平成２７年６月４日　午前１０時００分　開　議

　　　　　　清　　野　　忠　　利　議長　　　　　　　佐　　藤　　　　　直　副議長

◎出席議員（１７名）
　１番　　　河　　村　　　　　豊　議員　　　　　　　２番　　　原　　田　　利　　光　議員
　３番　　　髙　　橋　　光　　男　議員　　　　　　　４番　　　細　　矢　　俊　　博　議員
　５番　　　今　　野　　　　　孝　議員　　　　　　　６番　　　大　　場　　英　　雄　議員
　７番　　　浅 野 目　　幸　　一　議員　　　　　　　８番　　　加　　藤　　信　　明　議員
　９番　　　白　　井　　健　　道　議員　　　　　　１０番　　　阿　　部　　綾　　子　議員
１１番　　　髙　　橋　　ひ ろ み　議員　　　　　　１２番　　　清　　野　　貞　　昭　議員
１３番　　　森　　谷　　政　　志　議員　　　　　　１４番　　　奥　　山　　重　　雄　議員
１５番　　　秋　　葉　　征　　士　議員　　　　　　１６番
１７番　　　佐　　藤　　　　　直　議員　　　　　　１８番　　　清　　野　　忠　　利　議員

◎欠席議員（なし）
◎説明のため出席した者の職氏名
土　田　正　剛
市　　　　　　長

石　山　泰　博
教　　育　　長
岡　田　博　雄
選挙管理委員会
委　　員　　長

小　林　文　雄
代表監査委員
工　藤　喜惠治
農業委員会会長

本　間　芳　次
消　　防　　長
間木野　多加志
副　　市　　長

半　田　　　博
総　務　部　長
矢　萩　和　広
市民生活部長

髙　橋　　　昇
健康福祉部長
片　桐　　　崇
経　済　部　長

本　田　　　剛
ブランド担当部長
滝　口　亮　一
建　設　部　長
兼 水 道 部 長

今　野　和　行
会計管理者
古　谷　利　明
教　育　次　長

石　垣　裕　之
総合政策課長
浅野目　　　勇
庶　務　課　長
併選挙管理委員会
事　務　局　長

芦　野　耕　司
財　政　課　長
網　干　　　賢
監　査　委　員
事　務　局　長

菊　池　忠　芳
農 業 委 員 会
事　務　局　長


◎事務局職員出席者職氏名
斎　藤　吉　則
事　務　局　長

安　達　好　浩
事務局長補佐
辻　村　　　充
副　　主　　任

松　山　朋　美
主　　　　　事
鈴　木　敬　一
兼　務　書　記

早　坂　康　弘
兼　務　書　記








◎議　事　日　程

　議事日程第２号
　　　　　　　平成２７年６月４日（木）　午前１０時　開　議

日程第　１　市政一般に対する質問
　　　　　　１　　１番　河　村　　　豊
　　　　　　２　　５番　今　野　　　孝
　　　　　　３　　９番　白　井　健　道
　　　　　　４　　２番　原　田　利　光
　　　　（散　　　　　会）

◎本日の会議に付した事件

　議事日程第２号に同じ。
平成２７年東根市議会第２回定例会 一般質問発言通告書

番 号
質 問 者
質 問 事 項
質 問 要 旨
答 弁 者
１
河村　　豊
議　　　員
１．生活困窮者自立支援制度について
１．生活困窮者の早期発見・早期支援について

２．任意事業について
市　　　長
２．障がい者支援について
１．相談窓口について

２．発達障がいに関する相談・支援について

３．障がい児保育について
市　　　長
２
今野　　孝
議　　　員
１．国民健康保険の広域化について
１．政府は、現在開かれている国会に「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案」を提出し、５月27日の参議院本会議で可決が強行されました。この法律の中心は、国保の財政運営の広域化です。また、広域化は国保税の引き上げを抑制するために、市町村が行っている一般会計からの繰り入れをやめさせる狙いがあるとも言われています。
　　しかし、法律についての正確な情報は国民には伝わらず、市民の間からは不安の声も聞かれます。そこで４点お尋ねします。
　（１）広域化に伴い、住民、被保険者の声や地元の意向が反映されにくくなることはないのか。
　（２）国保における最大の問題である、高すぎる国保税引き下げの展望は開けるのか。
　（３）国保税引き上げ回避の名目で、医療費削減（サービスの低下）に拍車がかかることにならないか。
　（４）子どもの医療費無料化の政策は守られるのか。
市　　　長

番 号
質 問 者
質 問 事 項
質 問 要 旨
答 弁 者
３
白井　健道
議　　　員
１．農産物の輸出戦略について（さくらんぼを中心として）
１．５月に実施されたタイ市場調査の成果と課題について
市　　　長
２．「地域おこし協力隊」の有効活用について
１．「地域おこし協力隊」を地方版総合戦略の一環として小規模事業者支援などに活用する自治体もある中、当市の考え方について
市　　　長
４
原田　利光
議　　　員
１．子ども・子育て支援について
１．子ども・子育て支援新制度における保育料の設定状況について

２．保育施設における安全管理について

３．保育所入所に係る相談体制について
市　　　長

２．学童保育について
１．安全安心に預けられるよう質を高める施策について

２．障がい児の受け入れについて

３．学童保育所の安全管理について
市　　　長




　　◎開　　　　　議

○清野忠利議長　皆さん、おはようございます。
　　本日の会議に欠席及び遅刻の届け出はありません。したがって、出席議員の数は17名で定足数に達しておりますので、これから本日の会議を開きます。
　　本日の会議は、議事日程第２号によって進めます。

　　◎市政一般に対する質問

○清野忠利議長　日程第１　市政一般に対する質問を行います。
　　質問は通告順としますが、発言順番を迎えたときに議場にいない場合は発言権の放棄とみなしますので、そのようにご了承願います。

　　◎河村　豊議員質問

○清野忠利議長　はじめに、１番河村　豊議員。
　　　〔１番　河村　豊議員　登壇〕
○１番（河村豊議員）　おはようございます。
　　それでは、議長の指示により、通告しております２項目について質問をさせていただきます。
　　生活困窮者自立支援法が４月から施行されました。仕事や健康などで深刻な問題を抱えた人を生活保護に至る前に支え、新たな人生への挑戦を後押しする画期的な法律であります。
　　この法律に基づく自立支援制度を活かすには、自治体をはじめ関係者の理解と積極的な取り組みが不可欠であります。生活困窮者自立支援制度は、生活する上で様々な困難を抱える人を、地域で自立して生活できるように、個々の状況に応じ、その人の主体性を尊重しながら、相談、支援する制度であります。
　　生活困窮と一口に言っても、経済面や家族関係、精神的な問題など多くの理由があり、複雑に絡み合っている場合もあります。そのような人たちはなかなか声を上げられず、支援にたどりつけなかったり、既存の制度では救済されず、社会的に孤立したりしているケースが少なくありません。
　　生活困窮者の早期発見・早期支援に必要となるのは、行政はもちろん、社会福祉協議会や民間団体、保健師など多くの関係者が参加し、情報共有や問題解決に向けた議論を行うことが大切です。困窮者の自立に向けた支援計画の評価、修正なども検討することで、より困窮者の実情に即した取り組みへ練り上げることが期待できます。
　　先進的な事例として、大阪府豊中市のコミュニティソーシャルワーカー、ＣＳＷは、制度のすき間を埋めるために、行政の課長クラスが集まってライフセーフティネット総合調整会議を開催し、解決に向けた仕組みをつくり出しております。このＣＳＷの活躍が、ＮＨＫでサイレントプアというタイトルでドラマ化され、昨年４月より９回にわたって放送されました。
　　これまで市民から様々な生活相談を受けても、生活保護に至る前の状態では、行政の窓口では十分な対応ができないのが現状でありました。今回の制度は、こうした法律のはざまで苦しむ人々を守るためのものであり、市民から様々なご相談をいただく現場の一議員として、非常にありがたいことであります。自立への出口戦略をしっかりと確立し、困窮、孤立者を生まない新しい地域社会の創造に向けた取り組みを期待しております。
　　今回の制度の特徴は、人が人を支援することに力を入れております。これまでは、生活困窮者支援というとお金などの給付になりがちでしたが、今回は、住宅に関する給付を除いて、それがありません。制度の軸は、相談者をいかに既存の給付制度に結びつけられるかというコーディネート機能であります。既存の制度に人を合わせるのではなく、人に合わせて柔軟に制度を活用できるようになったということであります。
　　法律における生活困窮者の定義は、「現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持することができなくなるおそれのある者」ですが、その本来の意味は、単なる経済的な困窮状態に置かれた人ではないということが重要なポイントであります。様々な悩みを抱えた人をまずは幅広く受け入れる仕組みになっています。どこに相談すればいいかわからない悩みにこそ、この制度で対応していかなければなりません。
　　懸念されることは、出会い、すなわちアウトリーチ、訪問支援や早期発見という部分です。この制度は相談事業がベースになりますが、役所に窓口を置いて待っているだけでは、困窮者は相談に来ないと思われます。支援は声かけから始まり、中には何年もかけて自立に至るケースも少なくありません。経済的困窮のみならず、社会的に孤立している人は、相談に来ない、あるいは来られない人々であります。相談しようという意欲すらない人たちもいます。どうやってこちらから手を差し伸べていくのかということが課題です。
　　また、非正規雇用者が４割近くを占める現在、一度は就職して危機を脱しても、また失業して危機に陥ることは珍しくありません。第二、第三の危機を想定した長期的な取り組みが必要であります。
　　このような現状に、生活困窮者自立支援全国ネットワーク代表理事の奥田知志氏は、「問題をいかに解決できるか」というだけでなく、「相談者との関係をいかに保ち続けられるか」という伴走型支援を提案され、「関係を保ち続けること自体が相談なのです。」とおっしゃっています。どんな理由、どんな入り口から入っても、支援の手を差し伸べられる、そこに人が伴走し、必要な支援につなぐということです。
　　この制度を運用するのは、行政や民間団体の関係者だけではありません。地域住民の参加も必要です。生活困窮者を支援することによって、地域のつながりを再構築していく。この制度は地方創生の基盤づくりにもつながると考えます。
　　そこで、当市における生活困窮者の早期発見・早期支援への取り組みについてお伺いいたします。
　　もう一つは、相談後の出口の問題であります。相談者の悩みを解決するために必要なサービスにつなげていくわけでありますが、出口戦略上重要な就労準備事業や家計相談事業等を実施するかどうかは、自治体に任される任意事業となっています。積極的な自治体とそうではない自治体との格差が生まれ始めております。昨年末の厚生労働省の統計では、約半数の自治体が初年度は任意事業を一つも実施しないと回答しておりました。
　　任意事業は、一つ目に、就労に向けた訓練、二つ目に、ホームレスらへの宿泊場所や衣食の提供、三つ目に、家計に関する相談、指導、四つ目に、生活困窮世帯の子どもへの学習支援などで、そのほかにも、困窮者の自立支援の促進に必要な事業を行うことができるとされております。
　　当市においては、必要な事業の実施と体制の充実に取り組むべきだと考えます。来年度を待たずに本年10月から実施する場合には、今年度、国庫の追加協議も行われると聞いております。是非前向きにご検討いただきたいと思い、当市の任意事業の取り組みについてお伺いいたします。
　　次に、障がい者支援についてお伺いいたします。
　　これまで障がい者支援については様々な質問をさせていただき、市民の皆様からのご要望にお答えいただいてまいりました。特に、昨年10月より実施いただいた、楯岡特別支援学校に通学する子どもたちのための通学支援は、保護者の方々の就労面や、冬場の積雪時における安全な送迎などにおいて、大変喜んでいただいております。
　　また、最近、この通学支援を利用する小学生に直接お話をお伺いすることができました。そのお子さんは、毎朝友達と一緒にタクシーに乗って通学できることがとても楽しいと喜んでおられ、思ってもみなかった返答に私も大変うれしくなりました。
　　一方、障がい者や障がい児の支援について、どこに相談すればいいのかわからないという声が多く聞かれます。当市における障がい者の相談窓口の現状、体制についてお伺いいたします。
　　次に、発達障がいに関する相談・支援についてお伺いいたします。
　　発達障害者支援法が2005年４月に施行され、丸10年を迎えました。発達障害者支援法では、自閉症、アスペルガー症候群などの広汎性発達障害、学習障害、いわゆるＬＤ、注意欠陥多動性障害、ＡＤＨＤ、その他これに類する脳機能の障害で、その症状が通常低年齢で発現するものと定義されておりますが、実際の症状は、言葉の発達に遅れがあったり、集中力や注意力が続かなかったり、読み書き、計算が極端に苦手だったりと、多種多様であります。
　　以前は、発達障害のある人への支援は知的障がい者施策の一部として行われていたにすぎず、知的障害を伴わない場合は施策の対象から外れ、役所で門前払いに遭うこともありました。知的障害のある場合でも、個々に必要な支援が行き届いていませんでした。
　　国民のおよそ10人に１人が発達障害を抱えているとも言われる中、この法律に基づき、この10年間で発達障害に関する地域の相談窓口となっている発達障がい者支援センターが全国に整備されました。発達障害に関する理解を広げるとともに、社会福祉士や臨床心理士ら専門スタッフが、孤立しがちな本人、家族の相談を受け、本人の特性に応じた支援計画の作成、実施、ハローワークなどとの連携した就労支援などを行っており、山形県においては上山市の山形県立総合療育訓練センター内に設置されております。
　　一方、センター職員が日々の相談業務に追われ、市町村や事業所のバックアップに十分な労力を割くことができなくなっているなどの全国的な課題に、岡山県がいち早く対応してきました。2006年度からセンターが相談業務を丸抱えする仕組みを改め、それぞれの市町村にコーディネーターを配置し、専門窓口を設けてもらう事業を実施しています。県が配置にかかる費用の２分の１を３年間に限って補助し、現在では、県が管轄する26市町村のうち18市町でコーディネーターが活躍しているということです。結果として、地域ごとに異なるニーズに対しても、よりきめ細かな支援が可能になっております。
　　岡山県をモデルに、国も2014年度から市町村や事業所の活用をさらに促す方針を打ち出し、各センターにそのための人材を配置する財政支援を行っております。
　　それらを踏まえて、本市における発達障害に関する相談・支援についてお伺いいたします。
　　次に、障がい児保育についてお伺いいたします。
　　４月にスタートした子ども・子育て支援新制度は、誰もが産み育てることができる環境を整備するため、地域における保育や幼児教育などの質と量を拡充するのが狙いであります。
　　さらに、全ての母親が子育てと仕事を両立させるためには、見過ごされがちだった障がい児保育に配慮した制度の拡充が欠かせません。知的障害や重度の心身障害があるなど、通常の保育所に通うことが難しい、医療ケアが必要な子どもも、新制度における訪問保育や訪問看護ステーションとの連携の工夫などで保育サービスを受けることが可能になると考えます。
　　そこで、当市における障がい児保育についてお伺いいたします。
　　以上、登壇での質問といたします。
○清野忠利議長　１番河村　豊議員の質問に対し答弁を求めます。土田市長。
　　　〔土田正剛市長　登壇〕
○土田正剛市長　おはようございます。
　　河村　豊議員のご質問にお答えいたします。
　　はじめに、生活困窮者自立支援制度についてであります。
　　生活困窮者の早期発見・早期支援についてでありますが、生活困窮者の多くは、支援が必要な人ほど自ら声を発することが困難で、支援が遅れるほど状況が複雑化し、解決が難しくなると言われております。
　　このような中、平成25年12月に成立した生活困窮者自立支援法が本年４月から施行され、生活困窮者自立支援制度と生活保護制度の一体的な運用により、一人でも多くの生活困窮者の早期の生活自立につなげることを目的としたものであります。
　　本市においては、４月から、本制度の必須事業である自立相談支援事業を社会福祉協議会に委託し、事業を開始いたしました。専門の相談支援員が生活や就労等の相談に当たっており、これまで４月に６件、５月に６件の相談が寄せられ、自立に向けた支援を実施しているところであります。
　　また、もう一つの必須事業であり、生活困窮者の就職活動を支えるためアパート等の家賃費用の給付を行う住居確保給付金の支給につきましては、４月及び５月の利用実績はなかったところではありますが、福祉課に窓口を設けて事業の実施体制を整えております。
　　このようなことから、制度の趣旨に即した事業を推進しているものと認識しております。
　　生活困窮者自立支援制度の効果的な運用を図り、多様で複合的な課題を抱える生活困窮者を早期に発見し、支援するためには、様々な支援メニューを用意し、新たなネットワークを構築することが必要であり、そのためには、包括的で横断的な取り組みが不可欠であります。
　　具体的な取り組みとして、税務課、水道課、子育て健康課、教育委員会等の関係部署にも事業実施を広報するためのパンフレットを配置し、来庁者への周知に努めてまいります。
　　また、プライバシー等に留意した上で情報の連携を図り、生活困窮者の早期発見のためのネットワーク化を進めてまいります。
　　さらに、民生委員、児童委員に対して自立相談支援事業や住居確保給付金の支給の説明を行い、必要に応じた地域内の声かけを依頼するほか、相談支援員による自宅訪問支援も実施してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
　　次に、生活困窮者自立支援法に基づく任意事業についてであります。
　　先にご説明申し上げました自立相談支援事業及び住居確保給付金の支給の必須事業のほかに、四つの任意事業があります。一つ目として、就労に向けた日常・社会的自立のための訓練を行う就労準備支援事業、二つ目として、住居喪失者に対し一時的に衣食住を提供する一時生活支援事業、三つ目として、家計再建に向けたきめ細かな相談・支援や家計再建資金貸付のあっせんを行う家計相談支援事業、四つ目として、生活困窮家庭の子どもに対する学習支援や保護者への進学助言を行う学習支援事業であります。
　　これらの任意事業の取り組みにつきましては、今年度から実施している必須事業の相談内容や相談の傾向を検証するとともに、任意事業の優先順位を見極めた上で、来年度以降の効果的な実施に向け検討を行ってまいりますので、ご理解をお願いいたします。
　　次に、障がい者支援についてでありますが、障がい者の相談窓口については、基本的に市で対応し、その後、相談内容に応じて、東根市社会福祉協議会や民間の相談支援事業所及び関係機関等と連携を図り、解決に向けた対策を講じております。
　　なお、昨年度から市内の民間事業所等による障がい児及び障がい者の相談支援事業所が３カ所開設されたところであります。また、平成27年度中に、生活全般の相談を行う一般相談支援事業を、これまでの市外の１事業所に加え、東根市社会福祉協議会に委託して実施することとしております。
　　今後とも障がい者が自立した日常生活や社会生活を営むことができるよう、相談支援体制の強化を図ってまいります。また、将来的には、近隣市町村と連携し、広域的な相談支援事業所間のネットワーク化を図るなど、より効果的な相談支援体制の構築についても検討してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
　　次に、発達障がいに関する相談・支援についてでありますが、本市では月１回、子どもの発育や予防接種など育児全般に関することについて、すくすく育児相談を実施しております。
　　さらに、子どもの発達などに関する子育て相談を月１回実施し、臨床心理士が相談に応じております。
　　また、３歳児健診などの各種健診で異常が見られた場合は、児童相談所による精密検査を勧めるなど、関係機関と連携した取り組みを行っているところであります。
　　このほか、出生後間もない時期に市の保健師等による乳児全戸訪問を実施しているところであります。その際、発育に関する相談も含め、気軽に育児全般にわたる相談をしていただけるよう、連絡先を明記したカードをお渡しするなど、障害の有無にかかわらず発育に関する相談・支援体制を整えております。
　　現在、市内に児童発達支援施設を運営する事業所がないため、主に他市の事業所等を利用しているところでありますが、今後、障がい児の児童発達支援を行う事業所が新たに市内に開設される予定であります。また、今年の１月に、市内で二つ目となる、小学生及び中学生の障がい児を対象に生活機能向上訓練や社会との交流促進等を行う放課後デイサービス事業所が開所したところであります。さらに、来年度に向けてもう一つの事業所が開設準備を行っており、障がい者福祉の推進体制は着実に整備されつつあると捉えているところであります。
　　今後とも就労の場としての就労支援事業所、生活の場としてのグループホーム等の開設を事業所等に働きかけ、引き続き相談体制及び支援体制の充実に努めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。
　　次に、障がい児保育についてでありますが、本市では、東根児童館において心身障がい児小規模通園事業を実施しているところであります。これは、３歳以上の未就学児を対象に集団保育を行うものであり、現在５組の児童とその保護者が通園しております。
　　また、定期的に臨床心理士が各保育施設において相談を受ける育児相談充実事業を実施しているほか、各保育所や児童センターにおいても可能な限りその障害の程度に応じた受入体制を整え、集団保育を実施しておりますので、ご理解をお願いいたします。
○清野忠利議長　１番河村　豊議員。
○１番（河村豊議員）　今、制度の説明等もいただきました。
　　この制度が４月１日からスタートしているわけでありますけども、多くの、これは先ほどご答弁の中にもございました、ご相談が寄せられているようであります。相談内容は具体的にどのようになるものが多いのか、お願いいたします。
○清野忠利議長　髙橋健康福祉部長。
○髙橋昇健康福祉部長　お答えいたします。
　　生活困窮者自立支援制度につきましては、今年の４月からスタートしたところであります。この２カ月間の状況によりますと、相談する方の年齢構成は20代から70代までと幅広く、男女別の比率はほぼ半数となっているところであります。
　　相談内容の傾向でありますけども、「収入、生活費の不安」が最も多く、その次に「病気や障害といった健康問題」、そして「家賃やローンの支払い」となっているところであります。
　　なお、相談される方の全ての方が様々な悩みを抱えておりまして、生活困窮の要因を複合的に抱えているというのが現状のようであります。よろしくお願いします。
○清野忠利議長　１番河村　豊議員。
○１番（河村豊議員）　様々この相談が寄せられているということでありますけども、ここに至る事業の現状での効果というのはどのように捉えておられますでしょうか。
○清野忠利議長　髙橋健康福祉部長。
○髙橋昇健康福祉部長　お答えいたします。
　　事業の効果については、事業の開始からまだ間もないわけでありますけれども、２カ月間の相談件数が12件ということでありますので、一定の効果があったものと、このように捉えているところであります。
　　今後も検証、精査を続けていかなければなりませんけれども、困窮者が抱える問題の解決は長い期間を要するものでありまして、段階的かつ継続的に切れ目のない支援やその後のフォローアップが重要であると、このように考えているところであります。
　　また、社会福祉協議会に設置されました相談に応じる専門支援員には、それぞれのケースに応じた対応をしているところであります。最も多いものはハローワーク等への関係機関との連携による就労支援対応であります。なお、結果的に就労が困難であり、福祉課と連携して生活保護の申請に至ったケースもあります。
　　今後も関係機関や民生委員等と連携を図りながら、生活困窮者の自立に向けた取り組みを実施してまいりたいと、このように考えているところであります。よろしくお願いします。
○清野忠利議長　１番河村　豊議員。
○１番（河村豊議員）　先ほど答弁でもございました、質問もしましたけども、任意事業というのがございます。必須の事業とは別のですね。これが、東根市としては今回、任意事業への取り組みはまだということであります。任意事業として必要な事業はどのように考えておられますでしょうか。
○清野忠利議長　髙橋健康福祉部長。
○髙橋昇健康福祉部長　先ほども答弁したところですけども、これまで２カ月間の相談からの推測でありますけれども、「収入・生活費」の相談が最も多いということから、収入を支援するための「就労準備支援事業」と、支出に係る家計を支援するための「家計相談支援事業」の必要性を感じているところであります。
　　また、社会福祉協議会におきまして、平成25年12月から、元教諭や大学生の市民ボランティアを講師にお願いしまして、夏休みの学校休暇期間中、ひとり親世帯の子どもを対象にしました無料の学習会を開催しているところであります。これまでに延べ136人の子どもが利用している状況にあります。これらの「子どもの学習支援」も充実していかなければならないと、このように考えております。
　　これらのことを踏まえまして、今後の相談内容や傾向を精査しまして、よりよい事業となるよう取り組んでまいりますので、ご理解をお願いします。
○清野忠利議長　１番河村　豊議員。
○１番（河村豊議員）　任意事業、特に、これまでも進めてきた子どもに対する学習支援などのご説明もございました。それ以外にも、生活困窮者の問題に付随する子どもへの対策というのはどのようになっているでしょうか。
○清野忠利議長　髙橋健康福祉部長。
○髙橋昇健康福祉部長　お答えいたします。
　　生活困窮者の自立支援と子どもの貧困対策というものは密接に関連しているものと捉えているところであります。これまでも、子どもが関係する貧困等の問題は、福祉課が窓口になりまして、家庭相談員や母子・父子自立支援員が児童相談所や教育委員会、警察等との関係機関と連携を図りながら問題解決に当たってきたところであります。
　　子どもの貧困対策は、世代を超えて貧困が連鎖しないための環境整備を図ることが重要であり、子どもに対する学習支援や生活支援だけでなく、保護者への経済的な支援につながる就労支援策が必要であると、このように考えているところであります。
　　そのためにも、今後も児童相談所等の関係機関と連携を図りながら、生活困窮者自立支援制度に基づく包括的な支援を行ってまいりたいと、このように考えているところです。よろしくお願いします。
○清野忠利議長　１番河村　豊議員。
○１番（河村豊議員）　生活困窮者自立支援制度の対象というのは、限定されておりません。従来の課題別とか、あと対象別の制度ではありませんので、それらを踏まえて、制度のきめ細やかな周知をお願いしたいと思います。
　　先ほども答弁でございました、窓口にパンフレット等を置いているということでしたけども、庁舎に来られる方ばかりではない。先ほど質問でも述べましたけども、やはり、いかにそういう届かない、来られないところ、相談をする気さえも起こらない、そういう方々に対してこういう制度がどういうふうに周知されるかというところが非常に大事だと思いますので、特に周知、広報の部分をしっかりお願いしたいと思います。
　　それからまた、任意事業については、先ほどございました就労準備支援事業や、家計相談支援事業の実施についても、先ほど紹介させていただいた例とは別に大阪府豊中市などでは、この任意事業についての先進事例というのも非常にすばらしい内容が出ておりますので、是非積極的な取り組みをお願いしたいと思います。
　　それから、障がい者支援についてでありますけども、先ほどもございました就学前の児童の支援というのをさらに推進するべきだと考えますが、この点いかがでしょうか。
○清野忠利議長　髙橋健康福祉部長。
○髙橋昇健康福祉部長　お答えいたします。
　　先に市長が申し上げましたとおり、おおむね３歳から就学前の障がい児を対象としまして、基本的な生活や、言語及び運動等の発達に関する支援を行う児童発達支援事業所が市内に来年開所する予定であります。
　　今後とも、現在、放課後デイサービス事業等を実施している市内事業所に対しまして事業拡充の働きかけを行っていくことに加えまして、近隣の発達支援事業所と連携を図りながら、個々の状況に応じた支援に取り組んでまいりたいと、このように考えているところです。
　　また、市内各保育所、児童センターにおきまして、重度から軽度の障害のある児童に対しても、可能な限りその児童の状況に応じた受け入れ体制を整えまして、集団保育を実施しているところであります。よろしくお願いします。
○清野忠利議長　１番河村　豊議員。
○１番（河村豊議員）　充実していただけるということですけども、３歳児未満の障がい児への支援というのは、市としてどのように対応をしているのでしょうか。
○清野忠利議長　髙橋健康福祉部長。
○髙橋昇健康福祉部長　お答えいたします。
　　３歳未満の乳幼児につきましては、発達過程でもありまして、個人差も大きく、特に発達障害などにつきましては、障害の有無について判断をすることというのはなかなか難しいというのが現状であります。
　　乳幼児の全戸訪問、各健診での異常の発見、専門家による各育児相談などにおきまして、保護者からの相談に対応するなど支援体制を整え、必要に応じて関係機関と連携した対応を行っておりますので、ご理解をお願いします。
○清野忠利議長　１番河村　豊議員。
○１番（河村豊議員）　今、答弁ございました、関係機関との連携ということでございましたけども、連携した対応について、これを具体的にお願いしたいと思います。
○清野忠利議長　髙橋健康福祉部長。
○髙橋昇健康福祉部長　お答えいたします。
　　発育に関して何らかの心配のある場合は、保護者と相談しながら、児童相談所が実施する精密検査の受診を勧めております。その際も、市を通じて手続を進めまして、児童の普段の様子を含め、詳細に情報を共有しているところであります。検査の際も、市の保健師等が同席するほか、その対応も個別具体的に相談支援体制を構築しているところであります。
　　また、より専門的な訓練が必要となる場合など、同様に市が窓口となりながら、県総合療育訓練センターでの受診、診断を経て、訓練のための通所を実施しているところであります。よろしくお願いします。
○清野忠利議長　１番河村　豊議員。
○１番（河村豊議員）　では、最後の質問になります。
　　これまでも私、質問をさせていただいた件でございます。障がい者の子どもたちですね、学校卒業後の就労、これが非常に重要な障がい者支援に当たると考えております。就労支援事業所やグループホームの必要性の働きかけというのを行っていただいているということでありますけども、これをもう少し具体的に、最後お願いしたいと思います。
○清野忠利議長　髙橋健康福祉部長。
○髙橋昇健康福祉部長　お答えいたします。
　　就労支援事業所の整備についての働きかけでありますけれども、具体的には、市内の就労支援事業所「こすもすの家」に対しまして、就労定員の拡充に向けた取り組みを働きかけております。具体的には、平成28年度以降の施設整備に向け対応を検討していただいているところであります。
　　また、市内の福祉事業所に対しましても、継続して施設整備を働きかけており、就労支援体制の拡充に努めているところであります。
　　次に、グループホームの整備についてでありますけども、本市には定員６名の１施設のみのグループホームがあります。十分に充足している状況ではないと、このように考えているところであります。
　　グループホームにつきましては、在宅生活が困難な障がい者の住まいを確保するために大変有効であり、就労と密接に関連する施設でもありますので、今後とも就労支援施設の働きかけとあわせまして働きかけを行ってまいりたいと、このように考えているところであります。よろしくお願いします。
○清野忠利議長　以上で、ご了承願います。

　　◎今野　孝議員質問

○清野忠利議長　次に、５番今野　孝議員。
　　　〔５番　今野　孝議員　登壇〕
○５番（今野孝議員）　おはようございます。５番今野　孝です。通告に従い、一般質問を行います。
　　政府は、現在開かれている国会に、「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案」を提出し、５月27日の参議院本会議で可決が強行されました。1961年の制度発足以来の大改定であります。ところが、衆議院厚生労働委員会での審議は、参考人質疑を含めてもわずかに３日半きりなかったと報じられました。短時間で審議を打ち切っての強行突破と言わなければなりません。
　　この法律の中心は国保の財政運営の広域化です。また、広域化は、国保税の引き上げを抑制するために市町村が行っている一般会計からの繰り入れをやめさせる狙いがあるとも言われております。しかし、法律についての正確な情報は国民には伝わっておらず、市民の間からは不安の声も聞かれます。そこで、４点お尋ねいたします。
　　現在、国保の運営は各市町村が実施主体となっております。身近に住民が見える自治体だからこそ、そのまちの独自施策をつくり、住民の立場での国保運営ができるからだと思います。国保の広域化によって、住民に寄り添った運営が困難になるのではないでしょうか。
　　そこで、１点目として、広域化に伴い、住民、被保険者の声や地元の意向が反映されにくくなることはないのか、お尋ねしたいと思います。
　　国保における最大の問題は、高過ぎる国保税です。国民健康保険実態調査報告によると、国保の負担率は1998年以降上昇を続け、2011年には所得の10％を超えてしまいました。それに伴い滞納率も上昇し、2005年以降は10％前後で推移しております。つまり、負担能力の限界を超えてしまったということではないでしょうか。
　　全日本民主医療機関連合会の調査では、加盟の病院、診療所648カ所で、2014年に経済的理由で受診が遅れて亡くなった人は56人いるそうです。その６割が、国保税が納められず、無保険、あるいは資格証明書、短期証を交付されていた方々だったということであります。
　　そこで、２点目として、国保の財政運営の広域化によって、国保における最大の問題点である高過ぎる国保税引き下げの展望は開けるのか、お尋ねいたします。
　　現在、国保財政に対して市町村が3,500億円を一般会計から繰り入れています。政府は3,400億円の財政支援を行うとしていますが、市町村による繰り入れ分を補てんするだけで、定率国庫負担を増やさなければ、さらなる国保税の高騰は避けられないと思います。結局のところ、国保税の引き上げか、それとも医療費抑制かという選択を市町村に迫っていくことになるのではないでしょうか。
　　そこで、３点目として、国保税引き上げ回避の名目で、医療費削減、サービスの低下に拍車がかかることにならないのか、お尋ねしたいと思います。
　　12年前には夢のような話であった子どもの医療費無料化事業が、昨年10月には中学３年生まで対象年齢が拡大されました。本市の子育て支援策の重要な柱の一つになっており、今後、さらなる拡充を図るべきものと考えております。
　　そこで、４点目として、子どもの医療費無料化の政策は守られるのか、お尋ねいたします。
　　以上をお尋ねして、登壇での質問といたします。
○清野忠利議長　５番今野　孝議員の質問に対し答弁を求めます。土田市長。
　　　〔土田正剛市長　登壇〕
○土田正剛市長　今野　孝議員の国民健康保険の広域化についてのご質問にお答えいたします。
　　現在、持続可能な医療保険制度の構築を目指し、国民健康保険制度改革が進められております。これは、平成25年に成立した社会保障制度改革プログラム法に基づき、財政基盤の安定化、負担の公平化、医療費の適正化を図るものであります。これまで、全国市長会をはじめ地方３団体が国に要望し、協議してきたもので、先週、国民健康保険法の改正法が成立したことはご案内のとおりであります。
　　はじめに、住民、被保険者の声や地元の意向が反映されにくくなることはないかというご質問についてでありますが、国民健康保険、いわゆる国保は、被保険者の年齢構成が高いことから、一般的に保険給付費が高額であり、また、低所得者が多く、さらには小規模な保険者が多いのが現状であります。
　　しかし、この度の法律改正により、平成30年度から県が主体となり、安定的な財政運営が図られることになります。具体的には、県が市町村ごとに国保事業費分賦金を決定し、市町村は県に割り当てられた額を分賦金として納付することになります。
　　今後は県が国保の運営方針を定め、市町村の事務の効率化及び広域化を推進するとされておりますが、被保険者に関わりの深い資格管理、保険給付、税率の決定、賦課・徴収、保健事業等は、これまでどおり市町村が行うこととなります。手続や相談もこれまで同様市が窓口となりますので、被保険者に不便が生じることのないよう、なお一層留意してまいります。
　　また、条例や予算等への議会のチェック機能や、審議機関である国民健康保険運営協議会は、これからも存続することになります。今後とも市に寄せられる声に引き続き真摯に耳を傾け、県と連携して適切に対応してまいります。
　　さらに、市報等を通じて国保の運営状況等を積極的に情報提供してまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
　　次に、高過ぎる国保税引き下げの展望は開けるのかというご質問についてでありますが、税負担の増は主に医療の高度化と高齢化の進行に起因するものであります。今後、団塊の世代の高齢化に伴い、保険給付費はさらに増える見込みであり、歳出に見合った歳入の確保が大きな課題となっております。このような背景から、社会保障と税の一体改革に基づく財政支援が実施されることとなったところであります。
　　平成26年度及び27年度に低所得者世帯の国保税軽減の拡大と軽減分の一般会計からの補てんを、また、今年度から全国規模で約1,700億円の保険者支援が行われ、平成30年度からはさらに約1,700億円を追加して、約3,400億円の財政支援が予定されております。
　　保険者である本市としても、被保険者の負担増を軽減するため、平成26年度に予定していた国保税の引き上げを見合わせたところであります。
　　今後も生活習慣病の予防など保健事業を強力に推進するとともに、ジェネリック医薬品の普及促進や頻回受診対策等、医薬費適正化対策を講じてまいりますので、ご理解をお願いいたします。
　　次に、国保税の引き上げを回避するために医療のサービス低下に拍車がかかることにならないかという点についてでありますが、頻回受診や多重受診は抑制しながらも、治療が必要な方に必要な医療を届けることは、社会全体の責務と認識をしております。
　　経済的に困窮している患者については、窓口負担金の免除及び猶予などを行う制度を活用しながら受診機会の確保に努めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。
　　最後に、子どもの医療費無料化は守られるかについてでありますが、現在、子どもの医療費の窓口負担無料化により、国からの国保補助金の減額措置が実施されております。本市では、減額分を一般会計から国保会計に独自に繰り入れを行い、被保険者の負担につながらないように配慮しているところであります。今後とも、子どもの医療費無料化は継続し、安心して子どもを産み育てられる環境を維持してまいります。
　　また、本来、子どもの医療費助成については、少子化対策の観点から、国の責任において実施すべきものと考えているところであります。今後とも国に対し、減額措置の廃止等、要望活動を継続してまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
○清野忠利議長　５番今野　孝議員。
○５番（今野孝議員）　ご答弁ありがとうございました。引き続き、質問席から５点にわたって２問目以降の質問を続けさせていただきます。
　　平成30年度から、県が財政運営の主体となり、安定的な財政運営が図られるとのご答弁がありました。
　　そこで、１点目として、県が財政運営の主体となることによって、どうして安定的な財政運営が図られるようになるのか、お尋ねしたいと思います。
○清野忠利議長　矢萩市民生活部長。
○矢萩和広市民生活部長　お答えいたします。
　　国民健康保険、いわゆる国保は、基本的に市町村単位で運営されておりまして、町村など小規模な保険者が多く、また、今後の人口の減少に伴い、運営規模がさらに縮小することが予想される一方、医療面においても高額医療費が増える傾向になっております。
　　さらに、国保の財政運営責任が市から県に移行することにより、人工透析や血友病などの高額医療費の発生などの多様なリスクが県全体で分散され、急激な保険税上昇が起きにくくなります。
　　また、県単位でも財政に大きな影響を与える超高額な医療費については、平成30年度から国費で手当てをすることも検討されているところであります。
　　そして、地域医療構想を含む医療計画の策定者である県が国保の財政運営にも責任を持つ仕組みとなることにより、これまで以上に良質な医療の効率的な提供に資することになるところであります。
　　さらに、今年度より県単位で新たに国費による財政安定化基金を持つことから、予期しない医療費の増加による財源不足等を解消し、保険給付費の確実な支払いが確保されるようになることから、安定的な財政運営ができるものと考えております。よろしくお願いいたします。
○清野忠利議長　５番今野　孝議員。
○５番（今野孝議員）　ご答弁ありがとうございました。
　　ここに、先日５月28日付の読売新聞のコピーを持ってまいりました。そこでは、国保について次のような解説がなされております。「自営業者や無職、非正規労働者など約3,500万人が加入し、現在は市町村が運営している。高齢者の増加で医療費がかさむ反面、加入者の８割を定年後の元会社員ら無職の人や非正規労働者が占めるため、保険料収入が伸びない構造的赤字体質にある。」
　　県が財政運営の主体になったとしても、国保の構造的赤字体質改善にはつながらないと考えます。今、求められているのは、国保の構造的赤字体質の改善なのではないでしょうか。
　　１問目のご答弁の中に、「県が市町村ごとに国保事業費納付金を決定し」というくだりがございました。そこで、２点目として、市町村ごとの納付金額はどのようにして決定されるのか、お尋ねしたいと思います。
○清野忠利議長　矢萩市民生活部長。
○矢萩和広市民生活部長　お答えいたします。
　　納付金額の決定の仕方については、県が医療給付費等の見込みを立てまして、市町村ごとの医療費水準、所得水準に応じてそれぞれの負担する納付金を決定していくこととなります。具体的には、医療費水準が高いほど、あるいは所得水準が高いほど、納付金の額が大きくなることになります。
　　なお、高齢化地域の配慮から、年齢構成の差異なども調整し、医療費水準と所得水準を加味した負担能力に応じた負担を行うことになります。
　　また、県では、市町村ごとに標準保険料率を示すこととしており、平準化が進むものと考えております。
　　いずれにしましても、納付金の決定に当たっては、被保険者の負担が急激に変化しないよう配慮される予定でありまして、詳細は、今後、国と地方の協議及び県と市町村の協議により進めてまいりますので、よろしくご理解をお願いいたします。
○清野忠利議長　５番今野　孝議員。
○５番（今野孝議員）　被保険者の負担が急激に変化しないように配慮される。詳細は国と地方の協議及び県と市町村の協議によって進めていく。このご答弁、了解いたしました。
　　国保税は加入世帯の負担の限界を超え、滞納率が高止まりしているという実態を直視し、国、県と粘り強い協議をしていただきたいと思います。加入世帯の理解と関係者の努力によって、県内トップレベルの収納率を誇る本市といえども、置かれている状況は同じと思いますので、この点強く要望申し上げておきたいと思います。
　　３点目になりますけれども、「国民健康保険運営協議会はこれからも存続することになります」というご答弁がありました。運営協議会についてもう少し詳しく教えていただきたいと思います。
○清野忠利議長　矢萩市民生活部長。
○矢萩和広市民生活部長　お答えいたします。
　　国民健康保険運営協議会は、国民健康保険法第11条及び東根市国民健康保険条例第２条に基づき設置しているものであります。これは、地方自治法の附属機関に当たり、国民健康保険事業の運営に関する重要事項を審議するための組織となっております。
　　協議会は、法令に基づきまして、被保険者で代表する者、それから保険医または薬剤師を代表する者、そして公益を代表する者、各３名、合計９名で組織され、国民健康保険事業に対し幅広くそれぞれの立場から、専門的な意見や提言、あるいは率直な生の声などを聞かせていただいているところであります。
　　具体的には、国保の事業計画・予算、国保税率改定など、財政運営、保健事業等について審議、答申をいただき、事業を実施しているところでありますので、よろしくお願いいたします。
○清野忠利議長　５番今野　孝議員。
○５番（今野孝議員）　了解いたしました。
　　今後とも被保険者の声に注意深く耳を傾けていただいて、実態を直視し、慎重に協議を進めていただくようお願いいたします。
　　１問目のご答弁の中に、歳出に見合った歳入の確保が大きな課題というところがあったかと思いますけれども、これは私も同感です。
　　そこで、４点目として、国保の構造的赤字体質克服のためには、国庫負担の増額が決め手になるのではないかと考えますが、この点についてどのようにお考えでしょうか。
○清野忠利議長　矢萩市民生活部長。
○矢萩和広市民生活部長　お答えいたします。
　　ご案内のとおり、被保険者の高齢化の進行、医療の高度化により、１人あたりの保険給付費は年々伸びている状況にあり、国保税率の引き上げや一般会計からの法定外繰り入れを実施しながら厳しい運営を行っているところであります。
　　国保は高齢者や低所得者が多いなど構造的問題を抱え、増える医療費に対し市の運営努力だけでは限界があることから、本市では、重要事業要望としまして、国に対し公費負担の拡大や療養給付費等負担金等の減額措置の廃止などを要望してきたところであります。
　　この度、社会保障と税の一体改革の中で、国保の抜本的な改革が国と地方の協議により進められてきたわけですが、消費税増税分を財源とした財政支援が行われてきております。内容は先ほど市長が答弁したとおりでありますが、今年度からは全国規模で約1,700億円の公費による保険者支援が行われる予定となっております。
　　さらに、平成30年度からは約3,400億円の財政支援が予定されているところであります。この3,400億円は、被保険者１人あたりに換算すると約１万円の支援額となり、大きな財政効果があるものと考えております。
　　いずれにしましても、今後も国庫負担の増額が国保の運営には欠かせないものと思っておりますので、今後も国に要望してまいりますので、よろしくご理解のほどお願いいたします。
○清野忠利議長　５番今野　孝議員。
○５番（今野孝議員）　ありがとうございます。
　　今後も国庫負担の増額が国保の運営には欠かせないものとのご答弁、確かに承りました。１問目のご答弁にも、「今後とも国に対し要望活動を継続してまいりたい」とのご答弁があり、大変力強く思ったところであります。
　　この度、この質問をするに当たって、国保の広域化の動きってそもそもどこから始まったんだろうかと、私なりにちょっと調べてみました。私としては大変びっくりしたんですが、その源流が、1982年７月、中曽根内閣のもと、第２次臨時行政調査会第３次答申に、国民健康保険制度は、広域化等、保険制度としての安定化を図るとして打ち出されたのがそもそもだと思いました。このときの答申が、国民健康保険の広域化と、医療費総抑制、国民負担増のベースとなっている。この度の改正もその流れの上に位置付いていると思っているわけであります。
　　2003年３月に小泉構造内閣の中で閣議決定した医療費構造改革の基本方針で方針化された。ここで、この基本方針の中で、市町村単独の公費繰り入れをやめさせることが提唱された。国保の都道府県単位化は、このときは全国知事会の反対もあり、具体化できなかったと書いてありました。
　　2009年、全国主管課長会議で、厚生労働省は、後期高齢者の次は国保の都道府県単位化と再編統合する姿勢を強調。さらに、2010年５月、広域化方針を具体化したのが民主党政権。医療保険制度の安定的運営を図るための国民健康保険法等の一部を改正する法律を成立させました。
　　このとき、間髪を入れず通達を発出し、一般会計繰り入れによる赤字補てん分を解消するために、国保税の引き上げ、収納率の向上、医療費適正化対策を行うよう号令をかけ、これまでのご答弁の中でここまで出てきた言葉が繰り返し出てきているわけであります。つまり、流れはここの延長上で進められていると私は理解しているわけです。
　　ご答弁の中に、医療費適正化対策を講じてまいりたいという内容がございました。そこで、最後になりますが、５点目として、法律には、都道府県が医療費削減の目標を持ち、毎年その進捗を検証することが規定されていると聞いております。それでも、医療のサービス低下に拍車がかかるということはないのでしょうか。お尋ねいたします。
○清野忠利議長　矢萩市民生活部長。
○矢萩和広市民生活部長　お答えいたします。
　　今回成立しました医療保険制度改革関連法では、保険者に対し医療費削減を促す仕組みが盛り込まれております。これにより、県が医療費適正化計画を示し、医療費削減に向けた取り組みや点検等を進めていくことになります。
　　具体的には、先ほど来ありましたジェネリック医薬品の普及や、国保加入者のレセプトなどビッグデータの活用による医療費の無駄をあぶり出すことなどが予定されております。また、病床数が多い地域ほど医療費が高い傾向にあることから、病床数の削減なども課題となっているところであります。
　　いずれにしましても、被保険者の医療の質やサービスが低下するということはございませんので、ご理解をよろしくお願いしたいと思います。
○清野忠利議長　５番今野　孝議員。
○５番（今野孝議員）　ご答弁の最後のくだりに、いずれにしても被保険者の医療の質やサービスは低下するものではありませんというご答弁がございました。確かに承りました。
　　１問目のご答弁で、「国保は高齢者や低所得者等の生活弱者が多く、国民皆保険制度を支える最後の砦」という内容があったかと思います。今後ともこの認識を堅持していただきまして、努力願うよう強く要望申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○清野忠利議長　以上で、ご了承願います。
　　会議の途中ですが、ここで午前11時15分まで休憩します。

　　　午前１１時１２分　休　憩

　　　午前１１時１５分　開　議

○清野忠利議長　休憩前に引き続き会議を開きます。
　　市政一般に対する質問を続けます。

　　◎白井健道議員質問

○清野忠利議長　９番白井健道議員。
　　　〔９番　白井健道議員　登壇〕
○９番（白井健道議員）　お疲れさまです。９番白井健道でございます。通告に従いまして質問させていただきます。
　　私にとりまして昨年の９月議会が初議会だったんですけれども、今回が４度目の議会、ちょうどワンサイクルとなりました。そこで、今回は、これまでの一般質問のフォローアップと位置付けまして、昨年の９月議会で取り上げた攻めの農業について、それから、12月議会で取り上げた地方創生関連についてお伺いします。
　　まずはじめに、さくらんぼを中心とした農産物の輸出戦略についてです。
　　地元紙でも報じられましたように、５月19日から22日の日程で、市長はじめ農協組合長、議長、関係者がタイ、バンコクにおいて、さくらんぼ試食会、試験販売を中心とした市場調査をされました。このことについて、その成果と課題をお伺いいたします。
　　この質問に関連しまして、なぜタイが選定されたかについて私なりに振り返っておきたいと思います。
　　まず、東根市とタイの接点は、2013年11月に開催された、東根市の友好都市である東京都中央区における月島の観光物産フェアで、こちらに東京にあるタイの大使館の方々を招待するというプロジェクトを私が観光物産協会に勤務していた際に始めたのがきっかけです。物産フェア前に東京に赴き、一等書記官はじめ元ＪＩＣＡタイ事務所の現地職員だった大使館員と面談し、東根の魅力をお伝えしながら、月島での芋煮の無料券をお渡ししました。シントン公使には、さくらんぼの種を使った枕「ヌ・クイーズ」をお土産としてお渡ししました。残念ながら、イベント当日はタイ本国から要人が来日されたということで、大使館からの参加はなかったわけですけれども、タイ大使館と東根市の人脈というものをしっかり築けたと考えております。
　　そして、2014年、山形デスティネーションキャンペーンがありました。こちらに向けて外国人観光客のモニターツアーを企画し、ご承知のとおり、昨年６月14日にシントン公使夫妻、それから東京医科歯科大学へのタイ人留学生８人を東根市に招待し、慈恩寺、紅花資料館、最上川三難所の舟下り、銀山温泉などの観光、当市においては、東根温泉での宿泊、さくらんぼ狩り、それから、さくらんぼ種飛ばしジャパングランプリへの参加と、盛りだくさんの１泊２日のツアーを敢行しました。初日には、市長とシントン公使の会談もセットさせていただきました。
　　その後、９月議会での一般質問で、さくらんぼの海外輸出について市長の決意をお伺いし、それを受けて11月には、外務省の地方連携推進室長並びに課長補佐と面談し、タイの日本大使公邸をお借りした地方の魅力発信プロジェクトでさくらんぼの試食会ができないかということをご相談し、格段の配慮をお願いしたところです。対応していただいた課長補佐は、私がＪＩＣＡセネガル事務所勤務時代の外務省のカウンターパートであり、話が非常にスムーズに進みました。また、当時のタイ大使は、大沼瑞穂参議院議員の外務省勤務時代の上司であったことも幸いしました。
　　その後は、市役所農林課、そしてブランド推進室により準備が進められたわけです。大使は今年の３月に帰任されてしまいましたが、その後任には、ＪＩＣＡ時代の私の上司、佐渡島大使がバングラデシュ大使から横異動され、非常に強力なサポートをいただいたわけです。
　　是非このようなご縁を大切に活かして、東根市として、官民ともに、タイをはじめＡＳＥＡＮ諸国との交流、輸出入などを進めていくべきと思う次第です。
　　続きまして、地域おこし協力隊についてです。
　　こちらは、昨年12月の定例会において、まち・ひと・しごと創生法並びに地方版総合戦略に関連し、産学官金のラウンドテーブルの必要性、中小企業、小規模事業者への支援、そして、地域おこし協力隊の活用などについて提案させていただきました。
　　産学官に金融機関を加えた情報交換会は今年の３月に早速実施され、また、中小企業支援の一環としての認知度向上策としては、本年４月の市報より企業紹介のスペースを設けるなど、当方の提案に応えていただいたことに感謝申し上げます。
　　一方、地方版総合戦略の中でも有効なスキームと考えられる地域おこし協力隊については、その後も関係部局と協議を続けているものの、まだ具体化には至っておりません。この制度については、最近、テレビや新聞などでも取り上げられることが多くなっており、地方版総合戦略の中に明確に位置付ける自治体もあります。活用方法をしっかりと検討し、導入すれば、大きなインパクトがある制度だと思います。
　　一方、全てが成功例ということでもないので、活用の枠組みを一般市民も巻き込んできちんと設計していくことが肝要であると思う次第です。つきましては、地域おこし協力隊を有効に活用していくための方針などがあれば、お伺いいたします。
　　以上２点をお伺いして、登壇での質問とさせていただきます。
○清野忠利議長　９番白井健道議員の質問に対し答弁を求めます。土田市長。
　　　〔土田正剛市長　登壇〕
○土田正剛市長　白井健道議員のご質問にお答えいたします。
　　はじめに、農産物の輸出戦略についてでありますが、人口が減少し、市場規模の縮小が見込まれる中、国外に活路を見出すなどの攻めの農業の推進が不可欠であります。
　　また、本市の農業を取り巻く厳しい状況を克服し、さらなる発展を実現するためには、果樹王国ひがしねの基盤を確固たるものとし、生産性の向上や品質の確保に取り組むとともに、果樹王国ひがしねの浸透や拡大を進める必要があるところであります。
　　５月のタイ市場調査と東根ブランドのＰＲ活動につきましては、こうした決意を私自らが訪問することで表したものであります。輸出戦略のスタートとして訪問したタイにつきましては、東南アジア地域の中でも親日国であり、経済成長も著しいことから、有望な市場として選択したところであります。
　　外務省の地方連携事業・地方の魅力発信プロジェクトの採択を受け、在タイ日本国大使公邸において開催した、さくらんぼをはじめとする農産物と特産品の試食会につきましては、佐渡島志郎駐タイ日本国大使をはじめ、ご来場いただきましたバイヤー、飲食店のオーナーやシェフなど多くの皆様から、さくらんぼをはじめ持参したジュース、日本酒、お米などに非常に高い評価をいただいたところであります。タイにおける関係者とのネットワークが構築され、今後の事業展開の基礎となるつながりを持てたことも成果の一つと捉えております。
　　また、心配しておりました空輸によるさくらんぼの輸送試験につきましても、佐藤錦、紅秀峰とも傷みがほとんどなく、高温、湿気によるうるみ等も見られず、当初予定しておりましたバンコク市内の高級百貨店での試験販売を無事行うことができました。
　　試食いただいたお客様から、「おいしい」、「ジューシー」、「味のバランスがよい」などの評価をいただく一方、「酸味が気になる」、「価格が高い」、「他国のさくらんぼに比べ大きさが小さい」などの指摘があったと卸売業者から伺っており、消費者の生の声を聞けたことも大きな成果と捉えております。
　　なお、販売状況につきましては、品種、規格などの異なる商品を約15キロ持参したところでありますが、販売期間５日間で７割程度をご購入いただき、ほかの百貨店からも試験販売の希望があったと東根市農協から聞いております。
　　これらの販売実績から、特に現地価格2,500バーツ、日本円にしますと約9,000円の佐藤錦300グラムの化粧箱が完売したことから、リスクが伴うものの、価格帯の高い商品販売の展望が開け、海外輸出は生産者の選択肢の一つになり得るものと捉えております。
　　一方、従来から認識しておりました課題にくわえて、この度の調査により新たな課題が確認されたところであります。タイの百貨店では販売棚を卸売業者が買い取る仕組みになっており、年間を通して安定的に販売される果物が好まれる状況にあり、これは、さくらんぼのように季節限定で賞味期限の短い果物にとってはマイナス要因となります。こうしたことから、品質を長く維持できるラ・フランスやリンゴなどに加え、桃、ブドウなど、果樹王国ひがしねブランドとして複数品目の輸出を検討することも必要であると考えております。
　　また、価格面においても、輸送コストや関税、手数料などの経費を積み上げてみますと、国内の販売価格の２倍程度になることから、購買者は富裕層及び上位の中間層に限られると見込まれるところであります。こうした顧客の購買意欲を高めるため、高級感を演出するパッケージや規格を開発することに加えて、アメリカンチェリーが定番化しているタイにおいて、さくらんぼは別物であることを広くタイ国民にＰＲしていく必要があると考えております。
　　また、試食会や法人企業との意見交換会の中では、「さくらんぼのおいしさは、直接来てもらい、食べていただくことも重要」との意見がありました。タイでは、2013年７月より査証要件が緩和されたことなどにより、日本への旅行者が増えており、インバウンドの推進も重要な課題であります。
　　あわせて、ブランド戦略の推進に係る継続的な事業展開を図るには、タイを含めて対象となる国に精通した人材や通訳者なども必要であり、山形県や関係機関などとも連携し、対応していきたいと考えております。
　　さらに、生産者である農家の意識醸成や、輸出業務に対する国内体制の連携強化などについても、課題であると捉えております。
　　この度のタイ市場調査とＰＲ活動について早急に総括するとともに、東根市農産物海外販路拡大推進協議会の東根市農協をはじめとする各会員からの意見を踏まえ、今後の対応について検討してまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
　　次に、地域おこし協力隊の有効活用についてであります。
　　三大都市圏の都市地域を除く地方公共団体が公募により都市部からの移住を積極的に受け入れ、一定期間、地域おこしの支援や農林水産業への従事等の地域協力活動を行ってもらうことにより、地域力の維持・強化と、定住・定着の促進を目的とした制度が地域おこし協力隊であります。
　　制度創設直後の平成21年度には89名だった隊員数も、平成26年度では400余りの自治体において約1,500名が活動しております。国は、地方への移住促進策の一つとして、平成28年度で3,000名を目標として特別交付税による財政支援措置の活用を打ち出したところであります。
　　しかしながら、隊員の資質や熱意といった問題のほかに、課題整理も含めた行政側の準備不足や、隊員が地域に受け入れてもらえない等の様々な課題が表面化しております。さらには、活動終了後の起業ができず、最終の目的である定住・定着に結びつかなかった事例も少なくないものと聞いております。
　　本市においては、農業における後継者不足や周辺部における人口減少問題等、解決すべき課題が明確であり、様々な機会を活用しながら地域との課題共有に努めてきたことから、地域おこし協力隊を活用しやすい環境にあると考えております。また、県内トップクラスの農業技術やものづくり、さらには多くの優れた指導者の存在等、起業に結びつけることのできる環境や資源にも恵まれていると捉えております。
　　こうした状況を踏まえ、本市における地域おこし協力隊の活用については、様々な活動による地域の活性化とともに、情報の発信による市外からの移住の誘引等の様々な効果が期待できると考えております。今後は地域や関係機関、さらには庁内での緊密な連携を図りながら、今年度中に策定する東根市総合戦略において具体的な施策を盛り込んでまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
○清野忠利議長　９番白井健道議員。
○９番（白井健道議員）　ご答弁ありがとうございました。それでは、質問席での質問を続けさせていただきます。
　　先般のタイの大使公邸での試食会については、高級日本食レストランのシェフなども来ていただいて、相当な評判、さくらんぼだけではなく、米についても、お酒についても、ジュースについても、高い評判が得られました。
　　そのようなレストランに行かれるタイ人という方は、やはり相当な所得を持たれている方、あるいは東京にも出張に来られる方が多いかと思います。そのような方が現地でさくらんぼを食べて、タイでですね、これはやっぱり日本で食べてみないといかんなと、今度東京に出張行くから、じゃあ山形まで行ってさくらんぼ狩りしてみようかという、まさにインバウンドな流れというものも期待できるのかと思います。
　　試験販売に際しての消費者の声ということで、味や大きさについて意見があったということですが、これは今、向こうで流通しているアメリカンチェリーの比較においてということだと思いますけども、市長おっしゃられたとおり、日本のさくらんぼの特徴、これを、ストーリーをしっかりとして差別化を図る必要があるんだろうなと思います。
　　また、今後、出荷が継続するということを前提に、ブランドの統一化、商標登録等も含めた対応が必要なのかと思います。この度、産地名と一体となった特色ある農産物や食品の名称を保護する地理的表示保護制度が農林水産省の方で始まったこともありますので、海外において、すぐに「東根のさくらんぼ」とわかるようなパッケージデザインなどを検討していくべきと思われます。
　　この点については既に認識されているということでしたが、具体的にはどのように検討を進めていかれるのか、お伺いしたいと思います。
○清野忠利議長　本田ブランド担当部長。
○本田剛ブランド担当部長　お答えいたします。
　　アメリカンチェリーとの差別化を図り、東根産さくらんぼのブランド化を確立するための具体的な方策はどうかということでありますが、市長からの答弁でもありましたとおり、タイ国民に受け入れられるパッケージや規格の開発が必要であると考えております。
　　また東根産さくらんぼの食味などにつきましても、アメリカンチェリーとは別物であるという考え方の中で、タイの皆さんにそれを知っていただくためのＰＲ活動も必要であると考えております。
　　こうした諸課題につきましては、タイ市場調査の結果などを踏まえまして、東根市農産物海外販路拡大推進協議会におきまして、協議会の会員拡大を図りながら、その中で議論を深め、具体的な取り組みを進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
○清野忠利議長　９番白井健道議員。
○９番（白井健道議員）　了解いたしました。
　　今、ご答弁のあった海外販路拡大推進協議会、こちらでの議論が活発に行われること、また、農産物の輸出に関心のある方が多く参加されることを期待したいと思います。
　　今後、輸出に取り組む個人や法人が出た場合に、行政のできるサポートの一つとして、ＰＲイベントの開催があるかと思います。現地でも関係者の間で話題になりましたが、さくらんぼ種飛ばし大会などを開催することは将来的に検討してもいいのかと思います。
　　その際、例えば、バンコクに駐在する各国の大使館員に選手としてエントリーしていただいて、日本大使杯争奪戦さくらんぼ種飛ばし大会などと銘打って開催すると、話題性もあり、一気に知名度が上がることと思います。
　　ちなみに、今月14日に当市で開催されるさくらんぼ種飛ばし大会は、その名称がジャパングランプリからワールドグランプリに変更になりました。これは、昨年タイの方々が参加されたからだと伺っておりまして、今年も外国人選手をエントリーしてほしいと依頼を受けております。今のところ、山形大学への留学生を中心に、13カ国から30名近い外国人選手がエントリーする予定です。これらも海外に向けて非常にいい宣伝になると思います。日本にいらっしゃる外国人に東根を知ってもらい、ＳＮＳなどのツールを使って世界に発信してもらうということは、非常に費用対効果の高い宣伝だと考える次第です。
　　さて、次に、流通ルートについてお伺いいたします。
　　今次の調査の成果の一つとして、タイにおける関係者とのネットワークの構築というものが挙げられていました。今回、私がタイで販売した販売店に、「みずほの村市場」というお店がありました。これは茨城県の農業法人で、バンコクにおいて日本人が多く住む地域にお店を出して、日本人の店長、それからタイ人を数名雇用して、日本の野菜、果物を販売しています。茨城県で収穫された野菜、果物は次の日の午後にはバンコクの店頭に並ぶシステムになっています。価格面では、現地価格を抑え、生産農家の収入を増やすことに成功しています。これは、従来の流通を見直し、中間業者を排除し、輸出者と輸入者を同一法人とすることによって達成できているものです。
　　今後の販売ルートを検討するに当たっては、このような取り組みも検討に値するかと思いますが、今回の試験販売の販売ルートは具体的にどのようなものであったか、お伺いしたいと思います。
○清野忠利議長　本田ブランド担当部長。
○本田剛ブランド担当部長　お答えいたします。
　　今回の試験販売におけます具体的な輸出ルートはどうかということでありますけれども、生産者から東根市農協、そして東根市農協から全農山形、全農山形から輸出者、輸出者からタイの輸入者、輸入者から百貨店という流れで行ったところであります。
　　また、今回担当いたしました輸出者は、名古屋に本社を置く企業でありまして、輸入者とはグループ関係にありますことから、見方によっては同一法人と捉えることができるのかなと考えているところです。
　　白井議員ご指摘のとおり、中間業者が少なくなれば、手数料分が価格から軽減されるのも事実でありますが、その分、生産者、販売者サイドのリスクが高まることも予想されるところであります。
　　そうしたリスクに加えまして、販売価格や流通コスト、輸送方法、取引先、販売方法などの諸条件を勘案しながら、具体的な検討を行い、今後対応していくことが必要と捉えておりますので、よろしくお願いいたします。
○清野忠利議長　９番白井健道議員。
○９番（白井健道議員）　ありがとうございます。この点に関しては、行政側だけで議論してもなかなか難しい面があるかと思いますので、是非やる気のある若い生産者に最先端の動きを知ってもらって、例えば海外に出ていくとか、そういったチャレンジなんかも期待したいと思う次第です。
　　やはり、現地に拠点があると相当有利になるということが、行かれた皆さんもおわかりになったかと思いますけれども、このように考えますと、昨年12月の定例会で言及しましたが、ＪＩＣＡの民間連携ボランティア、こういった制度を活用することも有効だと思います。
　　この制度では、ＪＩＣＡの指定する社会開発なりの業務は行いつつも、一定の企業活動を行うことも可能となっています。農協や民間会社でタイへの輸出に関心を持っている企業などが社員を派遣し、足場づくりをすることも可能であります。派遣中はそれぞれの会社に籍を置いたままの参加となります。所属する企業から人材をお借りするという観点から、給与や賞与についてはその80％をＪＩＣＡが補てんするシステムになっています。さらに、通常のボランティア派遣ですと年に２回の募集になっていますけども、民間連携ボランティアは随時募集となっていて、柔軟性が高い制度になっています。
　　このように、近年の政府開発援助は日本の民間企業、特に中小企業の海外進出にも力を入れております。先の３月、仙台における国連防災会議においても、ＪＩＣＡと連携して海外で事業を展開する中小企業のケースが多く紹介されていました。
　　その中には、１粒1,000円の値段のついた宮城県山元町のミガキイチゴというものを生産する会社、こちらがインドでイチゴの生産をするといった事業もありました。これは、ＪＩＣＡの中小企業海外展開支援事業を活用した取り組みで、貧困地域の女性に雇用の場を提供し、かつ、日本の生産者にとっては、非常に環境の厳しい場所でも栽培技術が確立できるということを目的としたものです。
　　このように、従来の枠組みだけでなく、いろんな可能性を研究し、今回の先駆的な取り組みを是非次の展開につなげていただきたいと思います。私も引き続き協力させていただきたいと思います。
　　しかしながら、輸出すれば全てがうまくいくというわけではないので、今後とも引き続き関西以西への販売強化、そして何よりも高齢化の進む生産現場への対応というものが必要になってくるものかと思います。この担い手問題への一つの解決策として、第２項目の地域おこし協力隊というものがあるかと思います。
　　次の質問項目に移らせていただきます。地域おこし協力隊の導入について、総合戦略の施策として盛り込んでいただけるとご答弁ありました。後ほど私の考える活用方法の提案をさせていただきたいと思います。
　　さて、その総合戦略ですけれども、先般のタウンミーティングでも多くの市民の方が参加され、関心の高さがうかがわれました。つきましては、東根市総合戦略の策定に係る進捗状況についてお伺いしたいと思います。
○清野忠利議長　半田総務部長。
○半田博総務部長　私の方からお答えいたします。
　　本市の総合戦略の策定に当たっては、総合計画後期基本計画と一体的に策定をするということにしているところでございます。４月25日に開催いたしました「まちづくりタウンミーティング」については、約400名の市民の方々の参加を得て、意見を聞くことができたということで、総合戦略の第一歩が踏み出せたのではないかなと考えているところでございます。
　　策定にあたっては、市の若手職員が主体となって構成していますプロジェクトチームと、一般公募の方々も含めた市民の方21名で組織する市民会議の委員とで策定をすると、こういうことにしているところでございます。
　　現在の進捗状況についてでございますが、プロジェクトチームが前期計画の課題を抽出して検証したところでございまして、５月19日開催いたしました市民会議の中で、課題を抽出したところを提示しながら、市民会議の方が今現在検証しているという状況にあるところでございます。
　　さらに、検討組織といたしまして、産・官・学からなる専門会議のメンバーに加えまして、新たに金融、労働、そしてマスコミ、いわゆる金・労・言の専門家の方々の会議を立ち上げて、産・学・官・金・労・言という専門的な見地からご助言をいただくということにしております。ご理解をよろしくお願いいたします。
○清野忠利議長　９番白井健道議員。
○９番（白井健道議員）　ありがとうございました。検討の枠組みは了解いたしました。
　　総合戦略について一言だけ申し上げさせていただきます。私は現在、山形大学と中小企業家同友会の連携授業、「山形を元気にする企業家に学ぶ－ホンモノの地域貢献と地域活性化とは何か－」のお手伝いをしておりますが、その担当教授が言った言葉で非常に印象に残っているものがあります。それは、「もうプランナーは要らない。必要なのはプレーヤーだ。」というものです。計画づくりはもちろん必要ですが、それを実行に移す人が今、最も求められているということだと思います。
　　また、これに関連し、行政の役割は何かというものも出てまいります。右肩上がりの時代ではない今日、全て行政が先頭に立って物事を進めるということはできません。行政の役割は、民間企業や個人が地域活性化などに参画しやすい環境を整備していくことだと思います。それは、従来から実施している利子補給などの制度、また、12月議会でご紹介した地域経済循環創造事業交付金など、民間資金の活用を促進する制度の周知徹底などを行うことだと思いますので、よろしくお願いいたします。
　　さて、続きまして、先のご答弁では市民の意見を取り入れるとのことでしたが、具体的な手法としてはどのようなものをお考えか、伺います。
○清野忠利議長　半田総務部長。
○半田博総務部長　お答えいたします。
　　先ほど申し上げましたけども、タウンミーティングを実施したところでございまして、その中で市民の意識の醸成を図られたと考えておりますし、あわせて、市民の貴重なご意見を聞かせていただいたと考えているところでございます。
　　また、その中で、参加者の方々にアンケート調査しまして、234名の方々からご回答をいただいております。今現在、内容を分析しているところでございますので、この内容について計画に反映させていきたいと考えているところでございます。
　　さらに、市民会議の皆さんからもいろいろ意見を頂戴する予定をしております。くわえて、無作為に抽出した市民へのアンケートを実施する計画もしているところでございます。また、このアンケーにあわせて、本市から都市部に転出した若者の方々を対象にした調査も実施をして、Ｕターン等に関する意見、要望等々についても把握していきたいと考えているところでございます。
　　このように、市民の意見を反映して策定する後期基本計画、そして地方創生に関する移住・定住を含めた人口増加策、雇用の創出等の事業を抽出する形で、地方版総合戦略、本市の総合戦略を策定してまいりたいと現在考えているところでございます。
　　また、議会に対しましては、このような計画が取りまとまった中間報告という形でご説明をし、意見を頂戴したいと考えていますので、よろしくお願いいたします。
○清野忠利議長　９番白井健道議員。
○９番（白井健道議員）　ありがとうございました。市外への転出者に対してもアンケート調査を行うなど、非常にきめ細かな対応かと思います。議員としましては、地元の方々の生の声などをお聞きする機会が多いわけですから、そのような要望などを集約して、今後予定されています中間報告の際にフィードバックしたいと思います。
　　さて、最後になります。以下は私なりの地域おこし協力隊の活用の提案なんですけれども、有効活用の好事例として、岡山県西粟倉村というものがあります。この地域おこし協力隊の制度そのものは、先ほどありましたように、地域に定住してもらうことを目的としておりますけども、実際にはその定着率は５、６割にとどまっているとされております。
　　そんな中で、この西粟倉村の募集広告には、「定住しなくて、いいんです。」とあります。これは逆に、定住してもらえる自信をうかがわせるような内容になっていました。これも仕掛け人、いわゆるプレーヤー、優れたプレーヤーがいるからこそ可能なアプローチだと思います。
　　そして、この募集内容が、起業型、業を起こす、いわゆるローカルベンチャーと言ってますけども、そういったもので、まず応募したい人は、その西粟倉村でどのような事業をしたいのかという企画書を出します。まず１次審査でその企画書が審査され、それに通れば現地へ赴いて、その企画書のブラッシュアップ研修というものを行います。それを経て最終的な選考となって、採択されるかどうかということになりますので、失敗やミスマッチ、そういったリスクが軽減される仕組みというのが、先行プロセスの中にしっかりと組み込まれているということがわかるかと思います。是非ホームページで確認していただければと思います。
　　私が東根で地域おこし協力隊を導入するならば、まず、個別具体的な案件というものではなくて、導入パターンみたいなものを考えたらどうかなと思っています。
　　一つ目としては、商店街にぎわいづくりに貢献してみませんかといったキャッチフレーズですね。ケヤキ通りなど、空き店舗も少し目立つようになってきてますけども、ああいったところを利用して何かできないかと。
　　二つ目は、名産品によるにぎいわいづくり。例えば、六田の麩、お麩屋さんが並んでますけども、随分昔に比べると減ってきたと言われております。あそこをお麩ロードみたいに称して募集をしてみるとか、あるいは、将来非常に重要で後継者不足である農業や、伝統的な発酵食品、麹なんかも後継者不足で、一度途絶えてしまうと、なかなか復活が難しい、そういったものを活かして募集するというのもどうかなと思っています。
　　そうはいいましても、最終的には地域のニーズ、これによって実施していくことが重要であることは論を待ちません。そのためには制度の周知、具体的に考えられる事例の提示をして、それから市民からの関心、表明を受けて、調整して具体化していくという流れになっていくんだと思います。是非東根市の発展に資するような取り組み、枠組みづくりをお願いしたいと思います。
　　また、例えば、最長３年間の任期がありますけども、その後も事案によっては市独自の支援制度を構築するなど、東根の独自性を出していただければと思います。
　　いずれにしましても、この制度についてもプレーヤーが重要な役割を果たします。既にプレーヤーになりそうな人にも個別に声掛けしておりますので、これからも適時意見交換をさせていただきたいと思います。
　　これで質問を終わります。ありがとうございました。
○清野忠利議長　以上で、ご了承願います。
　　会議の途中ですが、ここで午後１時まで休憩します。

　　　午前１１時５５分　休　憩

　　　午後　１時００分　開　議

○清野忠利議長　午前に引き続き会議を開きます。
　　市政一般に対する質問を続けます。

　　◎原田利光議員質問

○清野忠利議長　２番原田利光議員。
　　　〔２番　原田利光議員　登壇〕
○２番（原田利光議員）　皆様、ご苦労さまでございます。通告に従い質問いたします。
　　はじめに、子ども・子育て支援についてお聞きいたします。
　　今年度から子ども・子育て支援新制度が始まりましたが、この制度は、待機児童の解消をはじめ、未就学児童の教育、保育を一体的に捉え、量の拡大と質の向上を計画的に進め、よりよい環境を目指すものと捉えております。
　　保育料については、国が定める額の中で各自治体が定めることとされているわけでありますが、本市の子ども・子育て支援新制度における保育料は、以前の保育料と比べどのように制定されているのか、また、生活困窮者の保育料についてどのような配慮がなされているのか、お聞かせを願いたいと思います。
　　また、子ども・子育て支援制度の柱の一つに保育の質の向上が掲げられておりますが、子どもが長い時間過ごす保育所などにおいては、安心・安全な環境が欠かせないと思うところであります。保育の質の向上の観点から見た安全対策はどのようになされているのか、お聞きいたします。
　　次に、新制度が始まったことにより、未就学児童が入所できる施設の種類や施設整備により施設数も増えてくるかと思われます。
　　本市の場合、現在、保育所、幼稚園、児童センター、こども園、届出保育施設などがあります。本市へ子どもと一緒に転入された方、あるいは、生まれたばかりの子どもがいる方は、どんな施設があるのか、施設がどこにあるのか、入所に関する相談をどこにすればよいのかなど、わからない方が多いのではないかと思います。こうした方のためにどのような対策をとっているのか、お聞きいたします。
　　次に、学童保育についてお聞きします。
　　本市では、全ての小学校区に学童保育所が整備され、放課後や夏休み等の長期休暇において多くの児童が利用しております。児童にとって、家庭、学校に次いで多くの時間を過ごす場所として、極めて重要になっていると思います。また、働きながら子育てをする保護者にとっても大きな役割を担っていると思います。
　　今年度からスタートした子ども・子育て支援新制度では、放課後児童クラブ、いわゆる学童保育所の整備促進や、運営面においても新たに運営基準を定めています。本市においても東根市放課後児童健全育成事業の整備及び運営に関する基準を定める条例を施行し、よりよい環境となるよう取り組むこととしたところであります。
　　そこで、お聞きいたします。保護者が学童保育所に安全・安心に預けられるよう、指導員の資質を高め、市ではどのような対策をとっているのか。また、障害のある児童、あるいは精神的に安定しない児童に対して学童保育所ではどのように受け入れているのか。
　　さらに、学童保育の対象は小学１年生から６年生までであることから、年齢の異なる、体格などにも大きな差があるのではないかと思うところです。少ないながら、転倒や衝突などによるけがや、あってはならないことではありますが、事故などの防止とその対処についても万全にしておかなければならないと思います。このようなことの対処に市の把握についてお聞きをいたします。
　　以上、登壇での質問とさせていただきます。
○清野忠利議長　２番原田利光議員の質問に対し答弁を求めます。土田市長。
　　　〔土田正剛市長　登壇〕
○土田正剛市長　原田利光議員の子ども・子育て支援についてのご質問にお答えいたします。
　　はじめに、子ども・子育て支援新制度における保育料の設定についてであります。子ども・子育て支援新制度における保育料は、政令で定める額を限度とし、市町村が定めることとされたところであります。保育所の保育料については、国の基準に従って所得に応じた階層を設け、従来の保育料と同じ水準となるような額に設定したところであります。
　　また、幼稚園の保育料については、新制度が創設される前は、園ごとに異なる料金でありましたが、新制度に移行する幼稚園については、同様に市町村が定めることとなったところであります。この保育料についても、国の基準に従い、所得階層を設け、従来の幼稚園の保育料の水準を考慮するとともに、幼稚園と保育所で大きく保育料が異なることのないような額に設定しております。
　　また、生活困窮者の保育料についてでありますが、所得の低い方であっても安心して幼児教育、保育を受けることができるような料金設定を行っております。さらに、保育料の納付が困難になった場合には、分割納付の相談を行うとともに、保護者との面談を通じて個々の事情に配慮した対応を行ってまいりますので、ご理解をお願いいたします。
　　次に、保育施設における安全管理についてであります。保育の質向上は、子ども・子育て支援新制度における大きなテーマであります。議員ご質問のとおり、安全・安心な環境整備が前提となるのは当然のことであります。小さな子どもが保護者のもとを離れ１日を過ごす保育所等においては、施設内の設備、提供される給食、感染症など、あらゆる環境に配慮する必要があります。
　　本市では、毎月開催している施設長会議において、熱中症対策、水遊びの際の事故防止対策、食中毒予防、ヒヤリハット事例等、その時々に合わせた安全管理対策について協議を行っております。また、出席停止が必要となる感染症が発生した際や、施設内において医療機関への受診が必要なケガ等が発生した際には、速やかに市へ報告書を提出するよう求めております。
　　今後とも施設との連絡を密にしながら、子どもたちが安心して過ごすことのできる安全管理体制を築いてまいりますので、ご理解をお願いいたします。
　　次に、保育施設入所に係る相談体制についてであります。
　　子育て世代の転入者が多い本市においては、保育施設や医療機関などがどこにあるのかわからないといった声が大きく聞かれることから、こうした方々に情報提供をするため、子育て応援マップを作成しております。子育て応援マップは、保育施設や医療機関等を記した地図や、子育てに関する各種相談窓口を記載したものであり、転入者や出生届をされた方を中心に配布するほか、タントクルセンターやあそびあランド等に設置しております。
　　また、子育て支援センターが主催し、例年多くの保護者の参加をいただいている保育施設案内講座では、市の担当者や市内の保育施設の担当者が各保育施設の概要を説明するとともに、保護者からの様々な質問にお答えしているところであります。
　　今後も、保護者への情報提供に努めるとともに、子育て支援センターをはじめ、関係機関と連携を密にしながら、親切丁寧に対応してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
　　次に、学童保育についてのご質問にお答えいたします。
　　はじめに、安全・安心に預けられるよう、質を高める施策についてであります。これまで、放課後児童健全育成事業、いわゆる学童保育事業については、国や県の定めるガイドラインに基づき実施してまいりました。
　　平成27年４月から本格施行された子ども・子育て支援新制度について定めた「子ども・子育て関連３法」に基づき、学童保育所の設備や運営について条例で基準を定めたことは、ご案内のとおりであります。
　　条例においては、利用する子どもたちが明るく衛生的な環境において、素養があり、適切な訓練を受けた職員の支援により、心身ともに健やかに育成されることを保証とする最低限の基準を定め、その基準を常に向上させるよう努めるものと規定しております。
　　また、児童数をおおむね40人以下とする単位ごとに指導員を２人以上配置するものとしております。指導員は、保育士や社会福祉士、教員の資格を有する者または高等学校卒業者等であって、２年以上児童福祉事業に従事した者などで、都道府県知事が行う研修を修了した者でなければならないと規定しております。
　　各学童保育所の運営委員会では、国・県が主催する研修会に指導員を派遣しております。また、運営委員会で組織する東根市学童保育連絡協議会では、研修部会を設置し、自主研修会をほぼ毎月開催するなど、指導員の能力向上に努めているところであります。
　　市といたしましても、今後も職員の資格取得を支援し、その資質向上に資してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
　　次に、障害を持つ児童の受け入れについてであります。現在、障害を持つ児童についても、原則として希望があれば受け入れをしている状況であります。障がい児を受け入れる学童保育所に対しては、市からの委託料を加算し、指導員を増やすなどの対応をしていただいているところでありますので、ご理解をお願いいたします。
　　次に、学童保育所の安全管理についてであります。学童保育所施設内で生じた事故などの対処法については、各学童保育所の運営規定などにおいて、利用児童の病気やケガ、感染症や食中毒の発生など、緊急事態が生じた場合の対応方法について定めており、これに関する指導員の研修会なども開催されているところであります。大きな事故等が発生した場合については、発生後直ちに市へ連絡をいただくこととしております。
　　また、毎月タントクルセンターを会場として、市と学童保育所の連絡会議も開催し、連携を密にしているところでありますので、ご理解をお願いいたします。
○清野忠利議長　２番原田利光議員。
○２番（原田利光議員）　引き続き、質問席での質問をさせていただきます。
　　市長の答弁、誠にありがとうございました。保育料につきましては、基本的にはこれまでの水準の維持、新制度に対処するとなる幼稚園と保育所のバランス、また、生活困窮者への料金の設定、県や本市の事情に合わせて適切な設定、さらには納付の方法の配慮なども行っていただいているものと理解します。
　　最も基本的な安全管理は大切なことでありますので、引き続きしっかりとした対応をお願いしたと思います。
　　また、本市の特徴である若い世代の転入者が多いということは、大変喜ばしいことでありますので、転入先に本市を選んでいただいたことに対応するためにも、しっかりとした情報提供を引き続きお願いしたいと思います。
　　子ども・子育て支援を進めなければならない最大の理由は少子化であります。その対策には、何と言っても子どもの数を増やすための施策が最も重要であります。子育てには安定した収入も必要であり、働きながら３人、４人、あるいは５人以上の子どもを育てるには、いろいろな大変な苦労があると思います。
　　そこで、このような多子世帯の保育料についてはどのように設定されているか、現制度における課題点はないのか、お聞きいたします。
○清野忠利議長　髙橋健康福祉部長。
○髙橋昇健康福祉部長　お答えいたします。
　　多子世帯の保育所の保育料についてでありますけれども、国の基準に従いまして、同一世帯から保育所等に同時に入所している場合に、２子目は半額、３子目は無料としております。
　　幼稚園の保育料につきましても、国の基準に従いまして、小学校３年生まで複数児童がいる場合は、２子目は半額、３子目は無料としております。
　　ただ、いずれの場合も、６年齢の中での助成でありまして、多子世帯でも軽減措置が受けられないケースもあります。この場合などもありますので、市長会を通じまして、国に対して制度の拡充を要望しているところでありますので、ご理解をお願いします。
○清野忠利議長　２番原田利光議員。
○２番（原田利光議員）　了解いたしました。
　　保育施設を利用するに当たり、利用を希望される方には、障害を持つ児童、あるいは保育に当たって何らかの配慮が必要な児童もおられると思います。
　　そこで、障害を持つ児童、保育に当たっての配慮が必要な児童を持つ保護者から保育施設への入所相談があった際はどのような対応をとっているのかを、お聞かせをお願いします。
○清野忠利議長　髙橋健康福祉部長。
○髙橋昇健康福祉部長　お答えいたします。
　　保育所への入所相談があった場合でありますけれども、ノーマライゼーションの理念にのっとりまして、障害の有無にかかわらず入所の受け入れを行いまして、必要があれば保育士の加配などの対応を行っているところであります。
　　また、未就学児は発達度合いが著しく変化する時期でもありまして、障害認定までいかない場合も多く見受けられます。このようなことから、一人一人の児童の発達に合わせた保育を行うことを目的としまして、臨床心理士や保健師が定期的に保育施設を訪問しまして、保育士に対しまして総合的な見地から助言を行う育児相談充実事業なども実施しているところであります。
　　結果としまして、この事業を通じまして療育の専門機関へとつながったケースなども数多く見受けられるところであります。そんなことで、今後も保健師や臨床心理士、児童相談所等の専門機関等と連携を行いながら適切な対応をとってまいりたいと、このように考えているところでありますので、ご理解をお願いします。
○清野忠利議長　２番原田利光議員。
○２番（原田利光議員）　ありがとうございました。了解をいたしました。適切な温かい配慮をいただければ大変ありがたいなと思うところであります。
　　それでは次に、学童保育所について再度質問させていただきます。
　　学童保育所の指導員の資質の向上、緊急時などの対応については了解いたしました。先ほど申し上げましたように、市内全ての小学校区に学童保育所が設置、運営されているところでありますが、中には、専用施設でなく既存の施設を利用し、活用しているところがあると思います。
　　このような施設について、面的な制約や子どもたちの活動に制限があったりしては、活動に適しないところではないかなと思うところであります。そこら辺をお聞かせ願えればと思います。
○清野忠利議長　髙橋健康福祉部長。
○髙橋昇健康福祉部長　お答えいたします。
　　市内９つの小学校の学童保育所についてでありますけれども、新たに建物を整備した学童が４カ所、学校の空き教室を利用している学童が１カ所、既存の施設を改装して利用している学童が２カ所、ほかの施設を借用している学童が２カ所であります。
　　子どもたちの遊びや生活の場としての面積は、条例で１人あたりおおむね1.65平方メートル以上と規定されておりますが、昨年度において面積が足りなかった東郷学童保育所につきましては、ご案内のとおり、東部子育てサポートセンターが４月に開所しまして、解決したところであります。
　　今年度におきましては、大富学童保育所の建設を進めているところでありますけれども、今後も施設の老朽化や利用児童の増加など、状況を見極めながら計画的に整備を図ってまいりたいと、このように考えておりますので、ご理解をお願いします。
○清野忠利議長　２番原田利光議員。
○２番（原田利光議員）　了解いたしました。新たに大富の方に学童保育所が新設されるということで、大変うれしく思うところであります。また、国を挙げての施策である少子化対策、様々な施策に取り組んでいただいていると感謝を申し上げます。
　　一方、出生率などを見ても、少子化は全国的になかなか改善されない状況の中にあると思います。是非今後東根市も「子育てするなら東根市」として、保護者の保育ニーズに対応できるべくきめ細かな施策の取り組みをお願いして、質問を終わります。
○清野忠利議長　以上で、ご了承願います。

　　◎散　　　　　会

○清野忠利議長　　これで本日の日程は全部終了しました。
　　本日はこれで散会します。ご苦労さまでした。

　　　午後　１時２７分　散　会