令和２年第３回東根市議会定例会　９月　４日　議事日程　第３（一般質問）

令和２年９月４日　午前１０時００分　開　議

　　　　　　細　　矢　　俊　　博　議長　　　　　　　髙　　橋　　光　　男　副議長

◎出席議員（１８名）

　１番　　　齋　　藤　　俊一郎　議員　　　　　　　２番　　　高　　橋　　弓　　嗣　議員

　３番　　　滝　　口　　公　　一　議員　　　　　　　４番　　　元　　木　　十四男　議員

　５番　　　東海林　　克　　彦　議員　　　　　　　６番　　　三　　宅　　一　　人　議員

　７番　　　植　　松　　　　　宏　議員　　　　　　　８番　　　片　　桐　　勝　　寿　議員

　９番　　　山　　科　　幸　　子　議員　　　　　　１０番　　　高　　橋　　鉄　　夫　議員

１１番　　　白　　井　　健　　道　議員　　　　　　１２番　　　河　　村　　　　　豊　議員

１３番　　　原　　田　　利　　光　議員　　　　　　１４番　　　浅野目　　幸　　一　議員

１５番　　　佐　　藤　　　　　直　議員　　　　　　１６番　　　清　　野　　忠　　利　議員

１７番　　　髙　　橋　　光　　男　議員　　　　　　１８番　　　細　　矢　　俊　　博　議員

◎欠席議員　（なし）

◎説明のため出席した者の職氏名


土　田　正　剛	市　　　　　　長	元　木　正　史	教　　育　　長
武　田　庄　一	選挙管理委員会委　　員　　長	斎　藤　吉　則	代表監査委員
工　藤　喜惠治	農業委員会会長	菅原　正行	消　　防　　長
間木野　多加志	副　　市　　長	芦野耕　司	総　務　部　長
半　田　　　薫	市民生活部長	石　垣　和　彦	健康福祉部長
石　垣　有　一	経　済　部　長	小　松　伸一郎	建　設　部　長兼水道部長
佐　藤　　　広	会計管理者	佐　藤　慎　司	教　育　次　長
鈴　木　敬　一	総合政策課長	安　達　利　也	庶　務　課　長併選挙管理委員会事　務　局　長
岡田　光　弘	財　政　課　長	井　澤　志都香	監　査　委　員事　務　局　長
加藤　光　伸	農業委員会事　務　局　長

◎事務局職員出席者職氏名


高　橋　重　俊	事務局長	菅　井　美奈子	事務局長補佐
森　谷　賢　司	議事係長	齊　藤　晋　平	主　　　　任
黒　坂　育　実	主任	井　上　正　宏	兼　務　書　記
辻　村　　　充	兼　務　書　記

◎議　事　日　程

　議事日程第３号

　　　　　　　令和２年９月４日（金）　午前１０時　開　議

　日程第　１　　市政一般に対する質問

　　　　　　　　１　　３番　滝　口　公　一

　　　　　　　　２　　４番　元　木　十四男

　　　　　　　　３　　１番　齋　藤　俊一郎

　　　　　　　　４　　７番　植　松　　　宏

　　　　　　　　５　１２番　河　村　　　豊

　　　　（散　　　　　会）

◎本日の会議に付した事件

　議事日程第３号に同じ。

令和２年東根市議会第３回定例会一般質問発言通告書


番号	質問者	質問事項	質問要旨	答弁者
６	滝口　公一議　　　員	１．市営墓地大平山みはらし霊園について	１．市営墓地の使用状況について２．現状分析と今後の予定について	市　　　長
６	滝口　公一議　　　員	２．デマンド型乗合タクシーについて	１．利用方法について２．試行運行期間の利用状況について３．沼沢・猪野沢地域をはじめとした公共交通空白地域への今後の対応について	市　　　長
７	元木十四男議　　　員	１．７月豪雨による最上川の氾濫と白水川堤防決壊について	１．災害発生時には情報の発信、共有が大事であり不可欠なものである。市民の生命財産を守るための白水川右岸堤防決壊情報はなぜ発表されなかったのか。２．被災地区の復旧、復興について　　被災された方々はボランティアなど多くの皆様に支えられ、様々な支援により、明日へ向けて日々頑張っておられます。この方々に１日も早く日常生活を取り戻していただくために、市としてはどのように対応したか、どのような支援策を講じたのか伺う。３．災害廃棄物について　　河川の氾濫で生じた災害廃棄物（浸水家屋、農地等）の処理方法と対応について伺う。４．被災農家への支援について　　営農再開に向けた農家（水没した農業機械等）へ本市はどのような支援をしていくのか伺う。	市　　　長
８	齋藤俊一郎議　　　員	１．令和の「新たな子ども子育て支援」について	１．令和の新時代を迎え、幼児教育・保育無償化や質の向上などへの期待と感染症や災害、少子化、経済悪化などへの不安が交錯するなか、＜子育てするなら東根市＞の新たな市政方針を伺う。２．第１期子ども・子育て支援事業計画の成果と課題並びに第２期子ども・子育て支援事業計画（素案）の柱と施策を伺う。３．未満児の保育ニーズに係る対策を伺う。４．未就学児におけるインクルーシブ教育・保育の推進に対する考え方及び支援策を伺う。	市　　　長
８	齋藤俊一郎議　　　員	２．共生社会の推進について　～高齢者が生きがいを持って豊かな人生をおくるために～	１．第７期期間中における東根市老人福祉計画及び介護保険事業計画に基づいた各種事業の実施状況と課題を伺う。２．給付費（介護、介護予防）の現状を伺う。３．コロナ禍における老人福祉、介護保険事業に関する対応を伺う。４．次期計画の基本目標を伺う。５．次期計画策定に向けたスケジュールを伺う。	市　　　長
９	植松　　宏議　　　員	１．７月の豪雨災害とゼロカーボンシティについて	１．７月下旬に本市をも含め山形県を襲った豪雨災害、ひいては地球的規模で脅威となっている気候変動。原因は地球の温暖化であることは多くの研究者が指摘するところである。今年１月に本市が参加表明したゼロカーボンシティは、このようなリスクを軽減し、持続可能な未来を実現するため、2050年までに二酸化炭素の実質排出量をゼロに抑えるという取り組みだが現在の取り組み状況はどのような状況か。	市　　　長
９	植松　　宏議　　　員	２．新型コロナ感染拡大防止対策から見た市内小中学校の対応状況について	１．マスコミ等によれば、学校一斉休校明けから新型コロナ感染防止対策として、学校備品等の除菌、トイレ掃除等教師の新たな任務とされているようだが教師への負担増になってはいないか。２．感染防止対策として三密は避けるように指導されているようだが、限られたスペースの教室において、実現は可能か。市内における１クラス当たりの生徒数はどのようになっているか。	教　育　長
10	河村　　豊議　　　員	１．「重層的支援体制整備事業」について	１．「8050問題」「ダブルケア」など、新たな課題が表面化している現代では、課題を抱えている本人や家族を丸ごと包括的に支援する体制を整備する必要がある。　（１）「生活困窮者自立支援制度」の取り組み状況について伺う。　（２）「重層的支援体制整備事業」について、今後の取り組みを伺う。　（３）市役所を中心に各支援機関、地域住民など市全体での包括的支援体制整備が必要であり、ワンチームの取り組みが必要と考えるが、見解を伺う。　（４）新たな事業を担う人材の育成・確保、専門性の向上・処遇改善が必要だが、本市の取り組み、また本市の現状について伺う。　（５）「重層的支援体制整備事業」実施にあたり、必要な事業費を確保すべきと考えるが、所見を伺う。	市　　　長

　　◎開　　　　　議

○細矢俊博議長　皆さん、おはようございます。　　本日の会議に欠席及び遅刻の届け出はありません。したがいまして、出席議員の数は18名で定足数に達しておりますので、これから本日の会議を開きます。

　　本日の会議は、議事日程第３号によって進めます。

　　◎市政一般に対する質問

○細矢俊博議長　日程第１　市政一般に対する質問を行います。

　　質問は通告順としますが、発言順番を迎えたときに議場にいない場合は、発言権の放棄とみなしますので、そのようにご了承願います。

　　◎滝口公一議員質問

○細矢俊博議長　はじめに、３番滝口公一議員。

　　　〔３番　滝口公一議員　登壇〕

○３番（滝口公一議員）　おはようございます。

　　議席番号３番滝口公一です。

　　質問の前に、先の７月豪雨で被害を受けられました方々に心よりお見舞いを申し上げます。

　　それでは、通告に基づき２項目について質問いたします。

　　はじめに、市営墓地大平山みはらし霊園について伺います。大平山みはらし霊園は本市東部の大江新田地区の高台に位置し、緑と田園風景に囲まれた、その名のとおり大変眺望のよい墓地となっております。民営墓地にありがちな、おびただしい石材店の看板もなく、管理も行き届いており、開放的で清々しく暗さは全くありません。時々ペットを連れて施設内を散歩している方もいらっしゃいます。

　　市が運営しているため、墓地使用料や管理費が比較的安価であること、宗教の縛りがないことなどから興味を持つ方もおられるようです。この墓地の現在の使用状況はどうなっているのか伺います。また、今後施設の拡張や新規施設の検討などがあるのか、見通しについてもお聞かせください。

　　次に、デマンド型乗合タクシーについて伺います。近年耳にすることが多くなったデマンドタクシーですが、デマンドという単語を調べると需要や要求という言葉が出てきます。デマンド型乗合タクシーとは、利用者の需要を集約して運行する乗合タクシーということになります。

　　昨年から東郷地区の泉郷地域において、市民バスの代替策として本市初めての試みとなるデマンド型乗合タクシーが導入されました。行政側と区長さんをはじめとした関係者との協議、沿線住民への説明会を重ねて、試行運行という形で始まったわけです。主に自動車を運転しない高齢者などの交通弱者に対する日常生活の維持に向けて、買い物、通院、公共施設、金融機関への移動を支援する意味合いが強いと思われます。

　　従来の定時定路線の市民バスと並行しての試行運行という形ですが、今月の30日でその試行運行期間が終了いたします。

　　そこで１点目ですが、利用方法について改めて伺います。

　　２点目として、試行運行期間における利用状況について伺います。

　　３点目として、沼沢・猪野沢地域をはじめとした公共交通空白地域への今後の対応について、どのようにお考えか伺います。

　　以上で、登壇での質問を終わります。

○細矢俊博議長　３番滝口公一議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　滝口公一議員のご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、市営墓地についてでありますが、大平山みはらし霊園は市内の定住人口が増加し、墓地需要が高まったことから、平成17年度に整備したところであります。その後、平成22年度に２期分譲行い、全体区画数は561区画となっております。使用許可の状況としましては561区画の全てに対して許可を行っており、現在空き区画はありません。

　　市内における宅地分譲の状況や人口の動きにより、市営墓地の規模拡大や新規施設の整備の検討が求められますが、核家族化や少子高齢化の進展、地縁・血縁の希薄化、価値観の多様化など、社会環境の変化により無縁墳墓化や承継を前提としない墓地需要の高まりなど、新たな課題が生じていると捉えております。

　　このような状況を踏まえつつ、将来に向けた市民の墓地需要に応えていくため、市営墓地が抱える様々な課題を総合的に捉え、効果的、効率的な取り組みを進める必要があります。

　　このことから、市営墓地の需要や整備の在り方について現状を把握するため、来年度以降にアンケート調査を実施することとしており、この結果をもとに今後の墓地の在り方などについて検討してまいります。

　　次に、デマンド型乗合タクシーについてでありますが、デマンド型乗合タクシーは行き先の違う複数の利用者が運行時間が定められたタクシーに乗り合いして移動する新たな公共交通手段であります。

　　利用方法については利用者登録を行い、事前予約により自宅から行き先、行き先から自宅までを運行いたします。昨年10月から東郷地区の泉郷地域において、従来の市民バス泉郷線と並行して試行運行を実施しているところであり、現在週１回毎週水曜日に往路１便復路２便の１日３便を運行しております。

　　試行運行期間中の利用実績としては、令和元年10月から令和２年３月までの半年間で48人の方が利用者登録をしております。利用状況については、延べ55人から医療機関やショッピングセンターなどへの足として利用してきました。試行運行の状況を踏まえ、泉郷地域と協議を重ね、10月からは市民バスにかわる公共交通として本格運行を予定しております。

　　本格運行においては、従来の市民バスの運行日と同じ火曜日、金曜日の週２回、往路１便、復路２便の１日３便を予定しており、運行時間や乗降場所についても泉郷地域の意見などを受け、より利用しやすいものとなるよう改善したところであります。

　　今後、泉郷地域における本格運行の状況を検証しつつ、バスシステム市民会議などを活用し、広く意見や要望を聞くなどしてデマンド型乗合タクシーの導入を含め、沼沢・猪野沢地域などをはじめとする公共交通空白地域の解消に努めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。

○細矢俊博議長　３番滝口公一議員。

○３番（滝口公一議員）　市長、ご答弁ありがとうございました。自席から質問を続けます。

　　市営墓地関連では施設整備の経緯や全体像、今後の取組についてご説明いただきました。全体では561箇所の区画数であり、空いているところはないということですが、不定期に募集は行われているようです。直近では５月に募集がありましたが、そのときの状況について伺います。

○細矢俊博議長　半田市民生活部長。

○半田薫市民生活部長　それでは今年度の募集状況についてお答えいたします。

　　様々な事情によりまして返還された市営墓地の区画について、市内に本籍または住所を有する方で焼骨をお持ちの方、または本市にある墳墓を改葬しようとする方に限り、５月11日から６月５日の期間に募集を行いました。募集した７区画に対しまして11件のお申込みをいただき、抽選により使用者を決定したところでございます。よろしくお願いいたします。

○細矢俊博議長　３番滝口公一議員。

○３番（滝口公一議員）　半田部長、ご答弁ありがとうございます。質問を続けます。募集が７に対し11の応募があったということは、抽選に漏れた４名の方も市営墓地を使用したい意思を持っているので、少数ですが墓地の需要はまだあると考えられます。先日、みはらし霊園の現場に行って見て回ったんですが、更地のところが思いのほか多いと感じました。実際に墓碑が立っている割合はどの程度なのか伺います。

○細矢俊博議長　半田市民生活部長。

○半田薫市民生活部長　561区画のうち、現在墓碑が設置されているのは319区画で約６割の設置となっております。設置の状況が６割という背景といたしましては、１期及び２期の分譲当初の募集要件に焼骨を持っていることなどの切迫要件が設定されていなかったことが挙げられます。そのため、未だ４割の区画に墓碑が設置されていない状況となっているところでございます。お願いいたします。

○細矢俊博議長　３番滝口公一議員。

○３番（滝口公一議員）　ありがとうございます。全体の４割ほどはまだ墓碑が立っていない現状とその理由について理解しました。いずれは時間の経過とともに墓碑で埋められていくということなんでしょう。この市民墓地が整備された背景には、本市に移り住んだ方々の需要があったことが一番の理由だと思います。東根に居を構えた方は、文字どおりこの土地に骨を埋める覚悟があって、墓地とともに安心感を求めたのではないでしょうか。

　　本市では墓地が整備された平成17年から今年８月１日現在までに世帯数にして4,468、人口は1,872人の増となっております。

　　アパート等が増えたことと核家族化が進行している状況が見て取れますが、今も盛んに宅地開発が進んでおり、６月30日付の新聞紙上には住みよさランキングで本市が県内１位、全国812都市中57位と発表され、ちまたの評判も定住を後押ししております。今月の新しい市報にも市長の言葉として出ておりましたが、様々なちまたの評判がよくなっているという状況でございます。

　　移住者以外の先祖代々その土地に暮らしてきた人たちにも中山間地域の共同墓地に無数にあるお墓を引越したい、改葬したいといった要望もあります。山腹に位置するため、足元が危ないことや雑草が生い茂り管理が行き届かないこと、大雨の度に地盤が削られる、そして菩提寺が無人寺になってしまったなどの理由が挙げられます。これらを踏まえて、市営墓地の潜在的需要はまだあるのではないかと考えます。

　　私はいたずらにお墓を増やせと言っているわけではありません。日本は少子高齢化社会となり、いずれ近い将来、本市も人口が自然減となっていくでしょう。お墓を求める人がいる一方で、承継者がいないため墓じまいする人が多くなっているのも現実です。最近では核家族化や単身高齢者の増加が社会問題となり、家族観は変化し、後を見てくれる人がいないという人が増加しています。

　　そうした受皿の一つとして、合葬墓であったり樹木葬といった様式も検討してみてもよろしいのではないでしょうか。

　　先ほど市長から、来年度以降に市営墓地の需要、整備の在り方についてアンケート調査を実施予定とのご答弁をいただきました。とても興味深い取組だと思います。行政サービスとして東根市の魅力の一つにもなり得る案件と思いますので、是非ともよろしくお願いします。

　　また、利用者の声としてですが、現在の市営墓地、こちらの市営墓地の場所が多少分かりづらいので、県道に案内看板を増やしてもらえないか。また、施設全体図がない、配置番号一覧の看板が経年変化によって見づらくなっている、字が小さい、管理用の外周道路に自家用車を乗りつける人がいて危険ではないかなどの要望がありましたことも併せてご検討くださるようお願いいたします。

　　次に、デマンド型乗合タクシーについてのご答弁についてですが、利用方法、利用状況、今後の対応をご説明いただきました。利用するには登録が必要ということで理解しました。10月から本格運行に切り替わるということで、混乱のないスムーズな運用に期待したいと思います。乗合タクシーですから、複数の人に乗っていただくのが効率的なんですが、乗合した割合はどうだったのか伺います。

○細矢俊博議長　半田市民生活部長。

○半田薫市民生活部長　それでは乗合率についてお答えいたします。

　　複数の利用者が乗車することで効率的に運行できることがデマンド型乗合タクシーの利点でございます。昨年10月から３月までの利用においては、運行した37便のうち、乗合で利用いただいたものが12便となっており、約３分の１が乗合での利用となっております。

○細矢俊博議長　３番滝口公一議員。

○３番（滝口公一議員）　ありがとうございます。運行便数の約３分の１が乗合利用だったということですが、この数字が本格運行でどうかわっていくのか、注目していきたいと思います。また、利用者登録数が昨年10月から今年３月までの半年間で48人とのことですが、４月以降は登録がなかったのでしょうか。48人というのも少ないように感じますが、これが想定内の数字なのか、要因と今後の対応について伺います。

○細矢俊博議長　半田市民生活部長。

○半田薫市民生活部長　先ほどの市長答弁にもございましたとおり、令和２年３月までの利用者登録数は48人となっておりますが、現在デマンド型乗合タクシーは市民バスと並行運行していることから、本当に必要性の高い方から登録をいただいた結果と捉えております。今後はデマンド型乗合タクシーに一本化されることで、利用者登録数が増えるものと想定しております。

　　また、普段は自家用車を運転している方でも、冬期間の降雪などで運転に不安を感じる方などについても、是非登録してご利用いただきたいと考えているところです。

　　本格運行の開始に合わせて、登録や利用の仕方について地域のご協力をいただきながら、さらなる周知、広報を行ってまいりますので、ご理解をお願いいたします。

○細矢俊博議長　３番滝口公一議員。

○３番（滝口公一議員）　ありがとうございます。４月以降はちょっと地域の方も興味が薄れてしまったのかなという感じですが、これまで市民バスを利用していた方は、慣れ親しんだものへの執着と新しいことへの不安があると思います。これからはデマンドタクシーのみになるわけですので、利用者の不安払拭のため周知に努めていただきたいと思います。

　　利用者登録数の少なかった理由の一つではないかと思っていることは予約時間です。利用する前日の17時、夕方５時までに業者に連絡しなければならないという条件になっていますが、少し早いような気がするんです。予約の電話を入れた後に翌日の予定が変わるケースというのは割と多いのではないでしょうか。

　　ご高齢の方は朝になって体調が優れなかったりすると出かけるのもおっくうになりがちです。こういった利用制約の見直しはできないのでしょうか、伺います。

○細矢俊博議長　半田市民生活部長。

○半田薫市民生活部長　デマンド型乗合タクシーは、行き先の異なる利用者を乗り合いで移送するために効率的な運行経路を考慮してタクシー配車を行っております。そのため、運行を委託しているタクシー事業者において、運行に必要な車両や人員を配置するために事前の予約が必要となります。

　　事前の予約においては一度に複数の予約が可能であることから、必要に応じて先の予定の分まで申し込むことが可能であり、また、先ほどありました具合が悪いなどキャンセルにつきましては、乗車の１時間前まで可能となっております。

　　良好なデマンド型乗合タクシー運行のために事前予約の必要性などについて、どうぞご理解をお願いいたします。

○細矢俊博議長　３番滝口公一議員。

○３番（滝口公一議員）　ありがとうございます。予約時間を後ろにずらすのはタクシー事業者側のシステムの都合で難しいというご説明でした。今のご説明の中に複数予約というのもあったんですが、こういうのは複数予約という方法もあるということは、これはちょっと知りませんでした。

　　最後の質問になりますが、本格運行に移行するに当たり、地域の要望を反映した点はどのようなことだったのか伺います。

○細矢俊博議長　半田市民生活部長。

○半田薫市民生活部長　デマンド型乗合タクシーの本格運行に際して、試行運行により見えてきた課題や要望につきましては、地域と協議を行い、反映できる点については改善する予定でございます。

　　例えば、試行運行では週１日水曜日のみの運行でしたが、本格運行においては市民バス泉郷線を運行しておりました火曜日と金曜日の週２回の運行を予定しているところです。また、運行時間についても１日３便のうち２便目の復路の時間を11時30分から12時へ変更の予定ですが、これは時間に余裕を持って利用したいという地域のご意見を参考にしたものでございます。

　　さらに、施設への面会等でご利用いただけるよう、共通乗降場所に介護保険事業所を加えることも予定しております。

　　このように、運行時間や行き先など地域の要望や課題に対して柔軟に対応できることも、デマンド型乗合タクシーの大きなメリットであると考えております。試行運行により地域とつくり上げたデマンド型乗合タクシーのシステムを本格運行に発展させ、今後ともよりよい公共交通機関となるよう努めてまいりますのでご理解をお願いいたします。

○細矢俊博議長　３番滝口公一議員。

○３番（滝口公一議員）　ありがとうございます。工夫すれば変えられるような点があれば、できる限り柔軟な対応をご検討いただくようお願いします。

　　また、立ち寄り先としてかなり広範囲な場所が指定されております、医療機関であったり公共施設、買物をするところ、あとは金融機関、それらの例えば休業日ですとか、そういうのも是非とも一覧にしてその利用するタクシーの車内であったりとか、そういうところに準備していただければ利用する方の利便性が高まると思いますが、こちらの方も検討していただければと思います。

　　土田市長がよくおっしゃるのが、地域に住み続けられるかどうかの判断は、商業・医療などの生活利便施設が生活圏にあるかということです。私も同感でございます。デマンドタクシーを上手に活用できれば、高齢者の生活圏を広げ外出機会が増えることにもつながりますので、地域に寄り添った運用をしていただきますようよろしくお願いいたします。

　　以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。

○細矢俊博議長　以上で、ご了承願います。

　　◎元木十四男議員質問

○細矢俊博議長　次に、４番元木十四男議員。

　　　〔４番　元木十四男議員　登壇〕

○４番（元木十四男議員）　４番元木十四男でございます。

　　先般、７月28日の豪雨水害で被災されました皆様に心よりお見舞いを申し上げます。

　　それでは、議長の許可をいただきましたので、通告をしておりました７月豪雨による最上川の氾濫と白水川の堤防決壊について４点質問をいたします。

　　山形県民にとって母なる川最上川は、最も身近で、最も親しまれ、愛されている川であります。昭和天皇が歌会始でお詠みになられた「広き野をながれゆけども最上川うみに入るまでにごらざりけり」のこの歌は、山形県民歌として親しまれ歌われています。松尾芭蕉が詠んだ「五月雨を集めて早し最上川」はあまりにも有名であります。

　　さらに、まさしく災害時にその機動力を発揮して救助活動などにあたる山形県消防防災ヘリコプターの名前も、母なる川からもらい「もがみ」と名づけられました。

　　近年、梅雨の時期や台風シーズンにはテレビや新聞等で観測史上類を見ない記録的な大雨だったという言葉が目立ちます。天災は忘れた頃にやってくると言われておりましたが、近年では忘れるどころか立て続けに想定外の自然災害が発生しております。むしろ、発生するのは想定外の災害ばかりで、これまで異常気象とされてきた豪雨災害などは近年常習化しております。

　　特に、大きな被害をもたらす短時間強雨発生回数は、昨年洪水ハザードマップが更新された折に、地区ごとの説明会時に危機管理室から配られた資料のデータによりますと、1976年から1985年までの10年間と2010年から2019年までの10年間を比較すると、その数は226回から327回と約1.4倍に増加し、回数で言えば100回以上が増加しているのであります。

　　さて、先日７月27日から降り続いた雨量は、本市においては東根169.5ミリメートル、山形空港で162ミリメートルと、７月としては観測史上１位を記録しました。さらに、24時間降水量や総雨量、１か月降水量も更新し、観測史上１位となりました。降り続く雨により地盤が緩み、７月28日12時10分には本市の危機管理室から土砂災害情報が発令されました。時折小康状態にはなるものの、山形県ほぼ全域で夕方まで降り続いた雨は、最上川や白水川の水位を見る見る引き上げました。８月28日の朝日新聞の報道によれば、谷地橋下流にある下野の水位観測所では、７月28日午後６時10分頃、最上川が氾濫危険水位16.7メートルまで達し、午後７時までに堤防が危険な状態になる計画高水位16.99メートルも超え、午後９時10分には17.55メートルに。これは昭和42年の羽越水害の15.94メートルを大きく超え、過去最高水位を更新しました。

　　一方、この頃昼前には、降りしきる雨の中、松沢地区の公民館では区長さんたち三役が集まり、上昇した白水川の水位を目視確認、観察しながら今後の地区民の避難などについて話合いが行われていました。そんな中、本市の危機管理室から午後７時６分にエリアメール等で東根市西部地区、大富、小田島、長瀞地区に警戒レベル４の避難勧告が発令されました。長瀞地区内においては、長瀞地区民と白水川の北側の岡嶋地区民は長瀞公民館に、松沢地区民は中央運動公園体育館に、さらにそれが困難な場合は垂直避難で家の中の２階など高いところに避難を促すものであります。

　　私も避難というよりは地区住民の安全を確認したい、避難所運営の何かお手伝いはできないものかという思いから、８時過ぎに長瀞公民館に行ったところ、９時10分、長瀞地区自主防災会会長のところに白水川左岸堤防より越水が始まったという情報が飛び込んできました。そんな中、11時過ぎには市長が避難所の皆さんに激励のあいさつに来ていただきました。あいさつの中には最上川の水位が少しずつ下がっているという情報もあり、避難されている皆さんも少し安堵の色が見えてきたところでした。そんなこともあり、長瀞公民館の避難者は12時前後に岡嶋地区の８人を除いては多くの人たちが自宅等戻って行かれました。

　　まんじりともしない夜を明かし現場に行ってみると、目を疑う光景がそこにはありました。白水川右岸堤防が決壊し、濁流となって押し寄せる水で道路や田んぼ、畑が広範囲で冠水し、岡嶋地区の住宅や小屋が浸水し、道路の陥没やブロック塀の倒壊など甚大な被害をもたらしていることを目の当たりにし、言葉を失いました。

　　そこで質問をいたします。これほど甚大な被害をもたらし、極めて危険な状況から市民の生命財産を守るための白水川右岸堤防決壊情報はなぜ発表されなかったのか、伺います。

　　２点目、被災地区の復旧復興について伺います。堤防や道路などのインフラ、ハード面の復旧復興については、昨日の一般質問で先輩議員が質問されておりますので、私からは被災された方々が１日も早い日常生活を取り戻していただくための、言わばソフト面での復旧についてであります。

　　押し寄せた濁流により床上浸水や床下浸水した家屋は、家屋や敷地内、その周りには水が引いた後に残されたのは大量の泥と流木、草などのごみでありました。これらを取り除く作業や、また水に浸かって重くなった畳、さらには家具や家電など、災害廃棄物として搬出や後片づけなど地元の消防団や自主防災会の人たち、仲間たちのボランティアなど多くの皆様に支えられ、様々な支援により明日へ向けて日々頑張っておられます。この方々に１日も早く日常生活を取り戻していただくために市としてはどのように対応したのか、どのような支援策を講じたのか伺います。

　　３点目、災害廃棄物について伺います。被災直後、被災された方に今一番してほしいことは何ですかという問いかけに、一番多かったのは、とにかくこのごみを何とかしてほしいという声でありました。衛生上の問題や生活環境のことを考えたときに当然のことであります。河川の氾濫で生じた災害廃棄物、浸水家屋、あるいは農地から出たものの処理方法と対応について伺います。

　　昨日のテレビニュースによりますと、この度の豪雨水害で県内の自治体から仮置場などに搬出された災害廃棄物は約9,200トンで、そのうち処理されたものが僅か１割にも満たない872トンということが報道されておりました。この大きな理由の一つに、国が推し進める災害廃棄物処理計画がまだ策定されていない自治体が多いということが挙げられます。仮置場のレイアウトや分別の仕方などスムーズな指示ができなかったなど、しかし本市においては今年の３月に災害廃棄物処理計画は策定済みのようであります。

　　最後に、被災農家への支援であります。収穫間際の桃や枝豆などをはじめ、さくらんぼ、リンゴ、ラ・フランスなど果樹の被害、田んぼには泥や土砂の入り込みの被害など、被災された農家の方々は落胆の色を隠せません。そればかりか、畑地に置いてあった農機小屋に置いてあったトラクターや高所作業台、スピードスプレーヤーなどが水没してしまった農業機械の修理や買い換えなど、二重、三重のショックを受けられております。営農再開に向けて諦めの声も聞こえてきております。こういった営農再開へ向けて、農家の方々へ水没した農業機械等へ本市はどのような支援をしていくのかを伺い、登壇での質問といたします。

○細矢俊博議長　４番元木十四男議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　元木十四男議員の７月豪雨による最上川の氾濫と白水川堤防決壊についてのご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、白水川決壊の情報が発表されなかったことについてでありますが、決壊を知らせる情報は次の２つとなります。

　　１つは、河川管理者が発表する洪水予報で破堤を氾濫発生情報として発表します。この予報は特定の河川のみに行われるものであり、本市地域では最上川が該当します。白水川は氾濫発生を自動的に発表するシステムではありませんが、この度の災害では本市の災害対策本部が最上川の洪水予報をもとに避難勧告を発令しており、住民の避難という目的に対しては最上川の予報が役割を果たしております。

　　もう１つは、市町村が独自に発表する災害発生情報で、国のガイドラインでは可能な範囲で発表と慎重な表現をしております。決壊は警戒レベル５に相当しますが、避難勧告、避難指示など住民への避難の呼びかけは、警戒レベル３に相当する氾濫警戒情報レベル４に相当する氾濫危険情報の段階でなされ、氾濫発生時の呼びかけをガイドラインでは想定しておりません。洪水でも土砂災害でも発生時に戸外に出るのは大変危険であり、災害発生を発表することで心配で駆けつけた方や様子を見に来た方が２次災害に遭う恐れもあります。災害発生の情報は慎重を期す必要があります。

　　まずは本市の災害対策本部としての第１の役割は何よりも命が第一優先であります。ですから、今回は空振りも恐れをしないという形の中で避難勧告を２度にわたってした次第であります。今でも私は正しかったのではないかなと思っております。

　　また、この度の決壊は深夜に発生しており、当時、消防署員が近くで監視している中で、その可能性が高いことは十分認識しておりました。しかしながら、視界が不良で堤防に近付くことが危険な状況下において、事態の全容を把握することは困難でありました。これは日中広い山間部のどこかで土砂災害が発生しても同様であります。

　　このように、情報の発表と避難の呼びかけは発生時点ではなく、１段階前、２段階前に主眼を置くのが国と地方の共通の考え方であります。ご理解をお願いします。

　　次に、被災された方々が日常生活を取り戻すことへの支援でありますが、発災後、早い段階で床下や家屋周辺の消毒に必要な資材と薬液を被災自治体にお届けしています。災害で生じた生活ごみの回収は早期に開始しており、同時に罹災証明を速やかに発行するため、建物の点検や評価に精通した職員が浸水家屋の調査を行っております。

　　さらに、居宅に被害があった方に対して、新たに市独自の支援を行うことといたしました。１つは床上床下浸水に遭われた住宅の修繕工事費用への助成で、もう１つは水道料金と下水道使用料について、復旧作業に要したであろう料金相当額を減免するものであります。これに加え、国の制度による生活必需品の現物支給、税や医療費、保育料の減免など、役立ちそうな既存制度を紹介したチラシを被災された世帯に配り、支援制度の活用を促しております。

　　なお、今回の７月豪雨災害においては、要請によりまして大石田町に罹災証明の発行のために職員を１人派遣をしました。そして、災害相互援助協定を結ぶお隣の河北町については甚大な被害がありました。

　　そういうことで、東根市役所職員が罹災証明、あるいは災害の全体の把握などについて河北町の要請により25名の職員を派遣をしております。それぞれ立派な使命を私は職員が果たしてくれたものと思い、両町長から直接御礼の言葉がありました。参考に付言しておきます。

　　次に、災害廃棄物についてでありますが、浸水被害を受けた家屋からの災害廃棄物については、７月30日に仮置場を開設し、８月４日まで松沢地区内において受け入れたところであります。仮置場では可燃物、不燃物、廃家電、畳、木くずなどに分別して受入れ、処分をいたしました。現在把握している災害廃棄物でありますが、一番最新の数字でありますが、今回の災害廃棄物はいわゆる農地の廃棄物も含めて合わせて112トンになっております。いずれもこれは処理場でもう処理済みであります。

　　ちなみに、河北町は今回3,300トンであります。そして村山市は3,000トンであります。実は議員もご指摘ありましたように、先ほど災害ごみの処理計画というものは、国の行政指導によりまして今年度中に、つまり来年の３月までありますが、処理計画をつくりなさいという行政指導がなされております。もちろん、東根市は昨年処理計画を立てております。しかし、村山市はまだ立てておりません。そして、河北町については現在策定中でありました。

　　したがって、処理計画を立てているところと立てていないところにおいては、初動体制が非常にこの度河北町は敏感でありました。もちろん私どものクリーンピアに処理をしていただきたいということで要請が、もちろん村山市からもありました。しかし、私どものクリーンピアは１日最大で今までは12トンであったわけでありますけれども、今回の緊急時に鑑みて24トンまで１日処理計画を立てたわけであります。しかし3,000トン、あるいは3,300トンいうふうなことからするならば、まだまだ処理は時間がかかるわけであります。

　　そういう意味で、全国でも今、国では昨年の台風19号で東北一帯が相当な被害があったわけであります。それらも含めて、全国で215万トンの災害ごみが発生したのであります。しかも、それが稲刈りの後でありましたから、稲わらが相当な廃棄物となって、私も全国に、政府に要望に行ってまいりましたけれども、被害、被災された自治体は、そういった災害ごみという処理計画というものが大変な今後の課題であるなと思っております。

　　国としては今年ようやくこの問題をどう処理すればいいのか、215万トンのごみというのは処理するまでに恐らく２年はかかるだろうと言われているわけであります。

　　しかし、そういう中において、マンパワーが不足をしております。したがって、国では現在考えているのは、東日本大震災での災害ごみの処理を経験した方、あるいは熊本地震で経験をした方なども含めて、広くそういった人材を登録をして、人材バンク制度というものを設けて、そして毎年のように災害が発生する全国状況の中において、これに対応していきたいということで、ようやくその国も腰を上げたところでありますけれども、４月からこの計画に沿って実施をする予定でありましたが、コロナ禍によって、これから10月からこれに具体的に取り組もうというのが最近の環境省、政府の情報であります。参考に申し上げました。

　　また、被災した農地から発生した廃棄物等今まで含めると112トンでありますけれども、このため東根市農業協同組合よりご協力をいただき、長瀞地区のライスセンターの一部を仮置場として借用し、８月５日から８月12日まで受け入れたところであります。

　　次に、被災農家への支援についてでありますが、国や県において様々な支援策を制度化している中に、農業用機械の再取得、修繕への支援もあります。それぞれ要件はありますが、国においては農業専用トラックの修繕、再取得や中古農機の取得も対象となる補助率２分の１の補助制度があります。県においても市との共同事業として農機具の修理、再取得を対象とした事業が制度化されております。

　　本市といたしましても、県との共同事業対応等について予算も含め検討しており、これらを積極的に活用できるよう農協など関係団体と連携を図りながら被災農家への支援を展開してまいりますので、ご理解をお願いいたします。

○細矢俊博議長　４番元木十四男議員。

○４番（元木十四男議員）　市長、本当に具体的にお答えいただきまして本当にありがとうございました。ここからは自席にて質問をさせていただきます。

　　白水川堤防決壊がしたときに、市の災害対策本部はそのことを認識していたのか。認識していた場合、どのような対応をとったのかお伺いいたします。

○細矢俊博議長　芦野総務部長。

○芦野耕司総務部長　お答えいたします。

　　当時、当時といいますのは７月29日の未明ですね、午前２時とか３時とか、その辺りの状況について申し上げたいと思います。市の消防の署員と、それから県の河川担当の職員が現地で事態の把握に努めておりました。市の災害対策本部は消防本部、それから市の河川担当と継続的に連絡をとっておりましたので、その堤防の決壊の可能性が高いなと、どうもそのような感じだなってことは認識は持っておりました。

　　特に午前３時の前になりましては、右岸の方の松沢橋のちょっと上流辺り、そこの可能性が高いんだということもだんだん分かってきておりました。

　　長瀞地区本体については、水が押し寄せていないということを確認しておりましたので、心配を結局岡嶋地区一本に絞っていたところであります。

　　この時点では岡嶋地区６世帯ございますけれども、その中の４世帯は確実に避難所に行っているということが分かっていたんですが、２世帯の方がまだちょっとその確認ができていなくて、ご自宅にとどまったではないかというちょっと心配もございましたので、消防本部とはとにかく明るくなって、周りが活動ができるようになったらボートを出してでも安否確認をしようという、そんなことを打合せをしていたところであります。

　　その後、朝方４時くらいになりまして、６世帯皆さんがそれぞれ避難をしていたということが分かったところでございます。そのような状況でございます。よろしくお願いいたします。

○細矢俊博議長　４番元木十四男議員。

○４番（元木十四男議員）　地区民の命を守るための最善の手を尽くしていたという状況は分かりました。人命第一、命を守るということは何よりも最優先であります。国のガイドラインでも避難をさせて命を守るということが優先で、決壊などの災害発生情報は可能な範囲で発表するということを理解をした上で、私の思いを申し上げたいと思います。

　　もし、決壊地点が右岸ではなく左岸であったら、松沢地区は相当な被害を受けたであろうことは想像に難くありません。さらにその水は小田島地区の島大堀まで達し、甚大な被害をもたらしたかもしれません。家屋の浸水は言うまでもなく、避難できなかった人たちの命に関わる事態になっていたかもしれません。

　　災害時には最悪の事態を想定して、情報の発信や伝達をすることが大事であり鉄則であると考えております。白水川の堤防決壊情報を発表することにより、恐怖心をあおったり、不安感を募らせたり、心配事を増幅させるものではなく、適度な緊張感を持つことで避難意識を高め、ひいては防災意識の高揚にも役立ち、避難行動に移せるのではないかなと思うのであります。

　　さらに最上川には白水川や村山野川のような直接最上川に入る第１次支流、日塔川や荷口川のような第２次支流も含めて428本の支流があると言われています。

　　この８月28日の朝日新聞にも掲載されておりましたがこの428本の支流のうち、溢水や越水は何十か所でありましたが、堤防が決壊したのは唯一、白水川だけでありました。見方を変えれば、もっと強い言葉で言うならば、白水川の堤防に問題があったと言えるのではないでしょうか。

　　決壊情報を発表することによって、これは緊急性を要するものという観点からすれば逸脱するかもしれませんが、決壊情報を発表することによって白水川の堤防の脆弱さや治水事業の在り方など、さらにクローズアップさせ、国や県においても白水川の改修工事のスピードアップに役立つのではないかなと思うのであります。

　　今回の水害において課題の一つが情報発信だと思っております。刻々と状況が変わる中、市民が安全確保のために絶対必要なのは今、東根市はどうなっているのか、白水川がどうなっているのかという詳細な情報であります。

　　今回この情報がどこを見ても分からないということで、様々な混乱も生じました。テレビなどでよその地区の避難勧告や水害の状況を知り、より詳細な情報を得るために本市のホームページにアクセスしたものの必要な情報がなかったという意見もいただきました。

　　市の危機管理室においては、市内数か所に避難所の開設等の手だてを取っておりましたが、対策本部が把握した情報についてはそこだけにとどめるのではなく、リアルタイムに市民に知らせるべきであります。市民に必要なのは具体的な情報であります。

　　国の避難勧告等に関するガイドラインでは、中央防災会議のワーキンググループにおいては、災害発生情報の重要性について提言されているようであります。避難時の発令ではなく、災害発生情報を発令し命を守る行動を促すといった提言であります。避難勧告時の避難勧告・避難指示の違いが分かりづらいなどということから、今後統一されるような動きが見てとれます。その辺を注視していただき、今後の情報発信をよろしくお願いをいたします。

　　次の質問にまいります。

　　被災者の生活面での支援についてですが、被災された皆様の今後の生活再建に欠かせない罹災証明書の発行について、申請及び発行件数並びに市独自の被害住宅への支援策及び水道料金、下水道使用料への支援制度の概要をもう少し詳しくお聞かせください。

○細矢俊博議長　小松建設部長兼水道部長。

○小松伸一郎建設部長兼水道部長　お答えいたします。

　　昨日９月３日現在の罹災証明書の申請及び交付件数は、いずれも15件となっております。この度の豪雨災害において被害を受けた住宅の修繕工事を行うものに対し、修繕工事費を補助することとなっております。対象につきましては自己が居住する住宅に被害を受け、住家被害箇所の修繕を行うもので、要件は罹災証明書を有するものとなっております。

　　補助率につきましては、市が住宅修繕工事費の30％、上限30万円となっており、これに対し山形県が15％、上限15万円を上乗せすることとなっており、合計で補助率が45％、上限45万円の補助となります。また水道料金、下水道使用料への支援につきましては、罹災証明書を有する方を対象に復旧作業に要した期間相当として、半月分の水道料金、下水道使用料を減免いたしますのでご理解をお願いいたします。

○細矢俊博議長　４番元木十四男議員。

○４番（元木十四男議員）　ありがとうございました。よく理解いたしました。

　　この被害住宅への支援補助でありますが、その率が補助率が30％と、ほかの市町村と比較してもかなり高率な補助率でありますので、是非被災された皆さんにはこれを活用していただきたいなと思ったところであります。

　　また水道料金、下水道の使用料の減免についても被災された皆さんは大量の泥を排出する際、あるいは家の中の掃除などで大量の水を使ったので、この支援は大変ありがたいという感謝の言葉を実際にいただいたところでございます。

　　次に、災害廃棄物についてお伺いいたします。

　　当初、災害廃棄物の受入期間については、当初は７月30日、31日の２日間でありましたが、実際に被災された皆さんに直接市の職員がチラシを配りながらその説明をしていたところを私も直接見受けしております。その２日間であったものが８月４日まで延長した理由、その背景は何なのかお聞かせください。

○細矢俊博議長　半田市民生活部長。

○半田薫市民生活部長　お答えいたします。

　　当初は被害の全貌がまだ明らかではなく、被災家屋が何棟にあるのか、搬入される災害廃棄物の量がどの程度なのかについて想定することが難しかったこと、また公衆衛生の確保、生活環境保全の観点から迅速に対応する必要があったことなどから、まず２日間の日程を決定したところです。

　　また、廃棄物の搬入にかかる処理組合との協議も、仮置場の設定と並行して行っていたため、仮置場の開設を行った初日より、災害廃棄物の搬出ができるかどうかも不確定であり、限られた大きさの仮置場について状況を判断し、仮置場を変更または追加しなければならない可能性もあったことからそのように設定し、その後８月４日まで延長したということでございます。よろしくお願いいたします。

○細矢俊博議長　４番元木十四男議員。

○４番（元木十四男議員）　ありがとうございました。７月30日からの対応ということで素早い対応で被災された方々も大変喜んでおられました。

　　それではその８月４日までに搬入できなかった被災者への対応はどのように行ったのか、お伺いいたします。

○細矢俊博議長　半田市民生活部長。

○半田薫市民生活部長　お答えいたします。

　　８月５日から12日までの期間に限り、申請に基づき生活環境課が発行した「り災ごみ搬入許可書」を持参していただいた上で、処理組合へ自己搬入していただきました。自己搬入した件数は６件となっております。よろしくお願いします。

○細矢俊博議長　４番元木十四男議員。

○４番（元木十四男議員）　承知しました。

　　東根市は先ほども申し上げましたけども、災害廃棄物処理計画を策定しておりますので、それに基づいた対応ができたのであろうなと思ったところであります。

　　最後に、農業支援について質問をいたします。

　　市長から先ほどの答弁の中で、予算も検討しながらという非常に心強いご答弁がありました。営農再開に向けた農家の方たちは、登壇でも申し上げましたが、農地は水没し、農作物が取れなくなり、さらには農機具も水没して修理あるいは買換えをしなければいけないということで、非常に落胆しております。国の支援パッケージやいろんなものがあるかと思いますが、その辺を活用して、市としても支援をしていただけることを大変うれしく思っているところでございました。

　　先日、テレビで長瀞の被災された若手農家の方が特集を組まれておりました。この水害で農作物は大きな被害があったが、逆にそのことで仲間を思い、協力するという気持ちがさらに強くなったということであります。今回の災害で体調を崩した若手農家仲間が、逆に延べ40人ぐらいの仲間が集まり、収穫を済ませたということであります。農家は１人ではできない、周りとの協力が肝心である。支え合いながらやる。農家は天候相手の、まさしく自然災害と隣り合わせだが、大変ではあるが決して辛くはない楽しい仕事であると、これから農業をやりたいと思っている人に伝えていきたい。そしてこの災害を悲観的に捉えず、前向きと捉えてこれから営農を続けていきたいということを力強く言っておられました。

　　これからの農家への国などの支援パッケージなどの説明会など、ＪＡなど関係諸団体と連携を持ちながら、勉強会なり研修会などもやっていただければなと思ったところでございます。

　　最後に、今回この豪雨災害を通して様々な教訓、課題、問題点が見えてきたと思います。それらの教訓から学んだことを今後のまちづくりの施策に生かしてほしいなと思うところであります。災害に強いまちづくり、それはハード面での強靭化だけではなく、ソフト面での情報伝達や避難所の在り方、市民の高い防災意識の情勢等についてお願いをして私の質問を終わります。

○細矢俊博議長　以上で、ご了承願います。

　　◎齋藤俊一郎議員質問

○細矢俊博議長　次に、１番齋藤俊一郎議員。

　　　〔１番　齋藤俊一郎議員　登壇〕

○１番（齋藤俊一郎議員）　議席番号１番齋藤俊一郎です。

　　私からも改めて７月豪雨被災をされた全ての市民の皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。

　　また、この度の一般質問の機会を賜りましたことに感謝を申し上げて通告に従い質問を行ってまいります。

　　議席を預かり、初めての一般質問を行わせていただき、ちょうど１年が経過しました。

　　私の最初の質問事項は、子育てするなら東根市、子ども・子育て支援についてでありました。

　　そして、その後の一般質問における共通テーマは、全ての市民がお互いの人権や尊厳を認め合い、生き生きと暮らし続けられる社会、すなわち共生社会の実現に関した質疑を行ってきました。この度はこの２つのテーマを主題に、明日への責任、そして未来への責任という初心の志を胸に刻みながら質疑を行ってまいります。

　　まず１項目は、令和の新たな子ども・子育て支援についてであります。

　　先日配布された９月１日号の本市市報において、市長は「東根の勢い、今なおパート２」と題して、８月１日号の市報に続いて最近発表された本市の数値で見る評価と、大手企業や経済誌における評価を紹介され、その要因として農工一体のまちづくりとコンパクトなまちづくりが成功したことを挙げ、躍進する東根市の評価につながっていると分析をされておられました。

　　この住みよいまち東根市の根底を支える要素として、今挙げた点と並び出てくるのが遊育と共育を理念とし、他自治体に先駆けた子ども・子育て支援に手厚いまちとしての行政評価だと私は思います。

　　そこで令和の新時代を迎えた今、幼児教育・保育無償化や質の向上への期待と、感染症や災害、少子化、経済悪化などへの不安が交錯する新たな局面の中で、子ども・子育て施策のトップリーダーとして内外から注目を集める、子育てするなら東根市を創設した市長の考える、子ども・子育てに関する新たな市政方針を是非お伺いしたいと思います。

　　２点目はただ今の子育て政策理念を基に、幼児期の学校教育・保育、地域の子育て支援について５年間の需給計画となる子ども・子育て支援事業計画についてお伺いします。

　　この度第２期計画の素案が発表され、現在パブリックコメントとして市民に意見を求めていますが、平成27年度から始まった本市における第１期の本計画の成果と課題についてどう分析をし、その結果をこの第２期計画案の柱と施策にどのようにつなげ、発展をさせながら時代を見据えた新たな子育て支援プランに結びつけていくのかをお伺いします。

　　関連し、第２期計画案における量の見込み確保の方策についてお伺いします。

　　これまでの一般質問で何度も取上げ改善を求めております、本市子育て最大の課題である３歳未満児の保育ニーズに関わる対応について、この第２期支援事業計画案ではどのように対策が講じられているのか内容をお伺いします。

　　また、第２期計画案において、障がいの有無に関わらない共生社会の視点からの子育てを意味する未就学児におけるインクルーシブ教育・保育の推進に対し、その考え方及び支援策の反映状況をお伺いします。

　　次に、２つ目の項目として市長が重要テーマとして掲げる共生社会推進の中で、高齢者の先輩世代の方々が「生きがいを持って豊かな人生を送るために」を質問事項とし、次年度以降３か年を計画期間とする東根市老人福祉計画及び第８期介護保険事業計画についてその点をそれぞれお伺いいたします。

　　本市の高齢化の状況ですが、本年４月１日現在、65歳以上の方が13,228名でありそのうち75歳以上の方は7,027名の状況です。総人口に占める割合は27.8％と県内では最も低い数値ではありますが、毎年増加を続けており、今後もさらに上昇していくものと考えております。

　　一方、内閣府が公表した令和２年版高齢社会白書によれば、我が国の総人口は令和元年10月１日現在１億2,617万人のうち、65歳以上の人口の方は3,589万人、総人口に占める65歳以上の割合、つまりは高齢化率は28.4％であり、そのうち75歳以上の人口の方は1,849万人、総人口に占める割合は14.7％との数字が記載されております。

　　この超高齢化社会は社会保障費の増大をもたらし、現在我が国の社会保障費は引き続き70％近くが高齢者に充てられているのが現状です。

　　この社会保障費の増大は国や地方自治体の財政悪化の大きな要因となり、この財政再建の政策こそが現役世代の過大な負担と高齢者に対する新たな負担をもたらしてしまっています。

　　政府ではこれらの解消を目的に、人生100年時代を迎えライフスタイルが多様となる今日、お年寄りだけではなく子どもたち、子育て世代、さらには現役世代まで広く安心を支えていくため働き方の変化を中心に据えながら、社会保障全般にわたる改革、すなわち全世代型社会保障改革を提唱しておりますが、医療・介護・福祉・年金の実態は理想と開きがあると私は思います。

　　そのような中、2025年、2040年を見据え、サービス基盤と人的基盤の整備や介護予防、健康づくり、施策の充実、医療と介護の連携、認知症施策の推進、地域包括ケアシステム、介護人材確保及び効率化の取組強化に加え災害や感染症対策の体制整備は早急に求められています。

　　本市では老人福祉法に基づいた地域における高齢者の方々を対象とする福祉サービス全般の供給体制の確保に関する老人福祉計画と、介護保険法に基づき介護保険サービスの見込み量と提供体制の確保や事業実施についての定め、介護保険料の算定基準となる介護保険事業計画が策定されており、今期の両計画は平成30年から始まり本年最終年度を迎えます。

　　そこで、第７期の期間中における老人福祉計画、介護保険事業計画に基づいた各種事業の実施状況についてお伺いをします。

　　関連し、この計画に基づく福祉と介護サービスは利用者の方々やその家族の生活を継続する上で欠かせないものが多くあり、新型コロナウイルス感染症という未曾有の危機の中でも、感染防止対策を徹底した上でサービス継続をいただくことが重要だと考えます。本市としても本市独自事業として、介護福祉サービス事業者における感染防止対策に関わる経費を助成していただいておりますが、コロナ禍における高齢者を対象とした各種事業への影響についてお伺いをいたします。

　　令和２年３月31日現在、本市における介護を必要とする方、すなわち要介護・要支援の認定者の方は合計2,152名となっており、この数値も年々上昇し、この上昇カーブは大きくこれから拡大していくものと思います。そこで現在の介護サービスに関わる給付費の現状についてお伺いをいたします。

　　県内一、勢いのあるまちを象徴してきた本市人口の増加も少子高齢社会の中で、今後は緩やかな減少に転じていくことが予測されます。

　　来年度から始まる老人福祉計画、介護保険事業計画は、持続可能な介護保険制度の実現に向け大切な事業計画と捉えています。共生社会を推進する上で欠かすことのできない、年齢を重ねた先輩世代が生きがいを持ち、生き生きと豊かな人生を、ここ東根で送っていただくための次期計画、その基本目標と策定スケジュールをお伺いし、以上登壇での質問といたします。

○細矢俊博議長　１番齋藤俊一郎議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　齋藤俊一郎議員のご質問にお答えをいたします。

　　はじめに令和の新たな子ども・子育て支援についてであります。

　　本市はさくらんぼタントクルセンターの整備等、他自治体に先駆けた子ども・子育て支援策の充実を図るとともに、まちの魅力を高める様々な事業を展開し、これらの取組が本市の勢いに結びついているものと認識をしております。これからも子育てしやすいまちとしての評価に安住することなく、時代の変化とニーズを的確に捉えながら、「子育てするなら東根市」のさらなる高みを目指してまいりたいと思っております。

　　子育て支援において何より大切なことは、子どもたちが健やかに成長することでありますが、子育てに関する保護者の不安や負担感を軽減していくことも大変重要であると捉えております。今後とも子ども・子育てに関わる全ての方や関係機関が一体となった支援を進めてまいります。

　　次に、第１期計画の成果及び課題並びに第２期計画案の柱と施策についてであります。

　　これまで平成27年度から５年間を計画期間とする第１期計画を策定し、様々な施策に取り組んでまいりました。特に児童福祉施設整備に関しては、第１期計画において特に重点的に取り組む施策として民間活力も導入しながら積極的に整備いたしました。保育施設については保育定員とともに、課題にありましたゼロ歳児から５歳児までの一貫保育ができる施設も大幅に増えたところであります。

　　しかしながら、保育需要は見込数よりも低年齢児を中心に増加していることから第２期計画期間中において、東根こども園を整備するものであります。学童保育所につきましては第１期計画期間中、毎年施設の老朽化や入所児童の増に対応するため、施設を整備したところであります。

　　今後は概ね現状の利用児童数で推移するものと見込んでおり、一連の施設整備は完了したところであります。またハード整備のほか、インクルーシブ保育を目指すこと、児童福祉施設における感染症や災害の対策の強化についても新たな取組として掲げる考えであります。さらには新たに児童虐待の防止対策の強化を重点施策に加え、子どもの権利に関する啓発相談、見守り体制の充実、要保護・要支援児童対策の強化に取り組むことも考えております。

　　このように第２期計画案では第１期計画の基本政策を継承しながら、本市の現状や社会情勢の変化も踏まえ、基本施策や主な取組を改訂しているところであり、子育て支援策のさらなる充実を図ってまいります。

　　次に、３歳未満児の保育ニーズに係る対応についてでありますが、３歳未満児の保育の量の見込みについては、保護者のニーズ調査や直近の入所見込み状況等を踏まえ、第１期計画よりも増えるものと見込んでおります。

　　保育施設の定員は現状では不足しており、定員の弾力化や届出保育施設等での対応となりますが、令和４年以降、東根こども園や企業主導型保育施設の開所により定員も充足するものと見込んでいるところであります。

　　私のこれまでの子ども・子育て支援策の特徴は、大きくいって公設民営あるいは民設民営なども含めて、民間にそれを委ねたことが大きな特徴になっております。

　　しかし、時代の流れとともに最近ではあなたのこの指摘によれば、インクルーシブ教育というものがありますけれども、障がい児あるいは健常児等々、特に障がい児保育というものは焦眉の急だと思っております。

　　しかしながら、これを民間主導で行うということになれば、経営という観点からすると誠に違う観点で捉えなければならないわけであります。したがって私は令和４年度東根こども園を開設することになりますが、子ども園は市の直営であります。

　　これはやはり今後のリスク管理も含めて、私はこの不採算部門とでも言いましょうか、いわゆる障がい児保育・教育というものをやはり市の直営で行わなければいけないという判断の基に、同じ市長が方針を大転換をして、今年から新たに市の保育士を採用した次第であります。

　　行政というものは常に生き物でありますから、将来の展望に沿わしてやはりこういうことを大胆に転換をしたということでありますのでご理解を願いたいなと思っております。

　　そのため第２期計画案では、単に定員の確保にとどまらず、障がい児や医療的ケア児の受入れ体制の確保や衛生面や安全性に配慮した施設整備を掲げ、インクルーシブ保育の取組を通じ、共生社会の構築を目指したいと考えております。

　　次に、共生社会の推進についてであります。

　　はじめに現行の計画に基づく状況と課題についてでありますが、老人福祉計画においては、介護を必要としない高齢者が元気で社会参加できる仕組みづくりや健康の維持増進を図るための事業に取り組んでおります。

　　本市独自の事業として、お出かけサポートタクシー事業やヘルプアップ住ま居る事業などを実施し、高齢者が生きがいを持って活動できるための支援を行っており、一般高齢者施設においては介護保険制度における介護予防事業とバランスをとりながら実施していくことが重要であります。

　　第７期介護保険事業計画においては、地域包括ケアシステムの推進を図るため、地域包括支援センターを中心に高齢者の総合相談、権利擁護や地域の支援体制づくり、介護予防に必要な援助などに取り組み、同様に在宅医療、介護連携推進事業や認知症総合支援事業を継続して実施しているところであります。

　　また、年度ごとにＰＤＣＡサイクルを活用した進捗管理を実施し各年度の予算や事業の改善に取り組んでおります。課題といたしましては、介護サービス事業所で働き続けることのできる人材の確保が重要であると捉えております。

　　次に、給付費の現状についてでありますが、現行計画における給付費は計画値を下回っているものの、高齢者や要介護者の増加に伴い、令和元年度は約38億2,000万円で前年度より約１億4,000万円の増となりました。給付費の推移は利用料と連動しますが、利用者の介護度が重度化し、給付費の単価が上昇する場合も大きく影響を及ぼします。給付費の伸びを分析するとデイサービスを中心にホームヘルプ、ショートステイを一体的に提供可能な地域密着型サービスのニーズが高くなっております。今後とも利用者を取り巻く状況を踏まえサービス利用料と給付費の推移を分析してまいります。

　　次に、コロナ禍における高齢者を対象とした、各種事業への影響についてでありますが、「ふれあい配食事業」をはじめ、「いきいき健康教室」や「水中運動教室」、「認知症予防カフェ」等については事業を再開しておりますが、「いきいきまじゃ～れ」は現在も中断しております。送迎や旅館内で三密を回避するための少人数グループへの再編成や健康チェックの徹底など各種対策を検討しているところであり、今後の感染者数の推移を見極めて事業の実施を慎重に判断してまいります。

　　今後は新しい生活様式に対応した生きがいづくりや活動の場をどのように確保していくかが課題であると捉えております。

　　次に、次期計画の基本目標についてでありますが、今後将来的には介護需要の増大が想定されるところであります。令和３年度からの３年間を計画期間とする事業計画においては、持続可能な介護保険制度の実現に向け、在宅福祉サービスや元気高齢者の活動の充実、さらに介護予防活動や地域包括ケアシステムの有機的な連携の推進、介護サービス基盤の充実等を基本目標に掲げ、これまでの施策の継続・充実を図り、一層実効性のある計画にしてまいりたいと考えております。

　　次に、次期計画策定に向けたスケジュールについてでありますが、今年度既に庁内の策定幹事会を２回、学識経験者、保健、医療、福祉等の関係者で構成する策定委員会を開催しています。今後、各種調査等の結果を踏まえながら、策定幹事会や策定委員会で協議を行い、計画案を策定しパブリックコメントも実施する予定であります。

　　なお、介護保険事業計画では、令和３年度から３年間の介護保険料の算定を行うことから、令和３年第１回定例会において介護保険条例の改正についてご提案いたしたく、現在老人福祉計画と第８期介護保険事業計画の策定に取り組んでいるところでありますのでご理解をお願いします。

○細矢俊博議長　１番齋藤俊一郎議員。

○１番（齋藤俊一郎議員）　市長、多岐にわたる質疑に対し答弁をいただきまして本当にありがとうございました。

　　この子ども・子育て支援事業計画について市長の方から、第１期は民間の活力を十分にフルに使って、保育のニーズの量を確保してきたと、そして特色ある子育て環境を多様化する中で提供してきたことが、子ども・子育て世代の期待に応えてきたことだという、こういう話でありました。

　　今度の２期についてはその延長、新たな考えとして公でしかできない、公で責任を負わなければいけない新しい保育の在り方、これを追求して行くんだと。その一つがインクルーシブ保育であり、令和４年から始まる東根子ども園における医療的ケア児の受入れをはじめとする新たな保育の在り方ということでありました。

　　私も市長のお話、感銘を受けて聞いておりました。東根市内児童福祉施設、全て昨年一年間お伺いさせていただいていろんな話を常々伺っておりますが、やはりこの障がいをお持ちの児童さん、そして疑いのある児童さん、発達の遅れのある児童さん、様々な相談支援事業の拡大などに伴って表面化が著しくなっております。

　　一方で上山にある療育施設、療育センターへの予約はなかなか取りづらいという、こういう状況の中で、民間が負うリスク、それを考えた上で公に期待をする親御さんの気持ちを十分酌み取られた新たな施策の進展だと思って私も是非応援をしていきたいとこのように思っているところであります。

　　そういった中で、様々この子ども・子育て支援についてお伺いをしていきたいと思います。

　　今回、新たな第２期計画のお話をいただきました。東根市の子ども・子育て、私もその世代として大変市外に住む方からも注目を常々集めています。コロナに対する対策も、ほかの自治体より先駆けて、何度も地元紙に子育て世代に手厚くという見出しが躍りました。これはこれからの世を生き抜く我々にとって大きな光となっていると思いますし、多様化する中でありますし、経済状況も厳しさを増す中で子育て世代に安心を与えていただいてると思います。

　　ただ一方で、今回いただいた１期の成果や課題から導き出された新たなこの計画について私が注目していますのが、その影の部分であります。今回第２期計画において示された地域全体で子どもと家庭を温かく見守り支え合う社会の理念のもと、新たに児童虐待防止対策を重点施策されたと今ご答弁をいただきました。

　　参考資料としてこの度お許しをいただきました。まず１番目をご覧いただければと思います。これは厚生労働省の子ども家庭局家庭福祉課虐待防止対策推進室が作成した、直近の児童虐待に関する我が国の対応件数などの資料であります。

　　平成30年度における児童相談所の児童虐待相談対応件数は15万9,838件、20年前の平成11年度に比べて約10倍との数字です。特に平成25年度から毎年約１万人ずつ増えています。平成29年度から平成30年度にかけては約１万5,000人増えている状況です。

　　続いて参考資料の２番目として、今年６月に県が発表した山形県における令和元年度の児童虐待に関わる通告と認定などの状況についてです。私、大変驚きました。平成30年度から令和元年度のこの１年間にかけて、共に前年比で倍近い数値となっています。実はその前の数字も今日は添付しておりませんが、そこまで増えていませんでした。この期間からすごく伸びてます。これだけ今、社会問題化してると私は捉えていますし、県の担当課長の話によれば、内容も複雑化及び深刻化している個別ケースがどんどん増えていると感じているとの話でありました。

　　そこでお伺いをします。

　　この度、本市においてこの児童虐待防止対策を次期計画案の重点施策とされたその背景を教えていただきたいと思います。

○細矢俊博議長　石垣健康福祉部長。

○石垣和彦健康福祉部長　お答えいたします。

　　先ほど、議員の方からも全国の状況をご説明ございましたけれども、全国の児童虐待通報件数の増加、多くなっております。大変大きな課題と思っているところでございます。

　　本市におきましても例外ではございませんで、相談件数の増加とともにその複雑化また長期化するケースが大変増えております。個別のケース検討会の開催につきましても、平成27年度は19回行っておりましたが、昨年度につきましては36回と大幅に増えている状況にございます。こういった状況を踏まえまして、児童虐待の未然防止、早期発見、早期対応がより一層重要になるとの認識から重点施策に掲げるものとしたものでございますのでよろしくお願いいたします。

○細矢俊博議長　１番齋藤俊一郎議員。

○１番（齋藤俊一郎議員）　ありがとうございます。

　　個別ケース検討会の開催、平成27年度の19回から昨年度は36回、大幅に増えているとのご説明でありました。

　　今般の第２期計画案を見ますと、この36回の内訳載っておりました。虐待に関わる養護が16件、育成に関わるケースが12件、特定妊婦に関わるケースが８件との記載でした。

　　私の記憶に新しいのは、昨年事件化された本市における児童虐待の刑事事件がありました。同じ子育て世代として、驚きと同時に強い憤り、これを覚えたのを今でも鮮明に覚えています。県内各地で同様の虐待事件、発生をし、複数その都度報道されておりますが、本市においても今の数字のとおり、社会問題化しているのがよく分かりました。

　　それでは児童虐待防止対策の具体的な手法どのように考えてるのかお伺いします。

○細矢俊博議長　石垣健康福祉部長。

○石垣和彦健康福祉部長　お答えいたします。

　　現在も保健、福祉、医療、教育、警察等の関係機関かならなる、要保護児童対策地域協議会、またその下部組織になります実務者会議、また必要に応じて開催いたしますケース検討会を随時開催しているところでございます。

　　これらの会議を緊急度に応じて機動的に開催いたしまして、適切に対応するとともにそのネットワークを最大限に生かしまして、相談体制や見守り体制を強化していくこととしております。また同時に子どもの権利に関する啓発活動や要保護・要支援児童対策を一元的に対応する体制整備なども検討しているところでございますので、ご理解をよろしくお願いいたします。

○細矢俊博議長　１番齋藤俊一郎議員。

○１番（齋藤俊一郎議員）　ありがとうございました。

　　相談体制、見守り体制強化していくんだと、要保護・要支援児童対策を一元的に対応する体制整備、これも検討していかれるとの答弁をいただきました。

　　最近の傾向として先ほどの国や県の資料からも、心理的虐待とネグレクトと呼ばれる育児放棄のケースが非常に増えているのが分かります。この辺を受けて、国においては児童虐待防止法を改正し、平成30年12月には児童虐待防止対策総合強化プラン、これを決定し、令和元年度から４年間で集中的にケア・支援をしていくことが打ち出されております。

　　山形県では専門的技術に基づいて必要な指導を行うケースワーカーさんである児童福祉士を29名から今年は34名に増員したと。この増員分は全て市町村の児童虐待防止支援担当者として位置づけているとの説明でした。

　　国は2020年度末まで全市町村にこの相談支援の体制の設置を求めています。身近な相談拠点について、先ほど本市でも整備を検討していくということでありましたけども、是非こういった児童虐待を防止しながら、その児童への自立支援に力を入れていただいて児童虐待ゼロを目指した取組を要望したいと思います。

　　次に、先ほど市長からもお話をいただきました、未就学児のインクルーシブ教育・保育に関し、お伺いをいたします。

　　通称東根こども園で令和４年からこの事業を始めるということでありましたけども、私はこの計画は賛成の立場であります。医学的知見に基づいた保育や療育さらには質の向上に向け、不足する保育士の確保、継続雇用、負担の軽減、これからさらに求められてくると思います。本市現在の取組状況をまず伺いたいと思います。

○細矢俊博議長　石垣健康福祉部長。

○石垣和彦健康福祉部長　お答えいたします。

　　質の高い幼児教育・保育には、保育士に対する研修はもちろんのことでございますけれども、保育士確保や継続雇用に欠かすことのできない条件であることを認識しているところでございます。

　　障がい児の受入れにつきましては、公設施設が積極的な役割を果たすべく保育士の確保に努めてきたところでございます。また平成22年度から臨床心理士を市内各保育施設に派遣いたしまして、発達が気になる子どもへの対応方法について助言や指導を行っているほか、その後のフォローアップといたしまして、子育て相談を開催し、個別の相談にも応じております。

　　この取組は適切な養育につないだり、保護者の不安解消を図ることは基よりですけれども、保育士さんの心理的負担を軽減するものとして各保育施設からも大変有意義であるとお声をいただいているところでございます。

　　加えまして保育施設の負担軽減のため、保育施設の様々な相談に丁寧に応えていくことや、保育施設の定例会議を活用いたしまして、情報の共有、連携強化を図っていくことも重要な取組でありまして、これからも継続して続けていきたいと考えておりますのでよろしくお願いいたします。

○細矢俊博議長　１番齋藤俊一郎議員。

○１番（齋藤俊一郎議員）　ありがとうございます。

　　臨床心理士の巡回事業、以前申し上げました、これ大変大きな評価を得ています。是非持続的に発展していただきたいと思います。

　　本当に障がい児及び障がいの疑いのある児童、発達の遅れのある児童は増えてます。先ほど市長からありました、公的な責任としてこれを負うんだという、こういうことありました。

　　他方、なかなかそのニーズを凌駕、今後も受けきれないんではないかという考えも私はあります。民間ではなかなかそういった意味で、先ほど市長からありましたとおり、この点を事業として保育事業所を行うのは財政的にも厳しいものがあると。そういったことを受けて全国的には、800を超える自治体で児童福祉施設等に対し障がい児保育に関する独自の補助事業を行っていると内閣府から伺いました。

　　例えば北海道帯広市では、こんなに本当に出してるのかなと思いましたが、障がい児保育に関わる加配職員に対し、月額13万円を超える補助を令和２年度行っているという事例もあると。こういった優良な事例を国としては推奨していきたいんだというのが内閣府の考えと伺っています。

　　独自加算も施設にとっては大きな意味を持つと思いますが、先ほど市長からありましたとおり、私はこの障がいをお持ちのお子さんを預かるという意味では専門的な知見、これ非常に大事だとこう思っています。またその知見を学ぶ機会や技術の研修、そして何よりも医療機関との連携が私は大事なんだろうとこう思っています。

　　特に東根市医師会の先生方、この医療的ケア児に対する考え、見識の深い先生が多くいらっしゃいます。是非私はこの現在のコロナ禍という状況も踏まえて、この先生方と家庭、そしてクリニック、相談支援事業所、放課後デイなどの福祉サービス事業所が一体となったＩＣＴの一つの活用策を、県でも新たなプログラムとして医師会さんに提供されているようでありますので、研究をしていただいて、令和４年から始まるこの東根子ども園における医療的ケア児への受入れをはじめとするインクルーシブ教育・保育が成功することを要望したいとこのように思います。

　　次に、この次期計画に盛り込まれています多様な保育ニーズに対応した基本施策、この具体の量及び各方策についてお伺いします。

○細矢俊博議長　石垣健康福祉部長。

○石垣和彦健康福祉部長　お答えいたします。

　　保育所におきまして延長保育や幼稚園等における一時預かり事業、こちらにつきましてはこれまでの実績や今後の保育定員の増加を見越して増加傾向だと見込んでいるところでございます。

　　具体的には延長保育は今年度延べ4,000人を見込んでいるところでございますけれども、計画最終年の令和６年度には4,700人、また一時預かり事業につきましては今年度7,200人と見込んでおりますが、令和６年度には7,400人と見込んだところでございます。

　　いずれも施設の方と連携を図りながら、保護者のニーズを踏まえた対応を行っていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

○細矢俊博議長　１番齋藤俊一郎議員。

○１番（齋藤俊一郎議員）　ありがとうございます。

　　是非制度運用を引き続きお願いをしたいとこのように思います。

　　次に、この度の次期計画案の基本的施策に、子育て世帯の経済的負担軽減や働き方改革にも対応した子育て環境の構築支援をしていくという新たな取組が盛り込まれていました。現在の取組状況を伺いたいと思います。

○細矢俊博議長　石垣健康福祉部長。

○石垣和彦健康福祉部長　お答えいたします。

　　昨年10月から始まりました、幼児教育・保育の無償化、こちらの方も軌道に乗ってきておりまして、市民の方にも制度が浸透してきているものと考えているところでございます。

　　無償化対象の３歳以上児におきましては、保育所・幼稚園・こども園などと保育施設の選択の幅が広がっていることに加えまして、無償で幼児教育・保育を受けられるようになったことから子育て環境が向上しているものと認識しているところでございます。

　　保育の受皿確保以外にも、男性の休暇制度の充実や、働き方の見直しなどによりまして夫婦が共に子育てを担い社会全体で子育てを支援するといった環境整備も必要ではないかなと考えているところでございます。よろしくお願いいたします。

○細矢俊博議長　１番齋藤俊一郎議員。

○１番（齋藤俊一郎議員）　夫婦が共に子育てを担い、社会全体で子育てを支援するといった環境整備は大変重要だと考えていると。

　　今、県でも認定制度あります。企業さんや団体でも様々この育児支援、取り組んでいただいてます。私の所属し、同僚の議員で先輩の皆様も多くいらっしゃる、日本青年会議所、略称ＪＣでは家庭も仕事もＪＣも全力で応援し検証する育ＬＯＭプロジェクトというのが今年から始まっています。ほかの団体さんの運動など、様々な社会的、この育児に対する応援の広がり見られますので本市としても研究を要望したいと思います。

　　最後に、この子育て支援事業計画に関してでありますが、来春に向けた今年の申込みスケジュール、市報にこの度掲載されておりました。令和３年度における３歳未満児の保育所入所、申込み状況についてどのように想定されておられるかお伺いしたいと思います。

○細矢俊博議長　石垣健康福祉部長。

○石垣和彦健康福祉部長　お答えいたします。

　　３歳未満児の保育ニーズは依然として高い状況にございます。今年度４月の入所申込みの状況と同程度になるものと見込んでいるところございます。３歳未満児の保育所の申込み数ですけれども、600名程度と見込んでいるところでございます。これに対しまして、定員は現在500名程度不足する状況にございます。

　　先ほど、市長からも答弁ございましたとおり３歳未満児の定員が不足する分につきましては、人員、面積基準を満たした上で、定員の120％まで受け入れることができる定員の弾力化や企業主導型保育事業所、こちらを含む届出保育施設等での対応となるのかなと思っております。

　　依然として予断を許さない状況ではございますけれども、令和４年度以降につきましては、徐々に定員が充足するものと見込んでいるところでございます。よろしくお願いいたします。

○細矢俊博議長　１番齋藤俊一郎議員。

○１番（齋藤俊一郎議員）　今のご答弁、今年同程度という、100名程度不足する状況にあるとのお答えでした。

　　弾力化しているので何とか対応しているところもあるといいますが、コロナという未曽有の感染症が蔓延する時代に面積基準を弾力化して定員の120％まで認める現在の状況、果たして正しいのかなと私は思います。是非今後を見据えたというところも十分理解をしますので、未満児の入所対策、検討いただきたいと思います。

　　また、合わせてこの度の支援事業計画、児童センターの今後の方向性について検討していくとの文言が記載されていました。児童センターは地域の光であると同時に時代や制度に合わせた児童福祉施設の在り方を研究していただいて、子育て世代のニーズや地域の声を的確に捉えながらも、近隣のこども園との連携、この辺も是非検討していただきたいと、このように思います。

　　この度の計画案、市長のリーダーシップの下、また担当課の皆さん、大変ご尽力をいただいたと評価をしています。今後も躍進する東根の成長のエンジンとして、この「子育てするなら東根市」が前進していくことを期待しております。

　　時間も限られてまいりましたので、次のテーマに簡潔に移りまして手短に質問していきたいと、このように思います。

　　先ほどの答弁にありました地域包括ケアシステムの維持にこの重要な役割を担うのは私は医療・介護連携だと思っています。特に他職種が連携して行うことが重要だと思いますので、今現在行っているこの連携の状況、実績お伺いしたいと思います。

○細矢俊博議長　石垣健康福祉部長。

○石垣和彦健康福祉部長　お答えいたします。

　　医療と介護の連携についてでございますけれども、平成29年度より在宅医療・介護連携推進事業といたしまして、北村山医療・介護連携第二センターを設置したところでございます。住民向けの研修会や介護関係者向けの出張研修会などを開催するほか、医療機関、介護事業所の一覧作成などを行い医療・介護の資源把握に取り組んでいるところでございます。

　　また、多職種の連携による取組の一つといたしまして、自立支援型ケア会議がございます。この会議は理学療法士、作業療法士、歯科衛生士、管理栄養士、薬剤師などの多職種の方が連携いたしまして、その方の身体状況や生活スタイルに合った個別の支援ケースを検討していくものでございまして、在宅で自立して暮らし続けるために必要な支援につなげているところでございます。こちらにつきましては、昨年度は11回会議を開催したところでございます。

　　以上です。よろしくお願いいたします。

○細矢俊博議長　１番齋藤俊一郎議員。

○１番（齋藤俊一郎議員）　ありがとうございました。

　　北村山医療・介護連携第二センター、これ東根市民に限定したセンターになっていると思いますし、非常に大きな役割を担っていただいていると思います。小田島地区にも地域包括ケアシステムのセンター、新たに設置されると、こういうことであります。是非この辺、様々進化をさせていきながら、今後に向けては北村山圏域での新たなこのシステムも検討しながら、いかに効率的に効果的に回していくかを考えていくことは僕は必要なのかなと思います。それを実現するためには医療と介護の連携が重要ですし、東根市医師会、また郡医師会、北村山公立病院との連携が不可欠だと思います。是非この点も要望して研究をお願いしたいと思います。

　　次に、介護予防、健康維持、健康増進の取組について、今後どのような考えでいるのかと併せ、手法もお伺いしたいと思います。

○細矢俊博議長　石垣健康福祉部長。

○石垣和彦健康福祉部長　お答えいたします。

　　自立した生活を送るためには心身共に健康であり続けることが基本でございますけれども、疾病全体に占める生活習慣病の割合が高まっております。特に高齢者の方は加齢に伴う身体機能や認知機能の低下を防ぐための介護予防だけではなく、健康維持、それと健康増進も課題となってきているところでございます。本年10月からは、福祉課に理学療法士を会計年度任用職員といたしまして１名配置いたしまして、居宅で個々の身体状況にあった機能向上に向けた指導を実施する事業を実施することにしているところでございます。

　　また本市では、健康増進法に基づき策定いたしました全世代対象の「健康ひがしね21」、第２次になりますけれども、これに基づきまして高齢者におきましても健康寿命の延伸や食生活の改善、運動習慣の定着化に取り組んでいるところでございます。よろしくお願いいたします。

○細矢俊博議長　１番齋藤俊一郎議員。

○１番（齋藤俊一郎議員）　ありがとうございました。そういった様々な施策の取組も必要です。

　　一方で地域を見ますと、大変元気な先輩世代多くいらっしゃいます。市長答弁にもありましたこの元気高齢者をどのように増やして自立した生活をしていただくために市としてどのような提供を考えていくのか考えを伺います。

○細矢俊博議長　石垣健康福祉部長。

○石垣和彦健康福祉部長　お答えいたします。

　　高齢者の方が自立した生活を継続するためには、身体機能や認知機能の維持、こちらは欠かせませんけれども、高齢者の社会参加はそれらの維持に効果があるものと思っております。

　　また、社会の一員として役割を持つことが、高齢者自身の生きがいづくりにつながることから、就労のみならず生涯学習や趣味、健康づくりなど非就業分野においても地域で活躍できる環境づくりの支援が必要であると捉えておりますのでよろしくお願いいたします。

○細矢俊博議長　１番齋藤俊一郎議員。

○１番（齋藤俊一郎議員）　ありがとうございます。

　　元気な先輩世代、是非背中を押す様々な施策の提供をお願いしたいと思いますし、認知症についても社会問題化しています。以前も一般質問に取り上げさせていただきました。様々な施策提案、あの際もしておりますので、引き続き研究をお願いしたいと思います。

　　来年度から始まる次期老人福祉計画及び第８期介護保険事業計画は介護需要の増大化が想定される中で、今、市が答弁にもありました生きがいを持って活動できるための支援をはじめ、様々な福祉サービスさらには介護予防、地域包括ケアシステム、介護サービス基盤の充実、そして医療と介護の連携という新しい時代を見据えた計画策定になるかと思います。利用者の方、家族の方、関わる皆様、そして地域の声が反映した計画と施策の実行になるように策定を要望いたします。

　　この度は共生社会と東根に関わる子ども子育てから先輩世代を含めた全ての市民の皆様が、お互いの人権や尊厳を認め合い、暮らし続けられる東根を、そのことを目指した施策の提案、議論をさせていただきました。

　　実は今日、このマスクは市内の障がいを有する方の福祉事業所で作っていただいたマスクを今日着用してきました。障がいの有無に関わらず全ての市民が相手を思いやり住み続けたい、住んでよかったと、そう思える東根市の実現に向け、私も引き続き未来への責任をかけて職責を全うしていきたいと思います。

　　以上で質問を終わります。

○細矢俊博議長　以上で、ご了承願います。

　　会議の途中ですが、ここで午後１時まで休憩します。

　　　午後　０時０９分　休　憩

　　　午後　１時００分　開　議

○細矢俊博議長　午前に引き続き会議を開きます。市政一般に対する質問を続けます。

　　◎植松　宏議員質問

○細矢俊博議長　７番植松　宏議員。

　　　〔７番　植松　宏議員　登壇〕

○７番（植松　宏議員）　議席番号７番植松　宏です。

　　はじめに、７月豪雨により被災された市民の皆様に心よりお見舞い申し上げます。

　　それでは、発言通告に基づき２点質問いたします。

　　１つ目は７月の豪雨災害とゼロカーボンシティについてであります。

　　産業革命前に比べて地球の平均気温上昇が２度を超えると温暖化は不可逆的な状況となり、壊滅的な事態につながると研究者からの指摘を受け、2015年のＣＯＰ21、国連気候変動枠組条約第21回締約国会議、通称パリ会議で採択されたパリ協定では、世界の平均気温の上昇を産業革命前に比べて２度未満、できれば1.5度以下とすると書き込まれました。このまま有効な対策を取らずに地球温暖化が進行すると、平均気温が４度を超えて上昇すると環境省の2100年未来の天気予報が指摘しています。それを裏づけるかのように全国で毎年繰り返される台風や豪雨による被害、７月の県内の豪雨災害も決して無関係とは言い切れません。

　　こうした背景を反映し、環境省が提唱しているゼロカーボンシティ、二酸化炭素の排出量を実質ゼロにする活動に今年１月31日に本市も表明いたしました。この取組は、その後も広がりを見せ、８月31日現在では150自治体を超すものとなっております。ちなみに150番目が山形県でした。私はちょうど１年前の９月議会で本市もＲＥ100、使用する電力を再生可能エネルギー100％とする取組へ参加すべきではないかと提案した立場からも、ゼロカーボンシティ、この取組については賛同するものであります。つきましては、地球的規模で脅威となっている気候変動に対する市長のお考えを改めてお伺いし、今年ゼロカーボンシティを表明してから現在の市の取組状況等についてお伺いします。

　　次に、新型コロナ感染拡大防止対策から見た市内小中学校の対応状況についてであります。

　　市内の小中学校においても、長い春休みが５月中旬から段階的に再開し、６月からは通常どおりの日課に戻りました。通常どおりとはいっても、かつて経験したことのないコロナウイルス感染拡大防止下の学校生活です。子どもたちも先生たちも戸惑いを隠せなかったことと思います。

　　先日、テレビで、ある中学校教師の学校生活の一部が放映されました。その先生はまだ若い男子の教師で、授業の合間に机や教室の備品の消毒をやり、トイレの掃除も以前は子どもたちがやっていたところを先生が行い、放課後はまた部活の指導にとフル回転でした。以前から教職員の異常な長時間労働が問題となっておりましたが、この度のコロナ禍で、また新たな問題が起こってはいないか、本市の状況がどのようになっているかお伺いします。

　　次に、新型コロナ感染防止対策として、厚生労働省が指導している新しい生活様式によれば、感染防止の３つの基本の第一に身体的距離の確保が掲げられております。人と人との間隔はできるだけ２メートル、最低でも１メートルは空けると示されております。市内の小中学校の教室において、密集・密接は避けられている状態でしょうか。もちろん学校により、１クラスの生徒数は異なってくるとは思いますが、現状はどのようになっているでしょうか。お伺いします。

　　以上、２項目を登壇での質問といたします。

○細矢俊博議長　７番植松　宏議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　植松　宏議員のご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、豪雨災害とゼロカーボンシティの取組についてでありますが、猛暑や豪雨災害など気候変動による影響は世界的に深刻さを増しており、大きな被害が発生しました。この度の豪雨災害のように、本市においても例外ではありません。このような気候変動への対策として、2050年までに二酸化炭素排出を実質ゼロにすることを目指すゼロカーボンシティの表明を県内自治体に先駆けて、本年１月31日に宣言を行いました。

　　ここで、経緯を申し上げますと、私は全国市長会の会長２回、その他いろんな役についております。そのような状況の中で、ある友人の方から、環境省のある局長を紹介をされて、そしてゼロカーボンシティの話を受けました。私は、そこで環境ＩＳＯ14001を発足して以来６回の更新をやっている東根市として、市が率先して取り組むべきだということで、たちまち合意に至ったわけであります。そして１月31日の宣言となったわけであります。

　　今日、連日、地球温暖化の影響で猛暑の上の酷暑というものは、もう遠くない時期に40度前後になるのではないだろうかと。そしてまた、毎年のようにあちこちで起きる豪雨災害等々、いろんな意味で私は地球環境が非常に侵されているなと危機感を持っているものであります。

　　そこで、私は山形県知事にも、８月６日にゼロカーボンシティを宣言したのでありますので、私はこれから県知事に提案をしたいなと思っております。なぜならば、東根は環境ＩＳＯにしかり、そして、このゼロカーボンシティにしかり、全部山形県内では圧倒的に早く取り組んでいる自治体でもあります。

　　しかし、市町村長というのは習性といいますか、何といいますかね。人がいいことをやっていることでも、見ざる、聞かざる、話しざるという三猿というのが非常に多いわけであります。したがって、県知事がこれを宣言したというのは非常に私は大きいなと思っております。

　　したがって、県知事の今後リーダーシップによって35市町村が全部ゼロカーボンシティを宣言するということによって、山形県は全国的にも環境問題に非常に取り組んでいる先進自治体だなということをアピールするとともに、最近のコロナ禍によって東京でいわゆる先月28日の朝刊において、東京圏の脱出人口というのが初めて転出超になったということが報道されておりました。いわゆる首都圏という全体の中で、この13年から統計を取り始めて、初めて今回コロナ禍の影響もあって、東京圏からの移動転出人口というものが1,495名の多きを数えたわけであります。これが一過性であるのかは今後注視しなければいけないと思いますけれども、まさに山形県と全市町村、そして、経済団体などが構成をして、私は市長会長としてずっとその仕事に携わってきたわけでありますが、今年の４月１日から地方移住定住事業というものを今組織化をして、そして取り組んでいるところであります。

　　しかし、そのことについては、これはどこの県も同じような取組をしているわけであります。自然豊かなのは何も山形県だけの特許ではありません。東北６県みんなそうであります。したがって、そういう中で全国で21都道府県が現在ゼロカーボンシティを宣言をしているのでありますけれども、しかし、全市町村も含めて、挙げて宣言をしているという県は１県もありません。

　　したがって、こういう問題に50年までの行政というのは常に生き続けているわけであります。と同時に、私は持論である政治家の最大の使命というのは、時代を展望し、そしてそれに向かっていかに実行するかということが政治家の私は最大の要諦だとずっと思ってきました。

　　したがって、こういう問題も地方移住の山形県が人口減で悩むその都道府県として、全国に先駆けてこういったものを35市町村が挙げて宣言するような取組を直ちに展開すべきであるということを機会あるごとに、私は提言をしていきたいなと思っているところであります。参考になればと思っているところであります。

　　実質ゼロとは、地域内で出る二酸化炭素の排出量と森林等の吸収源による除去量が均衡を保たれている状態のことであります。現在、市内工業団地内に所在する企業57社に対し、二酸化炭素の排出量や省エネルギー対策等について、環境部会などを通じてアンケート調査を実施しているところであり、アンケート調査により把握した数値に基づき、事業者、そして、市民とともにゼロカーボンシティの実現に向けた取組を行ってまいりたいと思っております。

　　また、ゼロカーボンシティ表明の趣旨にご賛同いただいた企業より、具体的にはドイツに本社があるベーリンガーインゲルハイムの方からこの度600万円のご寄贈を頂きました。くわえて、向こう５年間の間に1,100万円の合計の寄贈を頂くことになっております。さすがに、私はドイツに本社を持つ企業だなと思っております。

　　というのは、ドイツは非常に自然エネルギーの大国でもあるわけであります。一部フランスから原子力エネルギーは購入をしておりますけれども、自然エネルギー、とりわけ風力発電というものが非常に進んでいる県でもあります。

　　皆さん、地図を想定しますと、ドイツの方には黒海という黒の海ですね。黒海が接しております。黒海というのは日本の海と違って、非常に遠浅なんですね。ですから海にも全部、その風力発電の塔を建てることができるということで、私も２回ほどドイツに行きましたけれども、至るところに我々が友好都市をこれから結ぼうとするインゲルハイム市も至るところにその風力発電が盛んに行われていることが印象的だったなと思っております。

　　頂いたこの寄附を活用して、二酸化炭素の吸収源となる樹木を植樹し、木に対する親しみの心を醸成することにより地球環境保全についての問題を捉える機会を創出してまいりたいと思いますので、ご理解をお願いいたします。

○細矢俊博議長　次に、教育長に答弁を求めます。元木教育長。

　　　〔元木正史教育長　登壇〕

○元木正史教育長　私からは、市内小中学校の新型コロナウイルス感染防止対策状況についてのご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、感染防止対策に伴う教師への負担についてでありますが、一斉休校後の学校再建に当たっては、文部科学省と山形県が示しております衛生管理マニュアルに従い、学校の新しい生活様式を実践しているところであります。各学校では校内での集団感染を防止するため、校内で共用している教材や教具など、児童生徒が手を触れる部分の消毒作業を実施しております。また、トイレ清掃については多くの学校において以前に戻って児童生徒が行っておりますが、ドアノブ等の消毒のみ教職員が行っている状況にあります。

　　これまでもインフルエンザや胃腸炎の流行時に実施していた業務ではありますが、コロナ禍の現在においては日常的な業務となっております。このような状況を踏まえ、教育委員会といたしましては、学校において落ち着いた学習ができるよう、その他業務の軽減に向けて市主催事業の見直しや中止など、様々な対応を行ってまいりました。

　　次に、教室における３密対策と１クラス当たりの児童生徒数についてでありますが、先ほども申し上げましたとおり、学校においても新しい生活様式として３密を避けることが求められております。

　　現在の小中学校の通常学級１教室当たりの児童生徒数の状況でありますが、小学校では最も少ない人数は９人、最も多い人数は40人となっております。中学校では最も少ないのが20人、最も多いのが38人となっております。人数の多い学級では40人を20人ずつ２つのグループに分け、２つの教室を使って活動したり、学級はそのままで広い教室を使用して活動したりすることによりまして、児童生徒の座席間隔を確保しております。これにより市内の小中学校においては、文部科学省で示しております基準は、概ね達成、確保されておりますので、ご理解をお願いしたいと思います。

○細矢俊博議長　７番植松　宏議員。

○７番（植松　宏議員）　ご答弁ありがとうございました。引き続き、自席より質問を継続させていただきます。

　　はじめに、豪雨災害とゼロカーボンシティについてでありますが、世界的に猛暑や豪雨災害をもたらしている気候変動、今回の７月の豪雨災害も地球温暖化による気候変動との関連があるという市長のお考え、あわせまして、市長の今回の災害以前に係るご認識について私も同感であります。

　　国連からも温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量で上位を占めている日本など５か国が排出規制などの取組をもっと強化すべきであるということで名指しされました。

　　私としては、環境省も地方自治体に呼びかける前に、まずは国としてゼロカーボンシティに名のりを挙げるべきではなかったのかとも思っております。

　　それはさておき、本市のゼロカーボンシティの表明もこれは気候変動に対応するものということでした。１月の表明時には、本市でのゼロカーボンシティの実現に向けた取組として、再生可能エネルギーのさらなる拡大、地域の省エネ推進などが掲げられております。何か具体策はお考えでしょうか。お伺いします。

○細矢俊博議長　半田市民生活部長。

○半田薫市民生活部長　お答えいたします。

　　平成21年度より住宅用太陽光発電システムの設置補助を実施し、再生可能エネルギーの促進を図っているところでございます。

　　当該事業につきましては、環境保護の観点や地球温暖化防止の面で大きな役割を果たしていることから、今後も継続して取り組んでまいりたいと考えております。

　　その他の具体的な施策につきましては、先ほど市長答弁にもございましたとおり、市内に所在する各企業へ現在アンケート調査を実施しておりますので、その結果、内容を含め検討できればと考えているところです。よろしくお願いいたします。

○細矢俊博議長　７番植松　宏議員。

○７番（植松　宏議員）　ありがとうございます。

　　まずは、市内に立地する企業からアンケート調査を行い、現時点での二酸化炭素の排出量、これを把握すると。ここから始めるということのようです。具体的な施策についてはその結果が出てから検討するということのようですが、いずれにしろこれまで進めてきた個人向けの住宅用太陽光発電システムや蓄電池設置への補助、これは今回のゼロカーボンシティの趣旨からしても是非継続していただきたいと考えます。

　　それでは、この企業へのアンケート調査、今進めているアンケート調査なのですが、調査の取りまとめ時期はいつ頃を想定しているのでしょうか。

○細矢俊博議長　半田市民生活部長。

○半田薫市民生活部長　現在行っているアンケート調査につきましては、提出の期限を９月末日までとしているところです。数値の取りまとめや検証など今年度末までに行う予定でございます。

○細矢俊博議長　７番植松　宏議員。

○７番（植松　宏議員）　ちなみにこの企業アンケートの内容なんですが、どのような調査項目が入っているかは差し支えなければ教えていただけないでしょうか。

○細矢俊博議長　半田市民生活部長。

○半田薫市民生活部長　お答えいたします。

　　二酸化炭素の排出量を調査するためのアンケートでございますので、市内企業が産業活動を行うに当たり二酸化炭素の排出をどのくらい行っているのかということが主なこととなっております。そのほか地球温暖化対策、省エネ対策等への進捗状況、本市に対するご意見などについてお伺いしているところでございます。

○細矢俊博議長　７番植松　宏議員。

○７番（植松　宏議員）　ありがとうございます。

　　そうしますと、この企業アンケートから企業が排出している二酸化炭素の量が把握できれば、各家庭からの排出分も含めて市内全体で排出量がどのくらいになるのかというのがおおよそつかめるのかなということになるかと思います。

　　それで、ゼロカーボンシティの最終目標年度なんですけれども、2050年ということになります。30年先ということになるわけなのですが、かなり先の話ということになります。ほかの賛同自治体の様子を見ますと、中には東京都、札幌市、宮城県なども2030年当たりに途中の目標を設定している自治体もあるようです。本市でも中期目標として年度を区切って目標を設置、提示すべきではないでしょうか。お伺いします。

○細矢俊博議長　半田市民生活部長。

○半田薫市民生活部長　令和４年度に策定を行う予定の次期大けやき環境基本計画などの機会を捉えまして、数値目標の設定等について検討を行ってまいりたいと考えております。

　　関連する施策等について、横断的、総合的な連携を図りながら策定を行いますのでご理解をお願いいたします。

○細矢俊博議長　７番植松　宏議員。

○７番（植松　宏議員）　是非そのようにお願いしたいと思います。

　　次に、先ほどの市長のご答弁の中に、ゼロカーボンシティ宣言の趣旨に賛同した企業から600万円の寄附をいただき、植樹をする予定があるとお聞きしましたが、寄附金600万円は全てその植樹に使う予定なのでしょうか。それとも、もっとほかに使用先をお考えでしょうか。お伺いします。

○細矢俊博議長　半田市民生活部長。

○半田薫市民生活部長　具体的な内容につきましてはまだ決定しておりませんが、賛同する企業によりいただいた大切な寄附でございますので、ゼロカーボンシティ実現に向けた取組に有効に使用させていただきたいと考えているところです。ご理解お願いいたします。

○細矢俊博議長　７番植松　宏議員。

○７番（植松　宏議員）　是非そのようにお願いしたいと考えます。

　　私としては、市として新たな再生可能エネルギーの創出に向けた取組などの検討にも活用していただければ、寄附していただいた企業の趣旨にも報いることができるんじゃないかと思います。

　　次の問題に移ります。新型コロナ感染拡大防止対策から見た市内小中学校の対応状況についてお伺いします。

　　先ほどの教育長のご答弁によりますと、教職員に新型コロナ感染防止対策として消毒作業等、日常的な業務となってきたものもあるようです。新たな業務が増えたからといっても一律に業務の負担増になっているというつもりはありません。感染防止のためには、今どうしてもやらなければならないこともあるかと思います。

　　前回の定例会においても、教師の時間外労働について質問しましたが、今年度からは年間を通して勤務実態を調査していくというご答弁をいただきました。学校現場の業務量の増加については、今後とも引き続き目を配っていただきたいと考えます。

　　今回のコロナ禍の対応についても、市主催行事の見直しや中止などで対応しているということですから、今後ともご検討を頂きたいとも思います。

　　ただ、生徒たちが楽しみにしている運動会とか、修学旅行とか、私たちが大人になっても思い出として残っているような行事だけは感染防止の対策を工夫していただいて、是非なくさないでいただきたいとも思います。

　　もう一点、教室における３密対策といいますか、身体的距離の確保でございますが、ご答弁では座席間隔については文科省が示す１メートル間隔が概ね確保されているということでした。

　　今回の皆さんの手元にもあると思うのですが、載せていただきました学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル、学校の新しい生活様式というのがあります。８月６日付で出されてものでございます。文部科学省の方で出したマニュアルです。

　　これによりますと、まず、この黒い丸が生徒の場所、それから四角いマスが机ということになります。当然教室の規模は40人学級に合わせた全国一律のものになっております。上が少人数20人で配置した場合の配置図です。下の方が基準となっている40人学級の場合の配置図でございます。

　　先ほど、東根市にあっては40人学級の場合は２クラスに分けてやっているということでしたので、これとぴったり合うことはないと思うのですが、仮に40人クラスを想定した場合には、下の一番左下になりますけれども、生徒間の最短距離が85センチになると。もう１メートルを切ってしまいます。こんな状況で、現在最高で１クラス何人になるかまでは把握していませんが、20人で１メートルをようやく切る状態ということですから、かなり厳しい状態なのかなと思います。この配置についても、今回のマニュアルの最後の方に、これはあくまでも目安であってそれぞれの施設の状況や感染リスクの状況に応じて柔軟に対応することも可能だとも書かれておりましたので、そんなに強い縛りではないかと思います。

　　それにしても、現実問題として、私たちがいつも行くスーパーやコンビニのレジなんかでも、またいつも目にするテレビ等の配置なんかを考えてみても、身体的距離といいますか、１メートル以上の距離は確保するように手配しているようです。それから見れば、学校の教室だけコロナの前と一緒というのもおかしいような気がします。この少人数学級編制に関しては、今年の７月に全国知事会、市長会、全国町村会が連名で文部科学省に要望を行っているようです。

　　また、先月開かれた文部科学省の諮問機関である中央教育審議会特別部会の中間取りまとめ、この中にも、少人数学級を可能とするための指導体制や施設整備を図ること、という一文が盛り込まれました。本市ではこの少人数学級についてどのようにお考えなのか、お伺いします。

○細矢俊博議長　佐藤教育次長。

○佐藤慎司教育次長　それでは、お答えをいたします。

　　新型コロナウイルス感染防止のための３密対策といたしまして、各学校では学級の机の配置を工夫し児童生徒の間隔を確保しているところでございます。

　　そのほか、先ほど教育長よりも答弁いたしましたが、広い教室を使用しての活動や学級を分けて活動を行っている学校などもございます。少人数学級の実施につきましては、きめ細やかな授業の実現のためにこれまでも要望してまいりましたが、新型コロナウイルス感染防止対策としても効果があると認識をしているところでございます。

　　一方、少人数学級の進展に当たっては、教室の確保という大きな問題があり、今後も国及び県の動向を注視し、その動きに従い対応をしていくこととなりますので、ご理解をお願いいたします。

○細矢俊博議長　７番植松　宏議員。

○７番（植松　宏議員）　少人数学級にすれば、教室の確保、合わせて先生の増員等の問題は出てくるかと思います。これは、ただコロナ感染防止だけでなくて、きめ細やかに生徒と接するという意味からも避けては通れない問題なのではないかなと考えます。

　　そこで提案なんですが、市内周辺部の小中学校には児童生徒数が減少し、空き教室も出ているところがあります。一クラスが10人に満たないクラスもあります。教員も施設も現状のままで少人数学級ができると思いますが、今の学区制を見直し、バランスのとれた学区割を考えることはできないでしょうか。

　　お伺いします。

○細矢俊博議長　佐藤教育次長。

○佐藤慎司教育次長　お答えをいたします。

　　議員ご指摘のとおり、市内の児童生徒は中心部の学校に集中しており東部・西部の学校の児童生徒は減少傾向となっております。学区の見直しにつきましては、該当する地域の学校関係者だけでなく、地域全体の相互理解が必要不可欠でございます。学区の見直し、再編については、将来にわたり継続した課題として捉えているところでございますが、現時点においては考えておりませんので、ご理解をお願いいたします。

○細矢俊博議長　７番植松　宏議員。

○７番（植松　宏議員）　残念ながら現時点では考えてないというご答弁ですが、私が居住する長瀞地区にあっては、小学校の学区の見直しについて、６月に市長に対して提出した長瀞地区の重点要望事項にも盛り込まれており、兼ねてからの地域住民の願いでもあります。このまま中心部だけ宅地化が進み、学校もマンモス化していくのでは本市の均衡のとれた発展とは言い難いのではないでしょうか。

　　そこでお聞きしますが、現在の中部小学校や大森小学校が創設されたときはどのように学区制の見直しを行ったのでしょうか。地域からの問題というのは起きなかったのでしょうか。お伺いします。

○細矢俊博議長　佐藤教育次長。

○佐藤慎司教育次長　お答えをいたします。

　　両小学校につきましては、市内三つ行われました土地区画整理事業によりまして児童生徒数が増加し、既存の小学校では収容し切れなくなったことから順次２校を新築したものでございます。

　　両校の学区については、新しい小学校と、既存の小学校の適正規模を維持するために必要な学区の見直しを行ったものでありますので、ご理解をお願いいたします。

○細矢俊博議長　７番植松　宏議員。

○７番（植松　宏議員）　二つの小学校の新設に当たっては、適正規模を維持するために学区を見直したということのようです。当然その適正規模、これに限定して見直しができるのであれば、逆に生徒が少なくなる学区の見直し、調整もしていていただくのが行政なのではないかなと思います。できれば、是非、ご検討いただきますよう要望いたします。

　　以上で、私からの一般質問を終わります。

○細矢俊博議長　以上で、ご了承願います。

　　◎河村　豊議員質問

○細矢俊博議長　次に、12番河村　豊議員。

　　　〔12番　河村　豊議員　登壇〕

○12番（河村　豊議員）　12番河村でございます。

　　議長に許可を頂きましたので、包括的な相談支援、参加の支援、地域づくりに向けた支援を一体的に行う重層的支援体制整備事業についてお伺いをいたします。

　　我が国では、少子高齢化人口減少が進む中、家族や雇用形態の多様化と地域社会の結びつきの希薄化が同時に進行しております。さらに、コロナ禍での事業の休業や失業などで経済的な問題を抱える方が増え、今後も増加傾向にある社会の現状であります。

　　そのような中、近年は個人や家族が抱える生きづらさやリスクが複雑化、多様化し、80代の親が50代の中高年のひきこもりの子どもを養う8050問題、介護と子育てを同時に担うダブルケア、ごみ屋敷、虐待、孤独死など、新たな課題が表面化をしてきております。

　　こうした課題は、従来の介護、障がい、子育てなど、制度、分野ごとでは対応するのが難しく、必死に時間を作って相談に行っても、あちこちの窓口に回された挙げ句、何も解決できないという事態が全国で発生しております。このような状況を放置していては、いつまでたっても地域共生社会の実現も、全ての世代が安心できる全世代型社会保障も実現することはできません。

　　そのため平成29年の社会福祉法改正により、制度ごとではなく課題を抱えている本人や家族を丸ごと包括的に支援する体制の整備が市区町村の努力義務とされました。平成29年の改正法の附則において、法律の公布後３年、つまり令和２年を目途として、市町村による包括的支援体制を全国的に整備するための方策について検討を加え、必要があると認めるときはその結果に基づいて所要の措置を講ずる旨が規定されており、これを受け、先の国会では次の三つの支援を一体的に実施する重層的支援体制整備事業が新たに創設されることになりました。

　　三つの支援の一つ目は、包括的な相談支援であります。福祉の窓口はひとり親、児童、高齢者、障がい者といった分野別に分かれておりますが、どんな相談も最初の窓口で丸ごと受け止めます。例えば、高齢者の窓口に介護の相談に来た親が息子のひきこもりのことも相談してきたら、そこで65歳以上の人しか支援できないと言って断ることなく、受け止め、必要な支援につなぐ、相談を断らない、たらい回しにしないということであります。

　　そして、福祉の分野にとどまらず、住まいや雇用、医療教育など、ほかの分野の支援機関とも連携して、家族全体が抱える課題を解決していきます。

　　ただ、ひきこもりが長期化しているような場合は具体的な課題がすぐ見えないため、すぐに支援に繋がらないことも多々あります。そうした場合も伴走型で本人と同じ目線に立って、本人に寄り添いながらつながりを持ち続け課題を一つ一つ解きほぐし、粘り強く支援につなげていくことも期待されております。

　　二つ目は地域につなぎ、戻して行くための参加の支援であります。仕事をしたり、地域活動に参加したり、本人に合った場を探してそこで役割を見出せるように支援します。例えば、障害者手帳を持っていないひきこもりの方が働きたい希望があっても、いきなり一般就労が難しいため、地域の就労支援施設で障がいのある方々と一緒に農作業をしたりするといった支援も想定されております。すなわち、本人のニーズと地域資源をうまく有効利用して社会とのつながりを回復することが参加支援であります。

　　そして三つ目が、地域づくりに向けた支援であります。子ども食堂や運動教室など、住民自らの意思で行う多様な活動や居場所を増やしていきます。そのために、地域づくりに関心を持つ住民やＮＰＯ、農業や観光など福祉以外の分野の方々とも日常的に顔の見えるネットワークを作っていくことが想定されております。

　　この三つの支援を一体的に行う重層的支援体制整備事業を実施することによって、制度の縦割りを打破し、制度に人を合わせるのではなく、困り事を抱えている本人と家族を中心とした支援へと福祉の大転換を図ることが期待されております。これこそ断らない相談支援であって、誰も置き去りにしない社会を実現する基盤となる事業だと確信をしております。

　　また、今回のコロナ禍で改めて人とのつながりが重要だと再認識されておりますが、まさにこの事業は人と人とのつながりを再構築する事業であり、今まさに取り組むことが求められているのではないでしょうか。

　　既に、これまで250を超える自治体でモデル事業が行われ、来年度からこの事業を実施する市区町村に国が交付金を支給する新たな制度が本格的にスタートいたします。そこで以下、具体的に質問をいたします。

　　一つ目に、平成27年度から全国でスタートしている生活困窮者自立支援制度の本市での取組状況についてお伺いをいたします。

　　二つ目に、来年４月からスタートする重層的支援体制整備事業について、本市としても積極的に取り込んでいくことが必要と考えますが、どう取り組んでいくのか。市長のご所見をお伺いいたします。

　　三つ目に、庁内のみならず、庁外との連携体制も極めて重要であります。市役所を中心に各支援機関、地域住民などを含め、市全体での包括的支援体制整備が必要であり、その体制整備に当たっては関係機関等と地道に議論を積み重ね、意識の共有を図りワンチームになることが必要であります。

　　神奈川県座間市では、市役所が中心となって「チーム座間」を結成し、社会福祉協議会、ハローワークの担当者らが参加し、弁護士も交え課題の共有や支援の方向性を決めております。こうした取組を本市においても実施していくことが必要と考えますが、ご見解をお伺いいたします。

　　四つ目に、この新たな事業の成否を左右するのは支援を担う人材であります。人材の育成、確保、専門性の向上、処遇改善を図り、支援者を孤立させない、バーンアウトさせない取組が必要でありますが、本市としてどう取り組んでいくお考えか。また、本市の現状についての認識と合わせてご見解をお伺いいたします。

　　五つ目に、重層的支援体制整備事業を実施するに当たり、国の来年度の予算の骨格を示す経済財政運営と改革の基本方針2020、いわゆる骨太の方針において、地域共生社会に向けた包括的な支援体制の構築という文言を明記し、必要な予算を確実に確保することを我が公明党は強く要望をしております。本市においても、この新たな事業を実施するに当たり、必要な事業費を確保すべきと考えますが、市長のご所見をお伺いします。

　　以上で、登壇での質問といたします。

○細矢俊博議長　12番河村　豊議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　河村　豊議員の重層的支援体制整備事業についてのご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、生活困窮者自立支援制度の取組状況についてでありますが、各自治体で生活困窮者自立支援法に基づき、生活に困窮し、生活保護に至る恐れがある人を対象に各種事業を実施しているところであります。

　　本市では、相談窓口を市社会福祉協議会に委託し、生活困窮者の安定した生活の確保に向け支援体制の強化を図りました。相談者が抱える悩みは、経済的なものから健康、就労、教育、家庭環境などが複雑に絡み合っていることが多く、丁寧に寄り添い話を聞くことが大切であります。そのため、市社会福祉協議会においては専門の相談支援員を配置し、窓口に来ることができない方には電話や自宅訪問等、様々な方法で相談に応じるなど、柔軟な対応を可能にしております。

　　悩みを構成する要因を正しく把握し、整理した上で、県・市・社会福祉協議会が実施する各種福祉サービス、生活福祉基金の貸付等の制度や資源を最大限活用するほか、ハローワークや児童相談所、市教育委員会、民生児童委員やケアマネジャーなどと連携して、多方面から包括的に自立に向けた支援に取り組んでおります。

　　次に、重層的支援体制整備事業の今後の取組についてでありますが、現在本市では、生活困窮者自立支援窓口のほかにも、介護、保険医療、子育て、教育など、各分野ごとに相談窓口を設けており、それぞれにおいて複雑化、複合化する生活課題に寄り添い、関連する部署や関係機関、地域住民などと連携して、きめ細やかな支援、包括的な支援を行い、問題解決に取り組んでおります。

　　今後、重層的支援体制整備事業については、ワンストップ相談窓口の設置や地域社会からの孤立を防ぐための交流、活躍の機会を確保する地域づくり支援など、既にモデル事業として取り組んでいる自治体から学び、人口規模や地域特性等にあった相談支援、参加支援、地域づくりに向けた支援の在り方について研究してまいります。

　　次に、地域住民等を含めた一体的な包括的支援体制の整備の必要性についてでありますが、根本的には、誰もが住み慣れた家庭や地域で家族や周りの人との関係を通して安心して暮らしていくことを願っております。

　　複雑化、複合化かする生活課題に対し、地域住民、地域の様々な団体・組織、行政が適切な役割分担のもとに連携して、地域の生活課題の解決に取り組んでいく必要があり、「共に生き、支え合う地域」の実現のためにも様々な取組を進めていくことが求められています。お互いに支え合いながら、共に生きることができる世の中が地域共生社会と呼ばれているものであります。

　　本市においては、ご紹介の自治体のように官民一体の専門チームを特別に組織した支援体制の整備は行っておりませんが、先にお答えしましたとおり、その都度、従来の縦割りに固執することなく、庁内外の関係部門が連携し、社会福祉協議会等の関係機関や地域住民と一体となり、包括的な支援に取り組んでいるところであります。悩みを抱えている本人の意向や、家庭を取り巻く状況により、解決に向けた支援のアプローチ体制には多様性があり、現在の本市の対応もその一つであります。

　　包括的な支援体制で大切なことは、一人一人の生活課題の内容を見極め、連携支援に携わる関係者の範囲や個人のプライバシーに関わる情報の取り扱いなどについて適切に判断し、その場面に合った支援につなげることが重要であると捉えております。

　　次に、新たな事業を担う人材の育成と確保、専門性の向上と処遇改善についてでありますが、地域社会で暮らす人々が、生活で直面する課題を解決するための行動力、判断力、調整力などについては、職員に対し常に市民目線で業務に従事することを実践させておりますので、各部署の専門性と合わせて日々経験を積み重ねながら資質の向上に努めているものと捉えております。また、より専門性の高い知識や能力が必要となる場合は、社会福祉協議会等の関係機関と連携し、支援体制を整えてまいります。

　　次に、新たな事業の実施に伴う事業費の確保についてでありますが、新たに設置される交付金や、事業の詳細が十分に示されていないこと、現行の支援体制においても、丁寧に包括的な支援に取り組めていることなどから、令和３年度からの重層的支援整備体制事業の活用は予定しておりません。モデル事業として取り組んでいる自治体の成果・実績から学び、市民にとって最善な支援体制の在り方を研究し、それによって必要になる地域資源との連携、庁内組織の改編や職員体制等を見極めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。

○細矢俊博議長　12番河村　豊議員。

○12番（河村　豊議員）　それでは、質問続けさせていただきます。

　　厚生労働省から各自治体に対して、この重層的支援体制整備事業に取り組むかどうかの意向調査並びに事業化した場合の所要額の見込みなどについて、アンケートが８月28日締切りで行われておりました。この事業について検討するいい機会になったと思いますけども、重層的支援体制整備事業については本市としてどういう検討を行ってきたのか。どういう課題を認識しているのか、お伺いしたいと思います。

○細矢俊博議長　石垣健康福祉部長。

○石垣和彦健康福祉部長　お答えいたします。

　　重層的支援体制整備事業につきましては、新たな市町村の任意事業でございまして、法改正を踏まえた事業の枠組みにつきまして、本年７月下旬に厚生労働省の方から情報があったところでございます。それ以降から関連する有識者検討会、これまで行われたその資料等を集めまして事業が求める支援体制の在り方について、これまで調査して内容等の理解を深めているところでございます。

　　現行におきましても丁寧に寄り添い、各分野や関係機関が連携し、必要に応じて地域の関係者とも一体的になり、包括的な支援を行っているところでございますので、この新しい事業が求めている「支援関係者間を調整する機能」や「専門職の伴走支援」など具体的な条件、これがまだよく示されてないことから、現在の体制等を求められている支援体制との比較がまだ十分にできてないという状況でございますので、これから内容等をもう少し研究させていただいて、現制度との違いをはっきりさせていきたいなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○細矢俊博議長　12番河村　豊議員。

○12番（河村　豊議員）　現状、本来ならこの新年度に入って、厚生労働省の方が担当者等を集めて様々なこの説明であるとか、意見交換等何か行う予定であったわけでありますけども、それらも、集めてというのは実施できずに、今回その同じ内容をＹｏｕＴｕｂｅで厚生労働省のホームページにアップされて、全てその内容は我々も把握できるようになっているわけでありますけども、大変この情報を整理する上でも大変ご苦労があったと理解はしております。

　　そんな中で、今もご答弁ありましたけども、いきなり包括的な相談支援とか参加の支援、それから地域づくりに向けた支援のこの３の支援を一体として行う重層的支援体制整備事業に取り組めないとしても、先ほども述べました8050問題やダブルケアなど既存の相談窓口だけでは対応するのに苦慮するケースがいうふうにあると思います。こうした問題を放置していては、地域共生社会の実現はままなりませんので、是非ともこの３つの支援のうち、できるところからでも取り組んでいくべきと考えますけども、再度執行部のご見解をお聞きしたいと思います。

○細矢俊博議長　石垣健康福祉部長。

○石垣和彦健康福祉部長　ご質問にお答えいたします。

　　３つの支援のうち、できるものからということでございますけれども、まず「包括的な相談支援」、これにつきましては、ワンストップの窓口、こちらは設けておりませんけれども、抱える悩みに寄り添い、庁内での連携や必要に応じて関係機関、地域との連携によりまして丁寧に包括的な支援に取り組む体制の基盤は既に整っていると考えております。

　　二つ目の参加の支援につきましても、本人や世帯の状況に合わせ、支援につながる可能性のある地域資源とのマッチングを探ることなども行っておりますけれども、場面に応じて既存の制度を拡充したり、要件を緩和するなどの柔軟な対応については、今後研究が必要かなと思っております。

　　三つ目の地域づくりの支援、こちらにつきましては、地域社会との交流や参加の機会を生み出す支援でございまして、隣近所含めました住民同士の理解なしには前に進まないものでございます。これまでも地域との関わりなども重要になってくることから、市町村の裁量を発揮する場面を見極めまして、コーディネート手法について、今後研究が必要だと考えております。

　　事業の内容に応じてではございますけれども、既に既存の体制において類似する支援を行っている場合がございますので、モデル自治体の先行事例について調査・研究してまいりたいと思います。

　　よろしくお願いいたします

○細矢俊博議長　12番河村　豊議員。

○12番（河村　豊議員）　新しいこういう事業でなくても、現状の体制でも十分対応していただいてるというところでありましたけども、実際に私も普段から様々な課題を抱えた方々からのご相談も頂くわけですけども、特にやっぱり先ほどからも様々出てますように、このコロナ禍において、本当に経済的な問題、それから様々なことが重複した問題を抱える方々というのは非常に増えております。

　　この一か月ほどの間にでも何件かお手紙を頂いたり、メールを頂いたりとかしておりますけども、これまでにない、本当に切迫した内容が多くなってきております。中には、もう本当にこの命を助けてくださいとか、そういうようなこの文言が出てくるぐらい、今、市民の方々の悩みというのは重大になってきていると認識をしております。

　　そういう中で、様々今これまでも、福祉課、また社会福祉協議会等にも相談もさせていただいて対応をするわけでありますけども、実際には、例えば、保健師さんが様々な悩みを具体的に聞いてくださったりとか、ケースワーカーがしっかりとその悩みを聞き取って対応してくれたりとか、具体的なその動きを非常に心強くしていただいているわけですけども、先日も社会福祉協議会の方に福祉課からご相談もしていただいて、フードバンクから今日明日本当に必要な、そういう食料を提供していただくような事例もございました。

　　そういう方々の本当に一元的に対応できるように、私はこの事業をなかなかちょっとこれ今すぐという計画はないというお話でありましたけども、事業実施に向けて私は進んでいくべきではないかなと思います。その事業実施に向けて、この庁内、庁外、この連携体制をしっかりと整えるところから着手してはどうかと思いますけども、この点いかがでしょうか。

○細矢俊博議長　石垣健康福祉部長。

○石垣和彦健康福祉部長　お答えいたします。

　　それぞれの分野ごとに相談窓口は設けておりますけれども、どの窓口におきましても相談者の抱えてる問題を相対的に解決できるよう丁寧に対応しているところでございます。事案によりましては、中心的に携わる部署は変わったりすることもございますけれども、既に庁内外の関係部門が連携して社会福祉協議会等の関係機関や地域住民と一体となり、包括的な支援に取り組んでいるところでございます。連携体制は整っているものと認識しておりますので、ご理解をお願いしたいと思います。

　　よろしくお願いいたします。

○細矢俊博議長　12番河村　豊議員。

○12番（河村　豊議員）　連携体制が整っているということでありましたけども、これまでも、様々、例えば教育委員会とか福祉とか連携して対応していただいてる子どもさんの問題とかを対応していた場合も、児童相談所とのやりとりが壁になったりとかですね。もっと言うと、転居してしまうと情報が一旦その問題が収束なんていうことになってしまってると、なかなか情報がしっかりと自治体を超えてつながっていかないとかですね。そういう課題も見え隠れしておりますので、その辺も含めて、是非前向きな動きをお願いしたいなと思っております。

　　最後に、これまで生活困窮者自立支援制度によって、いくつも課題を抱えて地域で孤立して、ＳＯＳが出せない、本人、家族に寄り添う支援を先ほども申し上げましたけども、本市の福祉課を中心に社会福祉協議会などが切れ目なく行ってきていただいておりますけども、ご承知のとおり、生活困窮者自立支援制度では、生活保護対象者は支援はできません。連携はできても、保護になった途端に、保護のは担当に渡さなければならないと、これが支援現場では大きな課題であったということであります。

　　というのも、生活保護は原則現金給付で、ケアという視点がなく、生活困窮者自立支援制度などの支援制度を活用したいというこの現場の声もあったわけであります。

　　また、介護や障がい福祉の対象となる方を生活困窮者自立支援制度でも支援することはできますけども、会計検査院から指摘を受けないように、支援に係る費用をそれぞれの制度ごとに案分して計上しなければならないなどの、膨大な事務的な負担がかかってしまうということであります。

　　実際、かつて、こうした包括的には支援の取組を先進的にやっていた自治体が会計検査院の指摘により、縦割りの仕組みに戻さざるを得なくなったという事例もあってですね、会計検査院の指摘を受けずに一体的に支援できる仕組みを作ってもらいたいという声が上がっておったのも事実であります。

　　そこで、これらの様々な課題を乗り越え、制度の壁を突破して、本人と家族を丸ごと抱える包括的支援体制を作るために、今回国が創設したのが、この度の重層的支援体制整備事業であります。この重層的支援体制整備事業実施するにあたって、まずどの部署が市役所の中で中心的な役割を担うかなどの議論をしなければなりません。是非、土田市長のリーダーシップで、この重層的支援体制整備事業への取組、実施と体制整備への動きを作り出していただくことを強く要望して質問を終わります。以上です。

○細矢俊博議長　以上で、ご了承願います。

　　◎散　　　　　会

○細矢俊博議長　以上で本日の日程は全部終了しました。

　　本日はこれで散会します。ご苦労さまでした。

　　　午後　２時１１分　散　会