平成２９年８月３１日　午前１０時００分　開　議

　　　　　　加　　藤　　信　　明　議長　　　　　　　髙　　橋　　ひ ろ み　副議長

◎出席議員（１８名）
　１番　　　片　　桐　　勝　　寿　議員　　　　　　　２番　　　山　　科　　幸　　子　議員
　３番　　　高　　橋　　鉄　　夫　議員　　　　　　　４番　　　白　　井　　健　　道　議員
　５番　　　河　　村　　　　　豊　議員　　　　　　　６番　　　原　　田　　利　　光　議員
　７番　　　髙　　橋　　光　　男　議員　　　　　　　８番　　　細　　矢　　俊　　博　議員
　９番　　　今　　野　　　　　孝　議員　　　　　　１０番　　　浅 野 目　　幸　　一　議員
１１番　　　阿　　部　　綾　　子　議員　　　　　　１２番　　　清　　野　　貞　　昭　議員
１３番　　　森　　谷　　政　　志　議員　　　　　　１４番　　　佐　　藤　　　　　直　議員
１５番　　　秋　　葉　　征　　士　議員　　　　　　１６番　　　清　　野　　忠　　利　議員
１７番　　　髙　　橋　　ひ ろ み　議員　　　　　　１８番　　　加　　藤　　信　　明　議員

◎欠席議員（なし）
◎説明のため出席した者の職氏名
土　田　正　剛
市　　　　　　長

元　木　正　史
教　　育　　長
武　田　庄　一
選挙管理委員会
委　　員　　長

小　林　文　雄
代表監査委員
工　藤　喜惠治
農業委員会会長

伊　藤　孝　次
消　　防　　長
間木野　多加志
副　　市　　長

古　谷　利　明
総　務　部　長
奥　山　　　茂
市民生活部長

梅　津　佳　之
健康福祉部長
石　垣　裕　之
経　済　部　長

東海林　克　彦
建　設　部　長
兼 水 道 部 長
眞　木　知代美
会計管理者

芦　野　耕　司
教　育　次　長
高　橋　重　俊
総合政策課長

石　垣　有　一
庶　務　課　長
併選挙管理委員会
事　務　局　長
石　垣　和　彦
財　政　課　長

半　田　　　薫
監　査　委　員
事　務　局　長
東海林　浩　司
農 業 委 員 会
事　務　局　長





◎事務局職員出席者職氏名
佐　藤　浩　之
事　務　局　長

井　上　正　宏
事務局長補佐
菅　井　美奈子
議事主査
兼議事係長

齊　藤　晋　平
副　　主　　任
松　山　朋　美
主　　　　　事

早　坂　　　康
兼　務　書　記
森　谷　賢　司
兼　務　書　記


◎議　事　日　程

　議事日程第２号
　　　　　　　平成２９年８月３１日（木）　午前１０時　開　議

　日程第　１　　市政一般に対する質問
　　　　　　　　１　　９番　今　野　　　孝
　　　　　　　　２　　２番　山　科　幸　子
　　　　　　　　３　１６番　清　野　忠　利
　　　　　　　　４　　３番　高　橋　鉄　夫
　　　　　　　　５　　１番　片　桐　勝　寿
　　　　（散　　　　　会）


◎本日の会議に付した事件

　議事日程第２号に同じ。
平成２９年東根市議会第３回定例会一般質問発言通告書

番 号
質 問 者
質 問 事 項
質 問 要 旨
答 弁 者
１
今野　　孝
議　　　員
１．国民健康保険について
１．厚労省の調べでは国保加入世帯の15.9％が滞納世帯で6.0％が滞納を理由とした保険証取り上げ世帯であります。（2016年６月１日現在）
　国民皆保険の最後の砦危うし。そこで６点お尋ねします。 
　（１）国保にかかわる本市の状況について
　　　①国保税額の推移について
　　　②国保税の収納状況について
　　　③滞納者への対応について
　（２）都道府県単位化にかかわって
　　　①国保運営方針案について
　　　②国保事業費納付金の仮算定について
　　　③運営協議会のスケジュールや議論の状
　　　況について
市　　　長
２．学童保育について
１．少子化の進行にもかかわらず、学童保育のニーズは増えつづけ、2016年には、2007年対比で、学童保育数は1.66倍、入所児童数は1.45倍となっています。しかし、子ども・子育て新制度の開始により学童保育は、大きな変化と節目を迎えています。そこで３点お尋ねします。
　（１）学童保育をめぐる本市の状況と課題について
　　　①施設整備の現状と今後の計画について
　　　②施設毎の入所児童数と指導員数について
　　　③知事が行う研修（省令基準第10条）に
　　　いて
市　　　長



番 号
質 問 者
質 問 事 項
質 問 要 旨
答 弁 者
２
山科　幸子
議　　　員
１．神町西地区のまちづくりについて
１．神町地区は、東根市の人口増加をけん引している地域であります。神町北部土地区画整理事業地内とともに、神町西地区は人口増加が著しく、今なお開発行為による宅地造成と個人売買による住宅建設が行われています。
　　今後の良好な住環境整備と神町地区及び東根市のさらなる発展のため、次の点についてお伺いします。 
　（１）東西に分断された神町地区の総合的なまちづくりについて。
（２）駅はまちづくりの核の１つであるなかで、神町駅前広場が縮小され、現在の駅舎が解体され縮小されることは、地域のまちづくりに大きな影響がある。これまでの経過と、今後の通学路とＪＲを利用した通勤・通学の利便性と安全対策及び神町駅解体後の神町駅周辺整備について。
　（３）神町西地区における昭和時代に開発さ
　　　れた住宅地域は、高齢化が進んでいる。
　　　買い物や通院など交通手段の確保につい
　　　ては、市全体の課題でもある。今後のま
　　　ちづくりの中で、どのような対策を考え
　　　ているか。
市　　　長



２．地方分権改革・提案募集方式の積極的な活用について
１．地方自らが地域ごとに異なる課題を発見し、解決を図ることができるよう、平成26年から内閣府による「提案募集方式」が導入されました。
市民の福祉向上や利便性を図るためには、国の基準の見直しや事務事業の規制などの緩和が必要であります。
　　上位法による制限や基準等によって市民の要求に応じられないケースが多々あります。市民に直結した行政を行えるよう、組織としての取り組みをするとともに、積極的な活用についてお伺いいたします。
市　　　長
３
清野　忠利
議　　　員
１．地理的表示（ＧＩ）保護制度登録による効果について
１．農業者の減少、農業従事者の高齢化が進行する中、「さくらんぼ」は本市の農業を牽引する存在となっている。佐藤錦の発祥地である本市に同制度の登録がもたらした効果はどうか。
市　　　長
４
高橋　鉄夫
議　　　員
１．安全安心な地域づくりについて
１．進む局地化、激甚化災害及び各種事態に向けた危機管理・防災体制の強化策について
２．緊急伝達手段の運用状況について
３．今後の危機管理、防災訓練のあり方、考え方等について
市　　　長
２．現神町小学校跡地の利活用について
１．今後の考え方、進め方について
市　　　長
５
片桐　勝寿
議　　　員

１．土地の「所有者不明化」の問題に関する本市の現状について
１．土地の所有者の居所や生死が直ちに判明しないために、固定資産税の課税徴収、空き家対策、耕作放棄地の解消、災害復旧などに影響する、いわゆる「所有者不明化」による問題が各地で報告されている。この問題は、現行土地制度が、人口減少・高齢化という社会の変化に対応できないために生じていると言われている。
人口も増え、県内で最も低い高齢化率の本市には「所有者不明化」の問題は、無縁のようにも思われるが、この問題に対する市の現状について伺う。
２．ある民間シンクタンクの2014年の調査の中で「土地の所有者が特定できないことによって問題が生じたことがありますか」という問いに「ある」と答えた自治体の９割近くが「固定資産税の徴収が難しくなった」と答えたという結果がある。そこで、本市の固定資産税の徴収の現状について伺う。
市　　　長





　　◎開　　　　　議

○加藤信明議長　皆さん、おはようございます。本日の会議に、遅刻の届け出がありましたのは、13番森谷政志議員であります。したがいまして、出席議員の数は17名で定足数に達しておりますので、これから本日の会議を開きます。
　　本日の会議は、議事日程第２号によって進めます。

　　◎市政一般に対する質問

○加藤信明議長　日程第１　市政一般に対する質問を行います。
　　質問は通告順としますが、発言順番を迎えたときに議場にいない場合は発言権の放棄とみなしますので、そのようにご了承願います。

　　◎今野　孝議員質問

○加藤信明議長　はじめに、９番今野　孝議員。
　　　〔９番　今野　孝議員　登壇〕
○９番（今野　孝議員）　おはようございます。９番今野　孝です。通告に従い一般質問を行います。
　　厚生労働省保険局国民健康保険課の調べによれば、全国の国民健康保険加入世帯数は、2016年６月１日現在で、約1,968万世帯となっております。国保税滞納世帯は約312万世帯で、国保加入世帯の15.9％に上っております。滞納を理由とした保険証とり上げが国保加入世帯の６％に当たる約118万世帯に対して行われております。担税能力の限界を超えている世帯もあるのではないかと思われます。経済的理由で受診を抑制し、手おくれになって、死に至る人も後を絶たないと言われております。経済力による命の格差が深刻化しているとの指摘もあります。国民皆保険の最後の砦危うしと思えてなりません。
　　そこで、国民健康保険にかかわって、お尋ねいたします。第１の柱は国保に関わる本市の状況についてであります。１点目、国保税額の推移について、お尋ねします。
　　２点目、国保税の収納状況について、お尋ねいたします。
　　３点目、滞納者への対応について、お尋ねいたします。
　　第２の柱は都道府県単位化にかかわってであります。１点目、国保運営方針案について、お尋ねしたいと思います。
　　２点目、国保事業費納付金の仮算定について、お尋ねいたします。
　　３点目、運営協議会のスケジュールや議論の状況について、お尋ねいたします。
　　次に、学童保育にかかわって、お尋ねしたいと思います。少子化の進行にもかかわらず、学童保育のニーズは増え続けております。今回は、こんなグラフをつくってまいりました。正比例のグラフであるかのように、右肩上がりのグラフとなっております。青い線は入所児童数の推移を表し、左目盛りで読んでいただきます。入所児童数の全数調査を開始した平成18年は約68万人。それが、平成28年、グラフは27年まできり書けておりませんが、28年には約107万人。1.45倍にも増えております。緑の線は学童保育所の数の推移を表し、右目盛りで読んでいただきます。平成18年には、約１万6,000であった学童保育の数が、平成28年には２万8,000と実に1.66倍にも増えております。今や子どもの成長発達を支える上で、欠くことのできない施設となっております。
　　しかし、子ども子育て新制度の開始により、学童保育は大きな変化と節目を迎えていると言われております。学童保育をめぐる本市の状況と課題について、３点お尋ねいたします。
　　１点目、施設整備の現状と今後の計画について。
　　２点目、施設ごとの入所児童数と指導員数について。
　　３点目、省令基準第10条には、知事が行う研修と書かれておりますが、知事が行う研修について、お尋ねしたいと思います。
　　以上、お尋ねして、登壇での質問といたします。
○加藤信明議長　９番今野　孝議員の質問に対し答弁を求めます。
　　土田市長。
　　　〔土田正剛市長　登壇〕
○土田正剛市長　今野　孝議員のご質問にお答えをいたします。
　　はじめに、国民健康保険についてでありますが、本市における国民健康保険税額の推移については、後期高齢者医療制度が決まった平成20年度との比較を申し上げますと、平成20年度は加入世帯数6,189世帯で、医療給付費分、介護納付金分、後期高齢者支援金分を合計した１世帯あたりの平均税額は、18万217円でありました。
　　一方、平成28年度は加入世帯数5,762世帯で１世帯あたりの平均は、21万1,944円であり、９年間で加入世帯が6.9％減少し、平均税額が17.6％増加していることになります。この要因としましては、医療給付費が伸びる一方で、社会保険加入者の増加や、高齢化に伴う後期高齢者医療制度への移行者の増加等により、国民健康保険の加入率が下がっていることなどが挙げられます。
　　次に、国民健康保険税の収納状況についてでありますが、本市の収納率は平成20年度では78.35％、平成28年度は85.53％であり、９年間で7.18ポイントの伸びとなっております。この要因としましては、市税等、収納対策本部による取り組みを行うなど、納付を求める様々な働きかけや納税者の必要に応じた納税相談を適宜実施した結果と捉えております。
　　次に、滞納者への対応についてでありますが、納付期限までに納付がない場合は、督促状を送るとともに、文書・電話・訪問による催告を行っております。その中で、一括納付が難しいとの申し出があれば、納税相談において詳しい状況を聞き取り、その後の納付計画に反映させているところであります。
　　なお、国民健康保険税については、特に住民生活に関わる側面があることから、納税者の不利益とならないよう、優先的に対応するよう指示しております。ただし、納付資力があるにもかかわらず、納付しない等の場合には、公平・公正等の観点から差し押さえ等の滞納処分を行っております。今後も納税相談等を通して、滞納者の実情、生活実態の把握を丁寧に行ってまいりますので、ご理解をお願いいたします。
　　次に、国民健康保険運営方針案の公表についてでありますが、国民健康保険は国民健康保険法等の一部改正により、来年度から県と市町村が共同で運営を行うことは、ご案内のとおりであります。この制度改正により、山形県では県内で統一した山形県国民健康保険運営方針を定めることになります。内容については、県への納付金等の算定方法、税の収納率向上のための取り組み、保険給付の点検の強化、保健指導の充実等を国民健康保険全般についての基本的な考え方を示すこととされております。方針案につきましては、県の国民健康保険運営協議会で、検討を行うこととされており、９月以降に公表して、パブリックコメントを実施し、11月ごろに県が最終決定をしていく予定であります。
　　次に、国民健康保険事業費納付金の仮算定公表についてでありますが、納付金につきましては、11月ごろに仮算定額が県から市に提示され、来年の１月には本算定額が示される予定になっております。
　　次に、運営協議会のスケジュールや議論の状況についてでありますが、市の運営協議会につきましては、納付金の仮算定額が県から示される11月以降に国民健康保険税率等の具体的な内容について協議し、本算定額が示される来年１月以降、早期に確定等について、協議を行ってまいりたいと考えております。これまで、昨年度から今年度にかけて５回にわたり開催された山形県国民健康保険連絡調整会議においては、標準保険税率の算定方式、納付金計算における医療費水準の反映、税率の激変緩和措置等について、議論を重ねてまいりました。
　　また、各市町村から県に対し、早期に標準保険税率を示していただくよう、要望を行ってきたところであります。今後も十分に県との連携を図りながら、国民健康保険の広域化に向け、円滑な対応を進めてまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
　　次に、学童保育についてでありますが、施設整備の現状等、今後の計画については、現在、市内９つの小学校校区全てに公設で学童保育所を設置しており、児童福祉施設等の整備計画に基づき、施設の老朽化や入所児童数の推移等により、必要に応じた改築等を実施しております。今年度の計画としましては、東根市小学校区においては、老朽化した東根児童館を解体し、新たに学童保育所を新築することとしており、高崎小学校区においては利用児童数の増加により、手狭となった現在の施設にかわり、高崎児童センター内で学童保育を行うため、児童センターの大規模改修を行うこととしております。
　　今後につきましては、来年度は現在、小田島ふれあい交流館を使用して、学童保育を行っている小田島小学校区において、小田島保育所を解体後の跡地に学童保育所を新築し、さらに平成31年度には、神町小学校区において、小学校の移転に合わせ、学童保育所も移転・新築することを計画しております。
　　また、大森小学校区の学童保育所については、利用児童数の急激な増加により、平成26年度に第４学童クラブの施設を増設いたしましたが、さらに児童数が増加しており保育スペースの不足が課題となっております。現在は、学校施設を臨時的に利用し、第５学童クラブを運営しておりますが、今後の利用児童数の推移等も勘案しながら、施設整備の可能性について、検討を進めているところであります。
　　次に、施設ごとの入所児童数と指導員数についてであります。今年、５月１日時点における学童クラブ数と入所児童数については、東根小学校区が３クラブ127人、神町小学校が２クラブ93人、東郷小学校が１クラブ37人、高崎小学校が１クラブ44人、大富小学校が３クラブ100人、小田島小学校が２クラブ64人、長瀞小学校が１クラブ45人、東根中部小学校が４クラブ169人、大森小学校が５クラブ215人で、合計22クラブ894人となっております。
　　指導員につきましては、市の条例において１クラブあたり２人以上を配置することと定めておりますが、今年５月１日現在における全クラブの合計で放課後児童支援員が68人、補助員が26人で１クラブ平均では、4.2人となっており、各クラブとも充足している状況であります。
　　次に、知事が行う研修についてでありますが、放課後児童支援員は国の基準及び市の条例により、保育士や社会福祉士の資格を有する等の要件にくわえて、知事が行う研修を終了したものとされており、経過措置期間である平成31年度までに、受講することが求められています。研修は、放課後児童支援員としての必要な知識や技能の習得等について、8日間で16科目を受講する内容となっております。
　　山形県においては、平成27年度以降、毎年度４回の研修を実施しており、本市学童保育所の放課後児童支援員としては、現在までに43人が修了しているところでありますので、ご理解をお願いいたします。
○加藤信明議長　９番今野　孝議員。
○９番（今野　孝議員）　ご答弁ありがとうございました。引き続き、質問席より２問目以降の質問をさせていただきます。
　　はじめに、国保に関する本市の状況にかかわって、お尋ねいたします。国保税額の推移にかかわって、加入世帯が6.9％減少し、平均税額が17.6％増加しているとの答弁でありましたが、加入世帯の減少と平均税額の増加との因果関係がよく理解できません。平均税額増加の背景について、お尋ねしたいと思います。
○加藤信明議長　古谷総務部長。
○古谷利明総務部長　それでは、私から平均税額増加の背景について、お答え申し上げます。加入者数が減少しておりますので、比例して国保税総額は減少傾向にありますけれども、一方で加入者１人あたりの医療費の伸びが大きくなっております。具体例を申し上げますと、平成20年度の１人あたりの診療費は約27万7，000円、平成28年度は約35万7,000円で、９年間で28.9％の増となっております。中でも、高額医療費が伸びており、これは医療技術等の進歩により高額な新薬などの薬剤、医療機器の使用が増えていること、また、高齢化の進行に伴いまして、合併症治療の増加などの影響によるものであります。このような診療費の伸びに対応するため、すなわち国保会計の安定運営のため、近年では平成21年度、24年度、25年度に国保税の改定をお願いしたところであります。このようなことが平均税額増加の背景となっておりますので、ご理解をお願いいたします。
○加藤信明議長　９番今野　孝議員。
○９番（今野　孝議員）　ありがとうございました。既にご認識いただいていることとは思いますけれども、加入者にこれ以上の負担を求めるのは困難な状況にあるのではないかと考えておりますので、申し添えておきたいと思います。
　　次に、もう１つグラフを作成してまいりました。青色の線は医療給付費分、介護納付金、後期高齢者支援金分を合計した１世帯あたりの税額をあらわしております。そして、平成25年度以降、20万円を突破しているわけです。緑の線は収納率の推移をあらわしております。平成25年度以降、80％を超えております。税額が増えているのに、収納率が向上している。ちょっと理解しにくいところであります。当局の工夫と努力があったのではないかと思われます。納税者の実情に応じた納税相談を適宜実施した。さらに納税相談において、詳しい状況を聞き取りし、その後の納税計画に反映させている等のご答弁がございました。本市の納税相談の実態について、お尋ねしたいと思います。
○加藤信明議長　古谷総務部長。
○古谷利明総務部長　それでは、納税相談の実態について、お答え申し上げます。まず、納期限までの国民健康保険税の納付ができないとのお申し出があった場合、必要に応じて随時納税相談を実施しております。
　　また、通常の窓口での対応のほかに年４回２週間程度ずつですけれども、年４回時間外も相談可能な期間を設定いたしまして、より来庁しやすく、相談しやすい体制を整えて、各滞納者の皆さんへ文書で周知をしているところであります。
　　納税相談の内容としましては、まず現在の収入と支出の詳しい状況を聞き取りさせていただきまして、どういう理由で納付ができないのか原因を明らかにいたします。その上でやむを得ない理由で納付ができないことが確認できれば、本人の納付資力に応じた納付計画をつくりまして、計画的な納付をお願いしているところでありますので、よろしくお願いいたします。
○加藤信明議長　９番今野　孝議員。
○９番（今野　孝議員）　ありがとうございます。これまた、私から申し上げるまでもないことですけれども、１人１人の加入者に寄り添い、課題解決の道をともに探るのも自治体の任務ではないでしょうか。今後とも丁寧な対応をお願いしておきたいと思います。
　　次に、国民健康保険の都道府県化にかかわって、お尋ねいたします。国民健康保険運営方針案については、９月以降に公表して、パブリックコメントを実施し、11月ごろに県で最終決定する予定との答弁、了解いたしました。国民健康保険事業納付金については、来年１月には本算定が示される予定との答弁でありました。この点についても、了解いたしました。
　　ところで、７月10日に厚生労働省が都道府県に通知した「第３回試算の方針」とはどのようなものかお尋ねしたいと思います。
○加藤信明議長　奥山市民生活部長。
○奥山茂市民生活部長　お答えいたします。これまでの試算につきましては、国の調整交付金や努力支援制度、税負担の激変緩和等に伴います国の公費を反映しておりませんでしたけれども、第３回目の方針につきましては、それらを反映させまして、さらに所得や医療給付費のデータを最新のものにしまして、実態に近づいた内容で試算を行う予定でございます。
　　また、被保険者の負担増に対しまして、激変緩和の適応基準によりまして、どのように額がかわるのかも試算されることになっておりますので、どうかご理解をお願いしたいと思います。
○加藤信明議長　９番今野　孝議員。
○９番（今野　孝議員）　了解しました。
　　次に、第３回試算の国に対する報告期限は８月31日、今日と聞いておりますが、実態に近づいた内容での試算となる第３回試算は公表されるのかお尋ねしたいと思います。
○加藤信明議長　奥山市民生活部長。
○奥山茂市民生活部長　お答えいたします。第３回の試算につきましては、資産の対象予算につきまして、平成30年度予算別ではございませんで、平成29年度予算ベースで試みること、また激変緩和の具体的な方法がまだ固まっていないという段階の試算でありますので、公表するかについては、今後、県と市町村におきまして、協議しながら決めていくということになっておりますので、どうぞご理解をお願いいたします。
○加藤信明議長　９番今野　孝議員。
○９番（今野　孝議員）　公表については、今後検討、市町村で協議しながら決めていくとのご答弁でありました。現時点では、公表しない可能性もあるということになるのではないでしょうか。それでは、本算定額決定までの民意の反映の仕組みについて、お尋ねしたいと思います。
○加藤信明議長　奥山市民生活部長。
○奥山茂市民生活部長　お答えいたします。県と市の国民健康保険運営協議会に諮って、算定方法や税率等を決定していくことや県で、先ほど冒頭で市長が申し上げましたが、県で９月下旬から実施するパブリックコメントにおいて、民意を反映させていくとなりますので、どうぞご理解をお願いいたします。
○加藤信明議長　９番今野　孝議員。
○９番（今野　孝議員）　パブリックコメントだけで十分な民意の反映というのは、なかなか難しいだろうと考えております。北海道は昨年11月１日に、埼玉県は昨年12月27日に試算額を公表したと聞いております。大阪府は３月１日に説明会が開かれ、三重県は３月21日に出前講座を開催したとも聞いております。その結果、国保税が最大1.7倍になる。被保険者の代表は参加しているのか。滞納者対策が欠けているのではないかなど、住民からの不安と怒りの声が噴出したといいます。
　　しかし、そのような動きが反映されて、厚生労働省も、制度移行に伴う負担の急変を極力避ける姿勢を明確にしたのではないかと考えております。公表に向けた最大限の努力を求めておきたいと思います。
　　最後に、山形県国民健康保険連絡調整会議での標準保険税率の算定方式についての議論について、お尋ねしたいと思います。
○加藤信明議長　奥山市民生活部長。
○奥山茂市民生活部長　お答えいたします。山形県国民健康保険運営方針を検討する中で、県が示す市町村の標準所得税率を算定する際に用いる方式は、所得割、均等割、平等割の３方式とされております。ただ、実際の税率と算定方式につきましては、市町村が決めていくということになっております。
　　現在は、東根市は資産割が加味されておりまして、４方式であるということでありますけれども、これまでの議論を踏まえまして、将来は県の方針に習い、３方式への意向を目指すことになろうかと思います。税率や算定方式の変更に際しましては、できるだけ被保険者の著しい税負担等にはならないよう、検討してまいりたいと考えておりますので、ご理解のほどよろしくお願いしたいと思います。
○加藤信明議長　９番今野　孝議員。
○９番（今野　孝議員）　ありがとうございます。今回の一般質問を組み立てるにあたって、担当者と何回か打ち合わせをさせていただきました。その中で、市民負担をできるだけ抑制したい、制度移行に伴う激変を回避し、ソフトランディングを図りたいという担当者の思いは十分に伝わりました。その思いを堅持して職務を進めていただくよう、強く要望しておきたいと思います。
　　次へ進みます。学童保育をめぐる本市の状況と課題について、お尋ねいたします。施設整備の現状と今後の計画についての答弁、了解いたしました。私も小学校の現場におりましたので、学童保育の指導員さんと接触する機会が何回かありました。その中で、地震が来なくても、常に揺れているような古い民間アパートや改装した倉庫を借りて運営している学童保育もある中、本市は公設民営方針のもと、施設整備を進めていただいておることに感謝申し上げたいと思います。
　　次に、施設ごとの児童数についてであります。平成26年４月30日に出された厚生労働省令第63号で、放課後児童健全育成事業の整備及び運営に関する基準が示されました。第10条４項には、支援の単位を構成する児童数はおおむね41名以下とするとあります。本市の学童保育も支援の単位としては、ほぼこの基準を満たしていると思います。
　　しかし、本市の学童保育は複数のクラブが同居しているところが多く、個々に懸念を覚えるところであります。そこで、各クラブの独立性を保つ工夫について、まずお尋ねしたいと思います。
○加藤信明議長　梅津健康福祉部長。
○梅津佳之健康福祉部長　お答えをいたします。
　　市内９つの小学校のうち、６つの小学校の学童保育所が複数のクラブにわけて運営されている状況であります。各クラブは、議員からもありましたとおり、おおむね40人の児童で構成されておりまして、それぞれ独立した部屋、または扉等で区切られた専用スペースで専用のロッカーやテーブルなども備えた中で、保育を行っております。
　　各クラブには、それぞれ２名以上の専任の支援員も配置されております。子どもたちが安心して安定した生活ができる保育環境として、独立性を確保するとともに、一方で同一施設において運営することにより、クラブ間の連携や、学年を超えた子どもの社会性育成などによい点もあるのではないかと考えております。よろしくお願いいたします。
○加藤信明議長　９番今野　孝議員。
○９番（今野　孝議員）　ありがとうございます。
　　同一施設において運営することにより、クラブ間の連携や学年を超えた子どもの社会性育成など、よい点もあるのではないか。このご答弁を全て否定するつもりはありませんが、このスタイルが常態化するっていうのは、やっぱり避けなければならないんじゃないでしょうか。
　　学童保育というところは、子どもたちが「ただいま」と言って帰っていき、そして指導員の皆さんが「お帰り」って迎えてくれると、そういう家庭の役割のかわりを果たすところだと考えると、やっぱり多過ぎる人数が常に集まっているという状態は改善を必要とされるんじゃないかと思います。全国学童保育連合会は複数の支援単位を置く場合に満たすべき要件として、次のように提言しております。
　　１つ、継続的に基礎的な生活単位、生活集団がわかれていること。
　　２つ、継続的で基礎的な生活を送る空間、場所、施設、設備がわかれていること。
　　３つ、子どもに責任を持つ指導員がそれぞれ独立して複数配置されていること。
　　このように示されております。また、大規模な学童保育は子どもたちに深刻な影響を与えるとして、警告も発しております。大規模化した学童保育では子どもたちが騒々しく落ちつけない。ささいなことでけんかになるなどが起こる。
　　また、指導員の目が全体に行き届かず、適切に子どもにかかわれないため、遊びや活動を制限せざるを得ない。事故やケガが増えることなどにつながり、子どもたちに深刻な影響を与えると。このような警告を発しております。参考にしていただき、さらなる条件整備を進めていただきたいと思います。
　　次に、知事が行う研修は８日間で16科目を受講する。了解しました。なかなかハードルが高いとも思いました。ですが、できるだけ早く全員が終了すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○加藤信明議長　梅津健康福祉部長。
○梅津佳之健康福祉部長　お答えをいたします。
　　各学童保育所とも、期限である平成31年度までに支援員全員の受講を予定しているところであります。また、資質向上のためにはできるだけ早く研修の受講を終了していただきたいと考えております。
　　しかしながら、県の研修に各市町村からの申し込みが大変多くて、定員の関係で受講できない場合もあるように聞いております。期限までに全員が修了できると見込んではおりますけれども、なるべく早く全員が受講できるように、受講機会を増やすことなどについて、県に要望してまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。
○加藤信明議長　９番今野　孝議員。
○９番（今野　孝議員）　ありがとうございます。期限である平成31年度までに支援員全員の受講を予定しているとのご答弁でありました。了解いたしました。
　　次に、知事が行う以外の日常の研修はどのようになっているのか、お尋ねしたいと思います。
○加藤信明議長　梅津健康福祉部長。
○梅津佳之健康福祉部長　お答えをいたします。
　　必須とされている県の研修のほかに支援員の資質向上等を目的としまして、市内全ての学童保育所の運営委員会で組織する連絡協議会の方に、平成27年度から研修実施を委託しているところであります。27年度は心肺蘇生法講習、防犯対策講習、子どもの発達と理解など６回の研修を実施していただきました。
　　28年度は保育日誌から学ぶコミュニケーション、子どもを捉える視点と働きかけ、育成支援、記録の大切さなど10回、２年間で合わせて16回、延べ776人の支援員の方たちの参加を得て、研修が実施されております。支援員の皆さんの熱意を大変感じているところであります。
　　また、子育て健康課では毎月１回支援員などを集めた定例会を開催しておりまして、情報提供や課題の協議などを行っております。これらも、支援員の資質向上につながっているものと考えております。よろしくお願いいたします。
○加藤信明議長　９番今野　孝議員。
○９番（今野　孝議員）　２年間で合計16回、延べ776人の参加を得て研修が実施されているとのご答弁、了解いたしました。
　　子どもは社会を映す鏡といわれます。社会が目まぐるしく変貌する現代にあって、子どもも日々変貌を遂げております。このような子どもたちに適切に対処するためには、日常、普段の研修が大切になってくると思います。さらなる研修の充実を要望しておきたいと思います。
　　次に、支援員の処遇と処遇改善のための手だてについて、お尋ねしたいと思います。
○加藤信明議長　梅津健康福祉部長。
○梅津佳之健康福祉部長　お答えをいたします。
　　はじめに、常勤で雇用されている支援員の平均的な勤務状況を申し上げますと、勤務時間は６時間から８時間。給与のほかに通勤手当や役職手当、退職金の制度などもあり、社会保険や雇用保険にも加入しております。また、年次有給休暇、産前産後休暇、育児休暇、介護休暇など、各種休暇制度もあるようであります。
　　次に、処遇改善についてでありますが、保育士や介護士などの職業と同様に学童保育においても、支援員の処遇は年々改善が図られております。今年度からは、国の職員人件費に対する補助単価が大きく引き上げられまして、例えば、40人規模のクラブであれば、昨年度と比べて、年額で56万2,000円の増額となっております。
　　また支援員の勤続年数や研修実績等に応じた処遇改善を図る仕組みが設けられておりまして、これらによって１人あたり年額12万4,000円から37万2,000円賃金が改善されることになります。本市における支援員の処遇については、国の交付金制度に基づきながら、随時改善を図っている状況であります。よろしくお願いいたします。
○加藤信明議長　９番今野　孝議員。
○９番（今野　孝議員）　ありがとうございます。
　　学童保育所の支援員・指導員として、息子さんが仕事をしているお母さんの声を１つだけ紹介しておきたいと思います。「年金や保険は親が掛けていかないと小遣いもなくなるんだ」こういう声であります。本市の状況がどうなっているのか、是非点検をして、もしこのような状態になっているのであるならば、速やかなる改善を求めておきたいと思います。
　　最初にも申し上げましたとおり、学童保育というのは、今や子どもの健全成長を支える上でなくてはならない施設になっていると思います。だから、そこではスタッフが目まぐるしく入れ替わるのではなく、やっぱり10年、20年と腰を落ちつけて、そこで仕事に当たる、そういうスタッフをどうしても確保していく必要がでてくると思うのです。だからこそ、処遇の改善については、是非万全を期していただきたいと思うわけであります。
　　最後に、通年利用以外に短期的な利用は可能なのかどうか、この点についてお尋ねしたいと思います。
○加藤信明議長　梅津健康福祉部長。
○梅津佳之健康福祉部長　お答えをいたします。学童保育所の設備や運営に関しましては、条例で基準を定めております。ただ、利用時間や料金など運営に関する詳細は各学童保育所の運営委員会が地域の実情ですとか、職員の配置状況などを踏まえて、規約として定めております。
　　いずれの学童保育所も通年利用を原則としておりますけれども、市内９つの学童保育所のうち、６つの施設については、１日または半日あたりの料金を設定しておりまして、夏休みだけの利用とか、緊急一時的な利用についても対応している状況であります。よろしくお願いいたします。
○加藤信明議長　９番今野　孝議員。
○９番（今野　孝議員）　ありがとうございます。
　　私には、小学校２年生の孫がいるんですけれども、今年から母親がパートで保育士の仕事につきました。日常的には、子どもを送り出して仕事に着いて、子どもが帰るころには帰ってこられるという体制をとっているわけでありますが、長期休業になるとそういうわけにはいかなくなるわけです。そのようなニーズが本市内にも一定数あるのではないかと思いますので、必要されている子どものところに、行政サービスが行き届くように検討をお願いして、私の質問は終わります。ありがとうございました。
○加藤信明議長　以上で、ご了承願います。

　　◎山科幸子議員質問

○加藤信明議長　次に、２番山科幸子議員。
　　　〔２番　山科幸子議員　登壇〕
○２番（山科幸子議員）　２番山科幸子でございます。通告に基づきまして、ただ今より一般質問を行います。
　　神町西地区のまちづくりと地方分権改革提案募集方式の積極的な活用の２項目についてであります。
　　はじめに、神町西地区のまちづくりについて、お伺いいたします。東根市はまちづくりのハード、ソフト両面にわたる積極的な政策が東根市の人口増加と、市政発展に大きな成果を上げており、市内外から評価をいただいているところであります。とりわけ、神町地区につきましては、東根市の人口増加をけん引している地域であります。神町北部土地区画整理事業地内とともに神町西地区は、人口増加が著しく今なお、開発行為による宅地造成と個人売買による住宅建設が行われております。住民基本台帳によりますと、平成25年７月末から本年７月末までの５年間における東根市の人口は、平成26年の前年対比155人の増加をピークに、少しずつ減少に転じてきております。５年前と比べ、市全体では４万7,694人で10人の減となっております。
　　東根地区は315人の増加、神町地区は自衛隊官舎を除いて650人の増加であります。まさに神町地区が東根市の人口増加に大きく寄与しているのであります。神町西地区における今後の良好な住環境整備と、神町地区及び東根市のさらなる発展のために、次の３点についてお伺いいたします。
　　はじめに、ＪＲ奥羽本線により東西に分断された、神町地区の総合的なまちづくりについてであります。人口増加が著しい神町地区において、神町西一丁目から神町西六丁目の神町西地区では、５年間で神町地区650人のうち323人増加しております。東根地区人口の増加数と等しく、開発行為による宅地開発は、これまで193区画、個々の住宅建設も続いております。平成26年第１回定例会におきまして、神町西地区について質問がなされ、東西を結ぶ連絡通路のみならず、総合的な検討を行い、地域の課題を優先しながら調整を行うとの回答をいただいております。東日本大震災の際には、遮断機がおりたままで、完全に神町地区が分断された経過があり、防災対策上におきましても、大きな課題であると考えます。
　　また、約2,600人が勤務する神町駐屯地、果樹王国ひがしねを支える果樹地帯を擁し、工業団地を結ぶ地区であることから、神町地区は非常に交通量が多く、朝夕には著しい渋滞が発生しております。つきましては、以上の観点、経過を踏まえまして、神町地区の総合的なまちづくりについて、お伺いいたします。
　　続きまして、神町駅の質問に移ります。駅はまちづくりの核の１つである中で、神町駅前広場が縮小されて、通学・通勤者の送迎などに不便をきたしており、市内３駅のうち神町駅のみが西口から利用できない状況にあります。同じ無人駅である東根駅は、広い西口広場、駐輪場が整備されております。さらに、現在の駅舎が解体され縮小されることは、地域のまちづくりに大きな影響があります。
　　東西から駅を利用できることは、若者が町に活気を与え、人口の多い西地区からの往来は商店街など地域の活性化につながります。神町駅は進駐軍が残した白い要塞駅舎として、歴史的価値の高い東北最大の無人駅であります。訪ねたい駅、絶滅危惧駅舎として本で紹介されております。
　　また、神町出身の芥川賞作家阿部和重氏の小説にもたびたび登場し、現在、駅を題材に執筆していると言われており、歴史的にも文化的にも大変価値ある駅舎であります。地域では、保存の機運が高まっている中で、駅舎が解体され、縮小・改築されるという話はほとんどの市民は知らないのではないでしょうか。これまでの経過に合わせまして、今後の通学路とＪＲを利用した通勤・通学の利便性、安全対策、神町駅周辺整備について、お伺いいたします。
　　続きまして、神町西地区の交通手段についてであります。昭和時代に造成された住宅地は、核家族化、高齢化が進んでおります。買い物や通院と、交通手段の確保は東根市全体の課題でもあります。今後のまちづくりの中で、どのような対策を考えておられるのか、お伺いいたします。
　　次の質問に移ります。地方分権改革、提案募集方式の積極的な活用について、お伺いいたします。地方自らが地域ごとに異なる課題を発見し、解決を図ることができるよう、平成26年から内閣府による提案募集方式が導入されました。市民の福祉向上や利便性を図るためには、国の基準の見直しや事務事業の規制などの緩和、事務や権限移譲、さらには特区制度の活用が必要となることが多々あります。
　　今回の提案募集方式を学んだ経緯は、市民の要求に対して市が応じられないと回答したことが発端であります。応じられない理由は、法律や条例・規則によって定められていて、一職員が勝手にその要求を認めることが許されていないからです。市役所の一職員に裁量権があるわけではありませんので当然でありますが、市民の側に立てば、あたり前な要求であることが本当に多くあります。
　　全国では、この制度を活用して子育て、福祉分野からまちづくり、議会改革と多種多様な取り組みを実施しております。身近なところでも、地方分権改革を着実に進めるためにと、いち早く地方公共団体の発意に応じ、選択的に移譲する手挙げ方式を導入して、市の窓口でパスポートの申請・受け付け・発給を行って、市民の利便性を図っている自治体もあります。
　　上位法による制限や基準等が見直しされれば、市民の福祉向上や利便性につながり、さらに住みやすい東根市になります。そして今、市民へ支援している財政負担の軽減につながることもあります。
　　市役所は、市民の一番身近な機関で存在でもあります。住民に直結した行政が行えるよう市民目線、市民感覚で業務を行い、行政課題を見る力を養うことや、日常業務に追われ公務員の常識に埋没はしていないかなどと、組織としての取り組みが重要であります。提案募集方式制度をいかして物心ともに、豊かで安心・安全な東根市のために積極的な活用について、お伺いいたします。
　　以上をもちまして、登壇席からの質問を終わります。
○加藤信明議長　２番山科幸子議員の質問に対し、答弁を求めます。
　　土田市長。
　　　〔土田正剛市長　登壇〕
○土田正剛市長　山科幸子議員のご質問にお答えをいたします。
　　はじめに、神町西地区のまちづくりについてでありますが、神町西地区は民間開発等を中心に良好な住環境を形成するという、本市の都市計画マスタープランの土地利用方針の下、開発行為等により農地から宅地への転換が促進され、現在のような住環境の形成が図られてきた区域であります。平成13年からの15年間で開発行為により、約200区画の宅地造成がなされ、定住人口が急速に増加していることにつきましては、議員ご指摘のとおりであり、今後も増加傾向は続くものと捉えております。
　　当地区は鉄道路線によって、神町東地区と分断されていることで、市民生活においては、防災も含めた様々な面で不便をきたしていること、特に神町駅へのアクセスに課題があると捉えており、改善対策の必要性につきましては、これまでの神町地区全体の要望を通じて理解しているところであります。
　　地域分断という大きな課題を抜本的に解消するためには、道路や通路の整備が必要と捉えておりますが、駅や工場、住宅等が密集していること等、様々な大きな課題が存在していることも周知のとおりであります。両地区を結ぶ道路ネットワークの充実については、大変大きなテーマでありますので、地元の意見もお聞きしながら都市計画マスタープラン改定時に総合的に検討を進めてまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
　　次に、神町駅の改修に係る経過についてでありますが、昨年12月にＪＲ東日本から、老朽化が進み、耐震の面で課題がある神町駅の建て替えを平成29年度中に行いたいという話があり、これを神町地区区長協議会に伝達したところであります。その後５月に、神町地区区長協議会から市に対して、早急に建て替えをすること、建て替えに当たっては旧駅舎の色合いや英文字起用、表記を踏襲すること等の要望が提出されたところであります。
　　これを受けて、私は６月にＪＲ東日本仙台支社に出向き、神町地区からの要望を、駅舎整備に反映していただくよう要請したところであります。ＪＲ東日本は、新たな駅舎の設計を進め、設計ができた段階で提示するとのことでありましたが、未だ示されていない状況であります。
　　次に、通学路とＪＲを利用した通学の利便性と安全対策についてでありますが、市では駅前ロータリーや駐輪場等の駅前広場整備を行い、通勤や通学の時間帯における車両運行の円滑化や自転車利用者の利便性向上を図ってきたところであります。
　　また、駐輪場については、シルバー人材センターに管理を委託し、清掃や自転車の整理整頓の指導など、良好な管理を行っていただいております。今後とも関係団体と連携を図りながら、利用者の利便性向上等安全確保に努めてまいりたいと考えております。
　　次に、神町駅解体後の神町駅周辺整備についてでありますが、この度の工事は駅舎の改修を行うものであり、基本的には駅前ロータリーや駐輪場等の関連施設に影響が生じるものではないと聞いており、新たな周辺整備の必要はないものと捉えているところであります。いずれにいたしましても今後、ＪＲ側から示される予定である設計の内容を踏まえ、これまでと同様に駅周辺の安全対策に努めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。
　　次に、交通手段の確保についてでありますが、現在、市民生活の足として市民バスを運行しておりますが、運行ルートについては、適宜住民の要望や乗降者状況により最適と考えられるルートの設定を行い、運行しております。
　　神町西地区に限らず、市内全域において高齢者の増加は避けられないものでありますので、今後も市内各地の状況を踏まえ、効果的で利用しやすい運行を図ってまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
　　次に、地方分権改革、提案募集方式の積極的な活用についてでありますが、地方分権改革は地域の実情に応じた自治を行うため、地方公共団体が自らの判断と責任で諸課題に取り組むことができるようにするための改革であり、地方創生の重要な基盤となるものであります。そこに、提案募集方式の導入により、これまでの国指導の改革から地方の提案に基づくボトムアップ方式の改革へ移行し、地方からの提案に対し、各省庁に回答義務が課されていること、また、地方からの声を背景にして、規制や権限の見直しが推進されることが特徴であり、当該方式は地方分権改革が進んだ成果だと評価しております。
　　これまで、本市におきましては、具体的な事務事業の支障事例をもとに、重要事業としての要望活動、市長会を通じての提案等、国の制度改正等について、要望してきたところであります。提案募集方式についても、国の制度改革を促す大変有用な仕組みであることから、事案に応じて活用してまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
○加藤信明議長　２番山科幸子議員。
○２番（山科幸子議員）ただ今の答弁に対しまして、順次質問席から質問を行いますので、よろしくお願いいたします。
　　はじめに、神町西地区の急激な開発の状況、神町駅のアクセスへの課題、そして地域分断の抜本的な解消には、道路と通路の整備が必要とのご回答をいただきました。総合的なまちづくりに関わるために、神町東西地区を結ぶ道路ネットワークにつきましては、都市計画マスタープラン改定時に総合的に検討進めていくとのことでありましたが、マスタープランの改定年次はいつになるのでしょうか、お伺いいたします。
○加藤信明議長　東海林建設部長。
○東海林克彦建設部長　お答えします。現在の都市計画マスタープランは、基準年次を平成12年度とし、平成32年度までの20年間の本市の将来都市像を描いた計画であります。間もなく目標年次を迎えることから、社会情勢や市民の意見をとり入れながら、改定作業を進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○加藤信明議長　２番山科幸子議員。
○２番（山科幸子議員）　都市計画のマスタープランの改定は平成32年、３年先となります。神町地区は急速な宅地化によって、さらに住宅・人口が増加すると考えます。そうしますと、今後ますます東西を結ぶ道路整備の重要性、要望が高まってきます。また、宅地化が進行して、住宅が増えるということは、道路整備事業がさらに困難になってまいります。
　　東西を結ぶ道路ネットワークの整備につきましては、早急に検討し、着手すべきではないのでしょうか、お伺いいたします。
○加藤信明議長　土田市長。
○土田正剛市長　現在の都市計画マスタープランは、平成12年から32年までの20年間であります。私は、平成10年の９月に市長に就任したわけであります。当時は、平成11年の12月に山形新幹線が新庄延伸を１年後に迫っている時期であったわけであります。そのときに、私が感じたのは、新幹線が延伸になることによって、東根本町地区においては、４本の道路の地下道の建設、そして通路の１通路と合わせて５本が計画され、工事中であったわけであります。それに引き替え、神町地区は１本もなかったわけであります。
　　そして、私の方から逆に当時の神町地区の区長協議会あるいは、神町を愛する会等々に私の方から提案をして、この際１本は少なくとも神町地区においても必要ではないかという提案を私はしました。それに基づいて、神町地区民でも議論が急激に活発になってきたと記憶をしております。
　　ところが平成10年の12月の押し迫ったときに、その関係の地権者の方から、私の自宅に訪問がきまして、そして、絶対反対であるということが言われたのであります。そこで、私は神町の各団体と私自身は、是非理解をしてもらいたいということで申し上げましたけれども、その方は納得をせず、そして当時の神町区長協議会、あるいは神町を愛する会等々に反対の意見を披瀝をしたと聞いております。
　　そして、確か翌年であったと思いますけれども、各団体の方から市役所に訪れまして、正式に神町地区からとして、道路をトンネルというか、そういったものはつくる必要はありませんという逆の結果が出たわけであります。そういうことを考えますと、私はその後、市民と行政の協働のまちづくりというものを提案してきております。
　　したがいまして、そういうことから考えますと、この度の32年の都市計画マスタープランにおいての改定時に検討するという事務案については、私も違和感を持っております。それは、山科議員と同じ認識を持っております。
　　したがって、そういうことから、これから神町では毎年、地区との「神町振興を語る会」というものが開催をされますので、私の方からもさらに議論をこの際、神町地区全体としてどう考えるのか、東西の分断されている状況の中で、あれからもう19年たっているわけであります。したがって、事情も大きく変化をしている。もちろん西地区というのは、本市の貴重な用途区域であり、したがって、容易に農地を宅地に転換できる貴重な場所でもあるわけであります。
　　したがって、今後ともそういう意味では、西地区がさらに土地開発あるいは、宅地開発が進んでくるものと想定されるわけであります。したがいまして、平成32年になってからの改定ということでは遅いわけでありますから、少なくとも来年あたりから２年間ぐらいの余裕を持って、行政の考え方もあります。そして、神町区民の要望もあろうかと思います。そういう意味で、広く議論を促していく意味においても、今年の私は神町の語る会において、提案をしていきたいなと、こんなふうに考えているところであります。
○加藤信明議長　２番山科幸子議員。
○２番（山科幸子議員）　市長、大変ありがとうございます。私の考えと一致いたしまして、本当に早急にこの問題はしていかないと、子ども、孫の代まで禍根を残すと考えております。今までの経過とか過去にとらわれることなく、やっぱり将来を見据えて、大きな課題でありますが、前進させていくことが、私は神町地区、東根市の発展につながるものと考えております。
　　以上をもちまして、神町地区の総合的なまちづくりにつきまして、迅速かつ円滑な推進を望みまして終わります。
　　次に、移りたいと思います。交通手段等の確保について、お伺いいたします。現在、多種多様な公共交通網の手段とか手法をもって、各自治体または地域におきましては、活用して市民の利便性を図っているところであります。東根市においても、今後ますます高齢化が進むことから、市民バスのほかに市民がより利用しやすい公共交通の方法を考えるべきと考えますが、いかがでしょうか。お尋ねいたします。
○加藤信明議長　奥山市民生活部長。
○奥山茂市民生活部長　お答えいたします。全国的には、公共交通の新たな形としまして、デマンド型タクシーやＮＰＯ等によります自家用有償旅客運送などを行っている自治体があります。これは、自由な時間に自宅から目的地に直接行くことができるという利点がありますが、利用には事前予約が必要である。あるいは、急な利用ができないなどの問題があります。
　　また、自家用有償旅客運送は既存のタクシー会社の経営を圧迫するという危険性もあるのかなと考えております。このようなことも踏まえまして、市内の実情に合う多様な公共交通の形態について、勉強を続けてまいりたいなと考えております。
　　なお、高齢者の交通弱者の救済としまして、お出かけサポートタクシー事業やいわゆる自動車運転免許証を自主返納した人のために、運転リリーフ事業というのがございます。タクシー料金の補助を行っておりますので、そういった制度もありますので、是非ご利用していただくという方法もあるのかなと思っております。よろしくお願いします。
○加藤信明議長　２番山科幸子議員。
○２番（山科幸子議員）　ご答弁ありがとうございます。市民バス、有償運送様々あります。１本に絞るというのではなくて、やっぱり東根市というのは各地域で、それなりの課題が違っておりますので、いろんな組み合わせ、そういうことも考えていただきたいと思います。
　　現在、市民バスを利用して、神町小学校に登校している児童がおります。平成32年度の神町小学校の移転後も引き続いて、市民バスを利用した登校がスムーズにできるように市民バスの運行経路の変更をお願いしたいと思います。あわせまして、市全地域における市民バスの運行につきましても、検証を行って誰もがより便利で、利用しやすい市民バスであるように全体的な見直しを要望したいと思います。
　　続きまして、提案募集方式の積極的な活用に移ります。重要事業要望や市長会提案として、制度改正などを要望しているとの回答がありましたが、具体的にどのようなものなのかお尋ねいたします。
○加藤信明議長　古谷総務部長。
○古谷利明総務部長　重要要望事業に関しましては、例えば、今年度は県に対して21件、国に対して10件の要望事項を掲げておりますけれども、例えば、鳥獣被害防止対策事業の推進という項目においては、鳥獣捕獲等の事業が法律によりまして、法人に限られている現状なんですけれども、例えば、本市の猟友会など任意組織でも実施できるように制度の改正を国に要望をしているところであります。
　　また、今年度の市長会への本市からの提案では、保護者の負担ができる限り生じないように、例年秋ごろに制定されております、県の届け出保育施設等すこやか保育事業費補助金交付要項の年度当初の制定を県に要望したりしているところでありますので、よろしくお願いいたします。
○加藤信明議長　２番山科幸子議員。
○２番（山科幸子議員）　了解いたしました。市民目線、市民感覚で業務を行い、行政課題を見る力が職員に求められております。本市の職員提案制度の近年の実績はいかがでしょうか。お尋ねいたします。
○加藤信明議長　古谷総務部長。
○古谷利明総務部長　市で持っております職員の提案制度でありますけれども、過去３年間という26年度からカウントいたしますと、26、27、28の３年間は実績がなかったところであります。なお、今年度はまだ年度途中ではありますけれども、現在のところ６件の提案をいただいているところでありますので、よろしくお願いいたします。
○加藤信明議長　２番山科幸子議員。
○２番（山科幸子議員）　過去３年実績がなかったということで、大変残念な結果であったなと考えております。今年は、提案があったということで、中身に対して大変期待したいところであります。
　　これまで行ってきた職員数の削減、しかしながら、多様化する行政ニーズと複雑化専門化する業務の増加によって、恒常的な時間外勤務が続く中で、職員は日常業務に追われ、疲弊しているのではないでしょうか。そのため職員は、市民目線、市民感覚で市民に寄り添った業務を行う余裕がなくなってきているのではないですか。行政課題の把握や改善ができる体制になっていないのではないかと考えます。
　　例えば、タントくんは平成６年、果樹王国宣言したときにつくったタントくんなんですが、よそではいろいろゆるキャラブームで動く・踊るタントくんなんですが、東根市のタントくんを見て私は、全然進化しない大変なタントくんだなと、中は木枠、外は発泡スチロールで、重くて動きにくい、更新の時期が何回かあったかと思います。そのときに、やっぱりちょっと考える余裕、ただ前年度を踏襲するのではなくて、わいわい検証しながら楽しむ余裕があれば、いいアイデアづくりには欠かせないのではないかと考えます。それぞれの職員が能力を高めて、行政サービス向上にいかすために取り組んでいることがあれば、お伺いいたしたいと思います。
○加藤信明議長　古谷総務部長。
○古谷利明総務部長　お答え申し上げます。議員のご質問にありましたように本市では、これまでも行財政改革の取り組みといたしまして、定員管理計画を策定いたしまして、職員数の適正管理に努めてきたところであります。
　　くわえて、近年は地方分権の推進によりまして、地方自治体の行政事務が増加傾向にあることから、新たな行政ニーズに対応するということはもちろん、質の高い行政の推進、市民の皆様に満足していただけるような行政サービスを行うために、組織機構の改編や計画的な職員採用を行っております。
　　先ほどのご質問にも関連しますけれども、組織機構の改編は担当業務を直接担う職員や担当部署からの提案に基づいて、行政事務改善委員会を開催し、提案内容について検討・協議いたしまして、より効率的に市民ニーズに対応していくという制度となっております。
　　この制度への提案件数についてですが、同じく３年前からの実績といたしましては、26年度５件、27年度３件、28年度も３件となっているところであります。
　　このような行政課題を把握し、改善するための提案に基づく組織機構の改編や計画的な職員採用を行いながら、今後も適材適所の人事配置、職員研修などによって多種多様な市民ニーズに対する適応力の育成向上を図り、すなわち職員の資質向上、人材育成に努めまして、よりよい行政サービスを提供する姿勢をもって、市民に対応することができるよう取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○加藤信明議長　２番山科幸子議員。
○２番（山科幸子議員）　ありがとうございました。了解いたしました。
　　最近、職員の若年退職が続きまして、職員の平均年齢が下がってきております。職員育成には、本人の担当業務を行う上での専門的知識と技術の取得、そして職場における業務指導と経験が重要であると考えます。限られた職員数で市民に寄り添った業務を遂行し、行政課題の把握や改善を見る力を養うためには、職場の業務指導や職場づくりが大変重要であると考えます。
　　管理職を含めて、人事異動のサイクルを長くするのも有効な手だての１つと考えますが、お伺いいたします。
○加藤信明議長　古谷総務部長
○古谷利明総務部長　お答え申し上げます。職員の育成につきましては、普段仕事をしております職場の所属長に課せられた責務であると捉えているところであります。一般的な人事異動の基本的な方針といたしましては、同一職場に４年以上在籍する職員については、配置替えの対象としているところでありますが、職務の特殊性、専門性などにより、これによらない場合もあります。
　　また、継続事業を担当している場合、特別な理由がある職員も同様であります。特に、若い職員につきましては、様々な分野を経験をさせましてキャリアを高め、職員の育成につなげることという観点も重要かと捉えております。
　　１つの部署に長く在籍することで、蓄積される経験は貴重な財産となりまして、人材育成に寄与するものと捉えております。長い間にその部署のやり方が仕事の取り組み方が固定化してしまって、問題点が見えなくなってしまうという点も、これはまた課題としてあるのではないかと考えております。
　　一概にどちらがよいとか、よくないというものではないところでありまして、職員個人の特性や職場内の状況、または組織全体のバランスも考慮する必要があることから、配置替えの際は様々な要因を総合的に見極めまして、行っていく必要があると考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○加藤信明議長　２番山科幸子議員。
○２番（山科幸子議員）　人事異動とか、人事サイクルについては、やはりいろいろな問題点はあるとは思いますが、やっぱり管理職の方が、しっかり自分の職場の体制、業務内容を見極めて、しっかり上の方に伝えて、適材適所、業務量に見合った職員配置ができるように特段のご配慮をお願いしたいと思います。
　　平成26年度の地方自治法の一部改正により実施することになった人事評価制度は、人材育成を目的の１つとしております。提案を行った職員、業務改善を行った職員、住民サービスなどに寄与した職員はきちんと人事評価につなげていくべきと考えますがいかがでしょうか。
○加藤信明議長　古谷総務部長。
○古谷利明総務部長　お答え申し上げます。
　　人事評価につきましては、職員を単に比べて評価するだけの制度ではありません。所属長や上司による面談の場において助言指導を行いまして、職員の人材育成につなげていくための仕組みであると考えております。
　　研修は、知識、能力を取得する機会を与えるものでありまして、職員は研修により得た知識や能力を仕事にいかすことで、成長を実感しまして、そして適正に評価を与えることで仕事に対する意欲が向上するものであると捉えているところであります。
　　職員の研修受講の推進と合わせまして、人事評価制度の仕組みを活用して、職場のコミュニケーションの活性化、人材育成の現場である職場環境の調整、自己研鑚意欲をもつ職員を支援する雰囲気、職場風土づくりを図っていきたいと考えております。
　　人事評価は、様々な視点や評価項目に基づきまして、職員の能力や業績を総合的に評価しております。職員の提案につきましては、積極性、企画力、市民目線等の各評価項目において、評価が行われる行動の１つと捉えておりますので、ご理解をお願いいたします。
○加藤信明議長　２番山科幸子議員。
○２番（山科幸子議員）　ただ今、ご回答いただきました点が職場に浸透して、行政サービスや接遇などがきちんと評価されることを要望いたします。
　　地方分権改革提案募集方式の積極的な活用と、職員提案制度をいかしまして、市民の福祉向上や利便性向上、さらには住みやすい東根市になりますようにお願いいたしまして、これで一般質問を終わります。ありがとうございました。
○加藤信明議長　　以上でご了承を願います。

◎清野忠利議員質問

○加藤信明議長　次に16番清野忠利議員。
　　　〔16番　清野　忠利議員　登壇〕
○16番（清野忠利議員）　16番清野忠利です。
　　先に通告しています、地理的表示（ＧＩ）保護制度登録による効果についてお伺いします。
　　農業者の減少や、農業従事者の高齢化の進行、また、耕作放棄地の増加など全国的に農業を取り巻く環境が厳しさを増す中、本市の特産であるさくらんぼは、本市の農業を牽引する存在となっている。これまでに、国にはさくらんぼの状況は決して甘いものではありませんでした。昭和30年代から40年代は、加工用さくらんぼ、また、昭和52年、53年あたりはアメリカンチェリー騒動が起きました。その後、いろいろな困難な道があったことは皆さんのご存じのことと思います。これからは、高品質の時代と農家の方々が意識し、今日のさくらんぼ生産の体制となっていることと思います。
　　そのさくらんぼについて、うれしいニュースが、昨年の12月に、報告を本市にもたらされました。が、地域と結びつきが深く、高い品質の評価を得ている農林水産物などを保護する制度で、知的財産として国が登録し、ＧＩ制度として国が登録し、ＧＩ制度として、地域のブランド化として保護する制度であります。
　　東根さくらんぼが登録された、さくらんぼの品種はいろいろあるが、消費者の１番人気の高い佐藤錦の発祥の地であります。これまでに数多くの生産者、研究熱心、努力を惜しまない生産者、東根市果樹研究連合会をはじめとする若手農家の頑張りが評価されたものと私は思っております。
　　私も、農業に携わる１人のものとして、大変うれしく思っているところでございます。そこで、ＧＩ制度の登録が初年度であるが、本市にもたらした効果をどのように捉えているのか、お伺いいたします。
　　以上で登壇の質問といたします。
○加藤信明議長　16番清野忠利議員の質問に対して答弁を求めます。
　　土田市長。
　　　〔土田正剛市長　登壇〕
○土田正剛市長　清野忠利議員の地理的表示 ＧＩ保護制度登録による効果についてのご質問にお答えをいたします。
　　ＧＩ保護制度への登録についてはご案内のとおり、市内の農業、商工業関係者、地元大学等の教育関係機関、行政等で組織する果樹王国ひがしね６次産業化推進協議会が平成28年10月に国に対して申請を行い、その後、今年４月21日に東根さくらんぼとして登録されました。
　　今回の登録にあたり決め手となったのは、１点目に、本市が佐藤錦の発祥の地であること。２点目にさくらんぼの生産量が日本一であること。３点目に昼夜の寒暖差が大きく、水はけのよい土壌と自然環境の面で栽培に適していること。４点目に、降雨による実割れを防ぐ雨よけ施設の開発等、生産者が栽培技術の品質向上に真摯に取り組んできたことなどが国から認められたものであります。
　　本市のさくらんぼの栽培の歴史が、先人の苦労とともに国に認められたもので、この度の登録は大変意義深いものと捉えているところであります。
　　さて、ＧＩ保護制度への登録による効果についてでありますが、今シーズンの露地物の出荷が始まる前に登録が間に合ったことも功を奏し、各方面から大いに注目を集める結果となりました。登録を記念し、初めて築地市場で行った品評会では、せりによる即売会において、ご祝儀相場もありますが、大きな評価を得たところであり、マスコミに大きく取り上げられました。
　　また、ふるさと納税の返礼品として、ＧＩ東根さくらんぼの専門箱で、約４万箱を全国に発送したこと、東京、名古屋、大阪の大都市で開催したさくらんぼ種飛ばし大会では、ＧＩ規格品を使用したこと等、さくらんぼイコール東根市の発信に大きく寄与したものと捉えております。
　　さらに、同制度の使用登録者は、158の個人、事業所に及び、東根市農協への出荷を通じて携わった生産者を含めると、約900人が取り組みに参画しており、導入初年度の効果としては大きなものになったと捉えております。くわえて、ＧＩ登録については、国が本市をさくらんぼの産地として高く評価しているお墨つきと受けとめている生産者が多く、品質規格秀Ｌ以上という良品生産への意欲高揚と生産者の自信につながっている印象を受けているところであります。
　　同制度の本旨であるブランド化による農家所得の向上や、輸出拡大については登録決定の時期により、今シーズンは露地物のさくらんぼのみで、加温や無加温さくらんぼに使用していないことから、来シーズン以降、全てのさくらんぼに適応させた検証が必要ではないかと捉えております。
　　今年３月には、農林水産省とタイ政府が、ＧＩ保護制度の相互認証に向け協力することを合意したことで、東根さくらんぼも認証取得に向け、動き出しております。
　　７月には、日本と欧州連合ＥＵが大枠で合意した経済連携協定、ＥＰＡでは、伝統的な食品産地のブランドを互いに保護する目的で、ＧＩ保護制度を活用することが盛り込まれたところであります。ＥＵ側では、現在ＧＩ保護制度に登録されている産品のうち、東根さくらんぼを含む３１産品を保護することとしており、海外での知名度向上と、知的財産保護、輸出拡大の機会は確実に増えていくことが見込まれます。
　　これまで実施してきた、タイをはじめとする海外販路拡大の取り組みにも追い風になると捉えております。
　　世界に発信できるＧＩ東根さくらんぼは、正に本市の宝であります。時期を見た取り組みを継続して行っていくことで、農家所得の向上に努めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○加藤信明議長　16番清野忠利議員。
○16番（清野忠利議員）　ただ今、市長のご答弁では、いろいろな効果があったと。また、海外までも寄与しているという状況であります。ＧＩ制度が登録されたことにより、マスコミの報道が増えたことにより、さくらんぼは東根というイメージの発信が多くあることを、私は非常に喜ばしいことだと思っているところであります。
　　まして、何にもまして喜ばしいことである制度の１つとして、利点を最大限活用し、農家所得の向上に資する取り組みを継続されることを望みたいと私は思っております。
　　市長の答弁にもあったが、ＧＩ保護制度への登録にあたり、本市が佐藤錦の発祥の地であることが大きな要因であり、佐藤錦は、大正元年に佐藤栄助さんによって生み出されました。それから17年か18年かけまして、昭和３年に、岡田東作さんによって命名されましたと聞いております。ご案内のとおりであり、さくらんぼ生産量日本一の礎を築いた、両氏の功績は誠に大きいものであります。両氏を広く後世に伝え、顕彰すべきであると考えるがどう思いますか。よろしくお願いしたいと思います。
○加藤信明議長　古谷総務部長。
○古谷利明総務部長　お答え申し上げます。
　　本市における表彰、顕彰に関する制度といたしまして、本市の政治、経済、教育、文化等に功労がある方を表彰いたします、東根市表彰条例、同様の分野におきまして、その功労、功績が特に優れ、市民からひとしく郷土の誇りとして深く尊敬されている方を顕彰いたします、東根市名誉市民条例の２つの規定があるところであります。
　　その両方の制度とも、顕彰の対象者といたしましては、現存者、生存している方を対象としておりまして、故人、亡くなられた方を対象とする制度とはなっておりませんので、よろしくお願いいたします。
○加藤信明議長　16番清野忠利議員。
○16番（清野忠利議員）　ただ今の答弁ですと、顕彰することはなかなか難しいということのようです。まあ、この条例も皆さん方からの提案で、我々の議会で承認できれば条例を変えることができると思います。
　　その中で、表彰条例、あるいは、名誉市民ということもありました。何年か前に名誉市民のことも、いろいろ議会でも答弁されたこともあります。そこで、物故者には、ちょっと今のとこできないということの結論が出た記憶もあります。
　　やはり、今回このようなすばらしいＧＩ制度ということと、佐藤錦の発祥の地ということで、佐藤栄助さん、あるいは、岡田東作さんが販売、普及に努めたということは、物故者でありますが、その辺を、東根市名誉市民条例制度から、いろいろ、我々も検証しているんですけれども、やはり９年も条例はこのままになってるわけですね。現代につながる功績や、未来につながる特性を残した両氏を顕彰する必要性について、市長はどう思っているのか、この辺をお伺いして、よろしくお願いしたいと思います。
○加藤信明議長　土田市長。
○土田正剛市長　確かに、本市の名誉市民条例の制定の際には、いろいろ、当時議論があったことを今思い起こしておるわけであります。
　　その当時、物故者についてどうかという意見もあったわけでありますけれども、現存の名誉市民条例というのは、ご案内のとおり、生存者に限るとなっているわけであります。
　　しかしながら、今の議員の質問にご指摘がありましたように、それを考え、そして今やその佐藤錦の発祥の地の東根というものが、ＧＩに登録されたことによってＥＵ側との取り決めによって、今年の７月には、既に東根さくらんぼというものが地理的表示保護制度という制度にのっとって保護するということになったわけであります。そして、現在、また現在進行形として、タイ政府と日本の政府において、同様の趣旨で今動きがあるわけであります。
　　そういうことからしますと、正に今、東根さくらんぼというのは、もう世界の東根さくらんぼとなったわけであります。過般、ドイツに訪問したときには、実はあまり知られないわけではありますけれども、７月上旬であったわけでありまして、紅秀峰を、ドイツのハンドボールのナショナルチームの副会長のところに、あるいは、ドイツの日本国大使館に、あるいはインゲルハイム市の市長のところに、紅秀峰をもって寄ったわけでありますが、この紅秀峰もあわせて、実はＧＩ制度に登録されていることを、この際、付言をしておきたいと思いますが、翻って、この佐藤錦の発祥の地として、今や世界に発信されているわけでありますから、そういう意味では、中国のことわざに、井戸の水を飲むときには、水を掘った方々にその敬意を表しなさいという例えがあります。
　　そういうことからしますと、今日の東根さくらんぼが世界に発信しているということは、実にさくらんぼの佐藤錦を、黄玉とナポレオンを掛け合わせて佐藤錦が生まれたわけでありますけれども、その新品種を開発した佐藤栄助を、そして、それを世に今日知らしめた岡田東作、その両故人のおかげであるなということを考えるときに、やはりこれは、本市の名誉市民に私は値するものではないだろうかなと思うときに、この条例というものを改正しなければならないのではないかと思っているところであります。
　　12月の議会に向けて、条例を改正する案を、執行部提案として提案したいと思っておりますので、議員各位の皆様方のご理解、ご協力をお願いをする次第であります。
　　以上、私の考えを申し上げました。
○加藤信明議長　16番清野忠利議員。
○16番（清野忠利議員）　市長の前向きな答弁、本当にありがとうございます。
　　やはり、先ほど市長からの答弁もありましたように、このさくらんぼがＥＵも認めていると。そして、またタイ政府も認めているということで、世界に広がっていくさくらんぼなわけですね。それのもとがやはり佐藤錦だということを、我々市民とも認識しながら、これからも佐藤栄助氏、あるいは岡田東作氏を名誉市民ということで、私は十分値するんじゃないかなと思っております。
　　また、これによって農家所得の向上ということで、これから東根市からも、農業政策面でもどんどん発信していくべきと私は思います。そのようなことで皆さん方のご協力をお願いしたいと思います。
　　以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
○加藤信明議長　以上でご了承を願います。
　　会議の途中ですが、ここで午後１時まで休憩をいたします。

　　　午前　１１時５３分　休　憩

　　　午後　　１時００分　開　議

○加藤信明議長　午前に引き続き、会議を開きます。市政一般に対する質問を続けます。

　　◎高橋鉄夫議員質問

○加藤信明議長　３番高橋鉄夫議員。
　　　〔３番　高橋鉄夫議員　登壇〕
○３番（高橋鉄夫議員）　ご苦労さまであります。３番高橋鉄夫であります。
　　通告に従いまして、安全安心な地域づくりについて、また現神町小学校跡地の利活用について、ご質問させていただきます。
　　最初に、安全安心な地域づくりについてであります。気象庁の統計では降水量が１時間に50ミリ以上だった回数はアメダス1000地点あたり、1976年から1985年の10年間は、平均すると年間173.8回。2007年から2016年間の10年間は、平均すると年間232.1回と、33.5％増のデータが出ております。
　　１時間に50ミリ以上、80ミリ未満を非常に激しい雨、80ミリ以上を猛烈な雨としており、７月５日、６日の九州北部豪雨では、１時間に129.5ミリという、７月としては全国で歴代４位の記録的な雨を観測し、災害対応、復旧に苦慮したのは記憶に新しいところであります。
　　また、いくつかの積乱雲が組織的に集まったもので、１つの固まりの中で成長期、成熟期、衰弱期の滞留セルが共存した、巨大雷雨の発生、マルチセルの脅威としてマスコミ等に取り上げられ、今まで日本ではなかった、想定外の気象現象が起こっております。これらの原因として地球温暖化が指摘されており、短時間で土砂災害や浸水害等、災害を引き起こす危険性が極めて高いものと言えます。正に雨の降り方が局地化、集中化、激甚化しており、地域を挙げてしっかりと対応する必要があります。
　　さらに、北朝鮮のミサイル発射、テロ、2020年のオリンピック開催等における、国民保護に向けた対応、鳥インフルエンザ、大火災等、多様化する各種事態への対応は、喫緊の課題と言えます。そこで第１点目として、進む局地化、激甚化災害及び各種事態に向けた危機管理・防災体制の強化策について伺います。
　　また、市は、本年度より防災行政無線の運用が開始されたところでありますが、政府の情報伝達訓練におけるJアラートの不具合、実際の配信における防災行政無線の不備、防災メールのトラブルの発生など問題を残す結果となりました。瞬時の対応が必要な事態におけるシステムの問題の発生は、生命の安全に直結するものであり、あってはならない問題であります。そこで、第２点目として、訓練を含めた緊急伝達手段の運用状況について伺います。
　　また、緊急事態については、あらゆる状況、事態を想定し、それらに則した対応要領を策定していかに実践するかにあると考えております。３点目として、今後の危機管理、防災訓練のあり方、考え方について伺います。
　　次に、平成32年12月開校する、神町小学校に関することでお伺いします。現神町小学校跡地は、神町地区の要所となりえる、極めて貴重な区域と言えます。地区民からは、園児から高齢者まで交流できる公的施設等建設の要望等々、活発な意見が交わされ、神町地区のまちづくりへの強い思いと熱意が伝わってまいります。先般の区長会、市議会議員との懇談会でも、その情報の共有と意見交換を図ったところであります。今後議題に上がるであろう、現神町小学校跡地の利活用への要望の精査はもちろん、地域に必要とされる公共施設等の建設、整備に向け十分検討し、議論を重ねる必要があると思っております。そこで、現在における現神町小学校跡地の利活用の方向、考え方等について伺います。
　　以上で、登壇での質問とさせていただきます。
○加藤信明議長　　３番高橋鉄夫議員の質問に対して答弁を求めます。
　　土田市長。
　　　〔土田正剛市長　登壇〕
○土田正剛市長　高橋鉄夫議員のご質問にお答えいたします。
　　はじめに、安全安心な地域づくりについてでありますが、危機管理防災体制の強化策につきましては、総合的な防災対策の充実を図るため、危機管理統計係に担当課長補佐を含む職員３名、防災アドバイザー兼防災専門員１名のほか、今年度より行政専門員１名を新たに配置し、計５名体制としており、防災対応力の向上に向け、県主催の研修会や防災訓練及び国民保護に関する訓練等に積極的に参加しております。
　　今後も国土交通省危機管理等関係機関と連携を図り、災害時に迅速な対応が取れるよう、より強固な体制づくりを進めてまいりますのでご理解をお願いいたします。
　　次に、緊急伝達手段の運用状況につきましては、これまでは広報車による周知と、自主防災会や消防団における連絡網を活用した伝達を行ってまいりましたが、東日本大震災以降は、東根市登録制メールや緊急速報メールの運用を開始し、伝達方法の多様化を進めてまいりました。
　　また、平成29年４月からは防災行政無線の運用を開始し、災害が発生した場合の緊急情報等を、市内61カ所に設置したスピーカーを通じ、直ちに提供できるよう整備したところであります。
　　さらに全国瞬時警報システム、Ｊアラートにより、弾道ミサイル情報や緊急防災情報等を本市が受信した場合は、防災行政無線、緊急速報メール、登録制メール等、複数の伝達方法により市民等に対し、瞬時に自動でお知らせする体制を整備しております。
　　このような中、一昨日、北朝鮮による弾道ミサイルと見られる飛翔体の発射に伴い、Ｊアラートによる情報が、防災行政無線を通じ、音声による伝達が行われなかったことについて、心からおわびを申し上げる次第であります。なお、本事案にかかる対応といたしましては、速やかに機器の設定について修正を指示したところでありますので、ご理解をお願いいたします。
　　今後も緊急時の情報をより広く迅速に伝達するため、国、県と連携を図りながら、適切に運用してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
　　次に、危機管理防災訓練のあり方、考え方につきましては、本市では、隔年ごとに総合防災訓練及び図上訓練を交互に実施しております。昨年度は、大富地区において、総合防災訓練を実施し、今年度は図上訓練を実施する予定となっております。また、近年の防災意識の高まりにより、単独で防災訓練を行う自主防災組織が増加しております。これらの訓練にも積極的に参画し、適宜、情報提供や指導を実施してまいりたいと考えているところであります。
　　防災訓練及び図上訓練の実施にあたっては、防災計画等の継続的な改善を図る観点から、課題の把握に重点を置き、災害発生時における行動確認、関係機関及び住民や企業等との協調体制の強化を目的に、近年の災害特性に合わせた訓練を実施してまいりたいと考えております。
　　今後も、地域との連携を図りながら、市民の防災意識と、対応力及び防災力の向上に向け取り組んでまいりますので、ご理解をお願いいたします。
　　次に、現神町小学校跡地の利活用についてでありますが、神町小学校は校舎の老朽化と十分なグラウンドの面積を確保するため、現在移転改築工事を進めており、平成32年12月に新校舎の開校、平成33年に現校舎の解体工事を計画しております。
　　移転後の跡地の利活用につきましては、さくらんぼ保育所の移転先並びに地元からの要望を受け、旧神町公民館敷地にあった明治天皇記念碑の移設場所として、専用敷地を提供したいと考えております。残りの大部分の跡地の利活用につきましては未定となっておりますが、現在、公的活用策を検討しているところであります。
　　今年度中を目途にまとまり次第、地域の皆様にお知らせし、ご意見等を参酌しながら調整を図ってまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○加藤信明議長　３番高橋鉄夫議員。
○３番（高橋鉄夫議員）　ご答弁ありがとうございました。引き続き質問席での質問を続けさせていただきます。
　　最近、マスコミ等をにぎわす、北朝鮮のミサイル発射問題は、日本全土を脅威の対象とし、身近な、無視できない、ますます激化が予想される事態対応となっております。まずはじめに、一昨日のＪアラートによる情報が、防災無線を通じ伝達が行われた件についてお伺いいたします。
○加藤信明議長　古谷総務部長。
○古谷利明総務部長　お答え申し上げます。一昨日の、Ｊアラートによる情報が防災行政無線によるスピーカーからの音声による伝達が行われませんでした。これは、本市の防災行政無線の音声情報による伝達の設定が、市町村単位であり、今回の様な都道府県を単位とする広域的な警報情報は含まれておりませんでした。
　　今回の様な武力攻撃情報については、当然、音声によっても、市民の皆様に速やかに伝達すべきとの市長からの指示を受けまして、一昨日の午前中にシステムの修正を行ったところであります。この度発生した事案について、心からおわびを申し上げますとともに、これを契機といたしまして危機管理体制の一層の充実に心がけてまいりたいと思いますので、ご理解をお願いいたします。
○加藤信明議長　３番高橋鉄夫議員。
○３番（高橋鉄夫議員）　ご答弁ありがとうございます。
　　先ほど市長答弁でもありましたけれども、原因を速やかに改善したということで、安心をしているところであります。Ｊアラートは、緊急事態における最も迅速な伝達手段であり、防災行政無線との連接は危機管理、防災において伝達手段の理想の構築と思っております。市民の安心安全を守るため、是非適切な運用を図っていただきたいと思います。
　　次に、前問に関連する質問をさせていただきます。政府は先般、北朝鮮の弾道ミサイル発射に備え、Ｊアラートの情報伝達訓練を実施しております。登壇での質問においても触れさせていただきましたが、訓練において、一部で防災メールの文字が崩れたり、防災行政無線からの音声が流れなかったりするトラブルがあり、実際の発射時の対応に不安を残す結果となりました。
　　また、ある県が配信した防災メール、登録者約1万5,000人に、内容の読み取れない文字化けが発生、ある自治体では、地域によって、屋外の防災行政無線などから放送が流れない、ケーブルテレビ回線を使った家庭用端末への音声伝達ができないなどの不具合がありました。
　　Ｊアラートは、通過地域や落下場所に関する情報を伝達し、必要に応じて避難を呼びかけるものであり、あってはならない問題だと思います。市もＪアラートを運用しているところですが、訓練時に発生しているＪアラート等の不具合に関し、訓練及び点検確認の実施状況等についてお伺いいたします。
○加藤信明議長　古谷総務部長。
○古谷利明総務部長　お答え申し上げます。
　　議員ご指摘のとおり、他県における情報伝達訓練において様々な不具合が報告されております。情報伝達に使用している機器につきましては、正常な機能の維持と、故障発生の未然防止のため定期的な点検を実施しているところであります。そのほか、防災行政無線につきましては、全区長さんにご協力いただきながら、システムの動作確認をしていただいているところであります。
　　各種伝達方法につきまして、国、県と連携し、防災訓練や避難訓練などの機会を通して、稼働の確認を行いまして、実際の情報発信時にトラブルが発生しないよう対応していきたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
○加藤信明議長　３番高橋鉄夫議員。
○３番（高橋鉄夫議員）　ご答弁ありがとうございます。訓練、点検、確認の状況が理解できました。不具合を未然に防止するには、チェック体制と訓練の積み重ねが必要と思っております。あらゆる機会を活用し、実践してもらいたいと思います。
　　次の質問になりますが、防災に関する情報は、防災情報システムの進化とともに、より早くタイムリーな配信が可能となっております。しかし、それは地区民がそのシステムを理解し、情報を共有できるかにあり、これによって災害及び各種事態における被害等の軽減を図ることができると考えております。
　　先ほど触れましたが、本年度より防災行政無線が運用され、既に防災メールも運用されておりますが、訓練、テスト時における不具合の発生、耳の遠い人や、メール受信のできない人がいることも事実であります。窓を閉め切ったら聞こえないなど、このような状況を捉え、他の伝達手段の整備等についての考えはあるのかお伺いいたします。
○加藤信明議長　古谷総務部長。
○古谷利明総務部長　お答え申し上げます。本年度、平成29年度の事業ですけれども、携帯型無線機を導入いたしまして、移動系通信手段の整備を予定しているところでございます。
　　これによりまして、避難所の運営や、災害現場の状況確認などにおいて、情報の共有化が図れるようになり、防災体制が向上するものと考えております。東日本大震災などの教訓から、災害時における情報伝達手段の多様化、多重化の必要性が強く求められておりますので、今後とも計画的に対応してきたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
○加藤信明議長　３番高橋鉄夫議員。
○３番（高橋鉄夫議員）　ご答弁ありがとうございます。先ほど、市長答弁でもありましたが、市は、伝達手段の多様化の推進とともに、伝達手段は確実に向上しているものと捉えております。しかし、それは市民に確実に伝達され、初めて目的が達せられるものであり、今後も、伝達手段の向上に向け整備等に努めていただきたいと思っております。
　　次に、避難行動要支援者に関わることでお伺いいたします。災害時における高齢者、障がい者等への支援は特に重要であります。平成28年第１回定例会で、私は質問させていただきましたが、市は、避難行動要支援者支援計画、個別計画を策定し、支援体制を整備しているとの答弁を得ており、この点については評価しているところであります。
　　また、避難行動要支援者のリスト作成は、支援を希望する、手挙げ方式と理解しています。支援するものとされるものとの理解、信頼関係が不可欠であり、これは、是非整備推進を図っていただきたいと思っております。
　　しかし、中には手を挙げない、そういう方がおられます。その方々が問題となってくるとに捉えております。それは、個人情報についての問題から、リスト作成を含め、支援要領の構築が難しいものとなっております。支援は、支援要領のルールができていて、前もって知っているから迅速な避難行動を可能とし、結果を出すものと思っております。そこで、支援要領のルールづくりについてお伺いいたします。
○加藤信明議長　古谷総務部長。
○古谷利明総務部長　お答え申し上げます。災害時における避難行動要支援者に対する支援につきましては、地域や、近隣住民、消防団、自主防災会などの関係機関の協力による避難しやすい体制づくりを基本に捉えているところであります。
　　また、地域における支援を希望される人に関する情報につきましては、本人からの自主申告や、地域からの情報提供をもとに、しっかり把握いたしまして、地域が一体となって協力体制を構築していくことが重要と考えております。住民の皆様から災害に対しての危機意識を強く抱いていただくことは、避難情報が発令された場合、迅速確実に避難を開始する大変重要なポイントであると考えております。
　　東根市自主防災会連絡協議会や、区長会など、地域の皆様の協力を得ながら、防災訓練や避難訓練を実施していくことによって、地域一体となる防災体制の構築、災害への対応が可能となり、その結果自助共助の意識の醸成につながると考えておりますのでよろしくお願いいたします。
○加藤信明議長　３番高橋鉄夫議員。
○３番（高橋鉄夫議員）　ご答弁ありがとうございます。支援要領のルールづくりには、難しい問題もあります。各種防災関係機関、それから支援団体等と連携を図りながら、着実に進めていっていただきたいと思います。
　　終わりに、２点要望をさせていただきたいと思います。災害は、いつどこで発生するかわかりませんし、緊急事態も同様と言えます。これらに対する対応の原案は、これだというものはありませんが、ふだんから必要な対策を講じておくことで被害を軽減することができると思っております。そのためには自助、共助、公助の取り組みはもちろん、特に自分の身は自分で守る自助、地域で支える共助が重要となってまいります。
　　また、あらゆる災害、事態を想定した備えが重要であり、災害対応のための訓練を重ね準備をしておく必要があると思っております。それを具現するためには、市民１人１人の防災、緊急事態への意識の高揚、情報の共有、対応支援要領のルールづくりと理解、訓練することにあると考えております。地域と一体となった防災体制、それから対応のさらなる強化充実に努力していただくように要望いたします。
　　次に、現神町小学校の跡地の利活用に関し要望いたしたいと思います。市長は、平成29年度の施政方針において、まちづくりの基本方針、今年度における市政運営の基本方針と、主要政策等を示されております。本地域は子育て環境の充実、高齢者福祉健康づくりの充実、防災と消防の充実、生活安全の充実を主要施策として、誰もが安らぎと充実、幸せを実感できるまちを具現実践できる要所であると思っております。
　　市長答弁において、利活用については、地元からの要望、意見等の反映を考慮していただいており、地元議員としてはうれしく思っているところであります。
　　防災センターの新設、健康遊具の設置、平成32年の神町小学校の開校など、まちづくりの施策が進む中、この件において、地元の要望はもちろん、防災対応、アクセス道路等利便性を考慮した公的活用策を検討していただくよう要望し、私の質問とさせていただきます。どうもありがとうございました。
○加藤信明議長　以上でご了承願います。

　　◎片桐勝寿議員質問

○加藤信明議長　次に１番片桐勝寿議員。
　　　〔１番　片桐勝寿議員　登壇〕
○１番（片桐勝寿議員）　議席番号１番片桐勝寿です。通告に従いまして、土地所有者不明確化の問題について質問させていただきます。
　　近年、土地の所有者の居所や生死が直ちに判明しないために、固定資産税の課税徴収、空き家対策、耕作放棄地の解消、災害復旧などに影響する、いわゆる所有者不明化による問題が各地で報告されています。
　　現在の日本の土地制度は、明治の近代国家成立時に確立し、高度成長の時代に修正・補完されてはきたものの、現在の地方の過疎化、人口減少、高齢化という社会の変化に対応したものではなく、そのためにこの問題が拡大してきていると言われております。
　　このような問題の解決に向けて、今年６月の全国市長会議でも土地利用行政のあり方に関する特別提言の中で、所有者不明のままの土地利用権の設定に関する法整備や、所有者を明確化するための相続登記のあり方の検討を国に提言することを決めました。こういった流れの中で、国も様々な対応をしております。
　　国土交通省が昨年３月に公表した、所有者の所在の把握が難しい土地に関する探索、利活用のためのガイドラインも現行法制度の中で取り得る所有者の確認と、不明者の拡大を防止する対策を示したものであります。
　　また、今年５月に、所有者不明化の大きな要因である相続未登記の問題に関連して、法務省が、相続登記の促進策として、法定相続情報証明制度をスタートさせました。
　　さらに６月に閣議決定された、骨太の方針の中に示された、所有者を特定することが困難な土地や十分に活用されていない土地、空き家等の有効活用では、共有地の管理にかかる同意要件の明確化や、公的機関の関与により地域ニーズに対応した幅広い公的目的のための利用を可能とする新たな仕組みの構築、長期間相続登記が未了の土地の解消を図るための方策等について、必要となる法案の次期通常国会への提出を目指すことが明記されました。
　　人口も増え、県内で最も低い高齢化率の本市では、所有者不明化の問題は無縁のようにも思われますが、旧本町及び周辺地域における高齢者単身世帯、また高齢者夫婦世帯の増加、未婚者の増加、周辺農地の耕作放棄の状況、山林の荒廃などの現状を見ますと、本市においても、少なくとも今後深刻な状況が予想されます。
　　最初にお尋ねします。所有者不明化の問題の東根市の現状についてお伺いいたします。
　　続きまして、民間シンクタンク東京財団が2014年秋に、全国1718市町村と東京23区の税務部局を対象にアンケート調査を行いました。結果、888の自治体が回答したという調査の中で、これまで土地の所有者が特定できないことによって問題が生じたことがありますかという質問に対して、557自治体があると回答し、具体的にどのような問題が生じたかという問いに対して、486の自治体が、固定資産税の徴収が難しくなった。253の自治体が、老朽化した空き家の危険家屋化。238の自治体が土地が放置され、荒廃が進んだと回答いたしました。
　　問題が生じたことがあるという回答をした自治体のおよそ９割が、固定資産税の徴収が難しくなったと回答しています。そこで、本市の固定資産税の徴収の現状についてお伺いいたします。
　　以上をもちまして壇上での質問とさせていただきます。
○加藤信明議長　１番片桐勝寿議員の質問に対して答弁を求めます。
　　土田市長。
　　　〔土田正剛市長　登壇〕
○土田正剛市長　片桐勝寿議員の土地の所有者不明化の問題に関する本市の現状についてのご質問にお答えをいたします。
　　はじめに、この問題に対する現状についてでありますが、相続登記がなされていない、または登記情報が相当古いなどにより所有者が直ちに判明しない、所有者に連絡がつかない土地である所有者不明土地が、近年空き家と同様、増加しており、全国的な社会問題となっております。
　　この全国的な課題を受け、法務省においては相続登記手続を促進するため、新たに法定相続情報証明制度を創設するほか、全国市長会においては、今年６月７日、国に対し、土地利用行政のあり方に関する特別提言を行っております。
　　さらには、６月９日に閣議決定された、政府の骨太の方針では、このような土地について、公共目的のための利用を可能とする、新たな仕組みを検討し、法案化を目指すなど様々な検討がなされております。
　　本市では、地籍調査事業等により、土地の調査は済んだところでありますが、調査後相当の年数が経過していることや、高齢化、核家族化、地方から都市への人口移動等により、相続登記がなされず一時的に所有者不明土地化するという現状にあります。
　　このような土地は、行政運営上、相続人を特定する調査に多くの時間と手間を要し、税の賦課徴収や、各公共事業の実施に支障を来すほか、円滑な不動産売買や景観問題、空き家の発生、耕作放棄地の拡大等、地域経済、生活環境にも影響を与えるものであります。また、山林においては、この傾向は顕著であり、山林荒廃や、防災、災害対応への影響も懸念されるものであります。
　　このような傾向は、今後ますます増加することも予想されますので、国の動向を注視しながら、制度改正等に的確に対応してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
　　次に、所有者不明土地に関する固定資産税の徴収の現状についてでありますが、土地の所有者は、法務局における不動産登記により管理されており、その登記をもとに固定資産税の賦課徴収を行っております。従いまして、登記がなされることが極めて重要であり、所有者、相続人にその責務があると考えますが、相続登記がなされない場合や、近年は安易に相続放棄する場合も珍しくなく、所有者の特定に時間を要し、賦課徴収に苦慮するケースもあります。
　　今後も、引き続き所有者不明土地の発生を防ぐため、相続登記の必要性を周知するとともに、相続登記が未了と判明した場合には、速やかに相続人調査を実施して、相続人を確定する等、適正、円滑な税の賦課徴収に資してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○加藤信明議長　１番片桐勝寿議員。
○１番（片桐勝寿議員）　それでは、引き続き質問席から質問させていただきます。現在、土地の所有者不明化に対して対策を立てて対応していることはありますか。また、今後対応を検討していることはありますでしょうか。
○加藤信明議長　古谷総務部長。
○古谷利明総務部長　お答え申し上げます。本市では当該土地が相続登記未了により所有者が不明な場合、相続人を特定するため、相続人調査を実施しております。また土地の所有者が死亡し、相続人等が市役所へ各種手続のため来庁なさった際に、確実に相続登記をしていただけますよう、チラシを配布し、周知をしておりますのでご理解をお願いいたします。
○加藤信明議長　１番片桐勝寿議員。
○１番（片桐勝寿議員）　所有者不明地の発生防止には、１つ１つのケースを相続登記の完了まで確実に追跡していくということが大切だと考えます。すぐに相続登記に至らない場合、そういった場合もその最初の段階だけではなく、毎年の納税の案内の際に相続手続がまだであるという旨を、根気強く伝えていくと、そういったことによって成果を上げているという自治体もございますので、その点、根気強い対応、あとは１回に留まらず、何回にもわたって対応していくということをお願いしたいと思います。
　　次に、相続未登記の事案に対して、税務課の相続人調査が追いつかなくて、やむなく死亡者名義で課税を続けるということを、死亡者課税というそうですが、本市においても死亡者課税はありますでしょうか。またあるとすればどの程度の数でしょうか。
○加藤信明議長　古谷総務部長。
○古谷利明総務部長　お答え申し上げます。固定資産税は毎年１月１日に土地を所有する人を納税義務者として課税をしております。納税義務者が賦課期日前に死亡している場合は、賦課期日において、その土地を現に所有している者が、地方税法上の納税義務者となることになります。従いまして、本市ではもちろん、地方税法に基づき課税を行っていることから、こういった意味での死亡者課税はありませんので、ご理解をお願いいたします。
○加藤信明議長　１番片桐勝寿議員。
○１番（片桐勝寿議員）　本市においては死亡が確認された場合には、きちんと相続人、実質的な所有者になられる方まで調査した上で、ちゃんと対応しているということが理解できました。
　　引き続き、共有関係にある土地に関してお伺いいたします。共有関係にある土地においては、所有者不明確の問題がさらに複雑化することが予想されます。具体的には相続登記の際、共有持ち分の登記が漏れ、相続登記がなされないまま放置され、問題を複雑化するということがあります。その原因として被相続人の名前で名寄帳を請求して、それをもとに相続登記をするということが通例なんですけれども、その共有部分が名寄帳に載ってこないと、代表の納税者の場合は載ってくるんですけれども、それ以外の場合載ってこないという場合があるんですけれども、このような場合があるということに関しては、どのように理解してますでしょうか。
○加藤信明議長　古谷総務部長。
○古谷利明総務部長　お答え申し上げます。議員ご案内のとおり、土地などの資産につきましては、各所有者において把握、管理、登記の手続をすべきものであり、共有の場合もこれは全く同じだと考えております。
　　従いまして、所有者、相続の場合は相続人により、確実にその土地の相続登記がなされれば共有部分の固定資産についても、固定資産課税台帳に漏れなく記載され、証明書もそのとおり交付されることとなりますので、ご理解をお願いいたします。
○加藤信明議長　１番片桐勝寿議員。
○１番（片桐勝寿議員）　通常の相続手続がきちんとなされれば、市当局としてもきちんと把握できるということだと思います。逆に言いますと、相続登記が長い間なされていないような場合で、しかも課税台帳に記載されていないという場合には、証明書が出ない場合もあるということで理解したんですけれども、そこは細かく追求してもあれですので、それでは共有関係にある土地については、共有者全員の名前や連絡先というのは、把握できている現状でしょうか。
○加藤信明議長　古谷総務部長。
○古谷利明総務部長　お答え申し上げます。氏名につきましては、登記に基づきまして把握をしているところであります。連絡先につきましては、共有者のうち、代表者について把握しておりますので、ご理解をお願いいたします。
○加藤信明議長　１番片桐勝寿議員。
○１番（片桐勝寿議員）　共有地に関しても相続登記がなされれば証明書が出ると、共有者全員の氏名に関しても登記に基づいて把握していると、あとは連絡先については代表者について把握しているという回答でした。
　　一般的な共有の場合、共働きの夫婦が例えば土地を共有、２人で買うと、そして共有になるという場合であるとか、相続にあたっては、血縁関係にある相続人が分割協議までの間、共有関係にあるといったような場合であるとか、あとは仲のいい友人同士が共同で土地を買うとか、そういったきちんとした人間関係があるという場合がほとんどなので、共有者の１人を把握することで足りるので、まあそのような扱いになっているのかなと考えます。
　　しかし、山林の場合どうかと、先ほども市長答弁の中にも山林の荒廃という問題がありましたけれども、山林の場合は、ひどい場合には何十人の共有にもなっております。
　　あと、共有者間に現在の人間関係が全くないという場合も多くあります。また明治時代から登記がほとんどなされていない共有者が含まれる、などというケースも珍しくありません。こういった山林の共有の場合も、個人の財産だから個人で責任を負いなさいと言ってもいいのかどうか、というのは非常に疑問です。
　　固定資産税に関しては、山林の場合は税額も高くないので、代表者の方がとりあえず所在のはっきりしている共有者から集めて納税したり、代表者が身銭を切って納める、などの対応しているようです。子どもにはこのような苦労を負わせたくないという声も聞かれます。
　　そこで質問なのですが、共有者の代表者、まあ代表して納税している方が亡くなった場合、その相続人に対してはどのような対応をしているのか、ということをお聞きしたいと思います。
○加藤信明議長　古谷総務部長。
○古谷利明総務部長　お答え申し上げます。土地の所有者が死亡し、相続人の方が市役所へ各種手続のために来庁した際、相続財産に共有の土地がある場合は、他の相続財産と同様、確実に相続登記をしていただけるよう、窓口でお願い、アドバイスを申し上げております。
　　また、被相続人が共有の土地の代表者であった場合は、共有者間での話し合いにより新たな代表者を決めていただくよう申し上げておりますので、ご理解をお願いいたします。
○加藤信明議長　１番片桐勝寿議員。
○１番（片桐勝寿議員）　今の話ですと共有者の代表者に関しては、共有者間で話し合って代表者として誰を立てるかというのをきちんと決めてほしいということと、そうしないと多分手続的には元の代表者のところに納付書が来るのかなという気がしますけれども。
　　そもそもですね、山林の場合、山林の共有っていうのは、もともと始まりから他人同士の間の共有ということから始まっています。薪が貴重な燃料だった時代は、それなりに共有者間でも人間関係があり、協力しながらやってきたということで、顔のわかる共有関係であったかもしれませんけれども、石油がエネルギーの主役に取ってかわり、何十年も過ぎている現在、山に入ることもなく、自分の山がどこかもわからない共有者っていうのがほとんどだと思います。当然、他の共有者が誰かということもわからないと。
　　例えば父親が亡くなり、代表者になっていると告げられ、ほかの共有者を調べるために登記所に行って、登記事項証明書を取って調べてはみたけれども、明治時代から登記が変わっていないという人が混じっていたりとか、あとは聞き覚えのない名前がほとんどであったと、辛うじてわかる名前の人に相談しに行ったら、森林組合ならわかるかもしれないと２人で相談して、森林組合に足を運んだんだけれども、森林組合も全ては把握してないということがわかって、結局判明した何人かで代表者を決め、出し合って納税するという、先ほどのようなパターンになると。
　　この一連の作業の負担、判明しなかった人の分の税金の負担、これらの負担は孫末代まで続くことになってきます。大きな負担になってくるかと思います。
　　市の立場としては地方税法の100条の２というのがありまして、納税者は連帯して固定資産税を納める義務を負うんだから、法律的には何ら問題がないということになるのかもしれないですけれども、所有者、共有者の立場になると、今は個人情報保護法などの壁がある中、調査するにしても膨大な時間と費用がかかってくると。共有者側にだけこういった負担を強いるのは合理的かどうかと、合理性に欠けるのではないかと考えます。
　　こういった問題に関しては、もはや所有者個人では対応できないという現実に、法務省が所有者不明土地の本格調査のための費用として、最近のマスコミ報道の中ですけれども、来年度当初予算の概算要求に24億円を盛り込みました。本市の素早い、こういった部分を含めての対応に期待したいと思います。
　　また、山林の共有は、共有者の誰がどの部分に権利をもっているかということは森林組合が把握しております。今後、地籍調査をするということにより、共有物の分割を進め、共有状態を解消していくと進むことが、それ以降の所有者の不明地の今後の発生防止にもつながっていくと考えます。
　　なかなか、山林に地籍調査を入れるってことは、費用の面でも難しい部分があるのかもしれないですけれども、先ほどの国の24億円の予算がもし成立しましたら、そういったことも含めて検討していただければなとお願いいたします。
　　山林の所有者が明確になることによって、品質のよい木材が生産できる場所も、東根の山にもあるそうです。そこまでに生産できる、そういった良質の木材が生産できる場所まで行ける道路の整備が可能になってきます。また、広い範囲で木材の切り出しができるということになれば、コストの面でも難しいとされていた合板用の木材として利用できるようになるという話もあります。
　　市民の目が山に向かうようになれば、山の整備にもつながり、もしかしたら有害鳥獣の問題の解決のヒントが生まれるかもしれません。市民の足が山に向かえば、登山道や散策道の整備につながって、もしかしたら今後、体験型観光の誘致などという面で、大きく効果が出てくるなどということもあるかもしれません。本市のそういった部分も含めての積極的な取り組みに期待して、質問を終わりたいと思います。以上です。
○加藤信明議長　以上でご了承願います。

　　◎散　　　　　会

○加藤信明議長　以上で、本日の日程は全部終了しました。

　　本日はこれで散会をします。
　　ご苦労さまでした。

　　　午後　　１時５２分　散　会