令和３年第１回東根市議会定例会　３月　３日　議事日程　第２（一般質問）

令和３年３月３日　午前１０時００分　開　議

　　　　　　細　　矢　　俊　　博　議長　　　　　　　髙　　橋　　光　　男　副議長

◎出席議員（１７名）

　１番　　　齋　　藤　　俊一郎　議員　　　　　　　２番　　　高　　橋　　弓　　嗣　議員

　３番　　　滝　　口　　公　　一　議員　　　　　　　４番　　　元　　木　　十四男　議員

　５番　　　東海林　　克　　彦　議員　　　　　　　６番　　　三　　宅　　一　　人　議員

　７番　　　植　　松　　　　　宏　議員　　　　　　　８番　　　片　　桐　　勝　　寿　議員

　９番　　　山　　科　　幸　　子　議員　　　　　　１０番　　　高　　橋　　鉄　　夫　議員

１１番　　　白　　井　　健　　道　議員　　　　　　１３番　　　原　　田　　利　　光　議員

１４番　　　浅野目　　幸　　一　議員　　　　　　１５番　　　佐　　藤　　　　　直　議員

１６番　　　清　　野　　忠　　利　議員　　　　　　１７番　　　髙　　橋　　光　　男　議員

１８番　　　細　　矢　　俊　　博　議員

◎欠席議員（１名）

１２番　　　河　　村　　　　　豊　議員

◎説明のため出席した者の職氏名


土　田　正　剛	市　　　　　　長	元　木　正　史	教　　育　　長
武　田　庄　一	選挙管理委員会委　　員　　長	斎　藤　吉　則	代表監査委員
菅　原　繫　治	農業委員会会長	間木野　多加志	副　　市　　長
芦　野　耕　司	総　務　部　長	半　田　　　薫	市民生活部長
石　垣　和　彦	健康福祉部長	石　垣　有　一	経　済　部　長
小　松　伸一郎	建　設　部　長兼水道部長	佐　藤　　　広	会計管理者
菅　原　正　行	消　　防　　長	佐　藤　慎　司	教　育　次　長
鈴　木　敬　一	総合政策課長	安　達　利　也	庶　務　課　長併選挙管理委員会事　務　局　長
岡　田　光　弘	財　政　課　長	井　澤　志都香	監　査　委　員事　務　局　長
加　藤　光　伸	農業委員会事　務　局　長

◎事務局職員出席者職氏名


高　橋　重　俊	事務局長	菅　井　美奈子	事務局長補佐
森　谷　賢　司	議事係長	齊　藤　晋　平	主　　　　任
黒　坂　育　実	主任	井　上　正　宏	兼　務　書　記
辻　村　　　充	兼　務　書　記

◎議　事　日　程

　議事日程第２号

　　　　　　　令和３年３月３日（水）　午前１０時　開　議

　日程第　１　　市政に対する会派代表質問

　　　　　　　　１　１４番　浅野目　幸　一（自民クラブ）

　　　　　　　　２　　３番　滝　口　公　一（新会派　令和）

　　　　　　　　３　　８番　片　桐　勝　寿（ひがしね市政クラブ）

　　　　　　　　４　１１番　白　井　健　道（ひがしね創生会）

　　　　（散　　　　　会）

◎本日の会議に付した事件

　議事日程第２号に同じ。

令和３年東根市議会第１回定例会会派代表質問発言通告書


番号	質問者	質問事項	質問要旨	答弁者
１	自民クラブ浅野目幸一議　　　員	１．橋梁等の老朽化対策と災害の対応について	１．長寿命化対策の現状と、実施対策について２．持続可能な橋梁の長寿命化対策と、点検・維持管理について３．優先順位と次期計画の策定について４．市管理者における定期点検は、直営か委託か。また、点検者の資格について５．災害時の橋梁の安全確保について	市　　　長
２	新会派　令和滝口　公一議　　　員	１．環境保全の推進について	１．ゼロカーボンシティ宣言における取り組みについて２．公共施設のＺＥＢ化の予定について３．森林環境譲与税の使途状況について４．県との連携について５．短期、中期目標の設定について	市　　　長
		２．大けやき行政の推進について	１．基幹系業務システムの標準化に向けた本市の準備について２．市民サービスのデジタル変革にむけた具体策について３．公式ＬＩＮＥアカウント導入目的と概要について	市　　　長
		３．学校教育の現状と見通しについて	１．ＧＩＧＡスクール構想について（１）教員の理解度とＩＣＴ能力の研修について（２）ＩＣＴ支援員の活用方法について（３）家庭における端末の活用とその課題について２．新型コロナ禍における心身の健康と不登校の実態について３．新学習指導要領の達成の見通しについて	教　育　長


番号	質問者	質問事項	質問要旨	答弁者
３	ひがしね市政クラブ片桐　勝寿議　　　員	１．ポストコロナは「地方の時代」に	１．東京一極集中、地方の人口減少になかなか歯止めがかからない中、コロナ禍で企業のテレワークが進み東京から地方への移住を検討する人も増え、地方への関心が高まっている。ポストコロナを見据えたブランド戦略や観光を通じて関係人口の創出や移住へとつなぐ好機であると考える。そこで、以下の点について伺う。（１）関係人口の拡大を目指した新たな地方創生とブランド戦略について（２）ポストコロナを見据えた観光政策について	市　　　長
３	ひがしね市政クラブ片桐　勝寿議　　　員	２．ポストコロナを見据えた行政改革について	１．東根市第６次行財政改革推進プランの５カ年の計画期間が今年度で終了する。近年のデジタル化の波が、新型コロナの影響により加速している。この大きな社会の変化は新たな行財政改革プランにも大きく反映されているものと考える。そこで、以下の点について伺う。（１）東根市第６次行財政改革推進プランの検証について（２）ポストコロナの新しい社会を見据えた新行財政改革推進プランの方向性について	市　　　長
４	ひがしね創生会白井　健道議　　　員	１．流域治水について	１．令和２年７月に国土交通省から「総力戦で挑む防災・減災プロジェクト」が示され、そのなかで流域治水が大きく取り上げられた。これからの防災減災を検討していく上で、避けては通れない概念である。ついては、流域治水への取組状況について伺う。	市　　　長


番号	質問者	質問事項	質問要旨	答弁者
４	ひがしね市政クラブ白井　健道議　　　員	２．コロナ後を見据えた地域経済活性化策について	１．コロナ禍により日常の経済活動は大きく制約を受け、社会の安定を大きく損ねることとなった。しかし、それを嘆いているだけではこれからを生きていく若者により良い社会をバトンタッチすることはできない。コロナ禍の時期を前向きに捉え、まさに「ピンチをチャンスに変える」次の一手を考えるべきである。ついては、以下について伺う。（１）地域経済循環について（２）新たな職種への転換支援（３）観光業の重要性と新たな展開（４）地域おこし協力隊の活用（５）外国人材の受入れ（６）再生可能エネルギーの地産地消促進	市　　　長
		３．「主要な施策の成果報告書」について	１．昨年の代表質問で取り上げた「主要な施策の成果報告書」については、事業の客観的な評価、定量的な評価、エビデンスに基づいた政策形成、そして、歳出の見直しや優先順位付け、充実した決算審査とその結果の予算への反映などに有効との問題提起について理解いただき、「より効果的な手法について研究する」との答弁であった。今般、主要な事業について成果報告書の原型を作成してみたが、各事業の達成度合いを検証する指標について明確化が必要と考えるが、いかがか。	市　　　長
		４．いじめ問題への対応について	１．東根市では2015年に「東根市いじめ防止対策の推進に関する条例」、「東根市いじめ防止基本方針」を策定し対策を行ってきている。一方、最近ではスマートフォンや通信機能を備えたゲーム機の普及も相まってインターネットによるいじめも増加している。ついては、いじめの状況と対策について伺う。	教　育　長

　　◎開　　　　　議

○細矢俊博議長　皆さん、おはようございます。

　　本日の会議に、欠席の届出がありましたのは、12番河村　豊議員です。したがいまして、出席議員の数は17名で定足数に達しておりますので、これから本日の会議を開きます。

　　本日の会議は議事日程第２号によって進めます。

　　◎市政に対する会派代表質問

○細矢俊博議長　日程第１　市政に対する会派代表質問を行います。

　　質問は通告順としますが、発言順番を迎えたときに議場にいない場合は、発言権の放棄とみなしますので、そのようにご了承願います。

　　◎浅野目幸一議員質問

○細矢俊博議長　はじめに、自民クラブを代表して14番浅野目幸一議員。

　　　〔14番　浅野目幸一議員　登壇〕

○14番（浅野目幸一議員）　皆さん、おはようございます。

　　道路インフラを取り巻く現状を踏まえ、橋梁等の老朽化について、現状と再配置等を含む対策をお伺いいたします。

　　14番自民クラブ浅野目幸一です。

　　私は平成19年９月の一般質問で、橋の安全確保に向けた市の対応についてご質問いたしました。

　　今回はその再質問となります。

　　１つは点検について。２つ、災害時の避難に係る橋について。３つは橋の延命についてでありました。

　　各項目を新たな５点に分類してお伺いいたします。

　　まず１点目、老朽化の現状と実施対策についてであります。

　　道路橋、橋梁の老朽化対策に関する取組の経緯については、平成27年の平成会代表質問において、道路附属物を含むストック総点検及び橋梁長寿命化事業の取組について質問が出されております。

　　ご答弁によりますと、道路橋について、橋梁長寿命化事業の取組についてでありますが、平成23年度までに市道に係る100橋の点検、遠望目視点検を行い、点検の結果、健全であったものが39橋、損傷が見受けられ、修繕が必要な橋や予防的な修繕が望ましい橋が61橋あったとのことです。

　　また平成24年度から10年間の平成34年、2020年までを計画期間とする東根市橋梁長寿命化修繕計画を同年３月に策定したとのことであります。

　　要修繕と修繕が望ましいとした橋のその後の経緯から、長寿命化、延命化対策を進めてきた現在の状況についてお聞かせください。

　　２点目、持続可能な橋梁長寿命化の対策、修繕計画について。高齢橋は少なからず補修による延命化が可能であり、長寿命化の修繕、延命化工事が重要であります。

　　また維持管理にアセットマネジメントの考え方を取り入れ、限られた予算条件の下で最適な維持管理を目指すべきと考えます。

　　さらに国際連合が提唱しているＳＤＧｓ、持続可能な開発目標の視点を取り入れて、強靭な社会基盤を有するまちづくりを実現しなければなりません。

　　全国の道路橋の状況は長さ15ｍ以上、大型の橋は15万4,000橋あり、長さ２ｍ以上、小型で農道と林道に架かる橋を含むものは全国に約70万橋あるとのことでございます。

　　本市の老朽化、高齢橋の現状についてお聞きしたいと思います。

　　我が会派では、これまでの対策をこのまま続けた場合、近い将来、膨大な更新維持管理コストが必要となり、利用者への安全・安心なサービスを提供することがだんだん難しくなるのではないかと思っているところであります。これはゆゆしき事態であり、大変心配することでもあります。

　　比較的大きな橋ほどコストがかさみます。また痛みが深刻化してから大規模修繕を行うより、点検を細目に実施し、損傷が軽い軽微なうちに対策を施せば、60年で架け替えが必要とされる橋の寿命を100年に伸ばす、長もちさせることが可能であり、維持管理費についても節約できるとされております。

　　会派ではこのことを国際連合が提唱しているＳＤＧｓ、持続可能な開発目標の視点を取り入れて活用する、持続可能な対策と捉えております。

　　本市の持続可能な老朽化対策をどうなさるのか。またアセットマネジメントに対する市長のお考えなどあればお願いいたします。

　　３点目、優先の順位付けと次期計画見直しの策定、更新について伺います。

　　本市では東根橋の補修工事が始まったようですが、先の平成会の答弁では規模の大きい橋から修繕され、重点管理橋梁である、若木橋や柳町橋から始めるとのことでした。

　　50年以上の高齢橋はどの順位に入るのか。市管理になる橋梁のうち、東根市の長寿命化修繕計画における優先の順位についてお聞かせください。

　　また既に点検を終了し、市内全ての橋梁の状況を把握しているとは思いますが、次期計画見直しの策定についてお伺いいたします。

　　次は４点目、東根市道路管理者における定期点検は、直営か委託か。また点検の資格保有者についてお伺いいたします。

　　長寿命化、延命化対策の前提となるであろう市管理橋における評価方法、定期点検の質、専門分野の仕切りについてもお伺いするものです。

　　平成26年６月の道路法施行規則改正に伴い、５年に１度、５年サイクルの定期点検が義務化されました。メンテナンスサイクルや遠望目視点検から近接目視点検に変更もなされました。

　　この技術的な相違は何か。変更理由についてもお伺いいたします。

　　また職員が自ら点検することも可能と伺っております。

　　最後５点目です。災害時等の通行止めや通行規制、ライフラインの復旧計画の策定についてお伺いいたします。

　　まず、災害時等緊急避難に係る橋については、昨年の豪雨災害のとき、幸いにも事故は起きていませんが、通行止めになった橋がありました。

　　いつ起きるか分からないのが災害です。日常身近に利用している橋梁ではありますが、豪雨災害時の緊急避難に係る橋の安全確保についてお伺いいたします。

　　平時でも近年、地方公共団体の管理橋では通行規制等が増加しております。地元紙報道によると、主要地方道、県道、米沢飯豊線の、中津川橋については、ケーブル腐食のため令和２年８月から全面通行止めとなっていましたが、緊急対策工事が進められ、通行止めの解除が同年12月になされました。

　　しかしケーブルを取替える等の本復旧工事ではありませんでした。

　　これでは手戻りで作業のやり直しとか設計変更になることが否めません。

　　また白鷹、朝日間の大平橋は老朽化により撤去されるようであります。

　　同じ県内にあるこのような橋は、全て山形県が管理しているわけではありません。国道に架かる橋は国、高速道路に架かる橋は高速会社、県道は県、市町村道は各市町村がそれぞれ管理者になっております。

　　その内訳は国が管理している橋はたった４％、政令市を除くと市町村管理は68％にも上回ります。

　　そのうち都道府県が管理するのは19％、その数少ない中でも中津川橋のような事例が発生しているのです。

　　本市内の県道においても、このような心配はないものでしょうか。国道、県道含めて身近に常時利用している橋についてもライフラインが止まった場合を想定して備えが必要です。

　　災害復旧計画の策定は終わりなのか伺います。

　　通行止めや通行規制、迂回路への対応、措置についてもお伺いいたします。

　　今回は一斉に修繕やつくり直しが発生する橋梁の老朽化問題についてお聞きいたしました。社会資本整備審議会、道路分科会の建議では、道路の老朽化対策の本格実施に関する提言、平成26年４月において、今すぐ本格的なメンテナンスにかじを切らなければならないとしております。

　　インフラ整備はこれまで生活を便利にしたり、災害を防いだりするために新しくつくるものでしたが、このように橋の半分が耐用年数を超えてくると、人口減少が進む中においては老朽化や、災害の激甚化への対応が最大の課題になってくると思います。

　　以上、５点を登壇での質問といたします。

○細矢俊博議長　14番浅野目幸一議員の質問に対し、答弁を求めます。

　　土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　自民クラブ、浅野目幸一議員の橋梁等の老朽化対策と災害の対応についてのご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、橋梁等の老朽化対策についてでありますが、長寿命化対策の現状と実施対策につきましては、平成23年度に東根市橋梁長寿命化修繕計画を策定し、その計画に基づき修繕を実施してまいりました。

　　平成26年７月の道路法施行規則の改正に伴い、５年に１度の定期点検が義務化され、平成26年度から30年度までに、市が管理する橋梁104橋について、２巡目の定期点検を実施し、平成31年３月に同計画を更新したところであります。

　　現在この計画に基づき、橋梁の修繕工事等を行っているところであり、令和２年３月末現在で19橋を修繕し、３橋を更新しております。

　　なお市が管理する橋梁は、県の河川砂防工事関連により、新設橋が１橋増え、現在105橋となっております。

　　次に、持続可能な橋梁の長寿命化対策と点検維持管理についてでありますが、現計画では橋梁の周辺環境や路線の特徴、橋梁規模などから、将来的な維持管理コストを考慮し、104橋を次のとおり設定しました。

　　幹線道路などの重要路線に架かる橋梁、大規模修繕や架け替えに高額な費用を要する橋梁、新規に架け替えを行った橋梁62橋につきましては、損傷が軽微なうちに修繕を実施する予防保全型とし、損傷の深刻化による交通障害が発生しにくい15ｍ未満の橋梁や、ボックス型の橋梁42橋につきましては、損傷が顕在化しているから、修繕を実施する対症療法型として順次実施しております。

　　点検、維持管理につきましては、職員及び道路パトロール員による日常点検のほか、５年に１度の定期点検として、専門家による近接目視点検、橋梁診断調査を行っております。

　　またそれらの点検結果を基に、予算シミュレーションを行い、コスト削減や予算化の平準化を図っております。

　　次に、優先順位と次期計画の策定についてでありますが、最新の点検結果から、災害時の緊急輸送道路に係る橋梁や主要部材の損傷が激しく、通行に支障を来すおそれのある橋梁から修繕を行い、損傷が同程度の橋梁が複数ある場合は、通行量が多く重要性の高い橋梁や、凍結防止剤散布により、損傷の進行が早いと診断された橋梁の修繕を優先することとしております。

　　また次期計画の策定につきましては、令和元年度から５年度までに橋梁の点検を行い、その点検結果に基づき、令和６年度に次期計画を策定する予定となっております。

　　次に市管理者における定期点検の形態と、点検者の資格についてでありますが、橋梁点検は国土交通省登録資格である一般社団法人構造物診断技術協会などの民間が付与する、橋梁点検士または橋梁診断士の資格を有する専門家による近接目視点検及び診断が必須であることや、市において橋梁工事の実績や経験が少ないことから、資格者が在職する業者に委託をしております。

　　次に、災害時の橋梁の安全確保についてでありますが、先の７月豪雨の際は、白水川堤防決壊により、主要地方道、寒河江村山線が冠水したため、道路線に架かる松沢橋が、一時通行止めとなりました。

　　その際は、県や村山警察署、市消防本部と連携を取り、市道管理者として周辺市道の通行規制、迂回路の確保、周辺住民や利用者への情報提供を行ったところであります。

　　また災害箇所の応急処置や通行規制に当たっては市道維持業者のほか、地域防災計画に基づき協定を結んでいる東根市建設業協会の協力をいただいたところであります。

　　橋梁等の老朽化対策と災害の対応につきましては、市民の安全で安心な生活を守るため、各契約に基づき実施してまいりますのでご理解をお願いいたします。

○細矢俊博議長　14番浅野目幸一議員。

○14番（浅野目幸一議員）　ご答弁ありがとうございました。

　　それでは、各項目５点について意見とご要望を申し上げます。

　　まず修繕計画における老朽化、高齢橋とはについてであります。

　　この高齢橋の寿命を50年と言っておりますけれども、その出どころ。耐用年数の根拠についてであります。　

　　橋梁の耐用年数は、金属造、それから鉄筋コンクリート造などの構造によって違いはありますけれども、昭和43年施行の減価償却年数の耐用年数等に関する大蔵省令ということで、橋梁の寿命は45年から60年と一般に言われております。50年というのは、その間を取って言われているものでございます。

　　また老朽化に加えて、耐震化にも課題があると思います。先月２月の13日の地震、大変驚かされました。耐震補強された高架橋にも一部被害が発生しました。新幹線などのライフラインが寸断し、復旧に時間がかかっております。

　　今年度は市道中央通り線、東根橋の耐震化工事を実施中であります。本工事は災害時の緊急輸送道路に対するものでありまして、修繕計画とは別のものでございます。

　　しかし耐震化はもとより、本修繕契約により適宜改善されるわけであります。

　　本市のホームページによりますと、点検診断結果から、補修の必要がある橋梁について、損害の度合いや橋梁の重要度から、ただいまご答弁ありました104橋については、橋梁個別施設計画というのを定め、補修時期や内容を決定されております。

　　早期に対策が必要な、対策区分３というのがありますが、その該当する橋につきましては18橋、計画に基づき順次整備を進めておられるわけでございます。

　　さて、２点目の持続可能な対策でございます。

　　レジリエンスの概念、ＳＤＧｓゴール９と11で掲げている回復力、復元力のある強靭なまちづくりを指しております。

　　また、アセットマネジメント、ＩＳＯ55001、システム認証に対する考え方やマネジメントサイクルは、ご答弁にありましたように、コスト縮減や予算の平準化を図るための重要なシミュレーションであると考えております。

　　損傷が顕在化してから修繕を実施するのは対症療法型の42橋であり、本市の場合、15ｍ未満の小規模な橋梁のほとんどが対症療法型となっているようであります。

　　ホームページで公表されております個別施設計画、その中から分類して数を数えてみますと、ご答弁の対症療法型の橋梁42橋のうち、現在築50年以上の橋は16橋あり、うち48橋が15ｍ未満の橋梁でありました。

　　20年後の2040年度には、単純計算ではありますが、築50年以上の橋梁は32橋で、うち15 ｍ未満の橋梁は30橋となりました。

　　次に３点目、４点目ということになります。順位付けと見直し、修繕計画の更新についてでございます。

　　優先順位はその点検結果から見直すというご答弁であります。令和元年度から５年サイクルの点検基準が法定化されましたので、５年ごとの更新となるわけでございます。

　　また本市は委託点検で民間資格を活用しておられるようでございます。国土交通省の民間資格橋梁点検士、橋梁診断士の資格を有する専門の方に委託していると聞き及んでおります。がしかし、目視だけで点検診断ができるものでしょうか。私は素朴な疑問をもっております。

　　最近のテレビ報道では、目視だけでなく打音や触診に加え、電磁波レーダーなどの専用機器を用いた点検もあるようでございます。

　　近接目視ができないような場合、ドローンやＡＩなどの活用も考えられます。ＩＣＴの導入で省力化を図る必要があると考えます。

　　また点検の成果は、点検員の資質によるところが大きいので、従事者は資格を備えることが望ましいといえます。点検の資格者のスキルアップについても、国の基準、県の指導助言に基づき、この際ですから職員も同行して、点検調査に関する知識の向上に努めていただきたいと考えます。

　　私たち自民クラブは法改正の重要な点は、メンテナンスサイクルを持続的に回す仕組みだと考えました。劣化診断を行った結果において、修繕の手法を判断するわけですから、資格者等のスキルアップは重要でございます。

　　しかし一方で、道路や橋梁の破損について、住民が異常を発見し、通報する仕組みをつくっておけば、早期発見、早期補修が可能となります。住民参加のパトロールや通報制度のご検討を要望いたします。

　　市長より７月豪雨の際のお話がありました。　

ひとたび災害が発生すれば、いち早く現場に駆けつけ、最前線で緊急対応、復旧、復興活動に従事する役割を担っているのは地元をよく知る建設業協会なのかなと思います。豪雨災害時の対応、誠に感謝にたえないことであります。

　　本協会とはいつ災害が起きても迅速に対応できる体制を構築しておく必要がございます。ですが、通行不能になるような大きな被害、橋が落ちたとかのときは、復旧の面から見た場合に、特に大がかりな補修工事が必要となり、長期にわたって正常な交通が難しくなる可能性もあるのであります。

　　私たちは緊急時の体制確保のみならず、早期復旧のための体制づくりが必要と考えております。

　　また維持すべきインフラの選択肢として、真っ先に着手すべきは橋梁であります。人と同じで橋も高齢化し、20年後には50歳を超える橋は63％にもなるとのことであります。

　　最後に、今後も道路パトロールの点検と５年サイクルの定期点検を継続していただくとともに、計画的に架け替えや修繕を行い、安全性、信頼性の確保をお願いしたいと思います。

　　私たちは東日本大震災で経験したではありませんか。1000年に一度だろうが、可能性のあることは必ず起こると。そして行動を起こす最後の機会は今だと。これは社会資本整備審査会の提言を引用させていただきました。

　　以上で、代表質問を終わります。ありがとうございました。

○細矢俊博議長　以上で、ご了承願います。

　　◎滝口公一議員質問

○細矢俊博議長　次に、新会派令和を代表して、３番滝口公一議員。

　　　〔３番　滝口公一議員　登壇〕

○３番（滝口公一議員）　おはようございます。

　　３番滝口公一です。新会派令和を代表して質問いたします。

　　本市の第５次総合計画が新年度からスタートし、それに伴う新たなプロジェクトも控えています。

　　新しい取組について、私たちの価値観や行政が今後大きく変化するであろう３つの項目、環境保全の推進、大けやき行政の推進、小中学校教育の現状と見通しについて伺います。

　　はじめの項目として、環境保全の推進関連についてですが、本市が昨年の１月に気候変動対策として、ゼロカーボンシティを表明してから１年と１カ月がたちました。

　　自治体では54番目の表明だったわけですが、この１年で33都道府県と256の市町村まで広がりを見せています。

　　昨年からパリ協定が本格的にスタートしたこともあり、各自治体の動きが活発になっています。

　　昨年１月の表明当初と比べて、ゼロカーボンシティの理解度や現状分析は大分進んだと思われますが、本市のこれからの取組について考えを伺います。

　　次に、カーボンニュートラル脱炭素社会の実現を目指すという考え方を建築物に対応させたＺＥＢ、ＺＥＨについてです。この質問では便宜上、ネットゼロエネルギービル、ＺＥＢで統一させていただきます。

　　環境問題に積極的に取り組む本市も、公共施設等のＺＥＢ化促進に積極的に取り組むべきと考えます。

　　ＺＥＢとは、快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のことで、断熱、省エネ、そして、つくるエネルギー、創エネの３つの条件が不可欠です。

　　公共施設は一般的に、不特定多数の人が出入りして、換気などを考慮するとなかなか機密性を保つのが難しいのではないかと思いますが、ＺＥＢ基準とどのように折り合いをつけていくのかも含め、市の見解を伺います。

　　カーボンニュートラルは二酸化炭素等の温室効果ガスの排出量から吸収量と除去量を差し引いてゼロにするという考え方です。この吸収量を主に担っているのが本市北部から東部に位置する山林で、東根市総面積の７割弱を占めています。

　　国は森林整備にかける資金確保のため、森林環境税を令和６年度から国民に課税することが決まっていますが、森林環境譲与税は令和元年度から前倒しで自治体に譲与されています。

　　本市における森林環境譲与税の使途状況を伺います。

　　本市のゼロカーボンシティ表明から遅れること約半年、県がゼロカーボン山形2050宣言を発表しました。達成目標数値の調整や計画の整合性など、今後県側との連携をどのように図っていくのかも伺います。

　　次の項目の大けやき行政の推進については、デジタル化に絞り質問を進めてまいります。

　　これについては、昨年先輩議員が、12月の定例会で詳細に質問しておりますが、その後の国の動きが目まぐるしかったため、改めて会派から質問させていただきます。

　　政府は先月９日にデジタル改革関連法案を閣議決定しました。自治体のシステム統一やマイナンバーの活用をはじめとする行政のデジタル化を加速する狙いです。

　　昨年10月の菅総理大臣の所信表明演説においても、今後５年で地方自治体の情報システムの統一、標準化を行うとともに、マイナンバーカードについては2022年度までにほぼ全国民に行き渡ることを目指すと述べています。

　　自治体にはスピード感をもった対応が迫られるわけですが、各自治体が自前で調達しているシステムと国で準備するシステムのデータのやりとりがスムーズに行えるかなどをはじめとする問題を多く抱えております。

　　これらを踏まえて、基幹系業務システムの標準化に向けた本市の準備について、市民サービスのデジタル変革に向けた具体策としてマイナンバーカードの普及率と普及促進の具体策について、ＬＩＮＥ公式アカウント導入の目的と概要について、以上３つの点を伺います。

　　最後の項目として、小中学校教育の現状と見通しについて、教育長に伺ってまいります。

　　ＧＩＧＡスクール構想の前倒しにより、市内全ての小中学校で、一人１台端末、学校の高速ネットワーク環境整備とハード面の準備が先月に整いました。いよいよＩＣＴ教育の本格的な導入を迎えたわけですが、教える側の準備はできているのでしょうか。

　　昨年はコロナ禍の影響もあり、ＩＣＴ教育研修が十分にできていないとの声もあります。

　教員側の理解度やＩＣＴ活用能力により、子どもたちの成績が左右されることは極力避けなければなりません。理解度とＩＣＴ能力の向上のためにどんな取組がなされているのか伺います。

　　次に、国は支援策としてＩＣＴ支援員という、各教育委員会等が地方財源措置を活用して４校に一人の支援員を募集配置し、日常的な教員のＩＣＴ活用の支援を行う制度があります。

　　このＩＣＴ支援員をどのように活用するのか伺います。

　　コロナ禍が起こる前までＧＩＧＡスクール構想の目玉はプログラミング学習でした。しかし、昨年の一斉休校を受けて、いつでもリモート学習に切替えられる環境を実現するといった役割が強く期待されるようになったわけですが、未だリモート学習ができるような状況ではありません。端末を家庭に持ち帰っての活用とその課題について伺います。

　　次に、子どもたちの心身の健康と不登校の実態について伺います。

　　１年以上にわたるコロナ禍の影響で、マスクの着用や手洗いは日常の風景となりました。登下校時は皆、少し離れながら黙って歩いています。

　　昨年の定例会でも先輩議員から不登校の実態について質問がありましたが、その時点での不登校の子どもの数に大きな変化はなく、コロナとの因果関係は確認できないとのことでした。当時から約半年ほど経過した現在の子どもたちの様子について、また新学習指導要領の達成の見通しについても伺います。

　　以上、登壇での質問とさせていただきます。

○細矢俊博議長　３番滝口公一議員の質問に対し、答弁を求めます。

　　土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　新会派令和、滝口公一議員のご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、環境保全の推進についてであります。

　　県内自治体に先駆けて行った、ゼロカーボンシティ宣言における取組といたしまして、今年度は温室効果ガスの排出量と吸収量の調査の位置付け、環境省から提供されている推計ツールを活用して算出したところ、排出量は61万6,000トンでありました。

　　また、吸収量は令和２年３月策定の東根市森林整備計画の森林面積により推計し、13万5,000トンとの結果でありました。

　　排出量が吸収量を大きく上回っていることが明らかとなり、さらなる排出抑制を図るため、来年度から再生可能エネルギー設備の導入に関して、太陽光発電システムに加え、ペレットストーブや薪ストーブの設置につきましても補助を行うこととしております。

　　次に、公共施設におけるＺＥＢ化の予定についてでありますが、第５次総合計画において、公共施設のＺＥＢ化推進の項目が掲げられており、今後公共施設を整備する際は、ＺＥＢ化についての検討を行い、設計等を行ってまいります。

　　令和４年完成予定の仮称西部防災センターにつきましては、平時はエネルギー消費が極めて少なく、非常時は一般的なビルと同等、もしくはそれ以上のエネルギーを消費する特異な利用形態でありますが、ＺＥＢの考え方を尊重しながら検討してまいります。

　　次に、森林環境譲与税についてでありますが、森林環境譲与税は林業経営の効率化と森林の適正管理の推進を図ることを目的に、令和６年度に創設される森林環境税に先行して、国から交付されているものであります。

　　現状の使途といたしましては、森林簿による所有者と登記情報との付き合い作業のため、雇用している森林管理専門員の報酬や、消耗品等の需要費を支出しております。

　　来年度以降は順次調査地区での説明会、森林経営に関する意向調査、森林境界の確認等を行っていく予定であります。

　　次に、県との連携についてでありますが、県は令和２年８月６日の全国知事会において、ゼロカーボン山形2050宣言を行い、ゼロカーボンシティに向けた施策等については、第４次となる県の環境計画に盛り込んでいくものと想定されます。

　　今後、当該計画に基づき実施される施策を確認し、県と連携を図ってまいります。

　　次に、温室効果ガス排出量削減に係る短期、中期の目標についてでありますが、国や県の現在の削減目標は2030年度中期目標として、2013年度の排出量と比較し、26％の削減、長期的目標として2050年までに80％の削減を目指すと位置付けております。

　　本市の削減目標につきましては、2013年度を基準年度として、国や県と同様に26％削減し、2050年までにゼロカーボンが達成される目標を設定する予定であります。

　　削減目標を見える化することにより、環境負荷に対する意識が醸成され、市民、事業者、行政全てが目指すべきゴールを共有できると考えております。

　　本市が平成13年度から認証を継続しているＩＳＯ14001の取組や、ゼロカーボンシティ実現への意識が市内全域に広がることを期待して、来年度ゼロカーボンシティへのキックオフイベントとして、環境シンポジウムの開催を予定しております。

　　このシンポジウムが環境先進都市を標榜する本市の新たなスタートの事業となるよう内容などの検討を行ってまいります。

　　次に、大けやき行政の推進についてのご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、基幹系業務システムの標準化に向けた準備についてでありますが、国の政策において、2025年度を目標に、国が策定する全国統一の標準仕様に準拠したシステムに移行するよう方針が打ち出されております。

　　これに伴い、各システム事業者において、標準仕様に準拠したシステムの開発が進み、各地方自治体はそのシステムを利用することになります。

　　現在国において、住民記録をはじめとした、基幹系17業務システムの標準仕様書の取りまとめ作業を順次行っております。

　　今後、国から示される標準化の実施手順等に基づき、現在導入している基幹系業務システムからの標準化適応について検討を進めてまいります。

　　次に、市民サービスのデジタル変革に向けた具体策についてでありますが、マイナンバーカードの普及率につきましては、令和３年２月１日現在で、県平均が20.0％に対し、本市は21.7％で、県内13市の中で５番目の普及率となっております。

　　本市のマイナンバーカードの普及促進の具体策につきましては、総務省の要請に基づき、令和元年10月にマイナンバーカード交付円滑化計画を策定し、普及促進に取り組んでいるところであり、交付枚数の増加に対応するため、体制強化を図り、会計年度任用職員の配置や交付窓口の増設を行っております。

　　今後さらなる申請の促進を図るため、庁外施設等での出張申請受け付けの実施についても検討してまいります。

　　次に、ＬＩＮＥ公式アカウント導入についてでありますが、新型コロナウイルス感染症の拡大や自然災害の頻発によって、リアルタイムの情報発信に対するニーズが高まっております。こうした状況を踏まえ、市報やホームページに加えて、生活インフラとして広く定着しているＬＩＮＥに公式アカウントを開設し、災害に関する情報や避難所の情報、防犯情報などの緊急情報を迅速に発信することにいたしました。

　　またイベントや子育てに関する情報なども発信することにしており、さらにＬＩＮＥ公式アカウントによる新型コロナウイルスワクチン接種の申請を受け付けするための準備も進めているところであります。

　　なお運用につきましては、ワクチン接種の申請を先行して、準備が整い次第、開始する予定であります。

　　今後多くの方に活用していただけるよう、市報やホームページなどで周知を図るとともに、機能や提供する情報の充実にも努めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。

○細矢俊博議長　次に、教育長に答弁を求めます。

　　元木教育長。

　　　〔元木正史教育長　登壇〕

○元木正史教育長　私からは学校教育の現状と見通しについてのご質問にお答えをいたします。

　　はじめにＧＩＧＡスクール構想に関する教職員の理解度とＩＣＴ能力の研修についてでありますが、市内小中学校には10台ノートパソコンとタブレットをそれぞれ１学級分程度配備し、様々な学習に活用しておりました。

　　また神町中学校では、今年度はじめから、県の研究指定を受けて、ＩＣＴ活用の在り方の研修を進めております。

　　この度、一人１台の整備に伴い、本年１月に各校の担当教諭と校長会代表を委員とするＩＣＴ教育推進委員会を新たに発足させ、端末利用規定の作成や活用計画の立案、教職員の情報活用能力のさらなる向上のための研修内容などを検討しております。

　　これに基づき、各校の実態やニーズに応じた研修を実施し、教職員の端末使用に関する理解度を深め、授業及び校務におけるＩＣＴの積極的な活用を図ってまいります。

　　ＩＣＴ支援員の活用方法につきましては、先進事例に学びながら研究を進めており、支援員が複数の担当校を巡回しながら、操作上の質問に答えたり、授業の準備や実施の支援をしたり、校内研修会の講師を務めたりするものとして、新年度から配置する準備を進めております。

　　家庭における端末の活用といたしましては、家庭に持ち帰った端末でのｅライブラリを使った予習復習や、再び臨時休校があった場合のリモート授業等での活用を想定しています。

　　課題といたしましては、各家庭のＷｉ－Ｆｉ環境の有無がございます。通信料負担の在り方の検討を進めておりますが、今年度の国の補助により、家庭への貸出し用Ｗｉ－Ｆｉルーターの整備を行っております。

　　次に、コロナ禍における心身の健康と不登校の実態についてでありますが、各学校では感染防止のため、合唱や体育などの授業が制約されているほか、行事の多くを中止、または縮小しております。

　　また中学校では、地区総体が中止されるなど、少なからず児童、生徒の心身に影響があるものと捉えております。

　　これらを踏まえ、教職員は心の相談員とスクールカウンセラーと連携し、子どもたちの心の変化を敏感に捉え、内面に沿った細やかな指導を心がけております。

　　不登校の実態につきましては、12月末までの30日以上の欠席者の人数を、昨年度同期と比較いたしますと、小学生が10名増の29名、中学生は同数の34名でありました。小学校５、６年生及び中学校２年生の増加が顕著でありましたが、小中学校とも新入生に増加は見られませんでした。

　　中学校１年生につきましては前年の３分の２となっております。

　　新型コロナウイルスとの関連は明らかではありませんが、今後も児童、生徒一人一人の状況に応じた指導、助言を行ってまいります。

　　次に、新学習指導要領の達成見通しについてでありますが、今年度より小学校において新しい学習指導要領による教育がスタートしております。

　　今年度は当初に臨時休校がありましたが、教科間で指導内容を関連付けるなど、効果的なカリキュラムを工夫したり、さらに日課表の工夫や長期休業の短縮などで授業時数を確保したりしてきました。

　　また学習内容の定着のために、退職教員による学習ボランティアの派遣を増やしたり、今年度導入したｅライブラリを活用したりしてきました。

　　その結果、現時点で当該学年の学習内容は履修できる見通しとなっておりますのでご理解をお願いいたします。

○細矢俊博議長　３番滝口公一議員。

○３番（滝口公一議員）　自席から質問を続けさせてもらいたいと思います。意見ですね。　

　　市長のご答弁の中で森林環境譲与税に関するご説明がありましたが、実際の森林整備までは緒に就いたばかりといったところでしょうか。山林は温室効果ガスの吸収源であると同時に、大きな保水の機能をもっています。

　　昨年の７月豪雨の際、県内各地で小中規模の土砂崩れが多く見られました。手入れが行き届かない山林は年々増加しており、林道も同様です。

　　土砂崩れは川をせき止めて、土石流災害につながるおそれもあるため、災害予防の観点からも、森林環境譲与税を森林整備に有効に使っていただきたいと思います。

　　温室効果ガスの排出量削減に係る中期目標設定については、県との連携を含め理解いたしました。

　　企業努力や森林吸収、温室効果ガスの新たな除去技術とともに、個人個人の省エネ、創エネによる排出量や目標達成度を１年ごとに見える化で示していただき、それを見て、私たちは一喜一憂したいと思っておりますので、よろしくお願いします。

　　基幹系業務システム関連や市民サービスのデジタル変革についてですが、標準化に向けてスムーズに移行するための作業は膨大になろうかと思います。

　　ＲＰＡの導入、運用の場合も、前提として業務の標準化が求められます。大元である国のシステム開発次第という部分はありますが、市の行政に空白期間を生まないためにも、粛々と準備を進めてくださるようお願いいたします。

　　小中学校教育の充実に関して、教育長からご説明いただきましたが、教育現場の大変さを改めて感じたところです。

　　ＩＣＴ端末を活用しての教育という点に目を奪われがちですが、基本は子どもたちの顔を見、声を聞くことだと思います。

　　電子教科書が全ての教科で出そろっていない現状、中には理科ですとか、家庭科のように、図鑑的にタブレットを有効に使えるというので大変いいものもあるのですが、技術・家庭においても、そのやり方を一人一人が間近で拡大したりして見られるということで、先生方には大変評判がいいようです。

　　しかし肝心の３教科当たりに限っては、まだまだな感じがするという声も届いております。

　　そこで民間のコンテンツがかなり充実してまいりました。標準教科書が完成するのを待たずに、ここら辺を使ったりしてみるのも１つの手だと思います。

　　教室内の機器のシステムは電子黒板の導入によってはじめて完成するのではないでしょうか。

　　最後に、電子黒板の一教室に１台の早期整備を強く要望しまして、新会派令和の代表質問を終わります。

　　ありがとうございました。

○細矢俊博議長　以上で、ご了承願います。

　　会議の途中ですが、ここで議場内の換気のため、午前11時10分まで休憩いたします。

　　　午前１１時０３分　休　憩

　　　午前１１時１０分　開　議

○細矢俊博議長　休憩前に引き続き、会議を開きます。

　　◎片桐勝寿議員質問

○細矢俊博議長　次に、ひがしね市政クラブを代表して、８番片桐勝寿議員。

　　　〔８番　片桐勝寿議員　登壇〕

○８番（片桐勝寿議員）　ひがしね市政クラブ、８番片桐勝寿です。

　　ひがしね市政クラブを代表し、通告に従い質問いたします。

　　国は少子高齢化の進展に的確に対応し、人口減少に歯止めをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくために、まち・ひと・しごと創生に関する施策を総合的かつ計画的に実施することを目的に、まち・ひと・しごと創生法を平成26年12月２日から施行し、同月27日に人口の現状と将来の姿を示し、今後目指すべき将来の方向を提示するまち・ひと・しごと創生長期ビジョン、５カ年間の目標や施策の基本的な方向、具体的施策をまとめたまち・ひと・しごと創生総合戦略をそれぞれ閣議決定し、第１期の総合戦略が始まりました。

　　その後、令和元年12月20日に第２期総合戦略が閣議決定され、現在地方創生は第２ステージに入っているという現状であります。

　　昨年の第１回定例会において、第１期総合戦略に対して、有識者会議が行った検証についての話をさせていただきました。

　　総合戦略で掲げる４つの基本目標のうち、「地方への新しい人の流れをつくる」は東京圏への人口の集中が一層進んでいることなどから、各施策の効果が現時点では十分に発揮するまでには至っていないという評価になったという内容でした。

　　この結果を受け、政府は第２期の総合戦略において、地方への新しい人の流れをつくるのに、移住者数だけを目標にするのは難しいと考えたのか、新戦略の柱として移住者と観光客の中間概念であり、短期滞在やボランティアなど、様々な形で継続的に地域と関わる関係人口の拡大を掲げました。

　　昨年の３月から新型コロナウイルスへの対応のため、三密回避を余儀なくされ、新しい生活様式が求められる生活を送る中で、人が多く常に密を意識しなければならない都会から、自然の中でゆったりと暮らすことのできる地方へと意識の変化があったのか、また企業がコロナへの対応のために、急速にテレワークを進めたことにより、オフィスに縛られない働き方ができる人が増えたことによるのか、東京から地方への移住を検討する人も増え、地方への関心が高まっております。

　　内閣府が昨年６月に発表した新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識、行動の変化に関する調査において、今回の感染症の影響下において、地方移住への関心に変化はありましたかという質問を三大都市圏の各年代に対して行ったところ、年代別では20代が22.1％と最も高い関心を示し、地域別では東京都23区に住む人の関心が最も高く、20代においては35.4％が関心を示しているという結果になりました。

　　また田舎暮らしを提案する出版社が、全国645市町村を対象に行ったアンケートで、2020年４月から10月の各市町村の実績を基に回答を得たものによりますと、移住相談件数は「増えている」が38％、「同程度」が39％、「減っている」が19％となっており、この結果からも移住に関心をもつ人が増えていることが伺われます。

　　これまでにないほど地方への関心が高まっているこの時期、ポストコロナを見据えたブランド戦略や観光を通じて関係人口の創出や移住へとつなぐ好機であると考えます。

　　そこで以下の点について伺います。

　　まず最初に、関係人口の拡大を目指した新たな地方創生とブランド戦略についてです。

　　コロナの影響で交流に関する取組が難しくなっている中、関係人口への取組を市政の中でどのように位置付け、どのような方針の下に進めていくのかお伺いいたします。

　　また関係人口の拡大には東根市を選んでもらうためのブランド戦略が重要と考えます。中でもさくらんぼマラソンはその中心であり、今年はコロナ禍で中止を余儀なくされましたが、今後どのような形で展開していくのかをお伺いいたします。

　　次に、ポストコロナを見据えた観光政策についてです。

　　コロナ前はインバウンドの拡大や2020オリンピックを契機にした外国人旅行客の拡大に期待が集まっていました。

　　しかしコロナ感染拡大以降、海外との交流はおろか、国内の他県との交流もままならない状況が続いております。

　　しかし、今のうちからコロナ収束後を見据えた観光政策が必要と考えます。いかがでしょうか。

　　また現状は集客が厳しい状況にはありますが、ポストコロナを考えた場合、継続した観光ＰＲは必須と考えます。

　　本年４月から９月の期間で東北ＤＣが予定されていますが、本市はどのように関わっていくのかをお聞きいたします。

　　続いて、ポストコロナを見据えた行政改革についてです。

　　東根市第６次行財政改革推進プランの５カ年の計画期間が今年度で終了いたします。この間、社会は大きく変化しております。これまで右肩上がりで増加していた本市の人口も令和２年５月から減少に転じております。

　　本市にも本格的な人口減少社会の波が押し寄せてきていることを感じます。

　　また気候の変化による災害の頻発、新型コロナウイルスの世界的な流行など、私たちを取り巻く社会や環境は大きく変化しています。

　　これらの変化は本市の行財政改革プランにも大きく反映されているものと考えます。

　　そこで、以下の点についてお伺いいたします。

　　はじめに、東根市第６次行財政改革推進プランの検証についてです。

　　これまでの第６次行財政改革推進プランをどのように検証したのかについてお聞きいたします。

　　次に、ポストコロナの新しい社会を見据えた新行財政改革プランの方向性についてです。

　　先ほど申し上げた検証を基につくり上げられた第７次行財政改革推進プランの方向性についてお聞きいたします。

　　以上で、檀上からの質問を終わります。

○細矢俊博議長　８番片桐勝寿議員の質問に対し、答弁を求めます。

　　土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　ひがしね市政クラブ、片桐勝寿議員のご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、ポストコロナにおける地方の時代についてであります。

　　現在コロナ禍による影響もあり、東京都においてはこの７カ月、転出が転入を上回る転出超過が続いております。

　　こうした人の流れを確実に地方に呼び込むためには、多様な働き方の定着とともに、市以外に住みながら本市との関わりをもち、その関係を肯定的に捉えている関係人口、総合計画では、これをにぎわい指数として表現しておりますが、その拡大を意識した地方創生の取組が必要であります。

　　その中には、東根祭りなどのイベントや、観光果樹園、よってけポポラなどの観光施設、タントクルセンター、あそびあランドなど、本市ならではの施設への誘客、ふるさと納税制度を通した東根ファンの拡大などがあります。

　　地方創生に向けた取組において、ブランド戦略は主要なものであり、私が市長就任以来、一貫して推し進めてきた、さくらんぼにこだわったまちづくりの大きな成果の１つであるＧＩ東根さくらんぼやふるさと納税制度の積極的な取組など、東根ブランドを通した本市の魅力や情報の発信に注力してまいりました。

　　中でも特に、国内外から１万2,000人のランナーが参加するさくらんぼマラソン大会は、本市の認知度と好感度の向上に大きく寄与しているものと考えております。

　　今年度につきましては、市民とランナーの安心・安全を考慮し、中止といたしましたが、来年度のオンラインによる特別大会は、コロナ禍でも全国で楽しみにしているランナーとつながりを続ける大会と位置付け開催いたします。

　　さらに令和４年度の20回記念大会では、市民一体となったおもてなしと、これまで以上に質の高い大会運営を図りながら、全国からランナーをお迎えすることで、本市への思いを強くもっていただける関係人口の拡大に資してまいりたいと考えております。

　　今後ゼロカーボンシティとしての取組や移住の受入れ体制整備などを進め、選ばれる自治体として発展し続けられるよう、地方創生の実現に努めてまいります。

　　次に、ポストコロナを見据えた観光政策についてでありますが、現在観光関連事業者の厳しい事業環境を踏まえ、観光関連事業緊急経営支援金として一定の要件を設け、１事業者当たり最大40万円を支給するほか、市内旅館、ホテルの振興、及び支援策として5,000円分の利用券を3,000円で販売する、あと宿キャンペーンなどを実施しているところであります。

　　現状といたしましては、感染状況を踏まえ、県民限定の販売として、地域内観光の推進に努めているところであり、当面事業者の皆様には感染症防止の取組をお願いしながら、事業継続の糧となる支援を引き続き行っていく必要があると捉えているところであります。

　　このような中、令和３年４月１日から９月末まで、東北デスティネーションキャンペーンが開催をされます。

　　東日本大震災から10年の節目に復興の歩みをさらに確かなものとするために、国内外から寄せられた支援への感謝、東北の魅力の発信と東北観光のブランド化の推進などの考え方に基づき、東北６県で展開されることとなっております。

　　本市といたしましても、昨年開園することができなかった、観光果樹園をはじめ、東根温泉、飲食業など観光関連事業の回復に向けた好機と捉えており、山形県をはじめとする関係団体と連携し、感染防止への支援や対策を講じながら、観光振興に努めてまいります。

　　次に、ポストコロナを見据えた行政改革についてのご質問にお答えをいたします。

　　東根市第６次行財政改革推進プランにつきましては、計画期間が平成28年度から令和２年度までとなっており、行財政改革推進本部において、改定に向けた検討を進めてまいりました。

　　第６次プランの検証では、ウィズコロナ、ポストコロナを踏まえた対応、多様な働き方を選択できる社会の実現、災害の頻発化を踏まえた危機管理能力の向上など、様々な課題や環境の変化についてまとめたところであります。

　　こうしたことを踏まえ、第７次プランでは行政改革、財政改革、人材育成、協働、連携の推進の４本の柱に基づき、社会情勢や市民ニーズの変化を踏まえ、国際化、グローバル化に伴う新たな行政ニーズへの対応、デジタル変革の推進、働き方改革の推進などの新たな視点を取り入れた取組を掲げ、積極的に推進していきたいと考えております。

　　プランの策定につきましては、先日有識者からなる行財政改革推進懇談会を開催し、ご意見をいただいたところであります。

　　現在パブリックコメントを行っており、市民の意見を踏まえたプランの策定が完了し次第、議員の皆様に説明させていただきますのでご理解をお願いいたします。

○細矢俊博議長　８番片桐勝寿議員。

○８番（片桐勝寿議員）　では質問席から続けさせていただきたいと思います。

　　本市総合計画では関係人口をにぎわい指数とし、その拡大を意識したこれまでの取組、そしてさくらんぼマラソンの今後の展開、またゼロカーボンシティへの取組が東根ブランドの強化に加わっていくという旨、理解いたしました。

　　関係人口の入り口がコロナ禍で大きく変化しているという話がございます。

　　これまではふるさと納税を含めた地産品との接点や、その地域への旅行が関係人口につながる入り口の中心でありましたが、ポストコロナにおいては、仕事がもう１つの入り口になるだろうという指摘がございます。

　　テレワークがコロナ禍で急速に進んでいること、ダブルワークが可能な企業が増えてきていることから、都会の企業に勤めながら、自分のスキルを生かして、地方の企業や自治体と関わって仕事をしていったり、テレワークが進み、ほとんど出社する必要がなくなった人が地方移住にシフトしていくだろうということであります。

　　山形空港があり、東京から１時間ほどで行き来ができる本市は、こういった需要の取組ができる可能性は十分にあるので、ぜひ対策をしていただきたいと考えます。

　　そのためには関係人口として、地域と関わりをもつきっかけ自体をオンライン化していくことが必須になっていくと考えます。

　　今までリアルで開催していた移住や関係人口創出のためのイベントやそうした関係を構築した人たちとの関係をその後維持していくための仕組み、そういったものもオンライン化していくという必要があるという話でございます。

　　本市及び市内の企業の早急なテレワーク環境の整備を実現することにより、市内の関係人口の呼び込みへとつなげていくことが必要と考えます。

　　次に、観光政策についてです。

　　市内の関係者に話を聞いたところ、非常にコロナの影響が大きく出ているという部分がこの観光という部分で、大変困っている状況というのをひしひしと感じました。

　　団体旅行から少人数の旅行への変化、極端な話はお一人様旅行への対応も必要ではないかという話や、これまではさくらんぼに特化した観光でよかったが、これからは教育旅行であったりとか、東根に来る目的をきちんともった旅行など、多様な需要に対応した間口の広い対策が必要ではないかという話もありました。

　　ジャングルジャングルで聞いた話なのですけれども、ジャングルジャングル自体は昨年、非常に近隣のスキー場が雪が少なかったということで、昨年は非常に入り込み数が多かったようなのですけれども、そこから比べて今年は70％の入り込み数だと。ただやはり昨年がよくて70％ということではあるけれども、非常に苦しい状況ではあるという話でしたが、その中でちょっと興味をもった話なのですけれども、宮城県内のスキー場、今年、昨年の150から160％増の入り込み数だったという話であります。

　　宮城県内のスキーヤーが県境をまたがない地元のスキー場に集中しているのではないかという話でした。

　　コロナ禍で提唱されておりますマイクロツーリズムの流れがはっきり出ている現象ではないかと感じました。マイクロツーリズムの定義は自宅から１時間以内で行ける近場の観光地を訪れたり、近隣のホテルや旅館に宿泊し、地元を観光したりする新たな旅行スタイルです。

　　コロナ禍のこの時期、地元の魅力を再発見する時間と考え、これまでの外向きのプロモーションから、市民にも地元のよさに目を向けてもらい、一緒に地元の観光資源を掘り起こしていくという方向に、この時期一時変更することが必要なのではないかと考えます。

　　この考え方を周辺市町村へも目を向けて考えますと、周辺市町村とも同じような形で連携していき、そういった行動を広げていくというのもいいのではないかと考えます。

　　この掘り起こした魅力、それそれが東根のよさを掘り起こしていって、その人が掘り起こした魅力というものを、その掘り起こした本人がＳＮＳなどを通じて発信していくという仕組み、これを組織的に仕組みとしてつくっていくということをしていけば、ポストコロナの観光誘致に、その後コロナが終息した後の観光誘致にも自然とつながっていくのかなと考えます。

　　これはお金もかからないと思うので、ぜひ検討をお願いしたいと思います。

　　最後に、ポストコロナを見据えた行政改革についてですが、国際化、グローバル化への対応、デジタル変革の推進、働き方改革の推進など、新たな視点を取り入れた取組を積極的に推進していく旨お聞きして、大変心強く感じました。

　　関係人口、ブランド戦略、観光政策、そして行財政改革と、どれをとってもデジタル化をいかに推進していくかが鍵のように思われます。

　　本市においても、来年度より総合政策課に仮称デジタル戦略推進室を新設し、デジタル化が大きく進んでいくものと考えます。

　　ＲＰＡやＡＩなどの導入は費用も時間もかかり大変な事業です。しかし今タブレットとインターネット環境があれば、世界中どこにでもつながれるという時代であります。

　　例えば学校では一人１台のタブレットが整備されました。児童、生徒の国際感覚を育てるのには一旦、外国との関係をつくってしまえば世界中の人たちとのコミュニケーションが可能であるというのがこのシステムだと思います。

　　移住、定住の促進に関しては先ほど言いましたように、東京にわざわざ出向いたりしなくても、このタブレットを通じてそういった対策をとれるということが可能になります。

　　あと、観光プロモーションも先ほど言いましたＳＮＳなどを通じて、しかも市民や東根ファンの力を借りれば、効果的に行うことが可能です。

　　それ以外にも費用をかけないで移動の手間を省いて、大きな効果が得られる分野は数多くあるのではないかと考えます。

　　デジタル化もハードルが低く、簡単に取り組める部分から取組を始めていただき、市内企業や市民にも、こういった流れを広げていっていただければ、デジタル化の波に乗り、さらなる発展を遂げた東根市の姿があるのではないかと信じております。

　　以上で、会派代表質問を終わります。

○細矢俊博議長　以上で、ご了承願います。

　　会議の途中ですが、ここで午後１時まで休憩します。

　　　午前１１時３６分　休　憩

　　　午後　１時００分　開　議

○細矢俊博議長　午前に引き続き、会議を開きます。

　　会派代表質問を続けます。

　　◎白井健道議員質問

○細矢俊博議長　ひがしね創生会を代表して、11番白井健道議員。

　　　〔11番　白井健道議員　登壇〕

○11番（白井健道議員）　11番白井健道です。

　　ひがしね創生会を代表し、通告にしたがいまして、登壇にて会派代表質問をいたします。

　　まず、第１項目として、流域治水について伺います。

　　近年の気候変動に伴い、１時間当たりの降水量が50ミリを超える短時間強雨の年間発生件数が大幅に上昇しています。具体的に申し上げますと、1976年から1985年の10年間の平均が、1300地点当たり約226回であったのに対し、2011年から2020年の平均では約334回と、約1.5倍に増加しています。

　　そして、そのことを表すように2018年の西日本豪雨、2019年の台風19号、そして本県本市にも多大な被害をもたらした令和２年７月豪雨と豪雨災害が続いております。

　　このような中、国土交通省では令和２年１月に総力戦で挑む防災減災プロジェクトをスタートさせ、同年７月にプロジェクトの成果を取りまとめました。

　　関係者や他分野との連携による施策の強化充実、国民目線に立った分かりやすい施策の推進という観点から、気候変動の影響を反映した治水計画等への見直し、防災減災のための住まい方や土地利用の推進、安全安心な避難のための事前の備え、インフラ老朽化対策や地域防災力の強化など、10の施策パッケージを取りまとめています。

　　その中でも特に注目すべきものであり、また今回の代表質問でも取り上げるものは、同プロジェクトの第１番目に挙げられている、あらゆる関係者により流域全体で行う流域治水への転換についてです。

　　これからの防災減災を検討していく上で、避けては通れない概念であると考えます。つまり、これまでは大雨などにより増水した河川に蓄えられた洪水エネルギーを、ダムや堤防などの強化で河川内に押さえ込みながら下流域へ送り込むことを基本としていましたが、その方向を転換し、流域全体で治水対策をするというものです。

　　山形県においてもこの方針に基づき、昨年９月に最上川流域治水協議会を設立し、本年１月に最上川中流上流緊急治水対策プロジェクトが示され、ちょうど昨日第３回会合において最上川流域治水宣言を３月内に行うとの報道が、本日付の地元紙にも掲載となりました。

　　ついては、流域治水に対する取組について伺います。

　　次に、第２項目として、コロナ後を見据えた地域経済活性化策について、６つのポイントについて伺います。

　　コロナ禍により日常の経済活動は大きく制約を受け、社会の安定も大きく損ねることになりました。しかし、それを嘆いているだけではこれからを生きていく若者によりよい社会をバトンタッチすることはできません。

　　そこで、コロナ禍の時期を前向きに捉え、施政方針にもあったとおり、まさにピンチをチャンスに変える次の一手を考えるべきだと思います。

　　そのような問題意識の下、６項目について伺いたいと思います。

　　まずはじめに、これはこのテーマの前提となるものですが、地域経済循環についてです。

　　いかに地域の富を地域内で循環させ、域外に流出させないかということです。域外に富が流出する最も大きな要因というのは３つあるとされています。

　　１つは、例えば東根に工場や企業があっても本社が東京や大阪ということで、その富を東京、大阪の方に吸い上げられてしまうというもの。２つ目は、地域内の産業が中間材の購入などを地域の中でなく、域外から輸入しているあるいは購入しているということ。そして３つ目は、自治体が発注する公共事業や民間の工事、例えば住宅建築などで地元企業でなく他市町村県外の大手企業が受注するこの３つと言われています。

　　この中で顕著なものというのはエネルギーですが、これについては後ほど触れたいと思います。

　　域内の富をいかに外に出さないかということが重要となりますが、この点について本市の取組を伺いたいと思います。

　　次に、新しい職種への転換支援についてです。

　　新型コロナウイルスの感染拡大で日本経済は厳しい状況が続いていますが、これまでのところ雇用情勢は緩やかな悪化にとどまっているとされています。しかしながら、新型コロナの雇用への影響は一様ではなく、一部の業種は深刻な打撃を受けています。

　　2020年10月の就業者数を業種別に見ると、宿泊飲食サービスは対前年比マイナス9.5%と、減少率は就業者全体のマイナス1.4%を大きく上回っています。

　　また、雇用形態別では非正規雇用の減少が目立ち、新型コロナの影響が雇用の不安定な労働者に集中していることが見て取れます。

　　こうした中、労働市場は雇用のミスマッチが拡大しております。10月の有効求人倍率を職業別に見ると、保安6.5倍、建設、採掘5.1倍、介護サービス3.9倍などで、求人が求職を大きく上回っているほか、開発技術者1.4倍、情報処理通信技術者1.2倍など、求人意欲が強くなっています。

　　これらの人手不足の職種は、専門性やスキルを必要とする場合が多いため、宿泊飲食サービス業から直ちに職を移るのは難しいとされています。

　　足元の労働市場では、雇用のミスマッチを背景に失業期間が長期化する兆しが出ており、一度失職すると新たな職を見つけるのが困難な状況が続いています。こうした状況を踏まえると、これまでのような雇用を維持するための政策だけでなく、異なる業種、職種間の求人と人材をマッチングする仕組みづくりや、教育訓練の充実など労働移動の円滑化を促す取組に力を入れる必要があると思いますが、この点について伺います。

　　続いて、観光業の重要性と新たな展開について伺います。

　　コロナの影響を最も大きく受けてるのは観光業かと思います。日本の外貨獲得のエースとして登場したインバウンドも、いつ回復するのか予想も難しい状況に陥っています。

　　しかし、観光業は今後とも日本の重要な産業ということで、政府もＧｏＴｏキャンペーンなど手厚い支援をしています。これは日本の成長戦略の中でインバウンドが大変重要な役割をすることから来ております。日本の産業で外貨の稼ぎ頭は、自動車産業で約12兆円、これに続き半導体が４兆円、これは2019年の輸出額です。一方、2019年の旅行消費額、約28兆円のうち訪日外国人旅行による消費額は4.8兆円と半導体の輸出額を上回る数字となっています。

　　このように、観光業は今後の日本の経済を支える基幹産業と目されています。今は大変厳しい状況にありますが、これを何としても支えていかなければならないと考えますがいかがでしょうか。

　　次に、地域おこし協力隊の活用についてです。

　　本市の重要な産業である農業については、高齢化の進行また豪雨豪雪被害、宅地化の進展などで担い手不足が懸念されています。また、本市の特産であるさくらんぼは高所での作業を伴うことから、高齢化による栽培の断念、そして引き受け手の不在といった状況も見られ、今後さらに加速することも予想されます。

　　そのような中、地方に移住し農業を志す若者も増えてきており、そのような若者を支援するスキームが地域おこし協力隊です。

　　本市でも１名がこのスキームで任期を全うし就農されました。大変喜ばしいことです。担い手不足解決の１つの有力な方法かと思いますが、今後の取組について伺います。

　　次に、外国人材の受入れについてです。

　　2019年末の在留外国人の数は293万人で、永住者が79万人、技能実習生は41万人、留学生が34万人などとなっています。

　　技能実習生については、出身国の斡旋会社や日本での管理会社の間でトラブルなどもあり、立場の弱い技能実習生が大変な苦労をしているといった報道が散見されます。

　　しかし、日本の労働市場は現実問題として外国人労働者なしに成り立たない状況にあります。日本で就業する人の50人に１人が外国人という状況です。日本政府も選ばれる日本、共生社会の実現に向けて、責任ある外国人労働者受入れプラットフォームを立ち上げ、ＪＩＣＡが途上国での経済協力のノウハウを生かしてその事務局を務めています。

　　外国人材については、中国、韓国でも少子化の影響で労働力不足が予想されニーズが高まっており、質の高い外国人労働者の獲得競争が既に始まっていると言われています。

　　本市においても、外国人が安心して住み、働けるような取組をすべきと考えますがいかがでしょうか。

　　最後に、再生可能エネルギーの地産地消の促進についてです。

　　冒頭で述べたとおり、エネルギーの大半を海外から輸入する化石燃料に頼っている点は日本経済の大きな富の流出であり、地方にあっては域外から購入するエネルギーが最大の富の流出となっています。

　　また、近年の喫緊の課題であるゼロカーボン、カーボンニュートラルそして脱炭素社会に向けて、再生可能エネルギーの地産地消は喫緊の課題です。アメリカの地域自立のための研究所の報告書、地元優先地域によるエネルギー所有はなぜ重要かによりますと、再生可能エネルギー設備を地域住民が所有する度合いが高い場合をそうでない場合と比べた結果、地域社会にもたらされる雇用は2.8倍、経済的利益は3.4倍と格段に大きくなるとしています。本市でもさらに再生可能エネルギーの推進をしていくべきと考えますがいかがでしょうか。

　　ここまで６つがコロナ後を見据えた地域経済活性化策についての関連質問となります。

　　では第３項目、主要な施策の成果報告書について伺います。

　　行政評価に関しては、振り返りますと平成26年９月私自身初議会のときの一般質問で、総合計画についてインプット指標、アウトプット指標、アウトカム指標など議論をさせていただき、計画策定時にきちんとしたロジカルフレームワークつまり上位計画に対して各施策がどのように貢献するのか、またその成果を計る指標は何か、これをあらかじめ設定しておかなければ、中間見直し時点で慌てて定量的に成果を計ろうとしても難しいといった指摘をさせていただきました。

　　また、平成28年第４回定例会では、行政サービスの効率化のための数値データの活用についてということで、実証的な証拠に基づく施策、エビデンスベーストポリシーを紹介しつつ、基本構想、基本計画、振興実施計画、個別の行政計画間の整合性が図られていることがモニタリング評価に欠かせないこと。また、多摩市の大変充実した決算資料を紹介しつつ、議会の決算審査において、各事務事業の効果検証のために実績値をあらかじめ把握する資料作成の必要について提案をしました。

　　そして、昨年の代表質問では、秩父市の主要な施策の成果報告書を例にとり、事業の客観的な評価、定量的な評価、エビデンスに基づいた政策形成、歳出の見直しや優先づけ、そして充実した決算審査とその結果の予算への反映などに有効ではないかとの問題提起をしました。

　　これら提案については、行政事務の全てが定量的な評価になじまない点やマンパワーの問題などから対応は難しいものと承知はしていましたが、その必要性については理解を示していただき、より効果的な手法について研究するとの答弁がありました。

　　そこで、今般、第４次基本計画の後期計画について、その一部について政策の体系図並びに主要な施策の成果報告書を作成してみました。資料１－１から１－３並びに資料２－１、２－２になります。まずはじめに、資料１－１から１－３について説明いたします。

　　第４次基本計画の後期計画の施策の大綱は６つの柱から成っており、資料１－１から１－３は全て第１番目の柱、誰もが安らぎと充実、幸せを実感できるまちに関するものです。

　　そして第１番目の柱、誰もが安らぎと充実、幸せを実感できるまちは、その下に８つの項目があり、さらにその下に施策が記されています。

　　資料１－１をご覧ください。８つの項目のうち第１番目の子育て環境の充実についての体系図となっています。

　　つまり左端に子育て環境の充実とあり、その隣に７つの施策、そして具体的な施策、関連指標、成果指標と続きます。そして、間隔を空けて振興実施計画に掲げられている事業、また間隔を空けて決算附属資料に掲載されている事業という作りになっています。

　　資料１－２は高齢者福祉の充実、資料１－３は障がい者福祉の充実について、同様の作りとなっています。

　　そして、主要な施策の成果報告書については、母子保健の充実について作成してみました。

　　資料２－１、２－２になります。Ａ４判表裏で１つの施策についての報告書となっています。

　　項目としては、施策名、事業概要、具体的取組、個別事業の決算予算額、実績、成果、課題となっています。

　　これまで例示してきた多摩市や秩父市の事例では、個別の事業ごとに成果報告書を作成していましたが、今回は施策のまとまり単位で作成をしてみました。その理由としては、各事業での細かな評価というよりも、それら事業を総合的に実施することで達成されるのが施策、この場合ですと、母子保健の充実になりますので、あまり細かく評価を行うということは、木を見て森を見ずといった事態になりかねないという点と、私自身作業してみて、これを全事業で作成するのは容易でない、労多くして益少なしと実感したということからであります。

　　なお、作成に当たっては、後期基本計画、振興実施計画、決算附属資料から私が個人的に作成したものであり、担当部局との協議などは行っていないため、誤記入などあれば私の誤りであることをあらかじめお断りいたします。

　　さて、これら作成の過程で気がついたことは、資料１－１から１－３の関連指標、成果指標についてです。

　　ご覧いただければ一目瞭然かと思いますが、指標とすべきものがあまりにも少ないのです。定量的な評価は行政にはなじまないということ、また私自身も独立行政法人評価委員会向けの資料作成に大変苦労した経験がありますのである程度は理解できますが、各事業の達成度合いを検証する指標について明確化が必要と考えますが、この成果報告書についてどのようにお考えでしょうか。

　　それでは、最後の第４項目、いじめ問題への対応について伺います。

　　いじめ問題についてはこれまでも様々取り上げられてきました。抜本的な解決策はないのですが、共通して語られるのは学校だけでなく家庭や地域の役割が重要かと思います。その中でも私は家庭の役割が大変重要だと考えております。

　　例えば、平成27年第１回定例会では、東根市いじめ防止対策の推進に関する条例の設定があり、この際の総括質疑で当時の高橋教育長は、いじめ防止を効果的にするためにはということで学校だけでなく、やはり保護者、家庭、地域あるいは育成団体、福祉関係行政等々の関係する団体が一体で取り組むところが効果を上げると答弁されています。

　　また、平成28年第１回定例会の一般質問で、家庭の教育力の低下について問われて、当時の石山教育長は原因の１つに断定できないと前置きをした上で次のように答弁されています。

　　共働き世帯や一人世帯の増加などによって子どもと親が一緒に過ごす時間が減ってきている点、核家族化が進行し、祖父母からの援助とか相談を受ける機会が減り、子育ての悩みとか不安を抱えたまま親が孤立してしまっている点、そして中には親自身のモラルの低下を挙げ、それらが複合して相対的に家庭教育力が低下してきているのではないかと回答されています。

　　私自身も学校でのいじめの原因の１つとして、家庭や大人のモラル低下が大きいと考えています。

　　特に、インターネットの普及による匿名の誹謗中傷サイトなどを見ると、大人のモラルの低下には唖然とせざるを得ません。このような状況の中で、児童生徒にいじめはいけませんとか共生社会インクルーシブ教育が大切だなどといっても、全く説得力はないのではないでしょうか。そのような観点から、私自身も一般質問などで社会的排除の問題、道徳教育の問題などを取り上げ、特にインターネットの負の側面について問題を指摘してまいりました。つまり、インターネットは匿名性がありますので、そのような状態で他人を誹謗中傷することは人を後ろから切りつけるような行為であって、日本ではこれまでそのような人間はひきょう者と呼ばれてきており、天知る地知る我知るということで、そのようなことはしないというのが暗黙の了解だったのではないでしょうか。インターネットに関しては、令和２年第１回定例会の一般質問において、元木教育長から親のネットモラル三カ条が紹介されました。これは本市ＰＴＡ連合会が平成28年度末に作成したもので、１つ、我が家のルールを決める。１つ、子どもの手本になる。１つ、原則学校には持たせないというもので、市内14校全ての小中学校のＰＴＡで共有しているものということです。子どもの手本になるという部分が重要かと思います。

　　さて、東根市では2015年に東根市いじめ防止対策の推進に関する条例、東根市いじめ防止基本方針を策定し対策を行ってきています。ついては、最近のいじめの状況と対策を伺うとともに、最近ではスマートフォンや通信機能を備えたゲーム機の普及もあることから、インターネットによるいじめについても伺いたいと思います。

　　以上、４項目をお伺いして、ひがしね創生会の代表質問とさせていただきます。

○細矢俊博議長　11番白井健道議員の質問に対し、答弁を求めます。

　　土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　ひがしね創生会、白井健道議員のご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、流域治水についてであります。

　　近年、全国各地で発生している堤防決壊や土砂崩れなどの自然災害は、気候変動の影響により、頻度、規模ともに今後さらに拡大の傾向にあるとされ、これまでの施策では対応し切れない課題となっております。そのため、甚大化する水の災害に備えようと、全国109の一級河川において、これまで行われてきた河川管理者による取組だけではなく、あらゆる関係者が共同して対応する流域治水の取組が進められようとしております。

　　最上川流域においては、従前の最上川大規模氾濫時の減災対策協議会を母体に、９月15日、最上川流域治水協議会が発足しました。

　　昨年７月の豪雨により、本水系は甚大な被害に見舞われました。特に被害の大きかった中流から上流域について、今後10年間に緊急的に取り組む対策を、１月29日に緊急治水対策プロジェクトとして全国に先駆けて発表しています。

　　短期目標といたしましては、家屋浸水等による重大災害を未然に防ぐため、堤防の整備や水位低下を目的とした河道掘削等を主に実施することとしており、本市関係では白水川堤防の災害復旧や堤防かさ上げなどが位置付けられています。

　　この度の被害をもたらした白水川のバックウオーター対策といたしましては、最上川の水位を下げることが重要となりますが、本プロジェクトに組み入れられた村山市大淀の分水の整備は、水位低下に大いに効果が期待されますので、今後の事業展開を注視してまいります。

　　気候変動に対応した抜本的な治水対策は、長期にわたることが予想されることから、市街地の雨水幹線整備や仮称西部防災センターの整備など、本市においても独自の対策を着実に進めてまいります。

　　次に、コロナ後を見据えた地域経済活性化策についてのご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、地域経済循環策についてでありますが、生産、物流、人の移動など、多岐にわたる制限を余儀なくされるコロナ禍において、地域経済を持続的に発展させていくためには地域からの所得流出を最小限にとどめ、地域外からの所得が流入する構造に変更していくことが重要であると捉えております。

　　昨年実施しましたさくらんぼプレミアム商品券の販売につきましては、市民及び市内在勤者を対象に大型店を除いた地域限定券を発行するなどして、人、食の市内循環が高まるよう取り組んできたところであります。

　　次に、新たな職種への転換支援についてでありますが、コロナ禍によって雇用の維持が難しい業種がある一方で、人手が足りない業種もあるなど雇用のミスマッチが全国的な課題となっていると捉えております。

　　現在、国では在籍出向で雇用を維持したい事業者を対象とした産業雇用安定助成金や、コロナで離職された方を雇いたい事業者を対象としたトライアル雇用助成金などが進められていることから、ハローワークをはじめ、関係機関と連携を図りながらポストコロナを見据えた雇用を推進してまいります。

　　次に、観光業等の重要性と新たな展開についてでありますが、本市の観光産業につきましては日本一の生産量を誇るさくらんぼなどの果物をはじめ、温泉、大けやき、スキー場などの観光資源や四季折々の観光イベント、さらには文化や歴史、産業などの地域固有の資源が魅力となり、地域の活性化につながる重要な産業であると捉えております。

　　しかし、コロナ禍に伴う人の移動の制限などにより、昨年は観光果樹園の閉園に始まり、ウィンターフェスティバルなどの一部のイベントは実施できたものの、観光イベントの多くは中止を余儀なくされ、旅館やホテルにつきましても利用客が激しく減少しており厳しい経営を強いられているところであります。

　　そのような中、東根温泉協同組合と市観光物産協会では、国のＧｏＴｏ商店街事業の採択を受け、デジタルコンテンツを活用したオンラインバスツアーをはじめ、旅館やホテル、観光地をウェブ上で見ることができるオンライン観光ＳＮＳキャンペーンを展開するなどして、ポストコロナを見据えた取組を行っていると報告を受けております。本市といたしましても、感染状況を考慮しながら、国及び県をはじめ観光事業者、観光団体と連携した取組を進めてまいります。

　　次に、地域おこし協力隊の活用についてでありますが、本市の地域おこし協力隊は農業部門において募集を行い、就任後に活動することになりますが、令和２年度はコロナ禍の影響により募集することができず、現在従事している隊員はおりません。

　　本市ではじめて地域おこし協力隊として就任した隊員は２年半の活動を終えて、昨年５月で退任しております。その後、本市東部地区に定住し果樹農家として就農しており、東部地区の新たな若手担い手として大いに期待されているところであります。

　　コロナ禍の影響を踏まえ、今後も地域おこし協力隊員の活用を推進し、地元では気づかない若い外からの視点を取り入れ、本市農業の魅力向上、新たな担い手確保につなげられるよう取り組んでまいります。

　　次に、外国人材の受入れについてでありますが、本市の在住外国人は年々増加傾向にあり、令和３年１月末現在の総数は342人で、５年前に比べて100人ほど増加しております。今後も技能実習生をはじめ増加傾向が予想されることから、来年度は防災情報の多言語化や、市さくらんぼ国際交流協会と連携しながら日本語教室などを実施予定であります。

　　外国人が暮らしやすいまちづくりを進めることは、地域経済の活性化や国際交流の推進だけでなく、共生社会の実現にも寄与するものと捉えていることから、様々な支援や交流に資する事業を展開してまいります。

　　次に、再生可能エネルギーの地産地消についてでありますが、国外へのエネルギー依存度が高い日本において、この度のように全世界に感染症が蔓延する事態が発生した場合でも、生活の基盤を維持するためにはエネルギーを自律分散した災害に強い地域づくりが求められます。また、持続可能なライフスタイルへの転換も合わせて行うべきであると認識しておりますので、太陽光などの再生可能エネルギーの導入促進について各所に働きかけてまいります。

　　次に、主要な施策の成果報告書についてのご質問にお答えをいたします。

　　議員ご指摘のとおり、行政需要が増加する中において、限られた行財政資源を効果的に活用することが重要であります。この度議員が作成された成果報告書につきましては、総合計画に掲げる目標を明確化し、目標に対しての実施状況や成果を見える化した上で事業の評価を行うものであります。評価に用いる数値は、毎年度の個別の要因によってゆらぎが生じますので１年間の変動をもって議論するのは適切とはいえず、５年間程度の期間における数値の推移から傾向を推定すべきだと考えております。

　　そこで、総合計画の基本計画につきましては５年に１度、800項目以上の事業に対し検証を行った上で、次の計画策定を進めることとしております。また、振興実施計画の策定に合わせ、総合計画への位置付けなども整理した上で、各事業の妥当性や有効性、効率性など多面的な評価も行っているところであります。

　　今後、議員からいただいたご意見なども参考にしながら、評価方法の改善に向け研究してまいりますのでご理解をお願いいたします。

○細矢俊博議長　次に、教育長に答弁を求めます。

　　元木教育長。

　　　〔元木正史教育長　登壇〕

○元木正史教育長　私からは、いじめ問題への対応についてのご質問にお答えをいたします。

　　いじめ対応の基本は、全ての教員が高いアンテナを張り、いじめの兆候を敏感に察知し素早く対応を行い、その内容を隠すことなく共有することが重要であると捉えております。いじめの件数は、丁寧な対応を示すものであると認識しております。

　　はじめに、いじめの状況でありますが、毎年学期ごとに実施している調査における12月末までのいじめの認知件数につきましては、昨年同期と比較しますと、小学校では254件減の874件、中学校では13件増の140件でありました。小学校はおよそ２割の減、中学校はほぼ横ばいという状況であります。

　　今年度は、特に新型コロナウイルス感染症に係るいじめの発生が懸念されましたので、各校では感染症に係る差別や偏見についての授業を行っており、その結果新型コロナウイルスに関するいじめは小学校で１件のみ報告されています。これは体調不良で欠席した児童が友達からコロナで休んだと言われ嫌な思いをしたというもので、担任の指導で解消したところであります。

　　コロナ禍の中、市全体でいじめ防止に取り組んでいるスマイルサミットはリモートで開催され、ホスト校の第三中学校を中心にモアスマイル宣言を採択し、さらに市内一斉のあいさつ運動を実施するなど、子どもたちの主体的活動も充実してきています。

　　他方、いじめ調査では、パソコンや携帯電話等で誹謗中傷や嫌なことをされるという回答が、小学校では３件増の11件、中学校で７件増の13件と増加しています。家庭で過ごす時間が増え、子どもがネット、ゲームや動画、ＳＮＳに触れる時間が増えたことが背景として考えられます。ネットいじめは大人から特に発見しにくいものであります。いじめの定期調査に加え、心のアンケートを月１回実施するとともに、子どもたちに向き合う時間の確保に努めております。

　　さらに、ネットモラルの授業や警察と連携した講演会なども実施し、早期発見、早期対応に努めておりますのでご理解をお願いいたします。

○細矢俊博議長　11番白井健道議員。

○11番（白井健道議員）　答弁ありがとうございました。

　　自席の方から何点か要望等述べさせていただきたいと思います。

　　まず、流域治水につきまして、村山市大淀の分水路の整備、市街地の雨水幹線整備、そして（仮称）西部防災センターの整備などよろしくお願いしたいと思います。

　　なお、今回の流域治水についての会合の中で、出席者の中から、最上川本流と県管理を中心とした支流、町あるいは土地改良区で整備を進めている側溝、そういったものを含めてトータルな治水対策を考えていく必要があるといった意見があったと承知しています。実は、昨年７月の豪雨災害のときに、先輩議員、同僚議員とともに長瀞地区の高速道路と最上川に挟まれた氾濫地域を巡ったことがありますが、その際、側溝がどのような経路で張り巡らされているかというのがなかなか分かりにくく、現場では大変混乱した状況がありましたので、この辺については平時のうちにしっかりと把握しておくというのが必要なのかなと思います。これがまさに流域治水なのかなと感じたところです。

　　また、小田島地区においても、田んぼの宅地化、事業土地化ということで、田んぼの保水力というのが年々減ってきておりまして、流末に向かって非常に水が勢いよく流れあふれていくといったところもありますので、この辺も検討していただきたいと思います。

　　また、少し流域治水とは異なりますが、市町村における要支援者に対する個別避難計画、先般の豪雨のときもいろいろ大変でありましたけども、この個別避難計画が全国的に少し策定が遅れているという指摘もありますので、本市においてはまずモデル地区で今取り組んでいるとお伺いしておりますけれども、モデル地区の経験を生かして要支援者のいる所での個別策定を地元が中心となって策定できるような支援をお願いしたいと思います。

　　続きまして、コロナ禍を見据えた地域経済活性化の地域経済循環についてですけれども、これにつきましてはゼロカーボンシティ東根に賛同された地域の工務店が共同して、大手ハウスメーカーを共通の競争相手として、この６社共同して住宅展示場をオープンさせるということで先般市長にも表敬訪問されたかと思いますが、地元紙にも掲載されておりました。これは、青森県五所川原市のミライエプロジェクト、年末の全員協議会でも私言及しましたけども、これを参考に取り組まれているものです。青森県五所川原市の事例では、地元工務店対大手メーカーの受注割合が４対６であったものが、このプロジェクト10年近くやっておりますが、現在では６対４、地元工務店が受注が６、大手メーカー４と逆転するまでに至っております。まさに地域経済循環のモデルケースかなと。

さらに東根市におけるこの取組ではゼロカーボンに資するということで、冬の厳しい山形県に即したしっかりとした断熱、それから太陽光パネルの設置などを計画するなど、ＺＥＨの要素も加味しています。ぜひ市長にも引き続き応援をよろしくお願いしたいと思います。

　　新たな職種への転換支援につきましては、先般ＮＴＴとＫＤＤＩが就職氷河期世代、50歳未満の方々ですね、バブル崩壊後の、この方々300人を無料で研修して、ＩＣＴを無料で研修を実施して、その300人をそのまま雇用するという大胆な施策をしております。翻って、東根市におきましても、庶務課を中心にＩＴ事業者にかなりの億単位の契約全体で見るとしてるかと思います。ＤＸという中で自治体におけるＩＴ事業者のベンダーロックインといった問題もこれから取り沙汰されると思いますが、逆にこういった事業者さんと手を組んで、こういった事業者に職業訓練センターなどを利用していただいて、ＩＴ関係に関心のある方の研修を破格の値段でしていただいて、市も補助をしながら人材の育成などをするということも提案したいと思います。

　　観光業につきまして、日本政策投資銀行とＪＴＢが６月にアジア８カ国、欧米、オーストラリア４カ国で暮らす人を対象にアンケートを実施しました。コロナ感染収束後に海外旅行をしたいかと聞いたところ82%がしたい。旅行したい国・地域は日本が46%、断トツでトップということになってます。今現在、観光客を呼び込むことはできませんけれども、2014年の山形ディスティネーションキャンペーンでタイのシントン公使と市長に会っていただいたりとか、東京医科歯科大学の留学生に来ていただいたりとか、あるいは山形大学の留学生とか、日本にいる外国人に東根を訪れていただいて、ＳＮＳで魅力を発信していくとかいうことも、コロナ収束後の勢いづけということで取り組まれたらいかがかと思います。

　　特に外国人が、日本に住んでいる外国人、このＶＦＲというそういったツアーがあるんです。ツアーというか、旅行のカテゴリーがあるんですけども、Ｖですね、Ｖｉｓｉｔ　Ｆｒｉｅｎｄｓ　ａｎｄ　Ｒｅｌａｔｉｖｅｓ、日本にいる友達とか親戚に会いにいくために、例えばイギリスから日本に来る、このＶＦＲというのもかなりの市場があるということで、日本、英国ではそういったＶＦＲの件数が全世界での件数が23%ですけども日本は５%ということで、まだまだここも開拓の余地があるということです。今現在、日本、山形あるいは東根にいる外国人の方を対象にしたいろんな仕組み、仕掛けが次の観光のエンジンになるんじゃないかと思います。

　　地域おこし協力隊につきましては、遠野市でキリンビールさんと連携して複数の協力隊員が配置されて、遠野ローカルベンチャー事業と称して地域活性化に大きく貢献している事例があります。

　　東根市も第１号を起点として、農業部門であるとか６次産業部門あるいは鳥獣被害対策の協力隊員、こういったチーム派遣を検討していただければと思います。

　　外国人材の受入れにつきましては、日本語ボランティア育成や交流事業などを通して、外国人の住みやすい東根市ということを目指していただければ、先ほど言ったＶＦＲであるとかいろんなインバウンドにも貢献できるんじゃないかと思います。

　　再生可能エネルギーにつきましては、現在は太陽光発電への補助であるとか、蓄電池への補助がメインでありますけれども、東根市という東部から西部にかけて傾斜のある地形においては、小水力発電というのもポテンシャルがあるんではないかと思います。実際に東根土地改良区では、ポンプの稼働に非常に多くの電気代がかかっておりまして、何とか小水力発電できないかということで検討もされているということなんですが、なかなかこれ事業化調査など、なかなか手が出ないというところもありまして、これもゼロカーボンに本当に資する案件ではないかと思いますので、こちらについても検討していただけばと思います。

　　続きまして、主要な施策の成果報告書につきましては、これまで縷々述べさせていただきましたけども、それであれば自分で作ってみようということで作ってみましたが、作ってみて分かったことは、これは議会こそこういったものが必要だったんじゃないかなと。特に決算審査の議論なんかで個別の事業を１つ１つ聞く、あるいは検討するというのもあるんですけども、それらまとまって一体どういったものに向かっていって、今どのような状態にあって何が足りないのか、何が余分なのか、そういったものをこういったツールを使って、執行部と委員会で議論するということが非常に建設的な議論になるんじゃないかと考えた次第です。なので、作ってくださいとはもう申し上げないで、私の方でも時間を見つけながら次の第５次総合計画にのっとったような形で、ちょっともう一回チャレンジしてみたいなと思ってます。

　　最後に、いじめの問題ですけども、いじめについては、いじめの４層構造ということを唱えられた方がいらっしゃいます。いじめっ子、いじめられっ子、そして観衆、観衆というのは周りではやし立てる人、そして傍観者、見て見ぬふりをする人ということで、この４層になって、これはいじめられっ子にとってはまあ最悪の状況で誰にも言えないと、誰も助けてくれないということでありまして、この傍観者を減らして、この傍観者を通報者であるとか仲裁者にしてくということが大事だと言われております。

　　なかなかいじめられている子どもはなぜ友達に言わないんだ、なぜ先生に言わなかったんだ、親に言わなかったんだ。そういったこともありますけれども、なかなか言えない状況にあると。報復を恐れるであるとか、あるいは親に心配をかけたくないとか、そういったいろんな心理が働いてなかなかいじめられている本人からそれを訴えることは難しいと言われておりますので、元木教育長からもご答弁ありましたように、早期対応、早期発見、これに尽きるのかなと思います。

　　いろいろコロナで皆様、執行部の皆様本当に大変な状況かと思いますけども、引き続き、各方面でよろしくお願いしたいということを申し述べて、ひがしね創生会の代表質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

○細矢俊博議長　以上で、ご了承願います。

　　◎散　　　　　会

○細矢俊博議長　以上で本日の日程は全部終了しました。

　　本日はこれで散会します。ご苦労さまでした。

　　　午後　１時５４分　散　会