを使ったいじめなんかも出てきているということで、逆にこのＳＮＳを活用したいじめ相談であるとか、ＬＩＮＥなんかを活用したいじめ相談についてあるんですけれども、千葉県の柏市とか、茨城県の取手市がいじめの早期発見、早期対応に向かって匿名でいじめを通報できるアプリ、「ＳＴＯＰｉｔ」というのを１月から、随時全市立中学校の生徒、現在の３年生を除くですけれども、が無料でダウンロードできるようにしております。

　　取手市では、2015年11月に市立中学校の生徒が日記に「いじめられたくない」などと書き残して自殺するという痛ましい事態が起こりました。この問題は現在も県の調査委員会が自殺に至った背景などを調査している一方、市教育委員会はいじめがあった事実を認めております。

　　柏市の先進例では、アプリを導入したことにより、相談件数が増えていることから、この柏市のやり方を参考に取り組みをスタートさせているとのことでありました。

　　その上で、傍観者をなくすため、匿名アプリであることを強調して通報を増やしたいと、学校と教育委員会でしっかりと対応していくというメッセージを発信していきたいと話しておられます。

　　この通報アプリ「ＳＴＯＰｉｔ」というのは、2014年にアメリカで開発されたスマートフォン用のアプリであります。いじめを目撃した生徒や被害者が匿名で報告、相談できるのが特徴で、文章や写真、画像などを送って、匿名のまま送信先とやりとりができると。送信した情報は市教育委員会に送られて、内容に応じて各中学校や各種関係機関と連携した上で対応しているということです。

　　報告、相談は24時間受け付けているんですけれども、対応可能な時間は原則午前９時から午後５時のために、緊急時はアプリに登録されている、先ほどもありましたけれども、「24時間子どもＳＯＳダイヤル」などに直接電話できる仕組みになっております。

　　この取手市の教育委員会は、現在学校でのいじめについて、１つ未然防止、２つ早期発見、３つ目に早期対応というのを目指して取り組んでおられると、アプリの導入に合わせて、脱いじめ傍観者教育というのを題した授業を行って、このアプリの使い方にとどまらず、１人１人が傍観者にならないための教育をしているということでありました。時代によって、いじめの形とか方法、内容が様々変わってきておりますけれども、それらにしっかり我々大人も対応して、いじめの防止、それから本当に残念な痛ましい事態にならないように、しっかり取り組みを進めていきたいと、是非このこともお願いして、私の質問を終わりたいと思います。

　　以上です。

○加藤信明議長　以上でご了承願います。

　　◎散　　　　　会

○加藤信明議長　以上で、本日の日程は全部終了しました。

　　本日はこれで散会をします。

　　ご苦労さまでした。

　　　午後　２時２５分　散　会