平成２９年第１回東根市議会定例会　２月２７日　議事日程　第２（代表質問）

平成２９年２月２７日　午前１０時００分　開　議

　　　　　　秋　　葉　　征　　士　議長　　　　　　　浅野目　　幸　　一　副議長

◎出席議員（１８名）

　１番　　　片　　桐　　勝　　寿　議員　　　　　　　２番　　　山　　科　　幸　　子　議員

　３番　　　高　　橋　　鉄　　夫　議員　　　　　　　４番　　　白　　井　　健　　道　議員

　５番　　　河　　村　　　　　豊　議員　　　　　　　６番　　　原　　田　　利　　光　議員

　７番　　　髙　　橋　　光　　男　議員　　　　　　　８番　　　細　　矢　　俊　　博　議員

　９番　　　今　　野　　　　　孝　議員　　　　　　１０番　　　加　　藤　　信　　明　議員

１１番　　　阿　　部　　綾　　子　議員　　　　　　１２番　　　髙　　橋　　ひろみ　議員

１３番　　　清　　野　　貞　　昭　議員　　　　　　１４番　　　森　　谷　　政　　志　議員

１５番　　　佐　　藤　　　　　直　議員　　　　　　１６番　　　清　　野　　忠　　利　議員

１７番　　　浅野目　　幸　　一　議員　　　　　　１８番　　　秋　　葉　　征　　士　議員

◎欠席議員（なし）

◎説明のため出席した者の職氏名


土　田　正　剛	市　　　　　　長	石　山　泰　博	教　　育　　長
武　田　庄　一	選挙管理委員会委　　員　　長	小　林　文　雄	代表監査委員
工　藤　喜惠治	農業委員会会長	芳　賀　利　郎	消　　防　　長
間木野　多加志	副　　市　　長	髙　橋　　　昇	総　務　部　長
斎　藤　吉　則	市民生活部長	梅　津　佳　之	健康福祉部長
石　垣　裕　之	経　済　部　長	東海林　克　彦	建　設　部　長兼水道部長
網　干　　　賢	会計管理者	古　谷　利　明	教　育　次　長
芦　野　耕　司	総合政策課長	高　橋　重　俊	庶　務　課　長併選挙管理委員会事　務　局　長
石　垣　和　彦	財　政　課　長	半　田　　　薫	監　査　委　員事　務　局　長

◎事務局職員出席者職氏名


片　桐　　　崇	事　務　局　長	牧　野　美和子	事務局長補佐
井　上　正　宏	議事主査兼議事係長	辻　村　　　充	副　　主　　任
松　山　朋　美	主　　　　　事	早　坂　　　康	兼　務　書　記
早　坂　康　弘	兼　務　書　記	早　坂　　　康	兼　務　書　記

◎議　事　日　程

　議事日程第２号

　　　　　　　平成２９年２月２７日（月）　午前１０時　開　議

　日程第　１　　市政に対する会派代表質問

　　　　　　　　１　　８番　細　矢　俊　博

　　　　　　　　２　　５番　河　村　　　豊

　　　　　　　　３　　１番　片　桐　勝　寿

　　　　　　　　４　　７番　髙　橋　光　男

　　　　　　　　５　１０番　加　藤　信　明

　　　　（散　　　　　会）

◎本日の会議に付した事件

　議事日程第２号に同じ。

平成２９年東根市議会第１回定例会会派代表質問発言通告書


番号	質問者	質問事項	質問要旨	答弁者
１	ひがしね創生会細矢　俊博議　　　員	１．空き家対策の推進について	１．本市は、生活や就業、教育、自然環境等において魅力を感じ、周辺地域からの移住が多くなっています。これにより、本市は県内で唯一人口が増えている自治体であります。　　移住者の多くは新たに分譲地を購入し、空き家への移住は少数となっています。そこで、以下の２点についてお伺いします。　（１）中古住宅の売買を促進し、空き家の発生を抑制するため、どのような施策を行っているのか。　（２）適正管理されず放置されている空き家に対して、どのような指導・対策を行っているのか。	市　　　長
番号	質問者	質問事項	質問要旨	答弁者
		２．安全・安心なまちづくりについて	１．安全・安心なまちづくりを推進するに当たって、必須である「東根市公共施設等総合管理計画（案）」のパブリックコメントが実施されております。　　今後、市が保有するすべての公共施設等において、少子高齢化、生活の多様化等の社会環境の変化や市民ニーズの多様化に対応するとともに、施設の長寿命化等限られた財源を効果的に活用した施設管理を行うことで、次の世代に大きな負担を強いることなく、持続可能な市民サービスの提供と安全・安心なまちづくりを目指すべきと考えます。そこで、お伺いします。　（１）公共施設の適正な維持管理・更新の一元的な管理について	市　　　長
		３．地域活性化とスポーツ振興について	１．スポーツは、人生を豊かにし、人を幸福にするとともに、地域活性化の大きなキーワードでもあります。　　今後、「子育てするなら東根市」、そして「長生きするのも東根市」を進める上で欠くことができないものの一つが、スポーツの振興であります。そこで、次代を担う青少年をはじめとする市民のスポーツ環境の整備など、スポーツ振興に向けた取り組みの状況について、３点お伺いします。　（１）学校開放の状況について（主な種目、増減要因、部活動との連携など）　（２）県レベル、東北レベルなどのスポーツ大会の開催状況について（主な種目、定期的開催状況、市の対応状況など）　（３）総合型スポーツクラブの活動状況について	教　育　長


番号	質問者	質問事項	質問要旨	答弁者
２	政清・公明河村　　豊議　　　員	１．子育て環境の充実について	１．質の高い保育環境の提供について２．学童保育の施設整備・保育内容の充実について	市　　　長
		２．市民の健康・福祉の充実について	１．地域包括ケアシステムについて２．第二地域包括支援センター開設について３．精神保健福祉の充実について	市　　　長
		３．安全・安心な市民生活について	１．防災・減災対策について２．消費生活相談について	市　　　長
		４．地域の魅力向上とまちづくりについて	１．東部、西部地区の魅力向上について２．交流人口拡大について	市　　　長
		５．都市基盤の充実について	１．縦軸横軸幹線道路の交流拠点づくりについて２．市道整備、生活道路整備について	市　　　長
		６．農林業、商工業、観光業の振興について	１．農作物の輸出力強化と国内販路の更なる拡大について２．起業・経営支援について３．一体的な観光産業の拡充について	市　　　長
		７．「教育によるひとづくり・まちづくり」について	１．教育環境の充実について２．通学区域の緩和について３．芸術文化の振興について４．小・中・高校生の活動支援について	市　　　長教　育　長
		８．協働のまちづくりについて	１．市民力・地域力の向上について	市　　　長教　育　長


番号	質問者	質問事項	質問要旨	答弁者
３	東輝会片桐　勝寿議　　　員	１．これまでの財政状況の推移と今後の財政運営について	１．収支の状況について　　平成28年度の収支見込みを含めて、今後の収支状況の見通しはどうか。２．将来の財政負担の状況について　　地方債現在高は、年々減ってきているが、将来の負担すべきものとしての債務負担行為の支出予定額の総額は増加傾向にある。地方債や債務負担行為の支出予定額の平成28年度末の見込みを含めて、今後の見通しはどうか。３．財政に関する資料の公開について　　現在総務省のホームページで各自治体の「決算カード」「財政状況資料集」などの資料は、閲覧できるようになっている。市の財政に対して最終的な責任を負うのは市民であることを考えると、市の財政に関する資料をできるだけ公開していく事が必要と考えるがどうか。	市　　　長
４	鴻志会髙橋　光男議　　　員	１．魅力にあふれ、にぎわいと活力に満ちたまちについて	１．商工業の振興　　安定雇用創出及び人材育成・確保への取り組みの現状と今後の考え方などについて伺う。２．農業の振興　　６次産業化推進事業への取り組みの現状と今後の考え方などについて伺う。	市　　　長
４	鴻志会髙橋　光男議　　　員	２．こころ豊かな人が輝く教育と文化のまちについて	１．幼児及び学校教育の充実　　幼保小中の連携した教育への取り組みの現状などについて伺う。	教　育　長


番号	質問者	質問事項	質問要旨	答弁者
５	平成会加藤　信明議　　　員	１．第４次東根市総合計画後期基本計画の進捗状況について	１．山形空港の運航充実と利用拡大について　（１）山形‐札幌（新千歳）便の１往復が決定した。搭乗率アップに向けた振興策など　（２）ＭＲＪパイロット訓練施設の誘致について２．高速道路の整備促進について　（１）東北中央自動車道　東根～大石田村山間及び（仮称）東根北ＩＣの進捗状況と今後の見通し　（２）高速道路に接続する道路網の整備３．広域幹線道路の整備促進について　（１）主要地方道　山形天童線の整備４．「道の駅」の整備検討について　（１）国・県の動きに合わせた本市の取り組み状況５．東根市産業創出基本計画について　（１）基本計画に基づく工業団地造成計画６．一般国道48号の整備促進について　（１）事前通行規制区間の回避に向けたバイパス化の整備　　以上、６項目についてお聞きします。	市　　　長

　　◎開　　　　　議

○秋葉征士議長　皆さん、おはようございます。

　　本日の会議に欠席及び遅刻の届け出はありません。したがいまして、出席議員の数は18名で定足数に達しておりますので、これから本日の会議を開きます。なお、執行部において、菊地農業委員会事務局長が欠席となる届け出がありましたので、ご了承を願います。

　　本日の会議は、議事日程第２号によって進めます。

　　◎市政に対する会派代表質問

○秋葉征博議長　日程第１　市政一般に対する会派代表質問を行います。

　　質問は通告順としますが、発言順番を迎えたときに議場にいない場合は発言権の放棄とみなしますので、そのようにご了承願います。

　　◎細矢俊博議員質問

○秋葉征士議長　はじめに、ひがしね創生会を代表して、８番細矢俊博議員。

　　　〔８番　細矢俊博議員　登壇〕

○８番（細矢俊博議員）　おはようございます。

ひがしね創生会８番細矢俊博です。ひがしね創生会を代表いたしまして、通告に従い３項目につきまして質問いたします。

　　はじめに、１項目め、空き家対策の推進についてお伺いいたします。

　　平成29年度施政方針の中に、先の国勢調査の確定値が発表され、東根市は５年間で1,354名の増加が見られ、県内で唯一人口が増えた自治体であります。東根市の生活や就業、教育、自然環境などに魅力を感じた移住が行われており、それはこれまで取り組んできたまちづくりが総合的に評価された証とするところであると記載されております。このことに関しましては、私も同様に感じているところであります。

　　人口の増加にあわせ、市内でも多くの宅地の供給がなされています。これら宅地の多くは、市街地周辺の果樹畑に新たに造成され、比較的低価格で提供されております。このため、本市へ移住を希望する方はこれらの宅地を購入し、新築しているケースが多いようです。また市内でも、親子別世帯が多くなってきており、若者世帯がこれら宅地を購入し、新居を構える件数も多くなっているようです。

　　こうした中、市内では住宅の新築件数に比較して見ると、中古住宅の売買件数はかなり少ないように感じています。これら中古住宅の売買が芳しくないということは、市内にある空き家の件数がなかなか減らないということになってきているのではないかと思われます。家は人が住まなくなると急速に劣化が進みます。人が住まなくなった期間が長ければ長いほど、次に住むときに水回りなどの修繕に多額の費用が必要となり、ますます利用が困難になってしまいます。このため中古住宅は空き家となり、放置されてしまう可能性が高くなります。中古住宅はできるだけ早く再利用し、空き家にしないことがとても重要です。

　　そこで第１点目として、中古住宅の売買を促進し、空き家の発生を抑制するため、どのような施策を行っているのかお伺いいたします。

　　次に、適正管理されず放置されている空き家について質問いたします。

　　空き家の中には、放置され、屋根が落ちたものや壁と柱が傾いているもの、屋根の雪が道路に落ちるものなど、周辺に住んでいる人々に大きな不安を与えているものがあります。また、建物だけでなく、庭の樹木が生い茂り、大木となって道路に倒れたり、木の枝が電線に触れ、停電を引き起こしそうな空き家もあります。そのほかにハクビシンやタヌキなどの住みつき、また敷地への不法投棄などもあり、周辺の生活環境を著しく悪化させている現状があります。

　　空き家が問題になるのは、建物などが適正に管理されずに放置されていることです。空き家は、その所有者や相続人が適正に管理する義務があります。空き家の管理者に対して強く働きかけることが最も重要です。

　　しかし、空き家の中には相続する縁故者が誰もいないものや、相続自体が放棄されてしまい、誰にも管理されず、ほったらかしの空き家があります。そのような空き家は年々劣化が進み、人が住めるような状態ではなくなっています。そのような空き家周辺の住民の方々は、大きな不安を感じており、何とか建物を解体できないかとの声が大きくなっています。

　　そこで２点目として、適正管理されず放置されている空き家に対して、どのような指導・対策を行っているのかお伺いいたします。

　　以上、２点について質問いたします。

　　次に、２項目め、安全・安心なまちづくりについてお伺いいたします。公共施設の適正な維持管理、更新の一元的な管理についてであります。

　　2012年に起きた中央自動車道の笹子トンネルの天井板崩落事故を皮切りに、道路陥没事故などインフラ施設をはじめとする公共施設などの老朽化が、全国的な問題となっております。国ではこうした状況を踏まえ、平成25年にインフラ長寿命化基本計画を策定し、翌26年には、全国の地方公共団体に対し、公共施設等総合管理計画の策定を要請しております。

　　地方の財政状況が依然として厳しい中で、人口減少による公共施設等の利用需要が変化していくことを想定すると、施設の長寿命化や統廃合を含めて長期的な視点に立って、公共施設等の維持管理方針を定める計画は、地方公共団体にとって非常に重要な計画であります。

　　そういった状況は本市においても例外ではありません。本市が所有する公共施設はそれぞれの目的を持って、市内全域に数多く設置されております。その中には建設から年数が経過し、施設本体や設備の老朽化が進んでいる施設も見受けられることから、公共施設等総合管理計画の策定と、計画に基づく適正な維持管理・更新を通して、市民に対し安全・安心な公共施設の提供を図っていくことが重要であります。

　　さらに平成27年に策定した本市人口ビジョンによると、将来的には人口が減少すると予測されていることから、将来世代に大きな負担を残すことのないよう、公共施設の保有量の見直しや、機能の複合化などについても十分留意する必要があると考えます。

　　現在、本市の公共施設は担当部署がそれぞれ責任を持って維持管理されていると思いますが、今後、維持管理経費や将来の更新費用等を考えると、全ての施設の状態を総合的に調査判断して、修繕や更新の優先順位を決めるなど、市が所有する全ての施設を一元的に管理していくことが望ましいと考えます。

　　そこで次の点についてお伺いいたします。

　　現在、市では公共施設等総合管理計画案のパブリックコメントが実施されており、計画の案を閲覧できる状況にありますが、これを見ると施設を一元管理していくと表現されていますが、具体的にどのように管理していくのかお伺いいたします。

　　次に、３項目め、第４次東根市総合計画の基本構想に掲げられた６つの目標の中の「こころ豊かな人が輝く教育と文化のまち」に関連して、地域活性化とスポーツの振興についてお伺いいたします。

　　2020年東京オリンピック・パラリンピックが３年後に迫ってまいりました。我が国での開催は、長野オリンピック以来22年ぶりであり、東京オリンピック・パラリンピックの開催を観光振興や、経済の活性化などに結びつけようという機運が盛り上がっています。

　　本市においては、昨年、中央運動公園、大森山公園グラウンドゴルフ場及びパークゴルフ場が整備され、市民からは高い評価を得ているところであります。スポーツは人生を豊かにします。またスポーツを通した仲間づくりから多様な交流が生まれ、市民に潤いのある生活と幸せをもたらします。

　　平成26年に策定された東根市スポーツ推進計画に、スポーツが暮らしの中にあるまちを目指すという基本理念が掲げられておりますが、今後、地域の活性化を進める上で、スポーツの振興は大きなキーワードになるものと考えるところであります。

　　スポーツの振興を図るメリットは多岐にわたります。運動能力の向上はもとより、日常的に運動する習慣は、病気をしない健康な体をつくり、ひいては医療費の削減につながります。

　　またスポーツを通して、コミュニケーション能力・集中力・自立心・人を敬う心・自信・努力の大切さなどを学ぶことを、子ども達の健やかな成長に大きく寄与するものであります。このようにスポーツは子どもから高齢者まで幅広い年代に様々な効果をもたらしてくれます。

　　また、本市においては、全国屈指のさくらんぼマラソン大会が開催されているところであります。地域振興を図るための手法として、スポーツには高い集客力があり、大勢の競技者や応援される方々が集まることによって、交流の拡大や、地域経済への貢献など、様々な波及効果が期待できることにも着目すべきであろうと考えるところであります。

　　今後、「子育てするなら東根市」、そして「長生きするのも東根市」を進める上で、欠くことができないものの一つがスポーツの振興であります。

　　そこで次代を担う青少年をはじめとする市民のスポーツ環境の整備など、スポーツ振興に向けた取り組みの状況について、３点お伺いいたします。

　　１点目でありますが、学校開放の状況について、どのような種目で利用されているか、近年における利用状況の推移はどうか。また部活動との連携はどうなっているかについてお伺いいたします。

　　２点目につきましては、県大会や東北大会など、市内におけるスポーツ大会の開催状況について、どのような大会が開催されているか、定期的に開催されている大会の状況はどうか、またこうした大会の開催に際しての、市としての対応状況についてお伺いいたします。

　　次に３点目でありますが、総合型地域スポーツクラブの活動状況について、お伺いいたします。

　　以上、登壇での質問とさせていただきます。

○秋葉征士議長　８番細矢俊博議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　ひがしね創生会、細矢俊博議員のご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、空き家対策の推進についてであります。

　　中古住宅の売買を促進し、空き家の発生を抑制するための施策についてでありますが、本市におきましては、定住を促進し、人口増加を図るため、東根市定住促進事業を実施しているところであります。

　　この事業は市外から転入してきた世帯を対象として、住宅の建築費または購入費の一部を助成するものであります。この事業におきましては、中古住宅の購入世帯に対し、補助金額を10万円加算し、中古住宅への入居を促進しております。

　　また、東根市住まい応援事業におきましては、市内の空き家を活用した住宅で、必要条件を満たすリフォームを行った場合、県の補助分の上限額が10万円上乗せされることとなっております。

　　このほか、空き家バンクを創設し、中古住宅の所有者と利用者の仲介を行っており、市内の中古住宅市場の活性化を促し、空き家発生の抑制を目指しているところであります。

　　次に、適正管理されず放置されている空き家に対する指導・対策についてであります。

　　適正に管理されず、放置されている空き家は周辺住民に対して、多大な不安と迷惑を及ぼすことから、優先して所有者調査を行い、文書や電話等により、適正管理の指導を行っているところであります。

　　また、著しく周辺環境を悪化させる空き家や、危険な空き家については、「空家等対策の推進に関する特別措置法」により、「特定空家」として認定し、所有者に対し建物の解体、除却の勧告、命令等ができるようになったことから、今後、特定空家の認定を行い、対策の強化を図ってまいります。相続人が存在しない空き家や土地については、裁判所に相続財産管理人の選任の申し立てを行い、処分することとなります。

　　このような空き家と土地は財産価値が低く、売買できない場合が多く、最終的に国へ帰属されることとなります。しかしながら、全国的に空き家が増加していることから空き家等の解体に多額の経費がかかる財産については、スムーズな国への帰属が望めない状況となっております。

　　これらの問題を解決するため、来年度より新たに相続財産管理人を対象に、「相続財産管理人支援事業費補助金」を創設することとしております。この補助事業につきましては、相続財産管理人に対し、相続財産を国へ帰属させるために必要な経費を補助するものであります。これにより危険な空き家等の解体と国への帰属が促進され、周辺住民の不安が解消されるものと期待しておりますので、ご理解をお願いいたします。

　　次に安全安心なまちづくりについてであります。

　　公共施設の適正な維持管理・更新の一元的な管理についてでありますが、「東根市公共施設等総合管理計画」につきましては、本市が保有する全ての施設の状況を把握し、少子高齢化や、生活の多様化など、社会環境の変化や様々な市民ニーズに対応するとともに、限られた財源を効果的に活用した施設管理を行うことで、将来世代に大きな負担を強いることなく、持続可能な市民サービスの提供と安全安心なまちづくりを目指すことを目的に、今年度中の策定を目指し、現在作業を進めているところであります。

　　現在、計画案に対するパブリックコメントを募集中であり、ホームページで内容を公表しております。計画案におきましては、現状の把握と将来の更新費用の推計、そして各施設の維持管理や、更新に対する基本的な方針について記載しているほか、議員ご質問の一元的な管理についてを網羅する部分として、計画の実施体制とフォローアップについて記載しているところであります。

　　施設保有量の縮減や財政の平準化を図るためには、中長期的な視点に立って、建て替えや改修の優先順位を定めながら、市が保有する全ての施設を総合的に判断し、取り組んでいく必要があるものと捉えております。

　　総合計画や振興実施計画とも大きくかかわってくることから、計画案においては、財政課や各施設の管理担当部署と連携しながら、総合政策課が当該計画の進捗状況などを一元的に管理することとしておりますので、ご理解をお願いいたします。

○秋葉征士議長　次に、教育長に答弁を求めます。石山教育長。

　　　〔石山泰博教育長　登壇〕

○石山泰博教育長　　おはようございます。

　　私からは地域活性化とスポーツの振興についてのご質問にお答えいたします。

　　はじめに、学校開放の状況についてであります。昨年、本市における新たな生涯スポーツの拠点となる中央運動公園がオープンしました。体育館、野球場、プール、多目的運動広場を備えたこの施設は、中心市街地に所在する立地条件のよさもあり、これまでに約６万３千人の方が利用されております。

　　また、昨年オープンした大森山公園グラウンドゴルフ場及びパークゴルフ場につきましては、約１万５千人の方が利用されております。

　　こうした新たな施設は、様々なスポーツの競技力向上に寄与するとともに、健康づくりや生きがいづくりの場として、市内外の方々に広く定着し、新たな交流とにぎわいを創出されたところであります。

　　本市では生涯スポーツの普及などを目的に、学校の体育施設を学校教育に支障のない範囲で、市民の利用に供する学校開放を行っております。

　　学校開放につきましては、市民の生涯スポーツや健康に対する意識の高まりなどを背景に、一般の方やスポーツ少年団などの幅広い利用があり、バスケットボール、バレーボール、バドミントンそして剣道など多岐にわたる活動が行われており、利用件数につきましては、年間4,700件前後で推移しております。

　　部活動につきましては、学校管理のもとに行われるものでありますが、部活動を補完するスポーツ少年団活動として、連日学校開放が利用されているところであります。

　　次に、県大会や東北大会など市内におけるスポーツ大会の開催状況についてであります。

　　本市におきましては、ハンドボール、サッカー、フットサル、剣道などの県大会、東北大会、東日本大会が開催されており、定期的に開催されている代表的な大会につきましては、日本ハンドボールリーグの公式戦、チェリーカップ東日本小学生ハンドボール大会、さくらんぼ東根・大富剣道旗争奪東北地区大会などがあります。

　　また、中央運動公園がオープンし、市民体育館及び周辺運動施設と連携を図ることによって、規模の大きな大会の開催が可能となり、昨年８月には高松宮記念杯第６回全日本社会人ハンドボール選手権大会が市民体育館と中央運動公園体育館の両施設を会場に行われ、日本トップレベルの選手が参加したところであります。

　　一部の大会につきましては、指定管理事業として負担金を支出するほか、県大会以上の大会については、通常の利用に優先して予約を受け付けるなど、大会開催を支援しております。

　　こうした大規模な大会が開催される場合には、参加する選手が市内に宿泊するケースもあり、スポーツ振興にとどまらず、様々な効果をもたらしているところであります。

　　次に、総合型地域スポーツクラブの活動状況についてであります。

　　本市における総合型地域スポーツクラブにつきましては、平成24年に現公益財団法人東根市体育協会と組織を統合したマイ・スポーツひがしねが活発な活動を展開しております。平成28年度における活動につきましては、ラージボール卓球、エアロビクス、スポーツ吹矢、ヨガなどの生涯スポーツに関する様々な教室が開催されたところであり、会員数は312名となっております。

　　また、各種団体の活動に指導者を派遣し、スポーツの普及活動を行っているところであります。

　　このようにマイ・スポーツひがしねによる、誰もが気軽に楽しむことができるスポーツの普及を目指した事業展開は、「市民ひとり１スポーツ」の推進に大きく貢献しているところであります。

　　スポーツは生きがいのある生活や健康づくりの基本となり、豊かな人間形成に大きく寄与するものであり、さらにはスポーツの振興を図ることによって、地域の活性化、交流の拡大、にぎわいの創出などが期待されるところであります。今後とも、本市の将来を担う青少年の健全育成や「長生きするのも東根市」の実現に向けて、市民が生涯を通じてスポーツに親しむことができる環境づくりに務め、スポーツの振興を図ってまいりますのでご理解をお願いいたします。

○秋葉征士議長　８番細矢俊博議員。

○８番（細矢俊博議員）　それでは、引き続き質問席より、２問目以降の質問を続けます。

　　１項目め、空き家対策の推進についてであります。

　　市外からの転入者の中古住宅購入などを促進するため、東根市定住促進事業、東根市住まい応援事業、空き家バンクの登録事業の３事業を実施しているとのことですが、おのおのの実施状況についてお尋ねいたします。

○秋葉征士議長　髙橋総務部長。

○髙橋　昇総務部長　お答えいたします。

　　現在実施しております東根市定住促進事業等３事業の実施状況についてであります。

　　はじめに、東根市定住促進事業と東根市住まい応援事業の実施状況について申し上げます。この二つの事業は平成27年度より、空き家対策として中古住宅購入者等へ優遇措置を行っているものであります。平成27年度から、今年１月末までの２年間の実績件数であります。

　　東根市定住促進事業につきましては、申請件数が176件。そのうち中古住宅加算が24件となっており、中古住宅加算件数は全体の14％弱となっているところであります。

　　次に、東根市住まい応援授業の２年間の合計でありますけれども、住宅改修等の申請件数が741件。うち空き家活用による申請件数は２件となっております。また、空き家バンクへの登録状況につきましては、登録の実績は２件でありまして、そのうち１件は昨年度に賃貸され、現在の登録件数は１件となっているところであります。

　　よろしくお願いします。

○秋葉征士議長　８番細矢俊博議員。

○８番（細矢俊博議員）　ただ今の答弁によりますと、市内には中古住宅が多くあるにもかかわらず、中古住宅購入に関する事業への申請件数は大変少なくなっているようです。様々な施策を行っているにもかかわらず、中古住宅の購入が伸びないようでありますが、その要因をどのように捉えておられるのか、お聞きいたします。

○秋葉征士議長　髙橋総務部長。

○髙橋　昇総務部長　お答えいたします。

　　中古住宅の購入件数が少ない要因でありますけれども、市内の分譲地の傾向としまして、区画面積がさほど広くない宅地分譲が主流となっているようであります。これらの分譲地は低価格で購入しやすいことから、中古住宅を購入しリフォームするよりも、分譲地を購入し新築する方が多くいらっしゃいまして、結果として中古住宅の購入が振るわないものと捉えているところであります。

　　よろしくお願いします。

○秋葉征士議長　８番細矢俊博議員。

○８番（細矢俊博議員）　現状についてはわかりました。

　　そうしますと、市内にある中古住宅で売買されないものは、当然空き家となっていることになるわけなんです。そしてこれまで、市内には300件を超す空き家があると聞いておりますが、現在把握している空き家の数がどのくらいなのか、お聞きします。

　　また、その空き家の中でもいつでも住めるようにきちんと管理している空き家もあれば、全く放置され適正に管理されず、崩れそうな空き家もあります。特に危険で、地域で問題となっている空き家はどのぐらいあるのか、お聞きいたします。

○秋葉征士議長　斎藤市民生活部長。

○斎藤吉則市民生活部長　お答えいたします。

　　平成28年の12月末現在ですけれども、台帳に登録されている空き家の総数は305戸で、前年度から解体等により、27戸減少している状況にあります。

　　そのうち倒壊のおそれがあるものが17戸、外観は保っているのですが、使用不可能なものが95戸、居住するのに修繕が必要な空き家が150戸となっております。

　　その中で特に危険で、地域で問題となっているのは、倒壊の危険のある空き家17戸となっております。また、使用不可能な空き家が増加してるということは、適正に管理されていない空き家が増加しているということであり、将来的に倒壊するおそれのある危険な空き家が大幅に増加していくのではないかと、危惧しているところであります。

　　よろしくお願いします。

○秋葉征士議長　８番細矢俊博議員。

○８番（細矢俊博議員）　先ほど、土田市長答弁の中で、著しく周辺環境を悪化させる空き家や危険な空き家を「特定空家」と認定していくとのことでございますが、次に、その「特定空家」についてお聞きいたします。

　　いわゆる「空家特措法」により、「特定空家」として認定すれば、様々なことができるようになることのことでございますが、どのような状態の空き家が「特定空家」となるのか、お聞きいたします。

　　また、「特定空家」となると、どのような対策ができるのか。もう少し詳しく説明をお願いいたします。

○秋葉征士議長　斎藤市民生活部長。

○斎藤吉則市民生活部長　お答えいたします。

　　特定空家の認定要件としては、「著しく保安上危険なもの、衛生上有害なもの、景観を損なっているもの、生活環境保全のため放置できないもの」となっております。具体的な例としては、草木が生い茂り、屋根が落ちて壁が傾き、それが隣の家や道路に倒れてきそうな空き家が対象となります。

　　特定空家と認定することによりまして、その所有者や相続人に対して指導、助言、勧告、命令を行うとともに、最終的には建物などの解体の代執行ができるようになります。また、固定資産税の特例対象が除外され、税率が３倍から６倍にアップすることから、建物の解体と土地の有効利用が図られるものと期待しております。

　　よろしくお願いします。

○秋葉征士議長　８番細矢俊博議員。

○８番（細矢俊博議員）　わかりました。今後速やかに特定空家の認定作業が行われるよう、適正に管理されず放置されてる空き家が管理に向けて推進するよう願うものであります。

　　それでは次に、先ほども申し上げましたが、市内には相続人がいない空き家があります。相続人がいないため、相続財産管理人が選任され、財産の処分を行っている案件の数と、その内容についても、お聞きしたいと思います。

○秋葉征士議長　斎藤市民生活部長。

○斎藤吉則市民生活部長　お答えいたします。

　　現在、相続人がいない空き家として把握しているのは４件となっております。そのうち相続人そのものがいない空き家が１件、相続放棄によるものが３件となっております。

　　現在、相続財産管理人を選任し、財産の処分にあたっているのは１件でありまして、これは相続放棄によるものではなくて、所有者が未婚で子どもがおらず、また縁故者も亡くなっており、相続人そのものが存在しないため、空き家となった物件の処分手続を行っているものであります。

　　よろしくお願いします。

○秋葉征士議長　８番細矢俊博議員。

○８番（細矢俊博議員）　わかりました。

　　先ほどの土田市長答弁で、来年度より新たに相続財産管理人に対する「相続財産管理人支援事業費補助金」を創設するとのことでありますが、その支援内容について詳しくお聞きしたいと思います。

○秋葉征士議長　斎藤市民生活部長。

○斎藤吉則市民生活部長　お答えいたします。

　　この事業は裁判所から選任された相続財産管理人に対する支援事業で、相続財産管理人が管理する財産について、国へ引き継ぎを行うために必要な経費の補助を行うものとなっております。具体的には、一定期間、一般での売却を目指しましたが、売買での処分が不調に終わり、その財産を国に引き継がざるを得ない状況となった土地等の財産が対象となります。

　　国へ引き継ぐにあたりまして、引き継ぎの支障となる物件の除去等に係る必要な経費を補助するものとなっております。具体的には建物の解体・処分費、立木の除却費、登記手数料などの費用を補助するものであります。なお、相続財産の中に現金や預金などの換金できる財産がある場合につきましては、その金額を差し引いて補助するものであります。

　　この事業により、周辺住民に多大な迷惑と不安を与えている、空き家の解体が促進されまして、長年にわたる地域の課題が解消されるものと考えております。

　　よろしくお願いします。

○秋葉征士議長　８番細矢俊博議員。

○８番（細矢俊博議員）　詳しい説明、わかりました。

　　新たな施策として、相続財産管理人に対する支援を行うことは、多分全国でも初めての画期的な支援事業であると思います。これには、驚きと感動と、そして感謝を申し上げます。先の平成28年６月定例会で、同僚議員から空き家対策についての一般質問がありました。それから８カ月の間に特定空家の認定や、相続財産管理人支援事業費補助金の創設と、新しい事業への取り組みが次々と行われ、空き家対策は大きく前進してると考えます。現在適正管理されず、放置されている空き家の周辺住民の方々、そして地域にとっても長年の不安解消に大きな一歩になると確信いたします。

　　これからは、これら新たな事業を円滑に進めることが重要であります。そのためには、組織体制の充実が重要であると思います。現在、倒壊の危険性がある空き家が17件で、今後増えていくことが予想されるとの答弁がありました。今後、特定空家の認定を行っていくとのことですが、特定空家の認定と、その後の処理については、私も調べてみましたが、認定までの所有者調査と建物の調査、認定後は助言、指導、勧告、命令、戒告を経ての行政代執行と、空き家の解体までには多くの手続をしなければならないようであります。

　　また、相続人がいない空き家も４件あるとのことであります。相続人がいない空き家等の処理については、相続財産管理人を選任して、処理を行うこととなるようでございますが、相続財産管理人の選任も市の手助けがなければなかなかできないことであると思います。

　　このように、事務量が多いほか、空き家の対策には２年、３年と長い期間を要するものが多いようです。市民の空き家への不安をなくすためには、市の空き家対策の充実が不可欠であります。改めて組織体制の充実、可能な限り専門部署、設置について要望を申し上げたいと思います。

　　最後に、土田市長より、空き家問題に関するご所見をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

○秋葉征士議長　土田市長。

○土田正剛市長　ただ今、空き家対策について執行部と議員のやりとりを聞いて、非常に深刻な問題だなと私は捉えております。今後、この空き家というのは、増えるこそあれ減ることは私はないと思っております。それは全国的に核家族化が進行しているということと相まって、高齢者のみの世帯と住宅というものが逆に一方で増えていくと、そしてまた、その空き家になった場合に、いわゆる自分たちは別のところで住んでいて、そして親が住んでおったその家に至っては、まさに空き家となっていることで反面、管理責任というものが相対的に意識が低下しているということも問題であるわけであります。

　　くわえて、物価の諸般の事情で高騰しているわけであります。そういう意味では、その解体というものについては非常に、例えば10年前から比べると大体倍になっているということから見ても、その解体というものにも、一足飛びに解決策としていかないというところが現状ではないだろうかなと思っております。

　　こういったいろんな背景の中で、今後、新年度においても、特定空家というものの指定を急ぐと、そういうふうなもの、あるいは財産管理人の相続についての委託金など、いろんな意味で新制度に基づいて、これらの問題に対処していかなきゃいかんと、改めて思っているわけでありますが、私は一番課題、問題になってくるのは、相続放棄ということではないだろうかなと思っております。

　　今後、そういう意味ではこれは全国的に増えてくるおそれがあるわけであります。そういう意味では、相続放棄というのは、元来のこの制度の趣旨の意味というものは、例えば多額の親が借金をして、そしてそれが子どもに引き継がれるということを防ぐために、つまり子どもの権利を守るという意味で、相続放棄というものがそもそも制定されたわけであります。しかし、ご存じのように、既に相続放棄が実績に新たに３件が、私から見れば正当な理由がなくて、いわゆる相続放棄をしているということが、私は非常に問題であるなと思っております。

　　したがって、今後、国の方に、やはりその法律改正あるいは附則条項の中で、正当な理由がなしに相続放棄をする場合には、その規制をかけるという法の改正も視野に入れながら、今後、国との協議というものを基礎自治体として、末端のそういう事情というのを一番私たちが直面している、困窮している問題でありますので、今後、国に対して、全国市長会、私は相談役にもなっているわけでありますので、今後、そういった法律の改正条項にも取り組んでいかなきゃならんなと考えているところであります。

　　以上、私の所感であります。

○秋葉征士議長　８番細矢俊博議員。

○８番（細矢俊博議員）　どうも市長、ありがとうございます。

　　本市における空き家対策に関しまして、土田市長の熱き思い、そしてまた、考え方を理解させていただきました。今後とも、周辺住民の方々の不安解消と空き家対策の充実をお願い申し上げまして、この１項目めについての質問を終わります。

　　次に２項目め、安全・安心なまちづくりについて、質問を続けます。公共施設の適正な維持管理、更新の一元的な管理についてであります。

　　計画案に記載されている一元的な管理について、総合政策課に振興実施計画の策定などを通して、同計画の進捗状況などを一元的に管理していくことについて、理解をいたしました。

　　そこでお聞きします。これまでも振興実施計画の中で、新たな施設の整備や大規模な修繕等を全体のバランスを考慮して、実施されてきたと思われます。今後もハード整備とソフト事業、それぞれの新たな市民ニーズに対し、積極的に対応していくことが現在、県内でのトップランナーを維持し、魅力ある東根市として存在し続けることを可能にすると思います。

　　しかし、計画案にもあるとおり、将来的な人口減少による市税収入の減や、施設の老朽化の進展による維持補修費の増大が予想されているところであります。そのような課題に対応するためには、より一層余裕を持った財源の確保と、計画的な施設改修や更新が必要であると思います。この点につきまして、どのようにお考えか、お伺いいたします。

○秋葉征士議長　髙橋総務部長。

○髙橋　昇総務部長　お答えいたします。

　　議員ご指摘のとおり、人口減少による市税収入の減が予想される中におきまして、施設の適正な維持管理や新たな行政ニーズに対応していくためには、より一層健全な財政運営が求められているところであります。現在策定中の総合管理計画におきまして、市が保有する資産の総量を把握しまして、将来の更新経費や大規模改修費用の推計を行っているところであります。更新経費や改修費用に多額の経費を要することから、施設の維持管理や更新を計画的に実施できるよう、今のうちから新たな基金の設置、運用などを通しまして、将来の財政需要に備えていく必要があると考えているところであります。

　　また、施設の劣化状況や修繕の優先度に応じた前倒しや、先送りなどを図りながら、財政負担の平準化に努めていく計画でもあります。

　　さらに、新たな目的を持った施設の建物のニーズに対しましては、既存施設の用途変更や複合化など、今ある施設を賢く使っていくこととしまして、取捨選択を行いながら対応していく考えであります。

　　よろしくお願いいたします。

○秋葉征士議長　８番細矢俊博議員。

○８番（細矢俊博議員）　ただ今、答弁内容の余裕を持った財政運営のために、今後、基金の設置や財政の平準化を検討していくことについて、理解をいたしました。

　　ただ今、市内の施設全体を通して、改修や更新の優先順位を定めていくと答弁にありました。そのためには、実際に各施設の劣化状況を専門的な知見に基づき、適正に診断、評価し、修繕や更新の手法の精査とその対応について、計画的、一体的に実施していくことになると思います。そのためには、専門的な部署の設置や、そこで力を発揮する人材の確保と育成が必要だと思いますが、どのようにお考えでしょうか。お伺いいたします。

○秋葉征士議長　髙橋総務部長。

○髙橋　昇総務部長　お答えいたします。

　　専門部署の設置についてでありますが、今後各施設の更新や大規模改修を計画的に実施していくためには、専門部署を設置することへの意義は大変大きいものと認識しているところであります。

　　一方で、維持管理は各課が行い、更新や大規模改修だけを専門部署が行うということにすれば、どのような連携が必要かなど、課題も多くあるものと捉えているところであります。また、多くの課の人員体制や業務に影響することなどから、課題を整理しまして、組織の見直しについて、今後検討してまいりたいと考えております。

　　よろしくお願いします。

○秋葉征士議長　８番細矢俊博議員。

○８番（細矢俊博議員）　今後の検討をよろしくお願いしたいと思います。

　　公共施設を今後も適正に維持管理し、安全、安心な施設の提供と、良好な行政サービスを提供していくには、専門的な知識を有する建築士の役割が行政内部においても、今後さらに重要度が増していくと思われます。また、建築の技術は日進月歩で進歩しており、様々な行政目的を持った多様な施設を整備し維持していくには、建築士をはじめ、職員のさらなる資質向上が求められるところであると思います。

　　ここで、私自身の経験談ではありますが、設計事務所に勤務していた当時、先輩や上司から経験に基づいた様々な指導をいただいたことはもちろん、同僚などとも助け合い、時には競い合いながら切磋琢磨することで、自分の知識や技術の向上を図ってまいりました。そういった観点からも、一つにまとまった専門部署の設置や、人材の確保と育成について、ぜひ実施に向けて検討していただくよう、強く要望させていただき、この２項目についての質問を終わります。

　　次に、３項目め、地域活性化とスポーツ振興について、質問を続けます。

　　学校開放についてはここ数年、年間4,700件ほどで推移しているとのことであります。スポーツ少年団や一般の団体などが、活発な活動を展開していることは、市民が日常的にスポーツに親しんでいることのあらわれであり、非常によい傾向だと思うところであります。

　　今後、さらなる競技力の向上や、生涯スポーツの推進を図るため、スポーツ活動での利用に供する場所の拡充について、どのようにお考えか、お伺いいたします。

○秋葉征士議長　古谷教育次長。

○古谷利明教育次長　お答え申し上げます。

　　一般の各種スポーツ団体やスポーツ少年団にとって、試合や練習などで活用します場所を十分に確保することが必要と考えております。昨年４月に中央運動公園が開園しまして、団体に対してこれまで以上に、より広く活動の場を提供できるようになったところであります。

　　今後とも、市民体育館などのスポーツ施設や、学校開放によって、小中学校のスポーツ施設を活動の場として提供いたしまして、スポーツの振興を図ってまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。

○秋葉征士議長　８番細矢俊博議員。

○８番（細矢俊博議員）　スポーツ施設が活動の場として提供され、そしてスポーツの振興を図っていかれるとのこと、理解いたしました。そして、中央運動公園の開設によって、より広く活動の場を提供できるようになったとのことでありますが、現在は積雪で利用できない状況かと思います。中央運動公園の多目的運動広場は平日の夜間や休日など、活発に利用されており、特に人工芝の競技場で無心にボールを追いかける子ども達の様子は、「子育てするなら東根市」を象徴するような光景であり、非常に好ましく思うところであります。

　　多目的運動広場は近隣の自治体にはない人工芝の広場であり、市外の団体の利用も多く、人気も高いと聞いております。今後とも、中央運動公園そして学校施設などの利用を促進しながら、スポーツ活動の場の提供に努めていただくようお願いいたします。

　　次に、スポーツ大会の誘致についてでありますが、市内において様々なスポーツの大会が開催され、参加者などが市内に宿泊されるケースもあるということでございますが、やはり大会開催が温泉旅館や飲食店にもたらす効果は大きいと思います。また、スポーツ大会は全国に向けて本市を発信する絶好の機会でもあります。さらには規模の大きい大会に参加される選手の一流のプレーを間近で見ることは、子ども達の競技力向上に特によい刺激をもたらすものと考えるところであります。今度とも様々な支援策を講じながら、各種大会の誘致に努めてくださるようお願いいたします。

　　次に、マイ・スポーツひがしねの活動についてでありますが、スポーツに親しむ市民を増やすために、誰もが楽しむことができる軽スポーツの普及に取り組むことは非常に大切であると考えるところであります。マイ・スポーツひがしねは、各種団体の活動に指導者を派遣しているということでありますが、その実績についてお尋ねいたします。

○秋葉征士議長　古谷教育次長。

○古谷利明教育次長　お答え申し上げます。平成27年度におけるマイ・スポーツひがしねの指導者派遣の実績につきましては、地域公民館主催の講座、また老人クラブの健康づくり事業、子どもクラブ育成協議会の事業、また各学校の学年行事などに合計68回指導者を派遣いたしまして、カローリング、親子体操、輪投げ、卓球バレーなどの普及を図ったところであります。参加者につきましては約3,000名であり、初めての方でも楽しむことができることから、非常に好評であったと聞いているところでありますので、よろしくお願いいたします。

○秋葉征士議長　８番細矢俊博議員。

○８番（細矢俊博議員）　今後とも、積極的な普及を図っていただくようお願いいたします。

　　次に、スポーツを通して本市の将来を担う青少年の育成を図るという観点から、武道への取り組み状況についてお伺いいたします。

　　平成20年４月から、学校教育の中で武道の必修化が行われたところでありますが、これは子ども達に相手を重んじる心を大事にして、礼儀作法を身につけさせるとともに、健全育成を図る意味において非常に意義深いことと考えるところであります。そこで本市の体育の授業における武道の取り組みはどうなっているのかお伺いいたします。

○秋葉征士議長　古谷教育次長。

○古谷利明教育次長　お答え申し上げます。中学校の学習指導要領が改定されまして、平成24年度から武道が必修化されたところであります。始まった当初は柔道を選択した学校が３校、剣道を選択した学校が２校という状況でありました。現在は市内５つの中学校の全てが柔道を選択いたしまして、１年生、２年生の保健体育で年間10時間授業を実施しているところであります。よろしくお願いいたします。

○秋葉征士議長　８番細矢俊博議員。

○８番（細矢俊博議員）　そうしますと、現在は全ての中学校において柔道の授業が行われているとのことでありますが、当初は選択されていた剣道が行われなくなった要因につきましては、どのようにお考えでしょうか。

○秋葉征士議長　古谷教育次長。

○古谷利明教育次長　お答えいたします。要因の一つとして、柔道につきましては柔道着のみで実施できることから、簡便で取り組みやすいと考えられているところかなと思うところであります。一方剣道につきましては、防具や竹刀、剣道着などの準備に費用がかかることや、防具などの保管や洗濯などのメンテナンスにおいても少し手間がかかると考えております。

　　こうしたことから、各中学校において柔道を選択しているのではないかと捉えているところであります。よろしくお願いいたします。

○秋葉征士議長　８番細矢俊博議員。

○８番（細矢俊博議員）　わかりました。今後とも生徒の健康に十分に留意されまして、そして大きなけがなどの発生がない武道の授業での指導をよろしくお願いしたいと思います。

　　次に、市内の中学校には武道場がない学校もあると認識しておりますが、必修化されている武道の授業に支障はないのかお伺いいたします。

○秋葉征士議長　古谷教育次長。

○古谷利明教育次長　それでは施設設備の面ですけれども、柔道を行う場合におきましても畳敷きの武道場にはこだわらず、体育館に移動式の畳を敷いたり既存のマットなどを利用したりいたしまして、柔道を行っている状況であります。これまで武道場がなかった大富中学校については、新たに武道場を整備するため新年度に設計を行いまして、翌30年度に建設を行う計画でありますので、ご理解をお願いいたします。

○秋葉征士議長　８番細矢俊博議員。

○８番（細矢俊博議員）　理解いたしました。大富中学校関係者や地域の方々にとって、大変ありがたいことだと思います。そしてその結果、平成30年度には市内全ての中学校に武道場が整備されるとのことであります。これは武道の授業のみならず、学校開放を通して生涯スポーツを行う場の拡充にもつながっていきます。ぜひよろしくお願いいたします。

　　次に、県内の多くの自治体には市としての武道館があると認識しているところであります。本市においては市民体育館などにおいて、剣道をはじめとする武道が行われている状況だと思われますが、既存のスポーツ施設における利用状況についてお伺いします。また今後、市武道館の整備についてどう考えるのかお伺いいたします。

○秋葉征士議長　古谷教育次長。

○古谷利明教育次長　お答え申し上げます。平成28年度におけるこれまでの市民体育館の武道による利用状況については、剣道が10件、太極拳32件となっております。また中央運動公園の体育館につきましては、剣道が49件、銃剣道３件、空手道２件となっております。また剣道につきましては、このほかに学校開放による小中学校の体育館も利用している状況にあります。

　　今後の武道館の整備についてでありますけれども、本市では、平成26年３月にスポーツに関する施策を総合的に推進するための指針として、平成35年度までの10年間を計画期間とする「東根市スポーツ推進計画」を策定いたしました。この計画では、策定時に調査したアンケート結果を踏まえまして、10年間の施策の方向性、具体的な施策の展開についてまとめているほか、既存施設の改修や更新など、施設設備に関する方針も掲げているところであります。

　　議員ご質問の市の武道館の整備につきましては、体育館などの既存施設の活用や中学校武道場の学校開放での利用状況、さらには財政状況などを見極めながら、東根市スポーツ推進計画の計画期間が終了する際の見直しの中で調査検討してまいりますので、ご理解をお願いいたします。

○秋葉征士議長　８番細矢俊博議員。

○８番（細矢俊博議員）　ただ今、古谷教育次長より市武道館の整備については、「東根市スポーツ推進計画」の見直しの中で検討するとのことですが、生涯スポーツの場を広げるとともに、青少年の健全育成に資するため、市武道館の整備についてぜひ前向きに検討していただくよう要望させていただきます。

　　社会全体で青少年をたくましく育て、青少年がやがてこのまちをつくる好循環を形成するという教育によるまちづくりの理念は、東根創生の大きな柱であります。健全なる精神は健全なる肉体に宿るといいますが、今後、遊びとスポーツを通して、たくましい青少年を育てることが将来にわたって本市の勢いを継続していくことにつながるのではないかと考えるところであります。

　　今後とも、スポーツに取り組む環境の整備、スポーツ大会の誘致、各種スポーツの普及活動を推進するなど、様々な面からスポーツの振興を図っていただくよう要望させていただきまして、以上で、ひがしね創生会の会派代表質問を終わります。ありがとうございます。

○秋葉征士議長　以上でご了承願います。

　　◎河村　豊議員質問

○秋葉征士議長　次に、政清・公明を代表して、５番河村　豊議員。

　　　〔５番　河村　豊議員　登壇〕

○５番（河村　豊議員）　それでは議長の許可をいただきましたので、質問をさせていただきます。

　　今定例会冒頭、新年度を国際交流元年と位置付け、東根市の国際化への取り組みを強い決意で打ち出された、土田市長の施政方針を心強く拝聴いたしました。昨年は市中心部に東桜学館中学校・高等学校が開校、そして、まなびあテラスがオープンし、新たな人の流れやにぎわいが生まれました。東根市がさらに発展を遂げるためのまちの形のベースができ上がったと改めて感じております。その上で、来年度施政方針を踏まえ、政清・公明を代表して、以下８項目について質問をさせていただきます。

　　はじめに、子育て環境の充実についてお伺いいたします。施政方針には子育て環境の充実を市の重要施策に掲げ、質の高い保育環境を提供するため、民間事業者による保育施設の整備を支援するとあります。

　　当市では既に多くの保育所やこども園が民間事業者によって運営されておりますが、民間事業者による保育施設整備は市民にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。新年度から大富保育所にかわって開設予定の施設も民間事業者による整備であり、新年度中に工事を開始し、完成予定の小田島地区、神町地区の施設も含めて、今後の保育施設整備計画、質の高い保育環境の整備について、市長のご所見をお伺いいたします。

　　次に、学童保育の施設整備、保育内容の充実についてお伺いいたします。近年学童保育所を利用する児童が増加し、その施設環境や保育内容を懸念する声が聞かれます。新年度に整備が予定されている東根学童保育所、高崎学童保育所は、利用者の利便性や地域との関係性についてどのような配慮がなされ、計画されているのか。また、その後の整備計画についてもお伺いいたします。

　　これらの子育て支援は、少子化に歯止めをかけ、夫婦が希望する子どもの数、さらには人口が維持できる水準まで出生率を上げるきっかけになる施策であると考えますが、出会い・結婚支援については、さらに様々な具体策が必要であると考えます。

　　そこで我が会派から一つ提案をさせていただきたいと思います。山形空港の活性化には、市長はその先頭に立って推進されております。それらを踏まえて、結婚して東根市に居住しようとする新婚カップルには、山形空港を利用するハネムーン航空チケットを贈呈してはいかがでしょうか。若い方でも意外と山形空港を利用したことがない方や、飛行機に乗ったことがないという方にも時々出会います。そういう方々に気軽に航空機を利用していただくきっかけにもなるのではと考えております。市長のご所見をお伺いいたします。

　　次に、市民の健康福祉の充実についてお伺いいたします。超高齢社会を迎え、団塊の世代が後期高齢期に突入する前に最も重要であるのは、元気高齢者を増やし、健康寿命をいかに延ばすかという取り組みであります。その上から平成26年第３回定例会一般質問において、散歩の途中などに普段着のまま、曲げる、伸ばす、ぶら下がるなど、気軽に適度な運動を楽しみ、介護予防にもつながる健康遊具を各地域の公園へ設置することを提案させていただきました。その後、健康遊具の設置が進み、施政方針では、さらに今後３年間で市内各地に整備し、その有効活用を図るため、体験教室等で高齢者の健康づくりを進めていくということで、引き続き楽しみにしているところであります。

　　それらに合わせて高齢者が要介護状態になっても、住みなれた地域で可能な限り自分らしい生活を継続できるように、住まい、医療、介護、介護予防、生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築についてお伺いいたします。

　　団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に地域包括ケアシステムの構築を目指しているわけでありますが、今後はさらなる認知症高齢者の増加が見込まれるわけであります。認知症高齢者の地域での生活を支えるためにも、地域包括ケアシステムの構築は重要であります。高齢化のスピードは大きな地域差がありますが、保険者である市町村や都道府県が地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じてつくり上げていくことが必要だということであります。

　　地域で強化していくべき互助のあり方とともに、生活支援コーディネーター、いわゆる地域支え合い推進員配置の予定とその役割、当市の地域包括ケアシステムの現状についてお伺いいたします。また、新年度から実施予定の介護予防日常生活支援総合事業については、その内容と取り組み、目指す効果をお伺いいたします。

　　次に第二地域包括支援センター開設についてお伺いいたします。平成26年第３回定例会一般質問において、当市における高齢者人口が当時１万1,500人を超えていることや、寄せられる相談内容の複雑化などを踏まえて、地域包括支援センターの増設や機能強化を提案させていただきました。いよいよ新年度より第二地域包括支援センターが開設される運びとなり、これまで以上に地域に密着し、高齢者に寄り添ったきめ細かい支援がなされるものと考えております。

　　今後の地域包括支援センター、第二地域包括支援センター、そしてサブセンターに課される役割と期待される効果についてお伺いいたします。

　　次に、精神保健福祉の充実についてお伺いいたします。当市では、保健師による窓口や電話での相談受付や臨床心理士による健康相談が行われており、市民への心のサポート体制ができあがっております。しかし、相談に行くことが難しい方などがパソコンやスマートフォンから自身の心の健康状態を気軽にチェックできるこころの体温計導入を、平成25年第１回定例会で提案し、市ホームページからアクセスできるようになりました。

　　そこで当市の心の健康相談の現状と課題、充実について、また、こころの体温計のチェック結果でも心の健康相談ダイヤルとして紹介されている県の精神保健福祉センターとの連携についてお伺いいたします。また、子どもの発達障害などに関する相談や、医療、機能訓練、生活支援等の専門的機能を活用し、総合的な療育サービスを受けることができる上山市の県立こども医療療育センターがありますが、距離的な問題や予約がとりづらい現状などから、その機能の増設要望について、市長のご所見をお伺いいたします。

　　次に、安全・安心な市民生活についてお伺いいたします。東日本大震災から間もなく丸６年となります。東根市内にも依然として避難者が生活を続けておられますが、心の復興、人間の復興をなし遂げるまで、徹して被災者に寄り添う支援を継続していかなければなりません。昨年は熊本地震や鳥取県中部地震、台風など相次ぐ自然災害に見舞われましたが、被災現場では様々な課題が浮き彫りとなりました。熊本地震では耐震改修がおくれていた庁舎や病院などが損壊し、防災拠点として機能しないケースが相次ぎました。北海道や岩手を中心に襲った台風による集中豪雨では、堤防の決壊による河川の氾濫で、災害弱者の避難体制や堤防の強化などが課題となりました。

　　昨年末12月22日早朝、神町地区で４棟が全焼した住宅火災では、被災された方が軽傷で済んだことが不幸中の幸いでありましたが、その日の昼前から翌日夕方まで燃え続けた、新潟県糸魚川市の大規模火災では、その原因に、強風とともに木造建築物の密集が指摘されておりました。他方で防災無線や地域住民による声がけが早期の避難につながったことは、地域防災力の重要性を改めて認識するものでありました。そこで当市の防災・減災対策について、新年度から運用を開始する防災行政無線、また移動系無線についてお伺いいたします。

　　次に、消費生活相談についてお伺いいたします。高額な商品を買ってモニターになれば毎月報酬がもらえると聞いていたのに、一向に支払われないという相談を受けたことがあります。こうした消費者トラブルに関する相談は、一昨年全国で93万件に及んだそうでありますが、弁護士に交渉を依頼するなど具体的な行動に移る人は39％、訴訟を起こす人は0.8％しかいなかったということであります。訴訟には費用や手間がかかる上、必ずしも裁判で勝てるかどうかわからないからで、多くの人が泣き寝入りをしているのが現状であります。

　　こうした人たちを救済する新制度が昨年始まりました、消費者裁判手続特例法に基づくもので、政府の認証を受けた消費者団体が、被害者にかわって企業を訴え、新たに被害金の返還などを要求できるようになりました。事業者に比べて弱い立場にある消費者にとっては心強い制度であり、１人でも多くの被害者の救済に役立っているのではないかと期待しております。この制度は、悪徳商法や商品の欠陥などで多数の被害者が出ていることが条件でありますが、消費者団体が訴訟を起こし、裁判所が企業に賠償義務があるか判断し、義務があると認められた場合、消費者団体がホームページや電子メールなどを通じて、被害者に裁判への参加を呼びかけ、裁判所が被害者個々に賠償額を決めるというものであります。

　　被害者は裁判に係る負担が軽減されるだけでなく、勝訴を前提に裁判に参加できる利点があり、企業側にとっても一括してトラブルを解決できることから、負担軽減につながると評価する声もあります。消費者、事業者双方への周知が進み、制度の認知度が高まれば、訴訟を恐れて悪徳商法などが減少する効果も期待できます。

　　また契約をめぐるトラブルや悪質商法などの被害に遭った消費者に対し、居住する自治体の消費生活センターや消費生活相談窓口などを案内してくれる消費者ホットライン188の周知広報を要望いたします。土日・祝日は国民生活センターにつながるなど、この電話番号は年末年始を除いて原則毎日利用できます。東根市消費生活センター設置をはじめとする悪質商法、消費者トラブルなど、消費生活相談への当市の対応についてお伺いいたします。

　　次に、地域の魅力向上とまちづくりについてお伺いいたします。冒頭申し上げました、市中心部とは違う東部の東郷・高崎地区、西部の長瀞・小田島・大富地区のまちづくりと、さらなる魅力向上策についてお伺いいたします。

　　それぞれの地域には地区を盛り上げ特色づくりに意欲的な人材がおられますが、新しい取り組みや次世代へのバトンタッチ、人材育成が大きな課題となっております。地区公民館事業や交付金制度とともに、具体的な人材支援が継続的な人の流れをつくると考えます。

　　また、市内に300以上ある空き家については、リフォーム費用を助成する住まい応援事業や、店舗などに活用する場合に使える商業活性化事業費補助制度を利用することで、大変大きな資金的バックアップとなります。それらは地域の活性化やにぎわいづくりに直結するものでもあります。しかし、リフォーム工事に県の空き家活用に関する上乗せ補助を受けようとすると、別途費用がかかる中古住宅診断を受けた物件のみに限られてしまうことや、築20年以上の物件購入のために組んだ住宅ローンでは税額控除が受けられないなど、せっかく空き家を活用しようとしても、負担が増えるケースがあります。これらについて市長のご所見をお伺いいたします。

　　次に、交流人口拡大についてお伺いいたします。ＧＩ認証やふるさと納税の活用で東根の認知度を上げ、果樹王国の魅力を大いに発信することで、国内外からの観光客の取り込みがますます増えることを願っております。新幹線がとまり、高速道路のインターチェンジがあり、空港がある。仙台へも国道48号で１時間以内で行き来ができる。国際線が発着し、ＬＣＣが多数利用できる仙台空港も十分活用できる距離にあるという地理的条件にも恵まれ、まだまだ拡大可能な交流人口について、具体的な施策をお伺いいたします。

　　次に、都市基盤の充実についてお伺いいたします。国道48号が安全に安心して利用できるように、当面の対策として事前通行規制区間12キロのトンネル等によるバイパス化整備を仙台市、天童市とともに東北地方整備局に要望活動を行っているとのことでありました。今後、東北中央自動車道が開通することで、国道48号と縦軸横軸の幹線道路が交差する交流拠点としてのまちづくりを行っていくことが前段の交流人口拡大にも大きく寄与すると考えます。

　　東北中央自動車道の仮称東根北インターチェンジ周辺の整備については、地域の利便性を高めるチャンスであると同時に、地域が持つ特性や自然環境、景観を守ることが重要であると考えます。あわせて以前から要望している東根二中生徒の通学路安全対策としても重要な、県道長瀞野田線の早期着手についても市長のご所見をお伺いいたします。

　　次に市道整備、生活道路整備についてお伺いいたします。今年の豪雪は量だけでなく、降り出した時間帯が朝方に集中したこともあり、車の安全な走行や市民生活に多大な影響を与えました。除雪にあたってくださった業者が深夜早朝に出動し、作業を行っていただいていたのは、市民の皆さんも理解し、感謝しているところであります。

　　しかしながら、店舗の駐車場入口を、押してきた雪でふさいでしまっていたり、道路の接続部分に大きな段差ができ、越えられない車があったり、幅出しや排雪が行き届かず、身動きがとれなくなった住宅街、押してきた大きな塊を間口に残され、人や車が出入りできなくなった住宅など、少しの心遣いや工夫で対処できそうな問題があったのも事実であります。まだ冬は終わっておりませんが、今から次への対策は必要だと考えます。これら除雪に対する対策についてのご所見をお伺いいたします。

　　次に、農林業、商工業、観光業の振興についてお伺いいたします。農作物の輸出力強化は生産量日本一を誇る東根さくらんぼを持つ当市として最も重要な課題の一つであります。国内での東根さくらんぼの認知度をさらに高め、日本の隅々にまで行き渡らせるための国内販路のさらなる拡大とあわせ、これらが若手農家の育成や遊休農地解消のきっかけになっていくと考えます。これらについて市長のご所見をお伺いいたします。

　　次に、企業経営支援についてお伺いいたします。大変好評である商業活性化事業等の現状と課題を踏まえながら、さらに充実させていくことで空き店舗の解消、次世代への事業継承、元気な小規模事業者のさらなる活性化につながると考えます。これら事業の拡充についてお伺いいたします。

　　次に、一体的な観光産業の拡充についてお伺いいたします。果樹農家の皆さんにとって大きな課題の一つが、収穫期の人手不足であります。生産量を拡大しようにも、収穫の人手不足が二の足を踏ませてしまいます。そこで果樹のもぎとり体験や、収穫支援ともう一つの東根の財産である温泉が連携することで、全国から収穫期に人を呼び込む手段となり得るのではないかと考えます。この点についても市長のご所見をお伺いしたいと思います。

　　次に、「教育によるひとづくり・まちづくり」についてお伺いいたします。はじめに、教育環境の充実についてであります。

　　ひとり親家庭、生活困窮者への学習支援がボランティアによって始まり、現在は社会福祉協議会の事業として行われ、年々参加者が増加しているとのことであります。参加者の希望に沿って、これまでよりも日数や時間を増やすなどの対応が可能なように、経済的な面も含めて行政のかかわりやバックアップを充実させていく必要があると考えます。この点についてのご所見をお伺いいたします。

　　次に、通学路の安全確保についてお伺いいたします。全国の通学路での痛ましい事故をきっかけに、各関係組織合同の通学路安全点検が行われております。現在では夏・冬の年２回実施されているとのことでありますが、今年のような豪雪の場合は、その時期に特化して緊急の安全点検なども必要だと考えております。

　　また各小中学校の校門付近は、その形状によっては歩行者と車両が接近し、大変危険な場面となります。他県のケースではありますが、子どもの忘れ物を届けた保護者の車が、登校してきた生徒に対して死亡事故を起こしてしまったのも校門付近での事故でありました。新しい学校では、生徒たちが登校する入口と先生や保護者、業者の車が出入りする駐車場の入口は完全に分けてしまうのがトレンドとなっております。各小中学校とも完全な歩車分離ができる構造に変更していくことを強く要望するものであります。

　　次に、通学区域の緩和についてお伺いいたします。当市の小中学校は、教室が間に合わなくなるほどの中心部の状況と、各学年が複数の学級にならなかったり、部活動の選択肢が限られてしまうような周辺部の学校の状況が混在しております。これらの状況を解消するための一つの手段として、小規模特認校以外でも自分で小規模校への通学が選択できるような通学区域緩和について議論を深めていくことが必要ではないでしょうか。ご所見をお伺いいたします。

　　次に、芸術文化の振興についてお伺いいたします。特に小規模校ではスポーツ系の部活動などで選択肢が制限されてしまうことと同時に、文化系の体験機会も少なくなるのが現状であります。学校での芸術文化体験の充実についてお伺いいたします。

　　次に、小・中・高校生の活動支援についてお伺いいたします。これまでも何度か要望してまいりましたが、東北大会や全国大会への出場を勝ちとった生徒たちに対する支援を拡充していただきたいというものであります。個人種目か団体種目か開催地によって保護者に係る負担は異なりますが、毎年東根市の子ども達が、全国大会やジュニアオリンピック、インターハイなどに出場しております。スポーツ活動や文化活動に取り組む小・中・高校生の様々な活動を東根市を挙げて応援していくということについて、ご所見をお伺いいたします。

　　最後に協働のまちづくりについてお伺いいたします。全国的に自治体の財政が厳しくなり、職員の削減が叫ばれる中、これまでの、住民と行政との協働によるまちづくりは、あらゆる場面で訴えられてまいりました。市民一人一人の知恵の工夫を結集し、市民参加型のまちづくりの構築が求められております。

　　私は市民力・地域力の向上について、まちづくりは地域づくり、地域づくりは人づくり、人づくりは心づくりから始まると考えます。改めて市民に、協働に対する学習と研修の場を設けることが必要ではないでしょうか。ご所見をお伺いいたします。

　　以上８項目について質問とご提案を申し上げ、登壇での発言を終わります。

○秋葉征士議長　５番河村　豊議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　政清・公明、河村　豊議員のご質問にお答えいたします。

　　はじめに、子育て環境の充実についてであります。質の高い保育環境の提供についてでありますが、本市におきましては、東根市子ども・子育て支援事業計画及び児童福祉施設等の整備計画を策定し、保育環境の向上に努めているところであります。これらの計画に基づき、老朽化した公設保育所の更新や保育需要の増加に対しては、民間事業者による施設の創設を促し支援するなどして、良好な保育環境整備を鋭意進めているところであります。

　　民間事業者による整備のメリットについてでありますが、現在本市に10カ所ある保育所とこども園の認可施設のうち、７カ所が既に民間事業者により運営されており、創意工夫を凝らした保育などが利用保護者からの評価も高く、入所申込みについては毎年高い人気を保っております。ほかにも民間事業者による整備に対しては、市が整備する場合と異なり、建設費に国の補助を受けられることや、開所後の運営費についても継続して国及び県からの給付が確実に行われるなどの財政的なメリットがあります。さらには子ども・子育て新制度では、これまでとは比較にならないほど多様な保育形態が制度化されており、これらを的確に実施していくためには、民間事業者による保育は必要不可欠と考えているところであります。

　　今後につきましては、平成30年４月開所に向けて、小田島地区と神町地区にこども園の建設、東根地区には小規模保育事業所の開設を予定しているところであります。これら以降の具体的な計画については、保育需要の変動等を見極めながら、公設または民設による施設整備について課題もありますが、今後総合的に判断してまいります。

　　次に、学童保育の施設整備、保育内容についてであります。学童保育所利用児童数の推移でありますが、本年度は809人の児童が利用しており、全ての小学校区に学童保育所が設置された平成25年度と比較すると、人数にして191人、30.9％の増加となっており、利用児童の割合が大幅に伸びている状況にあります。

　　来年度に整備する施設の特徴といたしましては、東根学童保育所については、障がい児の小規模通園事業も行うため遊戯室を整備することや、送迎時の駐車スペース不足の解消、景観へ配慮した施設としていく予定であります。高崎学童保育所については、高崎児童センターの空き保育室を活用するため、トイレなど施設全体を大規模に改修するものであり、児童センターと共有とする遊戯室の活用など、保育環境の充実が図られるとともに、学校及び放課後子ども教室、児童センターや地域などが一層連携した学童保育がなされるものと考えております。

　　今後につきましては、平成30年度に小田島学童保育所、平成32年度の神町小学校移転に合わせて神町学童保育所の整備を計画しておりますので、ご理解をお願いいたします。

　　なお、ご提案の人口拡大と空港活性化に向けた施策としてのハネムーンチケットについては、一つのアイデアであり有意なお考えとして検討させていただきます。

　　次に、市民の健康、福祉の充実についてであります。地域包括ケアシステムについてでありますが、本市では地域ケアシステムの構築に向けて包括的支援事業として地域ケア会議の設置や認知症地域支援事業を実施してまいりました。平成29年度からは医療・介護連携推進事業、認知症初期集中支援チームの設置、生活支援体制整備事業を実施し、さらなる包括的な支援、サービス体制の充実を目指してまいります。

　　地域包括ケアシステムを支える要素として、議員ご指摘のとおり「互助」の役割がますます大きくなることから、その強化を図るため、来年度から社会福祉協議会に生活支援コーディネーターを１名配置し、生活支援の担い手となるボランティアや住民組織の育成を進めてまいりたいと考えております。また地域包括ケアシステム構築のためのもう一つの大きな柱として、来年度から介護予防・日常生活支援総合事業を実施してまいります。現在介護予防給付とされている訪問介護サービスと通所介護サービスがこの事業に移行され、２次予防事業として実施している運動機能向上のための事業や、新たに現行の基準を緩和したミニデイサービス事業などとともに実施していく予定であります。

　　一般介護予防事業については、現在１次予防事業として実施している介護予防事業のほかに、健康遊具を活用した理学療法士の指導による運動教室などを実施していく予定であります。なお、総合事業においては要支援認定とならない生活機能低下者においてもケアプランを作成することとなり、これまで利用できなかった訪問介護や通所介護のサービスを受けることができるようになります。また要支援認定者も従来のサービスのほかに、ミニデイサービスや介護予防事業も利用できる仕組みとなり、身体状況に合った多様なサービスを受けられるようになるものであります。

　　次に、第二地域包括支援センター開設についてであります。平成27年の介護保険法改正により、支援センターの機能強化が義務付けされたところであり、国の基準では人口２万人から３万人に１カ所の支援センター設置が目安とされており、本市の場合人口約４万8,000人、高齢者人口約１万2,500人であり、高齢者人口や認知症高齢者の増加が予想されることを踏まえ、機能強化を図るため、第６期計画において２カ所目の設置を計画したものであります。委託する法人を選定するにあたり公募を行い、審査の結果、社会福祉法人東根福祉会を委託先に決定したところであります。なお、現在の社会福祉協議会による支援センターは、東根地区と神町地区を担当し、第２支援センターは第二白水荘内に設置し、大富・小田島・長瀞の３地区を担当するほか、東郷地区にある白水荘内にサブセンターを配置して、東郷・高崎の２地区も担当していただくこととしております。来年度からは、より地域に密着した支援体制により、さらに高齢者福祉の向上につながるものと考えております。

　　次に、精神保健福祉の充実であります。現在心の健康相談は、保健師による窓口や電話での相談対応や、臨床心理士による健康相談のほか、気軽にインターネットで心理状態をチェックできる「こころの体温計」の開設、心の健康をサポートする市民講座などを開催しております。自殺予防など心の健康相談については、相談者の事情が複雑でデリケートな内容が多く、長期化するケースもあることから、相談を受ける保健師のスキルアップを図るとともに、県の精神保健福祉センターなど関係機関と連携しながら対策の充実に努めてまいります。

　　また、未就学児においては、保健師や母子保健コーディネーター、臨床心理士による育児相談を実施しており、必要に応じて児童相談所やこども医療療育センターなどの関係機関と連携して発達支援を行っているところであり、引き続き充実に努めてまいります。

　　また、ご質問の山形県こども医療療育センターの増設については、平成25年の県市長会において県に対して要望しておりますが、専門医師の不足などの事情もあり実現に至っておりませんので、引き続き機を捉えて要望してまいりたいと考えております。

　　次に、安全・安心な市民生活についてであります。防災行政無線につきましては、災害発生時において即時に市内一円を網羅する情報伝達手段として、平成29年４月から運用を開始いたします。主に災害発生時における避難勧告の発令や、国民保護に関する緊急情報をはじめ、市民にとって重要かつ有益な行政情報を限定し、放送を行うものであります。放送した内容は、同時に市のホームページやフェイスブック、登録制メールやエリアメールでも配信するほか、放送内容を電話で確認することも可能となっております。

　　また、移動系無線は小型のトランシーバーで、災害現場において機動力のある情報通信を行うことが可能となり、平成29年度中の整備を予定しているところであります。今後防災行政無線と移動系無線それぞれの整備を行うことにより、災害発生時にも市民への迅速で的確な情報提供が可能となり、その後の避難所運営においても情報の共有化が図られるなど、本市の防災減災体制がより向上するものと考えているところであります。

　　次に、消費生活相談についてであります。本市ではこれまでの消費生活相談窓口をより充実させるため、平成23年12月より消費生活相談員が常駐する「東根市消費生活センター」を設置し、市民の消費生活全般の問題や苦情、問い合わせを受け付け、問題解決の支援を行っております。また、より高度で専門的な知識を必要とする相談については、無料弁護士相談会を開催し、対応しております。そのほか、消費者トラブルの未然防止を図るため、高齢者を対象にした出前講座や一般市民向けの消費生活講座などを開催しております。

　　相談窓口では年間約150件の相談が寄せられており、多種多様な消費者トラブルに対応するため、全国消費生活センター情報ネットワークを活用しているほか、研修会に積極的に参加し、相談員の資質向上にも努めておりますので、ご理解をお願いいたします。

　　次に、地域の魅力向上とまちづくりについてであります。はじめに、東部、西部地区の魅力向上についてでありますが、本市を大きく三つの地区に分けますと、中部地区である東根・神町地区は商業施設や企業などが集積し、中心市街地が形成され、都市的土地利用がなされております。東部地区、西部地区につきましては、山林や農地などの自然的土地利用や農業的土地利用がなされております。

　　それぞれの地域には伝統芸能や歴史的なまち並み、豊かな自然等があり、それらを生かしながら本市の特色ある地域づくり、まちづくりが発展してきたところであります。これら地域の伝統は、これまで多くの地元の地域づくり団体によって育て、磨き上げられたものであり、さらに継続、発展させるためには、地域への愛着と誇りを育み、地域づくりに意欲的な人材の確保・育成が重要であると考えております。これには地域おこし協力隊など外部から人材を呼び込むことも効果的であり、また若い世代等を取り込むなど、新しい人材の掘り起こしが必要であります。

　　このようなことを踏まえ、公民館事業や地域づくり活動推進事業の交付金制度、ともに築く未来創造事業の補助制度などを活用しながら、地域の魅力向上とそれを担う人材発掘・育成を促してまいります。

　　また、議員ご質問の空き家の有効活用についてでありますが、本市におきましては、不動産事業者を通じて新たな所有者がリノベーションを実施し、宿泊施設や軽食堂として利用する取り組みも生まれてきております。空き家等は有効に活用できれば、地域の再生や魅力につながるものであります。需要と供給をマッチングさせる空き家バンク制度、定住促進事業、住まい応援事業、商業活性化事業などの補助制度を活用し、関係団体と連携しながら空き家の有効活用を促してまいります。

　　次に、交流人口の拡大についてであります。これまで育ててきた地域資源や観光資源をさらに発展させ、これらを外部に発信することで来訪者を招き、観光や広く市民が憩う場に供されたりすることで、交流人口の拡大が期待できるものと捉えております。特に観光果樹園等は、本市で最も来訪者が多い施設であり、「東根さくらんぼ」の地理的表示保護制度、いわゆるＧＩ認証を受けることによって、インバウンドも含めさらに大きな観光振興が図られるものと期待しているところであります。

　　また、交通機能や情報発信機能等インフラを整備することも、交流人口を増やす手立てとなるものであります。山形空港の就航路線やその便数が増えることは、交流人口拡大の大きな後押しとなっていることから、果物のもぎとりやスキーパックなど飛行機を利用した旅行商品を企画し、新たな観光及び交流の発展を推進してまいります。

　　本県への外国人来訪者につきましては、首都圏よりも宮城県からの来訪が多いことから、仙台圏との交流促進が観光振興の重要なカギであり、海外や都市圏との交流拡大は、新たな価値の発見やビジネスの創造につながる可能性があるものと考えております。今後は仙台市との交流も視野に、地域間交流事業を進めているところであります。

　　来年度は道の駅の基本構想の策定に着手してまいります。道の駅を、本市と仙台市を結ぶ広域幹線ルート上に開設し、観光情報などの情報発信を行うとともに、農協の産直施設が持つ誘客力を生かすことで大きな交流拠点が生まれ、一層のにぎわいの創出と地域活性化を期待するものであります。

　　このようなことから、交流拡大を図る要素は多岐にわたっており、これらをつなげ、展開していきながら、関係機関との連携のもと、交流拡大を進めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。

　　次に、都市基盤の充実についてであります。縦軸横軸幹線道路の交流拠点づくりについてでありますが、施政方針でも申し上げましたとおり、東北中央自動車道について、2020年の東京オリンピック・パラリンピック前の供用開始を強く要望してまいりたいと考えており、現在、仮称東根北インターチェンジ等の整備が進められているところであります。このインターチェンジにつきましては、東根インターチェンジとは異なる形状の、ダイヤモンド型インターチェンジとなる予定であり、主要地方道寒河江村山線に接続となる計画となっております。

　　議員ご質問の仮称東根北インターチェンジ周辺の整備につきましては、基盤整備として、県道東根長島線の国道13号から主要地方道寒河江村山線の丁字路までの区間約1,920メートルの整備が完了しており、また、主要地方道寒河江村山線におきましては、仮称東根北インターチェンジから、松沢橋を含めた新設の県道東根長島線までの区間約1,250メートルが整備中であります。また、県道長瀞野田線の早期着手につきましては、県に対して強く要望してまいりたいと考えております。

　　都市計画のマスタープランでは、東根インターチェンジ及び仮称東根北インターチェンジ周辺では、交通の利便性を生かした物流拠点の形成を誘導し、周辺集落部の環境を守りつつ、周辺環境と一体となった環境整備を図ることとしており、工業系への土地利用転換検討地区と位置付けております。東根インターチェンジ周辺においては物流系の企業がいくつか進出しており、周辺集落部や周辺環境と一体となった環境整備が進められていると捉えております。また、仮称東根北インターチェンジ周辺につきましては田園が広がっていることから、原風景を守りながら、自然や周辺集落部と調和のとれた物流拠点等への誘導、土地利用転換の検討が必要なものと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。

　　次に、間口に寄せられる雪の軽減についてであります。

今年の豪雪は交通の確保や日々の除排雪作業など、市民生活に大きな影響を及ぼしたものと思います。このような事態にも耐え得る、安全で安心なまちづくりが望まれており、雪に強いまちづくりを積極的に進めていかなければならないと実感しております。

　　本市の道路除雪は市民生活の安定を図るため、道路交通の確保を最優先に進めておりますが、同時に除雪について市民より多様な要望が寄せられていることは承知しております。この対策の一つとして、市民の方々から協力をいただき、道路脇の空き地や畑をお借りして「雪押し場」を確保することで、間口に寄せられる雪の軽減を図ってきたところであります。平成23年度の「雪押し場」は約580カ所程度でありましたが、今年度は約680カ所の協力が得られ、まさに「協働のまちづくり」が実践されているところと捉えているところであります。

　高齢化が急激に進む中で、間口に寄せられる雪の軽減は避けて通れない課題と考えており、今後も様々な方面から地域と一体となり取り組んでまいりますので、ご理解をお願いいたします。

　　次に、輸出力強化と販路拡大の課題についてであります。世界的な日本食ブームとアジア諸国の経済発展を背景に、農産物の需要は高まっているところであります。しかし異なる代金決済方法や長時間輸送による荷傷み、検疫の対応に加え、言語や文化の違いによる課題も重なり、輸出量は少量にとどまっているところであります。今後につきましては、東根市農産物海外販路拡大推進協議会のプロモーションを通じ、事業者間の連携や情報の共有化を図り、取り組みを進めてまいります。

　　国内販路拡大につきましては、これまで私自らが先頭に立ち、生産量日本一のさくらんぼをはじめ、東根産果物を全国にアピールするため、主要市場でのトップセールスや高級百貨店等でのプロモーションを実施しているところであります。今後につきましては、首都圏を中心とした新聞や情報誌への広告をはじめ、インターネットの活用など様々な活動を展開してまいります。

　　また、ふるさと納税の返礼品については、本市の農産物を引き続き積極的に活用するとともに、今春登録が見込まれる地理的表示「東根さくらんぼ」についても、国内販路拡大の後押しとなるものと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。また国内販路拡大により、新規就農者の増加や遊休農地の解消につながる可能性も考えられるため、栽培技術の研鑽や、生産流通対策などの調査研究を実践している東根市果樹研究連合会など、関係団体を引き続き支援してまいります。

　　次に、起業・経営支援についてであります。商業活性化事業等の課題は、事業者のニーズを的確に把握することだと考えており、商工会などの関係団体と常に連携し、需要に応える施策を展開しているところであります。平成28年度までは市内商業者が共同で行うイベントや、店舗の新設及び改装に係る経費の一部を助成していたところでありますが、来年度は安全・安心な店舗整備に係る補助を拡充し、活性化策に取り組む予定であります。さらに商業だけではなく工業をも対象にした小規模事業者応援補助金を創設し、中小工業全体の活性化を支援してまいりますので、ご理解をお願いいたします。

　　次に、一体的な観光産業の拡充についてであります。本市におきましては、果樹王国ひがしねを観光誘客の柱として様々な事業を展開しておりますが、さくらんぼ生産現場における人手不足の課題を踏まえ、収穫支援策として一般社団法人全国農協観光協会と連携し、さくらんぼ東根温泉に宿泊しながら農産業の手伝いをしていただく「猫の手援農隊」を実施しているところであります。

また果樹のもぎとり体験と温泉の連携、活用につきましては、来年度より、さくらんぼ東根温泉における朝摘みさくらんぼ体験を試験的に実施する予定であります。これは温泉近隣の園地を借り上げし、さくらんぼ狩りを早朝に体験できることにより、新たな観光ニーズの取り込み、一層の観光誘客を図るものであります。本事業は今後のモデルケースとして成果を見極めてまいりたいと考えております。今後とも、国や県、関係機関と連携し、市内経済活性化事業に取り組んでまいりますので、ご理解をお願いいたします。

　　次に、「教育によるひとづくり・まちづくり」についてであります。

　　教育環境の充実についてでありますが、ひとり親家庭、生活困窮者への学習支援についてでありますが、本市では平成25年度より東根市社会福祉協議会において、ひとり親家庭の小学５・６年生及び中学生を対象に、「ひまわり学習支援会」を開催しております。今後の夏休み・冬休み期間中などの数日間、元学習塾の先生や高校生などがボランティアとして講師をつとめ、無料で午後７時から１時間半程度、教科書の復習や宿題指導などを中心とした勉強会を行っております。今年度については、平日の夜間についても数回勉強会を実施しております。なお、これまで４年間で50日間開催し、延べ550名の小中学生の参加を得ております。今後とも経済的に困難な家庭の児童、生徒に対する学習支援に取り組んでまいりますので、ご理解をお願いいたします。

○秋葉征士議長　会議の途中ですが、ここで午後１時まで休憩をします。

　　　午後　０時０９分　休　憩

　　　午後　１時００分　開　議

○秋葉征士議長　休憩前に引き続き会議を開きます。

　　次に、教育長に答弁を求めます。石山教育長。

　　　〔石山秦博教育長　登壇〕

○石山泰博教育長　私からは「教育によるひとづくり・まちづくり」について、及び協働のまちづくりについてのご質問にお答えいたします。

　　はじめに、教育環境の充実についてであります。通学路の安全対策・安全確保につきましては、学校、教育委員会、市・県・国など、道路管理者、警察署、交通安全協会で組織する、東根市通学路安全対策推進協議会を設置し、夏期と冬期の年２回合同点検を実施しているところであります。点検の結果、把握した危険箇所については、グリーンベルトや外側線、停止線、ドットラインなどの設置、パトロールの強化、見守り隊等への協力要請などの安全対策を講じているところであります。特に冬期につきましては、積雪による見通し不良や歩道の確保などについて重点的に点検を行い、除雪要請など安全確保について努めております。

　　次に、学校の校門付近の歩道、車道の分離についてでありますが、現在明確に歩道と車道が分離されているのは東根中部小学校と大森小学校の二つであります。市内各校におきましては、登下校時に校門前で教職員が立哨するなどして、児童・生徒の安全確保に努めているところでありますが、今後も児童・生徒の登下校時の動線などを確認し、歩行箇所を着色してグリーンベルトを設けるなど、各校の実情に応じた歩車分離について研究してまいりますので、ご理解をお願いいたします。

　　次に、通学区域の緩和についてであります。通学区域制度は適正な学校規模と教育内容を保障するという趣旨に基づき行われてきた制度であり、その区域の設定については、教育委員会が東根市立小中学校通学区域審議会の答申を受け、決定しているものであります。本市におきましては、高崎地区の地域づくりの観点から、地域で組織する、高崎地区活性化協議会と連携を図り、高崎小学校に小規模特認校制度を導入し、平成27年度より学区外からの児童の通学を受け入れております。このことにより、高崎小学校では現在13人の児童が学区外から通学しており、来年度も新１年生８人がこの制度を活用して、学区外から入学する予定であります。

　　通学区域の変更や緩和に関しましては保護者の関心も高く、学区の地域住民はもちろん、隣接する学区の地域住民の理解と協力が必要となるため、今後とも児童・生徒数の推移や通学距離などを踏まえるとともに、学校と地域の結びつきや地域の実情、保護者の意向に十分配慮して通学区域制度の運用に努めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。

　　次に、芸術文化の振興についてであります。各学校での芸術文化体験の充実につきましては、小中学校感性教育推進事業として、山形交響楽団による音楽鑑賞や文化庁の文化芸術による子どもの育成事業を活用し、音楽、演劇、舞踊、伝統芸能など幅広い分野において本物の芸術に触れる機会を創出しております。

　　また、昨年11月にオープンしたまなびあテラスは、まさに児童・生徒の芸術文化振興に資する施設であると捉えております。本市といたしましても児童・生徒がまなびあテラスへ移動する際のスクールバスの経費を予算化し、特別展示室、市民ギャラリーはもとより、講座室やアトリエなどの機能を十分活用してもらい、より一層の芸術文化体験の充実に努めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。

　　次に、小・中・高校生の活動支援についてであります。本市では、中学校の部活動で優秀な成績を収め、県大会以上の大会に出場する際には、交付基準に基づき、交通費や宿泊料に相当する費用の一部を助成しております。来年度からは補助の割合や補助の対象など交付基準を拡充する予定であります。

また同様に小・中・高校生をはじめとする市民のスポーツ・文化活動に関し、東北大会以上の大会に出場する個人または団体に対して交付している激励金についても、交付対象の範囲や交付金額などについて見直しを行い、来年度から拡充することとしたところであります。

　　生涯にわたり健康で豊かな生活を営むためには、子どものころからスポーツや芸術文化などに親しむことが大切であり、子ども達の健やかな成長と豊かな人間形成に大きく寄与するものと考えております。今後ともスポーツ活動や文化活動の一層の推進に向けて、小・中・高校生の様々な活動を支援してまいりますので、ご理解をお願いいたします。

　　次に、協働のまちづくりについてであります。定住人口が増加し、都市化が進む本市におきましては、市民と行政の協働のまちづくりの土台となる地域コミュニティの形成と地域力の向上が今後一層重要になるものと捉えております。本市では地域力の向上に資するため、身近な集いの場として利用される、各地域の集会施設の新設または改修に補助金を交付しているところであります。

　　集会施設補助につきましては、昨年４月から福祉的加算や地域交流加算を拡充したところであり、これは地域住民の連帯感を醸成するため、幅広い年代の住民の利用に配慮し、洋式トイレなどの施設や多くの方が交流する大広間の整備などを促進し、地域交流の拠点づくりを支援するものであります。

　　また、本市ではそれぞれの特色を生かした地域づくりの推進を図る地域の取り組みに対し、地域づくり活動推進交付金を交付しているところであり、この交付金を活用して高崎地区の「炭焼き体験」や大富地区の「湧水どんこ水マップ」の作成など、地域資源を生かした活動や、異世代間交流事業など、様々事業が各地域で展開されているところであります。

　　それぞれの地域の発展を支える地域づくりの主役は、言うまでもなく地域に暮らす住民であります。将来にわたり活発な地域づくり活動を推進するためには、その活動を支援する地域公民館の機能強化と、地域づくりのリーダーとなる人材の育成が重要であります。

本市といたしましては、今後とも各地域の個性を生かした地域づくり活動を支援するため、研修や情報交換などを通して、地域公民館職員のさらなる資質向上を図ってまいります。

また、社会教育推進員や事業実施を主体的に担う実行委員会の委員等、地域住民に様々な事業に参画していただく中で、地域づくりのノウハウを継承につなげるなど、リーダー育成にも努めてまいります。今後ともこうした様々な取り組みを通して地域活動を支援するとともに、コミュニティの活性化を促し、地域力の向上に努めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。

○秋葉征士議長　５番河村　豊議員。

○５番（河村　豊議員）　多岐にわたる質問にご丁寧にご答弁いただきまして、大変ありがとうございます。

　　以上をもちまして、会派政清・公明を代表しての質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。

○秋葉征士議長　以上でご了承願います。

　　◎片桐勝寿議員質問

○秋葉征士議長　次に、東輝会を代表して、１番片桐勝寿議員。

　　　〔１番　片桐勝寿議員　登壇〕

○１番（片桐勝寿議員）　東輝会１番片桐勝寿です。東輝会を代表し、通告に従い質問いたします。

　　平成28年度グラウンドゴルフ場、パークゴルフ場、中央運動公園、そして市民待望の複合文化施設であるまなびあテラスと多くの施設がオープンいたしました。今まで東根になかった美術館や本格的な図書館、全天候型のサッカー場のオープンに多くの市民が喜んでいます。その反面、矢継ぎ早な建設に市の財政を心配する声もあります。そこで本市のこれまでの財政状況の推移と、今後の財政運営について質問いたします。

　　まず最初に本市の収支の状況についてであります。平成13年度の決算から平成27年度の決算までの実質単年度収支の推移を見ると、平成21年度をピークとして急激に終始の黒字額が減少し、平成25年度には5,100万円の赤字、平成26年度は１億6,300万円の黒字になっておりますが、平成27年度にはまた１億2,200万円の赤字になっています。家計のやりくりとは違うかもしれませんが、一般家庭の場合収入の範囲内でやりくりするのが普通であります。３カ年のうち２カ年が赤字というのは心配になってしまいます。平成28年度の収支見込みを含めて、今後の収支状況の見通しをお聞きいたします。

　　続きまして、将来の財政負担の状況について質問いたします。将来の財政負担の状況を示す指標の中で、実質公債費比率、将来負担比率が一般的であります。本市のこの両数値を見る限りは、将来的な財政負担への不安は感じません。地方債の現在高は年々減ってきており、普通会計ベースの数字ですが、平成27年度末で185億6,775万円であります。これに反しましてＰＦＩの事業に取り組み、指定管理者へ移行を進めているという本市においては、債務負担行為の支出予定額の総額が平成27年度末で99億5,543万円と増えてきております。地方債と債務負担行為の総額を合わせまして、合計285億2,318万円が平成28年度末時点での今後本市が負担する将来の財政負担の総額であると考えます。平成28年度地方債現在高や、債務負担行為の支出予定額はどう推移する見込みなのかをお聞きいたします。

　　最後の財政に関する資料の公開についてお尋ねいたします。現在総務省のホームページで、各自治体の決算カード、財政状況資料集などの資料は閲覧できるようになっています。市の財政に関しては、最終的な責任を負うのは市民であると。そういったことを考えると、市の財政に関する資料をできるだけ公開していくことが必要と考えます。現在、本市において市民へどのような形で財政状況の周知を図っているかについてお聞きいたします。

　　以上をもって壇上での質問とさせていただきます。

○秋葉征士議長　１番片桐勝寿議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　東輝会、片桐勝寿議員のこれまでの財政の状況の推移と今後の財政運営についてのご質問にお答えいたします。

　　はじめに、実質単年度収支について年々黒字額が減少しているとのご指摘ですが、この指標のみで財政状況を判断すべきではございません。私はむしろ実質単年度収支のこの状況は、これまで長期的展望に立ち、財政運営を行ってきたことのあらわれであると捉えております。

　　といいますのは、平成23年度に中期財政計画を策定し、財政の展望や事業実施による影響について議会で示させていただいたわけであります。その中において、平成28年度前後と想定していたまなびあテラス、中央運動公園、グラウンドゴルフ場をはじめとした各種大型事業を確実に実施し、安定的な財政運営を確保するため、財政調整基金や各種特定目的基金を積み立てし、これまで計画的対応を図ってきたところであります。いよいよ各種事業に着手するにあたり、これらを財源として活用したことで、実質単年度収支の黒字は一時的に減少したわけでありますが、まさに計画的な積立て、取崩しを実施したことによる結果であり、何ら問題になるものとは考えておりません。この間、起債残高は堅調に推移しており、ピークであった平成16年度の264億125万円から、平成27年度決算では185億6,775万円と大幅に減少するとともに、実質公債費比率も10.5％と健全な状況を保っております。

　　また財政調整基金や、特定目的基金の積み立てを取り崩して計画的に進めており、大型事業の実施において、他の事業に影響を及ぼすことなく、順調かつ円滑に実施してきたところであり、こうした状況も含め、総合的に勘案して評価すべきものであります。

今後とも総合的・長期的見地に立った、持続可能な安定した財政運営に努めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。

　　次に、将来の財政負担の状況についてでありますが、債務負担行為の額が増大しているとのご指摘でありますが、債務負担行為は安定的な施設管理や長期にわたる大型事業を進めるにあたり、翌年度以降の債務を担保するためのものであり、その総額をもって財政の状況を判断し得るものではないと考えております。本市では他に先駆け、職員数の削減や民間委託をはじめとした行財政改革に取り組むとともに、積極的なＰＦＩ事業の活用等を進めてまいったわけであります。また大型事業の実施に向けた計画的な基金の積み立て等も実施してきており、これらの事業の推進に耐え得る体質への改善を図ってきたわけであります。これにより、将来的な債務の状況を示す将来負担比率は、平成27年度決算において13市の平均が77.4％となる中、21.7％と県内13市でトップとなっており、将来の財政を圧迫する状況にはないものと考えております。

今後も将来への過大な負担や財政の悪化が生じることがないよう留意してまいりますので、ご理解をお願いいたします。

　　次に、財政に関する資料の公開についてでありますが、毎年決算については９月議会において報告し認定いただくとともに、その内容について市民への周知を図っているところであります。日ごろ、市の財政に直接携わる機会が少ない市民の方にとって、財政用語や決算の内容はなじみが薄く難しい面もあることから、できるだけわかりやすくイメージしやすいよう心がけながら、市報への「決算概要」の掲載や市ホームページにおいて「東根市の財政のすがた」として掲載を行っておりますので、ご理解をお願いいたします。

○秋葉征士議長　１番片桐勝寿議員。

○１番（片桐勝寿議員）　ご答弁どうもありがとうございました。単年度収支に関しては、その数字だけで財政の状況をはかれるものではないというご説明でした。ちょっと見ていただきたいんですけれども、こちらに単年度収支と実質単年度収支の推移と、こちらの折れ線グラフが実質収支比率の推移をあらわしたものでございます。東根市の平成13年度から27年度までの推移を見ますと、非常に上に行ったり下に行ったりということで、一番金額の多いところでは、平成21年度の実質単年度収支が７億4,000万円。あと直近で27年度の実質単年度収支が１億200万という数字で、非常にジェットコースターのように推移しているという状況になります。

　　なぜこういうふうな推移が生まれたのかということでちょっと分析してみたんですけれども、今、市長がおっしゃったように、収支ベースでいくと何ら心配はないというのが、今の平成27年度現在までの状況だと思います。こちらは実質単年度収支、単年度収支にプラスして形式収支と実質収支のグラフを合わせたものであります。前半の部分、青と赤のグラフの青が形式収支、赤が実質収支ということで、単年度収支が平成20年度以降急激に下降しているのにもかかわらず、形式収支と実質収支のレベルでいきますと、まだグラフのプラスの額がずっと残っているという状況になっております。平成22年度が実質収支で８億2,747万7,000円、翌年が７億2,900万、その次が８億6,700万という形で、ほぼ横ばいというか若干しか減らしていないような推移を示しております。

　　それなのになぜ単年度収支があれだけばらついてくるのかというと、東根市の財政運営において、歳出の中で繰越金を消費しながら運営しているという状況があると思います。例えばこの実質収支比率のグラフを見てみますと、これはほぼ実質収支と重なるような形で推移していくわけですけれども、この実質収支に関しては３％から５％の間での推移が好ましいということで考えられていますが、平成21年度から27年度は、５％をはるかに超えるような形で推移しております。例えばこの収支に余裕のあるときに、特別目的積み立ての方に積み立てしておくことによって、今回例えば平成27年度にまなびあテラスの部分での支出が必要だとなったときに、これを一般会計の方に繰り入れして使うということをすれば、単年度収支に関してはマイナスで推移していかないという状況がつくれるのかなと思います。

　　市長が先ほど来計画的に運営しているということをおっしゃっていましたけれども、繰越金を少しずつ削りながら使っていくというやり方ではなくて、それぞれその年度ごとに収支のプラス、残が出た場合には、どういった目的で使っていくかということをきちんと決めた上で、そういったものに振り分けしていくということが、それぞれ平成21年度あたりの作業で必要だったのかなと考えております。

　　あともう一つなんですけれども、東根市の場合、こちら類似団体比較カードというものがありますけれども、東根市とほぼ財政規模、産業構造が似通った自治体の平均の住民１人あたりの金額で考えたものですけれども、私のところには平成26年度のものしかないんですけれども、平成26年度時点で積立金の現在高が、東根市が１人あたり12万円になっております。類似団体の平均でいきますと、19万3,000円ということで、積立金全体を考えても、若干東根市が少ないのかなと。その後、最近、平成27年度は、ふるさと納税の方の積立金で増えているかとは思いますけれども、この平成26年度末までは、ほぼ他の類似団体の半分近くの数字で推移してるという状況がありますので、さらに計画的に目的を決めた積み立てというのを進めていただければなと考えております。

○秋葉征士議長　土田市長。

○土田正剛市長　私は積立金がどういう意味で少ないとか多いとかというのかちょっとわかりません。要するに、単年度収支、確かにマイナスになったときもあります。あるいは７億数千万となったときもあります。しかし、それは例えば単年度収支だけで全体の状態というものを見るというものは、ちょっと無理があるんじゃないだろうかと。

　　例えばいろんな意味の中で、私が登壇で答弁したように、大型事業が毎年毎年あるわけじゃありません。そういうふうな中において、特定の目的の積立金、基金というものをちゃんとあるわけです。だから家庭のやりくりと違うと言うけど、家庭だって同じなんですよ。ローンだって何だって組むわけですよ。だから実質の自分の収支よりは借金の方が多い場合というのは非常にあるんです。だけどそれを計画的に返していくということの中で、どの家でも家を建てる場合には長期ローンを組んだりなんかするわけです。だからそういう形の中で、「木を見ないで森を見る」という形の中で、私は財政の姿というのを見てほしいなと。

　　例えばこの繰越金が多かったりすると、それに何の意味があるんでしょうか。例えば単年度で繰越金、繰越金と言ってますけども、例えば仕事をしなければ繰越金だって当然多くなりますし、だからそういうことでやっぱり東根市の市税は毎年どのくらいあるんだろうか、それから補助金はどのくらいあるだろうか、いろんなことを勘案して財政というのは政です。財務じゃないんです。だから財政ということを考えながらいろいろとやりくりをしていかなきゃいかんということでありますので、例えば実質公債費比率にいたしましても、あるいは将来負担率にいたしましても、ほかの類似市と比べて決して劣るような数字ではないということはご理解をいただきたいなと思います。

　　ほかの類似市の中で何か積立金が12万でほかのやつが19万だと言いますけど、何かほかの類似市というのを全部明示したらいいんじゃないですか、ここで。何も隠す必要はありませんよ。だからそういうことを含めて、じゃその自治体がどういう仕事をしてるのか、どういう収入があるのか、どういう収支状況になっているのか、そういういろんなことを考えながらやるのが私は財政であって、単なる財務というのは余り意味がないと思っております。

○秋葉征士議長　１番片桐勝寿議員。

○１番（片桐勝寿議員）　全くもって土田市長と私の考えも同じだと思います。単年度だけを見てというのではなくて、家庭でもやはりその年の例えば家庭の主がお父さんであったら、そのお父さんの収入の範囲内で暮らすというのは基本だと思います。そしてその収入から余りがあれば、例えばこれは家を建てるための頭金にしようとかいう形で積み立てていくという形だと思います。そういった意味でいうと、これはただ単に名前がどこの自治体か言えないというのじゃなくて、これは総務省で出してる類似団体比較カードという平均したカードになります。全国の東根市と類似した財政状況、あとは産業構造の自治体を平均したものとお考えください。

　　ただ、これの比較だけで物を言うつもりではなくて、例えば今回単年度収入赤字になったのはどういう理由かというと、例えば財政調整基金の取り崩しというのはプラスの要素で、単年度収支上プラスになっていきます。例えば特定目的積立金の部分に関しては、一旦一般会計の歳入で入りまして歳出で出ていくということになれば、単年度収支には影響しないということになるんですけれども、東根市の場合は繰越金の部分を単年度収支で数字が合わないところを繰越金の部分を使っているために、単年度収支が年々下がってきているという状況になっているということなんです。

　　この辺を財政の運営上、例えばこの年利益が出たというときに、東根市の財政規模で例年の状況を見ていくと、大体５億円前後の繰越金を残しておくと、ほぼ実質収支比率の３％から５％の範囲内に収まってくるという状況なのかなと考えております。そういうことであると、繰越金というのは毎年次の年度の支出にある程度間に合う部分を残して、そこで余ってくる部分に関して目的をきちんとその時点で決めた上で積み立てていくということをある程度はやってきたんだとは思うんですけれども、その部分が単年度収支上ちょっとマイナスという形で出てしまったのかなという気がします。その辺例えば毎年繰越金を同レベルぐらいにすると、そこから今年は収入が多い少ないというのは、数字を見る上で財政状況を判断する上でも比較がしやすいということになると思いますので、是非そういった運用、その年々の収支の中で余った少なかったというときには、それに合わせた運用ということをやっていただければなと思います。

　　続きまして、質問席からの１問目としまして、東根市の会計には一般会計だけではなくて公共下水道事業会計などの特別会計や、北村山公立病院、共立衛生組合などといった別会計がございます。そういったものへの繰出金はどのようになっているかと。あとそれぞれの施設の維持管理、今後の更新などを考えると、一般会計だけではなく、繰出金の状況も注視していくことが必要と考えますので、ご答弁お願いいたします。

○秋葉征士議長　髙橋総務部長。

○髙橋　昇総務部長　お答えいたします。一般会計から特別会計等への繰出金についてでありますけれども、公共下水道特別会計などの特別会計や一般事務組合への繰出金につきましては、平成27年度から平成29年度までの３カ年間を見れば、いずれも同額程度で推移しているところであります。しかし、新年度予算に計上しておりますとおり、介護保険特別会計においては、大富での整備が進む特別養護老人ホームをはじめとする関連施設の充実によりまして給付費の増加が見込まれるため、3,700万円ほどの増額となっております。北村山公立病院につきましては、電子カルテの導入、整備に充てた起債の元金の償還が始まることから、前年度より増額となっております。一部事務組合への繰出金については交付税措置される部分もありますし、一方で電子カルテの導入につきましては、病院を利用する市民への利便性が図られるものであります。また介護保険特別会計につきましても、社会保障の充実、医療と介護の連携を図る観点から必要な財政支援でありまして、市民負担の増加という捉えではなく、市民サービスの向上が図られるものと認識しているところであります。よろしくお願いします。

○秋葉征士議長　１番片桐勝寿議員。

○１番（片桐勝寿議員）　どうもありがとうございます。公立病院におきましても建物の老朽化、あとはクリーンピアに対しても、今後設備の維持管理等に係るお金とかいうものが積み重なっていく可能性があります。今後ともこの繰出金に関しても注意をして見ていっていただければなと思います。

　　続きまして２問目ですけれども、今度は歳入面からの質問であります。平成27年度より大きくなってきている寄附金のほとんどをふるさと納税が占めております。平成27年度決算で約10億円、収入全体の4.8％を占めているということになっております。市長も様々な場で恒久的な財源ではないと言っておりますが、かなりインパクトのある額になってきた現在、慎重な運用が必要と考えますが、市はどのように考えているのでしょうか、お聞きいたします。

○秋葉征士議長　髙橋総務部長。

○髙橋　昇総務部長　お答えいたします。議員ご指摘のとおり、平成27年度の税制改正におきまして、ふるさと納税の制度の拡充があったことが影響しまして、ふるさとづくり寄附金が大幅に増加しているところであります。ふるさと納税は国の最重要課題となっております地方創生の推進とも相まって、地方に元気を与えてくれる規模と中身に成長しつつあります。一方で、どの程度の寄附がこの先いつまで続くのか正確に見極めることは難しく、ふるさとづくり寄附金に影響されない事業実施が重要でありまして、恒久的な財源でないことから、保育所や学童保育所の整備等臨時的な事業を中心に充当しているところであります。

　　また、国においてもふるさと納税制度の拡充・拡大とともに、様々な課題が指摘されておりまして、総務省が改善に乗り出し始めております。こうした動向を踏まえながら、今後もふるさと納税制度により本市へ応援を長く続けてもらえますよう、魅力ある施設や応援に応えられる責任ある事業を実行していく考えであります。よろしくお願いいたします。

○秋葉征士議長　１番片桐勝寿議員。

○１番（片桐勝寿議員）　ふるさと納税に関しては国の動向というのも注視しながら、今後どういった支出をしていくかというのは考えていかなければならないのかなと思います。

　　この間の新聞で、世田谷区では16億円歳入が減ってると。これで全国で４番目ぐらいと。１番目、２番目、３番目がまだいるという状況の中で、ふるさと納税の制度が大きく変わっていくという可能性がありますので、東根市をよくする、先ほど説明にありました経常的でない、拡充するような方向、今までの施策を拡充する設備を充実させていくという方向での有意義な利用をお願いしたいと思います。

　　続きまして、今度は歳出面からの質問をさせていただきます。高齢化や今現在の世相を反映して、扶助費の金額が増えてきております。それを追いかけるように物件費が伸びていると。確かに市長おっしゃられるとおり人件費は年々減ってきていますけれども、臨時職員の賃金や後は指定管理者への委託料を含む物件費がじわじわと額を増やしてきております。平成28年度以降はまなびあテラスをはじめ多くの施設がオープンしていると。今後の物件費のさらなる増加を心配いたします。物件費は準義務的経費と呼ぶ場合もあり、なかなか減らせない経費でもあります。物件費の増大については、市はどのように考えているのでしょうか、お聞きいたします。

○秋葉征士議長　髙橋総務部長。

○髙橋　昇総務部長　お答えいたします。物件費につきましては、平成26年度決算が23億2,000万円、平成27年度決算が26億8,000万円と３億6,000万円、15.5％の増となっております。物件費は年々増加する傾向にありますが、その要因として議員ご指摘のとおり、民間委託の推進による人件費からの移行や、新たな施設の管理に係る費用が増加したことなどが挙げられます。加えまして平成26年度消費増税に伴う影響、また平成27年度以降金額が大幅に増加しましたふるさと納税特産品ＰＲ事業に係る経費による影響と分析しているところであります。物件費の増加による市財政への影響も危惧されることから、実施計画や予算編成の中で十分配慮しまして、将来的な負担の増大を招くことのないよう努めていく考えであります。よろしくお願いします。

○秋葉征士議長　１番片桐勝寿議員。

○１番（片桐勝寿議員）　ありがとうございます。ここちょっと見えづらくて、そちらからだとまずほとんど見えないかと思いますけれども、黄色いグラフが物件費の増加を示しております。赤が扶助費の推移になっています。扶助費、物件費、人件費は本当にかなり急勾配に右肩下がりで下がっておりますけれども、物件費そして扶助費の額が年々支出の中をじわじわと占めるようになってきているというのが実情だと思います。

　　これとあわせましてちょっと心配しますのが、東根市の経常収支比率の推移であります。東根市の歳入の中で占める経常的な支出の割合というのが経常収支比率ということなんですけれども、財政状況の説明ということで、こちらは平成28年度と平成29年度の経常収支比率の見込みということでいただいているんですけれども、28年度が94.4％、29年度が92.8％ということで、経常的な支出が９割２分という数字が出ております。平成27年度決算までは80％台で推移してきたと思うんですけれども、この経常収支比率というのは財政の硬直化というものをあらわす指標だと言われてますけれども、この後ちょっと触れさせていただきますけれども臨時財政対策債の金額約７億円前後あると思うんですけれども、そちらの金額を経常収入としてカウントした上で94.4％、92.8％という数字になるという見込みであります。この辺もほかの支出との状況等よく考え合わせながら、慎重な財政の支出をしていただければなと考えます。

　　続きまして地方債と全く同格には考えられない部分はありますが、先ほど債務負担行為はちょっと違うんじゃないかということを言われたんですけれども、将来に対する負債という側面を多く含んでいるのが債務負担行為だと思います。その総額が増大していることについては、やはり考慮すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○秋葉征士議長　髙橋総務部長。

○髙橋　昇総務部長　お答えいたします。

　　学校給食調理施設や小学校、図書館などの施設は、直営であれ民間委託であれ建設すればその後運営と維持に要する費用が生じることにはかわりありません。これをＰＦＩ方式で整備したことで、債務負担の設定がなされまして、将来支払うべき額が明らかになったものでありまして、将来の財政負担の見える化が図られたものと捉えているところであります。よろしくお願いします。

○秋葉征士議長　１番片桐勝寿議員。

○１番（片桐勝寿議員）　将来負担の見える化が図られたと。我々いただいている資料の中で、年度末の市債残高という普通会計ベースの資料をいただいてるんですけれども、平成27年度の市債残高が185億6,775万4,000円と、28年度の見込みが192億3,441万7,000円、29年度見込みが191億1,768万6,000円と。この中で、ＰＦＩの償還高を含む金額としてご提示いただいています。その数字が先ほどの数字と比較して、27年度決算では10億593万9,000円という金額がこの市債残高にプラスになってるいわゆる債務負担行為の部分の額で、しかもＰＦＩの償還だと。あと平成28年度はこれが減りまして、８億7,370万5,000円、29年度はさらに減って741万4,710円ということでご提示いただきました。

　　市債と同じような建物に関する部分の建設に関するものの負債と考えれば少なくなってきているのかもしれないですけれども、指定管理の維持管理まで含めた部分というものの累積額と考えると、この維持管理部分というのもまさに将来的に建物が存在する限りは、ずっと支払いしていかなければならないものなのかなと考えます。そういった意味で、地方債現在高と債務負担行為の翌年度以降の支出予定額、累積額、そちらを表にしたものがこちらでございます。

　　平成13年、市の市債が263億9,380万円ぐらいあったものが年々減っていまして、平成27年度では185億6,000万円という形で、順調に市債に関しては減ってきていると。この赤のグラフが債務負担行為の額になります。平成13年度は微々たるものだったのが、年々管理する施設が増えている影響で増えてきているということがわかると思います。

　　そしてこの二つの数字を合わせた金額というのが、この下の黄色いグラフになります。そうすると、平成13年当時と単純に合計しただけですと、ほぼ変わらない。むしろ増えている数字になっているというのが現状です。ただ、ここで考えなければならないのは、市長もおっしゃっていますように、積立金を順調に積んできていますと。この部分が将来の負担から差し引かれると、この青いグラフのようになってくるということになります。

　　確かに債務負担行為はただの負担、債務ではないのかもしれませんけれども、この増加というのはきちんと注視しながらコントロールしていかなければならないのかなと思います。今後も施設を増やすときには、その建設に要するものだけではなくて、維持コストに関する部分もきちんと精査した上で、事業を運営していただければなと思います。

　　あと、続きまして、地方債残高のうち臨時財政対策債の現在高というのが、これも平成27年度末で77億6,019万円と増えてきております。平成14年度当時では７億630万円。平成14年から比べて大体11倍になってるという状況であります。この臨時財政対策債が年々増えていることに対して、どのように評価するのかということをお聞きしたいと思います。

○秋葉征士議長　髙橋総務部長。

○髙橋　昇総務部長　お答えいたします。

　　平成12年度までは、地方自治体が安定的に財政運営できるように、国から地方に地方交付税が配分されてきたところであります。平成13年度以降、国の財政の逼迫によりまして、特例措置が設けられまして、一般財源の確保につきまして、地方交付税の不足分を臨時財政対策債により、措置されることとなったところであります。

　　その原資となる国税の収入の伸びが鈍化する中で、地方交付税が圧迫されまして、圧縮されまして、一方で臨時財政対策債が増加する結果となっているものであります。

　　臨時財政対策債の元利償還金相当額は、その金額を後年度に地方交付税の基準財政需要額に算定することとされております。地方自治体の財政運営に支障が生じることのないように、措置されていることから、臨時財政対策債は将来を危惧する負債ではないとこのように捉えているところであります。

　　よろしくお願いします。

○秋葉征士議長　１番片桐勝寿議員。

○１番（片桐勝寿議員）　ありがとうございます。

　　今答弁にありましたように、臨時財政対策債の償還額というのは、翌年度の基準財政需要額の中に上乗せされる形で交付税措置されるとなっておりますけれども、現実問題として、この交付税措置として上乗せされた分というのはどういうふうになるかというと、国の交付税の財源が足りない場合に、また翌年度以降も臨時財政対策債として、地方が赤字の地方債を組まなければならなくなってくるという状況がずっと続いてると。この状況がいつ臨時財政対策債が償還が増えて減っていくのかというと、今現在では積み上げていっている状態なんで、いつ減るかわからないと。どこまで増えるかもわからないという状況だと。

　　あとこれを東根市の会計の中で見ていくと、どういったことが言えるかというと、これは一般財源としての扱いで、経常的な支出の中に入ってきて、東根市の運営の中に必要なものを、当然必要なものに入ってくると。ここの臨時財政対策債の今後のいかんによっては、東根市も含めてどこでもそうなんですけれども、東根市だけの問題ではなくて、財政運営が厳しくなるのかなという状況であります。ぜひこれは東根市だけの問題ではないので、国に対して要望していくとか、そういったことでもっと確実な財源を確保していくような方向の働きかけというのも必要になってくると思いますんで、そういったこともお願いしたいと思います。

　　質問席での最後になりますけれども、現在までの財政運営というのは盤石なものとしてなされていると考えます。今後、少子高齢化の状況、国の財政状況、今後の財政状況の推移等を考えると、ますます財政のかじ取りが難しい時代が今後来るだろうと予想されます。

　　そう遠くない未来に市民の理解や協力を得なければ財政運営ができないと。例えば先ほど来、出てます雪の問題でも家の前の除雪なんていうのも市民にお願いして、不便をおかけしなければならないなんていうことがもしかしたら将来的に来ると。あとほかのことに関しても、市民にそれ相応の負担を強いるなんていう時代がもしかしたら来るのかなと考えます。

　　今のうちから財政の情報だけではなくて、できるだけ多くの行政情報をオープンにして、市民を交えながら、市民とともに全て出した上で考えていくといった準備が必要だと考えます。

　　東京都の多摩市においては、図書館の中で市民が地方財政状況調査表、これは財政に関するかなり細かい資料ではありますけれども、こちらの方を自由に閲覧できたりという状況になっております。

　　本市においても例えば、今度できましたまなびあテラスの中で、財政資料を含め、それだけではなくて、本市の行政に関する様々な資料を積極的に公開していく必要があると考えますが、いかがでしょうか。もし市長何か御意見あればよろしくお願いいたします。

○秋葉征士議長　土田市長。

○土田正剛市長　財政状況を公表するというのは、毎年市報等で公表しております。

　　その際に課題、毎年なるのはやはり市民にできるだけわかりやすくということを心がけながら、事務当局も頭をさいているわけであります。

　　これでいいということはないんだろうと思います。そういうふうな意味では、毎年毎年、研鑽を重ねながらできるだけわかりやすくということで、今後とも心がけていかなきゃいかんなと思っております。

　　同時にまなびあテラスあたりでの公開ということも考えられますけども、しかしこれらの問題等については、今後の課題ではないかなと思っております。

　　最後に、今ずっとやりとりを聞いておって、ぜひ、片桐議員にもご理解をお願いしたいなというものは、行政というのはいわゆるいろんな行財政改革というものを常にやりながら、そしてその余った財源というものは、貯金をするんじゃなくて、多様化するニーズに応えていくというのが第一の本線であると私は理解しております。ですから、そういうふうな意味合いにおいて、先ほどから繰越金とかいろんな問題がありました。

　　特にＰＦＩ事業などは将来において、どうなのかなということが、片桐議員の質問からちょっとかいま見えるわけでありますけれども、しかしもちろんＰＦＩ事業というのはある一定の12年間なり、あるいは20年間なりの債務負担行為において、いろいろと議会にも示しているわけであります。そういう状況も踏まえながら当然、何か建物を建てれば先ほどの総務部長の答弁にもあったとおり、当然維持管理というものはかかってくるわけであります。しかし、それを負担と捉えるべきかあるいは市民サービスと捉えるべきかというのは、それぞれやはり全体の財政運営というものをしっかりとやりくりし、そして市民に提示しながらその範囲の中でやるということは、やはりそれは市民サービスの向上につながってくるわけであります。

　　議員がまさに最初に指摘したとおり、いろんなまなびあテラスから多目的中央運動公園、あるいはグラウンドゴルフ場など、いろんなこの開設ラッシュにあたって、市民は非常に喜んでいるわけであります。しかし、そういうふうなことの中に、しっかりと財政運営も忘れてはならないと私は思っております。そういうふうないろんな過程の中で、その毎年毎年議員の皆様方に、やれ総務省の方から指摘があるように、いろんな実質公債費比率は何パーセントまでが黄信号でありますよと、そしてそれを超えた場合は赤信号ですよとかいろんな問題があります。そういう経常経費などもその年度によって多少上下することは今後もあるわけであります。そういうでこぼこもありながらも、全体的に絶えず市議会を通して、中期的な財政状況というものを絶えず報告をしながら、ご理解、ご協力を得ながらそして我々は日ごろ財政運営をやっていると思っております。

　　そして、本市の最大の他市に先駆けてやったことというのは、やっぱり市役所職員の削減ではなかったかなと、そして私が市長に就任してから、このかた今最大10億の年間の余剰財源が人件費から生まれてきているわけであります。しかし、それはそれとして今後はやっぱり市民サービスのこれ以上の低下につながるということで、今、市役所職員の削減化というのは行ってないわけであります。そういう金のないときには、いろんな知恵を出せという形の中でずっと私はやってきたつもりであります。

　　今後とも、ゆめゆめ赤字財政なんかにならないように、しっかりとした健全財政を貫いていくということを改めてこの議会の皆様方を通して、市民に決意を披瀝させていただきたい。こういうふうに申し上げるものであります。ご理解をお願いいたします。

○秋葉征士議長　１番片桐勝寿議員。

○１番（片桐勝寿議員）　どうもありがとうございました。

　　市長のゆめゆめ赤字財政にはならないというしっかりした決意をお聞きいたしました。先ほど私は負担という言葉で言ってしまいましたが、それはよく働けば市民に対してすばらしいサービスになっていくということで、今後もサービスのよりよい向上というものを目指して頑張っていっていただければなと、我々もそれに対して議会として大いにかかわってまいりたいと思います。

　　以上です。どうもありがとうございました。

○秋葉征士議長　以上で、ご了承願います。

　　◎髙橋　光男議員質問

○秋葉征士議長　次に、鴻志会を代表して、７番髙橋光男議員。

　　　〔７番　髙橋光男登壇〕

○７番（髙橋光男議員）　皆さん、ご苦労さまです。７番髙橋光男であります。鴻志会を代表し、通告に基づき質問をいたします。

　　質問の狙いとするところは、定例会に上程されております当初予算、これの審議それから議決の主とするものであります。総務省が昨年10月発表した国勢調査の確定値で、日本の総人口は１億2,709万4,745人で前回調査より96万2,607人少なく、65歳以上の人口割合は26.6％と過去最高で４人に１人を超えております。

　　年間出生数は、若干の増加があったとのことでありますが、少子高齢化が鮮明となっております。

　　また同じく総務省が１月に公表した住民基本台帳に基づく2016年の人口移動報告によりますと、東京、神奈川、埼玉、千葉の東京圏は転入者が転出者を上回る転入超過が約12万人。転入超過は21年連続となったそうであります。そして、雇用所得環境の改善が続く一方、消費や生産の動向は、地域間でばらつきがあり東京圏とその他の地域との間には、いわゆる稼ぐ力の差もあるとのことであります。

　　この件につきましては、先般我が鴻志会と政清・公明の合同の研修時に内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局の職員の方から、まち・ひと・しごと創生の現状と課題として直接説明を受けた事柄でもあります。

　　このような情勢の中、首相は施政方針で新しい国づくりに挑戦すると述べ、その柱の一つとして地方創生の継続、農政新時代、中小小規模事業者への好循環などからなる力強く成長し続ける国づくりに取り組んでいくと述べております。

　　県においては、雇用情勢の改善はあるものの十分浸透していない景気回復効果、人口減少への危機感拡大、経済へのグローバル化進行、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催、国の総合戦略の推進など本県を取り巻く情勢を踏まえ、平成29年度県政運営は自然と文明が調和した理想郷山形の実現に向けて、４本の成長戦略を展開し、やまがた創生総合戦略によって加速し、これまでの成果を生かすとともに、国内外に広く発信し、交流拡大を進め、やまがた創生をさらに力強く推進していくとの方針のもと、主な施策の展開方向として、一つ、郷土愛を育み未来を築く子育て支援・多彩に活躍する人づくり。二つ、新たな価値の創造・拡大・発信による活力ある産業の集積。三つ、地域の豊かさを支え、高いブランド力で国内外に展開する農林水産業。四つ、世界に誇る魅力を発信し国内外の旺盛な活力を引き込む「観光立県山形」の確立などを掲げています。

　　本市は、ご案内のとおり、県内唯一人口が増加し、勢いのある自治体として内外から評価をされているわけですが、これは子育て支援や基幹産業である農業、及び既存商工業の活性化、振興への取り組みで人が住み、そして運動公園や、文化活動の拠点であるまなびあテラスのオープンと隣接する東桜学館の開校により、新たな交流が生まれたことなどに起因すると考えます。これまでの土田市政の取り組みを市民の一人として大いに評価するものであります。

　　市長は施政方針において、インバウンドや農産物の海外輸出への取り組み、その機運が醸成されグローバル化の進展が身近になったこと、東京オリンピック・パラリンピック開催に伴う国際交流、文化振興が期待できること、くわえて、さくらんぼのＧＩ制度登録の見通しがついたことなどの状況を踏まえ、平成29年度を国際交流元年と位置付け、教育の充実と人材育成、ホストタウン、国際姉妹都市調査等や農作物のブランド化などに果敢にチャレンジしていくと述べています。本市の発展にかける強い思いを感じたところであります。

　　私は本市を取り巻く情勢を見たときに、人口については増加していますが、住民基本台帳で見ますと平成28年に入り、逓減傾向のように感じております。そして高齢化率は26.2％と高くなっております。ただ平成27年における合計特殊出生率は1.74％となっており、将来に向け、喜ばしい結果となっているようであります。

　　経済情勢については、本県の経済情勢は緩やかに持ち直している、雇用情勢は確実に改善をしているとのことであります。本市の工業製造品の出荷額は、米沢市に次ぎ県内２位、農業産出額は県内３位となっていますが、未来へつなぐべき東根の発展を考えたとき、将来を担う人、いわゆる財産づくりと若い人たちの生活基盤となる雇用の安定等につながる、農・工・商業の活性化振興などは引き続き取り組むべき課題であると考えます。これらを踏まえ、平成29年度はこれまでの東根創生にかかわる成果を生かし、東根創生をさらに推し進める年度であると私自身は位置付けております。

　　これらを念頭に平成29年度の施政方針及び事業等について、さらに具体的な考え方の部分について質問をいたします。

　　まずは魅力にあふれ、にぎわいと活力に満ちたまちについての質問です。

　　第１点目は、産業振興に関して伺います。先に述べましたが、今月９日、県の企画振興部が発表した山形県経済動向月例報告によれば、本県経済及び個人消費は持ち直している。鉱工業生産は持ち直しているものの、このところ足踏み感が見られ、雇用情勢は改善が続いている、であります。このような情勢の中、本市の情勢はどのようになっているのでしょうか。そこで総合戦略の基本目標の一つである安定した雇用の確保に関して伺います。

　　まずは本市の雇用、経済情勢の現況と将来も見据え、雇用基盤の維持確保のため既存産業の育成強化策として、企業奨励補助事業、商業活性化事業などを行っていますが、その成果、課題及び今後の考え方について。

　　二つ目として、東根の産業を牽引する人材の育成をどのように考えておられるのかを伺います。

　　第２点は、農業の振興についてであります。県は今後４年間の本県農林水産業の指針となる、第三次農林水産業元気再生戦略を３月に決定する予定としておりますが、その中で農林水産業を起点とする産出額の目標を現状より500億円多い3,500億円と示し、また生産者の所得増大を重点に置き、農家全体の生産農業取得は14年の851億円の1.3倍となる1,100億円を目標に設定。さらにさくらんぼ、ラフランスなどのブランド力強化や、県産農産物の輸出量の拡大と輸出をする上で重要な国際基準に準ずる県版ＧＡＰ、ギャップ、いわゆる農業生産工程管理を普及させるなどとして、攻めの農林水産業を展開しようとしております。

　　施政方針の中では、本市の農業を取り巻く環境は農業従事者の高齢化や離農により、耕作放棄地の増加や地域営農の維持が困難になるなど、担い手不足による様々な問題が顕在化する一方で、果樹農業においては高度な栽培技術により、高品質な果物が生産されており、また海外輸出に意欲的な農家も育っていることなどから、攻めの農業の土壌ができ上がっているとして、平成29年度は農産物の海外輸出力強化、販路拡大、６次産業化推進戦略に基づき、各種プロジェクトを進めるとしております。

　　この６次産業化については、農家の方々の所得控除を目指し、平成26年度から取り組んでいると認識しています。そして直接、間接的に農業にかかわる各事業を取りまとめ、東根市６次産業化推進計画を定めたと理解をしておりますが、今月１日に開催された果樹王国ひがしね６次産業化推進フォーラムをはじめ、これまでも各種の事業に取り組んでいると承知しております。その現状と今後の考え方をお伺いいたします。

　　次に、こころ豊かな人が輝く教育と文化のまちについて伺います。はじめに、教育を取り巻く環境についてでありますが、少子高齢化、核家族化による家庭、地域の教育力の低下、情報化社会、グローバル化など社会環境は目まぐるしく変化しております。このため、自ら課題を捉え、その解決のために自ら考え、行動する人材、イコール生き抜く力を持った人材を育成することが求められていると思います。施政方針において、総合戦略の中で力を入れて推し進める施策は、教育によるひとづくり、まちづくりであり、新しい時代を切り開いていける人材育成であると述べられておりますが、市長の理念のほかこの情勢を踏まえてのことであると理解をするものであります。

　　文部科学省の資料によりますと、生涯にわたる人格形成の基礎を養うのは、幼児教育であり質の高い幼児期の教育、保育の提供が必要とも言われております。これらを踏まえ、国では平成20年告示の幼稚園教育要領及び保育所保育指針、並びに平成26年告示の幼保連携型認定こども園教育・保育要領と学校学習指導要領においても、幼稚園や保育所、小中学校間や特別支援学校などとの連携や交流を図ることが定められております。

　　また幼保小の接続に関して、平成21年の３月、文部科学省と厚生労働省共同で、保育所や幼稚園等との小学校における連携事例集を示しております。これは保育所の新たな保育指針と、幼稚園教育要領の施行に合わせたものと理解しております。

　　そして、平成22年、文部科学省の調査研究報告で円滑な接続ポイントとして、一つ、連続性、一貫性で捉える。二つ、教育活動のつながりで捉える。三つ、接続の取り組みを進めるための方策を示すことなどが示されております。

　　小中連携に関しても、平成26年に中央教育審議会が答申し、平成27年には義務教育学校が新たな学校の種類として規定されたのはご案内のとおりであります。県では平成22年に幼保小連携スタートプログラムを策定して、幼保から小学校への円滑な接続を推進するとしております。また、小中連携に関しても様々な取り組みを行っていると理解しているところです。そして、幼保小中学校の時期、一貫して育むのは自主性と思いやりだと述べているところだとあります。

　　本市では、めざす子ども像として、「夢を持って前向きに学ぶ子ども」、「真心をもって人と接する子ども」、「自然を愛し、ものを大切にする子ども」を掲げ、知・徳・体のバランスのとれた児童生徒の育成を目指し、教育大綱のもと、基礎的な知識、技能の習得度、課題解決に必要な思考力、判断力、表現力、命の尊さや人とのかかわりを大切にする心、郷土を愛する心などを育てる教育施策とグローバルな人材育成のための施策を推進するとし、重点施策は幼児教育の充実、学校教育の充実などを挙げております。そこで幼児教育及び学校教育の充実について、その連携の現状に関して質問をいたします。

　　まず１点目は、幼保小連携に係る課題は何か。

　　２つ目は、幼保小及び小中の連携の取り組み状況はどのようになっているかであります。

　　以上が登壇での質問であります。

○秋葉征士議長　７番髙橋光男議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　鴻志会、髙橋光男議員のご質問にお答えいたします。

　　はじめに、魅力にあふれ、にぎわいと活力に満ちたまちについてのご質問にお答えをいたします。商工業の振興についてでありますが、正社員の雇用状況につきましては、ハローワーク村山での12月有効求人倍率が1.01倍であり、平成17年度以降の過去最高となった県内平均の0.93倍を大きく上回って１倍を超えており、改善が緩やかに続いていると捉えているものであります。

　　本市の状況をみますと、従業員数がおおむね10名を超える製造業を中心とした市内の企業85社を対象として、今年度実施したアンケートの結果によりますと、東根市民の新規雇用は前年と比べ、15名の増となったところであります。また、同アンケートでは平成29年度に新規採用する正社員は、市内全体で78名が見込まれており、本市といたしましても順調に雇用が確保されていると捉えているところであります。

　　しかしながら、継続的な雇用を確保するためには、雇用の母体となる各事業所の経営基盤の健全化や競争力の強化が必要であり、取り組むべき課題であるとも認識するところであります。そのため、本市においては、企業奨励補助事業、商業活性化事業、商工業みらい応援利子補給事業などの補助事業を設けて、各種振興策に取り組んでいるところであり、来年度におきましても引き続き推進してまいります。

　　安定雇用の創出につきましては、東根市総合戦略の中でも「既存産業の育成・強化」を施策として掲げ、企業奨励補助事業による設備投資を推進し、個別目標数値として平成31年度までの新規雇用人数を50人としているところであります。先に申し上げた調査における雇用人数等を見ても、達成可能な数字であると捉えているものであります。なお、企業奨励補助金については、今年度適用を受けた企業数が22社45件であり、総額で１億6,600万円の交付を見込んでいるところであります。

　　次に、人材の育成と確保についてでありますが、総合戦略に掲げた「東根の産業を牽引する人材の育成」の具体的施策として、市内立地企業やハローワーク、商工会、市内中学校高等学校などから構成される、東根市雇用対策協議会が中心となり、昨年11月に産・学・官・金連携による研修会を開催し、最新の雇用情勢に係る情報の共有を行いながら、今後の産業振興の方策等について情報交換を行ったところであります。

　　総合戦略における個別目標数値として、期間内の研修会等参加人数平均を50人としているところでありますが、この研修会では67名の参加者があったところであります。これらの研修会では、従来教育機関からは産業界との連携に関することを中心に講話をいただいておりましたが、今年度は山形大学より「地域に若者を残すにはどうしたらよいのか」と題して、人材確保の視点からお話をいただき、雇用確保の取り組みについて情報を共有したところであります。この研修会をきっかけとして、本市の工業団地内の企業が県内大学における学生募集の説明会に参加するなどの動きも出てきております。

　　また、本市出身者の学卒者の採用も一部見受けられる状況になったところであります。さらには、平成29年度には、さくらんぼタント館２階にコワーキングスペースが開設されることとなっており、創業支援のみならず、雇用創出や就業に寄与できる運営内容とすべく協議を進めているところであります。

　　産業を牽引する人材の確保を目的とした、専門性や企画力向上セミナー等の開催やハローワーク等と、連携した情報提供の場の設置等を検討しているところであり、このような施策を推進していきながら、地元での就業拡大につなげていきたいと考えるものであります。

　　今後とも市内の安定雇用の創出や人材育成に資するため、企業や商工業者への支援策を継続的に実施するとともに、国や県、関係機関と連携を図りながら、取り組んでまいりますのでご理解をお願いいたします。

　　次に、６次産業化推進事業への取り組みの現状と、今後の考え方についてのご質問にお答えいたします。これからの農業は、農業だけにとどまらないほかの分野との連携が必要であるとの観点から、農協や農業関係団体のみならず、市内商工業者、地元大学をはじめとする教育関係者など、多くの関係機関の賛同をいただき、平成27年９月、「果樹王国ひがしね６次産業化推進協議会」を設立したところであります。

　　協議会では、本市の農業及び関連産業のさらなる発展を目指していくための指針として、「果樹王国ひがしね６次産業化推進戦略」を昨年10月に策定し、市ではこの推進戦略に基づく取り組みを後押しするため、「東根市６次産業化推進計画」を策定し、議員懇談会において議員の皆様方へ報告させていただいたところであります。果樹王国ひがしね６次産業推進戦略においては、基本コンセプトとして『東根の「食と農」を支える全ての人々と紡ぐ６次産業化夢創造プロジェクト』を掲げ、「人づくり」、「物づくり」、「地域づくり」の観点から進むべき方向性を示した上で、平成28年度から平成32年度までの五カ年で取り組む事業を五つの柱、リーディングプロジェクトとして位置付け、取り組むこととしたところであります。

　　まず、「果樹王国ひがしねブランド化プロジェクト」では、地理的表示保護制度、いわゆるＧＩ制度における「東根さくらんぼ」を登録し、ブランド化の推進について取り組んでおります。昨年10月に農林水産省に申請し、12月28日から公示期間となっており、順調に進めば今年４月ごろに登録される見込みとなっております。

　　次に、「６次産業化ネットワーク・拠点づくりプロジェクト」においては、仙台圏を中心に約50万人を誘客している東根市農協「よってけポポラ」を６次産業化の拠点と位置付け、周辺施設との連携強化や機能強化に検討することにしております。さらに農業者が自ら６次産業化を進めるにあたっては、資金や設備、販売のノウハウなどの課題があるため、同じ課題を共有する農業者同士や異業種の商工業者等との連携が欠かせないものであることから、商談会、産地マッチング、意見交換会などを通じ、農商工連携などの取り組みについても支援を行っているところであります。

　　ほかにも「６次産業化人材育成・支援プロジェクト」として、農業者をはじめ、商工業者等が幅広く６次産業化についての理解を深めるため、「果樹王国ひがしね６次産業化推進フォーラム」を開催し、100名を超える協議会会員を集め、東北芸術工科大学生による６次産業化の提案や長崎県の６次産業化拠点整備の取り組みの事例発表が行われ、その後二つの分科会に分かれ勉強会を実施したところであります。さらには、販路拡大やマーケティングに関するセミナーや農業者が行う加工に関する研修も行うなど、６次産業化の醸成に努めるとともに、人材育成について取り組んでいるところであります。

　　市といたしましては、このような取り組みを通じて原材料供給者としての生産者だけではない農業者自らが新たな魅力や価値を加える６次産業化の推進により、農業所得の向上を図るとともに、農業者と商工業者などが連携し、双方の利益につながるよう支援をしてまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。

○秋葉征士議長　次に、教育長に答弁を求めます。石山教育長。

　　　〔石山泰博教育長　登壇〕

○石山泰博教育長　私からは、「こころ豊かな人が輝く教育と文化のまち」についてのご質問にお答えいたします。

　　はじめに、「幼保小中連携に係る子どもたちの課題はどのようなものか」についてお答えいたします。

　　まず、本市のみならず全国的な傾向となっている今日的な教育課題がございます。近年、幼稚園、保育所等から小学校に入学したばかりの１年生の児童が「集団行動がとれない」、「授業中に座っていられない」、「集中して話を聞かない」などの状態が数カ月間にわたって続き、担任の教師が指導に著しく苦慮するといった「小１プロブレム」と呼ばれる状態が小学校の現場で大きな話題となっております。

　　また、小学校から中学校への進学時には、学習内容や生活リズムの変化などに適応できず、いじめなど生徒間のトラブルが増加したり、中学校生活に適応できずに不登校になるといった、「中１ギャップ」と呼ばれている状態も課題となっております。

　　その原因の一端といたしましては、現在の社会生活の現状であります「少子化・核家族化」や「情報の氾濫」などを背景としたテレビ、電子ゲームなどによる一人遊びの増大、屋外での集団で遊ぶ経験の不足、家庭や地域社会の教育力の低下、人間関係の希薄化などが挙げられております。こうした状況は本市の小・中学校の子ども達におきましても、例外なく散見されるものであります。

　　したがって、これらの課題に対応すべく幼・保・小・中がしっかりと連携し、共通理解のもとで、幼児期における「あそび」の活動から小中学校における「まなび」の活動へと円滑な接続がなされるように、保護者や地域とともに研鑽等を深めていくことが重要であると捉え、事業を推進してまいりますのでご理解をお願いいたします。

　　次に、「本市の幼保小連携の取り組みの現状はどうなっているか」について、お答えいたします。

　　市内の私立幼稚園と公立保育所・児童センター・認定こども園の年長児の担任と小学校１年の担任を対象として、年２回お互いのよりよい指導方法等についての理解を深め合うために「幼・保・小連携研修会」を実施しております。

　　先に述べました喫緊の課題解決に適切に対応するために、小学校入学時に向けて、幼稚園や保育所などで身につけるべき指導内容等を示した「アプローチプログラム」や小学校の入学時期から、１年生の段階で指導する内容等を示した「スタートプログラム」など、具体的かつ適切な指導のためのカリキュラムのあり方について、幼・保・小がお互いに共通理解を図り、実際の日々の実践に生かしております。

　　また就学前の年長児については、心身や情緒面の発達で気になる児童の行動観察や、聞き取りなどの実態調査を子育て健康課と管理課の就学指導担当が早期から実施し、幼稚園・保育所・児童センター・認定こども園と小学校がその情報を共有し、連携することによって児童一人ひとりの実態に応じた「合理的配慮」をした個別の指導計画や教育支援計画を策定し、適切な指導・支援が行えるよう取り組んでおりますのでご理解をお願いいたします。

　　続きまして、「本市の小中連携の取り組みの現状はどうなっているか」について、お答えいたします。

　　本市におきまして、市教育委員会委嘱の研究指定校を中学校区ごとに順次指定し、小中連携９年間における、各教科の「学びの連続性」と、それをしっかりと下支えする発達段階に応じた「学習習慣の定着」や「基本的な生活習慣の確立」等のあり方について、中学校区の小・中の教員が共通理解を図りながら、研究と実践を重ねております。

　　毎年、五つの中学校区をローテーションしながら、小学校と中学校で公開研究発表会を開催し、研究実践の成果を市内外に発信しております。

成果の一例といたしましては、小学校高学年における教科担任制の積極的な導入により小・中間で教科の専門性の高い、学習の接続が一層促進され、また家庭学習の方法や内容なども小・中９年間を見通して、発達段階に応じた習慣形成に工夫がなされております。こうした研究実践の成果が市内の小中14校で共有されていることは、本市教育の充実に大変有益なことであると感じております。さらには、本市小中学校ＰＴＡ連合会が中心となり、小・中間の連携や、学校と保護者間の連携による「情報モラル」や「メディアコントロール」などの今日的な教育課題に対応すべく、意欲的に研修を深めております。くわえて、各小中学校のＰＴＡにおいても、学校と保護者が一体となって、小・中連携のもと、いじめの未然防止や生活リズムの確立などに向けて、積極的に実践を重ねているところでありますので、ご理解をお願いいたします。

○秋葉征士議長　７番髙橋光男議員。

○７番（髙橋光男議員）　ご答弁ありがとうございました。

　　質問席から質問を続けさせていただきますが、まず商工業の振興に関してであります。市の雇用、それから経済情勢の状況、それから企業奨励補助商業活性化事業などにつきまして、成果と課題、それからその対策として引き続き連携をしながら支援をしていくということで、理解いたしました。

　　また人材育成に関しては、コワーキングスペースの運営委託を計画してるのは、教育機関ということで施政方針の方に述べられておりましたけれども、その教育機関、特性、十分生かしていただければと思ったところであります。そして学生を対象としまして、就業ですとか、場合によっては進学の手助けということもあるんだろうと思いますけども、これからの人材育成、それから確保、こういったことに寄与できるような運営、その一方でもう一つ大事なことは、コワーキングスペースあるいは学校の教育機関ということを利用する人、要するに希望者に対しての普及あるいは広報ということもぜひ進めていただきたいと思います。この件につきましては、ぜひ進めていただくよう要望させていただいて質問を終わります。

　　６次産業化につきまして、もう少しお考えをしたいと思います。これまでの取り組んできた現状、それから考え方、これにつきましてもおおむね理解いたしました。実際に６次産業にかかわっている方から話を伺いますと、答弁でもございましたが、販路の開拓と、こういったことが非常に難しいんだということを伺います。したがって商業者の方とかが必要とする食材がどんなものであったりとか、あるいはつくった商品を販売するにはどこで、あるいはどういうルートで、こういったところがなかなか難しいんだということであります。

　　そこでお伺いしたいのは、生産者とあるいは生産団体それから商工連携、そういうノウハウを持ってるところ、こういったとこの連携につきまして、恐らく支援も必要なんだろうと、行政の方が、思うわけでありますが、どのように支援をされているのかという点をお伺いしたいと思います。

○秋葉征士議長　石垣経済部長。

○石垣裕之経済部長　お答え申し上げます。

　　本年度、連携を支援している取り組みとしては、三つのことを主に実施しているところでございます。先ほど市長答弁にもございましたが、一つ目は産地マッチングということに取り組んでおります。これは、首都圏を中心として事業展開しております高級飲食店からシェフや関係者の方を講師としてお願いしまして、どのようなものが必要とされているのか、望まれているのかということを中心とした研修会の開催、さらには今こちらでつくっているような加工品、生産物に対して味やどのような利活用が考えられるかといった、そういうアドバイスをいただくこと、さらにはそのお店の方で活用していただけないかどうかという商談、マッチングですね、そういうふうなことを春と秋と、別々の事業者の方にお願いしまして、実施したところでございます。こちらについては、延べ15件がそちらの方の飲食店の方で活用いただけるということで、なったところでもございます。

　　また二つ目の取り組みとしては、商談会への出店に対する支援を行っております。こちらはバイヤーと商談会を行うということで、県が主催しまして「おいしい山形・食材王国みやぎビジネス商談会」というものに対して、東根の会員の中から農業生産者の方と商工業者が連携して、提案するような製品について出店、相談してきているところに対して、支援したものでございます。

　　三つ目は、直接の連携支援で情報交換会や相談会を実施しておりまして、その中からは農業生産者の方と洋菓子店の方が、共同で開発した商品化するものを作成したりとか、農業生産者グループの方と市内飲食店の方がコラボして新しいメニューを開発するなどという動きが具体的に出てきておりますので、そのようなことをこれからも進めていきたいと考えております。

　　以上です。

○秋葉征士議長　７番髙橋光男議員。

○７番（髙橋光男議員）　ありがとうございました。

　　いろんな団体の方、あるいはこの事業者の方々と一緒になっての支援をしてるということで、承知しました。コラボメニューといいますか、私の方も市内の農業団体とそれから洋菓子店が一緒になって商品を開発したということで、承知しておりますというか、実際私も買って試食してみたというところでありますけど、なかなか大いに期待したいということと、それから逐次進んでるんだなという状況を理解することができました。

　　それからもう一つ、販路の確保拡大ということで述べさせていただいたわけですけれども、マーケティングですとか、それから販路などに関してはＪＡの方が当然身近なところでは持ってると思いますので、さらにそことの連携ということと、それから来年度に基本構想が策定されるということで、述べられてもおりますが、道の駅、これを販売拠点ということで、ぜひ活用していただけるように、その検討に加えていただければということで思ったところであります。

　　それからもう一つですが、これは市長の答弁にございましたとおり、ＧＩ制度についてであります。この制度に登録できれば、海外展開など間違いなく私もそのように有利になると思うわけでありますが、この制度を利用して農産物の販路拡大とか、どのようにお考えになってそれから施策を今後どのように進めていかれるのかということを、ぜひ市長の方からお聞かせ願えればと思いますので、市長よろしくお願いします。

○秋葉征士議長　土田市長。

○土田正剛市長　ＧＩ制度そのものは、かた苦しく言うと、ここの答弁要旨に書いてあるんですが、品質、社会的評価その他の確立した特性が産地と結びついてる商品について、その名称を知的財産として国が保護する制度というので、これが地理的表示保護制度というものであります。ジオグラフィカルインディケーションの略であります。競馬なんか好きな人は、Ｇ１てのがありますけども、あれとは全然違うわけであります。このＧＩ制度そのものは、「秀・Ｌ」以上の品質が保証されているということで、国がお墨つきを与えたということだと理解してもらいたいなと思っております。

　　特に山形県の各産地では、毎年私をはじめ、各市町村長がトップセールスに行っているわけであります。消費者から見ると、どこの産地のさくらんぼがおいしいのかなと見間違えるような、そういうところがあるわけでありますけれども、このＧＩ制度が今のところは、公示期間中であります。去年の12月28日に公示されたわけでありますけれども、その前段で、私が11月に担当官のところに行って、農林水産省の、30分ほど私がプレゼンテーションをやって、そしていろんなやりとりを踏まえて、こういうところをもうちょっとつけ加えたらいいんじゃないかとか、あるいは改善したらいいんじゃないかといろんな指導を受けながら、そして12月28日に公示されたわけであります。

　　そして今現在は公示期間中で、３月28日までが公示期間となっております。その中で最終的には有識者会議によって、問題が何もないということであれば、４月上旬ころあたりには、遅くとも中旬までには登録されるのではないだろうかと思っております。山形県ではご案内のとおり、山形県の酒ということで、それから米沢牛が先般登録なりました。それとともに山形県ではこの東根さくらんぼが登録されれば三つ目ということになりますので、このさくらんぼの産地山形県でありますけれども、いち早く東根さくらんぼがＧＩ制度に登録されるということは、後は全部それはもう手おくれとなるんだろうと思います。したがってこれは最大の強みは、そういういろいろな産地間の競争が激化している中において、国内では非常にその差別化されることになると。そういう有利さが出てくると思います。そのためには登録されたならば時期はいつになるかな。品評会は。

○石垣経済部長　品評会は５月の下旬から６月初め。

○土田正剛市長　５月の下旬から６月の初めにかけて、東京でＧＩ登録記念の品評会なども開きたいなと思っております。そして国内でのその差別化を図るとともに、いわゆる海外の販路拡大というものは急を要するわけであります。そういう中において農産物の海外販路拡大というのは、まさに時宜を得たものであると考えておりますけれども、その中でこのＧＩ制度を取得したというのは特に海外の販路拡大においては、相当なプラス効果が働くのではないだろうかなと思っております。最終的には生産者の懐ぐあいがよくなるということが一番の狙いであると思っております。とにもかくにも、その山形のさくらんぼ、さくらんぼといえば山形県というのは全国で津々浦々もう知れ渡っているわけでありますけれども、一方で、じゃあ東根さくらんぼがそのように知れ渡っているかというと未だしと私は認識をしております。

　　これからは、東根さくらんぼがＧＩ制度にのっとって登録をされたならば、より一層のブランド化を目指して、先に登録されているような夕張メロンであるとか、あるいは神戸牛であるとかそういうふうなネーミングに匹敵するようなことを、行政そしてもちろん生産者、そして農協、集出荷業者合わせて一致結束して努力をしていかなきゃいけないと思っております。

○秋葉征士議長　７番髙橋光男議員。

○７番（髙橋光男議員）　ありがとうございました。

　　ただ今の市長の答弁の中で東根さくらんぼ未だということがちょっとあったんでしたが、実は先般、市内の農家の方にお会いをして話を聞くことができます。それは26歳の方です。まだ５年目、就農して５年目だと、こういう話だったのですが。この方、実は大田市場に個人で行っているそうです。あるとき市長と組合長もすぐそばにいたとこういうふうな話だったのですが。その方が、たまたまその業者の方にお伺いしたら、どこから来たと問われて山形の東根市からですと、こう来たと。そうしたら、いや、東根のさくらんぼはいいと、俺は寒河江市のやつを買うんだと、こういうことを言われたんだという話をしておりました。まあまあショックではあるんですけど、ただ、いろいろな現場の方の情報が聞けるということで私たちは非常によかったんですと、こう非常に前向きな回答ではあったんでしたけども。そんなようなものが現状だということであります。

　　したがいまして、今回のＧＩ制度、これは新聞報道になったときも私なんかは非常に喜んだというか驚いたというか、そんな入りまじった感覚であったのでしたけども。生産者はもちろんですけど、我々一般市民にとっても誇りだと言えることではないかなと思ったところであります。

　　それから農業の将来と考えたときに果樹の方がメーンではなるのかもしれませんが、短期的には東京オリンピック・パラリンピックがあります。それから将来的に見てもいろいろな競争が激しくなってきたときに、我々にできることは何かといったときに、このＧＩ制度で認定されるような認証されるような、そういう高品質の品物をつくると。こういったところも一つの活路ではないのかなと、こんなふうに思っているところであります。その若い26歳の若手農業者の方は説明会にも参加したんだそうです。そして、ぜひ私やりたいんですということで意欲いっぱいの生の声を聞くことができました。それで頑張ってもらいたいなと思ったところであります。

　　ただ一方で基準というのがこれ結構大変なんですという話もちょろっとしてたところでした。したがいまして、この制度に適合する品質の保持あるいは確保すると、これがまた大事なことなんだろうなと思うわけです。したがって、こういったことに今後ぜひ市の方としても普及なり、それをあるいは尽力すべきということだと思いますので、その点も取り組んでいただいて、この制度を大いに生かして事業展開を進めていってもらいたいなと思ったところであります。

　　それから先ほどちょっと県の方での取り組みということで、ＧＡＰについてちょっと述べさせていただきましたけれども。この件も非常にいいことだというか、海外に向けてのときには非常に有効なんだろうなと思います。したがいまして協議会の方でも検討しているということもちょっと伺ってはいるのですが、ぜひこれも今後取り組んでいただきたいなということで要望させていただきます。ぜひよろしくお願いします。以上でこの件に関して質問を終わらせていただきます。

　　次に、幼保小中の連携に関してであります。私、ある朝、ある学校の駐車場で教室まで行きたくないということでぐずる子どもと、それから何とかそれを行かせようとするお父さんあるいはお母さんの姿を見たことがあります。そして先生が通勤をしてきて、ぐずる児童と一緒に校舎に、保護者の方と一緒に入っていくということ、これ何度か多分春先だったと思うんですけど何度か目にしております。これが先ほど答弁にございました「小１プロブレム」ということと、それから対応する先生方の姿あるいは保護者の姿なんだろうなと思ったところであります。

　　この幼保小連携に係る課題、それから小中への連携まで含めた取り組みの概要、わかりました。ただこの件につきまして、もう少しお伺いしたいと思います。

　　まず幼保小の連携についてでありますが、お互いにある共通理解を図っているという答弁をいただきました。それでこれにつきましては、それぞれ教育指導要領あるいは保育指針ということがありますし、それから各児童の施設、それから学校、これ全部それぞれに方針もあるわけであります。それから成長段階も異なると。そういったことから相互の違いの理解というのは非常に重要なことだと思うわけであります。その理解を深めるために幼保小連携研修会を実施しているということであったのですけども、その研修内容のことはもう少しお伺いできてたらと思います。

○秋葉征士議長　古谷教育次長。

○古谷利明教育次長　お答え申し上げます。幼保小連携の研修会、具体的にはどんなものかというお尋ねです。

　　東北文教大学から専門の先生をお招きしまして、保育所所管をしております子育て健康課と教育委員会が連携を図りながら、幼保小連携研修会を実施しております。今年で４年目となる事業であります。

　　研修の内容につきましては、幼稚園・保育所で行われている保育の内容と小学校での学習が円滑に接続するために、どのような指導法が適切かといったことを中心に、実際の指導に活用できるような具体的な研修を行っているところでした。そのため研修の会場も市内の保育所、小学校の教室を使いまして実施しまして、お互いの日常の保育や授業の様子をお互いに見ながら、研修後すぐに何をどのようにすればいいのかといった、指導のイメージが持てるような具体的な研修に心がけているところであります。参加した先生方からも子ども達への指導方法、改善のために大変有意義であるという感想をいただいているところであります。よろしくお願いいたします。

○秋葉征士議長　髙橋光男議員。

○７番（髙橋光男議員）　ありがとうございます。内容それから参加者の反応ということでもいただきましたが、あわせて小中学校の方の連携につきましても、授業の概要など、ただ今、答弁いただきましたけども、参加された方々の反応といいますか、こういったところもあわせて小中の方のやつをお願いします。

○秋葉征士議長　古谷教育次長。

○古谷利明教育次長　小中の連携の取り組みといたしましては、かねてより本市では市の教育委員会による委嘱研究については、この連携を大切に考えまして中学校区ごとに指定をいたしまして、そして３年間の長期のスパンで取り組むことを前提として指定をしているところであります。指定を受けた中学校区での小学校・中学校では教科の指導、学習習慣の指導、生徒指導など研究の分野ごとに専門部会を設けまして、小学校の先生と中学校の先生が合同で研修を行っているところであります。

　　この成果といたしまして、３年間の長期スパンでじっくりと連携に取り組むことができますので、中学校区の中の小学校と中学校、小学校と小学校がそれぞれの学校の課題を出して、解決の手だてを試して検証を深めていくと成長の手応えが実感できると。小中学校の教員の間で、また教員と保護者の間で共有できるというところが挙げられるのでないかと考えております。公開研究の発表会で市内14校全てでその内容を共有できるという波及効果も大きいなと感じているところであります。よろしくお願いいたします。

○秋葉征士議長　７番髙橋光男議員。

○７番（髙橋光男議員）　ありがとうございました。それぞれ成果があったということで理解をしたところでありますが、多分先般ですと東桜学館の方でも、中の学年懇談会か何か、それぞれ学級懇談会、ちょっと記事に載ってたんでしたけども、中１ギャップについて生徒同士が議論をしたということ。それから神町中学校の中ではリアルトークということで開催されて、そのときちょうど地元紙に載ったのが小学校の先生まで載ってましたので、こういった授業も一緒なのかなと思ったところでありますが、今ご説明いただきましたような授業が地元紙などでも取り上げられたりしておりまして、それを見ると意欲的に取り組みをされているんだというところで理解をしたところであります。わかりました。

　　先ほど答弁の中に、今度平成30年度、たしか幼稚園の指導要領、保育園の保育指針というのは同時に改定ということでなるんだと理解をしておりますが。また小・中・高等学校の学校の指導要領、これも改訂をされて2020年度から逐次それも指導要領に基づいて実施をされると理解をしておりますが、その中についても連携について記述されているんだろうと思います。

　　本市の現状というのと、これからのこれらの動向を踏まえて今後の考え方、どのように考えておられるのかということをお伺いしたいと思います。

○秋葉征士議長　古谷教育次長。

○古谷利明教育次長　お答え申し上げます。

　　先ほど申し上げましたその幼保小連携の実践または小中連携の実践につきましては、ただ今、議員からご紹介ありました幼稚園の指導要領、保育指針の改定、そして小学校・中学校の学習指導要領の改訂の趣旨に沿った取り組みでありますので、その効果は大変大きなものであると捉えております。

　　今後、一層、幼保小中この連携を充実させるために保護者や地域と、連携の狙いを共有いたしまして、学校のみならずＰＴＡ活動や公民館活動による家庭教育講座などの活性化を図り、幼稚園・保育所等・学校・保護者・地域が一体となって取り組んでいきたいと考えております。よろしくお願いいたします。

○秋葉征士議長　髙橋光男議員。

○７番（髙橋光男議員）　わかりました。その学校現場の方をちょっと回らせていただいて、先生方からお話を伺ったりすることはあるんですけども、今の連携に関して述べさせていただきますが、ある学校では小学校ですが、幼稚園・保育所など合わせて20に上る児童保育等の施設から入学してくるんだそうです。これはもう大きいとこの小学校になろうと思いますけど、その中で先生は約10カ所ほど、まあ10カ所を超えるということであったと思いますけども、その児童保育施設等を訪問されるんだそうです。されるというか、して。もっとはっきり言わせていただければ、ある保育所の卒園式にお伺いしたときに、その卒園する園児が誰々先生と名前を呼ぶんですね。それを聞いたときにびっくりしまして、「え、どうしてですか」と言ったら、今申し上げたようなことで実は回ったんだと、こういう話でありました。まあまあすごいなと思ったわけでありますが。その先生が言われるのは、子ども達一人一人が違うと。それから幼稚園・保育所、それと学校も違いがあるんだと。その中で、まずは安心して学校に来てもらいたいという思いで訪問してるんだそうであります。そして子どもの教育につなげていくと、こういうことなんだろうと思いますがそんなことでした。それから地域においては老人クラブですとか、それから各所の伝承文化保存に取り組んでいる団体、あるいは青少年育成に係る団体、見守り隊などのいろいろな方々、教育に携わっているわけであります。東根の目指す子ども像、先ほど述べさせていただきましたが、簡単に言えば、自主性それから思いやり、あるいは豊かな心を持った子どもということなんだろうと思います。県の方で言っている小中連携の中で述べていることと一緒だと思っていたところであります。

　　その実現のためには、答弁いただきましたが、本市が現在行っている施策、これはぜひ、さらに進化させてもらいたいと。そして例えば東根の目指す子ども育成指針といいますか、というものを作成をしていただいて市民みんなで、ですから地域でも地域の大人でも、それから保護者、保育所等の先生方、それから学校の先生方。これは目指す子ども像というのは中学生までの大体15歳くらいまでの姿を目指しているんだと思うわけですけども、そこから中学校まで一貫して、将来の東根を担う子ども達の育成に取り組めるようなものをつくっていただいて、そして組織的それから体系的な子の育てというか、それをやれるようなものを整備していただければと、これは要望であります。

　　そして、これは総合戦略の中では基本目標の一つである東根らしさを生かしたまちづくりと。これまで子育て支援ということで市長毎回言われてますけども、その先に言われるのは究極の子育て支援は教育だということをよく言われているわけです。これは最大の東根らしさというか東根なんだろうという、これが東根と思うわけです。そしてそのことが、その東根らしさを生かしたまちづくりにつながるものだと非常に確信をしているわけでありますので、どうかよろしくお願いしたいと思います。現場の先生方の負担の軽減ということにもつながるんだろうなと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

　　ただ最後にもう一つだけ言わせていただければ、教育委員会事務の点検及び評価に関する外部委員の報告であります。これは皆さん方が言うわけにはいかないと思いますので、私、言わせていただきますが、この中見てるとよくやっているという評価は間違いなく載ってございますので、それに皆さんが頑張っていることを承知しております。

　　それから現場の先生方からは市の取り組み、教育に関する取り組みというのは本当にありがたいんだという、これは社交辞令とかそういったものを抜きにして先生方一人一人からそのような声を伺います。これが東根の最大のいいところだということを述べさせていただいて代表質問を終わります。以上であります。

○秋葉征士議長　以上で、ご了承願います。

　　会議の途中ですが、ここで、午後３時20分まで休憩します。

　　　午後　３時１０分　休　憩

　　　午後　３時２０分　開　議

○秋葉征士議長　休憩前に引き続き、会議を開きます。

　　次に、平成会を代表して10番加藤信明議員。

　　　〔加藤信明議員　登壇〕

○１０番（加藤信明議員）ご苦労さまです。平成29年東根市議会第１回定例会にあたりまして、議長の指示により平成会を代表いたしまして、第４次東根市総合計画後期基本計画の中、進捗状況など６項目について関連項目も含め、お聞きします。

　　まず１項目、山形空港の運航充実と利用拡大についてであります。２点についてお聞きをします。

　　まず１点目。山形－札幌（新千歳）便が１往復決定された。搭乗率アップに向けた振興策などであります。はじめに、山形空港の東京便は平成26年国土交通省の政策コンテスト枠に選定され、15年ぶりに朝夕複数便が復活。２年間の暫定枠だったが、その間の取り組みが評価をされ、平成30年度まで３年間延長されました。東京便の平成27年度搭乗率は、マイレージ利用などを除いた有償搭乗率が75.8％となり、日本航空に対する支援策「路線収支共有制度」に基づき、山形空港利用拡大推進協議会が初めて黒字分として2,000万円の供与金を取得したわけであります。コンテスト枠の維持、機体の大型化などを狙い、協議会は平成28年度から３年間につきましても同制度の各ゾーンを再設定したわけであります。

　　また、平成26年に１日１往復で運転が再開された名古屋便は、昨年３月から12年ぶりに１日２往復に増便されました。協議会は山形名古屋便を活用した西の伊勢参り、東の出羽三山参りの双方向交流促進プロジェクトを推進し、山伏ジェットモニターツアーなどを展開。昨年８月には、運航再開以降の利用者数が10万人を突破したわけであります。山形発着の航空貨物も期間限定ながら昨年６月に約６年ぶりに復活しました。地場産業振興を目的にさくらんぼの収穫期に合わせて７月までに約１カ月間、東京便と大阪便でとり行われました。この度昨年12月に地域航空会社ＦＤＡフジドリームエアラインズは、山形空港発着の札幌便を３月26日から１日１往復新規就航すると発表しました。札幌便の運航再開につきましては、市の重要事業として国・県に対して要望してきた経緯があり、これまでの誘致活動が実を結んだわけであります。今後、山形空港利用拡大推進協議会、さらには東根市山形空港利用促進協議会として搭乗率アップに向けた振興策をお聞きいたします。

　　２点目であります。ＭＲＪパイロット訓練施設の誘致についてであります。東根市の最上位計画である第４次東根市総合計画後期基本計画の中、この計画に掲げる施策等を踏まえた上で、国が掲げるまち・ひと・しごとを総合的に推進するための指針となる、東根市総合戦略を平成27年10月に策定したわけであります。基本目標として安定した雇用の確保があり、新規産業の創出の中、次世代型産業の誘致導入があります。内容として、次世代の産業、成長産業として注目されているロボット産業や航空機産業等に関する企業など新たな産業の誘致を図るため、税制優遇や補助制度、融資制度等を創設し、企業に対し本市への移転についてのプロモーション活動を行うと。昨年４月のマスコミ誌によれば、三菱重工業の子会社である三菱航空機、愛知県豊山町が開発を進める国産初のジェット旅客機ＭＲＪ三菱リージョナルジェットのパイロット訓練施設に関し、県内自治体などが県内誘致を目指した要望活動を国土交通省などに展開をしたと。候補地は、東京便が定期就航する山形・庄内両空港近接地で、関係者は今回の活動を踏まえ、本県で東京便を運航する日本航空、全日本空輸に対する働きかけを本格化させたいとの考えであります。

　　誘致構想では民間事業者が訓練施設を整備し、航空２社と賃貸契約を締結。フライトシミュレーターを複数機配置をするほか、客室乗務員の機内サービス訓練機能を併設する。社会貢献や観光促進を目的にした施設の公開、見学も計画し、事業費は２施設で約200億円規模を想定していると。航空２社の訓練施設は、現在羽田空港エリアに一極集中しているのが現状であります。関係者は本県誘致の利点として、首都直下地震など大規模災害発生のリスク回避につながると指摘する。

　　また、東京便が定期就航する東日本エリアで移動距離が最短という地理的な利便性に加え、雇用創出や交流人口拡大を狙う地方創生、東日本大震災からの東北全体の復興支援につながるとしております。旅客機のパイロットは機種ごとに免許が異なり、ＭＲＪの操縦資格を得るには１年程度の研修・訓練が必要とされるそうであります。今年１月に三菱重工業はＭＲＪの初期納入時期を２年延長して2020年半ばにすると正式発表したわけであります。安全性を証明する型式証明の取得には2,500時間とされる飛行試験が必要であり、環境が整ったアメリカで３機を移し試験を本格化させているとのことでありました。飛行試験による不具合などにより、より安全性を高めるため、機体の設計変更が必要と判断し、装備品の配置や電気配線の計画を今後見直すとのこと。昨年11月に三菱重工業社長直轄のＭＲＪ事業推進委員会を設置し、開発に積極的にかかわる方針を明らかにしておりました。今後の開発過程の意思決定などは三菱重工業が指導していくということであります。

　　今後の開発過程を注視していかなければならないわけでありますけれども、誘致の見通しにつきましてどうか。また、市長のこのことに対する決意をお聞きしたいと思います。

　　次に、２項目であります。高速道路の整備促進についてであります。東根市は山形空港や山形新幹線の停車駅、さらにはさくらんぼ東根駅、東北中央自動車道東根インターチェンジなどが所在し、交通の三種の神器がそろっている交通の要所であります。

　　また、政令指定都市である仙台市に近接しているという地理的優位性もあわせ持っております。こうした地理的条件の優位性を生かし、企業の進出や農産物輸送の拡大、観光客など県政発展に欠かせないのが高速道路網の整備であります。高速道路網の整備を推進することにより、交流の拡大を図ることが可能になります。また、山形県道路中期計画に位置付けられました路線をはじめ、地区内を縦横断し、市街と東根市を結ぶ広域幹線道路、市内地域間を連結するアクセス道路の整備も必要であります。これら高速道路、広域幹線道路さらにはアクセス道路などを効果的に結ぶことにより、道路の持つ多様な社会的機能を発揮させ、地域に活力と交流を生み出すことになります。東日本大震災で、災害時の高速道路の役割や日本海ルートの重要性が見直されたことを契機に、県内道路整備は著しく進んでおります。

　　都市基盤の整備充実については、山形上山から東根間27.1キロにつきましては平成14年９月に供用を開始され、現在施工中の東根～尾花沢間23.3キロの施工は平成10年12月に施工命令が出ており、平成18年には日本道路公団の民営化に伴い、新直轄方式で鋭意工事中であります。

　　そこで１点目、高速道路交通網の整備促進でありますが、東北中央自動車道　東根～大石田村山間及び（仮称）東根北インターチェンジの進捗状況は。また、今後の見通しについてお聞きをしたいと思います。

　　２点目であります。あわせて高速道路に接続する道路、一般県道東根長島線、主要地方道寒河江村山線などの整備につきまして、広く市民にお知らせをしたくお聞きをするものであります。

　　３項目、広域幹線道路の整備について。山形県道路中期計画についてでありますが、平成22年度に県は今後10年間の道路整備、道づくりの方向性を示した中期計画を策定しております。この中には人口減少社会の到来、道路などの公共事業の縮小、当時細切れの高速道路などの状況、課題を踏まえ、最優先、選択集中という選択の視点を取り入れました。おくれている高速道路、地域高規格道路の整備とネットワーク化、緊急輸送道路の強化とともに橋梁の長寿命化、県民と協働による維持管理を重点的に進めることと強調しました。東根市としても、重要事業として要望している広域道路の整備促進の中、西回り道路として位置付けられております路線、主要地方道山形天童線の整備状況についてお聞きをいたします。

　　４項目、道の駅についてであります。道の駅とはご案内のとおり道路利用者のための休憩施設、道路利用者が地域の方々のための情報発信機能、そして道の駅をきっかけにまちとまちが手を結び、活力ある地域づくりをともに行うための地域の連携機能、これら三つの機能をあわせ持つ休憩施設と心得ております。平成28年10月現在、全国で1,107駅が登録され、そのうち県内では20駅、近隣市町を見れば国道287号沿い、河北、国道13号沿い、村山、天童温泉、尾花沢の４駅があります。私はこの議場で、三度ほどこの道の駅について、現在の国・県の動きに合わせた本市の取り組み状況についてお聞きをしております。

　　そして、この度、振興実施計画第50号への計上、今議会への上程されている平成29年度予算案へも、事業実施に向けた基本構想策定についての関連予算が計上されております。これまでの答弁の中では、既存の産直施設の道の駅とする構想を山形県に対して示しているとのことでありますが、全国に目を向ければ各地方自治体が生き残りをかけ、知恵を出し合って成功している例が多数あるようです。そこで、現在の国・県の動きに合わせた本市の取り組み状況を改めてお聞きをするものであります。

　　５項目であります。東根市産業創出基本計画についてであります。基本計画に基づく工業団地造成計画ですが、昨年３月に東根市工業用地開発促進調査の策定内容の説明を受けましたが、東根市振興実施計画第50号において、当該計画における工業団地造成箇所の核となる市道整備につきまして未計上であり、これに係る平成29年度予算案につきましても計上されておりませんです。平成29年度からの整備上計画はないものと判断しておりますが、今後はどのように整備に取り組むことになるのか、工業団地整備に関する考えをお聞きいたします。

　　６項目、国道48号の整備促進についてであります。事前通行規制区間の回避に向けたバイパス化の整備についてでありますが、本県の横軸道路は庄内と内陸、隣県との交通連携を支え、災害時には救援物資輸送などの機能になる重要な路線であります。特に本市を通る国道48号につきましては、東根と仙台を１時間ほどで結ぶ大動脈であります。仙山交流を進める上においても重要な県庁所在地同士を短時間で、また直近で直接結ぶ一般国道であります。しかし、豪雪の影響で頻繁に通行止めが発生するなど脆弱であるため、信頼性の高い道路としての整備が求められている状況にあります。連続雨量が180ミリを超えると事前通行制限が実施され、規制が始まった昭和45年以降、これまで14回の通行止めが発生しているそうであります。平成27年９月の豪雨も記憶に新しいところでありますが、31時間もの通行止めの規制が行われ、県民生活の産業活動に大きな影響がありました。最近は国ではストック効果という言葉をよく用いますが、これは整備された社会資本が機能した、継続的に発揮される生産性向上、年間投資の拡大や安全・安心の効果だそうであります。まさにこの国道48号はそういった国の施策にも的を射た路線であります。

　　土田市長は、機会ある度に、国道48号の防災対策の重要性と事前通行制限の解除に向けた県境部分のバイパス化を訴えております。そこで事前通行規制区間の回避に向けたバイパス化の整備について、今後の見通しを含めお聞きをします。

　　以上で登壇での質問を終わります。

○秋葉征士議長　10番加藤信明議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。

　　　〔土田正剛市長　登壇〕

○土田正剛市長　平成会、加藤信明議員のご質問にお答えをいたします。

　　はじめに、山形空港の運航充実と利用拡大についてであります。山形空港札幌便の再開につきましては、今年度策定の本市の重要事業にも掲げ、航空会社や国・県に運航の再開を要望してまいりました。この活動が実を結び、昨年12月に山形空港札幌便が６年半ぶりに復活するとの発表があったところであります。これは本市の要望活動に加え、関係機関・団体とともに空港の利用拡大に取り組み、各路線の搭乗率が順調に回復している結果がもたらしたものと捉えております。東根市山形空港利用促進協議会を通して、再開記念の格安ツアーパックを企画したところ、たちどころに申込みが定員に達するなど順調な滑り出しを見せております。今後は山形空港利用拡大推進協議会においても、札幌便の利用拡大に向けた取り組みについて働きかけを行ってまいりたいと考えております。

　　山形空港からの路線が再開したことにより、北海道までのアクセスが向上したことは観光面等に大きいものがありますが、当路線は寒冷地と寒冷地を結ぶ路線であるため東京便、名古屋便に比べ利用対策を講じにくく、特に冬場の落ち込みが懸念されるところであります。運航の再開とともに、冬場の利用の底上げ対策にも力点を置き、まずは当路線の維持、定着に向けて関係機関・団体と連携しながら空港所在市として強力に利用拡大を図ってまいりたいと考えておりますのでご理解をお願いします。

　　次に、ＭＲＪパイロット訓練施設の誘致についてであります。旅客機のパイロットは機種ごとに免許が異なり、フライトシミュレーターも機種ごとに設置する必要があります。現在、各航空会社のフライトシミュレーターは羽田空港周辺に集中しており、大規模な自然災害が発生した際には、そのほとんどが機能停止に陥ることも想定されるものであります。現在、国産初のジェット機であるＭＲＪの開発が進められておりますが、当該シミュレーターを羽田から分離することで大規模な機能停止のリスク回避を図るとともに、東根市に誘致することで本市における大きな地域振興、地方創生につなげてまいりたいと考えております。これまでも国・国会議員等々に働きかけを行ってきたわけでありますが、なぜ東根市山形空港周辺かと申し上げれば、議員もご指摘のとおり、まずは東京羽田空港周辺にフライトシミュレーターが集中していること、しかしながら今後30年間の間に大規模地震の発生可能性というものが、震度７以上を発生する可能性が70％あるということ。そしてまた西側の方も東南海トラフということも考えれば、東北・北海道方面において東京と羽田と一番近い位置に東京便が、しかもあるということでは山形空港唯一であります。そして名古屋便も飛んでいるわけであります。ＭＲＪはご案内のとおり、名古屋の豊山町にあるわけであります。そういうことから立地的な優位性というものがまず第一に考えられること。

　　そしてまた千年に一度と言われる東日本大震災において、仙台空港が壊滅的打撃を受けたわけでありますが、その間に仙台空港の代替機能を果たしたのが山形空港であることがご案内のとおりであります。そういう理由からも立派に山形空港周辺に誘致をするということは、自明の理だと私は思っているわけであります。したがって機種ごとにフライトシミュレーターがつくられることは間違いないわけでありますから、今後とも関係機関に強力に山形県の東根市をアピール今後ともしていきたいと思っている次第であります。

　　次に、高速道路の整備促進についてであります。はじめに、東根インターチェンジ、大石田村山インターチェンジ間と（仮称）東根北インターチェンジの進捗状況と今後の見通しについてであります。東根～大石田村山間については、これまで用地の一部未買収や軟弱地盤による工事のおくれなどから、「完成に向けた事業実施の環境が整った段階で確定予定」と明確な供用開始の時期が示されていない状況にありましたが、用地取得については、今年１月上旬までに全て完了したところであります。

　　また、本年度の工事の進捗状況につきましては東根～尾花沢間における本年度当初予算は67億4,000万円と計上となっておりましたが、その後２次補正、３次補正で33億7,000万程度増額され、総額約100億円程度の予算で橋梁工事、改良工事、舗装工事などが進められており、着実に事業の進捗が図られているものと捉えているところであります。このようなことから、現在の進捗状況は事業費ベースで約８割の進捗となっているところであります。この度用地取得の課題が解決され、事業実施の環境が整ったことから、東根インターチェンジ、大石田村山インターチェンジ間の開通予定についても来年度には公表されるのではないかと期待しているところであり、遅くとも2020年の東京オリンピック前に供用開始され、インバウンド効果の恩恵が受けられるよう国等の関係機関に強く要望してまいりますのでご理解をお願いいたします。

　　また、（仮称）東根北インターチェンジの開通見通しについてでありますが、高速道路の本線同様、供用開始の時期が示されていない状況にあります。今後本線に合わせた供用開始が図られるよう要望してまいりますのでご理解をお願いいたします。

　　次に、高速道路に接続する道路網の整備についてでありますが、国道13号と（仮称）東根北インターチェンジを接続する道路として、一般県道東根長島線、主要地方道寒河江村山線が山形県施行で整備が進められております。東根長島線の宮崎地区の国道13号交差点から長瀞西部地区の寒河江村山線までの区間については、昨年６月に全線開通したところであります。また、現在、寒河江村山線につきましては、松沢地区の（仮称）東根北インターチェンジ周辺の道路改良工事や松沢橋の架替工事が進められており、平成29年度の供用開始を予定しておりますのでご理解をお願いいたします。

　　次に、広域幹線道路の整備状況についてであります。主要地方道山形天童線は山形空港へのアクセス道路として、また国道13号の代替道路として位置付けられており、地域の利便性の向上のみならず、東根～山形間などの所要時間の短縮を目的として実施される事業であります。このため、県において平成24年度より交通解析等の調査事業に着手し、平成28年度は所管事務所を村山総合支庁本庁舎に移し、事業採択に向けた費用対効果等の調査事業を実施しているところであります。県の新年度予算には、地質調査や橋梁予備調査費が計上されており、新年度から本格的な事業着手が図られるものと捉えております。今後も円滑な事業の進捗と早期完成に向けた要望活動を実施してまいりますのでご理解をお願いします。

　　次に、「道の駅」の整備を見据えた国・県の動きに合わせた本市の取り組みについてであります。国は高速道路無料区間における交通事故防止対策として、休憩施設に道の駅設置を認める方針を平成26年度に示しておりますが、具体的な整備方針は未だに示されていない状況にあります。

　　一方、県におきましては平成28年３月「やまがた道の駅ビジョン2020」を公表し、基本目標の中で2020年の東京オリンピック開催までに県内の道の駅の数を現在の18駅から30駅程度に増設し、休憩機能や情報発信機能、地域連携機能の強化を図るとともに、食や観光など本県の強みを生かした道の駅の整備・活用による観光振興や産業振興により、やまがた創生に資することを掲げております。

　　本市は県のビジョンを受け、道の駅設置箇所について庁内で検討を重ね、東根市農協の産直施設、「よってけポポラ」周辺を選定したところであります。当該箇所は、政令指定都市の仙台市からの玄関口であり１日7,000台を超える交通量が見込まれるものであります。また、よってけポポラは年間48万人以上の集客があるとともに12億円を超える東北一の販売額を誇る産直施設であり、周辺にはあそびあランド、グラウンドゴルフ場、パークゴルフ場など大森山公園の各施設が隣接しております。これらそれぞれの施設が持つ魅力を生かし、また道の駅が有する機能と相乗効果が図られ、新たな拠点施設としてのにぎわいの創出が期待されることから、よってけポポラ周辺を選定したところであります。

　　また新年度におきましては、基本構想策定の中で整備手法や運営方法をはじめ情報発信機能、地域振興機能、地域防災機能など様々な可能性について東根市農協をはじめ各種団体の協力を得ながら、道の駅の基本構想策定の中で検討してまいりますのでご理解をお願いします。

　　次に、東根市産業創出基本計画についてであります。工業団地の整備につきましては、平成26年度の東根市工業用地開発促進調査に基づき、平成27年度に東根市産業創出基本計画を策定したところであります。本計画では大森西工業団地北側を適地と定め、従来型の面的整備ではなくアクセス道路のみを整備し、オーダーメイド的な団地にしていくことで議会にも説明申し上げ、理解を得たところであります。

　　これは、調査対象の、県内及び仙台市内の製造業を中心とした約1,200社の企業を抽出したアンケートで東根市に立地の可能性があると答えた企業が県内のみで15社あり、その中で具体的に立地を決めている企業はなかったことと、また平成27年度末において県内の近隣自治体における企業充足状況が低かったことを鑑み、未分譲リスク等をも考慮した判断であったところであります。

　　さらには本市の道路整備事業につきましては、多様な市民ニーズに応えるべく計画的に進めているところであり、本道路の整備は市民の利便性や優先度からして緊急性の高いものではないと判断し、振興実施計画第50号に盛り込むことを見送ったところであります。また最近の報道等によりますと、隣接市での一部の工業団地が完売したようでありますが、市内からの移転がほとんどであり、海外経済や為替の動向が不透明であることから先行きには慎重で、新規進出を促すまでには至ってない現状であると認識しているところであります。このような状況から平成29年度予算に計上しないと判断したものであります。

　　しかしながら、本市の勢いを持続していくためには商工業の活況が不可欠であることから、将来の企業立地につなげていくために、国際情勢や経済動向、さらには今後の具体的な企業進出の動き等を注視していくとともに、財政バランスを考慮しながら整備時期を見極めてまいりたいと考えておりますのでご理解をお願いします。

　　次に、一般国道48号の事前通行規制区間の回避に向けたバイパス化の整備についてであります。国道48号は、休日の交通量が１日１万台を超える太平洋側と日本海側を結ぶ物流、観光等における大動脈であり、また仙山交流に果たす役割も大きいこと、さらには東日本大震災の教訓から災害に強い強靱な道路整備が望まれているところであります。

　　しかしながら、平成26年、27年の２年連続の雪崩の発生による通行止めや、昨年の豪雨による通行止めなど住民生活や観光、経済活動に大きな影響を及ぼす事態が発生している状況にあります。雪崩発生箇所の対策工事につきましては、平成27年度までに完成しておりますが、関山除雪ステーションから作並除雪ステーションまでの区間12キロメートルにおける事前通行規制の解除に向けた抜本的な課題は依然解消されていない状況にあります。このため仙台市、天童市、東根市で組織する国道48号道路改良整備促進協議会では、大雨等による事前通行規制の解除に向けた調査・検討、交通安全施設の整備促進や線形の改善などについて、国土交通省東北地方整備局に強く要望している状況にあります。今後2020年の東京オリンピックが終了し、人件費や資材単価の高騰が一段落した時点で本格的な調査・検討事業に着手いただき、早期完成に向けた要望活動を粘り強く実施してまいりますのでご理解をお願いいたします。

○秋葉征士議長　10番加藤信明議員。

○１０番（加藤信明議員）　質問席での質問を続けます。山形空港の運航、休日等利用拡大についてであります。

　　１点目、札幌便の搭乗率アップに向けた振興策などわかりました。札幌便につきましては、北海道との行き来はこれまで仙台空港経由でコストもかかり、利便性が悪かったわけであります。アクセスが向上することは大きなメリットでありまして、企業活動はもちろんであります。観光、それに答弁で申された冬場の底上げ対策、それにインバウンド利用促進にも力を注いでいただきたいと思います。

　　私の知る限りでは、東根市山形空港利用促進協議会はこれまで本市独自の取り組みとして、東京便と名古屋便に対し、ソラ旅ツアーを実施してきたほか、グループ助成とか企業研修旅行への助成、修学旅行への助成などを行ってきたわけであります。さらには東京便・名古屋便を使って東根市に来ました方、来市された方には市内にある宿泊施設を利用した方への助成なども行ってきたわけであります。札幌便に対しましても積極的な取り組みをお願いするわけであります。と同時に、山形空港利用拡大推進協議会におきましても各種利用助成はもちろんのこと、サポーターズクラブや就航先での観光キャンペーン活動などきめ細かな対応をされてきたわけでありますので、札幌便につきましても路線の維持・定着に向けた利用拡大を強く要望いたします。

　　２点目のＭＲＪパイロット訓練施設の誘致であります。市長の申されたとおりだと私も思っております。安定した雇用の確保、さらには新規産業の創出の中、次世代型産業として東根市総合戦略にも掲げております航空機産業があります。今後の動きを注視していただき、山形空港建設市にぜひ東根市に誘致を願うものであります。要望して次に進みます。

　　高速道路の整備促進についてであります。ただ今、市長より、事業の進捗、開通の見通しなどについて説明がありました。理解をいたします。

　　次に、広域幹線道路の整備促進についてであります。

　　西部地区悲願の道路であります山天線、山形天童線がいよいよ新年度から着手されるとのことで、大変喜んでおります。市当局はもちろんのこと、山形県そして関係機関の皆様に感謝を申し上げます。事業完成時には、山形市や天童市、さらには山形空港を結ぶアクセスとして、また河北町や東北中央自動車道インターからの国道13号、287号、天童西部、さらには東根中部地区への商業地区を結ぶアクセスとしての利用が増え、交通量の増加が予測されるとともに、西部地区の活性化にも大いに期待がされる路線であります。西部地区悲願の道路であります。

　　一方、交通量の増大に伴う不安もあります。これは、山形天童線の整備に伴う既設市道との交差点、大富中学校のグラウンドの西側なわけですけれども、個々の安全対策や通学路の安全対策であります。道路整備は山形県が主体となって実施することになるわけですが、大富地区の安全対策は地元市の東根市を中心として行わなければならないと思います。山形天童線道路整備に合わせた交通安全対策など、今後の市の対応につきましてお聞きをいたします。

○秋葉征士議長　東海林建設部長。

○東海林克彦建設部長兼水道部長　山形天童線、道路整備に合わせた交通安全対策など、今後の市の対応についてお答えいたします。

　　山形天童線の整備に伴い、既存市道との交差点改良や通学路の安全対策など、様々な課題が予想されるところであります。このため道路設計の段階から、事業主体であります山形県と既存市道との取り付けや交通安全対策などに対し、十分な打ち合わせを実施するとともに事業説明会など開催し、地元の地域の皆さんとのご意見、ご要望を反映していきたいと考えておりますのでご理解をお願いいたします。

○秋葉征士議長　10番加藤信明議員。

○１０番（加藤信明議員）　わかりました。ぜひ事業に合わせた安全対策も重ねて要望して、この質問を終わりたいと思います。

　　次に、道の駅についてであります。現在の動きにつきましては、理解をいたしました。本市でも、いよいよ道の駅整備が動き出すとのことであります。市民も農業振興や産業振興、さらには観光振興など新たな地域振興施策として大いに期待をしているところであり、また、大きな関心を持っております。そこで、新年度の道の駅の基本構想の具体的な進め方につきましてお聞きをしたいと思います。

○秋葉征士議長　東海林建設部長。

○東海林克彦建設部長兼水道部長　新年度に進められます「道の駅」基本構想策定の具体的な進め方についてお答えいたします。

　　基本構想策定にあたっては、「道の駅」の整備手法、運営方法をはじめ、様々な機能の可能性について検討を進める予定であります。このため、「よってけポポラ」の運営団体である東根市農協をはじめ、商工部門、観光部門、農林部門の各団体、また学校、消防など幅広い団体からいろいろな意見をいただきながら、基本構想の策定を進めていきたいと考えておりますのでご理解をお願いいたします。

○秋葉征士議長　10番加藤信明議員。

○１０番（加藤信明議員）　新年度の施政方針には、よってけポポラの持つ魅力を生かし、また、道の駅が有する機能との相乗効果が図られる、新たな交流拠点の整備を検討していくとあります。幅広い意見を聞きながら基本構想の策定を進めていくとのことであります。理解をいたしました。

　　次に、東根市産業創出基本計画についてであります。基本計画に基づく工業団地の造成計画ですが、道路整備につきましては、緊急性が低いかもしれませんけれども地方創生の実現のためには、雇用は重要なものであると思いますし、ロボット産業や航空機等の次世代型産業を速やかに誘致する必要があると考えます。将来的には、工業団地は必ず必要となるものであることから、企業のニーズに合わせたオーダーメイド型の工業用地といった柔軟性を持った対応を検討していただきながら、場所の確保についてはいち早く取り組むことを望むわけであります。くわえて、私の考えでありますけれども、１項目めで申し上げましたＭＲＪパイロット訓練施設については、市の中心部に近く、また、宿泊地や飲食にも利便性の高いこの大森工業団地北側が最適地と思われますので、なお一層の取り組みをお願いするわけであります。これは要望であります。

　　終わりになりますけれども、一般国道48号の事前通行区間の回避に向けたバイパス化の整備についてであります。市長から早期完成に向けた重要事業ということで、粘り強く実施していくということで強い信念が示されたところであります。私は、計画が定まり着手をすれば予算と時間が問題であると認識をしております。ぜひこの調査・検討事業に着手いただくことを国道48号道路改良整備促進協議会として頑張っていただきたいと思います。

　　最後に、市長の熱き思いをお聞きいたしまして、質問を終わりたいと思います。

○秋葉征士議長　土田市長。

○土田正剛市長　本市は、この度の国勢調査でただ一つ山形県内で人口が増えたところであります。しかし、これを今後持続的に発展をさせていくためには、私は国道48号のより高速化ということが大切だと認識をしております。そういう前提で私はこの運動に取り組んでいるわけであります。事前通行止め区間の解除ということで、12キロ区間ということを申し上げましたけれども、それとは別個にこの仙台駅と山形駅の県庁所在地の二つの都市を、この８キロ圏内で結ぶ地域というのはここしか私はないと思っております。その中で、国道13号と48号が山形駅まで供用しているわけであります。実質この高規格化道路ということでは、天童の13号との交差点から仙台駅までとなるわけであります。しかし、この最終的に地域高規格化道路ということで、今後とも旗を掲げながらやっていくわけでありますけれども。

　　しかし、今これに着手するということになれば数千億の世界でもあるわけであります。仙台市の今取り組んでいる東日本大震災復興をはじめとして、プロジェクトが山積みをしているわけであります。したがって、必要性はないとは言わないけれども、なかなか西側の方に目を向けてくれないという現状の中で、私は苦肉の策としてかつての笹谷、山形横断道路ですね。笹谷峠を開発したときに最初はバイパスで笹谷トンネルを掘り、そして、その後に高速道路の区間に供用されたわけであります。よく私は歴史に学べということを申し上げますけれども、そういう意味ではこの48号も行く行くは高規格化道路ということは、旗はおろさないまでも、まずは12キロ区間をいわゆる標高差が一番高い、雪崩も二度発生している、あるいは連続降雨量が180ミリ以上降った場合の事前通行止めというものも全てその12キロ区間に凝縮されているわけであります。したがって、そのバイパスということでトンネル化で12キロ区間を、まあ弾丸道路ですね。それをつくってもらうということで、この議会でも私は披瀝をさせていただきましたけれども、ようやくその私の考えをある一定の評価はしていただいて、その事務局が担当しているのは仙台市であります。したがって、毎年、天童市・東根市と３市で東北地方整備局に要望しているのは事務局が、仙台市が担当しているわけであります。初めてその前文に中期・長期的にバイパス化も含めて、検討せられたしという文字を去年初めて提示をされたわけであります。

　　ここを一歩といたしまして、これから先ほど登壇でも申し上げましたとおり、いずれにしましても実現化に向けて今後努力をしていかなきゃいかんなと。しかも、山形市もその人口30万人という都市構想をぶち上げているわけであります。これは、前提条件として仙山線を現在、仙台駅から愛子駅までピストン輸送をしているわけでありますが、それを山形駅まで持ってくる、その高速化が実現した場合には30万人構想ということで、今から５万人の人口増というものを目指しているわけであります。私ども、48号もその12キロ区間をよりトンネル化で結ばれた暁には、やはり仙台市民をこの東根市の方に誘導できるのではないかと。そうすることによって、人口が唯一伸びている東根市をさらに持続的に発展させることが可能であると。そういう問題意識のもとに、今後とも粘り強く活動していきたい。このことを申し上げてご理解をお願いするものであります。

○秋葉征士議長　以上で、ご了承を願います。

　　◎散　　　　　会

○秋葉征士議長　以上で、本日の日程は全部終了しました。

　　本日はこれで散会をします。ご苦労さまでした。

　　　午後　４時１８分　散　会