議事日程 第3(一般質問)

平成18年6月6日 午前10時 開 議

      岡  崎  賢  治 議長       結  城     芳 副議長


◎出席議員(19名)
 1番   今  野     孝 議員       2番   加  藤  信  明 議員
 3番   浅 野 目  幸  一 議員       4番   田  中     昭 議員
 5番   阿  部  清  雄 議員       6番   阿  部  綾  子 議員
 7番   高  橋  ひ ろ み 議員       9番   清  野  貞  昭 議員
10番   奥  山  重  雄 議員      11番   森  谷  政  志 議員
12番   佐  藤     直 議員      14番   秋  葉  征  士 議員
15番   清  野  忠  利 議員      16番   高  橋  一  俊 議員
17番   武  田  敏  夫 議員      18番   深  瀬  秋  広 議員
19番   武  田     敞 議員      21番   結  城     芳 議員
22番   岡  崎  賢  治 議員

◎欠席議員(なし)

◎説明のため出席した者の職氏名
                                 教育委員会
土 田 正 剛  市     長        横 尾 智三郎
                                 委  員  長
         選挙管理委員会
植 村 良 作                 横 尾   尚  代表監査委員
         委  員  長
八 島 一 夫  農業委員会会長        青 柳 文 信  消  防  長
武 田 新 市  助     役        奥 山 昭 男  収  入  役
小 関 正 男  教  育  長        椎 名 和 男  総 務 部 長
武 田   稔  市民保険部長         寒河江 賢 一  健康福祉部長
                                 建 設 部 長
武 田 國 義  経 済 部 長        杉 浦 正 弘
                                 兼水道部長
原 田 清一郎  教 育 次 長        高 橋 一 郎  総合政策課長
荒 川 妙 子  庶 務 課 長        矢 作   隆  財 政 課 長
         選挙管理委員会                 監 査 委 員
武 田   綏                 名 和 信 博
         事 務 局 長                 事 務 局 長

◎事務局職員出席者職氏名
牧 野 利 幸  事 務 局 長        清 野 敬 信  事務局長補佐
佐 藤 慎 司  議 事 係 長        齋 藤 美奈子  主     任
森 谷 秀 範  主     事

◎議 事 日 程

 議事日程第3号
       平成18年6月6日(火) 午前10時 開 議

 日程第 1  市政一般に対する質問
        1  3番   浅 野 目  幸  一
        2  7番   高  橋  ひ ろ み
        3 10番   奥  山  重  雄
        4  5番   阿  部  清  雄
    (散     会)

◎本日の会議に付した事件

 議事日程第3号に同じ。

平成18年東根市議会第2回定例会一般質問発言通告書

番号 質 問 者 質問事項 質   問   要   旨 答弁者
浅野目 幸 一
議     員
1.山形セレクションについて 1.県に対する「東根セレクション」は何
 か。
2.地域力の向上としての山形セレクショ
 ンについて「レア感のある価値を出し、
 全国に認めてもらうためには、差別する
 わけではないが、差別化は必要だ」とそ
 の必要性を説いています。これを良しと
 するのか、市長のご見解を伺いたい。
市  長
2.東根市産品のブランド戦略について 1.市産品のブランド力の評価並びに今後
 の戦略を伺う。
2.東根市の農産物等の輸出についての現
 状はどうか。また、全国に発信する「さ
 くらんぼにこだわったまちづくり」に加
 えて、市産品のブランドを、アジア諸国
 へ発信する考えはないか。
市  長
高 橋 ひろみ
議     員
1.教育環境の形成について 1.最近、子どもの通学路等における事件
 が相次いでおりますが、これまでの対応
 に加え、新たな取組みへのお考えは。
2.新設小学校の通学区域案が検討委員会
 に示されましたが、行政区との整合性に
 問題はないのか。
市  長
教  育
委 員 長
奥 山 重 雄
議     員
1.仙山交流について 1.県と連携した仙台圏との広域的経済活
 性化を推進すべく、東根市独自の交流ビ
 ジョンを作成し、相互交流の具体化を図
 るべきと考えるがどうか。
市  長
2.新友好都市の締結について 1.市民団体の中で、友好都市交流を望む
 声があり、推進すべきと考えるが、新た
 な友好都市締結についての考えはどう
 か。
市  長
阿 部 清 雄
議     員
1.長瀞東部地区の開発計画について 1.現在の状況と今後の対応について、ど
 の様に考えているのか
市  長

◎開     議

○岡崎賢治議長 皆さん、おはようございます。
 本日の会議に欠席及び遅刻の届け出はありません。したがって、出席議員の数は19名で定足数に達しておりますので、これから本日の会議を開きます。
 なお、執行部において青柳農業委員会事務局長が都合により欠席となる旨の届け出がありましたので、ご了承願います。
 本日の会議は、議事日程第3号によって進めます。

◎市政一般に対する質問

○岡崎賢治議長 日程第1 市政一般に対する質問を行います。
 質問は通告順としますが、発言順番を迎えたときに議場にいない場合は、発言権の放棄とみなしますので、そのようにご了承願います。

◎浅野目幸一議員質問

○岡崎賢治議長 始めに、3番浅野目幸一議員。

   〔3番 浅野目幸一議員 登壇〕

○3番(浅野目幸一議員) おはようございます。
 通告により一般質問いたします。
 質問の第1は、山形セレクションに対する東根セレクションは何かを伺うものであります。
 さくらんぼの王様「佐藤錦」発祥の地、さくらんぼ生産量日本一を誇る本市において、土田市政はさくらんぼにこだわったまちづくりを展開しております。このことについては確固たるものがあり、市政の評価において私は高く評価いたしております。私は政治信条として、ポジティブな地域ブランドの確立をすべきとの信念から、プラスイメージで偽りのない本物のよさを求めるものであります。知事は地域力の向上としての山形セレクションについて「よいものをたくさん持つ本県だが、外に発信するのは必ずしも得手でなかった」と述べていることから、山形県のネガティブなイメージから脱却しようとする意図が少なからず伺えるわけでございます。その点、本市は市の中心駅を「さくらんぼ東根駅」とするなど、積極果敢に果樹王国としてのイメージアップに取り組んでいるものと考えております。
 「山形の暮らしと経済2005年度版」によりますと、果樹の生産の市町村別では東根市は全国5位、天童市が11位、県内では断トツ1位であります。さらに、佐藤錦は東根のブランドとして既に確立されたものであります。日経流通新聞2005年1月1日号では、「消費者が選ぶ生鮮ブランド」には佐藤錦が25位で、「満足度」「魅力度」とも4位、「食べたい理由」で5位、「価格に見合った価値がある部門」では何と2位であります。セレクションするまでもなく、さくらんぼ「佐藤錦」は選ばれて当然なのであります。しかしながら、この消費者のイメージ調査はそのとらえ方であるとか内容、評価については多くの視点が考えられます。また、特産品や観光において全国的な知名度は、いまだ課題を残していることも確かです。地域ブランドが注目を集めている背景において、地域経済の再生や地域間競争に勝ち抜く戦力といったものの重要性は否定できないのであります。セレクションには、選択・選抜のほか淘汰の意味もあります。日本一のさくらんぼの郷を提唱するのは本市だけではありません。山形セレクションに選ばれれば勝ち組にランクされ、競争力や消費者の信頼獲得がより一層高まり、圧倒的に知名度は向上すると思われます。一方、すなわちランキングに選ばれなかったところはどうなるのでしょうか。ここが知りたいわけです。日経流通新聞が行ったように、消費者が選んだとかバイヤーが選んだのであればブランドの価値も納得のいくものでしょうが、山形セレクションの場合、選んだのは誰かとか、うちは老舗なのにとか、そういう話になってくると思います。
 山形セレクション審査基準は非常に厳しいものがあります。個人での応募は大変困難なようです。5月22日における第2弾も、応募申請はほとんどが農協単位であったと聞きます。しかし、本市においては農協単位としてもなおかつ競合します。斎藤知事は「レア感のある価値を出し、全国に認めてもらうためには差別するわけではないが差別化は必要だ」と、その必要性を問いています。このような差別化は産地間競争を激化させ、格差を広げ、ますますブランドブームに拍車がかかります。公正の確保の点からも、これを果たしてよしとするのか、市長のご見解を伺いたいと思います。
 次に、質問の第2は、全国のみならず世界に発信する東根産品のブランド戦略についてであります。
 一昨年、第七次東根市民の翼において訪中団が見た中国最大のさくらんぼ産地の現状は、中国国内の需用が多く、所得が上昇し、高額商品の購買意欲が上がり、ほとんどが生食用との話でした。また、脅威になるのは10年先とし、糖度と食味に力点を置く日本と粒の大きさがセールスポイントの中国では価値観の相違があるとのことでした。本市JAとの技術交流を進めている中で、昨年は大連市の訪問団がさくらんぼ加温ハウスなどを視察しております。また、昨年、朝日町では台湾向けにリンゴ「ふじ」を初出荷しております。ジェトロ山形貿易情報センターによると、山形県を代表する日本酒銘柄「山形讃香」が台湾に上陸し、新しいマーケットが海外にも開かれたようであります。
 そこで、私は台湾の消費者が日本の高級ブランドを求めているのはなぜかとお聞きしたところ、国内産は安心できない、日本産は安心で安全、高くても買うというのです。このように一部の富裕層の嗜好品として偏ってはいるが、日本品に対する認知度が高く、アジアでの所得向上により購買力のアップにつながったものと思います。この際、本市の農産物等の輸出について現状と評価をお聞かせいただければと思います。加えて、本市ブランド品を全国発信にとどまらず、アジア諸国など世界へ発信する考えについても伺っておきたいと思います。
 さて、5日後に迫った第5回さくらんぼマラソン大会には、ルビー色に輝くさくらんぼというブランドを目指して4,100名以上の観光ランナーがやってきます。このことは、さくらんぼそのものが日本のブランドとして確立していて、米国産チェリーとは明らかに異なるものとなっております。このように本市は既に佐藤錦、大ケヤキと確立された日本一ブランドがあると考えます。さくらんぼマラソン大会には外国からの参加者も期待できるような、今回の山形セレクションを契機とした東根産品のブランド戦略について市長はどのように考えておられるか、お聞きいたします。
 以上、登壇での質問といたします。
○岡崎賢治議長 3番浅野目幸一議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。

   〔土田正剛市長 登壇〕

○土田正剛市長 おはようございます。
 浅野目議員の質問にお答えをいたします。
 近年、地域と自然的、歴史的、文化的に関連を有する特定の商品の生産を行う取り組み、すなわち地域ブランド化が全国的に盛んになっております。この地域ブランド化に向けた取り組みは、商品の付加価値の向上を通じて地域産業の競争力を高めるだけでなく、地域イメージのブランド化を通じてさらに地域ブランドの価値を上げるといった好循環を生み出し、地域以外の資金、人材を呼び込むことにもなり、地域経済の持続的な活性化につながるものであります。一般に使用されている地域ブランドは、地域の名称と商品の名称を組み合わせた商標が多く用いられていますが、自己の取り扱うものと他人の取り扱う商品等を区分するのが困難で、特定のものの独占になじまないことから商標登録を受けることはできませんでした。しかし、国は地域団体商標登録を創設し、地域ブランドをより適切に保護し、事業者の信用の維持を図り、産業競争力の強化と地域経済の活性化を支援することとしました。
 このような現状の中で、山形県は全国、世界に誇り得る高い品質の県産品、サービスを山形基準により厳選し、山形セレクションを認定し、地域ブランド化の確立を目指しています。また、この認定を目指した取り組みが誘発されることにより、優れたものづくりやサービスを提供する地力を高め、さらに高い品質の産品、サービスを生み出す産業基盤を醸成していく総合的な産業政策であると考えております。
 山形セレクションは、農林水産分野、加工食品分野、地場産業型工業分野及び観光関連サービス分野の4分野に区別し、農林水産分野では、さくらんぼ、リンゴ、西洋なし、桃などの11品目が対象で、出荷時期に合わせて順次募集することとし、始めに4月からさくらんぼとメロンについて募集しておりました。その認定者が5月24日に発表され、さくらんぼは13の事業者、メロンが2つの事業者が認定されました。その中で東根市のさくらんぼの認定者は3つの農協と1つの農業法人であり、申請者全てが認定されました。ご案内のとおり、生産量日本一、佐藤錦発祥の地である東根市のさくらんぼ農家は、営農の指導や果樹研究会などで技術研さんされ、また、果樹の適地適作の土地で、かつ安全・安心で高品質の農産物であることから、正に果樹王国ひがしねにふさわしい認定結果と思っております。
 さて、議員ご質問の東根セレクションについてですが、ご指摘のように平成16年度の東根市の農業産出額132億円のうち、果樹は96億円で約70%を占め全国5位にランクされており、さくらんぼをはじめリンゴ、桃の出荷量は県内第1位であることから果樹を中心とした農産物が考えられます。また、啓翁桜についても日本一の産地と言われており、その候補とも考えております。
 しかし、ご指摘のとおり山形セレクションで認定されない東根市のさくらんぼの農家も数多くあり、農業の振興を推進する上での課題ともなります。それらは農協等へ出荷されないもの、そして農協等で選別されないものが考えられます。生産農家と消費者が直接取り引きし、農協等へ出荷されないさくらんぼにつきましては、安全・安心で生産者の顔の見える農産物として提供されていることから、さくらんぼの評価への影響は少ないと考えております。一方、農協等で選別されなかったさくらんぼについては、山形セレクションの一定の基準を満たされないさくらんぼでありますが、最上級品のほかを切り捨てるのではなく、課題を浮き彫りにし、さらなる技術向上を図り、東根産さくらんぼが選定されるよう全体のレベルアップを推進し、農業所得の向上を図る必要があると考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
 次に、東根市産の農産物のブランド化戦略でありますが、さくらんぼをはじめとする果樹は山形のさくらんぼ、山形のラ・フランスなどと表示されて販売されており、日本一の生産量や一番おいしいとされる佐藤錦発祥の地である東根のさくらんぼが陰に薄れている感があります。また、毎年県内で実施されておりますさくらんぼやリンゴの品評会においても、高品質が証明されている東根産の果樹につきましては山形県の中でも差別化していく必要があると考えております。これまでの農業では、生産された生産物をいかにして販売するかでありましたが、これからは多様化する消費者ニーズに対応した売れる農産物を生産する農業を推進していく必要があります。前にも述べましたとおり、東根市の果樹の農業産出額が平成16年度のランキングで全国第5位であることから、果樹王国ひがしねのさらなるステップアップを図り農業振興を一層推進してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
 次に、農産物の海外への輸出についてでありますが、健康志向の高まりから安全・安心・高品質の日本産農産物が世界的ブームになって広がりをみせております。また、東アジア諸国の経済発展に伴い富裕層が増加し、日本産農産物に対する消費者ニーズも高まっております。農林水産省は農林水産物等輸出促進全国協議会を設立し、山形県においても山形県農林水産物食品輸出促進協議会を設立し、市場調査や見本市への参加を行っております。東根産果樹の平成17年度の輸出実績は全体の98%を占めるリンゴを中心とする果樹150トンを、輸出先といたしましては台湾が95%、ほかに香港・タヒチ・タイになっております。試験輸出といたしまして、神町農協の露地物のさくらんぼ40キログラムが台湾に輸出され、品質劣化もなく完売されたと聞いております。
 しかしながら国外への輸出につきましては、輸送時間、複雑な流通経路、衛生、検疫のコスト負担など多くの課題もあります。また、価格競争では他国にかなわないことから、高級品としての差別化を一層図っていく必要があります。リンゴにつきましては、青森県産が台湾への長い輸出実績があり、高級ブランドとして確立している状況にあります。現在の限られた海外市場の中での山形県産の輸出につきましては、日本産の産地間競争の激化など適正価格の観点からも課題が多いものと考えられます。
 いずれにいたしましても、海外への輸出につきましては多くの課題の克服が必要であり、山形県の協議会と協調しながら推進してまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
○岡崎賢治議長 3番浅野目幸一議員。
○3番(浅野目幸一議員) ありがとうございます。ご答弁のとおりだと思いますけれども、ブランド力の構築には繰り返しの販売促進が必要でして、それなりに時間がかかると思います。佐藤錦が高級ブランドになったというのは、地域での研さんを積まれた方々の努力のたまものと思います。これはご答弁にもございましたけれども、そのとおりだと思います。
 山形セレクションは、地域の皆さんにはぐくまれたブランドイメージを県のイメージアップに拝借するというか、非常に都合のよい認定制度に思えてなりません。しかし、利用されては困るというネガティブな発想ではなく、それよりも東根市に来なければ食べられない、体験できないといった地元の味や自然を全国にアピールする一つの手段として、また、県認証制度を起爆剤としてどう活用するかというように積極的な取り組みを期待するものであります。
 そして、山形県セレクションの方については、世界を視野にして山形県ブランドとしてグローバルなシェア拡大になるよう頑張ってほしいと思うわけであります。
 そこで、登壇で述べたようにポジティブに考えれば、ブームに乗ることも一つの戦略であろうと思います。山形セレクションについては市内の応募全品目とも採択されることを願っておりますけれども、東根市はもう名実ともに日本一ブランドをもつまちでありまして、ブランドは本市のプライドでもあります。
 それから、ご答弁にありましたけれども登録商標ですが、「おいしい山形」というのがありまして「ペロリン」というバッチがあります。これは、れっきとした登録商標であります。また、地域団体商標制度、すなわち文字商標が事業協同組合とか農協など特別な法人でなければ出願できないことになっていますが、岐阜県の例を見ますと、下呂温泉では「下呂温泉」という地名のみで申請がなされております。
 そこで自席の質問ですが、この地域団体商標制度を活用して「さくらんぼ東根」としての商標登録をする考えがあります。このことによって東根産さくらんぼとしての信用につながり、偽物対策とか地域振興に役立つと考えますがいかがでしょうか、ご答弁をお願いします。
○岡崎賢治議長 答弁を求めます。土田市長。
○土田正剛市長 まず、私は事務局で書いてくれた答弁をそのまま読んだわけでして、若干私申し足りないことがあります。
 山形セレクションというのは、私は斎藤知事の考え方というのは、とかく山形県というのは何にも増してまず宣伝下手だということが私あったと思います、頭の中に。そこの中で何か目先を変えたいという意味で山形セレクションということを国の地域団体の認証登録制度と相まって私は考えたものだと思っております。ただ、これはご案内のとおり全体の1%なんです。ですから、ほとんどの方々がいわゆるマークは取れないわけです。そういう中で一方では、例えばさくらんぼに限って言いますと、地域の農協の窓口としていわゆる生産者が直接消費者に届けているのかというとそうではなくて、ほとんどはそれぞれが長い間のいわゆる消費者との信頼関係の構築の上に成り立っていわば贈答品として行われているわけであります。そういう意味からしますと、ある程度いわゆる商標がなくともこれは十二分に役割を果たしているのではないかと考えております。例えば、毎年山形県でも品評会が行われます。あるいは東根市の農協でも市内の生産についてセレクションをやっているわけでありますけれども、そういう中でほとんどが、県の品評会などでは上位をほぼ独占しているのが本市産のさくらんぼだと毎年評価されています。それ自体がもう本当にブランド化になっているわけでありまして、そういう意味からは山形セレクションというものが直接いわば地力を高める結果になるのかというと、私はちょっと疑問な点もあるのです。ですから、そういう意味で単なる私は宣伝下手だということから何か目先を変えたいという意味で山形セレクションというものを私なりに解釈しているんです。ですから、山形セレクションが全てだという考え方は私はとっております。
 そういう意味で、これからも取ろうとは思っていませんけれども、今まで私も市長になるまでは東根市の生産農家というのは高い評価を全国的に受けているにもかかわらず、宣伝下手だということを私自身も思っておりました。ですから、私自身は市長に就任と同時に、JR東日本仙台支所まではそういう名前を、「さくらんぼ東根」という名前をつけること自体を拒んでおったわけでありますけれども、当時の議長である武田議長と私が一緒に行って、それで当時のJR東日本の社長である松田社長に直談判をして、ただ単に我々直談判したんじゃなくて、もちろんその中には松田社長と非常に人脈のある、ある経済人を通して会ったわけでありますけれども、その結果において松田社長の勇断で「さくらんぼ東根」という名前をもらったわけでして、その後の八戸までの新幹線の開通であるとか、いろんなことが開通されておりますけれども、後にも先にも地名に「さくらんぼ」という名前のついた駅名というのは「さくらんぼ東根」しかないわけでありまして、そういう意味で1日100回以上列車の車内放送、あるいはホームでの放送などを通じて全国に発信しているものと思っておりまして、そういうことをはじめとして、要はいわゆる浅野目議員が質問の中でも指摘しておりましたとおり、日本経済流通新聞ですか、あのことについては私も知らなくて大変敬意を表したいなと思いますが、いずれにしても消費者がいわゆるランク付けをするということは非常に大事なことだと思います。と同時に、やはりこちらから売り込んでいくという、いわばPR、そういうことと相まって商品というのはブランド化されていくのだと思っております。そういう認識の中で、これからいろいろと地域の農家とともに先頭に立って頑張っていきたいものだと思っております。
 そして、ご指摘の「さくらんぼ東根」という商標の登録については、いろいろ検討してみたいと思いますけれども、一方ではやっぱりその商標登録するしないにかかわらず東根市全体のいわば地力を上げていくという試みを考えていかなければならないと思っております。
 いずれにしてもそういう商標登録する無しにかかわらず、私はいわゆる全体を上げていくと、全体の東根市の農家の所得を向上させていくという観点で十分やっていきたい、山形セレクション的ないわば宣伝PRについては私はもう東根市は十二分に行政としての宣伝はもう相当先を行っているんじゃないかなと考えておりますので、ご理解をお願いしたいと思っております。
○岡崎賢治議長 3番浅野目幸一議員。
○3番(浅野目幸一議員) 大変丁寧なご答弁ありがとうございます。
 私も「さくらんぼ東根駅」をはじめとして「さくらんぼ東根温泉」もあるし、「JAさくらんぼ東根」もあるしということで、実質的なネームバリューというか、それはもう既にできているんだろうなと思います。ですから、「さくらんぼ東根産何々」とかとするのは自由にどうぞと、自由に使っていただいて結構という解釈だろうと理解いたしました。
 このたびの山形セレクションにおいてブランド化に成功すれば、県内の全てに好影響をもたらすというわけでは決してないと思います。各市町村とか企業、それから生産者などの関係者間の思惑、それに差があったり、地域によってはマイナスのイメージも周囲に植え付けてしまうという恐れもあると考えます。また、地域そのもののイメージについてランク付けをすれば、地域の意思とか思いとか誇り、それから伝えたいこと、そして本物のよさ、これを自信を持って外に、外部に発信できるかとの疑問も持ちます。ですから、真面目な生産者を切り捨てることが本当にないのかなというところで危惧をしております。
 このことからも、当然のことなんですが全県、あるいは全市統一的なブランドを提示するというのは極めて困難かと。行政、自治体、市としては主導権を持つのではなくて、あくまで支援に徹する立場であることが望ましいのではないかなと推察しております。無論、県に対してネガティブキャンペーンですか、そういうことをやるつもりはありません。
 そこで先ほどの宣伝下手についてでありますけれども、一言提言を申し上げたいと思います。
 地方分権とか道州制、あるいは合併ということを踏まえますと、そしてまた東根市は交通の要衝でありますので、この特性を生かすという施策を考えますと仙台市と東根市の横軸の強化というのがなお一層の重要課題になってくるんじゃないかなと思っております。
 そこでなんですけれども、看板とか標識、これの活用を提言したいと思います。つまり具体的には、さくらんぼ東根をブランドイメージとしたPR看板をもっと積極的に設置してはどうかと考えるものであります。本市は「ようこそ果樹王国へ」とか「ようこそさくらんぼ東根へ」等々の歓迎のイメージにちょっと乏しいかなと常日ごろ感じております。その時々の時折りのイベント看板だけではなくて、高速インターから降りてくるドライバーに、あるいは駅とか空港を出たところに果樹王国のイメージに即した文字商標ではなくて文字標識を設置してはどうでしょうかということです。アイキャッチで誘導された先には、お客様が目にするのは一面に広がる果樹園が、「果樹王国ひがしね」とイメージすることになるだろうと思います。
 次に、もう一つお願いします。
 第三次東根市総合計画後期計画に交流のまちづくりとして果物消費モデルファミリーの設定というのがうたわれております。これが非常におもしろそうなんですけれども、どのような施策かお伺いしたいと思います。
 仙台市からさくらんぼマラソンの参加者数792名と聞きました。さくらんぼ東根をブランドイメージに訪れるランナーの5分の1は、100万都市からいらっしゃるわけです。東根市もPRは下手だったと言われないように、そして21世紀フロンティアプランの趣旨に基づく広域的なまちづくりは仙台市は隣りの県ではなくて隣りの町という認識のもと、近さは武器ととらえて交流の推進にはこれまで以上にも増した意気込みをみせるべきではないかと考えております。
 これを自席での最後の質問といたします。終わります。
○岡崎賢治議長 答弁を求めます。土田市長。
○土田正剛市長 今の答弁に入る前に、先ほどの「さくらんぼ東根」という商標についてどうかという質問で私大事なことを言い忘れました。それは、「さくらんぼ東根」の商標を考える場合は、その前にまず農家が合併しなければならないということであります。これはどうしてかというと、「さくらんぼ東根」というのは例えば山形東郷農協管内でも神町農協管内でも、いわば商品のラベルというのはそれぞれの地名で東京その他に行っているわけであります。しかし、それを商標の登録だけを「さくらんぼ東根」とやるのでは、ちょっと農協のラベルの名前と違うイメージになりますので、そういう意味でも私は農協の合併ということをとにかく早く一本化なっていかないとだめだと思いますので、今後とも積極的に働きかけをしていきたいと思います。
 それから、先ほど看板等の設置をどんどんやった方がいいんじゃないかという質問がありましたけれども、ご案内のとおり景観条例というのがありまして、いわゆる看板というのは一定の高さ以上には立てられないことになって、看板類はそれで全部取り払われてしまったわけであります。そういう意味で、せっかくの提言なんでありますけれども、これを実行に移すということになった場合はだめとなると思います。例えばタントクルセンターの道路標識ですら結局だめだったわけでありまして、ご理解をお願いしたいと思います。
 それから、高速道路など等についての問題というのは、議員から指摘するまでもなく私は当時、いわゆる「さくらんぼ東根駅」という名前とともに是非「さくらんぼ東根インターチェンジ」という名前をつけるために当時の道路公団の小野総裁のところに私は直談判に行ったわけでありますけれども、そのときは、私は小野総裁とは旧知の間柄でありまして、「君は思いのほかアイデアマンですね」なんていうちゃかしの言葉だけで終わりまして、だからやっぱりあの人は失脚をしたんじゃないかなと。やはりそれに引き換えますと、JR東日本の松田さんは今も野球のコミッショナーも要請されてやっぱり就任しているだけのことはあると。それぞれ先見の明のある無しの明暗を私は分けたんじゃないかと私なりに考えているところであります。
 そこで、その「さくらんぼ東根」というインターチェンジの名前はつけられないけれどもということで、あそこに2カ所ほど高速道路のインターチェンジ付近に、さくらんぼの写真と名前がついておったかな、何かそれだけわからないぐらいの妥協策でお茶を濁された経緯があります。参考に申し上げます。
○岡崎賢治議長 答弁を求めます。武田経済部長。
○武田國義経済部長 看板以外の部分で、第三次総合計画のフロンティアプランに掲げております果物消費モデルファミリーについてのご質問ありました。
 これは、果樹王国ひがしねの推進のために四季を通じて生産される果物を各種イベントやキャンペーンを通して消費をしていただいているわけです。この果物をイベントだけの消費ではなくて、家庭団欒の中で消費していただくとともに、東根市で生産される果物の消費のリピーターやファンの拡大を担った事業という形で位置付けられているものです。ただ、これまでのこの事業についての取り組みがなされておりませんでした。今後は各種団体と協議をしながら検討してまいりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
○岡崎賢治議長 以上で、ご了承願います。

◎高橋ひろみ議員質問

○岡崎賢治議長 次に、7番高橋ひろみ議員。

   〔7番 高橋ひろみ議員 登壇〕

○7番(高橋ひろみ議員) 通告に従いまして、教育環境の形成についてお尋ねいたします。
 近ごろ子どもにかかわる事件、親子関係の事件、飯豊町の近所同士の事件、それに今回の秋田県の事件など、これまでの常識では考えられないような凶悪な事件、また、モラルの欠如による様々な分野での事件が発生し、将来の日本はどうなるのであろうかと首を傾げたくなるような状況であります。そのようなとき、いつも加害者の生い立ちはどうであったのか、どのような育てられ方をしたのかなど、犯行の原因は「教育」にあるということになります。つまり学校教育、社会教育、家庭教育は人間を育てることの原点であると私は思います。こんな中、子どもたちを取り巻く事件が多発し、子育てに対して不安を感じる若い親御さんたちも多くなるのではと危惧の念を抱くところであります。
 先日発表になりました2005年の合計特殊出生率が過去最低の1.25となり、山形県においても1.39と昨年より0.08の低下でありました。少子化の対策の上からも、子どもを持つ親、これから子どもがほしいと考えている若い人たちの不安をぬぐい去らねばならないと考えます。人を育てる教育の重要性から、その教育のために環境を整備することが必要となります。本年度になってからも、とりわけこの2、3日本当に新聞を賑わせております秋田県での事件は、子を持つ親はもちろん世間全体が不安の念にかられております。
 そこで、通学路等におけるこれまでの安全対策と、これからの新たな取り組みについてお伺いいたします。
 次に、新設小学校の通学区域案と行政区との整合性についてお尋ねいたします。
 東根中部地区通学区域検討委員会に2度オブザーバーとして出席させていただきました。新設小学校の通学区域の線引きとして、東根中部地区側、神町地区側それぞれ3案が提出され、その組み合わせにより9通りの方法が考えられます。以前から示されておった小学校の通学区域の設定の5つのポイントとして、1つ、学校規模の適正化を図る。2つ目、通学距離の適正化を図る。3つ目、中学校通学区域と関連させて考える。4つ目、境界は可能な限り自然界で設定する。5つ目、行政区との整合性を図る。それに加え、新設小学校の目標とする学校規模等を考慮した通学区域は、行政区が分断されるのではないかと思われます。
 第三次東根総合計画後期基本計画において学校教育の推進の中の基本的な考えとして、「本市は新学習指導要綱に基づき学校、家庭、地域と連携を密にしながら、児童生徒に学ぶ力と豊かな心をはぐくむ学校づくりを推進していく」とうたってあり、施策の中にも地域との連携の必要性を説いております。そこでとらえている地域とは何であろうか。現在、東根市において地域というのは最小単位の行政区であり、その上に公民館単位の地区で成り立っていると考えます。行政区、地区のまとまりがなくては、学校教育の中で地域との連携がスムーズに行えるのでしょうか。様々な場面で地域との連携が必要であります。
 通学区域と行政区との整合性についてどのようにお考えかお伺いして、登壇での質問といたします。
○岡崎賢治議長 7番高橋ひろみ議員の質問に対し、教育委員長に答弁を求めます。横尾教育委員長。

   〔横尾智三郎教育委員会委員長 登壇〕

○横尾智三郎教育委員会委員長 高橋ひろみ議員の質問にお答えします。
 始めに、通学路等における安全対策にかかわるこれまでの対応と、これからの取り組みについてでありますが、全国的に子どもの下校時における事件が相次ぎ、幼い命が奪われる事件が続発していることは憂慮の念に耐えないところであります。山形県においては、このような重大な事件には至らないまでも、下校時の児童生徒に対する声かけ事案や不審者情報は後を絶たず、学校安全体制の整備が急がれている現況にあります。このため昨年度は全県下で地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業が実施され、本市では東根一中学区内の小中3校がこの事業の指定を受け、学校安全ボランティア、通称「スクールガード」による安全体制を整備し、地域との連携による見守り隊の活動、下校時における通学路の巡回パトロールなどを実施してきたところであります。教育委員会でもボランティアの方々への蛍光色ベストやパトロール隊への反射式ステッカーなどを配付し、これらの活動を支援してきたところであります。
 また、第一中学校区以外でも小学校学校位置として地域の公民館、区長会、子供クラブ育成会などと学校が連携して、地域ボランティア組織が整備されるよう地域公民館長会議などで要請し、昨年度は神町地区、今年度になってからは大富地区、東郷地区でそれぞれ100名前後のボランティア組織が結成され、児童の下校時間に合わせたパトロールなどの安全活動を行っている状況にあります。
 東根中部小学校においては、昨年度結成されたパトロール隊に加え、地域の方々ができる範囲で独自に子どもたちを見守る「アンネのバラ・子ども見守り隊」が170名ほどで発足し、5月12日から児童の下校時に合わせ通学路を散歩、ウォーキング、ジョギングなどをして子どもたちをそっと見守る行動が始まっております。
 また、それぞれの学校においても校長会の協力のもとに児童生徒に対する不審者対応の訓練や、日暮れの早い時期の下校時間を早めること、小学校では集団下校を行い安全を確保することなどを励行しているところであります。ほかにも本年度は市内全小学校が地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業の指定を受けたことから、昨年度に続いて自衛隊OBの方をスクールガードリーダーに委嘱し、各学校の組織体制の整備や巡回パトロールの方法、不審者事案への対処の仕方などについて巡回指導していただくことになっており、全地域での安全ボランティア組織の早期結成を図りつつ情報の共有化と早期伝達、経験交流を図るため地域ボランティア、学校、警察、教育委員会による学校安全ネットワークの結成を目指しているところであります。
 本年度に入って本市内での不審者、声かけ事案が少なくなってきていることは、これらの取り組みが防止効果として働いているものと評価しているところでありますが、引き続き全地域で学校安全活動が推進されるよう指導、支援していく考えでありますので、ご理解をお願いいたします。
 次に、新設小学校の通学区域案と行政区との整合性に係る問題についてお答えします。
 新設小学校の通学区域については、本年1月下旬に関係する神町地区、東根中部地区において関係団体代表者等26名からなる通学区域検討委員会をそれぞれ組織し、これまで2回の委員会を開催し、加えて先月29日には東根市立小中学校通学区域審議会を開催したところでありますが、これまでの審議、検討の経過において幾つかの課題、問題点が浮き彫りにされてきております。その大きな要因は、新設小学校が地域活動の基礎的な範囲である東根地区、神町地区の中間に建設され、通学区域が両地区をまたがる形で設定されることに起因しております。加えて、通学区域設定のポイントとして、道路、鉄道、河川など永久的構造物で区切ることを原則とし、行政区との整合性も考慮することとしておりますが、新設小学校の通学区域設定にあたっては、県・市道レベルの大きくない道路で区切らざるを得ないことも困難な状況を招いている一因となっております。これまで両地区の検討委員会には、新設小学校の開校予定である平成23年4月時点における児童の分布状況をもとにそれぞれ分割について3案を示して検討していただいておりますが、行政区を分断して通学区域を設定しなければならないことも十分に考えられ、この場合、コミュニティや自治活動が分断されるのではないかとの危惧を抱いていることから、通学区域の設定に合わせ関係行政区において役員会などを開いていただき意見調整を行っているところであります。
 ご質問にあるとおり、行政区との整合性には配慮しなければならないと考えているところでありますが、道路で通学区域を設定する限り、現在の行政区との完全な整合性を図ることは困難であることから、関係区との意見調整の中では通学区域の設置に合わせ行政区の区分再編も考慮していただくよう要請しているところでありますので、ご理解をお願いいたします。
○岡崎賢治議長 7番高橋ひろみ議員。
○7番(高橋ひろみ議員) ご答弁ありがとうございます。
 始めに、通学路等における安全対策についてお伺いいたします。
 ご答弁の中で、昨年に引き続き次々と小学校単位に安全ボランティアが結成され、抑止効果が働き、不審者による声かけ事案が減少したということは本当に大変喜ばしいことで、感謝の気持ちでいっぱいであります。文科省からの委託事業でありました地域ぐるみ学校安全体制整備推進事業が、昨年は東根一中学区の3校だったのが、今年度は全小学校が指定となり、ますますそういうことができるようになったと思います。スクールガードリーダーの巡回指導がますます充実することを願うものであります。スクールガードによる安全体制が全小学校で指定されたのにもかかわらず、まだ、地域ボランティア組織の整備が遅れている地区があるようですが、地域のつながりが密で、改めてそのような組織が必要がないのか、また、ほかに何か理由があるのか、今後組織化の具体的な取り組みはどのようになっているのか、お尋ねいたします。
 次に、地域住民の協力により小学校単位でボランティア組織が整備され、本当に住民の協力はありがたいものだと思っております。安全で安心な環境づくりに市民はでき得る範囲でいろいろと協力、活動をしている状況にあると思います。昨年の6月議会において、市長は「学校教育が安全で安心に行える環境づくりというのは、行政の分野である」とご答弁くださいました。通学路の安全・安心の一つに暗がりの問題があります。地域、学校ごとに通学路を点検し、街路灯の必要な箇所の要望が出されておりますが、それへの対応をどのようにお考えかお尋ねいたします。
 次に、通学区域についてですが、これまでの審議、検討の結果において幾つかの課題、問題点が浮き彫りになってきたということはご答弁の中にもございました。本来からすれば、新設小学校の学校教育にとって通学区域は何が最良であるのか、本当に広い視野の中で考えなければいけないと思います。しかし、区が分断されたり通学区域が変わったりする。その当事者になれば、自分の利害を中心に考えざるを得ないことで、それは当然だと思います。このたびは関係区との意見調整などを教育委員会を含めて行ってくださっていることは、本当にありがたいことだと思っております。新設小学校は東根地区と神町地区の中間に建設されるということより、地区というのをどのように考えていかれるのか、これから先、小学校の適正規模というのは1学年3学級合わせて18学級と常々おっしゃっておられますが、周辺地域のように小学校単位が一つの地区なのか、また、東根小学校、東根中部小学校、新設小学校、神町小学校と中心部の連担制のまちづくりとしての地区のあり方はどのようにお考えか、お尋ねいたします。
○岡崎賢治議長 答弁を求めます。土田市長。
○土田正剛市長 まず、街路灯の問題でありますが、先般、防犯協会連合会の総会もあったわけでありますけれども、全体的にまず設置箇所数が要望箇所数よりもかなり少ないという問題、あるいは、いわゆる要望してから設置される時期が非常に遅いとか、いろんなこれまで不評があったように思われます。そういう意味で、おっしゃる通学区域の児童の安全を伴った街路灯の問題などもその中に入ると思います。そういう意味で、今、市民生活環境課が中心になりまして今年1年間どういう改善策があるのか、いろいろと今検討を開始しているところであります。そういう意味で、来年度に向けていわば善処をしたいなと思います。
 確かにおっしゃるように、行政区と通学区というのは一致すれば私は何の問題もないと思います。ただ、新設小学校に伴ってのいわば通学区域をどうするかということで問題になっているわけでありますけれども、一般論からいたしますと、少子化が非常に深刻な状況になってきております。この間の国勢調査の発表の中にも1.20ですか、そんな考えられないような少子化がどんどん進んでいる。そして、国会議員の方々に聞いても、これといった妙案、対策というのがないんだと、そこが深刻なところなんだということをこの間も国会議員の方と話する機会があって、そういうことも言っておりました。猪口少子化担当大臣もこの間ご来市されて、いろいろとそういう問題についても言及されておりましたけれども非常に難しい問題であるということの中で、やはりスポーツ少年団等々についてはもう一つの行政区域では成り立たなくなる時期が間もなく来ると思います。もう既にある地区では、もうそれが出てるんじゃないかなと思っております。ですから、そういう意味では、これから必ずしも行政区と通学区が一緒であればいいんですけれども、それでは現実の問題として処理ができなくなってきているという現状から見ても、私は万やむを得ないのではないかと。ただ、しかしながらいろんな意味でやはり学校にいるときの友達等、あるいは放課後の地域に帰ってからの問題でいろいろ友人関係が違ってくるとか、その他スポーツ少年団ばかりじゃなくてそういういろんな問題もあろうかと思いますが、そういう意味で必ずしも一致することは今後無いということを予測をしながら、そういう問題にあたっていかなければいけないのじゃないかと思っております。
○岡崎賢治議長 次に、答弁を求めます。小関教育長。
○小関正男教育長 それでは、先ほど全地区でパトロール隊、あるいは見守り隊の設置がなされているけれども、遅れている部分もあるのじゃないかというご質問でありました。そのことについて若干答弁をしたいと思います。
 まず、今回の見守り隊、あるいはパトロール隊の結成でありますけれども、非常に今までと違って大きな意味があるなととらえております。ということは、今の非常にいろんな事件、事故が起きているこの危機感に基づいた地区民一人一人の何といいますか自主性、自発性に基づいた参加をしていただいていると。さらには、区長会が先頭に立って、もちろん公民館、学校も一緒なんでありますけれども、各地区の諸団体が全地区協力をしてこのことの結成にあたっていると、こういう大きな違いがあるかと思います。今までいろいろ活動してきたわけですが、そして一定の成果を納めてきたわけですけれども、それらの活動をさらに大きく前進させるような、こういう各地区の取り組みだととらえております。これからは、それぞれの地区のネットワーク化を図ったり、あるいは庁内においては各課の連携、市も総合計画、安心して暮らせるまちづくりの一環としてのものでありますので、そういった連携、さらには警察等関係機関との連携を密にしながらネットワーク化を図っていきたいと。そのネットワーク化のいわゆる推進会議といいますか、そういったものは、できれば8月あたりまでに第1回目の会議をもちたいという意向でおります。したがって、今準備されている地区が2地区あるわけですが、一つの地区からは今まで準備をしてきたけれども今日臨時の区長会を開いてこれに対応していきたいという話も聞いております。そんな意味で、それぞれの地区がこういったことで立ち上がってくれることを期待しているわけであります。もちろん予算的なことがあれば教育委員会で十分検討協議しながら、財政当局とも協議をして万全を期していきたいと思っております。
 市民の声として、「一人になって下校する部分、これを見守るのが大事だ。そこのところも地域に提案していきます」という方も実際に教育委員会に来ております。さらには「散歩の時間帯を下校時間帯に合わせて散歩するようにしています」という声も聞こえているところであります。そういった意味で、見守り隊、あるいはパトロール隊、それぞれ意味が違いますけれども、両方兼ねた内容で行っている地域といろいろあるようです。見守り隊については自分の日常生活に合わせて子どもたちを見守ろうと、これは大変ありがたい動きだと思っております。地域の子どもは地域で守るという方向に一段と進んでいるなということで、地域の熱意に対して教育委員会としても心から感謝を申し上げながら、高橋ひろみ議員からは大変いいご指摘をいただきましたので感謝を申し上げて答弁としたいと思います。
 さらに学区については、教育委員長答弁のとおりでありますけれども、調整会議をもちながら、いろんな方の声を十分反映させていきたい。そして、検討委員会としてのある程度の方向性を8月中に、それを受けた形で審議会から委員会に答申をもらうのが10月下旬ごろということで行っておりますので、詳しいことは教育次長から答弁しますけれども、ご理解をいただければありがたいと思います。
○岡崎賢治議長 原田教育次長。
○原田清一郎教育次長 通学区域に関して市長から行政区とのかかわりということでお話があったわけですが、そのとおり、このたびについては行政区を境ということは困難だということで3案を示したわけですが、もしかしてどれかの案の中で区が分断というか、区の間を通学区域に設定されるという場合が想定される区について個別に役員会なり住民の集会を開いて説明をし、意見を聞いているという段階です。その中では、分かれがたいとか、せっかく仲良くなったのに別々の学校に行くのは嫌だという声もありました。それでも教育委員会としては線を引かなければならないということで、地域の協力がなければ学校が成り立たないわけですけれども、もしかして1つの区が2つの学校に子どもたちが通うと、両方の学校に区が協力しなければならないという場面も出てくるわけです。今までのような概念ではなかなかとらえにくいかもしれませんが、そういう区の中に新しい学校の線引きがなった場合に、そういう中での区の活動なり自治活動、コミュニティ活動を考えてほしいという要請をしているところです。
 それから地区との考え方ですが、今回は地区をまたいで学区が設定されるということで、これまでの概念でもこれもなかなか理解が困難という場面があると思います。第1次生活圏ということで地区があるわけで、そこでいろんな団体の活動なり区長連合会が設定されたりということで活動が行われているわけで、本来であれば小学校区単位に公民館が設置され、そこでの地区活動が推進されるのことが望ましいのだと思いますけれども、現状の中で公民館を建てたり職員を配置することは困難でありますので、この地区活動のあり方についても学校が新しく設置される東根地区と神町地区の公民館活動にも何らかの変化がやっぱり必要になってくるということですので、学区が設定された場合の新しい公民館活動のあり方、地区活動のあり方を考えていく必要があるだろうと、そういうことで今要請しているところです。整合性を図るということではなくて、もうそういう設定された場合の新しい地区活動のあり方、新しい行政活動のあり方を模索していただきたいということを要請しているところですので、よろしくお願いしたいと思います。
○岡崎賢治議長 7番高橋ひろみ議員。
○7番(高橋ひろみ議員) 全地区での安全ボランティアの組織づくり、早期にお願いしたいと思います。情報の共有化を図るため、学校安全ネットワークの結成にご努力をお願いいたしたいと思います。
 街路灯につきましては市長がお答えくださいましたので、是非いろんなことをお考えになって、財政的にも厳しいとは思いますけれども是非よろしくお願いしたいと思います。
 地域のボランティア組織の方々は、ジャンパーとかベストとか帽子をつけてパトロール、見守りしていると思いますが、そういうものをつけていない人が声をかけたら「不審者だ」とみられる地域でない、気持ちよくお互いがあいさつができるような地域にしたいものと思って、皆さんもその辺お考えて、私もそのことを考えながらいきたいと思います。
 また、次に地区についてですが、市長もお答えくださったり、教育次長もお答えくださったり、新設小学校学区については、もしかしたら行政区との整合性が図れない、また、行政区が分かれたり、そういうことがあるやもしれないということなんですが、その中でその地区の活動は新たなコミュニケーションをつくっていかなくちゃいけないというお話でしたが、それはそのとおりなのかもしれません。このような通学区域は地区の行政との関係は本当に無視できないものと思います。通学区域を合わせて行政区の、このたびの通学区域は分区したり再編を考慮したり、そういう要請をしているということですけれども、通学区域は小学校区などの関係なく新たなコミュニケーションの組織を考えなくちゃいけないと先ほど教育次長もおっしゃったんですけれども、通学区域は児童生徒数の推移により変動したり、小学校イコール中学校学区なのか、小学校から別々の中学校に通学するのかなど、東根市では今まで市民には考えられなかったことが起きるのではないかと懸念されます。先ほど市長もおっしゃったように、これから少子化になりまして本当に学校のあり方、学区のあり方、行政のあり方は非常に変わってきて、いろんな選択肢があるような時代になるのではないかと思います。そういうことを全てまとめて、また、財政的な問題、学校における耐震化などの問題、そういうことを全体的に考えて小学校を10年とか20年のスパンで計画を示していくべきじゃないのかなと思います。今回の通学区域の線引きが先の見えないものに対する今だけの対応ということで決断していくのは、当事者は本当につらいものがあるのではないかなと思います。その中で、今回の学区の線引きが、そういう大きな流れの中の一つのステップであるということならば、住民は理解できるのかと思われます。是非、教育委員会だけでなく、その流れを決める検討委員会などの組織というか、そういう委員会みたいな組織の結成についてどのようにお考えか、市長にお伺いしたいと思います。
○岡崎賢治議長 答弁を求めます。土田市長。
○土田正剛市長 今、様々な学区についての問題点が指摘されているわけでありますけれども、私は常日ごろ言っていますように、今、高橋議員の指摘の中で「当事者は相当悩んでいるのではないだろうか」ということがありましたけれども、当事者というよりも私は保護者なのかなと考えております。子どもはもっと順応性があるのじゃないかなと私は思っております。ですから、必ずしも行政区と通学区が一緒でなければという従来の考え方には私は立っていないのですけれども、むしろ保護者、あるいは大人の方々のエゴといいますか、わがままというのがなかなか今日の学区、あるいは行政区の問題を一層複雑なものにしておるのかなと私は考えております。よその自治体では、もう既に少子化が進んで、一つのまちで一つの学校にもう統合するというのは、例えば西川町などは記憶に新しいところでありますけれども、隣りの村山市についても、中学校については2校だということになっておりますし、そういういろんな意味で東根市の場合はまだまだある意味では従来のそういった考え方に沿っているのかなと思っております。ですからそんな意味では、それらを決める場合というのは単に教育委員会だけの、所管は教育委員会ですけれども、私などは積極的に所管外なんですけれどもペナルティーと言われるくらいに、もうこの通学区域などについてはどんどん発言をしております。そんな意味で、新たな時代に即して新たなそういった通学区や行政区という問題を柔軟に考えていくためにも、住民のご理解と、あるいはご協力を求めていかなければいけないのかなということを最近強く感じております。
○岡崎賢治議長 以上で、ご了承願います。
 会議の途中ですが、ここで午前11時25分まで休憩いたします。

   午前11時18分 休 憩


   午前11時25分 開 議

○岡崎賢治議長 休憩前に引き続き会議を開きます。

◎奥山重雄議員質問

○岡崎賢治議長 一般質問を続けます。次に、10番奥山重雄議員。

   〔10番 奥山重雄議員 登壇〕

○10番(奥山重雄議員) 御苦労さまです。
 先に通告しております2件についてお聞きいたします。
 始めに、仙山交流について、県と連携した仙台圏との広域的経済活性化を推進すべく東根市独自の交流ビジョンをまとめ、相互交流の具体化を図るべきという点についてお尋ねをいたします。
 県村山総合支庁では、村山地域と仙台地域の交流連携強化を図ることを指針とする仙山交流ビジョン案をまとめ、新年度からビジョンに沿って事業スタートとのこと。新たな交流拡大の目標のビジョン案によると、将来像を定め、実現のために連携共同し、1つは交流を促進する人と組織づくり、具体的には官民一体の調整の場づくりや震災疎開パッケージなど災害相互支援体制づくり。2つ目として、魅力アップの地域資源づくりでは、宝探しや再発見の機会、仙山交流弁当、料理コンクールの実施。3つ目のニーズに対応した情報環境づくりでは、ファン組織を活用したネットワーク化、クレームの収集処理システムづくり。4つ目として、安全で安心な交通環境づくりでは、2次交通のアクセス向上や両地域のJRとバスが乗り放題の仙山まるごとバス(仮称)等、事業案として盛り込み、仙山交流連携推進会議(仮称)を設立するとのこと。当市はトンネルをくぐれば仙台市と、最近隣市という好条件を最大限生かした施策で事業計画実施を図るべきと考えます。国道48号道路整備事業などをはじめとし、今年度も既に新独自事業のさくらんぼ種飛ばし仙台グランプリを開催し、大盛況を報じておりまして、さくらんぼの東根をPRし、交流がより深まっているものと思うところです。
 先に示された後期基本計画では、第1編 いきいきと輝く交流都市の創造の1章 広域的な役割を担う交流のまちづくりの基本的な考えの中で、県が重要施策として掲げる仙台圏との連携、取り組みに歩調を合わせて交流人口の拡大を目指していくとあり、その施策に県と連携した仙台圏の広域的経済活性化の推進。また、2章では多様な交流が進む賑わいのあるまちでは、果樹王国ひがしねを生かした交流のまちづくりの施策に1年を通した仙台圏からの誘客拡大による交流の推進と、2つの新規施策が示されております。
 そこで1点目、市長は3月に仙台圏などとの広域観光、経済交流の推進と報道していますが、現状では市計画各々の具体的な推進の事業計画が示されておりません。現在それぞれどのような進捗状況にあるのか、また、今後のお考えをお聞かせください。
 次に、県のビジョンでは役割分担として市・町は住民に最も身近な地方自治体として地域の特性を生かした仙山交流の推進に積極的に取り組むものとするとのこと。市の後期基本計画に盛り込まれております東根市独自のより具体的な交流ビジョンを早急に作成し、民間と行政との相互交流事業の促進計画など具体化を図り積極的に推進すべきと考えるが、市長のご見解をお聞かせください。
 次に、2点目、新友好都市の締結について。
 市民団体の中で、友好都市交流を望む声があり推進すべきと考えるが、新たな友好都市締結について。後期基本計画の第1編 いきいきと輝く交流都市の創造2章に多様な交流の進む賑わいのあるまち、2節に国内外の交流の推進の中、友好都市交流推進の施策では、産業・文化・スポーツなど多様な分野における交流を積極的に推進するとしております。本市は、昨日も議論されましたが、中央区と新得町の2カ所と友好都市の締結をしており、中央区とは今年で提携15周年を迎え、その記念事業が計画されているとのことであり、交流が年々深まっていることは大変喜ばしいことであります。
 しかしながら、近年、市民団体の中で新たな都市と相互に交流を希望する声があります。特に私は先に質問いたしました仙台圏交流の一環事業として、仙台圏域の都市との友好都市の交流を推進していくべきと考えます。先般、天童市と多賀城市が文化振興などに関する相互交流協定を調印したという報道がなされておりましたが、県内各市の仙台圏域との友好都市締結の状況を見てみると、山形市が加美町と、上山市が名取市、尾花沢市が岩沼市、河北町が石巻市、酒田市が本年3月、7市町が合併した大崎市と締結しているようです。
 そこで、本市で平成20年度に計画されている市制施行50周年記念事業として、新たな都市との友好都市の締結に向けて取り組みされるよう市長のご見解をお聞かせください。
 以上、登壇での質問とします。よろしくお願いします。
○岡崎賢治議長 10番奥山重雄議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。

   〔土田正剛市長 登壇〕

○土田正剛市長 奥山議員の質問にお答えをいたします。
 始めに、仙山交流についてでありますが、平成14年4月に本県の村山地域と仙台圏域の交流拡大を目指し、山形県の村山総合支庁と宮城県仙台地方振興事務所が主催し、それぞれの行政関係者で構成する「仙台・山形交流連携促進会議」が発足され、これまで5回の会議を開催し、基調講演や情報交換、意見交換を行い、交流人口の拡大策などについて調査研究を行ってまいりました。
 県の村山総合支庁においては促進会議の経過を受け、今後とも人口の減少が進み経済の拡大も期待できない状況のもと、地域資源や既存の社会資本の有効活用という観点からも関係する団体や個人が個別単発的な取り組みを展開するのではなく、互いに協力して仙山交流に取り組み、村山地域住民自らが豊かさを実感できる地域にするための構想として、本年3月に「仙山交流ビジョン」を策定したところであります。
 そのビジョンにおいては、仙山圏の将来像を「認め合い、競い合い、協力し合うツインシティ」とあらわし、村山地域、仙台地域が互いに協力、共有、競争し合い、地域の持つ魅力を引き出し合うことにより、仙石圏域全体の底上げをねらうものとなっております。具体的には、行政と民間が連携共同して現状における4つの課題、「交流活動に対する認識の低さ」、「埋もれたままの地域の宝」、「求めている人に届かない地域情報」、「不便でわかりにくい交流アクセス」などを改善することにより、ビジョンに掲げる将来像が具現化なるものとしております。
 一方、本市では平成13年に策定した「第三次東根市総合計画」において交流が地域にもたらす影響に着目し、定住人口に通勤、通学、観光レクリエーション、買い物の4項目の生活活動を加味した都市交流人口の拡大を施策として掲げ、平成22年における交流人口を5万5,300人と推計したところであります。現時点では買い物客と通勤による流入人口は増加するものの、観光の形態が宿泊から日帰りにシフトしていることが影響し、当初予想していたより若干少なくなるものと予想しております。この状況を改善するため、本年3月に策定した後期基本計画の中では、議員ご指摘のとおり県と連携した仙台圏との広域的経済活性化の推進と、仙台圏からの誘客拡大による交流の推進の2つの施策を掲げております。今後、具体的な施策を展開するにあたっては振興実施計画策定の中で検討していきたいと考えておりますので、ご理解をお願いします。
 また、仙山交流ビジョンにおける市の役割の中で、地域の特性を生かした交流事業など住民のニーズや地域の課題に的確に対応した施策を実施するとなっておりますが、本市では、これまでさくらんぼにこだわったまちづくりを進め、あらゆる機会で東根市を発信してまいりました。中でも全国でも例がない果物を冠にした「JRさくらんぼ東根駅」、東北最大級となった「さくらんぼマラソン大会」、ふるさとイベント大賞で産業観光部門賞を受賞した「さくらんぼ種飛ばしジャパングランプリ」などは、その最たるものであり、特に本市と隣接する仙台市においては4年前からさくらんぼ種飛ばし大会を実施し、佐藤錦発祥の地をPRすることで、さくらんぼマラソン大会やジャングルジャングルへの仙台市からの誘客に大きな効果を挙げております。
 また、東根市独自の交流ビジョンの作成を早急にとのことでありますが、これまで実施してきております事業そのものが市独自の交流ビジョンに基づいたものと認識しておりますが、さらに社会動態や仙台市民のアンケート結果等を参考にしながら、現在の事業にとどまることなく新たな事業の展開についても前向きに取り組んでいきたいと考えております。
 今後も、仙台市に隣接する本市にとって100万都市仙台は、観光、物産の面からはもちろんのこと、人、物、情報の交流の面からも大きな魅力を兼ね備えており、地理的、交通ネットワークの優位性を生かしながら新たな都市交流人口の拡大策を図ってまいりますので、ご理解をお願いします。
 次に、新たな友好都市交流についてでありますが、議員ご存じのとおり、東根市は東京都中央区と平成3年7月に、北海道新得町とは平成6年10月に友好都市の盟約を結び、それぞれのイベント等への相互参加、子ども交流事業をはじめとする市民各層における交流などを実施しております。
 中央区との交流については、昨日の田中議員からの質問にお答えしたとおり、子ども交流や女性団体の交流など市民各層の交流事業を行うとともに、果樹研究連合会からのさくらんぼやリンゴの贈呈、さらには東根産はえぬきなど本市の特産物に関連した交流を実践し、本年度は友好都市締結15周年の節目を迎えることとなったところであります。
 また、北海道新得町との交流は、明治32年に当時の高崎村から村山和十郎氏が開墾の鍬を下ろしたという歴史的な背景をもとに、高崎地区民の演劇講演をはじめ積極的な交流が行われてきました。平成11年、新得町開村100年祭に招待され、札幌よさこいソーラン祭りで優秀な成績をあげている新得町のチームの躍動感あふれる踊りに感銘を受け、翌年の東根まつりに招聘したところ、東根市民に大きな感動を与え、その後、東根まつりが市民の自発的な参加により大きく飛躍するきっかけとなったところであります。今では新得町から踊りの指導を受けた本市のよさこいソーランチームが、会員が少なくなった新得町のチームと合同で毎年本場のよさこいソーラン祭りに出演するなど、行政間の一つの交流事業が民間交流の展開に結びつき大きく花開いたものであり、交流本来の姿であると認識しているところであります。このように中央区並びに新得町とも、長年にわたる交流によってその絆がますます深くなっていると実感しているところであります。
 さて、新たな友好都市の提携につきましては、当然、相手がいることでもあり、慎重に進めていくべきものと考えております。友好都市とは、それぞれの都市との歴史的なつながりや産業、文化等の共通点や類似点などを提携として、お互いの市民同士が文字どおり友達のように親しい関係となって交流することで絆を深めていくことであります。現在、行政として中央区や新得町以外で交流を深めているような自治体はありませんが、今後、新たな友好都市を提携するにあたっては、お互いの市民の関心の高さや民間や行政間の交流の広がり、交流の熟度を見極めながら検討してまいります。
 なお、市制施行50周年記念事業につきましては、新たな友好都市との交流も含め幅広く議論を重ねながら検討してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○岡崎賢治議長 10番奥山重雄議員。
○10番(奥山重雄議員) 2問目、自席でよろしくお願いいたします。
 具体的な施策展開は振興実施計画策定の中で検討していくと、前向きに取り組んでいきたいということでありがとうございます。県では仙山交流を各市町の主要施策の一つに位置付けるなど、市・町全体で仙山交流を推進する気運の醸成を市民や民間を巻き込んだ事業を実施をしたらどうかということもその中に盛り込まれておるわけですが、やはりモデル事業というものについてはいち早く提案をしてやっていくべきでないかと私は思うわけです。
 そこで、モデル事業として検討する、あるいは取り組んでいく事業というのは、やはり当市はさくらんぼにこだわった施策等々、昨日、今日、いろいろとその件については議論がありましたけれども、種飛ばし大会、あるいはマラソン大会の大盛況があるわけですが、もう一歩足踏み込んで、さすが東根市という事業を振興実施計画の策定の中でやっていただきたいということで、私案としてですが、先ほども議論の中で看板の設置等々ありましたけれども、東根市PRコーナーというものを仙台駅構内、あるいは仙台市庁舎、あるいは公的な場所などに、さくらんぼ東根駅に設置しているさくらんぼ周年栽培育成装置を設置する事業を一つ提案します。それからもう一つは、東根温泉足湯のモデルの設置事業など、東根市をより積極的に、より東根市のさくらんぼというPRのためにも、そういうコーナーを設置する事業に取り組んでほしい、この点についてお聞かせください。
 次に、仙台市、最近隣村としての取り組みなんですが、現在、東根市の県人会など仙台市に存在するのかどうか、その点の把握はどうなっているのか。今後の育成などについてはどのような考えなのか、お聞かせをください。
 3つ目として、市として民間独自の文化、スポーツ、経済関連のネットワークなど、相互交流の実態調査、把握はどの程度なされているのか。仙台圏とのそういう交流等々について実態を踏まえている分についてお聞かせをいただきたいと思います。
 次に、新たな友好都市の提携については、相手がいることであります、当然です。今後新たな友好都市を締結するには、市民の関心、民間、行政間の交流の熟度等々ご答弁をいただきましたけれども、少し私の方でやっている交流などについてご紹介申し上げますと、民間や行政間の交流の広がりの状況ということでは、私に推進依頼のある友好都市の相手は宮城県の旧矢本町で、平成17年4月1日に成瀬町と合併し誕生した東松島市です。人口が合併後4万3,789人、面積101.86平方キロメートル、議員定数26人で、広域石巻圏と仙台市を結ぶ国道45号、JR仙石線を有し、市内に4つの駅を開設、三陸自動車道がまちを東西に横断し、インターチェンジは2カ所開設されている。もう一つ大きなことは、本市と同じく自衛隊、こちらは航空自衛隊松島基地を抱えて、370ヘクタールの広大な敷地で全国唯一の航空ショーを展開できるブルーインパルスが存在する、全国に知られておるわけで、神町自衛隊まつりなどでも単機ですが見させていただいているという状況にあります。
 東根市議会としての交流についてですが、これについては、議会だよりが平成9年に3度目の全国コンクール最優秀賞受賞ということで、本市議会だより編集委員の視察研修をさせていただきました。そして、平成16年2度目の編集委員会視察研修をさせていただいております。昨年、平成17年に東松島市となったということで、今度は市の議会だより編集をしなければならないということで東松島市議会広報委員会が研修視察に当市に来市されているということで、当市の議会だより編集の充実の足がかり、これはこれまでの経過の中で相互研修し、積極的に研修研さんを重ねた、たまものだということも一つあるなということも考えております。
 民間団体の交流は、東根ライオンズクラブが平成11年5月8日に姉妹クラブを締結し、親密な交流活動を展開している。年度ごとに合同例会を相互に開催し、忘年会、クリスマス、芋煮、花見など順番ですがやっております。それから自衛隊航空まつりのブルーインパルスの航空ショーの観覧などもさせていただいている。また、お互いの記念式典関係には相互の招待があるということ、それから平成16年の宮城県沖北部連続地震災害時には、毛布その他見舞い等々の支援活動などもいろいろやっているという、そして、クラブ員の中に議員3名も所属している。以前は町長さん、あるいは議長さんも入っていたということで、いろいろと交流がある市であります。
 そこで、相互交流の状況を見て今後検討していくとのことですが、私は市民の相互の気運の醸成を図るため努力は惜しまないつもりですが、今後、行政として50周年記念事業等々でできる限り幅広く検討していくというお答えを先ほどいただきましたけれども、「幅広く」を狭めて、この件について検討をしていただくような方策を前向きに取り組んでいただきたいと市長にご見解をお願いいたします。
 以上2問、質問を終わります。
○岡崎賢治議長 答弁を求めます。土田市長。
○土田正剛市長 さくらんぼ栽培育成装置、あるいは足湯の問題等々については、いろいろ費用対効果、あるいはどこに設置するのか、いろんな問題が内包していると思いますので、今後勉強させていただきたいなと思っています。
 ただ、議員が今指摘した中で、例えば仙台東根会と申しましょうか、そういうものについては非常に関心を強く私持ちました。というのは、今でこそ仙台市にさくらんぼの種飛ばし大会ということについては実は言い出しっぺが私でありまして、100万都市仙台、いわゆるそれまでは中央区にPRだとかいろんなことで行っておったわけでありますが、お隣りの100万都市を市場としてとらえていく視点が今まで東根市の行政で欠落しておったのではないかということから、仙台市にこちらからPRに出かけるということではじめさせていただいたわけでありますが、徐々に私は成果が出てきておるのではないかと。今年のさくらんぼマラソン大会などには800名弱の宮城県からの参加選手など年々増えておりますので、その効果があらわれてきているのではないかと思っております。
 ただ、歴史的に見ますと宮城県と山形県の関係というのは、宮城県からは恐らく搾取をされこそすれ、我々が得るところというのはあんまりなかったんじゃないかと考えております。その結果が、今でも私はお互いの県政の中でそれら等が如実に示されているのではないかと。斎藤県政、私は生みの親の一人だと自負はしておりますけれども、あの中で仙山線が仙台空港に乗り入れをするという意味で5,000万円の補助金を出すということについては、私は仙台方面に、仙台空港にいろいろと乗り入れをするということがなったにしても、やはり足元の山形空港との関係をもっともっと強くするべきじゃないだろうか。そういう意味では、私はいかがなものかなと考えております。山形空港の充実を図れば、何もお隣りの宮城県まで行って全国に展開するということを考えなくてもいいんじゃないかと考えております。
 ただ、そういう意味で、その東根市、さくらんぼ東根ということを大いにPRするという意味では、確かお隣りの村山市でも村山仙台会というんですが、あれができたというのは、私は先駆的な取り組みだなと思っております。そういう意味で、是非これは今後いろいろとまず仙台市との交流という意味では、仙台東根会みたいなものの立ち上げについて今後前向きに取り組むべき課題ではないかと私は考えております。
 それから、友好都市についての見解でありますけれども、私は友好都市というものを結ぶ場合には、まず歴史、あるいは文化、それぞれの共通の認識といいますか、そういうものに立たなければいけないと考えております。ですから、その意味では東松島市ということのご提案もあったようでありますが、今後それらも含めて慎重に検討をしてみたいと。ただし、私はその意味では、これは私見でありますけれども東根城の里見公などのことを考えれば、徳島あたりとの交流であるとか、そういうことなどを今後考えていくべきじゃないだろうかと。しかし、50周年ということを考えてきたときに時間がなさすぎるという意味では、いろんな意味で今後慎重に考えていかなければいけない問題だと。
 それと同時に、やはりここらでさくらんぼを縁とした海外との交流ということをより私は考えていかなきゃいけないのではないだろうか。今までも私は市長に就任してから8年目になるわけでありますけれども、その間に海外との友好都市を結んではどうだろうかということがエアラインを通じていろんなところが紹介されてきた経緯があります。そして検討した経緯もありますが、もう一つちょっと決め手に欠けるということで、寒河江市を後追いするような、真似をするようなわけにもいかない。そういう中で、海外との友好都市というものもここらでやっぱり東根市としてステイタスということを考えれば海外との友好都市などということを今後真剣に考えていくべきじゃないだろうかということを、これは答弁にならないかもしれませんけれどもちょっと雑感として私は思った次第であります。
○岡崎賢治議長 10番奥山重雄議員。
○10番(奥山重雄議員) 幅広く、あるいは慎重に検討し、勉強していくと、いろいろとありましたけれども、やはり仙山交流ビジョン、こういう具体的に分厚いものが出て大変な量の事業が展開されるわけですけれども、こういうものについてやはり敏感に、東根市としてどれとどれとどれを具体的にどのようにしていくのかということについては、本当に今後の振興実施計画等々についても積極的に取り組んでいっていただきたいと思っております。そして、そのビジョンについては具体的によりわかりやすく、そして官民一体になって進めるようなもので、具現化されれば大変ありがたいと思って要望しておきます。
 今、市長から3問目で私がやろうと思っていたんですが、海外との交流の関係で要望しておこうと思ったんですが答弁がありました。友好都市に係る調査として、県内13市と近隣町のものを調べていただいたんですが、各市町とも、山形市、あるいは米沢市、鶴岡市、酒田市、寒河江市、寒河江市は先ほど市長がトルコの話をしましたけれども、大体の市が海外の都市と友好都市を締結しているという資料を見ているんですけれども、これらについても今後、浅野目議員の質問にもあったように台湾、あるいは外国からの絶賛を受けているこの東根のさくらんぼを、海外の方に強く独自でPRし、そしてさくらんぼは東根なんだということを県内外、国内にきっちり示すということが最優先だろうと思いますので、それらを要望して質問を終わります。
 ありがとうございました。
○岡崎賢治議長 以上で、ご了承願います。
 会議の途中ですが、ここで午後1時まで休憩します。

   午後12時01分 休 憩


   午後 1時00分 開 議

○岡崎賢治議長 午前に引き続き会議を開きます。

◎阿部清雄議員質問

○岡崎賢治議長 市政一般質問を続けます。5番阿部清雄議員。

   〔5番 阿部清雄議員 登壇〕

○5番(阿部清雄議員) 通告により質問いたします。
 長瀞東部地区の開発計画について、現在の状況と今後の対応についてお尋ねします。
 約2年前にも本議会の一般質問でその対応について質問がありましたが、その後、立消えになったかのように思っておりましたが、さすがあの滋賀県の近江商人、この開発会社をP社と呼ばせていただきますが、このP社が大きな花火をどんと打ち上げ沈静化した後に、1年半時過ぎてからより実践的な開発プランをもって農振除外申請を提出され、その1年半の空白の理由として、福島県内の出店のためと聞き及んでおります。我が東根市の神町北部土地区画整理事業も後半に近づいたとき、あるいは市の核づくりが南北につながったとき、また、宅地の充足率が8割を超えた時期なら大歓迎するところでありますが、正に商売とは生き物であることを実感するわけであります。つまりパワーポリテックス、商売でいえば商売の上手な会社が生き残る、もっと厳しく表現すれば、いわゆる弱肉強食の世界であり、これを行政がいかなる法律、条例で保護しても決して保護しきれるものではないと私は思っております。皆さんもご存知のとおり、あの山形駅東を含め近くのバスターミナルのスーパーにその縮図が凝縮されているように思うのです。また、今年の山形県内の地価評価が全体で6%も下落した現在、ましてや東根市の中心市街化区域ではなくてバイパスの西、安い単価で借受け可能な地域に出店する。しかし均衡ある発展と位置付けるならば、そのP社が開発することにより市民は大きな一つの選択肢を得ることになり、また、固定資産税、開発規制に伴うところの350人雇用等々、東根市にもたらす経済効果も見逃すわけにはいかない点だなと思います。
 そんなわけで、私自身もその判断について粛々と受け止めながらも、非常に迷っています。どうあるべきなのか、どう対処すべきなのか。ただ単に市長、あるいは行政側のリーダーシップのみで判断されることが危険であり、リスクがありすぎる。今現在、110億円をかけ平成5年から始まり平成24年までの20年間が費やされる、この一本木開発地内のジャスコ。また、ヨークベニマルなどについては2階は学童保育で借用している状況で、正に市の根幹に触れることです。また、国の対応が猫の目のように変わる「大規模小売店舗法」、あるいは「まちづくり三法」を踏まえての駆け込み申請のような気がしながらも、今回の質問はあくまでも想定のみで具体性に欠け大変わかりにくいとは思いますが、現在の状況をお聞かせ願いたい。
 以上、登壇での質問とさせていただきます。
○岡崎賢治議長 5番阿部清雄議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。

   〔土田正剛市長 登壇〕

○土田正剛市長 阿部清雄議員の質問にお答えをいたします。
 長瀞東部地区、すなわち長瀞地区の東側と国道13号との間の地域につきましては、議員ご承知のとおり農業基盤整備事業により圃場整備され、水田や果樹畑など営農が盛んに行われていることから、「農業振興地域の整備に関する法律」に基づきまして農用地区域に指定されております。しかし、近年の社会構造の変化やモータリゼーションの発達等により、国道沿いの一部につきまして、農業振興地域の農用地区域からの除外、いわゆる農振除外を行い、自動車の修理・販売業を許可してきた経緯があります。
 さて、議員ご質問のこの地域の開発計画についてでありますが、この開発計画は敷地面積8万4,000平方メートル、店舗延床面積3万平方メートルの大規模商業施設で、平成16年7月に出店計画要望があり、平成18年3月に農振除外の事前協議の申し出があったものであります。現在の状況といたしましては、開発者におきまして、土地の所有者34名より同意を得たことから、農地法や都市計画法など関係法令に基づいて関係機関と協議をしているところであり、また、雨水排水を農業用排水路に放流することから管理者と協議を行っている状況と聞いております。一方、東根市におきましても、農地法に基づく農地転用面積が4万平方メートルを超え、農林水産大臣の許可になることから、山形県を通じ東北農政局と協議を予定しております。
 次に、今後の東根市の対応についてでありますが、現在、開発者により関係機関へ協議されております内容で、それぞれの法令等を遵守した開発が可能である場合は、東根市が山形県に対し農振除外の事前協議をすることになります。この開発は大規模商業施設であることから、これまでのように中央地区、一本木地区、そして今後計画されている神町北部地区など市街地整備された地域、または整備が計画されている地域が望ましいと考えております。しかし一方で、それらの地域以外との均衡あるまちづくりについても考慮する必要があります。
 いずれにいたしましても、現状は農業振興地域でありますので、東北農政局、山形県、そして関係機関に協議を行い、併せて地域の皆さんのご意見や周辺農家のご意見などを踏まえ、総合的に判断していきたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
○岡崎賢治議長 5番阿部清雄議員。
○5番(阿部清雄議員) ただいま市長の答弁の中に「総合的に判断していきたい」という文面があったわけですけれども、この「総合的判断」、この言葉を大変私は危惧するわけであります。どういう「総合的な判断」なのか。まず8万4,000平方メートルという、頭の中で描けそうもない規模を比較対照してみますと、今現在ジャスコがありますけれども、ジャスコの敷地面積が3万2,000平方メートルです。売場面積は2万1,000平方メートルです。それでジャスコの南側の駐車場の敷地をあわせれば約5万平米ということになろうかと思いますけれども、これの約1.5倍。P社の申請地は8万4,000平米、売場が3万平米ということで1.5倍の規模になる。あえて言わせていただければ、ジャスコとヨークベニマルを合わせたぐらいの規模の申請になろうかと思います。その売り上げ等に関してわかる範囲で調べてみたんですけれども、山形県内の最大の上場企業でありますスーパーがあります、Y社。仙台・山形を含めて四十数店舗あります。社員が約730名、そしてパートタイマーが2,300名、合計3,000名の従業員で年商約870億円の売り上げです。しかし、そのP社は店舗数も少ない、10店舗足らずだと思いますけれども、年商が約630億円あります。このように比較対照する中で、正にとてつもないものが企画立案されて申請されていると、これが現状であります。
 したがって、このたび福島店を出店したという話を聞いておりますけれども、このP社の概要についてわかる範囲でお聞かせ願いたい。また、東根市の周辺店と競合するのか、その辺のところも。そしてまた聞き及ぶにあたって、見学に行かれたという話も聞いておりますけれども、できましたらお聞かせていただきたい。
 2点目、平成18年4月から山形県で制定された市町村土地利用計画の広域調整要綱について、これもわかる範囲でお聞かせ願いたい。
 また、今後進むであろう神町北部土地区画整理事業地内に約1万8,000平方メートルの商業地域も考えているわけですけれども、この辺のところはいいにしても、とにかく今現在、ジャスコ、あるいはヨークベニマルの2階を東根市で借りなきゃならない状況にあるということを踏まえながら、この制定されるべき市町村土地利用計画の広域調整要綱を含めて、わかる範囲で結構です、答えていただければありがたい。
 以上です。
○岡崎賢治議長 武田経済部長。
○武田國義経済部長 私の方から概要について、さらに広域調整、農振にからんでの広域調整の部分だけ説明させていただきます。
 P社の概要ということになります。P社の本社につきましては、福井県栄町にございます。会社の設立は昭和57年1月で、資本金が10億2,925万円。売り上げにつきましては、平成17年9月決算で、先ほど議員さんがおっしゃったとおり638億円になってございます。
 店舗数の保有については、福島県が今年の2月にオープンした経過もありますので、19店舗となると思います。その内訳は、スーパーセンター、ジャスコさんとジョイさんを含めた施設になるんだと思います。生鮮食料品、さらには日品生活用品、生活雑貨、小物を入れて、東根市の場合については20万種類のものを販売したいと聞いております。
 あと、建築用地につきましては、建物用地につきましては3万平方メートル、駐車場用地として5万4,114平方メートル、合計で8万4千何がしの面積になっております。
 それから会社の方の需用予測では、商圏を東根市に隣接する村山市、天童市、河北町を含めた8市町村を計画しております。世帯数では6万7,000世帯を見込みまして、この商圏の年間潜在需用額を675億円と見込んで、P社が建設をしていきたいと考えているようです。
 店舗面積につきましては1万6,700平方メートル、さらにその他の施設としてデイケアスペース、公共的スペース等を含めて2万4,000平方メートルと設定されております。
 あと雇用面についても話がありましたけれども、福島県大玉村の方に2月にオープンしたわけですけれども、この時点で地元から約350名を雇用するという形になっております。それで、雇用契約についてP社が東根市に立地することが可能になった場合については、たぶん市長とP社で雇用契約を結ぶという形になっていくのではないかと思います。ただ、大玉村の場合については350名は地元と。市を限定してではなくて地元という形になりますので、東根市の場合、北郡関係も含まれてくるのではないかと思います。大玉村の場合ですと村から約3割の100名の雇用があったと聞いております。
 また、地元でとれる農産物等についてもP社の方では取り扱っていきたいと計画しているようです。
 次に、市町村土地利用広域調整が今年4月から出たわけです。まちづくり三法に先駆けて山形県が一応要綱を定めて取り組んでいくということになったわけです。それに伴いまして農振の受付の部分については、広域調整が終わらない限り農振の受付はしないと指導をいただいておりますので、これまでの農振の除外の期間よりは長く要すると、時間を要すると思っているところでありますので、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
○岡崎賢治議長 椎名総務部長。
○椎名和男総務部長 始めに、P社の現地を視察したんではないかという質問があったんですけれども、ちょっと手元に詳しい資料がないんですけれども、一昨年の7月ごろだったと思いますけれども、市役所職員の関係課の職員で私も含めまして新潟県の見附市のP社と、それから見附市役所と両方を訪問してまいりました。非常に印象に残っているのは、いわゆる海外のスーパーのような品揃えかなという感じがしました。いわゆるショッピングを楽しむというよりも、大量に一気に買い求めると、そのような感じの大きなスーパーだったという感じがします。
 それから見附市役所で聞いたことが、「いわゆるこのP社が進出することによって、周辺の小売店舗がどのような影響を受けましたか」という質問に対しましては、「やっぱり開店当時はがたっと落ちた」そうです。しかしながら、「今では徐々に戻りつつある」という言葉が非常に印象的だったと覚えております。
 これぐらいしか申し上げられませんけれども、そのほかに県の広域調整についてはただいま経済部長からも話がありましたけれども、ちょっと内容についてご説明申し上げたいと思います。
 まちづくり三法、いわゆる都市計画法と中心市街地活性化法、大規模小売店舗立地法、この3つの一つであります都市計画法の改正が延床面積が1万平方メートルを超える大型集客施設の郊外への立地を原則的に禁止しまして、市街地中心部の商業地域などに限定することで空洞化が深刻な既存商店街の再生を図るということをねらいとされておりまして、2007年度の秋ごろから施行されることになっております。いわゆる1年半内に施行日を決めるということなので、まだ具体的な月日は決まっておりません。たぶん秋ごろまでには施行なるだろうということでマスコミでは報道されているところであります。
 山形県では県内におきましても、先ほど議員がおっしゃったように、山形市あるいは庄内の中心市街地の空洞化問題が起きておりまして、同様な状況にあるということで広域的な土地利用の調整が喫緊の課題だととらえまして、改正された都市計画法の施行に先立って、広域的な土地利用調整を行うための要綱を制定しまして、今年の4月から施行されているところであります。これによりますと、改正都市計画法と同じなんですけれども、延床面積が1万平方メートルを超える大型集客施設を建設するために土地利用に関する各種計画の策定、変更などを行う場合には、各種法令等に基づく知事の同意を求める手続きに先立ちまして、知事に対して報告しなければならないと定まっております。県は市町村からこの報告を受けた場合に、立地市町村、今回の例ですと東根市です、それから周辺市町村及び、周辺市町村をどこまでとるかは県の判断かと思います、それから県による連絡調整会議というものを開催しまして、立地市町村、いわゆる東根市からの説明を受けた後に周辺市町村からの意見を求めまして、立地市町村との必要な調整を図るというのが大まかにスキームとなっております。この制度は、あくまでも要綱でありまして法的な拘束力はありませんで、都市計画法、農振法、大店立地法、さらには国土利用計画法などの個別法との調整はどうなるかについては、まだこの要綱が施行されたばかりでありまして、まだ具体的なものが見えてない状況というのが実態です。
 本市ではこの制度に基づきまして、先般、この制度に該当する議員ご質問の長瀞東部とタントクルセンターの東部の2つの開発について、知事宛に報告したところであります。今後もその要綱に基づいた手続きが行われるものと考えております。この広域調整はパターンとしては2カ月から3カ月間ほど要することになっておりまして、要綱上では先ほど経済部長が答弁したとおり、これが終わってから個別法に基づく手続きが始められるとなっておりますので、ご理解をお願いしたいと思います。
○岡崎賢治議長 5番阿部清雄議員。
○5番(阿部清雄議員) 先ほど市長の答弁の中に地権者34名ということがありましたけれども、正に誘致企業でないわけであって地権者と個別契約をしたと承っております。土地の賃貸借契約、34名が個人的に行ったということです。地権者を保護する意味で東根市の顧問弁護士もいらっしゃることですので、当然その辺のところもチェックをかけるべきと私なりに思うわけです。私がかいま見た契約書に関しましては、かなり問題があると。つまり借りる側に優位な契約書であって、これだけで契約していいのかと思うわけで、その辺ももしでき得るならば今後対処していただきたい。これは要望であります。
 それから、長瀞東部地区、申請がある限り主導権は東根市にあるわけであって、除外開発等に関しては当然タントクルセンター東も含めてそういう話だと思います。大企業に注目されるということは、現在、市長が口癖のように「県内第1位」だと、「東北第4位」だと、この人口増を豪語している正に宣伝効果のたまものかなと受け止めております。果たしてこれがうれしい、喜ばしい悩みとして我々も対処していかなければならないとは思いますけれども、先ほど申し上げました地権者の保護、あるいはジャスコ、ヨークベニマルの部分のことを踏まえて、もし市長の見解があればお聞かせ願いたいと思います。
 以上で質問を終わります。
○岡崎賢治議長 答弁を求めます。土田市長。
○土田正剛市長 今、阿部議員の質問の中に「東根市が主導権を持っている」というたぐいの文言がありましたけれども、これはちょっと見解が違うんじゃないかなと思っております。いわゆる今総務部長の答弁の中に「新しいまちづくり三法が実施されるのが来年の秋ごろ」と答弁がありましたけれども、それ以降であるならば正に阿部議員が言っているように東根市の主導権というのはあるんじゃないかなと思います。それまでは、例えば実質東根市、あるいは山形県には主導権はないと思っております。だからこそ、いわゆる2007年秋の新しいまちづくり三法の今国会での成立はもう確実だと思いますが、それの実施の前に阿部議員の指摘あったように駆け込みということがそこにあるわけでありまして、その意味では、例えば行政側が大型店の郊外に対する立地に向けて阻止できるとするならば、現在の解釈では例えば著しくその周辺の環境が激変するとか、あるいは交通が渋滞するとか、そういうことが見られた場合は、いかがなものかという形でのクレームはつけられるわけでありますけれども、これに関しては山形県も同じであります。したがって、そういう意味での主導権というのは私はないんじゃないかなと考えております。
 一方で、こういう答弁をすると「ちょっと市長、逃げ道をつくっておるんじゃんないか」と思われるかもしれませんけれども、しかしながらそういうことではなくて、だからこそいろんな意味で今までの反省点に立って、大型店が規制緩和という中においてどんどんどんどん日本列島各地区で郊外への大型店の出店がいわばノーチェックと、半ばそういう状況の中で進出していった、その結果において中央のまちが空洞化していったと、そういうことの反省に立って、いわば新しいまちづくり三法というものが今国会で議論されていると承知をしております。したがって、その実施時期が来年の秋口ということからいわば駆け込み的なことで、本市でいえばP社、あるいはK社の2社が駆け込みということで、我々はそういう意味では想定内だなと思っております。
 ただ、土地の契約の内容について私承知をしておりませんが、一方では長瀞地域においてはどういう反応かというと、改めて私から申し上げるまでもなくご存じかと思いますが、長瀞地域では総じて大歓迎という空気であります。すなわち稲作経営というものの将来性に懸念が大いに存しているのが今の日本の農政だと思います。加えて後継者対策等々について思うようにいかないという観点から、長瀞地域においてはいわゆる土地を大型店に貸し付けて、そしてなおかつ雇用関係をも新たに生み出せるということから、長瀞地域としては今後百年河清を待つがごとくという言葉がありますけれども、そういう中において絶好のチャンスというふうに長瀞地域住民が考えているとしても私は無理からぬ話だなと思っております。加えて、長瀞地域では農振地域を除外をして少しでも宅地開発をということの根強い要望があります。しかしながら、農振地域の撤廃というのはそう簡単なものではないわけでありまして、長瀞地域ではかつての土地利用計画の中で家の軒先まで農振地域になったという経緯の中で新しく家を建てることすらできないということから、私は再三再四、長瀞地域からは何とか宅地分譲を考えてほしいというものは就任当初からあった話であります。したがって、そういうことからすると、例えば仮にP社が将来に撤退したという場合については、いわゆる更地にして返すという契約があるわけであります。そういうことを考えると、例えば去った後は宅地分譲とかということも考えられるという様々な長瀞地域住民の考え方があるやに私は承知をしております。したがって、そういう形の中で、いわば議員が指摘するように私も心配をしております。ヨークベニマルの地権者との契約というのは平成21年まで、とあとわずかになってきております。そういうことを考えると、いわば平成21年以降はどうなるのだろうかと、あるいはジャスコなどのいわば大型店との競合ということも考えられるわけであります。そういう中で、いわばいずれもが共存共栄して生き延びられれば一番結構なわけでありますけれども、そういうことなどいろいろ考えると、私もある意味では阿部議員が抱いているものとそんなに変わらないと思っております。
 そういういろんなことを勘案をしながら総合的に判断をするというふうに私答弁はしておりますけれども、そういう意味では今の段階で、ノーというネガティブな運動ができるかといったら、私は究極的にはできないと解釈をします。そういう意味の中で、例えば今福島県の新しい条例の中に、いわゆる大型店、恐らくP社の場合は福島県の佐藤知事が新たに県の条例として設定した、いわゆる大型店が進出できないようにする、いわば国の新しいまちづくり三法の先取りした形で新しい条例をつくったわけであります。しかしながら、一方においては伊達町の方では大型店を誘致したいと。「福島県は何を言っているんだ」ということで対立になって、いわば裁判状態になっているわけであります。現状のままでやるならば、私は伊達町の方が勝つんではないだろうかと、裁判上は、そう考えております。
 いずれにしても、いろんな日本経済のここ数年のひずみというものがもたらしている結果だと思っておりますけれども、そういう意味では来年の秋以降にならないとアドバンテージは我々の手に戻らないと解釈できるのではないだろうか。今のところはこの程度の答弁しかできないと考えます。
○岡崎賢治議長 以上で、ご了承願います。

◎散     会

○岡崎賢治議長 以上で、本日の日程は全部終了しました。
 本日はこれで散会します。御苦労さまでした。

   午後 1時35分 散 会