平成２７年９月７日　午前１０時００分　開　議

　　　　　　秋　　葉　　征　　士　議長　　　　　　　浅 野 目　　幸　　一　副議長

◎出席議員（１８名）
　１番　　　片　　桐　　勝　　寿　議員　　　　　　　２番　　　山　　科　　幸　　子　議員
　３番　　　高　　橋　　鉄　　夫　議員　　　　　　　４番　　　白　　井　　健　　道　議員
　５番　　　河　　村　　　　　豊　議員　　　　　　　６番　　　原　　田　　利　　光　議員
　７番　　　髙　　橋　　光　　男　議員　　　　　　　８番　　　細　　矢　　俊　　博　議員
　９番　　　今　　野　　　　　孝　議員　　　　　　１０番　　　加　　藤　　信　　明　議員
１１番　　　阿　　部　　綾　　子　議員　　　　　　１２番　　　髙　　橋　　ひ ろ み　議員
１３番　　　清　　野　　貞　　昭　議員　　　　　　１４番　　　森　　谷　　政　　志　議員
１５番　　　佐　　藤　　　　　直　議員　　　　　　１６番　　　清　　野　　忠　　利　議員
１７番　　　浅 野 目　　幸　　一　議員　　　　　　１８番　　　秋　　葉　　征　　士　議員

◎欠席議員（なし）
◎説明のため出席した者の職氏名
土　田　正　剛
市　　　　　　長

石　山　泰　博
教　　育　　長
武　田　庄　一
選挙管理委員会
委　　員　　長

小　林　文　雄
代表監査委員
工　藤　喜惠治
農業委員会会長

本　間　芳　次
消　　防　　長
間木野　多加志
副　　市　　長

半　田　　　博
総　務　部　長
矢　萩　和　広
市民生活部長

髙　橋　　　昇
健康福祉部長
片　桐　　　崇
経　済　部　長

本　田　　　剛
ブランド担当部長
滝　口　亮　一
建　設　部　長
兼 水 道 部 長

今　野　和　行
会計管理者
古　谷　利　明
教　育　次　長

石　垣　裕　之
総合政策課長
浅野目　　　勇
庶　務　課　長
併選挙管理委員会
事　務　局　長

芦　野　耕　司
財　政　課　長
網　干　　　賢
監　査　委　員
事　務　局　長

菊　池　忠　芳
農 業 委 員 会
事　務　局　長


◎事務局職員出席者職氏名
斎　藤　吉　則
事　務　局　長

安　達　好　浩
事務局長補佐
井　上　正　宏
議事主査
兼議事係長

辻　村　　　充
副　　主　　任
松　山　朋　美
主　　　　　事

鈴　木　敬　一
兼　務　書　記
早　坂　康　弘
兼　務　書　記


◎議　事　日　程

　　　　　　　平成２７年９月７日（月）　午前１０時　開　議

　日程第　１　　市政一般に対する質問
　　　　　　　　１　　９番　今　野　　　孝
　　　　　　　　２　　３番　高　橋　鉄　夫
　　　　　　　　３　　１番　片　桐　勝　寿
　　　　　　　　４　　２番　山　科　幸　子
　　　　　　　　５　　４番　白　井　健　道
　　　　（散　　　　　会）


◎本日の会議に付した事件

　議事日程第２号に同じ。
平成２７年東根市議会第３回定例会一般質問発言通告書

番 号
質 問 者
質 問 事 項
質 問 要 旨
答 弁 者
１
今野　　孝
議　　　員
１．安全保障関連法案について
１．憲法審査会に招かれた憲法学者全員が、安全保障関連法案は違憲との判断を示されたが、市長はどのように判断しているか。
２．圧倒的多数の国民が、安全保障関連法案について「政府の説明は不十分」と感じている。国民の理解を深めるべく徹底審議をすべきと考えるがどうか。
市　　　長
２．子どもの貧困対策について
１．子どもの貧困対策は、日本がかかえる大問題の一つと考える。本市の子どもの貧困の実態はどうか。
２．子どもの貧困対策法は、教育・生活・経済的支援などの施策づくりを国や地方自治体の責務とした。本市は、どのような施策を講じたのか。
市　　　長
教　育　長
３．マイナンバー制度について
１．内閣府の２月公表の世論調査では、国民の制度理解は不十分であった。本市の市民の理解のレベルはどの程度であるととらえているのか。
２．マイナンバー制度の下では、国が個々の市民の情報を把握することが可能となるが、個人情報は保護されるのか。
３．すでに社会保障番号を導入しているアメリカでは、個人情報の大量流出・不正使用が大問題となっていると聞くが、日本は大丈夫か。
４．マイナンバー制度の導入によって、市民にはどんな利益がもたらされるのか。
市　　　長


番 号
質 問 者
質 問 事 項
質 問 要 旨
答 弁 者
２
高橋　鉄夫
議　　　員
１．災害対応・地域防災力の充実強化策について
１．昨今の気象（エルニーニョ）現象等において、予想される災害等対応の分析・準備状況について
２．地域防災力の向上策について
３．東根市地域防災計画の改正・見直しについて
市　　　長

３
片桐　勝寿
議　　　員
１．農業における６次産業化について
１．「まち・ひと・しごと創生基本方針2015」に具体的取り組みとして「６次産業化の推進」がうたわれており、市の「総合戦略」に盛り込まれるものと推測されるが、市の６次産業化に対するビジョンはどうなっているか。
市　　　長
２．企業の地方拠点の誘致について
１．「まち・ひと・しごと創生基本方針2015」の中で、本社機能の移転または地方において拡充を行う事業者に対する税法上の支援措置等の運用を速やかに開始することをうたっているが、本市においては、企業の本社機能を市内に誘致するということに対し、どのように考えるか。
市　　　長
４
山科　幸子
議　　　員
１．神町小学校移転改築について
１．本市の主要施策である学校教育施設整備事業として、８月12日の全員協議会において、神町小学校移転先の候補地が示された。そこで、神町小学校移転改築にかかる次の４点について伺う。
　（１）事業年度および建築規模、事業費の概要について
　（２）通称 赤門前交差点道路整備を含む交通安全対策について
　（３）学区の再編について
　（４）小学校移転に伴う神町学童保育所の整備について
市　　　長
教　育　長
５
白井　健道
議　　　員
１．再生可能エネルギーについて
１．日本では少子化による人口減少が大きな課題となっているが、世界規模で見た場合には依然人口は増加（現在70億人→2050年予想90億人）しており、食糧不足、エネルギー不足が懸念される。
　　このような状況の中、ＦＥＣ※自給圏という考えに基づき地域社会を守っていくという考えがある。
　　本定例会においては、地域経済の活性化や雇用創出、さらには住民自治力の向上につながるなど「地方創生」に大きく貢献することが期待されている再生可能エネルギーについて伺う。
　（１）「大けやき環境基本計画」における「施策の展開方向」（①エネルギーの安定確保、②再生可能エネルギーの導入による地域の活性化）の現状について
　（２）太陽光パネルへの補助の今後の動向、産学官金の連携、住民組織の活用などについて
　（３）行政の果たすべき役割について
　　　　行政の直営事業として対応している例もあるが、一般的には民間企業、住民組織、ＮＰＯ法人などが主体となり取り組む事例が一般的である。
　　　　このような中で、行政として取り組むべきこと、取り組めることは何か伺う。

　※Ｆ：Foods(食糧)、Ｅ：Energy(エネルギー)
　　Ｃ：Care(医療、福祉、教育など)
市　　　長





　　◎開　　　　　議

○秋葉征士議長　皆さん、おはようございます。本日の会議に、欠席及び遅刻の届け出はありません。したがいまして、出席議員の数は18名で定足数に達しておりますので、これから本日の会議を開きます。
　　本日の会議は、議事日程第２号によって進めます。

　　◎市政一般に対する質問

○秋葉征士議長　日程第１　市政一般に対する質問を行います。
　　質問は通告順としますが、発言順番を迎えたときに議場にいない場合は発言権の放棄とみなしますので、そのようにご了承願います。

　　◎今野　孝議員質問

○秋葉征士議長　はじめに、９番今野　孝議員。
　　　〔９番　今野　孝議員　登壇〕
○９番（今野孝議員）　おはようございます。９番今野　孝です。通告に従い一般質問を行います。
　　はじめに、安全保障関連法案にかかわって、お尋ねいたします。
　　９月４日、東根市戦没者追悼式に参列して、平和を願う子どもたちの思いに触れることができました。そして、恒久平和を希求する日本国憲法９条を、何としても守りたいとの思いを強くいたしました。
　　しかし、安全保障関連法案の国会提出によって、平和憲法が危機に瀕しております。この法案が強行されれば、自衛官の命が危険にさらされることは、この間の国会論戦で明らかにされました。
　　本市では、多くの自衛官が市民生活を営んでおります。市民の生命財産を守る責任を負っている市長として、安全保障関連法案についてどのようなご認識を持っておられるのか、２点お尋ねいたします。
　　一つ、憲法審査会に招かれた憲法学者全員が、安全保障関連法案は違憲との判断を示されましたが、市長はどのように判断しておられるのでしょうか。
　　一つ、圧倒的多数の国民が安全保障関連法案について、政府の説明は不十分と感じております。国民の理解を深めるべく、徹底審議をすべきと考えますが、いかがでしょうか。
　　次に、子どもの貧困対策にかかわって、お尋ねします。
　　厚生労働省は、国民生活基礎調査において、2012年の日本の子どもの貧困率は16.3％と、過去最悪の数字を更新したことを発表しました。日本の子どもの６人に１人は貧困状態にあるということになります。ひとり親世帯の子どもの場合はさらに深刻で、半数以上が貧困にあえいでおります。昨年９月25日に放送されたＮＨＫクローズアップ現代は、子どもの貧困問題を取り上げました。番組は、経済的理由で十分に食事ができない子どもたちが増えたことを告発しました。お年玉を生活費に充て、米を買っている事例。１人当たりの一日の食費は329円。食事が一日一食だけで、体重が減少している子ども等々、深刻な実態が次々と紹介されました。
　　そこで、子どもの貧困にかかわって２点、お尋ねいたします。
　　一つ、子どもの貧困対策は、日本が抱える大問題の一つと考えます、本市の子どもの貧困の実態はどうなっているのでしょうか。
　　一つ、子どもの貧困対策法は、教育、生活、経済的な支援などの施策づくりを国や地方自治体の責務といたしました。本市は、どのような施策を講じたのでしょうか。
　　最後に、マイナンバー制度にかかわって、お尋ねします。
　　日本弁護士連合会情報問題対策委員会委員長の坂本団弁護士は、マイナンバー制度について、警察や税務署による番号利用は聖域となっており、国民がチェックできないことや、成り済まし犯罪を防ぐものとなっていないと指摘しております。この指摘通りであるとするならば、実に恐ろしい制度と言わなければなりません。そのマイナンバー制度が、今年10月５日からスタートします。
　　そこで、４点お尋ねいたします。
　　一つ、内閣府の２月公表の世論調査では、国民の理解は不十分であった。本市の市民の理解のレベルは、どの程度であると捉えているのか。
　　一つ、マイナンバー制度のもとでは、国が個々の市民の情報を把握することが可能になるが、個人情報は保護されるのでしょうか。
　　一つ、既に社会保障番号を導入しているアメリカでは、個人情報の大量流出、不正使用が大問題となっていると聞きます。日本は、大丈夫なのでしょうか。
　　一つ、マイナンバー制度の導入によって、市民にはどんな利益がもたらされるのでしょうか。
　　以上、お尋ねして、登壇での質問といたします。
○秋葉征士議長　９番今野　孝議員の質問に対し答弁を求めます。土田市長。
　　　〔土田正剛市長　登壇〕
○土田正剛市長　おはようございます。今野孝議員のご質問にお答えいたします。
　　はじめに、安全保障関連法案についてであります。
　　終戦から70年目を迎える今年、全国各地において戦争で尊い生命をなくされた方々を供養し、永遠の平和を祈る式典が開催されたところであります。我が国は、ご案内のとおり世界で唯一の被爆国であり、戦争による惨禍は筆舌に尽くしがたいものでありました。こうしたことから、本市は昭和59年、世界各地における武力紛争の頻発、核兵器保有国間の核軍拡張競争の激化を背景に、非核三原則の堅持と人類永遠の平和を願い、非核平和都市宣言を行ったところであります。また、今年、人権擁護委員東根部会の新たな取り組みとして、各小学校の協力を得て「平和の折り鶴」を作成し、去る９月４日に開催された市戦没者追悼式において、戦争の犠牲となった御霊にささげたところであり、これを広島市の平和記念公園「原爆の子の像」のもとに贈ることとしております。
　　ところで、今回、政府が提出した安全保障関連法案の背景には、特に東アジアにおける国際的な緊張の高まりなど日本を取り巻く安全保障環境が、大きく変化していることが根本にあると認識しているところであります。また同時に、市民の安全・安心な暮らしを守る責務のある自治体の長として、その動向を注視しているところであります。今後とも、国は恒久の平和と国際的な安定を守り続けることに、最大限の努力を払わなければならないと考えるところであります。また、世論調査の結果などから国民の間に様々な意見があることが報道されておりますが、この案件は防衛の根幹にかかわるものであり、国の責任において丁寧な説明を行い理解を深めるとともに、国民の声にしっかりと耳を傾け、幅広い議論がなされることを期待するものであります。なお、同法案が合憲か違憲かという判断については、自治体の長として主体性の判断を下すことは控えさせていただきたいと思います。
　　次に、本市の子どもの貧困対策についてであります。
　　全国的に子どもの貧困の実態は深刻な問題であり、子どもの貧困対策を推進するための基本となる事項を定めた「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が、平成26年１月に施行されたところであります。また、法に基づき、同年８月に国が策定した「子どもの貧困対策に関する大綱」によって、全ての子どもたちが夢と希望を持って成長していける社会の実現を目指す具体的な方針が、国から示されているところであります。
　　本市の状況についてでありますが、生活保護受給世帯は微増となっており、平成26年度末では124世帯146人でありました。そのうち、18歳未満の子どもがいる世帯数は３世帯６人であり、平成23年度より増加している状況にあります。また、経済的な理由により就学援助費を受給している要保護、準要保護の児童生徒数も毎年増加しており、市内の全小中学生数に占める割合は平成26年度で7.3％、人数で305人となっております。貧困の状況にある子どもについては、社会的に孤立することが多いと言われております。また、子どもの将来が、生まれ育った環境に左右されることがあってはなりません。今後とも、「生活支援」や「学習支援」の充実を図るとともに、養育している保護者への経済的な支援につながる、「就労支援」をあわせた総合的な貧困対策を講じることが重要であると考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
　　次に、マイナンバー制度についてであります。
　　国民、一人一人に12桁の番号を割り振り、社会保障や税にかかわる情報を、正確かつ円滑に管理・運用し、国民の利便性向上や行政の効率化につなげる制度が、マイナンバー制度であります。今年10月には、個人に対するマイナンバーの通知が始まり、平成28年１月からは年金を除く社会保障や税務関係、さらには災害対策の分野での活用が見込まれております。
　　全国におけるマイナンバー制度の認知度につきましては、ご指摘のとおりであり、また民間のリサーチ会社が、仙台市民を対象とし本年４月に実施した調査においても、「内容まで知っている」との回答は、ほぼ同様の回答率であったと聞き及んでおります。本市における認知度のレベルについてでありますが、市民のみを対象とした調査を実施していないことから、正確な数字は把握できておりません。しかしながら、これまでも市報等により制度の周知に努めてきたところであり、さらに今後は認知度や制度の進捗状況等を踏まえながら、丁寧に対応してまいりたいと考えておりますので、ご理解とご協力をお願いいたします。
　　次に、マイナンバー制度のもとで、国が個々の市民の情報を把握することが可能となるが、個人情報は保護されるのかという質問についてであります。
　　マイナンバー制度の運用に伴い、個人情報の漏えいや、国等による個人情報の一元化について懸念する声があります。マイナンバー制度においては、情報漏えい等事案の未然防止及び事案発生時の拡大防止を図るため、制度面、システム面で必要な措置を講じ、国民の個人情報漏えいによる権利侵害を防ぐこととしております。制度面においては、法律に定めのある場合を除き、個人番号をその内容に含む個人情報、いわゆる特定個人情報の収集・保管が禁止されております。また、個人番号を収集する際の本人確認の義務づけ、特定個人情報の管理状況についての第三者機関の監視、法律違反に対する罰則の強化などが定められているところであります。
　　一方、システム面においては芋づる式に個人情報が収集されることのないよう、税情報は税務署、というように個人情報を各行政機関等が保有し、分散して管理することとされております。また、平成29年１月からは「情報提供等記録開示システム」が稼働し、自分の特定個人情報をいつ、誰が、なぜ提供したのかを確認することができるようになるところであります。今後、本市における特定個人情報の適正な取り扱いについて万全を期すため、管理体制の整備、教育研修の実施、特定個人情報の取り扱い区域の限定、不正アクセスの防止など、多面的に個人情報の保護に資する「安全管理に関する基本方針」の策定を検討しておりますので、ご理解をお願いいたします。
　　次に、個人情報の大量流出や不正利用についてでありますが、今年５月に日本年金機構へのサイバー攻撃により、大量の年金記録情報が漏えいしたことは記憶に新しいところであります。これを受け、政府が年金記録に関する特定個人情報についての情報連携について、先送りすることを決定したことはご案内のとおりであります。マイナンバー制度においては、様々な安全管理措置が講じられることとされておりますが、米国における社会保障番号制度と異なり、情報の分散管理、利用目的の限定、本人確認の徹底等により、安全度の高い制度設計であるとされておりますので、ご理解をお願いいたします。
　　次に、マイナンバー制度によってもたらされる市民の利益についてであります。
　　先に申し上げましたとおり、マイナンバーは当面、社会保障や税務関係等の手続において、主に活用されるものと捉えております。ご質問の、マイナンバー制度導入による個人の利益についてでありますが、一般的には添付が求められる証明書の簡略化等により、申請時における負担の軽減が図られることや、業務間での連携が強化され、その結果、手続の時間が短縮されること等が挙げられておりますので、ご理解をお願いいたします。
○秋葉征士議長　次に教育長に答弁を求めます。石山教育長。
　　　〔石山泰博教育長　登壇〕
○石山泰博教育長　私の方から、本市における、貧困の対策に寄与する子育て支援策についてお答えします。本市では、中学生までの子どもの医療費を無料化する子育て支援医療給付制度や、低所得者やひとり親世帯に配慮した保育料の設定、また、就学が困難と認められる市内小中学生の保護者に対する、就学援助などによる経済的及び学習環境の整備に関する支援を実施しております。さらに、家庭相談員や母子・父子相談員を福祉課窓口に配置し、国や県等の支援制度の紹介や問題解決に向けた相談体制を整備しているほか、平成27年４月より、生活困窮者自立支援法に基づく自立相談支援事業を開始し、東根市社会福祉協議会やハローワークなどの関係機関と連携を図りながら、生活困窮者の抱える複雑多岐にわたる相談に対応するための支援体制を、強化しているところであります。
○秋葉征士議長　９番今野　孝議員。
○９番（今野孝議員）　ご答弁ありがとうございました。
　　引き続き、質問席から２問目以降の質問を続けさせていただきます。
　　最初に、安全保障関連法案についてであります。
　　どんな世論調査でも、国民の５割以上が安保関連法案は憲法違反、このように回答しております。さらに、６割以上が今国会での成立に反対という意思を表明しております。また、８割以上が政府の説明は不十分、このように回答しているわけであります。８月30日には、安保関連法案の廃案を求めて、12万人の人が国会を包囲いたしました。全国1,000カ所以上で、数十万人もの人が行動したとも言われております。県内でも、山形、上山、米沢など各地で集会が持たれ、参加者が市内をパレードしました。私も、雨の中ではありましたけれども、山形での集会に参加してまいりました。山形集会には、元内閣法制局長官で弁護士の阪田雅裕さんが、次のようなメッセージを寄せられました。
　　「今、国会で審議中の法案が通れば、集団的自衛権の行使、つまり自衛隊が外国に出かけていって戦うことができることになります。これは、日本の国の形を大きく変えるものです。集団的自衛権の行使をはじめとして、海外での武力行使ができないからこそ、自衛隊は憲法９条が保持を献ずる戦力ではない、政府は、60年間一貫してこのように言い続けてきました。集団的自衛権を行使できるのであれば、自衛隊は外国の軍隊と変わらないことになります。このような重大な憲法解釈の変更をしようとしているのに、それがなぜ必要なのか、政府は安全保障環境が変わった、国民の命と暮らしを守るために必要だと繰り返すばかりで、納得できる説明がありません。言うまでもなく憲法は、統治権力が守らなければならないルールです。それを守るべき立場にあるはずの政府自らが、好き勝手にルールを解釈するのは、ゲームのプレーヤーが自分の都合に合わせてルールを変えるのと同じです。こうした暴挙を許せば、日本はもはや法治国家ではなくなります。国民一人一人の声がこの国を守る力になると信じ、皆様のご奮闘を切に願うものであります。」
　　阪田さんが、元内閣法制局長官であったということで、ちょっと長いですけれども引用させていただきました。
　　政府与党が、主権者である国民多数の意思をないがしろにして暴走するならば、国民主権の大原則を蹂躙する歴史的大暴挙と言わなければなりません。執行部におかれましても、このような暴走をストップすべく速やかな行動をとられるよう要望申し上げまして、次へ進めさせていただきます。
　　二つ目、子どもの貧困についてであります。
　　就学援助を受給している要保護、準要保護の児童生徒は7.3％とのご答弁がありました。全国の就学援助率は15.6％と、子どもの貧困率とほぼ同じレベルの数字となっております。これと比べると、本市の援助率は低過ぎないでしょうか。援助を必要としている子どもたちに行き届いているのでしょうか、お尋ねいたします。
○秋葉征士議長　石山教育長。
○石山泰博教育長　お答えします。
　　まず、就学援助制度についてでありますけども、学校教育法の規定に基づきまして、要保護、準要保護の児童生徒の保護者に、学用品とか、それから学校給食費などの学校教育に必要な援助を行う制度となっておりまして、自治体間で費目ごとに援助額に多少の差異はありますけども、全国的に共通した援助制度になってるところであります。
　　本市の状況を見ますと、社会的背景を踏まえまして、要保護、準要保護の児童生徒数は年々少しずつ増加しております。それに伴って、就学援助の割合も少しずつ増加しているというのが現状となっております。本市の就学援助率が、全国に比較して低い水準にあるものの、援助を必要としている方々には行き届いているものと考えているところであります。今後とも、児童生徒の家庭環境を注視しながら、必要とする保護者に十分な就学援助制度となるよう、引き続き必要な経済的支援を行っていきたいと考えているところであります。
○秋葉征士議長　９番今野　孝議員。
○９番（今野孝議員）　ありがとうございます。
　　子どもの貧困は、非常に見えにくいと、こういうふうに言われているわけでありますので、これからもさらに子どもたちの様子に注目しながら、必要な支援が行き渡るように要望申し上げておきたいと思います。
　　ここに、「「子どもの貧困対策に関する検討会」大綱案に盛り込むべき事項について（意見の整理）（案）」という文書が、これ議会事務局に取り寄せていただいたものですけれども、大綱をつくるに当たって、委員会で４回ほど議論して、それをまとめたもののようであります。この中に、こういう表現があるんです。「学校から子どもの貧困に関する問題発信ができるような学校運営体制の構築」、こういう記述があります。この点についてのお考えを、お尋ねしたいと思います。
○秋葉征士議長　古谷教育次長。
○古谷利明教育次長　それでは、私の方からお答えさせていただきます。
　　議員のご質問のとおり、児童生徒の貧困についてはわかりにくいというお話でした。児童生徒に関しましては、１日の大半を学校で過ごしていることから、学校では児童生徒の会話や生活の記録などから、家庭環境の状況や変化に早い段階で気づくことができると考えております。様々な困難を抱えた児童生徒の悩みを積極的に受けとめられますよう、学校現場ではそれぞれの児童生徒の家庭環境を踏まえた指導に努めているところでございます。
　　具体的には貧困を理由として、児童生徒が情緒面で不安定にならないよう心の相談員を配置したり、貧困家庭の児童生徒に適切な保護ができるよう、市の要保護児童対策等地域協議会などと連携しまして、福祉関係機関との情報共有やネットワーク構築を行ったりしているところでございます。今後も、貧困家庭の児童生徒を早期の段階で生活支援や福祉制度につなげていけるよう、学校現場と情報を共有しながら連携に努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
○秋葉征士議長　９番今野　孝議員。
○９番（今野孝議員）　ありがとうございます。
　　ご答弁にもありましたけれども、学校というところは、子どもが１日の大半を過ごすところであります。そこで、子どもに十分目配りすることができるようになれば、支援を必要とする子どもの発見も可能になるのかなと思っているところです。しかし、今の教育現場に、重ねてこの任務を要求するということは、なかなか難しいだろうと私は思っております。人員の配置等についても、ご答弁ありました。その点は十分お願いしたいとして、まずは、担任の教師が子どもと触れ合う時間を確保するということが本筋なんじゃないでしょうか。そのために、多忙を解消して頂く。そのことをお願いしておきたいと思います。
　　次に、中学生までの子どもの医療費を無料化する、子育て支援医療給付制度を実施しているとの答弁がありました。この制度は、全ての子どもの健康を守る上でも大きな役割を果たしており、さらなる拡充を図るべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○秋葉征士議長　矢萩市民生活部長。
○矢萩和広市民生活部長　私の方からお答えさせていただきます。
　　現在本市では、出生から中学３年生までの医療費について、入院、外来を問わず、窓口負担の無料化を図っているところであります。特に、乳幼児は病気に対する抵抗力も弱く罹患しやすいことから、窓口負担をなくすことにより早期の受診、治療を促しまして重症化を防ぐとともに、子育て世代への経済的支援を図っているところであります。高校生につきましては体格も成人に近づき、自ら健康管理あるいは予防ができることから受診率も下がって、家計の負担も少なくなっているという実情がございます。県内では遊佐町の方で、18歳まで医療費の無料化を進めていますが、費用対効果や就学している者、あるいは就職している者の公平性等において、まだ時期尚早かなと思っているところであります。よろしくお願いします。
○秋葉征士議長　９番今野　孝議員。
○９番（今野孝議員）　ありがとうございます。
　　ここに、ちょっと一つの資料があるんですけれども、宮城、長野、大阪の保険医協会、歯科保険医協会の調査では、学校歯科検診で要治療とされた子どものうち、小学生の半数、中学生の３分の２が受診していない。私も教育の現場におりましたので、治療勧告というのが異常があると出されるんです。そして、治療が終わったらそれを学校に提出するとなってるんですけれども、宮城、長野、大阪で調査した結果では、小学生の半数、中学生の３分の２が受診していない。その結果、口腔崩壊の子どもたちも少なくないというんですね。もう、歯がぼろぼろになってしまう。一方で、本市と同様に中学３年までの無料化を実施した群馬県では、無料化後、虫歯処置完了の子どもが全国平均を上回りました。医療費無料化が、所得の違いに関係なく全ての子どもの健康を守る上で、大きな役割を果たしていることは明白です。こういう資料であります。それはやっぱり、高校生になっても同じようなことが言えるんじゃないかなと思ってます。費用対効果というご答弁がありました。それももちろんあるでしょう。いろいろ検討していただく必要があるとは、私も思います。しかしやっぱり、全ての子どもにそういう体制を整えていくということは、考えていただくべきことなのではないかなとも思っております。また、程度の違いはあれ、全国の地方自治体が多かれ少なかれ、子どもの医療費無料化に踏み出しているときに、国の対応が非常に冷たいんですよね。そういうところも、市長もいろいろ市長会の中あたりで主張しておられるわけでありますけれども、国が一歩踏み出していただければその分をもって、市の財源を確保することもできるということなので、いろいろな方法をご検討いただきながら、是非早い機会に、高校３年生までの医療費無料化の実現をお願いしておきたいと思います。
　　次に、低所得者や、ひとり親世帯に配慮した保育料の設定をしているとの答弁がありました。
　　先ほどお示しした、「子どもの貧困対策に関する検討会」の資料であります。そこには、就学前の教育の充実について、次のような記述がございます。
　　「教育に対する投資の中で、就学前教育への投資が成人後への貧困への影響が最も大きいため、幼稚園の無償化等による幼児教育に係る低所得世帯の保護者負担の一層の軽減に取り組むことが必要」という記述がございます。
　　幼児教育に係る負担軽減を、さらに強化すべきではないかと思いますが、この点についていかがお考えでしょうか。
○秋葉征士議長　髙橋健康福祉部長。
○髙橋昇健康福祉部長　お答えいたします。
　　低所得者や、ひとり親世帯に配慮した保育料についてでありますが、子ども・子育て支援新制度における保育料につきましては、国の基準を上限としまして各市町村が定めることとされております。以前の議会においても、ご答弁申し上げたところでありますけれども、新制度に移行の際、過剰な負担増とならないよう、本市では新制度以前の水準を維持した保育料の設定を行っているところであります。したがいまして、本市の保育料設定そのものが国の基準よりも低く、約80％に設定していることに加えまして、ひとり親世帯への配慮したものとなってるところであります。
　　具体的に、市町村民税非課税世帯を例に申し上げますと、３号認定、いわゆる３歳未満児でありますけれども、月額児童１人当たりの国の基準では9,000円のところを、本市では7,200円と設定しており、さらに市町村民税非課税世帯でひとり親世帯である場合は０円、保育料が免除になるところであります。このような形で負担軽減を実施しておりますので、ご理解をお願いします。
○秋葉征士議長　９番今野　孝議員。
○９番（今野孝議員）　ありがとうございます。
　　それではもう１点、「子どもの貧困対策に関する検討会」の資料からであります。この中に、高校段階の奨学のための給付金の拡充という項目がありまして、「平成26年４月より開始された奨学のための給付金について実施状況を把握しつつ拡充することが必要」、このような記述がございます。本市における需給状況はどのようになっているのかお尋ねしたいと思います。
○秋葉征士議長　古谷教育次長。
○古谷利明教育次長　それでは、私からお答え申し上げます。
　　高校の授業料無償化制度が見直された後、授業料以外の教育費の負担軽減を目的に創設された、高校生等奨学給付金、いわゆる奨学のための給付金につきましては、平成26年度から、県が実施する事業として行われているところであります。この制度は、市町村民税の所得割額が非課税である世帯が対象となっておりまして、平成26年は当時の高校１年生、今年度は現在の高校１年生と２年生の保護者を対象として、申請に基づき給付されているところであります。県では市町村ごとの受給人数は把握していないとのことですけれども、平成26年度の給付実績は山形県全体で1,397人となっておりますので、よろしくお願いいたします。
○秋葉征士議長　９番今野　孝議員。
○９番（今野孝議員）　ありがとうございます。
　　必要なところに行き渡るように、さらにこれからも注意深く、子どもたちあるいは保護者の生活実態を把握していただくように、お願いしておきたいと思います。
　　さらに、「子どもの貧困対策に対する検討会」のペーパーの中に、次のような記述がございます。学資の援助、教育の機会を保障するような奨学金等の経済的支援の充実という項目に「大学の進学率は家庭の所得による格差が大きく、また親兄弟など家族の自己犠牲がないと進学できない現実がある。そのため、無利子奨学金の拡充、有利子奨学金の卒業後の利子に対する利子補充」私が注目したのは、その次の記述なんです。「給付型奨学金の創設、さらに貸与型奨学金の返還ルールの柔軟化、返還期限猶予期間を無期限とすること、少額でも返還可能とすること等」と書いてあります。「実現に向けて取り組むことが必要。民間の給付型奨学金については、成績要件が厳しく成績優秀な人がもらい、経済的に厳しい人には行き渡らない現実があり、民間奨学金の充実のための情報提供と各種実施団体との連携が必要である。」
　　残念ながら、貧困家庭にある子どもというのは、学力面でもちょっと低く出てしまうんですね。生活が困難でありますから学習に集中できない、あるいは親御さんのサポートが十分に受けられないなどという実態があっての結果だと思っておりますけれども、それだけに、本市においても給付型奨学金の創設を図っていただくよう、これは要望でございます、要望して次へ進めさせていただきたいと思います。
　　次は、マイナンバー制度についてであります。
　　はじめに、制度及び法律の正式名称をお尋ねしたいと思います。
○秋葉征士議長　半田総務部長。
○半田博総務部長　私の方から、お答えいたします。
　　はじめに、マイナンバー制度の正式の名称でございますが、「社会保障・税番号制度」ということになってございます。また、マイナンバー法の正式な名称ということになりますけども、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」となってございます。どうぞよろしくお願いします。
○秋葉征士議長　９番今野　孝議員。
○９番（今野孝議員）　ありがとうございます。
　　私も、この正式名称を理解したのはつい先日なんですけれども、結構、言い得て妙かなと。名は体をあらわすといいますか、正式名称は「社会保障・税番号制度」、ある意味わかりやすいなと。この制度の目的が、ここに中心的な目的があったと理解するわけです。国民の利便性が上がるよという説明は、後から取ってつけた後づけのものなのかななどと、私は感じているところです。
　　ところで、７割以上の国民が理解していない現状での制度導入に、疑問を私は持ちます。同様に、本市の市民の認知度も全国水準と考えていいんじゃないかなと。低いと推察される現状において、制度の周知徹底こそ急務だと考えますがいかがでしょうか。
○秋葉征士議長　半田総務部長。
○半田博総務部長　お答えいたします。
　　本市におきましてはこれまでも、今年の７月１日号、さらに９月１日号で市報に掲載して、周知を図ってきたところでございます。今後は、番号の通知が10月に出されるものでございますので、10月１日号の市報に掲載する予定をしているところでございます。さらに、国や県との連携を強化して、制度周知に努めたいと考えているところでございます。
　　一方で、マスコミ等で取り上げられる機会も増加してございまして、国民、市民の関心が高まっているのではないかという期待もしているところでございます。先日３日、内閣府が世論調査の結果を発表しまして、内容を知らない方がご指摘の時期の１月よりも、少々改善されたように報道が最近なされたところでもあります。いずれにいたしましても、最も重要なことはご指摘のとおり、制度の周知であることから、情報を見極めながら、丁寧に市民に制度の周知を図っていきたいと今後とも考えてますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○秋葉征士議長　９番今野　孝議員。
○９番（今野孝議員）　ありがとうございます。
　　ちょっと私の記憶が定かでないんですが、封建領主の政治の要諦といいますか、「よらしむべし、知らしむべからず」というのがあったと記憶してます。従わせなさい、でも十分に理解してもらう必要はないんですよと、こういうことかなと思っていますけども、最近の安倍内閣のやり方を見てると、まさに「よらしむべし知らしむべからず」というのをひたひたと進んでいるような気もするわけであります。
　　それはそれといたしまして、漏えいは防げないという、先ほどの坂本弁護士の指摘もあるわけですけれども、そういうふうな中で万が一、市民の個人情報が漏えいした場合、本市の責任は免れないと思うんですけれども、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
○秋葉征士議長　半田総務部長。
○半田博総務部長　お答えいたします。
　　故意や過失によりまして、漏えいがもたらされた場合ということになろうかと思いますが、マイナンバー法の規定によりまして、罰則が強化されて規定されているところでございます。本市においては法の趣旨、特定個人情報保護委員会の見解等に従いまして、適正な事務執行に努めてまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。
○秋葉征士議長　９番今野　孝議員。
○９番（今野孝議員）　ありがとうございます。
　　私は、職員の過失によって漏えいするということはそんなに考えてないんですけども、ハッカー等によって持ち出されるということを想定してるわけです。これは、国の制度ですから国の計画に従って、市としては粛々と事務を進めていくことになるのは仕方のないことかと思いますが、それにしても、もし万が一、情報が漏れたときということを、常に念頭に置いていただきたいと思っているわけです。
　　また、特定個人情報へのアクセス記録を、個人自ら「マイナポータル」で確認できるとありましたけれども、そういうことであるならば、インターネットに接続しているということになるわけかと思います。そのインターネットの隅々まで、高いセキュリティを確保するのは不可能という指摘もあるんですが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
○秋葉征士議長　半田総務部長。
○半田博総務部長　お答えいたします。
　　今、ご紹介ありましたように「マイナポータル」というのは、自分の特定個人情報を確認できる、「情報提供等記録開示システム」の通称でございます。このシステムについては、インターネットを介しまして、自分の情報を確認できるシステムということになってます。自分の情報が、いつ、誰が、なぜ提供したかを確認できるシステムということを聞いてるところでございます。その手法については、カード読み取りキーを経て、パスワードを組み合わせて個人認証されているということでございますので、情報セキュリティに配慮されたシステムではないかなと捉えているところでございます。
　　一方で、年金情報の流出問題を受けまして、マイナンバー法案と年金機構との連結が１年４カ月ほど延期されたのもご案内のとおりでありますが、年金機構のセキュリティがその間に図られるのではないかとも考えているところでございます。いずれにいたしましても、情報化の進んだ近年は、情報通信技術、また情報セキュリティの攻防、これは日進月歩であるのではないかなと捉えておりまして、今後も国の厳重な管理を期待していこうと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○秋葉征士議長　９番今野　孝議員。
○９番（今野孝議員）　最後の質問になります。
　　本市の特定個人情報保護評価の現状について、お尋ねしたいと思います。
○秋葉征士議長　半田総務部長。
○半田博総務部長　お答えいたします。
　　マイナンバー法に基づきまして、個人のプライバシー等の権利利益の保護の観点から、特定個人情報保護評価を実施するということにされております。
　　本市におきましては、今年の２月、内閣府の特定個人情報保護委員会に対しまして、住民基本台帳に関する事務、そして地方税の負荷調整に関する事務について、特定個人情報保護評価書を提出いたしまして、個人情報の保護を宣言した上で、一部システムの改修を行っているところでございます。今後につきましても、本市が個人番号を利用する事務につきましては、この評価を適切に実施しまして安全性を高めていきたいと思っております。ご理解をお願いしたいと思います。
○秋葉征士議長　９番今野　孝議員。
○９番（今野孝議員）　ありがとうございました。
　　ここに、「住民と自治」という小冊子があります。これの2014年11月号に、登壇で申し上げました坂本弁護士の論文が掲載されております。見出しだけ紹介しておきます。
　　「静かに進むマイナンバー制度、自己情報の行方、マイナンバー制度の問題、プライバシーの重大な危機」とこういう見出しがあって、プライバシーの危機が５点列記されております。これを読むと、私なんかは何と恐ろしい制度と、こういうふうに思うわけであります。執行部の方にもコピーを、おあげしておきましたけれども、十分学習していただいて、市民のプライバシー保護に万全を期してくださるよう強く要望して、私の質問を終わります。
　　ありがとうございました。
○秋葉征士議長　以上で、ご了承願います。
　　会議の途中ですが、ここで午前11時10分まで休憩します。
　　　午前１１時０１分　休　憩

　　　午前１１時１０分　開　議

○秋葉征士議長　休憩前に引き続き会議を開きます。市政一般に対する質問を続けます。

　　◎高橋鉄夫議員質問

○秋葉征士議長　３番高橋鉄夫議員。
　　　〔３番　高橋鉄夫議員　登壇〕
○３番（高橋鉄夫議員）　おはようございます。３番高橋鉄夫です。新人の一番手となります。よろしくお願いいたします。
　　通告に従いまして、災害対応、地域防災力の充実強化策についてご質問させていただきます。
　　さて、東日本大震災から４年半を迎えようとしておりますが、未だ復興の目途は立たず、本市にも32世帯92名の方々が避難を余儀なくされております。また、昨今のエルニーニョ現象は、死者74名を出した平成26年８月広島市の土砂災害、平成19年から26年までの平均竜巻発生確認数61件、また本市においても、平成25年７月大雨による最上川増水時の避難勧告発令、平成26年３月国道48号沿いの雪崩等、各地に災害をもたたらすとともに、災害の身近さ怖さを実感するものであります。災害発生を未然に防ぐことはできませんし、災害対策は災害発生時にどう迅速に対応するかが大切であることはもちろんですが、それ以上に平時にどう備え、どう情報共有し、どう連携を図るのか、訓練しておくかが重要なことは、言うまでもありません。それは、事前対策を行っておくことで、被害は大幅に軽減できるからです。その意味で自助、共助、自分たちのまちは自分たちで守る高い意識と気概、公助、公的支援機能が一体となった防災力の充実強化を図る必要があると考えます。その観点から、３点お伺いいたします。
　　１点目は、昨今のエルニーニョ現象において予想される災害等対応の分析、準備状況についてであります。
　　エルニーニョ現象は、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米のペルー沿岸にかけての広い海域で、海面水温が平年より高くなることが１年程度続く現象ですが、今年７月の平均気温は16.61度で21世紀全体の７月の平均と比べ0.81度高く、１月から７月の平均気温も14.65度で、21世紀の平均より0.85度高く、また海上と海面をあわせた地球全体の１月から７月の平均気温が、観測記録が残っている1880年以降で最も高かったといった分析結果を８月22日に米海洋大気局が発表しております。また、エルニーニョ現象発生時は、一般に夏に台風の中心気圧が低く、秋に台風の寿命が長くなると言われております。この海水温の変化が大気の流れを変え、日本付近の気圧配置に影響を及ぼすことで、災害が起こり得る可能性が高くなると考えられております。そこで、エルニーニョ現象により予想される災害への対応や分析、準備状況についてお伺いいたします。
　　２点目は、地域防災力の向上策についてであります。
　　阪神・淡路大震災の例によれば、救助において自助、共助、すなわち市民、地域、隣人等により救出された割合が95％以上だったというデータがあります。細部を見ると、隣人・家族等が80％の割合を占め、いかに身近な人の救出活動が大事なものかを知ることができます。公的機関も当然被災しますし、交通機関の遮断等、助けに行きたくても行けない状況も認識しなければなりません。救出方法、救出機材等の準備、その要領の確立による実践のための防災力の向上が求められます。そこで地域防災力の向上策についてお伺いいたします。
　　３点目は、地域防災計画の改正・見直しについてであります。
　　地域防災計画は、市の実情に即して防災関係機関が防災に関して、実施すべき事項などを具体的に定めた計画であります。昨今の異常気象状況等において予想される災害に対応するには、各防災関係機関がそれぞれの役割を熟知し、迅速に対応するための準備が必要であります。そこで地域防災計画の改正・見直しについてお伺いいたします。
　　以上で、登壇での質問とさせていただきます。
○秋葉征士議長　３番高橋鉄夫議員の質問に対し答弁を求めます。土田市長。
　　　〔土田正剛市長　登壇〕
○土田正剛市長　高橋鉄夫議員の災害対応、地域防災力の充実強化策についてのご質問にお答えいたします。
　　はじめに、エルニーニョ現象等により予想される災害への対応や分析、準備状況についてであります。
　　議員ご指摘のとおり、エルニーニョ現象による地球規模での気象の変化は、我が国においても様々な影響を及ぼし、この１年も、多くの自然災害をもたらしたところであります。過去に例を見ない不安定な気象状況と自然災害の頻発に対応するため、気象庁では平成25年８月に「特別警報」を創設したところであります。また、内閣府は平成27年８月に「避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドライン」を改定し、災害危険箇所から非難することの重要性を、従来にも増して強調したところであります。
　　本市におきましては、予想される土砂災害、河川の氾濫などに迅速に対処するため、河川管理者である国や県をはじめ、気象台などからの情報をいち早く入手し、これを対象地域に正確に伝達できるよう自主防災会との連携を図るとともに、登録制メールを導入しているところであります。また、平常時における危険想定についての情報提供として、「洪水ハザードマップ」を配布しております。さらに今年度は、土砂災害警戒区域を示したハザードマップの作成に着手しております。地震に対する備えといたしましては、「地震ハザードマップ」を配布し、震度想定エリアの市民への周知を図っております。また、公共施設の耐震化も順次進めており、小学校と中学校は既に完了しているところであります。さらに、災害時に緊急情報をいち早く伝達する、デジタル防災行政無線の整備も計画しており、これによって、今後、より一層の防災力向上が図られるものと考えております。
　　次に、地域防災力の向上についてであります。
　　一たび災害が発生すれば、被災者も救助し、なおかつ自分も安全に避難することは非常に困難であり、近隣住民や地域の方々とお互いに助け合う、共助を実践していくことが重要であります。阪神・淡路大震災や東日本大震災などの甚大な災害の現場においては、消防などの公共機関による救助には時間を要し、救助の機会も限られることが明らかになりました。こうした災害の現場においては、近隣住民が互いに助け合い、避難所においても励まし合う「共助」の実践が、多くの被災者の命を救うことにつながったところであります。
　　本市における自助、共助の実践といたしましては、全ての地区の97団体で自主防災会が組織されており、避難訓練や防災訓練を適宜計画し、市や消防本部と連携しながら予想される災害に対する備えを、より実践的、効果的に行い、防災力の向上を図っているところであります。さらに、各地区の自主防災会で組織する、市自主防災連絡協議会では、県が主催するリーダー研修会などへ会員を派遣し、地域での自主防災活動のリーダー育成を図っております。本市におきましては、このような自主防災会の活動を促進するため、防災資機材購入に係る補助制度の運用、市民の参画による総合防災訓練や図上防災訓練の実施、さらには防災講習会の開催など、自主防災会の育成や市民の意識向上に努めているところであります。くわえて、平成28年度に移転する神町公民館につきましては、市の指定避難所としての機能を持たせるとともに地域の防災拠点として位置づけ、整備するものであります。
　　次に、地域防災計画の改定についてであります。
　　本市では災害対策基本法に基づき、市民の生命、身体及び財産を災害から保護する支援として、東根市地域防災計画を策定しているところであります。これは市民生活の各分野にわたり、重大な影響を及ぼすおそれのある災害に対処するため、災害の予防対策、応急対策並びに復旧復興対策について、必要な内容を定めたものであります。特に、近年は記録的な大雨や台風が大規模災害発生の原因となっており、さらに、これらの災害が年々複雑化する傾向にあります。こうした状況を踏まえ、地域防災計画の修正を現在進めており、東根市防災会議の協議により改定を行うこととしております。
　　いつどこで発生するかわからない自然災害を未然に防ぐことは、非常に困難であります。被害を少しでも減らすためには、市民自身、また、その家族が災害に対する備えの意識を強く持つことが最も重要であることから、今後とも市民の防災意識の向上に向けた施策を継続して行い、安全安心なまちづくりを進めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○秋葉征士議長　３番高橋鉄夫議員。
○３番（高橋鉄夫議員）　ご答弁ありがとうございます。
　　これ以降は、質問席での質問を続けさせていただきます。
　　先ほど市長から、本市の地域防災計画の改正・見直しについてご答弁をいただきました。現在、進めているというお話でございました。平成23年３月11日東日本大震災の教訓を受け、平成25年４月全面改正があり、計画に基づき平成26年度に東根市総合防災訓練を実施したわけでありますが、その検証結果、また昨今の災害の特性と対応要領等を踏まえ、改正・見直し等の予定がどういうものかお伺いいたします。
○秋葉征士議長　半田総務部長。
○半田博総務部長　それでは、私の方から答弁させていただきます。
　　ご指摘のように、本市の地域防災計画については、平成25年度に改定を行ったところでございます。市長の答弁にもありましたけれども、その後に平成25年８月、気象庁の特別警報が創設され、また本年８月、内閣府による避難勧告等の判断・伝達マニュアルの作成ガイドラインの一部が改正されたところでございます。このような状況を踏まえて、現在、改定作業を行っているところでございます。一方で、河川管理者である山形県の方が、避難判断水位の見直し作業を行っておりまして、本年度中にこれが決定されるということを聞いてるところでございます。
　　したがいまして、地域防災計画の改定時期は、避難判断水位を決定する県の水防協議会の開催時期に左右されることになるわけでございますけども、平成28年度の早期の改定を考えているところでございます。よろしくお願いいたします。
○秋葉征士議長　３番高橋鉄夫議員。
○３番（高橋鉄夫議員）　ご答弁ありがとうございます。
　　市町村の防災においては、地域住民の生命、身体及び財産を災害から保護すること、防災計画を作成し実施すること、防災組織の整備・充実を図ることは重要な責務だと捉えております。防災計画を作成し実施することについて言えば、回答いただいた改定・見直し事項については、時間が制限される中で市民にいかに伝達・普及し徹底を図るか、また理解していただくかにあると考えます。
　　改定した地域防災計画を、市民に対しどのように伝達・普及し徹底を図るのか、また特別警報や避難判断の改定については、もう既に作業は行われているわけですけれども、今後の対応は迅速に行われるのか、その点を伺います。
○秋葉征士議長　半田総務部長。
○半田博総務部長　引き続き、私からお答え申し上げます。
　　東根市地域防災計画の改定は、先ほど申し上げましたとおり、現在、作業中でございますが、気象庁等が発する特別警報など、Ｊ－ＡＬＥＲＴによる緊急情報や避難勧告発令は、市民の生活や財産の保護に非常に直結する内容でありますことから、地域防災計画改定前でございますが、既に新たな基準で登録制メールなどを活用しながら、市民への情報伝達を開始しているところであります。
　　また、改定されました地域防災計画の周知についてでありますけども、市報そしてホームページを活用するとともに、災害危険区域の住民説明会等々で、様々な機会を捉えながら、市民に周知を図っていきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
○秋葉征士議長　３番高橋鉄夫議員。
○３番（高橋鉄夫議員）　ご答弁ありがとうございます。
　　地域防災計画に関連することでありますが、東根市振興実施計画の中に、平成27年度から平成29年度において神町地区都市防災推進事業があります。公民館は地域防災の拠点であり、防災体制の強化を図れることから、地域防災計画への組み入れ等の予定があるのか伺います。
○秋葉征士議長　半田総務部長。
○半田博総務部長　ご指摘のとおり、地域公民館については災害発生時には地域の防災の拠点となることから、地域防災計画において収容避難所という位置づけをしてるところでございます。新たな神町公民館につきましても、館内に防災倉庫を備え、また駐車場敷地には、簡易トイレを利用できるマンホールなどの設置も予定しているところでございます。また現在、実施設計を行っている防災行政無線についても、神町公民館に配備を検討しているところでございます。よろしくお願いいたします。
○秋葉征士議長　３番高橋鉄夫議員。
○３番（高橋鉄夫議員）　ご答弁ありがとうございます。
　　最後の質問となりますけれども、備蓄については最悪の被害を想定し、整える必要があると思っております。備品については命にかかわる物、ないと困る物、あったら便利な物と優先順位をもって厳選するとともに、倉庫管理、品目等について管理運営しやすい状態を構築する必要があると考えております。防災備蓄のあり方、今後の要領と現状についてお伺いいたします
○秋葉征士議長　半田総務部長。
○半田博総務部長　お答えいたします。
　　本市の備蓄計画でございますが、山形盆地断層帯地震被害想定によりまして、避難生活者約4,700人を想定した計画をしているところでございます。食料につきましては4,700食分を備蓄し、このほか家庭内備蓄、災害支援協定を締結しているスーパーマーケットなどの流通備蓄としているところでございます。その後に、県の備蓄食糧、他県などからの援助物資を充てる計画としているところでございます。
　　次に、備蓄の方法でございます。保存期限が決まっている食料につきましては、消防本部において集中管理による備蓄を行っているところであり、災害時に被災者への配布がスムーズに行えるように計画しているところでございます。さらに、一昨年から７地区の地域公民館の方に整備した備蓄倉庫の中で、分散備蓄として救援資材、また避難所の運営に必要な備品などを計画していきたいと考えております。また各地域の特性についても考慮した備蓄を考えていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いします。
○秋葉征士議長　３番高橋鉄夫議員。
○３番（高橋鉄夫議員）　ご答弁ありがとうございました。
　　防災について、いろいろな取り組みをされている現状を確認することができました。
　　災害は、いつ起こるかわかりません。3.11については、４年半が経過しようとする今も、何らかの形でマスコミに取り上げられており、被災者にとっては悲しみが癒えないでしょうし、忘れることができないものだと思います。
　　市の防災において、地域住民の生命、身体及び財産を災害から保護すること、防災計画を作成し実施すること、防災組織の整備充実を図ることが責務である以上、それを実践していかなければなりません。そのためには、災害に備え自助、共助、そして公助が一体となった地域防災力を飛躍的に高めることが喫緊の課題と言えます。関係者の皆様は、多忙な業務に追われる日々とは思いますが、たゆまぬ減災の追求と地域防災力の向上を要望、お願いし、質問を終わります。
○秋葉征士議長　以上で、ご了承願います。

　　◎片桐勝寿議員質問

○秋葉征士議長　次に、１番片桐勝寿議員。
　　　〔１番　片桐勝寿議員　登壇〕
○１番（片桐勝寿議員）　議席番号１番片桐勝寿です。
　　通告に従いまして、質問させていただきます。
　　ご存じのように、国は平成26年に制定された「ひと・まち・しごと創生法」に基づき、長期ビジョン、それを踏まえた５カ年計画である総合戦略と政策を具現化してまいりました。そして、総合戦略に掲げられた政策パッケージや個別施策についてを具体的に取り組みをまとめた基本方針2015が、今年６月に閣議決定され、国の具体的な対応がようやく見えてきました。
　　市長が、今年度の施政方針の中で、地方創生は自治体のやる気とアイデアが試されるものであり、まさに生き残りをかけた自治体間の知恵比べと言っても過言ではないと、地方創生にかける意気込みを語りました。この施政方針を受けて、東根市においても東根版総合戦略の今年度中の策定を目指し、作業に入っているという話を聞いております。
　　今回の地方創生の非常に画期的な部分は、地方創生本部の立ち上げ時点に示された、地方創生の基本目標と基本姿勢の中に包含されていると思います。そのとき掲げられた基本目標は、人口の減少を克服し地方が成長する活力を取り戻すため、従来の取り組みの延長線上にない政策を中長期的な観点から、確かな成果が出るまで実行するというものです。それぞれの地方が知恵を絞った独自の取り組みを、最後まで応援したいということだと思います。中央集権的な一律の対応を廃し、地方の事情に合わせることを目標に据えたという意味で、評価したいと思います。また基本姿勢も、ばらまき型の手法はとらない、各府省庁の縦割りを排除する、あらゆる制度について精査する、地域に根差した民間の創意工夫を後押しする、現場に積極的に出向き得られた知見を今後の政策展開に生かすという、今までの枠を取っ払おうという意思が感じられると思います。そのような基本的な考えのもと、策定された国の総合戦略、その大きな枠組みは、地方に仕事をつくり、そして人を呼び、住みよい町にして人を定着させるということだと思います。東京圏は人が集中し過ぎてしまい、様々な弊害が出てきてしまっている。また、地方は人が減っていくことによる弊害が出始めている。日本の人口の減り幅を減らし、中央と地方それぞれの政策課題を解決するためには、地方に仕事をつくり、もっと魅力的にし、地方にとどまる若者を増やし、なおかつ東京圏から地方への人の流れをつくっていくと、そういったことが急務であるという判断だと思います。
　　これらのことを、総合戦略では四つの基本目標として設定しております。一つは、地方における安定した雇用を創出する。二つ目、地方への新しい人の流れをつくる。三つ目、若い世代の結婚、出産、子育ての希望をかなえる。四つ目、時代に合った地域をつくり安心な暮らしを守るとともに、地域と地域を連携するの四つです。国はこの四つの基本目的ごとに、地方が地方版総合戦略を策定、実施していくに当たり、必要と考えられる支援策を政策パッケージという形で用意しています。今回の基本方針は、この政策パッケージについての今後の対応の方向を取りまとめたものという位置づけになります。
　　今回の私の質問は、国の総合戦略の基本目標の１番である、「地方における安定した雇用を創出する」を達成するための政策パッケージであります、農林水産業の成長産業化、これの具体的取り組みとして挙げられている６次産業化の推進についてと、同じく基本目標の２番目、「地方への新しい人の流れをつくる」このための政策パッケージである企業の地方拠点の強化、企業等における地方採用・就労の拡大の中の、企業の地方拠点の強化に関する二つになります。
　　まずはじめに、６次産業化の推進に関して質問いたします。
　　これまでも、農家戸数、農家所得の減少に対する施策、農業における雇用確保対策として、６次産業化が叫ばれておりました。繰り返しになりますが、今回の総合戦略にも、地方に安定した雇用を創出するという基本目標のもと、農業の成長産業化を実現することが雇用の受け皿の拡大のための方策になると考え、基本方針にその具体的取り組みの一つとして、６次産業化の推進がうたわれております。
　　東根市の農業は、基幹作物のさくらんぼがあるおかげで、他市町村のような追い詰められた状況にはないのかもしれませんが、生産者の高齢化による生産量の激減という課題が間近に迫っている状況ではないかと思われます。後継者育成や、海外輸出による付加価値の創造と、様々な方策をとっているところと思いますが、農業の６次産業化が実現すれば、農業の所得や魅力を増していく方策の一つになっていくと思われます。事業として農業を捉え、ベンチャー的な取り組みをしようという若者が出てくるかもしれません。新たな雇用を生む可能性も秘めています。そういった意味で、６次産業化の推進は、今年度中に策定することを予定している市の総合戦略にも盛り込まれるものと推定されますが、市は６次産業化への取り組みに関してどのように考えているのかというのが、一つ目の質問であります。
　　続きまして、企業の地方拠点の強化に関する質問に移らせていただきます。
　　今までは、地方が大企業に対して、自分の地域に本社を持ってきてくれというのは大変おこがましい話で、なかなか言い出せることではなかったような、そんな雰囲気があったのではないかと思います。しかし、この度の国の基本方針の中では、地方に本社機能を移転したり、地方における本社機能の拡充を行う事業者に対しては、税法上の支援措置等の運用を速やかに開始することをうたっています。そのほかにも、総合戦略の政策パッケージの中には交通網、住環境、子育て環境の整備など、企業誘致後に使えそうなものが多く入っております。我が東根市は、空港、新幹線、高速道路がそろい、自然災害が比較的少なく、果物をはじめ食の宝庫でもあるということを考えると、手前みそではありますが上手にＰＲと環境整備をしていけば、有名企業の本社を誘致するということも不可能ではないのではないかと思います。
　　そこで質問ですが、東根市としては企業の本社機能を市内に誘致するということに対し、どのように考えているのでしょうか。
　　以上、二つの質問をもちまして、登壇での質問とさせていただきます。
○秋葉征士議長　１番片桐勝寿議員の質問に対し答弁を求めます。土田市長。
　　　〔土田正剛市長　登壇〕
○土田正剛市長　片桐勝寿議員のご質問にお答えいたします。
　　はじめに、農業における６次産業化についてであります。
　　６次産業という概念は、農業が農業生産、食料の原料生産のみを担当する方向に進んでいることを是正する目的で、１次産業、２次産業、３次産業をそれぞれかけ合わせて６次産業、つまり加工や製造の２次産業と流通や販売などの３次産業を、少しでも１次産業と効果的に結びつけようとの考え方に基づくものであります。
　　近年、農業を取り巻く状況は厳しさを増し、国の農業生産額及び農業所得は、大きく減少しております。特に、農業所得につきましては、生産額が伸び悩んでも経費がかさむなどの理由から、大幅に減少しているところであります。くわえて、農業従事者も年々減少する中、平均年齢は平成22年で66.1歳となっており、高齢化も急速に進んでおります。こうした背景から、農林水産業者の所得拡大や、地域に新しい需要を生み出すことによって、雇用の創出や地域の活性化を図ることを目的に、農林水産業者が自ら、または他業種と連携して加工や流通販売に取り組む６次産業化の必要性が叫ばれ、各自治体における強力な推進が急務と言われております。
　　また、「まち・ひと・しごと創生基本方針2015」において、将来にわたって人口減少問題を克服し、成長力の確保を目指す地方創生の実現に向けて、国の総合戦略に盛り込まれた政策を、より一層拡充・強化することが課題とされているところであります。特に、農林水産業を成長産業化する具体的な取り組みとして、６次産業化の推進等が挙げられているのが現状であります。
　　また本市においては、ＪＡさくらんぼひがしねのファーマーズマーケット「よってけポポラ」において産地直売や地元農産物の加工品販売を行い、生産者、消費者双方より、大きな支持を得て、県内一の販売額を誇る施設に成長しておりますが、飲食部門の充実や加工品目の増大、他施設との連携などの課題も抱えている現状であります。さらに、個人の農業従事者が自家栽培した果物や野菜を使ったジュース、漬物、総菜、ジャム製品などの製品の開発・加工・販売に取り組んでいる事例も見られますが、いずれも規模が小さく季節的な商品が多く、販路の確保も難しい状況にあります。このような状況において、「売れる商品」の開発や開発した商品を品質・量ともに安定的に生産する体制の構築、商品をどのような消費者に購入してもらうか、販路開拓のマーケティング、特に、これらの課題を解決するための経営資源となる、人・もの・資金・情報の確保が重要だと言われております。こうしたことを踏まえ、１次産業従事者への配分強化や雇用の確保、さらには地域全体の活性化のために、生産者や事業者などの多様なニーズに対応していくことが求められます。
　　また、新たな事業領域に取り組みを進め、６次産業化推進の核となる人災育成、関係者のネットワークづくりなど、確固たる組織体制を整備し、事業計画を明確にしていかなければならないものと考えております。なお具体的には、「果樹王国ひがしね６次産業化推進協議会」を設立し、検討を加えながら本事業を推進してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
　　次に、企業の本社機能を市内に誘致することについてであります。
　　工業製品出荷額で、県内第２位を誇る東根市にとって、既存事業の機能強化及び雇用の創出、事業者の統廃合などにより、有利に働くものと考えております。本社機能の移転、または拡充に伴う支援につきましては、地域再生法の一部を改正する法律が、本年６月26日に公布され、企業の地方拠点強化の促進のため、本社機能の移転・新増設を行う事業者に対して、支援措置ができるようになったものであります。
　　具体的には、国が創設した「地方活力向上地域特定業務施設整備事業」によって、安定した良質な雇用を創出し、地方への新たな人の流れを生み出すことを目指すものであります。地方活力向上地域において、本社機能を有する施設を整備する事業を地域再生計画に位置づけ、当該事業に関する啓発について都道府県知事の認定を受けた事業者に対し、債務の保証、課税の特例等の優遇措置を講ずることとされております。税制特例を受けられるものには、東京23区から本社機能を移転した場合の「移転型」、地方にある企業の本社機能を強化する「拡充型」があります。
　　これを受けて、山形県は地方拠点強化税制の活用のための地域再生計画の策定作業を始めたところであります。本市も、この策定作業に参画し、本社機能の移転または拡充する事業者に、積極的な支援を行うことによって雇用を創出し、本市への新たな人の流れにつなげたいと考えております。
　　また、本市は企業の設備投資に寄与するため平成22年より企業奨励補助金制度を創設し、新たな生産設備の導入に対し、固定資産税相当額を単独で補助しております。昨年度の実績は18社、補助額は約8,000万円となっておりますが、これまで毎年、約１億円を予算計上して進めてきたところであります。以前には、農村地域工業等導入促進事業に基づく固定資産税等の課税免除に対して、国が地方交付税で地方自治体に減収補てんする制度があり、企業立地促進に大いに貢献しておりましたが、平成21年12月末、民主党政権時代に廃止されたところであります。この影響によって、新規企業の立地や既存企業の設備投資等が控えられることが懸念されたことから、本市単独で支援を継続しているところであります。自民党に政権が移りましたが、現在、未だ国による制度の復活には至らず、私自身、国・県に対し支援制度の復活に向け、全国市長会や重要事業要望などにおいて、粘り強く要望を継続しているところであります。
　　本市といたしましては、市外からの企業誘致とあわせて既存企業への支援も継続し、企業に選ばれるまちを目指してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○秋葉征士議長　１番片桐勝寿議員。
○１番（片桐勝寿議員）　どうもありがとうございます。
　　今の答えの中で、東根市の産直や加工品販売の舞台として、仙台圏から集客を大いに増やしている、「よってけポポラ」があると。その機能を十分発揮するためには、飲食の充実であったりとか加工品目の増強などを、まだまだしていく必要があると。そのためにも、６次産業化というものが一つのきっかけになるということも、話の中にあったと思います。
　　それでは、今後、設立することを目指しております、先ほど説明がありました「果樹王国ひがしね６次産業化推進協議会」に関しては、どのようなことを目的として、どのような組織となっていくというのかを、お聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
○秋葉征士議長　本田ブランド担当部長。
○本田剛ブランド担当部長　お答えいたします。
　　協議会の設立の目的と内容ということでございますが、６次産業化を推進するための基本的な取り組み方針などの検討を行います協議会全体会、そしてまた、６次産業化を推進するための戦略であるとかブランド認証審査制度、あるいは６次産業化拠点整備などの具体的かつ重要なテーマに関する事項の検討を行います専門部会、そして、実際のプレーヤーとなります方々で組織しますワーキンググループ会議などを開催し、それぞれの段階に応じまして、検討してまいりたいと考えております。そして、農作物の有利販売などによる１次産業への配分強化や農業分野におきます雇用の確保、ひいては地域全体の活性化を目指すものであります。農産物の生産にとどまらず、加工・流通・販売にも一体的に取り組む６次産業化を推進し、農林水産業を含む食産業や関連産業全体の振興を図るために、市内に潜在する６次産業化に対する需要を掘り起こし、ネットワーク化を強化し、側面からの支援により積極的な活動を促すものでありますので、よろしくお願いいたします。
○秋葉征士議長　１番片桐勝寿議員。
○１番（片桐勝寿議員）　具体的な協議会の構成メンバーであったりとか、そういったことはこれからということになると思うんですけれども、あと、集まった構成メンバーの中で、どういった専門部会ができていくかと。あと、ワーキンググループの活動がどんな活動になっていくかということは、これからということになっていくと思いますが、東根市としては具体的取り組みとして、どんな意気込みでどのようなことを考えているかということを、お聞きしたいと思います。
○秋葉征士議長　本田ブランド担当部長。
○本田剛ブランド担当部長　お答えいたします。
　　市の６次産業に対する取り組みについてということでございますが、日本一の生産量を誇りますさくらんぼを、「東根ブランド」として売り込む方策であるとか、例えばでありますけれども、さくらんぼを使ってのワイン開発など、東根独自の材料を活用した事業はもちろん、一般的に広く認知されております裾野の広い事業につきましても、生産者のニーズを把握しながら、今後、積極的に取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○秋葉征士議長　１番片桐勝寿議員。
○１番（片桐勝寿議員）　それでは、６次産業化に関して、協議会を立ち上げてということでしたけれども、現在の東根市における６次産業化推進事業の現在の進捗状況と、今後のスケジュールに関してお聞きします。
○秋葉征士議長　本田ブランド担当部長。
○本田剛ブランド担当部長　お答えいたします。
　　本事業の現在の進捗状況と、今後のスケジュールの内容についてということでございますが、現在は協議会の構成員として予定されております関係機関に対しまして、本事業の概要説明と参加要請を行い、８月に協議会設立の準備会を開催いたしました。そして、９月９日には協議会の設立総会を開催する予定となってございます。また今後は、まず中長期的な課題と喫緊の課題を整理しながら、課題ごとに目標を立てて事業を進めてまいりたいと考えております。
　　当面のスケジュールといたしましては、９月中に協議会を立ち上げ、早急に専門部会なども開催する中で、平成27年度に予定されております補助事業などにも対応していきたいと考えております。なお、専門部会やワーキンググループ会議などの開催にあわせ、研修会やフォーラムなども開催しながら、あわせて６次産業化事業として取り組む有利な補助事業に対しても、積極的に対応してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○秋葉征士議長　１番片桐勝寿議員。
○１番（片桐勝寿議員）　今月中にも立ち上がっていくというお話だったんですけれども、ここからは、私の要望という形になりますけれども、６次産業化に限らず、補助金や助成金を受けて行う事業全般に言えることかもしれませんが、１年目は補助金や助成金のおかげで順調に回っていくと。でも、２年目からその事業の収益規模に合わない設備をしてしまったことによって、事業がうまく回っていかなくなったとか、あとは銀行さんが事業の中にうまくマッチングしてなかったために、つなぎの融資が滞ってしまって、事業が破綻してしまうというケースがあるようですので、計画段階から事業家的な視点をもつメンバーを協議会に取り込むようにしていただいて、また金融機関とも連携しながら進めていっていただきたいと思います。
　　あと、「果樹王国ひがしね６次産業化推進協議会」を実効性のある組織に育てていただき、農家が夢を持てる農業のための、一つの足がかりをつくっていただけたらなと希望いたします。
　　続きまして、今度は企業の地方拠点の誘致に関する質問をさせていただきたいと思います。
　　山形県が地方拠点強化税制の活用のために、地域再生計画の策定作業を始めているという、先ほどの説明でしたけれども、東根市もこの策定作業に参加しているというお話でした。この山形県版地域再生計画の策定において、東根市としてはどのような形でかかわり、またどのように今後、動いていく予定なのかということを、お聞きしたいと思います。
○秋葉征士議長　片桐経済部長。
○片桐崇経済部長　山形県版地域再生計画の策定における本市の役割と今後の動きということについて、お答えいたします。
　　本計画策定における主体は、山形県ということになります。本市のかかわりでございますけれども、市内に本社移転や拡充を行う企業の情報収集、それから、この事業の対象区域の選定ということになります。そして、山形県の役割といたしましては、市町村への紹介、取りまとめ、調整、計画策定と国との調整となっていきます。
　　今後の動きにつきましては、山形県が策定予定の「やまがた創生総合戦略」に合わせまして、雇用創出や企業立地などの目標を設定いたしまして、今年度中には、本計画を国から認定を受けるという予定でありますので、ご理解をお願いしたいと思います。
○秋葉征士議長　１番片桐勝寿議員。
○１番（片桐勝寿議員）　今年度中に、国から認定を受けていくということでしたけれども、今回の支援策自体は債務保証であったりとか、税の優遇であったりという形になっております。支援の形としては、そういう形になってるんですけれども、でも実際に企業の本社機能を東根に持ってくるということを考えた場合、こちらの方の腹づもりとしては、どんな企業を誘致するのがよいか、先ほど話ありましたとおり、誘致場所はどこにしていくかとか、また戦略的に地元企業と中央の企業をマッチングして、地元企業との相乗効果が図れるような企業にアプローチしてみようとか、こちらの方ではいろいろ戦略を立てて動いていくということになるかと思います。でも、こちら側でそういったことで動いたとしても来るのは向こう側の企業ということになりますので、相手企業の立場から考えると、その会社が拠点を東根市に移そうかどうかと検討していく場合に、社員ごと東根での生活となるわけですから、その社員の生活の質がどうなっていくのか、例えば預ける保育所がきちんとあるのかとか、東京にいるときと変わらない教育を子どもに受けさせることができるのかとか、あと老人ホームや介護施設がどうなっているのか、レストラン、居酒屋、小売店などのサービス業がどれほど充実しているのかなど、そういった条件が向こう側の企業サイドから出てくるのかなと考えます。そういった意味では、東根市の総合力が問われることになると思います。
　　国も縦割りを廃して政策を考えていくと言っている中、担当の課として総合力という部分をどのような形で、いかにして出していったらいいか、どのように考えますでしょうか。
○秋葉征士議長　片桐経済部長。
○片桐崇経済部長　今、総合力というお話でございましたが、昨年でありますが、市内の工業団地内に本社機能がある企業におきまして、県外の事業所を閉めまして、本市の工場に統合した際に、家族を含めて多数の方が集団で転入されたという例がございました。
　　本市におきましては、神町北部をはじめとしまして住宅環境がよく、物件を探すことも比較的容易であるということや、買い物、学校教育の環境などもよく、社員の方並びに家族の皆様方からの評判も結構よいと聞いております。企業誘致には、先ほど議員のご指摘があったように、社員の住環境などを含め、子育て環境、教育環境、地域力とでも申しましょうか、総合力は非常に大切だと考えております。
　　先ほど市長答弁にもありましたけれども、東根市企業奨励補助金制度、それから東根市商工業みらい応援利子補給事業などの利子補給制度など、企業を直接支援する制度も大きな評価を得ております。他市との比較調査を行いながら、本市の制度の優位性や魅力的な点などを充実した内容で継続したいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
○秋葉征士議長　１番片桐勝寿議員。
○１番（片桐勝寿議員）　こちらの方に来た企業からも、社員からも非常に評判がいいと、あとは東根市独自としても直接支援などということもまだやってるというお話だったと思います。
　　ここからは要望になりますけれども、東根市にとって優秀な人材が中央に流出して戻ってこないという状況は、大変なマイナスであります。それを防ぐためには、魅力的な職場を山形に誘致する、できれば東根に誘致するということが大変重要なことだと思います。そのためには、計画的に事業用地を確保することが必要になってくると思います。
　　現在、市内にも工業専用区域に指定されているものの、道路や上下水道などが整備されていないために開発できずに農地のまま残っているという場所もございます。こういったところにも手を加えていく必要があるのかなあと思います。
　　あと、地元中小企業の移転、拡張の需要も見込んで、そういった中央から来る大企業だけの需要ではなく、地元の企業も入れた上で、様々な規模に対応できる事業用地の確保ということを早急にしていく必要があるのかなあと。
　　国は、総合戦略の中で、地方に2020年までに、累計で30万人の若い世代が安心して働ける職場を新たに生み出すとしております。そのうち何人を東根に呼び込めるかというのは、これからの計画と準備をいかにするかということに係ってくるのかなと思います。
　　地方創生において中心的な役割を果たしていくのは、今の若者や子どもたち、彼らがどのように思い、考え、行動するということが一つの鍵になってくるのかなあと思います。そういった意味では、東根市の若い職員のやる気とアイデアに期待して質問を終わらせていただきたいと思います。
　　どうもありがとうございました。
○秋葉征士議長　以上で、ご了承願います。
　　会議の途中ですが、ここで午後１時まで休憩します。

　　　午後　０時１１分　休　憩

　　　午後　１時００分　開　議

○秋葉征士議長　午前に引き続き会議を開きます。
　　市政一般に対する質問を続けます。

　　◎山科幸子議員質問

○秋葉征士議長　２番山科幸子議員。
　　　〔２番　山科幸子議員　登壇〕
○２番（山科幸子議員）　２番山科幸子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
　　通告に従いまして、神町小学校の移転改築につきまして一般質問を行います。
　　神町小学校改築につきましては、地区内にある大森小学校との公平な教育環境の観点から、保護者や地域から強い要望が出されており、議会におきましても、これまで質疑、答弁が行われてきました。
　　昨年、市長は所信表明におきまして、人口が増加している神町地区の教育環境の整備を図るため、神町小学校の移転改築の方針を表明されました。
　　さらに、昨年９月の髙橋光男議員の質問を受けまして、振興実施計画第48号に新規事業として計上され、本市の重点事業として、実現に向け動き出したところであります。
　　先月８月12日の全員協議会におきまして、神町小学校の移転候補地が示されたところでありますが、移転改築につきまして４点お伺いいたします。
　　まずはじめに、振興実施計画第48号では、事業年度や事業費などは計上されておらず、具体的な学校像が見えてきておりません。第５次行財政改革プランにおきましても、市内の学校整備については検討するということになっております。
　　つきましては、本市の大型事業の一つとなりますので、事業の概要として、神町小学校の移転建築に係る事業年度、学校の規模及び事業費等についてお伺いいたします。
　　次に、移転先の交通安全対策であります。
　　移転先は、現在地から約500メートル南側を候補地としておりますが、児童の多くが市道神町南大通り線、県道東根尾花沢線の幹線道を越えて通学することになります。
　　また、通称赤門前、県道東根尾花沢線と、県道山形空港北線、市道神町南大通り交差点は、朝夕の通勤時間帯には激しい渋滞が起こっております。通学路としては、大変危険な箇所であると認識しております。
　　この区域は、県に主要幹線道路の整備促進を重要事業として要望しており、子どもたちや市民の交通安全対策や渋滞緩和についても、長年、地区から要望を出されている箇所であります。交通要衝地区への小学校移転で、大いに危険が想定される場所でありますが、交通安全対策はどのように取り組んでいくのでしょうか。
　　続きまして、環境整備として３点目、学校移転に関連して学童保育所についてであります。
　　共働き、核家族の多い地区として、仕事と子育てを両立する上で、学童保育所は大変重要な施設であります。また、低学年の子どもの負担や市道神町南大通り線などの主要幹線を越えて通学することに対して、交通安全対策にも十分な配慮が必要と思われます。
　　近年は、保護者の利便性と子どもたちの安全性への観点から、市内の学童保育所は、学校と一体化、もしくは近くに開所しております。神町小学校の移転改築と合わせ、学童保育所についても一体的に整備すべきと考えますが、どのように検討がなされているのでしょうか、お伺いいたします。
　　最後に、通学区域、いわゆる学区についてであります。
　　現在、大森小学校は当初の予定児童数を上回り、教室が満杯の状況にあります。現在も学校周辺をはじめ、学区内の宅地開発は市内で一番活発に行われております。駅西の方についても宅地開発が進んでおります。神町小学校につきましては、年度により児童数の増減がありますが、現在の１年生は２クラスとなっております。
　　学区の再編は考えないとの説明を受けておりますが、学校間の均衡と教育環境を保つために、小学校の移転を機に学区の再度見直しを視野に入れた検討もすべきと考えます。学区について、今後の考え方についてお伺いいたします。
　　以上をもちまして、登壇からの質問を終わらせていただきます。
○秋葉征士議長　２番山科幸子議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。
　　　〔土田正剛市長　登壇〕
○土田正剛市長　山科幸子議員の学校教育施設整備に係る神町小学校の移転改築についてのご質問にお答えをいたします。
　　はじめに、神町小学校建築に係る事業年度及び建築規模、事業費の概要についてであります。
　　神町小学校の改築につきましては、これまで、神町地区ふれあい座談会や議会の一般質問において早期実現に向けたご要望をいただいておりました。こうした強い要望を受けて、昨年度の振興実施計画第48号に神町小学校改築事業を新規計画として計上したことは、ご案内のとおりであります。
　　また、移転改築に向け、先月の全員協議会において移転候補地の選定について、ご報告をさせていただいたところであります。
　　改築までの事業年度につきましては、現段階で平成29年度の用地取得が決定しているところであります。
　　今後の具体的な事業計画につきましては、次期の振興実施計画第49号で検討してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
　　また、建築規模につきましては、大森小学校と同程度と想定しておりますが、今後、児童生徒数やクラス数の推移を見極めながら、文部科学省で定める必要面積を参照し適正な規模を定めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。
　　さらに、事業費につきましては、東日本大震災以降の資材単価・労務費単価高騰の影響を受け、大森小学校建設より大幅に上昇することが想定されます。
　　現在は、県内他市町村における最新の小中学校建設工事費の詳細な情報収集等を行っており、それらを参考として事業費を検討してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
　　次に、通称赤門前交差点道路整備を含む交通安全対策についてであります。
　　一般県道東根尾花沢線、一般県道山形空港線並びに市道神町南大通り線の通称赤門前交差点は、朝夕の通勤時間帯に右折車両により渋滞が発生しており、さらには、歩道がなく大変危険な状況となっております。
　　また、昨年11月の神町地区ふれあい座談会においても、県道交差点より南、約100メートルの区間について、一日も早い歩道整備の要望をいただいたところであります。
　　これまでの要望が実を結び、歩道設置や右折レーンを含む交差点部の改良事業着手に向けて、県は今年度から測量調査を実施しており、平成31年度完成の予定となっているところであります。
　　なお、小学校移転候補地周辺の交通安全対策についてでありますが、周辺の道路は幅員の広い歩道が確保されており、今後は開校に合わせ信号機や横断歩道の設置有無について、地区や公安委員会と協議してまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
　　次に、小学校移転に伴う神町学童保育所の整備についてであります。
　　議員ご質問の神町学童保育所については、平成12年度から現在の施設で学童保育を実施しております。改築計画を進めている神町小学校が候補地に移転することに伴い、現在の場所から約500メートル離れることになります。
　　本来、学童保育を実施する場所は、児童の安全確保や保護者の迎えの利便性などを考慮し、学校と隣接することが望ましいと考えております。また、国においても教育部門と民生部門の立場を超えて、児童の健やかな成長のため放課後対策については実施主体にかかわらず、連携して取り組むことが重要である旨の通達が出されているところであります。
　　これらの方針に従い、神町小学校移転計画の進捗に合わせ、教育委員会と連携を図りながら検討を進めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○秋葉征士議長　次に、教育長に答弁を求めます。石山教育長。
　　　〔石山泰博教育長　登壇〕
○石山泰博教育長　私からは、学区再編についてのご質問にお答えをいたします。
　　本市における学区の再編、いわゆる通学区域の変更につきましては、平成に入ってからは、第一中学校から神町中学校を分離新設した平成６年と、東根小学校から東根中部小学校を分離新設した平成10年に行ったところであります。
　　最近では、平成23年に神町小学校から大森小学校を分離新設した際に、東根・東根中部・大森・神町小学校の中心部４校の学区再編を行ったところであります。
　　いずれのケースも、過大規模校との解消のための分離新設校の建設に合わせて通学区域の変更を行ったものであります。
　　この度の神町小学校につきましては、現在の場所から移転するわけでありますが、同一学区内における建てかえを行うことから、学区の再編は考えておりませんので、ご理解をお願いいたします。
○秋葉征士議長　２番山科幸子議員。
○２番（山科幸子議員）　それでは、質問席からの質問に移ります。
　　まず、第１点ですが、振興実施計画第48号では、事業年度は29年度の用地取得までということになっております。今後の手法や具体的な事業につきましては、振興実施計画第49号で議論していくとの答弁を受けました。
　　振興実施計画48号では、来年度からの測量実施となっておりましたが、今回の補正で調査測量費が計上されております。まず第１点として、事業が前倒しという形になっておりますので、その理由をお伺いいたします。
○秋葉征士議長　古谷教育次長。
○古谷利明教育次長　それでは、お答え申し上げます。
　　今年度に前倒しをして用地測量をする理由でございます。
　　現在、移転候補地の周辺の関係団体や関係者と事前協議を行っておりますけれども、学校用地の形状や規模などにつきまして、早い時期にその形などを示すように求められているところでございます。
　　また、計画に計上しております平成29年度の用地取得に向けて本格的な協議を行う上で円滑に協議・交渉を進めていくためにも、早い段階で学校用地を確定する必要があるため、今年度の補正予算を提案させていただいているところですので、よろしくお願いいたします。
○秋葉征士議長　２番山科幸子議員。
○２番（山科幸子議員）　まず懸念することは、事業が早まったということになりますと、地域、保護者への説明が十分になされていないということになります。
　　先ほどの新聞報道で、先行したという地域住民の声もありまして、私も振興実施計画の方を見まして、全員協議会の方に出席したときに、事業年度は来年から、今年は始まらないと認識していたところでしたので、今後、地域住民、市民、保護者へは、早急に、かつ丁寧に説明を行うべきだと考えます。これからどのように実施していくのか、お伺いいたします。
　　あと、事業費につきまして、東日本大震災の影響ということが出てきましたが、東日本大震災だけではなくて、2020年度東京オリンピックによる資材・人材不足による事業費の高騰も見込まれます。財政上、大きなウエートを占めてくるのではないかと考えます。
　　尾花沢市では、庁舎建設の時期と規模の見直しの住民投票に向けた署名が行われたことは、報道で皆さんもご承知かと思います。アベノミクスによって公共投資はプラスでしたけども、ＧＤＰ（国内総生産）は個人消費や輸出などが低迷してマイナスになったとの報道を受けたばかりです。市民へ大きな負担を残すことのないように、しっかりした長期財政計画に基づいて整備事業の計画推進を図るべきと考えます。
　　学校移転改築につきましては、関連した歳出もあると考えますので、大型事業が続いて厳しい財政状況の中、今後、規模や施設、事業年度などを慎重かつ適切に検討していくべきだと考えます。これからの資材・労働単価の高騰を想定し、どのように事業費の積算を行って学校整備事業を推進していくのか、以上２点についてお伺いいたします。
○秋葉征士議長　古谷教育次長。
○古谷利明教育次長　それでは、お答え申し上げます。
　　最初に、今後の地域への説明についてお答えいたします。
　　８月の全員協議会で議員の皆様にご報告させていただいた後、今月に入ってですけれども、今後、神町地区区長協議会や神町小学校ＰＴＡなどの関係団体へ、候補地の選定に至った経緯や本年度から測量を進めていきたいということなどについて丁寧な説明を実施していく予定でございますので、よろしくお願いいたします。
　　次に、事業費についてでございます。
　　事業費の算定に当たっては、市長からも答弁申し上げましたとおり、県内の他の市町村で実施をしております最新の学校施設の整備状況の調査を行い、それらを参考とするとともに、今後の市場の動向を見極めながら適正な整備事業費を積算をしていく予定としております。大変大きな大型事業となるため、長期的な財政状況も見極めながら計画的な整備を図っていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○秋葉征士議長　２番山科幸子議員。
○２番（山科幸子議員）　大体完成年度というのは、いつごろを目途になさっているのか、お伺いいたします。学校の完成年度です。
○秋葉征士議長　古谷教育次長。
○古谷利明教育次長　これにつきましては、振興実施計画第49号で議論して、策定を行う12月末ぐらいを目途に十分協議をして決定をしていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○秋葉征士議長　２番山科幸子議員。
○２番（山科幸子議員）　まだ候補地として示されたばかりだということで、事業年度及び全てが、まだこれから49号で検討していくということでしたので、私からは要望になると思いますが、引き続き発言させていただきたいと思います。
　　施設の規模につきましては、地域や若い世代の要望を取り入れながら、今後の児童数、学級数を的確に把握して、将来、空き教室など出ないように適正な事業規模になるように検討をお願いしたいと思います。
　　また、事業費につきましては、本市の大型事業の進捗状況や震災復興事業、東京オリンピック等、国家規模の事業の影響も勘案しつつ、しっかりとした長期財政計画に反映して健全な財政運営となるように、適正規模、適正積算をお願いしたいと思います。
　　また、赤門前の交差点歩道改良につきまして説明がありましたが、学校が候補地に移転しますと、自衛隊正門から交差点まで約500メートル弱ぐらいだったんですけども、その間に100メートルで歩道、信号機、歩道、信号機を繰り返すような形になりますので、横断歩道と信号機が設置されるということは、交通安全対策、交通渋滞緩和の観点からも、まだまだ解消にならないんではないかと考えます。
　　また、先ほどの右折レーンというのも簡易な右折レーンと聞いておりますので、不十分ではないかなと考えます。今後とも引き続き、県へ道路整備の要望をお願いしたいと思います。
　　また、学童保育所につきましては、移転と合わせて関係課が連携をとりながら整備していくということですので、これから十分に検討を重ねまして、保護者も市民も納得いくように整備をお願いしたいと思います。
　　最後に、学区ですが、これは大変デリケートな問題だと私も認識しております。緩和策なんかも講じながら、答弁のとおり、状況に応じまして、柔軟で大局的に判断をして対応をお願いしたいと思います。
　　以上をもちまして、神町小学校移転改築に係る質問を終わらせていただきます。
　　ありがとうございました。
○秋葉征士議長　以上で、ご了承願います。

　　◎白井健道議員質問

○秋葉征士議長　次に、４番白井健道議員。
　　　〔４番　白井健道議員　登壇〕
○４番（白井健道議員）　４番白井健道でございます。通告に従い、質問させていただきます。再生可能エネルギーについてでございます。
　　先の市議会議員選挙の際につくった選挙公報の中で、今後４年間の議員活動を通じて実現したい政策について有権者の皆様に訴えたわけですが、その中でエネルギー問題については、医療、福祉、教育、環境とともに第１の柱である「あらゆる世代が安心して暮らせる社会の実現」の重要な要素として掲げております。
　　ちなみに、第２の柱は「産業振興」、第３は「観光振興と交流人口の拡大」を掲げました。
　　したがいまして、今後の議員活動において、これら選挙公報に掲げた政策目標実現のため、市民の皆様と対話を広く、深く行いながら、市長をはじめ執行部の皆様と議論をしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
　　そして、それらがどれだけ実現したか、あるいは実現に向けてどのような努力を行ったかが、私自身の議員活動を評価する指標になるであろうと考えております。
　　地方議会改革では、議会基本条例の制定はほぼ落ちつき、既に議会評価、議員評価にまで進んでいる議会もあること。このことを４年間の議員活動の中で常に念頭に入れておきたいと考えているところです。
　　さて、日本では、少子化による人口減少が大きな課題になっていますが、世界規模で見た場合、現在70億人の人口が、2050年には90億人に増加することが予想されるなど、依然増加傾向にあります。そして、これらは新興国や開発途上国で起こることであり、食糧不足やエネルギー不足が懸念されているところです。
　　このような状況の中、ＦＥＣ自給圏という考えに基づき、地域社会を守っていくという考えがあります。Ｆはフーズ、食糧、Ｅはエネルギー、Ｃは医療、福祉、教育などを含むケアという概念です。
　　ご承知のとおり、我が国は、現在、ほとんどのエネルギー源を海外からの輸入に頼っているため、海外において、エネルギー供給上、何らかの問題が発生した場合、我が国が自立的に資源を確保することが難しいという根本的な脆弱性を有しております。
　　平成26年度の「エネルギー白書」には、エネルギー安全保障の評価をする指標として、初めてセキュリティインデックスというものが導入されました。これまでは、エネルギー自給率だけであったものを、資源供給国や周辺の供給リスクや輸送途中のリスクなど、複数の観点から定量的に評価を行ったものです。
　　その結果、米国、中国、ロシアといったエネルギー自給率が高い国は、セキュリティインデックスでは低リスクになっています。一方、日本や韓国は、自給率の低さ、調達先のカントリーリスクの高さ、主要な化石燃料産出国から距離が離れているということで、シーレーンリスクの高さなどから、世界の主要国と比較しても高いリスク水準にあることが述べられております。
　　対外的には、このようなリスクのある我が国エネルギー事情ですが、国内的には、先の東日本大震災を受け、再生可能エネルギーの導入の加速化や分散型システムへの移行が求められております。
　　再生可能エネルギーは、地産地消が可能であることから、エネルギーを安全に安定的に確保できるという観点や環境への負荷が少ないといった点から注目されているわけですが、それにも増して重要な点は、地域経済の活性化や雇用創出、さらには住民自治力の向上につながるなど、地方創生に大きく貢献することが期待されている点にあります。
　　このような中、固定価格買取制度の導入により、再生可能エネルギーは一気に普及しました。しかしながら、2014年７月末時点での数字になりますけれども、認定容量を見ると、その92％、そして実際に導入された容量で77％が、メガソーラーなどの大規模発電になります。
　　このことが何を意味するかといいますと、再生可能エネルギー発電を成り立たせるための技術や事業ノウハウが外部から持ち込まれたものであるため、地元企業の成長や雇用の拡大、地域における生産技術の蓄積には必ずしもつながっていないということ。
　　さらには、売電収入もメガソーラーの立地地域から吸い取られ、その企業の本社のある東京や大阪に吸収されてしまうということであります。
　　これでは、地域経済の活性化や雇用創出、さらには住民自治力の向上につながらないわけですので、我々としては地域が主体となってエネルギーにかかわっていかなければならないと考えます。これは、昨年５月に施行された「農林漁村再生可能エネルギー法」にもしっかりとうたわれております。
　　以上のような流れを踏まえて、質問させていただきます。
　　大けやき環境基本計画の再生可能エネルギーの積極的な利活用においては、エネルギーの安定確保と再生可能エネルギーの導入による地域の活性化の２点が、施策の展開方向として掲げられています。
　　その具体的施策として、エネルギーの安定確保については３点が述べられています。
　　一つ目が、再生可能エネルギーの開発を促進し、エネルギーの地産地消など、災害に強いエネルギー供給体制の構築の推進、二つ目が、エネルギーの安定した供給基盤を構築するため、家庭、事業所及び公共施設への再生可能エネルギーの導入やエリア供給システムの構築の推進、三つ目が、災害時の拠点となる公共施設については、普及に向けたモデルとなることから、積極的に導入を推進するという３点であります。
　　そして、２本目の再生可能エネルギーの導入による地域の活性化については、２点述べられています。
　　一つ目が、再生可能エネルギーの資金確保等の手法として、市民賛同など、再生可能エネルギーを活用した新たなモデルづくりの調査を実施するということ、それから再生可能エネルギーを主体としたエネルギー供給体制の構築を通して、産業振興、地域活性化につながるための調査研究を実施するというものであります。
　　これら施策についての現状についてお伺いをいたします。その際には、太陽光パネルへの補助の今後の動向、産学官金の連携、住民組織の活用、行政として取り組むべきこと、取り組めることは何かについても含めて答弁いただくようお願いいたします。
　　以上をもちまして、登壇での質問とさせていただきます。
○秋葉征士議長　４番白井健道議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。
　　　〔土田正剛市長　登壇〕
○土田正剛市長　白井健道議員の再生可能エネルギーについてのご質問にお答えをいたします。
　　再生可能エネルギーの導入活用につきましては、環境保護の観点や地球温暖化防止の面で大きな役割を果たすものであり、利用拡大が求められていることは、ご案内のとおりであります。
　　本市においても、平成25年９月に策定した「大けやき環境基本計画」に、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量が少ない再生可能エネルギーの積極的な利活用を掲げ、一般家庭における太陽光発電システムの設置に係る費用の一部助成を推進してきたところであります。
　　また、平成24年７月から施行された再生可能エネルギー固定価格買取制度の導入によって一般の事業者が進出しやすい環境が整い、住宅以外でも太陽光パネルによる発電施設が各地に設置されたところであります。代表的なものとして、公共下水道の村山浄化センター内や大森工業団地の企業への設置などがあります。
　　さらに、先月には本市初となる市民ファンドを活用した「市民共同ソーラー発電所」が村山野川の廃川敷に開設されるなど、太陽光発電施設が普及し、様々な形で整備されているところであります。
　　また、本市は防災面における再生可能エネルギーの活用として、災害対策本部や収容避難所における災害時の非常用電源を確保するため、平成25年度から国の基金事業を活用し、市庁舎・さくらんぼタントクルセンター・市民体育館に蓄電池を併用した太陽光発電施設の整備を進めてまいりました。
　　さらに、災害時の収容避難所となる小・中学校及び地域公民館の一部に、太陽光を活用したソーラー街路灯を設置する計画を進めているところであります。
　　こうした取り組みの施工においては、市内事業者を活用するなど、地域経済の活性化に配慮しているところであります。
　　一方、山形県エネルギー戦略においては、分散型エネルギー資源の開発と普及について、「電力」と「熱」の地域分散型供給体制を整備するとともに、エネルギーの地産地消と災害に強いシステム構築を進めることとされており、関係機関や民間事業者と連携し、勉強会を重ねているところであります。
　　再生可能エネルギーは、自然界に広く存在し、資源としての制約が少なく、環境に与える影響が小さいというメリットがあります。しかし、太陽光以外の自然エネルギーについては、立地条件や気候条件、さらには採算性など、設置に向けた課題が多いのが現状であります。
　　今後、「地域のエネルギーは地域でつくる」という目標を掲げ、個人住宅への太陽光発電システム設置の推進や勉強会への参加、情報提供などを通して、再生可能エネルギーの普及や啓発を図ってまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○秋葉征士議長　４番白井健道議員。
○４番（白井健道議員）　ご答弁、ありがとうございます。
　　「地域のエネルギーは地域でつくる」という目標を掲げていただけるということで、地域経済の活性化、雇用創出のために私自身も勉強を続けてまいりますので、よろしくお願いいたします。
　　それでは、質問席での質問を続けさせていただきます。
　　大けやき環境計画に掲げた「エネルギーの安定確保」については、家庭用の太陽発電に対する市独自の補助制度もあり、ある程度の効果が見られているようですが、これまでの交付件数、キロワット数についてお伺いいたします。家庭用の方をお伺いいたします。
○秋葉征士議長　矢萩市民生活部長。
○矢萩和広市民生活部長　それでは、私の方からお答えさせていただきます。
　　平成21年度から、住宅用太陽光発電設備の設置に対し補助をしてきております。補助を開始してから今年の８月末現在で、合計477件に対し補助を行ったところであります。
　　設置された太陽光パネルの最大出力は、合計2.2メガワット、約2,200キロワットとなっております。
　　よろしくお願いします。
○秋葉征士議長　４番白井健道議員。
○４番（白井健道議員）　ありがとうございます。
　　これからも家庭用の太陽光パネルへの補助は続けていかれると、推進されるということでしたので、2.2メガワットといえばですね、かなりのワット数かと思いますので、引き続き、ご対応よろしくお願いいたします。
　　それとともに、事業者による太陽光パネルの設置も市内で散見されておりますけれども、こちらについて、この実態は把握できているのでしょうか。
○秋葉征士議長　矢萩市民生活部長。
○矢萩和広市民生活部長　お答えします。
　　事業所による設置については、設置箇所については把握しておりますが、具体的な、いわゆるワット数等については把握していないのが現状であります。
　　よろしくお願いします。
○秋葉征士議長　４番白井健道議員。
○４番（白井健道議員）　ありがとうございます。
　　これは、市の方に報告義務がないからということなんだと思いますけれども、資源エネルギー庁のホームページに統計各種データというものがありまして、その中に「固定価格買取制度情報公表用ウェブサイト」というものがあります。ここに市町村ごとの再生可能エネルギーの導入件数、導入容量が公開されています。
　　これを見ますと、発電容量から考えると、事業者のものも含まれているようです。確認はとっておりませんけれども。市でも、この事業者の動向については把握しておくべきだと思いますので、一度、当該ホームページを確認いただければと思います。
　　続きまして、大けやき環境基本計画に掲げた再生可能エネルギーの導入による地域の活性化、これについては地方創生との関連で大変注目されています。
　　計画では、まずは調査研究を実施するとありますけれども、これについての取り組み状況はいかがでしょうか。
○秋葉征士議長　矢萩市民生活部長。
○矢萩和広市民生活部長　お答えします。
　　県のエネルギー戦略に基づきまして、県及び村山地域エネルギー戦略推進協議会が主催する、いわゆる勉強会に専門家を招いて参加をしているところであります。その中で情報収集を行って、東根市独自の検討を重ねているところでありますけども、具体的な導入可能性調査は今のところ実施していないのが実情であります。
　　よろしくお願いします。
○秋葉征士議長　４番白井健道議員。
○４番（白井健道議員）　実施してないということですけども、その調査研究の予定についてはいかがでしょうか。
○秋葉征士議長　矢萩市民生活部長。
○矢萩和広市民生活部長　今後、その辺も含めまして、いろんな研修会、講習会等に参加しながら内部で詰めていかなければならないと思っておりますので、よろしくお願いします。
○秋葉征士議長　４番白井健道議員。
○４番（白井健道議員）　すぐに調査研究に取りかかるということは、なかなか難しいということは承知しましたが、今後に向けて人材の育成というのが重要だと思います。
　　エネルギー事業を進める上で人材が最も重要であると、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局の参事官が指摘しております。
　　経済産業省では、再生可能エネルギーの活用による地域での新しいビジネス創出のための人材育成事業である「まちエネ大学」というものを2013年から展開しています。
　　初年度の2013年度は、札幌、東京、滋賀、和歌山、松江の全国５カ所で開催、2014年度は、秋田、宮城、神奈川、京都、長野の５カ所で開催されました。
　　推進している組織は、資源エネルギー庁とまちエネ大学実行委員会が中心となって、地域の金融機関、自治体などと協働しながら開催されています。
　　講座は、日本全国の様々な地域で既に再生可能エネルギー事業を進めるトップランナー企業の代表者やエキスパートの講師陣を招いて、再エネ事業を起こすために必要な基礎知識と議論を重ね、人や地域とのつながりを深めながら、事業開始に向けた計画を描ける力を養っていくものです。
　　昨日、私は東北芸術工科大学で開催された「やまがた自然エネルギーネットワーク」の設立記念フォーラム「動き出した農山漁村からのエネルギー　地域のエネルギーは　おらだがつくる」に参加してきましたが、農林水産省食料産業局長による「農山漁村再生可能エネルギー法とその取り組み」の基調講演、さらには、山形県職員による「山形新電力」の概要説明、それから、庄内町職員、ＪＡ鶴岡、あるいはソーラーパネルを設置している実践農業者などの事例紹介などがあって、大変勉強になりました。
　　このような講座、先進的な講座があれば、市職員を派遣することも重要であると考えます。再生エネルギー分野での人材育成について、お考えがあればお伺いしたいと思います。
○秋葉征士議長　矢萩市民生活部長。
○矢萩和広市民生活部長　お答えします。
　　これまでも山形県の地域性に着目しながら勉強会等には参加してまいりましたけども、なかなか職員のスキルアップにはつながってきてなかったのが実情かと思います。今後は、職員の資質向上に向けまして、いろんな研修等にも参加してまいりたいと思います。
　　なお、今、議員がおっしゃられました「まちエネ大学」等についても、今後、山形での開催等があるのか、あるいは職員の参加等についても検討しまして、できれば専門職等を育てていきたいと考えておりますので、よろしくお願いします。
○秋葉征士議長　４番白井健道議員。
○４番（白井健道議員）　ありがとうございます。
　　エネルギー分野は、間違いなく重要な分野になりますので、専門職とおっしゃられましたけども、できれば専門の部署が欲しいくらいではありますが、まずは人材育成について、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。技術的な専門家は、外部にいるわけですから、推進体制づくりや政策パッケージづくりなどを担える人材の育成が望まれております。
　　さて、次の質問に移らせていただきます。
　　昨年12月の定例会において取り上げた中小企業支援、小規模事業者支援で産学官金の連携による地域経済活性化において、金融機関の果たす役割は大変重要であると訴えたわけであります。
　　先日のまちエネ大学でも、多くの金融機関が協賛をしております。再生可能エネルギーについても、初期投資が必要であり、そのための融資といった観点から、金融機関の参画が重要になってまいります。
　　産学官金の情報交換会については、本年３月に初めて開催されましたが、今後、再生可能エネルギーをテーマとしたワークショップ形式で開催してはいかがでしょうか。市民生活部主管の環境審議会の委員である東北芸術工科大学の三浦秀一教授にファシリテーターなどを依頼すると、有意義な会合になるかと思います。
　　三浦教授は、やまがた自然エネルギーネットワークの代表であり、先般の東根市民共同ソーラー発電所の事業者でもあります。是非、産学官金の情報交換については、次の行動につながるよう、単なる発表会と懇親会といったものではなく、ワークショップ形式での開催をお願いしたいと思いますが、経済部長、いかがでしょうか。
○秋葉征士議長　片桐経済部長。
○片桐崇経済部長　お答えいたします。
　　今年３月、東根市産学官金連携事業として、産学官金による情報交換会を開催いたしました。これまで産学官で行っていたものに、金融機関としての金、いわゆる東根市金融協会などを加えまして、それから「学」についても、山形大学のほかに、今、議員ご指摘されました東北芸術工科大学なども加えて実施したところでございます。
　　再生可能エネルギーに関して、今、言われた課題の一分野として、この情報交換会の中で展開していくということは大変重要なことだと考えております。
　　地域経済活性化におきましては、産学官金の連携というのは言うまでもなく重要なことでございますので、今後、この回を重ねながら、その内容やあり方につきまして、ワークショップ形式がいいのか、その辺をもう少し熟度を重ねながら研究してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○秋葉征士議長　４番白井健道議員。
○４番（白井健道議員）　ありがとうございます。では、引き続きのご検討をよろしくお願いいたします。
　　最後は、今回の一般質問の準備をする過程で初めて知った数字というものがあります。それは、発電効率に関するものですけれども、火力発電においては、化石燃料を燃やして高熱をつくって、そこから生まれる水蒸気で発電機のタービンを回して電気をつくるわけですけれども、その熱自体は未利用のまま捨てられていると。その割合は、当初のエネルギーの59％に相当するというものです。高い価格で輸入したエネルギーの半分以上を電気をつくる時点で捨てているということ、さらには送電ロスというものも４％程度あるということです。
　　このような非効率なエネルギー供給を変えるには、やはり再生可能エネルギーを中心とした分散型システムの構築、そして熱エネルギーと電力を同時に供給できるコージェネレーションが有効なわけであります。まさに、地域のエネルギーは地域でつくるということが重要なわけです。
　　地域のエネルギーは地域でつくるということは、地域に雇用が生まれるということであります。東根市の市域の均衡ある発展については課題を有する当市において、東部の中山間地域、あるいは西部の最上川流域などを対象に、再生エネルギーによる地域活性化を期待したいところであります。
　　今後とも関係部署、関係機関と意見交換をしながら、勉強していきたいと思っております。
　　最後に、昨日の東北芸術工科大学でのフォーラムで非常に印象に残ったことがあります。ここで最後に紹介させていただきます。
　　オーストリアの農業と林業と営む方が、４人の農家と、家畜のふん尿と牧草を資源とするバイオガスプラント、これを約３億円の経費をかけて建設したというものです。なぜその事業に取り組んだか、その理由を聞いたところ、子どもたちに「化石燃料がなくなるのに何もしなかったのはなぜか」と聞かれたくないからという答えだったそうです。非常に考えさせられました。
　　我々も、子ども、孫など、将来世代に対して大きな責任を負っているということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
　　ありがとうございます。
○秋葉征士議長　以上で、ご了承願います。

　　◎散　　　　　会

○秋葉征士議長　以上で、本日の日程は全部終了しました。
　　本日はこれで散会します。
　　ご苦労さまでした。

　　　午後　１時５１分　散　会