議事日程 第2(一般質問)

平成18年12月11日 午前10時 開 議

      岡  崎  賢  治 議長       結  城     芳 副議長


◎出席議員(22名)
 1番   今  野     孝 議員       2番   加  藤  信  明 議員
 3番   浅 野 目  幸  一 議員       4番   田  中     昭 議員
 5番   阿  部  清  雄 議員       6番   阿  部  綾  子 議員
 7番   高  橋  ひ ろ み 議員       8番   大  場  英  雄 議員
 9番   清  野  貞  昭 議員      10番   奥  山  重  雄 議員
11番   森  谷  政  志 議員      12番   佐  藤     直 議員
13番   中  井  和  男 議員      14番   秋  葉  征  士 議員
15番   清  野  忠  利 議員      16番   高  橋  一  俊 議員
17番   武  田  敏  夫 議員      18番   深  瀬  秋  広 議員
19番   武  田     敞 議員      20番   青  柳  安  展 議員
21番   結  城     芳 議員      22番   岡  崎  賢  治 議員

◎欠席議員(なし)

◎説明のため出席した者の職氏名
                                 教育委員会
土 田 正 剛  市     長        横 尾 智三郎
                                 委  員  長
         選挙管理委員会
植 村 良 作                 奥 山 昭 男  代表監査委員
         委  員  長
八 島 一 夫  農業委員会会長        青 柳 文 信  消  防  長
椎 名 和 男  副  市  長        小 関 正 男  教  育  長
武 田 國 義  総 務 部 長        武 田   稔  市民保険部長
寒河江 賢 一  健康福祉部長         高 橋 一 郎  経 済 部 長
         建 設 部 長
杉 浦 正 弘                 荒 川 妙 子  会計管理者
         兼水道部長
原 田 清一郎  教 育 次 長        岡 崎 春 夫  総合政策課長
杉 浦 宗 義  庶 務 課 長        矢 作   隆  財 政 課 長
         選挙管理委員会                 監 査 委 員
武 田   綏                 名 和 信 博
         事 務 局 長                 事 務 局 長
         農業委員会
青 柳 弘 索
         事 務 局 長

◎事務局職員出席者職氏名
牧 野 利 幸  事 務 局 長        清 野 敬 信  事務局長補佐
佐 藤 慎 司  議 事 係 長        齋 藤 美奈子  主     任
森 谷 秀 範  主     事

◎議 事 日 程

 議事日程第2号
       平成18年12月11日(月) 午前10時 開 議

 日程第 1  市政一般に対する質問
        1  4番   田  中     昭
        2 13番   中  井  和  男
        3 12番   佐  藤     直
        4  2番   加  藤  信  明
        5  5番   阿  部  清  雄
    (散     会)


◎本日の会議に付した事件

 議事日程第2号に同じ。

平成18年東根市議会第4回定例会一般質問発言通告書

番号 質 問 者 質問事項 質   問   要   旨 答弁者
田 中   昭
議     員
1.発達障がい児(者)に対する支援等について 1.発達障がい児(者)に対する支援法が
 施行されてから約1年8ヶ月が経過する
 中、当初は行政も手探り状態であった
 が、時の経過とともにリアルタイムに支
 援施策が打ち出されておりますが、同障
 がい児(者)に対する今後の対応と新た
 な支援策について、お尋ねをいたしま
 す。
市  長
教  育
委 員 長
2.子ども達に対する学校内外における、安全管理体制について 1.一向に減らない不審者事案に対する新
 たな対策と、児童が校舎二階から転落す
 ると言う痛ましい事故の発生を踏まえ、
 事故直後の対応をどう行ったのか。ま
 た、転落事故を含む事故の防止対策をど
 う講じられたのか、お尋ねをいたしま
 す。
市  長
教  育
委 員 長
中 井 和 男
議     員
1.快適な生活環境について 1.本市は、市民憲章で「自然を愛し 環
 境をととのえ うつくしいまちをつくり
 ます」とうたい、21世紀フロンティアプ
 ランでは「自然と調和した快適生活環境
 の形成」をまちづくりの目標としていま
 す。
  また、日頃市長が主張する「東根市に
 住んでよかった」と思える環境づくりの
 ために、環境ISOの一般家庭への拡大
 と、一般企業への周知徹底を図ること。
 市内に存在するあらゆる公害を洗い直
 し、全市を挙げたプロジェクトとして取
 組み、昨年発足した環境衛生組合を中心
 に推進すべきと思料するが、市長の考え
 を伺いたい。
市  長
教  育
委 員 長
佐 藤   直
議     員
1.自治活動や生涯学習活動の対応と公共施設の基本構想について 1.神町地区は神町北部土地区画整理事業
 の670戸を始め、民間宅地開発業者の宅
 地分譲が継続的に予想され、神町地区内
 の人口は増加の一途を辿っております。
  自治活動や生涯学習活動の拠点の場と
 して、神町公民館の利用状況は、平成16
 年度において、昼996団体、夜1,138団体
 と飽和状態にあります。
  そこで、神町地区民のニーズにあった
 公民館の整備をする必要があると考える
 がどうか。
市  長
加 藤 信 明
議     員
1.新年度予算編成方針について 1.「三位一体改革」の影響により、地方
 交付税の抜本的な見直しがなされ、ま
 た、国庫支出金の削減等により、大幅な
 減収となった。一部税収の伸びが期待さ
 れるものの、大幅な増加が見込めない
 中、新たな行政需要の対応が迫られてお
 ります。
  振興実施計画(第40号)策定の概要と
 課題、これを受けての新年度予算編成方
 針について、お聞きをします
市  長
2.学校耐震化について 1.9月議会において、安心、安全な災害
 に強いまちづくりをすることが、三期目
 に課せられた課題の一つであると答弁さ
 れました。
  学校の耐震化計画も早急の課題と考え
 ますが具体的な年次計画はどうかお聞き
 をします。
市  長
教  育
委 員 長
3.市営墓地の二期計画について 1.振興実施計画(第39号)では、平成19
 年度に基本設計に着手するとの事であり
 ます。
  予算規模、場所等についてどの様に検
 討をしているのかお聞きをします。
市  長
阿 部 清 雄
議     員
1.大型店舗(スーパープラント)の出店計画について 1.平成18年6月以降の進捗状況及び今後
 の対応について。
 (1)東根市の農業振興と農地転用の在
   り方について。
 (2)東根市まちづくり(中央、一本
   木、神町北部)に与える影響をどの
   様にとらえているのか。
市  長
農  業
委 員 会
会  長

◎開     議

○岡崎賢治議長 皆さん、おはようございます。
 本日の会議に遅刻の届け出ありましたのは、19番武田 P議員です。したがって、出席議員の数は21名で定足数に達しておりますので、これから本日の会議を開きます。
 本日の会議は、議事日程第2号によって進めます。

◎市政一般に対する質問

○岡崎賢治議長 日程第1 市政一般に対する質問を行います。
 質問は通告順としますが、発言順番を迎えたときに議場にいない場合は発言権の放棄とみなしますので、そのようにご了承願います。

◎田中 昭議員質問

○岡崎賢治議長 最初に、4番田中 昭議員。

   〔4番 田中 昭議員 登壇〕

○4番(田中昭議員) 皆さん、おはようございます。4番田中であります。これから、議長のお許しをいただき通告に従い2点について市政に対する一般質問をいたします。質問項目につきましては、まず最初に発達障がい児に対するその後の対応と新たな支援策について、2つ目は子どもたちへの安全管理体制についてであります。
 まず最初に、発達障がい者に対する支援法が施行されてからおおむね1年8カ月が経とうとしております。昨年の9月20日、第3回定例会において市政に対する一般質問を行いました。その主な内容でありますが、本市における自閉症、学習障がい、LDなどの現状と教育現場におけるこれら障がい児の実情についてお伺いをするとともに、その支援策について質問をいたしました。その内容を振り返ってみますと、発達障がい者の現状は、家庭児童相談室で発達障がい等により相談の対象として受け付けを行っている児童は、保育所、幼稚園などから小中学校、さらに高等学校まで76名であり、このうち自閉症など明らかな診断がなされている児童は14名であると市長のご答弁で明らかにされております。また、教育現場における実情については、平成17年度の在籍状況を見ると、県内の養護学校に在籍していがる子どもが16名、市内小中学校の特殊学級に在籍している子どもが34名、普通学級に在籍している発達障がいを持つと思われる子どもが27名となっております。この内容は、当時の教育委員長のご答弁であります。診断がなされている児童、障がいを持つと思われる児童、これは診察により判定されたものと推計による係数の差であると思います。当時、私が質問時に申し上げましたように、文部科学省の全国調査によると、小中学校における自閉症をはじめ学習障がい(LD)、注意欠陥多動性障がい(ADHD)など、教育支援を必要とする児童生徒の割合は通常学級において6.3%であり、40人学級では2ないし3人程度在籍していることが推測されること、山形県障害福祉課によると、全国の発見率をもととして県内の2ないし5歳児、約4万2,500人のうち発達障がいを持つのは2,800人、その中で療育支援が必要なのは1,100人と推計をされております。私は、この種障がいを持つ子どもたちの多数の係数にこだわるものではなく、発達障がいは早期発見と早期の療育、適切なる教育支援が不可欠であることを前回と同様に強く訴えるものであります。そのためにも幾つかの提案を前回質問時に申し上げましたが、現在においてもその提案が実現されることを切に願うものであります。
 次に、支援とその体制についてでありますが、今年1月以降でありますが、早速1月19日、本市役所会議室において山形大学地域教育文化部の教授を講師に、主に教育関係者及び一部保護者を対象にした発達障がい児の正しい理解と支援のあり方についての講演会を開催。また、4月26日、タントクルセンターにおいて同教授を講師に、本市小中学校の先生方を対象とし、特別支援教育、校内体制の整備に向けての講演会を開催。いずれの講演会につきましても教育委員会にお願いをし、私も同講演を拝聴いたしました。また、平成18年度一般会計予算に基づく新規事業として講演を行っていただいた山形大学地域文化部の教授を本市の特別支援教育アドバイザーとして本年度20回にわたり小中学校の先生方に対し、教育指導、助言をいただいていること。また、学校現場における支援体制の強化・充実からスクールサポーターを2名増員し、6名体制でその支援にあたっておられること。これら以外についても私が承知してない面で行われているかも分かりませんが、いずれにしましても大変ありがたく、市長のご高配に感謝を申し上げる次第であります。保護者の皆さんも発達障がい者に対する支援法が施行されたものの、その方向性が見えなかったものの、昨年10月以降、福祉事務所をはじめとし教育委員会、学校などにおいてこれまで以上相談がしやすく、かつ親身になって相談に乗っていただいていることに対し、大変感謝をいたしておりますので、改めてご紹介をいたします。ここで、保護者の皆さんにかわり改めてその施策の実現に感謝を申し上げる次第であります。
 そこで、お伺いをいたします。発達障がい児に対する支援法が施行されてから1年8カ月が経過する中、当初は行政も私も手探りの状態でありましたが、時の経過とともにリアルタイムに支援策が打ち出されておりますが、同障がい児に対する今後の対応と新たな支援策についてお尋ねをいたします。
 次に、2つ目の子どもたちの安全管理体制についてであります。
 不審者の出没、不審者による子どもたちへの声かけ事案、カッターなどによる髪・衣服が切られる事案、殺人などへエスカレートするなど一向に減らないこの種事案を踏まえ、平成17年6月議会、また、本年の3月議会においても子どもたちの安全についての一般質問がなされておりますが、良策が見出せないまま9月26日火曜日午後1時41分ごろ、神町小学校において清掃開始直後に西校舎2階の家庭科室の窓から1年生の男子児童が約4メーター下の中庭側溝に転落をし、頭蓋骨骨折、脳挫傷する痛ましい事故が発生したことは皆様ご承知のとおりであります。
 そこで、お伺いをいたします。一向に減らない不審者事案に対する新たな対策と、児童が校舎2階から転落するという痛ましい事故の発生を踏まえ、事故直後の対応をどう行ったのか、また、転落事故を含む事故の防止対策をどう講じられたのか、お尋ねをいたします。
 以上をもって登壇での質問といたします。
○岡崎賢治議長 4番田中 昭議員の質問に対し、教育委員長に答弁を求めます。横尾教育委員長。

   〔横尾智三郎教育委員会委員長 登壇〕

○横尾智三郎教育委員会委員長 田中議員のご質問にお答えいたします。
 始めに、発達障がい児に対する支援等についてでありますが、義務教育における障がい児童教育の現状と改革の方向に関しては、本年6月に学校教育法が改正され、来年4月1日からは特別支援教育がスタートすることとなります。特別支援教育とは、障がいのある児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取り組みを支援するという視点に立ち、児童生徒一人一人のニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善、または克服するため適切な指導や必要な支援を行うものであります。具体的には、各種養護学校を特別支援学校に名称を変更するとともに、小中学校に在籍している中軽度障がい児に対する支援指導センターとしての役割が担えるよう、施設や人的な面での機能強化が図られることになっております。小中学校においては、現在の特殊学級が特別支援学級に変わり、必要に応じて県の支援センターより支援指導を受けたり、通常学級との交流により学習指導を実施することが可能となり、教育現場におけるノーマライゼーションの考え方がより一層明確化していくことになります。
 一方、議員ご指摘のように、これまでは学習障がい(LD)、注意欠陥多動性障がい(ADHD)、高機能自閉症やアスペルガー症候群などの発達障がいは、法律や制度の谷間に置かれて支援の対象とならない、あるいは特性に合った支援を十分に受けられない状況にありましたが、発達障害者支援法が昨年の4月1日から施行され、加えて本年4月には学校教育法施行規則が改正され、学校教育の中でこれら発達障がい児への支援方策が求められるようになったところであります。
 東根市では、これら軽度発達障がい児に対する指導及び支援が緊急の課題となってきたことを受けて、障がいを持つ子ども一人一人に配慮した特別支援教育推進事業を県内に先がけて実施し、学校教育における体制整備に向けて様々な研修や啓発活動を実施しております。
 本年度に取り組んでいる具体的な推進内容を申し上げますと、1つ目は、全教職員が特別支援教育のあり方や軽度発達障がいについて正しく理解し、適切な指導や支援のあり方を学ぶことが大切であることから、共通理解を図るための研修を実施いたしました。新年度がスタートして間もない4月26日にタントクルセンターを会場に山形大学地域教育文化学部三浦光哉教授を講師にお招きし、市内小中学校の管理職を含めた全教職員を対象に「特別支援教育の校内体制の整備に向けて」の講演をいただき、改めて校内体制の整備や個別指導の重要性を認識したところであります。また、各校では特別支援教育コーディネーターの選任と配置、校内委員会の組織化を進め、校内体制の整備強化に取り組んでいる状況にあります。
 2つ目は、巡回相談事業であります。これは、三浦教授を特別支援教育アドバイザーに委嘱し、各学校を訪問していただいた上で軽度発達障がい児への具体的な指導法について学ぶ研修会を実施しているものであります。研修内容としては、チェックリストを使った軽度発達障がい児の把握の仕方、それぞれの障がいの特性を持った児童生徒への支援・指導のあり方をはじめ、特別支援コーディネーターを核とした校内体制の整備等について具体的な指導をいただいているところであり、現在までに小中学校合わせて15回の巡回相談を実施し、来年1月末までにはさらに3回実施する予定であります。
 3つ目は、スクールサポーターによる学習生活支援であります。本年度はサポーターの2名増員により6校にスクールサポーターを配置しており、東根・神町・小田島・東根中部の小学校4校に加え、第一・神町の中学校2校にも初めて配置したところであります。また、特殊学校への支援だけではなく学校長の判断に基づき、通常学級に在籍する軽度発達障がい児へのサポートも可能としたことから、障がいの特性に配慮しながら個別に関わることになり大きな効果を生み出しているところであります。
 このような東根市独自の支援方策について教職員からも保護者からも好評を得ているところであり、他市町村からも注目されているところでありますが、今後さらにこれらの取り組みを充実させ、議員ご指摘の早期発見体制を構築し、必要な個別指導を行っていくためには人材の確保が最も重要な課題になっているところであります。既に教育現場では校内委員会で支援・指導の方針が議論されている段階でありますが、実行のためには人員が足りないというのが実感であり、教職員の増員が望めない中では学生や退職教職員等のボランティアの活用なども考慮しながら支援体制を強化してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
 次に、子どもたちに対する学校内外における安全管理体制についてのご質問にお答えいたします。
 最近の全国各地での学校に関係する各種事件・事故の発生を見ますと大変憂慮すべき事態であると考えており、教育委員会といたしましてもますます気を引き締めて児童生徒の安全管理対応に臨まなければならないと考えているところであります。この中で、ご指摘ありましたように神町小学校において児童の転落事故が発生しましたことは誠に申しわけなく、教育委員会として心からおわび申し上げます。
 この事故は、去る9月26日午後1時41分ごろ、校内一斉清掃の開始直後に発生し、神町小学校西校舎2階家庭科室の窓から1年男子児童が約3.7メートル下の中庭側溝に転落し、頭蓋骨骨折などの重傷を負ったものです。
 事故直後の対応ですが、学校は直ちに負傷児童の応急対応を行いながら救急車を呼び、救急病院への搬送を行うとともに、ご家族への連絡を行ったところであり、教育委員会でも事故報告を受けると直ちに指導主事を学校及び搬送先病院に派遣し、対応にあたったところです。神町小学校では、事故発生当日は全校児童に事故概要を説明し、時間を繰り上げて一斉下校を行い、事故の翌日には全校集会を開き事故の内容を全児童に伝えるとともに、安全に注意し、登下校や学校内での生活を送るよう指導したところであり、保護者に対しては事故の翌日に文書にて状況を伝えるともに28日には教育委員会も参加して臨時保護者会を開催し、事故の報告を行いました。また、教育委員会では、事故の翌日に緊急の校長会を開催し、事故発生の状況、学校安全管理の徹底、施設の安全点検について指導し、さらには教育委員会の職員が各学校を訪問して施設の安全点検にあたるとともに、事故発生による神町小児童の心理的動揺を対応するため臨床心理士をカウンセラーとして定期的に派遣することとしたところであります。
 事故の防止策についてでありますが、事故のあった教室については29日までに転落防止の対応を行い、その他の教室及びその他の小中学校については点検の結果に基づき順次安全性を高める対応を行ったところであり、特に低学年の対応として校内を巡回して事故が起こりやすい箇所の確認を実際に行い、法的な基準をクリアしている場合でもより安全性を確保するために手すり等の設置を行ったところであります。学校施設につきましては、建築基準法や各種指針に即した設備になっており法的には問題ないものと考えておりますが、今後も施設整備面の安全性向上のため点検や補修について万全を期すとともに、児童生徒に対しても自からの命が自分の判断で守れるよう普段からの指導訓練が必要であると強く感じたところであります。
 なお、事故にあわれた児童につきましては順調に回復して、10月21日に退院し、30日から元気で登校していることを合わせてご報告いたします。
 次に、登下校時の安全対策につきましては、小学校区単位に学校安全ボランティアの整備を各地区にお願いしてきたところですが、本年度全校での組織化が完了し、800名以上のボランティアが児童生徒の登下校安全のために活動していただいております。また、市内での不審事案発生件数を見ますと、昨年度は17件の発生がありましたが、今年度はこれまで6件のみの発生であり、様々な要因はあると考えられますが学校安全ボランティアの活動によるところも大きいものがあると考えているところです。教育委員会からの安全ボランティアに対する支援は、蛍光色のベスト、自動車に貼るマグネットステッカーなどの配布にとどまっており、これで十分だとは考えておりませんが、各学校における安全マップの精度・熟度を高めていること、各学校及び地域防犯団体・警察などとの連携を目指した学校安全ネットワーク形成を急ぐこと、インターネットや携帯電話のメールを利用した緊急連絡用のメール配信について調査研究し早期実現を図ること等、幾つかの取り組みを実行したいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
○岡崎賢治議長 4番田中 昭議員。
○4番(田中昭議員) 登壇での質問に対するご答弁でありますけれども、今後の対応と新たな支援策についてでありますけれども、来年の4月1日から特別支援教育がスタートするという法的施策についてはよく分かりました。先生方の支援教育のあり方や発達障がいに対する共通理解を図るための研修や巡回指導及びスクールサポーターの学習生活支援などについて一定の理解をいたしました。
 その一方で、教育委員会としての問題点が浮き彫りにされたものと私は思います。それは、発達障がい児ではなかろうかという早期発見の体制を構築をし、適切なる個別指導を行う人材確保の問題であります。もう1つは、法的施策を実行するために教育現場における人手不足の問題であります。これらについては後ほど述べたいと思います。
 では、引き続き自席において質問を継続いたします。
 まず最初に発達障がい児支援についてであります。
 不思議に思ったことでありますけれども、私は先般から発達障がいは早期発見と早期の療育と適切なる支援が不可欠である旨を申し上げてまいりました。この観点から、市立・私立問わず保育所・幼稚園の先生、保育士にとって大変重要なことであります。先般、市立・私立分け隔てなく研修に参加し、知識を習得することが発達障がいではなかろうかという子どもたちの早期発見に結びつくものと思います。これまで行っていただいた講演は、全て教育委員会の主催であり、いや、主催がどうこうではなくて、これらに保育所・幼稚園の先生方がいずれも参加されていなかったと私は記憶をいたしております。なぜ参加できないのか。参加できなかったのか。また、参加の声がかけられなかったのか、かけなかったのか。いずれにしましても、市民の皆さんの血税を使用して講師を依頼しているわけであります。縦割りではなくてグローバル的に関係者全員を参加させるべきではなかったのか。答弁は求めませんけれども、今後研修を受けられるよう要望させていただきます。
 次に、先ほどの答弁にもありましたけれども特別支援教育アドバイザーが委託されてから約9カ月、この間どのような教育指導・助言が行われたのか。その効果をどう評価しておられるのか、今後の行動予定と合わせてお伺いをいたします。
 次に、気になるのが答弁の内容にありました特別支援教育の体制がどうなっておられるのかであります。校内委員会を立ち上げコーディネーターを主軸とした体制と思います。私は当初、コーディネーターが新たに配置されるものと思っておりましたが、そうではなく、学校の先生方から適任者が選出されていると伺っております。特別支援教育コーディネーターの役割は私は多様であり、それを推し進めるにあたってはたくさんの障害や問題が生起し、本人自身も戸惑いながら行っているのではないかと思います。
 そこで、コーディネーターの果たす役割について、また、コーディネーターに対して学校の管理者がどのような支援を行っているのか、また、その指導はどのようなものなのかお伺いをいたします。
 次に、2つ目、学校の安全管理体制についてであります。
 事故直後の対応と、その後の事故防止策については一定の理解をいたしました。何よりのご報告は、事故にあわれた児童がその後順調に回復をされ、10月27日に退院をされ、30日から元気に登校されていること、何よりのことだと思います。
 次に、不審者事案の発生件数が先ほどの答弁では昨年度と比較をいたしますと減少傾向にあるとのご答弁。これは、学校安全ボランティア組織の活動に心から感謝を申し上げたいと思います。しかしながら角度を変えて分析をいたしますと、東根市における減少傾向は非常にそのボランティア等のおかげでやりづらくなって他の自治体に行っている可能性があるのではないかと。
 次に、新たな対策として学校安全ネットワークの早期確立と携帯電話のメールによる配信などの早期実現を図っていただきたいと思います。
 では、質問を継続いたします。私は先生方は教育のプロであっても、失礼の言い方か分かりませんけれども安全管理のプロではないと思っております。そこで、9月28日の新聞を見ますと、「東根の児童転落で村山署、業過傷害容疑を視野に調査」の見出し。内容を若干申し上げますと、「同校の安全管理が不十分だった可能性があるとみて、村山署が業務上過失傷害の容疑を視野に調査を開始したことが27日分かった」という記事の内容であります。この記事を読まれた本市の小中学校の先生方、中でも一人で3カ所の清掃の指導を担当された担任の先生のショックは計り知れないものがあったのではないかと思います。これらのことから、記事として書かれた内容が事実としてあったのかどうか。あったとすれば、これらの情報を関係者がどう共有化され、かつ対処されたのか。また、ショックを受けられた先生方の心のケアをどうなされたのか、お伺いをいたします。
 以上をもって自席での第1回目の質問を終わります。
○岡崎賢治議長 答弁を求めます。小関教育長。
○小関正男教育長 それでは、私から田中議員の質問にお答えをしたいと思います。
 幾つかありましたけれども、最初に特別支援アドバイザーがどのように活用されているかということでありますが、そのことについてお答えを申し上げたいと思います。
 軽度発達障がい児に対する正しい理解と適切な関わり方について全教職員参加による全体研修を行ったところであります。委員長答弁のとおりでありますけれども。これは、担任はもちろんのことでありますけれども、全教職員がこの発達障がい児についての理解を深めると、これが非常に学校教育全体にとって大事だということから、まずは市内全教職員から集まってもらったということであります。一般の方も若干おりましたけれども、発達障がい関係につきましては保護者、市民の方々、みんなご理解をいただくというのが大事なことだと思いますので、今後そういったことについても勉強させていただきたいと思っているところであります。
 特に巡回相談による指導でありますけれども、チェックリストを使用した軽度発達障がい児の把握の仕方や障がいの特性に配慮した適切な支援のあり方などについて具体的な各学校での指導をいただいておるところであります。その状況を見ますと、席を離れることの多かった児童、あるいはパニックを頻繁に起こしていた児童等が落ち着いて学習に取り組める場面が増えてきたという学校からの報告も受けているところであります。ただ、まだまだ十分な改善がみられないケースなどもありますので、今後ともアドバイザーとしての三浦先生のご指導をいただきながら、その子どもに合った、一人一人の子どもに合った関わり方について一層研修を深めていきたいと考えているところであります。
 次に、特別支援教育コーディネーターの役割、あるいは学校管理者の支援ということであります。
 このことについてでありますけれども、コーディネーターの役割は担任からの情報収集、あるいは担任の支援・指導、そういったこと、さらには校内での研修会の準備をしたり企画運営の中心的な役割を果たしているところであります。さらに外部機関との連絡調整の役割も大事なことでありますので、校内委員会で専門的指導を要すると判断された場合は、児童相談所や医療機関、巡回相談員との連絡調整を行うという役割も果たしているところであります。その他、保護者との連絡、家庭内での学習等への指導・助言なども中心的な役割を果たしております。
 特別支援コーディネーターの養成に関しましては、県の規模における養成研修会も実施しておりますけれども、本市としても独自に研修会を実施しているところであります。先ほど申し上げましたアドバイザーによる各校への巡回相談活動におきましても、コーディネーターの養成の研修も含めて実施をしているところであります。
 学校管理者によるコーディネーターへの支援・指導でありますけれども、これは学校経営として当然全校的な理解と協力、連携による指導が大事でありますので、コーディネーターの選任と配置について十分に検討しながら、管理職を含めて全教職員によるサポート体制の強化を図るということが大事なことでありますので、管理者としてはさらに中心的にリーダーとして取り組みを行っているところであります。さらには、直接コーディネーターとの情報交換等も行いながら、学校全体のアドバイスを進めているところであります。
 軽度発達障がいや特別支援教育に向けての校内体制の整備、本年度は市の校長会・教頭会の中でも研修会を重ねております。今後とも引き続き管理職による研修会を実施して学校長のリーダーシップのもとに特別支援体制の整備が確実に図られるように指導・助言をしてまいりたいと思っております。
 次に、学校管理体制についてでありますけれども、神町小学校の重大事故発生につきましては委員長答弁のとおりでありますけれども、私からも重大事故の発生であり、心からおわびを申し上げたいと思います。子どもも元気に登校しているということであります。委員長答弁のとおりであります。体育等につきましては個別指導も、医師の指導、あるいは保護者の理解を得ながら、そんな場面もまだあると聞いておりますけれども、1日も早く他の子どもさんと一緒に体育ができるようにと願っているところであります。
 不審者事案、あるいは転落事故を含めた具体的な事故防止対策等については次長から説明をいたしますけれども、私からは先ほど新聞の記事等についてのことがありましたので、このことについてだけ若干触れさせていただきたいと思います。
 「業務上過失傷害を視野で」ということがありました。これは学校にとって非常にショックなことであります。そんなことから、即すぐに村山警察署の方にも問い合わせ、あるいは県教育委員会を通して県警の方にも問い合わせております。その結果、そういった事実はないという回答をいただいております。しかしながら、こういったことが報道されますと学校の方でも非常な緊張感と、あるいはまたいろいろな面でショックを受けるということであろうと思っております。そんなことから、教育委員会としても学校に赴き全教職員に対して警察等の話もしながら、先生方には日常の教育活動の展開を充実するようにと申し上げておったところであります。さらには、学校が開きました保護者会でもさらなる学校への支援をお願いをしたところであります。報道関係の方ともいろいろこの点についてはお話をしました。こういった記事が流れることについてのいろいろな影響というものも十分話をしたつもりであります。報道関係の方からもご理解をいただいたと思っておりますし、今後そういったことのないように教育についてもいろいろお話を申し上げたところでありますので、ご理解とご協力をいただけるものと思っているところであります。
 今回の事故につきましては、いろいろな各関係機関の方との連携をしながら対応したわけであります。そういった意味では、心からそういった方々の指導に対しましても御礼を申し上げたいと思っているところであります。
 私からは以上でありますけれども、具体的なことにつきましては次長の方から答弁をさせたいと思います。
○岡崎賢治議長 原田教育次長。
○原田清一郎教育次長 学校の安全管理に関しまして事故後の対応ということで少し申し上げます。
 施設の方については、委員長答弁のように全て建築基準法上の安全という面ではクリアしているということでありますけれども、私どもの方の巡回の調査によりまして、もしかすると危ないかもしれないというところを含めて全部調査した上で必要と思った箇所については手すり等の設置を行ったところです。具体的には、特に神町小学校ですが、当初20カ所ということで私どもで調査したわけですが、PTAの方々なども独自に安全点検していただいたということで全部で54カ所について手すり等の設置を行いました。そのほか神町小学校以外の東根小ほか5校につきましても同様に点検を行いまして、手すり等の設置を行ったということです。これらに要した経費が約250万円ほどということで既決予算等の中から対応し、不足分については12月補正ということでお願いをしているところです。
 以上ように設備の面についてはこれからも順次点検を行いながら、もしかして危ないところが見つかり次第、点検・対応をしていきたいと思っております。
 それから若干ですが、発達障がい児に関するご質問の中で、昨年の4月26日、三浦教授をお招きして全教職員対象の講演会を行ったということを報告申し上げましたけれども、これについては各学校で3時間からの講演会ということで間に合うように、各学校では児童生徒を早めに下校させ、教職員全員が参加できるようにという体制をとったところで、そういう体制をとっていただいて研修会を開催したということです。それ以外の児童関係の保育所、あるいは幼稚園等に対しましては、ご案内を申し上げましたけれども、いずれにしても子どもたちを抱えているという状況の中で多くの先生方、保育士の方々から参加していただくことにはならなかったということだと思います。少しは参加していただいたし、あるいは福祉事務所の相談員の方なども参加していただいたということで、今後も三浦先生を学校へ派遣してということで考えていますが、事情が許せば保育所や幼稚園等への派遣も考えていきたいと。別に縦割りということで教育委員会だけで考えているわけでなくて、今後も福祉関係との連携のもとで早期発見・早期対応ができる対応をしていきたいと考えていますので、ご理解をお願いしたいと思います。
○岡崎賢治議長 4番田中 昭議員。
○4番(田中昭議員) ありがとうございました。
 最後の質問ですけれども、まだまだたくさん質問があるわけなんですけれども、教育委員会の答弁の多さ、事の重大性を示しておられるのかと理解をいたします。たくさんありますけれども、時間の関係で結論だけ述べさせていただきたいと思います。
 発達障がいの最後の質問でありますけれども、6月県議会において議員の質問に対して教育委員会は、軽度の発達障がい者・知的障がい者の増加傾向を受け、県の盲・聾・養護の特別支援教育施設の整備、再編計画を策定する方針を示されております。伺うところによりますと、県は村山農業高等学校内にこれらの分校が設置されると聞いております。現在の上山市の支援センターの距離などを考慮すれば、東根・村山地方の方々にとっては利便性から大変よいことであると思います。しかしながら、その反面、分校には宿泊機能がないと伺っております。したがいまして、重度の子どもさんを持つ保護者の負担が大きくて厳しい雇用情勢など家庭崩壊にもなりかねないことを考慮していただき、是非市長から県に対して宿泊機能を含めた施設の早期設置と体制の充実を強く要望していただきたいと思います。市長のご配慮をご期待するものであります。市長のご見解をお伺いし、この種質問を終わります。
 次、2点目。子どもたちへの安全管理体制についてであります。
 先ほど私が、先生方は教育の専門家であっても安全管理の専門家ではないということを申し上げました。私が一番恐れることは、この種事案を受け安全管理を意識するが故に教育がおろそかになるのではと大変危惧をいたすところであります。私は、これらの事故発生以前から子どもたちの安全・安心に関して安全管理、なかんずく危険見積もりの作成とその指導ができる専門家、仮称安全管理者を配置し、学校内外を問わず安全管理の体制を構築して少しでも先生方の負担を軽減し、子どもたちの学力向上等に専念できる体制が必要と考えますが、再度市長のご見解を賜り、私の一般質問を終わります。
○岡崎賢治議長 答弁を求めます。土田市長。
○土田正剛市長 このたび関係各位の強い要請によりまして、県は村山農業高校に空き教室を主体として新庄養護学校の分校ともいうべき、そういうものが設置されることになったわけであります。ご指摘の宿泊施設等々については、県の方に要望をということでありますが、現在の新庄養護学校そのもののいわゆる宿泊施設等々が私は空くのではないかと思っております。そういう関係からすると、従来そういう関係、特に保護者等々については新庄市では非常に遠すぎるということでこのたび村山市に配備になったと思いますけれども、同時に宿泊ということになりますと相当な県の設備投資ということにもなりかねないわけでありまして、その辺のところをよく私も配慮しなければならないと、現時点では昨年よりも今年さらに各部にまたがって120億円の事業費を減額しなさいというのが県知事のいわば厳命でもあるわけであります。そういう意味からは、私は特に宿泊施設ということになれば従来の新庄養護学校等々にもし希望があるならば、そういう格好の中でこたえていくべきではないだろうかと考えますけれども、その辺のところもよくまず今後勉強してみたいと考えます。
○岡崎賢治議長 答弁を求めます。椎名副市長。
○椎名和男副市長 市長の指示でありますので答弁いたします。
 ご質問のとおり、学校の先生方は非常に多忙を極めているという話はよく聞いているところであります。そういった意味で、学校の先生以外の専門のアドバイザーの設置ということについては、趣旨については十分分かるつもりであります。今後については、もう少し振興実施計画、あるいは予算等の関係で研究していきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
○岡崎賢治議長 以上で、ご了承願います。

◎中井和男議員質問

○岡崎賢治議長 次に、13番中井和男議員。

   〔13番 中井和男議員 登壇〕

○13番(中井和男議員) おはようございます。13番中井でございます。通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 本市は、まちづくりの目標として市民憲章の第1に、「自然を愛し 環境をととのえ うつくしいまちをつくります」とあります。また、21世紀フロンティアプランにおきましては施策の大綱第2編で、「自然と調和した快適生活環境の形成」とうたってあります。そして、この大綱の「快適な生活環境のまち」では、「快適な居住環境の整備と清潔で心やすらぐ生活空間の創設」とあります。また、日ごろ市長が主張しております「東根市に住んでよかった」と思える環境づくりのために、環境ISOについて一般家庭の拡大を図るとともに、一般企業に対しても周知徹底を図り、全市を挙げて強力に推進する必要があると思われます。幸いにも今年発足しました安倍内閣も「美しい国づくり」を公約しているわけです。市民憲章の第1にあります「美しいまちをつくります」と偶然にも一致しているわけでございます。推進する時期としては非常に絶好のタイミングとも思われます。
 公害は1960年以降、高度成長期とともに大量生産・大量消費・大量廃棄をベースにしまして生活環境を悪化させ、国民の健康と生活を脅かしてきました。以後、公害対策基本法が成立しまして、地方自治体におきましても環境アセスメント条例が制定化され、現在では全都道府県におきまして条例・要綱を制度化されております。公害となっております事象を分離しますと、1つ、排水・排煙・照明・騒音等の産業型。2つ目、空港・鉄道・道路の騒音・振動・排煙等の交通型。3つ目に有毒物・医薬品・農薬等の薬品食品型。4つ目に、ダム・河川・高速道路工事等の自然保護型等に大別されると思われます。また、典型7公害としまして、騒音振動・大気汚染・悪臭・水質汚濁・地盤沈下・土壌汚染等に分類されると思います。また、要因別に分類しますと、人工的・自然的に大別されると思いますが、人工的なものについては法律上は問題ない場合も多々あるわけですが、国民側からすれば憲法第25条の文化的生活が保障されなければなりません。安倍内閣の美しい国づくりにならい、本市におきましても美しいまちづくりを目指して日本一であるさくらんぼ、大ケヤキに続きまして新たに生活環境日本一を加えまして3つ目の日本一を獲得しようではありませんか。
 そこで、21世紀フロンティアプランにおきまして施策の大綱の「自然と調和した快適生活環境の形成」をまちづくりの目標としておりますが、後期基本計画に概略的には説明されておりますけれども、現時点における途中経過の実績について一般市民が理解できるように具体的な事象を挙げまして説明をお願いしたいと思います。
○岡崎賢治議長 13番中井和男議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。

   〔土田正剛市長 登壇〕

○土田正剛市長 中井議員の快適な生活環境についてのご質問にお答えをいたします。
 21世紀フロンティアプラン第2編、自然と調和した快適生活環境の形成の中で、環境の保全と循環型社会の形成について現在の途中経過の実績を具体的に説明を願うとのご質問でございますので、後期基本計画策定においての実績と、その検証を行った内容についてご説明申し上げます。
 環境の保全と循環型社会の形成と進捗状況については、生活環境はもとより地球環境にまで大きく影響を与えている地球温暖化対策として、市あるいは市民、事業者がともに協力し、人と自然が調和・共生できる良好な環境の創造と管理を行っていく必要があるとして環境基本条例を平成13年1月1日に施行したところであります。この環境基本条例に基づき、環境の保全や創造への取り組みを総合的に推進してまいりました。平成13年10月に県内自治体で初めて環境管理システムの国際規格であるISO14001の認証を取得し、その後も認証を更新しており、また、平成14年3月には市民・企業・行政が一体となって協力・連携し取り組む指針となる環境基本計画を策定しました。平成16年度からは市内の各小中学校において、さくらんぼ環境ISOを推進し、環境問題への取り組みを実践しており、平成17年度には地域や家庭における環境保全の取り組みを強化するため、衛生組合を環境衛生組合に発展・改組したところであります。また、騒音調査と地下水水質調査については、県の調査以外に市独自の調査も実施しており、さらに東根大森工業団地の立地企業とは環境保全協定を締結しております。地球温暖化防止に向けた取り組みとして学校版ISOをさくらんぼ環境ISOの取り組みのほか、毎年家庭から省エネを推進していただこうと、環境ファミリーや地域版ISOの取り組みを環境衛生組合などの協力のもとで推進しているところであります。また、今年2月に東根市の特性に合った地球温暖化防止活動を促進するため、市民・事業者・民間団体・行政が一体となった東根市地球温暖化防止対策協議会を組織し、先月開催しました環境週間のイベントを企画・運営し、市民への啓発活動を行ったところであります。
 このように徐々にではありますが市民が理解し、「できることからやっていく」というスタンスで環境にやさしいまちづくりを行っており、環境保全に対する市民意識が高揚することを期待しておりますが、環境衛生組合も地球温暖化対策協議会もまだ動き出したばかりの組織であり、今後活動が広がるように指導してまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
○岡崎賢治議長 会議の途中ですが、ここで午前11時10分まで休憩します。

   午前10時58分 休 憩


   午前11時10分 開 議

○岡崎賢治議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 市政一般質問を続けます。13番中井和男議員。
○13番(中井和男議員) 引き続き質問をさせていただきます。
 ただいまの市長の答弁を拝聴いたしまして、まちづくりの目標にはまだまだ現実的には残念ながらほど遠いと言わざるを得ないと思います。現在まで5年間の実績は、どちらかといいますと環境ISOに関する協定・条例・組織づくりが特に集中していた感じがするわけです。これからの5年間は実践による集大成の時期と思われます。一口に公害といっても多岐にわたり、かつ個人の感性の創意等で尺度は困難でありますが、また、本市は山・川等の自然、田畑の農地、住宅地、商業地、工業地、そして公共施設等々多岐にわたり、当然ながら地域差がありまして統一した基準づくりは不可能に近いと思います。
 そこで、公害対策の方法論として提案させていただきますが、昨年発足しました環境衛生組合の協力を得まして市内に存在する全ての事象を各地区別に実態調査して洗い出し、リストアップして、その後に体系化、分類化、取捨選択して計画的に対処すべきと思われます。また、対処方法につきましては、最大公約的に判断して地域差が生じないように配慮すべきと思われます。当然ながら周知徹底を図るためのマニュアルづくりも必要になろうかと思います。そして、同様に地球温暖化防止対策も分析しまして公害対策と一体化して行政・企業・市民の全市を挙げて新たなプロジェクトとして推進して、東根市に住んでよかった、美しいまち東根、そして生活環境日本一をつくろうではありませんか。もし実現化の方向になればPRの波及効果等で少子化の歯止め、市民人口の流入、そして交流人口の増加面で観光面・経済面にも好影響を及ぼすことも考えられます。この提案についてのご所見をお願いします。
○岡崎賢治議長 答弁を求めます。土田市長。
○土田正剛市長 非常に大きな質問で多少私には、一自治体の長としては荷が重いのかと考えております。
 公害問題というのは、議員が指摘したように様々な事案があるわけであります。そういう中において、環境衛生組合ということを引用しながら今質問、第2問があったわけであります。ただ、この問題に関しては、環境衛生組合をもし仮に今中井議員がおっしゃる形でやるということになると、果たして環境衛生組合長というのは引き受ける人がいるのかと私は思います。というのは、環境衛生組合というのはあくまでもこれは市の行政に対する補完的協力機関でありまして、ある意味ではボランティアと言ってもいいかと思います。そういう中において、あまりハードルを高くしたのであるならば私は環境衛生組合という制度は立ち至らなくなってくるのではと思っております。つまり環境衛生組合は、本来は衛生組合長そのものについては非常勤特別職ということで規定はしておりますけれども、そういう中であくまでも市への協力、あるいはボランティア機関としての存在であり、いわば任意団体と私はとらえているのであります。あくまでも公害問題というものについては、これは市の行政、あるいは県の行政が担うべきものであると考えております。その公害問題というものでなくとも、いわゆるその他の事案等々については行政といわば環境衛生組合が密接に連絡を取り合いながら、できることから私は取り組んでいくべきものであると考えておりますので、ご理解をお願いを申し上げたいと思います。
○岡崎賢治議長 13番中井和男議員。
○13番(中井和男議員) ご答弁ありがとうございます。ただいまのご答弁につきましては、環境衛生組合というよりも行政中心でやるという市長の決意だと私理解しました。
 ところで、私は現在、大森南団地に住んでおりまして、約5年ほど前から住んでいます。約4年ほど前ですか、市役所に私がこの団地のことについて苦情を申し入れしました。そのときの回答は、担当者の方で入れ代わり立ち代わり説明されましたんですけれども、「法律上全く問題ありません」という一言で終わったわけです。いずれにしても、この団地の場合は工場の騒音・排煙・照明、それから養畜場の悪臭、生活排水による河川汚染、河川敷堤防のジャングル化、加温ハウスの騒音、果樹畑における深夜の爆音等が挙がっています。この事象を解決するには我々地域の努力だけでは解決できません。そこで私が今回質問した理由がそこにあるわけです。ですから、全市を挙げて同じレベルに立って問題を解決したいと思って立ち上がったわけでございます。
 最後に、大綱の目標が絵に描いたぼた餅にならないように、快適な生活環境をつくるために最後に市長のリーダーシップをお願いしまして終わりたいと思いますけれども、この問題につきましては今後も私自身、市民の目線で検証したいと思っておるところでございます。ありがとうございました。
○岡崎賢治議長 以上で、ご了解願います。

◎佐藤 直議員質問

○岡崎賢治議長 次に、12番佐藤 直議員。

   〔12番 佐藤 直議員 登壇〕

○12番(佐藤直議員) おはようございます。
 議長のお許しがありましたので、通告した点につきまして質問させていただきます。
 山形県内での人口の伸び率が首位ということで、土田市長のまちづくりが8月20日付の日本経済新聞社の社説により東根市が全国に紹介されました。おかげさまで神町地区においても神町北部土地区画整理事業の670戸をはじめ、宅地開発業者の宅地分譲が活発に展開されており、神町地区内の人口も増加の一途をたどっております。
 そこで、地区民の自治活動や生涯学習活動の拠点の場であります神町公民館についてお伺いいたします。
 公民館につきましては、平成10年・平成11年・平成13年に続き4回目の質問になります。今までも申し上げてきましたように、神町公民館は年間4万人以上の人が利用する超過密公民館で、会議室の使用予約が平日においても苦慮する状況下であります。自治活動や生涯学習活動の拠点の場として神町公民館の利用状態は、平成16年度におきましては昼996団体、夜1,138団体が使用しており、利用面において飽和状態であります。そこで、神町地区民のニーズに合った公民館の整備をする必要があると考えるが、市長はどのように考えられるかお尋ねをいたします。
 また、神町北部土地区画整理事業地内には現在、神町小学校分離校が予定されております。ご承知のようにPFI方式で建設すると示されました。そこで、神町小学校・学童保育所・公民館などを集積した高度利用の合築施設にすべきと考えますが、どのようにお考えになりますか、お伺いいたします。
 登壇での質問を終わります。
○岡崎賢治議長 12番佐藤 直議員の質問に対し、教育委員長に答弁を求めます。横尾教育委員長。

   〔横尾智三郎教育委員会委員長 登壇〕

○横尾智三郎教育委員会委員長 佐藤議員の自治活動や生涯学習活動の対応と公共施設の基本構想についてのご質問にお答えいたします。
 社会教育法に基づく地域公民館は、地域の自治活動や生涯学習の拠点施設としてその中心的な役割を担い、多種多様な学習機会の提供とその充実に努めてまいりました。神町公民館もまた地域公民館の一つとして神町地区における生涯学習の拠点としてその重要な役割を担ってきたところであります。現在の神町公民館は、昭和56年3月に工業再配置促進の補助金を受け鉄筋コンクリート3階建てとして建設されたものであり、利用状況が大変よく、神町の多くの皆様よりご活用いただいていることは大変喜ばしいことであります。
 しかし、今後の公民館の改築や新たな整備計画につきましては、神町公民館の耐用年数が補助事業により60年となっており、35年という相当の残期間があることに加えまして、現在は消防署、学校給食共同調理場や神町小学校の分離校等の大型事業を推進しているところでもありますので、前回質問にも答弁いたしましたとおり、現段階では建設の計画は考えておりませんのでご理解をお願いいたします。
 なお、公民館利用と平行して昨年オープンいたしました、さくらんぼタントクルセンターを有効活用されることも当面の打開策の一つではないかと思いますので、よろしくご協力をお願いいたします。
 また、神町小学校分離校建設に際し小学校・学童保育所・公民館を合築施設として整備すべきとのご質問でありますが、現段階では計画がありませんのでご理解をお願いいたします。
○岡崎賢治議長 12番佐藤 直議員。
○12番(佐藤直議員) なかなかいい回答が出てこないようでございますけれども、神町地区というところは昔から皆さんご承知のように東根市の中で、ものすごく活気があったところでございます。これにはどういうことかというと、昔から私なんか教えられてきたことでありますけれども、神町地区に来る人は拒まず、来た人には干渉せず、来てからはお互いさま、お互いさまだと、譲り合いだということで発展してきたところでございます。東根地区の中でこういう発展の仕方をやっているところは神町以外にないなと私は感じているところでございます。当然のことのように人が集まれば、またそういう方々が集まってくるわけでございますから、自治意識は高くなります。生涯学習も大変活発になってくるわけでございます。そこへまた神町地区の北部に市長の英断によって区画整理が始まって、分離校が建つということになったわけですから、私といたしましてはこれはPFI方式ということでやっていく予定であるものですから、当然、文部省あたりでは学校ごとに公民館があってもいいんだという方針のもとに今回質問したわけでございますけれども、当然、神町地区のキャパを、いわゆる活動状況を満たすには新たなる公民館や増設が必要ではないかという考えでございます。
 そこで、最初に神町地区の人口、活動状況を踏まえた、活動ニーズに対応するための公民館の規模はどの程度の面積等があればよいのかということをお伺いしたいと思います。
 あとそれから、現在、神町地区の公民館はもう駐車場が、何回も言ってますが本当にございません。今後の駐車場の確保の見通について、どのように考えておられるのかお尋ねしたいと思います。駐車場につきましては、結果的に隣りの銀行とか100円ショップあたりの駐車場に無断で置いてきて対応している状況でございますので、こういう不自然な状況の中ではやっぱり健全なる生涯学習活動に支障を来すのではないかということでございますので、駐車場の確保の見通しについてお伺いいたします。
 あとそれから、昭和56年建設で、耐用年数がまだ35年もあるということでございます、神町公民館。そうしますと、前回の質問でも学校施設に関する耐震につきまして大変なご理解をいただいて即、耐震調査をやっていただくということでございましたけれども、公民館につきましても本当に人が集まるわけでございますから、まず耐震調査をしていただきたいと思います。する必要があるのではないかと考えますので、この点についてもお伺いをさせていただきます。
 それから、神町公民館は行ってみれば誰でも感じるんでございます。3階建てでございます。そうしますと、健常者は結構なんです。これは前回も申し上げました。やっぱり行くと階段を上らなきゃいけない。1階が事務室です。2階は調理室です。図書室です。会議室があるのが2階・3階でございます。そうしますと、会議室で対応するには2階に上らなきゃいけない。そうしますと、体の弱い方などは階段上るのは嫌だということで公民館に行かなくなるということが多々あるわけでございます。そこで、実際、これは古いわけでございますのでハートビル法が適用になってないわけです。いわゆるやさしい建物でないとも言えるのではないかと思うわけです。この点について、ハートビル法の対応についてでありますが、先ほど申し上げましたように会議室が2階・3階とあるものでリフトやエレベーターなどの昇降設備をどのように考えておられるのか、お伺いをしたいと思います。
 それから、これは建設する予定はないということなんでございますけれども、先ほど申しましたようにPFI方式ということでございますので、神町北部の小学校につきましては。私といたしましては、そこへ公民館を、神町地区の第2中央公民館を設置していただきたいと思っているわけでございます。当然そこには学童保育所なども建設していただきたい。そこで考えられるのが、PFIを実施する目安となるバリュー・フォ・マネーの位置づけでございますが、当然上がると考えるものでございますけれども、この点を考えあわせての、いわゆるPFIの導入可能性調査についての考え方、どのように考えておられるのかお尋ねをしたいと思います。
 以上で2問目の自席での質問を終わります。ご答弁をよろしくお願いいたします。
○岡崎賢治議長 始めに、原田教育次長。
○原田清一郎教育次長 幾つかご質問がありましたけれども、まず神町地区が自治意識が高くて生涯活動が盛んであるということをおっしゃいましたけれども、その活動が神町公民館で行われていると理解はしております。利用状況が非常に多くてということで、公民館の現在の地域の皆さんからのニーズから見れば足りないのでないかというご指摘だったのかと思います。
 確かに現在の神町公民館につきましては、生涯学習の施設、社会教育の施設の同時にいわゆる公民館周辺の中区・下区の一部の皆さんからのいわゆる部落公民館としての利用もなされているという状況から、年間4万人を超える方々から利用されているという状況になっております。また、人口もどんどん増えているということもありまして、地区の人口が約1万300人ぐらいになっているという状況を踏まえながら、現在の公民館の施設として適正規模なのかどうかというご質問だと思います。規模というのは非常に難しいわけで、これまでは公民館の設置及び運営に関する基準というのが社会教育法に基づいてあったわけですけれども、最近の地方分権の推進ということで国が一律的な基準を設けるということは不適切であるという考え方に基づいて、基準というものは全面削除されました。よって、国からの基準で適正規模というものはありません。
 今後どういうふうに考えるかということになると思うんですけれども、現在公民館7館あるわけですが、農林関係の補助事業で整備したのが東根公民館と東郷公民館、通省産業省関係の工業再配置もしくは産業再配置の補助事業として整備されたのが神町公民館・小田島公民館・大富公民館、文部省の社会教育施設として整備されたのが長瀞公民館・高崎公民館でございます。農林関係については、施設決定規模の根拠というものを示した上で補助事業に合致するように計画をして整備されています。神町公民館のように通省産業省関係については、もちろん適正な規模を算出するにあたっては利用人口であるとか団体の数であるとかを考慮されるわけですが、それよりはむしろ工場の建設面積によって点数が配分されます。そのことによって基準面積が定まるということもありまして、こちらが側の想定しただけの面積を確保できないということがあったものと思います。現在の神町公民館は838平方メートルの3階建てということで、規模的には市内の公民館で一番大きい公民館でございます。ただ、3階建てということで多くの皆さんにご不便をおかけしているということは事実だと思います。現在の規模ということに関しましては、利用者の数は非常に多いと思いますが、適正の規模は確保されていると思っているところです。
 駐車場のご質問がありました。現在の駐車場につきましては約21台ということで、いかにも狭いということについてはご指摘のとおりだと思います。これまでも公民館の近くで貸していただける敷地として、公民館の駐車場の敷地として貸していただける方がおったら是非お借りしたいということで、これまでにもそのような情報があって交渉した経過がございますが、できれば長期にお借りしたいということを申し上げたわけですが、いずれ処分したいとかということで合意に至らなかったということの経過になっております。今後につきましても、購入ということについてはなかなか難しいと思いますけれども、近隣のところで貸していただける方がおりましたら私どもの方で是非交渉して貸していただけるようにして駐車場を確保していきたいという考えを持っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 3番目には、公民館の耐震ということでのご質問がございました。
 耐震につきましては、これまでも何回か学校ということについては議論がなされました。これは法的にも耐震化調査をしていかなければならないとなっているわけですが、その段階で公民館については、この建築物の耐震改修の促進に関する法律というものがあるわけですが、この中の対象の建物がこれまでは3階建て以上で、かつ1,000平方メートル以上の建物というものが対象でございました。この基準から公民館については全て1,000平方メートル以下ということで、神町公民館は3階建てですが1,000平方メートル以下ということで対象にはなっていなかったということでございます。しかしながら、公民館も防災計画の中で地域の皆さんが、いざ震災等の災害があった場合には避難所になるということになっておりますので、今後、耐震化について無関心ではいられないのかと思っております。最近ですが文科省、県教委を通しまして「公立社会教育施設の耐震化の促進について」という文書が流れてきておりまして、この中では「極力、耐震化に努めるように」という指導がなされたところでございますので、今後どの時点で調査をし、耐震が必要なのか検討してまいりたいと思います。
 次に、ハートビル関係の対応ということのご質問がございました。先ほども申し上げたように神町公民館が3階建てということで、しかも主要な会議室・研修室・ホールが2階・3階にあるということで、地域の皆さんには大変なご不便をおかけしています。なお、今日のように高齢化社会になりまして多くのお年寄りの方々も公民館を利用する機会が増えているという状況の中で、ご不便をおかけしているということについては承知をしております。しかしながら、当時からもっと別な場所に3階建てでなく利用しやすいように広い敷地をとってという考え方もあったわけですけれども、やはり地域の皆さんの要望ということで神町地区の中心部に敷地も狭い中で何とか面積を確保しようということで3階建てにせざるを得なかったということについてはご承知のことだと思います。
 今後、ハートビルということでの対応なんですけれども、最初に設計の段階からハートビルに対応するように設計し、建築すれば別ですけれども、これからハートビルに対応していくというのは大変困難だと思います。しかし、地域の皆さんが大変不便しているということでございますので、ご指摘ありましたようにエレベーターなのかリフトの設置なのか、この辺が現状の建築物の中で対応可能なのかどうか、この辺については調査の要があるのかと思いますし、また、これまでにも玄関のスロープ設置や障がい者用のトイレ、さらには2階には洋式のトイレなどの設置なども行ってきたわけですけれども、今後も公民館としてのあるべき機能、これらについての改善や強化の余地があるのかどうかについては考慮していきたいと思います。
 あと最後にということになるんでしょうけれども、もしということでお話がございました。地域公民館につきましては、できれば小学区単位にあるということが望ましいことは論を待たないことだと思います。ご承知のように東根地区の中で、かつて東根小学校から中部小学校が分かれるとき、公民館についてもできれば分けてというふうになるべきだったと思います。しかしながら、中部公民館というものができなかった経緯があります。よその市町村を見ますと、中部地域の公民館については大抵教育委員会の方で中央公民館、全市をカバーする中央公民館を持っていまして、その中で中部地区も担当するという市町村が多いようですが、残念ながら東根市には中央公民館もないという状況ですので、中部地区については東根公民館が非常に広い地域をカバーして現在も活動しているという状況にあります。そんなことを考えれば、神町地区での第2公民館と、今後小学校が分離して新しい学校ができたとしても今の段階では考えにくい状況です。あればいいということはそのとおりだと思いますが、現状のいろいろ財政事情等を考慮したり、新しい体制を構築していくと、充実を図るということについても考えますと現状では困難なのでないかと思いますので、ご理解をいただきたい。ただし、新しい小学校をつくる段階では、いろいろ福祉関係であるとか地域の皆さんが利用しやすいようにということで地域連携施設、学校開放を考慮して大いに利用していただける機能等については考えていきたいと思いますので、ご理解をいただきたいと思います。
○岡崎賢治議長 12番佐藤 直議員。
○12番(佐藤直議員) ご答弁ありがとうございます。4回目の質問になったわけでございますけれども、また、なかなか難しいと、公民館についてもまだまだ進歩してないという状況下だなと確認させていただきました。
 ただ、もう一つ言えることは、先ほど4万人以上ということなんですけれども、私の感覚では神町公民館を利用しているのは実際は6万人も7万人もなっているのではないかと。というのはなぜかというと、使えなくてしょうがないなということでやめているわけでございますから、ただその辺が使えなくてやめたということをやっぱり一度調査していただいて、そしてどの程度の利用者がいるのかとか、当然のことのように調査すべきだと思います。この点、ひとつ要望しておきます。
 あとそれから、市長の肝いりで神町北部がおかげさまで順調に進んでいます。これは本当にありがたいことでございますけれども、この中にやっぱり2,100人の人口が新たに増えてくるわけでございます。そうしますと、ここでもまた活発な人たちが先ほど申し上げたように神町には来るわけでございますから、当然、活動され、利用頻度が上がると思います。そうしますと、この北部の区画整理はやったけれども、言葉悪いんですけれども魂が入ってない感じになってしまうのではないのかと思うわけです。これやっぱり町並みは揃っても魂が入ってない町並みはあり得るのかと考えますものですから、やはりそういう活動の中に生涯学習活動という魂を是非入れていただける器をつくっていただきたい。これは市長に特別に要望させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 以上で私の質問を終わります。
○岡崎賢治議長 以上で、ご了解願います。

◎加藤信明議員質問

○岡崎賢治議長 次に、2番加藤信明議員。

   〔2番 加藤信明議員 登壇〕

○2番(加藤信明議員) それでは、通告に従いまして3項目質問をいたします。
 まず第1項目、新年度予算編成についてであります。
 三位一体改革の影響により、地方交付税の抜本的な見直しがなされ、また、国庫支出金の削減等により、大幅な減収となった。一部税収の伸びが期待されるものの、大幅な増加が見込めない中、新たな行政需要への対応が迫られております。振興実施計画(第40号)策定の概要と課題、これを受けての新年度予算編成方針についてお聞きをいたします。
 振興実施計画は、第3次東根市総合計画、21世紀フロンティアプランに掲げた施策を実施するため、年次別の事業実施プログラムを策定し、市民に対して本市の状況と計画の概要を示すものであり、予算編成における指針となるものであります。第39号を見た場合、昨年度から実施された三位一体改革は本市の財政運営に多大な影響を及ぼすとしており、平成18年度以降についても一般財源化や財源移譲について具体的な内容が示されない中での計画となっております。
 歳入の根幹を占める市税は、個人市民税均等割の課税範囲の拡大、各種控除の廃止に伴う所得割の増が見込まれるほか、平成19年度から個人市民税率のフラット化が実施されることを想定し、増収を見込んでおります。また、評価替えに伴い固定資産税は減になるものの、市税全体で第38号との比較では若干の伸びをみているとのこと。平成18年度以降の地方交付税、地方譲与税等については国の地方財政計画が示されていないため、現時点では見込まれる範囲での計上となっております。
 歳出につきましては、扶助費や、これまでの借入れをした起債の償還である公債費が増加をしております。また、学校給食共同調理場の整備などに関連した新たな行政需用も生じており、これらに対応した調整を行っております。また、歳出を抑制するため、事業の緊急性や優先度を見極め全事業の見直しをするとともに、後年度における債務負担の軽減を図り、起債制限比率を低減するため繰上償還を計画している状況にあります。重点施策として第3次東根市総合計画施策の大綱にありますとおり、1、いきいきと輝く交流都市の創造。2、自然と調和した快適生活環境の形成。3、健やかなやすらぎのある高福祉社会の形成。4、魅力と活力のある産業の振興。5、こころ豊かな教育と文化の創造。6、計画推進のために協働のまちづくり推進などであります。財政計画、普通会計におきましては、平成18年度157億3,260万円、平成19年度153億7,026万円、平成20年度143億9,819万円となっております。三位一体改革により平成16年度から平成18年度の3カ年の影響額は約10億円の減と言われております。歳入の根幹をなす市税につきましては、平成16年度57億5,800万円、平成17年度は58億8,600万円と決算ベースで微増はしておりますが、今後は大幅な増収は期待できません。先の9月議会でも申し上げましたが、さらなる国における今後の経済財政運営及び構造改革の方針となる骨太の方針2006の中でさらなる地方分権に向けて国と地方との役割分担の見直しを進め、引き続き国庫補助負担金の廃止・縮少を図るとしております。人口と面積を基準とした新型交付税も進められております。この状況を考えれば、不透明な部分も多く、今後においても財源確保が厳しいものと推測をしております。
 この状況の中で、東根市におきましても少子高齢化の進展に伴う多様な保育事業や都市基盤整備事業としての一本木土地区画整理事業、神町北部土地区画整理事業、都市計画道路長谷平林線、宮崎西道線など幹線道路の整備、東北中央自動車関連事業、また、教育環境整備としての中心市街地への人口集積による新設小学校の建設、学校給食共同調理場の整備、学校耐震化の検討、新たに簡易水道の上水道への統合事業など、これまで以上に多額の財源を要する大型プロジェクト事業が控えております。平成17年度の地方債現在高は251億8,400万円で、前年度よりは軽減はしておりますが、償還に充てる一般財源は平成17年度で29億9,600万円と過大な公債費となっております。歳入減は避けて通れないことであり、策定にあたっては集中改革プランの推進に伴う使用料・手数料の見直し、補助金などの見直し、事務事業の見直しなど検討結果をどのように反映させるのか。財政運営における健全性を確保するため、起債制限比率、平成17年度決算では12.8%と、平成16年度より0.4%の改善となっておりますが、維持していくこと、また、実質公債比率の上昇を抑える具体的な対策をどうしていくのか。それに平成22年までの財源収入はどうか。
 先ごろ発表されました2005年度の山形県県内市町村の普通会計決算を見ますと、財政の硬直化は一目瞭然で一段と加速していることが分かります。経常収支比率、人件費、社会保障費などの経常的な経費の割合が過去最高を更新し、貯金である財政調整基金を取り崩して何とか予算を確保しているのが実態であります。地方の自立の旗印の下に行われた三位一体改革は、結局、地方交付税削減など国の財政再建を優先させた地方の期待を大きく裏切ったものではないかと思います。経常収支比率は13市の平均比率が92.6%に対し、東根市は82.7%と良の1番目でありますが、平成16年度から見た場合、2.4%の増になっております。これを上昇させないための手だてはどうか。
 以上、振興実施計画(第40号)の策定概要と課題についてお聞きをいたします。
 次に、新年度予算編成方針についてであります。
 平成19年度の総務省概算要求時の地方財政収支では83兆2,000億円で、投資的経費は対前年度比3%減となり、歳出総額では対前年度比マイナス0.2%と緊縮型の予算になるとのことであります。山形県の平成19年度予算編成方針では、平成18年度比で120億円削減を達成するために必要な段階から一段の縮減を求める一方で、特定分野では編成幅を圧縮するなど、より、めり張りを効かせたいとのこと。また、政策的な経費であります非義務費につきましては、人件費、公債費なども除き原則として平成18年9月現計予算をベースに5割程度削減するとのことであり、県単独補助金・負担金については昨年に引き続き大幅な削減が予想されます。歳入において景気回復基調に基づく一部税収の伸びが期待されるものの、地方交付税が大幅に減少する中、歳出においては、東根すこやか・やすらぎの郷建設事業、新幹線延伸関連事業、さくらんぼ東根駅整備事業など大型事業を実施したことにより、平成18年度一般会計当初予算における公債費は25億7,400万円の見込みになっていること。先に述べました大型プロジェクト事業の振興実施計画との関わりなど、この中で東根市として新年度の予算編成を進めるにあたり基本的な考え方、また、歳入減が予想される中で投資事業の見込み、何の事業を重点的に取り組むのか、お聞きをいたします。
 次に、2項目、学校耐震化についてであります。
 9月議会において、安心・安全な災害に強いまちづくりをすることが3期目に課せられた課題の一つであると答弁されました。学校の耐震化計画も早急の課題と考えますが、具体的な年次計画はどうかお聞きをします。
 もし明日、平成7年に発生した阪神淡路大震災のような地震が山形県を襲ったらどのような状況になるのか。最近発生した地震の中でマグニチュード7クラスは、平成15年5月に宮城沖地震、また、平成16年10月には新潟県中越地震と隣県においても発生しており、被災地は多数の死傷者や生活基盤の損壊などで甚大な被害を受けております。また近い将来、宮城県沖地震の発生が確実視されているとのことであります。
 この状況の中、地震はいつ発生するか予想が非常に難しいことであり、いつ災害が起きるかと考えるとき、対岸の火事では済まされません。国においても全国の自治体に対して、これまで以上に公共施設の耐震化推進を図るよう指導を強めてきております。今年6月に文部科学省より各都道府県教育委員会に全国的に耐震診断を実施。このことを受けて公立学校施設の耐震化改修計画がまとまったとのことで、公立学校施設の耐震化推進について通知がありました。調査の結果の主な内容は、1つ、各学校ごとにおける耐震診断及び耐震化も十分に進められているとは言えない状況。1つ、耐震診断実施率、耐震化率ともに地域間格差が存在。1つ、今回初めて設置者、市町村ごとに公表。1つ、小中学校について耐震診断すら全く行っていない設置者がいまだ339、約18%存在。1つ、調査結果を踏まえ、平成18年度中に耐震診断を完成させるよう再度通知を発信するなど、公立学校施設の耐震化を引き続き強力に進めるとあります。学校施設は、申すまでもなく児童生徒が1日の大半を過ごす活動の場であるとともに、地域住民の避難場所としての役割も有しております。その耐震化は早急に進められる必要があります。これによれば、山形県の耐震改修状況調査では現行の建築基準を満たしている建物は40%に対し、東根市では55.6%となっております。平成15年・16年度に行った学校耐震化優先度調査結果は、小学校8校18棟であり、行政のみの保有で公表はされておりません。議会の中でもしばしば取り上げられてきましたが、具体的な方策は示されておりません。調査をしただけでは何もなりません。実行に移さなければ。確かに財政的な問題、他の教育施設との兼ね合いなど理解をしておりますが、具体的な年次を示す時期にきていると思います。
 市長は、9月議会において「安心・安全な災害に強いまちづくり、従来よりもさらに住みよいまちづくりを進め市民満足度を高めていくことが、市民の負託を受けて3期目の市政課題を預かる私に課せられた最大の使命である」と答弁をされました。また、所信表明の中でも「学校教育環境の整備は積極的に進め、PFIによる新設小学校の建設を進めていくとともに、体育館などの耐震化についても緊急の課題であると認識しており、長期的な財政再建を踏まえ順次整備をしていく」と述べられました。
 そこで、どのように学校耐震化整備計画を進めていくのか、お聞きをいたします。
 次に、3項目、市営墓地の2期計画についてであります。
 振興実施計画(第39号)では、平成19年度に基本設計に着手するとのことであります。予算規模、場所等についてどのように検討をしているのかお聞きをいたします。
 昨年の国勢調査確定値で人口増加率は県内トップであり、勢いのある東根市であります。今年11月時点での人口は4万6,309人となっており、着実な発展をとげていることは大変喜ばしいことであります。定住人口の増加や都市化の進展に対応すること、未来にわたり安心して暮らせるまちづくりを推進していく上で市営墓地はどうしても必要であり、昨年300区画に対して407名の応募がありました。このことは県内外からの転入者、核家族の傾向などにより墓地を持たない世帯も多くなったと思われます。第1期計画は300区画、駐車スペース58台分、トイレ1棟、水場2カ所となっており、12月4日現在で42基ほか2基が墓石建立中とのことであります。第1期計画で抽選に漏れた方、申し込みを忘れた方、その後、東根市に居住地を求めた方、どうしても墓地が必要になった方なども多数いると思います。21世紀フロンティアプラン、後期計画の中で快適な居住環境の整備の中に公営墓地の整備拡充に向けた検討をするとあります。また、議会においても市営墓地の2期計画について第1期計画の申し込み状況や市民ニーズを踏まえて検討するとのことでありました。第39号に平成19年度基本調査と計上になっておりますが、規模等についてどのように把握、また、場所も含めてどのようにしていくのかお聞きをいたしまして、登壇での質問を終わります。
○岡崎賢治議長 会議の途中ですが、ここで午後1時まで休憩いたします。

   午後12時02分 休 憩


   午後 1時00分 開 議

○岡崎賢治議長 午前に引き続き、会議を開きます。
 市政一般質問を続けます。2番加藤信明議員の質問に対する答弁を求めます。土田市長。

   〔土田正剛市長 登壇〕

○土田正剛市長 加藤信明議員のご質問にお答えをいたします。
 始めに、新年度予算編成方針についてでありますが、振興実施計画(第40号)の策定状況について申し上げます。
 平成16年度から18年度までの3年間で実施された三位一体の改革に伴い、地方交付税が臨時財政対策債と合わせて約10億円、国庫補助負担金が補助金の一般財源化によって約1億8,000万円削減されるなど、本市の財政も大きな影響を受けたことは議員も既にご承知のとおりであります。一方、個人住民税のフラット化による本格的な財源移譲が実施されるまでの措置として、この3年間で交付された所得譲与税につきましては、5億8,000万円ほどにとどまったところであります。三位一体改革の計画期間は終了したとされるものの、骨太の方針2006において地方交付税の見直しと国庫補助負担金の廃止・縮少をさらに推進するという方向性が示されていることや、県の危機的な財政状況を改善するため集中的に行政改革を推進していることなどから、本市の財政状況は今後さらに厳しさを増すものと考えております。
 こうした状況を踏まえ、振興実施計画(第40号)策定の前段において第4次行財政改革大綱集中改革プランに掲げた使用料・手数料の見直し、事務事業及び補助金等の見直しを行い、その結果を事業費に反映させております。事務事業及び補助金等の見直しについては、初めての試みとして市民検討委員会からご意見をいただき、検討年次と見直しの方向性を定めたところでありますが、各種団体との調整など時間を要することもありますので目標年次に向けて継続して取り組んでまいりたいと考えております。
 振興実施計画(第40号)の歳入についてでありますが、平成19年度以降の財源移譲に伴い市税収入が大幅に増額になるものと見込んでおります。また、地方交付税については国の概算要求を参考にするとともに、現在把握している制度改正に関する情報をもとに新型交付税の導入など交付税改革の影響を予測して積算しております。
 各年度の歳入総額については、年度間で増減はあるものの、ほぼ振興実施計画(第39号)並みで推移するものとしております。
 一方、歳出につきましては、住民ニーズの多様化や新たな行政課題に対応した新規事業の計上を検討しているところであります。主な新規事業としては、市民の居住環境の快適性を高めるため、従来よりも市の補助をかさ上げして生活排水処理の推進を図る東部地区合併処理浄化槽設置事業を計上しているところであります。また、先般議会にお示ししたところでありますが、市民に等しく良質な水を安定的に供給するため入・上野台及び沼沢・猪野沢簡易水道の上水道への統合事業を計画しております。さらに児童生徒の安全確保、災害発生時の避難所確保対策として、一部の小学校の耐震2次診断と合わせて新設小学校関連整備として学校施設耐震化の手法とPFI事業への組み入れについて考慮しているところであります。
 なお、中長期的に健全財政を維持していくためには、各種財政指標を適正な水準に保つ必要があります。このため、起債の発行についてはこれまでと同様に交付税の戻りのある起債を活用することを基本とし、財政計画を調整しているところであります。合わせて、実質公債費比率の算定に影響する一部事務組合の公債費に対する負担金や特別会計における起債などについても、極力抑制しているところであります。さらに、地方自治体の財政構造の弾力性を図る指標として使われている経常収支比率の改善を図るため、職員採用平準化計画に基づく人件費の抑制や起債充当の精査を検討したところであります。また、今後市税の徴収率の向上に努め、経常一般財源を確保してまいりたいと考えております。
 今後につきましては、振興審議会への諮問・答申を経た後に議会にご説明申し上げる予定でありますので、ご理解をお願いいたします。
 新年度の予算につきましては、現在作業を進めているところでありますが、国の概算要求時の地方財政収支は83兆2,000億円で、投資的経費は対前年度対比3%減とし、緊縮型の予算概況が示されております。地方交付税は平成19年度から人口と面積を基本にした新型交付税の導入が見込まれており、現段階では内容が流動的で先行き不透明な状況にありますが、交付税全体では出口ベースで2.5%の減額が見込まれるなど、平成19年度においても大幅な減額は必至の状況にあります。
 山形県の予算編成については、120億円の歳出削減と、平成18年9月現計予算額をベースに政策的な経費など義務的経費以外の経費について原則5割削減とするとした上で、県単独補助・負担金については国のかさ上げ補助分の全廃を打ち出すなど、超緊縮型予算を編成する内容が示されました。本市の財政状況は、経常収支比率が県内で最も低く、他の自治体と比較すると弾力的な財政構造にあるといえますが、これまでの本市の大型プロジェクト事業の実施などの影響から市債残高が251億円となっており、今年度から導入された実質公債比率が19%と高く、大変厳しい状況にあります。新年度の予算編成にあたっては、こうした状況を踏まえ、今後の景気動向や国の歳入歳出一体改革、さらには地方財政計画などの動向を見極めながら、振興実施計画(第40号)に掲げられる重点施策や各種事業の推進を図ることを基本に予算編成を進めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。
 次に、学校の耐震計画についてでありますが、この件に関しましては、これまでも橋ひろみ議員の一般質問においてもたびたび取り上げられていた案件であります。先の第3回定例会での答弁の中で、私は市長就任3期目のスタートにあたり抱負を述べさせていただいたところでありますが、その中で議員がご指摘のとおり、全国各地において地震などの自然災害が頻発し、山形盆地断層帯においてもマグニチュード7.8の地震発生の可能性があることが指摘され、本市においてもいつ大規模な地震災害に直面してもおかしくない状況にあることから、住民の人命や財産を守らなければならないという防災対策の責任者として安全で安心な災害に強いまちづくりに注力してまいりたいと表明したところであります。
 このような認識に立ち、災害が発生したときの住民の避難場所となる学校の耐震化についてはいち早い対策が必要であり、本腰を入れて取り組まなければならないと改めて感じているところであります。議員もご承知のとおり、旧耐震基準で建てられた小学校の校舎及び体育館については、平成15年度から平成16年度の2カ年にわたり耐震化優先度調査を実施してまいりましたが、耐震化に要する概算事業費が三十数億円との試算となったことから、具体的な計画化に向けて苦慮してきたものであります。このため、私は財政的な負担軽減を図るため、市長会などを通して国・県に対し耐震補強事業についての制度改善、財政支援の強化を強く訴えたところであります。この点に関しましては、昨年度、自民党の文教部会長であった遠藤利明、本県選出の現文部科学副大臣等に私が直接お会いをして、そして特に体育館などについて現在は、今までは我々の地域については補助事業として3分の1と規定されていたところであります。これは、ご案内のとおり、そういうことから一昨年に発生をしました新潟中越地震、あるいは福岡西方沖地震などについては、今までは安全地帯としてノーマークの地帯であったわけであります。一部、静岡県から大阪府に向けての、今後そういった大地震が発生すると予測をされておるところについては一部2分の1の補助ということが規定をされておったわけでありますが、この点に関しまして先般も私がこの議会で表明したように、遠藤現文部科学副大臣のご尽力によってそういった我々の地域においても小学校の特に体育館の整備にあたっては2分の1の補助金の規定に改正されたわけであります。具体的に私今述べたわけでありますけれども、この状況を踏まえて、第3回定例会では耐震整備計画の基本的な考え方を早期に定めたいとの答弁を行ったところでありますが、このたび優先度調査の結果を精査し、学校ごとの耐震化の調査診断、耐震補強工事を行う整備方針を定めたところであります。この方針については、一気に全ての小学校の耐震化を実施することは財政的にも困難であることから、大きく前期と後期に分けて計画的に整備していきたいと考えております。前期整備計画には、昭和40年代に建設された東根小学校の校舎と体育館、東根中部小学校の体育館、神町小学校の校舎と体育館についての調査診断、耐震補強、または改築を盛り込み、後期は昭和50年代に建設された長瀞・東郷・高崎・大富・小田島の5つの小学校についての耐震補強への対応と考えております。この方針に基づき、来年度には東根小学校の耐震2次診断を行う予定であり、加えて東根中部小学校体育館の耐力度の精査を行い、どのような耐震補強や改造等が必要なのかを検討してまいります。また、神町小学校については新設小学校との通学区域分離に伴い、地元からは移転改築の方向での要望が出されておりますので、引き続き検討してまいりたいと考えております。
 以上のように長い間の懸案事項の解決を少しでも前進させ、教育環境の整備と防災拠点としての機能向上に資してまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
 次に、市営墓地の2期計画についてでありますが、加藤議員のご質問の中にもありましたが、1期計画の300区画に対し400名を超える申し込みがあり、少なくとも100名以上の市民が待ち望んでいる状況にありますので、平成19年度からの2期計画を振興実施計画に掲載しております。
 ご質問の2期計画で想定している市営墓地の規模については、年度内に市民へのアンケート調査を実施し、把握していきたいと思っております。
 次に、場所については現在の大平山みはらし霊園周辺を第一に考えております。
 今後は、アンケート調査により市民ニーズを把握した上で、平成19年度に基本設計を行い、具体的な場所及び区画数などを決定してまいりますので、ご理解のほどをよろしくお願いをいたします。
○岡崎賢治議長 2番加藤信明議員。
○2番(加藤信明議員) 答弁ありがとうございます。それでは、自席での質問を続けさせていただきます。
 順不同になりますけれども、まず市営墓地の2期計画についてであります。
 予定規模につきましては年度内に広くアンケート調査により把握をしていきたいということであります。場所につきましても、私も現場を見てまいりましたけれども、大平山みはらし霊園周辺ということを第一に考えているということであります。駐車場・トイレ・水場も完備しており、エリアも結構広い場所でありますし、名前のとおりみはらしも大変いい場所であります。2期計画には適当な場所と私も考えております。平成19年度基本設計、平成20年度以降については用地買収、物件補償と進むと思われますけれども、後期計画の最終年度であります平成22年まで遅くとも分譲できるよう期待と要望をいたします。
 次に、新年度予算編成の中で3点ほどお聞きしたいと思います。
 まず1点目であります。一般財源の確保のため市税の徴収率向上に努めるということでありますけれども、私も同感であります。
 そこで、市税の収納額は決算ベースで、第1問の質問の中でも申し上げましたけれども、平成16年度約57億6,000万円、平成17年度で約58億9,000万円と年々金額的には増となっております。ただ、収納率は平成17年度決算で対調定額に対しまして93.4%であり、平成16年度が94.5%で前年度比1.1%の減と年々低下をしておるようであります。過去を見た場合、平成12年度が97.1%ということで5年間で3.7%の減にもなっておるわけであります。仮に59億円の1%ということになれば5,900万円、3.4%ですから約2億円の収入減になるわけであります。国保税につきましても平成17年度85.9%、平成12年度が94%ということで8.1%の減にもなっており、あえて数字は申し上げませんけれども大変な事態であります。今後具体的にどのように徴収率、収納率アップに努めるのか。また、今年4月より納税業務アドバイザーを設置したわけですけれども、この効果はどうなのかお聞きをいたします。
 次に、2点目であります。これは市長にお聞きをします。徴収に関連してでありますが、仮称滞納整理機構の設立についてであります。
 東根市としても平成19年度の重要事業として県に対し真っ先に要望している要件であります。議長会でも町村長会でも要望しておるとのことであります。大口滞納者はもちろんのこと、三位一体改革により個人住民税がフラット化され、導入後に低所得者層の負担が大きくなり収納率の低下が危惧されるのは当然であります。このことは、東根市だけでなくて県内35市町村全ての悩みであると思います。県の対応状況はどうなのか、お聞きをいたします。
 3点目でありますけれども、山形県の予算編成方針の中で平成18年度比で120億円の歳出削減をするとのことであります。継続事業も厳しい状況にあるとは思いますが、特に新規事業でありますところの都市計画道路宮崎西道線の県施工の見通しはどうなのか、お聞きをしたいと思います。
 次に、学校耐震化についてお聞きをいたします。
 一気に全ての小学校の耐震化を行うことは財政的に困難であるということで、前期・後期に分けて耐震化計画を進めるとのことでありますが、この前期・後期のスパンはどのように考えているのか。来年度より東根小学校の耐震2次診断を行う予定とのことでありますけれども、耐震化をした場合、通常どの程度の年数に耐えられるのか、改めて耐震化の意味をお聞きしたいと思います。
○岡崎賢治議長 答弁を求めます。土田市長。
○土田正剛市長 私から答えられるもの、そして答弁の抜けた方は担当部長から答弁をさせたいと思います。
 まず、滞納整理機構についてでありますが、これは今盛んに町村長会が県の方に要望しているようでありますけれども、何といってもこれを県内の現在35自治体の中で一番早くこの滞納整理機構を県で持つべきではないかということを陳情してきたのは東根市であります。そういうことからも、この滞納整理機構、いまだ県では設置をされてないわけでありますけれども、この点に関しては強く要望していかなければいけないと改めて考えているところであります。と申しますのは、来年度から導入予定であります住民税、いわゆる市税の中での住民税というものが6%、つまり都道府県民税と合わせると10%のフラット化が導入されるわけでありますが、こと市税に至ってはこの住民税においては6%のフラット化になることによって、いわゆる所得層の最も低い200万円以下という年収の所得層が確か東根市では全体で74%弱を占めていると思われます。そういう状況からいたしますと、その低所得者層が3%から6%のフラット化になることによって倍の増税になるわけであります。この一つをとってみただけでも、いわゆる徴収率のさっきご指摘があったようにますますそういうことが懸念をされる状況下に陥ってくるというふうに思っております。この点につきましては、今後ともこの住民税の10%フラット化という導入によって、いわゆる所得200万円以下の低所得者層の税率が倍になるということから、いずれにしてもそういう増収によって得た大幅な市税というものは基本的に、先ほど第1問目で答弁したように所得譲与税というものが来年度から全廃になることによって増収で得られるであろうものがほとんど消えてしまうということからも、このいわゆる10%フラット化という地方税のあり方について今後私は強く市長会等々によって是正を求めていかなければならないと改めて感じているところであります。それは問題は別といたしまして、今後の問題でありますから、そういう問題とともにいわゆる滞納整理機構というものはますます私は県の段階で設立を強く要望していかなければならないと改めて感じているところであります。今後とも強く要望、実現化を図っていかなければならないと。ましてや、他県においてもう既に数県が滞納整理機構を設けてそれなりの成果・効果が上がっていることを踏まえると、まさに待ったなしだと考えております。
 それから、120億円が県の段階でさらに去年よりも減額をしなさいということで知事の厳命が下ったわけでありますけれども、それによって私どものこの市の事業にも非常に影響が予測されます。そんな中で、ご指摘の宮崎西道線については来年度から県に事業主体を移すということについては県と私との方で、文書化はしておりませんけれども、いわゆる紳士協定で来年度からは県に移行するという約束でもありますので、現段階では今のところ白紙という状況であります。しかしながら、この問題については私も新年度、知事への査定が1月の中旬から下旬においてなされるだろうと思っております。そういう意味で、不退転の決意でこれに対処していきたいと考えているところであります。
 耐震化計画についての前期・後期とまたがる答弁をいたしましたけれども、前期とは約10年と考えているところであります。
 漏れたところは担当部長に答弁をさせたいと思います。
○岡崎賢治議長 武田総務部長。
○武田國義総務部長 私の方からは収納率向上に向けての対策等について回答させていただきます。
 今年度から委嘱しております納税業務アドバイザーの助言・指導を受けて滞納整理事務を進めているところであります。今後は長期の滞納者に対して差し押さえ等の処分を適切に執行していきたいと考えているところであります。また、これまで以上に徴収体制の強化、特に管理職及び税務課職員による夜間徴収活動の強化等を図り、徴収率の向上に努めていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○岡崎賢治議長 次に、原田教育次長。
○原田清一郎教育次長 私からは学校の耐震化について、市長の1問目、2問目の補足を申し上げます。
 耐震化について市長から前期・後期に分けてと、そのうち前期については10年間ということを考えているという答弁を申し上げました。それで前期10年間ですが、まず最優先は東根小学校ということで校舎・体育館についての2次診断を来年度実施するという計画であります。合わせまして中部小学校についても、これはもう耐用年数が過ぎていますので不適格改築という方向になるわけですが、そのための耐力度調査、これの精査を行うということで考えております。これらの結果、もしかしてPFIということで今新設小学校の方の可能性調査を来年度以降と考えているわけですけれども、その中で可能であれば、その中でやっていただきたいと考えています。そのために教育委員会としては来年度前半で、今言った2次診断なり耐力度調査などの精査を行いたいと思っています。
 それから神町小学校については、その後の課題かと。前期10年間ということですので、前半5年間を考えればその後の5年間ということになるだろうと思います。さらに周辺部の5つの小学校については、現在非常に児童数が減っておりましておおむね半分ぐらいが空き教室の状態になっているということで、これらを全て耐震補強するということについては経費の点からも無理があるのかということで、行政改革大綱集中改革プランにも掲げたとおり、その辺の周辺部の学校についてはあらかじめ集約が可能なのかどうか、再編統合について検討した上での耐震補強の考え方を整理していくということになるだろうと思います。
 それから、耐震補強した場合にどのくらい使用が可能なのかというご質問でありました。普通、耐震補強と同時に大体30年以上経過していますのでその間の内外の損傷、あるいは化粧直しなんかも含めて大規模改造も組み合わせて実施するということになります。これらを、耐震補強と大規模改造を実施した場合には、その時点からさらに20年間はその校舎・体育館を使用するという前提で工事に入るということになると思います。
 以上よろしくお願いします。
○岡崎賢治議長 2番加藤信明議員。
○2番(加藤信明議員) 3問目の質問をいたします。
 財源の確保につきましては、市有財産、市有地の有効活用、そのほかに今議論になりました市税等の効率的な徴収などがあると思います。振興実施計画(第40号)の策定と新年度予算編成にあたりましては、県も市も大変厳しい状況にあることは理解しております。滞納整理機構の設立、都市計画宮崎西道線につきましても、さらに県に要望をお願いしたいと思いますし、今回質問しきれなかった特別会計も含めまして今後の議会で伺うことにいたしまして、最後に学校耐震化についてお聞きをしたいと思います。
 前期・後期のスパンは10年ごと、耐震化をしても20年程度ということで分かりました。現在、消防庁舎が平成19年の4月開庁、学校給食共同調理場が平成20年4月開所、新設小学校は平成23年4月開校とのことであり、新年度からPFIによりスタートをするわけであります。現在の東根小・中部小体育館・神町小の耐震化の整備につきましては、課題の整理をすれば耐震の補強、少人数対応、学校規模の適正化、校舎大規模改修、学区再編などがあると思います。消防庁舎・学校給食共同調理場・新設小学校とPFI事業の導入により財政支出の平準化が図られるわけでありますけれども、例えば東根小の改築はこの21世紀フロンティアプランプロジェクト6にありますとおり、東根城址の郷整備事業の推進の中、将来に向けての大ケヤキの保護に関する考え方を整理するとともに、東根城址公園の整備計画の樹立について検討が必要であると。
 そこで、今の小学校敷地の東側に城址公園にふさわしい適切規模の東根小学校を改築することにより、大ケヤキの保護にもつながるし、学区再編の方向性も見つかるのではないかと私は考えます。財政的に厳しい中での耐震化計画になるわけでありますけれども、東根小学校の耐震補強、大規模改修または改築など中部小体育館の危険改築などにつきましてもPFI事業として取り組む考えはないのかお聞きをして、質問を終わります。
○岡崎賢治議長 武田総務部長。
○武田國義総務部長 東根小学校の耐震化に伴ってのPFI事業の導入という部分と、さらに検討の中で改築という話がありました。改築した後に城址公園という話もありましたけれども、可能性調査については耐震2次診断の分については来年度の予算の中で措置を含めて調査した結果をもとに、さらにPFI事業で導入ができるのかの部分についても検討したいと今のところ進めているところです。その結果をもとにしなければ、現段階で新しく改築するか、さらに改築した後の城址公園の整備をするかについては今のところは検討はしてないというところです。現時点では2次診断をやって、2次診断によってどれだけの経費がかかるのか、その部分についてPFI事業でやれるのかという部分について今後19年度に考えていきたいと思っているところですので、よろしくお願いしたいと思います。
○岡崎賢治議長 以上で、ご了承願います。

◎阿部清雄議員質問

○岡崎賢治議長 次に、5番阿部清雄議員。

   〔5番 阿部清雄議員 登壇〕

○5番(阿部清雄議員) 通告により質問します。
 私は半年前の6月議会においても、この大型店舗スーパーセンターP社出店計画について質問いたしました。その時点では情報が混乱し、明確な進出の形をとらえることができませんでした。また、国・県・東根市の各行政の持ち場、あるいは立場を理解できずじまいで、ただ一議員としてこの開発出店に対し、どういう立場をとればいいのか躊躇しながらも、判断しかねる状況にありました。したがって、その半年間における進捗状況についてお尋ねします。
 また、あの6月議会において市長の答弁の中に「長瀞地区においては軒先まで農振法の網がかかり、この長瀞地区東が開発されるということは温泉、長瀞地区発展としての悲願でもあると、総合的に判断していきたい」という回答でありました。農業振興、農地転用についても、いまや米づくりを取り巻く価格環境が毎年のように悪化しています。採算のとれる米づくりではなく、米をつくりながら環境を保全するのが唯一米づくりの義務のような、まさに猫の目行政に振り回されているのが実態であります。また、この東根市の議場で議論すべきことではありませんけれども、今から10年の後、2017年、あるいは18年ごろから確実に始まるであろう食糧危機の問題、あるいは現実的に地球温暖化が進み、あの食糧供給量世界第3位のオーストラリア、今年は穀物生産量が6割減であります。当然、アメリカのシカゴ穀物相場が値上がりして、マトンや羊毛の供給ができなくなる、こういうことが新聞に載っておりました。がしかし、米づくりの農家にとってはまさに背に腹はかえられません。私も今はそう思います。どんなに土地改良をされた優良農地であったにしても、この米づくりに対し、国・県・市の行政が不在であることを痛感するわけであります。農業委員会の独自性を忘れることなく、農地転用等に関して全国的にその枠を考えていかなければならない時代なのかと思うわけであります。また、この食糧危機が叫ばれている中、今からやろうとしている東根市の学校給食、あるいは食育、そのころには誰も今まで気にも止めなかったエンゲル係数の高さに悲鳴をあげている時代だと思います。したがって、昔懐かしい言葉の麦間大豆作が奨励される時代が来る気がします。また、東根市のまちづくりにおいても道半ばであります。
 この大型店P社が出店するものとして考えたときに、その与える影響がどんなものなのか、一議員としてこれまで何らのアクションも起こさずにきたことに対し、深く反省している状況であります。鶏が先か、卵が先か、こういう話になりますけれども、長瀞東開発と、このP社出店をあえて分けて考えれば、東根市の都市計画マスタープランにもあるように温泉、長瀞の発展を願わない議員はおりません。また、反対する理由もありません。ただ、20万種類も品目を取り揃えたこの大型スーパーP社が出店することに大変な脅威を感じざるを得ないわけであります。東根市のまちづくりも平成24年ごろには明確に基礎が築かれ、たとえ今、大店法をにらんだ駆け込みの申請であるにせよ、まさに好ましい時期ではありません。一議員として反対の立場を考えざるを得ません。確かに法律の上でこれから幾つもハードルを超えてその結論は山形県と東北農政局にあるということは分かりました。しかしながら、この東根市のこの重要な時期にこの重要な問題でありながらも、その主導権が東根市にないということ自体が私は納得がいかないわけであります。このP社に関して長瀞地区34名の地権者全員が極秘のうちに個人の責任のもと、個人の立場で同意したわけで、ヨークベニマル、ジャスコのように行政が関わり合った誘致企業ではないことを明確にして、登壇での質問といたします。
○岡崎賢治議長 5番阿部清雄議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。

   〔土田正剛市長 登壇〕

○土田正剛市長 阿部清雄議員の大型店舗出店計画についてのご質問にお答えをいたします。
 始めに、長瀞東部地区に計画されております大規模商業施設「プラント」の今年6月以降の進捗状況と今後の対応については、県が制定した市町村土地利用計画の広域調整要綱に基づき現在事務を進めているところであります。当該案件については、5月30日に知事に報告し、要綱に基づく調整会議の開催を依頼してきたところであります。その結果、10月6日に村山総合支庁の北庁舎において関係市町村等連絡調整会議として北村山の3市1町をはじめ隣接する天童市・寒河江市・河北町が参加して構成され、現在意見聴取が行われており、12月上旬までに集約がなされる予定になっております。その後、県の関係部署で構成するブロック別土地利用調整会議が開催され、周辺市町村の意見を踏まえた上で山形県としての総合的な判断が示されることになりますが、その時期については今のところ確定していない状況にあります。
 また、本市としては本年7月に県の担当者とともに東北農政局において農振に関わる事前協議を行ったところであります。現在は農振除外の手続きの関連で農業委員会・農業協同組合・土地改良区などの関係機関からの意見の聴取を行っているところであります。今後は、先に申し上げました県の調整会議の進捗状況に大きく左右され不透明ではありますが、順調に推移した場合、来年の5月ごろに農振除外がなされると考えております。
 次に、東根市の農業振興についてお答えをいたします。
 議員ご承知のとおり、農業・農村を取り巻く環境が厳しい状況にある中、国際環境に対応した足腰の強い農業を確立し、魅力ある産業にすることが農業の急務の課題であります。このため、地域農業を担い効率的かつ安定的な経営体を確保・育成するために、他産業並みの農業所得の確保と、農業労働条件の改善を図る必要があることから、認定農業者などの育成・支援を実施しているところであります。また、その基盤となる農地については、スプロール化や無秩序な潰敗を抑制し、持続的な営農と生産を確保するために農地の量的規模の確保が重要であることから、農業振興地域整備計画を策定し、その保全に努めているところであります。
 さて、今回の出店が計画されている地域は国道13号に隣接した水田であり、JR東根駅にも近く、北側に自動車修理工場として2軒、農振除外がなされてきた経過があります。また、隣接する長瀞地区は稲作を主体とする第2種兼業農家がほとんどであり、土地所有者をはじめ地域ではこの開発を前向きにとらえている方々が大多数であると伺っております。今後は県のブロック別土地利用調整会議の結果を踏まえ、農振除外につきましては国や県の指導を得ながら総合的に判断してまいります。
 次に、東根のまちづくりに与える影響についてでありますが、その規模や販売商品の品揃えなどから既存の大型店舗や現在進められている神町北部土地区画整理事業地内の商業地域との競合、また、既存の商店街や広くは周辺市町の商業環境への影響も少なからずあるのではないかと思料しているところであります。しかしながら、現段階ではその具体的な影響について把握することは困難であり、逆に大規模店舗の出店は周辺地域への相乗効果や市全体の活性化と振興が期待される面もあると考えております。このような郊外型の大型店については、来年の11月30日に改正される都市計画法が施行されるため原則的には立地ができなくなるところでありますが、今後とも既存大型店や商店街との共存共栄を図るため、それぞれが持つ特性や役割を生かした均衡のとれたまちづくりを図ってまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○岡崎賢治議長 次に、八島農業委員会会長に答弁を求めます。

   〔八島一夫農業委員会会長 登壇〕

○八島一夫農業委員会会長 私からは大型小売店舗経営者の出店計画に伴っての農地転用のあり方について、阿部清雄議員のご質問にお答えをさせていただきます。
 阿部議員も先ほど質問の中に触れられた件も多々重複する点がありますけれども、農地を転用するため農地の権利を設定・移転などする場合には、農地法第5条の規定により農地転用の許可を受けなければなりません。この場合、転用しようとする農地面積が4ヘクタール以下の場合は県知事の許可を、4ヘクタールを超える場合は農林水産大臣の許可を受ける必要があります。当該大型小売店舗の出店計画によりますと転用しようとする農地面積は約7.5ヘクタールとなっており、4ヘクタールを超えることから農林水産大臣の許可を受けることになります。転用申請書については、県知事許可の場合には申請者から農業委員会を経由した上で県知事宛に提出されるところですが、本件の場合には申請者から直接県知事宛に提出され、県知事を経由して農林水産大臣に提出されることになり、農業委員会は関わらないことになります。したがいまして、本件の農地転用については県及び国の判断によることとなりますので、ご理解をいただきますようお願いいたしまして私の答弁とさせていただきます。
○岡崎賢治議長 5番阿部清雄議員。
○5番(阿部清雄議員) 市長の答弁の中に、10月6日、5市2町の連絡調整会議があったこと。また、意見が聴取されていること。また、新しい文言でありますけれどもブロック別土地利用調整会議が県に設置されること。また、農振除外されるにしても来年の5月ごろの予定だと。また、最終的には来年の11月30日までに事業着手ということをおおむね理解いたしました。また、農業委員会の立場も理解いたしました。
 我々会派で、よくこの東根市に似た出店のあった福島県大玉村に行ってまいりました。私個人的には新潟県の方にも行ってまいりました。東根市に来ようとしている大きさといいますか、あえて会社名になりますけれども「プラント・ワン」というのは1,000坪、「プラント・シックス」まであります。6,000坪であります。東根市に来ると予定しているのは「プラント・ファイブ」で約5,000坪であります。したがって、この5,000坪の売り場面積を持つ大玉村のプラントを見学してきました。まさに全体的には8万9,000平方メートル、建築面積は2万3,000平方メートル、売り場面積が先ほど申し上げましたように1万6,500平方メートルで約5,000坪、駐車場台数が1,500台ということでありました。まさに東根市は国道13号、ここは国道4号に接しています。坪単価も当然10万円前後という話でありました。当然、店の中はカメラ、ビデオ等で撮影は禁止であります。店長さんからいろんな話を聞きました。また、大玉村の職員からも数々の対応も聞きました。
 まさに、思わぬ功罪ということになろうかと思いますけれども、村の財政のたばこ消費税、これ4,000万円あったそうであります、1年間で。それがいきなり50%アップの6,000万円になると、そういう予定だといううれしい悲鳴を聞いてまいりました。と同時に、その他固定資産税などもろもろで合計5,000万円。この東根市と同様の規模ということであれば、思わぬ功罪を含めて約7,000万円の税収という話を聞いてまいりました。
 また、店にあった一つの例を挙げれば、まさに食料品の安さであります。生寿司が1食分7個入りで何と298円です。缶ジュース、お茶においては、まさに自社ブランドの自動販売機ですけれども50円・70円・90円であります。この90円はメーカー品もあります。当然、地元ベンディングの方々が出しているものは100円でありました。また、店内には65歳以上の人々の憩いの場所ということで、298円の寿司をほうばりながら暖かい50円のお茶を飲んで合計350円で話ができる場所もありました。また、スペース的に保育室、日曜日は70分無料、平日は90分無料、たくさんの企業的センス、まさに心づかいがあったことに私は驚きを感じました。また、皆様もご存じのとおり新潟県には4つのプラントがあります。隣りの県であります。この4つのうちのファイブが3つであります。フォーが1つで、いわゆる坪数にすると1万9,000坪の売り場面積を持つプラントが新潟県にあるということになります。プラントの周辺で建築資材問屋が軒並営業廃止に追い込まれたという話も聞いております。それは、あまりにもターゲットが建築資材等にプラントが肩入れした一つの企業戦略ということではなかったのかと理解するわけであります。まさに真綿で首を絞めるような、1年やそこらで結論は出ません。3年、5年の後にその弊害が出てくる。まさに一市民にとっては多くの選択肢ができて歓迎すべきことということは当然であろうかと思います。がしかし、中央、一本木、神町北部と含め約合計200億円投資する東根市の核が、残り4分の1を残して最初に投資した4分の1の中央の方から崩れいく気がしてならないわけであります。この7月にヨークベニマルの建物を管理する会社が倒産いたしました。当然、東根市の誘致企業であるがために、これまで東根市は2階の方を学童保育ということで協力してまいりました。これはまさにジャスコができたためといっても過言ではないと私は考えております。確かにこのヨークベニマルに関しては、残り数年ある地権者の保護についてはどんなふうに考えているのか。また、この状況の中、神町北部の方には1万9,000平方メートルの商業用地、これに対しての影響も私は計り知れないものがあると考えます。このまま進めば、確実に1年と半年後に、いわゆる平成20年7月にはプラントが開店します。開発担当者とも何回も電話でやり取りしました。東根市の場合は許可から8カ月でこの店が完成するそうであります。空洞化が生んだものが天童市にあるあの旧長崎屋、いまだに解体されずに残ってます。また、廃業を余儀なくされた3つのホームセンター等々、その例を挙げればきりがありません。
 まず、農業委員会にお尋ねします。意見書を求められたという話を聞きましたが、その内容はいかがでしょうか。また、事務的についてどのようになっているのかお尋ねしたいと思います。
 農林課の方には、これまで当然法律、大きい法律ですけれども農業振興地域の整備に関する法律施行令の中に、第7条第4項にこういう文言がございます。「公益性が特に高いと認められる事業に関わる施設のうち、農業振興地域整備計画の達成に著しい支障を及ぼす恐れが少ないと認められるもの」となっています。いわゆる公益性が特に高いと認められる、これのところ私勘違いかどうかわかりませんけれども、ご判断を仰ぎたいと考えているところであります。同時に、また土地改良区、雨水排水、あるいは農協、商工会等々、反応についても分かる範囲でお答え願いたいと思います。
 最後に、2問目の最後に、ヨークベニマルの地権者に対して今後どのような対応をするのか、その見通しがありましたらお聞かせ願いたいと思います。
○岡崎賢治議長 八島農業委員会会長。
○八島一夫農業委員会会長 ただいまの阿部議員の質問にお答えをさせていただきます。
 立地計画に伴う意見書についての質問かと思いますけれども、ただいま立地計画に関わる東根市農業振興地域整備計画の変更についての意見書については、今阿部議員がおっしゃったようにいわゆる重要な問題でもありますので、現在当委員会としても継続審議中でありますのでご了解をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○岡崎賢治議長 青柳農業委員会事務局長。
○青柳弘索農業委員会事務局長 私の方から農地転用に係る事務的な内容についてお答えをさせていただきたいと思います。
 農地転用には農地法第4条と第5条申請があります。阿部議員の質問内容については農地法の第5条に関することでありますので、このことについて説明をいたします。
 農地法の第5条申請とは、農地を農地以外にする目的で権利移動や権利設定をすることを言います。この場合、農業上の土地利用、それから農業以外の土地利用との調整を図りつつ、農地転用許可基準に基づきまして市街地に近接した農地、または生産力の低い農地から順次転用するよう誘導していくのが考え方の基本でありまして、農業委員会といたしましてもそのように対応をいたしているところであります。
 本案件につきましては、まだ計画の段階でありますが、農地法第5条申請の際には転用をしようとする農地面積が約7.5ヘクタールほどありますので、先ほど八島会長がご答弁申し上げましたとおり農林水産大臣の権限に属する案件となりますので、当農業委員会は関わらないということになります。
 以上であります。
○岡崎賢治議長 高橋経済部長。
○高橋一郎経済部長 私からは2点について回答を申し上げたいと思います。
 まず始めに、プラントは公益性のある施設なのかというご質問でありますけれども、本市の場合においては公益性のある施設ではないと。あるということは認識しておりません。というのは、農振除外を検討する際に法的根拠、どのような法的根拠によるものかということによって異なってくるものだと考えております。議員が先ほど申されました農振法第10条、関係する施行令第7条4項並びに施行規則第4条の4第27号という条項があるわけですけれども、これらに基づいて除外する方法が阿部議員がおっしゃっている方法ということで思っております。これを要約いたしますと、農業振興地域整備計画の農地として含めなくてもよい土地、つまり除外ができる土地ということになるかと思いますけれども、「公益性が特に高いと認められる施設のうち、農林水産省令で定める施設」というふうに規定されております。では、その定めている施設、省令で定めている施設はどういうものかということでありますけれども、規則の第4条4の中に例えば道路法に基づく道路とか河川とかいろいろなものがあって28項目ほど規定されております。その中の27号というのがありまして、ここには自治体が地域の農業の振興に関する計画、「通称27号振興計画」といっていますけれども、これを新たに作成して、その計画において位置づけられた施設が結果的には除外されるということになりますので、その施設が公益性の高い施設ということが言えるのではないかと思っております。ということは、この27号振興計画を新たに策定して除外する手法というものは、自治体が積極的にその施設を誘致するという際に取る手続きではないかと考えております。議員が先ほど事例の中で申されました福島県大玉村については、この手続き、27号振興計画を策定して除外したと伺っておりますので、まさしくこの条項に基づいて行ったものと考えております。本市で案件が出てきまして検討しようとしている条文でありますけれども、農振法の第13条に基づく農業振興地域整備計画の変更によりまして除外を検討していくものということで、通常、一般的にはこの条項に従って検討していくものと考えております。
 そういうことで、本市では今回の案件につきましては誘致を考えている施設ではありませんので、先ほど申し上げましたように一般的な手続きによって今後総合的な判断により検討になっていくものということでありますので、ご理解お願いしたいと思います。
 もう1つですけれども、今の段階で各種団体の意見等々についてどうなのかというご質問でありますけれども、これについては市長の答弁の中にありましたけれども、過日、各関係機関の方に意見の聴取をお願いしているところです。現在、東根市農業協同組合からは適正に判断しているという報告を受けております。また、村山東根土地改良区からは流末の水路の改修について十分配慮することで、地域開発の観点から計画の変更はやむを得ないという報告を受けております。農業委員会については先ほど局長が申されたとおりの状況でございます。
 以上です。
○岡崎賢治議長 引き続き答弁を求めます。高橋経済部長。
○高橋一郎経済部長 私どもの方では農振法の除外に関する意見を聴取しておりますので、先ほど申し上げましたそれ以外の団体については掌握していない状況であります。
○岡崎賢治議長 武田総務部長。
○武田國義総務部長 私の方からはヨークベニマルの現状についてご説明を申し上げます。
 議員からもありましたとおり、千恵企画が今年の12月12日付で破産の申し立てを行いました。破産管財人設定後の24日から破産手続きが開始されるとお聞きしているところです。このような中でありますけれども、千恵企画とヨークベニマルの賃貸借契約の期間につきましては、平成22年5月末までの契約期間であることから、破産手続き中であったにしても営業は行われるものと思っているところです。
 また、ヨークベニマルから市がお借りしておりますさくらんぼ遊々館についても、千恵企画とヨークベニマルとの契約内容の変更がない限り、そのまま問題ないと考えているところです。
 今後につきましては、土地の地権者等の関係も含めまして破産手続きの動向を注意深く見守っていきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
○岡崎賢治議長 5番阿部清雄議員。
○5番(阿部清雄議員) 今おおむねご説明いただき、理解いたしました。
 最後の質問になろうと思いますけれども、当然この27号振興計画のいわゆる設置要件としまして350人の雇用というものもあるわけであります。当然ここには地元優先という話も聞いております。しかしながら、この村山市にあるハローワークの現状、今は人材不足で東根の大森工業団地には仙台より派遣社員を東根市に一時住まわせてその対応に当たっているというのが現状であります。したがって、350人雇用された場合のことを想定すると、むしろ大変危惧されるのはこの東根市内の中小企業です。大切な人材がまさに350人雇用で流れていってしまう可能性が逆にあるのではないかということも危惧されるわけであります。確かに大玉村の方に行って話を聞きましたところ、大玉村では350人雇用の中の90人を採用していただいたという話も伺っております。こんな現状を踏まえて、当東根市としては法律をクリアしていればどうすることもできないということはそれなりに私もわかっているつもりであります。しかしながら、ただ黙って待っているのかという質問にさせていただきます。これ第1問であります。あるいは、先取りして開発で増収する約7,000万円の税金の半分ぐらいは商工会、あるいは空洞化対策に向けて検討する必要があると思うのですが、その辺のところ。また、開発するにあたりP社に対してどのような対策を要求すればいいのか大いに研究する余地があると思うのですが、その点どのように考えているのか。
 最後に、経済は生き物です。限られた人口の中で売り場面積が増えるということは、よりその競争が激化するということと私は理解します。P社が出店するしないに関わらず、まさに備えあれば憂いなしで、今後第2のヨークベニマルが生まれないように大いに対策を検討していくように申し入れをお願いしまして、3点の質問を合わせてご回答をよろしくお願いして私の自席での質問を終わります。
○岡崎賢治議長 答弁を求めます。土田市長。
○土田正剛市長 私の答弁に入る前に、先ほど350人の雇用関係云々の中で、大森工業団地はあたかもここに雇用の条件が薄くて仙台あたりからの派遣社員をと聞こえたわけでありますが、これは会社の企業戦略であって、いわゆる派遣社員でやった方がいいという形の中で、私どものこの東根市には派遣社員というのはいかほどいるかわかりませんが、そういう状況の中で雇用関係が成り立っているということの理解だけはしてほしいと思います。
 さて、今までプラントのこのたびの進出に伴っていろいろと阿部議員の質問のやり取りを聞いておりました。私は一般論としてこう思います。農業の分野でも、とかく今までは生産者側に立っておったのが行政だと思います。しかし、あの農薬問題等々からいろんな意味でトレサビリティーなどというように大部分の消費者側に立つべきであるというのが行政の一大転換だったと私は記憶をしております。いわゆる商業の分野でも私は、一般論ですけれども安くていいものであれば大部分の消費者である市民はそちらの方を望むと私は思います。ですから、そういう観点の中でいわゆる市として最終的には市の判断でこの企業を阻止するということには私は理解をしておりません。ただし、そういうことを今までずっとなすがままに国の方でずっと認めてきたことがあるわけであります。それが最近、小泉政権がもたらしたものとして勝ち組、負け組等々の問題があることはご案内のとおりであります。私はそういう中において、だからこそ来年の11月30日をもっていわゆるこういう大型店舗については法律の上で進出が不可能にするということが今ささやかれているのが現状であります。だからこそ、いわゆる駆け込みということが私は今のプラントであり、コメリであると思います。ただ、私はその辺が一般論として申し上げてきたわけでありますけれども、そういう中において、いわゆる既存の商店街をどうすべきであるかという問題等々についてはそれなりに私も今まで努力をしてきたものと自負をしております。と同時に、やはりそういう一般の消費者の動向というものも無視できるわけではありません。
 そういう中において私は、もう1つは先ほど阿部議員が質問した中で気になったのは、あのいわゆる千恵企画の倒産でありますが、これはジャスコとの競合において千恵企画が倒産したとは私はみておりません。いわゆる千恵企画は、放漫経営の結果で倒産したものと思っております。そういう中において、例えばここのヨークベニマルそのものについてもコメリの方に新店舗を出店するという意思表明がなされておることはご存じのとおりだと思います。そういう中において、現時点では食料品部門についてはこちらを中心に、店構えもそのまま行っていくと、つい最近の意向調査でも分かっておるわけであります。
 そういう中において、一方で私は市民との対話ということを私はまちづくりの市政運営の第1の柱に掲げてきたつもりであります。現在もそれは変わっておりません。そして同時に、先ほど指摘がありましたように長瀞地域については私も今まで何回も、いろんなふれあい座談会などを通して長瀞地域住民の考え方というものは理解をしているつもりであります。そういう中で、あの農振地域はもちろん一般論としては農振は守っていかなきゃいかんというふうには考えております。しかし同時に、あの稲作を中心とした1級農地である長瀞の稲作地帯においては、今やほとんど後継者というものはみられない状況になってきたわけであります。そういう意味からも長瀞地域住民の方々は、この際、いわゆる今後の農業というものを展望してみた場合にあまり希望が持てないという中で、せめてもの地域の活性化ということを考えてみた場合に、地代をわずかながらも稼ぎながら、そして今おっしゃったように350人の雇用の中で地域からの雇用体系も実現を図りながら、そしてまた農産物を中心としてその大型店で売ってもらおうと、そういう地域の方々の総合的な意見というものが大部分が前向きにプラント社の進出というものを歓迎しているということも私は看過するわけにはいかないと思っております。
 その中で、今後ともいわゆる少なくともプラント社のあそこに対する進出については、現時点で、来年の11月30日以降であるならともかくとして私は反対をとなえるという考えは持っておりません。と同時に、その意味で私は長瀞地域のあの農振地域というのがうちの軒先まで来ておると、これまでも何回も何回も長瀞の、私は市長就任以来、区長会その他等を中心といたしまして「分家ひとつできないんだよ、市長」と、「この長瀞地域の切実な事情というものを分かっているのかと、何とかそういうことを考えてほしい」ということは、これまでも再三再四にわたって私陳情・要請を受けてきたわけでありますが、その中でいわゆる私どもの自治体だけでは農振の除外という問題については一切そういうことは考えられなかったわけでありますから、一種農地であります。そういうことからいっても、私は今回はむしろ長瀞地域からするならば絶好の機会ではなかったのかという考えも持ち合わせておるわけであります。
 その意味で、来年の11月30日以降ならともかくといたしまして、現段階では私は企業進出については反対する考えは持ち合わせていないことを改めて申し添えさせていただきたいと思います。
○岡崎賢治議長 以上で、ご了承願います。

◎散     会

○岡崎賢治議長 以上で本日の日程は全部終了しました。
 本日は、これで散会します。御苦労さまでした。

   午後 2時27分 散 会