令和３年第４回東根市議会定例会１２月　６日　議事日程　第２（一般質問）

令和３年１２月６日　午前１０時００分　開　議

　　　　　　髙　　橋　　光　　男　議長　　　　　　　白　　井　　健　　道　副議長

◎出席議員（１８名）

　１番　　　齋　　藤　　俊一郎　議員　　　　　　　２番　　　高　　橋　　弓　　嗣　議員

　３番　　　滝　　口　　公　　一　議員　　　　　　　４番　　　元　　木　　十四男　議員

　５番　　　東海林　　克　　彦　議員　　　　　　　６番　　　三　　宅　　一　　人　議員

　７番　　　植　　松　　　　　宏　議員　　　　　　　８番　　　片　　桐　　勝　　寿　議員

　９番　　　山　　科　　幸　　子　議員　　　　　　１０番　　　高　　橋　　鉄　　夫　議員

１１番　　　河　　村　　　　　豊　議員　　　　　　１２番　　　原　　田　　利　　光　議員

１３番　　　細　　矢　　俊　　博　議員　　　　　　１４番　　　浅野目　　幸　　一　議員

１５番　　　佐　　藤　　　　　直　議員　　　　　　１６番　　　清　　野　　忠　　利　議員

１７番　　　白　　井　　健　　道　議員　　　　　　１８番　　　髙　　橋　　光　　男　議員

◎欠席議員（なし）

◎説明のため出席した者の職氏名


土　田　正　剛	市　　　　　　長	元　木　正　史	教　　育　　長
武　田　庄　一	選挙管理委員会委　　員　　長	古　谷　利　明	代表監査委員
菅　原　繁　治	農業委員会会長	芦　野　耕　司	副　　市　　長
高　橋　重　俊	総　務　部　長	半　田　　　薫	市民生活部長
鈴　木　敬　一	健康福祉部長	石　垣　有　一	経　済　部　長
小　松　伸一郎	建　設　部　長兼水道部長	深　瀬　弘　之	会計管理者
佐　藤　明　彦	消　　防　　長	佐　藤　慎　司	教　育　次　長
青　柳　　　昇	総合政策課長	安　達　利　也	庶　務　課　長併選挙管理委員会事　務　局　長
岡　田　光　弘	財　政　課　長	井　澤　志都香	監　査　委　員事　務　局　長
岡　田　正　樹	農業委員会事　務　局　長

◎事務局職員出席者職氏名


太　田　　　修	事務局長	菅　井　美奈子	事務局長補佐
森　谷　賢　司	議事係長	黒　坂　育　実	主　　　　任
井　上　雄　貴	副主任	井　上　正　宏	兼　務　書　記
辻　村　　　充	兼　務　書　記

◎議　事　日　程

　議事日程第２号

　　　　　　　令和３年１２月６日（月）　午前１０時　開　議

　日程第　１　　市政一般に対する質問

　　　　　　　　１　　９番　山　科　幸　子

　　　　　　　　２　　１番　齋　藤　俊一郎

　　　　　　　　３　　７番　植　松　　　宏

　　　　　　　　４　１４番　浅野目　幸　一

　　　　　　　　５　　４番　元　木　十四男

　　　　（散　　　　　会）

◎本日の会議に付した事件

　議事日程第２号に同じ。

令和３年東根市議会第４回定例会一般質問発言通告書


番号	質問者	質問事項	質問要旨	答弁者
１	山科　幸子議　　　員	１．指定管理者制度、補助金、負担金について	１．本市では、多種多様な市民ニーズに対応するため、最少の経費で最大の効果を挙げる民間機能の活用と行政の効率化を積極的に推進してきた。今後は、アフターコロナを見据えた政策と財源確保が重要であるため、次の点について伺う。（１）行政サービスにおける民間活用について（２）コロナ禍における事業等の支出状況と精算、余剰金について（３）財政援助団体等監査について	市　　　長代表監査委員
		２．児童生徒の通学における安全対策について	１．登下校中の児童生徒が犠牲になる痛ましい交通事故が相次いでおり、学校、保護者、見守り活動者、地域住民等が児童生徒の安全確保のために取り組んでいる。　　そこで、次の点について伺う。（１）通学路交通安全プログラムにおける冬期合同点検について（２）危険箇所の精査及び点検箇所の選定について	教　育　長
		３．農地の有効活用について	１．地方への移住を希望する方が増えるとともに、家庭菜園程度の農地を求める人が増加している。さらに、高齢者の生きがいや健康づくりにもつながる、農地の有効活用について伺う。（１）農地法による下限面積の緩和について（２）相続未登記などの所有者不明農地について	農業委員会会長
２	齋藤俊一郎議　　　員	１．将来を見据えた「営農基盤の強化」と「強い農政に向けた展望」について	１．生産基盤の整備・保全・集積における現状と取組を伺う。２．担い手や家族農業の支援、気候変動対策など営農の強化に向けた支援体制の現状と今後の方針を伺う。３．農業セーフティーネットの構築に向けた方針を伺う。４．時代に合った新たな販売戦略の方針を伺う。	市　　　長
２	齋藤俊一郎議　　　員	２．未来を切り拓く「商工業の発展」と「後継者・起業家の育成」について	１．ウィズコロナ及びポストコロナに向けた商工業支援の取組状況と今後の方針を伺う。２．事業承継及び新規創業の育成に向けた現状と今後の支援策を伺う。	市　　　長
３	植松　　宏議　　　員	１．本市の国民健康保険税の現状について	１．本市の国民健康保険税は、被保険者の減少と高齢者の増加、医療費の高度化の影響等により、一人当たりの保険給付費が増加してきたことから、令和２年度から３か年の予定で国民健康保険税の値上げを提示した（令和３年度はコロナ禍により据置）。　　このたび政府は、令和４年度から未就学児の国保税均等割の一部負担を決定した。このことは、国庫負担割合の引き上げなど全国市長会からの要望にも一部応えたものであるが、今後の本市の国民健康保険の運営について伺う。（１）税率改定後の基金残高の推移はどうか。令和元年度の見通しとの相違は。（２）本市の税率改定（保険税額の減額等）の予定はないか。	市　　　長


		２．原油高騰に伴う燃料費等への補助について	１．原油の大幅な値上がりと、コロナ禍からの経済回復が進み、ガソリン、灯油等の価格の値上がりが続いている。暖房に灯油を使っている家庭が圧倒的な本市においても、これから冬に向かいこの値上がりは家計を大きく圧迫するものである。　　また、農業の分野においても、イチゴ、さくらんぼ、啓翁桜、花卉等、農業施設の暖房費にも大きく影響してくる。農林水産省による「施設園芸等燃油価格高騰対策」事業にも多くの応募があったと聞いているが、本市も応援する予定はないか伺う。（１）「灯油購入費等補助金」の増額の考えは。（２）農業用燃料費等への補助の考えは。	市　　　長
４	浅野目幸一議　　　員	１．外来生物と生物多様性について	１．外来種対策と生物多様性の保全について２．外来生物が生態系に及ぼす影響について３．希少動植物の生育環境について	市　　　長教　育　長
５	元木十四男議　　　員	１．関係人口の創出・拡大の取組を通じた地方創生の推進について	１．現在の関係人口拡大に向けた取組について２．中間支援組織について	市　　　長
５	元木十四男議　　　員	２．新型コロナウイルスワクチン接種について	１．今年の春から始まった本市の新型コロナウイルスワクチンの接種状況やこれまでの取組における課題について伺う。２．これから接種を希望する方への対応について伺う。３．２回目の接種を完了した方を対象とする３回目接種の進め方について伺う。	市　　　長

　　◎開　　　　　議

○髙橋光男議長　皆さん、おはようございます。

　　本日の会議に、欠席及び遅刻の届出はありません。したがいまして、出席議員の数は18名で定足数に達しておりますので、これから本日の会議を開きます。

　　本日の会議は、議事日程第２号によって進めます。

　　◎市政一般に対する質問

○髙橋光男議長　日程第１　市政一般に対する質問を行います。

　　質問は通告順としますが、発言順番を迎えたときに議場にいない場合は、発言権の放棄とみなしますので、そのようにご了承願います。

　　◎山科幸子議員質問

○髙橋光男議長　はじめに、９番山科幸子議員。

　　　〔９番　山科幸子議員　登壇〕

○９番（山科幸子議員）　おはようございます。

　　９番山科幸子でございます。議長から許可をいただきましたので、ただ今から通告に基づきまして一般質問を行います。

　　本市では、多種多様な市民ニーズに対応するため、最少の経費で最大の効果を上げる民間機能の活用と行政の効率化を積極的に推進してまいりました。

　　景気の底冷えが続き、国・県とともに行財政運営には厳しい年の瀬を迎えました。コロナ禍収束に向けての状況を注視しながら、新年度予算編成に当たっておられることと思います。今後はアフターコロナを見据えた政策と財源確保が重要でありますので、次の点についてお伺いいたします。

　　はじめに、指定管理者制度、補助金、負担金についてであります。

　　負担金や補助金などは、公益性の高い特定の事業や活動を支援するために導入されるものであります。原資は市民の貴重な税金であり、限られた財源は今に即した市民のニーズや政策に振り分けるべきだと考えます。

　　補助金や負担金など長期化しているものには、導入当初の目的が低下しているものはないでしょうか。全市的に事業見直しを行うとともに、負担金なども改めて見直しをする時期だと考えます。

　　そこで１点目、市の窓口業務から図書館、保育まで、幅広く導入されている行政サービスにおける民間活用について、今後の活用を含めた考えをお伺いいたします。

　　昨年に引き続き、いろいろな事業やイベントの縮小、中止が余儀なくされています。そこで、コロナ禍における事業等の収支状況や精算、余剰金について、どのように対処しておられるのかお伺いいたします。

　　３点目として、業務や予算の適正な執行に当たり、担当課や主管課において指導、監督がなされていることとは思いますが、財政援助団体等に対する市の監査の内容についてお伺いいたします。

　　続きまして、児童生徒の通学における安全対策についてであります。

　　先の９月定例会に引き続いての一般質問とはなりますが、その後も全国的に登下校中の児童生徒が犠牲になる痛ましい交通事故が相次いでいます。

　　本市では学校をはじめ、保護者、見守り活動者、地域住民等が児童生徒の通学などの安全対策に取り組んでいます。市当局をはじめ、地区の交通安全協会などが危険箇所の改善、改良に取り組んでいただいておりますことに感謝申し上げます。

　　降雪期を迎えました。雪が降る冬場には足元が悪くなる、道端が狭くなる、死角が増える、音が聞こえにくくなる、屋根や街路樹からの落雪など、危険が増大します。車や自動車のスリップによる思わぬ事故に巻き込まれる可能性もあります。

　　令和２年度、山形県警本部発行の交通年鑑によりますと、本市における小中学校の交通事故は、平日の日中４名ずつ発生したと報告されています。児童生徒の交通安全対策には十分な対応が必要であると考えます。

　　本市の児童生徒の通学時における安全対策の取組について、２点お伺いいたします。

　　はじめに、通学路交通安全プログラムに基づく冬期合同点検について、どのように実施されるのかお伺いいたします。通学安全に関する育英会や地域の声は、どのように反映なるのでしょうか。

　　そこで２点目、合同点検で行われる危険箇所はどのように精査し、点検を行う箇所とはどのように決めるのかお伺いいたします。

　　最後に、農地の有効活用についてお伺いいたします。

　　リモートワークの普及によって都市部から地方への移住に関心が高まっています。本市でも「来てよし！住んでよし！ひがしねし！！」と、積極的に移住をＰＲし、希望する方を応援しています。移住者の希望の理由の１つに、農産物を身近に作ることがあり、市民の方も家庭菜園程度の農地を求める人がいます。

　　さらには平均寿命が延びた今、高齢者の生きがいや健康づくりにもつながる農地の有効活用についてお伺いいたします。

　　まずはじめに、農地法による下限面積の緩和についてであります。

　　農地は宅地など一般の土地とは異なり、転用にも売却にも制限があります。また、市内には小規模な農地がありますが、転用には時間と経費がかかりますので、売買では敬遠されがちです。住宅と附帯した場合には空き家問題にも発展することになってしまいます。農地を売買または貸借する場合には、農地法で定められている要件があります。

　　要件の１つに取得後の耕作面積があり、下限面積は山形県では50ａと決められています。ただし、地域の平均的な経営規模や耕作放棄地の状況などから、その地域の実情に合わない場合には、農業委員会で面積を定めることができる、となっております。

　　東根市は農業が基幹産業でありますので、農業振興地域以外で農地の取得や宅地に隣接しているなどの条件付で、下限面積を緩和すべきだと考えます。農地取得における面積条件の緩和についてお伺いいたします。

　　農地の集約化が進む一方で農地の荒廃が見られます。高齢化や核家族化の進展によって、非農家が増えたことが要因となっています。

　　耕作放棄地は農家などの耕作の意思によるものですが、荒廃農地には相続未登記など、所有者不明の場合があります。荒廃した農地は野生鳥獣のすみかとなって、鳥獣被害をもたらすほか、病害虫の発生の原因にもなります。また、農地の集約、集積化の弊害にもつながっていきます。

　　最後に２点目、相続未登記などの所有者不明の農地の対応についてお伺いいたします。

　　以上をもちまして、登壇席からの質問を終わります。

○髙橋光男議長　９番山科幸子議員の質問に対し、答弁を求めます。

　　土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　山科幸子議員のご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、指定管理者制度、補助金、負担金についてでありますが、私が市長に就任して以降、市民サービスの向上や行政課題への効果的、効率的対応を図るため、民でできることは民でといった基本的な考え方に基づき、民間活力の積極的な活用を進めてまいりました。

　　これまで市民課窓口業務や、さくらんぼタントクルセンター、けやきホールなどの管理運営業務のＮＰＯ法人への委託をはじめ、保育所の民営化や指定管理者制度に基づく管理委託などを進めてきたところであります。

　　また、民間の資金やノウハウなどを活用するＰＦＩ事業も積極的に導入し、まなびあテラスなど４事業を手がけてまいりました。

　　民間活力の活用により、市民目線に立った柔軟できめ細やかなサービスの充実が図られ、市民の皆様からも大変高い評価をいただくとともに、効率的な行政運営にも大きく寄与してきたところであります。

　　昨年度策定した東根市第７次行財政改革推進プランにおきましても、民間の創意工夫等を活用した効果的な事業の推進を掲げており、今後も民間活用による質の高い行政サービスの提供に努めてまいります。

　　次に、コロナ禍における事業等の支出状況と精算、余剰金についてでありますが、予算に計上したものの、新型コロナウイルスの影響により事業の縮小、中止を余儀なくされ、不用となった額については、主な事業の集計で令和２年度は約9,000万円、今年度は4,800万円ほどとなっております。

　　これらの多くは、負担金として実行委員会などへ支出していることから、これら不用額につきましては、年度内に額の減額や返金を求める対応を行っておりますので、ご理解をお願いいたします。

○髙橋光男議長　次に、教育長に答弁を求めます。

　　元木教育長。

　　　〔元木正史教育長　登壇〕

○元木正史教育長　私からは、児童生徒の通学における安全対策についてのご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、通学路安全点検プログラムにおける冬期合同点検についてでありますが、通学路安全点検は、平成26年度設置の東根市通学路安全対策推進協議会が策定した、東根市通学路安全点検プログラムに基づき、必要に応じて年に１、２回、合同点検を実施しております。

　　今年度は夏期の合同点検を７月に実施し、その結果に基づき安全対策を実施しております。冬期の合同点検は１月に積雪の状況を見て実施の判断をいたします。

　　冬期の合同点検につきましては、通学路の積雪及び除雪状況の確認、交差点付近の見通しなど、降雪期における危険箇所の把握に重点を置き、多くの路線の状況を点検いたします。また、道路に隣接する建物からの落雪や、着雪による街路樹や周辺樹木の枝折れ等の危険性についても確認いたします。

　　点検の結果、危険な箇所につきましては、道路管理者と連携し、速やかに安全点検を実施してまいります。

　　次に、危険箇所の精査及び点検箇所の選定についてでありますが、先ほどの安全点検プログラムに基づき、推進協議会が各学校に通学路の危険箇所の抽出を依頼しております。各学校では、ＰＴＡや育成会、地域の方などからの情報に基づき、現況の確認を行い、通学路の危険箇所を推進協議会に報告いたします。

　　これを受け推進協議会では、通学路における危険箇所の精査及び危険箇所の選定と対策内容を検討した上で合同点検を行い、安全対策を実施しております。

　　なお、積雪等における危険性につきましては、情報が入り次第、道路管理者等の協力を得ながら、速やかに対応しておりますので、ご理解をお願いいたします。

○髙橋光男議長　次に、代表監査委員に答弁を求めます。

　　古谷代表監査委員。

　　　〔古谷利明代表監査委員　登壇〕

○古谷利明代表監査委員　私からは、財政援助団体等監査についてのご質問にお答えいたします。

　　東根市監査基準第２条第３項に規定する財政援助団体等監査については、地方自治法第199条第７項に基づき、補助金、交付金、負担金等の財政的援助を与えている団体や指定管理者に対し、当該補助金等に係る出納状況や事務執行について監査を実施しております。

　　対象団体につきましては、次年度の監査計画を策定する際に、これまでの監査の実施状況や、補助金の額等を勘案し、２団体もしくは３団体を選定しております。

　　それに加えて、学童保育所を運営している９団体については、令和２年度より回数を増やし、２年に１回、隔年で監査を実施することとしております。

　　監査の方法につきましては、事前に監査資料の提出を求め、当日現場を訪問し、帳簿や通帳、資料等の内容を確認し、疑問点や問題点などがあれば、担当者に確認をして、所管課に報告しております。

　　今後も財政援助団体等監査につきましては、効率的に実施できるよう、所管課と連携をしながら必要に応じて実施してまいりますので、ご理解をお願いいたします。

○髙橋光男議長　次に、農業委員会会長に答弁を求めます。

　　菅原農業委員会会長。

　　　〔菅原繁治農業委員会会長　登壇〕

○菅原繁治農業委員会会長　私からは、農地の有効活用についてのご質問にお答えいたします。

　　はじめに、農地法による下限面積の緩和についてでありますが、農地の売買、贈与、貸借等には農業委員会の許可が必要となり、その許可要件の１つとして農地法による下限面積を定めております。

　　下限面積要件につきましては、経営面積があまりにも小さい場合、生産性が低く、農業経営が効率的かつ安定的に継続して行われないことが想定されることから、農地の譲受人または借人の耕作農地面積が、最低50ａ以上でなければ許可できないこととしておりました。

　　しかし、平成21年の農地法改正により、地域の平均的な経営規模が小さいことなど、地域の実情に合わない場合は、特に新規就農等を促進しなければ、農地の保全、有効利用を図ることができない場合には、農業委員会の判断で、下限面積を引き下げることができるようになりました。

　　東根市農業委員会では、担い手の農地利用の集積、集約化、遊休農地の発生防止・解消等、農地の利用の最適化に加え、下限面積の引下げによる転用目的の業者などの参入や、農地の分散化を招く恐れがあることも考慮しながら、平成29年11月より下限面積を50ａから30ａに引き下げたところであります。

　　下限面積要件の緩和につきましては、本市農業の実情や作物により必要な面積が異なること、また新規就農者や小規模農家への農地の権利移動の促進を図ることを考慮し、他市町村の状況などを踏まえながら議論を重ねてまいります。

　　次に、相続未登記などの所有者不明の農地についてでありますが、そのような農地は現状、長期間耕作されていない遊休農地等となっておりますが、農地法、農業経営基盤強化促進法の規定に基づき、農地台帳や登記簿、戸籍謄本等で所有者を特定し、関係者への聞き取り等により、配偶者等の確認ができれば、配偶者等との貸借が可能となります。

　　また、配偶者等も確認できず、特定できない場合につきましても、告示行為により農地中間管理機構が利用権を取得し、担い手に貸し付けることで、所有者不明の遊休農地を活用することができます。

　　本市において、この制度を活用した事例はありませんが、今後とも関係機関と連携しながら、適正な農地の管理に取り組んでまいりますので、ご理解をお願いいたします。

○髙橋光男議長　９番山科幸子議員。

○９番（山科幸子議員）　ただ今の答弁に対しまして、引き続き自席から質問を行いますので、よろしくお願いいたします。

　　市長からは就任以来、積極的に民間活用を行い、ＣＭでも話題の右肩上りの東根市を実現しておられることをお伺いいたしました。

　　日本では2007年の日本郵政公社の民営化を代表に、行政や自治体サービスにおいて民間委託の導入が活発になってきました。行政サービスの一部を民間委託することにより、それに係わっていた職員をはじめとする経費の削減や、行政にはない民間のサービスによる質を向上させる効果があるため、現在では広い範囲で民間委託が導入されています。

　　多種多様な働き方という名の下に、大きなメリットであるコスト削減は、非正規職員や短時間労働の雇用につながっています。最低賃金や雇用者の就労の希望、意見などは契約書などに反映されているのでしょうか、お伺いいたします。

○髙橋光男議長　高橋総務部長。

○高橋重俊総務部長　お答えをいたします。

　　公共施設の指定管理委託料の算定にあたりましては、当該施設の管理に必要となる人員体制の方をまず整理をいたしまして、人件費の統一基準を定めて、これを積み上げて実施をしております。

　　統一基準におきましては、役職に応じた基準単価を設定いたしまして、最低賃金はもちろんのこと、人事院勧告の状況等を踏まえた改定も行っているところでございます。

　　また、施設管理加算ですとか、責任に関する加算など、業務内容の特殊性を勘案しまして、各種加算も設定をしております。

　　実際の職員の配置状況等につきましては、委託内容を踏まえて、指定管理者側が整理するものではございますが、指定管理者の選定の際に、事業者の方から提案されます業務管理計画書、あるいは収支計画書、これらの内容についても統一基準等と照らし合わせまして確認を行って、過度な経費の節減等がないかチェックをしておりまして、適切な額が確保されているものと考えております。

　　また、各施設で働く方々の勤務条件等でございますが、こちらについて、よりよい環境を整えていくために、指定管理者側において集約をされて、必要な対応を取られていると理解をしておりますが、市に対して指定管理者側から内部の意見を踏まえた申入れ、こういったことがあった場合につきましては、市といたしましても相談に乗ってまいりたいと考えております。ご理解をお願いいたします。

○髙橋光男議長　９番山科幸子議員。

○９番（山科幸子議員）　各業務や職場に合わせて対応してくださっているということでありました。

　　雇用者というのはとても弱い立場にあります。意見や希望の届く環境が、よりよい行政サービスにつながるものですから、これからも指導、監督、よろしくお願いしたいと思います。

　　去る11月21日開催の環境シンポジウムに参加いたしました。環境問題は待ったなしの状況であることを深く認識いたしました。2050年は遠い先ではありません。子どもや孫世代を思えば、まさに喫緊の課題であります。

　　ＩＳＯ14001の取得、ゼロカーボンシティ宣言など、自治体先進地の本市であります。ＩＳＯの学校版、地域版、家庭版の実施に加えて、行政の一翼を担っている外郭団体、指定管理者は共に足並みをそろえて実践すべきだと考えます。取組についてお伺いいたします。

○髙橋光男議長　高橋総務部長。

○高橋重俊総務部長　お答えをいたします。

　　本市が実施しております環境マネジメントシステムにおきましては、指定管理者を含みます委託業者あるいは市の許可を得て、市の施設を使用する各種団体に対しまして、環境マネジメントシステムの趣旨を伝達、指導いたしまして、協力団体として取扱うこととしております。

　　これまでも節水、節電や、冷暖房機器の温度管理の徹底、リサイクルの推進による廃棄物の削減など、環境問題への積極的な取組を促してまいりました。

　　今後も本市のゼロカーボンシティ宣言を踏まえまして、本市の取組に賛同いただきながら、一体となった取組を進めてまいりたいと考えております。ご理解をお願いいたします。

○髙橋光男議長　９番山科幸子議員。

○９番（山科幸子議員）　本当に一緒にというか、一体となって取り組むべきだと考えます。そして、それを努力なさっている団体については、業務要求や評価につなげていくべきではないかと考えています。

　　どうしても市から離れますと、距離がどんどん出てきますと、その熱意はなかなか伝わらないものであります。関係職員や社員が実践することによって、地域や家庭、どんどん裾野が広がっていきますので、それがやっぱりすばらしい環境対策になっていくものだと考えています。よろしくお願いします。

　　私はアフターコロナ後の財政をとても危惧しています。ＰＦＩや指定管理制度を利用した公共施設を含め、社会資本の老朽化が始まっています。少子高齢化による社会保障の課題や自然災害の対応などもあります。

　　コロナ禍における事業やイベントにかかる精算は、しっかりと対応しているとのご答弁でありました。実行委員会等への負担金については、1,000万円であれば1,000万円の請求書、そして1,000万円の領収書、ということで要綱を定めて行う補助金交付とは、ちょっと違っています。負担金については交付要綱を定めている自治体もありますので、早急に検討すべきではないかと思いますので、ご提案いたします。

　　次に監査につきましては、地方自治法や市の監査基準に基づいて実施しているということでありました。継続的に繰越金が計上されていないか。多額の契約金額となっている団体については業務内容もしっかり含めて、担当課と密にした監査の実施をお願いいたします。

　　民間活用について、最後によい企画、よいサービスに対して、採算が上がるといいますか、これから収益が上がるような運営についても、どのように考えているのか、お伺いいたします。

○髙橋光男議長　高橋総務部長。

○高橋重俊総務部長　お答えをいたします。

　　本市における指定管理者制度、こちらを導入している各施設につきましては、いずれも身近な公共施設として、幅広くご利用いただくことを想定しまして、利用しやすい料金体制を取っております。

　　そのために、施設の使用料で収支採算を取ることは難しく、指定管理者側の収益とする制度を導入いたしましても効果が見込めないということから、使用料につきましては、現在、市の収入といたしまして、必要な経費を指定管理委託料としてお支払いしているところでございます。

　　一方で、まなびあテラスなどでの企画展の入場料など、事業者が独自に実施する事業について、これに伴う収入についてでございますが、指定管理者側の収入として取り扱っております。

　　創意工夫によるニーズを捉えたサービスの提供が、事業収益の増大に結びつきまして、その収益がさらに質の高い事業展開に活用される、こういった好循環が生み出されて、活動の活性化につながっております。

　　今後も指定管理者制度の適切な運用に努めまして、市民サービスの向上や活動の活性化につながるよう、連携を強化してまいりますので、ご理解をお願いいたします。

○髙橋光男議長　９番山科幸子議員。

○９番（山科幸子議員）　理解いたしました。

　　これからは、でもサービスに対する対価というのも考えていく時期が来るのではないかと私は思っています。今までどおり、大変バブル期のような行政サービスと、これからの行政サービスというのは質が変わってくるのではないかなと考えます。

　　それでは、続きまして、児童生徒の交通安全対策について質問いたします。

　　今年度、夏期の通学路の合同点検の路線が市内で７路線、神町はゼロということで、他市町村に比較して、とても少ない状況だったような気がします。十分な点検が行われているのでしょうか、お伺いいたします。

○髙橋光男議長　佐藤教育次長。

○佐藤慎司教育次長　それではお答えをいたします。

　　先ほど教育長よりも答弁がございましたが、各学校で把握した通学路の危険箇所につきましては、その状況を学校が確認し、推進協議会へ報告をいただいております。

　　学校の確認におきまして、すぐに対応が必要な箇所や、軽微な対策箇所につきましては合同点検を待たず、関係団体と連携し、対応を行っております。

　　通学路の合同点検につきましては、道路管理者、警察署、安全協会、学校、県、市等の関係者が一堂に会して点検を行うことから、特に危険性が高く、かつ比較的大規模な対策が必要な箇所を選定し、点検を実施しておりますので、ご理解をお願いいたします。

○髙橋光男議長　９番山科幸子議員。

○９番（山科幸子議員）　大規模な箇所、国からの交付金ということが、それに乗ることによって獲得できるということであります。いろんな意見がありますので、そういうのを反映しながら、合同点検というのは１回でなくても何回もできるとお聞きしています。隣市では、２回、30何か所やっている、それで次に16か所やっている、などということもお聞きしますので、その辺の対応をお願いしたいなと思います。

　　その後に、いろいろな問題点なんかを対応いただいて、改善されている箇所も私、確認していますので、それについては本当にありがたいことだなと思います。

　　それでは、通学路の指定がない中学生の通学路の安全対策はどのように行っているのでしょうか、お伺いいたします。

○髙橋光男議長　佐藤教育次長。

○佐藤慎司教育次長　それでは、お答えをいたします。

　　中学生の通学路の安全対策についてでございますが、中学生の通学路につきましては、生徒自らが通学路を設定し、その通学路を保護者が確認の上、学校に届出を行っております。

　　通学路の設定に当たりましては、通行車両が多い路線や道路幅員が狭い路線などを避け、できるだけ安全な路線を通学路に設定するよう指導しております。

　　また、各中学校では安全計画を策定しており、定期的な通学路点検のほか、自転車の安全点検と、ＴＳマークや保険加入の確認、ヘルメット着用の徹底を行っております。

　　そのほか、交通安全教室を開催いたしまして、安全な自転車の乗り方の指導を行い、生徒の安全確保を図っておりますので、ご理解をお願いいたします。

○髙橋光男議長　９番山科幸子議員。

○９番（山科幸子議員）　了解いたしました。

　　中学生というのは自転車通学が多くて、小学生とは別の道を通学していることもあります。通学路の安全への配慮をお願いしたいと思います。

　　具体的には市道の側溝に蓋がない、市道です。私道でなくて、市の道路に蓋がないところがあり、冬場はうっすら除雪で、歩行者が落ちたり車が落ちる例などもあります。

　　あと、今年というか、昨冬といいますか、とても雪が多かったので、除雪が追いつかなかったということもありますけども、降雪時における、通学時間帯に歩道が除雪にならなくて、車道の方に随分子どもたちが出ていて、お互いに危ないと感じたという声が大分ありましたので、その辺もお願いしたいなと思います。

　　保護者の方から来ているのは倒木ですね。大きな木に雪が積もった場合に倒れる。あと落雪、屋根が昔の車庫なんかだと、道路の方に落ちるような構造のものも見受けられるということで、屋根からの除雪、落雪というのも、朝固まって、下校時には緩んで、塊で落ちてくるなどということもあります。

　　先月、私、県議会の地域議員協議会の傍聴に行ってまいりました。県道における通学路について、ちょうど報告がなされておりました。私が出たのは西村山地区、北村山地区だったのですけども、市町の方と警察と合同点検が行われるということで、その行われた件数が報告されております。東根市のみゼロ件でした。他市町はあったんですけども、東根ゼロ件でした。

　　夏期の合同点検でも神町地区ゼロ件でした。本当に東根市は安全で危険箇所がないと判断していいのかどうか、ここら辺は個人の考えですけども、私は多方面から意見が上がってきて関係機関がチェックするというのは、通学の安全対策をより万全にするのではないかと考えておりますので、いろんな声に対処くださいますように、お願いいたします。

　　次に移ります。

　　農地取得の際の下限面積緩和については、他市町の状況を勘案して検討していくということでありました。下限面積につきましては、当市では３反分、30ａなんですけども、県内では10ａ、１反分、少ないところでは0.1ａ、33坪。家庭菜園、住宅についている農地かな、などとも考えていますけども、本市の下限面積についても条件に合わせて緩和していただきますよう、強く要望するところであります。

　　最後に、所有者不明の農地についてでありますけども、相続未登記のほかに、不明になる恐れがある土地があります。通常、土地には固定資産税がかかりますが、評価額が低いために非課税となる場合があります。山間部だったり小規模な土地だったりします。これは所有者には一切通知が行きませんので、代替わりだった場合とか、もう分からないという、市内に住んでいても、住所を中心部に移した場合なんか、実際田畑が分からないという方も大勢いらっしゃいます。

　　市内では非課税の土地が納税者で2,729人、5,767筆でありました。また、課税されても通知が届かない、いわゆる公示送達とされたものが20件であります。決して私は少ない数ではないのではないかと思います。

　　これから少子高齢化です。本当に人口が減っていく中で、農地のみならず土地の有効活用、荒廃地を防ぐには、税務課や空き家対策担当部局との連携が不可欠であると思います。

　　不動産がマイナスの負動産にならないよう、部署をまたいでの連携をした対策を要望いたしまして、私の一般質問を終わります。

　　以上です。

○髙橋光男議長　以上で、ご了承願います。

　　◎齋藤俊一郎議員質問

○髙橋光男議長　次に、１番齋藤俊一郎議員。

　　　〔１番　齋藤俊一郎議員　登壇〕

○１番（齋藤俊一郎議員）　議席番号１番、齋藤俊一郎です。

　　この度も一般質問の機会を賜りましたことに感謝を申し上げ、議長の指示に従い通告に基づき質問を行ってまいります。

　　まず、大きな１項目めは、将来を見据えた「営農基盤の強化」と「強い農政に向けた展望」についてであります。

　　先月末開催の第29回ＪＡ山形県大会において、重点的に取り組む柱として決定された内容は、１．持続可能な食料、農業基盤の確立、２．地域担い手支援の強化、３．持続可能な地域、組織、事業基盤の確立などであり、まさに本市としても将来を見据えた持続可能な農業の在り方が問われております。

　　前回の第３回定例会において、同僚議員からも紹介がありましたが、今年５月に５年ごとの全国的な農業の調査である農林業センサスが更新、公表され、本市の農業経営体は５年前の調査より約１割減り、1,657経営体とのことでした。

　　このうち、後継者を確保していないと答えられた農業経営体は、1,296件であり、驚くべきことに約８割の生産者の方々は後継者がいない、こういった状況になってしまっています。この数字は５年前の調査時に販売農家数の約53％が、後継者はいないと答えられた頃に比べ、後継者不在は大きく加速しており、持続可能な農業とは言えない、危機的な状況となってしまっています。

　　新型コロナウイルス感染症や激甚化する自然災害によって、経済安全保障とともに食料、安全保障の重要性が増す中、本市の基幹産業である農業をいかに持続可能な形で営農基盤を確保し、将来を見据えた強い農業に進化させていくかが問われております。

　　これらを踏まえ、次の４点について本市の現状と市長の方針をお伺いいたします。

　　まず１点目として、人・農地プランの実質化が昨年から加速され、法制化も検討される中において、高齢化する農業、農村を将来にわたって地域の農地を誰が担っていくのかを解決するための生産基盤の整備・保全・集積について、本市の現状と取組をお尋ねいたします。

　　次に２点目として、将来を見据え、最も重要な要素である担い手支援や、昨今その重要性が政府においても見直されている家族農業への支援、そして、地球温暖化を要因とし、激甚化、頻発化する気候変動に対し、農業分野における対策や、脱炭素に寄与する新たな農法への支援など、営農の強化に向けた支援体制の現状と方針について、本市農政を牽引されてこられた市長にそのご所見をお伺いいたします。

　　次に３点目として、本年第１回定例会において、昨年の農業被害を基に政策提案をいたしました自然災害や感染症などから営農意欲を保ち、持続可能な農業を実現するためのセーフティーネットの構築について、凍霜害における収量の減少、米価の下落など、農業経営のリスクが厳しさを増す中、改めて今後の支援方針をお伺いいたします。

　　４点目として、同じく本年第１回定例会において、私の本市農政10年の総括と展望の質疑に対し、市長より答弁をいただいた、今後力を入れていく農政の柱として、時代にあった新たな販売戦略を挙げられておられましたが、来年度予算編成が本格化していくところ、今後の方針を伺いいたします。

　　次に、大きな２項目めとして、未来を切り拓く「商工業の発展」と「後継者・起業家の育成」についてをテーマに質問をいたします。

　　政府は先月19日、ウィズコロナの下で、社会、経済活動の再開と、次の危機への備えなどの経済対策として、自治体への地方臨時交付金の増額を含め、約55兆円の補正予算を閣議決定いたしました。

　　また、本県においても現在開会中の県議会において、山形冬割キャンペーンをはじめとする経済対策を上程されている現状です。

　　本市では感染症対策事業の創設や、事業者の経営継続のための交付金の複数実施、消費喚起を促すためのクーポン事業など、断続的な経営支援を行ってまいりましたが、３回目のワクチン接種を踏まえ、経済、社会活動の再開と新しい経済が動き出そうとしている中において、今後どのような商工業支援を実施していくのかが問われております。

　　一方、新型コロナの蔓延によって県内でも歴史と文化のある企業が複数廃業を決定し、大手民間調査会社によれば、新型コロナによって廃業を検討する県内事業所が増大するなど、事業承継と新たな創業に向けた支援制度の構築が急がれる状況です。

　　また、本市の基幹的商工団体である東根市商工会によれば、現在の会員数はこの10年間で約100名減少されております。ただ一方で、本市商工会独自事業による創業セミナーの創設などのご努力によって、最近は会員数が微増に転じているとのことでもありました。本市としても、市内商工業の後継者や起業家の育成が大きな課題になっていると思います。

　　それらを踏まえ、ウィズコロナ及びポストコロナに向けた商工業支援の取組状況と今後の方針について、本市における事業承継及び新規創業の育成に向けた現状と今後の支援策をお伺いし、登壇での質問といたします。

○髙橋光男議長　１番齋藤俊一郎議員の質問に対し、答弁を求めます。

　　土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　齋藤俊一郎議員のご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、将来を見据えた「営農基盤の強化」と「強い農政に向けた展望」についてであります。

　　生産基盤の整備・保全・集積における現状の取組といたしまして、圃場や農道、用排水路やため池等については、従来から国や県、土地改良区、地域等と連携し、整備や維持管理、さらには多面的機能の維持、発揮を図るための取組を進めております。

　　また農地については、農業委員会や農地中間管理機構を通して、農業経営の様々な支援策を講じながら、地域農業の中心となる担い手への集積を図っております。

　　これらの取組を進めてきた結果、本市における担い手の集積率は、東北農政局の取りまとめによりますと、農地中間管理事業の開始前である平成25年度末は、24.0％でありましたが、令和２年度末では48.7％となったところであります。

　　次に、営農の強化に向けた支援体制の現状と今後の方針についてでありますが、担い手支援については国や県と同様に、認定農業者や認定新規就農者、人・農地プランに位置付けられた中心経営体への支援を基本としております。

　　また、大規模化や法人化を推進しながら、併せて家族農業の継続発展が図られるよう、様々な支援策を講じております。

　　一例を申し上げますと、平成17年度から実施している東根市認定農業者支援事業は、当時ほとんどなかった家族農業単位で申請できる市独自の補助制度であります。今後も国や県の動向を見ながら、家族農業を重視してまいります。

　　気候変動への対応も重要な課題であり、今年度はかつてない規模の霜被害が発生したことから、県と連携し、被害防止に向けた施設整備への補助などを緊急的に行っております。今後も関係機関と連携し、温暖化への適応も含め、気象災害に強い産地形成を進めてまいります。

　　次に、農業セーフティーネットの構築に向けた方針についてでありますが、国では収入保険や農業共済等の制度が設けられております。市といたしましては、これらのセーフティーネットへの加入を普及推進し、安定した農業経営ができるよう進めてまいります。

　　次に、時代に合った新たな販売戦略の方針についてでありますが、販売形態や消費者ニーズが多様化する中においては、作った物を売るから、求められている物を作って売るマーケットインへの転換が必要であり、本市も近年ではシャインマスカットの生産が増えるなど、消費者ニーズに合わせた生産者努力が行われていると認識しております。

　　激化する産地間競争を勝ち抜くため、本市は一貫して果樹王国ひがしねを発信し、これまで多くの東根ファンを獲得しており、特に近年はＧＩ東根さくらんぼと、ふるさと納税制度が周知拡大に大きく寄与したと実感しております。

　　また海外戦略として、コロナ禍においても果樹王国の収支と今後のインバウンドを見据え、タイやシンガポール等で現地プロモーションを継続しております。

　　今後とも東根ファンの獲得を進め、生産者や関係機関と一体となり、果樹王国ひがしねブランドを活用したファンマーケティングによる販売推進を図ってまいります。

　　次に、未来を切り拓く「商工業の発展」と「後継者・起業家の育成」についてのご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、商工業支援の取組状況についてでありますが、これまで新型コロナウイルス感染拡大の影響により、厳しい経営を迫られている事業者に対し、時機を捉えて、特に影響が甚大な業種を対象に、事業継続のための給付金等を支給してまいりました。

　　また、感染防止対策費用やテイクアウト、オンライン化などの新たな事業展開に要する費用への補助、融資を受ける際の利子補給等の資金対策、雇用調整助成金申請代行支援事業等の雇用対策、そして、プレミアム商品券事業等の経済循環策など、多方面から支援を行ってきたところであります。

　　現在は、グルメクーポン事業や宿泊業を対象とした、あと宿キャンペーン事業に補助金を交付するなど、外出・外食等の自粛により大きな影響を受けた事業者の支援及び経済の回復のための消費喚起策を実施しております。

　　新規感染者数が全国的に縮小傾向である中、業種によってはコロナ禍前の水準に戻っているところもありますが、サービス業についてはまだまだ厳しい状況が続いておりますので、先般、閣議決定された経済対策なども含め、効果的な支援策を検討、実施してまいります。

　　次に、事業承継及び新規創業者の育成に向けた現状と今後の支援策についてでありますが、後継者問題に悩む事業者の事業承継につきましては、平成30年度、東根市商工会を対象に、商工業後継者の育成並びに後継者が事業を継続することを支援する事業に対する補助制度として、東根市商工業後継者育成支援事業補助金を創設したところであります。

　　商工会では、今年度は新規事業として、事業承継と創業に関するセミナーを実施しておりますが、具体的な段階であれば、金融機関等に相談するケースもあると伺っております。

　　また、さくらんぼタント館内にあるコワーキングスペース、Ｃ＆Ｃひがしねにおいても、起業者向けのセミナーやビジネスアイデアコンテストを開催しており、すぐれた企画については事業化までの支援を行っております。

　　議員ご質問の創業に係る市独自の財政的な支援につきましては、ニーズの把握に努め、他市の事例などを研究し、関係機関と連携しながら検討してまいりますので、ご理解をお願いいたします。

○髙橋光男議長　１番齋藤俊一郎議員。

○１番（齋藤俊一郎議員）　市長より答弁いただきましたので、自席にて引き続き質問を行ってまいります。

　　まずは、農地の関係でありますが、人・農地プランの目的であります、この農地の担い手による農地の集積、平成25年度に24％であったものが、令和２年度末では48.7％であったとの答弁でありました。

　　これは、まさに農業委員会の皆様のご努力、特に農地パトロール、そしてまた農地バンクの活用も一定程度活用実績があったと伺っています。

　　そこで、答弁がありました、この農地中間管理事業の現状と実績、こちらについてお伺いしたいと思います。

○髙橋光男議長　石垣経済部長。

○石垣有一経済部長　お答えいたします。農地中間管理事業は、規模縮小農家から規模拡大を目指す担い手、スムーズな農地の貸し借りを進めることを目的としているものであります。

　　本件においては、公益財団法人やまがた農業支援センターが農地の中間的受け皿といたしまして、その役割を担っており、市町村や関係機関と連携した事業を進めております。

　　本市における令和２年度の農地中間管理事業の実績といたしましては、新たに24.7ｈａの農地の貸し借りがなされたところであります。その内訳としては、62人分の農地が20人の担い手に集積されたものとなっております。よろしくお願いします。

○髙橋光男議長　１番齋藤俊一郎議員。

○１番（齋藤俊一郎議員）　承知しました。

　　この中間管理事業をいかに有効的に使っていきながらも、耕作放棄地、これは本当に待ったなしの状況で、遊休農地も含めて本議会の常任委員会においても、視察等が行われたようでありますが、ここへの対策が重要になってくるんだろうと思います。

　　特に、災害が激甚化、頻発化している中において、この農地を守っていくことが農家の皆さんでも大きな負担になっていますし、農地がきちんと保全されていなければ、借手の皆さんも借りられないという状況ですし、負担も増えてくると。こういう状況になると思います。

　　私は、この耕作放棄地になる前の伐根も含めた整地等の整備の新たな支援策、こういったものも市として考えていかなくてはいけないと、こう思います。

　　借手への支援策もありますが、貸手への支援策、これは両方、相乗効果を生んで、この本市から農地の遊休農地や耕作放棄地がなくなっていくと、こういうふうに考えますが、現在の取組状況とこの農地の再生に向けた考え方をお伺いしたいと思います。

○髙橋光男議長　石垣経済部長。

○石垣有一経済部長　担い手によります条件不利園地の廃園などにつきましては、国の果樹経営支援対策事業を活用することができますが、担い手以外の小規模農家や高齢化に伴います廃園などにつきましては、現在のところ補助制度などは設けられておりません。

　　議員のご指摘にありましたとおり、廃園に向けた適切な処置がなされないことには、耕作放棄地の増加の一因となると認識しておりまして、今後、国や県などの動向を注視しながら、支援措置などについて研究してまいりたいと考えております。

　　また、農地再生については、農業委員会所管の遊休農地解消対策事業による推進費の交付を行っているところであります。また、営農開始に当たっては、国や県、市独自によります優良品種への改植、必要となります施設整備や機械導入に対する補助などを行っており、これからもこのような支援を継続してまいりたいと考えております。よろしくお願いします。

○髙橋光男議長　１番齋藤俊一郎議員。

○１番（齋藤俊一郎議員）　考え方は分かりました。今、経済部長の答弁の中で、担い手以外の小規模農家や高齢化に伴う廃園などについては、現在のところ補助制度、これは特に設けられていないと。廃園に向けた適切な処置がなされないことは、耕作放棄地の増加の一因となると認識されておられるという現状の認識は伺いました。

　　やはり、ここに向けた対策が私は必要なんだと思います。先ほど申し上げたように、本市の経営体、８割が後継者を確保できていないよと、こういう状況なわけです。

　　そうしたら、やっぱりまずはこの後継者を確保できていない農家さんに対して、きちんとこの農地が今後、先ほど申し上げた集積するに向けて、保全管理される仕組み、こういったものを本市で考えていただきたいなと、私はこのように思います。

　　是非、担い手にスムーズにこの農地の集積が進むこと、このことがこれからの農業の大きな課題だと私は思います。

　　一方で、先ほど農業委員会所管の遊休農地解消対策事業のご説明がありました。これは非常にいい制度だと思っています。こういったものを、様々な制度を活用して、是非担い手も含めた支援制度をつくっていただきたいなと、こう思います。

　　担い手支援については、先ほどの市長のご答弁の中で、平成17年度から実施している東根市認定農業者支援事業、これは私も家族農業が非常に大事だと、こういった考えに立つものでありますけども、家族農業単位で申請できる市独自の補助制度で、当時は大変珍しかったと、こういったお話があります。

　　国は大規模化、法人化と、これを声高に進めていますけれども、現政権になって、家族農業をもう一回見直そうよと、こういった状況に私は変わってきているものだとも思います。

　　この担い手支援の、新たな、平成17年度から長年続けてきた本市のこの認定農業者支援制度の現状と、さらに拡大に向けた考えも含めて所見を伺いたいと思います。

○髙橋光男議長　石垣経済部長。

○石垣有一経済部長　東根市認定農業者支援事業につきましては、認定農業者の農業経営改善計画のその目的達成を促すための市独自の補助制度でございます。

　　平成17年度の制度創設から多くの認定農業者が活用しておりまして、計画に沿った農業用機械の導入やさくらんぼの雨よけ施設の整備などが滞りなく行われることで、農業所得の向上やその省力化のほか、地域の活性化につながっているものと認識しております。

　　令和２年度は、28人がこちらの制度を利用しておりまして、選果機やスピードスプレーヤーなどの農業用機械の導入やぶどう雨よけ施設の整備などが行われているところでございます。

　　認定農業者をはじめといたします担い手につきましては、当該制度以外にも様々な支援制度が設けられております。

　　今後も地域農業の中心となる担い手に対しまして、認定農業者支援事業などにより、重点的に支援を行ってまいりたいと考えております。

○髙橋光男議長　１番齋藤俊一郎議員。

○１番（齋藤俊一郎議員）　答弁、承知しました。地域農業の中心となる担い手に対して、認定農業者支援事業などを含めて、重点的に今後も支援していきたいという、そういったお考えを伺いました。

　　この認定農業者支援事業、私も市独自で本当に市長がいろいろと多角的に考えられた制度だなと思って拝見して、これまでの実績を見ていきますと、ずっとこれは交付決定率100％が続いているんですね。話を伺うと、中には申請したけども、満額もらえなかったというケースが長年続出してきたと。

　　平成25年から国の制度などが新たにできたものがありまして、県も含めてですね。一時期満額に達しないときが続いていたようでありますけども、令和２年、令和３年ともに最終的に交付率100％だったと。令和２年、令和３年、まさに災害が多発した年でありますし、コロナもあります。

　　やはりこういった意味で、先ほど申し上げた２割の後継者の皆さん、これは主に認定農業者の方が多く含まれていると私は思いますけども、営農を拡大したいと、こう思いながらも予算が足りなくて、交付率が下がって、例えば、スピードスプレーヤーを買うにしても、予定していた金額が満額来なかったと、こういったケースもあるようであります。

　　本市の基幹産業である農業を守っていく、この担い手への支援として、私は是非この認定農業者支援事業を拡充して、予算拡大をお願いしたいと思いますので、これはこの機会に要望したいと思います。

　　今、この担い手支援についてお話ししましたけども、一方で、この自然災害、こういったものはもう待ったなしの状況ですし、脱炭素に向けた気候変動対策、こちらについても支援策が必要になってくると思います。

　　先日、環境シンポジウムにおいて、市長の方から、この脱炭素に向けた新たな考え方、新たな農法に向けたご所見を伺わせていただき、私も大変新たな考えとして、わくわく感、そして新たな可能性が生まれてくるんだろうという期待感がございました。是非、現在のこの自然災害や気象変動対策に向けた状況について、支援策の状況についてをお伺いしたいと思います。

○髙橋光男議長　石垣経済部長。

○石垣有一経済部長　自然災害に関しましては、昨年度は大雨、豪雪。そして、今年度は降霜といったこれまでにない規模の災害が発生しまして、果樹をはじめとして、大きな農作物被害を受けております。

　　こうしたことから、国や県の制度を活用し、さらには市独自の制度を設けまして、復旧や被害防止のための施設整備等に対しまして、緊急的な補助を行うほか、国・県に対する対策の強化の働きかけなどを行っているところでございます。

　　脱炭素につきましては、農業分野からゼロカーボン社会の実現に貢献できるような営農の在り方が求められると考えております。そのため、今後は、国や県の動向を注視しながら、その実現に向けて支援制度の創設等を検討してまいります。よろしくお願いします。

○髙橋光男議長　１番齋藤俊一郎議員。

○１番（齋藤俊一郎議員）　自然災害が多発して、大きな被害を受けているんだと、こうしたことから国や県の制度の活用、また市独自の制度を設けて、これまで緊急的な補助を行ってきたと。今後も国、県に対して、対策の強化を働きかけていくということでありました。

　　先ほど申し上げました、この認定農業者支援制度を含めて、ＪＡグループでも今回の凍霜害に対して、新たな農機具を推奨しているというお話も伺います。是非、機動的にこういった新たな農機具が活用できるような、先ほどの制度の要件の緩和も含めて、新たな自然災害に向けた持続的なこの農業政策、支援策創設を検討いただきたいと、このように思います。

　　もう一方で、脱炭素についてのお話もありました。国や県の動向を注視しながら、その実現に向けた支援制度の創設を検討していきたいということで、これは市長のご決意にありますとおり、私はかなり前向きに進んでいくものと期待をしておりますが、ここで１点、ちょっと政策のご提案をさせていただきたいと思います。

　　市長から、４パーミル農法というのが、先日お話がありました。私も第１回定例会でご紹介をさせていただいて、市内の生産者で既にこの剪定枝を炭化して土壌に埋める新しい農法、それによって、炭素を地中に埋めることで脱炭素につながるんだと、こういった新しい概念、考え方に基づいた農法だと思います。

　　山梨県で既に実証が始まっているわけでありますけども、私は是非こういった新しい環境に配慮した農法、これを東根市として認証して、新たにブランド化することで、農産物の付加価値がつくと、このように思います。ただ、環境に優しい農法をしているというだけではなくて、是非こういった付加価値がさらについた農産品をブランド化して広げることで、農家の皆さんの所得の向上につながっていくものだと、こう思います。

　　本市でも、新たに企業版ふるさと納税を始められております。山梨県では、この企業版ふるさと納税に、先日市長からもお話がありました、この４パーミル農法、これを活用した新たな農産品がこの企業版ふるさと納税に認定されて、民間会社から多くの助成が入ると、こういった例も出始めています。

　　国においても、通常国会に新たな法律として、みどりの食料システム戦略と言われる脱炭素型の農業の新しい考え方、法律が政府から提出される予定であります。農業分野においても、この脱炭素に向けた取組、そしてそれを新たな価値に変えて、国内はもとより、この後お話しさせていただきますけども、海外輸出も含めて、新たなこの社会の考え方に基づいた脱炭素、ゼロカーボンに向けた農業の取組を是非進めていただきたいなと、このように思います。

　　環境省が経産省と農水省と一緒にやっているＪクレジットという制度もあります。このＪクレジット制度というのは、省エネルギー機器の導入や、森林経営などの取組によるＣＯ₂などの温室効果ガスの排出削減量や吸収量をクレジットとして国が認証する制度で、農林水産業の方でも活用が始まっています。

　　是非、私はこのＪクレジット制度、非常にいい制度なので、東根市としても前向きにこの制度を活用できる新たな仕組みを考えていただきたいなと思います。

　　特に、ＪＡグループを主体として、コンソーシアム型の先ほど申し上げた、新たな農産品の価値を普及、そして開発できる認証機関、こういった組織を構築していただきたいなと。そうすることで、将来を見据えた新たな東根の農政が切り開けていくのではないかと期待をしているところであります。

　　将来を見据えることも、先ほど申し上げたように、非常に重要な一方で、足元から言えば、米価の下落、非常に大きな問題になっています。

　　12月４日の地元紙に掲載がありましたが、３日、県の農業再生会議より2022年産の主食用米における生産の目安、これは国が生産調整を廃止して以来、最大の減少幅になる見込みだと。そういった衝撃的なニュースもありました。21年産米比で１万6,200トン、2,709ｈａの減少だと。本市においては、5,148トン、840ｈａ。前年比221トン、36ｈａの減少幅が示されたと。まさに、次期作支援で農家の皆さんが大変これからどうなっていくんだろうと、米農家の方を中心に考えが募っているところであります。

　　周辺自治体で様々な動きがあるようでありますが、米価下落に伴う次期作支援の創設を強く要望申し上げて、考えを伺いたいと思います。

○髙橋光男議長　石垣経済部長。

○石垣有一経済部長　本年度の米価の大幅な下落につきましては、稲作農家の将来の経営不安や営農意欲の減退につながることとともに、地域経済に及ぼす影響が大きく懸念されております。

　　特に、果樹との複合経営が多い本市におきましては、昨年度からの気象災害、そして今春の霜被害などもありまして、その影響が大きいものと捉えております。

　　こうした状況から、米価下落の影響を緩和し、次期作に向けた営農意欲の維持向上を図るため、その支援制度の創設などにつきまして、県の動向なども見ながら検討してまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いしたいと思います。

○髙橋光男議長　１番齋藤俊一郎議員。

○１番（齋藤俊一郎議員）　検討していきたいということで、是非、前定例会においても農政に所見の深い先輩議員の方より、この次期作支援も含めたこの米価下落への対策、要望があったばかりであります。是非、早期の制度創設を強くお願いしたいと思います。

　　県でも、どうも新たな支援制度も検討していくようでありますけども、本市としても、隣接市町村に遜色ない金額、是非こちらも強く要望したいと、このように思います。

　　主に、これは米価下落ですから、稲作についてでありますが、果樹についても、コロナの関係で百貨店が大きく売上げを減少することで、贈答品を含めた所得の減少、大雨、大雪、そして今し方何度もお話がある、この凍霜被害、これによって非常に農家の皆さんの所得についても大きな影響が出ています。

　　ちょうど12月ですので、１年間の果樹生産についても締めくくりを迎える中で、リンゴについても中心果がやられて非常に厳しいというお話を多々伺いました。是非、果樹についても、次期作支援に向けた農家の皆さんが営農意欲を継続できる新たな制度の創設を要望していきたいと思います。

　　こういった農業経営を取り巻く様々なリスクに備えるために、先ほど市長の答弁にもありました収入保険というものが国において推奨されております。

　　私も第１回定例会で、この収入保険を含めた農業のセーフティーネットについて要望し、先ほどの登壇でもお考えについて改めて伺ったわけでありますが、山形県の市長会、これは長年市長が会長として牽引されて来られたわけですけども、この市長会でも県に対して、収入保険への加入促進を含めた新たな要望もされたと伺っています。

　　現在、この収入保険についての本市の現状、今後の方針も含めて、お伺いしたいと思います。

○髙橋光男議長　石垣経済部長。

○石垣有一経済部長　国の収入保険は、自然災害や価格低下など、様々な収入減少を広く保証する制度でございまして、市としてもその制度への加入を推進しているところでございます。

　　加入対象者は、青色申告を行う農業者でございまして、令和２年農林業センサスによりますと、本市における青色申告を行っている農業経営体数は329件となっております。また、収入保険加入者は今年10月末現在で33件となっておりまして、なかなか加入が進まない現状にあります。

　　この理由として、加入当初に支払います保険料及び積立金の額が高いことが考えられます。コロナ禍にあって、かつてない規模の大雪や霜被害も発生していることが、さらに加入当初の負担をより厳しくしております。

　　こうしたことから、その加入促進に向けた支援について、国や関係機関と連携しながら検討を進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

○髙橋光男議長　１番齋藤俊一郎議員。

○１番（齋藤俊一郎議員）　現状の分析を伺いました。また、加入当初の負担がより厳しいという分析、是非その加入促進に向けた支援策を県などと連携しながら、検討、これを進めていきたいと、これは前向きな答弁だと受け取っております。

　　本日の地元紙にも、この収入保険についての特集記事が掲載されておりました。農業被害が激甚化、頻発化する中で、こういった農業のセーフティーネットの制度の重要性が問われているところでありますし、私が本年第１回定例会において、そういった観点からこの収入保険も含めた農業の保険制度について、是非新たな支援策を導入してほしいという要望を申し上げましたけども、財源としては臨時交付金が使えるというのも国から示されています。

　　農水省に伺いましたら、令和２年、この収入保険について、臨時交付金や一般財源で予算化して、制度を創設されたのは全国３県、83市町村であったのに対して、令和３年９月現在でありますが、８県、196市町村にその支援制度の創設が拡充されているわけであります。86の公共団体だったのが、今は216、2.5倍、この状況です。

　　是非、東根市としましても、先ほど329件の青色申告者がおられるということで、そのうち僅か33件、１割しか入っていないと。是非、この部長のご答弁にありましたけども、保険料及び積立金の額が高いこと、これに対する支援策を是非本市としても考えていただきたいなと、こう思いますし、農家の経営には様々な形があると思いますが、是非青色申告の制度を理解していただくための、例えば、税理士会の皆さんとのＪＡグループも一緒になっての説明会とか、そういった機会の創設もお金をつくるだけではなくて、ソフトの考えも是非創設いただきたいなというのを要望していきたいと思います。

　　そういったセーフティーネットの下、今現在のマーケットはどうかと紐解けば、巣籠もり需要で、この国内の消費というのが非常に伸びています。ＪＡ全中では国産国消というのが消費者のトレンドとしてマインド化されているんだと、こういった報道も相次いでいます。こういった国産国消のトレンドの中で、本市として新たな販売戦略、市長からお話がありました。東根ファンを獲得し続け、ＧＩや東根のふるさと納税の周知拡大、これを引き続き行いながら、ファンマーケティングによる販売促進、これを行っていくんだと、そういったことを伺いました。

　　是非、そういった意味において、新たな販売戦略のもと、ＪＡグループと私は核にした市農産物の国内新販売戦略、こういったものが必要になってくると。国内の市場にさらに東根のこの価値ある農産品をもっと広げる、逆にビジネスチャンスだと、このように思いますが、現在の考えを伺いたいと思います。

○髙橋光男議長　石垣経済部長。

○石垣有一経済部長　コロナ禍における巣籠もり需要によりまして、インターネットサイトを利用したふるさと納税の利用が増えており、その返礼品を取扱うＧＩ東根さくらんぼをはじめとした、本市の果樹が多くのリピーターやファン獲得につながっていると、まずは認識しております。

　　本市農協におきましても、よってけポポラのネットショップを開設するなど、新たな販売形態に取り組んでおります。

　　よってけポポラにおきましては、仙台圏を中心に全国に顧客を抱えておりまして、今後の道の駅構想により、果樹王国ひがしねにとって、一層強力な発信源になると期待しているところでございます。

　　市長答弁にもございましたとおり、ファンマーケティングの推進が重要な販売戦略となると考えておりまして、農協と一体的なＰＲを進めますとともに、観光果樹園やさくらんぼマラソン大会などの体験型イベントに加え、首都圏などでのキャンペーン、海外プロモーションなど、ひがしねファン獲得や関係人口拡大に向けて、今後とも継続的に取り組んでまいりますので、ご理解をお願いいたします。

○髙橋光男議長　１番齋藤俊一郎議員。

○１番（齋藤俊一郎議員）　よってけポポラを核にした新たな販売戦略としての、ＪＡさんで行っているネットショップの開設、非常に私も注目をしています。

　　一方で、海外プロモーションの話がありました。それでは、現在の海外の農産品輸出の状況について伺いたいと思います。

○髙橋光男議長　石垣経済部長。

○石垣有一経済部長　タイ、シンガポール、香港、台湾などに対しまして、さくらんぼ、桃、ぶどう、リンゴ、西洋なし、さらには啓翁桜など、それぞれの対象国のニーズに合わせまして、産品を輸出しているところでございます。

　　ただし、国内市場での取引価格や出荷時期への対応に加えまして、対象国の国内情勢や輸出コストの変動などにより、その輸出量は年度により増減が大きい状況でございます。海外輸出の拡大に向けましては、今後ともその取組を継続してまいりますので、ご理解をお願いしたいと思います。

○髙橋光男議長　１番齋藤俊一郎議員。

○１番（齋藤俊一郎議員）　政府としても、日本酒とか牛肉、こういったものに力を入れ、新たな輸出販売戦略を立てられているようでありますけども、本市はやはり果樹なんだと思いますが、なかなか果樹というのは、今、部長の答弁にありましたとおり、出荷時期への対応など、非常に難しい技術的な問題もあると思います。

　　海外輸出という点では、水田リノベーションを利用した市内の民間事業者によって、香港での米の輸出というのもありますけれども、今後、こちらの海外輸出も踏まえながらも、まずは国内の市場開拓と、ファンマーケティングの推進、是非力を入れていただきたいと思います。

　　続きまして、商工分野の方に移らせていただきたいと思います。

　　現在、た～んとグルメクーポン及びあと宿キャンペーンが進んでいて、私も先日、た～んとグルメクーポンの決済を初めてやらせていただきました。こちらの今状況についてお伺いをしたいと思います。

○髙橋光男議長　石垣経済部長。

○石垣有一経済部長　お答えいたします。た～んとグルメクーポンにつきましては、11月１日から19日までの期間で申込みを受け付けました。その内訳でございますが、電子クーポンが約9,300件、カードクーポンにつきましては、約２万3,000件、合計３万2,000件ほどのお申込みをいただいております。

　　あと宿キャンペーンにつきましては、ご好評いただいておりまして、予定枚数の８割となる約7,200枚を販売済みという報告をいただいております。

○髙橋光男議長　１番齋藤俊一郎議員。

○１番（齋藤俊一郎議員）　現在の経済対策として非常に重要なこの２つの手法でありますけども、た～んとグルメクーポンについては、9,300件の電子クーポン、ちょっと伸び悩んでいるなと、こう思います。是非、この伸び悩んでいる背景について伺いたいと思います。

○髙橋光男議長　石垣経済部長。

○石垣有一経済部長　特に、高齢者を中心にスマートフォンの利用やそのほかのキャッシュレス決済の利用が進んでいないため、カードクーポンの申込みをする方が多かったことなどが主な要因と捉えております。

　　また、現在詳細を分析中でございますけれども、購入者に占める若年層、20代辺りなんですけども、こちらの割合が意外と高くなかったことも影響していると考えております。

　　参考で申し上げますが、スマートフォンを使いました電子クーポンの年代別購入者数なんですけれども、20代が453人、30代が987人、40代が1,109人、50代が656人ということで数字を把握しております。よろしくお願いします。

○髙橋光男議長　１番齋藤俊一郎議員。

○１番（齋藤俊一郎議員）　非常に興味深い数字でありました。電子決済は若い人に利用されるのかと思いましたけども、20代が一番割合が高くないんだというご説明でした。市長のご判断と聞いておりますが、カードクーポン、こちらも今回本市では一緒にやって、デジタル弱者に対応した形が逆にきちんとニーズを捉えているということで、私は評価をしたいと思います。

　　予算的なまだ余分もあるようですので、是非こちらの活用についても、多くの事業者の方に即効性のある経済対策だと私は思いますので、こちらを重視していただきたいと思いますし、あと宿キャンペーンについても同様でありますが、旅館さんで「もうないよ」という声も伺っております。

　　是非、これは拡大を私は要望していきたいと思います。もちろん感染の状況にもよると思いますので、じっくりそこは注視しながらお願いをしていきたいと思います。

　　続きまして、創業・事業承継の件についてご答弁いただきました。年度別の本市におけるこの事業承継を含めた創業の件数、そして支援策の活用状況についてを伺いたいと思います。

○髙橋光男議長　石垣経済部長。

○石垣有一経済部長　商工会において受け付けております創業に関する相談件数の実績は、毎年15件前後となっております。事業承継については、コロナ禍前の令和５年度は10件でありましたけれども、新型コロナウイルス感染拡大の影響だと思われますが、昨年度、令和２年度は１件、今年度も２件の相談にとどまっている現状でございます。

　　しかしながら、Ｃ＆Ｃひがしねで開催した創業セミナーにおきましては、令和元年度が延べ98人、令和２年度が延べ54人となっております。

　　また、国の認定創業支援等事業計画に基づく創業件数につきましては、令和２年度が12件となっております。なお、本市の商工業みらい応援利子補給補助事業の新規創業者枠については、令和２年度が９件、今年度が現時点で３件の採択を行っております。

　　事業承継については、市長答弁にもございましたとおり、個別に金融機関等への相談もあるものでございますから、実績については把握しておりませんので、こちらも併せてご理解をお願いしたいと思います。

○髙橋光男議長　１番齋藤俊一郎議員。

○１番（齋藤俊一郎議員）　承知いたしました。

　　今、部長から答弁がありましたけども、国の認定創業支援等事業計画に基づく創業件数、令和２年は12件と。参考資料の方をつけさせていただきました。恐縮でございますが、経産省の方に調べてもらいましたところ、本市のこの産業競争力強化法に基づく支援計画、徐々に増えてはおりますけれども、まだまだこの取組というのはできると思います。特定創業支援事業、これはビジネススキルの研修とかに使われるものですが、こちらの伸びはまだ鈍化している状況です。

　　また、県の方の、産業労働部に確認しましたところ、県内市町村において、創業支援制度は多くの自治体でこの真水の創業支援制度ができているようであります。是非、創業支援について、この機会に本市としても力強く取り組んでいくための支援制度創設を要望したいと思いますし、コロナによって、創業された皆さんも非常に使える制度が限られて、苦しい状況も聞いております。是非、こういった若者の皆さんがイノベーションや新たな雇用の場を生み出せるための本市の経済活性化につながる新たな支援策を是非導入を要望していきたいと思います。

　　事業承継については、また別の機会を捉えて、質問をしていきたいと思います。経済対策として、商工観光課ベースで約10億円、これまで打ってきたということであります。今回の国の経済対策も活用しながら、是非未来を切り開く、この若い新しい商工業者の皆さんに対する商工業支援、これを是非本市がその先頭に改めて立っていただくための支援制度の創設を強く要望申し上げて、私の一般質問を終わりにいたします。

○髙橋光男議長　以上で、ご了承願います。

　　◎植松　宏議員質問

○髙橋光男議長　次に、７番植松　宏議員。

　　　〔７番　植松　宏議員　登壇〕

○７番（植松　宏議員）　７番植松　宏です。発言通告に基づき、２項目質問いたします。

　　はじめに、本市の国民健康保険税の現状についてお伺いします。

　　私は、国民健康保険については、定例会においてこれまで２回一般質問をさせていただきました。今回が３回目の質問となるわけですが、この背景には、多くの市民から国民健康保険税の負担が重いという声があるからであります。

　　この度、政府は令和４年度から未就学児の国民健康保険税の均等割保険料について、その半分の額を国が４分の２、県と市でそれぞれ４分の１負担することを決定しております。このことについては、私も生まれたばかりの子どもにまで税の負担対象にするのはおかしいのではないかと。せめて18歳までは均等割の対象から外すべきではないかと、これまで述べさせていただきました。

　　また、全国市長会からも、国保制度の持続性を確保するためにも、市町村の努力だけで対応するには限界があり、国の財政支援や拡充は欠かせないものとして、国に対し、要請活動をやってきた経緯があります。

　　来年度からの国民健康保険税の均等割の公費による半額補助は、これらの要請に一部応えてくれたものと考えます。

　　一方で、本市の国民健康保険税は、保険者の減少と高齢者の増加、医療費の高度化の影響により、１人当たりの保険給付費が増加してきたことから、令和２年度から３か年の予定で税率の値上げを提示しました。

　　しかし、本年度については、コロナ禍により生活困窮世帯が多く出ているということから、値上げを取りやめ据置きとし、その分、令和５年度まで値上げを先送りしたものです。

　　あわせて、コロナ禍により多くの方が病院の受診を控えたことにより、県への納付金も減っているという情報もあります。

　　これらの情勢の変化によって、本市の国民健康保険の運営が現時点でどういう状況になっているでしょうか。２点お伺いします。

　　１点目は、税率改定後の基金残高の推移はどうなっているでしょうか。令和元年度の税率値上げ時の見通しとの相違についてもお伺いします。

　　２点目は、本市での国民健康保険税額を減額するなど、税率改定の予定はないでしょうか。

　　次に、原油高騰に伴う燃料費等への補助についてお伺いします。

　　世界的なコロナ禍の影響により、昨年春に原油価格が急落したことがありましたが、それ以降の原油価格は右肩上がりで上昇し続けています。特に、今年の４月以降はコロナ前の水準を超え、さらに高値を更新しています。

　　この背景には、各国がコロナの収束に伴い経済活動を再開したこと、産油国の増産への及び腰などが挙げられているようです。

　　そして、この原油高騰は、当然ガソリン、灯油、重油の価格にも即影響してきます。山形県では、県内の灯油価格、18リットル１缶が先月の15日時点で、昨年比で1.5倍の1,886円となり、ほかに削るところのない生活困窮者にとっては、まさに死活問題となっております。

　　一方、農業の分野においても、原油高騰は経営に直接影響を及ぼします。加温施設を利用した農業は、本市においても数多く見受けられ、さくらんぼ、いちご、啓翁桜、花卉等、その経営にも大きく影響していくことが懸念されます。

　　先月、東根市農協が行った農水省の補助事業である施設園芸等燃油価格高騰対策事業、この説明会にも多くの農家が参加したと聞いております。

　　これらの状況を踏まえ、原油高騰に伴い困窮している市民に対し、本市としても援助の手を差し伸べるべきと考えますが、市長のご意見を伺います。

　　１点目は、市が取り組んでいる灯油購入費等助成金、これは生活に困っている方にとっては本当にありがたい事業ですが、今の補助金は１世帯当たり5,000円です。これでは18リットル缶２缶しか買えません。今年のような情勢の場合は、補助金を増額するようなお考えはないでしょうか。

　　２点目は、農業の分野ですが、農水省の補助事業に連携したり、または臨時的な措置としてでもよいのですが、燃油高騰に対する補助制度を市独自で作るお考えはないでしょうか。

　　以上、２項目について登壇での質問とさせていただきます。

○髙橋光男議長　７番植松　宏議員の質問に対し、答弁を求めます。

　　土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　植松　宏議員のご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、本市の国民健康保険税の現状についてであります。税率改定後の財政調整基金残高の推移につきましては、令和元年度末時点の基金残高は１億6,356万円でありましたが、令和２年度は、２億1,448万円となっております。これは、国保税の税率改定による税収の増のほか、一時的な収入の増加要因もあり、基金への積立てを実施することができたためであります。

　　税率改定時の見通しといたしましては、令和２年度は支出超過を想定しておりましたので、良好な状況ではありますが、税率改定以外の要因も影響しておりますので、国保財政が十分に改善したとは言えない状況であります。

　　次に、本市の税率改定の予定についてでありますが、令和２年度から３か年の段階的な改定を見込んでおりましたが、令和３年度は、新型コロナウイルスの影響による経済情勢を踏まえて、改定を１年先送りし、令和４年度、令和５年度の２か年において段階的に税率改定を行い、収支均衡を図ることを目標に変更したところであります。

　　国保財政は、社会保険の適用拡大や団塊の世代の後期高齢者医療制度への移行時期に差しかかったことによる被保険者の減少で、税収は年々減少していくものと見込まれます。

　　一方、医療の高度化の影響で、１人当たりの医療給付費は年々増加しており、山形県に納付する国民健康保険事業費納付金の額に大きく影響しております。

　　そのため、令和４年度以降の税率改定は納付金の確定額や財政調整基金残高、新型コロナウイルスの影響による収入減少などを総合的に鑑みながら、現在慎重に検討を行っております。

　　今後も、被保険者の税負担が急激に増加しないよう努めてまいります。

　　次に、原油高騰に伴う燃料費等への補助についてのご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、灯油購入等助成についてでありますが、所得が低い高齢者のみの世帯や障害のある人のいる世帯等の冬期間における経済負担の軽減を図るため、県の低所得世帯の冬の生活応援事業費補助金を活用し、対象となる世帯に5,000円を交付するものであります。今年度も11月１日から申請の受付を始めており、12月中旬から支給する予定であります。

　　原油価格の高騰は市民生活や産業活動等、社会全体に与える影響が大きく、現在国においては、石油元売会社への補助金制度等の緊急対策を、また、県においても低所得世帯の冬の生活応援事業費補助金の増額を検討しているところであります。

　　灯油購入費等助成の増額につきましては、今後県の動向を注視しながら適切に判断してまいります。

　　次に、農業用燃料費等への補助についてでありますが、本市では加温さくらんぼをはじめとして、様々な施設園芸が行われており、多くの施設では内部の温度を調整するために燃料が使用されております。

　　燃料費は、施設園芸の経営を左右する大きな要素となっており、昨年度には、新型コロナウイルスの影響により、加温さくらんぼの販売が落ち込む中で、燃料費を含む経営継続に向けた支援を実施し、また、12月の豪雪の際には、燃料費のかかり増しに係る支援を実施しております。

　　現在の燃油価格の高騰につきましても、施設園芸を営む農業者への影響が懸念されますが、現段階では国の施設園芸等燃油価格高騰対策への加入を推進しております。

　　補助につきましては、今後の燃油価格の変動とともに、国や県の動向を注視しながら研究してまいりますので、ご理解をお願いいたします。

　　いずれにいたしましても、灯油価格の補助等、あるいは、農業用燃料等については、積極的に市の上乗せ、独自に検討をさせていただきたいと思っております。

○髙橋光男議長　会議の途中ですが、ここで午後１時まで休憩します。

　　　午前１１時５１分　休　憩

　　　午後　１時００分　開　議

○髙橋光男議長　ご苦労さまです。午前に引き続き、会議を開きます。

　　７番植松　宏議員。

○７番（植松　宏議員）　市長、先ほどはご答弁をありがとうございました。

　　特に、原油高騰対策につきましては、心強いご答弁をいただき感謝を申し上げます。引き続き自席から質問を続けさせていただきます。

　　はじめに、国民健康保険税の現状についてお伺いします。

　　ご答弁いただいた税率改定後の基金残高でありますが、令和元年度末時点の残高が１億6,356万円、令和２年度の基金残高は２億1,448万円ということでした。

　　令和２年度の基金残高については、税率改定時に１億1,273万円と予測していたわけですから、実際の基金残高が当初見込みの倍近い額になっているということになります。

　　この原因としては、市長答弁の中でも一時的な収入の増加要因もあったというご答弁もありましたが、やはり税率を上げたことが一番の要因と私は考えます。

　　その上で、令和４年度以降の税率改定に当たっては、納付金の確定額、基金残高、国保税収、これらを勘案しながら、慎重に検討していくというご答弁でした。

　　もう一度、改めて質問いたしますが、国保税を減額するというお考えはないのでしょうか。お伺いします。

○髙橋光男議長　半田市民生活部長。

○半田　薫市民生活部長　お答えいたします。国保財政は、被保険者の減少に伴う税収の減少と、医療費の増加による国民健康保険事業納付金の高止まりによって、収支バランスが不安定な現状となっており、財政の均衡化が必要な状況であります。

　　令和２年度から３か年で段階的に行う予定をしていた税率改正も先延ばしとなり、現段階で保険税率の減額改定は難しい状況と考えます。

　　保険税率の減額改定により、財源不足が生じた場合は、国保以外の市の財源から補填することになりますが、国が定めた基準に基づくもの以外、一般財源からの補填は認められておらず、基金の取崩しによる対応が必要となります。よろしくお願いいたします。

○髙橋光男議長　７番植松　宏議員。

○７番（植松　宏議員）　現段階では、国保税の減額は難しいという内容のご答弁でした。

　　現に財政調整基金の残高が当初見通しの倍近い額になっているということですから、不足が予想されるときだけ敏感に反応して税率を上げるということだけでなくて、予想以上の収入があった場合は、逆に税率を下げる、減額するという柔軟な対応もあってよいのではないかと思っております。これについては、引き続き注目していくということですので、私もこれからも注目をしていきたいと思っております。

　　先ほどの答弁の中で、医療給付が今より減少していけば県への納付金も減少し、保険税率を下げることも可能になるというお話もあったわけなんですが、これについては、市として何か具体的な対策なんかは考えているんでしょうか。

○髙橋光男議長　半田市民生活部長。

○半田　薫市民生活部長　国保の被保険者の負担軽減のためには、医療費を増やさないということです。これは、病院への受診を制限するということではなく、健康寿命を延ばすことにより、医療費の減少につなげていくということでございます。

　　その方法として、例えば、フレイル予防やロコモティブシンドローム対策などが挙げられます。また、重複受診や多剤処方などに対する注意喚起や抑止、ジェネリック医薬品の積極的な活用は医療費の抑制に直接結びつきます。

　　このような対策を講じながら、市民一人一人が健康を意識し、元気な身体をつくることも医療費を減らす方法の１つであると考えます。

　　市としても、市報やパンフレットなどを活用し、さらなる意識向上に努めてまいります。

○髙橋光男議長　７番植松　宏議員。

○７番（植松　宏議員）　ありがとうございます。概要としては、分かりました。了解しました。

　　ただ、健康寿命を延ばすと。その充実を図るといっても、なかなか高齢者にとっては難しい取組かなという思いもあります。ただ、地域ごとに集会所などを使って、楽しみながら運動をやるということは本当に実施可能なのかなという思いもあります。

　　市の方でもどんどん企画とか、そういった宣伝をしていただいて取り組んでいただければなと思いました。

　　あと、ジェネリック医薬品、これの積極的活用も医療費の低下につながるということなんですが、よくテレビのコマーシャルなんかでも取り上げられているようです。自分でも保険証の表にジェネリック医薬品を希望しますというシールも貼っているわけなんですが、おくすり手帳にも貼っております。実質、効果も変わらず、医療費の減額につながるのであれば、これらもどんどん進めていっていただければなという思いもあります。こちらについても、まだまだ知らない市民も多いかと思いますので、今後とも、市報等でもどんどんＰＲしていただきたいと思います。

　　いずれにしろ、来年度から国保税の均等割に半分が公費で補助されるということですから、大きな前進と捉えているところです。

　　前の一般質問でお聞きしたところ、本市の18歳以下の均等割額は平均で１人２万9,900円というお話でした。大体３万円として、来年度からは未就学児までは、そのうち半分が公費負担になるということですから、該当する家庭では非常にありがたいと思います。引き続き、国保税の負担軽減に向けて、私も勉強していきたいと考えております。

　　続きまして、原油高騰に伴う燃料費等の補助に移ります。

　　まず、本市が取り組んでいる灯油購入費等助成金、この増額については、今後国や県の動きを見ながら適切に判断するといった趣旨のご答弁でした。前向きに判断してくれるという助言もいただいております。

　　県においても、低所得世帯の冬の生活応援事業費補助金、この増額を検討しているという動きもあるようなので、早期に実現されることを望みます。

　　ちなみに、長井市においては、この助成事業に長井市独自で5,000円を上乗せして、合計１世帯当たり１万円とする補正予算案が今回の議会で審議されているという情報もありました。財源は、総務省の特別交付金だそうです。是非、本市でも取り組んでいただきたく、情報提供いたします。

　　さて、その本市の灯油購入費等助成金について改めてお伺いしますが、本市では、11月１日号の市報に受付案内の記事が載っておりました。その記事の中に、生活保護世帯はこの助成の対象外と記載されております。本来、生活困窮者のための措置ですから、こちらの方は助成の対象としてもよいのではないかと思った次第ですが、いかがでしょうか。

○髙橋光男議長　鈴木健康福祉部長。

○鈴木敬一健康福祉部長　お答えいたします。

　　県が平成25年度から実施している低所得世帯の冬の生活応援事業費補助金につきましては、生活保護世帯を対象外としているところであります。

　　これは、生活保護世帯には、世帯の人員に応じて10月から４月までの７か月間、灯油代を含めた冬の生活費として冬季加算を支給しているため、対象外としているとのことであります。

　　冬季加算につきましては一人世帯で9,030円、二人世帯で１万2,820円と、世帯の人員が増えるごとに、増えていく仕組みとなっております。

　　本市におきましても、県補助の対象者の設定を踏まえ、また、ほかの自治体と足並みをそろえて生活保護世帯を対象外としているところであります。

　　生活保護世帯の取扱いにつきましては、今後、生活保護受給者の生活状況等の実態把握に努め、原油価格の高騰対策や生活困窮者対策など、国、県の動向を見ながら対応してまいりますので、ご理解をお願いいたします。

○髙橋光男議長　７番植松　宏議員。

○７番（植松　宏議員）　どうもありがとうございます。

　　生活保護世帯には、冬期間、別途冬の生活費として加算金があるということのようですので、内容理解いたしました。

　　ただ、今後、灯油の価格の上昇等見ながら、実態把握に努めるということですので、よろしくお願いしたいと思います。

　　続いて、農業分野の方に移りたいと思います。

　　市長の答弁にもありましたように、これまでも昨年のコロナ禍による加温さくらんぼの販売不振に対する支援や豪雪の際の補助、いろいろご援助いただきました。私も農家の１人として感謝申し上げたいと思います。

　　果樹王国ひがしね、中でも、さくらんぼは本市の看板商品です。少し古いデータになりますけれども、県が出している施設園芸、省エネルギー化技術指針、平成26年版ですが、これによりますと、さくらんぼの普通加温栽培、これは５月の母の日を目途に収穫する作型のようです。

　　この作型を見た場合、その年の気温によっても変わってくるんでしょうが、１月中旬頃から加温をスタートするという内容です。この場合、総収入額に占める燃料費の割合は、約20％。当時のお金ですが、10ａ辺りで50万円強の燃料費となっているようでした。やはりこれは、かなり大きいウエイトを占めております。

　　ほかにも、この指針には、早期加温、短期加温、これらの指針も載っておりまして、当然、加温時期が早まれば早まるほど燃料費がかさむということになっております。

　　市内には、さくらんぼのほかにもいちごや花つくりといった園芸施設も見られますが、この度の原油高騰によって影響を受けるとみられる園芸施設農家というのは、どのくらいの数になるのでしょうか。

　　その経営の作型等も含めてご答弁お願いします。

○髙橋光男議長　石垣経済部長。

○石垣有一経済部長　お答えいたします。

　　本市における施設園芸といたしましては、さくらんぼが最も多く、それが加温、短期加温、無加温の施設栽培が行われているところでございます。

　　基本的には、この全ての施設におきまして、灯油や重油を燃料として使用されており、現在、約70人の農業者が栽培を行っておると把握しております。

　　また、このほか、いちご、花卉・花木の施設栽培におきまして燃油が使用されており、約10人の農業者が栽培を行っているところでございます。

　　しがたいまして、今般の燃油価格高騰におきましては、合わせて約80人がその農業経営に影響を受けるものとして捉えているところでございます。

　　よろしくお願いいたします。

○髙橋光男議長　７番植松　宏議員。

○７番（植松　宏議員）　ありがとうございます。

　　80人の農家が影響を受けるのではないかというご答弁でした。その人数そのものより、80人の方というのは恐らく本市の中核的な農家が多いのかなと思います。

　　今後の東根の農業を支えていく農家を守るためにも、今後の原油価格の値動きに目を配っていただきたいと思った次第です。

　　先ほどの答弁の中でも、農水省が今進めている施設園芸等燃油価格高騰対策事業、これについては、市としても加入促進に努めたいというご答弁でした。

　　この事業に対する本市の農家の参加状況などは把握されているのでしょうか。

○髙橋光男議長　石垣経済部長。

○石垣有一経済部長　この事業につきましては、国と農業者が１対１の負担割合でその資金を積み立てまして、燃油価格が一定の基準を上回った場合に、その差額に燃油の数量を乗じた補填金が積立金から支払われるといった内容になっております。

　　いくつかの加入要件はございますが、発動がなかった場合には、積み立てた資金が還付されるなどメリットのある制度となっております。

　　こちらの事業につきましては、現在、国において三次公募が行われているところであり、本県においては、12月10日が申請期限となっております。

　　11月30日現在の本市の参加状況といたしましては、１団体１法人の２件が申請されておりまして、この内訳としましては、農業者単位で32人が申請しているところであります。そのほとんどがさくらんぼ農家であり、さくらんぼ以外ではいちご農家が１件、申請があるところでございます。

　　よろしくお願いします。

○髙橋光男議長　７番植松　宏議員。

○７番（植松　宏議員）　ありがとうございます。

　　トータルで32人の参加ということのようであります。引き続き農協とタイアップして、事業への参加を進めていただきたいなと思います。

　　私もこの事業のパンフレットを取り寄せてみて、見てきたんですが、この事業への参加要件としてハウスの二重カーテンをやることとか、ヒートポンプなども使用すること、あとは低温性、低温適応性品種への切替えなどの省エネルギーへの取組、これらも目標に入っておりまして、トータルで30％の省エネ計画を作成することが加入の条件となっておるようでした。

　　ですから、本市が進めているゼロカーボンシティの趣旨にも合致した事業なのかなと思っております。是非市としても事業への参加を進めていただきたいと思います。

　　いずれにしても、最近は原油価格も落ち着くのではないかというニュースもあり、不確定要素もあるわけですが、灯油購入費と助成金、農業用燃料費への助成とも今後の動向を見ながら温かい援助の手を差し伸べていただきたいと考えます。

　　以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございました。

○髙橋光男議長　以上で、ご了承願います。

　　◎浅野目幸一議員質問

○髙橋光男議長　次に、14番浅野目幸一議員。

　　　〔14番　浅野目幸一議員　登壇〕

○14番（浅野目幸一議員）　14番浅野目幸一です。

　　外来生物と生物多様性について一般質問をいたします。

　　外来種、外来生物とは、例えばブラックバスのように、もともとその地域にいなかったのに、人間の活動によって他の地域から入ってきた生物のことを指します。

　　ＮＰＯ活動で河川清掃をやっているときに、オオキンケイギクに出会いました。私はそれまで、それが外来種であることを知らず、キバナコスモスのような、オレンジ色の群生を大変きれいな花だと感動しておりました。

　　今年６月12日故郷の川、白水川での出来事であります。

　　コスモスとの違いは、皆様にお配りしました資料のとおりでございます。

　　その後、オオキンケイギクは、法律によって持って帰って植えると多額の罰金が科せられることを知りました。危うく持って帰るところでございます。

　　さて、議長のお許しをいただきましたので、先に通告しております（１）外来種対策と生物多様性の保全について、（２）外来生物が生態系に及ぼす影響について、（３）希少動植物の生育環境についての３項目について質問いたします。

　　最初に、オオキンケイギクは北アメリカを原産とするキク科の植物です。強靭でよく生育することから、観賞用、緑化用として日本に導入されました。

　　しかし、あまりにも強く、一度定着すると在来野草生育場所を奪い、周囲の環境を一変させてしまうため、平成18年に外来種特殊外来生物法に基づく特定外来生物に指定され、生きたままの運搬や栽培、譲渡などが原則として禁止されたものであります。

　　前段でお話しした出来事は、東根市内でも大規模な生息が確認できたということをお示ししたものでございます。

　　そこで、１点目、外来種対策と生物多様性の保全への取組を伺います。外来種の侵入による生態系への悪影響が懸念されます。

　　市内に残る豊かな自然環境を守り、それを次世代へと引き継ぐために、市は生物多様性の保全にしっかりと取り組んでいただきたいと思っております。対策と保全へのお考えを伺うものでございます。

　　２点目は、これまで大けやき環境基本計画における外来生物、すなわち外来種対策をどのように行ってきたか伺います。また、次期基本計画見直しに係る外来種対策の進捗状況と併せてお伺いいたします。

　　３点目は、外来生物が生態系に及ぼす影響について伺います。外来種が日本で繁殖して競争に負けた在来種が絶滅してしまったり、外来種と起源の在来種が交雑して在来種の独自性が失われてしまったりする、いわゆる外来種問題であります。生態系に及ぼす影響についていかがお考えか、伺います。

　　４点目です。先の環境シンポジウムｉｎひがしねでは、国谷裕子さんの基調講演の中で生物多様性は急速に失われ、全く経験したことのない未知の世界に入り、後戻りのできないティッピングポイントに入る。ティッピングポイントとは、それを超えると急激に生態系の状態が変化し、別の並行点に至るということであります。

　　ティッピングポイントに入る分野として、特に生物多様性の危機は世界的に大幅に進行しているとのことでありました。対策を取らない限り、絶滅スピードはどんどん加速していき、人間の存続にも影響を与えるというお話には、大変大きな衝撃を受けました。

　　そこで、４点目は、生物の多様性が失われつつあることに対して、人々の認知を広めることが重要と考えます。市民にどう周知されるか伺います。

　　５点目は、希少動植物の生育環境についてです。カーボンニュートラルに向け、森林の存在は大きく、森林緑化はＣＯ₂排出量の削減や動植物の生息しやすい環境に貢献していると考えております。

　　環境保全、生育環境の改善につながる森林緑化について、また、カーボンニュートラル達成には、森林等による吸収量を少しでも増やさなければなりません。既に樹齢が伐採期に達しておりますし、若い木ほど二酸化炭素の吸収量が大きいのであります。本市で行われている森林伐採、植林や植樹の現状を伺います。

　　くわえて、松くい虫などの線虫、マツノザイセンチュウは、樹木の伐採によらずとも森林を破壊します。線虫は、アメリカから輸入された木材とともに、長崎県に上陸したものと考えられており、日本の侵略的外来種ワースト100に入ります。松くい虫の立ち枯れ状況も併せてお願いいたします。

　　さて、大富地区に生息するイバラトミヨがカクレトミヨと正式に命名されたことを新聞報道により知りました。この命名の影にある、地域の方々の地道で継続的な生息地の保全活動に感謝するとともに、敬意を表すものであります。この活動がなければ今回の命名はなかったのかもしれません。

　　また、守らねばならない樹木もございます。国指定特別天然記念物の東根の大けやき、県指定史跡名勝天然記念物の大滝の大桂、市指定史跡天然記念物の泉郷春日神社のもみの木、猪野沢の柊をはじめ、東根市は天然の自然環境に恵まれたまちであります。

　　しかし、そんな中でも守らなければならない外来種も多いはずです。外来種の立場に立ってみると、ただ一生懸命生きているだけで、悪いことをしようなんていう意図は全くないわけです。

　　外来種は悪と決めつけるものではありません。環境が激変する現代は、人新世に突入したと言われ、人類が地球上の隅々まで入り込み、自然破壊を進め、その自らの生存が脅かされる年代に入りました。

　　悪者ではないのに駆除しなければならない、そんな外来種、外来生物なのでございます。

　　以上を登壇での質問といたします。

○髙橋光男議長　14番浅野目幸一議員の質問に対し、答弁を求めます。

　　土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　浅野目幸一議員の外来生物と生物多様性についてのご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、外来種対策と生物多様性の保全についてでありますが、県が平成27年度に行った外来生物分布調査では、本市においてもオオキンケイギクの生育が確認され、過去に栽培されていたものが放棄されたか、またはそこから拡大したと考えられるような自生状況にあるものが見受けられたとのことであります。

　　植物の外来種に限らず、魚類ではブラックバスやブルーギルなどの生息域の拡大や増殖が本市でも確認され、哺乳類のアライグマは県内でも確認されております。

　　議員ご指摘のとおり、外来種の侵入や持込みによる在来種の減少が心配され、本市の動植物の生態系が脅かされています。

　　その状況の把握や保護活動を進めていくことが必要でありますが、対象となる外来種が多いことや対象地域が広いことから、本市行政のみで解消することは難しく、行政間の広域的な取組や市民、民間事業者などの多様な団体との連携や協働が必要と捉えているところであります。

　　大けやき環境基本計画における外来生物対策としては、生物多様性の保全活動を主に行っており、絶滅の恐れのある種であるイバラトミヨ、東根市イバラトミヨ生息地保存連絡協議会と連携して、小見川での生態系の保全活動を進めております。

　　また、里地、里山の多様な生態系は農作物の生産や森林整備により保全されてきましたが、産業構造の変化や人口減少等により、人の手による保存がされにくく、森林の荒廃等も見受けられます。緑の少年団活動や企業参加型のやまがた絆の森活動などを通じて、自然との触れ合い体験活動や森林の保全活動に努めております。

　　次期環境基本計画は、令和５年度から10年間を計画期間とするものであり、計画策定に当たっては、外来生物の問題についても引き続き取り上げ、現状の把握と課題の抽出を行うとともに、特に生態系に影響の大きい外来種の対策については、国や県に準じた取組となるよう、努めております。

　　次に、外来生物が生態系に及ぼす影響についてでありますが、生態系は長い年月をかけて、環境や気象条件などに適合するものは生存を続け、そうでないものは自然に滅びてしまいます。

　　在来生物の多くは、外来生物により淘汰される傾向にあり、生態系への影響が懸念され、外来生物の侵入によって、生態系のみならず農業分野にまで悪影響を及ぼす場合が考えられます。

　　オオキンケイギクやブラックバスのような外来種問題を多くの市民に知っていただき、防除活動につなげられるよう、時機を捉えて市報等での周知、及び普及啓発に努めてまいります。

　　次に、希少動植物の生育環境についてでありますが、希少動植物を保護していくためには、その生育環境の保護が重要であると考えております。

　　本市の状況について申し上げますと、森林伐採につきましては、現在は、主に県事業による間伐が行われているところであります。この間伐が行われることで森林は健全に成長し、より環境に貢献することができます。

　　対象の森林は、過去に植林された杉などでありますが、間伐を行うべき森林は未だ多く残されているため、現在のところ新たな植林は行われておりません。

　　松くい虫につきましては、県の森林病害虫被害状況調査結果によりますと、平成23年度の本市民有林における被害量は、被害木の体積換算で770㎥であります。その後、防除事業の効果等により被害が減少し、近年は小康状態にあり、令和２年度では87㎥となっておりますので、ご理解をお願いいたします。

○髙橋光男議長　14番浅野目幸一議員。

○14番（浅野目幸一議員）　はい、ありがとうございました。自席から質問を続けます。

　　自席からは、３点お願いいたします。

　　まず１点目、この次期環境基本計画の策定に当たりましては、環境の保全に関し、どのように民意を反映するおつもりか、まずはお伺いいたします。

○髙橋光男議長　半田市民生活部長。

○半田　薫市民生活部長　お答えいたします。

　　地域における環境の保全に関し、基本的な事項を調査審議いただくため、条例に基づき８名の環境審議会委員を委嘱しております。

　　環境基本計画策定時に委員の皆様よりご意見を伺い、民意を反映していくこととしておりますので、ご理解願います。

○髙橋光男議長　14番浅野目幸一議員。

○14番（浅野目幸一議員）　はい、分かりました。

　　条例に基づき委嘱した委員より意見を聞き、計画に反映しているとのことについては理解いたしました。しかし、若い年代の方々からの意見を反映しているとは言い切れるのでしょうか。

　　私は登壇で、外来種に対して悪者ではないのに駆除しなければならないと結びましたが、例えば、このことについて10代世代にどう説明するかであります。ただ、駆除は法律で決まっているからでは身も蓋もなく、到底理解は得られないと思います。しからば、全て子どもたちの意見も聞いてみたらどうでしょうか。

　　計画書は未来世代へ、子どもの未来へ向かってどうするのか、市としてどうしたいのかを記するものであると私は考えております。未来を担っていくであろう若い世代の意見を是非聴取していただくことについては、ご検討いただきたく意見を述べ、ここでは要望とさせていただきます。

　　続けて、私の意見を何点か申し上げます。

　　今回のこの質問の発端は、河川清掃ボランティアに参加して、外来種の発見に結びついたものであります。聞くところによると、二中の生徒さんもごみ拾いや掃除、あるいは除草などを行っているようでございます。

　　その子どもたちも植魚や稚魚の放流、あるいは生態調査、外来種の駆除などを行う、そういった自然体験や環境学習などから感動したり驚いたりする中で、多くの気付きがあると思います。

　　近年、世界的にマイクロプラスチックが生態系に与える影響も明らかになってきました。海洋の生態系汚染については、子どもたちの間でも話題になっているところであります。インドネシアの「バイバイ・プラスチックバッグ」運動など、10代世代の影響力は少なからずあると思います。

　　未来を生きる若者にとって、環境問題は切実なものであると思います。

　　さきに行われたＣＯＰ26においては、子どもたちのデモが国内でもありました。その声はもはや大人にとって無視できないものになっております。

　　私は、変化をもたらすために、15歳のストライキ、それは未熟過ぎることはないと考えます。このことから、若い年代の意見も含めて政策に反映するには、どうすべきかを私は考えるものです。

　　グレタ世代と申しますか、今巻き起こっている10代世代の影響力については私の感想を申し上げ、意見とさせていただきます。

　　次に、現在の大けやき環境基本計画では、施策の展開方向として、希少な野生動植物の保護等において、保全遊水地を適切に管理しますとうたってあります。

　　しかしながら、本市の池や沼は小見川の遊水地だけではございません。西楯の薬研掘と中沼、小楯の龍興寺沼、後澗の光専寺沼は大けやきにとっては保水のための貴重の水源地であります。

　　浸水や水循環の健全性が損なわれたとき、生態系への影響は重大であります。水質汚濁、河川流量の減少や枯渇に伴う生態系の変化など、多くの問題が生じてくるものと考えます。

　　大けやきについてもう少し続けさせていただきます。

　　昨年、思い出しますと12月17日、大規模な枝折れが発生しました。今年も大雪が心配されます。適切な対策が講じられますよう、まずはご要望いたしますが、さて、その大けやき、地元紙によると樹医師は樹勢に影響はないとしているようでございますが、自然環境が変化し、生物多様性の劣化が進んでいるこのような中で、私は生息環境の変化に適応できるのか、適応できない事態が起こるのではないかという心配をするものです。

　　繰り返しになりますけれども、この気候変動に対しておかしいぞと、異常に気付いてくれたグレタさんは、大人としての無関心に抗議するため座込みを始めました。15歳の子どもの目線で捉えてその異常さを感じ取ったものであります。

　　東根市立東根小学校には、守らなければならない大けやきがございます。そして、その大けやきのもとで、活発に遊び学ぶ子どもたちがいます。子どもたちの未来も守らねばなりません。そのための環境教育も我々大人の義務だと思います。

　　そこで、ご質問いたします。

　　次世代を担う小中学生の環境に関する学習と取組について、学校でどのような教育を行っているか、お伺いをいたします。

○髙橋光男議長　佐藤教育次長。

○佐藤慎司教育次長　それではお答えをいたします。

　　学習指導要領におきまして、環境教育に関する学習内容が示されておりまして、社会、理科、技術、家庭などを中心に、各学年に沿った環境教育を実施しております。

　　特に中学校の社会、理科では持続可能な社会の形成に関する内容が新設されております。具体的には、小学校４年生の社会では、市の社会副読本も使い、住みよい暮らしをつくるの単元において、暮らしを支える水資源、水源を守るの学習。５年生社会の私たちの生活と環境では、私たちの生活と森林、環境を守る水資源の学習、中学校社会公民では、環境問題について考えよう、持続可能な社会について考えようを学習しております。

　　また、多くの小学校では総合的な学習におきまして、水生生物を使った水質試験、ＬＥＤを使ったランタン制作、炭焼きなど多くの実践的体験的な学習をしております。

　　そのほか、本市の小中学校では平成16年５月より、さくらんぼ環境ＩＳＯのキックオフ宣言を行いまして、全校一斉に環境行動の実行プログラムを開始しております。

　　具体的には、ごみゼロ運動などの美化活動、省エネ、リサイクルの活動のほか、希少生物の飼育観察など多岐にわたる活動を展開しております。

　　また、毎年さくらんぼ環境ＩＳＯ実践交流会を開催いたしまして、各学校の取組を発表し合い、環境意識の向上を図っているところでございます。

　　今年度につきましては、11月26日、新型コロナ感染対策のためオンラインで開催したところでございますので、よろしくお願いいたします。

○髙橋光男議長　14番浅野目幸一議員。

○14番（浅野目幸一議員）　水資源を守る、これは日本で最も重要な教育だと私は思います。水問題の取組につきましては、ＳＤＧｓ目標の６の６のターゲットにもなっております。ありがとうございました。

　　大けやきの下には、大けやきの葉を３枚キャッチすると願いがかなうと教えられて、落ち葉を追いかける子どもたちがたくさんおります。けやきの木を常に観察し、見守っているのはもしかしたら東根小学校の子どもたちかもしれません。

　　これまでお話ししたように、地球温暖化が多様な生態系や野生動植物の生育等に影響を与えることで、固有の生態系が失われていくことが予測されております。

　　地球温暖化への対策については、基本計画に対しどのように位置付けるか、最後に伺います。

○髙橋光男議長　半田市民生活部長。

○半田　薫市民生活部長　お答えいたします。

　　環境基本計画は、環境分野の総合的な計画であることから、温暖化対策の基本的な事項について、市の考えや行動を記載すると考えております。

　　なお、地球温暖化対策に係る詳細な事項につきましては、環境基本計画と同時期に策定を予定しております、地球温暖化対策実行計画、区域施策編に位置付ける予定としておりますので、よろしくお願いいたします。

○髙橋光男議長　14番浅野目幸一議員。

○14番（浅野目幸一議員）　ありがとうございます。

　　気がつけば錦鯉などの鯉も外来種です。コスモスも外来種です。秋桜と書けば日本の花のようですけれども、キバナコスモスも外来種です。いつの間にかこの東根市に同居しております。

　　気付きは重要であり、計画の基本的な点で今までどおりとはいかない部分もあるかと思いますので、よろしくお願いいたします。

　　また、深刻化する地球温暖化も長期的には生物多様性に影響を及ぼす可能性が非常に高いと考えられます。是非実行計画に織り込んでいただきたく要望いたします。

　　最後です。この豊かですばらしい自然を後世につないでいくことは、今を生きる私たちの使命でございます。環境先進都市としての東根市、リーダーシップとより一層の取組に期待して、外来生物と生物多様性についての一般質問を終わります。

　　以上です。ありがとうございました。

○髙橋光男議長　以上で、ご了承願います。

　　◎元木十四男議員質問

○髙橋光男議長　次に、４番元木十四男議員。

　　　〔４番　元木十四男議員　登壇〕

○４番（元木十四男議員）　４番元木十四男でございます。通告に従いまして、２つの大項目について質問をさせていただきます。

　　はじめに、関係人口の創出・拡大の取組を通じた地方創生の推進についてであります。

　　2014年に政府が初めて定めた「まち・ひと・しごと創生総合戦略」では、東京圏から地方への人口移動を目標として掲げ、これはあくまで移住・定住を目指したものでありました。

　　しかしながら、第１期総合戦略が目指した東京圏から地方への人口移動は思うようには進まず、むしろコロナ禍までは東京圏一極集中が加速化している状況であることから、この事実を踏まえ、2019年に策定された第２期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」では、第１期総合戦略で掲げてきた地方への移住・定住の促進に加えて、地方とのつながりを築き、地方への新しい人の流れをつくるを基本目標に掲げており、地方との関わりの多様性を重視することとなったようであります。

　　人口減少や少子高齢化が進む地域の活力を維持するために、関係人口を増やす取組が活発化しております。居住拠点をほかに定めていながら、直接的、間接的に多様な形で地域に関わる関係人口は、全国に1,800万人存在するとされております。

　　国土交通省も懇談会での議論を重ねるなど、関係人口の拡大、進化の道筋を探っています。全６回に及んだライフスタイルの多様化と関係人口に関する懇談会を終えた後の国土交通省の政策局長が、「今後関係人口はいろいろな政策の柱の１つになると思っている」と関係人口の重要性を強調されました。

　　実際に、各省庁では関連する多くの取組が動いています。総務省は2018年にまとめた「これからの移住・定住に関する研究会」報告書で関係人口の重要性を指摘、2018年度予算では、関係人口創出事業のために２億5,000万円を割き、2019年度には５億1,000万円、2020年度２億4,000万、そして今年は6,000万円の予算をつくっております。

　　内閣府は、地方創生推進の一環として、関係人口創出拡大のための滞留促進事業として、2020年度１億円、今年度１億6,000万円を予算化し、民間事業者等による都市住民と地域のマッチング支援等に関する提案型モデル事業を実施するなど、具体的な取組を始めております。

　　総務省のモデル事業として、関係人口創出拡大事業が実施されております。新たな地方創生の方策として注目を集めているのが、関係人口という考え方であり、日本創成会議のレポートにて、人口減による自治体消滅の可能性が指摘され、国が雇用創出や子育て支援等の地方創生政策を進めているにもかかわらず、地方分権や移住・定住推進は停滞し、残念ながら地方への人口分散は進んでいない状況にあります。

　　全国の地方自治体が移住・定住に力を入れておりますが、どこかの定住人口が増えれば、結果、どこかが減ることになる。そんなゼロサムゲームではなく地域を元気にできる第三の人口であります。

　　関係人口とは、移住に至らないまでも、地域のファンとしてその地域の魅力を発信してくれる人、長期的な移住した定住人口でもなく短期的な観光に来た交流人口でもない、地域や地域の人々と対応に関わる方のことを言っております。観光以上定住未満とよく言われています。

　　また、関係人口には観光地への訪問をきっかけに段階的に移住に至る人々もいれば、移住をしなくても物産品の購入やふるさと納税、地域に積極的に関心を持ち続け、貢献しようとする方々も多くおられるものだと思います。

　　地方創生のゴールは、首都圏と地方の人口格差を是正し、共倒れスパイラルを止めるということであります。その１つの手法として関係人口という新たな概念を使い、そのゴールへの戦略を練り直すということであります。

　　関係人口の定義については、総務省の関係人口ポータルサイトに明記されています。関係人口という言葉だけを耳にすると、少しでも関係のある人というイメージが湧きやすいと思います。実はそうではありません。

　　少しでも関係のある人、つまり関係があっても薄い人は交流人口という別のカテゴリーに定義されるからです。その地域に触れたことのある人、いわゆる一見さんはこの交流人口に当たります。つまり、関係人口というものは、関係が強い人という意味です。

　　しかも、その強さはかなりの強さです。もともとの出身者や縁戚者、何かしら仕事で関わる機会がある人、観光リピーターを含め、何度も通い詰めたことがある人など、相当な関わりが既にある人のことを指しています。

　　関係人口という言葉だけだと、ここまでの強い関係が想像しづらいというのが誤解の元になっている気がします。そもそも関係という言葉だけでは、その関係性の強さが表現できません。

　　楽しくて何度も来てしまうリピーター、忘れられない人やことが思い出の「第二の故郷」、いつか戻りたいと熱望する出身者、子どもの頃通った懐かしい祖父母の故郷、この表現の方が分かりやすくなるのではないでしょうか。つまり、関係人口は熱烈なファンということであります。

　　本市では、第５次東根市総合計画基本構想の主要指標、目指す将来の姿の中に、にぎわい指数として関係人口を設定すると掲げられています。

　　また、基本計画第３章、力強く魅力いっぱいの産業と交流のまちの地域の特色を生かした交流の推進に、ふるさと納税を活用した東根ファンの獲得と関係人口の拡大、また、関係人口の創出に向けたイベントやプロモーションの活動の強化と記されております。

　　本年３月の第１回定例会において、先輩議員が関係人口の拡大を目指した新たな地方創生とブランド戦略について質問された際に、市長は「ひがしね祭などのイベント、観光果樹園よってけポポラなどの観光施設、あそびあランド、タントクルセンターなどの本市ならではの施設への誘客。そして、選ばれる自治体として発展し続けられるよう地方創生の実現に努める」と答弁されました。私はさらに深く進化し、前に推し進め深化することが重要であると考えます。

　　国土交通省は、関係人口が地域と関わるきっかけとなる余白ともいえる「関わりしろ」が重要であり、多種多様な関係人口の存在が地域住民及び他の関係人口を誘発し、地域づくりへの直接的な関与を促進することを確認し、また、地域の無関心層が多数存在することから、地域に対する興味を増進させる取組が重要であるということを確認されました。

　　関係人口の多様性を理解し、地域の実情に応じた関係人口と地域の連携、協働の在り方を模索することなどの重要性が明らかになりました。「関わりしろ」との遭遇を計画的に生み出すことにつながる関係人口と地域の人とのつながりのサポートについては、関係案内人等の人、関係案内所等の場、イベントなどの仕組みが重要であると思います。

　　関係人口の創出・拡大のカギは、中間支援組織、これはコーディネーターであるとか、関係案内人、あるいはプロデューサー、ＮＰＯなどが握っていると考えます。本市として、この中間組織の立ち上げや支援をどう捉えているのか、伺います。

　　次に、新型コロナウイルスワクチン接種について伺います。

　　昨年３月31日、山形県で最初の新型コロナウイルス感染者が確認され、本市においては昨年の12月９日、ちょうど１年前になりますが、新型コロナウイルス感染者が確認されました。当時、第３波と言われ、感染者が増加傾向にある中でありました。

　　その後もゴールデンウイーク辺りから第４波、そして、最も大きかった夏休みからお盆にかけての第５波では、８月20日には全国の１日当たりの新規感染者が過去最高の２万5,866人を記録、東京都では、８月13日には5,773人が感染するなど、医療機関の危機的状況、医療体制の逼迫、医療崩壊などと連日のようにメディアで報道されました。

　　しかし、この間にはワクチン接種も進んでおり、９月に入って急激に減少しました。ワクチンについては、複数の調査で高い効果が示唆されており、厚生労働省の専門家組織で示された推計では、ワクチン接種で３月から９月に感染を抑えられたのは約65万人で、7,200人の死亡が回避されたとされています。第５波では、感染者の多くはワクチン接種が進んでいない、比較的若い年代等であったことからも、その有効性は高いものだと捉えております。

　　それでは、今年の春から始まった本市の新型コロナウイルスワクチンの接種状況やこれまでの取組における課題について、お伺いいたします。

　　２つ目として、これから12歳の誕生日を迎える小学生や、これまで接種できずにこれから接種を希望する方への対応についてお伺いいたします。

　　先週11月28日には、非常に感染力の強い新種の変異株、オミクロン株が国内でも確認されました。

　　３問目として、２回目の接種を完了した方を対象とする３回目の接種の進め方についてお伺いして、登壇での質問といたします。

○髙橋光男議長　４番元木十四男議員の質問に対し、答弁を求めます。

　　土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　元木十四男議員のご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、関係人口の創出・拡大の取組を通じた地方創生の推進についてであります。

　　関係人口の拡大に向けた取組といたしまして、本市ではにぎわい度や人と人、地域との関わり度を表す新たな指標としてにぎわい指数、いわゆる関係人口を第５次総合計画の主要指標に位置付け、その拡大に向けた取組を進めております。関係人口を拡大していくためには、本市に興味関心を持ってもらい、多様な形で継続的な関わりをつなぎながら深めていくことが重要となります。

　　ふるさと納税では、毎年全国から多額の寄付をいただいておりますが、本市のまちづくりや特産品などに関心を寄せ、数ある自治体の中から選んでいただいた出会いを大切にし、本市の情報を提供したり、返礼品の生産者応援メッセージを寄せてもらうなど、本市との関わりを継続してもらえるよう働きかけを行っております。

　　また、さくらんぼマラソン大会では、市民と一体となったおもてなしや、このコロナ禍においてもオンラインマラソン大会を開催するなど、東根ファンやリピーターの囲い込みや拡大を図っております。

　　さらに、本市出身者からなる「東京東根会」「仙台さくらんぼ東根会」などを通して、故郷である本市との絆を深めていただく活動やトップセールス、物販など生産物を介した新たな触れ合いづくりなど、関係人口の拡大、進化に向けた様々な取組を行っております。

　　このように行政だけでなく、関係団体と連携しながら様々な機会を通して、魅力や情報の発信などを行い、「関わりしろ」を掘り起こすことで、多くの方が本市に関心を寄せ、関わっていただくきっかけとなるよう努めているところであります。

　　次に、中間支援組織についてでありますが、関係人口拡大に向けた取組により、生み出された関わりについては温め、深めていくことで、本市を訪れてみたい、いつかは住んでみたい、地域と直接関わりを応援していきたいとの思いにつなげ、地方への新しい流れを創出していくことが地方創生につながるものと捉えております。

　　そのため、観光面であれば観光物産協会や観光関連事業者等が、移住定住であれば市の窓口等が中心となり、各種事業の実施や新たな事業の創出などを通して、こうした方々の思いやニーズに応えるべく様々な支援を行っております。

　　一方、地域との関わりを深めていくためには、地域のニーズを掘り起こし、関係人口となる方々の思いをつなぎながら、実情に即した関係性を構築するなど、丁寧な対応が求められます。そのため、従来からの部門ごとの縦割り的な関わりにとどまらず、一体的、総合的に関わり、取り組む必要があります。

　　全国的には、民間事業者やＮＰＯなどが、地域と関係人口がスムーズにつながれるように中間支援的な役割を担い、関係人口の拡大、進化に取り組む事例も出てきており、国においては、そのような活動に対する支援を行うモデル事業などにも取り組んでいることから、先進事例などについて情報を収集し、中間支援の在り方などについて研究してまいります。

　　次に、新型コロナウイルスワクチン接種についてのご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、本市におけるワクチンの接種状況についてでありますが、今年の３月下旬から、医療従事者、高齢者、基礎疾患のある方と国が示す優先順位に基づき、接種を推進してまいりました。

　　接種体制につきましては、市内の各医療機関での個別接種とさくらんぼタントクルセンターを会場とする集団接種を行い、市民の利便性や接種機会の向上に努めたところであります。

　　さらには、本市独自に児童福祉施設等の従事者や教育関係者、妊婦及びその家族、受験生を対象とした優先接種を行ったところであります。

　　その結果、11月30日時点における２回目の接種完了者は３万8,451名、12歳以上の接種対象者の接種率は89.7％となったところであります。

　　通常の診療がある中で、ワクチン接種にご尽力をいただきました東根市医師会をはじめ、医療従事者の皆様方に改めて感謝を申し上げます。

　　これまでの取組の課題といたしましては、特に７月以降はワクチンの供給が非常に不安定であったため、予約数を制限せざるを得なくなったことが挙げられます。そのほかにも電話予約の集中による混乱、集団接種の運営に係る看護師等の確保、接種当日のキャンセルへの対応など、様々な問題がありましたが、試行錯誤しながら希望する市民への接種を完了することができました。

　　次に、新たに12歳を迎える児童やこれからワクチン接種を希望する方、２回目の接種をしていない方などへの対応についてでありますが、現在、コールセンターで一括して予約の受付を行い、市内の各医療機関における個別接種を実施しております。

　　次に、３回目接種の進め方についてでありますが、国が示す対象者は２回目の接種から原則８か月を経過した18歳以上の方であり、この12月に接種時期を迎える医療従事者等については、既に接種券を発送しており、こうした方々は、主に勤務先の医療機関で接種を受けることになります。

　　今後も接種可能な時期が近づいた方に順次接種券を発送し、これまでと同様に個別接種と集団接種を実施する予定であります。

　　具体的な運営方法につきましては、医師会と調整中でありますが、これまでの課題を検証し安心して接種を受けていただけるよう、よりよい方法を検討してまいりますので、ご理解をお願いいたします。

○髙橋光男議長　４番元木十四男議員。

○４番（元木十四男議員）　丁寧なご答弁ありがとうございました。

　　ここからは、自席にて質問をしてまいります。

　　先進事例として、富山県の南砺市が取り組んでいる南砺市応援市民について少し紹介をしたいと思います。

　　南砺市には住んではいないけれども、南砺市のことが大好きで、南砺市を応援する方が応援市民であります。2020年度末現在、850名を超える登録があるそうであります。

　　応援市民制度には全国から幅広い年代の方が登録しており、特に私が注目したのは、応援市民の居住地の37.1％、約４割近くが首都圏であるということであります。その他、富山市など富山県内の人が23％、近畿圏、中京圏が12％で、応援市民の年齢別では20代、30代がそれぞれ16％強、40代、50代が18％強ということで実に７割が50歳代以下という、非常に若い年代の登録が多いのも特徴だと思っております。

　　応援活動の内容は、南砺市のＰＲ、地域産品の購入、ふるさと納税、実際に地域に入っての活動など、各自で自由に決めることができるものであります。

　　地域に入っての活動とは、新しい時代の地域商社マンローカル・プロデューサーや、アウトドアガレージブランド起業家、新しい時代の古物商、アンティークバイヤーなど副業や企業スキルを活用した地域活動や観光イベントの参加での応援、南砺市に泊まって応援など様々な情報がポータルサイトに満載であります。

　　また、その逆バージョンもあり、市民が応援市民にやってもらいたいことや手伝ってもらいたいことなどを募集しているというのも特色かと思っております。

　　人口減少や高齢化によって担い手が不足している地方に関係人口が増えることで、新たな事業の創出など、地域づくりの変化がもたらされることが期待されます。

　　まさに、南砺市の取組は関係人口の創出・拡大に資するものだと思います。本市においてもこのような、例えばさくらんぼ東根応援市民制度のようなものの登録制をすることをご提案いたしますが、いかがでしょうか。

○髙橋光男議長　高橋総務部長。

○高橋重俊総務部長　お答えをいたします。

　　ただ今ご提案いただきました富山県南砺市の応援市民制度でございますが、議員のただ今のご説明にもございましたとおり、応援市民として登録いただいた方に地域産品の購入ですとか、ふるさと納税、あるいは地域に入ってのボランティア活動などにつきまして、無理のない範囲で応援をいただくものでございます。

　　本市におきましては、登録制などといった体系的な取組ではございませんが、各種イベントやホームページ、ＳＮＳなどを通し、本市の魅力や情報を発信し、本市産品の購入やふるさと納税制度を活用した応援などについてつなげておるところでございます。

　　応援市民制度につきましては、このほかにも地域との関わりをつくり出すために、地域の行事をはじめ、いろいろな地域活動へのマッチングなどを市が行っているようでございます。

　　本市といたしましては、先ほどの市長答弁にもございましたとおり、民間事業者やＮＰＯなどが中間支援組織として取り組んでいる事例、こういった事例なども含めまして、どのような形での取組が関係人口の拡大に効果的であるのか、先進事例などについて情報を収集し、対策の実施に向けて研究してまいりますので、ご理解をお願いいたします。

○髙橋光男議長　４番元木十四男議員。

○４番（元木十四男議員）　了解いたしました。

　　関係人口として若者の出入りが増えることで地域の人々の意欲が向上し、健康維持の取組を始める人が増えるなど、地域の経済が活性化する効果がもたらされます。

　　地域の活性化は、地域おこしという言葉で評されることもあります。関係人口が増えることで地域に新たな事業が創出されることがあり、また、インキュベーションオフィスといわれる起業をしたい若者を支援する施設を設立する自治体も増えてきております。お隣の守山市でも、慶応大の学生をインキュベーションということで起業の支援などもされておるようであります。

　　本市においては、このコワーキングスペースなんかもその１つであると考えます。関係人口として地域や地域の人と関わる暮らし方にはいくつかの種類があります。

　　例えば２地域居住、２拠点居住とも言われますが、地方で長時間過ごしたいと思いながらも都会で仕事を続けなくてはならない方は週末移住、インターネット環境が整っている場所であればどこでも仕事ができるノマードワーク、スキーやサーフィン、ダイビングといった自分の趣味を生かしながら働くことができるリゾートバイトなどなど、可能性は無限大であります。

　　そして何より、関係人口の創出・拡大によって我がまち東根市の人口が２年ぶりに４万8,000人台になること、さらには５万人都市を目指して総合計画、主要指標、将来人口推計の人口減少幅が上方修正できるような地方創生の推進を期待して、次の質問にまいります。

　　ワクチン接種についてであります。７月以降は国からのワクチンの供給が不足がちだったということで予約数を制限せざるを得なくなったということであります。

　　この時期、お隣の天童市や山形市などではワクチンが届かず、予約自体を一旦中止する事態にもなったようでありますが、本市においては、予約も中断することなく接種ができたことは評価すべきと思っております。

　　それでは、接種率について年代別の内容、内訳や個別接種と集団接種の割合についてお伺いいたします。また、企業や大学などが行った職域接種等の割合なども分かればお願いをいたします。

○髙橋光男議長　鈴木健康福祉部長。

○鈴木敬一健康福祉部長　お答えいたします。

　　11月30日時点の12歳以上の接種対象者における接種率の内訳は、65歳以上の高齢者につきましては、１回目接種が１万3,162人の94.35％、２回目接種が１万3,094人の93.86％であります。64歳以下の方につきましては、１回目接種が２万5,587人の88.48％、２回目接種が２万5,357人の87.69％となっております。

　　１回目と２回目の接種率を平均いたしますと、年代別で最も接種率が低いのは20代の82.19％となっております。続いて10歳代の82.24％、30歳代の85.63％となっており、40歳代から80歳代は各年代で90％を超えております。

　　次に、個別接種と集団接種の割合でありますが、個別接種が40.26％、集団接種が44.75％、大規模接種や職域接種など市外で接種された方の割合が14.99％となっております。

　　よろしくお願いいたします。

○髙橋光男議長　４番元木十四男議員。

○４番（元木十四男議員）　どうもありがとうございます。

　　40歳以上の方については、90％を超えているという非常に高い接種率で、東根市民の新型コロナウイルスに対する理解度とワクチン接種に対する意識の高さが分かりました。

　　個別接種と集団接種の割合が約40％と45％、ほぼ半々だったということは、かかりつけの医療機関がある方とそうでない方で別れたのかなと、私なりに解釈しております。

　　それでは、本市独自の優先接種を行った妊婦さんの接種状況についてお伺いいたします。

○髙橋光男議長　鈴木健康福祉部長。

○鈴木敬一健康福祉部長　お答えいたします。

　　本市は妊娠中の方のコロナ感染による重症化予防とともに、子どもを産み育てやすい環境づくりを推進するため、日本産婦人科学会などの提言を踏まえ、８月の下旬から独自に妊婦の優先接種を行ったところであります。

　　８月28日から９月12日までの土曜日、日曜日の６日間、集団接種に優先枠を設け、合計で72名が優先接種を受けられたところであります。

　　以上でございます。

○髙橋光男議長　４番元木十四男議員。

○４番（元木十四男議員）　了解いたしました。

　　妊婦さんの優先接種については、千葉県で新生児が亡くなるという痛ましい出来事の後、国は妊婦を優先枠に指定しましたが、本市ではそれに先駆けて優先接種、市民に寄り添った迅速な対応をありがとうございます。

　　ワクチン接種で一番気になるのは副反応であります。当初、若い人たちがワクチン接種を受けなかったという理由の１つに副反応に対する不安があったようであります。

　　それでは、これまでのワクチン接種後における副反応はどうだったのかお伺いいたします。

○髙橋光男議長　鈴木健康福祉部長。

○鈴木敬一健康福祉部長　お答えいたします。

　　集団接種につきましては、多い日で１日当たり900人以上の接種を行ったところでありますが、アナフィラキシーショックが発生した事例はございませんでした。

　　ただし、緊張などの精神的ストレスを感じたときに起こりやすい血管迷走神経反射が原因と思われる失神をはじめ、気持ちが悪い、頭痛、ふらつき、血圧が上がるなどの症状が少数の方に見られたところであります。

　　こうした方々は、健康観察担当医の診察と指示のもと、症状が回復するまで、しばらく休憩した後に帰宅していただいたところであります。

　　なお、既往症がある方など、より注意が必要な場合は北村山公立病院やかかりつけ医への受診を促すなど、対応を行ったところであります。

　　また、１回目の接種後に副反応の症状が出た方などにつきましては、２回目接種の際、あらかじめ横になって接種を行うなど、安全に配慮し慎重に対応しております。

　　なお、個別接種におきましてもアナフィラキシー反応や症状が重い副反応があったという報告はございませんでした。

　　以上でございます。

○髙橋光男議長　４番元木十四男議員。

○４番（元木十四男議員）　集団接種においても個別接種においても、アナフィラキシーショックや重い副反応はなかったということを聞いて安心をいたしました。

　　それでは、集団接種における医療従事者をどのように確保し、運営体制を整備したのかお伺いいたします。

○髙橋光男議長　鈴木健康福祉部長。

○鈴木敬一健康福祉部長　お答えいたします。

　　集団接種の運営に当たり、最も大変だったことの１つが医療従事者の確保でありました。接種を行う打ち手はもちろん、接種補助、注射器へのワクチンの充填、予診票の内容確認、接種後の健康観察などを行うために、多くの医療従事者のご協力をいただいたところであります。

　　特に看護師につきましては、大勢の協力が必要であったため、市報やホームページ等で募集をしたほか、潜在看護師への積極的な声がけなども行いながら、人材確保に努めたところであります。

　　集団接種にご協力をいただいた医療従事者の内訳は、医師が25人、接種や接種補助、健康観察をお願いした看護師が22の医療機関から57人、東根福祉会から10人、社会福祉協議会から４人、在宅看護師が６人、事業所に勤務していない看護師が24人、合計101人であります。

　　また、ワクチンの充填や予診票の確認をお願いしました薬剤師につきましては、北村山地区薬剤師会に依頼し、44人からご協力をいただいたところであります。これに市の保健師８名を加え、合計で178人の医療従事者にご協力をいただいたところであります。

　　よろしくお願いいたします。

○髙橋光男議長　４番元木十四男議員。

○４番（元木十四男議員）　総数で178名の医療従事者にご協力をいただいたという答弁でありました。これほど多くの医療従事者、医療関係者にご協力をいただいたということは思ってもいませんでした。ここで改めて、医師会や医療従事者の皆様、そして北村山地区薬剤師会の皆様に感謝と敬意を表するところであります。

　　また、さらには、それぞれのクリニックで個別接種を行っているにもかかわらず、ドクターや看護師さんはお昼休みの時間に集団接種会場であるタントクルセンターまで足を運んでいただき、集団接種も行っていただいたという話も伺っているところであります。まさに献身的なワクチン接種の協力に頭の下がる思いであります。

　　次の質問にまいります。

　　集団接種における予約者の急なキャンセルにはどのような対応をしたのか、お聞きいたします。

○髙橋光男議長　鈴木健康福祉部長。

○鈴木敬一健康福祉部長　お答えいたします。

　　集団接種では、体調不良などによりキャンセルが出てしまうことがございました。接種を効率的に行うためには、あらかじめワクチンを注射器に充填しておく必要があり、キャンセルが出ますと、その分が無駄になってしまいます。

　　したがって、余剰ワクチンが出た場合は、高齢者施設等の従事者で未接種の方や、集団接種の運営に従事している市職員などに接種を行ったところであります。キャンセルが出たときに接種を受けられる人のリストを事前に作成し、連絡をした際には速やかに会場に向かっていただくようお願いするなど、対応してまいりました。

　　さらに、集団接種の終盤にはキャンセルに対応できる人がいなくなったため、当日のキャンセルの状況を見ながら端数分の充填を行うことで、微調整を図り、ワクチンを無駄なく効率的に活用したところでありますので、ご理解をお願いいたします。

○髙橋光男議長　４番元木十四男議員。

○４番（元木十四男議員）　ありがとうございます。

　　よく、メディアを通して余ったワクチンを廃棄したというシーンが報道されておりました。集団接種の終盤には当日のキャンセルの状況などを見ながら端数分の充填を行うことで微調整を図り、ワクチンを無駄なく、ほとんど捨てることなく効率的に活用したということを了解いたしました。

　　それでは、今後、イベント会場への入場や旅行会社を通しての旅行などをする際に必要となる、ワクチン接種証明書や接種パスポートの発行に係る内容について、お伺いいたします。

○髙橋光男議長　鈴木健康福祉部長。

○鈴木敬一健康福祉部長　お答えいたします。

　　ワクチン接種証明書、いわゆるワクチンパスポートは、予防接種法に基づき市町村で実施した新型コロナワクチン接種を公的に証明するものとして、被接種者からの申請により交付するものであります。ただし、現時点では、海外に渡航する目的の場合のみ発行することとされております。

　　こうしたことから、当面の間はワクチン接種の際にお渡しした予防接種済証や接種記録書がワクチンを接種したことを証明する書類になります。

　　したがって、必要な場合は予防接種済証などの原本や、携帯端末等で接種済証などの写真を提示していただくことで、証明をしていただくことが想定されます。

　　もし、これらの証明書類を紛失された場合は、子育て健康課に申請をしていただくか、ホームページからダウンロードできる申請書にご記入をいただき、必要書類と併せて郵送していただくことで再発行をいたします。

　　なお、接種証明のデジタル化につきましては、現在、国が検討しているところでありますので、ご理解をお願いいたします。

○髙橋光男議長　４番元木十四男議員。

○４番（元木十四男議員）　予防接種済証や接種記録書で十分対応ができる、ということで了解をいたしました。

　　もし紛失した場合は、子育て健康課に申請するか、ホームページからダウンロードできる申請書に記入し、必要書類と併せて郵送すれば再発行してもらえるということであります。

　　接種証明のデジタル化については、今後、国の方から示されるということを理解いたしました。

　　それでは、３回目接種に向けた具体的な接種券発送の予定についてお伺いいたします。

○髙橋光男議長　鈴木健康福祉部長。

○鈴木敬一健康福祉部長　お答えいたします。

　　１回目、２回目の接種の際には、年齢ごとに区切り、年齢が高い順に段階的に接種券を発送したところであります。

　　３回目の接種におきましては、年齢ごとに区切るのではなく、２回目の接種から原則８か月以上を経過した方が対象となることから、接種時期が近付いた方に順次、接種券を発送していく予定であります。

　　今後は、12月の中旬を目途に、１月中に３回目の接種が可能となる、主に高齢者施設等の入所者に発送を行い、次に、１月中旬を目途に、２月中に接種が可能となる、主に65歳以上の高齢者や基礎疾患のある方などへ、２回目の接種が完了した順に接種券を発送する準備を進めておりますので、ご理解をお願いいたします。

○髙橋光男議長　４番元木十四男議員。

○４番（元木十四男議員）　了解いたしました。

　　２回目接種から原則８か月以上経過した方が対象者となることから、その前の月の中旬頃を目途に順次発送するということで理解をいたしました。

　　３回目接種は、企業や大学では職域接種を行わないというところがあるようですが、１、２回目職域接種あるいは大規模接種会場などで、本市以外で接種した方の３回目の接種はどうなる見込みか、また、本市で接種できるのかお伺いいたします。

○髙橋光男議長　鈴木健康福祉部長。

○鈴木敬一健康福祉部長　お答えいたします。

　　国が示している内容によりますと、これまで職域接種を実施し、３回目も希望する企業や大学等は職域接種を実施することができることになっており、これまで職域接種で接種をされた方は、３回目も職域接種で受けることができます。

　　また、こうした方につきましては、ご希望であれば、市などが行う住民接種で３回目の接種を受けることも可能であります。

　　なお、国は３回目の接種用に来年３月までに使用する分のワクチンとして、ファイザー製とモデルナ製のワクチンを準備しており、本市への配分もそれぞれのワクチンが配付される予定となっております。

　　３回目の接種において、１回目、２回目と異なるワクチンを使用する交差接種になることも想定されますことから、今後の取扱いにつきましては、国から示される方針を踏まえて市民に十分周知を行い、適切に対応してまいりますので、ご理解をお願いいたします。

○髙橋光男議長　４番元木十四男議員。

○４番（元木十四男議員）　了解いたしました。

　　職域接種については、特に大学は２月、３月は受験シーズンと重なることで職域接種を行わない大学が多いと言われています。そんな方も、東根市で３回目の接種が受けられるということで、安心をいたしたところであります。

　　ただ、職域接種の場合、モデルナ社のワクチンを用いられていたところが多く、本市の使用するファイザー社ワクチンと交差接種になることも理解をいたしました。

　　最後の質問になります。

　　ワクチンを受けない方、持病で受けることができない方への差別、いじめなど防止の取組についてお伺いいたします。

○髙橋光男議長　鈴木健康福祉部長。

○鈴木敬一健康福祉部長　お答えいたします。

　　ワクチン接種は強制ではなく、あくまでも個人の健康状態や意思により接種を検討していただくものであります。未接種者の中には、接種を受けたいけれどもどうしても都合がつかずに接種できなかった方、持病など、身体的な理由によって接種できない方など、様々なケースがあります。

　　こうした未接種者の方々に対して、誹謗中傷や差別、同調圧力による強要があってはなりません。本市といたしましても、このことをホームページや公式のＬＩＮＥなどによって、広く繰り返し周知しているところでありますので、ご理解をお願いいたします。

○髙橋光男議長　４番元木十四男議員。

○４番（元木十四男議員）　ワクチン接種は本人の意思に基づくものであり、病気など様々な理由でワクチン接種できない方もいらっしゃいます。

　　接種をしていない方への差別的な行為やワクチンの接種を強要するなどハラスメントは許されるものではありません。本市といたしましても広く周知、啓発をよろしくお願いをいたします。

　　11月30日現在で日本国民の約77.5％が２回目のワクチン接種が完了しました。第５波の中、１日最大２万6,000人の感染者が確認された８月から３か月足らずで１日２桁まで激減した要因はもちろん言うまでもなく、コロナワクチン接種が進んだことに疑う余地はありませんが、ただそれだけではなく、国民が我慢をし、人流の抑制に協力したこと、感染が広がりやすい夜間の繁華街の人手が減少したこと、医療が危機的な状況になったことが広く伝わって危機感が共有されたこと、気温や雨などの天候の影響があったことなど、専門家が挙げられておりますが、経済も回りはじめ、社会活動も動き始め、徐々に元の生活に戻ろうというときに、また新たな変異株、オミクロン株が確認されるなど、懸念されることはありますが、私たちはこれまでと同じように行動変容、新しい生活様式、３密回避、手指消毒の徹底、マスクの着用など、基本的な感染拡大防止を施しながら、真のコロナ収束を願い、行動していきたいと思っています。

　　３回目のワクチンのスムーズな接種の実施と、ワクチンの安定供給を国に強く働きかけすることをお願いして、質問を終わります。

○髙橋光男議長　以上で、ご了承願います。

　　◎散　　　　　会

○髙橋光男議長　これで、本日の日程は全部終了しました。

　　本日はこれで散会します。ご苦労さまでした。

　　　午後　２時４２分　散　会