議事日程 第3(一般質問)

平成22年3月5日 午前10時 開 議

      清  野  貞  昭 議長       秋  葉  征  士 副議長


◎出席議員(17名)
 1番   水  上  公  明 議員       2番   高  橋  光  男 議員
 3番   細  矢  俊  博 議員       4番   大  場  英  雄 議員
 5番   浅 野 目  幸  一 議員       6番   加  藤  信  明 議員
 7番   阿  部  清  雄 議員       8番   阿  部  綾  子 議員
 9番   高  橋  ひ ろ み 議員      10番   佐  藤     直 議員
11番   奥  山  重  雄 議員      12番
13番   青  柳  安  展 議員      14番   清  野  忠  利 議員
15番   武  田  敏  夫 議員      16番   結  城     芳 議員
17番   秋  葉  征  士 議員      18番   清  野  貞  昭 議員

◎欠席議員(なし)

◎説明のため出席した者の職氏名
                                 教育委員会
土 田 正 剛  市     長        横 尾 智三郎
                                 委  員  長
         選挙管理委員会
奥 山   元                 荒 川 妙 子  代表監査委員
         委  員  長
八 島 一 夫  農業委員会会長        大 江 和 明  消  防  長
椎 名 和 男  副  市  長        小 関 正 男  教  育  長
高 橋 一 郎  総 務 部 長        杉 浦 宗 義  市民生活部長
黒 田   長  健康福祉部長         岡 崎 春 夫  経 済 部 長
         建 設 部 長
小 林 文 雄                 山 科   優  会計管理者
         兼水道部長
矢 作   隆  教 育 次 長        間木野 多加志  総合政策課長
塩 野 康 二  庶 務 課 長        中 里 純 一  財 政 課 長
         選挙管理委員会                 監査委員
太 田 紀代子                 森 谷   健
         事務局長                    事務局長
         農業委員会
今 野 和 行
         事務局長

◎事務局職員出席者職氏名
佐 藤 信 行  事 務 局 長        石 垣 和 彦  事務局長補佐
安 達 利 也  議 事 主 査        高 橋 範 一  主     事
塩 野 睦 美  主     事        梅 津 佳 之  兼務書記

◎議 事 日 程

 議事日程第3号
       平成22月3月5日(金) 午前10時 開 議

 日程第 1  市政一般に対する質問
        1  5番   浅 野 目  幸  一
         2 15番   武  田  敏  夫
        3  9番   高  橋  ひ ろ み
    (散     会)


◎本日の会議に付した事件

 議事日程第3号に同じ。


番号 質 問 者 質問事項 質   問   要   旨 答弁者
浅野目 幸 一
議     員
1.環境にやさしい農林産地づくりについて 1.農家、事業者、市が協力し果樹剪定枝の有効利用を図る実験を行った。
(1)成果はどうか。グリーン電力購入の考えはあるか。
(2)バイオマス資源活用は、環境保全や森林整備等の実践につながる。仕組みづくりをどう導くのか。
(3)課題をクリアするために「粉炭」方式を導入してはどうか。
市  長
2.サルと市民の微妙な関係について 1.サルの生活域が、私たちの居住地へ拡大している。
(1)深刻化する食害は、農業経営に甚大な被害をもたらす。猿害対策を伺う。
(2)保護管理実施計画において、捕獲調整は105頭とある。検証と効果はどうか。
(3)追い払いが最も望ましい。対応する地区民の体制づくりを伺う。
市  長
武 田 敏 夫
議     員
1.公益文化施設の建設について 1.公益文化施設の建設について市民の期待が高まっており、市長の今後の市政運営の中に具体的な整備の方針を示す時期に来ていると思われますが、市長のお考えをお聞かせください。 市  長
高 橋 ひろみ 1.子育ての環境づくりについて 1.「次世代育成支援行動計画」の後期計画の中間報告が示されましたが、上位計画の「第4次総合計画」との調整と合わせ、公立・民立保育所、認可外保育施設、児童福祉施設、認定こども園、民立幼稚園等について、幼保一元化も含め今後どのようにお考えか。 市  長
2.高齢者の環境づくりについて 1.介護施設への待機者解消の施策が進んでいるようですが、高齢化率が急速に進行するなか待機者の解消をどのようにお考えか。 市  長

◎開     議

○清野貞昭議長 皆さん、おはようございます。
 本日の会議に欠席及び遅刻の届け出はありません。したがって、出席議員の数は17名で定足数に達しておりますので、これから本日の会議を開きます。
 本日の会議は、議事日程第3号によって進めます。

◎市政一般に対する質問

○清野貞昭議長 日程第1 市政一般に対する質問を行います。
 質問は通告順としますが、発言順番を迎えたときに議場にいない場合は発言権の放棄とみなしますので、そのようにご了承願います。

◎浅野目幸一議員質問

○清野貞昭議長 最初に、5番浅野目幸一議員。

   〔5番 浅野目幸一議員 登壇〕

○5番(浅野目幸一議員) それでは、おはようございます。通告により一般質問をいたします。
 環境にやさしい農林産地づくりについて伺います。
 村山地域において、昨年3月末に行った果樹剪定枝の有効活用実験の結果について、新聞報道によると「果樹農家が協力して約277トンを回収、農家からは「燃やす手間が省けて助かる」といった肯定的な声が多く聞かれた」とあります。一方で、受け入れ側のチップ材加工業者は「採算を確保するため、販路をどう広げていくか課題がある」と報じられました。これを受け、まずは本市として得られた成果について伺います。
 また、果樹剪定枝などチップ材を活用したバイオマス発電について、グリーン電力を環境負荷軽減を図るため公共施設で利用する、これにより電気の基本料金が2%ほど安くなり、出費減が見込まれるとのことです。本市でも地産地消の取り組みとしてグリーン電力を購入する考えがあるか伺います。
 次に、バイオマス資源の活用は、環境にやさしい森林整備や果樹産地づくりの実践にもつながると思います。果樹王国として特に剪定枝を資源とした有効活用の仕組みづくりをどう導くのか伺います。
 加温ハウスでの生産コストの引き下げと付加価値を高めて需要の拡大につなげられるようにする。また、CO2排出枠取引で副収入が得られる。自然エネルギーを産地化していく。そんな東根市方式の仕組みを確立しなければなりません。農家、事業者、行政それぞれが協力することの意味は、経済的にも環境保全にも三者三方良しで、公平な仕組みを切り開くことにあります。エネルギーの再生可能な農林業の振興、環境に配慮した果樹産地づくりは、全国、全世界全ての消費者に対してその付加価値を十分にアピールすることができます。その最大の課題は採算性をどうクリアするかにあると思います。中でも粉炭化方式は、その場のリサイクルによって自らが利益を得られ、まさに地産地消の究極と考えますので、お伺いいたします。
 ここで粉炭について説明をさせていただきます。農園や山裾でもつくれる粉炭のことでございます。これは野焼きと何ら変わらないのでありますが、やり方を変えて、未来型の炭焼き釜としたもので、提案する技術はプール式の平炉であります。通常の炭釜との違いは、機械力によって従来の炭焼きから労働力を軽減し、炉への設備投資額が少なく、しかも大量に生産し、作業用炭として多量に利用することを可能にしたものです。人類は数千年、薪、木炭を燃料にバイオマスエネルギーとして使用してきました。この未来型の炭焼きが農林産地づくりの切札と考え、粉炭方式の導入を提案いたします。
 続いて、猿と市民の微妙な関係について。
 ニホンザルの生活域の私たち居住地への拡大により、今一触即発の微妙な関係にあると思いますので、お伺いするものです。
 まず1点目は、深刻化する食害は市民の耕作意欲を阻害し、農業経営に甚大な被害をもたらしています。山形県の被害額の半分が東根市と聞いておりますが、本市の猿害対策が今どうなっているか、さらに今後の対策を伺うものです。
 次に、東根市ニホンザル保護管理事業実施計画において、捕獲等の個体数調整は105頭とあります。掲げた目標達成について検証と効果はどうか伺います。
 次に、3点目、群れの数、行動範囲等、生息状況や生態把握はどうなっているか、お伺いいたします。
 猿と人間の居住地の境界を明確にして猿を自然界に帰す、私は追い払いによる住み分けが最も望ましいと考えるものであります。そのためには、対応する地区民のコミュニティ体制が重要と思いますが、猿と市民が接近する微妙な関係について市長の考えを伺います。
 以上、登壇での質問といたします。
○清野貞昭議長 5番浅野目幸一議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。

   〔土田正剛市長 登壇〕

○土田正剛市長 浅野目議員のご質問にお答えをいたします。
 はじめに、環境にやさしい農林産地づくりについてでありますが、ご案内のとおり、野焼きについては廃棄物の処理及び清掃に関する法律等により原則的に禁止されておりますが、農業から生ずる果樹の剪定枝については例外的に焼却処理が認められております。
 さて、果樹剪定枝については、平成16年に策定された山形県バイオマス総合利用ビジョンにおいて、村山地域全体で年間約2万6,000トン、そのうち東根市では約5,000トン発生することが推計されております。そのため、県は大気汚染や生活環境への配慮と環境にやさしい果樹産地づくり等を目指し、平成20年度に村山地域果樹剪定枝等循環利用協議会を設立し、3カ年の果樹剪定枝有効活用実験を実施しております。
 実験の内容は、東根市と村山市の2市でのモデル事業として、果樹農家が剪定枝を活用事業者、いわゆるチップ処理業者へ処理費用を負担することなく搬入し、処理業者がチップ等に加工し、バイオマス発電所や敷きわらの代用品として畜産関係事業所などに販売するものであります。
 その結果、実際に協力した農家数は、東根市が223戸、村山市が113戸で、回収された剪定枝は、東根市が221トン、村山市が56トンの計277トンであり、東根市、村山市とも発生する剪定枝の4%程度となったところであります。
 これまで樹園地が住宅地周辺のため、野焼き作業ができない果樹農家等で一般廃棄物としてクリーンピア共立へ搬入していた方々からは大変喜ばれた一方で、果樹の経営面積が大きい農家では剪定作業や枝の収集、その後の防除作業などの繁忙期に入る3月中・下旬に剪定枝の梱包や運搬作業などに労力を割くことが大きな負担になるという課題が浮き彫りになったところであります。また、処理業者においても処理経費の負担が大きく、無料での受け入れに難色を示していると聞いております。
 本年度もこの実験が寒河江市や山辺町に拡大して実施される予定であることから、それらの結果を十分に検証し、課題となっている果樹農家や処理業者の負担のあり方等も含め、東根市の剪定枝利活用プログラムを研究し、環境に配慮した農業の推進を図ってまいりたいと考えております。
 また、グリーン電力の購入や粉炭の取り組み等につきましても、このプログラムの中であわせて研究してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
 次に、猿被害対策についてでありますが、ご案内のとおり本市の猿被害は、桜桃や桃、リンゴ、梨等の果樹をはじめ、たばこやトウモロコシ、かぼちゃ等の農作物まで被害が及び、平成13年、15年、18年度の3カ年は1億円を超える被害金額が発生しております。このようなことから市内3地区に猿被害対策協議会が設置されたことを機に、3地区の猿被害対策協議会に猟友会を加え東根市猿被害対策連絡協議会を設立し、追い払い活動に加え駆除を含めた対策や支援を実施し、さらに高齢化傾向が続く猟友会の後継者育成にも支援を行ってきたところであります。また、県においてもモデル事業として、発信機を装着した猿が集落に接近すると警報器が作動し、付近住民の協力による追い払い活動を可能とする猿接近警戒システムを平成16年度に市内3地域に設置しているところであります。
 次に、ニホンザル保護管理実施計画の検証と効果についてでありますが、県は平成19年6月に鳥獣保護法に基づきニホンザル保護管理計画を策定しており、その中では、本市の現在の個体数は420頭であり、うち300頭が適正な個体数であるとし、差し引き120頭が駆除可能であることが示されました。本市においても県の計画に基づき平成20年度に東根市ニホンザル保護管理事業実施計画を策定し、猿の個体数調整として年間を通して駆除することが可能になりました。さらに、平成20年の鳥獣被害防止特別措置法の施行により、追い払い活動や電気柵等が国庫補助事業の対象になったことから平成20年9月に東根市鳥獣被害防止計画を策定し、各地区の猿対策協議会に対して追い払い活動に使用する花火の導入や電気柵への補助等の支援を行ってまいりました。
 猿の捕獲数は、平成19年度が15頭、平成20年度が31頭で実施計画の捕獲頭数に満たない状況でありますが、被害額は、平成19年度が約7,600万円、平成20年度が3,300万円と効果があらわれている状況になっております。
 しかしながら、市民からは被害低下の実感がないとの意見の多いことも承知しており、今後とも被害額のみにとらわれることなく、猿被害対策について継続して取り組んでまいります。
 次に、追い払いを行う地区民の体制についてでありますが、県は緑環境税を活用し、人家に隣接した森林の裾野について帯状に枝打ちや下草刈りを行い見通しをよくすることにより、人と野生動物との住み分けの緩衝帯を整備する「動物共生の森づくりモデル事業」を平成19年度に間木野地区で実施しました。これは、前述しました猿接近警戒システムの中で、追い払い活動を担う地域の高齢化や過疎化により効果的な追い払い活動が困難であることから、緩衝帯の導入による有機的な効果を図るためのモデル事業で、モニタリングや生息状況調査、農作物被害状況の調査等を5年間実施し、詳細な解析を行うこととしています。したがいまして、この調査結果等について総合的な評価を行いながら、地域住民の体制づくりも含め研究してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○清野貞昭議長 5番浅野目幸一議員。
○5番(浅野目幸一議員) それでは自席での質問をいたします。
 昨年に続いて剪定枝の無料回収を行うということでございます。本当に農家が忙しいときでございまして、ましてや処理業者が無料の受け入れに難色を示すというのは、無理もない話だと思っております。運搬費というのが相当な経費だと考えますと、なかなか大変だと思ってございます。
 お互いに負担の中での実験で今回つくられたグリーン電力でございます。協力した方々で利活用すべきだとだけ申し述べておきます。
 さて、私の想定する環境にやさしい農林産地づくりというのは、森林整備をも含む林業の視点を加えてみたものでございます。果樹の剪定枝というのは林業で言うと間伐に相当します。視点を変えてみるとよくわかりますので、例を出してご説明をさせていただきます。
 東根市は207平方キロメートル。75%は山林、畑を足しますと86%。それに田んぼを足しますと何と94%が農林用地でございます。今般、市独自のナラ枯れ対策というので、薬剤支給などでNPOと自治会などとの自主的な協力連携によって行なおうとしてございます。
 しかし、やはり高齢化が進んでおります中で、資材の搬入、時には間伐材の搬出・搬入、これ考えますと剪定枝以上に労力といいますか、コストがかさむのが明らかでございます。ついては、剪定枝回収作業といいますか、そういったことに協力者を募ってはいかがでしょうかということでございます。森林ボランティアをなさっている方もいますし、山のボランティア、それから農業の関係の団体なども広く加わってもらって、輪を広げていかれたらいかがかと。農業と林業の連携、あるいは建設業と林業の連携、あるいは市民との協働のまちづくりにありますように市民との連携、こういうものについて考えていくべきではないかと思うところでございます。
 こういった剪定枝問題についてはいろいろな要素がございまして、地球温暖化問題ですか、それから再生可能なエネルギーの問題。国は、2020年までに供給量を再生可能なエネルギー10%という目標を掲げました。こういった国家戦略に沿って休耕地ですか、耕作放棄地もあるわけですから、そういうところにバイオマスの作物を植えるとか、そういった新たな何か発想を、前向きなそういう研究がもっと必要なのではないかと思うところです。農業は農業、林業は林業、あるいはごみ問題は生活環境の部課ということで、それぞれ別々という時代はもうなくなってきたのではないかと思うからでございます。
 先ほど答弁にありました剪定枝利活用プログラムですか、そういった中で、あるいはナラ枯れ対策の中でですけれども、庁内でも連携を仕組んでいく必要があると思いますので、その辺の庁内連携等について市長のご答弁をいただきたいと思います。
 それで粉炭方式のご提案でございますけれども、通告をさせていただきましたが、調べていただいたのではないかと思いますけれども即決は無理だろうと私も思っております。しかし、十分な検討に値するのではないかと思っております。
 それでナラ枯れの被害対策ですか、先般示されましたこの計画策定の目的、それから背景の一説、ちょっと読み上げてみたいと思います。「ナラ枯れ被害木の多くは50年以上の老齢樹であることから、炭焼き等の定期的な伐採で萌芽が更新されることが健全な森づくりに有効な手段と言われているが、現在の化石燃料に依存する社会環境では困難な状況にある」とうたわれ、記述されております。つまり炭は森づくりに有効な手段だということだと思います。
 そこで東根市の剪定枝でございますけれども、5,000トンあるわけですが、仮に炭にしてトン当たり500円で売ったとして200万円程度にしかなりません。これでは流通というのは成り立たないということがもう明らかなわけです。しかしその付加価値というのは、これは絶大なものがあると私は思います。例を申し上げます。「知事、どうして宮崎県産のマンゴーはこんなに高いんですか」と。「燃料費がかかっているから」と答えたかどうかちょっと定かではないんですけれども、ウェブサイトを見ますと、そういうくだりがありました。
 そこで加温ハウスを、剪定枝の粉炭を使用しましてといいますか、そういう粉炭ストーブといいますか、炭のペレットなんです。もうこれ既に開発中でございまして、島根県に行き、所属会派で見てまいりました。本市でもペレットストーブに助成をしておるわけでございますので、この粉炭ペレット、粉炭ストーブ、これについても少し調査研究をしていただきたいという私の要望でございます。是非、ここを視察に行かれてはいかがかというご提案をしておきたいと思います。
 さくらんぼも同じことが言えまして、「なぜ高いのですか」、「これは自然エネルギーでつくっています」と、大田市場で付加価値のある省エネさくらんぼをPRできるんではないかという考えでございます。果樹王国ひがしねブランド戦略として全国に発信していただきたい。トップセールスを行っていただきたいと思うわけでございます。
 循環型の再生可能な果樹産地づくりということで、このさくらんぼのエコブランド化、これが東根市が発祥の地となるという、これは夢のようなお話でございましてアイデアでも何でもないんですが、こういう夢を考えると、できない理由を考えるより夢を考えた方が楽なので、こういう質問をさせていただいております。
 もう少しお話をさせていただきます。この炭釜、価値は様々でございまして、二、三、値打ちのほどを申し上げます。
 果樹剪定枝に限らず間伐材は、放置されれば腐朽、腐朽というのは腐れます。腐れればCO2が排出されます。ですから、どうせ排出されるならば炭にした方が得策ではないか。それからグリーン電力、これ電気は保存できません。炭は保存できます。ですから、例えば春、夏、暇を見て炭をつくってストックして冬場に加温ハウス用に使うということができると思います。それから炭をつくる過程で木酢液というんですか、副産物の利用が可能になる。これから普及するであろうカーボンオフセット、排出権取引でクレジットの収入にもなる。
 ですから、剪定枝のみならず山林の放置間伐、それからナラ枯れ材、今申し上げました、それに河川の支障木、それから落葉であろうと割り箸であろうと資源は何万トンとあるわけでございますから、これをどんどん拡大していけるんでないかと思います。
 このようにいろいろ申しましたけれども、農家の方々もとにかく野焼きをそのまま続ければよい話でありまして、ただ、環境にやさしくないのではいけないということです。ですから合理的なやり方といいますか、未来型に変えていくために、こうすればできるんだよという知恵を授けていただきたいと。行政はそういう仕掛けづくりでバックアップをしていただきたいとお願いをするものであります。要望です。
 続いて、猿と市民の微妙な関係について申し上げます。
 るるご答弁がございました。1億円が3,300万円まで減っているというお話でございますけれども、データを見ますと、桃、ブドウは増えてます。リンゴ、さくらんぼは減ってますけれども。ですから被害というのは止まってないわけです。ですから対策を行う上で協議会にお任せしてあるんだろうと思いますけれども、その場しのぎでは、これはどうにもならないということだろうと思います。ですから、10年先、20年先を見越した計画というのが必要なんでないかと。その辺は保護法上どうなっているのかわかりませんけれども、とにかく長期的な計画が必要だということをまず申し上げます。
 それから捕獲でございます。駆除しても、これ自然の摂理でございまして数はどうにもなりません。また元に戻るということです。ですから壇上で先ほど申し上げましたように、本来の住み家、山へ帰すのが、これが筋道ではないかと思うところです。行動範囲とか生息状況、そういった生態をしっかり把握して、そして計画の効果と今後の影響も考えて、そして捕獲はすべきだろうと考えますので、これも要望いたします。
 ちょっと聞いてみますと、猿は非常に知能が高くて男と女も見分けますし、学習能力もあると。ですから、たとえ猟友会も見分けられますと、1人の対処はとても難しいと言っておられます。ですから、猿集団には一集団で対処するという手段、地区民総がかりでやるしかないかと考えたものですから、先ほど体制づくりというのをお伺いしたものです。皆さん、中には連発花火を使うに模造の猟銃をつくって、そして懸命に追い払いに努力しております。そんな地区民がいらっしゃいます。ですから、ここで提案なんですけれども、みんなで放置してある果樹の実を収穫してあげるとか、あるいはお供えものといいますか、お地蔵様あたりに物が上げられますけれども、餌付けにならないように片付けてあげるとか、先ほどの森林の保全と一緒になって活動する、そういう要は猟友会だけに頼っていたんではどうにもならないということで、そういう体制づくりが肝要ではないかと思います。
 ここからはちょっと質問です。2点いたします。
 間木野の猿接近警戒システム、私も知っております。そこにバッファゾーンといいますか、森づくり事業ですか、これを今5年間でやるということでございますが、こうやって一度追い払っても、間木野で追い払えば山を越えて隣に行くんです。ですから、山を越えた地域にあらわれるという、そういう近隣市にも行っていると聞いてます、天童市とか村山市へ。そういうふうに移動しておるのを確認されているかどうか。隣は関係ないというのではなくて、猿には境界線がないわけですから、ですからそういう状況はどうなっているか、ちょっとそこをお聞かせいただきたい。
 それから2点目ですけれども、そういう出没の情報をみんなで共有する、みんなで教え合うというのが非常に大切ではないかと思うんです。台風の気象予報にそういった情報を携帯でお知らせしてあげるシステム、そういうものはできないかと前から考えておったわけなんです。いわば何ですか、177番というそういう、猿177番というものでもあればと思うんです。実は、先立って偶然なんですけれども徳島県の牟岐町に「お猿110番」というのがあるそうです。通報があれば町の職員が町の猟友会に依頼して現地に急行して、そして発砲して威嚇や駆除を行うといったことでございました。しかし、そのニュース後半に書いてあることは、何度も発砲されているうちに気配や車の音などに敏感になって、近づけば素早く猟銃の射程距離外に逃げてしまうと書いてある。猿は散弾銃の射程距離というのを知っているんです。何か50メートルぐらい…。
○清野貞昭議長 浅野目議員に申し上げます。簡潔にお願いします。
○5番(浅野目幸一議員) はい、分かりました。ですから、そういったことで猿も見張り役を置いたりして撃たれないように対策を講じているというのが実態だそうでございますので、そういったことで今回177番というのをやったらどうかと提案をするものでございます。
 以上で私の浅知恵を申し上げましたけれども、剪定枝では市民の協働、そして庁内連携、猿では山越えについて、猿情報、これについてお答えをいただきたいと思います。
○清野貞昭議長 土田市長。
○土田正剛市長 今、具体的な例も出しながらいろいろと浅野目議員から質問があったわけでありますが、私からは概略的に答弁を申し上げ、その他の問題については担当部長から答弁をさせたいと思います。
 今、特に森林と農業というテーマの中で間伐材の処理等々でいろいろと議員からも提案がありました。私はその間伐材に限らず、粉炭についてもみんなそうなんですが、エコ産業というのは概してほとんどが採算が合わないんです。ここをどう克服するかということが一つの私は永遠のテーマかとも思っております。なるほど今議員が言っていること自体は、みんな正しいと私は思っております。ただ、それをいろんな意味で、例えば粉炭一つをとってみても、もう個々の農家ではやっているんです。それは土壌改良剤としては非常にいいことはわかっているんです。個々には対応はそれぞれがしておるんです。ただ、それを益田市ですか、そういう中において私も機会があればちょっと視察してみたいとは思いますが、おそらくそのことについては採算は合ってないんじゃないかと私は思っております。
 そういう中において、例えば間伐材にしても運ぶ林道がない。そうすると、大きなそういう間伐材をどうやって運ぶのかと。また、林道が仮にあったとしても、それを選ぶには非常に莫大な運搬費がかかるわけであります。そして同時に、その間伐材の売却先をどこにするんだと。売却先が例えばあったにしても、それをどういうふうにして販路を見つけるのかということなどいろんなことで、非常に言うは易く行うは難しというのが概してこのエコ産業と言われる中において壁に突き当たる問題だと私は思っております。
 したがいまして、私が管理者を務める東根市外二市一町共立衛生処理組合でも、もう既に4年間ぐらいいろんな実験をしまして、あるいは鮭川村のきのこ組合などと連携を組みながらいろいろと今日まで検討もしてきました。そうすると、最後に突き当たる問題というのが割が合わないと。その割の合わない部分をどこが負担するのか。例えば3市1町の構成市町でそういう問題を具体的に議論します。そうすると、東根市と天童市は前向きに取り組もうかと議論がなります。そうすると、あとの1市1町が、いや、とてもそんな費用は負担できないといういろんな問題があります。非常に効果があることはわかっているんです。例えば、菌床にいわゆる剪定枝あるいはチップ化したものを敷けば、いいことはわかっているんです。ただ、それをきのこ組合がどの程度負担をしてそれを運ぶのかという話になると、非常に暗礁に乗り上げるという問題等がありまして、なかなか現実問題として具体化が進まないという現状の中で、まだ結論が出ていないという状況であるわけであります。
 私、今月の市報でも「こんにちは市長です」に書いてあります。1位は確かにグリーン購入などにおいてバイオマスの発電ということで、全国で村山市がトップを切ってやっておるわけであります。この効果が非常に大きいわけですけれども、それについても基本料金としては普通の電力からすれば2円ほど安いという結果に終わってしまうという段階の中で、今、公共に関するということに限って電力をバイオマス電力に切り替えるという条件付きで、村山市が試験的に行っております。そういうこともあって村山市が全国で1位です。そして全国で2位が東根市ということで、いろんな意味で衛生組合など、あるいは環境ISO14001の取得によっての東根市、あるいは東根市内の小・中学校の学校版ISO等々が一体となってやっておることが非常に効果を上げて全国で第2位と。そして第3位が隣の天童市であるということで、上位で独占しておる処理組合であるわけでありますけれども、その処理組合で全国的に先駆的に取り組んでみようというこの意義のもとでいろいろと今日までやっておりますが、具体論がまだまだできていないと。
 例えば、東北大学の齋藤教授と私と、この問題について市役所に来ていただいていろいろと議論をしたこともあります。ただ、そのときも齋藤教授から言われたことは今でも私は耳から離れないわけでありますが、やはり剪定枝を出す農家の方々に負担をかけては、これは事業化は進みませんよと。ここをいかに行政などで負担を肩代わりをするのか、あるいはできるのか、そういうことが一つのポイントですよと言われたことが今もって耳を離れないわけでありますが、そこに来ると必ずそこの問題で壁にぶち当たるということで非常に今、私も自問自答を繰り返しておりますが、決して諦めることなく、今議員からもご指摘があったようにいろんな意味で今後とも研究して、少しでも実現に結びつく方策というものを私も考えていかなきゃいかんと意を新たにしたところでありますので、答弁になったかどうかわかりませんが、ひとつご理解をお願い申し上げたい。後は担当部長から説明をさせたいと思います。
○清野貞昭議長 岡崎経済部長。
○岡崎春夫経済部長 私からは、はじめに剪定枝を活用しての粉炭づくりについてお答えを申し上げます。
 先ほど市長からもありましたとおり、村山地域果樹剪定枝等の循環利用協議会、今年から寒河江市と山辺町も参加して実施することになりました。その中で、山辺町につきましては剪定枝を活用して炭の土壌改良剤をつくるというプログラムを組んでおります。そういうことから、それらの実施結果を十分調査検討いたしまして本市のプログラム策定に生かしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 次に、猿の関係でありますけれども、東根市で追い払いをした猿が隣接の市町村に行っているのではないかということでありますけれども、猿というのはいろいろ調べましたところ群れごとに縄張りがありまして、その縄張りを中心に行動すると書いてありました。その縄張りもいろいろな自然の状況変化によって変わるということでありました。追い払い活動によりまして山を越えた地域、あるいは近くの天童市、村山市の方に行っているのかどうかということにつきましては、実際確認はできない状況であります。ただ、昨年、天童市、村山市、そして尾花沢市まで近ごろ猿が増えたので東根市でどういう対策をやっているのかという視察にまいりました。ただ、このことが東根市から行った猿かどうかということは確認できませんので、よろしくお願いをしたいと思います。
 次に、メール等で猿177番等できるシステムがつくれないかということでありますけれども、現在、市内に3カ所設置になっている猿接近警戒システム、これと携帯電話、メール等の連動できないかいろいろ調べてみたんですけれども、現在の状況ではできないと。大幅に改修が必要だということでありました。ただ、メールでありますけれども、地域の方にいろいろ、協議会に聞いてみますと、やはり高齢化が進んでいると。そういうところで携帯電話を持っている人も非常に少ない。そういう中で携帯電話と連動して迅速な追い払いができるのかどうかということで少し課題があるようだというお話もお伺いをしております。ただ、今、JA福島と、あと携帯電話事業者で連携してそのシステムを開発していると聞いております。こちらの方の成果も私の方で情報収集しながら研究していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○清野貞昭議長 5番浅野目幸一議員。
○5番(浅野目幸一議員) ありがとうございます。私もやっぱり採算性が何といいますか、最大の課題かと思っておるものですから、今こんな質問をさせていただきました。
 ただ、割が合わないからといっても、例えば食料自給率40%、50%にしようとか、あるいは再生エネルギーを10%に押し上げようとか、国でもそういう目標が示されておるわけです。ですから環境と農林行政というのは、こういう面では非常に将来性を秘めていると私は思っております。ですから、その中でも優良な候補に粉炭があると思っております。
 炭といいますと炭素ですけれども、低炭素社会とは言いましても、地球には資源として必要なものでもあるわけでございますので、その逆の発想で炭の利用というものを考えられないかという夢のような話をさせていただきました。ですから、こういうのを東根市から声を上げていけば、大きなうねりが起こる可能性があるのではないかと思ったところでございます。
 それから1点お答えがなかったようでございますけれども、市民との連携ですか、これ今朝の朝刊にありましたけれども、建設業と林業の連携というので副業化といいますか、そういうのがありましたけれども、そういった点で当東根市は市民との協働のまちづくりということで先進的なまちなものですから、そういったことで農業と林業だけじゃなくて建設業とも連携を取ってまちづくりを進めるべきではないかと思ったものですから、お聞きをしたところでございました。
 それから、一応そんなことで剪定枝につきましては環境保全の意識の高まりということもございますので、事業として採算性をどう確保するかというのが一番の課題でございますということで、そういう認識のもとにこれからも推し進めていただければと思うところでございます。
 それから猿です。猿ですけれども、何かどうも今まで猿を増やす対策をとっておったのではないかとちょっと感ずるところがあります。国道48号線を走っておると「猿を見たね、かわいいね」と、よく人は言います。しかし、「人慣れが進む前にしっかりと対策をすることが必要」と、有害鳥獣対策に詳しい東獣医師は申されておるようでございます。そんなことで、やっぱりかわいいねと思うんじゃなくて、やっぱり地域の人に猿いたよという知らせを送ってあげる、以前、不審者情報システムというのがありましたけれども、そういったものができればと思ったところでございました。そんなことで、JA福島ですか、今研究しているということで大分期待をさせていただきたいと思います。
 それから猟友会の方にお伺いしたんですが、片方の山から追いかけると片方の山に逃げると。だから両方から追っかけてみたと言うんです。そうしたら何と何と、隣のまちに逃げて行ったということでございました。そんなことで、市の予算で追い払っても、また隣の予算で追い帰されるということではちょっとどうかなと思ったものですから、お聞きをしたところでございます。
 いずれにしても長期的な対策をお願いして、要望して、私の質問を終わります。
○清野貞昭議長 以上で、ご了承願います。

◎武田敏夫議員質問

○清野貞昭議長 次に、15番武田敏夫議員。

   〔15番 武田敏夫議員 登壇〕

○15番(武田敏夫議員) おはようございます。通告してあります事項について質問いたします。
 平成22年度の施政方針を発表いたしました。その中で、産業構造をはじめとする社会の仕組みが大きく変革する中でも、年々人口が増加し続けているのは県内で我が東根市だけである。また、県内の自治体にあって最も勢いのあるまち、最も元気のあるまちとして内外に市の勢いを示していると。平成22年度の施政方針の中で市民の皆さんに力強く訴えております。これは土田市長が東根市民の4万6,000人のリーダーとしての本市の将来をしっかりと見据え、積極的にあらゆる課題に挑戦し、実現に向け全力を挙げて取り組んできた賜物であると私は高く評価をするものであります。
 この元気な東根市、勢いのある東根市に、なぜかしら残念なことに足りないものがあります。それは公益文化施設であります。何でこんなに発展をし続けている東根市に、また勢いのあるまち東根市に大きい催し物ができる市民会館がないのだろうと思うのは、私一人だけでなく、関心を持つ市民の皆さんの自然の姿だろうと思います。率直に申し上げ、市民会館がありません。美術館、博物館、物産館がありません。図書館については、蔵書はたったの4万冊程度であります。まさにミニ図書館であります。
 このたび私は調査をさせていただきましたわけですが、東北6県75の市があります。そのうち4万5,000人規模以上の市が44市ございます。市民会館の設置されていない市は、不思議に我が東根市だけであります。いろいろな事情があったにせよ、市民の皆さんからすれば、ないものはないわけでございます。大変に残念に思う次第であります。
 私は昭和62年、市議会議員になって初めて東根市の芸術文化振興のため、東根市出身の歌手であります菊池章子さんを東根市にお迎えして、チャリティーショーを開催させていただいた経過がございます。そのときの菊池章子歌手のマネージャーが開口一番「東根市に市民会館ないんですか」と言われたことが今でも思い出されます。そのチャリティーショーは東根市体育館で開催したわけですが、そのころから約20年間、1,000名以上の席で大きい催し物ができる市民会館があればなと思っていた一人でもあったわけでございます。また、先般、第6師団の音楽祭が天童市民会館で行われました。私も招待を受けまして楽しんできたわけですが、何と1,200名を超す立ち見席ができるほどのお客様でございました。そのとき、一人の東根市民の方に「東根市にある第6師団の催し物、何で東根市でできないのか」と問われました。東根市民にも施設が欲しいと思っている市民が多くいるのだと思い、今回の一般質問の経緯にもなったわけでございます。
 市民の芸術文化の志向が高まる中、特に東根市は水準の高い優れた芸術文化に接する市民が多いのも事実です。そして、柏倉画伯からは平成10年にすばらしい画82点ほどを寄贈していただきました。また、間山先生からは大変に貴重な画、平成17年に80点ほど寄贈していただきました。さらには児童文学者である国分一太郎氏よりは、平成11年に貴重な遺愛品や写真、書画など40点ほど寄贈していただきました。現在、東根市にはいろんな分野でご活躍をしている東根市民が多くおります。市民の芸術文化活動の拠点づくりとしても公益文化施設整備は必要であり、その時期に来ていると思います。
 でも、心配はありません。なぜなら、公益文化施設用地は確保してあるわけであります。市役所南側の用地4万6,450平米の土地は、市民との公約、約束で公益文化施設用地として4万6,450平米のうち、平成5年に東根市土地開発公社にて1万7,440平米を6億7,661万2,000円で取得しておるわけです。さらには、平成21年度より24年度まで、残った土地全部を8億2,236万3,000円で買い戻しをやるわけでございます。2年目の今回の予算にも4,700平米を2億2,422万2,000円の予算計上となっておるわけでございます。これは平成5年から今日まで17年間もの長い間、公益文化施設を東根市民が待ち望んで大いに期待しているのであります。平成24年度で買い戻しは完了します。いよいよ上物を建設するように整ったわけであります。あとは、市長の決断を市民の皆さんが待っているわけでございます。市長のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
 登壇での質問を終わります。
○清野貞昭議長 15番武田敏夫議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。

   〔土田正剛市長 登壇〕

○土田正剛市長 武田議員の公益文化施設の建設についてのご質問にお答えをいたします。
 教養を深め、市民憲章に掲げる香り高い文化のまちの創造を推進するために、文化活動の拠点となり、総合的で高い機能を有する市民文化会館などの施設整備が望まれ、かねてからの本市の課題となっておりました。この市民のニーズにこたえるべく、市長就任以来今日まで継続して、公益文化施設の整備をはじめとする教育文化の振興については重要な施策の一つとして位置づけてまいりました。また、市政運営は市民との対話を基本理念としながら、時代の先を見据え、時として社会情勢や行政需要の変化に的確に応対することも必要と考えております。まさに政治の要諦は、未来を展望し、先見を持っていかに実行するかにあると信じております。
 このような信条のもと、市民の声を積極的に反映する手法を用いた第三次東根市総合計画の策定過程における市民アンケート調査の結果や市民会議の検討過程では、子育て環境や福祉健康分野の充実を期待する声が多く、この分野への市民意識の高まりが大きく見られました。このような市民の声と少子高齢化社会の到来という時代の先を見据えたとき、まさに急を要し、先に進めるべき施策としてこれらを総合的に実践するための基幹施設の建設が先に必要であると判断し、総合保健福祉施設さくらんぼタントクルセンターの建設を優先したところであります。この結果、ご案内のとおり、さくらんぼタントクルセンターはオープン以来既に来場者は168万人を超え、連日のにぎわいと子育て支援などの各施策との相乗効果により、少子高齢化時代における先駆的取り組みとして内外から注目と高い評価を受けているところであります。
 第三次総合計画の後期においては、市中心部人口の急増に対応する新設さくらんぼ小学校の建設や、さらに小学校校舎の耐震化対策が急を要する新たな課題として急浮上するなど、優先すべき課題があったことにより、計画に掲げた総合文化学習施設の整備実現には至りませんでした。
 一方で、心の豊かさ志向や生涯学習意欲の高まり、市民活動の高まりなどを背景に、その拠点となる施設を望む声が高まっていることも十分承知しているところであります。施設整備は実現しなかったものの、一本木土地区画整理事業地内の建設用地については計画的に土地開発公社からの買い戻しを行い、平成24年度までに全て完了する予定であることから、建設に向けた準備が整うことになります。
 このことから、今後の整備について施設の機能などの具体的内容は、市民の声や関係各方面の意見を聞きながら、第三次総合計画から引き継ぐ課題として現在策定作業を進めている第四次東根市総合計画の主要プロジェクトに掲げ、十分な検討の後、お示ししていきたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
○清野貞昭議長 会議の途中ですが、午前11時15分まで休憩します。

   午前11時06分 休 憩


   午前11時15分 開 議

○清野貞昭議長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 市政一般に対する質問を続けます。15番武田敏夫議員。
○15番(武田敏夫議員) 市長から答弁をいただきました。答弁では、この公益文化施設というのは重要な施策だと、今回の第四次総合計画の中で十分に検討していくんだという話がありました。また、タントクルセンターの経過もございました。その件ではアンケートを取ったわけですが、福祉施設と文化ゾーンのどっちがいいですかと取ったわけです。平成10年度に。そのときに50代、60代の方は福祉施設がいいよと。30代、40代の方は文化施設が欲しいという人が多かったんです。でも、福祉がなかったから、公益文化施設よりも福祉施設がいいんだよということで建てた経過があったわけですので、今、市長がおっしゃったように大変な利用状況で170万人近いという、本当に県下に誇る、東北にも誇る施設だったということで、私も大成功だったということを高く評価をしたいと思っております。ただ、福祉施設なものですから500人収容なわけです。大きい催し物ができないということで大変残念なわけですが、でも、大盛況だということは、これはもうすごいものだと思っております。
 また私も先ほど申し上げたように、わかる方もいると思いますけれども、まず菊池章子さんを呼んできました。米倉ますみ、ぴんからトリオ、こまどり姉妹、三船和子と、ずっと8回のチャリティーショーを私やったわけです。さくらんぼカラオケ会ということで。その中で、興行師みたいですが、そのつどやっぱり1,000人以上収容するホールが欲しいということで、これもずっと体育館でござを敷きながら8回やったわけです。それで市にも650万円ほどの寄附を申し上げた、推進をした経過がございます。第1回目のござは、最初は東根小学校と神町小学校から借りてきてしたわけですが、あのござも50万円ぐらいかかって今設置してあるわけですので、その点もご理解をしていただきたいと思うわけでございます。
 東根市には東の杜資料館がございます。これは東根市民憲章にうたってあるとおりに「香り高い文化のまち」の拠点として、目標として、この東根市の歴史、民俗、芸術文化に関する資料を展示しておるわけでございます。名前は言いませんが、本当にありがたい施設を提供になったと思って感謝を申し上げたいと思っております。
 1問目でも申し上げたように国分一太郎先生、また、間山先生、菅原画伯の絵を何といいますか、常設展示しているものと特別に展示しているものがあります。特別展示は大体3日間ぐらいなんですけれども、データを見ますと3日間で約100人ぐらいの人が鑑賞しているわけですが、大変私はもったいないと、あんなにすばらしい絵、あんなにすばらしいものをもっと広く市民の皆さんに鑑賞してもらえればと思っているわけでございます。
 あとまた、先ほども申し上げましたが、さくらんぼ図書館がございます。たったの4万冊と私言ったわけですが、調べたわけですが、市内の小学校8校あります。中学校が5校。小学校8校全部で8万冊があります、図書、本が。中学校も4万8,000冊ぐらいあるわけですが、そうしますと図書室ですら8万冊あるわけです。さくらんぼ図書館といえども4万冊。本当にミニ図書館なわけですが、東根小学校をとってみても1万2,631冊の本があるわけです。これ、学校というのは、こうしなさいよということで図書基準というものがありまして、東根小学校の場合ですと約1万360冊用意すればいいわけでありまして、その中で1万2,000冊あるわけですから、充足率で言いますと122%ほど本が標準より多いわけです。私調べてみたわけですが、図書というのは人口3万人から10万人規模では大体21万冊なければならないといいまして、ペナルティーはありませんけれども約21万冊ぐらいの本があって初めて図書館と言える、このようなことも言われております。その中で、図書館というのはやっぱり誰にも邪魔されないで自分だけの幸せな時間を過ごす場所が図書館だとも言われておるわけですが、そういう面では、ほかの市では、天童市は約20万冊あります。河北町図書館も10万冊あるわけです。尾花沢市では13万冊の図書館を設置してあるわけです。まだいろいろデータあるんですけれども、そういう面では4万冊は少ない。本当に今、子どもの教育でも本好きの子ども、本に親しむ子どもの育成といっても、本当にさくらんぼ図書館に行って、そして親しんでできる環境であるかといえば、私は心配だと思うわけでございます。このことを総合的に考えてみても、東根市には何としても総合的な公益文化施設、市民会館、美術館、図書館、複合的な文化ゾーンが何としても必要だと私は思うわけでもございます。
 今回の施政方針にもここに訴えておるわけですが、これをお聞きしたいわけですが、第四次総合計画策定の中の事業費が302万円、今回計上になっておるわけですが、第四次計画においても策定会議、それから専門会議、それからまちづくり研修会と大分力を入れている計画を予定しているようですが、その中で今回、公益文化施設建設の具体的なものを示してくれるのかどうなのか。中間報告としていつごろになるのか。この辺も担当にお聞きしたいと思っております。
 また、これは通告してあるわけですが、東根市はこれまで先駆的にPFI事業で箱物を建設してまいりました。昨日も市長の抱負にもありましたように、消防庁舎、給食センター、それから平成23年4月1日にオープンしようとするさくらんぼ小学校、これもPFI事業でやる予定なわけです。最近、PPPという事業があります。つまりパブリック・プライベート・パートナーシップだと言うんだそうです。これもちょっと私勉強したわけですが、平成18年度ごろから全国的に取り組んでいる自治体が多く見られるわけです。PFIは、ご案内のように民間活力を利用して民間で上物を建てて、経営主体は自治体と。PPPというのは、自治体で建物を建てて、経営主体は民間なわけです。そして、そこで民間と賃貸借契約を結んで利益をもらって、それで成していくと、わかりやすく言えばそういう感じなんだそうです。そういう面で、今、北海道、また静岡県とか、吉本興業東京本部もこれで建てたということもパソコンでちょっとわかるようになっているわけですが、その辺も是非研究してほしいと思いますので、この辺もPFI、PPP、そのような手法を是非検討してほしいわけですが、担当として、通告してありますので、検討してもらえればありがたいと思っております。
 それから、私ここに市長が就任したときの市報を持っております。これは平成10年の9月5日に市長が就任して、9月15日号の市報なんですけれども、これをずっと読まさせていただきました。その中で、「第2の核を目指し、誠実、公正、実行」ということで市長の54歳のときの写真が載っております。その中で、第5の中で「清くたくましいまちづくり」という中で、市長も記憶にあると思いますけれども市民文化会館の建設などを促進してまいりますということで、12年前から市長は市民の皆さんに公約しているわけです。そういう面では、先ほどの答弁のようにもう準備ができたんですから、あとは市長の決断にかかっていると私は思って今質問するわけですが、市民文化会館の建設を推進してまいりますと、市民とお約束しているわけですので、昨日も4期目を目指すと力強く決意をしてくださったわけです。私も是非、東根市の舵取役としてエールを送る一人でもあります。公益文化施設の建設に市民の期待が高まっている中、市民の皆さんにこたえてほしいと。今回の4期目の市長のマニフェスト、また、公約に市民会館建設を盛り込むべきだと私は思うので、市長のお考えを是非お聞かせ願いたいと思います。
 以上。
○清野貞昭議長 土田市長。
○土田正剛市長 今、武田議員からは4万6,000人の人口を要する市が東北で四十何箇所かあると。その中で市民文化会館がないのは我が東根市1市だけだということが指摘をされました。大変、今の勢いのある東根市ということから見ますと不名誉なことかと忸怩たる思いでいるわけでありますが、確かに今武田議員がいろいろと具体例を挙げて質問されました。その中でちょっと訂正をお願いしたいのは、平成15年にアンケート調査をやったということがありました。それは間違いで、平成10年度です。私は市長に就任をしてすぐに3,000人規模の市民の方々にアンケート調査をやって、そして市民が行政に対してどういうニーズを持っているのかということをまず知りたいということで事務局に指示をしてやったのが平成10年です。そして、そのアンケート調査の結果が総合保健福祉施設が最優先に整備を図るべきだと、市民文化会館はちょっと差が開いて2番手ということであったわけであります。ですから、私が1期目の市長選の今で言うマニフェストの中には、確かに市民文化会館の建設促進ということを1項目設けたことは私も記憶を鮮明にして今でも忘れてはいません。そういう意味で、マニフェストの中で私が実現をしていないというのは確かに市民文化会館一つだと私は記憶をしております。
 ただ、ずっとこの東根市を今日まで見てきますと、東根市というのは箱物が非常に不足をしておったということは否めない事実だったと思います。その主たる原因は何かというと、下川原地区、あるいは温泉地区、中央、一本木と連続して4つの土地区画整理事業を市が事業主体としてやったことに、その箱物が遅れたということが言えると私は思っております。これは平成10年に市長に就任してから約一月ほど、誰からも指摘を受けることなくずっと私は一人で勉強したつもりであります。その結果がそういうことだったと。つまり市が事業主体として区画整理事業をやるということは、国が半分、事業費の半分は市が負担をしなければならないという過程の中で、一本木だけでも110億円はかかっているわけであります。それの半分はやっぱり市が負担をしているわけでありますから、何も東根市が箱物が不足をしておったというのは無駄遣いをしておったのでも何でもなくて、その市民のニーズにこたえるべく、また、その当時の行政の方々が住みたくなる東根市ということの中で土地区画整理事業を最優先に掲げてまちづくりを進めたという結果だと私は思っております。そういうことで、私は市長就任以来、議会の皆様方にも申し上げてきたのは、もう市が事業主体としての土地区画整理事業については一段落だということで、その後の神町北部については組合施行という形の中でやっておるわけであります。
 そういう中で私の市政というのが出発をしたわけでありますけれども、そういう中で、さくらんぼタントクルセンターの建設並びに消防署、学校給食調理場、さくらんぼ小学校、全部、これが私の3期4年間において全部集中してその3つの建物を整備しなければならなかったという中において、いくら東根市の財政であってもこれは普通の建設手法では無理であるということで、そこでPFIという建設手法を設けてやった結果で、この3つを短期間に整備を図ることができたと思っております。ですから、そういういろんな市のその時その時の時代の変化によって、その12年間の間でその他耐震化事業なども横から入ってくる、後のカラスが先になるということなどもあって今日まで延び延びになっていることについては、議会の皆様方にもおわびを申し上げなければいけないと改めて思っておるところでありますが、しかし、武田議員がおっしゃるようにいわゆる公益文化施設というものを私は否定しているものでもなくて、力を入れていかなきゃいかんということには私も変わっておりません。したがって、この問題についてはまず平成24年までに、完全に市の土地開発公社から市が買い戻しを完了するのが平成24年度であります。ですから、そういうことと第四次東根市総合計画というのを策定中であります。それが今年の12月には策定が完了いたします。いずれ議会にもご報告を申し上げますが、その中でこの公益文化施設についてははっきりとお示しをしたいと思っております。大体、私はその間にタントクルセンターの大ホールのことを5年間ぐらい検証をしながら、そして公益文化施設の建設についてはいかに当たるべきかということを検証したいということも今まで議会に申し上げてきました。そろそろその結論を出さなければいけない時期だとも私思っております。もう少しの時間をいただければ、議会にはっきりお示しできるのではないかと。その際にご理解、ご協力を願わなきゃいかんと思っているところでありますが、私自身はさっき議員が指摘をされました図書館一つをとってみても、4万6,500人の今の人口の中で4万弱の蔵書ではとても図書館があるということはもう申し上げられないわけでありまして、そういう、例えば図書館、あるいは美術館などについてのいろんなことを研究をしながら、どういう形の中で建設をするか、この辺についていろいろと考えていかなきゃいかんと思っているところであります。あとしばらくすれば、その辺についてお示しをすることができると確信しておりますので、そのときまでどうかお待ちを願いたいと思っておるところであります。
○清野貞昭議長 15番武田敏夫議員。
○15番(武田敏夫議員) 答弁漏れが。
○清野貞昭議長 高橋総務部長。
○高橋一郎総務部長 計画策定については、今、市長から申し上げました。私からは補足で、整備手法というご質問がありましたので、それについてお答えいたしたいと思います。
 現時点におきましては、施設の整備手法については考えていないと、実施検討はしていないという状況にあります。将来具体化がなりました時点で効率的な整備を図っていくためにどのような手法がいいのか検討を始めることになるだろうと思います。特に事業規模が多額になることが想定、予測されますので、導入方法の事前の検討ということも重要かと思っております。事業手法についても、従来型、市が事業主体としてやっていく方法もあります。それから、先ほど武田議員がおっしゃいました本市で実績のあるPFI、それから民間事業者が計画当初から行政と一緒に中に入って施設の整備、あるいは運営を委託していくPPP、パブリック・プライベート・パートナーシップという制度があるんだそうですけれども、それなども一つの手法かと思っております。それぞれの多分メリット、デメリットなどやっぱり先進事例などの調査も踏まえながら比較検討して、財政的な効果、あるいは施設の安全性、運営管理などについて総合的に判断することが必要だろうと思います。
 いずれにいたしましても、将来具体的になりましたら、そのような手法を検討しながらしていかなければならないと思っておりますので、課題として捉えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
○清野貞昭議長 15番武田敏夫議員。
○15番(武田敏夫議員) 議長にお願いがあります。今、市長から指摘されました市民のアンケート、「15年」と私、2問目で申し上げましたけれども、「平成10年度」に訂正をよろしくお願いいたします。
 今答弁いただいたわけですが、確かに市長からここの中央土地区画整理、また、一本木土地区画整理、ここも約70億円、70ヘクタールあるわけです。53.38ヘクタールありますけれども、そういう意味ではインフラの整備に大分かかっていると。東根市は今まで農工一体のまちづくりをやっておりまして、中心部がなかったということで、本当に市長が平成10年に就任して以来、大変な時期に就任したわけです。そういう面で理解をするわけですが、私も公益文化施設を欲しいと思っている一人として、また、市民にそういう意見がありますので、そういう面で私も決して市長を責めているわけでもなくて、何とかしてほしいということで質問したわけですので、ご理解をお願いしたいと思います。
 今の第四次総合計画の件ですが、これも市長から話がありました。平成22年度で第四次総合計画の策定が完了し、12月ごろにまず結論みたいなものを出すだろうということで、議会にもお示しをするということで今答弁をいただいたので、それを精力的にやっていただきたいということで私は了としたいと思います。
 また、手法ですが、今部長の話ですと手法は今のところ考えていないというお話がありました。このPFI、PPPの手法なんですけれども、確かにメリット、また、デメリットの部分もあります。でも結論から申し上げれば、結局はコストの面、財政の平準化をするがためにやっぱりこうやってしたわけです。結局は何としても財政面でおそらく公益文化施設、市民会館ひとつとってもやっぱり50億円、60億円、70億円かかると思います、私の思いは。そうしますと、酒田の市民会館が建ちましたけれども、3年前に。相当のお金がかかっているはずなんです。そういう面では大変な財力といいますか、必要なわけで、到底今の財政ではできるわけがない。やっぱりPFI、また、PPPなども是非検討していただいて、そして手法を私も勉強しますけれども、していただいて、いいものをつくっていただきたいと思います。
 また、市長から、私は市長の4期目のマニフェストに盛り込めないかと私質問をしました、2問目で。でも、市長は盛り込むとも言わないんだけれども、精力的に12月ごろに、あとしばらくすれば必ず確信して結論を出すんだと今おっしゃいましたので、私も了としまして、市長が4期目の4年間で必ずや公益文化施設の建設はできるものと私も確信をして、質問を終わりたいと思います。
 以上。
○清野貞昭議長 以上で、ご了承願います。

◎高橋ひろみ議員質問

○清野貞昭議長 次に、9番高橋ひろみ議員。

   〔9番 高橋ひろみ議員 登壇〕

○9番(高橋ひろみ議員) 通告に従いまして、子育て環境づくりと高齢者の環境づくりについてご質問いたします。
 第三次総合計画の目標の一つに、健やかなやすらぎのある高福祉社会の形成と掲げておりまして、その中の一つとして、子どもが健やかに育ち、高齢者が生き生きとするまちとうたわれております。そのようなまちこそ、住みたい、住み続けたいまちであります。子育ての環境づくりと高齢者の環境づくりの調和が高福祉社会形成につながり、次の第四次総合計画にも通じるものと信じ、子育て環境づくりと高齢者の環境づくりの2点について質問いたします。
 はじめに、子育て環境づくりについてお尋ねいたします。
 私が育ったころ、また、私が子どもを育てたころは、0、1、2歳児の乳児期は家庭で育てるのが当たり前の時代でした。平成17年6月の一般質問のときに、市長は「子どもというのは赤ちゃんの時代から親の手で直接、できるだけ多くの時間を割いて育て上げるのがまっとうなことである」と答弁されたことを思い出します。しかし現在の社会において、女性の社会進出、核家族化、その上、不景気という状況の中では、子どもを家庭で育てるのが困難な方が増えております。だからこそ、保育施設には家庭で育てるのと同じ環境や遜色のない環境が必要となってまいります。
 幼児期の保育や児童の保育、教育が大切で、その原点が環境づくりであります。子育ては家庭の状況に応じてニーズも多様化しております。東根市には市立の保育所、その中には市の直営の保育所、民間委託の保育所、認可保育所、認可外保育施設、市立の児童館・児童センター、民間の幼稚園があり、それぞれの役割を担っております。次世代育成支援行動計画の後期計画が示された中、子どもが健やかに育つには、前段で述べた現在ある施設を今後どのように整備されるのか。第四次総合計画との調和とあわせ、認定こども園についてと幼保一元化も含めてお考えをお聞かせください。
 次に、高齢者の環境づくりについてお尋ねいたします。
 昨年3月議会で高齢社会への支援ということで質問し、そのときの施設待機者は348名ということでした。今年度から高齢者安全・安心四つ葉のクローバー事業も実施され、在宅介護家族介護者支援事業が推進され、また、介護予防事業など待機者解消が進んでいると思われます。
 先月24日、地域福祉を考えるシンポジウムがさくらんぼタントクルセンターでありました。岩手県立大学の准教授である都築光一先生の講演の中で、アンケート調査によると、平成17年に比べ平成20年に北村山地域で特に大幅に伸びていることは施設入所希望であり、他の地域と比較しても施設の必要性を強く感じていることのあらわれであるという話をなされました。高齢社会が急速に進んでいることで、高齢者は不安に感じているからだともおっしゃいました。
 平成21年4月現在の高齢化率は、東根市は23.8%で、県平均26.9%よりは低いのですが、天童市の23.4%よりは高くなっております。また、寝たきり老人の高齢者に対する割合は3.9%で、鶴岡市に次いで県内第2位であります。現在、在宅で介護をしている人が多いとも考えられます。また、一人暮らしの老人の場合は、東根市は7.5%で、天童市の7%、また寒河江市の5.6%に比べ高い割合を示しております。高齢化率に比べ寝たきり老人、一人暮らしの老人の割合を見ても、介護施設への入所希望者は他市に比べて減少する要素はないと考えます。このような状況の中、待機者の数はますます増加すると考えられます。
 そこで、今後、待機者の解消をどのようにお考えかをお尋ねいたしまして、登壇での質問といたします。
○清野貞昭議長 9番高橋ひろみ議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。

   〔土田正剛市長 登壇〕

○土田正剛市長 高橋ひろみ議員のご質問にお答えをいたします。
 はじめに、子育ての環境づくりについてでありますが、現在、市内には市立保育所が5カ所、認可保育所が4カ所、児童館・児童センターが6カ所、認可外保育所が7カ所、病院や企業内保育所が3カ所、幼稚園が2カ所の計27施設で保育や教育等を行っており、在所している児童は約1,600名となっております。本市における家庭外での保育率は、2歳児までが約15%から40%、3歳児から5歳児では約90%から100%となっております。また、一部の保育施設においては定員に満たないことから、待機児童はいないものと考えております。
 次世代育成支援行動計画の後期計画についてでありますが、昨年12月に中間報告をさせていただき、現在策定作業を行っているところであります。策定にあたっては、第四次総合計画との連携を図りながら進めており、次世代育成支援行動計画の内容については総合計画に当然盛り込まれるものであります。
 また、策定に際して行った住民アンケートにおける保育ニーズの多様化へ対応するため、0歳から5歳児までの一貫保育実施に向けた平成23年度からのさくらんぼ保育所民営化や、子育て応援マニフェスト2010に掲げる児童センターや学童保育所等の機能を持った東部子育てサポートセンターの設備等に向けて準備を進めているところであります。
 なお、東部子育てサポートセンターについては、地元のニーズ調査を行い計画を進めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。
 次に、保育施設等における幼保一元化についてでありますが、都市部においては保育所の待機児童が増加する一方で、幼稚園の定員割れが起きていることや、保育所管が文部科学省と厚生労働省に分かれていることによる非効率さなどから、構造改革の一環として打ち出されたものであります。平成18年の就学前の子どもに関する教育・保育等の総合的な提供の推進に関する法律の制定により、保育所と幼稚園機能を併せ持つ認定こども園制度が開始されており、県内においても現在7施設が認定されております。また、現政権においては、本年1月の参議院予算委員会で幼保一元化についての関連法案について平成23年度に提出する意向を示していることから、国の動向に注視するとともに、地域の状況や住民ニーズを把握し、最適な施設形態にする必要があると考えております。これらのことから、次世代育成支援行動計画後期計画の中で目指すべき社会像として掲げた、子どもを健やかに生み育てられる社会、地域全体で子どもと家庭を温かく見守り支え合う社会、子どもが心身ともにたくましく健全に成長し、次代の担い手として活躍する社会を実現していくためにも、地域にとって最もふさわしい児童福祉施設の環境整備を図り、運営してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
 次に、高齢者の環境づくりについてでありますが、本市では平成21年度から23年度までの3カ年を計画期間とし、高齢者に対する総合的なケア体制の推進を目的とした東根市老人福祉計画・第4期介護保険事業計画を平成21年3月に策定したところであります。本計画におきましては、介護給付基金等の活用により保険料の上昇を可能な限り抑制しつつ、特別養護老人ホームについて、その新設や増設により90床の増床を計上したところであります。平成21年9月に実施した施設待機者状況調査では、市内待機者が319名に達しておりますが、この新設等により状況が一定程度改善されるものと期待しているところであります。
 しかしながら、待機者の問題につきましては国が設定した参酌標準による施設整備の上限枠が制限されている現状において、特別養護老人ホームに代表される介護保険施設整備だけに依存していては到底解決できるものではないとも考えております。このため、本市では先に申し上げた施設整備とともに、健康な状態を維持・増進し、要介護への移行を防止するための健康増進事業や介護予防事業、また、高齢者見守りネットワーク事業や高齢者サロンをはじめとする地域で在宅高齢者を支える仕組みづくり、さらには居宅サービスや地域密着型サービスなど、在宅生活の継続を支援する介護サービスを東根市老人福祉計画・第4期介護保険事業計画に計上したところであります。
 待機者問題につきましては、これらの取り組みを総合的に推進していくことが最大の解消策であると考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
○清野貞昭議長 会議の途中でありますが、ここで午後1時まで休憩いたします。

   午前11時58分 休 憩


   午後 1時00分 開 議

○清野貞昭議長 午前中に引き続き会議を開きます。
 市政一般に対する質問を続けます。9番高橋ひろみ議員。
○9番(高橋ひろみ議員) 午前に続いて質問させていただきます。
 最初に、子育て環境づくりについて質問いたします。
 次世代育成支援行動計画後期計画は平成22年から26年の5年間の中で、目指すべき4つの社会像を掲げて取り組んでいかれるようですけれども、第四次総合計画、平成23年から32年までの10年間の計画にそれも盛り込まれていくものと理解いたしました。次世代育支援行動計画の後期計画の中で、平成23年度から事業開始になるさくらんぼ保育所の民営化については、住民アンケートによるニーズにより、0歳から5歳までの一貫保育の実施や民間への移行も含め、計画に沿って遂行されるように、よろしくお願いしたいと思います。
 まず第1点目ですけれども、登壇でいろいろ申し上げました様々な保育所の形態がありますけれども、これからいかにその形態をうまく市内全体に配置したり、どういう方向でいろんな制度を利用していかれるのかが今後の問題だと思います。
 まず1つ目、さくらんぼ保育所が民営化になれば、既に民営化していますひがしね保育所とともに2つの保育所、市立の公営の保育所が民営化ということになりますけれども、今後、他の市立保育所も民営化を進めていかれるか、どういう方針でいかれるのか、その辺をまずお尋ねしたいと思います。
 2つ目として、住民のニーズが高いと言われている0歳から5歳児までの一貫保育についてでありますけれども、実際、現在、兄弟が別々の保育園に通っている人数はどの程度にあるか、もしデータがありましたらお願いいたします。
 子育て支援に力を注いでいる東根市であります。合計特殊出生率が1.7ポイントという高い数字を示しております中で、0歳児から5歳児の間に複数の子どものいる世帯はますます増加するんではないかと思われます。2カ所の保育所を掛持ちして送迎しておられる保護者の方の苦労は大変であります。公立保育所、認可保育所においても一貫保育が最もベストということになると思いますけれども、今後、市立の保育所は全て一貫保育を実施していかれるのか、その辺2点目にお伺いしたいと思います。
 現在、認可保育所は0歳から2歳児まで扱っているところが大半であります。既に民営化しているひがしね保育所、民営化しようとしているさくらんぼ保育所以外の市立保育所は、全て3歳から5歳児が通っている保育所になります。認可外保育所もほとんどが0歳から2歳児ということになりますけれども、市全体として保育環境の上からも公立保育所、認可保育所、認可外保育所のバランスをどのようにお考えになっているのか、3点目にお伺いしたいと思います。
 4点目としてお尋ねいたしますことは、このたび出されました東部の子育てサポートセンター事業計画でございますけれども、幼保一元化の東根版認定こども園ということで児保学複合施設、児童センターと保育所と学童保育、この3つを複合する施設だという計画も私たちがいただいております。新しい保育所施設の始まりかなとは思われますけれども、今後、児童センターは、従来ですと集団保育の場としてこれまで歩んでまいりましたけれども、東根東部子育てサポートセンターは児童センターの今後の方向性を示しているものなのでしょうか。ほかの児童センターも複合施設にしていかれるのか、その点もお伺いして、以上、子育て環境づくりについて4点お伺いしたいと思います。
 次に、高齢者の環境づくりについてお尋ねしたいと思います。
 待機者の解消策として、施設整備とともに在宅高齢者を地域で支える仕組みづくりとか、居宅サービス事業とか健康増進事業、介護予防事業など総合的に推進していかれるということは理解いたしました。待機者解消に即効果があらわれる特別養護老人ホームの新設・増設により90床の増床計画が内容としてあるようですけれども、それが実際どのような内容になっているか詳しくまずはお尋ねしたいと思います。
 平成21年9月時点では待機者が319人ということで、昨年の一般質問のときに示された348人に対して29人の減少ということがわかりました。施設待機者の解消策を講じるには待機者の状況を知る必要があると思います。それで個人情報とかいろいろな面があると思いますけれども、また、入所者の申し込みが施設ごとになっているということでなかなか把握しにくい面があるとは思いますけれども、その待機者の状況をお知らせ願えたらと思います。
 次に、3つ目ですけれども、前段で特別養護老人ホームにおける90床の増床とお聞きしましたけれども、国の設定した参酌標準ということで、いくら施設が欲しいからといってもなかなか思いどおりにはできませんし、また、介護保険料にすぐ跳ね返ってまいります。
 そこで、参酌標準枠以外の施設整備の計画はどのようになっているのかお尋ねして、高齢者の環境づくりについて3点、以上質問といたします。
○清野貞昭議長 土田市長。
○土田正剛市長 まず、保育所の民営化でございますが、平成23年度から新たにさくらんぼ保育所が民営化になることは既に議会にもお示ししているとおりであります。今後についてどうかということでありますが、今のところ順次、市立保育所については民営化の方向には基本方針としては持っております。ただ、具体的にいつごろかということについては、まだ今後いろいろと調査検討を重ねながらいずれは発表したいと思いますが、現在のところはまだ固まってはおりません。その意味では、さくらんぼ保育所の民営化に全力を上げて、また、民営化してよかったと思われる民営化を進めてまいりたいと考えているところであります。
 また、0歳から5歳までの一貫保育ということで、兄弟で別々の保育所に通わざるを得ないという方々の数字というのは、現在42世帯の93名が別々の保育所に通っております。もちろん今議員からご指摘があったとおり、やはり兄弟同じ場所で保育にあたらせるということは望ましいことではありますけれども、保育所の定員の問題もあり、また、地域によっては定員割れの保育所もあるわけであります。これを今後どうやって整合性を図っていくかという問題も大きな課題になっております。そういう意味で、違う保育所に通っているという点を一気に解消するということについては今後慎重に検討しながら、もちろん議員がご指摘したように違うところでなくて同じ場所で兄弟が一緒に保育を受けるということがベストなことは十分承知をしておりますので、その意味でいろいろと今後検討してまいりたいと考えているところであります。
 と同時に3番目については、いわゆる今後公立保育所、あるいは認可保育所、あるいは認可外保育所などについて市の保育環境が一番よくなるのはどういう形態なのかというご質問だろうかと思いますが、それについては今後、公立保育所、認可保育所、認可外保育所などの児童の収容人数等のバランスについて、平成22年度より新たに認可外保育所というのが2つ開設される予定であります。1つは石川先生のところのちょっと保育所の名前何ていったかな……ちょっと忘れましたが、確か15名ほどの保育を扱うということでありますが、あともう一つは村山市から来た方で、こでまり保育所というちょっと小さな保育所で、そこが5名程度、20名ぐらい新たに認可外保育所として扱うという予定になっておるようでありますが、そういった定員増の計画もありますが、今後とも需給のバランスを見ながら市としてはいろいろと指導・助言を行ってまいりたいと思いますが、これ等については担当部長からちょっと答えさせたいと思っております。
 と同時に、幼保一元化というのは非常に大きな課題でもあります。これは国としても大きな課題でありまして、自民党政権下では平成18年に認定こども園ということで方針を示しております。そういう中で、保育所と幼稚園の2つを併せ持った機能という形で認定こども園というのが県内に今7つほど施設があります。本市にはまだないわけでありますけれども、そういう中において、今の民主党政権下においても平成23年度をめどに幼保一元化についてさらに踏み込んだ幼保一元化を法律化したいということもちょっと聞いております。そういう意味では国民的一つの課題かと思っておりますが、ただ一足飛びに幼保一元化といってもそれぞれ機能が全然違うわけです。もちろん認めるところも文部科学省と厚生労働省に分かれてもいますし、そういう中において東部児童センター、これについてはとりあえず従来の児童館的なものと学童保育所を併せ持つ機能ということで整備をしたいと考えております。と同時に、保育所的な機能を持つことも考えなければいけないと考えております。それは平成23年にいわゆる幼保一元化について現政権がどういう指針を出すのか、その辺のところも見極めながら、いわゆる保育所の持つ機能という形の中で6時半から7時ぐらいまで保育に欠ける子どもを保育所で預かっていただけるというものがあれば、ひとつの児童センターのような形よりももっと踏み込んだ地域の利便性、ニーズにかなう形になるのではないだろうかと、そういうことも今念頭にはあります。とりあえずは、老朽化しておりますからその児童センターを整備するとともに、それと同時に市内の中では長瀞地区と東郷地区だけが学童保育所が今現在のところありません。そういう中で、東郷地区についてはこの児童センターの整備を図るとともに、いわゆる学童保育所を設置しようという方向で今やっております。残りの保育所的な機能というものについては、そういう意味では一つの課題として今受け止めておるわけでありますが、その辺については建設終了あたりには幼保一元化についてもっと柔軟な発想が国において示されるのではないかということを期待をしているところであります。
 その他、答弁漏れがあったとすれば部長から答弁を願いたいと思います。
○清野貞昭議長 黒田健康福祉部長。
○黒田長健康福祉部長 私から、特別養護老人ホームにおける90床の増床の内容について、それから要介護度別介護養護老人ホーム待機者の状況、それから第4期介護保険事業計画における参酌標準外の施設整備計画等についてお答えしたいと思います。
 子育てにつきましては市長が全部お答えしましたので、私からはこの3点についてお答えしたいと思います。
 まず最初に、特別養護老人ホームにおける90床の増床の内容についてでありますけれども、第4期介護保険事業計画には厚生会館跡地に予定されている新設の特別養護老人ホーム、これが50床と既存施設に対する30床の増床を計画したところであります。さらに平成21年6月に国が打ち出した緊急経済対策を受けまして、株式会社タイヨウから厚生会館跡地に予定する特別養護老人ホームにさらに10床を増床し60床で調整したい旨の要望が出されたところであります。ですので、それを庁内で検討し、県に申請したところ認められたということで、60床の増床となっております。これについては、平成22年度中に一体的な整備を図ることを条件に市としても了解をしているというところになります。
 続きまして、次に要介護度別特別養護老人ホームの待機者状況でありますが、先にお答えいたしましたとおり、平成21年11月に市が独自に実施した状況調査では待機者が総数で319名となっております。この内訳でありますけれども、要介護度1が32名、要介護度2が73名、要介護度3が77名、要介護度4が76名、要介護度5が61名となっております。一般的には要介護度の高い方が入所の必要性が高いものと思われますが、申し込みの段階では家庭環境等のデータを取っておりません。したがいまして、この調査にはそのデータがありませんので、一概に要介護度だけでは入所の要件である緊要性等について言及できないということで、要介護度が高いからそこからすぐ入るというわけではないということをご理解願いたいと思っているところであります。
 次に、最後になりますが、第4期介護保険事業計画における参酌標準外の施設整備計画でありますが、地域密着型サービスでは登録者数を25名とした小規模多機能型居宅介護施設が平成22年4月に神町地区に、ニチイ学館でつくりますけれども開設予定であります。現在、最終的な準備が進められているところであります。また、居宅介護サービスでは各20名を定員とするデイサービスとショートステイの施設が、先の厚生会館跡地に整備される特別養護老人ホームと一体的に整備されるという予定でもあります。これらを推し進めることによりまして、先に申し上げたとおり総合的な見地から待機者解消を目指していきたいと考えておりますので、よろしくご理解のほどをお願いいたします。
○清野貞昭議長 9番高橋ひろみ議員。
○9番(高橋ひろみ議員) 子育ての環境づくりについて様々市長からお答えいただきまして、ただ、今現在によりましていろんな制度が進む中、決定できない部分とかいろいろあるようなご説明でありました。ここ2、3年でそういうことがはっきりして、いろんな点ではっきりした状態になるかと思います。
 1つ目として、市立の保育所の民営化について市長からご答弁いただきまして、順番はまだはっきりしてないものの今後は民営化の方向に進めていきたいという答弁がございました。そうすると、公立の保育所は、公立というか直営の保育所ということですけれども、そういう保育所は一つも東根市はなくなるということだと思います。そういうことが本当にいいことなのだろうかというのは私自身すごく疑問に思っておるところであります。障がい児の場合とか、また、緊急に保育が必要となる人が出た場合など、民間に委託する場合は定員そのものとか、定員の割増枠というのがあるそうですけれども、そこまで民間ですと児童を扱うことがほとんどだと思います。民間の場合は、やはり採算性、財政的なものを考えていかなければなりませんので、なるたけ規定内で多くの子どもたちを扱うということは常識というか当たり前だと思います。その中で、本当に多分民間の保育所ですと雇用期間というんですか、それが私の調べたところによりますと保育士さんは5年から7年ぐらいの若い保育士さんが多いということがいろんなところで示されております。若い保育士さんは活動的で、それはそれで必要だとは思います。しかし、保育には経験とかそういうことも加味しなくてはいけないところもあると思います。子育ての環境づくりの上でもそういうことは非常に大切ではないかと考えたところであります。また、市の行政の中においても保育士さんというものが必要であると思います。いろんな保育事業とかいろんなことを考える上でも、ある程度の経験豊富な人、そういうことも視野に入れなくてはいけないことだとは思います。そんなところで、これから先、本当に市立の保育所が一つもないということはどうなんだろうかと思いますけれども、その辺、市長はどのように考えているかもちょっとお尋ねしたいと思います。
 そういうことで、るる保育のこと、子育て環境のことに対してはお答えいただきました。しかし、東根市は地域、7地域がありますけれども、その7地域に児童センターがあったり保育所があったりといろいろ分かれております。その中でニーズの調査とかをやられて、これから先、第四次総合計画の中に盛り込まれていかれるのではないかと思いますけれども、そういう中で一貫保育もすると、民営化もすると、そういうことになると自然と大規模な保育所になりがちだと思います。そうすると今までも小田島地区は定員割れ、大富も定員割れですか、そういう状況の中で大型保育所、一貫の大型保育所をその地域地域に配分したりしますと、今と同じような状態になるやもしれないと思います。そうすると地域の役割というのが実際、保育所にどうなのかという切実な問題がからみ合ってくると思います。その辺も保育所の形態と地域性、規模、そういうことの中で本当は市全体としてのニーズ調査を行って、その施設別の地区別のニーズ調査ではなく、市全体を通して本当にどういうことがこの市にとって、保育環境にとってよいのかということを考えていかなければいけない時期だと思います。そういうことも含めて、先ほどバランスということもありましたけれども、そういうことも含めて市長のお考えはどうであるのかもお尋ねしたいと思います。
 次に、高齢者の環境づくりのことでありますけれども、90床の増設ということで待機者が即減るということは数の論理でわかります。あと、そういうことでは待機者が減って、そういう施設が役立つのではないかと思います。待機者の状況を知らないと、その待機者の解消をどうするかというのはなかなか難しいところだと思います。待機者の状況については先ほど部長からお答えがありましたけれども、介護度は大体把握ができて、介護度の高い人ほど施設に入っているということには限らないということも理解いたしました。いろんな家庭の事情とかそういうことによっていろいろあると思いますけれども、そういうことの中で申し込みの方法なんですけれども、現在、申し込みの方法は施設ごとに行っている状態であります。市町村によりましては市全体でそれを把握しているところもありますけれども、できたらそういうことも今後考えて、民間とのいろんな条件もあると思いますけれども、その点も今後考えてほしい点として要望をいたします。
 3点目のお答えでしたけれども、参酌標準枠外の施設ということで小規模多機能型の居宅介護施設やら有料老人ホームやら計画されているようですけれども、これも一つには待機者解消にはなると思います。しかし、待機者の大きい部分というか結構占めている部分の人は低廉な施設ということを考えている方が多いと思います。今の状態で金額を十何万も出せば大体行けるところはあるやと思います。そういう方ではなくて、利用費というんですか、それが低廉な施設を望む方が待機者になっているのではないかと推測いたします。その中で、東根市というんですか、私たちの年代もそうなんですけれども、今後の不安ということで施設介護ということを多く望んでくるのは当たり前だと思います。そういう中で、なかなか参酌基準の施設はもうこれ以上できにくい状態ということは確かでありますけれども、そうでない参酌基準枠外であって安価な施設はないだろうかということの中でいろいろ調べてみますと、施設依存型ということではない考え、住まい方の考えということの中で高齢者専用賃貸住宅という考え、いろんなところでそういうことを行っているところがあるということはいろんな資料でわかりました。高齢者向けの様々なサービスと組み合わせたり、介護度の高い人のフロアを設けたり、そういうことを加味しながら高齢者専用賃貸住宅の計画はどうなんでしょうかと思うのでありますけれども、また、それに加え低廉でするには公営の高齢者専用賃貸住宅というものを考えてはいかがでしょうかと思います。東根市では公営住宅ストック計画というのがございますけれども、それとあわせてそういう考えについてもお尋ねしたいと思います。
 これから先、我々団塊の世代は高齢者となりまして、ますます高齢者が増えてまいります。高齢者の程度によりまして介護の軽い人の受け皿も必要になってくると思います。その中で、公営の高齢者専用賃貸住宅の考えもひとつだと思いますので、その辺もあわせてお尋ねしたいと思います。
 以上で終わります。
○清野貞昭議長 土田市長。
○土田正剛市長 私から1点、今後、市立保育所については全部民営化するのかということでありますが、これについてはまだ方針としてはしっかり決めたわけではありません。ただ、私も先ほども申し上げたように、民営化する場合は民営化してよかったと思われる形でなければこれはだめだと思います。ですから、そういうことも含めて、例えば今、議員が指摘した障がい児などについては特化をして、例えばそれは市立でやっていくとか、いろんな考え方があろうかと思います。そういうことも含めて、市民のニーズというものがどこら辺にあるのかも含めて今後慎重に検討しながら対処していきたいと考えているところであります。
○清野貞昭議長 黒田健康福祉部長。
○黒田長健康福祉部長 私からは、7地区に児童館とか児童センターとかありますので、それらのニーズをきちんと調査したらどうですかという話がありましたものですから、その点についてお答えしたいと思います。
 まず児童センターにつきましては、現在のところ多機能化ということは考えてはおりません。しかしながら、今後、社会情勢の変化とか住民の要望である多機能化とかそういうニーズがあるとすれば、その時点で調査研究をして的確に対処してまいりたいと考えておりますので、ご理解のほどをお願いしたいと思っております。今すぐではなくて、そういう要望があった段階で近い将来にわたって調査していくと。
 もう1点でありますけれども、保育士関係の経験年数が若い人が多いというのは先ほどおっしゃられてましたけれども、保育士につきましては実際若い方もおります。二十歳、短大とか出まして4、5年勤めて結婚なさって、それで結婚と同時にお辞めになって子どもが大きくなった段階でまた復帰すると、37、8から40ぐらいで復帰するという方がおりますので、ちょうど27、8から40歳手前の方が一番不足しているというのが保育の現場の現状だそうです。ですので、そこを確保するのが非常に難しいということが言われてますが、ただ、40歳以上の方につきましては結構保育についての熱意のある方が現場に復帰してきますので、その方が若い人を指導していくという意味もありますから、非常にいい保育環境が提供できるということを認可保育所の方々からは聞いておるところであります。
 それから、特別養護老人ホーム等の入所における申し込みでありますけれども、申し込みにつきましては東根市においては各施設に直接申し込むという方法を当初から取っているところであります。議員がご指摘のように、市町村によっては市町村が取りまとめて各施設にお渡しするというところもあるやには聞いております。しかし、やはり申し込みというのはその施設の特徴を申し込み者が知って、是非そこに行きたいという希望のもとに申し込みするわけですから、東根市があなたはそこに行きなさい、こっちに来なさいというのはちょっとなじまないのではないかと思っております。例えば病院にかかるときは、公立病院にかかるとか県立中央病院に行くとか、患者さんが選ぶ。ただ、今、入所申し込み者の数が三百十何名と非常に多いものですから、自分が選択できない状況にあることは確かです。ですけれども、やはり入所希望の方は自分が希望してその施設を選ぶというのが私は最もベストな方法ではないかと思っておりますので、今のところ現在の状況を堅持していきたいと思っております。ただ、それについては多くの不平不満等が出た段階では再度調査をしながら研究していきたいと考えております。
 それからもう一つ、最後になりますけれども、施設についてであります。高専賃とか有料老人ホーム等ですけれども、高専賃につきましては実質的には国交省所管の高齢者専用賃貸住宅ということで、前は専用アパートとかそういうところを高齢者専用賃貸住宅として改修する場合の補助対象ということで高専賃という名称をつけて補助対象になってきたわけですけれども、高専賃につきましては東根市には全くありませんし、近隣にもちょっと高専賃は見当たらないかと、ちょっと私勉強不足で申しわけありませんけれども、思っております。ですので、高専賃については今後どういうものがあるのかということで、あと賃貸料についても研究させていただきたいと思っております。公立のものがあるかどうかについても、これから先ちょっと調査研究をさせていただきたいと思いますので、よろしくご理解のほどをお願いいたします。
○清野貞昭議長 以上で、ご了承願います。

◎散     会

○清野貞昭議長 これで本日の日程は全部終了しました。
 本日は、これで散会します。御苦労さまでした。

   午後 1時39分 散 会