平成２８年１２月５日　午前１０時００分　開　議

　　　　　　秋　　葉　　征　　士　議長　　　　　　　浅 野 目　　幸　　一　副議長

◎出席議員（１８名）
　１番　　　片　　桐　　勝　　寿　議員　　　　　　　２番　　　山　　科　　幸　　子　議員
　３番　　　高　　橋　　鉄　　夫　議員　　　　　　　４番　　　白　　井　　健　　道　議員
　５番　　　河　　村　　　　　豊　議員　　　　　　　６番　　　原　　田　　利　　光　議員
　７番　　　髙　　橋　　光　　男　議員　　　　　　　８番　　　細　　矢　　俊　　博　議員
　９番　　　今　　野　　　　　孝　議員　　　　　　１０番　　　加　　藤　　信　　明　議員
１１番　　　阿　　部　　綾　　子　議員　　　　　　１２番　　　髙　　橋　　ひ ろ み　議員
１３番　　　清　　野　　貞　　昭　議員　　　　　　１４番　　　森　　谷　　政　　志　議員
１５番　　　佐　　藤　　　　　直　議員　　　　　　１６番　　　清　　野　　忠　　利　議員
１７番　　　浅 野 目　　幸　　一　議員　　　　　　１８番　　　秋　　葉　　征　　士　議員

◎欠席議員（なし）
◎説明のため出席した者の職氏名
土　田　正　剛
市　　　　　　長

石　山　泰　博
教　　育　　長
武　田　庄　一
選挙管理委員会
委　　員　　長

小　林　文　雄
代表監査委員
工　藤　喜惠治
農業委員会会長

芳　賀　利　郎
消　　防　　長
間木野　多加志
副　　市　　長

髙　橋　　　昇
総　務　部　長
斎　藤　吉　則
市民生活部長

梅　津　佳　之
健康福祉部長
石　垣　裕　之
経　済　部　長

東海林　克　彦
建　設　部　長
兼 水 道 部 長
網　干　　　賢
会計管理者

古　谷　利　明
教　育　次　長
芦　野　耕　司
総合政策課長

高　橋　重　俊
庶　務　課　長
併選挙管理委員会
事　務　局　長
石　垣　和　彦
財　政　課　長

半　田　　　薫
監　査　委　員
事　務　局　長
菊　地　仁　志
農 業 委 員 会
事　務　局　長





◎事務局職員出席者職氏名
片　桐　　　崇
事　務　局　長

牧　野　美和子
事務局長補佐
井　上　正　宏
議事主査
兼議事係長

辻　村　　　充
副　　主　　任
松　山　朋　美
主　　　　　事

早　坂　　　康
兼　務　書　記
早　坂　康　弘
兼　務　書　記


◎議　事　日　程

　議事日程第２号
　　　　　　　平成２８年１２月５日（月）　午前１０時　開　議

　日程第　１　　市政一般に対する質問
　　　　　　　　１　１６番　清　野　忠　利
　　　　　　　　２　　９番　今　野　　　孝
　　　　　　　　３　　２番　山　科　幸　子
　　　　　　　　４　　４番　白　井　健　道
　　　　（散　　　　　会）


◎本日の会議に付した事件

　議事日程第２号に同じ。



平成２８年東根市議会第４回定例会一般質問発言通告書

番 号
質 問 者
質 問 事 項
質 問 要 旨
答 弁 者
１
清野　忠利
議　　　員
１．農業政策について
１．昭和46年に実施された米の減反政策が45年目を迎え、今年は農家の努力により、全国で米の生産数量目標を達成した。そのような現状の下、平成30年度から米の生産調整が廃止されることから、以下の点について伺う。
　（１）生産調整の現状と今後の状況について伺う。
　（２）過剰米対策として、農協、業者に加え、行政も関わらなければならないと思うが、市の考えは。
市　　　長




番 号
質 問 者
質 問 事 項
質 問 要 旨
答 弁 者
２
今野　　孝
議　　　員
１．介護保険について
１．新しい総合事業への移行について
　　平成26年第４回定例会において、新しい総合事業への移行に当たって、介護サービスの質や量の低下を招くことのないように検討を進めているとの答弁をいただいております。移行まで４カ月を切ったこの時期に、２点お尋ねいたします。
　（１）移行に向けた作業の進捗状況はどうか。
　（２）市民や事業者等への周知についてはどう考えているか。
２．特別養護老人ホーム入所待機者について
　　今年度の調査によれば、県内の多くの市町村の特養待機者数が、前回調査（平成25年）より減少しております。しかし、本市の減少幅はそれほど大きくありません。そこで、特養待機者にかかわって、２点お尋ねいたします。
　（１）本市の待機者数の推移はどうなっているか。
　（２）待機者が解消しない背景をどう捉えているか。
市　　　長



２．子どもの貧困について
１．親の学歴と子どもの貧困について
　　㈱地方議会総合研究所が主催する「子どもの貧困格差問題集中講座」に参加し、親の学歴が子どもの貧困に大きくかかわっていることがわかりました。そこで、本市の中学卒業生の進路にかかわって、２点お尋ねいたします。
　（１）本市の高校進学率の推移はどうなっているか。
　（２）高校中退の実態は把握できているか。
市　　　長
教　育　長


番 号
質 問 者
質 問 事 項
質 問 要 旨
答 弁 者
３
山科　幸子
議　　　員
１．国民健康保険について
１．国民健康保険法の改正に伴い、2018年度より運営主体が市から山形県に移管される。国民健康保険法は市民の生活に直結するため、次の点について伺う。
　（１）県へ移行することにより、国民健康保険制度はどのようにかわるのか。
　（２）現在の移行状況と今後のスケジュール、市の予定業務について
　（３）市の国民健康保険財政が逼迫している中、事業運営と財源の確保はどうか。
市　　　長
２．きめ細やかな市政について
１．東根市総合計画 基本計画第１章「だれもがやすらぎと充実、しあわせを実感できるまち」実現のための取り組みについて伺う。
　（１）公共施設の整備充実について
　（２）交通網の充実について
市　　　長
４
白井　健道
議　　　員
１．交通安全対策について
１．最近、通学をしている小学生の列に車両が衝突する事故が続いています。歩行者側が気を付けていても、また、自分自身が安全運転をしていても危険運転車両の巻き添えとなる危険性は常にあります。
　　このような中、歩行者優先、安全な速度での走行など、運転マナーの向上が重要と考えますが、本市の取り組みについて伺います。
市　　　長
教　育　長
２．歯と口腔の健康づくり推進状況について
１．厚生労働省の調べでは、日本人の成人80％が歯周病にかかっているとされています。歯周病は全身の健康状態と大きく関係しており、糖尿病や動脈硬化、胎児の早産、低体重児など、全身のさまざまなところに影響を及ぼすことが分かっています。
　　したがって、歯を健康な状態に保つことは、その他の病気の併発を防ぐなど、人々の健康な暮らしの基本といえます。
市　　　長


番 号
質 問 者
質 問 事 項
質 問 要 旨
答 弁 者



　　一方、歯周疾患検診などの受診率が低いことや未就学児の親の無関心さなどがあるとも言われています。
　　歯と口腔の健康は、市民の健康増進のひとつとして、重要な施策であると認識していますが、本市の取り組みについて伺います。

３．行政サービスの効率化のための数値データの活用について
１．これからの自治体経営には数値に基づいた施策の展開がますます必要となっており、実証的な証拠に基づく施策（ＥＢＰ；エビデンスベースドポリシー）が注目されています。
　　まち・ひと・しごと創生総合戦略でも、客観的データに基づき、実情分析や将来予測を行うと明記されており、ＫＰＩ（Key Performance Indicator）などが導入されており、実施に際してはＰＤＣＡサイクルが求められています。
　　そのような中で、基本構想、基本計画、振興実施計画、個別の行政計画間の整合性（ロジカルフレームワーク）が図られていることが、モニタリング、評価には欠かせません。
　　また、議会の決算審査において、各事務事業の効果検証のため、実績値を予め把握していることが必要です。
　　これらを踏まえ、以下の２点について伺います。
　（１）計画策定時におけるロジカルフレームワークの整合性
　（２）決算審査に資する実績値の見える化
市　　　長





　　◎開　　　　　議

○秋葉征士議長　皆さん、おはようございます。本日の会議に、欠席及び遅刻の届け出はありません。したがいまして、出席議員の数は18名で定足数に達しておりますので、これから本日の会議を開きます。
　　本日の会議は、議事日程第２号によって進めます。

　　◎市政一般に対する質問

○秋葉征士議長　日程第１　市政一般に対する質問を行います。
　　質問は通告順としますが、発言順番を迎えたときに議場にいない場合は発言権の放棄とみなしますので、そのようにご了承願います。

　　◎清野忠利議員質問

○秋葉征士議長　はじめに、１６番清野忠利議員。
　　　〔１６番　清野忠利議員　登壇〕
○１６番（清野忠利議員）　皆さん、おはようございます。１６番の清野でございます。今日最初の質問ということで、ちょっと緊張しております。農業政策についてこれからお伺いします。通告に従って質問をいたします。
　　先日の新聞報道によりますと、国は、平成30年度の生産調整の割り当てを県の方に配分しております。これを見ると平成30年度から廃止される減反方式なんですけど、山形県には、ほぼ同等の生産調整が出てきていると思います。若干少なくなっているような現状でございます。
　　その中で、平成30年度からは、飼料米を軸とした産地自主的な生産調整に変わっていきます。国は平成30年度以降の米政策のあり方を来年に議論するということを言っておりました。ところが、今年の参議院選挙の結果でありますけど、米政策の不安から政府は苦戦しまして、前倒しとして今年から始まっております。そんな中では、平成30年からの生産調整を見直し、減反を堅持すると言っておりますが、見直しの中心は飼料米を軸としたものであります。ところが、財務省は飼料米が増加すると大きな予算を編成しなくてはならないということで、逆にこれを財務省としては見直ししなくてはいけないという新聞報道がありました。
　　今の助成制度は、長続きしないという不安があります。生産者が安心して生産調整に賛同し、飼料米や、その他の作物が耕作できるように、市、農協が対策を検討するべきである。市としてどのように考えているのかお伺いします。
　　平成30年産から米の直接支払交付金、10アールあたり7,500円を廃止すると同時に、減反を廃止という言葉がひとり歩きしております。生産者にわかるように着実な生産調整が必要であると思います。地域農業の存続と国土を守るための必要条件であります。つくる自由、売る自由だけが横行すれば全体の価格の水準が下がり、地域農業は沈没し、国土の保全は守れなくなります。ここで大きな焦点は平成30年度の国からの減反配分はなくなるのですから、市、農協、地域で、どう着実な生産調整を実施し、水田農業を確立するかが、行政、農協、生産者の決断であります。
　　しかし、米の需要について言えることは、高価格のブランド米を購入する消費者がいる一方、業務用等を中心に低価格の需要が増加するなど、その用途や販売先等によるニーズは多様化しております。ブランド米については、山形県におけるつや姫にも言えることです。需用に対応した米づくりが必要です。
　　農業人口が減り、農業従事者の高齢化で耕作放棄の拡大等の課題を解決するため、平成25年度に農林水産業・地域の活力創造プランを国は取りまとめました。私はこのプランを新たな農業・農村政策として受けとめており、四つの改革を位置づけたと認識しております。一つは農地の有効利用、農地の集積、集約化を加速させることです。二つには直接支払交付金やゲタ対策で一律の規模要件を外し、意欲のある農業者が参加できるようになっております。三つ目には、麦、大豆、飼料米等、需要のある作物を経営判断で選択することができることです。四つ目は、多面的機能の事業で、共同管理で農地、農村を守るようになっていることです。この四つの機能がうまく発揮されれば、将来的に明るさが出ると私は思います。
　　しかし、農家はいろいろ政策に従って、米の作付けをしてきたのであります。私も農業者でありますから、昭和45年に減反生産が発表になって、昭和46年から減反が始まり、一割減反ということで、あの昭和45年、46年は大きな衝撃を農家に与えました。そして、今度は通年施行になりまして全部田んぼがつくれなくなるという不安もありました。そんな中で、いろいろ農協と行政と話しまして、何とか一割減反から今では四割二分の減反までなっております。いろいろな問題が山積しても、この苦労を農家の人が耐えて、皆さん国民のために食料を提供してきたわけです。
　　そんな中で、この度の農業政策が変わろうとしているところであります。農家の不安がいっぱいであります。やはり、行政と我々と、また地域と一体となって一生懸命頑張って国民に応えるような、主食米ですから頑張らなければといけないと私は思っているんですけれども、市当局は来年度からの農業政策をどう考えてるのかお伺いして登壇の質問を終わりたいと思います。
　　以上です。
○秋葉征士議長　１６番清野忠利議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。
　　　〔土田正剛市長　登壇〕
○土田正剛市長　おはようございます。清野忠利議員のご質問にお答えをいたします。
　　米の政策につきましては、平成25年度に国において新たな農業政策として「農林水産業・地域の活力創造プラン」を策定し、平成26年度から水田農業に関する制度の見直しを図っているところであります。議員ご指摘のとおり、この見直しにおいて、平成30年産からの米の生産調整が廃止されるなど、農業政策の大きな転換が図られることになっております。
　　本市におきましては、生産調整が順調に達成されており、全ての水田面積に対する水稲作付に占める割合は約55％に減少しております。作付けを行わないこととなった水田の多くは、高収益が見込まれる果樹へ転換されておりますが、地区によっては依然として米に対する依存度が高く、基幹作物となっているため今後の需要動向を勘案しつつ、品質の安定化に取り組み、売れる米づくりを図っていく必要があります。
　　あわせて、農業従事者の高齢化、農家戸数の減少に伴い、作付けされない農地が拡大していることから、担い手の確保や環境に適した作物を作付けし、農地を有効に活用することが重要であると捉えております。
　　このようなことから、本市では地域の特色ある魅力的な産地を創造するため地域農業の設計図として東根市農業再生協議会において水田フル活用ビジョンを策定しており、作物ごとの作付予定面積、取り組み及び目標、産地交付金の活用方法を示しております。特に、食用米については、売れる米づくりの徹底により、品質の安定化に取り組むとともに、特別栽培等の減農薬栽培を活用した安全安心な作物生産に努めているところであります。
　　現在、市町村への生産数量目標の設定は、国の配分に基づき山形県米政策推進会議の意見を踏まえ山形県が行っており、平成30年産からの生産調整の廃止は、行政による生産調整目標に頼らず、生産者が需要に応じた生産を行うものであり、農業のあり方が大きく変わっていくことになります。
　　将来にわたり米の需要安定を図り水田農業を維持するためには、これまで同様に生産数量目標の配分を示すことが効果的であり、山形県では農業再生協議会水田推進部会にワーキンググループを設置し、平成30年度以降の米生産の推進方策の検討を行っていることから、今後、県の取組方針を踏まえて議論を深めてまいりたいと考えております。
　　また、米価の安定につきましては、全国的な需要バランスの見極めが不可欠であり、国への働きかけは必要であると考えております。
　　市といたしましては、国、県、関係団体との連携を図りながら、おいしく安全で安心な良質米の生産を支援してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○秋葉征士議長　１６番清野忠利議員。
○１６番（清野忠利議員）　今年の米の作柄は、今日も発表になっておりまして、また先般の新聞等にも発表になっておりました。作柄としましては、103のやや良となっております。それでも、今年は前渡金として約1,000円ぐらい米の価格が「はえぬき」でアップになっております。東根市農協の取扱いでは、今年は一等米の比率が91％です。昨年より１％ほど一等の比率が少なくなっている現況です。
　　数量も約４万俵で昨年より１万5,000俵ほど少ない状況でございます。これは、東根市の作柄はまだ発表になっていないんですけど、豊作とは言えない状況なのではないかなと私は思っております。やはり、この中で見ますと大体東根市では45％ぐらいの減反比率になっているんではないかなと私は認識しているところです。この作柄を見ますとね。農協の数量ですけど、１万5,000俵ほど少ない状況なんです。数量の適正な減反政策を守っているからであり、また平成30年度からは攻めの農業に対して、生産調整いわゆる減反政策が廃止されるわけですから、全国規模では毎年８万トンの米余りが続く状況です。今年は、今のところの予想ですと７万5,000トンぐらいということの発表もありました。この生産のバランスで価格の設定がされている現状ですから、長期的には経営が立ち行かなくなる危険もあると私は認識しております。
　　その中で米の直接支払交付金も廃止されます。そして今、先ほど登壇で説明したんですけれども、財務省には飼料米の補助についても削減を検討する状況です。何でかというと、飼料米は減反政策の一環として有利に運ばれています。それは、補助金が非常に大きいということで、生産コストから見れば主食米よりもずっと高くなっております。10アールあたりの生産の価格を見ますと11万から12万ぐらいになります。大体、そんな中ですから、飼料米が減反政策として来年からは、ちょっと変わってきて大きくなると思います。
　　このようなことでありまして、飼料米をどのように今後東根市として作付けをしていくのか。飼料米といっても牛、豚、鶏への飼料となっております。先般、牛の飼育者から聞いたんですけど、この飼料米を食べると肉質がいいんだそうです。そして、肉もうまいんだそうです。このような状況で、肉の需要も、変わってきております。前は、さしが入った牛肉が非常に高価でしたけど、今は、さしの方は若干入っているような赤身のある肉が好まれているんだそうです。そしてまた、鶏の方も子どもたちが、から揚げとか何とか言ってますけど、非常にこのから揚げの鶏の肉もうまいんだそうです。
　　ただ、残念ながら、牛、豚、鶏も東根は少ないんです。ただ、牛はまだ多い方ですけれども、鶏なんかは、ほとんどいないような東根の農業の形態であります。その辺、東根市として飼料米が増えたらどのような対策をとるかが今後の課題になってくるんではないかなと思います。恐らく生産者は飼料米をとの希望が大きくなってくると思います。そのような形になってくると思いますので、地域あるいは農地の解決のためにどのように考えていくのか、市のお答えを私も期待しているところでございます。
　　また、先ほどの登壇でも言いましたけれども、高齢化が進んでおります。後継者が不足していることが現状です。その中で我々農業をやっていても、今非常にコストのかかる農業です。大体、10アールあたり1万3,000円から1万6,000円ぐらいのコストがかかっております。１俵に対してですよ。だからその辺で、今の若い人に米を生産しなさいなんて、端的に認定農家やあるいは新規就労者にいってもなかなか増えてくるようなことはないと私は思っております。やはり収入があってこその農家であるとこれからも考えるべきだと思います。今後、米の政策をどのように市として考えているのか、ひとつ市長の決断のほどをお願いしたいと思います。
　　また、経営規模を大きくしようということで国の方でも言っております。そして集落営農も進めなくてはいけないということで国では方針を定めています。経営規模をただ単に大きくするだけでは私はコストの削減にはならないと思います。アメリカのように200町歩300町歩持っているような規模だったら経営コストが削減なると思うんですけど、そのような状況でもありません、日本の国土は。そのような観点から、日本の気象や国土のあり方を考えるとなかなか大変であると思います。やはり、日本型の農業のあり方を考えるべきであると私は思います。そしてまた、日本型と東根市の農業のあり方も考えながら今後、農業法人のあり方も考えなければならないと私は思っています。
　　今、農業法人は内陸では、そんなに進んでいないんですけれども、庄内では農業法人化は進んでおります。ただ、残念ながら農家が非常に困っているのは、行政、農協が余りにもタッチしていない状況なものですから、不安がっています。この辺は農協、行政もかかわってといいますか指導する立場に立っていただいてこの農業法人化をしまして、若い人が農業に目を向けられるような農業対策をやっていかなければいけないのではないかと私は思っているんですけれども、いろいろな問題あると思います。これから、行政も本腰入れて平成30年度からは計画をしていかないと、生産調整そのものも守れなくなってしまうし、米余りの現象にもなってくると思います。
　　やはり、地域における作付ビジョンの策定をし、具体的に農協、行政、あと農家と自立ができる体制をいかに整備するかが今後の大きな課題だと私は思っております。
　　農家の人は国土を守っているわけですから、その辺を考えながら、ある言葉にあります、オオカミがいないとウサギは繁殖しないということなんですね。やはり、農家のあり方というのは、この水田を守ってる、あるいは畑を守っている、山林を守っているということで、この四季に対応した日本型の農業ができるんではないかと私は思っております。
　　市としても、なかなか大変ですけど、技術面あるいは資金面もあるでしょうから、今後の市長としての東根市の農業の考えをどうあるべきかお聞かせいただきたいと思います。
　　以上です。
○秋葉征士議長　土田市長。
○土田正剛市長　今、清野議員から今後の稲作農家のあり方について幅広く現状を分析しながら、全く私はそのとおりだと思っております。
　　ただ、その中で１点、私の方から訂正させていただきたいなと。行政や農協が余りにもタッチをしてないという点については、いかがなものかなと思っております。
　　議員も既にご案内だと思いますけれども、今まで減反施策が始まってからこの方、農業再生協議会というものの会長を私自身が仰せつかっているわけでありますけれども、これについては、行政、農協、生産者団体等々、その他関係団体が一堂に会しまして、毎年毎年、２回の総会を経ながら、よりよい稲作農家のための問題としていろいろと議論を重ねているわけであります。その努力に対しては、私は感謝されてもいいんじゃないかなと思っております。
　　と同時に、平成30年産米から生産調整が行われなくなるわけでありますけれども、現在、私はその後も少なくとも本市の農業再生協議会というものは、平成30年産米の減反政策がなくなった後でも私は存続していきたいと思っております。そして今、先ほど登壇で答弁いたしましたけれども、本県の農業再生協議会の水田推進部会の中で、今ワーキンググループをつくって平成30年産米以降のこの本県の農業のあり方というものについて、特に米の作付面積等々に含めてですね、その後もいわゆる山形県が私は司令塔にならなければいけないと思っております。我々市町村の中でも少なくとも農業再生協議会というものを、各自治体とも持っているはずでありますけれども、それについては、恐らく全部存続の方向であると私は認識しております。と同時に、その司令塔になる役目が本県の農業再生協議会の現在ワーキンググループで論議をされている推進部会だと思っております。
　　したがって、従来のような、国が日本全体でどのくらいの減反が必要であるか、そしてその中において47都道府県の中でさらに細分化され、そして各市町村にという流れになっているわけでありますけれども、国の生産調整の数値目標というのは恐らく、今後はなくなるだろうと思っております。しかし、それをそのまま、先ほど清野議員の主張の中にもありましたけれども、作る自由、売る自由というもので、全く自由化になってしまえば、いわゆる価格の安定というものもなくなりますし、ひいては安定的な品質の確保というものも私は、なくなってくるんじゃないかなと。そういうふうな中において、強制力は持ちませんけれども、いわゆる県の司令塔役として、指導的な役割を果たしていかなければいけないんじゃないかなと思っております。ですから、行政が県も各市町村も、まるっきり手を引くということじゃなくて、いわゆる最低限の指導的な立場という役割分担というものはその後も私は残っていくものだと思っていますし、また残すべきだと私個人、思っております。
　　そういうふうな中において、先ほど財務省の見解というものが議員からご指摘あったわけでありますけれども、我々は財務省がどう言おうと、やはり飼料用米というのは安定的な農家の所得を確保するという意味でも私は絶対なくすべきではないし、またその飼料用米での先ほどの肉をはじめてとしてですね、いろんな効果があるということも踏まえれば、そこの中に昨今ＴＰＰがどうなるかわかりませんけれども、農林水産省も、いろんな意味で農家の代弁者ということで、その飼料用米についても、もちろん平成30年産の減反政策以降も全部なくならないわけであります。なくなるのは、米の直接支払交付金としての7,500円だけが廃止になると、その他の転作についての交付金というものは、飼料用米だけではなくて、いろんな大豆とかいろんなものについては、全部残るわけであります。作る自由、あるいは売る自由に任せきりではなくて、行政がそこに絡んでいくということは、今後とも私は必要なことであると思っております。
　　そして、大事なことは、清野議員も指摘あったようにですね、やはり、農業というのは単なる農業の問題に限らず、いわゆる、例えば荒廃農地が拡大すればするほど、やはり国土が荒れ放題になる。いわゆる国土の保全という役割の重要な部分を担っているということを考え合わせれば、やはり国土全体を守るという立場からするのならば、国の予算というものを効率ある予算配分を考えるならば、絶対に私は農地の集約あるいは確保というものは、今後さらに、今以上に大事になってくるんじゃないか。そういう意味では農地の中間管理機構、県がやっておりますけれども、ああいった貸し借りの問題も含めて今後どうしていくべきか。
　　大事なことは、その中で私は担い手をどうやって確保するのかということ、清野議員からも指摘ありましたように、この問題が一番私は今後大事なことではないかなと思っております。もちろん農業法人を入れていくというものも第一義的に考えられるわけでありますけれども、その中には私はですね、現在の農協も担い手という形の中でやっていくべきだというのが私の元来の持論であります。やはり、背広を着た農協の職員があるということについては、今後その担い手として農協自身が農業経営に一緒に参画していくという方策がとられてしかるべきなのではないだろうかということを私は申し上げさせていただいて、今後そういう問題についてもですね、積極的に関わっていかなければいけないなと思っております。
　　清野議員の今までのいろんな現状について幅広く質問をされましたけれども、全部網羅されているかどうかは私、ちょっとわかりませんけれども、市長としての見解も踏まえて答弁をさせていただきました。
　　どうぞよろしくお願いいたします。
○秋葉征士議長　１６番清野忠利議員。
○１６番（清野忠利議員）　今、市長よりご答弁がありまして、私も非常に賛同したことがあります。
　　まず先ほど市長が言ったように、農協自体も担い手ということで今後進めていきたいと、市長の持論だということでありますが、私も非常に心強く思ったところであります。
　　いろんな農業問題があります。前に農業問題をしたときも猫の目と私も何回も言いました。もう猫の目もそろそろ落ちついてきていいんではないかなという感じは持っているんですけれども、やはり生産者あるいは農協、行政ともどもに一生懸命になって農業のあり方を考えなくちゃいけないと思います。
　　世界を見ますとＴＰＰなんかもありますけれども、アメリカは農業に対して非常に手厚く考えているんですね。日本より手厚くする状況ですから、やはりＴＰＰの問題もいろいろあります。
　　また先ほど、市長が答弁の中で農協改革ということを言われました。今、農協改革がいろいろ議論されております。また、農業共済も来年度からは山形県一本化になるということで、保険制度ということが今、立ち上がってきてます。これが、共済の方になるなんてことを今お話聞いております。これが、本当なのかなという私の思いであります。保険を農業共済がやるということがどうかなということで私も今、疑問を持っているところです。保険というのはやはり、何かあったときのためにある。災害ではないですからね。農業共済は災害あったときの共済金なんですね。そんな中ですので、また農業委員会も変わってきます。そんな中で今後、東根市の農業のあり方をどうすべきか、農協、行政、生産者と一体になって、農業再生協議会の方もひとつ今後の検討の材料にしていただければ幸いと思います。今後の市の農業のあり方を期待しまして私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○秋葉征士議長　以上でご了承願います。

　　◎今野　孝議員質問

○秋葉征士議長　次に、９番今野　孝議員。
　　　〔９番　今野　孝議員　登壇〕
○９番（今野　孝議員）　９番今野孝です。通告に従い一般質問を行います。
　　安倍政権の社会保障政策の革新は、かつて小泉内閣が毎年2,200億円削減という形で実行した社会保障予算の自然増削減路線を復活させ、より乱暴に推進することにあります。
　　安倍内閣が策定した2015年の骨太の方針には国の社会保障予算の自然増を年平均5,000億円に押さえ込む方針が明記されました。社会保障予算の自然増は年間8,000億円から１兆円が相場とされております。それを、5,000億円に押さえ込むには、年間3,000億円から5,000億円の経費圧縮が必要になります。小泉内閣時代を上回る自然増削減を達成するため安倍政権は年金、医療、介護など公的保障の仕組みを土台から変質させる改悪に、ためらいもなく手をつけてまいりました。
　　介護保険でいえば、160万人を超える要支援者を保険給付の枠外に追い出し、要介護１、２の軽度者を特養入所の対象外とするなど、大量の被保険者を丸ごと保健サービスから除外するという重大な制度の変質を強行しました。これにより多くの市民は介護保険の将来に大きな不安を抱えることになりました。そこで、介護保険に関わってお尋ねします。
　　第一の柱は、新しい総合事業への移行についてであります。平成26年第４回定例会において、新しい総合事業への移行にあたっては、介護サービスの質や量の低下を招くことのないよう検討を進めていくとの答弁をいただいております。移行まで４カ月を切ったこの時点で、２点お尋ねいたします。
　　１点目、移行に向けた作業の進捗状況はどうなっているのでしょうか。
　　２点目、市民や事業者等への周知についてはどのようにお考えでしょうか。
　　次に第二の柱であります。
　　第二の柱は特別養護老人ホーム入所待機者についてであります。今年度の調査によれば、県内の多くの市町村が平成25年の調査より特養待機者数を減少させております。今回は、このようなグラフを準備してみました。これは特養入所申込者の待機者数の変動を表したものであります。前回平成25年10月１日時点での数字を100として見た場合、今回の平成28年４月１日時点でどれだけ増減しているかということを表したものであります。この真ん中の黒い線のところが100ですので、この線に近ければ前回とほとんど変動がないということになります。ちなみに赤いグラフが山形県全体です。19％減少しております。緑が本市であります。残り青の線が他の12市ということになります。二つほど前回調査時を上回っている市がありますけれども、その他は前回よりも待機者数が減少してます。その中にあって東根市の減少幅というのが、ちょっと少ないのではないかなという印象を受けたところであります。
　　そこで、２点お尋ねしたいと思います。
　　１点目、本市の待機者数の推移はどのようになっているのでしょうか。
　　２点目、待機者が解消しない背景をどう捉えておられるのでしょうか。
　　次に、子どもの貧困に関わってお尋ねします。
　　去る11月18日、地方議会総合研究所が主催する、子どもの貧困格差問題集中講座を受講してまいりました。子どもの貧困、支援の施策と取り組み、学習支援と居場所づくり、先進地における支援の実際、今後の課題等について学んでまいりました。深く考えさせられることがいくつもありましたが、その中の一つが親の最終学歴と子どもの貧困率との関連でありました。
　　日本の貧困率、子どもの貧困率およそ16％、子どもたちの６人に１人が貧困状態で成長しなければならない状況にあるということは皆さんもご承知のとおりでありますけれども、親の最終学歴が大卒以上の場合は子どもの貧困率が8.3％、それが高卒の場合は21.9％、そして中卒の場合は、44.9％になっているというのです。高卒の資格と運転免許がないと社会的、経済的自立は困難であると言われておりますが、この数字は、それを裏付けているのではないでしょうか。
　　そこで、中学生の進路選択が重要段階を迎えるこの時期に、本市の中学生の進路に関わって２点お尋ねいたします。
　　１点目、本市の高校進学率の推移はどうなっているのでしょうか。
　　２点目、高校中退の実態は把握できているのでしょうか。
　　以上お尋ねして登壇での質問といたします。
○秋葉征士議長　９番今野　孝議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。
　　　〔土田正剛市長　登壇〕
○土田正剛市長　今野議員のご質問にお答えいたします。
　　はじめに、介護保険についてであります。
　　新しい総合事業への移行につきましては、平成29年４月に現行の介護予防給付の一部と介護予防事業を新事業に移行して実施する予定であり、現在、事業所に対し説明会を実施し、サービス内容等についての質問や意見を取りまとめているところであります。
　　基本的には、現行の介護予防給付である訪問介護及び通所介護が含まれることとなる介護予防、生活支援サービス事業につきましては、内容を低下させることなく、来年４月以降もこれまで同様のサービスを実施していく予定であります。
　　新たなサービスといたしましては、従来のデイサービスの基準を緩和したミニデイサービスの提供を行う予定であり、事業者との協議を重ねているところであります。
　　また、介護予防事業につきましても、現行と同程度のものを継続して実施する予定であり、そのうち新たな事業である地域リハビリテーション活動支援事業には、健康遊具を使った介護予防教室を位置付け、理学療法士等専門職の関与を促進し、介護予防のさらなる充実を図ってまいります。
　　今後、来年４月からの実施に向け、円滑に移行できるよう各種運動教室等について事業者と調整してまいります。
　　次に、市民や事業者等への周知についてでありますが、事業者に対しては、去る９月と10月に説明会を実施し、総合事業への移行について周知を行ったところであります。今後とも、必要に応じて説明会等を行い、スムーズに事業移行できるよう努めてまいります。
　　市民への周知につきましては、市報やホームページを活用し、特に制度移行の対象者である要支援１及び２の方につきましては、介護認定の更新時に個別に説明を行う予定であります。くわえて、総合事業で新たに対象者となる基本チェックリスト該当者に対しましても丁寧に説明を行ってまいりますので、ご理解をお願いいたします。
　　次に、特別養護老人ホーム入所待機者数についてお答えをいたします。待機者数の推移につきましては、平成25年は357名、平成26年は399名、平成27年は428名、平成28年は341名となっております。待機者数が増加傾向にある中で、平成27年から平成28年にかけて87名減少しているのは、平成26年度に19床、平成27年度に40床の施設増床があったこと、また平成27年４月から特別養護老人ホームの入所要件が原則として要介護３以上の高齢者に限定されたことで、介護者の低い方の申し込みが減ったことがその要因と考えているところであります。他市町の一部において、待機者数が大きく減少している状況は、施設整備の要因もありますが、入所要件の変更が大きく影響していると捉えております。
　　次に、待機者が解消しない背景につきましては、高齢化の進行に伴い、要介護認定者数は平成25年の1,953人から平成28年には2,137人になり、３年間で184人約10％増加しております。おのずと施設への入所申込数も増加し、施設整備は進めたものの待機者数の解消には至らなかったものと考えております。
　　本市では、第６期介護保険事業計画において、広域型特別養護老人ホーム80床の増床を計画しており、今年度中に整備される見込みであることから、一定の待機者縮減にはつながるものと考えております。今後、第７期介護保険事業計画の策定を進めてまいりますが、介護や支援が必要になっても住み慣れた地域で生活が継続できるための地域包括ケアシステムの構築を目指し、在宅系サービスと施設系サービスのバランスを考慮しながら、待機者の縮減に努めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○秋葉征士議長　次に、教育長に答弁を求めます。石山教育長。
○石山泰博教育長　おはようございます。私からは子どもの貧困についての質問にお答えをいたします。
　　はじめに、本市の高校進学率はどうなっているかについてであります。市内五つの中学校における過去５年間の卒業時の進路先調査の結果を見てみますと、高校等への進学率は99％程度で推移しております。最高は平成23年度末の100％、最も低かったのは平成27年度末の98.8％、平成24年、25年、26年度末は全て99.5％程度で推移している状況であります。
　　100％に満たなかった年度につきましては、卒業時に進路先が未定であった生徒が本市全体で１名から５名おりました。その事由といたしましては、不登校等の自己都合によるものであります。卒業まで、何度も本人や保護者と進路等の相談を行いましたが、意欲や生活リズム等が整わなかったため本人と保護者の意思に基づいて卒業時の進路等を見送らざるを得なかったというケースであります。ただし、卒業後であっても本人や保護者から相談や申し出があった場合には、市内五つの中学校全てにおいて、進路等の個別相談に対応し希望に寄り添って進路実現に向けた新たな学びの場づくりのための支援を行っておりますので、ご理解をお願いいたします。
　　次に、高校中退の実態は把握できているかについてであります。本市から高校等に進学する生徒の進路先は県内・県外、公立・私立、さらに全日制・定時制・通信制と年を追うごとに実に多岐にわたってきております。また、市教育委員会で管理しておりますのは、中学校在籍まででありますので、義務教育を離れた高校等の中途退学を含めた卒業後の状況の変化までは把握しておりません。もし、生徒本人やご家族の諸事情によって、高校等の中途退学が生じた場合には、卒業後であっても本人や保護者からの相談や申し出を受けて、それぞれの中学校において進路等の個別相談に対応し、希望に寄り添って学び直しを可能にするために、進路等の手続を行う等の支援を行っておりますので、ご理解をお願いいたします。
○秋葉征士議長　９番今野　孝議員。
○９番（今野　孝議員）　ご答弁ありがとうございました。引き続き質問席から第２問目以降の質問を続けさせていただきます。
　　はじめに、新しい総合事業への移行についてであります。介護予防生活支援サービス事業については、内容を低下させることなく、来年４月以降もこれまで同様のサービスを実施していく予定であるとの答弁、了解いたしました。
　　ところで、新しい事業であるミニデイサービスと地域リハビリテーション活動支援事業の内容はどのようなものかお尋ねしたいと思います。
○秋葉征士議長　梅津健康福祉部長。
○梅津佳之健康福祉部長　お答えいたします。
　　まず、ミニデイサービスについてでありますが、通常のデイサービスは丸１日約６時間で運動や入浴、食事等を内容としております。新たなミニデイサービスサービスは、約３時間以内の内容で、施設での運動等を行うものでサービスの選択肢として増えるものであります。今のところ、柔道整復師会によるミニデイサービス等を計画しております。料金については通常のデイサービスより安く設定されることになります。
　　次に、地域リハビリテーション活動支援事業についてですけれども、介護予防の取り組みを強化するため、専門的知識を有する者が、通所・訪問・地域ケア会議、また地域のサロン等に出向きまして専門的な立場から支援を行う事業であります。
　　答弁の中にありましたように、本市では健康遊具を使った介護予防教室での理学療法士の活用等を計画しているところであります。なお、健康遊具について、昨年度、今年度で若木山公園に一つのモデルとして整備を行ったところですが、来年度以降は神町地区以外残りの六つ地区に順次整備をしていく計画となっております。あわせて、それぞれの地区で、介護予防教室も開催する予定としております。
　　よろしくお願いいたします。
○秋葉征士議長　９番今野　孝議員。
○９番（今野　孝議員）　総合事業で、新たに対象者となる基本チェックリスト該当者に対しても丁寧に説明を行っていくとの答弁があったと思います。了解いたしました。
　　ところで、基本チェックリスト該当者というのはどのようなものかお尋ねしたいと思います。
○秋葉征士議長　梅津健康福祉部長。
○梅津佳之健康福祉部長　お答えいたします。
　　基本チェックリストは、30問程度の日常生活等に関する設問に、「はい」または「いいえ」で回答する調査票となっております。これまでは、介護予防事業の対象者の把握に利用していたものであります。
　　総合事業では、介護認定による要支援１及び２の方に加えまして、介護認定を受けなくとも、相談の窓口等で基本チェックリストを記入いただきますと、その内容の判定によりましては、サービス事業の対象者に該当し、訪問型サービスや通所型サービス等、要支援の認定を受けた方と全く同じサービスが受けられるようになるものであります。
　　よろしくお願いいたします。
○秋葉征士議長　９番今野　孝議員。
○９番（今野　孝議員）　サービス事業の対象者に該当すれば、介護認定を受けなくても要支援の認定を受けた方と全く同じサービスが受けられると。了解しました。
　　次に、新しい事業のサービス利用料はどのようになるかお尋ねしたいと思います。
○秋葉征士議長　梅津健康福祉部長。
○梅津佳之健康福祉部長　お答えいたします。
　　新しい総合事業は、大きく分けると３種類のサービスで構成されることになります。
　　一つは、これまで給付事業として実施してきた要支援認定者の通所型サービスと訪問型サービスでありまして、内容は変わらず、ただし、位置付けが市の地域支援事業になりますので、現行の国の基準単価に準じた料金設定を予定しております。
　　二つ目としては、現在、市が介護保険事業所や病院等に委託をしまして介護予防事業として実施をしている運動機能向上教室や口腔ケア機能向上教室等についてでありますけれども、総合事業においては、これまでと同じようなメニューを提供するとともに、その他、事業所等が企画、提供するサービス、ミニデイサービス等、条件を緩和したサービスも予定をしております。
　　こちらの料金設定については、近隣自治体の状況ですとか、あとは、サービスを提供してくれる事業者の経営等も考慮しながら、料金設定を行ってまいります。
　　この場合の本人負担についてですが、これまでの予防事業では、昼食代等実費のみの負担でありましたけれども、総合事業ではその他のサービスと同じように設定料金の一割負担が必要になります。その他、実費負担が必要な場合もあるかと思いますが、その一割と実費負担ということになります。
　　三つ目の事業ですが、65歳以上の全ての人を対象とした一般介護予防事業でありまして、こちらはこれまでと同様、実費負担がある場合を除き、無料で参加することができるという事業になる予定であります。
　　よろしくお願いいたします。
○秋葉征士議長　９番　今野　孝議員。
○９番（今野　孝議員）　ご答弁ありがとうございます。
　　三つのサービスについて説明いただきました。一つ目と三つ目は従来どおりということになるんだろうと思いますけれども、二つ目、運動機能向上教室あるいは口腔ケア機能向上教室等については、近隣自治体の状況やサービス提供事業者の経営等も考慮しながら料金設定を行っていくというご答弁であったかと思います。それに伴って、設定料金の一割負担が実費負担の他に新たに必要になってくる、この部分に関しては、市民の負担増になるということもできるのではないかと思います。推移を注視しながら、市民が耐えがたい負担になるようなことはないと思いますが、そのような場合は負担軽減を求めていくことになろうかと思います。
　　次に、制度移行の対象者については、介護認定の更新時に個別に説明を行うとの答弁がございました。どのように説明を行っていくのかお尋ねしたいと思います。
○秋葉征士議長　梅津健康福祉部長。
○梅津佳之健康福祉部長　お答えいたします。
　　要支援の方の介護認定期間は多くは６カ月から１年間となっております。認定期間が切れる２カ月前に、その更新申請の案内をそれぞれの方に行っております。
　　この度の制度変更について、この案内を行う際、担当ケースワーカーが個別に訪問いたしまして、新しい総合事業のパンフレットも配布等しながら、説明を予定しております。なお、平成29年３月31日で介護認定期間が切れる方から順次説明を行ってまいりますので、今年度２月ごろから説明を開始する予定であります。
　　よろしくお願いいたします。
○秋葉征士議長　９番　今野　孝議員。
○９番（今野　孝議員）　ご答弁、了解いたしました。できるだけ丁寧に、なおスピード感をもって進めてくださるよう要望しておきたいと思います。
　　次に、介護サービスの利用率については把握できているのかお尋ねしたいと思います。
○秋葉征士議長　梅津健康福祉部長。
○梅津佳之健康福祉部長　介護サービスの限度額の中で必要なサービスが給付が行われているか、その限度額に不足がないかという趣旨のご質問かと思います。
　　給付額は当然、個々のケース、個人個人で違いますし、農繁期ですとか農閑期等、季節や月によっても変動しますので、全ての対象者の実態を詳細に把握することは大変難しい状況であります。そこで、介護保険の給付額全体で推測をいたしますと、平成27年度の給付費総額は約32億2,800万円でありました。これを、平成27年度末で介護認定を受けていた2,137人で割りますと、１人あたり１カ月、約13万8,000円となります。
　　一方、限度額についてですが、要支援１から要介護５まで、それぞれ支給限度額があるわけですが、市民でそれぞれの介護度で認定されている方から、支給限度額の平均を出してみますと、１人１カ月、約21万5,000円となるようであります。先ほどの給付額と限度額の平均で割りますと約65％となるようであります。
　　個々のケースにおいては、さくらんぼの忙しい時期など厳しい状況もないとは言えませんけれども、全体としては必要なサービスが限度額の範囲、65％程度の範囲で提供されているものだと考えております。
　　よろしくお願いいたします。
○秋葉征士議長　９番　今野　孝議員。
○９番（今野　孝議員）　ありがとうございます。
　　私は、経済的理由で、本当はもっと介護サービスを利用したいんだけれども受けられない、そういう状況にある市民がおいでになるのではないか。ここのところが大変気になっているところであります。ケアマネジャーのお話を聞くなどして、実態把握に努めてくださるよう要望しておきたいと思います。
　　次に、特別養護老人ホーム入所待機者数について関わってお尋ねしたいと思います。
　　平成28年度の待機者341人の特別養護老人ホームへの入所要件である要介護３以上の高齢者の割合はどの程度になっているのでありましょうか。
○秋葉征士議長　梅津健康福祉部長。
○梅津佳之健康福祉部長　お答えいたします。
　　平成28年８月１日現在でありますけれども、待機者341人のうち要介護３以上の待機者は223人でありまして、全体の約65％となっております。そのうち在宅の方が92名、それ以外、在宅以外が131名ということで、その方については、入院とか老健施設の方に入所されている方になります。
　　よろしくお願いいたします。
○秋葉征士議長　９番　今野　孝議員。
○９番（今野　孝議員）　了解いたしました。
　　要介護３以上の待機者の状況について、もう少し詳しくお聞かせいただけませんでしょうか。
○秋葉征士議長　梅津健康福祉部長。
○梅津佳之健康福祉部長　お答えいたします。
　　特別養護老人ホームへの入所申し込みは直接その施設に行うことになりますが、要介護３以上の待機者223人について、入所申し込みのときに各施設で判定している内容によると、入所の必要性が特に高い方が69人、１年程度で入所が必要となる見込みの方が39人、他の施設で対応可能な方が51人、必要性が低いと思われる方が64人となっております。
　　緊急度が高いと判定されている69人につきましては、今年度中に整備され、来年４月に増床予定の白水荘20床、ふれあいの里おおとみの60床になりますけれども、これら80床の整備である程度解消できるものと考えております。
　　よろしくお願いいたします。
○秋葉征士議長　９番　今野　孝議員。
○９番（今野　孝議員）　了解いたしました。
　　次に、山形、鶴岡、酒田等、要介護１、２の申込者数が激減したと聞いております。もう一度こちらのグラフをご覧いただきたいんですけども。行政で使われる順番に並んでいると思っていただいて、山形、米沢、鶴岡、酒田、新庄と、こういうふうに並んでいるわけなんでありますけれども、そうすると、山形、鶴岡、酒田なんかは、結構大きく減少しているわけですね、待機者の数が。だけども、そこは要介護１、２の申込者数が激減していると、そういう結果の反映でもあるとお聞きしているんですが、本市の状況はどうなんでしょうか。また、激減の背景をどう捉えているか、あわせてお尋ねしたいと思います。
○秋葉征士議長　梅津健康福祉部長。
○梅津佳之健康福祉部長　お答えをいたします。
　　市長答弁にもありましたとおり、平成27年４月から介護保険法の改正により、特別養護老人ホームへの入所要件は原則として要介護３以上となりました。要介護１、２の方で入所できる場合は、認知症で日常生活の支障が大きい場合、深刻な虐待等が疑われる場合等でありまして、特例的な取扱いとなっております。
　　そのため、特別養護老人ホームの入所申し込み相談の段階で、要介護１、２の高齢者に対しましては、他の介護施設への申込みを勧める場合もあると聞いております。待機者の減少の割合を見ましても、要介護３以上の減少よりも、議員ご指摘のとおり要介護１、２の減少割合が大変大きくなっております。その辺の取扱いの違いが、各市町村で多少温度差があったのかなと思うところですが、本市においても要介護１、２の待機者は同様に減少しておりますが、要介護３以上の待機者の増加が大きかったことで相殺されまして、大きな減少にはつながらなかったと捉えております。
　　このように、激減の背景には施設増床の要因もありますけれども、入所基準の見直し、取扱いの影響が大きいものと捉えております。
　　よろしくお願いいたします。
○秋葉征士議長　９番　今野　孝議員。
○９番（今野　孝議員）　ありがとうございます。
　　私が入手した資料によりますと、山形市は前回調査から今回の調査までの間に要介護３以上の待機者を162人減らしたんですね。ところが、要介護１、２の待機者はそれを上回る173人減少している。鶴岡市においては、要介護３以上の待機者を153人減らしているんですけれども、要介護１、２の待機者をそれを上回る196人減少させている。酒田は要介護３以上の待機者が58人減少、それに対して要介護１、２の待機者が95人減少している。だから、私が持ってきた資料でいうのも何ですけれども、減ったから、減少率が大きいから、全てよしとはならないということだと思います。
　　私が手にした情報ですから多少曖昧さもあるかとは思いますけれども、要介護１、２の人が、自己規制をした、「要介護３以上にならないと入所させてもらえないんだから、もう申込んでも無駄だ。」こういうふうに判断した数値、あるいは施設によっては頭から要介護１、２の人は申込みを受付けなかったというところもあると聞いています。でも、こういうことをやると、要介護のニーズが、実態が見えなくなるんじゃないでしょうか。
　　本市においては、このような手法をとらないように、削減していただくのは、切実な願いではありますけれども、数字の削減だけに走って、門前払いをするということのないようにお願いしておきたいと思います。
　　ところで、特養入所者の８割は低所得者だという話を聞きまして、福祉課に本市の状況をお尋ねしたところ、低所得者の割合、本市の場合は88.2％。全国水準を上回っているといえば上回っているんですね。こういう実態というのは、医療、介護を必要とする低所得者が入居できる終の住みかが特養しかない、このことの反映ではないかと考えております。
　　いわゆる「サ高住」の場合は家賃、共済費、食費、生活費に加えて訪問介護の利用料が必要となります。低年金、無年金者が増える中、所得に応じて住居費、食費が軽減される特養に入所希望が殺到するのは当然のことかと思います。これらの介護ニーズに応え、市民が安心して暮らせるまちづくりを強く要望しておきたいと思います。
　　また、市長答弁の最後の方で、本市では第６期介護保険事業計画において、広域型特別養護老人ホーム80床の増床を計画しており、今年度中に整備される見込みであることから、一定の待機者縮減につながるものと考えておりますとの答弁がございました。期待感をもって注視してまいりたいと思います。
　　また、介護や支援が必要になっても、住みなれた地域で生活が継続できるための地域包括ケアシステムの構築を目指し、在宅系サービスと施設系サービスのバランスを考慮しながら待機者の縮減に努めてまいると、このような答弁もございました。了解いたしました。
　　待機者の解消が進まなければ、介護保険制度は保険あって介護なしの状態に陥り、制度の持続性が危うくなると思います。何としても待機者の解消に取り組んでいただかなくてはなりません。解消のためには、施設整備とあわせて、人材確保が重要になろうかと思います。優秀な人材を確保できるよう、介護職員の処遇改善や資格取得への支援等についても、十分な配慮をお願いしておきたいと思います。
　　次に、子どもの貧困に関わる問題に移らせていただきます。
　　最初に、中学卒業時に進路未定の子どもというのは、学ぶ意味とか、学校内での居場所を見つけられない子ではなかったのかと考えるんですが、その辺どのようにお考えでしょうか。
○秋葉征士議長　古谷教育次長。
○古谷利明教育次長　それでは、お答え申し上げます。
　　学ぶ意味を見出せないなど、自分の生活に前向きに取り組めないといった怠学傾向、いわゆる学業を怠けるような傾向の生徒は、ほぼ見られないというふうに捉えているところであります。現状では、学校という場で集団生活していく上では、適応しにくい発達上の課題を有しているケースがほとんどであります。
　　具体的には、注意欠陥多動性障がいや自閉症スペクトラム等、学習障害や発達障害等によって、学校生活を送る上での不適応による課題であったり、周囲の人との円滑なコミュニケーション等に必要なスキルを習得できないまま成長してしまう成育歴上の課題のケースが多いと考えます。
　　そのため、教室にいられない、学校にいられない等、不適応症状が現れやすい生徒であり、結果として中学校卒業時に進路先が未定となっているという現状であります。
　　このような発達障害等による不適応の増加は全国的な傾向と言えますけれども、本市においてもこの傾向は同様であり、予防解決すべき喫緊の課題であると捉えているところでありますので、ご理解をお願いいたします。
○秋葉征士議長　９番　今野　孝議員。
○９番（今野　孝議員）　ありがとうございます。
　　ちょっと、中学卒業時に進路未定の子どもというのを発達障害だけに押さえては、まずいんじゃないかなという気がしているところであります。
　　11月30日付の新聞各紙に、国際学力調査の結果が示されました。これは今の日本の教育を考える上で非常に示唆に富んだニュースであったかと思います。皆さん既にご覧になっているかと思いますけれども、世界の小学４年生と中学２年生を対象にした2015年の国際数学・理科教育動向調査の結果であります。
　　調査は50カ国・地域の小学生約27万人、40カ国・地域の中学生25万人が参加、新聞によっては50カ国じゃなくて57カ国と書いてあった新聞もありました。日本は、小中の全教科で平均得点が過去最高、これはこれで喜ぶべきことだとは思います。
　　しかし、問題は、数学や理科が楽しい、あるいは得意だと答える子どもの割合が国際平均を下回っているということです。特に厳しいのが中学校。国際平均より数学が19ポイント、理科が15ポイントも楽しいと答えた子どもが少ないんですね。
　　そうしますと、中学校の実態、国際平均より19ポイント下回っていることは、国際平均は７割以上の子どもが楽しいと答えているに対して、数学です、日本では、52％きり楽しいと答えた子どもがいない。
　　学校の主人公は、言うまでもなく、子どもであります。子ども達のために学校があり、教職員がいると考えます。主人公である子ども達の２分の１が数学が楽しくない、３分の１が理科が楽しくない、これはちょっと異常と考えるべきではないかと思います。この状況を変えることこそ、日本の教育の喫緊の課題ではないでしょうか。せめて国際水準に到達してほしいと思います。本市の学力向上支援委員の力にも期待したいところであります。
　　昔から、「好きこそ物の上手なれ」といいます。勉強が楽しくなったら、高校へ行ってもっと勉強しようという意欲も湧いてくるのではないでしょうか。そういう意味で、一層の努力をお願いしておきたいと思います。
　　次に、中学卒業時の進路未定者をゼロにするために必要な手立てをどのように考えているのかお尋ねしたいと思います。
○秋葉征士議長　古谷教育次長。
○古谷利明教育次長　お答え申し上げます。
　　中学卒業時に進路未定者をゼロにするための必要な手立てでございますけれども、学習指導要領で示す小学校、中学校での義務教育９年間を通した「キャリア教育」の推進、充実が大切な基盤となっていると考えているところであります。
　　高等学校の学習内容を学ぶために、生徒と保護者を対象として高校等の先生を招聘して行っております「進路学習会」や、実際の進路手続を知るための「進路説明会」の開催、さらに個別の「三者面談」等を実施していることも、生徒１人１人の希望進路を達成するために有効な手立てとなっているところであります。
　　また、不適応等の課題がある生徒に対しましては将来の進路実現のために少しでも前向きな生活ができるように、その生徒の教育的ニーズに応じて、学習権を保障したり、居場所を保障する等の配慮をしているところであります。さらに、そのような生徒と保護者との三者面談で進路の希望を丁寧に聞き取りまして、進学可能な学校について詳しく相談を行ったり、高校等との間で進路実現のために学校間での事前相談を具体的に行ったりする等の配慮、手立てを行っておりますので、ご理解をお願いいたします。
○秋葉征士議長　９番　今野　孝議員。
○９番（今野　孝議員）　いろいろな手立てを講じていただいていること感謝申し上げます。しかし、私は楽しい授業づくり、楽しい学校づくりを目指した取り組みの方が効果ははるかに大きいと考えるものであります。
　　次に、「新たな学びの場づくり」の支援を受けた子ども、直近５年間で見た場合、何人ぐらいになるのでしょうか。
○秋葉征士議長　古谷教育次長。
○古谷利明教育次長　お答え申し上げます。
　　平成23年度から平成27年度までの５年間では計10名の卒業生、そして今年度11月現在で２名、合計12名の卒業生が「新たな学びの場」へ再出発するための支援を受けている状況であります。
　　卒業時に進路未定で支援を受けたのは２名で、高校等に入学した後に学校中途退学したため、その後に支援を受けたのは10名の方であります。
　　相談を受け、支援を行ってきた卒業生に関しては、ほとんど全ての生徒が、新しい高等学校等への入学や編入を実現したところでありますので、ご理解をお願いいたします。
○秋葉征士議長　９番　今野　孝議員。
○９番（今野　孝議員）　ありがとうございます。大変大事な支援かと思いますので、さらなる拡充強化を図っていただきたいと思います。
　　ここまで、ご答弁をお聞きしてきた限りにおいては、現状では全員に高卒資格をという思いや手立てが、ちょっと弱いのではないかと思いますが、この点どのようにお考えでしょうか。
○秋葉征士議長　古谷教育次長。
○古谷利明教育次長　教育委員会といたしましては、中学卒業後の高等教育を受けるための進学につきましては、制度上、市町村教委が所管している義務教育の範疇を超えているので、生徒全員に等しく高等学校卒業の資格をとまでは言及することが難しい現状ではあります。
　　しかしながら、現実的な社会の状況等を背景にすれば、全員に高卒の資格をという思いを言及されました議員の思いは、ご理解いたすところであります。
　　様々な理由で高校を卒業することができなかった生徒を対象として高卒の資格を取得するための手立てといたしましては、文部科学省が認定している高等学校卒業程度認定試験の制度が整備しております。こうした具体的な方法があることを、特にこうした情報が必要な生徒たちへ、しっかりと情報提供、周知をしていくことで、つまずきのある生徒が１人でも多く高卒の資格を取得できる有効な手立てとなり得るのではないかと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
○秋葉征士議長　９番　今野　孝議員。
○９番（今野　孝議員）　ありがとうございます。
　　質問の最後に、２点について市長のお考えをお聞きしたいと思います。
　　まず、私もこの間、子どもの貧困に関わる質問、これで３回目です。でも、なかなか執行部としても実態をつかみかねているという状況にあるのかなと。そのために、どんな施策を講じていくべきかということにも戸惑いがあるように思われました。
　　その中で、この度、厚生常任委員会で行政視察をした中で荒川区と佐賀県武雄市に行ってまいりましたけれども、佐賀県武雄市では、「こどもの貧困対策課みんなの笑顔係」というセクションを立ち上げているんですね。これは、全員が兼務なんです。教育政策課から５人、学校教育課から１人、それからくらし政策課で民生関係の方がお１人、福祉課からは児童支援関係の方がお１人、教育政策課長が課長を兼務されるという、こういう形をとっているんですが、本市においても、子どもの貧困対策部門を早急に立ち上げることが必要と思うんですが、市長の所見を伺いたいと思います。
○秋葉征士議長　土田市長。
○土田正剛市長　武雄市の例を出されましたけれども、武雄市の市長、今はもう下野していると思います。私もよく知っております。お互い知事選に出て、落選をした間柄であります。
　　そこで、子どもの貧困の担当部門の設置ということでありますけれども、私は、これまで市長就任以来、さくらんぼタントクルセンターの子どもの遊び場、あるいは、あそびあランドにおいての整備を行って、心身ともにたくましく育つ子どもたちの育成ということに意を用いてきたつもりであります。
　　そして、その他に、保育所、学童保育所の整備に加えて、中学３年生までの医療費の無料化、あるいは第３子の保育料の無料化、あるいは私立幼稚園の奨励費、あるいは就学援助制度、そして、最近では特に奨学金の制度の拡充等に力を入れてきたつもりであります。くわえて、そういうものは、経済的に保護者の負担軽減にもつながっているものと自負をしているものであります。
　　さらに、本年度から、教育によるまちづくりというものを、総合戦略の大きな柱に据えております。これは、多分に東桜学館が４月１日から設置されたということに関連あるわけでありますけれども、東桜学館については、教育方針として語学に力を入れる。そして、議員から指摘がありましたように、理数科に力を入れるという教育方針であります。
　　したがって、既存の小中学校との学力の差が乖離するというものに私は懸念をしております。したがって、その懸念を解消するためにも、ＡＬＴを市内の五つの中学校に専属に配置することに４月からしました。そして、理数科の教員のＯＢについては、市内９校の小学校も加えて14校に補助員として、学力向上支援員に教員ＯＢをそれぞれ１人ずつ配置をしたわけであります。そういうことで、学力向上について乖離を防ぐ手立てとして有効なことではないかなと私自身思っております。
　　そこで、議員からご提案のあった貧困担当部門ということでありますけれども、そのことについては、いろいろと今現在、担当課のみならず、関係課で情報を共有しながらいろいろと施策を担当しているわけであります。
　　そういう意味で、さらに担当課、専門的に扱う担当課の設置ということについては、もう少し情報を収集しながら勉強してみたいなと思っているところであります。
○秋葉征士議長　９番　今野　孝議員。
○９番（今野　孝議員）　ありがとうございます。
　　市長のご答弁の中にも情報の共有というお話がありました。これは11月18日、私が集中講座で学んできた講師の先生の話ですが、情報共有といっても、ネット上で情報をやりとりしたんでは本当の共有にはならない。その情報に基づいて、ともに行動してはじめて共有したことになる。そういう意味でも、子どもの貧困に関わってだけ申し上げれば、そういうセクションがあって、情報を共有した上で行動まで共有する。そういうふうな体制の構築が必要なんじゃないかなと思いますので、是非前向きにご検討をお願いしておきたいと思います。 
　　もう１点です。今年の冬はどんな冬になるのか、ちょっとみんな大変興味を持ち、おそれおののいている人もいるわけであります。
　　昨年度、福祉灯油購入助成事業を行っていただきました。その中で、ひとり親世帯にも助成をしていただいたわけであります。
　　ひとり親世帯の子どもの貧困率の高さは皆さんもご承知のとおりであります。今年は比較的灯油の価格が安値で推移しているようですが、でも、やっぱり季節的な出費なんですね。この時期、何としても福祉灯油の実現をお願いしたいと思います。時間もありませんので、尻切れとんぼですみませんが、市長の見解をお聞きしたいと思います。
○秋葉征士議長　土田市長。
○土田正剛市長　現在は、灯油等については安く推移をしているわけであります。しかし、直近の情勢では、ＯＰＥＣで減産が合意されたということがあります。したがって、これにより円安の方向にさらにぶれているわけでありますけれども、そういう中で、この灯油の価格が逆に上昇するということが十分予測されるわけであります。
　　本市といたしましては、昨年同様、福祉灯油資金の5,000円の現金支給ということで、昨年に続いて実施をする予定でおります。もちろん、住民税の非課税の高齢者あるいは障がい者あるいはひとり親家庭等々について、昨年と同様に総事業費としては800万円を予測をしております。したがって、その福祉灯油の助成金については、今議会の最終日に提案をいたしたいと思っておりますので、議員の皆様方からの何とぞご理解のほどをよろしくお願いを申し上げさせて、決意とさせていただきたいと思います。
　　以上です。
○秋葉征士議長　９番　今野　孝議員。
○９番（今野　孝議員）　ありがとうございます。
　　福祉灯油購入助成事業について最終日にご提案いただけるということは、大変ありがたく思います。
　　以上をもちまして私の質問を終わります。ありがとうございました。
○秋葉征士議長　以上でご了承願います。
　　会議の途中ですが、ここで午後１時まで休憩をします。

　　　午前　１１時４７分　休　憩

　　　午後　　１時００分　開　議

○秋葉征士議長　休憩前に引き続き会議を開きます。
　　市政一般に対する質問を行います。

　　◎山科幸子議員質問

○秋葉征士議長　２番山科幸子議員。
　　　〔２番　山科幸子議員　登壇〕
○２番（山科幸子議員）　２番山科幸子でございます。通告に基づきまして登壇から一般質問を行います。
　　今、国民健康保険制度は、大きな転換期を迎えております。平成27年５月に成立した改正国民健康保険法により、市が運営する国民健康保険は、平成30年度から県に移管されます。議会におきましても、国民健康保険につきましては、何度も議論されてきており、市民生活に直結する大きな制度であります。
　　昨年の本市議会におきましては、県が運営主体となることで、市民の最も高い関心は、国民健康保険税が高くなるかどうかであり、移管に向けての議論と県と市の十分な意見交換、協議と健全な事業運営について予算特別委員会でも報告がなされております。つきましては、国民健康保険に関しまして、次の点についてお伺いいたします。
　　はじめに、運営主体が県へ移管することによって、国民健康保険はどのように変わるのでしょうか。現在の構造的な赤字体質の国民健康保険制度に対して財政基盤を強化するための移管とありますが、市民にとってはどのように変わるのかお伺いいたします。
　　次に、市から県への移管に関する今現在の状況とこれからのスケジュールについてお伺いいたします。県へ移管する転換期にあることは、市民の方はほとんど認識されておりません。移管を１年後に控えております。移管に伴う事業は大変大きいと考えます。
　　次に、移管後の事業運営と財源の確保についてお伺いいたします。今回の改正は財政基盤強化のためであります。市町村間で財政格差が大きく、慢性的な赤字の自治体から予算規模の大きい都道府県が運営することによって、突発的な医療費等に対応できるようにするということであります。東根市でも国民健康保険財政は逼迫しております。１年後に控えた制度改正によって、東根市の事業運営や財源の確保についてはどのように変わるのかお伺いいたします。
　　続きまして、東根市総合戦略、第４次東根市総合計画第１章に、「だれもがやすらぎと充実、しあわせを実感できるまち」のための施策と事業の推進が挙げられています。市民の１人１人が、普段の暮らしが幸せであることが市政の根幹であり、そのためのまちづくりが第１番目に掲げてあります。行政は市民生活を守り、普段の暮らしのお手伝いをすることにあり、施策に掲げられている事業の推進が図られますようお願いいたします。
　　つきましては、「だれもがやすらぎと充実、しあわせを実感できるまちづくり」のための、きめ細やかな市政についてお伺いいたします。
　　市役所周辺は、県立中高一貫校東桜学館の開校、まなびあテラスのオープンなど大型施設のオープンが相次ぎ、勢いのある東根市を実感いたします。
　　しかしながら、市庁舎やさくらんぼ東根駅など、経年劣化と生活様式の変化に伴って施設の整備や充実が必要となってきております。高齢者や子育て世代につきましては、十分配慮した取り組みが必要であります。
　　市庁舎におきましては、障がい者用トイレにおむつ交換台と幼児用椅子が設置されておりますが、高齢者の方も利用されております。設備の劣化と庁内環境から子育て世帯は利用しにくいものとなっております。また、庁内には、ベビーベッドや授乳場所がありません。車に戻って対応している状況にあります。
　　駐車場につきましては、障がい者スペースは確保されておりますが、民間が既に対応しているようなマタニティ用、高齢者用スペースがありません。駐車場が隣接しておらず、道路を横断しなければなりません。雪や雨であれば大きな負担であり、近隣の発展に伴って駐車場は混雑しており、庁舎に近い場所に確保すべきと考えます。
　　その他にも市民の目線に立って、改善すべき不具合な点が多々あります。さくらんぼ東根駅はじめ、公共施設等においても同様の状況にあり、担当部署へ点検、改善をお願いしておりますが、行政全体で横断的な取り組みをすべきであります。このことは、市民のみならず観光客や他市へ東根市のきめ細やかな行政をアピールすることにつながりますので、しっかりとした取り組みをお願いいたします。
　　続きまして、交通網の拡充についてであります。昨年、議会で要望し、おでかけサポートタクシー事業が拡充されました。高齢者の方が移動するための手段として、今後とも多くの方に利用していただき、高齢者の方々の福祉向上に寄与されることと思います。交通の整備充実は、温暖化等の環境対策、今後ますます高齢化する市民の生活にとって、大変重要な施策であります。
　　市役所、駅、病院等、市民が利用する施設とを循環する市民バスは、市民の足として大変重要な役目を担っておりますが、市内全域的には、市民のニーズに応えた均衡ある運行になっていない状況にあります。公共交通の充実は、市民の利便性が図られるばかりではなく、観光、ビジネスにも大変重要な要素であり、産学官挙げての一体的な対策が必要であると思います。
　　観光誘客におきましては、二次交通の整備が十分ではなく、局所的な通過型観光になっている。ビジネスで訪れて空き時間ができても食べ物や買い物、名所旧跡等の東根らしさに触れる機会がとれずに、駅や空港等で時間を過ごしてしまう。周遊交通網が充実されておれば、東根に訪れた方１人１人が一番のＰＲ者、広報者になる絶好の機会となります。
　　現在は、福祉、観光、市民生活等、縦割り行政で対策がなされておりますが、市内一帯の対策こそが、庁内一体の対策こそが、経費を含めて効率的な取り組みと、推進が図られるものと考えます。公共交通網の充実につきまして現状と取り組みについてお伺いいたします。
　　以上をもちまして登壇からの質問を終わらせていただきます。
○秋葉征士議長　２番山科幸子議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。
　　　〔土田正剛市長　登壇〕
○土田正剛市長　山科幸子議員のご質問にお答えをいたします。
　　はじめに、国民健康保険についてであります。
　　持続可能な医療保険制度を構築するために、国民健康保険法等の一部が改正され、国民健康保険に係る財政運営の主体が平成30年度から県に移管されることになりました。県の主な役割は、県内で統一した国民健康保険の運営方針の策定、市町村ごとの納付金の決定、市町村が参考とする標準保険料率等の算定、保険給付費の市町村への支払い等となる予定であります。
　　一方、市の主な役割としましては、県で示した標準保険料率等を参考にした税率決定、保険税の賦課と徴収、納付金の県への納付、資格管理や保険給付の決定となるものであります。
　　また、事業の運営につきましては、県が策定する「山形県国民健康保険運営方針」に基づき運営することとなっております。
　　県への移行に向けた市のスケジュールは、来年度から具体的な作業が順次進められる予定となっており、平成30年１月ごろに県から標準保険料率や納付金額が示される見込みとなっております。また、税率につきましては、県で示す標準保険料率等を参考に市が決定することになり、保険事業と受付業務については、これまでどおり市で行うものとなっております。
　　保険給付の財源につきましては、平成30年度からは市から県に「事業費納付金」を支払うかわりに、保険給付費の全額が「保険給付費等交付金」として、県から市に交付されることとなります。このことで、給付費変動に伴う財源確保のリスクを軽減することが期待できるものと捉えております。県が国保運営の中心的な役割を担うことで、安定的な財政運営や効率的な事業を行うこととなりますので、ご理解をお願いいたします。
　　次に、「だれもがやすらぎと充実、しあわせを実感できるまち」の実現のためのきめ細かな市政についてであります。
　　第４次東根市総合計画では、「だれもがやすらぎと充実、しあわせを実感できるまち」の実現に向け、子育て環境の充実、高齢者福祉の充実、障がい者福祉の充実等を掲げております。その施策の中には、前期計画に引き続き施設のバリアフリー化をうたっており、近年の本市の施設整備においては、年齢や障がいの有無にかかわらず誰もが利用でき、また子育て世代に配慮した施設が一般化してきております。あわせて、ノーマライゼーションや、みんなで子育てする意識の高揚を図り、ハード、ソフトの両面から施策を講じてきております。
　　住民ニーズは年々高度化、多様化してきております。整備された施設が適切に管理され、きめ細やかな配慮のもと住民ニーズに即した改修、改良がなされていくことも重要であると捉えております。ご指摘のありました施設の改善のうち、既存設備の部分的な劣化や不具合などは速やかに対応してまいりますが、大規模な改修や新たな設備の導入につきましては、優先順位を定め、整備を図ってまいります。その一環として当面、特に要望の多い学校や市民体育館のトイレの洋式化を進めてまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
　　次に、交通網の充実についてであります。市内の公共交通については、山形空港、ＪＲの各駅、山形交通の路線バスとそれらを連結補完する市民バスとタクシーがあり、交通網を形成しております。この中で、市民バスは現在６路線15便を運行しております。市内広域でかつ低廉な料金で利用できる公共交通として、多くの市民の方より利用していただいております。また、さくらんぼの時期の観光乗合いタクシーや、山形空港からさくらんぼ東根駅までの予約制のワンコインライナーなどが運行されており、観光やビジネスの利便性が確保されております。
　　市内の交通網は民間の事業者と公共によるもの、様々な主体で形成されております。さらに、交通網の充実を図るためには官民が一体となり、連携した取り組みが必要であると捉えております。今後とも利用者のニーズを調査研究し、より利便性の高い交通網の形成を図ってまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
○秋葉征士議長　２番山科幸子議員。
○２番（山科幸子議員）　ただいまの答弁に対しまして、質問席からの質問に移らさせていただきます。
　　国民健康保険ときめ細やかな市政の取り組みにつきまして順次質問いたしますので、よろしくお願いいたします。
　　はじめに、市民の最も高い関心である国民健康保険税率のアップについてであります。現在は、国保会計の運営には一般財源から繰入れを行っておりますが、国民健康保険税は市民の大きな負担となっております。担税力、納税率が高い東根市から山形県へ運営事業が移管されると、県内一律の運営となります。現在でも負担の大きい国民健康保険税がアップしたり、一般財源からの繰入金が増えることなど、市民の負担が増えることがないのかどうかお伺いいたします。
○秋葉征士議長　斎藤市民生活部長。
○斎藤吉則市民生活部長　お答えいたします。
　　市民の負担としては、県が示す納付金の額と標準保険料率によって、当市の税率の変更が必要になるのではと思われます。それから繰入金につきましては、県の財政安定化基金の貸付の活用によりまして、基本的になくなることが見込まれております。税率を決定する場合は、できるだけ市民の負担が増加しないように検討してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○秋葉征士議長　２番山科幸子議員。
○２番（山科幸子議員）　市長からの答弁にもありましたが、平成30年１月ごろに標準税率と県への納付金が示されるとの答弁がありました。市民が一番知りたい情報は、移管実施の直前ということであります。膨大な移行業務と市民への周知が年度末の繁忙期に重なります。今でも複雑な制度の健康保険について、システム改修、税率確定など、これらを１年で決定する重要な時期となります。職員体制を含めまして万全の体制で、県及び市町村間の協議、検討にあたられますことを切に願うものであります。
　　質問に移ります。今回の改正は、持続可能な国民健康保険制度を維持するためであり、給付費変動に伴う財源確保のリスクを減らすことが目的であるとのことでありました。市町村が県に納付する事業費納付金は、市町村ごとの所得水準と医療費水準によって決定されます。東根市は税収が多く、平均年齢も低いことから東根市民の負担が多くなるのではないですか。お伺いいたします。
○秋葉征士議長　斎藤市民生活部長。
○斎藤吉則市民生活部長　お答えいたします。市町村から県に納付します事業費納付金につきましては、所得水準が高い市町村より多く納付金を負担していただく、また医療費水準が高い市町村についても、より多く納付金を負担していただくように納付金が調整されることとなります。これは、市町村間で公平な保険料の水準を実現するためのものとなっております。県内市町村の事業費納付金は県で決定することになりますが、これから算定方法について検討を行って、平成29年度に県から市町村に額が示される予定となっております。広域で国民健康保険を支えるという趣旨のもとに事業費納付金が決定されますので、ご理解をお願いいたします。
○秋葉征士議長　２番山科幸子議員。
○２番（山科幸子議員）　広域で国民健康保険を支えるために事業費納付金が決定されるという説明でありました。
　　先般、政府は、国民健康保険を都道府県に移管される際に予定している財政支援について、来年度分の数百億円を減額する方向で調整しているとの報道がありました。構造的な赤字体質である国民健康保険の財政基盤の強化のための移管が、保険税増税などの加入者負担が増えることにもなってしまいます。県との今後の協議につきましては十分にご検討いただき、市民の負担なども県の方にしっかりとご協議いただいて、税率アップにつながらないように、国についても要望をお願いしたいと思います。
　　次に、財源である国民健康保険税に移ります。東根市の国民健康保険税は、均等割、平等割、所得割、資産割の４方式となっております。資産割は固定資産税の32.5％であります。収益が上がる資産もありますが、居住用であれば固定資産税との二重負担となっております。課税客体の把握はどのように行っているのでしょうか。市外の資産が課税客体に含まれないのは不公平とはならないのかどうかお伺いいたします。
○秋葉征士議長　髙橋総務部長。
○髙橋　昇総務部長　お答えいたします。国民健康保険税の資産割の課税につきましては、被保険者が東根市内に有している土地・家屋が課税の対象となるものであります。この取り扱いにつきましては東根市独自のものではなく、国民健康保険に係る実務提要に準じたものとなっているところであります。この実務提要では市外の固定資産の取り扱いにつきましては、市外の固定資産の捕捉が困難であること、また市町村ごとに税率が異なること、この結果、税負担に不均衡を期すこと、これらのことから算定基礎の対象としないこととされているところであります。ご理解をお願いいたします。
○秋葉征士議長　２番山科幸子議員。
○２番（山科幸子議員）　被保険者は市内に保有している資産のみが課税対象となっており、実務提要によるものであるということでありました。現在は人口移動が大きく、国でも市でも移住・定住策を推進しております。市外保有の資産が課税対象にならないのは不公平であり、世帯割や被保険者加入者割が増えるということにつながります。自治体の中には、かなり前から資産割がない方式を採用しているところもあります。県との協議の際には適正課税を強く要望するものであります。
　　次に移ります。改正国民健康保険法は、県と市の両者が運営を行うこととなっております。この度の移管は、県への完全な移管ではなくて市との二重行政となります。その結果、責任の所在が曖昧となって自治体間の格差是正はなるものの、逼迫した財政の事業運営が困難にならないのか懸念されます。この点について市の見解をお願いいたします。
○秋葉征士議長　斎藤市民生活部長。
○斎藤吉則市民生活部長　お答えいたします。市と県の役割分担が決まっておりますので、責任の所在が曖昧になるということはないと思っております。ただし、ケースによっては県と協議が必要な場合も出てくるかもしれません。その際は全市町村に及ぶことですので、山形県国民健康保険連絡調整会議等で県と十分に協議していきたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
○秋葉征士議長　２番山科幸子議員。
○２番（山科幸子議員）　ただいま、県との十分な協議を行っていくとのことでしたので、今後さらなる移管事業に万全な取り組みをお願いしたいと思います。まだまだ不十分な点がありますが、今後行政と議会との連携を図りながら、市民の負担、不安をなくすよう取り組んでまいりたいと思います。
　　よろしくお願いしたいと思います。
　　以上で、国民健康保険についての質問を終わります。
　　続きまして、きめ細やかな市政の取り組みに移ります。かねてから要望してまいりました、学校や体育館のトイレの洋式化が今回の補正予算に上がっておりますので、今後順次快適な環境への取り組みがなされることを期待いたします。
　　市庁舎などで対応できる不具合や劣化につきまして、早急に対応するとのご回答をいただきました。市庁舎は平成元年に建てられており市民のニーズとともに改善が必要でありますが、具体的な内容についてお聞かせください。
○秋葉征士議長　髙橋総務部長。
○髙橋　昇総務部長　お答えいたします。庁舎をはじめとした公共施設には、より便利に快適な機能の充実が求められているところであります。例えば、おむつの交換台や相談窓口のプライバシーパネルは、利用者のニーズにより新たに庁舎に設置されたもので、建設当初はなかったものであります。庁舎はご案内のとおり、建築から約30年が経過しようとしております。長期間の使用により経年劣化の改修とともに、施設の機能向上を図る必要があり、トイレの改修などもその時期に来ているものと捉えているところであります。施設の維持管理、更新を計画的に進めてまいりたいと考えているところであります。
　　またほかにも、小児用トイレや授乳スペース、これまでの公共施設に不足していた機能や、高齢者や体の不自由な方、小さいお子さま連れの方が安心して移動できるよう階段の段差を解消するなど、施設利用者に配慮すべき施設の整備が挙げられておりますが、全ての公共施設を早急に整備することは困難であると考えているところであります。今後とも安心して公共施設を利用できるように既存施設の老朽度、安全性を見極めながら、利用者のニーズに応じた設備の新設・改修に努めてまいりたいとこのように考えております。
　　よろしくお願いいたします。
○秋葉征士議長　２番山科幸子議員。
○２番（山科幸子議員）　ありがとうございました。細々としたところの目配りこそがきめ細やかな市政であると考えますので、よろしくご対応の方お願いしたいと思います。
　　公共施設の整備と充実につきましては、今後ともきめ細やかに私の方でも市民の方でも、また職員の方も常にニーズに沿ってやっていかねばならないと考えているところであります。
　　さくらんぼ東根駅の駐車スペースにつきましては、早速、応急的な譲り合い駐車スペースを３カ所確保いただきましたが十分ではありません。駅レンタカーを含めまして、駐車場のあり方や障がい者のほかに、高齢者用のスペース等の十分な確保をお願いしたいと思います。駅駐車場や駐輪場の維持管理につきましては委託契約を再度確認の上、除草、清掃など常に快適な環境維持に努められるべきでありますが、環境整備の今後の取り組みについてお伺いいたします。
○秋葉征士議長　石垣経済部長。
○石垣裕之経済部長　それでは私からお答え申し上げます。
　　現在では、さくらんぼタント館の周辺の清掃や除草等につきましては、各種団体の皆様が平均して月１回以上のボランティア奉仕をしてくださっていることから不定期な対応ということで取り組んできておりますが、東根市の玄関口でもございますので、よりお客様の目線に立って、より美しくということで今後とも取り組んでまいりたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○秋葉征士議長　２番山科幸子議員。
○２番（山科幸子議員）　維持管理の委託契約書、もう一度市の方でご確認いただきたいと思います。維持管理につきましては市民のボランティアが行うものではありません。ちゃんと委託金が支払われておりますので、その辺きっちりと管理の方お願いしたいと思います。市のみならず県内外から駅利用者が快適に東根市を実感できるように、よろしく維持管理をお願いしたいと思います。
　　余談ではありますが、この間の市報に東桜学館の生徒が駅のごみ拾いと除草をしたというのが載っておりしたが、生徒さんはごみが多くてびっくりしましたということが載っておりました。これはとてもいいことだなと普通の人は思いますが、市当局から見れば維持管理がしっかりなされていないということになりますので、しっかりとした維持管理につなげていただきたいと思います。
　　続きまして、交通網の充実に移ります。
　　市民バスは市内全域を走っているわけではありません。地域や便数が限られており、他の交通手段でも利用しやすい公共交通機関とはなっておりません。市民が利用しやすいデマンド型や自家用有償旅客運送など、多様な公共交通網のサービスを行うべきではないでしょうか。お伺いいたします。
○秋葉征士議長　斎藤市民生活部長。
○斎藤吉則市民生活部長　お答えいたします。市民バスは路線と時間が決まっていることから誰でも自由に乗車できますが、乗るためにはバス停まで歩いて行かなければならない状況です。デマンド型のバスやタクシー、自家用有償旅客運送につきましては、自由な時間に自宅から目的地までドア・ツー・ドアで乗っていける利点があります。しかし、デマンド型のバスやタクシーは事前予約を行い、その予約に基づき運行経路と時間を決定することになりますので、予約なしの急な利用については難しくなっております。
　　また、自家用有償旅客運送は公共交通空白地帯等において市町村やＮＰＯが旅客運送を行うものですが、これは市内２社ありますタクシー会社の経営を圧迫する危険性があります。今後は市民の利便性の向上に向け、多様な公共交通の形態について勉強してまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
　　なお、高齢者の交通弱者の救済としまして、おでかけサポートタクシー事業や、東根市高齢者運転免許自主返納者支援事業を実施し、タクシー料金の補助を行っておりますので、よろしくお願いいたします。
○秋葉征士議長　２番山科幸子議員。
○２番（山科幸子議員）　市を取り巻く環境は刻々と変化しております。業務内容も変化します。市民憲章には、まず第１番目に「環境を整え、美しいまちをつくる」とあります。新しいものをつくるだけではなくて、道路ができたら草を取る、花を植えるなど、また施設ができればその維持管理にあたる、これがきめやかな市政であると私は考えます。市政運営につきましては、職員の市民目線もとても大事かなと考えました。各課にまたがる細かいことがなかなか進まないのでこの議場で議論させていただきました。今後の職員の適正な配置というのは職員の資質向上にもつながります。そして市政発展へとつながるものと考えます。今後改めて別の場で議論させていただきたいと思います。
　　以上をもちまして、私の質問を終わらせていただきます。
○秋葉征士議長　以上でご了承願います。

　　◎白井健道議員質問

○秋葉征士議長　次に４番白井健道議員。
　　　〔４番　白井健道議員　登壇〕
○４番（白井健道議員）　４番白井健道です。
　　通告に従いまして、３点について一般質問を行いたいと思います。
　　まずはじめに交通安全対策であります。最近小学生の通学の列に車両が衝突するという痛ましい報道が続きました。また、運転中にスマートフォンの操作に夢中になり、大事故を引き起こしたなどといった信じがたい報道にも接しました。少子化の中で、子どもの命が理不尽に奪われるということは、ご家族にとってはもちろんですけれども、国家にとっても大変な損失と言わざるを得ません。これまでの交通安全対策というと、歩行者や自転車が気をつけるべきことといった視点が主であったような印象を受けますが、歩行者・自転車が気をつけていてもドライバー側の不注意、マナー違反、法律違反により引き起こされる事故が目につきますので、そちらの方を重視すべきではないかと思います。私自身も運転をしていて、先日スマホをハンドルの中央に載せて運転しているトラックとすれ違いました。またあるときは、私の前を走る車両がその前の車両のスピードの遅さにいら立ったのか、交差点手前にもかかわらず無謀な追い越しをかけておりました。
　　一般社団法人自動車連盟、ＪＡＦですけれども、ここが行った調査によると、信号機のない横断歩道を歩行者が渡ろうとしている場面で、９割以上の車が一時停止していないということで、多くのドライバーが歩行者優先のルールや横断歩道直前での一時停止あるいは徐行の義務の認識が曖昧になっているんではないかと分析しております。ドライバーは常に歩行者が安全に横断歩道を渡れるように保護しなければなりません。道交法38条、「第６節の２横断歩行者等の保護のための通行方法」には、歩行者の有無を確認できなければ横断歩道の停止位置でとまれるような速度で進行する、横断しようとしている、あるいは横断中の歩行者や自転車がいるときは必ず一時停止をする、横断歩道内及びその手前30メートルは追い越しや追い抜きが危険などと規定されており、横断歩道を渡ろうとする歩行者がいる場合、ドライバーは横断歩道の直前で車を一時停止させ、通行を妨げないように義務づけています。信号機などのインフラ整備は予算的にも全て適時に対応するということはなかなか難しいことだと思います。そこで運転マナーの向上ということが重要になってくると思いますが、本市の取り組みについて伺います。
　　次に、歯と口腔の健康づくり推進についてです。
　　厚生労働省の調べでは、日本人の成人80％が歯周病にかかっているとされています。歯周病は全身の健康状態と大きく関係しており糖尿病や動脈硬化、胎児の早産、低体重児など全身の様々なところに影響を及ぼすことがわかっております。したがって、歯を健康な状態に保つことは、その他の病気の併発を防ぐなど、人々の健康な暮らしの基本と言えます。また、医療費の観点から申し上げますと、統計によれば1980年から2010年にかけての30年間の医療費の増大、この要因は37.1％が人口の高齢化によるもの、45.7％が１人あたりの医療費の増大が要因ということですから、いかに生活習慣病などを発症させないか、そのための一つの有効な施策が歯の健康保持ということも言えるわけであります。
　　このように重要な事項ではありますが、歯周疾患検診などの受診率が低いことや、未就学児の親が子どもの歯の健康に無関心であるとも言われています。歯と口腔の健康は市民の健康増進の一つとして重要な施策であると認識しておりますが、本市の取り組みについて伺います。
　　最後に、行政サービスの効率化のための数値データの活用についてであります。人口減少、少子高齢化社会を見据えた対応が強く求められている中、より効率的、効果的な資源配分を行っていくためには、客観性のあるデータ等に照らした政策、施策立案及びそのＰＤＣＡサイクルによる実践が非常に重要になってきております。
　　そこで、数値や統計に基づいた施策の展開がますます必要となっており、実証的な証拠に基づく政策、いわゆるエビデンス・ベースド・ポリシーというものが注目されています。まち・ひと・しごと創生総合戦略でも、客観的なデータに基づき実情分析や将来予測を行うと明記されており、ＫＰＩ（キー・パフォーマンス・インディケーター）などが導入されており、その実施に際してもＰＤＣＡサイクルが求められていることは言うまでもありません。
　　そのような中で、基本構想、基本計画、振興実施計画、個別の行政計画間の整合性、ロジカルフレームワークの整合性が図られているということがモニタリング及び評価では欠かすことができません。また、議会の決算審査において各事務事業の効果検証のために実績値をあらかじめ把握していることも必要です。これらを踏まえ、以下の２点について伺います。
　　まず１点目は、計画策定時におけるロジカルフレームワークの整合性についてです。この点については、平成26年９月議会の際にも問題提起をさせていただきました。そのときには、基本構想に記載されている主要プロジェクト、それと基本計画の中の個別の施策の関係が必ずしも明確でない、また計画策定時にきちんとしたロジカルフレームワーク、つまり上位計画に対して各施策がどのように貢献するのか、またその成果をはかる指標は何か、これをあらかじめ設定しておかなければ評価が困難になりますということを申し上げました。
　　先日、新たな計画の説明などのために議員懇談会が設けられました。その席でも同様の指摘をさせていただきました。これからは少子化による税収減、高齢化に伴う歳出増が予想されますので、行政計画はますます効率化を図って行かなければならない時代に入ってまいります。このような背景を踏まえ、計画策定時におけるロジカルフレームワークの整合性について伺います。
　　また、決算審査に資する実績値の見える化についてですが、ロジカルフレームワークの整理は効果的な評価のために重要ですが、単年度で言えばこれは決算審査になろうかと思います。決算審査は現在常任委員会を単位とする分科会ごとに行われています。ご承知のとおり、議会では議会のみらい検討委員会で「市民に開かれた議会」「政策提言・立案機能の強化」などを目標に検討を進めております。その中で常任委員会の活性化として、一つ目に所管事務調査を通じた活性化、二つ目に付託審査、特に予算・決算の審査を通じた活性化、三つ目として請願・陳情の取り扱いを通じた活性化の三つの観点から検討を行っております。そして今般、議会運営委員会で多摩市に行政視察に行った際に、大変充実した決算資料を作成され、またそれに基づいて議会として評価を行っている点を研修してまいりました。当市において、決算審査にあたり個別の主な事業においては決算附属資料を活用しているものの、簡易な様式となっており実績値を含めて説明がなされる場合もありますが、そうでない場合にはその場で確認・説明が行われる場合もあります。本来であればそのような時間は省略し、中身の議論に時間を割くべきであると考えております。
　　ついては現在、決算附属資料に掲載されている事業や、総合戦略に関する事業、あるいは優先プロジェクトなどについては、実績値などを記載した資料を作成していただきたいと思いますが、いかがお考えでしょうか。
　　以上をもちまして、登壇での質問とさせていただきます。
○秋葉征士議長　４番白井健道議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。
　　　〔土田正剛市長　登壇〕
○土田正剛市長　白井健道議員のご質問にお答えをいたします。
　　はじめに、交通安全対策についてでありますが、昨年６月全国のドライバーを対象に行った「交通マナーに関するアンケート」によると、「信号機のない横断歩道で歩行者が渡ろうとしているのに一時停止しない車が多い」と思う人は県内では82.2％に達しており、ドライバーの運転マナーの向上が求められております。ドライバーの運転マナーの向上は、１人１人の自覚と意識の向上が大切であり、そのための学習と啓発を行う必要があるものと考えております。
　　これまでの交通安全教育は、若年層を重点的に交通ルールの遵守等に係る交通安全教育及び啓発が行われてきたところであります。しかし、その後の教育は、運転免許更新時の講習がほぼ唯一の交通安全教育の機会となってしまう状況にあります。そのため市では、東根市交通安全推進協議会とともに、街頭において交通安全と運転マナーの向上の啓発活動を年数回実施しているほか、様々な機会を捉えて啓発・学習活動を行っているところであります。このような啓発・学習活動を通して、運転マナーの向上を図ることは交通安全につながるものと認識しているところであります。今後は、警察、地域、団体、企業等との連携をより密にし、運転マナーの向上と交通安全活動を推進してまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
　　次に、歯と口腔の健康づくり推進状況についてでありますが、市民の健康増進を目指して日々様々な取り組みを実施しておりますが、中でも乳幼児期から高齢期まで、それぞれの時期における歯と口腔の健康づくりは欠くことのできない大切な取り組みと認識しております。このようなことから本市においては平成26年９月に「東根市歯と口腔の健康づくり推進条例」を制定し、基本理念の共有と市民、市、歯科医療関係者、保険医療関係者の役割を明確にし、さらには互いの連携を強化し、歯と口腔の健康づくりに関する施策を総合的に推進することとしております。
　　条例に掲げる市が行う基本的施策につきましては、健康ひがしね21に重点目標や具体的な取り組みなどを掲げ取り組んでいるところであります。取り組み例といたしましては、随時の保健指導のほか、１歳６カ月、２歳、３歳児及び小中学校での歯科検診や、成人を対象とした歯周疾患検診、介護予防事業のハツラツお口の教室、もっとげんき教室などを実施しております。また、市歯科医師会による訪問歯科診療や、イベント時における北村山歯科医師会による健康相談、県歯科衛生士会によるブラッシング指導など、各関係機関と連携した取り組みも実施しているところであります。
　　さらには、歯と口腔の健康意識を高めるため健康ポスターの募集や、健康アカデミー講演会をはじめ、市報などを活用した意識啓発など機会を捉えて実施しておりますので、ご理解をお願いいたします。
　　次に、行政サービスの効率化のための数値データの活用についてであります。ご質問の行政計画間の整合性につきましては、本市では基本構想、基本計画、実施計画の３層立てでまちづくりの計画を示しており、併せて各行政課題に対応した個別の行政計画を策定しております。個別計画の策定にあたっては、上位計画の視点や理念を踏まえつつ課題を分析し、目的・目標を明確にして適切な対策を決定することで整合性の確保に努めているところであります。
　　しかしながら、個々の計画の中には策定時期が上位計画の策定から隔たりがあるもの、市が構成員となる協議体の計画であるため、市の基本計画との整合性に関し誤解を招きやすいもの、あるいは整合性の確保が難しいものもあろうかと思うところであります。そのようなことから、必要に応じて審議会やパブリックコメント等により市民から意見を頂戴し、策定後は丁寧な説明を心がけてまいりますので、ご理解をお願いいたします。
　　また、本市における施策の展開といたしましては、総合計画や各種個別計画において、なるべく多くの数値目標を掲げ、進行管理点検や効果測定を行ってきております。また、行政評価におきましては、数値や指標を用いた定量的評価手法の導入に向けて施行を行ってきた経緯もあるのであります。しかしながら行政事務には定量的評価になじまない事業も少なくないことから、近年は限定的に定量評価を行うなど簡素で効率的行政評価に取り組む例が増えてきております。
　　ご提案の決算審査に資する実績値の見える化につきましては、指標を用いることで成果が客観的に説明でき、事務事業の見直しに役立つことが期待されるものであります。そのため、指標化に適した事業の絞り込み等については、議会としてのご意見を賜りながら取り組んでまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○秋葉征士議長　４番白井健道議員。
○４番（白井健道議員）　ありがとうございます。それでは、質問席での質問を続けさせていただきます。交通安全対策についてです。
　　本件につきましては、先月行われました二中学区の意見交換会により問題提起を行わせていただき、小中学校の校長先生、ＰＴＡ役員、そして長瀞・小田島の議員間で意見交換したもの、これをもとに一般質問を行うことになったものです。この背景には、長瀞・小田島地区での道路の整備状況が関わってまいります。現在、市の北西部長瀞・松沢地区において、山形県により道路整備が行われております。県道東根長島線は平成28年６月に供用が開始され、朝晩の交通が非常に多い状況となっております。主要地方道寒河江村山線は現在松沢橋の架け替え工事が行われており、平成30年の完成の予定となっています。また、県道長瀞野田線についても新たな路線整備を山形県に要望している状況です。これら道路整備が完成すれば近隣市町からの通勤車両の流れが大きく変化するものと考えており、長瀞地区や松沢地区の狭い生活道路を抜け道として通過する通勤車両の交通量は大幅に減少されると期待しております。このような道路状況が変化しようとしている中、交通安全対策について何点か伺いたいと思います。
　　先日の日経新聞に、「危険な通学路5,500カ所、安全対策未実施なお残る　文科省まとめ」という見出しの記事が掲載されておりました。それによれば、2012年に危険性が高いとされた通学路7万4,000カ所のうち、2016年３月末時点で5,500カ所において対策がとられていないということでした。本市ではそのような事例に該当するものはあるのでしょうか。またあわせて、市内小中学生の通学路の交通安全対策をどのように行っているかをお伺いします。
○秋葉征士議長　古谷教育次長。
○古谷利明教育次長　それでは、私の方から答弁させていただきます。
　　平成24年に京都府や千葉県などで相次いで起きた登校中の児童が巻き込まれた交通事故案件を受けまして、市では平成25年度に関係機関で協議を行い、平成26年度から学校、教育委員会、生活環境課、建設課、村山警察署、山形県、そして国土交通省、交通安全協会で構成する東根市通学路安全対策推進協議会を組織しております。協議会では学校から報告された点検箇所について年２回、関係機関が合同で現場の状況を確認・点検しまして、その安全対策を協議しているところであります。
　　具体的な安全対策といたしましては、歩道やガードレール、グリーンベルト、外側線、停止線、ドットラインなどの設置、歩道の着色、そして交差点の改良、またパトロールの強化や見守り隊等への協力の要請など多岐にわたっておりまして、その安全対策はホームページでも公表しているところであります。
　　議員ご質問の通学路の安全対策の実施状況につきましては、本市では国道、県道、市道合わせて57カ所が該当しておりまして、対策済みが50カ所、対策工事中が７カ所、未着手・未実施は０カ所となっているところであります。対策工事中の道路につきましては、歩道の設置や歩道の拡幅、交差点改良など比較的大きい工事となっているところであります。今後とも路線の変更に伴う交通量の変化なども含め通学路の状況の変化に対応しながら、通学路安全対策協議会による合同点検と安全対策を継続的に行いまして通学路の安全確保に努めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○秋葉征士議長　４番白井健道議員。
○４番（白井健道議員）　安全対策の実施、実施中も含めるとほぼ100％ということで、先ほども申し上げましたように子どもたちは地域の宝、国の宝でございますのでよろしくお願いいたします。
　　これからは少し細かい道路のポイントについてお伺いしたいと思います。
　　まず、第二中学校北側の白水川左岸の市道、市道白水川堤防４号線と県道長瀞野田線、ここは通勤のための抜け道になってまして通行量が非常に多いです。ちょうど橋になってますので、東西の方からするとずっと上っていくような感じになります。それで視界が悪くて非常に生徒との接触が起こりやすいような形態になっています。先ほど申し上げた県道の完成後は、近隣市からの通勤車両が新しい県道を優先して利用することが予想されてます。今、そちらを使えば東西に抜けられますので、二中のすぐ脇の道を通らなくても東西に抜けられるようになっております。そのために白水川左岸の市道を通学時間帯において通行止めということはできないかお伺いしたいと思います。
○秋葉征士議長　斎藤市民生活部長。
○斎藤吉則市民生活部長　お答えいたします。当該交差点につきましては、通学時間帯に交通指導員が立哨を行い、児童生徒の安全の確保を行っております。また今年度、公安委員会により新たな横断歩道が設置され、さらなる安全に努めているところであります。
　　車両通行止めの規制につきましては、当該路線及び当該道路の車両通行状況、それから沿線住民と土地利用者の同意、それから周辺地域の影響などを調査して、地域の要望により山形県公安委員会が行うことになっております。地域の要望として取りまとめされたときには市としても協力してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
　　なお、新しい県道の完成により、車の流れが大きく変わることが予想されることから通過車両の動向について注視してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○秋葉征士議長　４番白井健道議員。
○４番（白井健道議員）　では続きまして、同様に市道長瀞小学校前通り線のところですけども、村山方面から天童、山形方面への抜け道として利用されてます。しかし、その西側には主要地方道寒河江村山線が整備されました。通勤車両はそちらを優先して利用すべきだと思います。長瀞小学校の前、非常に狭い道路になってます。なのでそこをスクールゾーン化、もしくは先ほどのように通学時間帯は通行止めにできないか、いかがでしょうか。
○秋葉征士議長　斎藤市民生活部長。
○斎藤吉則市民生活部長　お答えいたします。市道長瀞小学校前通り線については、村山方面からの車両が多く通過しております。西側の県道開通によりまして、この市道の通過車両の数は減少しておりますが、依然として朝の通勤時間帯は村山東部方面から多くの車両が通過している状況にあります。市道長瀞小学校前通り線については、路面にグリーンベルトを表示して安全の確保を行っておりますが、道路付近が狭い上、歩道が設置されておらず危険な状態となっております。スクールゾーンや時間帯通行止めの規制については、沿線住民及び地域の理解と協力が不可欠であり、地域の要望として山形県公安委員会が規制を行うことになっております。地域の要望として取りまとめされれば市としても協力してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○秋葉征士議長　４番白井健道議員。
○４番（白井健道議員）　朝の時間は１分でも２分でも惜しいということで、なるべく近道したいという心理が働くんだと思います。地域住民の意向ということでしたので、今回二中学区の関係者だけでしたけれども、さらには区長会なども巻き込んで、いい結果が出るように我々も努力したいと思います。
　　あわせまして松沢地区から長瀞小学校に通う児童ですけれども、これも白水川左岸を通学しております。ここの道路も狭くて河北町方面からの通勤車両が多くあります。今後、主要地方道寒河江村山線に通勤車両を誘導して児童の通学路安全対策として、この白水川左岸の市道の通学路整備が必要と考えますが、いかがでしょうか。
○秋葉征士議長　東海林建設部長。
○東海林克彦建設部長兼水道部長　お答えします。お尋ねの市道白水川堤防４号線でありますけども、現在整備中の県道完成後における交通量や車両の流れ等交通状況を緩和するとともに、松沢地区の皆さんと協議を図りながら、縁石による歩車道分離など通学路の安全確保に配慮した歩道整備について検討してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○秋葉征士議長　４番白井健道議員。
○４番（白井健道議員）　ありがとうございます。面的にいろいろ考えて二度手間のないようにやっていきたいと思いますので、ご協力お願いします。
　　続きましては小田島保育所北側の十字路、ここも事故が多発しております。先般の市長と語る会でも区長協議会の方からご意見あったかと思います。早急な対策が必要と考えております。ここには保育所の整備とかもありますので、交差点の改良を含めた市道の改良工事というものが計画されていると思いますが、その計画についてお伺いします。
○秋葉征士議長　東海林建設部長。
○東海林克彦建設部長兼水道部長　お答えします。小田島保育所北側の市道蟹沢谷地線につきましては、今年度道路詳細設計を実施し平成32年度の完成の予定であります。事業の概要は、延長約470メートルの区間につきまして道路幅員を11メートルの拡幅整備を実施するものであります。車道8.5メートル、歩道2.5メートルとなっております。また、小田島保育所北側の交差点につきましても交差点改良を実施し、通学路の安全確保を図ってまいります。今後事業実施に際しましては、村山警察署等の関係機関と十分に協議を図りながら交通安全対策を実施してまいりたいと思いますので、ご理解をお願いいたします。
○秋葉征士議長　４番白井健道議員。
○４番（白井健道議員）　ありがとうございます。先ほど交差点は、最近も大きな事故が発生しました。この交差点は南北が優先道路で、東西が非優先道路となってます。現在は西から東に向かう道路は保育所があるので一旦停止しないと左右が確認できないので、西から東に向かう車両は必ず一旦停止するんですけれども、東から西へ向かう車両については見通しがいい分、来ないと自己判断をして突っ込んで行って事故につながるということが起きています。その対策として現在は標識を点滅させたり、道路にでこぼこをつくったりと工夫をしていただいてますけども万全の効果とはなっておりません。今後、民設民営の保育所が開設すると思いますけれども、旧保育所が解体され、西から東へ向かうところも非常に見通しがよくなる、よくしていただけるんだと思うんですが、それが返って皮肉にも事故につながらないように東西両方向からもきちんと安全が確保できるように工夫をお願いしたいと思います。
　　以上をもって、この交通安全対策についての質問を終わります。
　　続きまして、歯と健康の口腔の健康づくりですけれども、今計画としては健康ひがしね21というものに歯周疾患検診などの数値目標というもの掲げられておりますけども、その達成度についてお伺いしたいと思います。
○秋葉征士議長　梅津健康福祉部長。
○梅津佳之健康福祉部長　お答えをいたします。市民の健康増進・健康寿命の延伸を目指しまして、平成25年度に10年計画である「健康ひがしね21」を策定したところであります。その中に評価の指標として数値目標を掲げております。この数値目標は国や県の目標値などを参考としておりますが、現状値や目的達成度について、より東根市民の数値として把握できるものを中心に設定しております。歯と口腔についての評価指標４項目のうち、歯の喪失防止と過去１年間の歯科検診の受診者割合については県レベルで把握する数値となりますので、市が現在把握できるその他の２項目について申し上げたいと思います。
　　一つは、３歳児で虫歯のない児童の割合であります。目標90％に対しまして平成27年度では82.3％となっております。目標には至っておりませんが、毎年高いレベルで推移をしております。
　　もう一つは、ご指摘もありましたが歯周疾患検診者の割合であります。40歳、50歳、60歳、70歳の節目にあたる方を対象にしまして自己負担1,500円で歯周疾患検診の助成を行っております。受診率目標10％に対しまして平成27年度は2.9％でありました。例年低調な数値となっております。受診率が低い要因として、既に治療中である方や検診として受診はしたものの、結果として治療に移行された方も少なくないと捉えております。いずれにしましても、多くの方に受診していただけるように啓発に努めてまいります。
　　よろしくお願いいたします。
○秋葉征士議長　４番白井健道議員。
○４番（白井健道議員）　子どもの虫歯は改善傾向にあるということですけども、子どもたちの虫歯については、未就学児の保護者の関心の低さが原因になっているとも言われています。乳幼児保育所、幼稚園や小中学校での検診結果の活用が大切だと思います。虫歯予防に関してフッ化物を用いることが最も効果の高い方法として科学的にも証明されております。そこで当市では市内全小学生でフッ素洗口が実施されており、平成17年からは乳幼児健診時にも希望者に対してフッ素塗布を行っていると承知しております。そこで、平成17年以前と現在までを比較して虫歯の罹患状況の変化についてデータなどはあるでしょうか。
○秋葉征士議長　梅津健康福祉部長。
○梅津佳之健康福祉部長　お答えをいたします。乳幼児において１歳６カ月、２歳、３歳児の健康診断時に歯科検診も実施しているところであります。その際、虫歯などが見られた場合は母子健康手帳に記録するとともに、保護者に対し治療を促す保健指導を行っております。特に乳幼児期において歯の治療が大変困難な場合もありますけれども、保護者に対してブラッシングの方法など日ごろからのケアについて丁寧に指導しているところであります。また議員ご指摘のとおり、平成17年度から保護者が希望すれば健診時にフッ素塗布を実施しております。その前後での状況を申し上げますと、３歳児検診のデータによりますと、虫歯のない児童の割合はフッ素塗布以前の平成16年度以前は各年度30％から60％の子どもさんが虫歯のない児童の割合となっておりましたが、フッ素塗布を実施した平成17年度以降は昨年度の82.3％を最高としまして、60％から80％で各年度とも虫歯のない子どもの割合が高くなってきております。
　　よろしくお願いいたします。
○秋葉征士議長　４番白井健道議員。
○４番（白井健道議員）　やはりお子さんの場合は親が連れていくということで非常に効果が出たということですけども、成人が対象、40歳以上の節目の歯周疾患検診については受診率が2.9％ということで非常に低いと思います。私も50歳のときにハガキいただきましたけども、そういう私も行ってなかったということを今思い出しました。歯周病については20歳ぐらいから対策が必要と言われてます。40歳からではなく、20歳、30歳に拡大したらどうかなと思います。それから自己負担1,500円というのも治療した方が安くなるのか、金銭的なものも低受診率の原因かなと思います。
　　もう一つ、受診率を上げる工夫として健康マイレージ事業を始められてると思うんですけども、この受診・検診をマイレージのポイントにすることはできないでしょうか。これなら簡単に予算も伴わずにできるじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○秋葉征士議長　梅津健康福祉部長。
○梅津佳之健康福祉部長　健康マイレージ事業について昨年度から実施をしているわけですけれども、市民の健康につながるものについてはいろいろとこれからもそういう要素を拡げて行きたいと考えております。ご提案について検討させていただきます。
　　よろしくお願いいたします。
○秋葉征士議長　４番白井健道議員。
○４番（白井健道議員）　ありがとうございます。また子どもの方に戻りますけども１歳６カ月、２歳、３歳児での歯科検診、フッ素塗布、ブラッシングの指導があります。ただ、小学校に入学するまでの３年間、幼稚園、保育所の時代、これの虫歯罹患状況やフッ化物の応用状況などについて市は報告を受ける体制になっているんでしょうか。実は就学前検診とかで、３歳まではいい状態だった子どもたちが就学前検診で非常に歯がひどい状態になっているということで先生方も驚いているケースがあるということなので、その３年間についてどのような体制になっているかお伺いします。
○秋葉征士議長　梅津健康福祉部長。
○梅津佳之健康福祉部長　お答えいたします。保育所においても、年１回、嘱託歯科医による検診を実施しております。その際、虫歯が見られた場合については、保護者に対し結果通知を行い治療を促しております。小中学校においては各学校に学校保健委員会等が設置されており、これら検診の結果を統計し保健指導に活用してると聞いております。保育所においては法令上、歯科検診実施の義務はあるんですけれども、必ずしも市への報告の義務がないことから、各保育所等において保護者への治療等を促すことに力を入れております。
　　よろしくお願いいたします。
○秋葉征士議長　４番白井健道議員。
○４番（白井健道議員）　３番目のデータを活用した効率的な行政運営ということもあります。このデータというのは、経年で拾っていかないとなかなか意味がないというところもありますので、報告義務がないところなんだと思いますが、この辺についても検討いただければと思います。
　　最後に市長の答弁にもありましたが、関係者間の連携を強化していくということがありました。一方、学校検診などで歯科医師会と衛生士会の方がはじめてそこで会って、その認識が違っていたという事例もあるやに聞いております。こういった関係者間が年に１回程度会って情報交換、そういったものを設ける必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○秋葉征士議長　梅津健康福祉部長。
○梅津佳之健康福祉部長　市で行っている各健診ですとか、啓発に関する各事業については先ほど申し上げましたが、いずれも歯科医師会や歯科衛生士会のご協力、連携なくしては成し得ない取り組みと考えております。利用機関の情報交換の機会設定については、それぞれの機関のご意見なども伺う必要があると考えます。いずれにしましても、今後も引き続き本市の推進条例に基づき、それぞれの関係する機関が役割を果たし、連携を図りつつ、総合的、計画的に歯と口腔の健康づくりを進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
○秋葉征士議長　４番白井健道議員。
○４番（白井健道議員）　ありがとうございます。そうしましたら、最後の行政サービスの効率化の部分に移りたいと思います。
　　冒頭、実証的な証拠に基づく政策ということでエビデンス・ベースド・ポリシーということに触れましたけども、これは統計的な手法を使って実証を分析して政策に生かしていくということで、そのためには実態、現状分析というか実態調査が必要になってくると思います。
　　先般、あるセミナーでＮＨＫのドキュメンタリーで無縁社会、老人漂流社会といった番組がありましたけども、その制作に関わった明治学院大学の河合先生のお話を聞く機会がありました。その中で、高齢者問題イコール介護保険と捉えがちだけれども、実は広く老人福祉として捉えなければならないと。行政サービスから抜け落ちてしまう高齢者がいること、そしてそれを防ぐためには訪問調査などを通して実態調査をすることの重要性を語られていました。先生の関わった港区においては1995年、2004年、2011年、３回の調査が行われ、うち２回は対象者全員を調査する悉皆調査が行われています。質問の立て方とか集計分析も非常に専門性の高いものをもってやられております。
　　当市においても、今後の急激な高齢化社会であって実情を踏まえた施策の実施が必要となると思いますけれども、本市の取り組みについてお伺いしたいと思います。
○秋葉征士議長　梅津健康福祉部長。
○梅津佳之健康福祉部長　お答えをいたします。高齢者の実態把握についてお答えをいたします。高齢者に関する基本的な情報としては、一つは住民基本台帳による人口でありますとかひとり暮らし、老夫婦のみなど世帯形態に関する数値があるかと思います。計画策定などにおいて活用していくところであります。もう少し詳細な情報としては、３年ごとに策定している老人福祉計画及び介護保険事業計画におけるアンケート調査の結果があるかと思います。質問項目として、家族構成、住まいの状況、運動習慣、外出の頻度、移動手段、身体状況などがあります。高齢者の生活実態の把握とともに、必要な行政サービスの検討などに活用しているところであります。
　　前回の調査では1,000人を無作為抽出しまして民生委員のご協力により実施をし、95％ほどの回収率になったところであります。さらに、個々の詳細な状況把握としては議員ご指摘のとおり訪問による調査になるかと思います。市では、社会福祉協議会に委託している地域包括支援センターの相談支援事業の一つとしまして、高齢者のみの世帯など約1,500世帯の訪問を平成27年度から実施中であります。現在、約半数の750世帯の訪問調査を終えております。そのほか、戸別訪問としては介護認定にかかる更新時の調査もあり、約2,000人が対象となっており定期的に実施されております。これらは高齢者の生活実態を把握するとともに、身体的、経済的な支援に直接結びついているところであります。
　　以上、高齢者の実態把握について申し上げました。
　　よろしくお願いいたします。
○秋葉征士議長　４番白井健道議員。
○４番（白井健道議員）　ありがとうございます。アンケート調査と訪問調査をされているということで、非常に有意義な取り組みかと思います。そこで要望なんですけども、先般伺った際、今の答弁にもありましたが、アンケート調査や戸別訪問のときには経済的な状況、いわゆる収入面については把握するような形式にはなっていないようですが、収入という指標は非常に重要なものと言われております。今後検討していただければと思います。これはさっきの河合教授も指摘している点でありました。なお補足ですが、この同教授は山形県が2011年に実施した全市町村でのひとり暮らし高齢者調査にも関わっているので、いろいろアドバイスを受けられるのかなと思いました。
　　さて、次の質問に移りますが、先般国勢調査でも実施され、ホームページでも詳細な情報が掲載されておりますが、例えば高齢夫妻世帯だけでも様々な区分でデータが掲載されています。これらの元データというのは、国勢調査の際に我々自身が回答したものです。国勢調査の調査区というのは、平均的に約50世帯が含まれるようにして日本全国を区画してつくられ、全国には約90万の調査区が設定されていると言われます。この各調査区に関しては、調査区地図が整備され境界が明確になっており、国勢調査の結果によってその調査区の特性に関する統計が整備されているということです。これを踏まえて、今後の自治会の運営の仕方についてお伺いしたいと思います。
　　東根市全体の人口は増加しております。平均年齢も45.9歳、年齢中位数は45.6歳となっておりますけれども、自治会ごとに戸別に世帯構成年齢、世代などを見ていくと近い将来不安になるケースというものも出てきているのもあると思います。
　　例えば、ある地区の自治会の総会資料には、次のような記述がありました。小学校入学児童は全戸数約150世帯の中から３名だけ、敬老会該当者88名、65歳以上の高齢化率は41.5％、それに悲観しているわけではなくて、若い人の力を使って盛り上げようという内容ではあります。ただ、このような実態があります。また、その自治会内の隣組を見た場合には、高齢化率が何と７割を超えるような組もあると。さらには空き家、もしくは空き家予備軍があるということで心配されている自治会もあります。これらの数値は、地元の方が普段の生活の中で集めた情報に基づいているわけですけれども、先ほどの国勢調査のようなデータがあるわけですから、市の方からもある程度の情報が提供できるのではないでしょうか。例えば、区ごとの男女別人数程度は表としてつくられているようですけれども世代別居住者などのデータ、そういったものは提供できないのでしょうか。よろしくお願いします。
○秋葉征士議長　髙橋総務部長。
○髙橋　昇総務部長　お答えいたします。世代別の居住者のデータの提供についてでありますけれども、国勢調査のデータは区ごとのデータの抽出はできない、このようになっております。一方、住民登録基本台帳からは区ごとのデータをお出しすることは可能であります。区長さんからご要望があった場合は、個人情報を含まない範囲で提供しているところであります。またその一方で、住民同士が生活者の目線でお互い気遣い合う風土を培うことも大切であります。ひとり暮らしの高齢者が隣にいれば、周りの住民が災害のときなどにどのように支えるかをあらかじめ相談しておくなど、共助を進める取り組みも大切なことと、このように捉えているところであります。
　　よろしくお願いします。
○秋葉征士議長　４番白井健道議員。
○４番（白井健道議員）　ありがとうございます。共助を進めるということでしたけども、最近、地域がなるべく行政に頼らず組織を強化したり、また自主財源を確保したりする動きが目立っています。例えば、鹿児島県鹿屋市柳谷地区、いわゆる「やねだん」地区、あるいは本県で言えば、地区全体を特定非営利団体とした川西町の吉島地区などです。地域の自立の重要性が認識され、また実行されているということなんだと思います。
　　最後になりますけれども、今回３点について私なりに共通のテーマがありました。それは、財政出動をなるべく抑えつつも、住民の福祉向上や幸せな暮らしの実現をいかに実現するかということです。
　　一つ目の交通安全につきましては、インフラ整備よりもまずは運転マナーの向上による安全確保、２番目については、治療よりも予防を重視し医療費の増大を抑える、３番目については、行政に過度に依存しない地域の自立ということでした。国の財政状況は厳しいと私は認識しております。その理由は、少子化による今後の税収減少と高齢化による社会保障関係費などの歳出増、それから何と言ってもＧＤＰ比200％と言われる財政赤字、これについては資産があるだろうとおっしゃる方もいますが、国の資産というのはすぐに現金化できるものばかりではありません。さらには将来世代の年金、これから若い人が年をとったときの年金、これについてはバランスシート上の負債の方には記載されておりません。隠れた債務と言われております。それから地方財政について言えば臨時財政対策債、これは恒常化しており来年度は増えると予想されています。
　　同僚議員からも国保あるいは介護についても指摘がありましたが、一方で消費税については反対だということで、どこかにしわ寄せは来ると。これまで三方一両得というのが一般的だったと思いますけども、これからは三方一両損だということも我々覚悟しなければいけないと思います。
　　市長、もしそのようなところでお考えがあればと思いましたが。私の方は、この財政状況厳しいところで自治体経営についてはしっかりと地域で支える、あるいは市民１人１人がマナーの向上であるとか、自分の健康に気をつけていくと、そういったところで乗り切っていくべきではないかなと思います。
　　以上をもちまして、私の一般質問を終わりたいと思います。
○秋葉征士議長　以上で、ご了承願います。

　　◎散　　　　　会

○秋葉征士議長　以上で本日の日程は全部終了しました。
　　本日はこれで散会をします。
　　ご苦労さまでした。

　　　午後　２時３０分　散　会