議事日程 第2(一般質問)

平成18年9月11日 午前10時 開 議

      岡  崎  賢  治 議長       結  城     芳 副議長


◎出席議員(21名)
 1番   今  野     孝 議員       2番   加  藤  信  明 議員
 3番   浅 野 目  幸  一 議員       4番   田  中     昭 議員
 5番   阿  部  清  雄 議員       6番   阿  部  綾  子 議員
 7番   高  橋  ひ ろ み 議員       8番   大  場  英  雄 議員
 9番   清  野  貞  昭 議員      10番   奥  山  重  雄 議員
11番   森  谷  政  志 議員      12番   佐  藤     直 議員
13番   中  井  和  男 議員      14番   秋  葉  征  士 議員
15番   清  野  忠  利 議員      16番   高  橋  一  俊 議員
17番   武  田  敏  夫 議員      19番   武  田     敞 議員
20番   青  柳  安  展 議員      21番   結  城     芳 議員
22番   岡  崎  賢  治 議員

◎欠席議員(1名)
18番   深  瀬  秋  広 議員

◎説明のため出席した者の職氏名
                                 教育委員会
土 田 正 剛  市     長        横 尾 智三郎
                                 委  員  長
         選挙管理委員会
植 村 良 作                 横 尾   尚  代表監査委員
         委  員  長
八 島 一 夫  農業委員会会長        青 柳 文 信  消  防  長
武 田 新 市  助     役        奥 山 昭 男  収  入  役
小 関 正 男  教  育  長        椎 名 和 男  総 務 部 長
武 田   稔  市民保険部長         寒河江 賢 一  健康福祉部長
                                 建 設 部 長
武 田 國 義  経 済 部 長        杉 浦 正 弘
                                 兼水道部長
原 田 清一郎  教 育 次 長        高 橋 一 郎  総合政策課長
荒 川 妙 子  庶 務 課 長        矢 作   隆  財 政 課 長
         選挙管理委員会                 監 査 委 員
武 田   綏                 名 和 信 博
         事 務 局 長                 事 務 局 長
         農業委員会
青 柳 弘 索
         事 務 局 長

◎事務局職員出席者職氏名
牧 野 利 幸  事 務 局 長        清 野 敬 信  事務局長補佐
佐 藤 慎 司  議 事 係 長        齋 藤 美奈子  主     任
森 谷 秀 範  主     事

◎議 事 日 程

 議事日程第2号
       平成18年9月11日(月) 午前10時 開 議

 日程第 1  市政一般に対する質問
        1  2番   加  藤  信  明
        2 12番   佐  藤     直
        3  1番   今  野     孝
        4 15番   清  野  忠  利
    (散     会)


◎本日の会議に付した事件

 議事日程第2号に同じ。

平成18年東根市議会第3回定例会一般質問発言通告書

番号 質 問 者 質問事項 質   問   要   旨 答弁者
加 藤 信 明
議     員
1.3期目の課題解決に向けての決意を伺いたい。 1.財政運営について
2.子育て支援について
3.新設小学校の用地確保について
4.山形空港利用拡大について
5.都市計画道路宮崎西道線について
6.厚生会館跡地利用について
市  長
佐 藤   直
議     員
1.学校の適正な維持管理について 1.学校耐震化工事を早急に行い、安全な
 教育環境の整備をすべきと思うがどう
 か。
2.男女の児童生徒用トイレに洋式便器を
 設置すべきと思うがどうか。
3.学校にエアコンを設置すべきと思うが
 どうか
市  長
教  育
委 員 長
今 野   孝
議     員
1.税金や保険料の激変緩和について 1.本市における税金や保険料などの負担
 増の実態はどのようになっているのか。
2.税金や保険料の激変緩和に活用できる
 現行制度にはどのようなものがあるの
 か。また、どのくらいの市民が活用して
 いるのか。
3.制度の周知を図り、市民の負担軽減を
 図るべきと考えるがどうか。
市  長
2.「愛国心」の評価について 1.6年生の通知表に昨年度まであった
 「愛国心」の評価項目が削除されたのは
 何故か。削除の理由と経過はどうか。
2.「愛国心」の評価項目の削除につい
 て、教職員・父母・市民に対してどのよ
 うに周知されたか。
3.学期末になって、急遽削除しなければ
 ならない評価項目を含む通知表が何故作
 られたのか。
  また、いつから使用されてきたのか。
4.教育基本法の政府改定案の第2条Dに
 は、教育の目標として「愛国心」条項が
 掲げられている。このような新教育基本
 法が成立すれば、法律によって内心の評
 価を強制することにならないか。
市  長
教  育
委 員 長
3.公職選挙法の周知について
1.公職選挙法の周知徹底策の強化を図る
 べきと考えるがどうか。
市  長
選挙管理
委 員 長
清 野 忠 利
議     員
1.農政について 1.平成19年度より実施される農政改革
 予算として4,130億円が示されたが、市
 の対策はどのように考えているのか。
2.担い手対策の進捗状況はどうか
市  長

◎開     議

○岡崎賢治議長 皆さん、おはようございます。
 本日の会議に欠席の届け出ありましたのは、18番深瀬秋広議員です。したがって、出席議員の数は21名で定足数に達しておりますので、これから本日の会議を開きます。
 本日の会議は、議事日程第2号によって進めます。

◎市政一般に対する質問

○岡崎賢治議長 日程第1 市政一般に対する質問を行います。
 質問は通告順としますが、発言順番を迎えたときに議場にいない場合は発言権の放棄とみなしますので、そのようにご了承願います。

◎加藤信明議員質問

○岡崎賢治議長 最初に、2番加藤信明議員。

   〔2番 加藤信明議員 登壇〕

○2番(加藤信明議員) おはようございます。通告に従い質問をいたします。
 3期目の市政を担当するにあたり課題解決に向けての決意を伺いたい。
 土田市政2期8年の実績については、3選に向けて発行した「土田正剛の広報誌」にもありますとおり、1つ、さくらんぼにこだわったまちづくり。さくらんぼ東根駅のオープン、果樹王国さくらんぼマラソン大会など。2つ、民間の経営感覚で市政運営。第4次行財政改革の推進、それに消防庁舎、学校給食共同調理場、新設小学校のPFI事業方式など。3つ、東根の創造、市民と行政の協働のまちづくり。さくらんぼタントクルセンターのオープン、環境ISOを地域版に拡充など。4つ、東根の住みよいまちづくり。一本木土地区画整理事業の推進、神町北部土地区画整理事業の着手、市道五間通り線の完成、都市計画道路宮崎西道線の市施工にての着手等々であり、高く評価をするものであります。
 先の国勢調査確定値で人口増加数、増加率とも県内トップになるなど勢いのある東根市でありますが、さらなる課題が山積しております。3期目の市政を担当するにあたり課題解決に向けての決意を伺いたい。
 まず第1は、財政運営についてであります。
 小泉内閣の構造改革の名のもとで進められた三位一体改革、つまり国庫補助負担金の削減、国から地方への税源移譲、交付税制度の改革は、第1期として平成16年度から平成18年度に実施されました。市長は常日ごろから3カ年の影響額は約10億円といわれております。仮にこの影響額を3カ年の一般財源に占める割合をみてみますと約2.7%となり、改めてその影響額が多大であることを認識しているところであります。また、景気の状況は全国的には回復の基調にあるといわれておりますが、歳入の根幹をなす市税については、平成16年度は57億5,800万円、平成17年度58億8,600万円、今年度当初予算では56億6,300万円が計上になっております。この推移を見ますと、決算ベースでは微増傾向にあると思われますが、今後においても大幅な税収の増加は期待できないと思われます。さらに国における今後の経済財政運営及び構造改革の指針となる「骨太の方針2006」の中で、さらなる地方分権に向けて国と地方との役割分担の見直しを進め、引き続き国庫補助負担金の廃止縮小を図るとしております。また、交付税についても人口や面積を基準として算出する新型交付税制度の導入を進めるといわれております。この状況を考えれば、不透明な部分が多く、今後においても財源確保は厳しいものと推測をしております。
 このような状況の中で、東根市においても少子高齢化の進展に伴う多様な保育需要や都市基盤整備としての一本木土地区画整理事業、神町北部土地区画整理事業、長谷平林線、都市計画道路宮崎西道線などの幹線道路の整備、東北中央自動車関連事業、また教育環境整備として中心市街地の人口集積による新設小学校の建設、学校給食共同調理場の整備、耐震化の検討など、これまで以上に多額の財源を要する大型プロジェクト事業が控えている状況にあります。
 以上の実情を踏まえ、今後の財政運営をどのように進めるのかお伺いをいたします。
 過日、北海道夕張市が国の管理下で再建を進める財政再建団体の指定を表明したと報道されました。先ほど申し上げたように、国ではますます補助金の削減、交付税の縮減を図るとしており、全国で第2の夕張市が出ることも予想されるところであり、長期的な視点に立った行財政運営が今求められております。
 行財政運営の健全度を図る一つの指標として制限公債費比率があります。市長はこれまでこの数値を14%以下にすることが重要であるといわれてきました。しかし、先日の新聞報道では、新たな指標として実質公債費比率が導入されたとの報道がされました。東根市は2003年度から2005年度までの3カ年の平均で19%とのことでありました。これまでの指標との関連について、また、平成17年度の地方債現在高が約251億円で年々軽減はしておりますが、地方債の管理についてどのように考えているのかも含めお伺いをいたします。
 第2は、子育て支援についてであります。
 さくらんぼタントクルセンターはオープン以来、来館者数が50万人を超え、大変なにぎわいにあります。特に、けやきホールは50万人の内20万人を占め、大好評とのことであります。子育て支援センター、けやきホールなどの運営をNPO法人に委託したことによって、子育て支援に係る各種各様の事業が展開されていることから、全国からも多くの視察が相次いでいると聞いており、猪口少子化担当大臣、そして皇太子殿下までもがご視察されるまでになっております。担当している部・課、受託をしているNPO法人、クリエイトひがしねの全力投球の活躍に敬意を表するものであります。
 市長の言う「今の子どもには冒険心、探求心が必要であり、少し危なっかしく造った」と、「少々のけがは家庭に持ち帰ってほしい」、この言葉は全国に広がりつつあるものと思っており、すばらしいことだと思います。
 そこで、人口増加にある東根市でありながら、私の手元の資料によれば出生数はやはり減少の傾向にあります。新聞の社説にもありましたが、全国的に1.2ショックが走ったと。合計特殊出生率、女性が生涯に生む子どもの人数の平均推定値の数値が1.25倍だったわけであります。少子化はかなり以前から始まり、国も地方自治体もそれなりの支援策を講じてきたわけですが効果が現れないばかりか、ますます深刻化をしていると。しかも特効薬がない。じっくりしっかり腰を据えて取り組むしかないと。子育てするなら東根市、先の議会において市長は今年を「子育て元年」と位置づけました。今後さらなる出生数の増加に向け一層の子育てと支援を期待するところでありますが、今後の取り組みをお伺いいたします。
 第3は、新設小学校の用地確保についてであります。
 神町小学校の大規模校解消、教室不足を解消するため、同校からの分離の形をとりながら東根中部小学校の通学地域の一部を取り込んで設置するとのことであります。場所及び敷地面積につきましては、東根市大字若木地内の組合施工の神町北部土地区画整理事業の区域32ヘクタールの中の北西部、村山野川堤防付近に文教ゾーンとして保留地2.5ヘクタールを取得して敷地を確保するとのことでありました。21世紀フロンティアプラン、後期基本計画にもあり、振興実施計画(第39号)によりますれば平成18・19・20年度の3カ年で用地を取得するとのことであり、用地費は約11億円であります。建設については平成21・22年度に、PFI事業導入とのことでありますが、平成23年春開校が予定されている新設小学校について、学校規模が定まらなければ建設費の算定も当然できないわけで、今、神町地区並びに中部地区通学区域検討委員会にて鋭意検討しているわけであります。まずは、この用地2.5ヘクタール、約11億円を市にて組合に対する支払いするめどはいつ経つのか、現在はどういう状況なのか、進捗状況を議会にも改めて示してもらいたくお伺いをするものであります。
 第4は、山形空港利用拡大についてであります。
 東京便の搭乗率が昨年度は55.3%、運航ダイヤが2時間繰り下がった4月には39.9%まで落ち込んだとのこと。5月が45.5%で、それぞれ前年の50.5%と55.5%から約10ポイントダウンしているとのことであります。6月・7月もほぼ同様の数字であります。ビジネスにはさらに利用しにくいダイヤになったことと豪雪の影響が大きく、60%を割り込み、東京便が復活した2003年以降最低の搭乗率とのことであります。山形空港利用拡大推進協議会の総会では、東京便は路線の存続にかかわっている。2009年の羽田空港拡張で小型機受け入れの可能性もあり、今後は観光面に重点を置きながら何としても維持をし、複数便化を目指すとのことであります。重要事業の要望にもありますとおり山形空港は、経済的、社会的にも県政の発展を支えてきた重要な交通公共施設であり、空港所在市として運航充実と利用拡大は大きな課題であります。また、市長は総会の席上でも、さくらんぼの販路拡大の面からも、大阪便については貨物機能のない小型機では用をなさないので、中型機の就航要望を強く提案しておりました。
 そこで、山形東京便の複数化、山形大阪間の中型機の就航についての見通しと決意を改めてお伺いします。
 第5に、都市計画道路宮崎西道線についてであります。
 東根地区の均衡ある発展には、さくらんぼ東根駅を中核とした一本木地区の整備に合わせ、また、大ケヤキを中心とした風格のあるまちづくりが欠かせないものと考えております。今年度施政方針の中に「東根本町地区の新たなまちづくりを推進するため、県事業に先行して都市計画道路宮崎西道線を進めるとともに県事業の促進についても要望していく」とのことでありましたが、平成19年度山形県事業着手の見通しについてお伺いをいたします。
 第6に、厚生会館の跡地利用についてであります。
 県老人保養所「寿楽荘」、母子休養ホーム「若草の家」は閉所されてから6年以上経過しているが、解体もされず風雨にさらされ見苦しい状況にあります。厚生会館と勤労福祉センターを含めた寿楽荘、若草の家の跡地利用については、過去の議会の中で幾つかの提案がなされてきました。厚生会館は申すまでもなく昭和41年に建設され、500席の大ホールや公衆浴場、その後に整備された勤労福祉センターなどを備え、歌や踊りなどサークル活動の発表、講演会、映画上映など市民の娯楽と文化の拠点として利活用されてきましたが、昨年4月にオープンしたさくらんぼタントクルセンターが機能代替するため、老朽化により取り壊され、はや1年以上が経っております。市有地、県有地、そして社会福祉事業団の土地も含め約1万7,000平方メートルの土地については、平成17年10月に厚生会館跡地利用研究会を発足、県3名、公立病院3名、温泉組合1名、市3名、計10名にて構成。1つ、温泉を利用した通所リハビリ機能や、さらには健康づくりの機能を合わせ持った介護保健施設の設置が望ましいこと。2つ、民間活力による整備を導入し、支援していくことを視野に入れ検討を進めているとのことでありますが、今後どのように進んでいくのかお伺いをし、登壇での質問を終わります。
○岡崎賢治議長 2番加藤信明議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。

   〔土田正剛市長 登壇〕

○土田正剛市長 加藤議員のご質問にお答えをいたします。
 3期目の課題解決に向けて6項目についてのご質問でありますが、始めに財政運営について申し上げます。
 平成16年度から平成18年度まで実施された三位一体改革は地方財政に大きな打撃を与え、本市においても3年間で約10億円もの自主財源が減額されたところであります。さらに県が推進する行財政改革によって県単独の補助、負担金が減少する傾向にあり、各種事業の見直しを余儀なくされるなど多大な影響を受けているところであります。一方、本市には少子高齢化に対応した子育て支援施策の充実、快適な生活環境を図るための社会資本の整備、安全・安心な災害に強いまちづくりの推進など、今日的な政策課題が山積しております。
 このように今後一層厳しさを増す財政状況の中で、従来よりもさらに住みよいまちづくりを進め、市民満足度を高めていくことが市民の負託を受けて3期目の市政課題を預かる私に課せられた最大の使命であると考えているところであります。
 今後の財政運営を展望してみますと、平成19年度から実施される国からの税源移譲については、市県民税を10%にフラット化することで移譲されますが、これは低所得者層に対する増税によってもたらされるものであることから税収の確保が危惧されるところであり、ますます収納対策が必要になるものと考えております。また、地方交付税についても三位一体改革により年々縮減されてきました。さらに来年度から普通交付税の一部に人口や面積などを基準に配分する新型交付税制度が導入される見込みとなっておりますが、詳細な制度内容については明らかにされておらず、不確定要素が残るものとなっております。加えて先に決定した「骨太の方針2006」では、引き続き国は国庫補助負担金の縮減、廃止を図るとしており、さらなる減少が見込まれるところであります。このように歳入の根幹をなす市税収入については、税源移譲後も大幅な伸びが見込めないこと、また、国庫補助負担金や地方交付税については国の動向に大きく左右されるなど、今後の歳入予測は非常に不透明な状況となっております。一方歳出については、消防庁舎や学校給食共同調理場の整備事業並びに新設小学校建設事業等、多額の事業費を要する大型プロジェクト等を計画しているところであります。
 このように山積する政策課題に的確に対応していくためには、不断の行財政改革の取り組みを推進し、経費節減に努める必要があると考えているところであります。PFI方式の導入や計画的な職員数の削減、事務事業、補助金等の見直し、さらに各種業務の民間委託を進めるなど、自立性の高い行財政運営に向けた取り組みを推進してまいります。
 次に、起債制限比率と実質公債費比率について申し上げます。
 公債費に関わる財政指標として、これまで起債制限比率を用い、14%以下を目標に財政運営の健全化に努めてきたところであります。しかし、今年度から議員ご指摘のありました自治体の財政健全度を示す新指標として実質公債費比率が新たに導入されたところであります。この指標は、これまでの起債制限比率より借入金の対象範囲を拡大するもので、公共下水道事業への繰出金や処理組合、公立病院への負担金も借入金としてカウントすることとなり、従来の指数より厳格となっております。この比率の導入の背景は、起債発行が許可制から協議制に移行することに伴うものであり、本市の場合はこれまでのように許可により借入れすることになり、財政運営には当面支障ないものと考えておりますが、国が示している18%以下に納まるよう努めてまいります。また、地方債の管理につきましては、繰上償還の実施や交付税措置のある起債の選択、さらに振興実施計画策定時において起債発行額の抑制などを実施してきました。その結果、地方債現在高は年々逓減しており、結果的に起債制限比率は平成17年度決算において12.8%で、前年対比で0.4%の減となりました。今後については、従来の管理を継続するとともに新たに下水道会計や一部事務組合の事業など総合的な管理も必要になると考えております。
 いずれにいたしましても、国や県の動向や各種制度の改正を注視しながら、本市が抱える政策課題に柔軟に対応するとともに財政指標等を見ながら健全財政に努めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。
 次に、子育て支援についてであります。
 昨年4月にオープンしたさくらんぼタントクルセンターは、おかげさまで連日多くの来館者でにぎわい大変喜ばしく感じているところでありますが、特に子育て支援については議員からもありましたようにNPO法人クリエイトひがしねが受託事業のみならず、多くの子育て支援に関わる自主事業を展開しており、利用者の皆様からも喜ばれ、感謝申し上げるところであります。
 本市の子育て支援に関する施策については、ご承知のように8月20日付の日本経済新聞「よみがえれ地域経済」と題する社説でも取り上げられ、注目を集めているところであります。また、けやきホールのNPO職員には、単に危険回避の監視のみならず独自のタントクル体操やボール転がし、本の読み聞かせ、その他季節に合わせた行事など様々な事業を展開していただいております。その効果として、来館者同士が仲良くなりコミュニケーションが生まれ、このことが子育ての不安解消にもつながり、子育て支援センターの相談業務や子育てサロンの開催、ファミリーサポートセンターの利用など様々な形での連携が図られ、全体的に相乗効果があらわれ、にぎわいが創出されているものと感じているところであります。
 今後においては、来月10月よりeメールで「ママ応援事業」を新規にスタートさせることにしておりますが、これは1人1台所有までに普及している携帯電話のeメール機能を利用して子育てについての相談を受けアドバイスを行う、県内では初めての事業となるものであります。また、本年3月に策定した次世代育成支援行動計画に基づき、ひがしね保育所の民営化に合わせて土曜日や休日保育の実施、一時保育事業の拡大、さらに学童保育所の開設等の施策を実施し、「子育てするなら東根市」とより多くの人から認められるべく一層の充実を図っていくものであります。この施策を進めていくことにより出生数の増加に結びついていくものと期待しているところでありますので、ご理解をお願いいたします。
 次に、新設小学校の用地確保についてでありますが、議員ご承知のとおり神町北部土地区画整理組合が定める保留地を振興実施計画に基づき本年度から平成20年度までの3カ年で取得する計画となっております。土地区画整理組合からは、本年11月の仮換地指定に向け現在準備を進めているとの報告を受けており、その仮換地が指定されますと保留地が定まり用地を取得できる段階に入ってまいります。取得時期については、土地区画整理事業の進捗に合わせ組合と協議して進めてまいりますが、本年度分については来年の2月ごろには取得契約を締結したいと考えております。なお、神町北部土地区画整理事業については平成17年2月6日に組合が設立されてからこれまでの間、各種調査事業を実施してまいりましたが、本年度からは物件補償移転等、いよいよ現場に着手する運びとなりました。今後ともスムーズな事業展開となるよう積極的に支援、指導してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
 次に、山形空港の利用拡大についてでありますが、東京便はご承知のとおり今年の4月より発着時刻が大幅に繰り下げられて運航されております。この運航ダイヤの変更につきましては、JALでは機体やりくりの関係から一時的な措置としてこの運航ダイヤに変更せざるを得なくなったと聞いておりますが、以前より2時間以上も発着時間が遅くなっていることから利便性が低下しており、このことがビジネス利用客の減少に大きく影響しているものと考えられます。工業団地を抱える本市としましても受ける影響は極めて大きなものがあると考えまして、重要事業として山形東京便の早期複数便化と利用しやすい時間帯へのダイヤ改正を国・県へ要望するとともに、JAL本社へも何度も足を運び強く要望したところであります。また、平成21年には羽田空港の再拡張事業の完了に伴い発着枠が現在の1.4倍に増加する予定でありまして、これは複数便化実現の大きなチャンスであります。
 この状況を受けまして、山形空港利用拡大推進協議会では東京便を利用した旅行商品についての旅行代理店への助成や、西日本方面からの羽田空港の乗り継ぎの利便性に着目し、西日本での積極的なPR活動に取り組んでいるところであります。私としましても平成21年を見据え、それまでは何としてでも路線を維持する必要があることから、利便性の高いダイヤへの変更を引き続き関係機関へ強く要望するとともに、中型機の継続就航と複数便化の実現に向け取り組んでいきたいと考えております。
 一方、大阪便については現在、小型便による1日4便の運航でありますが、4月から7月までの利用率は69.9%となっております。機体が50人乗りの小型機でありまして貨物を輸送できないことや、団体客向けの旅行商品の企画が難しいなどの課題があります。このことから、これまでも4便のうち数便の中型機運航を要望してきたところでありますが、今後も引き続き要望していきたいと考えております。
 いずれにしましても、今日の本市の発展は山形空港が所在していることが大きな要因の一つであり、山形空港の利用拡大は本市の発展はもとより山形県内陸部の発展に大きく寄与するものと考えております。今後も県と本市、協議会の構成団体が一丸となり、引き続き山形空港の利用拡大を推進していきたいと考えておりますので、ご理解をお願いたします。
 次に、都市計画道路宮崎西道線についてでありますが、本市では宮崎西道線を第3次東根市総合計画の中で横断幹線道路と位置づけし、これまで取り組んでまいりました。また、当路線は本町地区のまちづくりに欠かせない重要路線でもあることから、平成19年度からの県施工の実施に向け、重要要望事業に組み入れ強く要望しているところであります。県では地元のまちづくりに対する熱意を盛り上げることや、宮崎西道線の西側40メートル区画について県施工に先だって用地買収と補償を市が実施することなどを求めておりました。本市ではこれを受け、地権者、隣接者、商工関係者、学識経験者、行政の代表者を含めた13名で組織する東根本町地区まちづくり検討委員会を設置し、住民参加による東根本町地区まちづくり計画を策定するとともに合わせて先行買収も進め、今年度で完了する予定になっております。
 また、平成19年度からの山形県による事業着手の見通しについてはとのことでありますが、議員ご承知のとおり三位一体の改革によって地方を取り巻く環境は年々厳しさを増し、特に街路事業を含めた公共事業についても採択環境が極めて厳しくなってきている現状であります。今後の取り組みといたしまして、今年の秋の本要望に向けて、いかに採択環境を向上できるか県と協議を重ね、平成19年度着手に向けてさらなる努力をしてまいりますのでご理解をお願いいたします。
 最後に、厚生会館跡地利用についてでありますが、県有地等も含めたこれらの土地の利活用について、これまで本市においても様々な検討を実施してきた経過があり、断念した構想もあったところであります。しかしながら、さくらんぼ東根温泉に位置し、地域振興や今後のまちづくりを進める上で重要な役割が期待されているこれらの土地について利活用の方向性を見出し、実現化に向けた検討を進める必要があることから、平成17年度に村山総合支庁の企画振興課、北村山公立病院、東根温泉協同組合を構成員に含めた研究会を立ち上げ、現在まで4回の会議を開催するとともに、担当者レベルでのすり合わせを随時実施してきたところであります。研究会においては、現在の東根市及び周辺市町を取り巻く社会情勢の変化や、それに伴う市民ニーズの変化について分析を進めるとともに、先進地の視察等による事例の研究を重ね、高齢化社会の急速な進展や北村山公立病院に隣接し、温泉の活用が可能であるといった地域特性を生かした活用策について検討を重ねているところであります。
 具体的な方向性としましては、介護保険を活用した通所リハビリ機能や医療保険適用のリハビリ病床機能、さらには需要が増加している有料老人ホーム機能や健康増進機能等を兼ね備えた複合施設の整備を念頭に置いているところであります。
 また、整備の手法につきましては、民間の資金、経営能力及び技術能力を活用していくことが最適であると考えているところであります。こうした案をもとに、現在、内容の精査に努めておりますが、最大の課題は民間事業者が進出し採算がとれる魅力的な事業とすることができるかどうかということであります。民間が自己資本を投入して施設の整備を行った場合、将来的なリスクを背負うことになるため、最近は土地、建物とも賃貸による事業運営が主流となっていることから、民間の参入の促進及び運営の健全化に向けた支援策についても検討を進めているところであります。今後は、課題の整理を進めるとともに関連する民間事業者への聞き取り等を実施し、必要な機能の精査や計画の実行性について引き続き検討を重ね、今年度中には検討会による報告書を取りまとめてまいりますのでご理解をお願いいたします。
○岡崎賢治議長 2番加藤信明議員。
○2番(加藤信明議員) 質問を続けさせていただきます。
 3期目の課題解決に向けた決意をお聞きいたしました。おおむね理解をいたしましたが、今回6項目のうち2項目について再度お聞きをいたします。
 まず、子育て支援についてであります。
 ひがしね保育所の民営化に合わせて保育事業の一層の拡大、充実を図るということで大いに期待をするところであります。しかし、民営化にあたっては先般の横浜市の早急な民営化に対する横浜地方裁判所の判決などもあって、私は保護者の間に不安が広がっていることもあるのではないかと推測をしております。今後どのような考え方で民営化を進めようとしているのか、お聞きをいたします。
 次に、山形空港利用拡大についてであります。
 山形空港利用拡大推進協議会では、答弁にもありましたとおり本年度は東京便利用ツアーを組んだ旅行会社に対して、1席当たり片道500円の助成を始めているとの新聞報道がありました。私の調査では、今まで利用拡大のための事業費、損失補償費なども含めまして約1億4,000万円を支出してきたわけであります。私は、むだだとは思っておりません。東京便の2便化、大阪便の中型機の運航になれば、当然正当化されるわけであります。平成21年、2009年には羽田空港の再拡張事業の完了に伴いまして発着枠が増加するということであります。山形東京便の今の機種の継続と複数便化の可能性についてどのように認識をしておられるのか、また、その実現のためにどのような手だてが必要なのか、お聞きをしたいと思います。
 時間の関係もありますので4項目について要望いたします。
 まず、財政運営についてであります。
 慎重かつ大胆に取り組むとのことであります。私も行財政改革はトップの取り組む姿勢と職員意識の改革がポイントであると思っております。山積するプロジェクト事業、それに東北中央自動車道関連事業、耐震化計画なども推進しながら、健全財政運営にさらに努めていただきたいと思います。
 新設小学校の用地確保についてでありますけれども、今年11月に仮換地の指定、今年度分については来年2月ごろに取得できるとのことでありました。取得には仮換地の指定が大前提条件となってくるわけであります。特に新設小学校用地にある地権者の協力なくして進められないと思います。神町北部土地区画整理事業は東根市100年の大計に立った計画でありますので、是非、組合に対してこれまで以上に強い行政指導と支援を発揮していただき、関係地権者の協力を得て計画どおり取得できるよう要望いたします。
 都市計画道路宮崎西道線についてでありますが、本町地区のまちづくりに欠かせない道路とのことであります。先に取りまとめました東根本町地区まちづくり計画を具体化することによりまして、宮崎西道線の整備効果が十分生かされると考えております。振興実施計画(第39号)によりますれば、この事業の関連として、まちづくり交付金事業が平成20年度着手になっております。主要地方道尾花沢関山線までのアクセス道路、さらには雨水排水整備ということのまちづくり交付金事業なわけでありますけれども、私はこの宮崎西道線の平成19年度県施工の着手をより確実なものにするためにはまちづくり交付金事業も同時期に調査を着工し、県施工の宮崎西道線と平行して進めるべきと考えますので検討のほどをお願いしたいと思います。
 厚生会館の跡地利用につきましては、研究会において課題の整理を進め具現化に向け引き続き検討を重ね、今年度中に報告書を取りまとめたいとのことであります。東根市温泉地区にとりましても、よりプラスになる施設の建設を願うものであり、早い機会に今後の利用計画につきまして議会、市民に明らかにしていただきたいことを要望いたします。
 子育て支援、山形空港利用拡大についてお聞きをし、以上、土田市政3期目にあたっての重要案件につきましては今後の進め方を中心に質問をしてまいりましたが、実現の具体化につきましては今後の議会の中で質問したいと考えていることを申し上げ、私の質問を終わります。
○岡崎賢治議長 答弁を求めます。土田市長。
○土田正剛市長 保育所の民営化についてであります。
 ひがしね保育所については、かねてから私は民営化を実現したい、こういうことで申し上げてきました。その間において今ご指摘にもありましたとおり、横浜市の保育所の民営化について大きく異議ありということで、保護者の一部から民営化についてはあまりにも拙速すぎるということでの横浜地裁に裁判を起こしたということで全国的に報道されたわけであります。私はこれについて指摘を待つまでもなく、すぐ担当を呼びまして、どういう理由でこういう事態に発展をしたのかということでいろいろと検討調査をしたわけであります。そうしますと、1年間の中で民営化する場合というのは議会に対する債務負担行為の手続きであるとか、いろんなものが必要になってくるわけでありますけれども、それら等を含めて実質1年で行った。しかし、肝心の保護者等への理解、協力を得るための実質的話し合いの期間というのが2カ月から3カ月のわずかな間に行ったこと。これでは初めに民営化ありきであるということでの保護者等からの反発を招いたのではないかと、私はこんなふうに思っております。いわば全国の各自治体の中で中田市長というのは改革派の旗手であるともてはやされたわけでありますけれども、その実態を見ますと私は画龍点睛を欠く施策だったのではないかということを印象として持っております。そういう意味では、ちょっと拙速すぎたのではないだろうかということも私は考えまして、担当の部に対しましてより保護者の理解と協力を得るための話し合いの期間を十分取りながら進めてもらいたいということを申し上げました。何よりも、なぜ民営化なのかということの説得責任、説明責任ということを担当部長をはじめ持ち合わせていなくてはならないというものが私の考え方であります。つまり民営化することによって従来の保育所運営よりも、例えば土曜日の延長保育が可能になる、あるいは休日についても、日曜日も同じように保育業務ができる。つまり民営化されることによってサービスの拡充ができるのだということをしっかりと信念を持って取り組んでもらいたいということを指示をしたところであります。私はそういう意味で、なぜ民営化が必要なのか、なぜ市役所ではそれらのサービス拡充が無理なのかどうかということを比較対象をしながらも、私はそういうことの説明を果たせば私は必ずや理解、協力を得られるものであるということをしっかりと信念を持って今後進めてまいりたい。その意味では、ゆめゆめ拙速ということを排除する意味で、私は丁寧に今後民営化に向かって進めてまいりたい、こう考えているところであります。
 それから、山形空港の今後の充実強化について申し上げたいと思います。
 私は今年度の山形空港の利用拡大協議会の総会が確か5月下旬ごろにあったと記憶をしておりますが、そのときには私は総会の席上で、山形空港については今後大阪便などについて中型機の就航をお願いをすべきであるということで賛同を得、そして利用拡大協議会の総会の名のもとで今後その運動に取り組んでいくということが採択をされ、そしてそれを受けて6月下旬に向けて私はJALに直接運動に参った次第であります。
 その結果について申し上げますと、私は基本的にその総会においての私の発言というものについては若干修正をしなければいけないと思ったところであります。それはなぜであるかというと、関西空港は非常に離発着料金が高いわけであります。ですから、各エアラインは関西空港からの離発着については敬遠をしがちであります。ところが、それなのに関西空港はもう1本滑走路を建設しておるのであります。私はこれを不勉強で全然知りませんでした。それで、その離発着料がただでさえも高い関西空港なのにさらにもう1本その滑走路を増設するということに至って、私は当面、関西方面の中型機というものについては八方ふさがりだなということをつくづく感じました。というのは、伊丹空港がまちの真ん中にあるわけであります。非常に利便性の高い空港であるわけでありますけれども、これは長い間、同時に騒音対策で悩んできた空港であることはご案内のとおりだと思います。したがって、その伊丹空港についてはこのたび22便、ジェット機が減便をされました。内訳は、JALが18便、ANAが4便であります。したがって、そういうことも相まって、いわば私は神戸空港が先般開設されたわけでありますが、伊丹と神戸空港ではそんなに距離的にも離れてないということで当初関西、いわば大阪便の中型機の実現に向けては神戸空港から山形空港までの路線開設ということで当初は私は陳情してまいりました。しかし、これについても実は先ほどの関西空港を国が育成をしていかなければいけないというものが一方にはあります。したがって、神戸空港にどんどんどんどん飛来することが実現しますと、関西空港から全部飛行機が逃げてしまうということもあるわけであります。したがって、そういうことから国交省の施策として、神戸空港はせっかく開設したにもかからわず年間においてトータルで2万回の離発着しか得られないという結果になっておるわけであります。こういうことからしますと、いわば八方ふさがりであるということはお分かりいただけるのではないだろうかと。このことを考えると、もちろん今までも大阪便については中型機の就航が実現した場合には、さくらんぼを中心とした農産物の空輸においての輸送、あるいは第1問の答弁にも示したように旅行商品などの企画もできるわけでありますし、そういう意味では非常に中型機にした場合の大幅なスケールメリットが実現をするわけでありますけれども、今の形の中で私は大阪に向けた中型機というのは当面その旗は降ろしていきません。当然、今までどおり中型機の就航という問題には取り組んではいきますけれども、実質、私はその代わり、先ほど申し上げましたとおり、その18便がこのたび、ジェット機が伊丹空港から消えたわけであります。その18便についてJALの首脳の方に私が問いをただしたのは、いわば羽田が2009年のときには逆に1本滑走路が増える。それに向けてジェット機の18便の減便をそこで、羽田で取り返すという施策はないのかということを申し上げました。そうしたら、それは当然戦略として持ち合わせておりますと。それならば私どもは、そういう機をとらえて、従来の羽田枠については小型機の複数便ということを提唱してきたわけでありますけれども、これを中型機の複数便の実現化ということに切り替えた方がより効果的な運動としてできるのではないだろうかということを判断した次第であります。したがって、今後は羽田についても朝晩の有効な時間帯での複数便化実現というものが先ほどの18便減便で失った大阪での失地を羽田で取り返すという、私はJALの戦略にこの際乗った方がいいのではないだろうかということで、今、県ともすり合わせを行っているところであります。それが実現したならば、私は新幹線との共存共栄は十分できるものであると、実現できるものであると確信を持っております。事実、去年まで10時20分前後の羽田発の山形便というのは、ほとんど65%を平均搭乗率として大体、近い数字を示してたわけであります。そのことを考えれば、私は十分新幹線との共存共栄は朝夕の2便の実現を図るならばできるものであると確信をしながら、今後山形空港利用拡大協議会をリードしていきたい。それが空港所在地としての市長のあるべき姿だと私は意見を申し上げて、2問目の答弁にさせていただきます。
○岡崎賢治議長 以上で、ご了承願います。

◎佐藤 直議員質問

○岡崎賢治議長 次に、12番佐藤 直議員。

   〔12番 佐藤直議員 登壇〕

○12番(佐藤直議員) 私からは、学校の適正な維持管理について次の3点について質問させていただきます。
 まず第1点目は、学校の耐震化工事についてお伺いいたします。
 今年も9月1日の防災の日を迎え、全国各地で防災訓練が実施され、改めて地域防災の重要性を考えさせられたとともに、あの新潟県中越地震などを教訓に耐震対策の強化を図ることが急務であるという思いを強く感じるところです。そしてまた、全国的にエレベーターや防火シャッターなどの事故が相次いで発生しており、施設の安全性については社会全体が非常に敏感になってきております。
 このような状況下、なかなか進まない学校耐震化についてクローズアップされてきております。文部科学省の調査によりますと、耐震化補強の必要な昭和56年度以降の公立学校施設の耐震改修状況は、全国平均で28.6%であるのに対し、山形県平均では3.5%と非常に低い状況にあります。本市においては未着手と大変憂慮すべきものであると思われます。また、本市における現行の建築基準を満たしている学校関係の建物は、施設全体で55.6%と県平均の44.7%を上回るものの、全体の半数のみであり、特に昭和40年から50年代に建設された学校の老朽化が一層進んできており、早急な学校耐震化や改修工事を行い、安全・安心かつ快適な教育環境整備が必要であると考えます。地震、台風などの自然災害における児童生徒の安全は重要な課題であります。そのためには、災害時に迅速かつ適切に対処することはもちろんですが、その危険を未然に防ぐことが大切であります。児童生徒の一日の大半を過ごす活動の場であるとともに、災害時には市民の避難場所として活用される学校施設の耐震化の推進が緊急に必要と考えます。これまでも学校の耐震化については何度か質問が出ておりますが、なかなか進展しないようであります。建て替えから改修による再生整備まで様々な考え方がある中で、いち早く学校施設の耐震化に向けた対応が必要であると考えますが、お考えをお聞きいたします。
 次に、2点目ですが、児童生徒用トイレの洋式化についてお伺いいたします。
 学校トイレは、子どもたちが健康を保持し、体調を整え、すがすがしく楽しく学校生活を過ごす上で大切な施設の一つだと考えます。ところが、子どもたちが学校で便意をもよおしたとき、安心して学校のトイレで大便ができるかという問題があります。学校では大便をしない子どもが多いといわれており、その理由については、学校のトイレは3K、つまり「くさい」「暗い」「汚い」、そしてその上に「恐い」「壊れている」の5Kとさえいわれているのが原因だそうです。家庭のトイレと学校のトイレにその環境にギャップがあり、しかも家庭のトイレは85%が洋式トイレで、その中でも最近はシャワー付きのものが普及されてきているとさえいわれています。トイレの環境問題とともに子どもたちが和式トイレを使えないことが、学校で大便ができないもう一つの理由とも考えられます。外の社会や家庭では急速に豊かになりましたが、学校の施設改造は財政難の折りか遅れがちであり、学校とその外側の世界とは逆転した感があり、特に学校トイレは社会からも教育現場からも忘れられた存在となっているのでは、と考えます。トイレや次の問題であるエアコン、そのほか情報化社会への対応など学校施設整備全体として一般社会との格差解消を図ることが重要と考える次第であります。生活の場である学校トイレが子どもたちに使いやすい場であるよう、合わせて現在家庭では洋式トイレが主流であることを考慮し、計画的に学校トイレの快適環境整備を図り、洋式トイレ化していく必要があると考えますが、お考えをお伺いいたします。
 次に、3点目ですが、学校にもエアコンの設置をお願いできないかということであります。
 近年、地球温暖化のためか全国的な異常気象により、夏季における気温の上昇が顕著になってきております。東北地方だから、山形だから夏は涼しいとは言い難い事態になってきていると感じる次第です。
 このような状況の中で、学校の教室では非常に暑い中で授業が行われているのではないかと考えます。また、教職員の方々は夏休み中も通常出勤し業務にあたられているわけで、教室及び職員室は非常に劣悪な就労環境にあるといわざるを得ない状況にあると思われます。最近は一般家庭におけるエアコンの普及率も上がってきていると思われ、先ほど申し上げたように学校施設整備と一般社会との格差解消を図る上でも学校へのエアコン設置が必要であると考えるものです。学校でのエアコン設置についてお考えをお伺いいたします。
 以上3点についてご答弁をお願いいたします。
○岡崎賢治議長 会議の途中ですで、ここで午前11時15分まで休憩いたします。

   午前11時06分 休 憩


   午前11時15分 開 議

○岡崎賢治議長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 市政一般質問を続けます。12番佐藤直議員の質問に対し、答弁を求めます。横尾教育委員長。

   〔横尾智三郎教育委員会委員長 登壇〕

○横尾智三郎教育委員会委員長 佐藤議員のご質問にお答えいたします。
 始めに、学校施設の耐震化工事を早急にとのご質問でありますが、議員ご指摘のとおり、最近、建物内におけるエレベーターや自動シャッター等による事故が相次いで発生し、施設設備の安全性や建築物の耐震性などについての不安が広がっていることから、教育委員会としても学校の施設設備の緊急点検を行うとともに、耐震化問題についてもこのまま放置しておけないとの認識をしております。文部科学省や国土交通省から各自治体に対して、学校施設の耐震化について最重点課題として取り組むようにとの通達がなされ、既に耐震診断等の調査状況について未達成市町村の公表が行われ、今後、耐震補強工事の実施状況についても公表されるようでありますので、早急に耐震補強の計画づくりを行う必要があると考えているところであります。
 耐震補強に係る補助制度については、今年度より市町村が策定する耐震補強等の計画に対して年次計画により交付金を交付する制度に変わるわけでありますが、このように市町村の積極的な取り組みには財政支援を行う一方、取り組みが遅れる、あるいは実施計画を策定しない市町村は公表するという、いわば国による「あめ」と「むち」の政策が実施されようとしているわけであります。そのような背景から、本市においては平成15・16年度に行った学校施設耐震化優先度調査の結果を十分に尊重しながら耐震化計画の策定に努めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。
 次に、小中学校における児童生徒用トイレの洋式化についてお答えいたします。
 議員のご質問のとおり、最近は一般家庭にも洋式便器が普及していることから和便器が使えない児童が増えつつあり、校長会からも洋式便器に改修してほしいとの要望が出されております。教育委員会では、一部の学校には洋式便器への交換、簡易洋式便器の導入を実施しておりますが、全校にまで至っていない状況にあります。このことから各学校の現状把握を早急に行うとともに、児童生徒のトイレの利用状況における諸問題などについて学校側からも聞き取りを行い計画的に改善していくよう検討してまいりますので、ご理解をお願いします。
 次に、学校へのエアコン設置についてお答えします。
 各小中学校のエアコン設置状況を申し上げますと、コンピューター室及び保健室等の特別教室を中心に設置しており、保健室へのエアコン設置は来年度で全校への設置が完了する見込みであります。
 さて、ご質問では普通教室にもエアコンということですが、児童生徒は7月下旬から8月下旬まで夏休みがあるため、最も暑い時期の授業を避けることは可能であることから、現状では普通教室へのエアコン設置の必要性は低いと認識しているところであります。学校現場からは、図書室や職員室などへのエアコン設置の要望が強いことから、教職員の健康管理という面からも学校の現状を十分把握しながら前向きに検討してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
 以上でございます。
○岡崎賢治議長 12番佐藤 直議員。
○12番(佐藤直議員) 2問目でございますけれども、先ほど耐震について答弁がありました。耐震についてなんでございますけれども、優先度調査が終わりまして、その後のはっきりした計画がない、そのような感じで聞きました。
 そこで考えてみますと、やっぱり学校施設というものはそもそもにおきまして、最初でも申し上げましたように、いざというときは地域の方々の避難場所にもなっているわけでございます。そうしますと、そういう避難場所がかえって危ない状況ではまずいんじゃないかなという感じがするわけでございます。やはりそういう形につきましては、学校耐震調査をしまして安全かどうか、さらに調査をする必要があるんだと思います。そしてまた、やっぱり教育する上におきましても、そういう危ない建物では教育にも熱が上がらないんじゃないかという感じもします。また、保護者等の心配も大変なものがあるんじゃなかろうかなという感じがするわけでございます。ちなみにちょっと調べてみたんですけれども、文部科学省なんですけれども、財政が苦しい事情はどこの自治体でもそう変わらない。いざというときに住民の安全を守る避難施設になることを真面目に考えているかどうかの意識の差が大きいと、このことが出てるんだそうでございます。それからしますと、やっぱり我が市でも当然、苦しい事情はわかりますけれども、早急にしなきゃいけないんじゃないかなという感じがします。
 そこでお伺いしたんですけれども、当然2次診断という形になろうかなと思うんですけれども、この2次診断についていつごろになるのかなという感じがするわけでございます。そして、さらに必要とあれば3次診断などがあるわけでございますが、3次診断につきましてもどのように考えているのか、あるのかどうか。そうしますと、さらに遅れていくという状況になりますので、とりあえずこの2つについてお尋ねしたいと思います。
 次に、トイレについてでございます。
 学校の調査してみたんですが、小学校だけなんですけれども、神町小学校においては和便器の数が68個ありました。洋式便器が4個でございます。あと、東根小学校では50個、洋式便器が2個でございます。中部小におきましては和便器が27個、洋式便器が14個ということでございます。それでやっぱり数からいっても、特に神町小学校と東根小学校になるわけでございましょうけれども、まず子どもたちは慣れてない、和式の便器には慣れてないということなんだそうです。ちなみに聞いているところによりますと、洋式ばっかりでさせていますと和便器に入ったとき、反対向きになってするということを子どもたちから聞いたことがございます。それでやっぱり、それから幼稚園あたりも、保育所はなかったんですけれども、幼稚園あたりも結構洋式化につきましては進んでいるようでございます。半々ぐらいになっておりますから、やはりそういう子どもたちが小学校に入ってきたとき和便器に向かったときは戸惑ってしまうんじゃないかなという感じがいたしますので、早急に改善をする必要があるのではないかと思います。
 それから、トイレを我慢している現状がございますので、体調を崩しやすい。こういうこともいわれております。そしてまた、そのことでいじめにあったとか、学校嫌いになったとか、そういう懸念もされるわけでございますので、やはりトイレの改修につきましても早急にお願いしたいと思います。
 それからトイレを改修する場合なんですけれども、児童生徒、PTAなどからも意見を聞くことも大切でしょうけれども、さらに突っ込んでそういう方々に入ってもらい改修委員会などの設立などもして改善していただければ大変ありがたいなと思っているところでございます。当然、トイレの改修マニュアルなども提示して改修委員会など設立すべきだと思うんですけれども、この点、トイレの改修委員会の設立などを考えておられるかなどもちょっとお尋ねしたいと思います。
 あとそれからコンピューター室でございます。エアコンなんですが、保健室関係は先ほどありましたように大分終わりに近いということなんですけれども、その次にコンピューター室とか特別教室、そういうところのエアコンの設置が必要かと思いますけれども、よく言われることなんですけれども、今、常識的に、昔は学校にはピアノがあった。今学校にだけにはエアコンがない。そういう時代に来てますよということを言われました。そういうことであって、特に先生方につきましては答弁にもありましたけれどもうだる中で夏場については仕事をしているんだと。子どもたちは夏休みですけれども、私たちは夏季休業はございませんので仕事は淡々としてございますと。その中でもどうしても事務、公務とか事務作業がございますものですから、そういうものを処理するにおいても快適な環境が必要、あったらいいなという要望がありまして質問したわけですけれども、この点につきましては早急に実施していただきたいということで要望させていただきたいと思います。前向きに検討していきたいということでありますので、私からも強くエアコンの設置、職員室につきましてはお願いを申し上げまして要望させていただきたいと思います。
 以上です。
○岡崎賢治議長 原田教育次長。
○原田清一郎教育次長 それでは、ただいまのご質問についてお答えをいたします。
 最初に学校施設の耐震化ということでのご質問でございます。
 耐震化につきましては委員長答弁のとおり、先に優先度調査を実施したところです。その結果について、これまでも何時その計画を策定して公表するのだというご質問等がありましたけれども、まずは新設小学校のプログラム化を優先したいということで、耐震化についてはやや消極的であったということはいなめないと思います。しかし、全国的に調査がまず遅れていると、ましてや耐震化工事はほとんど進んでいないという状況の中で、ご指摘のように、子どもたちが1日過ごす時間の大半が学校施設であるし、さらにいざというときには住民の皆さんの避難場所にもなるということから早急に調査を実施して、さらに耐震化工事の着手をするようにという、今文部科学省からの指導、通達が出ているという状況でございます。そんなことで、東根市としても調査は100%完了ですが、必要な施設の耐震化についてはゼロという報告がなされておりますので、今後、まずは優先度の高いと出されました東根小学校を第一に念頭に置きながら、この次の振興実施計画の中にできれば2次診断ということでの実施項目を盛り込んでいきたいと思っています。
 先ほど2次診断と3次診断という話も出ましたけれども、まず2次診断から、これまでの補助制度が今後交付金制度に変わるということを申し上げましたけれども、交付金の対象になるということですので、まず2次診断をするということも耐震化工事をする前提で入るということになります。そんなことで、まずは2次診断を実施し、そして耐震化が必要な、あるいは耐震化が可能な部分については耐震化工事を引き続き実施するという方向になっていくのかなと思います。調査の過程で耐震化に耐え得ない、あるいは耐震化したとしても大変な経費がかかるという調査結果になるかもしれません。そういう場合は、耐震補強よりは改築という方向も出る可能性はあるかと思いますが、まずは2次診断をこの次の振興実施計画の中に登載したいと考えておりますので、市長部局との間で十分に協議調整を図っていきたいと思っております。
 次に、3次診断という話が出ましたけれども、3次診断というのは2次診断をすればほとんどこの校舎は耐震化に耐え得るのか、実施できるのかできないのかというのは出ますので、3次診断については今のところ考えてないとご理解をお願いします。
 次に洋式トイレですが、いろいろ議員の方で調査されたようですが、小学校についてはそのとおりの内容になっています。中学校については、大富中を除いて比較的新しい学校ですので、おおむね洋式トイレが設置されております。小学校では比較的新しい小学校については洋式トイレが設置されているという状況ですが、それ以外の学校についてはほとんど洋式トイレが設置されていないという状況です。東根小、あるいは神町小についても2つ3つぐらいずつということで設置されているという調査でございましたけれども、それ以外については簡易、もしくはほとんど設置されていないという状況でございます。
 ご指摘のように家庭の方がどんどん生活改善がされ、生活様式が変わってきているという状況の中で、かつては水洗化も大変遅れまして水洗化をして欲しいということで、これは数年前、三中の校舎の整備で水洗化については全校完了したところです。それからまだそんなに日にちも経たないうちに、今度は洋式化という要望が出てきていると。それだけ生活様式の変化が著しいのかなと思っています。それが学校の方でなかなか対応しきれてないという状況でございます。ご指摘のとおりでございますので、子どもたちが1日我慢をしているという状況も聞いています。議員ご指摘のとおりですので、計画的に洋式トイレに改修していかなければならないと思っていますが、既存の和便器のトイレを改修した場合、まずスペース的に現在のスペースでは足りないということなのでスペースを広げる、それと便器を撤去して新しい洋式便器を設置すると、こうした場合1カ所当たりおおむね30万円という試算をしてございます。これを各学校数カ所から10カ所ぐらい設置したと考えますと、1校当たり150万円から200万円ぐらいの改修経費だと思っております。これについても振興実施計画の中に登載してということになっていきますので、市長部局と協議しながら学校の実態を十分認識しながら計画化に向けて検討していきたいと思っています。
 それから改修委員会というお話がございました。改修しなければならないと我々も認識しているわけですので、住民の皆さん、あるいはPTAの皆さん、保護者を含めた委員会を設置したとしても、果たして優先順位を公平に客観的に決められるのかという問題があると思います。そんなことで、今のところ改修委員会という考えはございませんけれども、優先順位を定めながら計画的に設置すべきであろうと思っております。振興実施計画の中で協議していきたいと思っております。
 エアコンについては要望ということですので、我々もそのように認識をしています。これも同じように振興実施計画の中で導入をしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○岡崎賢治議長 12番佐藤 直議員。
○12番(佐藤直議員) ちょっと先になるということですが、答弁ありがとうございます。
 まず耐震化ということなんですけれども、耐震工事がもしかしたら改築のこともあると。耐震化の改築、改修工事になった場合のときなんでございますけれども、これは私3つ、耐震とトイレとエアコンということでしていますけれども、これ補助関係の方で3つ一緒に要望して少しずつやっていくということにならないのかどうか。その辺のところをちょっとお尋ねしたいと思います。
○岡崎賢治議長 原田教育次長。
○原田清一郎教育次長 先ほども申し上げましたけれども、校長会の方から要望が出されているということで、これは毎年振興実施計画の時期に合わせまして我々がすべて学校の隅々まで調査して現状認識しているわけでありませんので、校長会の方で日ごろ思っていること、調査したこと、これらを協議して優先順位をつけて私どもの方に要望ということで出しております。そういう中にすべて議員がご質問の内容については入っております。そのほかに現在実施している学校の安全のための設備、昨年度と今年でおおむね完了しましたけれども、今後児童生徒、あるいは保護者への安全、危険、あるいはもしものときの緊急連絡網、メールで配信できないかと、これは携帯メール、あるいはパソコンメールというのがあるわけですが、これらのことについても今現在調査研究中でございます。それから昨年、本会議の中でも出されましたけれども、AED、自動除細動装置、これを中学校に設置したいということで今私どもの方で検討しています。
 それから実施中のものとして、学校の机の天板更新。子どもたちの天板がB版からA版に変わったと、規格が変わったということで計画的に進めています。これらについては学校版ISOで子どもたちが頑張って経費を節減したと、その半分を学校現場に還元したいということで実施している天板更新事業でございます。今年度も約200万円の予算で1,000枚、これを購入して、技能士が自ら取り外し取り付け作業をするということで更新作業を行っております。これらも計画的にやっているということなので、継続してやっているもの、今後やっていかなければならないもの、課題が幾つかございます。できれば同時平行的に全部実施したいという考えはございますけれども、当然財政的な問題があるわけですので、先ほど申し上げたとおり今後40号の振興実施計画の中に私どもの要望、要求ということで市長部局と協議して計画的に実施していきたいという考えですので、ご理解をお願いしたいと思います。
○岡崎賢治議長 以上で、ご了解願います。

◎今野 孝議員質問

○岡崎賢治議長 次に、1番今野 孝議員。

   〔1番 今野孝議員 登壇〕

○1番(今野孝議員) 通告に従いまして一般質問を行います。
 始めに、税金や保険料についてお尋ねしたいと思います。
 7月2日付の新聞赤旗日曜版の一面に香川県三木市の76歳のご婦人のハガキが紹介されていました。「私ども一家の町県民税について言いたいことがあります。17年度の税金は、夫婦合わせて1万300円でした。ところが今年度は10倍以上の10万5,600円になっています。こんなことがあってよいのですか。3倍4倍ならともかく10倍とはあまりにもひどいではありませんか。こんなことが起こることを政府や国や町は知って税制の改定をしたのですか。私は税の改定が問題になっているとき、また弱い者いじめをするのか程度にしか考えていなかった自分にひどく腹を立てています。」また、7月4日付の新聞赤旗には北九州市のAさん71歳の次のファックスが紹介されています。「合計7万2,650円の負担増になる。一方で年金は7,500円のダウンです。負担増の内訳は、ゼロだった住民税が2万2,600円になり、国民健康保険料が1万8,250円増、介護保険料も3万1,800円増です。庶民の暮らし、本当にわかっているのか。怒り心頭です。」
 そこで1点目として、本市における税金や保険料などの負担増の実態はどのようになっているのかお尋ねいたします。
 7月30日と8月27日の新聞赤旗日曜版には「今の制度100%活用方」の見出しで、「現在の制度でも税金や保険料を軽減することができる」このように紹介され、障害者控除が適用され、税金や保険料を減額することのできない高齢者の事例などが紹介されています。
 そこで2点目として、税金や保険料の激変緩和に活用できる現行制度にはどのようなものがあるのか。また、どのくらいの市民が活用しているのかお尋ねいたします。
 今年の3月議会において高齢者の増税についてお尋ねした際に、「平成18年度から高齢者に対する各種控除、あるいは優遇措置が見直しされまして大きな負担となった。」との答弁をいただきました。現実には市民の予想をはるかに上回る負担増となり、激痛に耐えかねている高齢者が多数存在しているものと思われます。
 そこで3点目として、制度の周知を図り市民の負担軽減を図るべきと考えますが、当局のお考えを伺いたいと思います。
 次に、愛国心の評価についてお尋ねいたします。
 今年の5月24日、衆議院教育基本法特別委員会において日本共産党の志位委員長と小泉首相との間で次のやりとりがありました。志位委員長は、「2002年度に福岡市内の小学校で使われた通知表に『我が国の歴史や伝統を大切にし、国を愛する信条を持つとともに、平和を願う世界の日本人としての自覚を持とうとする』という評価項目があることを示し、子どもたちの国を愛する信条を通知表で評価するというのは私はやってはならない間違ったことだと考えますが、総理のお考えを端的にお話しください。」このように質問しました。これに対し小泉首相は通知表に目を通して、「これが小学校ですか、ちょっと難しすぎますね。教師を評価するのとは違って、これではなかなか子どもを評価するのは難しいと思いますね、率直に言って。」と答弁しました。そこで志位委員長は、「難しい云々ではなくて、評価することが間違いだと。やってはならないということですか。はっきりお答えください。」と重ねて質問しました。これに対して小泉首相は「私は間違いかどうかという以前に、こういうことで小学生を評価することは難しいと。あえてこういう項目を持たなくてもいいのではないかというのが率直な感想であります。」、このように答弁しております。その2日後、5月26日の衆議院教育基本法特別委員会では小坂文部科学相が「小泉総理が愛国心を評価すべきでないといったのはそのとおりだと思う。内心である愛国心の強さをABCで評価するなどとんでもない。」と答弁しました。この国会の質疑を受けて、全国の教育委員会の中にはいち早く通知表の確認作業に着手したところがあります。新聞赤旗の報道によれば、埼玉県教育局、茨城県牛久市や岩手県大船渡市の教育委員会は5月中に確認作業を終えており、これらの自治体の中には通知表の見直し表明をしたところも出始めました。新聞赤旗の集計によると6月19日現在で愛国心通知表を使っている小学校が53市区町村、265校にのぼり、見直し・廃止を表明したのが18市区町村、98校あることが判明しています。この時点で山形県内の小学校は1校もカウントされていません。愛国通知表をめぐる県内の対応はのんびりしていたように思います。
 ところが、8月1日付の毎日新聞に「東根、小学校通知表の愛国心項目1学期から削除」の記事が掲載されました。そこで次の4点についてお尋ねいたします。
 1点目、6年生の通知表に昨年まであった愛国心の評価項目が削除されたのはなぜか。削除の理由と経過はどうだったのか。
 2点目、愛国心の評価項目の削除について、教職員、父母、市民に対してどのように周知されたのか。
 3点目、学期末になって急遽削除しなければならない評価項目を含む通知表がなぜ作られたのか。また、いつから使用されてきたのか。
 4点目、教育基本法の政府改定案の第2次5項には、教育の目標として愛国心条項が掲げられています。この新教育基本法が成立すれば、法律によって内心の評価を強制することにならないのか。
 以上、ご答弁お願いいたします。
 最後に、公職選挙法の周知についてお尋ねします。
 先般市民より「寄附者芳名版に議員の氏名が記されているものがあった。これは公職選挙法違反にあたるのではないか。」との告発がありました。このことが続けば、市民の市政に対する信頼感を損なう恐れがあるのではないでしょうか。公職選挙法の遵守は、第一義的には公職の候補者になろうとする側に求められるものと理解しておりますが、祭礼の寄附や会合への報酬を求めようとする風潮はいまだに根強いものがあると思います。
 そこで、公職選挙法の周知徹底策の強化を図る必要があると考えますが、当局の見解を伺います。
 以上お尋ねして登壇での質問といたします。
○岡崎賢治議長 1番今野 孝議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。

   〔土田正剛市長 登壇〕

○土田正剛市長 今野議員の質問にお答えをいたします。
 始めに、税金や保険料の激変緩和についてのご質問でありますが、住民への税金や保険料などの負担増の実態としては、今年度施行された所得税や市民税の税制改正が中心であり、老年者控除の廃止、公的年金等控除の縮小、老年者非課税の廃止等、65歳以上の年金受給者層に対しての影響が大きいものとなっております。個人市民税の課税状況を見ましても、平成17年度の納税義務者数及び課税額は2万372人、12億8,000万円であったのに対し、平成18年度は2万1,794人、14億円となっており、納税義務者で約7%、課税額で9.3%の増になっております。中でも特に大きい影響があったと想定される年金所得の雑所得者層、所得割額については、平成17年度対比で平成18年度は納税義務者数で約60%、課税額で約75%の増になっております。また、国民健康保険税や介護保険料等、市民税額や所得をもとに算定されるものについても影響があったところであります。
 次に、負担増に対しての激変緩和に活用できる現行制度についてでありますが、国民健康保険税及び介護保険料については特に年金受給者に対しての激変緩和措置として算定所得の減額や保険料の軽減が制度としてなされております。市民税につきましても税制改正に伴う激変緩和措置として平成17年1月1日現在、65歳以上で所得額が125万円以下の方については経過措置として減額の措置がなされております。このほか既存の控除制度を活用することで適正な税額とすることができます。例えば65歳以上の障がい者の方についてですが、必ずしも身体障害者手帳を持っていることが必須条件ではなく、寝たきり老人等の場合は申告の際におむつ支給状況などの判断で障がい者としての控除が受けられます。また、福祉事務所長からの障害者控除対象者認定書が発行されれば、障がい者に準ずる控除や非課税措置が適用されることになります。昨年度は4名の方に対して認定書が発行され、障害者控除等の適用がなされております。その他、医療費控除や介護保険の利用者負担分控除等につきましても、窓口での問い合わせや申告相談のときに詳しく説明し、適切に対処しているところであります。
 次に、制度の周知についてでありますが、これまでも申告相談時に市報掲載を行っており、今年度は大幅な税制改正があったことから5月15日号に特集を組み、内容の周知を図ったところであります。来年度も国の税源移譲に伴う県民税の税率改正等、大幅な税制改正が施行されますので、改めて市報やホームページを活用して市民に対し十分周知を図ってまいります。特に先に申し上げた所得控除等については、年金受給者の申告の必要性や障害者控除などの所得控除の適用の仕方等わかりやすく周知してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○岡崎賢治議長 次に、教育委員長に答弁を求めます。横尾教育委員長。

   〔横尾智三郎教育委員会委員長 登壇〕

○横尾智三郎教育委員会委員長 私からは、通知表に関わる愛国心の評価についてお答えいたします。
 始めに、学校教育における通知表の役割は、児童生徒の学習についての到達状況を本人や保護者に伝えるところにあり、児童生徒はこの通知表をもとに自分の学習を振り返り、足りない部分を補っていくことができるわけであります。小学校6年生の社会では「日本の歴史」「世界の中の日本」「私たちの生活と政治」の3つの単元を学習し、学習状況においては4つの観点から評価を行うようにしており、質問にあります愛国心に関わる通知表の評価については、昨年度までは「関心」「意欲」「態度」という学習のねらいの中に記載されておりました。具体的には、昨年までのこの観点の文章は「先人のすぐれた業績や文化遺産に関心を持ち、我が国の歴史や伝統を大切にし、国を愛する信条を持とうとする」と表現されておりましたが、「信条を持とうとする」という部分が評価しにくいという声があったことから、校長会において検討した結果、「先人のすぐれた業績や文化遺産に関心を持ち、我が国の歴史や伝統について意欲的に調べようとする」との表現に見直しがされたところであります。これは心の到達に踏み込んだ評価をすることが困難であることから、目標に到達しようとする態度を評価するように改めたものであり、このような評価の内容についての一部変更は随時行っていることなので、今回のことについて保護者に説明、周知を行った経過はありません。
 次に、「国を愛する信条を持とうとする」という評価項目を含む通知表が作られた時期についてでありますが、平成11年に学習指導要綱が改正されたころから校長会において調査検討の上、平成14年度から現行のものに改正され使用されておりましたが、それぞれ最善を尽くして作成したものであるものの、実際評価する段階で評価しにくいということがあり、そのつどよりよい方向で見直しを図っていくようにしており、今回の見直しもその一環であると考えております。
 次に、政府が国会に提出し現在継続審議となっている教育基本法改定案において、教育の目標としては「伝統と文化を尊重し、それらを育んできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」と定めております。現代社会では急速にグローバル化が進み、このような国際社会を生きていく上で我が国の伝統や文化について理解を求め尊重し、それらを育んできた我が国や郷土を大切にし、愛していこうという態度を養うことは子どもが成長していくためには必要な素質であると考えられます。それと同時に、様々な国の多様な伝統や文化を尊重し、国際社会にも貢献していこうという態度を養うことも重要なことであり、短絡的にいわゆる愛国心を強要、強制しようとするものではないと思っているところであります。したがいまして、このことは単に国を愛する信条を持っているかどうかを評価することでなく、我が国と郷土はもとより隣国や国際的なものに関心を持ち、資料をもとに調べたり工夫して学んだことを生かしていこうとする態度を評価するものであり、内心の評価を行うものでないと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
○岡崎賢治議長 会議の途中ですが、ここで午後1時まで休憩いたします。

   午前11時59分 休 憩


   午後 1時00分 開 議

○岡崎賢治議長 午前に引き続き会議を開きます。
 市政一般質問を続けます。1番今野 孝議員の質問に対し、答弁を求めます。植村選挙管理委員長。

   〔植村良作選挙管理委員会委員長 登壇〕

○植村良作選挙管理委員会委員長 私からは、今野議員の公職選挙法の周知についてのご質問にお答えいたします。
 議員もご案内のとおり、公職選挙法に公職の候補者等の寄附の禁止が規定されており、公職にある者、公職の候補者となろうとする者は選挙に関するか否かにかかわらず特定の場合を除き選挙区内にある者に対してする寄附はいかなる名義をもってもすることは禁止されているところであります。寄附とは財産上の利益の供用を指すものであり、金銭に限らず物品も含まれます。特に公職の候補者の寄附については、お中元やお歳暮ばかりでなく、お祭りのお祝い、氏名を表示した記念品の贈呈、福祉社会施設への寄附等もすべて禁止され、大変厳しい規制となっております。しかし、この規制がなされる前は候補者からの様々な機会に各種の名目でされる寄附が候補者の支持基盤の強化とみなされやすく、その弊害が指摘されてきたところであります。この規制の趣旨は、公職の候補者、候補者になろうとする者がすべてにわたって身辺を清潔にし、きれいな選挙、金のかからない選挙を実現しようという目的のためと理解しているところであります。議員の皆様には公職選挙法関係質疑集「候補者の寄附の禁止に関する事項」についての冊子を作成し配付しており、また、国・県から送付されてくる議員の寄附の禁止に関するパンフレット等も配付していることから、議員の寄附の禁止については十分に熟知していただいているものと思っておりますので、ご理解をお願いいたします。
 また、市民にも周知徹底の強化を図るべきとのことですが、公職選挙法では選挙管理委員会は選挙が公明かつ適正に行われるようにあらゆる機会を通じて選挙人の選挙に関する意識の向上に努めるとともに、投票の方法、選挙者その他選挙に関し必要と認める事項を選挙人に周知させなければならないとされております。このことから東根市明るい選挙推進協議会、白バラ会では明るい選挙の啓発ポスターの募集や各家庭への機関紙の配付、選挙時には「送らない、求めない、受け取らない」の3ない運動の街頭啓発など、また市報や公民館だより、選挙広報を活用し、明るい選挙の実現に向け運動を展開してきたところであります。さらには議員ご質問の地区の行事や学校の行事に対するお祝いについても関係機関に周知徹底を図るなど、明るい選挙の推進に努めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。
 以上です。
○岡崎賢治議長 1番今野 孝議員。
○1番(今野孝議員) ご答弁ありがとうございました。引き続き自席にて2問目の質問を行います。
 始めに、税金や保険料についてお尋ねいたします。
 特に大きい影響があったと想定される年金所得の雑所得者層、所得割額については、平成17年度対比で平成18年度は納税義務者数で約60%、課税額で約70%の増になっているとの答弁でありました。
 そこで1点目として、高齢者の負担がなぜこんなに重くなったのかお尋ねします。
 2点目として、年金生活者の負担増の実態についてお尋ねします。年金生活者の人数、納税義務者数はどのように推移したのでしょうか。
 6月に入って各市町村から住民税の納税通知書が送付されると、「税額が昨年に比べて10倍になった。」「間違いではないのか。」「これでは暮らしが成り立たない。」などの問い合わせや抗議が殺到したと聞きました。
 そこで3点目として、本市の問い合わせ件数と問い合わせの内容はどのようなものであったかお尋ねいたします。
 65歳以上の障がい者については、身体障害者手帳を持っていなくても障害者控除対象者認定書があれば障がい者に準ずる控除や非課税措置が適用されるとの答弁でありましたが、4点目として、障害者控除対象者認定書はどのようにすればもらうことができるのかお尋ねします。
 さらに5点目として、介護保険利用者負担分控除とはどのようなものかもお尋ねしたいと思います。
 次に、愛国心の評価についてお尋ねします。
 1問目のご答弁では、私がお尋ねした点について必ずしも明確なご答弁がいただけなかった点が幾つかあると思いましたので、その点を中心に5点ほどお尋ねいたします。
 1点目は、愛国心評価項目削除の経過についてです。私の知る限りでは、本市の愛国心評価項目削除の経過は次のようなものだったと理解しています。私の理解に間違いがないのか、間違いがあるとすればどこに間違いがあるのかお尋ねします。
 6月26日、市内のある小学校で1学期の評価を前にして通知表の書き方についての打ち合わせがもたれました。その席上、1人の教師から小泉首相、小坂文部科学相の国会答弁を引用して、「愛国心評価は問題じゃないか。校長が二重丸で私が三角なんて判断がどうしてできるんですか。」と問題が提起されました。本市の場合はABCの評価ではなくて二重丸、丸、三角の3段階評価になっているわけであります。さらに当時国会で審議されていた教育基本法の政府改定案の目標に愛国心が明記されているとの指摘がなされ、「目標となれば評価はつきものである、これも問題ではないか。」との発言もありました。これが本市における愛国心評価項目削除の発端ではなかったのでしょうか。校長はその対応について県教育委員会と市教育委員会と相談し、翌6月27日に市内の小学校校長会の3役会で通知表の修正を決め、さらに翌6月28日に市内の小学校教務主任会において修正が図られた。このように理解しておりますが、確認をお願いいたします。
 2点目は、国会で教育基本法改定の審議がされており、本市議会にも教育基本法改正に関わる意見書の提出を求める請願が出され、文教経済常任委員会において審査がなされている状況を鑑みれば、この問題については広く市民に周知を図り議論をしてもらうべきではなかったかと思われます。ところが、この問題については市民はおろか小学校の教職員にさえ十分な周知が図られていませんでした。私は市内の6つの小学校、9人の教師に各学校の対応についてお尋ねしましたが、校長が全教職員に説明をした学校は1校だけでした。3校では、周知を図ろうとした形跡が全くなく、驚くことに6年担任の中にも通知表の変更を知らない教師が複数存在しておりました。今回の愛国心評価項目の削除は、一部の教師たちによって大急ぎで、市民はもとより教職員にさえできるだけ知られないようにして進められたのかという思いさえ抱かせる対応であったと思いますが、教職員にさえ十分に周知が図られなかったのはなぜなのかお尋ねします。
 3点目は、通知表一部変更の直近の事例についてお尋ねいたします。ご答弁によると、評価の内容の一部変更は随時行っている。評価する段階で評価しにくいということがあり、そのつどよりよい方向で見直しを図っていくようにしているとのことでしたが、これは私にとって全く予想もできない答弁でありました。私はかつて10年以上にわたって本市内の小学校に勤務させていただきましたが、この間、学習指導要領が改定されてもいないのに通知表の評価項目が変更されたという記憶は全くありません。教職員には知らされることもなく変更されていたのか、そう思わざるを得ません。そこで、通知表一部変更の直近の事例を3例ほど伺いたいと思います。
 茨城県牛久市の教育委員会では、「愛国心通知表を使用していたのは学習指導要領に準じているだけ、今後学習指導要領が改定になればそれに準じる。」とのコメントを発表したとの報道がありました。これは私にとってとてもわかりやすいコメントです。これまでに愛国心通知表の使用が判明した学校の大半は、牛久市の教育委員会と同じ見解ではないかと思われます。というのは、小中学校の学習については学習指導要領で各教科の目標や内容が各学年ごとに細部にわたって決められているからです。ここに学習指導要領を持ってまいりましたけれども、「何だ薄い冊子だな」と思われる方もおられるかもしれませんが、これだけではないんです。各教科ごとに解説というのが出ていまして、これが各教科、特別活動なども含むものですから10冊以上にのぼるんですけれども、これが算数1教科の解説です。算数1教科で学習指導要領よりもはるかに厚くなるんです。これが話題になっている愛国心に関係する社会科の解説です。愛国心に関わっては、第6学年の目標と内容のところに示されています。およそ1ページ半です。その目標に「1、国家社会の発展に大きな働きをした先人の業績や優れた文化遺産について興味関心と理解を深めるようにするとともに、我が国の歴史や伝統を大切にし、国を愛する信条を育てるようにする」、こういうふうに目標が掲げられています。そして、わずか1ページ半の間に「国を愛する信条」という言葉が5回も繰り返し出てくるんです。学習指導要領に忠実な通知表を作ろうとすれば、本市の小学校で昨年まで使用されていた通知表になるのは当然だと思います。本市の場合も牛久市と同じ理由ではなかったのかお尋ねしたいと思います。
 次に、政府が先の国会に提出し、現在継続審議となっている教育基本法改正案には、「第2条に教育はその目的を実行するため学問の自由を尊重しつつ、次に掲げる目標を達成するように行われるものである。目標を達成するように、次に掲げる目標を達成するように行われるものとする」このように書かれて、その5項に「伝統と文化を尊重し、それらを育んできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」こう書かれているわけです。目標と評価っていうのは表裏一体というのが社会的常識ではないでしょうか。
 そこで5点目として、目標に愛国心が掲げられたら、その目標が達成されたか否か評価を求められるのは当然という考え方のどこが誤りなのか。
 以上5点、わかりやすいご答弁をお願いしたいと思います。
 最後になりますが、公職選挙法の周知に関するご答弁の中に「送らない」「求めない」「受け取らない」という言葉がありました。この言葉は公職の候補者となろうとする者と市民の両方に向けてのメッセージを発したものです。公職選挙法の周知徹底策の強化を重ねて要望して、2問目の質問を終わります。
○岡崎賢治議長 答弁を求めます。椎名総務部長。
○椎名和男総務部長 5点ほどご質問があったかと思います。
 最初に1番目ですけれども、なぜこのように65歳以上の高齢者に対して増税になったのかというご質問です。これにつきましては市長答弁にもありましたように、平成18年度から高齢者に対する各種控除や優遇措置が廃止されまして、大きな負担となったところであります。特に次に述べる3つの制度の廃止や見直しが大きな要因となっているところであります。
 1点目が老年者非課税措置の廃止であります。これは何かといいますと、65歳以上の高齢者の場合、所得が125万円以下であれば住民税が非課税であったのが、18年度からこの制度が廃止されまして所得によっては均等割、あるいは所得割が課せられるようになった改正です。例えば今年の場合、この制度が廃止にならなければ年金収入が245万円以下の場合、年金控除というのが120万円ありますのでこれを差し引くと125万円となりますので非課税となっていたわけです。これが今年から課税の対象となったということです。
 それから2つ目が老年者控除の廃止ということで、これは65歳以上の高齢者の所得控除、これまで48万円があったのが今年からこれも廃止されたということで、これも大きな影響があったところであります。
 3つ目が、先ほど申し上げました公的年金控除額の引き下げの見直しです。これまで140万円控除していたものが今年の改正で120万円に引き下げられたという内容であります。
 以上この大きな3つの改正によりまして高齢者の負担が増えたという内容になっております。
 2つ目が、その負担増の実態はどうなのかということのご質問かと思います。
 年金を中心とした所得者、いわゆる税法上は雑所得者といいますけれども、その納税義務者数、いわゆる年金をもらっている人で税金を納めている人の数を比較してみますと、平成17年度が1,443人でありましたけれども、平成18年度は2,310人と1.6倍の増加率を示しております。いわゆるこれまで非課税であった高齢者が、このたびの改正で新たに税金がかかるようになった数字ではないかと考えます。さらに所得割額、いわゆる課税される所得ですけれども、平成17年度が全体で4,520万9,000円だったのが平成18年度は7,921万5,000円と、これも1.75倍という大幅な伸びを示しておりまして、納税義務者数が増えたことはもちろんですけれども、税額そのものが増加したと分析しているところであります。
 3つ目が、市民からの反応はどうだったのか、その内容はどうなのかというご質問かと思います。
 市民税の納税通知書は6月15日付で今年発送しました。そうしたら、2週間ほどして、市民からの問い合わせや苦情が200件ほど税務課の方に寄せられたところであります。その内容を見てみますと、一番多かったのが、これまで課税されていなかったのに今年から課税になったのはなぜなのかという問い合わせが約60%を占めております。その次に多かったのが、これまでの税額よりも数倍も高くなっているのはなぜなのか、これが20%。そのほか、税額の計算が間違っていないのか、あるいは税金が高くなるということは市報でもわかってはいたけれども、これほどとは思わなかったという内容であった、この4点にほとんど絞られるという内容でした。これにつきましては、税務課の担当職員はそのつど懇切丁寧に説明をしまして、特に先ほど申し上げました3つの改正内容についてご説明を申し上げ、ご理解をいただくように努めたところであります。
 次の障害者控除対象者認定書というのはどのようにして発行されるのかという内容です。
 障害者控除につきましては、身体障害者手帳を持っていれば当然受けられますけれども、持っていなくても市町村長が障がい者に準ずると認定すれば適用されることになっております。この認定書は東根市の場合は福祉事務所長が発行することになっておりまして、本市の場合、高齢者で介護保険の要介護認定を受けている方、その場合にその調査表の中に障がい高齢者の寝たきりの程度、あるいは認知症高齢者の日常生活の自立度、この記載をしている欄があります。これらに基づいて障がい者または特別障害者控除の対象者として福祉事務所長が現在認定しているところであります。具体的には、寝たきり度の程度ではランクBが障がい者、ランクCが特別障がい者と認定しております。さらに自立度では、ランク3が障がい者、ランク4以上が特別障がい者として認定しているところであります。なお、申請から交付までの間は数日間を要しているところであります。
 そして、障がい者に準ずると認定されれば何がいいのかといいますと、障害者非課税措置、先ほど老年者非課税措置125万円以下というのがありましたけれども、あれは廃止になりましたけれども、障害者非課税措置125万円というのはまだありますので、いわゆる障害者認定を受ければ125万円以下の場合は非課税措置となるということが非常に大きな内容です。さらに障害者控除の当然対象者にもなるということで節税につながるところであります。
 なお、市長の答弁にありましたように、本市の場合、明らかに寝たきりだとわかった場合は特に福祉事務所長からの認定書がなくとも税金の申告の際に、いわゆる実情を説明してもらえれば控除されることもありますので、これらについても今後周知を図ってまいりたいと考えているところであります。
 それから5点目の介護保険の自己負担額と医療費控除との関係はどうなのかということです。
 医療費控除は、ご承知のとおり10万円以上、あるいは所得の5%を超えた分が所得から控除される制度でありますけれども、10万円以上というのは皆さんご存じな方も多いかと思いますけれども、所得の5%を超えた分もなるんだよと、こういうことが案外知られていないのではないかと考えております。ご指摘の介護保険の自己負担額につきましては、ちょっと差異がありまして特別養護老人ホームにつきましてはホテルコストを含めて支払った額の2分の1が控除の対象になる。老健施設とおおよその居宅介護サービスの自己負担額につきましては全額が対象となるということで取り扱いが異なっておりますけれども、いずれにしましても医療費控除の対象となりますので、これらにつきましても周知していきたいと考えております。
 以上です。
○岡崎賢治議長 小関教育長。
○小関正男教育長 5点ほど質問があったかと思います。
 そこで確か3問目にあったかと思うんですが、最近の通知表の改定の例を示してくれということがありましたので、そのことを最初に申し上げたいと思います。そのことがすべての質問に通じる気がいたしますので、最初に答弁をさせていただきます。
 若干調べましたけれども、平成16年度通知表改定ということで、体育の学習のねらいの一部見直しをして変更したという事例があります。そして平成18年、今年度ですけれども2年生、4年生、6年生の音楽と図工、配当単元に合わせて文章を変更しております。さらに総合的な学習の時間の記録についてでありますけれども、新たに欄を設けて評価をするようにしている、この点も変更であります。さらには選択教科の記入方法については通年で評価していたわけでありますけれども、前期・後期に分けて評価をしている、こういった変更点もあります。
 このように毎学期評価をしながら反省点を出しているわけでありますけれども、全体としては毎年1学期中に前年度の通知表を使用して改善する点があるかどうか、各校で見直された点を持ち寄って教務主任会、市の校長会の指導のもとに教務主任会で検討して見直しを図る、そして変更すべきものは変更する、こういうやり方でやっております。今回も各校、担当学年に十分周知しながら評価を行ったと聞いておりますし、そういったことが経過であります。
 今回の反省点の内容につきましては、そういった常日ごろ行われている変更の内容でありますので、格別保護者等への説明までは必要なかったものと委員長答弁のように理解しておるところであります。
 次に、茨城県の牛久市ですか、このことについての教育委員会のコメントをもとにしましての質問がありました。これにつきましては、子どもたちが発達段階に応じながら学習活動を行ってその達成状況を評価するというものでありまして、国を愛する心の信条を持っているかどうかというところを評価するものではもちろんないわけであります。したがいまして、牛久市のこの学習指導要領にただ準拠しているんじゃないかというコメントにつきましては、評価を論じる、通知表の評価等を論じる場合にはなかなか結びつかないと思っているところであります。
 次に、教育基本法の愛国心と評価についてということでありますけれども、これにつきましては義務教育としての小中学校の教育、いわゆる子どもたちの学習レベルでの評価を行うのが通知表の評価でもあります。したがって、先に委員長答弁にもありましたけれども各教科の学習内容等に関心をもって調べたり学んだりする、それを生かそうとしたりする力を評価するものであるということは当然でありまして、表記法の愛国心を論ずることと子どもの学習レベルでの評価を論ずるというのはやっぱり直結しないんじゃないかと考えております。愛国心というのはいろいろな、義務教育レベルでいえば小中学校のいろいろな学習をしながら愛国心というものが醸成されていくといいますか、そういったものであろうと思います。そういった意味では、いわゆる愛国心と通知表の評価というのは何か論議の土俵が違うといいますか、そんな気がしているところであります。義務教育はあくまでも子どもの学習状況を評価するものであるとご理解いただきたいと思っているところであります。
 以上です。
○岡崎賢治議長 1番今野 孝議員。
○1番(今野孝議員) ご答弁ありがとうございました。
 税金や保険料の激変緩和に関するご答弁の中に、昨年度は4名の方に対して障害者控除対象者認定書が発行されたとありました。4名という人数は本市の場合はちょっと少なすぎるんじゃないかという印象を持ったわけであります。介護保険の認定申請のときや高額介護医療費等の申請のときなど、周知策の強化を図るべきではないのでしょうか。ほかに当局が考えている周知方法としてどんな具体策をお持ちかお尋ねしたいと思います。
 愛国心に関する質問では必ずしもかみ合った答弁にはならなかったという感想を持っております。しかし、子育てと教育をめぐる情勢が依然として厳しい折り、さらには臨時国会で教育基本法の改定をめぐる審議が再開されようとしているとき、教育をめぐる論議ができたことは有意義なことであったと思います。しかし、国民であるならば誰であっても教育に対する発言権を有しているわけですから、この問題についてはもっともっと幅広い論議が展開されなければならないと思います。市民に対し情報を提供し、議論の活性化を図っていただくことを教育委員会に要望したいと思います。
 最後に蛇足になりますが、私は愛国心に反対するものではありません。子どもたちの内心を評価の対象にするのは憲法が保証する思想信条の自由を侵害するものだということで反対しているということを付け加えさせていただいて、私の質問を終わります。
○岡崎賢治議長 椎名総務部長。
○椎名和男総務部長 周知の具体策ということでありますけれども、介護認定審査の際にどうなんですかというご意見ですけれども、認定申請の際にはまだ医者の意見書とか、あるいは認定調査表がまだできておりませんので、その段階では無理かなと思っております。あくまでも、やはり市報を中心として周知を図っていきたいと考えております。今回は12月、いわゆる申告が始まる前の12月の市報でもって周知を図ってまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いしたいと思います。
○岡崎賢治議長 以上で、ご了解願います。

◎清野忠利議員質問

○岡崎賢治議長 次に、15番清野忠利議員。

   〔15番 清野忠利議員 登壇〕

○15番(清野忠利議員) 農政についてお伺いします。
 戦後最大の農政改革が早くも始まっている昨今です。昨年12月の一般質問で、この農政改革を行政としてどう進めるのかお伺いしました。この間、国、JA、政府でもいろいろな問題に直面し、なかなか大変だったようです。農地開放に次ぐ戦後最後の政策ではないかと認識をしています。政府は去る7月21日、農政改革予算を発表し、総額4,130億円の予算で決着しております。農政改革の3本の柱の予算内容は、1つは品目横断的経営対策に1,880億円、2つには米政策対策に1,846億円、3つは農地・水・環境保全向上対策に約300億円の予算配分が決まり、今後の農政を左右する状況であります。来年度から始まるこの改革に市及びJA、農家がどう取り組むか、農家が関心を持っている昨今です。JAは各農家にアンケートを行い、現在取りまとめ中とのことです。JAの方針は、集落営農を推進する方向で進めているようです。だが、集落営農組織の問題が山積しております。経理の一元化や減反政策もその一つです。私たち農家は昭和45年の減反政策での米価格の安定を願って政策に賛同して今日に至っております。ところが、来年度からは国及び行政は減反の政策を手離し、JAに委ねる政策であります。理解に苦しむ農政であります。今日まで農林課の業務としてその事務は大変な仕事でした。農政改革が実施されても減反政策は継続です。この政策をスムーズに行うにも行政とJAが一体となり農家に不安を持たせることのないようにすべきと考えますが、具体的な方策がありましたら教えてください。
 次の問題です。今回の3本の柱である農政改革は農地・水・環境保全対策の政策であります。この政策は東根市にとっては避けて通れない重要な政策の一つであると考えます。東根市は環境ISOを取得している市です。東根市ですから自然環境を守るのも大きな役目と考えます。この政策を実施するには、地域全体が主体となり環境を守る政策が必要です。農村の環境を守るためにも是非考えていくべきと思いますが、どのように考えているのかお伺いします。
 この政策の実行にあたって、市として非常に急ぐべきと考えます。実施するにはお金が必要です。この事業の内容は水田に10アール当たり4,400円、畑に2,800円、草地に400円が受け取れる制度であります。国と県と市町村が負担となっております。東根市の農地面積は約3,000ヘクタールです。市の負担割合も大きな数字になろうと存じます。来年度の予算に組み入れるべきと考えます。実施期間は平成19年から平成23年までの5年間です。資源保存のための共同活動の意思を高め、生産者だけでなく地域住民が一体となって農業生産の基盤保全という質的な向上を図ることが大事と思います。対策はどのように考えているのかお伺いします。
 次に、担い手対策の政策は12月にも質問しました。その後、全国では担い手づくりが加速していますが、東根市での進み具合はどうか。従来、農村には様々な営農組織があり、私たち小さいころは「結い」という協力協働の考えがありました。今回の政策は市場原理と農村の協力協働の大切さが試される政策であると思われます。しかし、これまでの集落営農の連携、県内の集落営農は東北の平均を下回っている状況であります。担い手の要件として経理の一元化などが大きな課題となっております。なかなか担い手対策が見えていない状況です。現段階での進捗状況はどのようになっているのかお伺いします。
 以上で登壇の質問を終わります。
○岡崎賢治議長 15番清野忠利議員の質問に対し、答弁を求めます。土田市長。

   〔土田正剛市長 登壇〕

○土田正剛市長 清野忠利議員の質問にお答えをいたします。
 農家の減少や高齢化、耕作放棄地の増大など農業農村が危機的な状況にあるため、国は昨年3月に新たな食料・農業・農村基本計画を閣議決定し、同年10月、地域の合意に基づき認定農業者や集落営農組織など担い手を中心とした農業に再編しようといる経営所得安定対策等大綱を決定いたしました。この大綱では、農産物の価格政策から農家の所得対策への転換として品目横断的経営安定対策、これと表裏一体をなす米政策改革推進対策の見直し、そして資源環境対策として農地・水・環境保全向上対策を展開することとしています。議員ご指摘の平成19年度の農政改革予算4,130億円は、これらすべての経営所得安定対策政策の事業規模であります。
 始めに、品目横断的経営安定対策でありますが、この対策はこれまで全農家を対象に品目ごとの価格に着目して講じてきた対策を、担い手に対象をしぼり経営全体に着目した対策に転換するものであります。具体的には、複数作物の組み合わせによる営農が行われている水田作及び畑作について、品目別ではなく担い手の経営全体に着目し、市場で顕著化している諸外国との生産条件の格差を是正するための対策となる直接支払いを導入するとともに、販売収入の変動が経営に及ぼす影響が大きい場合にその影響を緩和するための対策が実施されることになります。この支援を受けられる担い手は、認定農業者または兼業農家、高齢化農家など多様な構成員からなる集落営農組織が想定され、認定農業者につきましてはこれまでと同様に支援を行っていくとともに、集落営農組織につきましては初めての試みでもあることから県、農協等、関係機関と連携し、十分な情報提供や説明を行ってまいります。
 次に、米生産改革推進対策でありますが、この対策は平成16年度から平成18年度まで実施されております米の生産調整や水田を活用した作物の推進などの産地づくり対策、米価下落の一部補てんとして実施される稲作所得基盤確保対策、一定の要件を満たす担い手を対象に米価下落の上乗せを行う担い手経営安定対策、そして耕作による過剰米を小分け出荷保管する集荷円滑化対策を平成19年度から平成21年度まで品目横断的経営安定対策の導入や新たな受給調整システムへの移行に合わせ、担い手とそれ以外とを区別して対策を行うものであります。この見直しは現在のところ平成21年度までの対策となっておりますので、担い手以外の農家につきましては集落営農の組織化を推進し、品目横断的経営安定対策の支援が受けられるよう説明を行ってまいります。
 次に、農地・水・環境保全向上対策でありますが、この対策は品目横断的経営安定対策と車の両輪をなすものであり、食料の安定供給や多面的機能発揮の基盤となる農地・水・農村環境の良好な保全と質的向上を図るため地域振興対策として支援する制度であります。農業者だけでなく地域住民等の多様な主体が参画する活動組織が農地農業用水等の農業資源の保全向上に地域ぐるみで取り組む共同活動や、農村環境保全に向けた先進的な営農活動を支援するものであります。共同活動への支援につきましては、農振農用地区域10アール当たり水田は4,400円、畑が2,800円、草地が400円で、この負担割合は国が2分の1、県と市がそれぞれ4分の1となっております。また、先進的な営農活動は共同活動への上乗せになりますが、支援の単価につきましては今年度に決定される予定となっております。この取り組みは原則的に平成19年度からの実施であることから、農地・水等を管理している土地改良区とその周辺の地域住民との連携が必要であり、また、土地改良区の区域外の農地もあることから各自治会への説明を十分行ってまいります。
 次に、担い手対策の進捗状況についてのご質問でありますが、先ほどご説明申し上げましたように品目横断的経営安定対策は地域農業を担い手中心に地域の合意に基づき再編するものであります。これらは初めての試みであり十分な制度の理解が必要であることから、これまで農協等関係機関と協力して制度の周知を行ってまいりました。この対策の担い手として認定農業者または集落営農組織が位置づけされましたが、認定農業者につきましては東根市の農地面積等の状況から経営規模要件が4ヘクタールから2.8ヘクタールに、集落営農組織についてもその特例により20ヘクタールから14.2ヘクタールに緩和されました。また、農協で実施しました各農家へのアンケート調査では、高齢化や後継者不足等の理由から集落営農の必要性を感じているケースが多く寄せられており、多くの農家が集落営農に参加するのではないかと考えております。現在、農協やその支所単位で集落営農組織の設立に向けた話し合いを行っている状況でありますが、組織化につきましては地域のリーダーの存在が大きく影響されることから、県、農協等関係機関と連携してリーダーの育成や適切な情報の提供に努めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○岡崎賢治議長 15番清野忠利議員。
○15番(清野忠利議員) 市長からご答弁ありましたけれども、今の時期になって、ちょうど9月です、今年も。もう早いもので私が昨年12月に一般質問してからもう半年以上経っているわけです。その間の農家では、話になっているんですけれども、具体的な話が全然されていないという状況で不安がっている。先ほど登壇での質問の中でも、もう始まっていると私は言いました。これは全国的に見て、来年度の麦を植え付けはもう始まっているんです。その中で非常に東根市の今の農政のあり方は遅れている感じがする次第でございます。その中で私は一番今この政策の中で心配しているのは米政策の対策であります。今年度の稲作は恐らく平地では豊作になるんではないかなと私は予測しております。その中で稲作所得基盤確保対策で、今年までですと約全国で1,600億円の交付金だったんです。来年度からは1,770億円の予算が組まれております。今年度よりも来年度は生産所得基盤確保の対策では多くなっているわけです。その中で生産調整が非常に心配される状況であります。転作の推進から過剰米が多くなった場合、米の価格が下がり、農家の経営が直接圧迫されるんでないかという心配を持っています。私が先ほど言いましたように、昭和45年から米生産は絶対安定しなくちゃいけないんですよということで農協、あるいは市の行政あたりから指導ありまして減反を始めたわけですから、この基盤が揺るがされることによって農家の担い手、あるいは集落営農の組織化がなかなか進まないんでないかなという感じがしているわけであります。そんな中で米生産調整活動に市も協議会ということで中に入っていますが、来年からはJAに、農協に任されるわけですから、ただ農協にやったんだからもう市は構わないということでなくて、やはり市でも極力今までどおりに荷担していただいて、農家の不安を解消するのが今後の大きな課題と思います。その辺をお伺いしておきたいと思います。
 次に、先ほど市長からも答弁ありましたように環境なんです。東根市が環境ISOということでいろんな省エネ等ということの中で努力しているわけですけれども、農家の、農村の環境を守るにも今後東根市としては手をかけていかなければいけない状態だと思います。これに全国で300億円という、まだ全国的に見れば少ない来年度の予算でしょうけれども、平成19年から23年までの5カ年間の施策でありますので、これに乗るべきではないかと思います。これに乗るには、やはり土地改良区とか農協とか行政とかが関わらなくちゃいけないと思います。その中で、この中の300億円のほかに生物の再生などの問題に取り組む地域があれば約20万円から40万円の助成があると聞いております。近年、東根地区でもホタルなどはいない状況です。尾花沢市あたりまでホタルツアーということで見に行く状況であります。こんな状況の中で自然が崩壊されていることは間違いないということで、この生物が再生される施策がなされれば20万円から40万円の助成がなされると。いろいろな問題をクリアしなくてはならない状況だと思います。これを見ますと、今、農地・水・環境ということでいろいろ農家は対策をやっているわけですけれども、今やっている畦畔の草刈りや、あるいは水路の泥上げなど、また農道の砂利敷などやっております。それが補助を受けられるようになるようです。その中で土地改良区に入ってない畑とかそういう場所もあるわけなんです。その中をどのように今後していくのか、ひとつお考えをお聞かせ願えれば幸いと思います。そしてまた、これも予算化しなくてはいけないと思います。来年度から始まるんです。農家が手を挙げれば、土地改良区が手を挙げれば始めなくてはいけないわけです。市が4分の1を出さなくてはいけないわけです。畑で10アール当たり4,400円ということです。非常に大きな金額になるのでないかと私は懸念しております。この施策を是非東根市でも取り入れて環境対策を行っていただければ幸いと思います。
 次に、担い手の、米の政策と違いまして農業所得安定対策ということなんですけれども、山形県では東根市とか北村山地方とか最上地方が一番進んでいない状況です。どうしてかというと、やはり東根市とか最上地方とか村山地方は果樹とかいろいろな作物があり、米の一本化でありません。その辺でなかなか遅れているのでないかなという懸念をしております。その辺の考えがありましたらよろしくお願いしたいと思います。
 また、先般の山新の報道にもありましたように、東根市は県内でも2番目の農業生産額になっております。鶴岡市を抜いて2番目になっております。このように東根市はさくらんぼとか果樹にこだわったまちづくりの成果とみられると思いますが、平成19年からは米の生産コストの削減が進められるようですけれども、組織づくりなどすぐにでも取り組む必要と思われますので、今後のスケジュールなどもお聞かせ願えればよろしくお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○岡崎賢治議長 答弁を求めます。土田市長。
○土田正剛市長 詳細については担当部長に説明をさせますが、品目横断的安定対策と並んでこの大きな柱の一つであります農地・水・環境保全、これはご指摘のとおり大変私はいい制度だと思っております。ただ難点は、やっぱりその我々自治体から見れば非常にお金がかかるということであります。考えは大変結構なんでありますけれども、私は本来的には農地というのはこれまでも多く語られてきたように、国土の保全という役割を非常に大きな面で担ってきたわけであります。こういうことからすれば、私は本来ならば国でやるべき仕事じゃないかなと私はとらえております。なかんずく我々も大変なんでありますが、1兆円を超える累積県債を有しております県の立場からすると、これは大変な額になるのではないかなと思っております。例えば私どもの市だけでも水田、そして畑、草地等々全部が、恐らく初年度においては全部じゃないだろうと思いますが、だんだんだんだんその制度のよさというか、それはいわゆる末端の農家の方々というのは負担をしなくてもいいわけであります。ただ取り組みをやればいいということの意味でありますけれども、そういう意味からしますと、これはどんどん手を挙げる。加えて私どもの東根市だけでも一体どのぐらいのお金を負担すればいいんだろうかと。今のところ試算をしますと年間約3,000万円です。ですから、3,000万円の事業というものを私はこのたび5カ年計画でありますけれども、それでいいというものではないと思うんです。一旦やればこれはずっと続いていくということの内容だと私はとらえております。5年間の時限立法で終わるという問題じゃないんじゃないかなと思います。したがって、年間3,000万円の新たな負担が降ってわいたように地元の自治体に負担増になってくるということについては、私はやっぱり理解ができない。このたびこの問題を実施するにあたって、よろしく自治体の協力を求めたいということで先般、先般といっても大分なるわけでありますが東北農政局も県とともに私のところに訪れていろいろと説明をしました。同じことを私申し上げたわけであります。そして春の東北市長会の総会時にあたっても、この問題については実は国の方に要望する段取りにはなっていなかったんでありますが、多くの市長たちの指摘によって緊急にこの問題を来年以降実施するにあたっては交付税等でカウントをしていただかなければ到底これは受け入れることはできないということで、東北市長会の名のもとで実は緊急に陳情要請を行ったところであります。そういう意味で、非常に大変だなと思っております。と同時に個別に清野議員の質問に答える形になるかどうかわかりませんけれども、大部分の例えば東根市の農家の方々というのは、特に水田についてはいわゆる集落営農組織に属する部分が非常に大きいのじゃないかなと思います。その意味では、いわゆる仮に集落営農組織として組織化をしてリーダーを養成したとしましても、いわゆる確かに仕事の効率化というものは私は確実に進んでくるんじゃないかと思います。しかし、その結果において私は逆にその集落営農組織に支払われる単価、賃金というのは、逆に私は減ってくるのではないだろうかと考えると、やっぱり一長一短あるなと思いますし、あるいはいわゆる集団でやはり仕事をやらなければいけないということからすると、それに対する個人の農家としての抵抗感も出てくるのではないだろうか、様々な問題が集約されるのではないかなと思っております。確かに清野議員が指摘しましたように戦後の農地開放に次ぐような大改革であるかどうかということが指摘をされましたけれども、非常に担い手、あるいは認定農業者というのは議員も指摘したように大部分が水田を中心にしたもので、果樹はプラスアルファという存在の中で、この品目ごとの経営安定対策というのはいわゆる水田を中心とした改革であるわけであります。そういう意味では非常に切り捨て論にもなる政策ではないかということを考えるときに、一種の私は危機感を覚えておるわけでありますが、詳しい話については担当部長の方からその後の進捗状況なども含めて答弁をさせたいと思います。
○岡崎賢治議長 武田経済部長。
○武田國義経済部長 市長からありました農地・水・環境以外の部分について説明申し上げたいと思います。
 最初に米政策改革に対する市の予算、平成19年度からの予算という部分ですけれども、今年度の予算につきましては生産調整の現地確認等に要する事務費として約70万円ほど、さらに転作された作物に対し、農家に対する交付金ですけれども、これについては6,300万円ほど、合計で約6,500万円ほどが東根市の方に入っております。この金額については平成19年度に改正されたにしてもこの金額は入ってくるものだと思っているところでありますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、米の生産調整に係る事務が市から農協の方に平成19年度から変わるわけです。これまでも稲作の現地確認等の事務、さらに平成16年度からは米の生産数量の配分等については国・県・市、それから協議会を経まして市の方から各農家に配分の数量を提示していたわけです。これが平成19年からは、あくまでも情報を国が流す、国・県は情報を流す。その情報をもとに市が各農協の配分を決め、さらに市にある協議会の方でその農協ごとの調整、さらには担い手への調整等を図った数字をもとに農協が配分するという形になりますので、これら大きく変わるわけです。これらの部分については支障のないよう今後進めてまいりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、集落営農組織の進捗状況という形になります。議員からもありましたとおり、特に認定農業者については掘り起こしを今一生懸命頑張っているところですけれども、集落営農の部分についてはまだ組織化がなされておりません。それで、これは議員からありましたとおり最終的には法人化をしなければならない、さらに経営の一元化をしなければならないという部分で、これまでにない組織化になるわけです。ですけれども、この組織については今後稲作経営にあたっては大変必要なものになってくるんだと思いますので、県、関係機関の協力を得て、さらに各農協とともに積極的に推進していきたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
○岡崎賢治議長 15番清野忠利議員。
○15番(清野忠利議員) いろいろご報告やら対策などありました。先ほど市長が言ったように、農地・水、この農村環境ということなんですけれども、私も本来なら市が出すべきではないと思うんです。やはり国土保全の観点からみますと農地というのはダムの役割をしてますから。やはり4分の1ということと、耕地面積の大きさからすると膨大な、先ほど市長が言ったように3,000万円ぐらい年々必要でないかということなんですけれども、5年間で終わるわけでないわけですから、またこの事業が非常に地域的には非常に有効な事業でないかと私は思っているわけです。その点、今後とも市としまして国に対し地域、市町村が負担しなくてもいいような方向でこの政策をもっていくべきでないかと思っております。よろしくお願いしたいと思います。
 また、先ほど部長から答弁ありました米の生産調整なんですけれども、今度、今まで土田市長、あるいは青柳組合長ということで農家に指示が来てました。今度は組合長から指示が来るわけです。その辺になりますと、やはり今まで農家は国と県と、あるいは市ということで一緒になってこの生産調整をやってきたわけなんですけれども、農協からばかりですと行政が携われないのかという心配がありますので、その辺、先ほど2問目でも言いましたように極力、行政も携わっていただいて農家の不安にならないようにひとつ今後よろしくお願いして私の質問を終わりたいと思います。
 以上です。
○岡崎賢治議長 以上で、ご了承願います。

◎散     会

○岡崎賢治議長 以上で本日の日程は全部終了しました。
 本日は、これで散会します。御苦労さまでした。

   午後 2時11分 散 会