平成２９年第１回東根市議会定例会　３月　３日　議事日程　第４（一般質問）

平成２９年３月３日　午前１０時００分　開　議

　　　　　　秋　　葉　　征　　士　議長　　　　　　　浅野目　　幸　　一　副議長

◎出席議員（１８名）

　１番　　　片　　桐　　勝　　寿　議員　　　　　　　２番　　　山　　科　　幸　　子　議員

　３番　　　高　　橋　　鉄　　夫　議員　　　　　　　４番　　　白　　井　　健　　道　議員

　５番　　　河　　村　　　　　豊　議員　　　　　　　６番　　　原　　田　　利　　光　議員

　７番　　　髙　　橋　　光　　男　議員　　　　　　　８番　　　細　　矢　　俊　　博　議員

　９番　　　今　　野　　　　　孝　議員　　　　　　１０番　　　加　　藤　　信　　明　議員

１１番　　　阿　　部　　綾　　子　議員　　　　　　１２番　　　髙　　橋　　ひろみ　議員

１３番　　　清　　野　　貞　　昭　議員　　　　　　１４番　　　森　　谷　　政　　志　議員

１５番　　　佐　　藤　　　　　直　議員　　　　　　１６番　　　清　　野　　忠　　利　議員

１７番　　　浅野目　　幸　　一　議員　　　　　　１８番　　　秋　　葉　　征　　士　議員

◎欠席議員（なし）

◎説明のため出席した者の職氏名


土　田　正　剛	市　　　　　　長	石　山　泰　博	教　　育　　長
武　田　庄　一	選挙管理委員会委　　員　　長	小　林　文　雄	代表監査委員
工　藤　喜惠治	農業委員会会長	芳　賀　利　郎	消　　防　　長
間木野　多加志	副　　市　　長	髙　橋　　　昇	総　務　部　長
斎　藤　吉　則	市民生活部長	梅　津　佳　之	健康福祉部長
石　垣　裕　之	経　済　部　長	東海林　克　彦	建　設　部　長兼水道部長
網　干　　　賢	会計管理者	古　谷　利　明	教　育　次　長
芦　野　耕　司	総合政策課長	高　橋　重　俊	庶　務　課　長併選挙管理委員会事　務　局　長
石　垣　和　彦	財　政　課　長	半　田　　　薫	監　査　委　員事　務　局　長
菊　地　仁　志	農業委員会事　務　局　長

◎事務局職員出席者職氏名


片　桐　　　崇	事　務　局　長	牧　野　美和子	事務局長補佐
井　上　正　宏	議事主査兼議事係長	辻　村　　　充	副　　主　　任
松　山　朋　美	主　　　　　事	早　坂　　　康	兼　務　書　記
早　坂　康　弘	兼　務　書　記	早　坂　　　康	兼　務　書　記

◎議　事　日　程

　議事日程第４号

　　　　　　　平成２９年３月３日（金）　午前１０時　開　議

　日程第　１　　市政一般に対する質問

　　　　　　　　１　１２番　髙　橋　ひろみ

　　　　　　　　２　　６番　原　田　利　光

　　　　（散　　　　　会）

◎本日の会議に付した事件

　議事日程第４号に同じ。

平成２９年東根市議会第１回定例会一般質問発言通告書


番号	質問者	質問事項	質問要旨	答弁者
５	髙橋ひろみ議　　　員	１．「公の施設」について	１．公の施設の管理について２．指定管理者制度の運用について３．指定管理者制度の指定期間の考えについて４．指定管理者制度の指定管理料の設定について	市　　　長
６	原田利光議　　　員	１．多面的機能支払制度の推進について	１．市内の農用地面積のすべてが多面的機能支払制度の対象農用地になっていないようだが、今後の取り組みについて伺う。	市　　　長
		２．新規就農希望者の農地取得について	１．新規就農希望者が参入するうえで、どのような条件・支援があるのか。	農業委員会会　　　長

　　◎開　　　　　議

○秋葉征士議長　皆さん、おはようございます。本日の会議に、欠席及び遅刻の届け出はありません。したがいまして、出席議員の数は18名で定足数に達しておりますので、これから本日の会議を開きます。

　　本日の会議は、議事日程第４号によって進めます。

　　◎市政一般に対する質問

○秋葉征士議長　日程第１　市政一般に対する質問を行います。

　　質問は通告順としますが、発言順番を迎えたときに議場にいない場合は、発言権の放棄とみなしますので、そのようにご了承願います。

　　◎髙橋　ひろみ議員質問

○秋葉征士議長　はじめに、12番髙橋　ひろみ議員。

　　　〔12番　髙橋　ひろみ議員　登壇〕

○１２番（髙橋　ひろみ議員）　おはようございます。12番髙橋ひろみです。通告により公の施設について一般質問いたします。

　　公の施設とは、地方自治法第244条により、住民の福祉を増進する目的を持って住民の利用に供するために地方公共団体が設置する施設で、学校、公民館、図書館、病院、保育所、水道・下水道などがこれにあたります。住民の福祉を増進させる目的を持った施設という点で、競輪場とか競馬場のように地方公共団体の財政上の必要から設けられた施設、また、住民の利用に供するための施設という点で市が直接使用する庁舎などは含まれておりません。公の施設は住民のライフスタイル全体を通して福祉の増進を図っていく地域の重要な公的資源、活動の拠点であり、自治体の仕事の根幹ともいえます。公の施設の管理は平成15年６月までは地方公共団体が出資している法人で、政令で定めるもの、または公共団体に委託することができるものであったのが、その後法人、その他の団体、指定管理者に管理を行わせることができるようになりました。

　　東根市においても様々な分野の公の施設があります。単一的な目的を持った施設、また複合的な利用からなる施設と多種多様であります。公の施設の設置目的に照らし、費用対効果等を勘案した中で、利用者サービスを最大化するための管理再生について最適な判断すべきと考えます。公の施設の管理については直営か指定管理者か二者択一であります。はじめに、指定管理者制度を導入するにあたっての判断についてお伺いいたします。

　　次に、指定管理者制度の指定期間の考え方についてお伺いいたします。東根市は平成18年度から指定管理者制度の導入を始め、何度か更新をした施設、また今年度から新たに指定管理者制度を導入した施設などがあります。施設ごとの特徴として、基本的には管理のみ、また管理と運営をともに行っていく施設など用途上からも様々であります。指定管理者についても施設ごと、目的等に応じて最長で20年から最短で３年というように東根市でも一定ではありません。指定管理者にとっても指定期間は重要な要件であります。指定期間についてどのようにお考えかお伺いいたします。

　　最後に、指定管理者制度の指定管理料の設定についてお伺いいたします。指定管理料は公の施設を適切・安定的に運営し、職員が意欲と誇りを持って働き続けるために重要なことであります。指定管理者制度の創設時、総務省は通知により、指定管理者制度は住民のサービスの向上を図るとともに、経費の節減等を図ることを目的とすると述べておりました。その結果、導入施設が増えてくるに従って不適切な事例が増えたり、取り消しの施設があらわれたりいたしました。そこで平成20年、22年と総務省は制度継続の観点から、また施設の安定的な運営、利用者・住民サービスの向上の上から運営の留意事項が示されました。その中でも指定管理料への指摘もありました。そこで、市では指定管理料をどのように設定しておられるのかお伺いいたしまして、登壇での質問といたします。

○秋葉征士議長　12番髙橋ひろみ議員への質問に対し、答弁を求めます。土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　髙橋ひろみ議員の公の施設の管理についてのご質問にお答えいたします。

　　はじめに、指定管理者制度を導入するにあたっての判断についてであります。多様化する市民ニーズに効果的、効率的に対応するためには民間の有するノウハウを活用することが有効であると考えております。

　　本市におきましては、指定管理者制度を導入することにより住民サービスの向上、行政コストの縮減を図り、行財政改革の推進と民間活動の活性化を図ってきたところであります。これまでの実績を踏まえ、本市といたしましては、公の施設を直接管理しなければならない特別な事情がない限り、指定管理者制度により公の施設の管理を行う考えであります。今後とも「民でできることは民で」の基本方針のもと指定管理者制度を導入してまいりますのでご理解をお願いいたします。

　　次に、指定期間の考え方についてでありますが、法令上特段の定めはありませんが、合理的な理由もなく長期間の独占的な指定を行うことは不適切であると考えております。一方で単年度の指定期間では、指定管理者がノウハウの蓄積、優秀な人材の採用・育成、経費の節減等に取り組むことが困難となり、民間活力を十分に発揮できないおそれがあります。このため、本市の運用指針において最初の指定期間はおおむね３年から５年と定めております。この期間に指定管理者が施設を適正に、かつ効率的で効果的な管理運営を実施しているかを見極め、新たな課題や改善余地について検証するものであります。その後につきましては、施設の特性や状況に応じて指定期間を定めることとしておりますのでご理解をお願いします。

　　次に、指定管理料の設定についてでありますが、指定管理者制度の導入検討段階において過去の管理実績や類似施設の導入実績等を考慮して、管理運営に必要な経費をあらかじめ算出し、その額を参考に債務負担行為の限度額を設定しております。指定管理者を公募する場合、本市におきましては、申請者を総合的に審査し、最も効果的・効率的に適切な管理運営を行うことができると見込まれる団体を候補者として選定しております。その上で選定された候補者の提供するサービスの水準と、収支計画を照らし合わせ協議を踏まえて、限度額の範囲で管理料を定めており、民間ならではの多様なサービスを提供いただきながら、経営努力の成果を反映した管理料を設定しておりますので、ご理解をお願いいたします。

○秋葉征士議長　12番髙橋ひろみ議員。

○１２番（髙橋　ひろみ議員）　ご答弁ありがとうございました。質問席で質問を続けさせていただきます。

　　私は指定管理者制度を導入することに疑義はありません。市長の基本方針である「民でできることは民で」というのを着実に実行したことが、今日の東根市の協働のまちづくりが推進してきたのだと思っております。民でできること、民でできないことの判断の方針は、答弁の中にありましたように、公の施設として特別な事情がない限り、指定管理者に管理を行っていくという答弁でありました。その特別な事情というのがその判断の基準だと思います。そこで、特別な事情とはどのような場合をお考えかお尋ねいたします。

○秋葉征士議長　髙橋総務部長。

○髙橋　昇総務部長　お答えいたします。

　　指定管理に適さない特別な事情についてでありますけれども、学校教育法など個別法の規定により、管理主体が限定される場合には指定管理者制度をとることはできません。許可、監督処分、差し押さえ等、行政権の行使に係る事務は指定管理者制度にはなじまないもの、このように判断しております。また、公民館につきましては、地域と行政を結ぶ重要な役割がありまして、地域の課題やニーズの把握、地域づくりの推進のためには緊密な連携が必要であり、行政が主体的に責任を持って任にあたるべきという政策的判断による場合もあります。そのほかにも、冬期間の利用ができない屋外施設などにつきましては、職員の周年雇用が難しい、こういう事例もあります。

　　以上が特別な事情の例であります。ご理解をお願いいたします。

○秋葉征士議長　12番髙橋ひろみ議員。

○１２番（髙橋　ひろみ議員）　特別な事情ということで今部長に述べていただきましたけども、法律の規定で管理が限定される場合とか、行政権の執行に係る事務がなじまない場合、また政策的な判断ということで東根市では公民館などということの答弁もありました。また、その他、グラウンドゴルフ場みたいにやはり冬場、要するに周年の雇用が難しい場合などは、そういう特別な事情ということで指定管理者制度をとっておらないという答弁はわかりました。東根市において公の施設であっても指定管理者制度をとっていない施設、そういうことで様々な条件を述べていただいたのもわかりました。公の施設は、目的であります住民の福祉の増進に沿って管理していただくということも、今後ともそういう制度に基づいて指定管理者制度をとっていただきたいと思います。

　　特別な事情がない限り指定管理者制度を導入するというお答えの中で、民間事業の有するノウハウをいかに有効に活用していただくために指定管理者制度の運用についてどのようにしているのかお伺いいたします。

○秋葉征士議長　髙橋総務部長。

○髙橋　昇総務部長　お答えいたします。

　　指定管理者の運用についてでありますが、手続を定めた条例等に基づきまして、候補者を選定し、議会の議決を得て管理者を指定しております。運用にあたっては運用指針を定め、基本的な考え方と事務処理上の留意点を示し、必要最小限の統一したルールを設定しているほかは、施設の目的や特性に即しまして、施設管理の所管課がそれぞれ管理内容を定めているところであります。よろしくお願いいたします。

○秋葉征士議長　12番髙橋ひろみ議員。

○１２番（髙橋　ひろみ議員）　運用についての答弁をいただきましてありがとうございます。

　　条例に基づいて管理者指定をし、必要最小限統一したルールということで運用指針を決めて定めておられることもわかりました。管理内容については施設ごと、所管が一番理解している所管で詳細の協定などは定めておられるということも承知いたしました。

　　指定管理者制度の下では、指定管理者と市の間は単なる事務処理でなく、指定管理者の裁量に基づいて主体的かつ包括的に管理するということになります。管理の内容から指定管理者自ら公の施設の種類や目的に応じた事業を主体的に行っていると思います。詳細については、施設の内容を熟知している所管課が協定書を結び行っていることも承知しております。運用指針では部長が答弁なさった、必要最小限の統一したルールを定めているというのもわかりました。指定管理者制度の施設は東根市においては子育て健康課、それぞれ、さくらんぼ保育所や東根児童館など多々あります。また、福祉課、ふれあいセンターとか小田島ふれあい交流館とか、また、商工観光課では、さくらんぼタント館、職業訓練センター、多目的のコートなど、また、生涯学習課では、この度新たに始まりました、まなびあテラス、市民体育館とか、また、活用がうまくなされてる中央運動公園とかがありまして、それぞれの所管で協定書を結んでおるようです。

　　その中で市独自の規定と所管相互の規定、それのもう少し統一した見解が必要な部分もあると思います。今後、施設等の所管と運用指針を定めている総合政策課の連携のもとで、運用指針を検討していただくようにお願いしたいと思います。

　　次に、指定管理機関についての市長の答弁のことでお尋ねしたいと思います。市長の答弁にもありました、単年度とすると優秀な人材の採用・育成・経費の節減など、民間活力を十分に発揮できないことなどとしながら、それを見直しながら更新をするというお考えでありました。

　　また、運用指針の中でもおおむね３年から５年という期間を定めておられるようです。東根市の指定管理者にとっては、これまで更新時に他の指定管理者に変わったことはないようです。しかし、協定により指定期間が３年、５年と定められていることは、更新されるであろうと想定できるが、非常に不安が募ります。優秀な人材の採用・育成にはつながらないのではないかと思います。独自の事業やら、自主事業を計画するには民間活力を十分に発揮できない部分もあるのではないかと思います。今回まなびあテラスはＰＦＩ事業によりまして、それと同じ期間の20年ということで指定管理の期間がありました。そういう中で、合理的な理由もなく長期の独占的な指定は不適切であるという市長の答弁もありました。私もそのとおりだと思います。しかし、管理者にとっては３年、５年というその期間に対して不安が非常に募っていると思います。そんな中で管理者にとってその期間を最長10年という、そういうようなやり方もあるかと思います。そういうことで指定期間をおおむね３年から５年、ということではなくて最長10年ということに設定していただきたいというのは要望であります。管理者は10年の基本協定を結び、そして今まで行っているように年度ごとの協定もしっかり結んでおります。そういう中で最長10年までということにしていただくと長期的で安定的な運営、優秀な人材の採用とか育成ができ、民間のノウハウの活用に取り組めるのではないかと思いまして、そういうことも検討していただきたい一つと思いますのでよろしくお願いいたします。

　　次に、指定料の設定についてですが、債務負担行為の限度額をまずは設定し、指定管理者の候補者と協議の上、限度額の範囲内で指定管理料を決定するという答弁でありまして、これもわかりました。指定管理料の決定は債務負担行為の限度額の決定によるものであるということで、限度額の決定が非常に重要なことだと思います。管理の実績、提供するサービスとか水準などを協議して指定管理料を定めているということでありますけども、まず基本的には人件費であると思います。この人件費をいかに見るかということでもあります。指定管理者制度導入について、登壇で市長は行政コストの縮減が図られるともおっしゃっておりました。人件費については大きな課題であります。雇用、賃金、労働条件、職員にとっても将来の展望、特に専門職の意欲、組織にとってはチームワーク、利用者にとってのサービスの低下などそういうことがかかわってまいりますので、その人件費については非常に重要だと思います。

　　東根市では指定管理者制度になり民間の雇用の機会も増加してまいりましたのは確かでございます。しかし雇用情勢が好転し労働不足が問題になっております。国でも働き方改革が進められております。１月の安倍首相の施政方針の演説においても、同一労働同一賃金を実現しますと述べております。昇給の扱いが違う、通勤などの各種手当が支給されない、福利厚生費や研修において扱いが異なるなど不合理な待遇差を個別具体的に是正するため、詳細なガイドライン案を策定しましたと述べておりました。指定管理料について同一労働同一賃金の賃金水準が保たれているのかお尋ねいたします。

○秋葉征士議長　髙橋総務部長。

○髙橋　昇総務部長　お答えいたします。

　　指定管理の賃金水準についてでありますが、管理者が計画しているサービスと経費、類似業態の賃金水準、就労状況等を参考に双方協議しまして協定書を締結しているところであります。相互の合意に基づき納得の上での協定でありまして、適正な賃金水準であるとこのように判断しているところであります。よろしくお願いいたします。

○秋葉征士議長　12番髙橋ひろみ議員。

○１２番（髙橋　ひろみ議員）　答弁ありがとうございます。

　　適正な賃金水準により指定管理料の設定をしているという答弁で、まずよろしくお願いしたいと思います。世相に応じて指定管理料を考えるべきと思います。債務負担行為にて限度額が定められてあっても、最終年度で調整したり変更したりすることもできますので、よろしくお願いしたいと思います。

　　次にですけども、今後の公の施設としては来年度から整備が本格的に始まります、また平成30年度の完成を目指している東の杜資料館のことであります。現在は指定管理者制度にとってはおりませんけれども、この施設は庭園に囲まれ、茶室・ホール・物販・喫茶・展示など様々な用途が複合的に配置されております。にぎわいの創出のためにも公の施設の目的を十分に展開できるため、どのような管理体制をお思いか、また指定管理者制度についてどのようなことかお伺いしたいと思います。

○秋葉征士議長　古谷教育次長。

○古谷利明教育次長　東の杜資料館ですので、私の方から答弁させていただきます。

　　東の杜資料館のリノベーション事業につきましては、間もなく実施設計が完了いたしまして新年度から本格的な整備工事が始まるところであります。整備の目的につきましては、和のたたずまいを生かして伝統文化を継承しながら、にぎわいを創出する場となるような整備、周辺の魅力を生かして新たな交流拠点の創造を目指した整備を進めることとしております。公の施設ですので、完成後は直営か指定管理かどちらかの方法で管理運用していくこととなるわけでありますけども、現在ハードの整備と合わせまして取り組みながら整備後の運営についても検討しているところであります。施設の魅力を最大限に発揮いたしまして、利用者、来館者に効果的に活用してもらうためにも、創意工夫を凝らしました運営が不可欠であり、協働のまちづくりの実践という観点からも、指定管理の手法で管理運用していく意義は大きいと考えておりますのでよろしくお願いいたします。

○秋葉征士議長　12番髙橋ひろみ議員。

○１２番（髙橋　ひろみ議員）　教育次長の答弁ありがとうございました。東の杜資料館にとって、今後管理者については検討していただくということで、是非指定管理者制度のこともお考えの上よろしくお願いしたいと思います。この施設は多様な用途が含まれております。管理運営が非常にこの施設を生かすか殺すかというか、生かすことだと思います。是非その面も含めて管理体制については十分にご検討お願いしてよろしくお願いしたいと思います。

　　今回の指定管理者の制度についてご質問させていただきました。この制度に基づいて管理される公の施設が年を追うごとに東根市にとっても増えてまいります。こんな中で私はこの民間事業のノウハウが有効に活用できる指定管理者制度が、長く継続できるような状態になればいいなということで質問をさせていただきました。「民でできるものは民で」ということはこれは市長は常々おっしゃっていて、その方針もわかりました。東根市はこれまで市民課の窓口業務、これも早い段階からの導入、また指定管理者制度、それに保育所の民間委託、それを加えてまたＰＦＩと、本当に様々な面で民間活力を推進して、そして東根らしく東根に基づいた制度の改正が行われたおかげで、このように東根市が発展してきたのだと思います。そういう中で、是非東根市の繁栄の大きな部分を占め、市長の本当に「民でやれることは民」ということの思いの中で、今後もさらなる検討を続けていただきたいと思いますので、市長、その点、何かありましたらお伺いしたいと思います。

○秋葉征士議長　土田市長。

○土田正剛市長　私は「民でできることは民で」ということを他の自治体に先駆けてやってきたつもりであります。今後ともそういう当初の気持ちを忘れないで、今後とも民と行政がバランスのとれた形でやってまいりたいと思っておりますのでよろしくご理解のほどお願いします。

○秋葉征士議長　12番髙橋ひろみ議員。

○１２番（髙橋　ひろみ議員）　はい、ありがとうございました。東根市の発展のために今後とも民間と行政、協働のまちづくりによろしくお願いしたいと思います。

　　以上で終わります。

○秋葉征士議長　以上でご了承願います。

　　◎原田　利光議員質問

○秋葉征士議長　次に、６番原田利光議員。

　　　〔６番　原田利光議員　登壇〕

○６番（原田利光議員）　おはようございます。議長の指示により登壇での質問をさせていただきます。

　　まず、本市は農商工一体のまちづくりを取り組んでおりますが、基幹産業である農業については従事者の高齢化などによる減少、若手農業従事者の不足など、担い手不足による様々な問題が出てきております。そこではじめに、多面的機能支払制度の推進について質問をさせていただきます。

　　近年本市だけではなく、国内においても農業者の減少、高齢化などによる耕作放棄地は年々増加している傾向にあり、平成27年に実施した農業センサスには、国内の耕作放棄地は424万ヘクタールまで増加しているという数値が出ております。しかしながら、私が思うに農地は農業生産にとって最も基本的な資源であります。食料の供給という重要な役割だけでなく、水資源の涵養や洪水防止機能をあわせ持ったなど、国土保全の役割を持っております。また、限りある農地の有効利用とともに、耕作放棄地の解消と利活用の推進が重要であり、食料の安定供給といった問題まで行き着いてしまうほど重要な問題であります。

　　一方、本市の状況はどうでしょうか。農林水産省が５年ごとに調査している、農業センサスの過去何年かの農家戸数の推移について見てみると、昭和60年464戸であった専業農家について、平成22年には551戸、平成27年には540戸と増加傾向にあるように見えますが、農家総数については昭和60年に3,632戸ありました。平成27年には2,310戸と大きく数字を減らしております。昭和60年には4,000ヘクタールだった耕地面積は平成25年には3,280ヘクタールと大きく減少しています。今後規模の小さな農家の離農による耕作放棄地の増加が懸念されるのではないかと思われます。

　　そのようなことからも、地域内の農業者などが共同で取り組む地域活動を支援する多面的機能支払給付金事業は、具体的には農地ののり面の草刈り、水路の泥上げ、農地の路面維持等の基本的な保全活動や農地、水路、農道の地域資源の質的向上を図る共同活動が支援する支援向上活動などが考えられますが、とても有意義なものであると考えます。水田には豪雨の際の洪水調整機能があると言われております。農業用の水路には、農地に限らず住宅地の周辺における雨水などの受け皿になっているなど市民生活の安定を図る上、地域の重要な資源であり、地域内の農業者などが共同で取り組む地域活動を支援する事業、多面的機能支払給付金事業は推進すべき事業であります。

　　平成28年度の日本型直接支払制度全体の769億円余りのうち、国の当初予算でもある482億円余りと、約60％を占めているところからも、地域の共同を支援し、本来の農地の多面的機能を発揮させることが緊急の課題であります。私は事業を評価する上で、農地の保全管理と農業用施設の機能保持という観点から見ていかなければならないと思います。

　　農地の保全管理とは、耕作放棄地の発生防止や抑制が図られているか、適切に管理されている農地の拡大が図られているか、農地の有効活用がどのように図られているかなどが考えられます。農業施設の機能保持と、施設が適切に機能維持されているか、それら施設の拡大が図られているか、このような要件がポイントになってくると思います。

　　しかしながら、私は市内の農地を考えたときに思うことがあります。農用地の全てが多面的機能支払制度の対象面積となっていないのではないか、多面的機能支払制度は市内全域として取り組むべきであり、周知不足ではないのでしょうか。現状と今後の取り組みについて市長に伺います。

　　次に、新規就農希望者の農地取得について農業委員会にお尋ねいたします。先ほどから申し上げておりますが、農業を取り巻く環境は生産者の少子高齢化、または後継者不足などいわゆる現状にあります。特に果樹については、収穫時の機械化等が困難な作業や剪定など高度な技術や収穫作業において、雇用労働が必要になり、規模拡大には限度があると思われます。こうしたことから耕作放棄地はさらに増えていくものではないかと、私自身危機感を感じているところです。

　　農業委員会を中心に農地制度の適正執行や農地の有効利用の促進を図る上で、農地パトロールなどを実施しているとお聞きしておりますが、現状はなかなか難しいのではないでしょうか。耕作放棄地、遊休農地とも行っておりますが、この問題は農地の問題ではなく農家の問題でもあるわけでございます。

　　具体的に言えば農家に安定した収入があり、生産意欲を高めればこれらの問題は必ず解決するはずだと思います。そういったところでいえば、昨年12月中旬、地域新聞に本市の平成27年度の新規就農者数が東北で最も多く、調査開始以来最多の300人だったという記事が地方紙に掲載なっておりました。新規就農者の確保と定着に向け、市や農協など関係機関が連携し、きめ細かな支援を行っていることなどが奏功したのではないかと思われます。推測するに農業はやり方次第では儲かるという理由も、増加する要因だと思うところであります。

　　そこで質問いたします。新規就農希望者、いわゆる新たに農業経営を行うとしている人は農地取得を考えなければならないと思います。農地取得などについては農業委員会が窓口でありますが、新たな農業という分野の参入する上でどのような条件があるのでしょうか。あわせて新規就農者に対しては適切な指導、助言などを行い農業経営をサポートする必要があると新規就農希望者の農地取得にかかわる申し合わせ事項に定めておりますが、具体的にはどのような支援を行っているのか、農業委員会会長にお尋ねします。

　　以上、登壇での質問を終わります。よろしくお願いします。

○秋葉征士議長　６番原田利光議員の質問に対し答弁を求めます。土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　原田利光議員のご質問にお答えいたします。

　　はじめに、多面的機能支払制度の推進についてであります。農村地域は食料の生産だけでなく、国土・自然環境の保全などの多面的機能を発揮しており、都市住民を含む多くの人に多様な恩恵をもたらしております。しかしながら、ご承知のとおり近年の農村地域の過疎化、高齢化等の進行に伴う集落機能の低下により、地域の共同活動によって支えられている多面的機能の発揮に支障が生じつつあります。また、共同活動の困難化に伴い農用地、水路、農道等の地域資源の保全管理に関する担い手農家の作業負担の増加も懸念されているところであります。

　　このような中、国では平成25年12月に「農林水産業・地域の活力創造プラン」を策定し、「中間管理機構の創設、経営所得安定対策の見直し、水田フル活用と米政策の見直し、日本型直接支払制度の創設」の４つの改革からなる新たな農業、農村政策を推進し関係者が一体となって強い農林水産業、美しく活力ある農村づくりに取り組んでいくとしたところであります。多面的機能支払制度は日本型直接支払制度の一つであり、農村地域における多面的機能の発揮を維持・継続するための取り組みと捉えております。

　　具体的には地域内の農業者等が共同で取り組む活動を支援するものであり、農地のり面の草刈り、水路の泥上げ、農道の路面維持等の基礎的保全活動や、施設の長寿命化などに対する活動を支援するものであり、規模拡大に取り組む担い手の維持管理に対する負担を軽減することで、農地集積を後押しする政策として期待されているものであります。

　　本市におきましては、多面的機能支払制度の立ち上げの際、各地区を単位として重点的に説明会を行い、きめ細かな対応に心がけてまいりました。その結果、制度が始まった平成26年度は４組織、平成27年度は市としての取り組みに関する推進の効果もあり７組織増加の11組織。そして今年度も１組織増加して現在は12組織が活動をしているところであります。

　　この制度の認定農地面積は1,940ヘクタールあり、別メニューのある中山間部を除き組織を立ち上げ、多面的機能が適切に維持管理されていることから十分な周知が行われていると認識しておりますのでご理解をお願いいたします。

　　今後も、各組織が行う農業や農村が有する多面的機能の維持、発揮を図るための共同活動に対して支援等を行い、水資源の涵養、自然環境の保全、良好な景観の形成等が適切に維持、発揮されるよう、また担い手農家への農地集積という構造改革につなげていきたいと考えていますのでご理解をお願いいたします。

○秋葉征士議長　次に、農業委員会会長に答弁を求めます。工藤農業委員会会長。

　　〔工藤喜惠治農業委員会会長　登壇〕

○工藤喜惠治農業委員会会長　私からは、新規就農希望者の農地取得についてのご質問にお答えいたします。

　　はじめに、就農参入の条件でありますが、農地法の規定により、相続での取得などを除いては、農地の権利取得後の経営面積が原則として50アール以上となることになっており、その全てを自らが耕作することが条件となっております。なお、農地の権利取得につきましては所有権に限定されるものではなく、賃貸借権、使用貸借権の取得でも認められるものとなっております。

　　次に、農地所得についての支援内容でありますが、就農希望者が農地を取得したい旨の相談があった場合には、希望する地区、果樹や稲作等の就農内容、面積等の聞き取りを行い、就農希望地区担当の農業委員を中心に、関係機関・団体と連携を図り、就農に向けての農地取得確保に取り組んでいるところであります。また、就農後におきましても安定した経営が継続できるよう、連携して指導・支援に努めておりますのでご理解をお願いいたします。

○秋葉征士議長　６番原田議員。

○６番（原田利光議員）　ご答弁ありがとうございました。引き続き、質問席で質問いたします。

　　登壇でも申し上げましたとおり、水田には豪雨の際の洪水調整機能がありますし、農業の水路には、農地に限らず、住宅地の周辺における雨水などの表面水の受け皿にもなっていることから、多面的機能支払制度は、農業に従事していない市民の皆さんにとっても、災害などの対応という意味でも有意義なものと考えるところであります。

　　また、この制度の本来の目的は、農業農村の有する多面的機能の維持・発揮を図るための地域の共同活動に係る支援を行い、地域資源の適切な保全管理を推進することで、農業農村の有する多面的機能が今後とも適切に維持・発揮されることとともに、担い手農家への農地集積という構造改革の後押しをすることと市長答弁にもありました。

　　本市にとっては、この制度が活用することにより農地が農地として維持される、将来にわたり国土保全、水源涵養、また景観形成などの多面的機能が十分に確保されているとともに、耕作放棄地となることを未然に防ぎ、農地の流動化が加速されることができるとも考えております。市長の答弁からも、本市の担当課の皆さんには推進に向けた努力をなさっているという姿が伺えました。農地が農地として維持される、規模拡大に取り組む担い手の負担を軽減する事業の、多面的機能支払制度が、事業要望に対して要望額が多かったため、地域の集積計画が不可能となった事例も見られたところでありますが、本市はどのようになっているのかお聞きいたします。

○秋葉征士議長　石垣経済部長。

○石垣裕之経済部長　お答えいたします。

　　この交付金には、農地維持支払いというものと資源向上支払いというものの二つの支払いがございます。農地ののり面の草刈りや、道路の路面維持などの共同活動を対象としました、農地維持支払いに関しましては、国の方でも要望額に対して、満額の交付を措置しているところでございます。一方、水路や農道の補修整備などの活動を対象にしております、資源向上支払いにつきましては、全国からの要望額が非常に多くなっていることから、国においては満額の交付ということが措置できない状況になっているようでございます。そのようなことから、他市町村においては、事業計画を策定することができずに、組織化ならなかったという事例もあるということで伺っております。

　　ご質問の本市における状況につきましてでございますが、本市におきましては、多面的機能の農地のみならず、都市基盤の保全に関する役割も担っていただいているということを、認識いただくとともに、本制度の趣旨を十二分にご理解いただいているところから先ほどの市長答弁にありましたように、12の組織化がなされているところでございます。今後も各組織と連携を図りながら事業推進を図ってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○秋葉征士議長　６番原田利光議員。

○６番（原田利光議員）　ご答弁ありがとうございました。

　　多面的支払制度の推進について、担当課及び各関係機関においては農業・農政の変動が農業担い手に影響及ぼすことのないよう、ますますのご指導をお願いします。

　　続きまして、新規就農希望者の農地取得についてでお聞きします。農業委員会では農地を効率的に利用し、耕作または養畜の事業を行うと認められるかどうかを、営農計画や能力、機械などの資本整備などの総合的に判断してると理解いたしました。農業など第一次産業の経済全体に占める割合は、経済の成長につれて低下していくとされるわけでございます。新規就農希望者が増えるという自体は私は期待しているところであります。

　　しかし、その際の基本的な条件として、農地取得の面積が50アール以上とあることが必要だとありますが、これでは余りにも厳しいかと思われます。新規就農希望者の農地取得にかかわる申し合わせ事項の中にも入っているわけでございますが、取得の際に農地面積については他の市町村の状況などもお聞きしたいなと思うところであります。

　　また、今日は農業委員会の菊地さんが足をけがしている際にもかかわらず、ご出席いただきまして、ありがとうございます。座ってご答弁をお願いしたいと思います。

○秋葉征士議長　菊地農業委員会事務局長。

○菊地仁志農業委員会事務局長　お答えいたします。

　　農地を取得する上で、経営面積の下限が定められている背景といたしましては、零細経営の農家では多くの場合、農業で自立することができないことから、一定の経営規模の確保が必要であるという考えに基づいております。

　　しかしながら、地域の平均的な経営規模がかなり小さい地域など、下限面積を一律に適用することが実情に適さない場合は、農業委員会が農林水産省で定める基準に従い、50アール以下の別段の面積を定めることができることとなっております。山形県内35市町村の状況といたしましては、東根市と同様に50アールを下限面積と定めている市町村は、天童市・新庄市など17市町村、別段の面積を定めている市町村は山形市・米沢市・村山市など17市町で、その面積は10アールから30アールとなっておりますので、よろしくお願いいたします。

○秋葉征士議長　６番原田利光議員。

○６番（原田利光議員）　ご答弁ありがとうございました。

　　新規就農予定者にとってまとまった農地の取得は多額の資金や労働力、また果樹園では管理技術なども必要になることから、50アールの農地取得条件は果樹園地の場合は難しく、かなりハードルが高いのではないかということであります。これまでの見直しに向けて検討した経過はあるのかお伺いいたします。

○秋葉征士議長　菊地農業委員会事務局長。

○菊地仁志農業委員会事務局長　お答えいたします。

　　下限面積の別段の面積の設定については、農林水産省通知により、毎年設定の必要性について審議することになってることから毎年審議を行っております。

　　審議の内容といたしましては、農林水産省令で定める次の２点に適合しているか否かとなっております。１点目につきましては、地域における農家の平均経営規模の大きさから見て、下限面積と比較して地域の実情に適しているかどうか、２点目といたしましては、農地の遊休化が深刻な状況にあり、下限面積要件を流動化して新規就農を促進しなければ農地の保全及び有効利用が図られないと判断されるかどうか、この２点について審議をしております。

　　この２点について審議をした結果、平成28年度につきましては、管内の農家で50アール以上の農地を耕作している農家の割合が60％を超えております。また、耕作放棄地も管内全体としては6.4％と低い状況になっております。いずれの基準にも適合しないという判断に基づき別段の面積は設定しておりません。今後の下限面積の別段の面積の設定につきましても、農林水産省が定める二つの基準に加え、東根市を取り巻く農業の状況の変化を見極めながら判断してまいりますのでご理解をお願いいたします。

○秋葉征士議長　６番原田利光議員。

○６番（原田利光議員）　ありがとうございます。

　　最後に、今の農業は、高齢者のリタイアによる農地の荒廃や、担い手不足になっている生産基盤の脆弱化が進行していると認めざるを得ないと思われます。しかし、農業の有する多面的機能は国民に多くの恵沢をもたらしてるものであります。食料の供給の機能と一体として生ずる極めて重要な機能であることを踏まえ、将来にわたって国民がその恵沢を享受できるよう国や県、市が集中してかつ効果的に支援を行う必要があるのではないかと思います。

　　地域における重要な資源である農地の保全に資する各種の取り組み、地域住民による共同活動による営まれた、良質な地域社会の維持及び形成に重要な役割を果たすとともに、農地の効率的な利用の促進にも資することに鑑み、当該共同活動の実施による、各種の取り組みの推進が図られるべきものであります。ご答弁いただいたとおり、多面的機能支払制度が十分に発揮し、耕作放棄地が増えないような、農業が続けられないような場合は、農業委員会や関係機関と連携を図りながら支援、指導に取り組んでいただきたいと思います。また、Ｉターンなど新規就農を希望している方への農地取得の住民の紹介など、また空き家対策も含めた支援づくりを図っていただき、何とぞいただけるようお願い申し上げ質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

○秋葉征士議長　以上でご了承願います。

　　◎散　　　　　会

○秋葉征士議長　以上で、本日の日程は全部終了しました。

　　本日はこれで散会します。

　　ご苦労さまでした。

　　　午前　１１時０９分　散　会