平成２７年第４回東根市議会定例会１２月　７日　議事日程　第２（一般質問）

平成２７年１２月７日　午前１０時００分　開　議

　　　　　　秋　　葉　　征　　士　議長　　　　　　　浅野目　　幸　　一　副議長

◎出席議員（１８名）

　１番　　　片　　桐　　勝　　寿　議員　　　　　　　２番　　　山　　科　　幸　　子　議員

　３番　　　高　　橋　　鉄　　夫　議員　　　　　　　４番　　　白　　井　　健　　道　議員

　５番　　　河　　村　　　　　豊　議員　　　　　　　６番　　　原　　田　　利　　光　議員

　７番　　　髙　　橋　　光　　男　議員　　　　　　　８番　　　細　　矢　　俊　　博　議員

　９番　　　今　　野　　　　　孝　議員　　　　　　１０番　　　加　　藤　　信　　明　議員

１１番　　　阿　　部　　綾　　子　議員　　　　　　１２番　　　髙　　橋　　ひろみ　議員

１３番　　　清　　野　　貞　　昭　議員　　　　　　１４番　　　森　　谷　　政　　志　議員

１５番　　　佐　　藤　　　　　直　議員　　　　　　１６番　　　清　　野　　忠　　利　議員

１７番　　　浅野目　　幸　　一　議員　　　　　　１８番　　　秋　　葉　　征　　士　議員

◎欠席議員（なし）

◎説明のため出席した者の職氏名


土　田　正　剛	市　　　　　　長	石　山　泰　博	教　　育　　長
武　田　庄　一	選挙管理委員会委　　員　　長	小　林　文　雄	代表監査委員
工　藤　喜惠治	農業委員会会長	本　間　芳　次	消　　防　　長
間木野　多加志	副　　市　　長	半　田　　　博	総　務　部　長
矢　萩　和　広	市民生活部長	髙　橋　　　昇	健康福祉部長
片　桐　　　崇	経　済　部　長	本　田　　　剛	ブランド担当部長
滝　口　亮　一	建　設　部　長兼水道部長	今　野　和　行	会計管理者
古　谷　利　明	教　育　次　長	石　垣　裕　之	総合政策課長
浅野目　　　勇	庶　務　課　長併選挙管理委員会事　務　局　長	芦　野　耕　司	財　政　課　長
網　干　　　賢	監　査　委　員事　務　局　長	菊　池　忠　芳	農業委員会事　務　局　長

◎事務局職員出席者職氏名


斎　藤　吉　則	事　務　局　長	安　達　好　浩	事務局長補佐
井　上　正　宏	議事主査兼議事係長	辻　村　　　充	副　　主　　任
松　山　朋　美	主　　　　　事	鈴　木　敬　一	兼　務　書　記
早　坂　康　弘	兼　務　書　記	鈴　木　敬　一	兼　務　書　記

◎議　事　日　程

　議事日程第２号

　　　　　　　平成２７年１２月７日（月）　午前１０時　開　議

　日程第　１　　市政一般に対する質問

　　　　　　　　１　１０番　加　藤　信　明

　　　　　　　　２　　９番　今　野　　　孝

　　　　　　　　３　１６番　清　野　忠　利

　　　　　　　　４　　７番　髙　橋　光　男

　　　　（散　　　　　会）

◎本日の会議に付した事件

　議事日程第２号に同じ。

平成２７年東根市議会第４回定例会一般質問発言通告書


番号	質問者	質問事項	質問要旨	答弁者
１	加藤　信明議　　　員	１．東根市総合戦略について	１．東根らしさを活かしたまちづくり（元気な地域創造プロジェクト）　（１）県や航空会社との連携による山形空港発着便の増便や新規路線の設置に向けた支援と要請の実施。　（２）地域医療の拠点である北村山公立病院における医療体制や財政基盤の充実に向けた支援。２．安定した雇用の確保（産業魅力強化プロジェクト）　（１）地元大学や関係機関との連携に基づく、ロボット産業等、次世代型産業や研究・開発型企業の誘致促進。　（２）「東根市産業創出基本計画」（仮称）の策定。３．新しい人の流れの創出（住みたいまち発信プロジェクト）　（１）ふるさと納税制度を活用したＰＲ作戦の推進（関連工業製品等含む）　　３点についてお聞きをします。	市　　　長


番号	質問者	質問事項	質問要旨	答弁者
２	今野　　孝議　　　員	１．障がい者自立支援について	１．障がい者の学ぶ学校は、卒業しても就労の場が極端に少なく「出口のない学校」とも言われていました。その状況は今日においても大きくは変わっていないように思われます。障がい者自立支援のための施策の強化を図るべきと考えます。そこで２点お尋ねします。　（１）本市における障がい者の就労状況はどうなっているか。　（２）第４次東根市総合計画後期基本計画に、障がい者自立支援の施策を明記すべきと考えるがどうか。	市　　　長
		２．学力向上に向けた学校教育の推進について	１．本施策を推進するうえで、前提条件等を明らかにしておく必要があると考えます。そこで３点お尋ねします。　（１）「学力」をどのように定義しているのか。　（２）具体的向上策をどのように考えているのか。　（３）施策の効果測定法をどのように考えているのか。	市　　　長教　育　長
		３．若年世代の所得対策の推進について	１．若年世代の所得は、婚姻率を大きく左右します。また、結婚後の子どもの人数にも大きな影響を及ぼします。そこで１点お尋ねします。　（１）若年世代の所得改善策を具体化すべきと考えるがどうか。	市　　　長


番号	質問者	質問事項	質問要旨	答弁者
３	清野　忠利議　　　員	１．農業政策と総合政策について	１．さくらんぼ生産量日本一を守るための対策が必要である。市は対策を考えているのか。２．米の減反政策は２年後に廃止される。廃止後の施策を考えているのか。３．ＴＰＰの政策大綱について、11月25日に政府が決定したＴＰＰの内容を市民に開示する必要がある。市民に対する講演会を開き理解を求める必要があると思うがどうか。（農業部門・工業部門・社会部門）	市　　　長
４	髙橋　光男議　　　員	１．本市の高齢者福祉の充実について	１．厚生労働省の推計によると団塊の世代が75歳以上になる2025年には、認知症の人が約700万人となり、65歳以上の高齢者の「５人に１人」に達するとみられ、政府は、今年１月、「認知症施策推進総合戦略」（新オレンジプラン）を策定した。県でも、来年１月をめどに認知症施策推進に関する行動計画を策定予定とのことである。　　本市では、2025年度を見据え、地域包括ケアシステムを構築すべく各種施策を推進しているが、高齢化の進展と国・県の動向等から、認知症施策の更なる充実は取り組むべき重要な課題といえる。　　これらを踏まえ、本市の高齢者を取り巻く状況、特に関連すると思われる１人暮らし高齢者数、高齢者のみの世帯、認知症者数、徘徊の有無及びこれらに対する施策の現状などを伺う。	市　　　長

　　◎開　　　　　議

○秋葉征士議長　皆さん、おはようございます。本日の会議に、欠席及び遅刻の届け出はありません。したがいまして、出席議員の数は18名で定足数に達しておりますので、これから本日の会議を開きます。

　　本日の会議は、議事日程第２号によって進めます。

　　◎市政一般に対する質問

○秋葉征士議長　日程第１　市政一般に対する質問を行います。

　　質問は通告順としますが、発言順番を迎えたときに議場にいない場合は発言権の放棄とみなしますので、そのようにご了承願います。

　　◎加藤信明議員質問

○秋葉征士議長　はじめに、10番加藤信明議員。

　　　〔１０番　加藤信明議員　登壇〕

○１０番（加藤信明議員）　おはようございます。

　　通告に従い東根市総合戦略について３点ほどお聞きをしたいと思います。

　　国が掲げる地方創生関連法に基づき、各自治体の総合戦略づくりが本格化し論議の場も増えております。急激に進む人口減少の中で東京一極集中、地方消滅の懸念も指摘される中で、我がまちの現状と将来像を考える機会にもなっております。

　　県も地方創生のための地方版総合戦略と人口ビジョンを決定しました。総合戦略では、全体を引っ張る挑みの施策として６次産業の推進や森林資源の活用、元気な高齢者の移住促進などを提示、雇用創出に特に力を入れる内容としております。

　　国立社会保障・人口問題研究所の推計で県人口は2060年に61万人までに減少するとされました。

　　県の人口ビジョンでは若い世代の結婚、出産に関する希望をかなえ首都圏などとの人口移動が均衡することで79万人程度になるとしております。

　　本市も人口ビジョンと総合戦略を策定し、10月の全協で説明がありました。人口規模が2025年以降に減少する見通しを示し、教育に重点を置いた人材育成やまちづくりなどを展開し、2060年時に推計４万4,000人を超す規模を確保する目標を設定したわけであります。

　　人口ビジョンでは2060年を４万4,347人と推計、合計特殊出生率向上や若い世代の転出抑制などを図り、先の人口問題研究所の2060年時の推計で３万9,092人を上回るとしております。

　　平成27年４月１日現在の東根市の人口は４万7,724人であります。

　　「ひと」をつくる（育てる）ことによってその「ひと」が「まち」や「しごと」をつくり、その「まち」や「しごと」が新たな「ひと」を呼び込むといった好循環社会をつくり出す必要があります。

　　このため本市では「まち」・「ひと」・「しごと」に関する効果的かつ具体的な諸施策を明らかにし、これらの施策を総合的に推進するための指針として東根市総合戦略を策定したとのことであります。

　　計画期間は2015年から2019年の５カ年計画であります。

　　説明によれば現在最上位計画である第４次東根市総合計画の後期計画2016年から2020年と総合戦略の策定を一体的に展開、各業界関係者や公募による市民でつくる市民会議、有識者による専門家会議、市振興審議会などを経てまとめたとのことであります。

　　基本目標を４点設定しました。

　　１点目、東根らしさを活かしたまちづくり、これは元気な地域創造プロジェクトであります。

　　２点目、安定した雇用の確保、これは産業魅力強化プロジェクトであります。

　　３点目、新しい人の流れの創出、これは住みたいまち発信プロジェクトであります

　　４点目、結婚・出産・育児の夢を現実に、これは安心子育て夢応援プロジェクトであります。

　　このうち通告のとおり３点についてお聞きをしたいと思います。

　　まず１点目、東根らしさを活かしたまちづくり、元気な地域創造プロジェクト、その１、県や航空会社との連携による山形空港発着便の増便や新設路線の設置に向けた支援と要請の実施であります。

　　山形空港では2014年３月末から羽田便が朝夕２往復の運航となり同時に名古屋便も運行が再開されたわけであります。

　　東京便は約15年ぶりとなる複数便体制の復活であり、名古屋便への定期便は約３年半ぶりの再開でありました。前回の東京オリンピックとともに開港した山形空港の50周年の節目にも当たり、官民一体の運動が実を結んだ悲願の実現でありました。

　　羽田便は国土交通省が実施した政策コンテスト３路線採択で県と日本航空などによる共同提案が採択をされたわけであります。

　　山形空港以外では石見空港、鳥取空港、佐賀空港が応募をしておりました。石見空港が１位、山形空港が２位、鳥取空港が３位でありました。

　　平成26年度は20万人、羽田、名古屋、大阪便の利用者があり、今年上半期４月から９月の搭乗率は、山形‐羽田が79.9％、名古屋70.0％と明るいニュースではありますが、採択は１つの通過点であります。

　　活用の力量が試される２年間は増便、その後は国交省が利用実績などを基に継続するかどうか、今年の夏ごろまでにはとのことでありましたけれども、いつの時点で決定されるのか。さらに今後の路線維持拡大に向けた取り組み、また新たな路線の設置に向けた支援、要請についてお聞きをいたします。

　　その２、地域医療の拠点である北村山公立病院における医療体制や財政基盤の充実に向けた支援についてであります。

　　市民の健康を守り、安心で安全に暮らせるまちづくりは社会生活の根幹であり市民生活のベースラインでもあります。本市を含めた北村山地域の基幹病院として地域医療の砦となっている北村山公立病院は、総合戦略の中で位置付けられているとおり、救急医療含めた医療体制全般の充実と、それに今年度の施政方針にもあります良好な財政運営に向けた支援を行っていくことにより、本市の魅力の向上に大きく寄与するものと考えます。

　　北村山公立病院は３市１町による組合からなる医療機関であり、その医療環境の整備については、地方公営企業としての本旨に基づき病院組合自ら対策を講ずるべきものでありますが、病院が立地する市として、また組合管理者を要する市として、その運営に深くかかわることは当然必要なことと捉えております。

　　昨今の公的医療機関を取り巻く情勢は、医師の地域偏在や診療報酬制度のマイナス改定、消費税の影響など厳しさを増す一方であることはご案内のとおりであります。

　　このような中、北村山公立病院は平成26年度決算書によれば年間約11万人の外来患者と９万5,000人の入院患者をはじめ１万件を超える救急医療の実績など、当北村山地域の二次救急医療を担う唯一の基幹病院として地域医療を支えているわけであります。これらの実績は高く評価をされるべきものと理解をしているところであります。

　　一方、病院の経営状況につきましては積み上がった累積赤字とともに、老朽化が進む施設の改修計画、今後の経営改善対策などについて私はこれまで組合議会において質問してきた経緯もあり、待ったなしの課題も山積みしていると捉えているところであります。

　　私の調査によれば、近隣の県立病院に目を向ければ県立河北病院では急患室と緩和ケア病棟20床などが整備され、県立新庄病院では地元の要望を受け病院の改築に向けての検討委員会が立ち上がるなど、時代の要請に応じた整備が着々と進められている印象を持たざるを得ません。

　　このようなことから、県の保健医療計画に定める北村山公立病院の役割、位置付けを考えれば今年度本市が行った県に対する支援要請は当然のことと思っております。

　　県においては現在、地域医療構想の策定作業を進めているわけですが、この構想の中で県立病院のない北村山地域唯一の二次救急医療病院としての役割を重要視していただき、継続的な支援を強く要望する必要があると思います。

　　このような状況下において今般の総合戦略で示した病院の医療体制や財政基盤の充実に向けた支援について、どのような支援を想定されているのかお聞きをいたします。

　　次に２点目、安定した雇用の確保、産業魅力強化プロジェクト、その１、地元大学や関係機関との連携に基づくロボット産業など、次世代型産業や研究・開発型企業の誘致促進についてであります。

　　今年４月にタントクルセンターで開催されましたまちづくりタウンミーティングでも話題になりましたが、次世代の成長産業として注目されているロボット産業や航空機産業などに関する企業等、新たな産業の誘致を図るため、税制優遇や補助制度、融資制度などを創設し本市への移転についてプロモーション活動を行うとのことでありますけれども、どのように取り組むのか。また、研究・開発型の誘致促進についてはどのように考えているのか。

　　その２、「産業創出基本計画（仮称）」の策定でありますが、本市への新しい企業誘致に向けた新たな工業集積区域の選定及び誘致方策などを定めた「新工業用地造成及び企業誘致に関する基本計画（仮称）」の策定はどうかお聞きをいたします。

　　３点目、新しい人の流れの創出、住みたいまち発信プロジェクトであります。その１、ふるさと納税制度を活かしたＰＲ戦略の推進(関連工業製品などを含む)であります。

　　ひとりでも多くの人が本市の魅力や特性を認識し関心を持ってもらうため、市内外に向けた東根ブランドの発信を進めます。出身地など応援したい自治体に寄附すると税金が軽減されるこの制度は、東京など都会に偏っている税収を地方に還流させようと2008年に始まった。そもそもこの制度がどれだけ受け入れられるのかは未知数であったし、その出足やＰＲの仕方についても自治体間で相当のばらつきがあったと思います。

　　ところが東日本大震災の被災地を応援しようという機運の高まりや工夫を凝らした返礼品などが充実するにつれて、全国各地でも浸透していきました。寄附を受けて税収が増える自治体のほか、特産品を提供する農家や業者、それに寄附者のいずれにもメリットがあり利用しやすくなったこともあって広がったわけであります。

　　決算では平成26年度の寄附件数及び寄附総額はそれぞれ約１万1,000件、約１億6,800万円に達したとのことでありました。本市ではサクランボに代表する果樹を中心とした農業の町に加え、ものづくりのまちのＰＲにもつなげていくと地元紙に載っておりました。

　　サクランボなどを通じた果樹王国のアピールとともに工業のまちとしての存在感も高めていくことが必要でありますし、今後の取り組みについてお聞きをしたいと思います。

　　以上で登壇での質問を終わります。

○秋葉征士議長　10番加藤信明議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　おはようございます。加藤信明議員の東根市総合戦略についてのご質問にお答えをいたします。

　　はじめに県や航空会社との連携による山形空港発着便の増便や新設路線の設置に向けた支援と要請の実施についてであります。

　　山形空港の利用状況につきましては、今年度の10月までの搭乗率は、東京便が80.6％、名古屋便が64.6％、大阪便が66％となっております。合計利用者数は13万3,676人であり、昨年同時期と比較して１万1,658人の増となっており、各便とも好調に推移しているところであります。

　　またこれら定期便の利用促進につきましては、山形県や東根市のほか関係自治体、経済、商工団体等で組織する山形空港利用拡大推進協議会において、主に東京便及び名古屋便を対象として取り組んでおります。

　　具体的には各種助成や特典の設定により、ビジネス利用を促進する、おいしい山形空港サポーターズクラブ関連事業を実施しているところであります。

　　また搭乗率が例年落ち込む12月から２月までの限定で片道2,500円を助成する、おいしい山形空港市町村応援月間等の事業を行っております。本市といたしましても、果樹王国ひがしねソラ旅実行委員会において、市民を対象とした空の旅の実施のほか、東根市山形空港利用促進協議会において、市民５人以上のグループ利用等に対する運賃助成や、宿泊費の割引を行う助成等を行っているところであります。

　　このような利用促進策の効果もあり、特に東京便の搭乗率については高い水準を確保している状況であります。しかしながら増便分は国が管理する発着枠であることから、国がその存続の是非を決定することになっており、12月10日に有識者懇談会による評価検証が行われる予定であります。

　　また現在の山形空港路線においては、名古屋便のダイヤが課題となっております。現在名古屋便は従前の東京便のように一日一便の日帰り利用ができないダイヤになっており、利便性の向上に向けて改善が望まれているところであります。

　　本市ではこれまでも名古屋便の充実を運行会社に要望してまいりましたが、先の山形空港利用拡大推進協議会の総会において利便化に向けた取り組みの強化が決定されたところであります。

　　名古屋便の２便化については運航会社の判断となりますが、その実現のためには今後の利用者数の増加が鍵となります。本市といたしましては、関係機関と連携しながら利用促進に向けた取り組みを行い、その上で山形県及び山形空港利用拡大推進協議会とともに運航会社であるフジドリームエアラインズに対する働きかけを強化してまいります。

　　あわせて未だ運休となっている札幌便につきましても、同様にフジドリームエアラインズによる新規就航を働きかけてまいりますのでご理解をお願いいたします。

　　次に北村山公立病院の医療体制や財政基盤の充実に向けた支援についてであります。北村山公立病院は３市１町の組合立病院として半世紀にわたり地域医療の中核を担い、安全安心な医療の提供はもとより高度医療をはじめとする医療の質の向上に寄与し、地域住民からの期待と信頼を集めております。

　　北村山公立病院における救急医療体制の現状につきましては、救急搬送患者数が年々増加を続けており、村山地域では県立中央病院、山形市立病院済生館に継ぎ３番目の受け入れ件数となっております。こうした状況から心疾患や脳疾患等の急性期患者に迅速に対応できる医療体制をより強化・充実を図ることが求められております。

　　本市といたしましても地域のニーズに応えられるよう組合を構成する他の市町とともに中期財政計画で示された病院経営の財政基盤を安定化させるための支援を行っていく考えであります。

　　しかしながら、県立病院のない北村山地域の基幹病院として、地域医療を支える公立病院が抱える課題を解決するため、３市１町による支援はもとより、県からの支援を受けられるよう粘り強く要望を続けてまいりますのでご理解をお願いいたします。

　　次に安定した雇用の確保、産業魅力強化プロジェクトについてであります。急速な少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少が製造業の現場における課題として顕在化しております。一方で次世代型産業として期待をされているロボット産業や航空機産業などは成長産業と位置付けられているところであります。

　　このような状況を踏まえ山形県は県内企業のロボット産業への参入を促進するため、今年10月末に、やまがたロボット研究会を発足したところであります。この研究会は産学官金が一体となって産業振興を図るものであります。各機関の連携や交流を図るとともに技術力の向上や人材育成などに資する事業を展開することから、本市も積極的に参加し、次世代型産業の誘致や市内事業所の受注促進に向け研究したいと考えているところであります。

　　次に新たな産業の誘致についてであります。本市はこの度、産業競争力強化法に基づく創業支援事業計画の認定を受ける予定となっております。事業計画の認定を受けることによって登録免許税などの軽減による税制優遇、融資における創業関連保証の拡大、立ち上げ支援のため国の交付金を活用することが可能となります。

　　また市独自の取り組みとして来年度から東根市商工業みらい応援事業における創業時の利子補給を拡大することとしております。さらには東根市企業奨励補助制度を３年間延長し、新たな産業の誘致に向けて強くアピールしてまいりたいと考えているところであります。

　　次に研究・開発型企業の誘致促進についてであります。

　　山形県は地域再生法の一部改正による企業立地活性化計画を策定し、12月１日に認定を受けたところであります。認定に伴い計画に参画している本市も本社機能の地方移転及び新増設、研究・開発施設を設置する事業者に対して支援することができるようになったところであり、事業者への債務保証、課税の特例等の優遇措置を講じることが想定されるところであります。

　　こうした優遇措置に企業奨励補助制度など既存の制度を組み合わせることによって、魅力を高め研究・開発型企業の誘致に取り組んでまいりたいと考えております。

　　次に東根市産業創出基本計画についてであります。

　　本市の工業団地につきましては、大森西工業団地の１ヘクタール１区画以外に企業を誘致できる用地がない状況であり、人口減少対策の１つとして新しい雇用を生み出すため、新たな工業団地整備の可能性について検討してきたところであります。

　　平成26年度に工業用地開発促進調査を実施し、本市における企業立地の可能性を客観的に分析するとともに、国土利用計画や都市計画マスタープランを参考に工業団地の造成候補地として８カ所を選定したところであります。今後様々な課題を整理した上で新たな工業団地の造成に向けた基本計画の策定を進め、具体的な方策を検討したいと考えております。

　　今年度につきましては東根市産業創出基本計画策定調査を行い、これを基に新たな工業団地を造成する場合の最適地を選定し整備手法、費用などを含めた基本的な考え方をお示ししたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。

　　次にふるさと納税制度を活用したＰＲ作戦の推進についてお答えをいたします。

　　ふるさと納税は生まれ育ったふるさと等を応援することを目的に平成20年度に創設された寄付制度であります。本市はふるさと納税制度をひがしねの魅力を広く全国に発信するＰＲ策、並びに有効な地域経済の活性化策と位置付け積極的に取り組んできたところであります。

　　平成26年４月から返礼品を用意するとともにインターネットによる申し込みやクレジットカード決済を導入するなど、寄付者の利便性向上に努めてきたところであります。

　　また本年度からは専任の職員を配置し返戻品のラインナップを充実したところ、11月末時点で速報値ではありますけれども、５億2,000万円ほどに達したところであります。

　　本年度における返礼品の状況といたしましては、寄付件数ではサクランボをはじめとする農産物が大部分を占めております。一方寄付金総額から見た割合では市内企業で生産する時計等の工業製品が半分以上を占めている状況であり、まさに農工一体のまちづくりを進めてきた本市の特徴が表れているものと捉えているところであります。

　　ふるさと納税制度につきましては、寄付者においては税の免除を受けながら本市の魅力に触れ、まちづくりに対する支援を行うことができるものであります。

　　また企業や生産者には自らの販路拡大と収益力の向上をもたらすものであります。さらに本市にとっては魅力発信によって認知度が向上し、寄付を財源としたまちづくりの推進が可能となるものであります。

　　このように返礼品を提供してくださる方や事業所さらには行政のそれぞれに恩恵があることこそが、ふるさと納税制度の本質であり今後一層推し進めることが重要であると考えております。

　　今後とも関係機関や関係団体、さらには生産者や企業等との連携を強化しながら資源や魅力の発掘等に努めラインナップの充実を図ってまいります。

　　さらには今後の状況を見極めながら推進体制の充実を図るなど、ふるさと納税に対する取り組みを強化してまいりますのでご理解をお願いいたします。

○秋葉征士議長　10番加藤信明議員。

○１０番（加藤信明議員）　質問席での質問を続けさせていただきます。まず、県や航空会社との連携による山形空港発着便の増便や新設路線の設置に向けた支援と要請の実施についてであります。

　　東京便につきましては、答弁では12月10日に国において有識者懇談会による評価検証が行われるとのことであります。大いに期待をしているところであります。

　　また名古屋便の経過につきましては理解をしました。このことにつきましては、山形空港利用拡大推進協議会の総会で２便化に向けての取り組みが決定されたとのことで、ソラ旅ツアーの実施、さらにはＦＤＡへの要請、また議会としても率先垂範、関西出張時などには当然利用しているわけでありますけれども、今後２便化に向けてのさらなる取り組みについてお聞きをしたいと思います。

○秋葉征士議長　半田総務部長。

○半田博総務部長　それで私の方からお答えいたします。

　　ご指摘のように名古屋便の２便化につきましては山形空港利用拡大推進協議会において取り組みが強化されたところでございます。くわえて県が中心となって運行会社であるフジドリームエアラインズの方に働きをかけている現状でございます。

　　名古屋便についてはおかげさまで市民の皆様の協力もありまして、高い搭乗率が示されているところでございまして、この高い搭乗率のさらなる向上について図っていきながら２便化の実現については、今後の札幌便の実現に向けた足がかりにもなるのではないかと捉えているところでございます。

　　今後とも山形空港利用拡大推進協議会と一体となりまして、また県営の名古屋空港協議会をはじめとする中京圏の関係機関との連携強化も図りながら、一日も早い２便化への実現に向けて取り組んでいきたいと考えているところでございます。よろしくお願いいたします。

○秋葉征士議長　10番加藤信明議員。

○１０番（加藤信明議員）　わかりました。名古屋便の２便化は東京便の２便化と同じく企業の活動、さらには観光交流が活性化し地域のますますの発展ができるものと思っております。

　　また札幌便の再開につきましても北海道は本市とは歴史的にもつながりが深いこともありまして、交流の活性化についても期待をしているものであります。

　　是非各便の早期実現に向け利用促進の取り組みを積極的に行っていただくとともに、航空会社ＦＤＡに対しても強く働きかけをしていただきたい要望をして、この件については終わります。

　　次に北村山公立病院における医療体制や財政基盤の充実に向けた支援についてであります。

　　市長の答弁は理解をいたしました。ただ今の答弁で県に対して粘り強く要望していくとのことでありますが、北村山公立病院の大きな特徴の１つとして救急搬送患者数も年々増加を続けているとのことであります。

　　心疾患や脳疾患などの急性期患者に迅速に対応できる医療体制をより強化充実することも重要であると思います。このような救急業務やリハビリテーションなどの特徴を明確にした要望活動も重要かと思います。

　　いずれにいたしましても今般策定の総合戦略では地域の医療を磨くということでありますので、県立病院のない北村山地域の基幹病院であることを強く訴えながら、地域住民の期待に応えられるよう引き続き県に対して強く要望していただくことをお願いし、組合議会もあります、この件につきましても以上で終わりたいと思います。

　　次に関係機関などとの連携に基づくロボット産業など次世代型産業や研究・開発型企業の誘致促進についてであります。

　　本市ではさくらんぼ等の果物に代表される豊かな農産物を産出する有望な産地でありますが、高齢化も進んでいる地域でもあります。今後、労働力も不足している農業の現場においてロボットを活用して課題解決を目指すことは、有効なことであり、やまがたロボット研究会に大いに期待をしたいと思います。

　　次に東根市産業創出基本計画策定調査について具体的にどのような内容なのかお聞きをしたいと思います。

○秋葉征士議長　片桐経済部長。

○片桐　崇経済部長　東根市産業創出基本計画策定調査の内容ということでございますが、この策定調査の内容といたしましては、まず最適地を選定すると、その中で条件や課題を抽出いたしまして、その対応策を検討して造成計画、給排水計画、スケジュール、概算事業費などにつきまして検討したいと考えております。

　　またどのような造成を行うかということが最良の企業誘致に結びついていくということでございますし、財政事情なども踏まえながら具体的な手法についてあわせて検討したいと考えておりますのでご理解をお願いいたします。

○秋葉征士議長　10番加藤信明議員。

○１０番（加藤信明議員）　わかりました。安定した雇用の確保につきましては、総合戦略をなし遂げるために不可欠な要素であると思います。総合戦略の産業魅力強化プロジェクトにうたっておりますとおり、１つは次世代型産業などの誘致・導入、２つ目は新しい工業団地の造成、３つ目は企業奨励補助、旧農工法・低工法と同様の財政支援制度創出に向けた要望・強化、４点目が東根市商工業みらい応援利子補給事業の拡大に向けたＰＲの強化、５番目として６次産業化の推進、６番目、農産物海外販路拡大事業の推進、７番目として誰もが働ける環境の創出などであります。さらに推進していただくことを要望して次に進みます。

　　ふるさと納税制度を活用したＰＲ作戦の推進(関連工業製品含む)についてであります。ふるさと納税返礼品における工業製品の導入についてお聞きをします。

　　寄付金総額から見た場合、市内企業で生産する工業製品の占める割合が半分以上であるとの答弁でありました。

　　果樹王国ひがしねを標榜する本市としては平成26年における工業出荷額は4,360億円と米沢市に次ぐ県内第二の工業製品出荷額であります。返礼品としてサクランボを中心とした果物は当然でありますけれども、年間を通した場合どうかという場面もあるかと思います。

　　この返礼品のラインナップに工業製品をもっと増やすべきと考えておりますけれども、どうかお聞きをしたいと思います。

○秋葉征士議長　半田総務部長。

○半田博総務部長　それでは私の方からお答えをいたします。工業製品の現在のラインナップでございますが、時計、そしてプロジェクター、また高級電卓などに加えましてレコード針も返礼品として用意したところでございます。

　　本市の工業製品ではいわゆる部品の製造が多い現状でございまして、なかなか完成した商品というものが少ない現状でもございます。今後とも市内の企業を初めといたしまして、各市の団体や機関と連携を図って本市の魅力を多くの方々に発信できるようにさらなるラインナップの充実を図ってまいりたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

○秋葉征士議長　10番加藤信明議員。

○１０番（加藤信明議員）　総務部長の説明でわかりました。寄付金を多く集めることよりも、この制度を利用して東根を全国に発信するとともに、返礼品につきましては地域経済の活性化のためにも、果物とともに工業製品を積極的に取り入れていくことにより、特産品や観光の需要、交流人口にもつながり地場産業の振興や、さらには雇用に結びつくものではないかと考えております。

　　効果をより確実なものにするには、ふるさと納税で寄付した人たちが税控除の特典ばかりでなくて、東根の物産を買ってもらって足を運んでくださる、このような魅力づくりが求められると思います。

　　東根市総合戦略について３点ほどお聞きしました。終わりに市長にお聞きをしたいと思います。

　　地方創生に絡み、東根市総合戦略について市長の考えを改めてお聞きをし、質問を終わりたいと思います。

○秋葉征士議長　土田市長。

○土田正剛市長　ひと・まち・しごと、これは国の総合戦略の理念であります。

　　向こう５年間で東京一極集中をやめて、そして特に若者を中心に地方に30万人の人口を再配分すると、そしてそのためには働く場所をつくり、そしてまちににぎわいを施すということが総合戦略の概念であるわけであります。

　　しかし私はこの点に関してはいささか疑問があります。もちろんその考え方そのものは間違ってはいないわけでありますけれども、今まで戦後ずっと全国の各市町村とも企業誘致、働く場所を求めて、あれやこれや知恵をあるいは工夫を凝らして、今まで随分と私は地方の自治体は苦労してきたと思います。それが、１年あるいは５年で私は変わるものとは思っておりません。そんな妙案があったら私が教えてもらいたいなと思っております。

　　そういう中において非常に私は昨今考えさせられることがありました。それはこの間の新聞に出ておりましたけれども、文化庁の地方への移転ということで、京都が名乗りを上げて、そしてそれを政府も後押しをするということでやってきたわけでありますが、最近になって文化庁の職員の方々が猛烈に反発をしていると、それはいわゆる東京一極集中というのが何も人口だけではありません。なぜ一極集中になっているのか、それは政治、文化、経済、教育、あらゆる面において東京に一極集中しているわけであります。

　　そういうことを何とか排除しようということは結局のところ、情報の中心である役所を地方に移転をさせるということの一環で、この文化庁の移転というものがあるわけであります。しかしそのことが、この間新聞に載っておりまして、いわゆる東京一極集中のところに役所だけが京都に移っても、年間の役所の職員の出張と、東京への出張というものが相当多く負担増になると、そういうふうなことから、いわゆる国会が開会するときだけでも、文化庁の答弁を要する職員の方々が出張するだけでも相当な回数に上ると、よって我々負担増になるということで役所の職員は猛烈に反発をしていると。

　　そしてその新聞の記事は、結局のところは無理なんじゃないだろうかということであったわけであります。そういうふうなことからしましても、非常に明治維新から殖産興業という国策にのっとって、そういう形の中で今日の東京一極集中というのが営々として築かれてきたわけであります。それが１年やそこらあるいは２、３年でその岩盤とも言えるような東京一極集中が私は劇的に変わるなどということは、まさに私は絵に描いた餅ではないかなと思っているところであります。

　　しかしながらそういうふうな中において、私はまち・ひと・しごとというものについては、そういうことからしますと全国で私は金太郎飴になりはしないかということも言ってきました。

　　そういう中において、私はやはりこの国の役割あるいは地方の役割というものを、ちゃんとすみ分けをして役割分担をして考えることこそが、この総合戦略の私は大事なポイントであるということも申し上げてきたわけであります。

　　そういうふうな中において、東根においては、中高一貫が来年４月１日に開校されるわけであります。教育というものは私は大事なことであると今までずっと訴え続けてきましたけれども、そういう中において既存の中学校との格差というものが広がりはしないかということが非常に大きく懸念されるわけであります。

　　つまり中高一貫県立中学校の教育方針は、語学に力を入れ、そして理数科に力を入れるということが既に発表されているわけであります。したがって既存の中学校とますます格差が広まるということを懸念するわけでありますから、私は中学校に来年、５つの既存の中学校があるわけでありますけれども、５人のＡＬＴを全部に配置します。と同時に理数科においては教員の理数科のＯＢを登用する、それぞれの中学校に。そしてまた、講師などについても学力の向上に充てるということを私は考えたいなと思っております。

　　今月号の市報に私は2015年の学力検査の結果に思うということで書きました。そういう中で東根は全国平均を大幅に上回る、非常に高い教育のレベルを有していると思っております。

　　しかし、一方で県立中高一貫が開校されるわけであります。したがって既存の学校の学力向上をさらに高めていくという意味で、私はそういうことを来年度から配置をしたいなと思っております。

　　いわゆる教育というのは人材を育てるわけであります。その人材はまちづくりを担うわけであります。したがって私はそういう教育力で人を呼ぶということを私はこの総合戦略において、東根の特徴ということで行いたいということで、この総合戦略をこのほどまとめたわけであります。

　　それはそれとして次世代の産業と言われるのは新たな企業を誘致する場合は、１つは航空機産業であり、１つは少子化をにらんでのロボット産業であり、１つは医療機器の産業だと、いわゆるこの３つが私は次世代型の成長産業だと思っております。

　　そういう形の中で私は近々上京します。そしてその中で次世代型の成長産業が本市に実るかどうかまだまだわかりませんけれども、そういう中で早速企業誘致に向かって努力してみたいなと思っているところであります。ご理解をお願いいたします。

○秋葉征士議長　以上で、ご了承願います。

　　会議の途中ですが、ここで午前11時５分まで休憩をします。

　　　午前１０時５５分　休　憩

　　　午前１１時０５分　開　議

○秋葉征士議長　休憩前に引き続き、会議を開きます。

　　◎今野　孝議員質問

○秋葉征士議長　次に、９番今野孝議員。

　　　〔９番　今野　孝議員　登壇〕

○９番（今野　孝議員）　９番今野孝です。

　　通告に従い一般質問を行います。

　　去る10月23日、厚生常任委員会の行政視察で大阪府箕面市を訪れ、障害者就労支援事業について研修してまいりました。

　　平成20年の厚生労働省の身体障がい者、知的障がい者及び精神障がい者の就業実態調査によれば、15歳から64歳の障がい者数は全国で205万人。205万人中一般就労者は65万人。福祉就労者数は17万人で非就労者数が117万人もおります。117万人の非就労者中57万人は一般就労を希望しています。

　　箕面市では働く意志を持った障がい者が自らの能力・適正に合わせて就労し、自立して生活するに足る賃金を受け取ることを目的として一般就労と福祉的就労の間を補完する第三の選択肢として、社会的雇用事業を実施しておりました。この理念に私は大きな感銘を受けてまいりました。

　　そこで最初に障がい者の自立支援にかかわって２点お尋ねいたします。

　　１つ、本市における障がい者の就労状況はどのようになっているのでしょうか。

　　１つ、第４次東根市総合計画後期基本計画に障がい者自立支援の施策を明記すべきと考えますがいかがでしょうか。

　　以上、２点ご答弁お願いいたします。

　　次に、東根市総合戦略の施策の１つとして教育によるひとづくり・まちづくりの推進を掲げたことは大変適切な判断であると思います。しかし、学力向上に向けた学校教育の推進に掲げてある事業を見ると、子どもたちを点取り虫にし、父母や市民を点数でしか人を見ることのできない「点眼鏡」にしてしまいかねない危うさを禁じ得ません。

　　そこで次に、学力向上に向けた学校教育にかかわって３点お尋ねいたします。

　　学力をどのように定義しておられるのでしょうか。

　　１つ、具体的学力向上策をどのように考えているのでしょうか。

　　１つ、施策の効果測定法をどのように考えているのでしょうか。

　　以上３点お尋ねします。

　　次に、今年の第１回定例会において紹介いたしましたが、若年世代の婚姻率は所得に大きく影響されます。内閣府による平成22年度結婚・家族形成に関する調査報告書によれば、年収300万円以上の20代・30代の男性の既婚率が25％から40％となっております。

　　しかし年収300万円未満の男性の既婚率は20代で8.7％、30代で9.3％と極端に低くなります。さらに非正規雇用の男性の既婚率はそれ以上に低くなって、20代で4.1％、30代で5.6％となっています。

　　山形県の賃金水準は全国の最低レベルです。この状態を放置したままではＵ・Ｉ・Ｊターンの促進や合計特殊出生率の上昇は望むべくもないのではないでしょうか。

　　そこで最後に若年世代の所得対策の推進について１点お尋ねいたします。

　　１つ、若年世代の所得改善策を具体化すべきと考えますがいかがでしょうか。

　　以上お尋ねして登壇での質問といたします。

○秋葉征士議長　９番今野孝議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　今野孝議員のご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、障がい者自立支援についてであります。

　　障がい者の雇用につきましては、障害者の雇用の促進等に関する法律の中で、事業主に対し、常時雇用する従業員の一定割合以上の障がい者を雇うことが義務付けられております。

　　この法定雇用率は民間企業で２％、国・地方公共団体などの公的機関で2.3％となっております。国が調査した平成26年障害者雇用状況の結果によりますと、公的機関では法定雇用率を上回っております。しかし民間企業においては雇用人数は11年連続で増加しているものの、雇用率は1.82％と法定雇用率を下回っているところであります。

　　本市における障がい者の就労状況につきましては、平成27年９月現在で必要な支援を受けながら就労する、就労継続支援の利用者が82名となっており、市内外の就労継続支援事業所を利用しているところであります。

　　また一般就労を希望し、知識や能力の向上、実習、職場探し等を通じて、適性に合った職場への就労等が見込まれる者に対し、事業所内における作業訓練や職場実習さらには就職後の職場定着支援等を実施する福祉サービスである、就労移行支援を10名の方が利用している状況であります。

　　今年11月からは市内の相談支援事業所に障がい者の基本相談業務を委託したところであります。身近に障がい者やその家族の方々の相談窓口を設けたことにより、これまで以上に相談体制の充実が図られたところであります。

　　また、この相談を通して、就労を希望する障がい者に専門的知識を活かした支援を行うことが可能となり、より就労に結びつくことが期待されるところであります。

　　次に、第４次東根市総合計画後期基本計画への明記についてでありますが、障がい者福祉の充実の施策の１つとして、障がい者の社会参加と自立の促進を掲げ、身近な地域での交流やハローワークや企業との協力による障がい者の雇用促進を進めているところであります。

　　また平成25年5月に策定した、東根市障がい者福祉計画において、障がい者福祉に係る基本目標の１つとして、自立の要となる雇用・就労の充実を掲げ一般就労と福祉的就労の充実を図っていくこととしております。

　　雇用、就労等を基本に据えた障がい者の自立支援は、障がい者福祉を進める上で非常に重要なものであることから、今後も社会的自立に向けた支援のあり方について研究してまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。

　　次に若年世代の所得対策の推進についてお答えをいたします。

　　はじめに、若年世代を中心とした低所得者への改善策についてでありますが、国の制度といたしましては、事業者が正規雇用を増やした場合に、法人税等の税額控除を適用させる雇用促進税制があります。

　　また、非正規雇用労働者を正規雇用に転換する場合や、人材育成に取り組んだ場合等に事業所に対して助成を行うキャリアアップ助成金などを通じて、正規雇用の拡大を図っているところであります。

　　本市におきましては、勤労者生活安定資金貸付事業を実施しているところであります。金融機関との協調融資により、主に若年世代を中心とした低所得者に対し低利で生活資金を融資するものであり、毎年、市民約40名程度が利用しております。

　　また、勤労者住宅建設資金利子補給事業につきましては、限度額が100万円ではありますが、無利子となるよう利子補給を行っているところであります。

　　さらに今年からは、住まい応援事業において、新婚世帯や子育て世帯が、住宅のリフォームや新築を行う場合に一般世帯よりも補助率や限度額を引き上げるなど、支援の充実を図っているところであります。

　　なお、ハローワーク村山管内では、雇用情勢の改善が続いており、特に東根市の求人が非常に多く、管内の求人倍率を押し上げている状況であります。

　　このことを受けて、12月８日タントクルセンターにおいて市内事業所27社が参加し、合同就職面接会が開催されることとなり、就業機会の拡大につながることが期待されるところであります。

　　今後とも正規雇用の拡大、生活資金や住宅資金の運用による支援、市内事業所における雇用促進などを通して若年世代の所得水準の改善に努めてまいりますのでご理解をお願いいたします。

○秋葉征士議長　次に、教育長に答弁を求めます。石山教育長。

　　　〔石山泰博教育長　登壇〕

○石山泰博教育長　おはようございます。

　　私からは、学力向上に向けた学校教育の推進についてのご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、学力をどのように定義しているのかについてであります。

　　現在の日本を取り巻く環境は変化に対応できる能力が求められる社会や、グローバル化の進展など、急速に変化しております。今後、次の時代を担う子どもたちには幅広い知識と柔軟な思考力に基づいて判断することや、ほかの人と切磋琢磨しつつ、異なる文化や歴史を持つ人々との共存・共生を図るなど、社会の変化に適切に対応できる能力や資質がより一層求められることになります。

　　そのため「基礎基本を確実に身につけ、いかに社会が変化しようとも自ら課題を見つけ、学び、考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決できる資質や能力」「自らを律しつつ周囲の人とともに強調し、他の人を思いやる心や感動する心などの豊かな人間性」そして「たくましく生きるための健康や体力」の３つの要素を総合した能力である、「生きる力」が求められております。

　　また文部科学省では、学力について、「基礎的・基本的な知識・技能を活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力」そして「主体的に学習に取り組む態度」としており、本市におきましても同様に捉えているところであります。

　　次に具体的向上策をどのように考えているのかについてであります。

　　学力向上につきましては、教員が子どもとしっかり向き合える時間を確保するという視点や、子どもたち１人ひとりの確かな学びを保障するという視点を大切にしながら日々の授業改善と学校現場への人的支援、そして学力向上を下支えする学習集団づくりの３つの側面から施策を展開してまいります。

　　１つ目の授業改善につきましては、文部科学省及び県教委が推進するアクティブ・ラーニング、探究型学習を本市におきましても強力に推進してまいります。これらは主体的な学びと態度を育む学習であり、「生きる力」を育成するためには欠かせないものと捉えております。そのため、教育委員会の学校訪問や授業研究会におきましても、指導主事による授業改善のための具体的な指導を徹底してまいります。

　　次に、２つ目の学校現場への人的支援でありますが、小中学校に教育支援員などを配置し子どもたち１人１人の実態に合った、よりきめ細かな指導や英語・理科・数学の指導を強化してまいります。

　　また、平成28年度からはＡＬＴを２名増員し５名体制として、各中学校区に配置して小学校における外国語活動と中学校における英語の授業を充実強化してまいります。さらにスクールサポーターによる学習の支援、心の教室相談員による相談対応、適応指導教室の開設など、子どもたち１人１人が抱える課題に適切に対応して学習機会の確保を行ってまいります。

　　３つ目の学力向上を下支えする学習集団づくりについては、Ｑ－Ｕアンケート、いわゆる学級集団アセスメントを小学校２年生以上で年２回実施し、その結果を分析検証した上で学級経営や授業づくりに活用して教師と子ども、子どもと子どもが相互に信頼し合い、ともに高め合える学習集団を育成していき、学力のさらなる向上を下支えしてまいりますのでご理解をお願いいたします。

　　次に、施策の効果測定法をどのように考えているかについてであります。

　　はじめに、教育施策の効果を測定・評価する際は短期的な面と長期的な面の２つの視点で考えなければならないと捉えております。短期的な評価の方法の代表例としては、学力検査などペーパーテストの数値結果であります。

　　本市におきましては、市内小中学校全てで実施している標準学力検査の結果については、市小中校長会、学力向上対策委員会において集計・分析し、その経年変化を把握し指導に活かしております。また全国学力・学習状況調査結果における各教科・領域別・設問別到達度については、基礎的・基本的な知識・技能の力のみならず、活用する力を評価するための設問まで工夫・配慮がなされており有効なものと考えております。

　　しかしながら、これらの数値結果で評価できるのはあくまでも特定の教科、学年等における学力の一部分一側面であります。教育の効果というものは子どもたち１人ひとりの発言、行動、態度、作品などの表現活動など児童・生徒の資質がいかに向上したかということを教員が日々丁寧に観察して見てとる、長期的な視点に基づく評価も大変重要であると考えておりますので、ご理解をお願いいたします。

○秋葉征士議長　９番今野孝議員。

○９番（今野　孝議員）　ご答弁ありがとうございました。引き続き質問席から２問目以降の質問を行わせていただきます。

　　障がい者の自立支援にかかわって、就労継続支援の利用者が82名、就労移行支援の利用者10名とのご答弁がございました。

　　一般就労者数は何人でしょうか。お尋ねいたします。

○秋葉征士議長　髙橋健康福祉部長。

○髙橋　昇健康福祉部長　お答えいたします。

　　障がい者の一般企業への就労状況についてでありますけれども、事業主が公共職業安定所に報告を行いまして、その後労働局が集計を行っております。平成27年６月１日現在の山形県内における民間企業への一般就労者数につきましては2,691人となっておりますが、市町村別の一般就労者数は公表されておりません。したがいまして本市の一般就労者数については把握していないところであります。ご理解をお願いします。

○秋葉征士議長　９番今野孝議員。

○９番（今野　孝議員）　了解いたしました。それでは本市における15歳から64歳の障がい者数は何人でしょうか。

○秋葉征士議長　髙橋健康福祉部長。

○髙橋　昇健康福祉部長　お答えいたします。

　　15歳から64歳までの障がい者数でありますけれども、本年11月末現在で障害者手帳をお持ちの方の人数でありますけれども、身体障害者が485人、知的障害者が189人、精神障害者が165人の合計839人となっております。そのうち38名の方が重複して障害者手帳をお持ちであることから、実数としましては801人となっております。よろしくお願いします。

○秋葉征士議長　９番今野孝議員。

○９番（今野　孝議員）　実数は801人。了解いたしました。

　　一般就労者数は市としては把握できてないわけですが、それを加えたとしても多くの障がい者が非就労であろうことは容易に想像できると思います。

　　それでは本年度末卒業する特別支援学校生徒の進路はどのようになっているでしょうか。

○秋葉征士議長　髙橋健康福祉部長。

○髙橋　昇健康福祉部長　お答えいたします。

　　市内在住の特別支援学校の今年度卒業生ですが、４名の方が卒業される見込みです。市内及び近隣の就労継続支援事業所に全員内定をもらっていると、このように伺っているところであります。よろしくお願いします。

○秋葉征士議長　９番今野孝議員。

○９番（今野　孝議員）　全員の進路が内定している。大変喜ばしいことだと思います。

　　それでは福祉的就労の賃金水準はどの程度になっているでしょうか。

○秋葉征士議長　髙橋健康福祉部長。

○髙橋　昇健康福祉部長　お答えいたします。

　　福祉的就労と言われるものにつきましては、就労継続支援Ａ型と就労継続支援Ｂ型の２種類があります。Ａ型は一般企業で働くことが困難な方に労働契約を結んで就労の機会を提供するものでありまして、Ｂ型はＡ型と比べまして障害が重い方、労働契約を結ぶことが困難な方に非雇用型の就労の機会を提供するものであります。

　　賃金水準についてでありますけれども、厚労省で発表しております平成25年度賃金及び工賃の実績によりますとＡ型事業所の全国平均賃金が６万9,458円、Ｂ型が１万4,437円となっております。市内の状況でありますけれども、２カ所あるＢ型事業所は作業内容によって工賃も違っておりますが、１つの事業所は平均時給が182円、もう一方の事業所では平均時給が212円となっております。よろしくお願いします。

○秋葉征士議長　９番今野孝議員。

○９番（今野　孝議員）　この賃金で自立していくというのは到底不可能なわけでありますけれども、それでは障害年金は自立にふさわしい水準になっているのでしょうか。

○秋葉征士議長　髙橋健康福祉部長。

○髙橋　昇健康福祉部長　お答えいたします。

　　国民年金法に基づきます障害基礎年金につきましては、障がいの状態により１級または２級の障害年金が支給されております。

　　１級の場合は年間97万5,100円。月額にしますと約８万1,000円となりまして、２級の場合は年額78万100円。月額にすると約６万5,000円となっております。なお、２級の支給金額は生活保護法における生活扶助の金額と同程度の水準となっております。よろしくお願いします。

○秋葉征士議長　９番今野孝議員。

○９番（今野　孝議員）　ありがとうございます。１級で月約８万1,000円、２級で月約６万5,000円。障害を抱えながらの自立は厳しいものがあるのではないでしょうか。

　　それでは最後に市長にお尋ねしたいと思います。本市においても障がい者の就労機会を拡大し、障がい者に対する支援を拡充すべきと考えますが、市長のお考えをお聞かせ願いたいと思います。

○秋葉征士議長　土田市長。

○土田正剛市長　今野議員の障がい者の就労支援を拡充すべきではないかということに関しては、私も基本的に賛意をお示ししたいなと思っております。

　　ところで、本市にはＢ型支援の就労している運営者は２団体あります。大けやきの家、こすもすの家であります。しかし半数以上の方々は市外の施設に通っているわけであります。東根市内の就業者数については大けやきの家で定員30名のところ14名であります。それから、こすもすの家は定員40名のところに23名の東根市内のＢ型が就労しているわけであります。半数以上の方が市外に通っているということは、そのような意味ではＢ型の就労支援をもっと市内に拡充していかなければいけないと考えているところであります。

　　したがいまして、就労支援については市内の２団体とただ今協議をしておりまして、この段階でいずれＢ型の就労支援に対する東根市内の定数を増やしていくということにまずは努力をしていきたいなと思っております。

　　さらにはＡ型支援ということについては比較的障害の度合いが軽い方々でありますけれども、その方々についての就労ということについてはまだ本市では実現をしていないわけであります。

　　そういう現段階としてＡ型支援に非常に貢献しておられる「ピース」という新庄の事業所があります。これは村山とか河北町で展開をしているところでありますけれども、そのピースがまず前段として旧荘内銀行の跡地に来年の４月１日から放課後デイサービスの開始をしたいということで今鋭意努力をしているところであります。

　　村山と河北の事業所にまだ多少のゆとりがあるとピース側から聞いております。いずれそれが定位数がいっぱいになったという段階において当東根の放課後デイサービスを来年とりあえず４月１日から開業するわけでありますけれども、そういう中でＡ型支援についての就労場所も検討をしてみたいということを確約をしていただいております。

　　そういうふうな意味の中で、Ｂ型・Ａ型それぞれ障がい者の自立支援という大きな観点の中でそれぞれの就労場所を定数を確保していくということに具体化に向けて行政としても今後努力してまいりたいと、このように考えているところであります。

○秋葉征士議長　９番今野孝議員。

○９番（今野　孝議員）　ご答弁ありがとうございました。

　　障がい者の就労機会の拡大に大いなる期待を申し上げておきたいと思います。

○秋葉征士議長　土田市長。

○土田正剛市長　余計なことでありますけれども、先ほど登壇の中で学力向上支援のことを「点眼鏡」ということで今野議員は示されました。私から言いますと、「広角眼鏡」ということで返したいなと思っております。よろしくお願いします。

○秋葉征士議長　９番今野孝議員。

○９番（今野　孝議員）　せっかくですので「点眼鏡」、これは私が尊敬する東京工業大学の名誉教授でありました教育学に関しても造詣が深い、遠山啓さんからお聞きした言葉です。

　　どうかなと、これをお示しするのはいかがなものかと私も迷いましたけれども、「点眼鏡」と音声言葉だけで言ったのでは伝わらないかなと思って、あのような振る舞いに及んだわけです。一言弁明させていただきます。

　　元に戻ります。障がい者の就労機会の拡大それに向けて市が全力で取り組んでいただける、ここに大きな期待を申し上げたいと思います。

　　箕面市では障害福祉ポリシーとして、１つ、障がい者が地域で当たり前に暮らしていく。１つ、排除しない社会が当たり前の社会。この２つを掲げておりました。障がい者が暮らしやすいまちというのは一般市民にとっても暮らしやすいまちになるのではないでしょうか。そのようなまちづくりを推進していただくよう強く要望して次へ進めたいと思います。

　　次に学力向上に向けた学校教育の推進にかかわってであります。学力観にかかわっては問題を解決できる資質や能力、豊かな人間性、健康や体力、この３つの要素を総合した能力である生きる力が求められているとのご答弁がございました。

　　この生きる力こそ学力。そう考えたいと思います。ここにしっかり焦点を合わせて学力向上に向けた学校教育の推進に取り組んでいただきますようよろしくお願い申し上げておきたいと思います。

　　次に具体的向上策にかかわってであります。学力向上について教員が子どもとしっかり向き合える時間を保障するという視点や子どもたち１人１人の確かな学びを保障するという視点を大切にするというご答弁がございました。これは本当にそのとおりで、そこのところ十分大切にしていただきたいと思います。

　　ご答弁の中で文部科学省の考える学力についてもございましたけれども、そこを向上させようとすれば十分な授業準備が欠かせません。本市の教職員が授業準備に充てることのできる時間はどの程度と捉えておられるのでしょうか。

○秋葉征士議長　石山教育長。

○石山泰博教育長　本市の授業準備に充てられる時間でありますけども、小学校と中学校、授業を受け持つ形態も違いますので教員１人１人の経験年数とかそれから校務分掌の違いによっても若干の違いはあります。

　　勤務時間の中では１日平均おおむね２時間程度、１週間あたりにすれば約10時間程度かなと捉えているところであります。

　　例えば小学校の低学年とか中学年を持つ教員の場合ですと、児童が比較的早く下校するという場合もありますので、放課後から夕方退勤するまでの時間を工夫しておりますし、高学年を持つ担任につきましては、教科担任制なんかも本市では少し取り入れております。それで空き時間を利用して時間を教材研究の方に向けていると。

　　また、中学校におきましては完全に教科担任制となっているわけであります。そこで空き時間を有効に活用していると。それから、中学の場合ですと部活動もあるわけですけども、複数体制も各学校で取り入れておりますので、部活動を片方が見ていれば、片方は別な時間に充てることができると、そんなふうな体制で乗り切っているところであります。

　　ただ、よりよい授業づくりのためには教材研究にかける時間、これでもう十分だとは当然ないわけであります。

　　参考までに紹介いたしますと、今年度11月に実施した勤務状況調査の結果によれば、１日あたり小学校では平均4.3時間、中学校では2.6時間、家に仕事を持ち帰っているという実態があります。ご理解をお願いします。

○秋葉征士議長　９番今野孝議員。

○９番（今野　孝議員）　ご答弁ありがとうございました。小学校において１日２時間の授業準備の時間がある。この答弁を現場の教師を聞いたら目を剥きます。ありません、そんなには。全然、１時間もないです。これは私は中学校の現場はわかりませんから、小学校で申し上げます。

　　ほとんど小学校の教師は時間外に授業の準備をしてるのです。今、教育長が答弁されたように１日あたり持ち帰りの時間が相当な時間になっています。そういう時間に依拠して授業づくりをやってるのです。先生方の中には、今日は授業づくり、教材準備で遅くなった、帰るのが８時、９時ですよ。そういうところをもっとリアルに捉えていただく必要があるかとこのように思います。異論を唱えて次へ進みます。

　　２つ目、学力向上を考えるときに指導力のすぐれた教頭・教務主任の力量をどう使っていくかというのは大事なポイントになるかと思います。そこで本市の教頭・教務主任の授業時数と担当教科はどのようになっているのかお尋ねします。

○秋葉征士議長　石山教育長。

○石山泰博教育長　お答えをします。

　　小学校と中学校では若干違います。また学校の規模によっても若干違うかなと思っております。受け持ち時数でありますけども、小学校の場合は大規模校では教頭は５時間程度、それから教務主任は６時間から10時間程度。小規模校においては教頭は５時間から10時間、教務主任は10時間程度。担当する教科は主に算数・理科・書写などが主になっているようであります。

　　中学校の場合ですと教科担任制なので、担当する教科は自分の免許を持っている教科となります。受け持っている時数につきましては、教頭で５時間から10時間、教務主任で10時間から15時間程度。ただ、教頭・教務という職務上、校務を運営するための打ち合わせとか地域・保護者などへの対応、連絡、調整の時間、それから不適応の児童生徒、そして出張、年休で不在になった教員の授業の補充というところで目に見えない時数が結構あるというのが教頭・教務の授業時数ではないかなと思っているところです。

○秋葉征士議長　９番今野孝議員。

○９番（今野　孝議員）　私が得た情報では教頭・教務の授業にかかるかかわり方というのは希薄に過ぎるという声があるんです。東根市内の学校での事例です。

　　ＴＴの役割を担いながら、ほとんど授業に出ることはなかったという方がおいでになったり、書写を担当しておりながら多くの時間は自習をさせていたということがあったり、私はどこのどなたかというのが特定できる状態なんですけれども、それはあえてこの場では申し上げません。

　　十分その辺機能しているのかどうかをチェックしてもらう、そのことも学力向上につながる。主要教科をしっかり担当してもらうと、そういうことが学力向上につながっていくのではないかということを申し上げておきたいと思います。

　　次に授業改善についてでございます。授業改善については、文科省及び研究員が推進するアクティブ・ラーニング、探究型学習を強力に推進していくとのご答弁がございました。

　　そうおっしゃられても、市民には何のことか理解することができません。アクティブ・ラーニング、探究型学習を強力に推進していくとするならば、これらについて市民も理解できる説明をお願いしたいと思います。

○秋葉征士議長　石山教育長。

○石山泰博教育長　アクティブ・ラーニングと探究型学習の、どういう形の授業かというご質問かなと思いますけども、授業といいますと、今もこれからもそういう授業があるわけでありますけれども、教師が課題を与えて、それを課題解決のために教師が質問しながら、子どもとやりとりしながら、または子ども同士で話し合いさせながらという形が多いのかなと思いますけれども、社会の変化に対応できる資質能力をより十分に身につけさせたいということから文科省でアクティブ・ラーニングという授業形態をという考えが出てきたわけであります。

　　どういう説明を文科省でやっているのかといいますと、アクティブ・ラーニングを適切に日本語に置きかえますと「能動的学習」という言葉にかえられるのかなと思います。文科省では、子どもたち自身が主体的に話し合ったり、また調べたり、そして実験などの活動をして協力しながら課題を解決していく学習活動を総称してアクティブ・ラーニングという表現をしております。山形県で言っている探究型学習もほとんど同じような同義語に使っているようであります。以上です。

○秋葉征士議長　９番今野孝議員。

○９番（今野　孝議員）　ありがとうございます。それでは指導主事による授業改善のための具体的な指導を徹底するとの答弁もございました。授業改善のための具体的指導とはどういうことでしょうか。

○秋葉征士議長　石山教育長。

○石山泰博教育長　お答えします。

　　日々の授業で子どもたち１人１人の学習意欲をどう引き出すか、そしてできる、わかったという喜びを実感できる授業づくりをするにはどうすればいいのかというのを、先生方と一緒に考えながら指導・助言をしているのが実態であろうと思っております。

　　これは当然授業によって、また教科によっても若干やり方が違いますけども、一例を申し上げます。まず子どもたちが主体的に学ぶことができるように解決したいという気持ちを起こさせる魅力的な課題設定になっているのかどうかという観点が第１点。

　　それから第２点としては、子どもたち１人ひとりがその課題を解決するための見通しの持たせ方はどうなんだろうかと。

　　それから第３点としては、その課題について自分なりの考えが持てるための場の設定の時間の工夫はどうなんだろうかと。

　　その上で子どもたちが考えを交流し合い、互いのよさを認め合いながら課題をどのように解決していくのだろうかと、このようなことをしっかりと分析した授業づくりをお願いしているとなっております。以上です。

○秋葉征士議長　９番今野孝議員。

○９番（今野　孝議員）　ありがとうございます。ベネッセ教育情報サイトによれば、次期の学習指導要領の目玉とされているのがアクティブ・ラーニング。こういうふうに言われると私はとても不安になるんです。文科省あるいはその前身の文部省が学習指導要領の目玉として掲げたもののほとんどが私の認識としては成功していません。子どもにつけを回して破綻しております。このアクティブ・ラーニングがまたそのようなことにならないのかということに不安を感じるわけであります。

　　例えばゆとりと充実であれば、未だにあの人はゆとり世代だというレッテルを貼られるんです。そういう汚名を子どもたちに着せてずっと長い人生を歩ませるような結果になりはしないか、そういうことを懸念するわけであります。

　　事実、中央教育審議会の部会の論点整理でも指導法を一定の型にはめたり、授業の方法や技術の改善に終始したりするのではないか。何のためかという目的を見失い、特定の学習や指導の型に過度に拘泥することもあるのではないかといった懸念も指摘されていると聞きます。いたずらに流行を追い回し、不易なるものを片隅に追いやって、子どもにつけを回すことのないようにご配慮をお願いしておきたいと思います。強力に推進するではなくて、効果を見極めながら慎重に進めることが肝要かと思われます。

　　次に学校現場に教育支援員を配置するとのご答弁がありました。教育支援員の人選と配置はどのようにお考えでしょうか。

○秋葉征士議長　石山教育長。

○石山泰博教育長　先ほどの今野議員のご発言ですけども、当然授業というのは一定の形だけでなくて教科の内容によっても若干変更があるだろうと私は考えております。ただアクティブ・ラーニング的な考え方を主に授業を進めていくということで授業によっては変更もあるだろうと、それは私も思っております。

　　次、人選と配置についてでありますけども、授業を行う本務者としての教員を助け、子どもたちの確かな学力を育成するための即戦力であると、そういう必要があるんではないかなと思っておりますので、豊富な指導経験を有する教員のＯＢとか講師経験者などを充てることが望ましいなと考えております。

　　その上で学校の規模などもありますし、中学校であれば教科の人員配置などもありますので、そこらも考えながら配置していきたいなと考えているところです。

○秋葉征士議長　９番今野孝議員。

○９番（今野　孝議員）　了解いたしました。それでは教育支援員の任務と指導形態はどのようにお考えでしょうか。

○秋葉征士議長　石山教育長。

○石山泰博教育長　お答えをします。

　　基本となる任務ですが、授業の本務者を助け、複数の目によって子どもたちのつまずきを見とったり、またそのつまずきに対応し、子ども１人１人により丁寧に手をかけていくと、そういうものになると考えております。

　　指導の形態につきましては、単元の指導過程の途中とか終末の段階になろうかと思いますけども、子どもたち１人ひとりの理解の実態に応じてチーム・ティーチングとか、時には習熟度などの学習形態など、子どもたちに確かな力をつけるための学習形態を工夫することができるのではないかなと思っております。

　　さらに小中学校の校種の特性によっても、または教科の特性によっても、指導支援の方法は学校の工夫によっていろいろ考えられるのではないかなと考えているところです。

○秋葉征士議長　９番今野孝議員。

○９番（今野　孝議員）　了解しました。それぞれの教育現場の実態に合わせて有効に機能するように進めていただきたいと思います。

　　次に学力向上下支えする学級集団づくりにＱ－Ｕアンケートを活用するとのご答弁がございました。Ｑ－Ｕアンケートの導入は本市の学校教育にどのような成果をもたらしたのかお尋ねしたいと思います。

○秋葉征士議長　石山教育長。

○石山泰博教育長　お答えをします。

　　以前でありますと学級経営は、担任教師１人が自分の指導経験に基づきながらいろいろ工夫してやってきたのかなと思っております。それをＱ－Ｕアンケートを導入をすることによって指導方法の変化が生じてきていると感じております。

　　１つは教師が児童・生徒１人ひとりの実態をより丁寧に理解できるようになったという点。

　　それからもう１点は教師が自分の学級経営の方法が効果的であったのかということを客観的に振り返ることができるようになった。

　　そのようなことで学級経営に活かすためのデータになっているという観点などから学校生活をより楽しく生活できる子どもを増やす上で効果があったと考えているところであります。

　　昨年度の６月と12月、２回実施しているわけですけども、その結果を見てみますと、学級満足度70％を超える学級数が１回目よりも２回目の方が増えてきているということで、より子どもの実態に応じた担任がその子どもに指導・助言をする機会が増えているということから満足度が高くなっているのではないかなと捉えているところであります。以上です。

○秋葉征士議長　９番今野孝議員。

○９番（今野　孝議員）　ありがとうございます。今日質問させていただきながら、改めて教育委員会と現場教師の間の温度差の大きさを感じているんです。

　　このＱ－Ｕアンケートにつきましても、現場の中では結構冷めて見ている教師がいるということをお伝えしておきたいと思います。それはどなたが見ても学習成立が困難だと思われる学級にあって、Ｑ－Ｕテストの成績がすごくいい。おかしいじゃないの、これはと。学習に集中できない子どもたちがいる学級のＱ－Ｕテストの結果が何でいいの。

　　つまりＱ－Ｕテストの限界がある。教師によっては高学年くらいになれば、大体どう答えるとこのテストの結果がよくなるかというのは子どももわかっている。期待される答えを選んで回答していく。だから繰り返せば繰り返すほど、学級の実態が見えなくなってくるというおそれがあるのではないかと思っている教師がおられる。そういうことをお伝えしておきます。

　　その限界を見極めながら活用していただくということになるんじゃないでしょうか。これが万能だなどと思ったら教育を誤ることになるのではないかと思います。

　　この項目の最後になるわけですけれども、評価についてであります。短期的な面と長期的な面があると。短期的な面は代表例としてですけれども、学力検査などペーパーテストの数値結果と、こういうふうな話でありました。しかし、これらの数値結果で評価できるのはあくまでも特定の教科、学年等における学力の一部一側面である。ここのところをきちっと現場の先生方あるいは教育委員会では把握していると思いますけれども、市民にもここのところを理解していただく必要があるんだろうと思うんです。そうでないと数値だけがひとり歩きをしてしまう。そしてまた、長期的な視点に基づく評価を子どもたちや父母に適切に返していただくということも重要になってくるのではないかと思います。

　　長期的な視点に基づく評価も大変重要と、このようなご答弁がございましたけれども、長期的な視点に基づく評価はどのようになされるのでしょうか。

○秋葉征士議長　石山教育長。

○石山泰博教育長　生きる力というのが、最終的には求められるとなります。そうするとテストとか先ほど登壇でも話しましたけども、活用力を高めるような問題なんかも大分工夫されてきまして、そういう力も見ることができるようになってきた。ただし、本当の資質的な面というものをどう見ていくかというのは非常に難しい。昔から研究されてきておりますし、今現在もどうやっていくのかということが非常に研究されているというところであります。

　　それで一例として、どういう方向でやるのかということとしては、１人ひとりの発言それから行動、発言にどういう態度をとるのかとか。いろんな発言とか行動とか態度とか、それから作品、そういうものをいろいろ積み重ねながら総合的にこの子どもはどういうふうな資質が身についているのかなというところを見ていく必要があるのではないかなと思っております。

　　ただそれを見とるためには、やはり教師自身の見る目といいますか、そういいう研修を十分していかないとペーパーテストのように数字がパンと出てくるものではありませんので、そこは非常に難しい。だから昔から、現在もそうですけども、そういう面で学校現場ではどうやっていくのかということで研究・研修を続けてるんではないかなと思っているところです。

○秋葉征士議長　９番今野孝議員。

○９番（今野　孝議員）　ありがとうございます。子どもを見るときに市長の言葉をお借りすれば広角的に見ることのできる市民が増えていけば東根市の子どもにとって幸いなことだと思います。したがってそういう評価を適切に父母・市民にお返しいただきたいと思っております。

　　私は学力向上というのはそんなに難しいことだと思ってないんです。学力向上を考えるのであるならば第一に子どもたちが喜んで登校できる学校づくりがポイントだと思います。

　　子どもたちが喜んで登校して、よく遊び、よく学ぶ。これは昔から言われていることですけれども、よく遊び、よく学ぶことのできる学校づくりができれば学力はおのずと向上すると思います。

　　流行に惑わされることなく教育の不易なるものにしっかりと目を向けて、そして学力向上策に取り組んでいただくようお願い申し上げまして次へ進ませていただきます。

　　最後の若年世代の所得対策の推進にかかわってでございます。正規雇用の推進、生活資金や住宅資金の支援、市内事業所の雇用確保などの推進が若年世代を中心とした低所得者の改善策につながるとのご答弁、理解いたしました。

　　ところで東京都では今年度から３年間で１万5,000人の非正規雇用者の正規雇用化を目指して、今働いている職場で正社員への転換をする企業へ助成をしたり、あるいは非正規労働者を正規社員に新たに採用する中小企業への助成などを始めている。東京都は財政規模が違うわけですけれども、これに26億円今年度は当てているという話があります。

　　東京都と比べるのは非常に厳しいかとは思いますが、本市においても独自に助成制度を導入してはいかがでしょうか。

○秋葉征士議長　片桐経済部長。

○片桐　崇経済部長　東根市独自の助成制度というご質問にお答えいたします。

　　本市が正規雇用者の増加に向けまして、独自に助成制度を導入するということでありますが、市内における事業所にて正規雇用という方々につきましては、必ずしも全員が市民であるということには限らないということでございます。市外の方も多くいらっしゃるということになってまいります。

　　したがいまして、一部市外の方も対象にするということになりますと、その事業に対しまして本市の事業費用を使うということになりますと、少し課題があるのではないかと考えられるわけでございます。

　　東京都と同じような広範囲な助成となることは、やはり県レベルとか、そういうふうにもう少し拡大したようなものでないと理解が得られないのではないかなと考えておりますのでご理解をよろしくお願いいたします。

○秋葉征士議長　９番今野孝議員。

○９番（今野　孝議員）　ご答弁ありがとうございます。了解いたしました。

　　市外の方を対象に市費は使えない。これは理解できます。それならば部長がおっしゃったように、県に期待するよりほかはなかろうかと思いますので、この制度、東京都に習って山形県も導入してくださるように強力に働きかけていただきたいと思います。

　　それともう１点、雇用労働予算の大幅アップを国に働きかけていただきたいと思うのです。というのはこの間、厚生労働省所管の社会保障関係に占める雇用労働予算の割合が年々右肩下がりで減少し続けているからであります。

　　2005年予算の中に占める割合が2.3％、4,460億円あったものが、2015年度、これは予算の段階ですけれども、わずか0.5％、1,679万円に。これでは有効な対策を打てない。もう東京都の予算よりちょっと多いというレベルになってしまいかねないわけですので、この点の働きかけをよろしくお願いしておきます。

　　次に介護現場の若年世代の所得対策についてお尋ねします。介護現場で働く若年労働者からは低賃金で子育てはおろか結婚すら考えられないとの声が聞かれます。

　　介護現場における若年労働者の所得対策を放置するなら、高齢化社会の担い手である介護人材の確保が困難になると考えますがいかがでしょうか。

○秋葉征士議長　髙橋健康福祉部長。

○髙橋　昇健康福祉部長　お答えいたします。

　　昨年度、市内の介護事業所への聞き取りを行ったところ、新たな事業を展開する際、大きな課題の１つが人材の確保であるという意見を多く聞いております。

　　また専門学校等の就学期間で介護職を養成するコースを選択する学生が減っていると、このようにも聞いているところであります。事業所によっては、勤務時間や資格、就労条件に幅を持たせるなど若年の人材だけでなく、幅広い年齢層を工夫しながら対応しているというのが実態のようであります。

　　しかしながら、このまま若年の介護職の人材を確保することが困難になれば事業所の運営自体にも支障を来すことが懸念されるところであります。したがいまして、このことは介護事業所の問題のみならず全国的な介護保険事業の課題であると、このように捉えているところであります。よろしくお願いします。

○秋葉征士議長　９番今野孝議員。

○９番（今野　孝議員）　いよいよ最後の質問になりますけれども、介護する人がいなければ高齢者が地域で暮らすことは困難になります。介護労働者の処遇改善は緊急の課題と考えますがいかがでしょうか。

○秋葉征士議長　髙橋健康福祉部長。

○髙橋　昇健康福祉部長　お答えいたします。

　　介護労働者の処遇改善についてでありますけれども、平成27年度の介護報酬改定におきまして介護職員の処遇改善加算が拡充されたところであります。

　　拡充の内容につきましては、雇用や労働環境等の改善を実施する事業所には職員１人あたり月額１万2,000円程度が上乗せされる仕組みになりました。このことにより若年世代を含めた介護現場での就労する方の所得や労働環境の一定の改善が図られていくものと理解しております。

　　しかしながら特別養護老人ホーム等の介護報酬は平成27年度の改定で2.27％の減額改定となっております。この減額が介護労働者への処遇低下につながらないのか今後動向を注視してまいりたいと、このように考えております。よろしくお願いします。

○秋葉征士議長　９番今野孝議員。

○９番（今野　孝議員）　ご答弁ありがとうございます。優秀な介護人材を確保できるか否かは、今後の本市のあり方を大きく左右するものと考えます。本市独自の施策の導入も視野に入れながら万全を期していただくようお願いしておきたいと思います。

　　以上をもちまして私の質問を終わります。ありがとうございました。

○秋葉征士議長　以上で、ご了承願います。

　　会議の途中ですが、ここで午後１時まで休憩をします。

　　　午後　０時１４分　休　憩

　　　午後　１時００分　開　議

○秋葉征士議長　午前に引き続き会議を開きます。

　　◎清野忠利議員質問

○秋葉征士議長　次に、16番清野忠利議員。

　　　〔１６番　清野忠利議員　登壇〕

○１６番（清野忠利議員）　農業政策と総合的になると思うんですけど、３点についてご質問申し上げます。

　　はじめに、果樹王国を宣言してから二十数年になります。その間、今日まで農家、行政、農協の努力により、果樹王国を守ってきました。感謝申し上げます。

　　だが近年、農家の高齢化、担い手不足と開発により農地が減少しております。産地間の競争で、厳しい状況下にあり、特にラ・フランスの減少とさくらんぼの栽培者の高齢化により廃作傾向もあります。

　　ほかの地区には、ここ２、３年で田んぼの減反政策が廃止、補助金がなくなるのを見込んで転作しようということで、金のあるうちに新種の導入し、栽培方法も変え、さくらんぼ日本一を目指しております。

　　日本一のさくらんぼ生産量を守るために、いち早く農家、行政、農協と一体となって対策を考えるべきだと思います。

　　次に、米の減反政策についてお伺いします。

　　昭和45年以来、減反政策が始まり、今日では４割強の減反政策で農家、行政、農協と多大な労力があって、米安定供給を保っております。

　　この間、田んぼは耕作放棄地が増え、山間地では荒れ放題の田んぼも見受けられます。このような状況下で、３年後には自由に米がつくれるようになります。主食米、加工米、飼料米等余儀なくされております。農家の不安もひとしおです。

　　廃止後の施策を行政、農協と一体となって考える時期です。この日本の国土を守るため、急がなければなりません。そんなことでお伺いします。

　　次に、今日マスコミでにぎわっているＴＰＰの問題についてお伺いします。

　　11月25日にＴＰＰの大綱が政府で決定しました。今日まで何年もかけて交渉し、成立し、日本も参加し、日本の産業全体の問題を検討しなければなりません。

　　私思うには、形は変わってますけど、明治維新以来の大きな国民の課題です。まだ、各国でも問題として取り上げられております。

　　やはり、これは、問題は問題として取り上げ、東根市は農工一体のまちづくりの市でありますから、改革を受けとめ、国の地方創生と一体となってマッチングさせて、孫、末代に悔いのない施策をし、対策委員会を早急に設置し、難問・問題を話し合い、市民に対しお知らせすることが解決策です。

　　このようなことから、執行部とともに我々も一緒に考えて市民の不安を少しでも取り除くようにお願いしたいと思います。

　　以上、登壇の質問を終わります。

○秋葉征士議長　16番清野忠利議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　清野忠利議員の農業政策と総合政策についてのご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、果樹王国さくらんぼ生産量日本一を守る政策についてであります。

　　本市は、生産量日本一を誇るさくらんぼをはじめ、ブドウ、モモ、ラ・フランス、リンゴなど、四季を通して品質の高い果物が生産される果樹王国であります。

　　将来にわたり、果樹王国ひがしねを全国にアピールし、とりわけさくらんぼ生産量日本一を守り、持続可能な力強い農業を実現するために、担い手となる農業経営者に対して効率的に農地を集積することが求められております。

　　このため、地域における営農形態の特性を分析し、農業を取り巻く課題の解決に向けた未来の設計図となる「人・農地プラン」を作成し、平成24年度からこれを実践する取り組みを行っております。

　　「人・農地プラン」の実現には、農地中間管理機構を活用することが効果的であることから、市内８地区に設立された農用地利用改善団体や、地域の農業委員との密接な連携、また、農協の支援協力等により、地域全体で取り組む体制を構築しております。

　　農用地利用改善団体の活動を活性化し、新規就農者や担い手農家に農地の集積を図り育成に努めることによって、持続可能な農業が実現するものと考えるところであります。

また、さくらんぼ生産に関する市の単独事業として、佐藤錦の安定生産に向けた受粉環境を整備するため、東根市佐藤錦生産環境整備事業を実施しているところであります。これは、ご案内のとおり、マメコバチ用の葦や繭の購入、ミツバチの購入及びレンタル、受粉用苗木と佐藤錦の苗木購入に対する支援を行うものであり、佐藤錦の生産環境の充実に大きく寄与しているところであります。

　　さらには、園芸産地活性化支援事業として、県の園芸農業に対する補助制度を活用し、加温ハウス及び無加温ハウス、省力化と軽労化を目的とした雨よけハウス整備に対して助成することによって、高品質で切れ目のないさくらんぼのリレー出荷が可能となる生産体制づくりに努めております。

　　これらの事業を積極的に展開することにより、効率的な農業経営を実現し、生産性の向上を図っているところであります。

　　今後とも、担い手の育成を中心に、各種補助事業等を活用しながら、日本一のさくらんぼ生産量を確保し続け、果樹王国ひがしねのさらなる発展に努めてまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。

　　次に、米の減反政策廃止後の施策についてであります。

　　ご指摘のとおり、長年にわたり実施されてきた米の生産調整政策、いわゆる減反政策につきましては、平成29年産米をもって廃止され、平成30年産米から新たな局面を迎えることとなります。

　　これは、平成26年度に国が示した、攻めの農林水産業における農政改革の１つであり、平成30年産米から行政による生産数量を目標の配分に頼らず、国が策定する需要見通し等を踏まえ、生産者や集荷業者、さらには団体が中心となって、需要に応じた生産に取り組みものであります。

　　農林水産省の発表によると、平成28年産米の全国的な生産数量目標は、前年度と比較し８万トン減の743万トンとなり、山形県は3,670トン減の34万830トンとなったところであります。

　　主食用米につきましては、消費量が毎年約８万トンの減少で推移しており、生産量と消費量のバランスが崩れたことが米価に大きく影響したものと捉えております。

　　主食用米の消費量が減る傾向は、依然として続いていくことが見込まれるため、今後は生産者の経営判断や販売戦略に基づき状況に応じた対応が求められることになります。また、主食用米の販売方法につきましても、従来から大きく変化し、生産者による新たな販売網の構築が可能となっているところであります。

　　本市における減反の実績は、飼料用米等が87.4ヘクタール、大豆等が120.5ヘクタール、果樹等が264.5ヘクタールであります。減反後は、果樹栽培に取り組む傾向が多く見られるものの、稲作のように機械化が進展しない果樹栽培を今後も拡大することは難しいのではないかと考えているところであります。また、加工用米については、新規需要米として位置付けられておりますが、年度ごとの需要量の変動が大きく、安定した受給体制が確立してない現状にあります。

　　一方で、飼料用米の需要につきましては、利用可能量として450万トンが見込まれておりますが、現段階における生産実績は11万トンであることから、今後、生産量の増加を図る余地があるものと考えております。

　　減反政策廃止後において、安定した稲作経営を実現するためには、各地域の特性を活かしつつ、転作を推進することに加え、飼料用米への転換によって、所得の安定を図ることが有効であると考えているところであります。また、食味の良い主食用米の生産に取り組み、消費者を獲得していくなど、農協をはじめとする関係機関と連携を図りながら、各種事業を推進してまいりますので、ご理解をお願いいたします。

　　次に、ＴＰＰの内容の開示と市民への周知、理解についてであります。

　　ＴＰＰの大筋合意受け、県内の対応策をまとめた、総合的なＴＰＰ関連政策大綱が今年４月に決定されたところであります。

　　本市にかかわりの深い農業部門における大綱の主な内容としましては、輸出額の増加、政府備蓄米の買い入れを増やし、米価下落を防ぐこと。さらには、牛肉、豚肉生産農家の赤字補填制度の法制化などが上げられます。

　　くわえて、工業部門においては、中堅中小企業等の市場開拓支援体制の強化、社会部門においては、知的財産の輸出促進等が上げられます。

　　ＴＰＰ協定の発効によって、我が国への様々なプラス効果が期待できる一方で、農業などへの影響が懸念されることから、政府は年内にその影響や評価についてわかりやすく説明を行うこととしております。

　　広大な市場において、競争を勝ち抜くために必要な競争力の強化につきましては、国を挙げて検討されているところでありますが、現段階では今年度の補正予算や新年度予算にどのように反映するのかが明らかにされていないところであります。

　　このような状況の中、本市といたしましては、国や県から提供される状況を的確に収集しながら、農業団体や商工関連団体など、ＴＰＰ協定に伴い影響を受けることが想定される団体と連携を図りながら、対応を検討してまいりたいと考えております。

　　ご提案の講演会につきましては、広範囲にわたる分野の中から、いかなるテーマを選定するか、対象をどう設定するかなど、多くの課題が想定されるため、当面は詳細な状況を集約するとともに、状況の変化を注視してまいりたいと考えております。

　　また、ＴＰＰに関する情報につきましては、随時ホームページや広報紙等を活用し、市民に周知を図り、不安の解消に努めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。

○秋葉征士議長　16番清野忠利議員。

○１６番（清野忠利議員）　さくらんぼの生産量と果樹王国ということで、さらなる発展を期しながら進んでいくということなんですけど、やはり、農業生産数を見ると、この農業センサスが５年間に一度なんですね。

　　それで、今ちょっと調べているんですけど、県内の農業の就業人口は2010年に比べて約１万1,000人ほど減ってるんですね、2010年です。そして、１年間200人が減っているということが、今のところの農業センサスの状況であります。これは、農業センサスが間もなく出てくると思うんです、５年ごとなものですから。それに耕作放棄地が700ヘクタールも増えてるんですね。

　　このような状況を見ると、やはり、農地の集約ということも非常に今後の大事な行政と農協との連携をしていかなくては、なかなか大変だと思います。

　　先ほど、市長の答弁の中でも中間管理機構ということで、去年から中間管理機構の事業がはじまりました。それで、約２万円ほどの補助金があります。

　　そのような中で、この中間管理機構の補助も非常にいい補助制度なんですけど、なかなか大変ですね。つくる人に対しては非常に大変な中間管理機構だなと、私は今思っているとこです。この補助事業で言えば、やはり点数をつければ約60点から70点ぐらいの点数でないかなという感じを持っているんです。

　　そんなことで、そんな数字の状況下にあるものですから、やはりまだ出てこないと思うんですけど、この数字がどのように変わってくれば、私も注目しておりますので、その面積増加というのがなかなか大変だと思うんです。

　　特に先ほどある地区とは言いましたけど、ある地域ではさくらんぼということで、生産量を日本一にしようと減反の補助金を利用して転作をする。そして、新品種、新しい生産の方法を取り入れて頑張っているということなんです。

　　やはり、東根市もそのような方向で、今後考えないと生産量日本一を守るために大変だなということなものですから、その辺、行政と農協が一体となって、頑張る覚悟をお願いしまして、またその辺の今後の方向をお聞きしたいと思います。

　　次に、減反なんですけど、減反が昭和45年からということで、私も言ってきたけど、減反の一番目的は、我々に説明したのは米の安定需給ということで、価格の安定需給という説明があったわけです。どうか、その辺をご理解いただきながら、利子割減反から始まって、今の４割２分ぐらいですか、減反になっているわけです。

　　ところが、米も市場制になりましてから、米の価格も非常に不安定な時期になっております。この減反が始まったときは、まだ統制下でありましたので、米の価格の安定のため、我々もこれを飲んだところでございました。

　　このようなことで減反が始まって、今42％ぐらいの減反を農家が守っているわけです。そして、米の減反率を100％超えたのが今年初めてです。今までは、ずっと米の減反率が超えたのがなくて、今年が初めてです。

　　これは、何かというと、いろんなことがありました。中間管理機構とか、ため池とかいうことで補助金もありまして、そのような方で農家の方も減反ということで協力していると思います。

　　そして、先ほど市長の答弁ですと、飼料米、加工米ということで、今減反の対象になっております。飼料米も東根市も若干あります。加工米が非常に多いです。加工米は最初は２等米ぐらいでいい米でした。今は、１等米を加工米ということで、農家の人が拠出しております。

　　そのような中、今後２年間で廃止になるわけですから、減反が。この方向を我々も見込んでおいて、何か対策をしなければ、この米の需給率がバランスが崩れまして、米の価格も下がってくると思います。

　　そのような方向の中で、飼料米がいいんじゃないかと。450万トンぐらいが不足しているということなんですけど。この後でちょっと申し上げますＴＰＰの問題にも畜産ということで、畜産も大打撃を受けるわけですから、今いる畜産の頭数も下がるか、上がるかこれは今後の課題だと思います。

　　そのようなことで、やはり飼料米、加工米ということで、いろいろなことを農協と一体にして検討していただくようにお願いしたいと思います。

　　その辺、今後、市としては農協と一体となって考えていくということなんですけど、その辺の方策をお願いしたいと思います。

○秋葉征士議長　片桐経済部長。

○片桐　崇経済部長　最初に、さくらんぼの収益性の確保ということにつきましてお答えいたします。

　　先ほど、市長の答弁にありましたけれども、さくらんぼの生産環境につきましては、平成20年度から、東根市さくらんぼ受粉環境整備事業、独自の対策といたしまして、佐藤錦の受粉用の苗木、それからマメコバチ用の葦の購入に対する支援、佐藤錦の受粉用の苗木と、それを支援を行ってきておりますけれども、平成26年度から新たにマメコバチの繭、それからミツバチの購入やレンタルにつきましても支援を行い、さらに佐藤錦自体の苗木購入につきましても支援をするということで、東根市佐藤錦生産環境整備事業といたしまして、より充実した生産環境の整備の支援を行っているところであります。また、さくらんぼの施設につきましては、山形県の補助制度を活用いたしまして、加温ハウスや無加温ハウスなどの施設園芸に対する支援を継続的に実施いたしまして、平成21年度からはさくらんぼの作柄安定を確保するために、通常より被覆時期を早めた雨よけハウスへの支援を展開してきたところでございます。

　　そして、今年度からは収益向上、それから安全性確保、省力化、軽量化などを目的として、低樹高化を行う雨よけハウスへの支援を実施してきているところでございます。

　　今後とも、さくらんぼにこだわりながら、これらさくらんぼの生産環境、施設支援事業を有効に活用しながら、品質の高い収益性の高いさくらんぼの生産を確立したいと考えておりますので、ご理解をお願いいたしたいと思います。

　　それから２つ目でございます。減反政策廃止後の施策ということでございますけれども、米の生産調整、いわゆる減反政策が廃止されるということについて、この稲作経営につきましては、東根市の地域特性、例えば東部とか西部につきまして、農業の形態が一部違うところがございます。そういうふうな地域特性を、この地域特性を活かした転作をしなきゃいけない。

　　それから、先ほど議員のご指摘にありました飼料米、それから加工米などへの転換の推進、それから、本当に食べておいしいという主食米の生産などについて、特に農協の指導部門を中心にしながら、安定した稲作経営ができるような状況把握に努めながら、米政策の大きな転換点だということを認識しながら、今後の動向について注視しながら進めてまいりたいと思っているところでございますので、ご理解をよろしくお願いいたします。

○秋葉征士議長　16番清野忠利議員。

○１６番（清野忠利議員）　大筋のことで、大体ご理解申し上げるんですけど、さくらんぼも果樹王国ということで、平成５年でしたか、宣言したんですから、我々も生産量日本一ということで、これを断固として守っていかなくてはいけないと思います。

　　我々議員もそうですけど、執行部の皆さんもそうでしょうけど、さくらんぼ生産量日本一の東根市ということで、あいさつの中には必ず入ってると思います。それを崩さないように、我々も一緒になって頑張っていきたいと思います。

　　また、減反のことなんですけど、飼料米、加工米、主食米ということで、これから進まなくてはいけないということなんです。

　　やはり、農家は今日言って明日つくるわけでないですから、２年、３年前から、対策を行っていかないと、農家の人が非常に不安がります。やはり、この減反政策も、首長が農家の皆さんに振り分けているわけですから、国、県、市ということで、首長の名前で我々の方に減反をしなさいということで来てるわけですから、その辺を認識しながら今後進めていただきたいと思います。

　　次に、ＴＰＰの問題なんですけど、去る11月25日にＴＰＰの大綱が決まりました。これは、先ほど私も登壇の中での説明したんですけど、我々は明治維新以来の認識の改革をしないと、このＴＰＰに太刀打ちできないんでないかなということを思っております。

　　このＴＰＰに参加することにより、日本の農業あるいは工業が大打撃になるということは、これからもいろいろ話し合い、議論しながら進めていくんですけど、その辺、市としてもちゃんとした認識を持ちながら、対策を考えておかないと、今後大変な時期が来るなということで思っているわけです。

　　果樹は５品目の中には入ってませんけど、畜産ということもありますし、また、米が一番大打撃を受けるということになっているんですけど、メディアは。大打撃を受けないような方法に今後進めなくてはいけないと思います。

　　米はうまい米ということで、今つや姫とか、112号とか、あと90何号とかということでデビューするような傾向も聞いております。

　　そして、やはり北海道がいろんな面で５品種の主食用の米をＰＲしております。我々もつや姫ばかりではなく、112号も来年あたりからはデビューしてくると思いますので、そのような方向も踏まえながら、ひとつお願いしたいと思います。

　　最後に、市長の答弁をお聞きしたいんですけど、ＴＰＰ対策委員会を早急に実行してもらえればなと思うんですけど、その辺、市長のお話をお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

○秋葉征士議長　土田市長。

○土田正剛市長　清野議員の質問要旨の中は、先般、山形県内の市町村長35人の首長の中で、ＴＰＰについてどう思うかという問いに答えて、私とほかに３人の首長が賛成と、ほかはどちらとも言えない、あるいは反対ということが出ました。

　　清野議員のその質問の要旨は、大部分の反対というのは、米に関してはみんな反対であると、市長の考え方を聞きたいというのが最も清野議員の質問の要旨であります。ですから、それに従って私はお答えをしたいなと思います。

　　確かに私が賛成と言ったことについて反響があるようであります。マスコミ自体も、先般、ＮＨＫの記者があなたは賛成ということに承知をしていると。なぜ賛成なんですか、勇気がありますねと、こんなことも言い添えました。

　　私、勇気でも何でもないなと思って、至極当然だと思っております。というのは、市の農業生産額、これは2010年のさっき数値がありましたけれども、私はそれよりももうちょっと新しいもので、平成22年、つまり５年前の数値がここにあります。

　　平成22年の統計でありますけれども、東根市の農業総生産額は127億4,000万円と出ております。そのうち、果樹一般関係については、大部分で82.5億円であります。そして、米に関しては16億4,000万円、比率にして12.4％という数字が出ております。

　　何も、だから私は賛成なんだということではないんであります。もちろん、さっき清野議員が指摘しましたように、守るべき農業５品目の中には、果樹はもともと入ってないわけであります。これは、裏を返せば果樹は立派に世界と渡り合えるということでもあるわけであります。

　　ですから、先般、私はテレビ局の収録でもその点を強調してきたわけでありますけれども、果樹関係に関しては、確かに果樹王国ひがしねということになっております。あえて、私の市政誕生のこの17年間の実績といたしまして申し上げるならば、果樹王国ひがしねと宣言してから、しかし、平成10年の観光果樹園の入込客数は、断トツで当時は寒河江市がトップでありました。17万人おりました。第２位が天童、第３位が上山、第４位が東根であったわけであります。

　　その当時の本市の農業を担っている果樹研究連合の方と私は市長就任以来、直後に話し合う機会を得ました。そのときは、彼らは一番技術力を持っていると、ですから、うまいものをつくれば客はついてくるんだという考えでありました。

　　しかし、これからというものは産地間競争がますます激化してくると、そういう中で東根は、やはりＰＲをもっとすべきであるということで、さくらんぼ東根駅というものを私はネーミングに成功したわけでありますけれども、以来、今日まで東根の入込観光客数は、今年は再び寒河江を抜いてトップに躍り出て、19万人の観光客数を誇っております。当時、第４位で入込客数は５万人程度であったわけであります。

　　そういうことが実績としてありますけれども、しかしながら、果樹については、価格面、味、品質においては、どこの国よりも私は世界で冠たる味をしめるのが東根あるいは山形県、日本の果樹だと思っております。

　　それは、先般のタイのバンコクに訪問したときも、当時議長であった清野議員も承知の上だと思っております。

　　そういうふうな中において、価格面で非常に高いということから、輸出にはなじまないのではないだろうかと見られておったわけでありますが、タイのバンコクでも830万人の人口の中で、実に日本人の平均所得を上回る所得ある方々が6.7％、数字にしますと56万人の方々が富裕層と言われております。

　　ですから、この富裕層をターゲットにすれば、十分日本の価格の高い果樹も太刀打ちできるということで、当時、タイのバンコクの高級デパートである百貨店に置いて、300グラム9,000円という価格で売れたわけであります。それは、議員もご存じのとおりであります。

　　ですから、そういうふうにタイに限らずマレーシア、あるいは香港、台湾、シンガポールも含めて、富裕層というのはどこにもいるわけであります。ですから、そういう富裕層をターゲットに絞った各面での売り込みというものは十分可能であるというものは肌身で感じてきたわけであります。したがって、そういう意味ではこれからＴＰＰにおいて、関税そのものがなくなるわけであります、果樹においてはほとんど。

　　ですから、それは好機と捉えて、やはり攻めの農業ということで、外国に打って出なくてはいけないと思っております。

　　しかし、議員がご指摘してるとおり、米あるいは畜産関係を中心として、非常に関税が低減されるということ、あるいは米については、関税そのものは守られたわけでありますけれども、しかし、価格の面でも、先般バンコクに行ったときも、非常に日本のつや姫はおいしいねと言われましたが、タイの米はご承知のとおり、60キロあたりせいぜい6,000円ぐらいであるということからすると、価格面で決定的な差があります。

　　したがって、今回のＴＰＰの大筋合意において、米においては、やはり備蓄米ということで、新たにＷＴＯでかつて合意した77万トンのほかに、今回約８万トンというものが輸入されるわけでありますけれども、これについては、生産者米価に影響を与えないように、いわゆる備蓄米に供すると。そして、５年後には飼料用米か外国のいわゆる低開発国に対する協力という形の中で使われるということで、生産者にいわゆる消費者価格に非常に影響を与えないと施策がとられていると思います。

　　むしろ私は、米の政策の中で今後心配になるのは、これもご指摘ありましたように、２年後にいわゆる減反政策の廃止であります。しかし、ほかに農業以外の商売においては、やはり自分の目でいわゆる市場調査をして、どのぐらいつくったらいいか、どのぐらいの商品を生産したらいいかなんていうことは、農業以外ではとっくにそれは当たり前になっているわけであります。

　　そういう中において、しかし、とはいうものの、米というのは、我々毎日食しているわけであります。やっぱり生活し、生きていくためにはなくてはならない大事な米であるわけであります。

　　それを、安定的に継続的に生産してもらうという意味の中においては、やはり国の大々的な支援ということが、是非私は必要であると思っております。

　　私の名前で減反政策をお願いしているということでありますけれども、これは、国から県に示されたことの中で、ただ、私の名前で自動的に減反政策ということで私の名前が使われているわけであって、私自身が政策決定をしたわけでも何でもないわけであります。ご理解を願いたいなと思っておりますけれども、米のいわゆる２年後のＴＰＰに活用のない、その減反政策がなくなったときの、いわゆる不安を解消するための国の大々的な施策、それからあるいはナラシ対策をもっと強化すべきであると思います。

　　と同時に、畜産関係においては、新マルキン政策と、いわば米で言うナラシ政策と大体似たようなものでありますけれども、これを一層充実させなければいけないと、やはり負の部分、やっぱり光があれば影があるわけであります。当然、そんなふうな意味の中では、その影の部分に当たるいわゆる米、あるいは畜産関係を中心として、やはりいろんな意味で国の施策というものを大々的に我々としては、産地の首長として、今後とも声を大にして声を上げ続けていかなければならないなと思っております。

　　しかし、ＴＰＰはご案内のとおり、農業だけではありません。いわゆる知的財産もあれば、あるいは国民皆保険としてのこの皆保険が今回のＴＰＰにおいて守られたということは、私は大きな特典ではなかったかなと思っているところであります。

　　十分回答になったかどうかわかりませんが、私の所感を述べまして回答といたしたいと思います。

○秋葉征士議長　16番清野忠利議員。

○１６番（清野忠利議員）　いろいろと答弁いただきまして、ありがとうございます。

　　やはり、ＴＰＰというのは非常に我々も認識しながら、今後の対応をしていかなくてはいけないと思っているところでございます。

　　もう来年から一番最初がブドウですから、来年はもうブドウが関税を撤廃して入ってくるという方向にもなっておりますので、次々と押し寄せてきますので、その辺をよろしくお願いしたいと思います。

　　減反もそうですけど、さくらんぼもそうですけど、中間管理機構でもあったんですけど、この辺で私思うんですけど、農協と行政と農家と一体となって、農業法人をそろそろ立ち上げなくてはいけないなということを思っているわけです。

　　ただ、農家だけの法人化ではなくて、行政とやはり農協と農家が一体となってつくった農業法人化を目指さなければいけないのではないかなと思っているところであります。

　　そのような、今後検討もしながら、市民の農家の方が幾らかでも払拭できるように、ひとつお願いしたいと思います。

　　以上でご質問を終わりたいと思います。市長お願いしたいと思います。

○秋葉征士議長　土田市長。

○土田正剛市長　私はＴＰＰに対する自分の持論だけ述べまして、ＴＰＰに関する検討委員会というか対策委員会を立ち上げるということについて、答弁が漏れました。

　　この件に関しては、私は今現在、県が中心になって要するにＴＰＰの影響などについて、情報収集をしているところであります。また、国自体も国会が開かれてないという段階の中で、いろんな意味で国の情報というものを収集している段階であります。

　　そういう意味では、刻一刻変わるわけでありまして、その中の意味では、まずは委員会の立ち上げというよりも、そういった情報収集と、これから刻一刻と私変わっていくと思いますので、そういうことも含めて、まずは情報収集に当たっていきたい、また、担当部課の方においても、そういうことで指示をしておりますので、ご理解をお願いしたいなと思います。

○秋葉征士議長　以上で、ご了承願います。

　　◎髙橋光男議員質問

○秋葉征士議長　次に、７番髙橋光男議員。

　　　〔７番　髙橋光男議員　登壇〕

○７番（髙橋光男議員）　皆さん、ご苦労さまです。７番髙橋であります。通告に基づきまして、本市の高齢者福祉の充実、特に認知症とその対応施策等について、質問をいたします。

　　厚生労働省の推計によれば、団塊の世代が75歳以上になる2025年には、認知症の人が約700万人となり、65歳以上の高齢者の５人に１人に達すると見られております。いわゆる2025年問題であります。

　　先月、埼玉県内で認知症になった家族の介護疲れや、将来に対する不安などを背景とした無理心中事件が発生しました。今年５月には本県の三川町でも発生しており、認知症と介護に関する事案は後を絶たない状況のようであります。

　　これらの裏づけとなることと捉えておりますが、総務省の平成24年就業構造基本調査の結果によれば、会社などで働きながら介護をしている人は約240万人、2011年10月から2012年の９月の間に、介護、看護のために離職した人は10万人を超えたとのことであります。いわゆる介護離職であります。

　　これは、１億総活躍社会の実現に向けて、緊急に実施すべき対策の１つとされているのはご案内のとおりであります。また、地元紙が特集をしましたが、孤立介護ということや、若年性認知症についても忘れてはならないものと考えます。

　　厚生労働省の2009年の推計でありますが、65歳未満の若年性認知症の人は、全国に約３万8,000人で、平均発症年齢は51.3歳とのことであります。職場、家庭で様々な役割を担っている方々だということを考えれば、行政はもちろん地域でも目・気・心の配りがされた施策が必要と考えます。

　　こうした状況を背景に、政府は今年４月、１つ、認知症へ理解を深めるための普及・啓発の推進、２つ、適時適切な医療・介護等の提供、３つ、優しい地域づくりの推進などを柱に認知症の人の意思が尊重され、できる限り住みなれた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指すとした認知症施策推進総合戦略、いわゆる新オレンジプランを作成したわけであります。

　　県では高齢化率30％という現状及び2025年などの課題を見据え、地域包括ケアシステムを目指した、やまがた長寿安心プランを定め、在宅利用、介護の連携、認知症施策及び介護予防、生活支援、社会参加等の取り組みを行っているところですが、６月の県議会予算特別委員会において、認知症施策に特化した行動計画を策定する方針を示しました。これは、国の新オレンジプランを受けてのことであります。

　　そして、新聞報道でもありましたとおり、やまがた長寿安心プランで示した認知症施策を体系的に整理するとともに、さらに詳細なものにした新戦略を来年４月を目途に策定するとのことであります。

　　本市は、県内では最も高齢化率は低いものの、2025年はもちろん、将来の超高齢社会を見据え、本市に適した地域包括ケアシステムを構築し、包括的な支援を進め、高齢者が住みよいまちづくりの指針となる、東根市老人福祉計画及び第６期介護保険事業計画を策定したわけであります。

　　そして、この計画に基づき、長生きするのも東根市を目指し、元気高齢者の社会参加と介護予防の推進、介護が必要な方に対しても、在宅の介護支援や施設系サービスを提供していると理解はしているところです。

　　しかしながら、この度の国や県における新たな戦略、行動計画の策定は認知症が一般的な病気として、そして誰もが無関係でいられないこと、認知症になっても安心して暮らせる社会の実現がこれまで以上に求められていることであり、国県を挙げて取り組む意思表示を表したものと考えます。

　　私は、本市においてもそのさらなる充実に向け、早急に取り組むべき重要な課題と捉えております。

　　そこで、本市の高齢者を取り巻く状況、認知症に特に関連すると思われるひとり暮らし高齢者数と、高齢者のみの世帯数、認知症患者数、徘徊の有無及びこれらに対する施策の状況について、まずお伺いします。

　　以上が登壇での質問であります。

○秋葉征士議長　７番髙橋光男議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　髙橋光男議員の本市の高齢者福祉の充実についてのご質問にお答えをいたします。

　　平成27年４月１日現在の本市の人口は４万7,724人となっております。このうち65歳以上の高齢者数は１万2,138人であり、高齢化率は25.43％となっております。とりわけ、ひとり暮らし高齢者数は1,134人、ひとり暮らし高齢者を含めた高齢者のみの世帯は2,514世帯となっており、年々増加している状況であります。

　　一方で、認知症高齢者数についてでありますが、今年１月に国が策定した、新オレンジプランでは、平成24年に置いて65歳以上高齢者の約７人に１人が認知症高齢者と推計しており、これを本市に当てはめますと、認知症高齢者数は約1,700人と推定されます。

　　また、今年４月１日現在で要介護認定を受けている第１号被保険者2,049人のうち、認知機能の低下があるとされる方は1,413人と要介護認定者の約69％の人に認知機能の低下が見られる状況にあります。

　　次に、認知症施策の状況についてでありますが、今年３月に策定した東根市老人福祉計画及び第６期介護保険事業計画において、地域包括ケアシステムの構築を重要事業として位置付け、各種施策を進めているところであります。

　　また、徘徊についてでありますが、村山警察署のまとめでは、昨年１年間で市内において33件の事案が発生していると聞いておりますが、幸いいずれも大事には至っておりません。

　　しかし、徘徊は在宅で認知症高齢者を介護する家族にとって非常に大きな問題であると捉え、昨年の10月から徘徊のおそれがある高齢者の早期発見を目的としたＳＯＳネットワーク事業を村山警察署や地域包括支援センター等、関係機関の協力のもとで実施しております。

　　さらに今年の４月から、地域包括支援センター内に認知症地域支援推進員を配置し、認知症高齢者とその家族からの相談受付や、医療や介護サービスへのつなぎの支援、認知症に関する正しい理解の普及啓発、家族介護支援などの取り組みを専門的に実施しております。

　　このように、認知症になってもできる限り住みなれた地域で暮らし続けることができるよう、支援体制を強化したところでありますので、ご理解をお願いします。

○秋葉征士議長　７番髙橋光男議員。

○７番（髙橋光男議員）　答弁ありがとうございました。私はこれに関しまして、昨年の第２回定例会でも質問させていただきましたが、当時伺ったことよりも高齢者世帯、約200世帯、それから認知症患者数でも約500人ほど増加してるのではないかと今伺ったところであります。

　　本市における高齢者を取り巻く状況、それから施策につきましては、ただ今答弁ありましたとおり重要事業と位置付けているということも含めて、その概要を理解をいたしました。

　　質問席からの質問に移らせていただきますが、新オレンジプランのモデルとなったのは福岡県の久山町というところだそうでありますけども、ここでは60歳以上の方が亡くなるまでの間に、その55％が認知症になるという、九州大学の大学院のデータがあるそうであります。これを考えれば、誰もが無関係ではいられないということであると思います。

　　本市でも例あると思っておりますけれども、高齢世帯の増加、それから転入者等が多くてコミュニティの希薄化などから、介護生活の一番の悩みは、近くに相談できる相手がいないこと。それから、手を貸してくれる人はいるんですけども、申し訳なさ、こういったことが先立って本音を打ち明けられない。それから人に打ち明けるのは嫌だと、こういったことがあるようであります。

　　そして、自分でやるしかない。それから、介護に対する予備知識、こういったものないまま、突然世話をするというケースがあるようであります。これは、先ほど述べさせていただきましたが、地元紙の特集記事、これにもあったとおりであります。

　　ただ今の答弁いただいたこと、それから、今述べさせていただいた現状、そして国の新オレンジプラン、県の行動計画案、これらを踏まえて、本市としてもさらに取り組むべき必要性があるだろうということを思われることを主に質問いたしたいと思います。

　　まずは、これまで取り組んでいただいていることでありますけども、認知症に関し努めて多くの方に理解を深めてもらうと、いわゆる普及啓発、これはまだまだ私自身は必要だと考えているんですが、そこで本市の認知症に対する普及啓発施策、これは現在どのようになっているのかということをお伺いをしたいと思います。

○秋葉征士議長　髙橋健康福祉部長。

○髙橋　昇健康福祉部長　お答えいたします。

　　認知症に対する普及促進策についてでありますけれども、市民１人１人が認知症に関する正しい知識や接し方を理解しまして、認知症の人や家族を温かく見守り、支援することが何よりも重要であるとこのように考えているところであります。

　　このようなことから、これまで市報において特集を組みまして、認知症に関する基礎知識や支援サービス、さらには介護予防の徘徊等について広く周知を行ってきたところであります。

　　また、認知症に対する正しい理解を市民全体に広げていくためには、認知症サポーター養成講座が非常に有効なものと考え、積極的に実施しているところであります。よろしくお願いします。

○秋葉征士議長　７番髙橋光男議員。

○７番（髙橋光男議員）　市報で特集されたところ、私も読ませていただいた記憶がございます。

　　それと、認知症サポーターの養成講座、これをもって普及啓発しているということ承知しました。

　　昨年は、市職員の方々もしていただいたと理解を、認識をしているところであります。

　　このサポーターということにつきまして、国の新オレンジプラン、これではサポーターの養成の目標、これまでの29年度の末まで、これは600万人と定めていたということでありますが、新たに今度800万人まで引き上げるとしております。

　　これは、国民の15人に１人の割合だそうであります。資料によれば、県の方でも独自の目標設定をするようであります。本市の方でも、先般、総合戦略の中ではいろんな各種目標設定ということでございましたが、サポーターの人数ですとか、あるいは場合によっては地域ごと定めるとか、特性があるんでしょうから、そういったことで目標設定して、より具体的に行うべきではないかと思います。

　　そして、先般も申し上げました。私２回受けておりますが、それ以降、特段の活動等は、錬成訓練といいますか、連動を上げるためのということを特段はしているわけではありません。しかしながら、そういった施策、要は活性化するような、新聞報道等でもありますとおり、声かけ訓練とか、あるいは情報交換会、こういったことについても検討すべきだろうと思いますが、どのようにお考えでしょうか。

○秋葉征士議長　髙橋健康福祉部長。

○髙橋　昇健康福祉部長　お答えいたします。

　　県の認知症施策推進行動計画によりますと、市民10人に１人の認知症サポーターを養成する目標としております。

　　本市においては、約4,800人を目指してまいりたいと、このように考えております。

　　なお、平成20年度から開始しましたサポーター養成講座の実績は、2,840人となっております。地域の各種団体のみならず、市内の小中学校や企業の方々から積極的に受講をしていただいております。

　　今後は、地域で実態を考慮しました養成講座の開催を実施してまいりたいと、このように考えているところであります。

　　サポーター活動の活性化についてでありますけれども、認知症高齢者が安心して暮らすとができる地域づくりには、サポーター養成講座受講者、その後の育成が重要であると、このように考えているところであります。

　　このようなことから、議員ご指摘のとおり、情報交換会の開催を通しながら、受講済みのベテラン認知症サポーターの方々が、新たなサポーターを養成していく仕組みでありますとか、区長さんや民生委員・児童委員、福祉推進員等と連携をしまして、活動できる仕組みづくりなどを研究してまいりたいと、このように考えているところであります。よろしくお願いします。

○秋葉征士議長　７番髙橋光男議員。

○７番（髙橋光男議員）　サポーターの方の、県の方の目標、それからサポーターの養成目標数ということで承知しました。

　　現在、2,840人ということになりますと、大体17人ぐらいの市民に対して１人ということだろうと思います。

　　ただ今、答弁にもありました学校関係でも講座開催してるということにつきましては、私の方も資料見まして、子どもたちが自分の将来とか、それから家族あるいは地域のことなど考える上で非常に役立つものだということで評価できることと今思ったところであります。

　　講座は社会福祉協議会というか、包括支援センターへの委託事業だろうと思っているところでありますけども、具体的な目標設定ですとか、それから活性化に向けた取り組み要領、あるいは検討事項、こういったことを提示して、連携して事業を展開していくというのでは、非常にやりやすくなるんだろうなと思いますので、是非よろしくお願いをしたいと思います。

　　次に、今期の計画にもあります初期集中支援推進事業に関しての質問であります。

　　これは、新オレンジプラン、それから県の行動計画案でも打ち出された認知症の容体に応じて、適時適切な医療と介護の提供などの一環と理解をしておりますけども、新聞報道では本県の設置状況、これは12市町で設置されているということであります。

　　本市の場合を見ますと、国が定める機関、これは2018年の４月までに事業が開始できるように検討していくということで表現になっているわけでありますが、この中で指定するお医者さんの方が問題になるんだろうと思いますけども、その条件ということを考えれば、大変なことだなと思っているところであります。

　　したがいまして、この認知症そのものは一般的な病気であること、それから早期発見、早期対応ということで、進行を抑えたりすることができるということとか、今後を見据えた場合には、できるだけ早く設置に向けた行動をすることが必要だと思います。

　　県の方でも、その行動計画の案では、一緒の各項目標を設定するとの報道もあるわけであります。こんな中で、本市の現状と、それから今後どのように進めていこうとしているのかということについて、お伺いしたいと思います。

○秋葉征士議長　髙橋健康福祉部長。

○髙橋　昇健康福祉部長　お答えいたします。

　　初期集中支援チームにつきましては、平成30年４月までに全市町村で設置することとなっているところであります。

　　現在、市内には認知症の専門医がいないことから、専門的な治療が必要な認知症の方々は、近隣の天童市、尾花沢市、河北町などの病院を受診している状況であります。

　　認知症の対応において重要なことは、先ほどもご指摘あったように、早期診断、早期発見、早期対応であると考えていることから、本人あるいは家族の方を専門的見地から総合的に支援していく初期集中支援チームは、認知症対策の中で極めて重要なものと捉えているところであります。

　　そのためには、今後は支援チームの設置について、認知症の専門医の確保とともに、チーム員となります各専門職の構成等を検討しまして、東根市医師会や北村山地区医師会、地域包括支援センターなどの関係機関と連携を図りながら、平成29年度末の設置に向けて取り組んでまいりますので、ご理解をお願いします。

○秋葉征士議長　７番髙橋光男議員。

○７番（髙橋光男議員）　わかりました。医師不足と叫ばれている昨今でありますので、県との連携というのも必須だろうと思います。

　　ただ今ご答弁ありましたとおり、関係機関等と密接な連携を図っていただいて、早期に配置されるよう要望をさせていただきます。

　　また、ここの中で、このチームの中で、大きな働きが期待されているのが、先ほども出てきたかと思いますけど、認知症の地域支援推進員と言われております。したがいまして、その能力向上ということについても、是非ご配慮もあわせてお願いできればと思ったところであります。

　　それから、次は孤立介護の対策、あるいは東根、新しいまちだと私は思っているところでありますが、新しいコミュニティの形成策にもなると捉えているところであります。認知症の人とそれから家族に優しい地域づくりということについてであります。

　　これまで申し上げましたけれども、介護者のストレスなどから認知症の症状に悪影響あるいは負担の増大といった悪循環に陥ることが少なくないと。また、若年性認知症の症状ということも考えますと、相談体制あるいは地域における支援体制づくり、これは大きな大事なことと思います。

　　相談体制とか、それから地域による支援体制づくりをどのように考えておられるのかをお伺いをいたします。

○秋葉征士議長　髙橋健康福祉部長。

○髙橋　昇健康福祉部長　お答えいたします。

　　認知症に関する相談体制の充実についてありますけども、県の行動計画の中に相談対応力向上や若年性認知症への相談強化といった施策が盛り込まれております。

　　本市においては、先ほど市長の答弁にもあったように、今年４月から地域包括支援センターに認知症地域支援推進員を配置しまして、身近な相談機関として機能強化を図っているところであります。今後とも、さらなる相談体制の充実を進めてまいりたい、このように考えております。

　　次に、地域支援体制についてでありますけれども、地域の理解と支援が必要不可欠であることから、地域住民や民生委員・児童委員、包括支援センターなどと市が連携しながら、認知症高齢者に対し、包括的な支援を行っていくことが重要であると、このように考えているところであります。

　　今後は、介護保険事業所等との連携を図りながら、支援体制も必要になってくると捉えているところであります。

　　今年５月ですけども、市内に初めて温泉町に認知症カフェがオープンしております。認知症の方や家族が気軽に利用しまして、家族間、地域との交流拠点となるよう、普及啓発や有効活用に向けた取り組みを実施していきたいと、このように考えております。

　　また近年、若年性認知症の方への対応についても話題となっていることから、早期発見、早期受診の普及に加え、企業への啓蒙も必要になってくるだろう、このように考えているところであります。よろしくお願いします。

○秋葉征士議長　７番髙橋光男議員。

○７番（髙橋光男議員）　ご答弁ありがとうございました。温泉町の認知症カフェ、先般、私も行ってお話を伺ってまいったところであります。そういうのがもっと増えればいいなと思ったところでありました。

　　県の方の行動計画、今度市の方にも落ちてくるんだろうと思いますけども、それから、本格的な取り組み、開始なされるんだと思いますが、ご答弁いただきまして、今後の考え方など承知いたしました。

　　先般、認知症に関して、寒河江市の市民大会で講演した群馬大大学院の山口先生は、認知症は長生きした人の特権、それから上手につき合ってみんなで助け合うことが大切ということで述べられたんだそうであります。なるほどと思います。

　　現在、本市の方では家族介護者交流激励支援事業ということで行っていると承知しておりますけども、これを充実させていただくということとともに、ただ今答弁ございました認知症カフェ、こういったものがさらに市の中央部ですとか、それから南部地区、こういったところまで増えたり、あるいは誰もが気軽に行けるようになってくれればなと思ったところであります。

　　長生きするのも東根市の実現というのは、私自身は若いお父さん、お母さん、それから子どもたちが安心して住める、それから誇りに思うまち、東根の実現につながるんだろうと理解をしているところであります。

　　避けて通れないだろう認知症というのは、一般的な病気だということを何度も申し上げましたが、普及啓発、そして早期発見、早期治療できる体制、それから認知症、これは多様な特性といいますか、対応があるそうでありますので、そういったことを理解した上で、本市に適した相談体制、それから地域支援体制づくり、さらに推進していただくよう要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○秋葉征士議長　以上で、ご了解願います。

　　◎散　　　　　会

○秋葉征士議長　これで、本日の日程は全部終了しました。

　　本日はこれで散会をします。

　　ご苦労さまでした。

　　　午後　２時１４分　散　会